JP2008531061A - 成人膵臓由来間質細胞 - Google Patents

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Abstract

【課題】臨床的必要性に対応して、患者に移植可能で、インビトロで増殖可能で、且つ後期継代でもβ細胞系統への分化能も維持する成人膵臓由来細胞系統樹立のための、膵臓からの細胞単離方法と培養条件を提供する。
【解決手段】膵臓組織からの膵臓間質細胞単離の方法を提供する。本発明に従って単離された膵臓間質細胞は、インビトロで増殖し、膵臓β細胞系統の細胞に分化することが可能である。単離された膵臓間質細胞は、移植を必要とする患者に移植するための、完全に、もしくは部分的に分化した膵臓細胞にインビトロで分化を誘導可能である。あるいは、単離された膵臓間質細胞は、移植を必要とする患者に直接移植され、インビトロで目的の細胞タイプに分化することも可能である。
【選択図】図1

Description

開示の内容
〔発明の分野〕
本発明は、β細胞系統に分化され得る成人膵臓由来細胞の増殖可能な集団に関する。本発明は、そのような成人膵臓細胞の単離および増殖のための方法と、このような細胞を糖尿病の治療に利用するための関連する方法および組成も提供する。
〔発明の背景〕
臓器機能の喪失は、先天性欠損症、損傷または疾患に起因する場合がある。臓器機能の喪失の原因となる疾患の例の一つは糖尿病(diabetes mellitusまたはdiabetes)である。糖尿病の大部分の症例は、若年発症糖尿病もしくはインスリン依存性糖尿病(IDDM)としても知られる1型と、成人発症型糖尿病としても知られる2型の二つの臨床型に該当する。それぞれの型は、異なる予後、治療および原因がある。双方の種類は、患者の血糖値の調節能の喪失を特徴とする。結果として、代謝要求に見合うようにグルコースが細胞内に入ることができないため、血糖値が上昇する。この適切な血糖代謝の不能は、例えば、高血糖、異常な空腹感、口渇、多尿症、糖尿(glycouria)に始まり、その後例えば、神経障害、大血管疾患(macro-vascular disease)、および微小血管疾患(micro-vascular disease)に発展する、複雑な一連の初期および後期の総合的症状を引き起こす。
1型糖尿病の一般的な治療方法は、一般的に注射器もしくはポンプでの注射による外因性のインスリン投与を必要とする。この方法は完全には血糖値を正常化せず、しばしば低血糖症の危険を伴う。更に効果的な血糖コントロールは、移植または細胞に基づく治療によって膵臓の機能が復元または回復され得るなら達成され得る。
胎児または胚の組織由来の前駆細胞は膵臓ホルモン産生細胞への分化能をもつことが証明されている。例えば、ヒト胎児および胚に由来する細胞のβ細胞系統への分化能を報告している米国特許第6,436,704号、国際公開番号第WO03/062405号、国際公開番号第WO02/092756号、欧州特許第0 363 125 A2号を参照。しかし、これらの発表から、ヒト胚細胞はしばしば増殖に支持細胞層と多分化能の維持が必要であり、細胞の容易なスケールアップと最終的な糖尿病の細胞治療が可能でないことに気づくのは重要である。
成人組織由来の前駆細胞が膵臓β細胞表現型に分化可能であることも実証されている。例えば、成人骨髄由来細胞(間葉細胞と造血細胞(hematopoetic cells))の、インビトロでの膵臓β細胞の特徴を備える細胞、もしくはインビボで損傷した膵臓の再生に役立つ栄養素を分泌する細胞への分化能を報告している、国際公開番号第WO2004/087885 A2号、ヘスら(Hess et al.)(ネイチャー・バイオテクノロジー21(Nature Biotechnology 21), 763 770, 2003)、およびイアヌスら(Ianus et al.) (ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J. Clin. Invest.) 111: 843-850, 2003)を参照。
膵臓細胞に分化可能なその他の前駆細胞の供給源には、齧歯類の肝臓卵形幹細胞(国際公開番号第WO03/033697号)と分娩後胎盤(米国公開出願第2004/0161419 A1号)がある。
β細胞を含むランゲルハンス島の内分泌細胞は、アポトーシスと新しい膵島細胞の増殖(proliferation)(新生)の過程によって、常にターンオーバーしている。膵臓自体は、膵臓ホルモン産生細胞に分化可能な前駆細胞の供給源であると考えられている。膵臓前駆細胞の供給源となる可能性がある、膵臓から単離される3種類の異なる組織型である、膵島リッチ画分、腺管細胞リッチ画分、および腺房細胞リッチ画分がある。
前駆細胞または粗製膵臓組織抽出物から部分的に分化した細胞の単離は、細胞表面マーカーに対して作成した抗体を用いて実現される可能性もある。例えば、米国公開出願第2004/0241761号は、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Msx-2およびPDX-1に対して陽性(後述の、表Iの細胞1)でインスリン発現が陽性のマウス細胞の単離を公開している。
ゲルシェンゴルンら(Gershengorn et al.) (サイエンス(Science) 306: 2261-2264, 2004)は、膵島様の細胞凝集を形成することができる増殖型細胞の産生を説明している。この細胞は、単離されたインビトロのヒト膵島の培養から出現した接着細胞の不均一集団に由来した。単離されたランゲルハンス島は、最初に組織培養皿上に播種され、10%の血清を含む培地で培養された。繊維芽様細胞が培養された膵島の外に遊走し、単層を形成するのが観察された。これらの細胞は、ネスチン、平滑筋アクチン、およびビメンチンを発現した(後述の表Iの細胞2)。
膵臓前駆細胞は、シーバーグら(Seaberg et al.) (ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology) 22: 1115 1124, 2004)に述べられたように、膵島と単細胞に分離させた腺管組織の培養から作成することもできる。シーバーグら(Seaberg et al.)により開示されたマウス前駆細胞は、増殖の間にネスチンを発現した(後述の表Iの細胞3)。
米国公開出願第2003/0082155号は、幹細胞の機能的分子的特徴を備えたヒト膵臓ランゲルハンス島由来の細胞集団の単離と同定の方法を公開している。特に、これらの細胞は、ネスチン染色陽性、ネスチン遺伝子発現、GLP-1R染色陽性、GLP-1R遺伝子発現、ABCG2染色陽性、ABCG2遺伝子発現、Oct3/4染色陽性、Oct3/4遺伝子発現、ラトロフィリン(タイプ2)染色陽性、ラトロフィリン(タイプ2)遺伝子発現、Hes-1染色陽性、Hes-1遺伝子発現、インテグリンサブユニットα6およびβ1染色陽性、インテグリンサブユニットα6およびβ1遺伝子発現、C-kit染色陽性、C-kit遺伝子発現、MDR-1染色陽性、MDR-1遺伝子発現、SST-R、2、3、4染色陽性、SST-R、2、3、4遺伝子発現、SUR-1染色陽性、SUR-1遺伝子発現、Kir6.2染色陽性、Kir6.2遺伝子発現、CD34染色陰性、CD45染色陰性、CD133染色陰性、MHCクラスI染色陰性、MHCクラスII染色陰性、サイトケラチン19染色陰性、培養中での長期間の増殖、および培養中での偽膵島への分化能を特徴とする(後述の表Iの細胞4)。
米国特許第5,834,308号、米国特許第6,001,647号、および米国特許第6,703,017号で述べられたように、別のアプローチでは、増殖中の培養として1年以上維持可能で、インスリンの分泌が可能な膵島様の集団への分化能を示すようにみえる、NODマウス由来の膵島培養の粗製標品が、上皮様培養の樹立に用いられる場合もある(後述の表Iの細胞5)。
膵島様構造は、ボナー−ワイアーら(Bonner-Weir et al.) (プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc Nat Acad Sci) 97: 7999-8004, 2000)と米国特許第6,815,203 B1号に述べられたように、腺管組織が濃縮され消化されたヒト膵臓の画分から作成される場合もある。膵島様集団は、サイトケラチン19に対して陽性に染色され、またインスリンに対して免疫活性を示すことがこれらの発表で開示された(後述の表Iの細胞6)。
国際公開番号第WO2004/011621号は、ヒト膵臓腺管断片からのインスリン陰性の接着細胞の作成を公開している(後述の表Iの細胞7)。
国際公開番号第WO03/102134号は、ヒト膵臓消化物の腺房画分からのサイトケラチン19陽性上皮細胞の作成を公開している。作成された細胞は、誘導培地の存在下で、制限された増殖能、およびインスリン産生細胞への制限された分化能を有する。(後述の表Iの細胞8。)
米国公開出願第2004/015805 A1号は、ヒト膵臓幹細胞の小集団が細胞表面マーカーCD56(NCAMとしても知られる)に対するリガンドを用いて単離され得ることを報告している。これらの細胞は、インスリン産生細胞とインスリン産生凝集体へ分化することができる(後述の表Iの細胞9)。
従って、後期継代でもβ細胞系統への分化能を維持する一方で、現在の臨床的必要性に対応するために増殖可能な、成人膵臓由来細胞系統樹立のための培養条件開発の重大な必要性が依然として残っている。
〔発明の概要〕
本発明は、β細胞系統の特性を有する細胞への分化能を維持したままでの成人膵臓由来細胞集団の単離、および約20集団倍加までの細胞集団の増殖のための方法を目的とする。あるいは、β細胞系統の特性を有する細胞への分化能を維持したままでの、約50集団倍加まで、もしくは約70集団倍加まで細胞集団が増殖する場合もある。
ある実施形態において、本発明は、ほ乳類成人膵臓由来間質細胞の単離のための方法を提供する。本発明に従い、膵臓細胞は、分化した膵臓細胞と未分化の膵臓間質細胞を含む膵臓組織の消化物から得られる。間質細胞を選別し濃縮するために、膵臓組織の消化物から得た細胞を、5%未満の血清と30mM未満の濃度のグルコースとを含む栄養豊富な培地である選択培地で培養する。グルコースの範囲はより少なくてもよく、例えば6mM以下の場合もある。培養はそのまま約2週間から約4週間、培地を交換せずに細胞が培養基質に接着するまで放置される。
選択と細胞接着の最初の段階の後、選択培地を1%より大きく20%未満の濃度の血清と、30mM未満の濃度のグルコースとを含む栄養豊富な増殖培地に切り換えても良い。
結果として得られる細胞集団は、成人膵臓由来間質細胞が濃縮されている。このような間質細胞集団は、EPCAM、CD45、CD117、CD133、CD138、CD184、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、8、18もしくは19のマーカーのうち少なくとも一つが実質的に陰性であり、β細胞系統の細胞への分化能を失わずに複数世代にわたって増殖することも可能である。
成人膵臓由来間質細胞が濃縮された細胞集団は、成人膵臓由来間質細胞を同定し、選択して、実質的に純粋な成人膵臓由来間質細胞の集団、つまり認識されたタンパク質マーカーが細胞集団の少なくとも50%で発現されている集団を得るために、例えば、間質細胞が発現するタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば抗体)と接触させることもできる。
別の実施形態では、本発明は、EPCAM、CD45、CD117、CD133、CD138、CD184、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、8、18もしくは19のマーカーのうち少なくとも一つに対して実質的に陰性である、単離された純粋な成人膵臓由来間質細胞の集団を提供する。
ある実施形態では、本発明に従って単離、増殖される成人膵臓由来間質細胞は、β細胞系統に細胞を分化させることができる薬剤のスクリーニングのためのインビトロアッセイに用いられる場合もある。
本発明に従って単離、増殖される成人膵臓由来間質細胞は、適切なインビトロもしくはインビボ条件下でβ細胞系統の細胞への分化を誘導される場合もある。あるいは、本発明に従って選択、増殖される成人膵臓由来間質細胞は、成人膵臓由来間質細胞由来の分化した細胞と同様に、1型糖尿病と2型糖尿病の治療に有用である。
〔発明の詳細な説明〕
限定の目的ではなく開示の明確化を目的として、発明の詳細な説明は、特定の特徴、実施形態もしくは本発明の応用を述べる、または示す以下の小区分に分割される。
〔定義〕
「膵臓由来細胞」とは、腺房細胞、腺管細胞、膵島細胞タイプに加え、間質細胞、星細胞、ニューロン、血管細胞、幹細胞、および前駆細胞といった支持細胞を含む、ほ乳類種由来の腎臓初代細胞もしくはほ乳類の膵臓より単離された初代細胞を指す。
「腺房細胞」とは、膵臓の細胞の約80%を占める膵臓細胞を指し、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシン、およびエラスターゼなどの多くの様々な酵素を産生する。
「腺管細胞」とは、膵臓の細胞の約10%を占める膵臓細胞を指し、腺房からの膵臓酵素を排出する、より大きい小葉間腺管と小葉内管に加えて、最も小さい介在腺管を規定する。腺管細胞は、炭酸水素塩と、酵素を希釈する水も産生し、これらの管構造から腸への放出で腸のpHを変化させる。腺管細胞は、サイトケラチン19(CK19)によって同定することもできる。
「膵島細胞」とは、膵臓の細胞の約1から2%を占める内分泌細胞を指し、様々なホルモンを作る様々な細胞タイプを含む膵島と呼ばれる特徴ある細胞凝集体として存在する。β細胞は膵島凝集体の約60から80%を占め、体内のほとんどの細胞へのグルコース移行を可能にするインスリンを分泌する。α細胞は膵島の約10から30%を占め、正常の血糖を維持するためにグルコースの肝臓からの放出を可能にする、飢餓の間に放出されるグルカゴンを分泌する。Δ細胞は膵島細胞の約5から10%を占め、グルコース濃度を更に調節するソマトスタチンを分泌する。膵臓ポリペプチド産生細胞(膵島細胞の約5から10%)は、外分泌機能と胃腸機能を変化させるホルモンを放出する。内皮細胞、神経細胞、および前駆細胞などといった、その他の膵島細胞タイプもある。
「膵臓由来間質細胞」とは、インビトロで増殖能があり、膵臓ホルモン産生細胞、膵島細胞、β細胞系統の細胞、もしくはβ細胞の特徴であるマーカーが一切欠如した、膵臓に由来する線維芽様細胞を指す。
「β細胞系統」とは、転写因子PDX-1と、NGN-3、Nkx2.2、Nkx6.1、NeuroD、Isl-1、HNF-3 beta、MAFA、Pax4、およびPax6のうちの少なくとも一つの転写因子と、に対して陽性の遺伝子発現を示す細胞を指す。
「膵島様構造」とは、本発明の方法の実践によって得られる膵島の外観を示す三次元的な細胞集団を指す。膵島様構造の細胞は少なくともPDX-1遺伝子と、グルカゴン、ソマトスタチン、もしくはインスリンから選択された一つのホルモンと、を発現する。
「低酸素圧」の語は、1%以上で20%未満、あるいは10%未満、あるいは5%未満の酸素濃度を指す。
「正常酸素圧」の語は、約20%の大気酸素濃度を指す。
「実質的に陽性」の語は、特定のマーカー(例えば、膜受容体、細胞質もしくは核タンパク質、または転写因子など)の発現と関連する細胞集団との繋がりで用いられた場合、マーカーが細胞集団全体の少なくとも約50%、望ましくは少なくとも約60%、より望ましくは少なくとも約70%に存在もしくは発現されていることを意味する。
「実質的に陰性」の語は、特定のマーカー(例えば、膜受容体、細胞質もしくは核タンパク質、または転写因子など)の発現と関連する細胞集団との繋がりで用いられた場合、マーカーが細胞集団全体の約70%、あるいは約80%、あるいは約90%に存在していない、もしくは発現していないことを意味する。
「実質的に純粋」の語は、細胞集団との繋がりで用いられた場合、目的の細胞が細胞集団全体の少なくとも約50%、望ましくは少なくとも約60%、より望ましくは少なくとも約70%、そして最も望ましくは>80%を占めることを意味する。
本明細書で用いられる場合、「幹細胞」とは、インビボもしくは生体外で大規模に増殖可能であり、その他の細胞タイプに分化可能である未分化の細胞を指す。
「前駆細胞」とは、分化によって幹細胞に由来し、更により成熟した細胞タイプに分化可能な細胞を指す。前駆細胞は、幹細胞と比較して一般的により限られた増殖能を有する。あるいは、「前駆細胞」は完全に、もしくは部分的に分化した細胞の脱分化から生じる場合もある。
