JP2008531570A - 3−(r)−3−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[3,4−b]キノリン−9−オンの有効かつ立体選択的大規模合成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、勃起不全治療用の効力のある選択的PDE5阻害剤としての(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピロロ{3,4-b}キノリン-9-オンを大規模に立体選択的に製造するに適した効率の良い方法および前記ベンゾフラニルピロロキノロンの製造で用いる鍵となる中間体ばかりでなく前記化合物を用いた製薬学的組成物および治療方法にも関する。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2005年2月25日付けで出願した米国仮特許出願連続番号60/656354および2005年3月29日付けで出願した米国仮特許出願連続番号60/665954(これらは引用することによって全目的で全体が本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
本発明は、勃起不全治療用の効力のある選択的PDE5阻害剤としての(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピロロ[3,4-b]キノリン-9-オンを大規模に立体選択的に製造するに適した効率の良い方法および前記ベンゾフラニルピロロキノロンの製造で用いる鍵となる中間体ばかりでなく前記化合物を用いた製薬学的組成物および治療方法にも関する。
いろいろな置換ピロロピリジノン誘導体はホスホジエステラーゼ阻害剤としてとして用いるに有用である(特許文献1)。特許文献1には更に前記ピロロピリジノン誘導体の製造方法も数多く開示されている。
特許文献1の系列の特許および公開には特許文献2、3、4、5、6(これらは引用することによって全目的で全体が本明細書に組み入れられる)が含まれる。
そこに記述されている興味のもたれる化合物は、とりわけ、化合物 65(特許文献1の74頁に示されている実施例50Aに記述されている#65を指す)および化合物136(特許文献1の101頁に示されている実施例92に記述されている#136を指す)である。そのような化合物を合成する時の重要な中間体は(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン化合物であり、これは本明細書の以下に示す如き式(A)で表される。
Figure 2008531570
光学的に高純度のピロロキノロンをPictet-SpenglerおよびWinterfeldt反応で合成することが非特許文献1に報告された。この論文では、キラル補助基の除去で接触水添条件を用いると過度に還元を受けた副生成物が5-15%もたらされ、そして所望生成物は94%e.e.であったことから、最終生成物の光学的純度を向上(>97% e.e.)させる目的で追加的キラルHPLC精製を行う必要があった。従って、前記式Iで表される化合物を大規模に製造するに適した効率の良い鏡像選択的合成が求められている。
本発明の合成経路は数多くの様式で有利である。出発材料であるトリプタミンおよび2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-カルボキサルデヒドは商業的に入手可能で安価でありかつ本経路では中間体および最終生成物を精製しようとしてクロマトグラフィーによる精製を行う必要もない。その上、(R)-鏡像異性体を(S)-鏡像異性体から分離する目的で用いる分割用反応体であるN-アセチル-D-ロイシンの回収も化学的および鏡像異性体的に高純度で実施する。その(S)-鏡像異性体富化混合物にエピマー化を受けさせることでほぼラセミ型の混合物を高(>93%)収率で生じさせ、それに分割を再利用した分割用反応体を用いて受けさせることで、所望の(R)-鏡像異性体を化学的および鏡像異性体的に高純度の状態で追加的に33 ± 3% 収率で得る。これらの工程は全部大規模化可能でありかつ再現可能である。
2001年11月22日付けで公開されたWO 01/87882 米国特許第6,818,646号 米国特許第6,635,638号 2005年5月26日付けで公開された米国特許出願2005/0113402(A1) 2004年3月24日付けで公開された米国特許出願2004/0044021(A1) 2002年1月24日付けで公開された米国特許出願2002/0010183(A1) Tetrahedron Letters 2002,43,8941-8945
発明の要約
本発明は、一般式 I
Figure 2008531570
[式中、
X は、-CH2-,NH,OおよびSから成る群から選択され、
R は、H, C1-10アルキル,C1-6アルキルオキシで置換されているC1-10アルキル、またはハロ,アリール,ヘテロアリール,複素環,C(O)-C1-10アルキル,C(O)-アリール,C(O)O-C1-10アルキルまたはC(O)O-アリールで置換されているC1-10アルキルから選択される]
で表される化合物を効率良く鏡像選択的に合成するに適した簡潔で実用的な商業的方法および効率の良い製造方法に向けたものである。
本発明は、容易に入手可能なトリプタミンと式 IIで表されるアルデヒドを縮合させて式XIで表されるシッフ塩基を生じさせる段階を1番目の段階とし含んで成る方法を提供する。
前記式XIで表されるシッフ塩基の製造は、適切な溶媒、例えばキシレン,トルエン、または水と共沸する他の溶媒など中で実施可能である。
Figure 2008531570
好適には、反応中に生じた水をトラップ、例えばDean-Stark装置などを用いて除去する。その縮合段階が終了した時点で溶媒を除去、例えば減圧下の蒸発などで除去してもよい。
次に行う閉環では、前記式XIで表されるシッフ塩基を適切な溶媒、例えばジクロロメタンなどに溶解させてもよい。適切な酸、好適には強ブレンステッドもしくはルイス酸、例えばトリフルオロ酢酸などを触媒として添加する。
Figure 2008531570
この反応を式IIIで表されるテトラヒドロ-β-カルボリン誘導体が環化するに充分な温度で充分な時間実施する。適切な温度は使用する溶媒に依存する。例えば、60℃以下,好適には50 ℃未満の温度を用いてもよい。処理後に結果として得た式IIIで表されるテトラヒドロ-β-カルボリン誘導体を単離した後、精製してもよい。この反応を好適には不活性雰囲気、例えば窒素雰囲気下などで実施してもよい。その結果として得る式IIIで表されるテトラヒドロ-β-カルボリン誘導体は、式XIIで表される(R)-鏡像異性体と式XIIIで表される(S)-鏡像異性体のラセミ混合物である。
Figure 2008531570
次の段階は、式IIIで表されるテトラヒドロ-β-カルボリン誘導体と化学量論的量のN-アセチル-D-ロイシンを有機溶媒、好適には極性溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールなど中で反応させる段階である。好適には、その混合物を式IVで表される化合物の(R)-鏡像異性体塩が化学的および鏡像異性体的に高純度でもたらされるに充分な温度に充分な時間加熱する。その(R)-鏡像異性体は結晶性固体として生じ、それは本質的に(S)-鏡像異性体を含有しない。その母液には式IVで表される(R)-鏡像異性体塩と式VIで表される(S)-鏡像異性体塩の混合物が入っており、それに(S)-鏡像異性体の方向に向かう富化を受けさせる。
そのような加熱に適した温度範囲の例は30 ℃から80 ℃の温度範囲である。本発明の一例は、約40℃から約 70 ℃の範囲内の反応温度である。その反応混合物に式 IIIで表される中間体を好適には特定時間かけて分割した様式で添加してもよい。式IIIで表される中間体に分割をN-アセチル-D-ロイシンを用いて受けさせることができたことを予想外に見いだした。本方法を用いると高い鏡像異性体過剰度が得られる。
本発明の一例は鏡像異性体過剰度が約 80 %である。別の例は鏡像異性体過剰度が約90 %である。別の例は鏡像異性体過剰度が約 95 %である。別の例は鏡像異性体過剰度が約 97 %以上である。
Figure 2008531570
前記反応で鏡像異性体過剰度がもたらされることが期待されない場合には、純度がより高い材料を得る目的で再スラリー方法を用いることができる。
結果として得た母液を再利用方法の目的で取っておいてもよい。所望塩を単離した後、その母液に濃縮乾固を受けさせてもよく、そしてその結果として得た固体状材料を適切な溶媒、例えばジクロロメタンなどに溶解させてもよい。適切な塩基、例えばアルカリ金属の水酸化物、例えばNaOHなどを添加してもよい。その塩基は水中の溶液として特定の濃度(例えば1N)で添加可能である。
その結果として得た反応混合物を適切な時間撹拌してもよい。適切な時間は例えば5から30分、好適には約15分である。相分離を起こさせた後、その有機相に凝縮乾固を受けさせ、エピマー化の目的で取っておいてもよい。水相を約 0 ℃から約 15 ℃の範囲の温度に冷却した後、適切な酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸などで酸性にしてもよい。その酸を好適にはpHが約1に到達し得るように濃形態にする。次に、その酸性水相を撹拌してもよい。その濃酸の添加は一般に発熱過程であることから、濃酸の添加をゆっくりと実施してもよい。
その結果として生じた固体を単離した後、適切に洗浄、例えば水(好適には脱イオン水)などを用いて低温で洗浄してもよい。その固体を乾燥、例えば空気吸引などで乾燥させてもよく、そしてオーブンに入れて約 146から約 210 hPaの範囲内の真空下に置く。その乾燥用オーブンの中の温度を約 30 ℃から約 90 ℃の範囲、好適には約60 ℃にして、適切な時間乾燥させる。適切な時間は約4時間から約 24時間の範囲である。本発明の一例は16時間である。
その結果として得た固体は、さらなる精製無しに再び用いるに充分な純度を有する形態の分割剤であるN-アセチル-D-ロイシンである。これは本発明の方法を大規模、例えば産業的規模などに適用しようとする時に有利であり得る。
本方法の他の独創的面の1つは、式 VIで表される中間体から式 Vで表される中間体を生じさせるエピマー化である。このエピマー化は本方法を大規模、特に産業的規模に適用しようとする時に非常に有利であり得る。望まれない鏡像異性体を所望の鏡像異性体に変化させることができると、それによって、そのような工程に経済的利点が加わる。
前記N-アセチル-D-ロイシンを回収する工程段階で記述した有機相から回収した固体を適切な溶媒、例えば非極性溶媒、例えばジクロロメタンなどに入れて懸濁させてもよい。
その懸濁液を不活性雰囲気、例えば窒素下などで撹拌してもよい。その懸濁液を好適には約 0℃から約 15 ℃の範囲の温度、好適には約 10 ℃の温度に冷却してもよい。次に、その混合物に酸、例えばトリフルオロ酢酸などを添加してもよい。その酸を好適には一度ではなく適切な時間かけて添加してもよい。前記酸を添加した後の反応混合物を加熱してもよい。その温度は使用する溶媒に依存する。
例えば、ジクロロメタンを用いる時には、反応混合物をこの混合物の沸点、即ち約40℃に加熱することで、その温度を還流下に適切な時間維持してもよい。適切な時間は約4時間から約48時間、好適には約10から約24時間の範囲であり得る。本発明の一例は約16時間である。
その後、前記混合物を約20℃に冷却してもよく、そして好適には撹拌を行いながら、好適にはアルカリ溶液、例えばNaOH溶液、例えばNaOHの7%水溶液などを適切な時間をかけて添加してもよい。適切な時間は使用する実際の反応体および反応体の量に依存する。適切な時間は約5分から2時間の範囲、好適には約 20分間である。
2相が生じ、そして相分離を起こさせた後、その有機相を食塩水で洗浄しそして次に濃縮乾固させてもよい。その結果として得た材料を真空オーブンに入れて約 146 hPaから約
210 hPaの範囲内の圧力の真空下に置いてもよい。その材料は式Vで表されるラセミ型中間体であり、これをそのまま再び用いて分割を受けさせてもよい。
本方法における次の段階は、6員環の中の窒素原子に保護を受けさせる段階であり得る。窒素原子用の保護基がいくつか利用可能である。本技術分野で公知のいろいろな保護方法が文献、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版、John Wiley & Sons,1999などから公知である。
例えば、式IVで表される(R)-鏡像異性体塩を化学量論的過剰量の置換アリルハライド,アリールハライドまたはアリール-アルキルハライド、または置換アルキル/アリールカルボン酸ハライド、またはジアルキル/ジアリールジカーボネートと無機もしくは有機塩基、例えば炭酸カリウムまたはトリエチルアミンなどの存在下で反応させてもよい。
