JP2008532412A5 - - Google Patents

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デュアル転送モード時における移動局の専用および共用リソースのハンドオーバ方法
本発明は、デュアル転送モードにおいて専用リソース(dedicated resource)および共用リソース(shared resource)をハンドオーバする方法、すなわち、回線交換およびパケット交換ベアラサービス同時に接続することに関する。本発明はまた、そのようなシステム、ネットワークの要素および通信装置に関する。
最初のGSM(Global System for Mobile communication;ジーエスエム)ネットワークは、音声サービス用に設計された。GSMデータサービスの使用が開始されたとき、回線交換(CS)ベアラサービスは、バーストを含む性質を持つ特定の種類のアプリケーションに特に適しているわけではないことが明らかになった。したがって、新しいパケット交換(PS)データ転送サービス、GPRS(General Packet Radio Service;ジーピーアールエス)もパケットサービスとして定義された。GPRSとは、GSMネットワークを利用したパケット無線ネットワークであり、移動局MSとGPRSネットワーク間のエアインターフェース上のGPRSプロトコル層を用いてデータパケット転送を最適化しようと試みるものである。
標準文書3GPP TS 23.060の「Service description; Stage 2」によれば、GPRS MSは3つのうち1つの動作モードで動作が可能である。
クラスA動作モード:MSは、GPRSおよび他のGSMサービスに帰属する。携帯電話利用者は、2つのサービスで同時に電話を掛ける、および/または受けることができる。例えば、通常のGSM音声電話で通話しながら、GPRSデータパケットを同時に受信することができる。
クラスB動作モード:MSは、GPRSと他のGSMサービスに帰属するが、当該MSは同時に1式のサービスしか操作することができない。
クラスC動作モード:MSは、GSMネットワークかGPRSネットワークのどちらか一方にしか帰属することができない。選択は手動で行われ、同時操作はできない。
提案されるアプリケーションはクラスA動作モードで動作するMSのふるまいに関する。
現行標準3GPP TS 44.018の「Radio resource Control Protocol」に基づき、インターセル(intercell,セル間)またはイントラセル(intracell,セル内)でのチャネル変更は、MSがデュアル転送モード(DTM)にあるときにネットワーク無線リソース(RR)副層によって要求されることができる。この変更は、ハンドオーバ手続を介して行うことができる。MSは、クラスA動作モードにある場合、そのパケットリソースを中断することができ、ターゲットセル内での専用チャネル(dedicated channel)のハンドオーバに成功したのち、それを再び要求することができる。文書GP-032475「PS Service Interruption Estimations for DTM Operation」において、内部ハンドオーバによるPSリソースのサービス停止時間は、約820ミリ秒であると予測されている。経路領域の変更およびセルの変更時に要求されるパケットのリカバリでは、この予測値より大幅に高くなることに留意すべきである。会話サービスによっては、これが受け入れられないものもあり、したがって、サービスのギャップは最小化されなければならない。
図1は、システムが現在どのように機能しているかを示したものである。これは、HANDOVER COMMAND(ハンドオーバ命令)メッセージ受信時にPSセッションがソースセル内で中断され、一方CSドメイン内でアクセスが行われ、RR信号リンクが確立されたところを示している。また、要求のためのDTM手順およびリソースの割り当て、そして最終的に、セル更新手順を含むパケットセッションの再確立をさらに示している。
3GPP TS 23.060 3GPP TS 44.018
したがって、本発明の課題は、上記の問題を克服することである。
本発明によれば、この課題は、インターセルまたはイントラセルの場合に、専用(CS)および共用(PS)リソースを同時にハンドオーバすることによって達成される。本発明の実施形態は、ハンドオーバの具体的なエアインターフェースソリューションを提供する。
それゆえ、クラスAモードで動作するMSの機能を強化することができることは、本発明の利点である。
本発明の1つの側面によれば、特定の接続モードにしたがい、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置における、専用および共用リソースをハンドオーバする方法が提供され、この方法は、通信装置によって使用される旧リソースから、通信装置によって使用される新リソースへの変更が、専用および共用リソースに同時に作用されるハンドオーバ手続を行うことを含む。
通信装置の接続モードは、通信装置は回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に有する、デュアル転送モードであってもよい。