「増殖可能な集団」とは、細胞培養システムにおいて少なくとも約20集団倍加、あるいは少なくとも約50集団倍加、あるいは少なくとも約70集団倍加までの、単離された細胞集団の増殖能を指す。
「未分化細胞」とは、膵臓から単離された細胞との繋がりで用いられた場合、PDX-1もしくはインスリンの発現が実質的に陰性の膵臓由来細胞の集団を意味する。
「分化した細胞」とは、膵臓から単離された細胞との繋がりで用いられた場合、PDX-1もしくはインスリンの発現が実質的に陽性の膵臓由来細胞の集団を意味する。
本明細書で用いられる場合、「マーカー」とは目的の細胞で特異的に発現されている核酸分子またはポリペプチド分子である。この背景において、特異的な発現とは陽性マーカーについてはマーカーのレベルの増大、陰性マーカーについてはマーカーのレベルの減少を意味する。検出可能なレベルのマーカー核酸もしくはマーカーポリペプチドは、当業者に知られる様々な任意の方法を用いて目的の細胞が特定され他の細胞と区別できるように、他の細胞と比較して目的の細胞内で十分に高レベルもしくは低レベルである。
「ネスチン」とは、Genbankの受入番号X65964に公開された配列を有する中間径フィラメントタンパク質、または自然に生じたその変異配列(例えば、対立遺伝子多型)を指す。
「βIIIチューブリン」は、細胞形態の発生と維持、および膜系小器官の輸送といった様々な細胞質機能に関わる細胞骨格成分の一部である。βIIIチューブリンは、神経細胞に存在することが示されている。
「ビメンチン」は、間充組織に由来する細胞の一般的なマーカーである細胞骨格の中間径フィラメントタンパク質である。
「ABCG2」とは、Genbankの受入番号XM 032424に公開された配列を有する、ATP結合カセット多薬剤耐性トランスポーターG2(ATP-binding cassette multi-drug resistance transporter G2)、もしくは自然に生じたその変異配列(例えば、対立遺伝子多型)を指す。当業者は、ABCG2をコードするDNA配列は異なる可能性もあるが、コードされたアミノ酸配列は依然同一のままである、同等のものが存在することを認めるだろう。
「表面抗原分類」(CD)分子は、抗体の特異的なセットで認識されるため、細胞タイプ、分化段階、および細胞の活性状態の同定に用いられる細胞表面上のマーカーである。CDマーカーの機能と意味は、技術的に十分確立されている。例として、白血球抗原実情調査書第2版,バークレーA.N.ら,アカデミック・プレス,ロンドン(The Leukocyte Antigen Fact Book, 2nd edition, Barclay, A. N. et al. Academic Press, London) 1997を参照。
「CD49b」は、「VLA-2」とも呼ばれ、例えばラミニン、コラーゲン、フィブロネクチン、およびe-カドヘリンといった細胞外タンパク質に対する表面受容体である。CD49bは、凝固と血管新生の両方に関与し、主に血小板、活性化されたB細胞とT細胞に認められる。
「CD49e」は、「VLA-5」とも呼ばれ、フィブロネクチンとフィブリノゲンに対する受容体としての役目を果たす。CD49eは主に血小板、単球、好中球で発現される。
「CD49f」は、「α6インテグリン」と「VLA-6」とも呼ばれ、ラミニンを結合するインテグリンβ1サブユニットに関連する。CD49fは、主に上皮細胞、トロホブラスト、血小板、および単球で発現される。
「CD90」は、「Thy-1」とも呼ばれ、主に造血幹細胞、結合組織細胞、および様々な線維芽細胞と間質細胞で発現される。
「CD91」は、リポタンパク質と結合するα2-マクログロブリン受容体とも呼ばれ、熱ショックタンパク質に対する表面受容体としても役割を果たす。CD91は主に線維芽細胞、樹状細胞、およびマクロファージで発現される。
「CD95」は、「FAS」もしくは「APO-1」とも呼ばれ、FASリガンドに対する受容体である。CD95は主に、活性化されたB細胞とT細胞、および特定のタイプの上皮細胞で発現される。
「CD105」は、「エンドグリン」とも呼ばれ、主に内皮細胞、単球、マクロファージ、間質細胞、および骨髄間葉系細胞で発現される。
「NCAM」は、「CD56」としても知られる神経細胞接着分子(Neural Cell Adhesion Molecule)を指し、神経系と膵臓組織を含む多くの組織で発現されるCa2+非依存性の細胞接着分子である。
「PECAM」は、血小板/内皮細胞接着分子(Platelet/Endothelial Cell Adhesion Molecule)を指し、細胞-細胞相互作用に関与する細胞表面糖タンパク質である細胞接着分子ファミリーに属する。
「EPCAM」は、主に上皮細胞で細胞-細胞相互作用に関与する細胞表面糖タンパク質である上皮細胞接着分子(Epithelial Cell Adhesion Molecule)を指す。
「c-MET」とは、肝細胞増殖因子に対する受容体を指す。
「CD44」は「ヘルメス抗原」とも呼ばれ、ヒアルロン酸に対する主要な細胞表面受容体である。このCDは、主に肝細胞、一部の上皮細胞、および心筋といった組織・細胞を除くほとんどの細胞で発現される。
「CD73」は「ecto-5'-ヌクレオチダーゼ」とも呼ばれ、主にB細胞とT細胞で、骨髄間質細胞、様々な上皮細胞、線維芽細胞、および内皮細胞のサブセットで発現される。
「CD81」は抗増殖抗体標的(Target of an Anti-Proliferative Antibody, TAPA1)とも呼ばれ、主にリンパ球、内皮細胞、および上皮細胞で発現されている。
「CD124」はインターロイキン4受容体とも呼ばれ、成熟したB細胞、T細胞、造血前駆細胞、線維芽細胞、内皮細胞で発現される。
「CD138」は、細胞接着を仲介するヘパリン硫酸プロテオグリカン(heparin sulfate proteogycan)またはシンデカン-1(syndecan-1)とも呼ばれ、B細胞の分化の後期に関与している。CD138は、B前駆細胞、形質細胞、および一部の上皮細胞タイプに普通認められる。
「CD151」は、インテグリンの機能およびシグナル伝達を修飾すると考えられ、内皮細胞、血小板、巨核球、上皮細胞に一般的に見いだされる。
「CD166」は活性型白血球細胞接着分子(Activated Leukocyte Cell Adhesion Molecule, ALCAM)とも呼ばれ、ニューロンの軸索伸張、胚の造血、および胚の血管新生に関与する。CD166は、主にニューロン、活性型T細胞、活性型単球、上皮細胞、および線維芽細胞で発現される。
「CD184」は、CXCR4もしくは間質細胞由来因子1(stromal cell Derived Factor 1, SDF1)とも呼ばれる。CD184は、CXCケモカインSDF-1の受容体であり、全ての成熟した血液細胞、血液前駆細胞、内皮細胞、上皮細胞、星状細胞、およびニューロンに見いだされる。
「c-Kit」と「CD117」は共に、Genbank受入番号X06182に開示される配列を有する細胞表面受容体チロシンキナーゼ、もしくは自然に生じたその変異配列(例えば、対立遺伝子多型)を指す。
「CD45」とは、Genbank受入番号Y00638に開示される配列を有する白血球共通抗原、もしくは自然に生じたその変異配列(例えば、対立遺伝子多型)を指す。
「CD133」とは、Genbank受入番号NM 006017に開示される配列を有する膜5回貫通造血幹細胞抗原を指す。
「アルカリホスファターゼ」は、肝臓、骨および胎盤で産生される酵素であり、通常、成長中の骨と胆汁中に高濃度で存在する。未分化の多能性幹細胞の際だった特徴は、細胞表面における高レベルのアルカリホスファターゼ(AP)の発現である。
「合成基礎細胞培地(basic defined cell culture medium)」は、血清を含まない、もしくは血清を含む化学的に合成された細胞増殖培地(cell growth medium)を意味する。このような培地は、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、α改良最小必須培地(alpha modified Minimum Essential Medium)(αMMEM)、基礎必須培地(Basal Medium Essential , BME)、CMRL-1066、RPMI 1640、M199培地、HamのF10栄養培地、およびDMEM/F12を含むがそれに限定されない。これら、およびその他の有用な培地は、例えばGIBCO(Grand Island、New York、U.S.A.)から入手可能である。これらの数多くの培地は、アカデミック・プレス社(Academic Press Inc.)発行のウィリアムB.ジャコビーおよびアイラH.パスタン(William B. Jakoby and Ira H. Pastan)編、メソッド・イン・エンジモロジーLVIII「細胞培養」(Methods in Enzymology, Volume LVIII, "Cell Culture,") pp. 62-72に概説されている。
「医薬的担体」とは、ほ乳類細胞の移植のための担体としての役割を果たす、生分解性もしくは非分解性の多孔性もしくは非多孔性のマトリックスを指す。
本明細書で用いられる場合「移植」とは、例えばヒトの患者といったほ乳類に細胞もしくは細胞集団、もしくは組織を導入する方法を含む場合がある。「移植」とは、医薬的担体への細胞または組織の組み込み、および例えばヒトの患者といったほ乳類への担体の埋め込みも含む場合もある。
<成人膵臓由来間質細胞の単離>
本発明の一態様において、膵臓由来間質細胞は図1に示された多段階の方法によって単離される。この方法は、基本的に以下の段階を含む。
- 酵素溶液による死体膵臓、生体ドナーもしくは自家膵臓の潅流。
- 潅流された膵臓の機械的分離。
- ポリスクロース、またはフィコールなどの密度勾配上への消化された組織の重層の後、3つの明瞭な界面を得るための遠心。
- 各界面の組織と細胞の除去。
- 5%未満の血清を含む栄養豊富な選択培地で標準的組織培養プレートでの組織と細胞の培養。
- 約2週間から約4週間まで培地交換無しでそのまま培養を放置。
死体膵臓の潅流は、当業者によく知られた任意の酵素溶液により達成されることもできる。本発明での使用に適した酵素溶液の一例は、LIBERASE HI(商標)(Roche、0.5mg/mL)とDNaseI(0.2mg/mL)を含む。
膵臓組織の機械的分離は、組織プロセッサの利用で迅速に行われる場合もある。あるいは、膵臓組織の機械的分離はリコルディ・チャンバー(Ricordi Chamber)もしくは他の方法と比較して組織の破壊的な分離が少なく分離可能なその他の同等の装置を用いて行われる場合もある。
消化された膵臓組織は次に、膵島、腺管組織、および腺房組織からそれぞれ細胞が濃縮された3つの明確な界面を得るために、ポリスクロースもしくはフィコール勾配遠心に供された。一実施形態では、組織と細胞は、各界面から取り除かれ、別々に培養される。別の実施形態では、全ての界面の組織と細胞が混合されて培養される。本発明に従って、成人膵臓由来間質細胞は3つの界面のいずれからも得られることが見いだされている。あるいは、消化された膵臓組織は、膵島が濃縮された組織、腺管組織、および腺房組織を集めることもできる、連続密度勾配に供される場合もある。
本発明に従い、一つ以上の界面から回収された組織と細胞は、細胞集団中の成人膵臓由来間質細胞を選択的に濃縮する選択培地で培養される。選択培地は栄養が豊富であり、低濃度のグルコースと血清を含む。一般的に言えば選択培地は5%未満の血清、あるいは約1から約3%の血清、あるいは約2%の血清と、30mM未満のグルコースを含む。一実施形態では、選択培地は、ドナー膵臓が採取されたのと同一のほ乳類種由来の血清2%を添加されている。あるいは、ウシ胎児もしくは仔ウシの血清、その他の種の血清、またはその他の血清添加物もしくは代替品が選択培地に添加するのに用いられる場合もある。適切な選択培地の一例は、DMEM(5mMグルコース)、2%ウシ胎児血清(FBS)、100U/μgペニシリン/ストレプトマイシン、インスリン-トランスフェリン-セレニウム(ITS)、2mM L-グルタミン、0.0165mM ZnSO4、および0.38μM 2-メルカプトエタノールからなる。
選択培地での培養中(「選択段階」)、細胞は低酸素圧または正常酸素圧条件下で培養される場合もある。低酸素条件下では、酸素濃度は1%より大きく、20%未満、もしくは10%未満、もしくは5%未満である。
一実施形態では、培養は一般的に、用いられた培養基質に細胞が接着する約2週間から約4週間培地交換なしで、選択培地でそのまま維持される。選択段階は、接着細胞の数がそれ以上増加しなくなった時点で完了と見なされる。
本発明に従った組織の採取と培養の方法は、成人膵臓由来間質細胞が濃縮された細胞集団をもたらすことが見いだされてきた。「濃縮された」とは、成人膵臓由来間質細胞が集団の全細胞の少なくとも約30%、あるいは約40%、あるいは約50%を占めることを意味する。
選択と細胞接着の初期段階の結果、(成人膵臓由来間質細胞が濃縮された)細胞は、以下に更に述べられるような条件下で増殖された。
望ましければ、成人膵臓由来間質細胞が濃縮された細胞集団は、成人膵臓由来間質細胞を特定して選択し、実質的に成人膵臓由来間質細胞の純粋な集団を得るために、例えば、間質細胞により発現されるタンパク質マーカーの発現を特異的に認識する薬剤(例えば、抗体など)に曝露される場合もある。
<単離された成人膵臓由来間質細胞の性質決定>
培養中もしくは単離された細胞内でのタンパク質マーカーおよび核酸マーカー発現の評価方法は、技術的に標準的である。これらの方法は、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)、ノーザンブロット、インサイチュー・ハイブリダイゼーション(例としてキュレント・プロトコル・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biology) (アウスベルら編(Ausubel et al., eds.) 2001 サプルメント(supplement))を参照)、および例えば、切片化された材料の免疫組織化学解析、ウェスタンブロット、無傷の細胞に利用可能なマーカーのためのフローサイトメトリー解析(FACS)(例えば、ハーロウおよびレーン,抗体の使用,ラボラトリー・マニュアル,ニューヨーク,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Harlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press) (1998)を参照)といったイムノアッセイを含む。
特定のタンパク質マーカー検出に有用な抗体の例は、表IIおよび表Vに記載されている。表IIと表Vに挙げられた抗体によって認識される同じマーカーを対象とするその他の抗体が入手可能で、容易に開発され得ることは留意されなければならない。このようなその他の抗体は、本発明に従って単離された細胞におけるマーカーの発現の評価にも使用される場合もある。
β細胞系統の細胞特性は、当業者によく知られており、β細胞系統の更なる特性が確認され続けている。これらの特性は、本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞がβ細胞系統の性質特性を獲得するよう分化したことを確認するために用いられる場合もある。β細胞系統特異的な特性には、例えば、特にインスリン、PDX-1(膵臓および十二指腸ホメオボックス遺伝子-1)、NGN-3(neurogenin-3)、Hlxb9、Nkx6、Isl1、Pax6、NeuroD、Hnf1a、Hnf6、Hnf3 Beta、およびMafA等といった一つ以上の転写因子の発現を含む。これらの転写因子は、内分泌細胞の特定のために、技術的に十分確立されている。例として、エドランド(Edlund) (ネイチャー・レビュー・ジェネティック3(Nature Reviews Genetics 3): 524-632 (2002))を参照。
本発明者は、β細胞系統の特性を有する細胞への分化能を維持する一方で約20集団倍加までの増殖能を持つ、ほ乳類の膵臓由来の成体間質細胞集団を特定し単離した。別の実施形態では、本発明者は、β細胞系統の特性を有する細胞への分化能を維持する一方で約50集団倍加までの増殖能を持つ、ほ乳類の膵臓由来の成体間質細胞集団を特定し単離した。別の実施形態では、本発明者は、β細胞系統の特性を有する細胞への分化能を維持する一方で約70集団倍加までの増殖能を持つ、ほ乳類の膵臓由来の成体間質細胞集団を特定し単離した。