この反応を溶媒中で式VIIで表される化合物である(R)-鏡像異性体のN-アリル-またはN-アリール-またはN-アルキル/アリールカルボニルまたはN-炭酸のアルキル/アリールエステルが生じるに充分な温度で充分な時間実施してもよい。前記手順後の濾液には一般に式VIIで表される化合物の(R)-鏡像異性体が入っており、そして式Xaで表される化合物である分割用反応体のカリウム塩が固体として存在する。
興味の持たれることに、ハロゲン化ベンジル、好適には臭化ベンジルを用いて前記窒素を保護することができる。この場合の反応温度の範囲は0 ℃から60 ℃である。この反応を好適には不活性雰囲気、例えば恒常的窒素流下などで実施する。反応処理を本技術分野で公知の方法に従って実施してもよい。
Figure 2008531570
その後、N-アセチル-D-ロイシンを回収することができる。そのN-アセチル-D-ロイシンの純度はN-アセチル-D-ロイシンを分割剤として再使用するに充分な程高くあり得る。
この合成の次の段階は酸化的転位である。この転位では、式VIIで表される保護された(R)-鏡像異性体に化学量論的に大過剰量の酸化剤を用いた処理を相移動触媒の存在下で受けさせる。
この反応を溶媒中で式VIIIで表される化合物である(R)-鏡像異性体のN-アリル-またはN-アリール-またはN-アルキル/アリールカルボニルまたはN-炭酸のアルキル/アリールエステルが生じるに充分な温度で充分な時間実施する。
Figure 2008531570
この反応は、適切な酸化剤、例えば過酸化カリウムなどと適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミドなどを不活性な雰囲気、例えば窒素下などで混合しそしてその混合物に適切な相移動触媒、例えばAliquat(R) 175(メチルトリブチルアンモニウムクロライド)などを添加することで実施可能である。
その反応混合物を加熱した後、その混合物に式(VII)で表される中間体を適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミドなどに溶解させて添加してもよい。その結果として得た反応混合物を撹拌しながら反応物を20℃から80 ℃、好適には40 ℃から60 ℃の範囲の一定温度に適切な時間保持してもよいが、その時間は数時間、例えば4 時間などであり得る。
その反応が終点に到達した時点で、その反応混合物を冷却した後、窒素雰囲気下で急速撹拌しながら水、好適には脱イオン(D.I.)水を添加してもよい。撹拌を適切な時間実施した後、その反応混合物をハロゲン化水素酸、好適には塩酸の溶液で酸性にしてもよい。
その結果として生じた固体を濾過で単離してもよく、その後、その濾液を適切な溶媒、例えば水などで洗浄してもよい。次に、その結果として得たケーキを空気吸引を伴わせて乾燥させた後、真空オーブンに入れて146から210 hPaの真空下に約 60 ℃の温度で数時間、例えば16 時間置いてもよい。
その結果として得た固体を適切な溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールなどに入れて高温、例えば当該アルコールの沸点などで再びスラリー状にした後、冷却しそしてそ
の結果として得た混合物を濾過することでさらなる精製を実施してもよい。
その後、式 VIIIで表される中間体に脱保護を受けさせてもよい。
脱保護方法は、使用した保護基に依存する。
例えば、式IIIで表されるN-アリル-またはN-アリール-またはN-アルキル/アリールカルボニルまたはアルキル/アリールエステル置換N-炭酸(R)-鏡像異性体を水素圧下で化学量論的量の酸の存在下のアルコール系溶媒中で式IXで表される(R)鏡像異性体の塩が生じるに充分な温度で充分な時間反応させてもよい。使用可能な適切な触媒は白金または本技術分野で公知の別の触媒であり得るが、炭に担持されているパラジウムが好適であり得る。その反応槽を窒素でパージ洗浄した後、その反応槽を水素でパージ洗浄しそして次にその反応槽内に適切な水素圧(適切な圧力は約3450kPaの範囲である)を保持してもよい。
Figure 2008531570
脱保護を受けさせたピロリジンキノリノンから出発して興味の持たれる数多くの化合物を製造することができる。
定義
用語“C1-10アルキル”は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘わらず、炭素原子数が1から10の直鎖もしくは分枝鎖一価炭化水素アルキル基もしくは連結用アルキルジイル基[前記基は、炭素原子1個から水素原子を1個除去することで生じ、そして連結用のアルキルジイル基は、鎖中の2個の炭素原子の各々から水素原子を1個ずつ取り除くことで生じる]、例えばメチル,エチル,1-プロピル,2-プロピル,1-ブチル,2-ブチル,t−ブチル,1-ペンチル,2-ペンチル,3-ペンチル,1-ヘキシル,2-ヘキシル,3-ヘキシル,1-ヘプチル,2-ヘプチル,3-ヘプチル,1-オクチル,2-オクチル,3-オクチル,1-ノニル,2-ノニル,3-ノニル,1-デシル,2-デシル,3-デシルなどを意味する。その例にはC1-8アルキル,C1-6アルキルおよびC1-4アルキル基が含まれる。
用語“C1-6アルキルオキシ”は、炭素原子数が1から6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルオキシ基、例えばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,ペントキシ、ヘキソキシなどを意味する。アルコキシ基は中心分子と結合していてもよくかつ示す場合には更に置換されていてもよい。
用語“ハロ”はフルオロ,クロロ,ブロモおよびヨードを包含することを意味する。
用語“アリール,”は、この用語を単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘わらず、環系の炭素原子1個から水素原子が1個除去されることで生じる芳香環式炭化水素環基を指す。典型的なアリール基には、フェニル,ナフタレニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、アントラセニルなどが含まれる。
用語“芳香”は、不飽和共役π電子系を有するシクロアルキル系炭化水素環系を指す。
用語“ヘテロアリール”は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘わらず、環系の環炭素原子1個から水素原子が1個取り除かれることで生じる複素芳香環式炭化水素環基を指す。典型的なヘテロアリール基には、フリル,チエニル,ピロリル,オキサゾリル,チアゾリル,イミダゾリル,ピラゾリル,イソオキサゾリル,イソチアゾリル,オキサジアゾリル,トリアゾリル,チアジアゾリル,ピリジニル,ピリダジニル,ピリミジニル,ピラジニル,インドリジニル,インドリル,アザインドリル、イソインドリル,ベンゾ[b]フリル,ベンゾ[b]チエニル,インダゾリル,アザインダゾリル,ベンゾイミダゾリル,ベンゾチアゾリル,ベンゾオキサゾリル,ベンゾイソオキサゾリル,ベンゾチアジアゾリル,ベンゾトリアゾリル,プリニル、4H-キノリジニル,キノリニル,イソキノリニル,シンノリニル、フタルジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフチリジニル,プテリジニルなどが含まれる。
用語“複素環”は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘わらず、炭素もしくは窒素環原子1個から水素原子が1個取り除かれることで生じる飽和もしくは部分不飽和単環式環基を指す。典型的なヘテロシクリル基には、2H-ピロール,2-ピロリニル、3-ピロリニル,ピロリジニル,1,3-ジオキソラニル,2-イミダゾリニル(また、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾリルとも呼ばれる),イミダゾリジニル,2-ピラゾリニル,ピラゾリジニル,テトラゾリル,テトラゾリジニル、ピペリジニル,1,4-ジオキサニル,モルホリニル,1,4-ジチアニル,チオモルホリニル,ピペラジニル,アゼチジニル,アゼパニル,ヘキサヒドロ-1,4-ジアゼピニル,ヘキサヒドロ-1,4-オキサゼパニル,テトラヒドロフラニル,テトラヒドロチエニル,テトラヒドロピラニル,テトラヒドロピリダジニル,1,3-ベンゾジオキソリルまたは2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルなどが含まれる。
用語“化学的に高純度”は、HPLC分析(面積正規化%)で測定して化学的純度が90%以上、より具体的には化学的純度が95 %以上、好適には化学的純度 が98%であることを意味する。
用語“鏡像異性体的に高純度”は、キラルHPLC分析(面積正規化%)で測定して鏡像異性体過剰度(e.e.)が90%以上、より具体的には鏡像異性体過剰度が95 %以上、好適には鏡像異性体過剰度が97%以上であることを指す。用語“鏡像異性体過剰度”は標準的化学教科書で定義される如くである。
本明細書で用いる如き語句“本質的に(S)-鏡像異性体を含有しない”は、当該化合物の(S)-鏡像異性体含有量が約4%未満、好適には約2%未満であることを意味する。
用語“強ブレンステッド酸”は、プロトン供与体である有機もしくは無機酸を意味し、それには、硫酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、置換安息香酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸およびトリフルオロ酢酸が含まれる。塩酸、p-トルエンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸の使用が好適である。トリフルオロ酢酸の使用がより好適である。
用語“ルイス酸”は、電子対を受け取る空の軌道を有する分子種のいずれか、例えばハロゲン化アルミニウム(例えばアルミニウムの塩化物、臭化物またはヨウ化物)、ハロゲン化ホウ素(例えばホウ素の三塩化物、三臭化物または三フッ化物)、ハロゲン化アンチモン[例えばアンチモン(III)/(V)の塩化物、フッ化物またはヨウ化物]、ハロゲン化鉄[例えば鉄(III)の塩化物または臭化物]、ハロゲン化錫[例えば錫(IV)の塩化物、臭化物またはヨウ化物]およびハロゲン化亜鉛(例えば亜鉛の塩化物または臭化物)などを意味する。塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化錫(IV)または塩化鉄(III)の使用が好
適である。塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素の使用がより好適である。
用語“有機塩基”は有機の第三級アルキル/アリール/複素環式アミンを意味し、これには、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N-置換ピペリジン、N-置換モルホリン、置換ピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノノ-5-エン(DBN),1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DabcoTM)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデコ-7-エン(DBU)および1,1,3',3'-テトラメチルグアニジン(TMG)が含まれる。トリエチルアミン,N-置換ピペリジン,ピリジンまたはDBUの使用が好適である。トリエチルアミンまたはDBUの使用がより好適である。
語句“置換 アリルまたはアリールハライド”は、直鎖もしくは分枝アリルハライドおよび置換ベンジルハライドを意味し、これには、アリルクロライド、アリルブロマイド,メチルアリルクロライド,メチルアリルブロマイド,置換ベンジルクロライド,ベンジルブロマイド,ベンジルヨージドが含まれる。置換アリルブロマイド,ベンジルクロライドまたはベンジルブロマイドの使用が好適である。ベンジルブロマイドの使用がより好適である。
語句“置換アルキル/アリールカルボン酸ハライド”は、直鎖もしくは分枝C2-C6アルキルカルボン酸もしくは酸ハライドおよび置換アリールカルボン酸もしくは酸ハライドを意味し、これには、アセチルクロライドもしくはブロマイド,プロピオニルクロライドもしくはブロマイド,2-メチルプロピオニルクロライドもしくはブロマイド,ブチリルクロライド,2-メチルブチリルクロライド,2-エチルブチリルクロライド,2-メチルペンタノイルクロライド,2-エチルペンタノイルクロライド,シクロペンタニルカルボン酸クロライド,ヘキサノイルクロライド,2-メチルヘキサノイルクロライド,2-エチルヘキサノイルクロライドおよびシクロヘキサニルカルボン酸クロライドが含まれる。置換アリールカルボン酸ハライドには置換フラン-2-カルボン酸もしくは酸クロライド,2-チオフェンカルボニルクロライド,ニコチノイルクロライド,置換ベンゾイルクロライドが含まれる。置換フラン-2-カルボン酸もしくは酸クロライドまたは2-チオフェンカルボン酸クロライドの使用が好適である。置換フラン-2-カルボン酸もしくは酸クロライドの使用がより好適である。