第1の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、単一メッセージによって通信装置に新しい専用および共用リソースを通知することをさらに含む。
第2の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、通信装置の接続制御に関する個別のパラメータを1つ以上のメッセージに挿入することによって、通信装置に新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知することをさらに含む。
第3の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、新しい専用リソースのためのメッセージと、新しい共用リソースのためのメッセージからなる1対のメッセージによって通信装置に新しいリソースを通知することをさらに含む。
一変形例として、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージは、どちらも両メッセージを相互にリンクする識別子を含む場合、通信装置が新しいリソースを通知する1対のメッセージとして受信することよって特定されてもよい。
あるいは、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージは、新しい専用リソースのためのメッセージが、前記メッセージをその範囲でマークする識別子を含み、新しい共有リソースのためのメッセージが、新しい専用リソースのためのメッセージ受信の前または後に、所定時間内に通信装置に受信される場合、通信装置が新しいリソースを通知する前記1対のメッセージとして受信することよって特定されてもよい。
本発明のもう1つの側面によれば、特定の接続モードにしたがい、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置における、専用および共用リソースをハンドオーバするように構成されたシステムが提供され、このシステムはさらに、通信装置によって使用された旧リソースから前記通信装置によって使用される新リソースへの変更を、専用および共用リソースに同時に有効化しうるようにシステムの各要素が配される、ハンドオーバ手続を行うように構成される。
通信装置の接続モードは、通信装置が回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に有するデュアル転送モードとして構成されてもよい。
第1の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う構成は、単一メッセージによって新しい専用および共用リソースの通知を許可する、通信装置への動作可能な接続をさらに含む。
第2の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う構成は、通信装置の接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって新しい専用および共用リソースの通知を許可する、通信装置への動作可能な接続をさらに含む。
第3の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記構成は、新しい専用リソースのためのメッセージと、新しい共用リソースのためのメッセージからなる1対のメッセージによって新しい専用および共用リソースの通知を許可する、通信装置への動作可能な接続をさらに含む。
一変形例として、通信装置は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージを、そこに含まれる、両メッセージを相互にリンクする識別子によって新しいリソースを通知する1対のメッセージとして識別するように構成される。
あるいは、通信装置は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージを、新しい専用リソースのための前記メッセージ内の、前記メッセージをそのようにマークする識別子を検出し、新しい共用リソースのための前記メッセージの受信を、新しい専用リソースのためのメッセージの受信の前または後の所定時間内に検出することで、新しいリソースを通知する前記1対のメッセージとして識別してもよい。
本発明のさらにその他の側面によれば、特定の接続モードにしたがい、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置において、専用および共用リソースをハンドオーバするように構成されたネットワーク要素を提供し、このネットワーク要素は、専用リソースおよび共用リソースに対し、通信装置によって使用された旧リソースから通信装置によって使用される新しいリソースへの変更を同時に有効化しうるように通信装置に接続されることにより、ハンドオーバ手続を行うようにさらに構成される。
ネットワーク要素は、通信装置に、回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスにおいて、接続モードとして同時に通信ネットワーク上の通話を確立または受けるデュアル転送モードをさらに提供してもよい。
第1の実施形態によれば、ネットワーク要素は、通信装置に新しい専用および共用リソースを単一メッセージによって通知するようにさらに構成される。