具体的には、本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は、とりわけCD117、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、8、18、もしくは19のタンパク質マーカーの少なくとも一つが実質的に欠けていることが明らかにされている。ある特定の実施形態においては、本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は、CD44、CD49b、CD49e、CD73、CD81、CD90、CD95、CD105、CD151、またはCD166のタンパク質マーカーの少なくとも一つが実質的に陽性であることが明らかにされている。
<成人膵臓由来間質細胞の増殖>
さらに別の態様では、本発明は本発明に従って得られた成人膵臓由来間質細胞増殖方法を提供する。前述のように、膵島、腺管断片、および外分泌組織の不均一な混合物を含む可能性がある膵臓の消化物は、目的の成人膵臓由来間質細胞を選択的に濃縮するために低血清の選択培地中で約2週間から約4週間、望ましくは培地の交換なしに培養される。その結果得られた成人膵臓由来間質細胞が濃縮された細胞集団は、次に細胞集団中の成人膵臓由来間質細胞を増殖させるための増殖培地に切り換えられる。
本発明で用いるのに適切な増殖培地は、例えば、ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)と2%から20%、望ましくは約5%の濃度の血清を含むDMEMといった培地からなる可能性がある。特定の実施形態では、増殖培地はDMEM(2750mg/L D-グルコース、862mg/Lグルタミン)、5%ウシ胎児血清、および0.0165mM硫酸亜鉛からなる。特定の実施形態では、増殖培地にはドナー膵臓が採取されたものと同一ほ乳類種由来の血清が添加される。あるいは、ウシ胎児もしくは仔ウシの血清、または、例えば血清アルブミンのようなその他の血清添加物もしくは血清代替物が増殖培地に添加するために用いられる場合もある。
さらに、成人膵臓由来間質細胞は、本発明の細胞の増殖を刺激する薬剤を含む合成増殖培地での培養によって増殖される場合もある。これらの因子は、例えば、ニコチンアミド、TGF-β1、2、および3を含むTGF-βファミリーのメンバー、骨形態形成タンパク質(BMP-2、-4、6、-7、-11、-12、および-13)、血清アルブミン、線維芽細胞増殖因子ファミリー、血小板由来増殖因子-AAおよび-BB、多血小板血漿、インスリン増殖因子(IGF-I、II)、増殖分化因子(GDF-5、-6、-8、-10、11)、グルカゴン様ペプチド-IおよびII(GLP-I、およびII)、GLP-1およびGLP-2模倣剤(mimetobody)、エキセンディン-4(Exendin-4)、レチノイン酸、副甲状腺ホルモン、インスリン、プロゲステロン、アプロチニン、ヒドロコルチゾン、エタノールアミン、βメルカプトエタノール、上皮細胞増殖因子(EGF)、ガストリンIおよびII、トリエチレンペンタミンなどの銅キレート剤、TGF-α、ホルスコリン、酪酸ナトリウム、アクチビン、ベータセルリン、インスリン/トランスフェリン/セレニウム(ITS)、肝細胞増殖因子(HGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、ウシ下垂体抽出物、膵島新生関連タンパク質(INGAP)、プロテアソーム阻害剤、notch経路阻害剤、ソニック・ヘッジホッグ阻害剤、もしくはそれらの組合せなどを含む場合もある。あるいは、成人膵臓由来間質細胞は、培養上清(conditioned media)での培養で増殖される場合もある。「培養上清」とは、細胞集団を基礎合成細胞培養培地で増殖させ、可溶性の因子を培地に提供することを意味する。このような使用において、細胞が産生する可溶性因子を残したまま細胞は培地から除かれる。この培地は、次に別の細胞集団に栄養を与えるために用いられる。
ある実施形態において、成人膵臓由来間質細胞は、標準的組織培養プレート上で培養される。あるいは、培養プレートは例えばMATRIGEL(登録商標)、増殖因子減少MATRIGEL(登録商標)、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、テネイシン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、トロンボスポンジン、胎盤抽出物、もしくはその組み合わせといった細胞外マトリックスタンパク質で被覆される場合もある。
更に、成人膵臓由来間質細胞は、インビトロで低酸素圧条件もしくは正常酸素圧条件下で増殖される場合もある。
上記の増殖のための成長条件(growth condition)下で、本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は、β細胞系統の特性を持つ細胞への分化能を維持しながら、約20集団倍加より多いか、あるいは約50集団倍加より多いか、あるいは約70集団倍加より多く増殖することもできる。
<成人膵臓由来間質細胞の分化>
一態様において、本発明は、β細胞系統のマーカー特性を持つ細胞への、増殖した本発明の成人膵臓由来間質細胞の分化が可能な組成を提供する。
一つ以上の成分が供給される場合、成人膵臓由来間質細胞の増殖を維持し、分化を誘導する量の一つ以上の増殖因子を含む合成基礎培養培地は、「誘導培地」と呼ばれる。本発明に基づき、誘導培地は2%以下の血清を含む。一実施形態において、ウシ胎児血清が用いられる場合もある。あるいは、ウシ胎児血清が任意のほ乳類の血清、あるいはヒトアルブミン、ウシアルブミン、または成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統への分化を可能にする、もしくは強化するその他の化合物で置き換えられる場合もある。あるいは、誘導培地は培養上清である場合もある。
誘導培地に用いるのに適切な因子は、例えば、ニコチンアミド、TGF-β1、2、および3を含むTGF-βファミリーのメンバー、骨形態形成タンパク質(BMP-2、-4、6、-7、-11、-12、および13)、血清アルブミン、線維芽細胞増殖因子ファミリー、血小板由来増殖因子-AAおよび-BB、多血小板血漿、インスリン増殖因子(IGF-I、II)、増殖分化因子(GDF-5、-6、-8、-10、11)、グルカゴン様ペプチド-IおよびII(GLP-I、およびII)、GLP-1およびGLP-2模倣剤、エキセンディン-4(Exendin-4)、レチノイン酸、副甲状腺ホルモン、インスリン、プロゲステロン、アプロチニン、ヒドロコルチゾン、エタノールアミン、βメルカプトエタノール、上皮細胞増殖因子(EGF)、ガストリンIおよびII、トリエチレンペンタミンなどの銅キレート剤、TGF-α、ホルスコリン、酪酸ナトリウム、アクチビン、ベータセルリン、ITS、肝細胞増殖因子(HGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、ウシ下垂体抽出物、膵島新生関連タンパク質(INGAP)、プロテアソーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、notch経路阻害剤、ソニック・ヘッジホッグ阻害剤、もしくはそれらの組合せなどを含む場合もある。
本発明の一態様では、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統への分化をサポートするために、bFGF、Activin-A、FGF5、N2およびB27補助剤(Gibco、CA)、例えばソニック・ヘッジホッグシグナル経路を阻害するシクロパミン(EMD、CA)といったステロイドアルカロイド、例えばMG132(EMD、CA)といったプロテアソーム阻害剤などといった増殖因子と化学薬剤の組合せが、合成基礎培地に添加される。一態様では、細胞は10μMのMG-132を含むDMEM(低グルコース、5.5mM)から成る誘導培地で約1日から約2日間培養され、その後、1xB27(Gibco、CA)と1xN2(Gibco、CA)を添加した誘導培地で約3日間から約7日間、そして更にシクロパミン(10μM;EMD、CA)、bFGF(20ng/mL;R&D Systems、MN)、アクチビンA(20nM;R&D Systems、MN)もしくはFGF5(20ng/mL;R&D Systems、MN)を添加した誘導培地でさらに5日間、追加のインキュベーションが行われる。
本発明の別の態様では、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統への分化をサポートするために、例えばMG132(EMD、CA)といったプロテアソーム阻害剤を含む、増殖因子と化学薬剤の組合せが合成基礎培地に供給される。一態様では、細胞は1μMから10μMの範囲の濃度のMG-132を含むDMEM(低グルコース、5.5mM)から成る誘導培地で約1日から約2日間培養された後、例えばトリコスタチンA(Sigma、MO)のようなヒストンデアセチラーゼ阻害剤で約1日から約2日間、更に追加のインキュベーションが行われる。これらの阻害剤の除去後、目的の程度のβ細胞系統への分化を達成するために、例えば、ニコチンアミド、TGF-β1、2、および3を含むTGF-βファミリーのメンバー、骨形態形成タンパク質(BMP-2、-4、6、-7、-11、-12、および13)、血清アルブミン、線維芽細胞増殖因子ファミリー、血小板由来増殖因子-AAおよび-BB、多血小板血漿、インスリン増殖因子(IGF-I、II)、増殖分化因子(GDF-5、-6、-8、-10、11)、グルカゴン様ペプチド-IおよびII(GLP-I、およびII)、GLP-1およびGLP-2模倣剤、エキセンディン-4(Exendin-4)、レチノイン酸、副甲状腺ホルモン、インスリン、プロゲステロン、アプロチニン、ヒドロコルチゾン、エタノールアミン、βメルカプトエタノール、上皮細胞増殖因子(EGF)、ガストリンIおよびII、トリエチレンペンタミンなどの銅キレート剤、TGF-α、ホルスコリン、酪酸ナトリウム、アクチビン、ベータセルリン、ITS、肝細胞増殖因子(HGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、ウシ下垂体抽出物、膵島新生関連タンパク質(INGAP)、プロテアソーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、notch経路阻害剤、ソニック・ヘッジホッグ阻害剤、もしくはそれらの組合せなどを含む場合もある誘導培地で用いるのに適切な因子を添加した誘導培地で更に追加の期間にわたって細胞が培養される。
効果的な分化を達成するために、例えばβ細胞系統の特性を持つ細胞に分化した細胞の割合をモニターすることによって、増殖因子の組合せと濃度、培養の長さ、およびその他の培養条件が当業者によって至適化される場合もある。約1週間から4週間の期間にわたってβ細胞系統のマーカーを有する細胞への本発明の膵臓間質細胞の分化を誘導するために十分な量で、一つ以上の増殖因子が添加される場合もある。
あるいは、本発明の成人膵臓由来間質細胞は、β細胞系統への細胞分化の誘導能を有する薬剤を試験するためのインビトロアッセイに用いられる場合もある。細胞は、一つ、もしくは一つ以上の薬剤と接触させられ、遺伝子発現の変化が長期間モニターされる。使用される可能性がある方法の一例が、下記の実施例9に開示される。
<本発明の細胞の治療上の使用>
本発明の方法に従って単離され、増殖させられた成人膵臓由来間質細胞が膵臓β細胞系統の細胞への分化能を維持していることが認められた。本発明の細胞は、1型および2型糖尿病の治療に利用される可能性もある。
一態様において、本発明は1型糖尿病を患う、もしくは発症の危険があるほ乳類のための治療方法を提供する。この方法は、成人膵臓由来間質細胞の単離と培養、単離された細胞集団の増殖、インビトロでのβ細胞系統への培養細胞の分化、および、分化した細胞の直接的、あるいは医薬的担体中のいずれかでほ乳類への移植を伴う。もし適切であれば、ほ乳類は、移植された細胞の生存と機能を促進する医薬品もしくは生物活性物質により更に治療される可能性もある。これらの薬剤は、例えば、特にインスリン、TGF-β1、2、および3を含むTGF-βファミリーのメンバー、骨形態形成タンパク質(BMP-2、-3、-4、-5、-6、-7、-11、-12、および13)、線維芽細胞増殖因子-1および-2、血小板由来増殖因子-AAおよび-BB、多血小板血漿、インスリン増殖因子(IGF-I、II)、増殖分化因子(GDF-5、-6、-8、-10、15)、血管内皮細胞由来増殖因子(VEGF)、プレイオトロフィン、エンドセリンを含む可能性もある。その他の医薬的化合物は、例えばニコチンアミド、グルカゴン様ペプチド-IおよびII(GLP-I、およびII)、GLP-1およびGLP-2模倣剤、エキセンディン-4(Exendin-4)、レチノイン酸、副甲状腺ホルモン、例えば米国公開出願第2004/0209901号、およびに米国公開出願第2004/0132729号に開示された化合物などのMAPK阻害剤を含む可能性もある。
更に別の様態では、本発明は2型糖尿病を患う、もしくは発症の危険があるほ乳類のための治療方法を提供する。この方法は、本発明に従う成人膵臓由来間質細胞の単離と培養、単離された細胞集団の増殖、インビトロでのβ細胞系統への培養細胞の分化、および、分化した細胞の直接的、あるいは医薬的担体中いずれかでのほ乳類への移植を伴う。
更に別の実施形態では、本発明の成人膵臓由来間質細胞は、間質細胞の生存を高めるために、もしくはβ細胞系統への間質細胞の更なる分化を誘導するために、同じ動物種もしくは異なる動物種の成熟した膵島と共に移植される可能性もある。
本発明の間質細胞が単離される膵臓組織の供給源は、治療を受けるほ乳動物の自家組織である場合もある。あるいは、供給源は同種異系もしくは異種である場合もある。ほ乳動物に投与される細胞は、増殖および/または分化を増強するため、または免疫拒絶の危険性を予防もしくは軽減するために遺伝子操作も行われる可能性もある。あるいは、本発明に従って得られた成人膵臓由来間質細胞は、本発明に従って調製された分化した細胞の移植前に、レシピエントの免疫反応を制御するために用いられる可能性もある。例として米国特許第6,328,960号、および、米国特許第6,281,012号を参照。
本発明の成人膵臓由来間質細胞は、レシピエントへの移植前にインスリン産生細胞に完全に分化される場合もある。特定の実施形態において、本発明の成人膵臓由来間質細胞は、レシピエントへの移植前にβ細胞に完全に分化される場合もある。あるいは、本発明の成人膵臓由来間質細胞は、未分化もしくは部分的に分化した状態でレシピエントに移植される場合もある。更なる分化はレシピエント内で行われる可能性もある。
未分化もしくは別の細胞は、肝門静脈に注入される可能性がある分散された細胞、もしくは凝集体を形成した細胞として用いられる場合もある。あるいは、細胞は成体適合性の分解性のポリマー支持体、多孔性の非分解性の装置、もしくは宿主の免疫反応から防御するためにカプセル化されて提供される可能性もある。細胞は、レシピエントの適切な部位に移植される可能性がある。移植部位は、例えば、肝臓、自然の膵臓、腎臓被膜下腔、網、腹膜、漿膜下腔、もしくは皮下ポケットを含む。
更に移植細胞の分化、生存、活性を高めるために、増殖因子、抗酸化剤、もしくは抗炎症剤などといった更なる因子が細胞の投与前、投与と同時に、もしくは投与後に投与される場合もある。特定の実施形態では、投与された細胞をインビボで分化させるために増殖因子が利用される。これらの因子は、内因性の細胞によって分泌され、投与された間質細胞がインサイチューで曝露される可能性もある。移植された間質細胞は、当技術分野で周知の内因性の増殖因子と外因的に投与された増殖因子の任意の組合せにより分化が誘導される可能性もある。
移植に用いられる細胞の量は、患者の状態、および治療への反応などの多くの要因に依存し、当業者によって決定される場合がある。
一態様では、本発明は糖尿病を患う、もしくは発症の危険があるほ乳類のための治療方法を提供する。この方法は、本発明にしたがう成人膵臓由来間質細胞の単離と培養、単離された細胞集団の増殖、インビトロでのβ細胞系統への培養間質細胞の分化、および、三次元支持体への細胞の組み込みを伴う。細胞は、ほ乳類への移植前にこの支持体上にインビトロで維持される可能性もある。あるいは、細胞を含む支持体は、インビトロでの更に追加の培養なしに、ほ乳類に直接移植される場合もある。支持体は任意で、移植された細胞の生存、分化、および機能を促進する少なくとも一つの医薬品と共に組み込まれる場合もある。