用語“ジアルキル/ジアリールジカーボネート”は、直鎖もしくは分枝ジアルキルジカーボネートおよび置換ジアリールジカーボネートを意味し、それにはジアリルジカーボネート,ジ-t-ジブチルジカーボネートおよびジベンジルジカーボネートが含まれる。ジ-t-ジブチルジカーボネートまたはジベンジルジカーボネートの使用が好適である。ジベンジルジカーボネートの使用がより好適である。
用語“酸化剤(oxidative agent)”または“酸化剤(oxidant)”は、炭素−炭素二重結合を2個のカルボニルに開裂させ得る無機もしくは有機酸素含有化合物を意味し、そのような酸化剤には、過塩素酸ナトリウム、過ホウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過酸化カリウム(KO2),過硫酸ナトリウム,次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、一重項酸素,酸素(O2),オゾン,3-クロロ過安息香酸(mCPBA)またはペルオキシモノ硫酸カリウム(OXONE(R),E.I.Dupont DeMoursブランドのペルオキシモノ硫酸カリウム)が含まれる。本発明の一例は、過酸化水素、mCPBA,OXONE(R),過酸化カリウム,O2/NaHまたはt-BuOKなどの如き反応体の使用を包含する。過酸化水素または過酸化カリウムの使用が好適である。
用語“相移動触媒(PTC)”は、有機アルキル/アリール第四級アンモニウムハライド塩を意味し、これには、メチルトリブチルアンモニウムクロライド(Aliquat(R)175),トリカプリリルメチルアンモニウムクロライド(Aliquat(R) 366),テトラエチルアンモニウムブ
ロマイド(TEAB),テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB),トリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび1,4,7,10,13,16-ヘキサオキサシクロオクタデンカン(18-クラウン-6)が含まれる。Aliquat(R)175,Aliquat(R) 366または18-クラウン-6の使用が好適である。Aliquat(R) 175の使用がより好適である。
本発明の態様のより詳細な説明
スキーム Iに、式 Iで表される化合物を得ることが可能な工程の概略を示す。このスキームを例として示す。
Figure 2008531570
スキームIに示した段階の詳細を本明細書の以下に示す。
段階1
式 3の化合物の生成は、トリプタミンと式 2で表されるアルデヒドのPictet-Spengler縮合反応を溶媒の存在下で起こさせてシッフ塩基をインシトゥで生じさせることを伴う。
好適な溶媒はトルエンであるが、また、他の芳香族炭化水素、例えばキシレンなど、またはエーテル、例えばジグライム(2-メトキシエチルエーテル)などを用いることも可能である。
この縮合反応を通常はトリプタミンと化合物 2の反応混合物をトルエンに入れて不活性な雰囲気、例えば窒素またはアルゴン下などで還流温度に加熱することで実施する。水を反応混合物から除去することで反応を完了にまで進行させる。水の除去をトルエン(または使用する他の溶媒)と水の共沸蒸留をDean-Starkトラップの存在下で行うことで達成する。
その反応物をシッフ塩基の生成が完了するに充分な時間、好適には少なくとも6 時間から約10時間還流させる。中間体であるシッフ塩基から化合物 3を生じさせる環化は酸触媒を用いた工程であり、その反応速度は反応で用いる濃度、温度、溶媒および酸に依存する。そのようなシッフ塩基が室温の芳香族炭化水素中で示す溶解度は低い。シッフ塩基化合物が完全に生成(>95%)したことをHPLCおよびLC-MS分析で測定する。減圧下の蒸留で芳香族炭化水素溶媒の約80体積%を除去する。
その反応混合物を40 ℃未満に冷却した後、等しい体積(80%)の塩素置換炭化水素、例えば塩化メチレンなどを加え、その中で環化を化学量論的過剰量の酸の存在下で起こさせる。トリフルオロ酢酸(TFA)が好適であるが、また他の強ブレンステッド酸、例えばメタンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸など,またはルイス酸、例えば 塩化アルミニウムおよび三フッ化ホウ素などを用いることも可能である。その酸性の反応混合物を室温で環化が完了するに充分な時間、好適には少なくとも16時間から約24時間撹拌する。
その反応混合物をアルカリ水溶液で塩基洗浄して余分なTFAを除去することで式 3で表される遊離アミンを得る。飽和炭酸水素ナトリウム溶液が好適であるが、また、他の一般的アルカリ溶液、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどを用いることも可能である。前記ハロゲン置換炭化水素溶媒を蒸留で除去(>90体積%)した後、その粗化合物3を酢酸エチルとヘキサンの溶媒混合物(3/5;体積/体積)に約50±5 ℃で溶解させ、その混合物を還流に好適には少なくとも10分から約30分間加熱することで均一な溶液を生じさせる。
その溶液を室温になるまで1−2時間かけて徐々に冷却し、必要ならば種晶を添加した後、結果として生じたスラリーを氷水温度で好適には少なくとも16 時間から約24 時間撹拌する。式3で表される化合物である結晶性ラセミ混合物を濾過で単離した後、真空オーブンに入れて55 ℃で乾燥させることで化学的純度が97.4%のラセミ型化合物3を> 84%の収率(トリプタミンを基にして)で得る。
段階2
本発明では、式10で表されるN-アセチル-D-ロイシンを分割剤として用いて式3で表されるラセミ型化合物に分離を受けさせることで式4で表されるN-アセチル-D-ロイシン塩を良好な収率(3サイクルに渡って70%)および化学的および光学的に高純度(>97 % e.e.)で得る。N-アセチル-D-ロイシンの調製をJ.Am.Chem.Soc.,1951,73,3359-3360に記述されている改良方法を用いて実施する。
本発明は、Synthesis and Applications of Isotopically Labeled Compounds,7巻,170-173,2001(U.PleissおよびR.Voges編集,John Wiley & Sons,Ltd.)[これには、別のラセミ型β-カルボリンに化学的分割を受けさせる2段階方法が記述されており、その方法は1番目の段階で(R)-(-)-または(S)-(+)-樟脳スルホン酸を用いそして次に2番目の段階で(R,R)-(+)- または(S,S)-(-)-酒石酸を用いてβ-カルボリン塩の所望(R)-もしくは(S)-鏡像異性体を光学的に高い純度(>99% d.e.)で29-33%の収率で生じさせている]に公開された従来技術の方法に比べてずっと向上している。
本発明の方法では、1種類のみの分割剤、即ちN-アセチル-D-ロイシンを用いて式4で表されるN-アセチル-D-ロイシン塩を結晶性固体として生じさせた後に濾過でそれを化学的に高い純度(>97%)および光学的に高い純度(>97%e.e.)で32-35%の収率で集めることを1段階で実施する。
その母液は主に式5で表される化合物であるN-アセチル-D-ロイシン(S)-鏡像異性体富化塩混合物であり、それを段階6で(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15%/85%から35%/65%の範囲の混合物)に再循環させる。その(S)-鏡像異性体富化遊離塩基に段階7でさらなる変換を受けさせることで式3で表されるほぼラセミ型の混合物を生じさせ、そして段階6でナトリウム塩N-アセチル-D-ロイシンを分割剤として回収する。
この再利用過程によって、更に2回のサイクル後に、化学的および光学的に高い純度(>97%e.e.)の式4で表されるN-アセチル-D-ロイシン塩を追加的に38%の収率で得る。この再利用過程を新しい不純物が生じることなく少なくとも3回繰り返すことができる。本発明の段階2は、式10で表される化合物である分割剤を4.5±0.5モルの量で約5から9リットル、より好適には6から7リットルのメタノールに入れることで生じさせた溶液を50 ℃に加熱することを特徴とする。他の溶媒、例えばエタノール、2−プロパノールおよびアセトニトリルなども使用可能であるが、メタノールが好適である。式3で表されるラセミ型化合物を化学量論的1当量(4から6モル,より好適には4.5から5.5モル)の量で45℃から65
℃の好適な範囲の温度、より好適には約 50から55 ℃の範囲の温度で添加する。
酢酸エチル(1から3 リットル、より好適には1.5から2.0 リットル)をゆっくり加えた後、生じた混合メタノール/酢酸エチル(4.4/1.0)溶媒系中の濃密なスラリーを50から70℃、より好適には約 62から55 ℃の範囲の温度に10から40分間、より好適には20から30分間加熱する。その反応混合物を加熱および冷却している工程の間、好適には、不活性雰囲気、例えば窒素またはアルゴン下などで撹拌する。その反応混合物を20℃に約 1から10 時間、好適には2から3 時間冷却しそして約 16から24時間、好適には 18から20 時間撹拌した後、式4で表される化合物である光学的に高純度のN-アセチル-D-ロイシン塩を濾過で単離し、氷冷メタノールで洗浄した後、乾燥させる。
メタノールを単独で用いると非常に濃密なスラリーがもたらされ、これは濾過が困難で収率は低い(21%)が、光学的純度は高く(>97% e.e.)、エタノールまたは2-プロパノールを用いると光学的純度が低い塩(<90%e.e.)がもたらされ、酢酸エチルまたはアセトンを用いると分割が得られない。単離した式IVで表される塩の鏡像異性体的純度が97% e.e.未満の時にメタノール/酢酸エチル(5.0/1.0)溶媒再スラリー方法を用いると光学的純度が改善される。
段階3.
式4で表される塩のN-アルキル化で用いる保護用反応体はアリールハライドまたはジアルキル/ジアリールジカーボネート、例えばジベンジルジカーボネート,ベンジルクロライドもしくはブロマイドであり、それを炭酸カリウムの存在下で用いるが、ベンジルブロマイドの使用がより好適である。式10で表される分割剤が存在していてもN-ベンジル化が妨害されることはなく、かつ式 10で表される分割剤を塩化メチレン中で式 10aで表される不溶なカリウム塩に変化させる時にクロマトグラフィーを用いる必要はなく、それを濾過で単離した後、段階8で式10で表される分割剤に変化させる。溶媒を濃縮で除去すると、式7で表される高純度のN-ベンジル置換化合物が光学的に高い純度(>97%e.e.)で定量的収率で得られる。
本発明の段階3の工程は、2.5 ± 0.5モルの式4で表される塩および2.2当量の炭酸カリウムを20℃の塩化メチレンに入れて仕込んで約 5から30 分間、好適には 10から20 分間撹拌することを特徴とする。また、他の無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび炭酸ナトリウムなども使用可能であるが、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムがより好適であり、炭酸カリウムの微粉末(〜325 メッシュ,Aldrich)が最も好適である。ベンジルブロマイドを化学量論的に若干過剰量(約 1.0から1.5当量、より好適には約1.01から1.1 当量)で約 10から40 分間、好適には20から25 分間かけて加える。
その反応混合物を好適には不活性雰囲気、例えば窒素またはアルゴンなど下20 ℃で約20から60 分間、好適には30から40 分間撹拌する。その反応混合物を30 ℃から40 ℃、好適には38 ℃から40 ℃に約 8から16 時間、好適には10から12時間穏やかに加熱する。次に、その反応物を20 ℃に冷却し、不溶な白色固体を濾過で集め、その濾過ケーキを塩化メチレンで洗浄した後、乾燥させることで式 10aで表されるカリウム塩を定量的収率で得る。
その濾液の溶媒を濃縮で除去することで光学的に高純度の式7で表されるN-ベンジル置換化合物を得る。式IVで表される塩のN-ベンジル化を非塩素置換溶媒、例えばアセトンまたはアセトニトリルなど中で起こさせることでも反応は完了するが、式10aで表されるカリウム塩の3-5%はアセトンまたはアセトニトリルに可溶である。しかしながら、この特別な段階では塩化メチレンがより好適である。
段階 4.