第2の実施形態によれば、ネットワーク要素は、新しい専用および共用リソースを通信装置の接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって、通信装置に通知するようにさらに構成される。
第3の実施形態によれば、ネットワーク要素は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージからなる1対のメッセージによって、新しい専用および共用リソースを通信装置に通知するようにさらに構成される。
一変形例として、この構成は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージの両方に、これらを前記1対のメッセージとして識別することができるように識別子を挿入し、両メッセージを相互にリンクすることを含むことができる。
あるいは、この構成は、新しいリソースを通知する、前記1対のメッセージに属するとマークする新しい専用リソースのための前記メッセージに、識別子を挿入することを含むことができる。
本発明のさらにその他の側面によれば、特定の接続モードにしたがい、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用するように構成された通信装置が提供され、この通信装置は、専用リソースおよび共用リソースに対し、通信装置によって使用された旧リソースから、通信装置によって使用される新しいリソースへの変更を同時に有効化することでハンドオーバ手続を行うようにさらに構成される。
通信装置の接続モードは、回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスにおいて、同時に通信ネットワーク上の通話を確立または受けるデュアル転送モードとして構成されてもよい。
第1の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記構成は、単一メッセージによって新しい専用および共用リソースを通知されることをさらに含んでもよい。
第2の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記構成は、通信装置の接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって新しい専用および共用リソースを通知されることをさらに含んでもよい。
第3の実施形態によれば、ハンドオーバ手続を行う前記構成は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージからなる1対のメッセージによって、新しいリソースを通知されることをさらに含んでもよい。
一変形例として、通信装置は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージを、そこに含まれる、両メッセージを相互にリンクする識別子を検出することによって新しいリソースを通知する、1対のメッセージとして識別するように構成される。
あるいは、通信装置は、新しい専用リソースのためのメッセージおよび新しい共用リソースのためのメッセージを、新しい専用リソースのためのメッセージ内の、前記メッセージをそのようにマークする識別子を検出し、および新しい共用リソースのためのメッセージの受信を、新しい専用リソースのためのメッセージの受信の前または後の所定時間内に検出することによって新しいリソースを通知する、前記1対のメッセージとして識別するように構成されてもよい。
さらなる特徴、変形および利点は、添付の図面と合わせて示される、下記の好ましい本発明の実施形態の説明によって理解されよう。
従来の技術による、デュアル転送モードにある移動局のインターセルハンドオーバ手続を示し、および、 本発明による、デュアル転送モードにある移動局の専用および共用リソースのハンドオーバ手続を示す。
次に、本発明の詳細を好ましい実施形態と思われるものを参照して説明するが、これは本発明を制限するものではない。

〔第1の実施形態:DTM HANDOVER COMMANDメッセージの使用〕
デュアル転送モードにある間、MSは、MEASUREMENT REPORT(測定レポート)メッセージまたはENHANCED MEASUREMENT REPORT(拡張測定レポート)メッセージを定期的にネットワーク、つまり、移動元基地局サブシステムBSSに送信する。これらのメッセージは、現在のセルおよび隣接セルからの受信特性に関する受信測定結果を含む。測定メッセージの受信後、ネットワークは、例えばHANDOVER REQUIRED(ハンドオーバ要求)(CS用)メッセージおよびPS HANDOVER REQUIRED(PSハンドオーバ要求)(PS用)メッセージを送信し、専用および共用リソースのイントラセル(intra-cell,セル内)またはインターセル(inter-cell,セル間)ハンドオーバを開始する。その他の手法としては、両リソースがハンドオーバされるために必要な指示を含むことでHANDOVER REQUIRED(CS用)メッセージを強化する。