本発明の目的のために用いるのに適切な支持体の材料は、組織テンプレート、導管、障壁、および組織修復に有用な容器などを含む。具体的には、生体組織の再建または再生と、組織増殖誘導のための走化性物質の送達とのためにインビトロおよびインビボで用いられた発泡体、スポンジ、ゲル、ヒドロゲル、織物、および不織布構造の形の合成材料および天然材料が本発明の方法の実施において有用である。例として、米国特許第5,770,417号、米国特許第6,022,743号、米国特許第5,567,612号、米国特許第5,759,830号、米国特許第6,626,950号、米国特許第6,534,084号、米国特許第6,306,424号、米国特許第6,365,149号、米国特許第6,599,323号、米国特許第6,656,488号、米国特許第6,333,029号に開示された材料を参照。本発明に用いるのに適した典型的なポリマーは、米国公開出願第2004/0062753 A1号、および米国特許第4,557,264号に開示されている。
医薬品が組み込まれた支持体を形成するために、支持体の形成前に医薬品がポリマー溶液と混合される場合もある。あるいは、医薬品は、加工された支持体上に、望ましくは医薬的担体の存在下で被覆される可能性もある。医薬品は、液体、細かく分割された固体、もしくは任意のその他の適切な物理的形状として存在する可能性もある。あるいは、医薬品の放出速度を変化させるために、支持体に賦形剤が添加される可能性もある。代替の実施形態では、支持体は、例えば米国特許第6,509,369号に開示された化合物のような抗炎症化合物である、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。
一実施形態では、支持体は、例えば米国特許第6,793,945号に開示された化合物のような抗アポトーシス化合物である、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。
別の実施形態では、支持体は、例えば米国特許第6,331,298号に開示された化合物のような線維化阻害剤である、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。
更なる実施形態では、支持体は、例えば米国公開出願第2004/0220393号、および米国公開出願第2004/0209901号に開示された化合物のような血管新生の増進が可能な、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。
更に別の実施形態では、支持体は、例えば米国公開出願第2004/0171623号に開示された化合物のような免疫抑制化合物である、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。
さらなる実施形態では、支持体は、例えば、特にTGF-β1、2、および3を含むTGF-βファミリーのメンバー、骨形態形成タンパク質(BMP-2、-3、-4、-5、-6、-7、-11、-12、および13)、線維芽細胞増殖因子-1および-2、血小板由来増殖因子-AAおよび-BB、多血小板血漿、インスリン増殖因子(IGF-I、II)、増殖分化因子(GDF-5、-6、-8、-10、-15)、血管内皮細胞由来増殖因子(VEGF)、プレイオトロフィン、エンドセリンといった増殖因子である、少なくとも一つの医薬的化合物が組み込まれる。その他の医薬的化合物は、例えばニコチンアミド、低酸素誘導性因子1-α、グルカゴン様ペプチド-IおよびII(GLP-I、およびII)、GLP-1およびGLP-2模倣剤、エキセンディン-4(Exendin-4)、レチノイン酸、副甲状腺ホルモン、テネイシン-C、トロポエラスチン、トロンビン由来ペプチド、カセリシジン(cathelicidin)、デフェンシン、ラミニン;フィブロネクチンとビトロネクチンのような接着性の細胞外マトリックスタンパク質の細胞結合ドメインとヘパリン結合ドメインを含む生体ペプチド、例えば米国公開出願第2004/0209901号、およびに米国公開出願第2004/0132729号に開示された化合物などのMAPK阻害剤を含む可能性もある。
本発明の細胞の足場への組み込みは、足場への細胞の簡単な沈着によって実現される可能性もある。細胞は、単純な拡散によって足場内に侵入することもできる(ジャーナル・オブ・ペディアトリック・サージェリー23(J. Pediatr. Surg. 23) (1 Pt 2): 3-9 (1988))。細胞播種の効率を向上させるその他のいくつかのアプローチが開発されてきた。例えば、ポリグリコール酸の足場上への軟骨細胞の播種に、撹拌フラスコが用いられてきた(バイオテクノロジー・プログレス(Biotechnol. Prog.) 14(2): 193-202 (1998))。細胞播種のための別のアプローチは、播種された細胞に最低限のストレスを与え、播種効率を向上させる遠心の利用である。例えば、ヤングら(Yang et al.)は遠心細胞固定化法(Centrifugational Cell Immobilization、CCI)と呼ばれる細胞の播種方法を開発した(ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアル・リサーチ(J. Biomed. Mater. Res.) 55(3): 379-86 (2001))。
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これだけに留まらない。
〔実施例1〕
<ヒト成人膵臓由来間質細胞株の確立>
膵臓の調製−
臨床移植に適さないヒトの膵臓は、研究利用のための適切な承諾の後に、ザ・ナショナル・ディジーズ・リサーチ・インターチェンジ(The National Disease Research Interchange)(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA))から入手された。膵臓は、臓器保存溶液で氷上のステンレス製の皿に移され、無関係な組織は全て切り取られた。膵管に18ゲージのカテーテルが挿入され、膵臓に、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)に溶解した、LIBERASE HI(商標)酵素(Roche、0.5mg/mL)とDNaseI(0.2mg/mL)とを含む酵素溶液が注入された。
急速な機械的分離後の酵素消化−
酵素が注入された膵臓は、組織プロセッサで3から5秒間/パルスのパルスを3から5回行ってホモジナイズされ、分離した組織は攪拌機のバーを入れた2つの500mLのトリプシン処理フラスコ(Bellco)に移された。次に、50mLから100mLの酵素溶液が各フラスコに添加された。フラスコは、37℃の水浴中の水中撹拌プレート上に置かれ、中程度の撹拌速度で10分間インキュベートさせた。撹拌を止め、細かく消化された組織がフラスコから取り除かれ、酵素過程を急冷するために4℃のDPBS、5%ウシ胎児血清(FBS)、および0.1mg/mL DNaseI(DPBS+)が入った250mLの試験管に移された。フラスコに50mLから100mLの酵素溶液が補充され、水浴中に戻され、更に10分間撹拌が再開された。再び、フラスコが取り除かれ、細かい消化物が回収され、氷上の250mL試験管に移された。この過程は、膵臓が完全に消化されるまで、さらに3〜5回繰り返された。
同時酵素消化での緩やかな機械的分離−
酵素が注入された膵臓は、糖尿病37(Diabetes 37):413-420 (1988)に述べられた様な方法に従って処理された。簡潔に述べると、膵臓は無関係な組織が取り除かれ、上述の酵素溶液を注入された。次に膵臓はビーズと共にリコルディ・チャンバー(Ricordi Chamber)中に置かれ、組織のより大きな塊を保つために、メッシュサイズ400から600μmのスクリーンで覆われた。チャンバーはふたをされ、酵素溶液はおよそ37℃でチャンバーを循環させられ、酵素が膵臓を消化する一方で膵臓組織をビーズでバラバラにするためチャンバーは振盪された。十分な分離と消化が得られたら、消化は停止され組織が回収された。
組織の分離−
回収された組織は、4℃で150xgで5分間遠心された。上清が吸引され、DPBS+中で組織は更に2回洗浄された。最後の洗浄後、組織は精製のため非連続的密度勾配に供された。消化された組織は、密度1.108g/mLのポリスクロース(バージニア州のメディアテック(Mediatech,VA))に、10mLのポリスクロース溶液当たり1から2mLの組織ペレットの割合で懸濁された。組織懸濁液は丸底のポリカーボネート遠心管に移され、密度1.096と1.037のポリスクロース溶液は注意深く遠心管に注がれた。DMEMの最後の層で非連続精製密度勾配を完成させた。密度勾配の遠心管は4℃で、2000rpmで20分間、ブレーキをかけずに遠心された。遠心後、組織は各界面(3界面)から回収され、DPBS+で上述のように数回洗浄され、50mLの試験管に回収された。
細胞塊の更なる分離−
任意で、上記のプロトコルを用いて得た大きな細胞塊を更に分離させて、より小さな塊もしくは単細胞の懸濁液にすることもできる。最後の洗浄の後、各画分からの組織は200U/mL DNaseIを含む10mL 1Xトリプシン/EDTA溶液に懸濁された。試験管は水浴中に置かれ、ほぼ単細胞の懸濁液が得られるまで10mLの血清用ピペットで5から6分、繰り返し吸引排出された。消化物は4℃のDPBS+の添加で急冷され、試験管は800rpmで5分間遠心された。細胞懸濁液はDPBS+で洗浄され、下記のように培養された。
膵臓細胞培養−
最後の洗浄後、各界面からの細胞はDMEM、2%FBS、100U/μgペニシリン/ストレプトマイシン、ITS、2mM L-グルタミン、0.0165mM ZnSO4(Sigma)、0.38μM 2-メルカプトエタノール(Invitrogen、CA)(以後「選択培地」)に懸濁された。6mLの細胞懸濁液がT-25組織培養フラスコに播種され、12mLの細胞懸濁液がT-75フラスコに播種された。フラスコは5%CO2の37℃のインキュベーターに置かれた。2週間から約4週間の培養後、全面的な培地交換が行われ、接着細胞は、5%FBS(HyClone、UT)、1%P/S、0.0165mM ZnSO4を含むDMEM(2750mg/L D-グルコース、862mg/Lグルタミン)(Gibco、CA)(以後「増殖培地」)の培養に戻され、ほぼコンフルエンスに達するようにされ(この段階は「0代継代」または「P0」と称される)、この時点で継代された。その後の細胞培養は、増殖培地中で5000細胞/cm2だった。培養は、約70から90%の密集度で7日から10日ごとに継代された。図2は本発明の典型的な成人膵臓由来間質細胞を示す。
〔実施例2〕
<集団倍加時間>
上記の実施例1に従って単離および増殖させられた10代および12代継代の成人膵臓由来間質細胞は、増殖培地において、10000細胞/ウェル(24ウェル組織培養プレート)(マサチューセッツ州のコーニング(Corning,MA))で播種された。細胞は様々なタイムポイントでTRYPLE(商標) Express(カリフォルニア州のインビトロゲン(Invitrogen,CA))を用いてプレートの3つのウェルから取り除かれ、Guava PCA-96細胞解析システムとVIACOUNT(登録商標)試薬(カリフォルニア州のグアバ(Guava,CA))とを用いて計数された。図3は、正常酸素圧条件下で培養された10代継代細胞の増殖曲線を示す。直線期の対数曲線が細胞の集団倍加時間の推定に用いられた。10代および12代継代細胞の集団倍加時間は、それぞれ36時間と38時間だった。
〔実施例3〕
<成人膵臓由来間質細胞の増殖能>
実施例1に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は、75cm2の組織培養用処理済みのフラスコ(Corning、MA)で選択培地で正常酸素圧条件下(5%CO2、20%O2、75%N2)で3週間培養された。培養はその後、増殖培地に切り換えられ、週に2回から3回新しい培地を与えた。細胞はほぼコンフルエンスに達するようにして、その時点で継代された。培養は、最初の9代継代は7〜14日毎におよそ70〜95%の密集度で継代され、その間の細胞集団倍加時間は、100時間より長かった。10回目の継代の後、細胞増殖速度は加速し、細胞は4から6日毎に継代され、集団倍加時間はおよそ40時間に減少した。細胞は、各継代の際にTRYPLE(商標) Express(Invitrogen,CA)を用いてフラスコから回収され、Guava PCA-96細胞解析システムとVIACOUNT(登録商標)試薬(Guava,CA)とを用いて計数された。細胞は増殖培地中で132日間増殖し続け、現在40集団倍加に達し、細胞数は1012倍の増加と推定された。(図6を参照)
〔実施例4〕
<複数の成人膵臓由来間質細胞系統の増殖能>
実施例1に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は、低酸素圧条件下(5%CO2、3%O2、92%N2)または正常酸素圧条件下(5%CO2、20%O2、75%N2)で選択培地で2から4週間培養された。培養はその後、増殖培地に切り換えられ、週に2回から3回新しい培地を与えた。最初の培養期間後、低酸素圧条件下と正常酸素圧条件下で培養されたプレート中で接着細胞が観察された。更に、最初の2から4週間の培養後、膵島様または腺管構造はプレート中にほとんど残っていなかった。
複数のドナー膵臓から単離された成人膵臓由来間質細胞系統のインビトロ増殖能が、異なる培地を用いて試験された。画分3、4および5由来の細胞は、正常酸素圧条件下で組織培養用処理済みのフラスコでDMEM、5%FBS、25mM HEPES、0.0165mM ZnSO4からなる培地中で培養された。これと同等の細胞集団がCMRL1066、10%FBS、25mM HEPES、もしくはDMEM、10%FBS、25mM HEPESで培養され、全ての培養は抗生物質が添加された。培養は継代前にコンフルエンスに達するようにした。表VIは、試験された条件下の細胞系統培養の、集団倍加時間(population doubling time, PDT)、集団倍加(population doublings, PD)の総数、および推定細胞数(projected cell number)を表す。
〔実施例5〕
<CD105陽性細胞の選択>
実施例1に従って単離されたP0成人膵臓由来細胞は、約70%の密集度でTRYPLE(商標) Express(Invitrogen,CA)溶液を用いて遊離され、次に増殖培地(DMEM、5%FBS、0.0165mM ZnSO4、および1%P/S)で洗浄された。細胞懸濁液は1400RPMで5分間遠心され、上清は廃棄された。その結果得られた細胞ペレットは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁され、0.5%のウシ血清アルブミン(BSA)と2mM EDTAとが添加された。細胞は、製造業者の取扱説明書(カリフォルニア州のミルテニー・バイオテック(Miltenyi Biotech,CA))に従って、CD105陽性集団が選択された。CD105陽性画分の単離は、抗ヒトCD105PE-標識マウス抗体(カリフォルニア州のサンタ・クラッツ(Santa Cruz,CA))を用いたフローサイトメトリーで確認された。陽性画分は増殖培地で培養された。CD105陽性画分は、主に増殖中の成人膵臓由来間質細胞で構成されていた。
〔実施例6〕
<蛍光活性化細胞選別(FACS)解析>
TRYPLE(商標) express溶液(カリフォルニア州のギブコ(Gibco,CA))で5分間のインキュベーションにより、接着した細胞が継代9〜12のプレートから取り除かれた。遊離された細胞は、10%FBSを添加したDMEM中に再懸濁され、遠心で回収され、次に細胞はPBS中に2%BSA、0.05%アジ化ナトリウム(Sigma、MO)を含む染色用緩衝液中で洗浄、再懸濁された。適切であれば、細胞は0.1%のγグロブリン(Sigma)溶液を15分間用いてFc受容体がブロックされた。小分注(約105細胞)は、表II-Aに示されたようにフィコエリトリン(PE)かアロフィコシアニン(APC)を結合したモノクローナル抗体(106細胞あたり、抗体5μL)のいずれか、もしくは結合されていない一次抗体でインキュベートされた。コントロールにはイソタイプに適合した抗体、非染色細胞、および結合された2次抗体のみで染色された細胞を含めた。全ての抗体インキュベーションは4℃で30分間行われ、細胞は次に染色緩衝液で洗浄された。結合されていない一次抗体で染色された試料は、PEまたはAPCで標識された結合された二次抗体で4℃で更に30分間インキュベートされた。使用された二次抗体の一覧表として、表II-Bを参照。洗浄された細胞はペレットにされ、染色緩衝液に再懸濁され、FACS Array(BDバイオサイエンス(BD Biosciences))を用いて、少なくとも10,000イベントを回収して細胞表面分子が同定された。