式7で表される化合物の従来技術のWinterfeldt酸化(Liebigs Ann.Chem.,1971,745,23-30)では、酸素をカリウムt-ブトキサド(t-BuOK)または水素化ナトリウム(NaH)の存在下のジメチルホルムアミド中で用いることで式8で表される化合物を45-48%生じさせている(Tetrahedron Letters 2002,43,8941-8945)。スケールアップすると前記収率が20%にまで降下することから、生成物の精製をカラムクロマトグラフィーで実施する必要があった。
修飾Winterfeldt酸化では、低コストの過酸化カリウム(KO2)を高価な1,4,7,10,13,16-ヘキサオキサシクロオクタデンカン(18-クラウン-6)を相移動触媒(PTC)として1当量存在させてDMF中で用いている(Organic Letters,2003,5,43-46)。KO2を本明細書に示すように修飾して用いた方がKO2 を元々のWinterfeldtプロトコルに記述されている従来技術に従って用いた時よりも、塩基に敏感な基質に関して優れており、生成物が35-58%の収率でもたらされ、その後、それをカラムクロマトグラフィーで精製した。
本発明の方法は、KO2 を2から5 モル、好適には 3から4モルの量でDMF(1から2 リットル)に入れて安価な水溶性触媒であるAliquat(R) 175(メチルトリブチルアンモニウムクロライド)(式VIIで表される化合物を基準にして20モル%)の存在下で仕込むことを特徴とする。また、他の相移動触媒、例えば Aliquat(R) 366(トリカプリリルメチルアンモニウムクロライド)、テトラエチルアンモニウムブロマイドまたはトリエチルベンジルアンモニウムクロライドなどを用いることも可能である(Organic Letters,2003,5,43-46)。
Aliquat(R) 175が好適な触媒であり、これは反応が4時間以内から長くて約8時間で完了するように触媒作用を及ぼし、これは処理中の除去が容易である。また、テトラヒドロフラン(THF)またはジメチルスルホキサイド(DMSO)などの如き溶媒を用いることも可能であるが、DMFが好適である。その反応混合物を30から50℃、より好適には 40から45 ℃に約 20から40 分間、好適には 20から25 分間温める。
その加熱、冷却または処理過程を実施している間、その反応混合物を好適には不活性な雰囲気、例えば窒素またはアルゴン下などで撹拌する。式7で表される化合物(0.3から1.0
モル、より好適には0.5から0.8 モル)をDMF(0.3から1.0リットル、より好適には0.4から0.6リットル)に入れることで生じさせた溶液を30から60分間、好適には 30から40 分間かけて加える。反応温度を30 ℃から60 ℃、好適には 40 ℃から60 ℃、より好適には 45
℃から50 ℃の範囲に維持するが、これを化合物7をDMFに入れて添加する速度を注意深く調整することで調節する。
反応を45 ℃以上で開始させ、そして潜在的発熱反応が4から6 時間持続する可能性があり、その場合、反応温度を約40 ℃から60 ℃の範囲に維持する。しかしながら、反応温度が60 ℃より高いと反応温度が3分以内に115 ℃に到達する可能性がある。この反応では冷却−加熱循環装置と連結させておいたジャケット付き槽を用いてもよい。
その反応混合物を約 40 ℃から60 ℃、好適には 45 ℃から50 ℃でHPLC分析データで反応混合物に入っている式7で表される出発化合物の測定量が約5%、好適には3%未満になるまで約 4から8 時間、好適には 4から 6 時間撹拌する。その反応物を20 ℃に冷却した後、その結果として生じたスラリーを別の反応槽にゆっくり移し、それに急速撹拌を伴わせて水(4から6リットル)および氷(4から6 kg)を約 20から60 分間、好適には 30から40 分かけて仕込む。
気体(酸素(O2))の発生が止んだ後、水溶液のpHを3Nの塩酸溶液で約7から10、好適には8から9の範囲のpHに調整する。固体を濾過で単離し、水で洗浄した後、乾燥させることで式 8で表される粗材料を61%の収率で得る。その反応溶液の収率は少なくとも70%から85%以下である(1H-NMRで測定した時にバッチからバッチで変わる)。前記式8で表される粗化合物に再結晶化をメタノールを用いて約 40から65 ℃、好適には 55から65 ℃で受けさせることで式 8で表される高純度の化合物を化学的に高い純度(>97%)および光学的に高い純度(>97%e.e.)で42%の反応収率で得る。また、化合物8の回収収率を高める目的で溶媒であるエタノール,2-プロパノールまたはメタノールと水の混合物(1/1)を用いることも可能である。
段階 5.
式8で表されるキラルN-ベンジル化合物の従来技術方法による水素化分解はエタノール中で0.20当量のPd(活性炭に10%担持)を触媒として存在させかつ1当量の塩酸塩を存在させて2413hPaから3102 hPaの水素圧下25 ℃で約 5 時間実施された。そのような従来技術の方法を用いると過度に還元を受けた生成物が約 5%生じ、>94%e.e.の式Aで表される所望生成物の収率は72%であり、Tetrahedron Letters 2002,43の8943頁に記述されているようにキラルHPLCによる精製を実施する必要があった。
本発明の方法は、0.6から1.2 モル、好適には 0.8から1.0 モルの式 8で表されるN-ベンジル化合物をメタノールに入れてフロアスタンド(floor stand)の6-L Parr圧力反応槽に不活性な雰囲気、例えば窒素またはアルゴンなど下20℃で穏やかに撹拌(300から500 rpm,400 rpmが好適である)しながら仕込むことを特徴とする。溶媒そしてエタノールまたは2-プロパノールを用いることも可能であるが、メタノールが好適である。
6Nの塩酸(HCl)溶液を若干過剰量(1.01当量)で加えるが、1Nから10NのHCl溶液を用いてもよく、3Nから8Nが好適であり、5Nから6Nがより好適である。Pd(活性炭に5%担持)を触媒量(0.067当量)で加えるが、炭素に担持されている触媒Pdをより少ない量で用いることも可能であり、例えば0.03から0.05当量の量で用いることも可能である。反応槽に水素(1380hPa下)を用いたパージ洗浄を2回受けさせる。
その反応混合物を2758 hPaから4136 hPa、より好適には 3102hPaから3792 hPa、最も好適には 3309 hPaから3947 hPaの水素圧下20から30 ℃、好適には23から28 ℃ で約 4から6 時間、より好適には4 時間撹拌する。
反応が完了した後、Celite(R) 545カートリッジに通す濾過で触媒を取り出した後、メタノールで洗浄する。その濾液を濃縮した後、乾燥させることで化学的に高い純度(>97%,HPLC面積%)および光学的に高い純度(>97% e.e;キラルHPLC面積%)の式9で表される塩を定量的収率(99.6%)で得る。
段階 6.
式 5で表される(S)-鏡像異性体富化塩(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 %の混合物から35 % / 65 %の混合物の範囲)から(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 %の混合物から35 % / 65 %の混合物の範囲)を生じさせる両方の変換を段階 6で実施すると本発明の方法がより経済的かつ効率良くなる。(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 %の混合物から35 % / 65 % の混合物の範囲)に更に段階7でエピマー化を受けさせることで式3で表される化合物であるラセミ混合物を生じさせると同時にこの段階で(ばかりでなく段階8でも)前記分割剤のカリウム塩およびナトリウム塩を式10で表される遊離酸として回収する。
溶媒であるメタノールを除去した後、その結果として得た材料を塩化メチレン(6.0L)に溶解させそして1Nから5 N、好適には 1Nから3Nの水酸化ナトリウム溶液(2から6 リットル,好適には3から4 リットル)と一緒に約 10から30 分間、好適には 15 から20 分間激しく撹拌する。相分離を起こさせた後、その有機相に濃縮乾固を受けさせることで(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 % の混合物から35 % / 65
% の混合物の範囲)を得る。
前記分割剤のナトリウム塩が入っている水相を0 ℃に冷却した後、その水相のpHを濃塩酸溶液の添加でpH= 1に調整する。これは発熱工程であるが、溶液の温度を前記溶液の添加速度を制御することで0 ℃から5 ℃、好適には 0 ℃から2 ℃の範囲に維持する。この酸の添加が終了した後、その白色のスラリーを0℃で約 20から60 分間、好適には 30から40 分間撹拌する。次に、その固体を濾過で単離し、冷水で洗浄した後、乾燥させることで式10で表される分割剤を73から80%の収率で化学的に高い純度(>98%,HPLC面積%)および光学的に高い純度(>97%,e.e.;キラルHPLC面積%)で回収する。
段階 7.
段階6で得た(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体の混合比が約15 %/85 %から約 35 %/65 %の範囲)に段階7でエピマー化を受けさせることで式3で表されるほぼラセミ型の混合物(R-/S-鏡像異性体の混合比が約44 %/56%から約 50%/50%の範囲)を生じさせる。
本発明の方法は、約 5から約 8 リットル、好適には約 6から約 7 リットルの体積の塩化メチレンに前記化合物を約2から約 5 モル、好適には約 3から約 4 モルの範囲で仕込むことを特徴とする。その懸濁液を不活性な雰囲気、例えば窒素またはアルゴン下などで撹拌しながら約0から約 10 ℃、好適には約 6から約 10 ℃の温度に冷却する。TFAを過剰量(4から8 モル、好適には6から7 モル)で30から60 分間、好適には30から40 分間かけて加える。そのTFAの添加は発熱工程であり、その懸濁液が均一な溶液になり、そして添加後、その溶液の温度を冷却によって約 25から30 ℃にする。
その反応混合物を加熱して約 30から40 ℃、好適には 36から38 ℃で12から24時間、好
適には 16 から18 時間穏やかに還流させる。更にTFA(0.2から0.5当量)を添加してもよく、そしてその反応物をエピマー化が完了するまで長時間還流させてもよい(キラルHPLC分析で測定してR-/S-鏡像異性体が44 % / 56 %から50 % / 50 %の範囲)。
その反応物を20 ℃に冷却した後、激しく撹拌しながら5から20%、好適には 7から10%の水酸化ナトリウム溶液を20から40分間かけて加える。他のアルカリ溶液、例えば水酸化カリウム、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなどを用いることも可能である。その有機相を分離し、食塩水で洗浄した後、濃縮することで式3で表される化合物を化学的に高い純度(>97%,HPLC面積%)で93%得、そしてそれを段階3で更に式 10で表される分割剤と一緒に用いることで式4で表される(R)-鏡像異性体を2リサイクル後に36%以上の収率で得るが、新しい不純物は全く検出されない。
段階 8.
段階3で生じたカリウム塩 10aから式10で表される分割剤を生じさせる変換は、本発明の段階6に記述した工程と同様な工程である。段階 8は、2から5 モル、好適には 3から4 モルの式10aで表されるカリウム塩を3から6 リットル、好適には 4から5 リットルの水に溶解させそしてその溶液を約0から10 ℃、好適には 0から4 ℃に冷却することを特徴とする。その水溶液のpHを濃塩酸溶液の添加でpH = 1に調整すると同時に、その溶液の温度を前記酸溶液の添加速度を制御することで0から5℃、好適には 0から2 ℃に維持する。
その添加が終了した後、その白色のスラリーを0 ℃で約 20から60 分間、好適には30から40 分間撹拌する。次に、固体を濾過で単離し、冷水で洗浄した後、乾燥させることで式10で表される分割剤を80%の収率で化学的に高い純度(>98%,HPLC面積%)および光学的に高い純度(>97%,e.e.;キラル HPLC 面積%)で回収して得る。前記式で表されるN-アセチル-D-ロイシンのカリウム塩およびナトリウム塩を本明細書の上に記述した如く化合させることで式10で表される分割剤である酸を生じさせることができる。
実験(実施例 1-9)
出発材料、反応体および溶媒を商業的供給業者から入手して、さらなる精製無しに用いた。一般に、この実験で用いた水は脱イオン水(D.I.H2O)であるが、いくつかの実験では水道水を用いた。語句“ハウス真空下”は、特に明記しない限り、約 146hPaから約 210 hPaの真空圧である。水溶液のpHをpH指示片(colorpHast(R) pH 0-14,EM Science)で測定した。1HNMRスペクトルをBruker Avance-300装置を用いて300 Hzで記録した一方、質量スペクトルをHewlett-Packard Series 1100 LC/MS装置を用いて記録した。
大部分の化合物の化学的および光学的両方の純度をHPLC装置(Agilent Series 1100)を用いてHPLC方法A またはHPLC 方法 Bで測定した。
化学的純度用HPLC 方法 A : ZORBAX Ecilipse XDB-Phenylカラム(4.6 mm ID x 150 mm,3.5 ミクロン)を40 ℃で1.0mL/分の流量で用いて実行時間を10.0分間にした。UVmaxを254から280 nmの範囲にした。溶媒: 溶媒(A):80%がH2Oで0.05%がTFAの混合物、溶媒(B);20%のMeCN;勾配(B)20%/0.0分,20%/1.0分,90%/6.0 分,90%/8.0 分,55%/9.0分,20%/10.0 分。