移動元および移動先基地局サブシステムとコアネットワーク要素間のシグナル伝達ののち、(MSC, mobile services switching center;移動サービスセンター、およびSGSN, serving GPRS support node;エスジーエスエヌ)および、専用および共用リソースの両方が移動先BSSに割り当てられることに成功した場合、HANDOVER COMMAND(ハンドオーバ命令)メッセージおよびPS HANDOVER COMMAND(PSハンドオーバ命令)メッセージがMSCおよびSGSNから、例えば、移動元BSSに送信される。その他の方途としては、両リソースが移動先BSSにハンドオーバされることのできる指示を含むことで、HANDOVER COMMANDメッセージを強化する。
PSおよびCSハンドオーバが発生することができるというコアネットワークからの指示を受信したのち、移動元BSSは、例えば、新しいDTM HANDOVER COMMAND(DTMハンドオーバ命令)メッセージをエアインターフェース上のMSに送信する。このメッセージは、MSが移動先セルに対してPSおよびCSハンドオーバを行うために必要な情報をすべて含むことを意味する。
本実施形態によれば、このメッセージを作成する手法は様々である。
(1)このメッセージをレイヤ3信号メッセージと定義すること(GSM/GPRS規格のRRプロトコル層)、および、レイヤ2信号メッセージのこのメッセージを(RLC/MAC protocol layer in GSM/GPRS standard)、例えば、既存のPACKET CS COMMANDメッセージまたは新しいメッセージにカプセル化し、これをpacket associated control channel(PACCH)に送信することは、好ましい手法である。
RRメッセージをDTMで送信するということは、LAPDmレイヤ2プロトコル(Dm channel上のリンクアクセスプロトコル)を使用して主要個別制御チャネル(dedicated control channel; DCCH)(ここで、高速付随制御チャネル(fast associated control channel; FACCH))を使用することを意味する。LAPDmのウィンドウサイズは1であり、このメッセージが、含んでいる情報の大きさ(CSおよびPS情報)により特に大きいため、LAPDmを使用すると、特にハンドオーバが行われていることを考えると時間がかかり過ぎることがある。
この場合、DTMにおいてRLC/MACプロトコル(radio link control;無線制御コントロール/media access control;メディアアクセス制御)もまた有効であるため、拡張RLC/MAC制御メッセージおよびセグメンテーションからの利益を受け、DTMハンドオーバの不要な遅延を回避することができる。RLC/MAC制御メッセージ内におけるRRメッセージのカプセル化は、文書3GPP TS 44.060の「Radio Link Control/Medium Access Control(RLC/MAC)protocol」で定義されている。
(2)別の手法は、カプセル化を用いずにこのメッセージをレイヤ2RLC/MAC制御メッセージと定義することである。
上記に記載の好ましい手法は、しかし、DTMハンドオーバ手続の開始がCSハンドオーバを開始するときにRRプロトコルによって行われるという問題を回避する。したがって、RRおよびRLC/MACプロトコル間の対話を定義するという複雑なプロセスは、該当するシグナル伝達がRLC/MACプロトコル内で定義される一方、手順はRRプロトコル内で定義されるため、上記に記載の好ましい手法にしたがって回避される。
(3)第3の手法は、このメッセージをCSハンドオーバのためのRRメッセージ(HANDOVER COMMANDメッセージ)をカプセル化し、PSハンドオーバのためのRLC/MAC具体的情報を含む、レイヤ2RLC/MAC制御メッセージと定義することである。これは、この層によって定義される、与えられた層の情報を保存することによって、必要な対話の量を制限することができる。
各選択肢について、いくらかのインタワーキングが異なるプロトコル層間に必要であるが、なお、RR層は、例えばその層で行われる測定に基づいてDTMハンドオーバ手続をトリガするプロトコルである。しかし、層の間のいくらかのインタワーキングはすでに既存のPACKET CS COMMANDメッセージに導入されている。
図2は、新しいDTM HANDOVER COMMANDメッセージとともに専用および共用リソースのシグナル伝達図を示す。
次に、本実施形態による新しいDTM HANDOVER COMMANDメッセージの構造を提示する。また、DTM HANDOVER COMMANDメッセージRAC、MAX_LAPDmおよびGPRS_MS_TXPWR_MAX_CCHパラメータに記載された情報要素は、そのメッセージに含まれる。
Figure 2008532412
Figure 2008532412

〔第2の実施形態:既存のHANDOVER COMMANDまたはDTM ASSIGNMENT COMMANDメッセージを新しいパラメータとともに使用〕