細胞内染色には、細胞は最初に4%パラフォルムアルデヒドで10分間固定され、次に染色緩衝液で2回洗浄され、細胞は遠心され、PBS中に0.5%Triton-X(Sigma)を含む透過緩衝液中に室温(RT)で5分間再懸濁された。透過性細胞は洗浄緩衝液で2回洗浄され、遠心され、染色緩衝液に再懸濁され、表II-Cに示されたように、結合された適切な抗体(106細胞当たり抗体5μL)と共に4℃で30分間インキュベートされた。結合されていない一次抗体で染色された試料は、PEまたはAPCで標識された結合された二次抗体で、4℃で更に30分間インキュベートされた(表II B)。洗浄された細胞は、ペレットにされ、染色緩衝液に再懸濁され、FACS Array(BD Biosciences)を用いて少なくとも10,000イベントを回収して内部タンパク質が同定された。検討された表面および内部マーカーの発現レベルは、表IIIおよび表IVに挙げられた。図4は、9代継代細胞のFACSプロファイルのサンプルを示している。
〔実施例7〕
<成人膵臓由来間質細胞の免疫染色>
実施例1に従って培養された、10代継代の成人膵臓由来間質細胞10,000細胞/cm2は、35mmのマイクロウェルディッシュ(マサチューセッツ州のメイテック社(Matek Corp,MA))のガラス底の増殖培地に播種された。培養3日後、細胞は4%パラフォルムアルデヒドで10分間固定され、次にPBSで2回洗浄され、0.5%Triton-X(Sigma)を含む透過緩衝液中に室温(RT)で5分間の添加の後、更にPBSでの3回の洗浄が行われた。固定され、透過処理された細胞は、1%ウシ血清アルブミン(BSA)もしくは二次抗体が作成された種からの4%血清(ヤギ、ロバ、もしくはウサギ)のいずれかでブロッキングされた。使用された一次および二次抗体は、表V A-Bに記載されている。コントロール試料は、一次抗体が除外された反応、あるいは一次抗体が一次抗体と同じ濃度に相当する免疫グロブリンで置き換えられた反応が含まれた。染色された試料は、核の対比染色のための二塩酸ジアミジノ-2-フェニルインドール(diamidino-2-phenylindole, dihydrochloride)(DAPI)を含むPROLONG(登録商標)抗退色剤(Invitrogen,CA)で洗浄された。画像はNikon Confocal Eclipse C-1倒立顕微鏡(Nikon、Japan)と60xの対物レンズを用いて得られた。増殖期の間、大部分の細胞が平滑筋アクチン、ネスチン、ビメンチン、βIIIチューブリン、およびGATA4に対して陽性に染色され(図5)、少数の細胞(5%未満)がGFAPに対して陽性に染色され、CK7もしくはCK19に陽性に染色された細胞は無かった。
〔実施例8〕
<成人膵臓由来間質細胞のPCR解析>
RNAは、増殖培地で培養された9代継代細胞から抽出された。膵臓の発達に関わる重要遺伝子の発現について、ヒトの膵臓から採取されたRNAがポジティブコントロールとして使用され、骨髄由来間葉系細胞(メリーランド州のキャンブレックス(Cambrex,MD))がネガティブコントロールとして用いられた。
RNA抽出、精製、およびcDNA合成
RNA試料は、エタノールを含む高塩濃度緩衝液の存在下でのシリカゲル膜(Rneasy Mini Kit、カリフォルニア州のキアゲン(Qiagen,CA))への結合によって精製され、混入物は洗い流された。RNAはカラムに結合させると同時にDNase I(Qiagen,CA)で15分間の処理により更に精製された。高品質RNAは、水で溶出された。収量と純度は、分光光度計のA260とA280の読み取りにより評価された。cDNAコピーは、ABI(カリフォルニア州のABI(ABI, CA)) high Capacity cDNA archive Kitを用いて、精製されたRNAから作成された。
リアルタイムPCR増幅および定量的解析
特に明記しない限り、全ての試薬はApplied Biosystemsから購入された。リアルタイムPCR反応は、ABI PRISM(登録商標) 7000 Sequence Detection Systemを用いて実施された。TAQMAN(登録商標) UNIVERSAL PCR MASTER MIX(登録商標)(ABI、CA)が総反応体積20μL中に20ngの逆転写されたRNAと共に用いられた。ピペット操作によるエラーを補正するため、各cDNA試料は二つ組で(試験が)実施された。プライマーとFAM標識されたTAQMAN(登録商標)プローブは200nMの濃度で用いられた。各標的遺伝子の発現レベルは、展開前のApplied Biosystemの18SリボゾームRNAもしくはヒトのグリセルアルデヒド三リン酸脱水素酵素(GAPDH)内在性コントロールキットを用いて標準化された。プライマーとプローブは、いずれもABI PRISM PRIMER EXPRESS(商標)ソフトウェアを用いて設計されたか、または展開前のABI gene analysis Kitが用いられた。各遺伝子について、プライマーもしくはプローブのいずれか一つは、エクソンの境界に及ぶように設計された。これは、存在する任意のゲノムDNAへのプライマー/プローブの結合の可能性を排除した。プライマーとプローブのセットを以下に列挙する。Nkx2.2(Hs00159616)、Pdx-1(Hs00426216)、Nkx6.1(Hs00232355)、Ngn3(Hs00360700)、Pax4(Hs00173014)、Pax6(Hs00240871)、インスリン(Hs00355773)、Glu2(Hs00165775)、グルカゴン(Hs00174967)、Isl-1(Hs00158126)、ソマトスタチン(Hs00174949)、FoxA2(Hs00232764)、HlxB9(Hs00232128)、GATA-4(Hs00171403)、GFAP(Hs00157674)、MAP2(Hs00159041)、Olig2(Hs00377820)およびOct-4(CGACCATCTGCCGCTTTGAG(SEQ ID NO:1)とCCCCCTGTCCCCCA TTCCTA(SEQ ID NO:2))、Rex-1(CAGATCCTAAACAGCTCGCAGAAT(SEQ ID NO:3)ならびにGCGTACGCAAATTAAACTCCAGA(SEQ ID NO:4))。最初の50℃2分間、および95℃10分間の後、試料は95℃15秒の変性ステップ後、60℃1分間のアニーリング・伸長ステップの2ステップを40サイクル行った。データ解析はGENEAMP(登録商標)7000 Sequence Detection Systemソフトウェアを用いて行われた。各プライマー・プローブセットに対して、Ct値は蛍光強度が増幅の指数関数的部分の中央の特定の値に達した時点のサイクル数として決定された。相対的遺伝子発現レベルは、比較Ct法を用いて計算された。簡潔に述べると、各cDNA試料について、内在性コントロールCt値を目的の遺伝子のCtから差し引いて、デルタCt値(ΔCt)を求める。標準化された標的値は、100%の効率で増幅されたと仮定して、2-ΔCtとして計算された。最後に、データは較正試料に対して相対的に表現された。比較Ct法は、標的と内因的コントロールの増幅効率がおよそ等しい場合のみに有効である。従って、各プライマー・プローブセットについて連続希釈したcDNA試料によって予備的な検証実験を行い、ΔCt値が求められた。これらのΔCt値は、増幅効率が等しい場合には希釈範囲にわたって一定のままである。
DMEM+2%FBS、もしくはDMEM+10%FBSもしくはCMRL+10%FBSのいずれかで培養された成人膵臓由来間質細胞から得られたPCRデータは、細胞を単離後、最初にPDX-1、インスリン、およびHNF-3βを発現したことを示した。しかし、これらの遺伝子の発現は、9代継代のように、急速に低下し、これらの遺伝子の発現はリアルタイムPCRでは検出できなくなった(図7〜19)。これらの遺伝子の発現は、30代継代まで検出できないままだった。これらのデータは、上述のように単離された成人膵臓由来間質細胞は、増殖条件下で培養される間、完全に未分化の細胞のままであることを示唆した。
〔実施例9〕
<分化プロトコル>
1x104細胞/cm2の13代継代成人膵臓由来間質細胞は、24ウェルのプレート(カリフォルニア州のコーニング(Corning,CA))に播種され、5%CO2インキュベーター中、37℃の標準的条件下の増殖培地で100%コンフルエントまで培養された。その後、細胞は10μMのMG132(カリフォルニア州のEMD(EMD,CA))を含むDMEM(1000mg/L D-グルコース)中で24時間培養された。細胞はPBSで1回洗浄され、1xB27(カリフォルニア州のギブコ(Gibco,CA))および1xN2(Gibco,CA)を添加したDMEM(1000mg/L D-グルコース)中で培養され、更に5日間、シクロパミン(10μM; EMD,CA)、bFGF(20ng/mL;ミネソタ州のR&Dシステム(R&D Systems,MN))、アクチビンA(20nM; R&D Systems,MN)もしくはFGF5(20ng/mL; R&D Systems,MN)が添加された。RNAが細胞から採取され、実施例7に概略が説明された方法でPDX-1とインスリンの発現について解析された。これらの培養条件は、PDX-1の発現を誘導したが、インスリンは誘導しなかった。
別の実験においては、画分3由来の12代継代と19代継代の成人膵臓由来間質細胞は、105細胞/ウェルで6ウェル組織培養プレート(ニュージャージー州のBDファルコン(BD Falcon,NJ))に播種され、コンフルエンスに達したら直ぐに1もしくは10μMのγセクレターゼ阻害剤のInSolution(商標) MG-132(カリフォルニア州のカルバイオケム(Calbiochem,CA))が1日加えられた。RNAが細胞から採取され、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、およびインスリンの発現が解析された。InSolution(商標) MG-132単独での処理は、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、またはインスリンといった重要なβ細胞系統遺伝子の発現を引き起こさなかった。InSolution(商標) MG-132での1日の処理後、細胞は1.25もしくは2.5μMのヒストンデアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンA(ミズーリ州のシグマ(Sigma,MO))で1日処理された。RNAが細胞から採取され、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、およびインスリンの発現が解析された。二つの薬剤の組合せは、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、およびインスリンの発現を引き起こした(表VIIおよび図20)。
別の実験では、画分3由来の18代継代の成人膵臓由来間質細胞は、105細胞/ウェルで6ウェル組織培養プレート(ニュージャージー州のBDファルコン(BD Falcon,NJ))に播種され、コンフルエンスに達したら直ぐに10μMのγセクレターゼ阻害剤の[(2R,4R,5S)-2-ベンジル-5(ブチルオキシカルボニル-アミノ)-4-ヒドロキシ-6-フェニル-ヘクサノイル]-Leu-Phe-NH2([(2R, 4R, 5S)-2-Benzyl-5 (Boc-amino)-4-hydroxy-6-phenyl-hexanoyl]-Leu-Phe-NH2)(ミズーリ州のシグマ(Sigma,MO)、以後B5306)が1、3、7、10、14日間加えられた。RNAが細胞から採取され、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、およびインスリンの発現が解析された。B5306単独での処理は、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、またはインスリンといったβ細胞系統遺伝子の発現を引き起こさなかった。1、7、または14日間のB5306処理後、細胞は1.25または2.5μMのヒストンデアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンA(Trichostatin A)(Sigma,MO)で1日処理された。RNAが細胞から採取され、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、およびインスリンの発現が解析された。二つの薬剤の組合せは、HNF3β、PDX-1、Nkx6.1、の発現を引き起こしたが、インスリンの発現は引き起こさなかった(表VIII)。
別の実験では、5代継代の成人膵臓由来間質細胞は、105細胞/ウェルで6ウェル組織培養プレートに播種され、表IXに挙げられた誘導培地に、週に2回完全培地で交換しながら2週間インキュベートされた。2週間のインキュベーション後、RNAが代表のウェルから採取され、膵臓遺伝子の発現について解析された。細胞はグルカゴン、Nkx6.1、およびソマトスタチンに対して陽性だが、インスリン、PDX-1、もしくはHNF3βに対しては陽性でないことが見いだされた(表X-分化のカラムを参照)。類似の実験では、膵臓遺伝子発現における細胞凝集の影響が検討された。様々な誘導培地での2週間のインキュベーションの後、誘導培地が除かれ、成人膵臓由来間質細胞は0.05%トリプシン/EDTA(Invitrogen,CA)で2分間処理され、直ちに除かれた。次にCMRL1066(Invitrogen,CA)、1%BSA(Sigma,MO)、およびITS(Invitrogen,CA)から成る無血清培地が残りの各ウェルに添加された。翌日、細胞は膵島様の凝集を形成し、RNAが採取され、膵臓遺伝子の発現が解析された。実施例7に概略が説明された方法により、細胞はインスリンとHNF3βに対して陽性であることが見いだされた(表X-凝集のカラムを参照)。
別の実験では、13代継代の成人膵臓由来間質細胞は、105細胞/ウェルで6ウェル組織培養プレートに播種され、表IXに挙げられた誘導培地に、週に2回完全培地で交換しながら2週間インキュベートされた。2週間のインキュベーション後、RNAが代表のウェルから採取され、膵臓遺伝子の発現について解析された。細胞はグルカゴン、Nkx6.1、Pax6、およびソマトスタチンに対して陽性だが、インスリン、PDX-1、もしくはHNF3βに対しては陽性でないことが見いだされた(表X-分化のカラムを参照)。類似の実験では、膵臓遺伝子発現における細胞凝集の影響が検討された。様々な誘導培地での2週間のインキュベーションの後、誘導培地が除かれ、細胞は0.05%トリプシン/EDTA(Invitrogen,CA)で2分間処理され、直ちに除かれた。次にCMRL1066(Invitrogen,CA)、1%BSA(Sigma,MO)、およびITS(Invitrogen,CA)から成る無血清培地が残りの各ウェルに添加された。翌日、細胞は膵島様の凝集を形成し、RNAが採取され、膵臓遺伝子の発現が解析された。実施例7に概略が説明された方法により、細胞はインスリンとHNF3βに対して陽性であることが見いだされた(表X-凝集のカラムを参照)。
総合すれば、これらのデータは、本発明の成人膵臓由来間質細胞はβ細胞系統への分化能があることを示唆している。
〔実施例10〕
<成人膵臓由来間質細胞の凍結保存>