光学的純度用HPLC 方法 B : CHIRALPAK AD-RH(4.6 mm ID x 100 mm,3.5 ミクロン)を20 ℃で1.0mL/分の流量で用いて実行時間を20.0 分間にした。UVmax = 254および280 nm。溶媒: 溶媒(A)90%のIPA,溶媒(B)10%のヘキサン。
N-アセチル-D-ロイシンおよびこれの塩の化学的および光学的純度をHPLC方法 C またはHPLC 方法 Dで測定した。
化学的純度用HPLC 方法 C : Supelcosil LC-8DB カラム(4.6 mm ID x 150 mm,5 ミクロン)を20 ℃で1.0 mL/分の流量で用いて実行時間を20.0分間にした。UVmax= 210 nm。溶媒: 溶媒(A): H2Oと 0.05%のTFAの混合物,溶媒(B)MeCN + 0.05%;勾配(B)5%/0.0分,50%/0-10 分,50%/10-12 分,5%/12-13 分,5%/13-20 分。滞留時間7.0 分/N-アセチル-D-ロイシン。
光学純度用HPLC 方法 D: CHIRALPAK AD(4.6 mm ID x 250 mm,3.5 ミクロン)を 20 ℃で1.0 mL/分の流量で用いて実行時間を15.0分間にした。UVmax = 210 nm.溶媒: 溶媒(A)25% のIPA,溶媒(B):75%がヘキサンで0.05%がTFAの混合物。滞留時間: 5.1 分/N-アセチル-D-ロイシン,6.0分/N-アセチル-L-ロイシン。
実施例1(スキームIの段階 1に相当)
(±)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン(化合物3)の製造
手順: 22 リットルの4つ口丸底フラスコに熱電対制御装置、塔頂機械的撹拌機、冷却器付きDean-Starkトラップおよび窒素入り口/出口アダプタを取り付けた。その容器にトルエン(10.0L)を仕込んだ後、窒素下で撹拌した。2-(1H-インドール-3-イル)エチルアミン(トリプタミン)(98%,980.8 g,6.0 モル)に続いて2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-カルボキサルデヒド(97%,916.5g,6.0 モル)を加えた。その懸濁混合物を88 ± 2 ℃に加熱した後、温度を112 ±2 ℃になるまで5分当たり2 ℃の速度で徐々に高くした。その反応物を4 時間還流させながら水(108 mL)をDean-Starkトラップで集めた。HPLCおよびLC-MSを用いて反応が>95%完了まで進行することを監視した。溶媒を減圧下の蒸発で除去した後、その結果として得た材料を40℃未満に冷却することでシッフ塩基の濃密な黄色半固体を生じさせた。
前記粗シッフ塩基をゆっくり撹拌しながらこれに塩化メチレン(9.0 L)を加え、その懸濁液を氷浴で0℃に冷却した後、TFA(99+%,1368.2g,12.0モル)を小さな流れとして40分かけて加えた。氷浴を取り外した後、結果として生じたサクランボ色の溶液を20 ℃で16 時間撹拌した。HPLCおよびLC-MSを用いて反応の進行を監視した(>95%完了し、出発トリプタミンが2 ± 1%存在していた)。その反応溶液を飽和NaHCO3溶液(12.0 L)で洗浄した後、水相(全体で約 13.6 L)を分離した。前記飽和 NaHCO3 溶液を前記酸性の反応混合物に添加する時に気体(二酸化炭素)が多量に発生することから注意を払う必要があった。水溶液の最終的pHは約8〜9であった。その有機相(全体で12.5L)を別の22リットル槽に移した後、溶媒を蒸留で約 2 時間かけて除去し、その結果として生じた濃密なシロップの最終温度を50 ℃にした。この粗生成物を50℃で穏やかに撹拌しながらこれに酢酸エチル(EtOAc,3.0L)を加えた後、ヘキサン(5.0 L)を加えた。その混合物を還流(64 ± 2 ℃)に10分間加熱し、徐々に冷却して20 ℃にした後、種晶を添加して、4℃で16 時間撹拌した。結晶性固体を濾過で集め、ヘキサン(1.0 L,0.5 L)で洗浄した後、オーブンに入れてハウス真空下55 ℃で18 時間乾燥させた。式3で表されるラセミ化合物を1469 g(84%の収率,HPLC =97.4%,面積%)得て、これの構造を1H-NMRおよびLC-MS分析で立証し、それをさらなる精製無しに次の段階で用いた。
実施例2(段階 2)
(R)-(-)-2-アセチルアミノ-4-メチルペンタン酸(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボロ-2-イウム(化合物4)の製造
手順: 22 リットルの4つ口槽に熱電対制御装置、塔頂機械的撹拌機および窒素入り口/出口アダプタ付き冷却器を取り付けた。この槽にメタノール(6.6L)およびN-アセチル-D-ロ
イシン(97%,904.3g,4.96 モル;N-アセチル-D-ロイシンの調製を実施例9に記述する)を撹拌を伴わせて仕込んだ。その結果として生じた透明な溶液を50℃に加熱した後、ラセミ化合物 3(97.4%,1500 g,4.96 モル)を約2分かけて分割して加えた。撹拌を更に5分間行うと溶液の色がサクランボ色に変わり、その後、EtOAc(1.5L)を約3分かけて加えた。最初の3分間の間に塩沈澱物がいくらか生じ、その後、溶液が急速に濃密なスラリーになった。その濃密なスラリーを62-65 ℃に加熱して20-30分間撹拌した。加熱用マントルを取り外した後、その混合物を20℃になるまで約2-3時間かけて徐々に冷却し、そして更に18 時間穏やかに撹拌した。急速に冷却しかつ撹拌時間を短くすると結果として収率が低くなるばかりでなく%e.e.も悪化した。固体を濾過で集めた後、その濾過ケーキを氷冷MeOH(0.7 L x 3)で洗浄した。その濾液は式5で表される(S)-鏡像異性体富化塩の混合物(R-/S-鏡像異性体,15%/85%から35%/65%の範囲の混合物)であり、これを再利用の目的で取っておいた(段階6および7を参照)。
前記濾過ケーキに乾燥を空気吸引を伴わせて1時間受けさせた後、それをオーブンに入れてハウス真空下60 ℃に24 時間置いた。化合物4である(R)塩をオフホワイトの固体として727.0 g(32%の収率,98.0%のジアステレオマー過剰度(d.e.))得て、それをさらなる精製無しに段階3で用いた。塩4の構造を1H-NMR,LC-MSおよびキラル HPLC 分析で立証した。
前記塩のR/S比が98.5/1.5未満の時には再スラリー方法を用いて純度がより高い材料を得ることができる。例えば、上述した分割工程後に96% d.e.の化合物4を667.0gの量でMeOH/EtOAc(1.0 L/0.2 L)の混合物に入れて再びスラリー状にした。98% d.e.の高純度塩4を610.0 g得た。必要ならば数バッチを一緒にして再びスラリー状にすることができる。
実施例3(段階 3)
(1R)-2-ベンジル-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン(化合物7)およびN-アセチル-D-ロイシンカリウム塩(化合物 10a)の製造
手順:22 リットルの4つ口槽に熱電対制御装置,塔頂撹拌機,均圧滴下漏斗,窒素入り口/出口付き冷却器を取り付けた。この槽に鏡像異性体塩化合物4(1368 g,2.95 モル)およびCH2Cl2(12.0 L)を窒素下で撹拌しながら仕込んだ。炭酸カリウム(K2CO3,98%,913.5g,6.49 モル,〜325 メッシュ,Aldrich)を3分かけて加えた。
その混合物を20 ℃で10分間撹拌した後、ベンジルブロマイド(98%,520.0g,2.98 モル)を20分かけて加えた(潜在的催涙物質であるベンジルブロマイドを取り扱う時に注意を払う必要があった)後、その懸濁液を20 ℃で30分間撹拌した。そのベンジルブロマイドの添加は穏やかな発熱であることから、最終的反応温度が28℃になった。熱をかける必要があるのは発熱反応が止んだ後のみであった。次に、その反応混合物を38±2 ℃に穏やかに加熱した後、穏やかな撹拌を10 時間継続した。反応の進行をHPLC,LC-MSおよびTLC(MeOH/CH2Cl2,10%/90%)で測定した。
その反応物を20 ℃に冷却した後、白色の固体を濾過で単離した。大きな表面積のフィルターを用いた、と言うのは、カリウム塩10aはCH2Cl2 中で半ゲル状の材料であることで濾過過程が遅かったからであった。その濾過ケーキをCH2Cl2(2.0L x 2)で洗浄した後、乾燥させることでカリウム塩10aを得て、それを再利用した(実施例 6を参照)。
その有機相を一緒にして真空下で凝縮させた後、その結果として得たオフホワイトの黄色がかった固体を真空オーブンに入れてハウス真空下60 ℃で16 時間乾燥させることで化合物7であるN-ベンジル-(R)-鏡像異性体を1054.0 g(94%の収率)得たが、これは化学的に高純度(>98 %)でありかつ光学的にも高純度(>97%e.e.)であった。その材料には1H-NMRおよびHPLCで測定してカリウム塩 10aは入っていなかった(<0.5 %)。そのN-ベンジル化
合物7をさらなる精製無しに次の段階で用いた。化合物 7の構造を1H-NMR,LC-MSおよびキラル HPLC 分析で立証した。
実施例4(段階 4)
(3R)-2-ベンジル-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン(化合物8)の製造
手順: 5 リットルの4つ口槽に熱電対制御装置,塔頂撹拌機,均圧滴下漏斗および窒素入り口/出口アダプタ付き冷却器を取り付けた。その槽にジメチルホルムアミド(1.5L)および過酸化カリウム(96%,255.6 g,3.6 モル)を窒素下で撹拌しながら仕込んだ後、Aliquat(R) 175(メチルトリブチルアンモニウムクロライド,H2O中75重量%,39.1mL,0.12
モル)を仕込んだ。その混合物を撹拌しながら40 ℃に20分間温めた。Aliquat(R) 175に由来するH2O(全体積の〜0.5%)が存在することから撹拌を行う必要があった。化合物7を添加する前にKO2 を用いて反応を消滅させておいた。
化合物7(228.0 g,0.60 モル)をジメチルホルムアミド(0.5 L)に入れることで生じさせた溶液(50℃で調製)を反応温度を40から60 ℃に維持しながら30分かけて加えた。45 ℃以上にすると反応が始まり、その結果として、潜在的発熱が4から6 時間持続し、反応温度を40℃から60 ℃の範囲に維持した。しかしながら、反応温度が60℃よりも高いと温度が3分以内に115 ℃に到達する可能性があった。
添加終了後に加熱用マントルを取り外して、水浴の中に再び置き、そしてその反応物を40から60℃で4 時間撹拌した。反応の進行をHPLC,LC-MSおよびTLC(MeOH/CH2Cl2,5%/95%)で測定した。出発化合物7が3から5%以上存在する時には反応時間をより長くする必要があり得る(6時間に及んで)。
その反応物を氷水浴で20 ℃に冷却した後、その結果として生じたオレンジ色のスラリーを22リットルの3つ口槽にゆっくり移し、それに脱イオン(D.I.)H2O(3.6 L)および氷(3.6 kg)を窒素雰囲気下で急速撹拌しながら仕込んだ。その系から気体(酸素)が多量に放出され、従って、窒素を反応表面の上に直接吹き込むことが発泡を静めるに役立った。
その黄色がかったスラリーを30分間撹拌した後、3 N のHCl溶液(0.7L)を用いて酸性にすることでpHを約 8〜9にした。固体を濾過で単離した後、H2O(0.5 L x 2)で洗浄した。その湿った状態の濾過ケーキを空気吸引を伴わせて乾燥させた後、オーブンに入れてハウス真空下60℃に16 時間置いた。
粗化合物8を145.0 g(61%の収率)得、粉砕して微粉末にした後、3 リットルの3つ口槽(熱電対制御装置,機械的塔頂撹拌機,冷却器および窒素出口アダプタを取り付けておいた)に移した。その槽にCH3OH(0.65L)を仕込んだ後、64 ± 1 ℃に20分間温めた。
その結果として生じた濃密なスラリーを1から2時間かけて20 ℃に冷却した後、冷室(約4 ℃)の中に16 時間置いた。固体を濾過で単離した後、冷CH3OHで洗浄した(0.08 L x
3または無色になるまで)。その湿った状態のケーキを空気吸引を伴わせて乾燥させた後、真空オーブンに入れてハウス真空下60℃に16 時間置くことで化合物8である1-(R)-N-ベンジル-鏡像異性体を化学的に高い純度(>97%)および光学的に高い純度(>97%e.e.)で99.8 g得た。化合物 8の構造を1H-NMR およびLC-MS分析で立証し、さらなる精製無しに次の段階で用いた。
実施例5(段階 5)
塩酸(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-9-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,4-b]キノリン(化合物9)の製造
手順:フロアスタンドの6 リットルのParr圧力反応槽に熱電対制御装置,機械的塔頂撹拌機,冷却用コイル,窒素/水素/真空ラインおよび緊急開放盤を取り付けた。その槽に化合物8(319.2 g,0.81 モル)およびCH3OH(1.8 L)を窒素下で急速撹拌しながら仕込んだ、と言うのは、濃密なスラリーが生じたからである。6Nの塩酸溶液(0.136 L)を3分かけて添加(この添加は発熱過程であり、その結果として生じた均一な透明溶液の温度は約 29 ℃であった)した後、5%Pd/C(115.2 g,6.6% モルのPd)を 1分かけて添加した。その系を密封した後、最初に窒素(1380 hPa)でパージ洗浄(x 3)し、そして次に水素(1380hPa)でパージ洗浄(x 2)した。
反応を23-28 ℃で穏やかに撹拌(400 rpm)しながら水素圧(3447hPa.)下で4 時間実施した。反応の進行をHPLC,LC-MSおよびTLC(MeOH/CH2Cl2,1/9)で測定した。その反応混合物を濾過用ボトルに真空を用いて移し、触媒を短いCelite(R)545カートリッジに通す濾過で除去した後、その濾過ケーキをCH3OH(0.2 L x 4)で洗浄した。Pd 触媒は空気に敏感な可燃性金属であることから、フィルターケーキの表面が乾燥しないようにすべきである。