本発明の第2の好ましい実施形態によれば、文書3GPP TS 44.018の「Radio Resource Control Protocol」および文書3GPP TS 44.060の「Radio Link Control/Medium Access Control(RLC/MAC)protocol」に規定される既存のメッセージは、必要な不足パラメータを加えてDTMハンドオーバを可能にすることによって使用される。主要DCCH上のRR層に送信されたメッセージは強化することができ、それによって例えばHANDOVER COMMANDメッセージでは、第1の実施形態の提示に関連する上記に記載の類似パラメータが追加され、またDTM ASSIGMENT COMMANDメッセージでは、少なくとも周波数パラメータを追加する必要がある。RLC/MACレイヤーレベルにおいて、PACKET TIMESLOT RECONFIGUREまたはMULTIPLE TBF TIMESLOT RECONFIGURE(一時的ブロックフロー)メッセージが、例えば、追加された専用リソースパラメータとともに使用できる。
主要DCCH(main DCCH)へ送信されたHANDOVER COMMANDまたはDTM ASSIGNMENT COMMANDメッセージなどのようなRR制御メッセージの場合は、第1の実施形態と関連して上記で検討されたように、LAPDmプロトコルのウィンドウサイズの問題が存在する。
それ以外では、強化された現在のRLC/MACレベルメッセージの利益は、第1の実施形態に関連して新しいRLC/MACレベル制御メッセージに関して上記で説明されたものと同様である。

〔第3の実施形態:HANDOVER COMMANDおよびPS HANDOVER COMMANDの使用〕
本発明の第3の実施形態によれば、HANDOVER COMMANDおよびPS HANDOVER COMMANDメッセージの両方がDTMハンドオーバを行うために使用され、その場合、不要な遅延を回避するために、これらのメッセージを連続して送信しないことが好ましい(すなわち、HANDOVER COMMANDメッセージがすでに受信されている場合に限りBSSは例えばPS HANDOVER COMMANDメッセージのみを送信すると定義しない)。
既存のHANDOVER COMMANDメッセージにおいて、当該メッセージがDTM ハンドオーバ手続の一部として送信されたことを示す新しいパラメータが追加されることが必要である。文書3GPP TS 43.129の「Packet-switched handover for GERAN A/Gb mode; Stage 2」において、PSハンドオーバ関連の情報要素(IE)によって強化された既存のPacket Cell Change Order (PCCO)メッセージが、PS HANDOVER COMMANDとして使用されるのに適したメッセージであると明記されていることに留意すべきであり、同様の表示がPS HANDOVER COMMANDメッセージにおいて必要である。かかる表示(以後「PSCS HO Indication」と称する)は、単一のビットでもビット列(ランダムかどうかにかかわらず)でもよい。ビット列は、よりロバストなメカニズムを提供するために(すなわちHANDOVER COMMANDメッセージおよびPS HANDOVER COMMANDメッセージ間に独自のリンクを用意するために)採用されうる。ビット列は、MSが2つのメッセージ間の整合性検査を実行することを可能とするために両方のメッセージに含まれているものであることができる。
DTMハンドオーバとして理解されるために、DTMにおけるPS HANDOVER COMMANDメッセージの単独の受信もまた、定義されてもよいことに留意されるべきである、すなわち、これはHANDOVER COMMANDメッセージとリンクされる。その場合、「PSCS HO Indication」はDTMにおける従来のCSハンドオーバと区別するためにHANDOVER COMMANDメッセージ内に単独で含まれてもよい。これは、2つのメッセージ間に独自のリンクを提供しないが、十分であろう。
複数の手続を行うために、2つの別々のメッセージ(場合によっては「PSCS HO Indication」でリンクされる)を送信するためには、RRおよびRLC/MAC間の同期化が要求される。この目的のために、1つまたは2つのタイマーがMS側に使用されてもよい。

(ケース1:両メッセージ内の「PSCS HO Indication」)
タイマーT1は、タイマーT2が作動していない場合に限り、「PSCS HO Indication」を含むHANDOVER COMMANDメッセージを受信すると作動し始める。タイマーT1は、同じ「PSCS HO Indication」を含む、PS HANDOVER COMMANDメッセージを受信すると停止する。タイマーT1が終了すると、MSはHANDOVER COMMANDメッセージに指示されるとおりにCSハンドオーバを進める。
タイマーT2は、タイマーT1が作動していない場合に限り、「PSCS HO Indication」を含むPS HANDOVER COMMANDメッセージを受信すると作動し始める。タイマーT2は、同じ「PSCS HO Indication」を含む、HANDOVER COMMANDメッセージを受信すると停止する。タイマーT2が終了すると、MSはPS HANDOVER COMMANDメッセージを破棄するか、あるいは、タイマーT2が終了すると、PS HANDOVER COMMANDメッセージに従うこともまた考慮される。

(ケース2:HANDOVER COMMANDメッセージ内単独における「PSCS HO Indication」)