実施例1で述べられた方法に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は目的とする継代数で回収され、1から2mLの90%FBS(ユタ州のハイクローン(HyClone,UT))と10%DMSO(Sigma,MO)に1から5x106細胞/mLの濃度で再懸濁された。細胞懸濁液は低温用バイアル(ニューヨーク州のコーニング(Corning,NY))に小分注され、Nalgene Cryo 1℃ Freezing Containerに移され、最低4時間−80℃の冷凍庫に置かれた。バイアルは−80℃から取り出され、必要とされるまで液体窒素貯蔵タンクの気相に移された。細胞は液体窒素貯蔵タンクの気相から低温用バイアルを取り出して、直ちに37℃の水浴に移し、1、2分間または小さな氷の結晶が残るのみになるまで解凍された。細胞は培地で洗浄され、上述の実施例で述べられたように37℃の培養中に置かれた。細胞はその後必要に応じて継代された。図21に示されたデータは、凍結保存が増殖能(expansion porential)と増殖速度(growth rate)にほとんど影響しないことを示した。
〔実施例11〕
<成人膵臓由来間質細胞の増殖に対する栄養枯渇の影響>
実施例1で述べられた方法に従って単離された成人膵臓由来間質細胞は様々な培養条件に供され、その後の細胞増殖動態に対するこれらの条件の影響が評価された。膵島が欠乏した腺房に富んだ画分から単離された細胞、H8F5は、DMEM、5.5mMグルコース(Invitrogen,CA)、10%FBS(HyClone,UT)、2mM Glutamax、25mM HEPES、および1xAB/AM(Invitrogen,CA)で培養された。ある培養では、細胞は、コンフルエンスに達した8日目まで、新鮮な培地を2から3日ごとに与えられた。細胞はその後、細胞が培養フラスコ内でコンフルエンスに達する、週に1度継代された。第二の培養では、細胞はより頻繁に再度培地が交換される場合と比較して、より程度が低い細胞の接着と増殖を引き起こした、培地交換前に7日間増殖させた。この培養は、細胞が継代されたフラスコへの播種後12日までコンフルエンスに達しなかった。従って、両方の細胞は2、3日毎に培地が交換され、コンフルエンスに達したら継代された。細胞は各継代時に計数され、推定細胞数が最初にフラスコに播種された細胞数と回収された細胞数とから計算された。
最初に、細胞は図22に見られるように、同じペースで増殖した。しかし最初の数回の継代後、培養が確立されたあと2、3日ごとに完全培地が交換された細胞と比べて、初期の培養で培地交換が行われなかった細胞では増殖速度の上昇が示された。図22に示されるように、集団倍加時間は、この最初の培養で84.2時間、培養が確立された後の最初の7日間に培地が枯渇した細胞では58.5時間と計算された。これらの結果は、栄養枯渇が従来の細胞培養技術と比較して、増殖能が向上した成人膵臓由来間質細胞の選択的な確立手段であることを示唆している。
〔実施例12〕
<本発明の成人膵臓由来間質細胞の典型的集団の細胞遺伝子型解析>
細胞遺伝子型解析を行った13代継代の成人膵臓由来間質細胞は、CFR Title 21、Part 58に説明された食品医薬品局安全性試験実施基準に従って実施された。細胞は単層でT-75組織培養フラスコ中で、DMEM、5.5mMグルコース(Invitrogen,CA)、10%FBS(HyClone,UT)、2mM Glutamax、25mM HEPESおよび1xAB/AM(Invitrogen,CA)で増殖させられた。培養物に適量の有糸分裂細胞があると判断されたら、染色体の収集が行われた。細胞はコルセミド(0.02から0.03μg/mL)で2から18時間、37℃で処理された。その後、細胞はトリプシン処理され、200xgで6から7分間遠心され、上清が除かれた。
細胞は温めた低張液に37℃で10から16分間再懸濁され、次に上述のように遠心された。細胞はその後、室温で36から50分間、カルノワ固定液(Carnoy's fixative)(3:1 メタノール:氷酢酸)で固定され、カルノワ固定液で2回洗浄され、次に、乳白色の細胞懸濁液を作るため新しく調製された固定液に再懸濁された。最終的な細胞懸濁液数滴を清浄なスライドに乗せ、風乾した。
100中期細胞当たりの染色体数。
解析された100の中期細胞で認められた染色体数の分配が表XIIに示されている。染色体数は、中期当たり最頻染色体数が46で、45から46染色体の範囲だった。解析された1000細胞あたり、6細胞の倍数性中期(0.6%)が認められた。
染色体異常。
解析された100の中期細胞の染色体異常データは、表XIIIに要約されている。細胞遺伝子型データは、異常が解析された細胞総数、異常細胞の総数、および異常の総数を含んだ。解析された100細胞中、染色体異常は認められなかった。
G バンド染色体解析/核型。
五つの核型が準備された(ヒト核型#1から#5)。細胞遺伝子型解析は、細胞系統がヒト由来であることを示している(図23から27を参照)。XおよびY染色体がそうであったように、正常な常染色体は全ての核型に存在した。識別不能な全ての染色体と再編成は、識別不能染色体(UC)として分類された。解析された5つの核型中、2つが核型あたり一つのUCを含んでいた。
〔実施例13〕
<ヒト膵臓の画分3、4、および5由来の成人膵臓由来間質細胞のマイクロアレイ解析>
ヒト膵臓H5系統は、実施例1に概略が説明された方法に従って処理された。膵島に富む画分(画分3)、腺管に富む画分(画分4)、外分泌腺に富む画分(画分5)から単離された6〜8代継代の細胞は遺伝子発現プロファイリングに用いられた。ヒトH5細胞系統(画分3、4、および5)、ならびにヒト膵臓RNA(アンビオン(Ambion))から、RNeasy mini kit(キアゲン(Qiagen))を用いて総RNAが単離された。試料調製、ハイブリダイゼーション、および画像解析は、CodeLink(商標) System(GEヘルスケア(GE Healthcare)、ニュージャージー州のアマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences,NJ))に従って実施された。Codelink(商標) Human Whole Genomeアレイが用いられた。標的遺伝子の転写産物にわたり保存されたエクソンに対して設計された、約55,000の30merのプローブから成っている。チップは〜45000の独立Unigene IDを含む。標準化と対数変換の後、OmniViz(登録商標)ソフトウェア(MA)とGENESIFTER(ワシントン州のビズ・エックス・ラボ(VizXLabs, WA))を用いてデータ解析が行われた。クロスサンプル標準化に伴う分散安定化変換が、対数変換されたアレイデータセットに適用された。ピアソンの相関係数を用いて、各細胞系統内と異なる細胞系統内の分散(variability)が比較された。各細胞系統について、三つの生物学的複製と、二つの技術的複製が用いられた。解析された全試料で、細胞系統内の相関係数は系統間の比較より高かった。異なる細胞系統間の遺伝子発現プロファイルの変動が図28に示されている。細胞の種類の間での遺伝子発現の有意差は、分散の解析と補正P値<0.05のF検定を用いて評価された。表XIV〜XVIは、様々な細胞系統の間で少なくとも5倍発現が異なる遺伝子を記載している。
〔実施例14〕
<二つの典型的ドナー膵臓由来の成人膵臓由来間質細胞のマイクロアレイ解析。>
ヒトの二つのドナー膵臓が、実施例1に概略が説明された方法に従って処理された。膵島に富む画分(画分3)から単離された9〜11代継代の成人膵臓由来間質細胞が遺伝子発現プロファイリングに用いられた。RNeasy mini kit(キアゲン(Qiagen))を用いて総RNAが細胞から単離された。製造業者のプロトコル(カリフォルニア州のアフィメトリックス(Affymetrix,CA))に従って、RNAが精製され、cRNAが標識され、断片化された。標識されたcRNAは、Affymetrix GeneChip AnalyzerでスキャンされるU133 2.0 plus Affymetrixヒト遺伝子チップにハイブリダイズされた。各細胞系統について、三つの生物学的複製と、二つの技術的複製が用いられた。データはOmniViz(登録商標)ソフトウェア(MA)とGENESIFTER(VizXLabs, WA)を用いてデータ解析された。H8の複製間の平均相関係数は、0.893(0.892〜0.895、n=3)で、H9の複製間では0.906(0.903〜0.909、n=3)だった。H8F3細胞とH9F3細胞間の遺伝子発現プロファイルを比較する散布図が、図29に示されている。表XVIIおよびXVIIIは、Affymetrixソフトウェアで本細胞に割り当てられた遺伝子を記載している。
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本文書を通じて引用された資料は、その全体を参照することにより本書に組み込まれる。本発明の各種の態様が、実施例と好ましい実施形態を参照することにより上記に説明されたが、当然のことながら、本発明の範囲は上述した記載によって定義されるのではなく、特許法の原則に基づいて適切に解釈される特許請求の範囲によって定義される。
〔実施の態様〕
(1) 成人膵臓由来間質細胞において、
実質的に純粋な集団である、成人膵臓由来間質細胞。
(2) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(3) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
前記細胞集団は、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陽性である、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(4) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
インビトロで増殖(propagate)可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(5) 実施態様4に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
低酸素条件で増殖可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(6) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(7) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質を過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(8) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質発現が減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(9) 実施態様2に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質が過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(10) 実施態様2に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質発現を減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(11) 実施態様3に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質を過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(12) 実施態様3に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
タンパク質発現を減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
(13) 実施態様1に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(14) 実施態様2に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(15) 実施態様3に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(16) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(17) 実施態様2に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(18) 実施態様3に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(19) 実施態様1に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(20) 実施態様2に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(21) 実施態様3に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(22) 実施態様7に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(23) 実施態様8に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(24) 実施態様9に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(25) 実施態様10に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(26) 実施態様11に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(27) 実施態様12に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(28) 実施態様7に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(29) 実施態様8に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(30) 実施態様9に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(31) 実施態様10に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(32) 実施態様11に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(33) 実施態様12に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(34) 実施態様7に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(35) 実施態様8に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(36) 実施態様9に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(37) 実施態様10に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(38) 実施態様11に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(39) 実施態様12に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
を含む、薬剤スクリーニング方法。
(40) ほ乳類の膵臓由来の間質細胞中に濃縮された細胞集団取得の方法において、
a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階と、
b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した基礎栄養培地中で培養する段階と、
c.前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖(grow)させ、それによって間質細胞が濃縮された細胞集団を取得する段階と、
を含む、方法。
(41) 実施態様40に記載の方法において、
前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
(42) 実施態様40に記載の方法において、
前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、方法。