その濾液に凝縮を真空下で受けさせた後、その結果として得た粗材料をオーブンに入れてハウス真空下60 ℃に24 時間置いた。化合物9であるキノリノピロリジンHCl塩を緑色がかった固体として275.4 g(99.8%)得た。そのピロリジンキノリノンHCl塩9の構造を1H-NMRおよびLC-MS分析で立証した。化合物9は化学的に高純度(>97%)でありりかつ光学的にも高純度(> 97% e.e.)であり、これをさらなる精製無しに次の段階で用いた。
実施例6(段階 6)
(S)-鏡像異性体富化1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン遊離塩基混合物およびN-アセチル-D-ロイシンナトリウム塩の製造
手順:実施例2で得た式5で表される(S)-鏡像異性体富化塩(R-/S-鏡像異性体,15% / 85
%から35 % / 65 %)の混合物が入っている濾液に濃縮を受けさせた後、その結果として得た材料をCH2Cl2(6.0L)に溶解させて、12 リットルの3つ口分液フラスコ(塔頂機械的撹拌機を取り付けておいた)に移した。その有機溶液を1 Nの水酸化ナトリウム溶液(3.0L)と一緒にして少なくとも15分間激しく撹拌した。
相分離を起こさせた後、その有機相に凝縮乾固を受けさせることで(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 %から35 % / 65 %)を得て、それをエピマー化段階で用いた(実施例7を参照)。その水相(6.0 L)を氷浴で冷却した後、急速撹拌しながら濃HCl溶液(37%,1.3L)で酸性にすることでpHを約 1にした。そのHCl溶液の添加をゆっくり行う必要があった、と言うのは、その添加は発熱過程であったからである。
その結果として生じた白色スラリーを0 ℃で30 分間撹拌し、白色の固体を濾過で単離した後、冷D.I.H2O(0.2L x 2)で洗浄した。その固体を空気吸引を伴わせて乾燥させた後、真空オーブンに入れてハウス真空下60 ℃に16 時間置いた。N-アセチル-D-ロイシンを白色の固体として化学的に高純度(>97%,HPLC面積%)および光学的に高純度(97% e.e.)で628.0 g(73%の収率)回収して得た。また、その構造も1H-NMRおよびLC-MS分析で立証した。
実施例7(段階 7)
本発明は、更に、(S)-鏡像異性体富化(1S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物(R-/S-鏡像異性体,15%/85%から35%/65%の範囲の混合物)にエピマー化を受けさせてほぼラセミ型の(±)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物(R-/S-鏡像異性体,44%/ 56%から50 % / 50%の範囲の混合物)を生じさせる方法にも向けたものである。
手順:12 リットルの4つ口槽に熱電対制御装置,塔頂撹拌機,均圧滴下漏斗および窒素入
り口/出口アダプタ付き冷却器を取り付けた。その槽に実施例6で回収した(S)-鏡像異性体富化遊離塩基混合物(R-/S-鏡像異性体,15% / 85 %から35 %/ 65 %の範囲の混合物)(1572 g,3.39 モル)およびCH2Cl2(6.7L)を仕込んだ。
その懸濁液を撹拌しながら氷浴で10 ℃に冷却した後、TFA(99+%,684.0g,6.0 モル)を30分かけて滴下した。その滴下は発熱過程であることから、滴下後の溶液の温度が約 30 ℃になると同時に不均一であった混合物が均一な溶液になった。その反応混合物を38± 2 ℃に温めて16 時間穏やかに還流させた。反応の進行をキラルHPLC分析で測定した。
そのラセミ化混合物の最終的R-/S-比は44 %/56 %から50 % / 50 %の範囲内であった。更にTFA(0.2-0.5当量)を加えた後の反応混合物を長時間還流させた。その溶液を20℃に冷却して激しく撹拌しながら7%のNaOH溶液(4.3 L,7.5 モル)を20分かけて加えた。相分離を起こさせた後、その有機相を食塩水(2.0 L)で洗浄しそして濃縮乾固させた。その結果として得た材料をオーブンに入れてハウス真空下60℃に16 時間置いた。
化合物 3を黄色がかった固体として化学的に高純度(>97%)で912.3g(93%の収率)回収した。そのほぼラセミ型の化合物 3の構造を1H-NMRおよびLC-MS分析で立証した。その回収した化合物にさらなる精製無しに分割を前記回収したN-アセチル-D-ロイシン化合物10(実施例 6または実施例 8のいずれかで回収)を用いて受けさせることで所望の鏡像異性体的に高純度の化合物4である1-(R)塩を光学的に高い純度(>97% e.e.)で追加的に36%の収率で得た。化合物4の構造を1H-NMR,LC-MSおよびキラル HPLC分析で立証した。
実施例8(段階 8)
N-アセチル-D-ロイシンカリウム塩(化合物10a)からN-アセチル-D-ロイシン(化合物 10)を生じさせる変換
手順:12 リットルの4つ口槽に塔頂機械的撹拌機および滴下漏斗を取り付けた。その槽にN-アセチル-D-ロイシンカリウム塩(2.95モル,化合物 10a)(実施例 3で得た)およびD.I H2O(3.5 L)を仕込んだ。その溶液を氷浴で4 ℃に冷却した後、37%のHCl溶液(1.5L)を30分かけて加えた、と言うのは、気体(二酸化炭素)が多量に出てきたからである。撹拌を約 0℃から約 4 ℃の温度で更に30分間継続した。最終的溶液のpHは約pH 1であった。
白色の固体を濾過で単離し、冷D.I.H2O(1 L x 2)で洗浄し、空気吸引を伴わせて乾燥させた後、真空オーブンに入れてハウス真空下60 ℃に16 時間置いた。N-アセチル-D-ロイシン10をオフホワイトの固体として光学的に高い純度(>97% e.e.)で410.0 g(80%の収率)回収することで得た。その回収した分割剤 10の構造もまた1H-NMRおよびLC-MS分析で立証した。
実施例9
(R)-(-)-2-アセチルアミノ-4-メチルペンタン酸(N-アセチル-D-ロイシン,化合物10)の製造
手順:化合物10であるN-アセチル-D-ロイシンの調製を従来技術の方法(J.Am.Chem.Soc.,1951,73,3359-3360)に修飾を受けさせた方法を用いて以下のスキームIIに示しかつ本明細書に記述する如く実施した。
Figure 2008531570
22 リットルの4つ口槽に熱電対制御装置,塔頂機械的撹拌機および2.0 リットルの滴下漏斗を2個取り付けた。その槽にD.I.H2O(2.45L)およびD-ロイシン(99% e.e.,917.0g,7.0 モル)を撹拌しながら仕込んだ。無水酢酸(99%,2142.0 g,21.0 モル)およびH2O中20 NのNaOH溶液(2.45 L,49.0 モル)を同時に3 から4 時間かけて加えながら反応温度を5 から15 ℃に維持した。前記アルカリ溶液および無水酢酸の添加速度を湿った氷の冷却で一緒に調整することで前記反応温度を維持した。その反応混合物のpHを若干アルカリ性(pH8〜9)に維持し、そして10から15分毎にpH指示片を用いて測定した。反応の進行をHPLCおよびLC-MSで測定した。添加終了後の混合物を1時間撹拌した後、37%のHCl溶液(4.76L,49.0 モル)を用いて30分かけて注意深く酸性にした。白色固体が沈澱し、そのスラリーを約 5 ℃から約 15 ℃で2時間撹拌した。結果として生じた固体を濾過で単離し、D.I.H2O(2.0L x 7)で洗浄し、空気吸引を伴わせて3時間乾燥させた後、真空オーブンに入れてハウス真空下60 ℃に16 時間置いた(固体のさらなる重量損失が起こらなくなった時点で乾燥を止めた)。N-アセチル-D-ロイシン(化合物10)を白色粉末状固体として光学的に高い純度(>97% e.e.)で1083 g(89%)得た。化合物 10の構造を1H-NMR およびLC-MS分析で立証し、それをさらなる精製無しに次の段階で用いた。
実験(実施例 10-12)
本発明は、更に、(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2-ピリジン-2-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オンのメタンスルホン酸塩である化合物12を以下のスキーム IIIに示すように拡張可能な量で生じさせる合成方法にも向けたものである。より詳細には、本発明は、2-ブロモピリジンと式(A)で表されるピロロキノロン化合物のBuchwald-Hartwig連成を大規模に実施して中間体化合物11(WO 01/87882に化合物 136として示されている)を生じさせることに向けたものである。次に、その中間体化合物 11 を本明細書に記述するようにして進展させることで化合物12を生じさせる。
Figure 2008531570
(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2-ピリジン-2-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン化合物11を合成する時の難題は、2-ブロモピリジンとピロロキノロン誘導体である式(A)で表される(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン化合物の間の連成であった。表1に示すように、いろいろな条件を用いた:
Figure 2008531570
項目 1
最初の試みでもたらされた収率はいろいろであった(収率: 30-55%)。90℃の1,4-ジオキサン中で1時間後に鏡像異性体過剰度が>98%から76%にまで降下した。ラセミ化を制限する目的で、連成をより低い温度で1,4-ジオキサンまたはTHFのいずれかを用いて実施する必要があった。
項目 2
反応を40℃で実施すると、24 時間後でもラセミ化を検出することができなかった。しかしながら、変換が有意に低下しそして単離した所望生成物の収率は20%のみであった。
項目 3
連成を60-66℃の範囲のTHF中で約 16 時間実施すると改善が得られた。ラセミ化はほとんど検出されず、収率に再現性がないことを確認した。この反応に最適な配位子は(±)-BINAPであることを確認した。
項目 4
溶媒に脱気を前以て受けさせておいて温度を60-66℃に管理しかつ触媒充填率を4モル%にまで下げるとさらなる改善が得られることを観察した。10時間の反応後に将来性のある収率である80%に到達した。この結果を基にして、次に行う反応の全部を60℃で2当量のt-BuONaを存在させかつ1.2当量の2-ブロモピリジンを用いて実施した。加うるに、触媒をインシトゥで生じさせた方が収率の再現性がより高くなった。従って、パラジウム源と
配位子を脱気を受けさせておいたTHF中で一緒にして30分間混合した後、2-ブロモピリジン、式(A)で表されるピロロキノロン化合物そしてt-BuONaを逐次的に加えた。使用したTHFの水含有量は約0.01%重量/重量から約 0.1%重量/重量の範囲内であり、それによってナトリウム/ベンゾフェノンを用いて乾燥させておいた製品を用いた時と同じ速度および収率がもたらされた。この反応に最良の配位子は(±)-BINAPであることを確認した。
項目 5
使用したTHFの水含有量は0.01%重量/重量から0.1%重量/重量の範囲内であり、それによってナトリウム/ベンゾフェノンを用いて乾燥させておいた製品を用いた時と同じ速度および収率がもたらされた。この反応に最良の配位子は(±)-BINAPであることを確認した。
項目 6
この反応に最良の配位子は(±)-BINAPであることを確認した。
項目 7
実施した溶媒選別は限られた度合であるが、それによって、THFが反応を示した条件下で実施した時の最良の溶媒であることが分かった。比較として、DMFを用いると結果として変換率が低くなり、これは恐らくは、パラジウム触媒上で配位子が溶媒と競合的に置き換わる結果として触媒活性が低くなったことによるものであろう。この反応に最良の配位子は(±)-BINAPであることを確認した。
項目 8
再び、実施した溶媒選別は限られた度合であるが、それによって、THFが反応を示した条件下で実施した時の最良の溶媒であることが分かった。比較として、DMEを用いると収率が劣ることが観察され、これは出発材料が60℃でも不溶なことによるものであった。Buchwald-Hartwig連成で一般的な溶媒であるトルエンも同様に適切でないことを確認した、と言うのは、当該基質の溶解度が劣ったからである(表1には示していない)。この反応に最良の配位子はdppfであることを確認した。
項目 9および10
ジアミノカルベンとパラジウムの錯体が示した活性は低かった。
脱気THFの調製
THFを30分間還流させた後に窒素で覆うことで充分な脱気効果を得た。
塩の結晶化
粗ピロロキノロン化合物 11を処理することで89%の収率で単離した。メタンスルホン酸塩化合物 12をメタノールを用いて化合物 11から結晶化させることで所望生成物を80%の収率で99%の純度および99.5%e.e.を超える度合の(R)-鏡像異性体として得た。
結晶化を20時間に渡って実施することで最良の結果を得た。結晶化時間を長くして72時間にすると結果として収率が低下した(70%)。
結晶化段階後に母液をHPLCで分析した結果、ある程度ラセミ化した生成物(74%e.e.)が実質的な量(15%)で存在することが分かり、このことは、最終的な化合物が酸性条件に敏感であることを示している。しかしながら、その単離した塩は固体状態の時にはラセミ化を起こさないことを観察した。
実施例10
(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2-ピリジン-2-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン(化合物11)の製造