タイマーT1は、タイマーT2が作動していない場合に限り、「PSCS HO Indication」を含むHANDOVER COMMANDメッセージを受信すると作動し始める。タイマーT1は、PS HANDOVER COMMANDメッセージを受信すると停止する。タイマーT1が終了すると、MSはHANDOVER COMMANDメッセージに指示されるとおりにCSハンドオーバを進める。
タイマーT2は、タイマーT1が作動していない場合に限り、PS HANDOVER COMMANDメッセージを受信すると作動し始める。タイマーT2は、「PSCS HO Indication」を含むHANDOVER COMMANDメッセージを受信すると停止する。タイマーT2が終了すると、MSはPS HANDOVER COMMANDメッセージを破棄するか、あるいは、タイマーT2が終了すると、PS HANDOVER COMMANDメッセージに従うこともまた考慮される。
同様のことは、タイマーを1つ用いても達成され、上記に記載のケースと区別することに留意されるべきである(タイマーは不足するハンドオーバメッセージを保護する。終了すると、MSは受信したHANDOVER COMMANDを進める(または、PS HO COMMANDメッセージだった場合、これを廃棄する))。
(タイマーの代わりの)別の選択肢は、HANDOVER COMMANDメッセージに伝達された開始時間パラメータまたはPACKET CELL CHANGE ORDERメッセージ(おそらくエアインターフェースにおけるPSハンドオーバメッセージ)に伝達されるIMMEDIATE_RELパラメータを使用することである。ネットワークがエアインターフェースを通して最初に伝達されたメッセージ(HANDOVER COMMANDまたはPS HANDOVER COMMANDメッセージのどちらか一方)内に開始時間を指定し、MSは別のハンドオーバメッセージの受信を待機し、一方、与えられた開始時間は、移動先セル内の割り当てられたリソースに移動するまで作動する。開始時間が終了し、MSが別のハンドオーバメッセージを受信していない場合、最初のハンドオーバメッセージにおいて与えられた情報を実行する。
DTMハンドオーバを成功させるためには、本実施形態はMS側の追加の同期化要求が必要であることに留意すべきである。
本実施形態は、HANDOVER COMMANDを暗号にする可能性を維持するという利点を有する。

〔すべての実施形態:DTM HANDOVER COMMANDまたは別のメッセージ受信時の移動局の応答〕
低次層の接続の確立に成功したのち、移動局は、「通常の事象」の発生を示す、既存のHANDOVER COMPLETE(ハンドオーバ完了)メッセージを、主要DCCHのネットワーク上に戻す。
このメッセージの移動局側への送信およびネットワーク側での受信は、RR管理以外のシグナル伝達層メッセージの伝達の続行を許可する。
DTMハンドオーバ手続は、MSがデュアル転送モードに入ったときに正しく完了する。
本発明によれば、MSはPSリソースを維持することができ、パケットサービスのためのより質のよいサービスを得ることができる。
本発明は、さらなる利点とともに、いわゆるGERANシステム(GSM Enhanced Data in GSM Radio Access Network−GSM EDGE RAN)に適用されると考えられる。
目下好ましい本発明の実施形態であると考えられるものが上記で説明されたが、本発明の種々の変化が、添付の請求項によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で可能であることは、当該技術に精通した者には理解されるであろう。
それゆえ、上記で説明されたことは、特定の接続モードにしたがい、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置において、専用および共用リソースをハンドオーバする方法であって、前記通信装置によって使用された旧リソースから、前記通信装置によって使用される新リソースへの変更が、専用および共用リソースに同時に有効化されるハンドオーバ手続を行うことを含む方法である。

〔出願当初の特許請求の範囲の記載の実施形態〕
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載されていた、本発明の好適な実施形態は、次の通りである。
(1)特定の接続モードに従い、通信ネットワークの回線交換およびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置における、専用および共用リソースのハンドオーバ方法であって、前記通信装置によって使用された旧リソースから、前記通信装置によって使用される新リソースへの変更が、専用および共用リソースに同時に有効化されるハンドオーバ手続を行うことを含む方法。
(2)前記通信装置の前記接続モードは、前記通信装置が回線交換ベアラサービスとパケット交換ベアラサービスを同時に有するデュアル転送モードにある、(1)に記載の方法。
(3)ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、単一メッセージによって前記通信装置に新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知することをさらに含む、(1)に記載の方法。