(43) 実施態様40に記載の方法において、
前記細胞集団は、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陽性である、方法。
(44) 実施態様40に記載の方法において、
前記細胞集団中の前記間質細胞は、インビトロで増殖可能である、方法。
(45) 実施態様40に記載の方法において、
前記細胞集団中の前記間質細胞は、β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能である、方法。
(46) 実施態様40に記載の方法において、
a.前記間質細胞をCD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーに基づいて選択し、単離する段階、
を更に含む、方法。
(47) ほ乳類の膵臓由来の成人膵臓由来間質細胞の純粋集団取得の方法において、
a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階と、
b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した基礎栄養培地中で培養する段階と、
c.成人膵臓由来間質細胞を濃縮させた細胞集団を得るために、前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖させる段階と、
d.前記成人膵臓由来間質細胞で特異的に発現されるタンパク質マーカー特異的な薬剤に特異的に結合する細胞を単離し、その結果として成人膵臓由来間質細胞の純粋集団を取得する段階と、
を含む、方法。
(48) 実施態様47に記載の方法において、
前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
(49) 実施態様47に記載の方法において、
前記タンパク質マーカーは、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択される、方法。
(50) 実施態様47に記載の方法において、
前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、方法
(51) 実施態様47に記載の方法において、
前記細胞集団は、インビトロで増殖可能である、方法。
(52) 実施態様47に記載の方法において、
前記細胞集団は、低酸素条件で増殖可能である、方法。
(53) 実施態様47に記載の方法において、
前記細胞集団は、β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能である、方法。
(54) β細胞系統の特徴を示す細胞取得の方法において、
ほ乳類膵臓由来の成人膵臓由来間質細胞の実質的に純粋な集団を取得する段階と、
前記成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統の特徴を示す細胞への分化を誘導する有効量の薬剤で前記成人膵臓由来間質細胞を処理する段階と、
を含む、方法。
(55) 実施態様54に記載の方法において、
前記成人膵臓由来間質細胞の集団は、
a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階、
b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した基礎栄養培地中で培養する段階、
c.成人膵臓由来間質細胞を濃縮させた細胞集団を得るために、前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖させる段階、ならびに、
d.前記成人膵臓由来間質細胞で特異的に発現されるタンパク質マーカー特異的な薬剤に特異的に結合する細胞を単離し、その結果として成人膵臓由来間質細胞の純化された集団を取得する段階、
によって得られる、方法。
(56) 実施態様55に記載の方法において、
前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
(57) 実施態様54に記載の方法において、
成人膵臓由来間質細胞の前記集団は、分化を誘導するための処理前に培養液中で増殖(expand)される、方法。
(58) 実施態様54に記載の方法において、
β細胞系統の特徴を示す細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
(59) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)前記成人膵臓由来間質細胞を前記患者に移植する段階と、
を含み、
前記成人膵臓由来間質細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
(60) 実施態様59に記載の方法において、
前記患者は、膵臓組織のドナーである、方法。
(61) 実施態様59に記載の方法において、
前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
(62) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)前駆細胞を作成するために前記間質細胞を生体外で増殖させる段階と、
(c)前記前駆細胞を前記患者に移植する段階と、
を含み、
前記前駆細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
(63) 実施態様62に記載の方法において、
前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
(64) 実施態様62に記載の方法において、
前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
(65) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)成人膵臓由来間質細胞の前記集団をインビトロで増殖させる段階と、
(c)増殖させた前記成人膵臓由来間質細胞を前記患者に移植する段階と、
を含み、
前記間質細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
(66) 実施態様65に記載の方法において、
前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
(67) 実施態様65に記載の方法において、
前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
(68) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)成人膵臓由来間質細胞の前記集団をインビトロで増殖させる段階と、
(c)増殖させた前記成人膵臓由来間質細胞を膵臓β細胞系統に分化させる段階と、
(d)分化した前記細胞を前記患者に移植する段階と、
を含む、方法。
(69) 実施態様68に記載の方法において、
前記膵臓β細胞系統細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
(70) 実施態様68に記載の方法において、
前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
(71) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)ドナーから成熟膵島を得る段階と、
(c)前記成人膵臓由来間質細胞、および前記膵島の両方を前記患者に移植する段階と、
を含み、
前記膵島は、前記患者における前記成人膵臓由来間質細胞の生存および機能を増進する、方法。
(72) 実施態様71に記載の方法において、
前記成熟膵島の前記ドナーは、前記患者に対して同種異系もしくは異種である、方法。
(73) 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
(a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
(b)ドナーから成熟膵島を得る段階と、
(c)前記成人膵臓由来間質細胞、および前記膵島の両方を前記患者に移植する段階と、
を含み、
前記成人膵臓由来間質細胞は、前記患者における前記膵島の生存および機能を増進する、方法。
(74) 実施態様73に記載の方法において、
前記成熟膵島の前記ドナーは、前記患者に対して同種異系もしくは異種である、方法。
(75) 実施態様59、62、65、68、71もしくは73のいずれか一つに記載の方法において、
前記患者に移植された前記細胞の生存および機能を促進する医薬的担体もしくは生体活性剤を前記患者に投与する段階、
をさらに含み、
前記担体もしくは薬剤は、前記患者への前記細胞の前記移植の前、前記移植の後、もしくは前記移植と同時に、投与される、方法。
(76) 実施態様59、62、65、68、71もしくは73の任意の一つに従う方法において、
前記患者に移植される前記細胞は、ポリマー支持材に取り込まれている、方法。
(77) 実施態様76に従う前記方法において、
前記ポリマー支持材は、前記患者において前記細胞の生存および機能を促進する医薬的担体もしくは生体活性剤をも担持(load)している、方法。
本発明の成人膵臓由来間質細胞の単離に用いられる多段階の過程の概要をまとめる。 5%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)、0.0165mMの硫酸亜鉛を添加した基礎培地で12継代培養した、接着した未分化の成人膵臓由来間質細胞の形態(拡大倍率100倍)を示す。 本発明の成人膵臓由来間質細胞の典型的な増殖曲線を示す。示された曲線は、10代継代細胞のものである。 本発明の成人膵臓由来間質細胞の9代継代の典型的なFACS解析を示す。a)イソタイプコントロール、b)X軸はCD117でY軸はアルカリホスファターゼ、c)X軸はCD105でY軸はCD44、d)X軸はCD73でY軸はCD90、e)EPCAM、f)ABCG2、g)汎サイトケラチン(Pan cytokeratin)14、15、16、および19、h)汎サイトケラチン5、6、8、10、13、および18、i)ビメンチン。 11代継代細胞の免疫染色を示す。細胞はビメンチン、ネスチン、βIIIチューブリン、平滑筋アクチンに対して陽性に染色され、また汎サイトケラチン(CK7とCK19を含む)に対して陰性だった。 本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞集団の増殖能を示す。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、2%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分4由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、2%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分5由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、2%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分4由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分5由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたDMEMで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分4由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H4の画分5由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、PDX-1(パネルA)、インスリン(パネルB)、HNF-3β(パネルC)、およびCK19(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H8の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、グルカゴン(パネルA)、Glut-2(パネルB)、Pax-4(パネルC)、およびPax-6(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H8の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、ソマトスタチン(パネルA)、neuroD1(パネルB)、Nkx2.2(パネルC)、およびNkx6.1(パネルD)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H8の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって培養時間に伴って定量された、選択された遺伝子の発現を示す。示された結果は、ヒト膵臓で観察された発現量の割合として表現された、HNF-1α(パネルA)、およびSox-17(パネルB)の発現である。継代数として示されたように、培養時間はX軸に示されている。データはドナー膵臓H8の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞から得られた。細胞は、10%FBSが添加されたCMRLで培養された。 リアルタイムPCRによって処理後に定量された、選択された遺伝子の発現を示す。 本発明に従って単離された2つの成人膵臓由来間質細胞集団の、冷凍保存前および冷凍保存からの回復後の増殖能を示す。 本発明に従って単離された成人膵臓由来間質細胞集団の増殖能に対する栄養枯渇の影響を示す。 本発明に従って単離された典型的な成人膵臓由来間質細胞集団の核型を示す。 本発明に従って単離された典型的な成人膵臓由来間質細胞集団の核型を示す。 本発明に従って単離された典型的な成人膵臓由来間質細胞集団の核型を示す。
本発明に従って単離された典型的な成人膵臓由来間質細胞集団の核型を示す。 本発明に従って単離された典型的な成人膵臓由来間質細胞集団の核型を示す。 ドナー膵臓H5の画分3、4、および5由来の成人膵臓由来間質細胞で発現される遺伝子の散布図を示す。各比較に対するピアソン相関係数も記載されている。 ドナー膵臓H5およびドナー膵臓H8の画分3由来の成人膵臓由来間質細胞で発現される遺伝子の散布図を示す。ピアソン相関係数も記載されている。

Claims (77)

  1. 成人膵臓由来間質細胞において、
    実質的に純粋な集団である、成人膵臓由来間質細胞。
  2. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  3. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    前記細胞集団は、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陽性である、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  4. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    インビトロで増殖可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  5. 請求項4に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    低酸素条件で増殖可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  6. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能な、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  7. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質を過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  8. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質発現が減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  9. 請求項2に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質が過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  10. 請求項2に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質発現を減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  11. 請求項3に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質を過剰発現するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  12. 請求項3に記載の成人膵臓由来間質細胞の集団において、