手順:化合物 11の製造をスキーム IIIに示しかつ本明細書に記述する。
溶離勾配を1.2 mL/分の流量で5% アセトニトリル / 95% NH4OAc(水中0.5%)から16分かけて95%アセトニトリル / 5% NH4OAc(水中0.5%)に至らせる勾配にした後、95% アセトニトリル / 5% NH4OAc(水中0.5%)に3分間保持した。
光学的純度の測定を57 cmの非被覆融合シリカカラム(75 μm I.D.,375μm O.D.,UV波長:200 nm)が用いられているCapillary Electrophoresisを用いて20℃で実施した。可動相を50mM の燐酸塩緩衝液(pH3.0)で構成させ、キラル選択部分を10mM DM-ベータ-CDで構成させた。各々の実行持続時間を30分にした。
50 リットルのガラスライニング反応槽に25 LのTHFを加えた後、その溶媒を還流に加熱した(66℃,90 rpm)。30分後の反応槽を窒素雰囲気でフラッシュ洗浄した後、20 ℃に冷却した。次に、91.57 gのPd2dba3(0.1モル,0.04 モル/モル)を加えた後に140.1 gの(±)-BINAP(0.225 モル,0.09 モル/モル)を加えた。撹拌を30分間実施した後、474gの2-ブロモピリジン(3.0 モル,1.2 モル/モル)を10分かけて加えた。最後に、815 gの式(A)で表されるピロロキノロン化合物(2.5 モル)および600.6gのナトリウムt−ブトキサド(6.25 モル,2.5 モル/モル)を加えた後、その混合物を60 ℃に温めて、その温度に5時間保持した。
室温に冷却した後、50 gのジカライトを加えて、その混合物を濾過した。そのケーキを5LのTHFで洗浄した。次に、その有機混合物に20 Lの水を加えた後、685 mLのHCl水溶液(34.5% 重量/重量)を加えた。撹拌を室温で30分間実施した後、10.75Lの酢酸エチルを加え、その混合物を更に15分間撹拌した。2層を分離させた後、その有機層を廃棄した。次に、その水層に13.5 Lの酢酸エチルを加えた後、650mLのアンモニア水溶液を加えた。
撹拌を30分間実施した後、水層を除去し、そして有機相に蒸発乾固を受けさせた(10L)。化合物 11(1.287 kg,収率 135%)を66.1%の量で得たが、これは活性収率が89.2%であることに相当する。その(R)-鏡像異性体の鏡像異性体過剰度は99%であった。この生成物の残存Pd含有量は2530ppmであった。
実施例11
(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2-ピリジン-2-イル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オンのメタンスルホン酸塩化合物12 の製造
手順:化合物 12の製造をスキーム IIIに示す。
500 リットルのガラスライニング反応槽に1.6 kgの化合物 11(3.04モル,2110 ppmのPd)および288.9 Lのメタノールを仕込んだ。その混合物を60℃に加熱した後、その温度で1時間撹拌(75 rpm)した。次に、106gのNorit A Supraおよび10.6 g のジカライトを加えた。その混合物を更に20分間撹拌した後、濾過した。そのケーキを5 Lのメタノールで洗浄した。溶媒の量を50℃で少なくして110Lにした後、100 リットルのガラスライニング反応槽に移して、その中で混合物の体積を60℃で少なくして35 Lにした。
その後、その混合物にメタンスルホン酸(298g)を1 Lのメタノールに溶解させて10分かけて加えた。最後に、その溶液を20℃に冷却して20 時間撹拌した。その混合物を濾過した後、そのケーキを1.5 Lのメタノールで洗浄した。乾燥を45 時間実施することで生成
物である化合物 12をHPLCによる品質が100%および>99.5 %eeの状態で1.17 kg(収率: 80.5
%)得た。残存Pdの量は10 ppm未満であった。
構造データ: J.Med.Chem.2005,48,2126-2133;PCT出願WO 01/087882. 1H NMR(400MHz,CD3OD): δ 8.30(d,1H,J=9.3Hz),8.02(m,1H),7.35(m,4H),7.10(m,3H);6.55(m,2H);4.85(d,1H,J=22Hz),4.54(d,1H,J=22Hz),4.40(t,2H,J=9.5Hz);2.92(t,2H,J=9.5Hz).
実験(実施例 12-15)
本発明は、更に、式 VIIで表されるβ-カルボリン誘導体から式 VIIIで表されるキノロン誘導体を生じさせる酸化転位方法にも向けたものである。この転位は式VIIで表されるアリール化β-カルボリン誘導体を用いて実施可能である(これを用いて最終的化合物を直接生じさせることができる)。別法として、酸化転位を式 VIIで表されるベンジル保護化合物を用いて実施することも可能である。次に、その結果として得たキノロンに脱保護を受けさせた後、アリール化を受けさせてもよい。
その酸化転位を好適には保護β-カルボリン(この場合の保護基をベンジル、t−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルから選択する)を用いて実施する。
1,2,3,4 テトラヒドロ-β-カルボリンのWinterfeldt 酸化は良く知られている(Boch,M.;Korth,T.;Nelke,J.M.;Pike,D.;Radunz,H.;Winterfeldt,E.;Chem.Ber.1972,105,2126-2142.)。しかしながら、アシル-β-カルボリンを用いると、Winterfeldt酸化によって所望のキノロンはもたらされない(Jiang,W.;Zhang,X.;Sui,Z.;Organic Letters,2003,5,43-46.)。本明細書に記述する方法は1,2,3,4 テトラヒドロ-β-カルボリンに酸化を受けさせる時に本技術分野で公知の方法より効率が良くて適用可能な方法を提供するものである。
インドールが有する2,3結合にKO2 による酸化開裂を相移動触媒の存在下で受けさせることは文献に充分に記述されている(Baloch-Hergovich,E.;Spier,G.;Tetrahedron Lett.1982,23,4473-4475.Itakura,K.;Uchida,K.;Kawakishi,S.;Tetrahedron Lett.1992,33,2567-2570.)。
実施例12
ARC,RC1 およびPhi-tec 断熱熱量実験を実施すると述べる場合、ARC熱量計(CSI Columbia Scientific Ind.が製造)、RC1 熱量計(Mettler Toledoが製造)およびPhi-tec熱量計モデル番号Phi-tecII(Helが製造)を用いた。
KO2(8当量)とEt4NBr(8当量)をDMFに入れて55℃に加熱した後、式 VIIで表されるN-ベンジル保護β-カルボリンを20分かけて加えた。その反応混合物を3 時間撹拌することで式 VIIIで表されるN-ベンジル保護キノロンを得た(20-25%の収率)。
その反応混合物は比較的低温でも熱に不安定であることが分かった。ARC熱量計を用いて式VII で表されるN-ベンジル保護β-カルボリンの反応混合物に対して実施した実験で発熱分解が39 ℃の時に始まり、60 ℃に至るまで分解度合が高くなりかつ圧力が蓄積することが分かった。
RC1 熱量計を用いて所望反応に対して実施した実験で式VIIで表されるN-ベンジル保護β-カルボリンの全部を加えた後に熱が75%蓄積することが分かった。
反応によって穏やかな熱流が約3 時間に渡って生じ、そして最悪のケースでは温度が約92℃にまで上昇し、その結果としてMTSRが約147 ℃になった(MTSRは“合成反応の最大温
度”を指す)。この実施例の反応では、MTSRの測定を55℃の開始温度を加えることを通して測定し、そして追加的に約92℃の熱が生じる(断熱温度上昇)ことで147℃のMTSRがもたらされた。MTSRは冷却が失敗した時点の未反応出発材料の量に依存する。
冷却を失敗するとそれは分解反応の引き金になるであろう。溶媒であるDMFの沸点の方がMTSRよりも高いことから、そのような分解反応を防止しようとして蒸発による冷却を利用するのは不可能である。
そのような反応で起こり得る分解の危険性を軽減する目的でいろいろな溶媒に選別を受けさせた(表 1):
Figure 2008531570
表 1に示すように、KO2-溶媒混合物(Et4NBr有り無し)を用いた時に分解反応が始まる温度は、DMIを用いた時の方が、DMF,CH3CNおよびDMAを用いた時よりもかなり高い。分解の度合は同じままであるが、分解が起こる確率が低くなった。起こり得る分解の度合を低下させる目的で、DMI中で行う反応に対していくつかの工程開発を実施した。
KO2 の過剰度を8から6当量に低下させ、Et4NBrの量を8から1当量にまで低くしそして反応をより高い希釈度、即ち2.3L/モルではなく7 L/モルにして50℃で実施した。その結果として反応時間がより長くなり、その場合、完全な変換が起こるのに24 時間要した。
その適合反応条件を用いて追加的RC1 およびPhi-tec実験を実施した。
RC1 実験の結果として、反応エンタルピーが約 500kJ/モルになりはしたが反応が遅いことから比熱放出は1.5 W/Lのみでありかつ生産工場で容易に冷却することができることが分かった。しかしながら、約 90%の熱蓄積が起こったことから、実際、バッチ工程1工程または2工程以上を制御するのは容易でない。Phi-tec熱量計では、反応もしくは発熱分解が52℃で始まり、Phi-tecで補正した全断熱温度上昇は192℃であった。70℃にすると自己発熱速度が0.56 ℃/分になり、150℃の時に最大になって102℃/分になった。断熱反応温度を反応が暴走しないように(化学反応が制御不能にならないように)70℃以下にすべきである。
実施例13
式 VII で表されるN-ベンジル保護β-カルボリンに酸化をmCPBAを反応体として用いて受けさせると結果として主に出発材料のN-オキサイドが生じた。従って、式VIIで表される保護β-カルボリンを以下のスキームIVに示すようにしてmCPBAと反応させた。この反応に最適な保護基をBocまたはCbzから選択する。
Boc保護(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3,4,9-テトラヒドロ-β-カルボリン-2-カルボン酸t-ブチルエステル化合物13 をDCMに入れることで生じさせた0.166 モル規定の溶液をmCPBA(3当量)をDCMに入れることで生じさせた0.166 モル規定の溶液と20℃で1時間反応させた。
その結果、mCPBAとの反応は注入終点に関して注入で制御されかつ中間的熱放出は注入時間に依存することが分かった。従って、この反応はパイロットプラント規模で完全に実施可能である。その上、DCMを還流させると反応がMTSRに到達することはなかった。
処理後の反応残留物にケト-ラクタムである(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,7-ジオキソ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベンゾ[e][1,4]ジアゾニン-4-カルボン酸t-ブチルエステル化合物14が20-30%入っており、それをKOHで処理すると、それは(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-9-オキソ-1,3,4,9-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-2-カルボン酸t-ブチルエステル化合物 15に定量的に変化した。
Figure 2008531570
前記ケト−ラクタム14または化合物 15を結晶化で単離する試みを行ったが失敗したことから、化合物15を満足される純度に得るにはクロマトグラフィーによる精製を行う必要があった。
実施例14
Cbz保護(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3,4,9-テトラヒドロ-β-カルボリン-2-カルボン酸ベンジルエステル化合物16とmCPBAをスキームVIに示すように反応させるとケト−ラクタム化合物 21を酢酸エチルを用いた結晶化で単離することができた。しかしながら、生じた副生成物の量が多く、その結果としてケト−ラクタムの収率は約20%のみであった。
実施例15
2,3-置換インドールの酸化は報告されており(Hino,T.;Yamaguchi,H.;Matsuki,K.;Nakano,K.;Sodeoka,M.;Nakagawa,M.;J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1983,141-147)そして生じる中間体の種類は以下のスキームVに示すようにヒドロキシ-イミン1,2,3,4-テトラヒドロ-カルバゾール-4a-オール化合物19であった。
Figure 2008531570
その報告された反応では、DMDを用いて2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール化合物17にエポキシ化を受けさせることで2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-カルバゾール[4a,9a-b]オキシラン化合物18をドロキシ-イミン中間体化合物 19との平衡状態で生じさせることができる。その中間体にmCPBAを用いた酸化を更に受けさせることでそれをケト−ラクタムである3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゾニン-2,7-ジオン化合物20に良好な収率で変化させることができる。