(4)ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、前記通信装置の接続制御に関する個別のパラメータを1つ以上のメッセージに挿入することによって、前記通信装置に新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知することをさらに含む、(1)に記載の方法。
(5)ハンドオーバ手続を行う前記ステップは、新しい専用リソースのためのメッセージと、新しい共用リソースのためのメッセージとを含む1対のメッセージによって、前記通信装置に前記新しいリソースを通知することをさらに含む、(1)に記載の方法。
(6)前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージは、それらを受信する前記通信装置により前記1対のメッセージとして識別され、前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージが、どちらも両メッセージを相互にリンクする識別子を持っている場合、前記1対のメッセージが新しいリソースを通知するために使用される、(5)に記載の方法。
(7)前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージは、それらを受信する前記通信装置によって前記1対のメッセージとして識別され、前記1対のメッセージは: 前記新しい専用リソースのための前記メッセージが前記新しい専用リソースのための前記メッセージをそのようにマークする識別子を持ち、前記新しい共用リソースのための前記メッセージが、前記新しい専用リソースのための前記メッセージ受信の前または後の所定時間内に前記通信装置に受信される場合に、新しいリソースを通知するために使用される、(5)に記載の方法。
(8)特定の接続モードに従い、通信ネットワークの回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置において、専用リソースおよび共用リソースをハンドオーバするように構成されたシステムであって、前記通信装置によって使用された旧リソースから前記通信装置によって使用される新しいリソースへの変更、専用リソースおよび共用リソースに対して同時に有効化されうるように前記システムの各要素が配される、ハンドオーバ手続を行うようにさらに構成されるシステム。
(9)前記通信装置の前記接続モードは、前記通信装置が前記回線交換ベアラサービスおよび前記パケット交換ベアラサービスを同時に有するデュアル転送モードであるように構成される、(8)に記載のシステム。
(10)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを単一メッセージによって通知するための機能構成を前記通信装置に設けることをさらに含む、(8)に記載のシステム。
(11)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、前記通信装置の前記接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって、新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知するための機能構成を、前記通信装置に設けることをさらに含む、(8)に記載のシステム。
(12)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、新しい専用リソースのためのメッセージと、新しい共用リソースのためのメッセージとを含む1対のメッセージによって、前記新しいリソースを通知するための機能構成を前記通信装置に設けることをさらに含む、(8)に記載のシステム。
(13)前記通信装置は、新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージを、そこに含まれる、両メッセージを相互にリンクする識別子を検出することによって、新しいリソースを通知する前記1対のメッセージとして識別するように構成される、(12)に記載のシステム。
(14)前記通信装置は、前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージを前記1対のメッセージとして識別するように構成され、前記1対のメッセージは、前記新しい専用リソースのための前記メッセージをそのようにマークする、前記新しい専用リソースのための前記メッセージ内の識別子を検出し、および前記新しい共用リソースのための前記メッセージの受信を、前記新しい専用リソースのための前記メッセージの受信の前または後の所定時間内に検出することで、新しいリソースを通知するために使用される、(12)に記載のシステム。
(15)特定の接続モードに従い、通信ネットワークの回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置において、専用リソースおよび共用リソースをハンドオーバするように構成されたネットワーク要素であって、前記ネットワーク要素は、前記通信装置によって使用された旧リソースから前記通信装置によって使用される新しいリソースへの変更を、専用リソースおよび共用リソースに対して同時に有効化しうるように前記通信装置に接続されることにより、ハンドオーバ手続を行うようにさらに構成されるネットワーク要素。