    タンパク質発現を減少するよう遺伝子操作された、成人膵臓由来間質細胞の集団。
  13. 請求項1に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  14. 請求項2に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  15. 請求項3に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  16. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  17. 請求項2に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  18. 請求項3に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  19. 請求項1に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  20. 請求項2に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  21. 請求項3に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  22. 請求項7に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  23. 請求項8に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  24. 請求項9に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  25. 請求項10に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  26. 請求項11に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  27. 請求項12に記載の細胞を用いた、成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、細胞のβ細胞系統細胞への分化誘導が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における膵臓マーカーの発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  28. 請求項7に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  29. 請求項8に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  30. 請求項9に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  31. 請求項10に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  32. 請求項11に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  33. 請求項12に記載の成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、遺伝子発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞における遺伝子発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  34. 請求項7に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  35. 請求項8に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  36. 請求項9に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  37. 請求項10に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  38. 請求項11に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  39. 請求項12に記載の成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現の変更が可能な薬剤スクリーニング方法において、
    a.前記成人膵臓由来間質細胞を培養する段階と、
    b.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    c.前記成人膵臓由来間質細胞を、タンパク質発現の変更が可能な薬剤に接触させる段階と、
    d.前記細胞および前記薬剤をインキュベーションする段階と、
    e.前記成人膵臓由来間質細胞におけるタンパク質発現レベルを測定する段階と、
    を含む、薬剤スクリーニング方法。
  40. ほ乳類の膵臓由来の間質細胞中に濃縮された細胞集団取得の方法において、
    a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階と、
    b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した、基礎栄養培地中で培養する段階と、
    c.前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖させ、それによって間質細胞が濃縮された細胞集団を取得する段階と、
    を含む、方法。
  41. 請求項40に記載の方法において、
    前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
  42. 請求項40に記載の方法において、
    前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、方法。
  43. 請求項40に記載の方法において、
    前記細胞集団は、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陽性である、方法。
  44. 請求項40に記載の方法において、
    前記細胞集団中の前記間質細胞は、インビトロで増殖可能である、方法。
  45. 請求項40に記載の方法において、
    前記細胞集団中の前記間質細胞は、β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能である、方法。
  46. 請求項40に記載の方法において、
    a.前記間質細胞をCD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーに基づいて選択し、単離する段階、
    を更に含む、方法。
  47. ほ乳類の膵臓由来の成人膵臓由来間質細胞の純粋集団取得の方法において、
    a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階と、
    b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した、基礎栄養培地中で培養する段階と、
    c.成人膵臓由来間質細胞を濃縮させた細胞集団を得るために、前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖させる段階と、
    d.前記成人膵臓由来間質細胞で特異的に発現されるタンパク質マーカー特異的な薬剤に特異的に結合する細胞を単離し、その結果として成人膵臓由来間質細胞の純粋集団を取得する段階と、
    を含む、方法。
  48. 請求項47に記載の方法において、
    前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
  49. 請求項47に記載の方法において、
    前記タンパク質マーカーは、CD44、CD73、CD90、もしくはCD105からなる群から選択される、方法。
  50. 請求項47に記載の方法において、
    前記細胞集団は、NCAM、ABCG2、サイトケラチン7、サイトケラチン8、サイトケラチン18、もしくはサイトケラチン19からなる群から選択された少なくとも一つのタンパク質マーカーの発現が実質的に陰性である、方法
  51. 請求項47に記載の方法において、
    前記細胞集団は、インビトロで増殖可能である、方法。
  52. 請求項47に記載の方法において、
    前記細胞集団は、低酸素条件で増殖可能である、方法。
  53. 請求項47に記載の方法において、
    前記細胞集団は、β細胞系統の特徴を示す細胞へ分化可能である、方法。
  54. β細胞系統の特徴を示す細胞取得の方法において、
    ほ乳類膵臓由来の成人膵臓由来間質細胞の実質的に純粋な集団を取得する段階と、
    前記成人膵臓由来間質細胞のβ細胞系統の特徴を示す細胞への分化を誘導する有効量の薬剤で前記成人膵臓由来間質細胞を処理する段階と、
    を含む、方法。
  55. 請求項54に記載の方法において、
    前記成人膵臓由来間質細胞の集団は、
    a.前記ほ乳類膵臓から膵臓細胞を単離する段階、
    b.前記細胞を、血清および約30mM未満の濃度でグルコースを添加した、基礎栄養培地中で培養する段階、
    c.成人膵臓由来間質細胞を濃縮させた細胞集団を得るために、前記細胞を、前記培地で少なくとも約2週間増殖させる段階、ならびに、
    d.前記成人膵臓由来間質細胞で特異的に発現されるタンパク質マーカー特異的な薬剤に特異的に結合する細胞を単離し、その結果として成人膵臓由来間質細胞の純化された集団を取得する段階、
    によって得られる、方法。
  56. 請求項55に記載の方法において、
    前記血清濃度は、ほぼ5%未満である、方法。
  57. 請求項54に記載の方法において、
    成人膵臓由来間質細胞の前記集団は、分化を誘導するための処理前に培養液中で増殖される、方法。
  58. 請求項54に記載の方法において、
    β細胞系統の特徴を示す細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
  59. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)前記成人膵臓由来間質細胞を前記患者に移植する段階と、
    を含み、
    前記成人膵臓由来間質細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
  60. 請求項59に記載の方法において、
    前記患者は、膵臓組織のドナーである、方法。
  61. 請求項59に記載の方法において、
    前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
  62. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)前駆細胞を作成するために前記間質細胞を生体外で増殖させる段階と、
    (c)前記前駆細胞を前記患者に移植する段階と、
    を含み、
    前記前駆細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
  63. 請求項62に記載の方法において、
    前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
  64. 請求項62に記載の方法において、
    前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
  65. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)成人膵臓由来間質細胞の前記集団をインビトロで増殖させる段階と、
    (c)増殖させた前記成人膵臓由来間質細胞を前記患者に移植する段階と、
    を含み、
    前記間質細胞は、膵臓ホルモン産生細胞に分化する、方法。
  66. 請求項65に記載の方法において、
    前記膵臓ホルモン産生細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
  67. 請求項65に記載の方法において、
    前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
  68. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)成人膵臓由来間質細胞の前記集団をインビトロで増殖させる段階と、
    (c)増殖させた前記成人膵臓由来間質細胞を膵臓β細胞系統に分化させる段階と、
    (d)分化した前記細胞を前記患者に移植する段階と、
    を含む、方法。
  69. 請求項68に記載の方法において、
    前記膵臓β細胞系統細胞は、インスリン産生細胞である、方法。
  70. 請求項68に記載の方法において、
    前記患者は、前記膵臓組織のドナーである、方法。
  71. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)ドナーから成熟膵島を得る段階と、
    (c)前記成人膵臓由来間質細胞、および前記膵島の両方を前記患者に移植する段階と、
    を含み、
    前記膵島は、前記患者における前記成人膵臓由来間質細胞の生存および機能を増進する、方法。
  72. 請求項71に記載の方法において、
    前記成熟膵島の前記ドナーは、前記患者に対して、同種異系もしくは異種である、方法。
  73. 糖尿病もしくは糖尿病発症の恐れがある患者の治療の方法において、
    (a)ドナーの膵臓組織から成人膵臓由来間質細胞の集団を単離する段階と、
    (b)ドナーから成熟膵島を得る段階と、
    (c)前記成人膵臓由来間質細胞、および前記膵島の両方を前記患者に移植する段階と、
    を含み、
    前記成人膵臓由来間質細胞は、前記患者における前記膵島の生存および機能を増進する、方法。
  74. 請求項73に記載の方法において、
    前記成熟膵島の前記ドナーは、前記患者に対して同種異系もしくは異種である、方法。
  75. 請求項59、62、65、68、71もしくは73のいずれか一つに記載の方法において、
    前記患者に移植された前記細胞の生存および機能を促進する医薬的担体もしくは生体活性剤を前記患者に投与する段階、
    をさらに含み、
    前記担体もしくは薬剤は、前記患者への前記細胞の前記移植の前、前記移植の後、もしくは前記移植と同時に、投与される、方法。
  76. 請求項59、62、65、68、71もしくは73の任意の一つに従う方法において、
    前記患者に移植される前記細胞は、ポリマー支持材に取り込まれている、方法。
  77. 請求項76に従う前記方法において、
    前記ポリマー支持材は、前記患者において前記細胞の生存および機能を促進する医薬的担体もしくは生体活性剤をも担持している、方法。
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