別法として、エポキシド化合物 18をアセトンとOXONE(R) から制御したpH下でインシトゥ生成させることも可能である(Adam,W.;Chan,Y.-T.;Cremer,D.;Gauss,J.;Scheutzow,D.;Schlinder,M.;J.Org.Chem.1987,52,2800-2803;(b)Murray,R.W.;Jeyaraman,R.J.Org.Chem.1985,50,2847-2853に記述されているように)。
Phi-Tec実験でいろいろな溶媒、例えば水/酢酸エチル/アセトンなどおよびNaHCO3を用いてDMD-溶液をインシトゥで生じさせた結果、そのような溶液は70℃に及んで熱に安定であることが分かった。
実施例16
Cbz保護(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3,4,9-テトラヒドロ-β-カルボリン-2-カルボン酸ベンジルエステル化合物16(実施例 14に示した)を酢酸エチル/アセトンに入れることで生じさせた溶液とOXONE(R) とmCPBAを以下のスキームVIに示すように反応させた。
化合物 16に酸化をOXONE(R)およびmCPBAを用いて受けさせることでケト−ラクタムである(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,7-ジオキソ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベンゾ[e][1,4]ジアゾニン-4-カルボン酸ベンジルエステル化合物21を生じさせた。そのケト−ラクタム化合物 21を酢酸エチルを用いた結晶化で単離した時の全収率は46 モル規模の時に36%であった。
Figure 2008531570
この反応の収率がほぼ2倍になったが、それでも、mCPBAシーケンスがまだ相対的に低い収率の一因になっていると思われた。
DMD酸化段階後の反応混合物にヒドロキシ-イミンが60 - 70%(HPLC 面積パーセント)に及んで入っており(LC-MSで同定)かつまたmCPBAを添加した時点で不純物の大部分が生じ始めた。
出発材料,反応体および溶媒を商業的供給業者から入手して、さらなる精製を全く行う
ことなく用いた。
1HNMRスペクトルをBruecker Avance-400装置を用いて400 MHzで記録した。
Figure 2008531570
250 mLの槽に(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン化合物16a(5.22 g,0.018 モル),酢酸エチル(150 mL)そしてトリエチルアミン(2.1 g,0.0208 モル)を逐次的に仕込んだ。その混合物を約40 ℃から約 45 ℃の温度に加熱した。次に、その加熱を止めた後、クロロ蟻酸ベンジル(3.55 g,0.0208 モル)を滴下した。その滴下は若干発熱であり、温度が42から51℃にまで上昇した。
その混合物を約 51 ℃から約 42 ℃の温度で更に2時間撹拌した。水(18mL)を加えた後、温度を約 35 ℃から約 40℃に維持しながら層分離を起こさせた。その有機層にアセトン(107 mL)を加えた後、その混合物を約 20 ℃から約25 ℃の温度に冷却した。次に、水(36 mL)およびNaHCO3(4.82 g,0.057 モル)を加えた後の混合物を更に冷却して約0 ℃から約 5 ℃の温度にすることで保護された(1R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3,4,9-テトラヒドロ-β-カルボリン-2-カルボン酸ベンジルエステル化合物16を生じさせたが、それをこの段階で単離することは行わなかった。
Figure 2008531570
OXONE(R)(15.5 g,0.025 モル)を水(60mL)に入れることで生じさせた溶液を化合物 16の混合物に注入用ポンプを用いて約 2 時間かけて約 0 ℃から約 5℃の温度で添加した。その添加が終了した後の混合物を約0 ℃から約 5℃の温度で更に2時間撹拌した。mCPBA(71%,5.34 g,0.217 モル)をジクロロメタン(62 mL)に入れることで生じさせた溶液を約0 ℃から約 5℃の温度で約15分かけて加えた。その混合物を約 0 ℃から約 5℃の温度で更に1.5時間撹拌した後、逐次的に水(76 mL)そしてNaHCO3(6g)を水(76 mL)に入
れることで生じさせた溶液で洗浄した。
パーオキサイドに関する検査を実施した後、その有機層に蒸発をほぼ乾固するまで受けさせ、その結果として得た油状残留物に結晶化を酢酸エチル(40 mL)を用いて受けさせた。撹拌を約 10 ℃から約 25℃の温度で18時間実施した後、その結果として生じた沈澱物を濾過し、酢酸エチル(2mL)で洗浄した後、真空下50℃で20 時間乾燥させることで(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,7-ジオキソ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベンゾ[e][1,4]ジアゾニン-4-カルボン酸ベンジルエステル化合物21を3 g(36.5 %)得た。
1HNMR(400 MHz,DMSO-D6)は回転異性体の混合物であることを示していた: δ ppm 2.75-2.90(m,2H);3.08-3.19(m,3H);4.45-4.53(o,3H);5.01-5.24(4 x d(o),2H);5.93-5.96(2 x s,1H);6.67-6.72(2 x d(o),1H);6.84-6.90(2 x d(o)n 1H);7.01-7.03(2 x s,1H);7.19-7.67(o.m.9H);10.84-10.86(2 x s,1H).
他の可能性のある回転異性体も観察した: 3.38-4.28(m);4.60-4.77(2d);5.54(s),5.61(s);9.68(s),9.73(s).
1 リットルのフラスコに逐次的に化合物 21(45.6 g,0.1 モル)そしてエタノール(400mL)を仕込んだ。その結果として得た懸濁液に50 %のNaOH水溶液(5.8 mL,0.11 モル)を加えた後、その混合物 を約 20 ℃から 約 25 ℃の温度で1時間撹拌した。濃HCl(9.9ml,0.11 モル)を滴下し、撹拌を更に30分間実施した後、沈澱してきた塩を濾過して、エタノール(100 mL)で洗浄した。その濾液を一緒にして水添槽に移した後、濃HCl(9mL,0.1 モル)を加えた。その溶液に窒素を用いたフラッシュ洗浄を受けさせた後、炭に担持されているパラジウム(約 5% から約 50%の水と混ざり合っている,5g)を加え、そして次に水添を約 25 ℃ から約 30℃の温度で実施した。
脱保護が完了した後の混合物を濾過した。その濾液にNH4OH(10mL,0.13 モル)を加えた後、水(550 mL)を滴下した。次に、その溶液に式(A)で表される(3R)-3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-ピロロ[3,4-b]キノリン-9-オン化合物の種晶(0.1g)を加えた。結晶化が始まった時点で更に水(550 mL)を約1時間かけて滴下した。その混合物を更に18 時間撹拌した後、沈澱物を濾過し、水(50 mL)で洗浄した後、50℃で18時間乾燥させることで式(A)で表される化合物を得た(22.7 g,75 %)。
1HNMR(400 MHz,DMSO-D6)δ ppm 3.13(t,J=8.69 Hz,2H);4.02(dd,J=12.97,1.38Hz,1H);4.18(dd,J=12.97,2.90 Hz,1H);4.50(t,J=9.06 Hz,2H);5.37(dd,J=2.77,1.76Hz,1H);6.73(d,J=8.31 Hz,1H);7.07(dd,J=8.31,1.76 Hz,1H);7.17(d,J=1.26Hz,1H);7.26-7.31(m,J=8.06,5.79,2.01 Hz,1H);7.53-7.57(m,1H);7.56-7.60(m,1H);8.11-8.15(m,1H);11.58(s,1H)。

Claims (12)

  1. 式 I
    Figure 2008531570
    [式中、
    X は、-CH2- ,NH,OおよびSから成る群から選択され、
    R は、H, C1-10アルキル,C1-6アルキルオキシで置換されているC1-10アルキル、またはハロ,アリール,ヘテロアリール,複素環,C(O)-C1-10アルキル,C(O)-アリール,C(O)O-C1-10アルキルまたはC(O)O-アリールで置換されているC1-10アルキルから選択される]
    で表される化合物またはこれの塩を製造する方法であって、N-アセチル-D-ロイシンを用いる方法。
  2. N-アセチル-D-ロイシンを分割剤として用いる請求項1記載の方法。
  3. 式 III[式中、Xは、CH2,NH,OまたはSから成る群から選択される]で表される中間体を、N-アセチル-D-ロイシンを用いて分割する工程段階:
    Figure 2008531570
    を含んで成る請求項1記載の方法。
  4. 式 III[式中、XはCH2,NH,OまたはSから成る群から選択される]で表される中間体を、N-アセチル-D-ロイシンを用いて分割する方法:
    Figure 2008531570
  5. 式 I[式中、XはCH2,NH,OまたはSから成る群から選択される]で表される化合物の製造方法であって、下記の段階:
    a) トリプタミンと式 IIで表されるアルデヒドを反応させることで式 IIIで表される中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    b) 式 IIIで表される中間体とN-アセチル-D-ロイシンを反応させることで式IVで表される鏡像異性体富化中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    c) 式 IVで表される中間体に保護を受けさせることで式 VIIで表される中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    d) 式 VIIで表される中間体を式 VIIIで表される中間体に変化させ、
    Figure 2008531570
    e) 式 VIIIで表される中間体に脱保護を受けさせることで式 I[式中、 Rは水素である]で表される(式I-Hで表される)化合物を得、
    Figure 2008531570
    f) 式 I-Hで表される化合物を式 Iで表される化合物に変化させる、
    段階を含んで成る方法。
  6. 式 I[式中、Rは水素でありそしてXはCH2である]で表される化合物の製造方法であって、下記の段階:
    a) トリプタミンと式 II-Cで表されるアルデヒドを反応させることで式III-Cで表され
    る中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    b) 式 III-Cで表される中間体とN-アセチル-D-ロイシンを反応させることで式IV-Cで表される鏡像異性体富化中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    c) 式 IV-Cで表される中間体に保護を受けさせることで式 VII-Cで表される中間体を生じさせ、
    Figure 2008531570
    d) 式 VII-Cで表される中間体を式 VIII-Cで表される中間体に変化させ、
    Figure 2008531570
    e) 式 VII-Cで表される中間体に脱保護を受けさせることで式 I-Cで表される化合物を得る、
    Figure 2008531570
    段階を含んで成る方法。
  7. (S)- 鏡像異性体富化(1S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物を、ほぼラセミ型の(±)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物にエピマー化する方法。
  8. 前記ほぼラセミ型の(±)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物の化学的収率が90%を超える請求項7記載の方法。
  9. トリフルオロ酢酸を触媒として用いる請求項7記載の方法。
  10. 前記段階の中の1段階が(S)- 鏡像異性体富化(1S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン混合物のエピマー化である請求項1記載の方法。
  11. 式 12:
    Figure 2008531570
    で表される化合物の製造方法であって、下記の段階:
    a) 式(A):
    Figure 2008531570
    で表される化合物と2-ブロモ-ピリジンをパラジウム触媒およびBINAP 配位子の存在下のTHF中で反応させることで式11で表される化合物を生じさせ、
    Figure 2008531570
    b) 前記式 11で表される化合物をメタンスルホン酸と反応させる、
    段階を含んで成る方法。
  12. 式(A):
    Figure 2008531570
    で表される化合物の製造方法であって、
    a) 式 16:
    Figure 2008531570
    で表される化合物とペルオキシモノ硫酸カリウムと3-クロロ過安息香酸を反応させることで式21:
    Figure 2008531570
    で表される化合物を生じさせ、そして
    b) 前記式 21で表される化合物を塩基水溶液と反応させることで中間体を生じさせた後、前記中間体に脱保護を受けさせる、
    段階を含んで成る方法。
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