(16)前記通信装置が、前記接続モードとしての、前記回線交換ベアラサービスおよび前記パケット交換ベアラサービスを同時に有するデュアル転送モードを、前記通信装置に提供するようにさらに構成される、(15)に記載のネットワーク要素。
(17)前記通信装置に新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを単一メッセージによって通知するようにさらに構成される、(15)に記載のネットワーク要素。
(18)前記通信装置の前記接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって、前記通信装置に新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知するようにさらに構成される、(15)に記載のネットワーク要素。
(19)前記新しい専用リソースのためのメッセージと、前記新しい共用リソースのためのメッセージとを含む1対のメッセージによって、前記通信装置に前記新しいリソースを通知するようにさらに構成される、(15)に記載のネットワーク要素。
(20)前記構成は、新しい専用リソースのための前記メッセージおよび新しい共用リソースのための前記メッセージの両方に、これらを前記1対のメッセージとして識別することができるように識別子を挿入する手段を含み、前記1対のメッセージは新しいリソースを通知し、両メッセージを相互にリンクするために使用される、(19)に記載のネットワーク要素。
(21)前記構成は、新しい専用リソースのための前記メッセージに識別子を挿入し、前記新しい専用リソースのための前記メッセージを、新しいリソースを通知する前記1対のメッセージに属するようにマークする手段を含む、(12)に記載のネットワーク要素。
(22)特定の接続モードに従い、通信ネットワークの回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に使用するように構成される通信装置であって、前記通信装置は、専用リソースおよび共用リソースに対し、前記通信装置によって使用された旧リソースから、前記通信装置によって使用される新しいリソースへの変更を同時に有効化することでハンドオーバ手続を行うようにさらに構成される装置。
(23)前記通信装置の前記接続モードは、前記通信装置が前記回線交換ベアラサービスおよび前記パケット交換ベアラサービスを同時に有するデュアル転送モードにあるように構成される、(22)に記載の通信装置。
(24)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、単一メッセージによって新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知する手段をさらに含む、(22)に記載の通信装置。
(25)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、前記通信装置の前記接続制御に関する1つ以上のメッセージに挿入された個別のパラメータによって新しい専用リソースおよび新しい共用リソースを通知する手段をさらに含む、(22)に記載の通信装置。
(26)ハンドオーバ手続を行う前記構成は、前記新しい専用リソースのためのメッセージと、前記新しい共用リソースのためのメッセージとを含む1対のメッセージによって、前記新しいリソースを通知する手段をさらに含む、(22)に記載の通信装置。
(27)前記通信装置は、前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージを前記1対のメッセージとして識別するように構成され、前記1対のメッセージは、そこに含まれる、両メッセージを相互にリンクする識別子を検出することによって新しいリソースを通知するために使用される、(26)に記載の通信装置。
(28)前記通信装置は、前記新しい専用リソースのための前記メッセージおよび前記新しい共用リソースのための前記メッセージを前記1対のメッセージとして識別するように構成され、前記1対のメッセージは、新しい専用リソースのための前記メッセージをそのようにマークする、前記新しい専用リソースのための前記メッセージ内の識別子を検出し、および前記新しい共用リソースのための前記メッセージの受信を、前記新しい専用リソースのための前記メッセージの受信の前または後の所定時間内に検出するために使用される、(26)に記載の通信装置。
(29)コンピュータで読み込み可能な媒体に組み込まれたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、特定の接続モードに従い、通信ネットワーク回線交換ベアラサービスおよびパケット交換ベアラサービスを同時に使用する通信装置において、専用リソースおよび共用リソースをハンドオーバする方法を実行するために使用され、該方法が、前記通信装置によって使用された旧リソースから、前記通信装置によって使用される新しいリソースへの変更が、専用リソースおよび共用リソースに対して同時に有効化されるハンドオーバ手続を行うことを含む、コンピュータプログラム。
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