JP2008529900A - ボトル - Google Patents

Abstract

【課題】ボトル内の液体を所定温度に維持しておくことができる装置を提供すること。
【解決手段】ボトル（１０）内に温度調整機構（１２）を取り付ける。温度調整機構（１２）は相変化物質を含み得る。温度調整機構（１２）によって、ボトル（１０）内の液体（例えばウオッカ）を適度な時間にわたりほぼ一定の温度（例えば約１０℃）に維持することができる。
【選択図】図１

Description

この発明は、ボトルの温度調整に関する。

本出願は、米国仮特許出願第６０／６５１，１６４号（２００５年２月９日、米国特許商標局に出願）及び米国仮特許出願第６０／７２２，９５３号（２００５年１０月４日、米国特許商標局に出願）に対する優先権を主張する。なお、これら仮特許出願は全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

飲料はすべての人にとって生活の重要な要素である。人類始まって以来、人は食用及び娯楽のために飲料（例えば水、ジュース、アルコール等）を摂取してきた。時代を経て、飲料はその時々の社会の嗜好や栄養面の要求に応じて製造され、発展してきた。飲料の発達に伴い、飲料を摂取する習慣と好みの傾向は、飲料毎に特有のものとなっていった。例えば、アルコール飲料であるウオッカは、千年以上にわたって北欧及び東欧で発達した飲料である。ウオッカの多くの種類は、比較的低い温度で摂取される。実際、消費者がウオッカのアルコールと香りを十分に堪能するには、１０℃前後で摂取しなければならない。

しかしながら、ウオッカ（及びその他飲料）を適度な時間にわたってその理想的な給仕温度に維持しておくことは、社会的な環境（例えばバー等の飲酒施設）では難しい。例えば、バーの常連客グループが１本のウオッカを購入し、テーブルについて２、３時間にわたってそれを飲む場合には、その客がボトル内のウオッカを１０℃の臨界温度に維持しておくことは出来ないため、そのウオッカを十分に堪能することは難しい。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項１に係る装置は、ボトルと、前記ボトル内に取り付けた温度調整機構と、を含む装置であって、前記温度調整機構が相変化物質を含むことを特徴とする。

図１は、本発明の実施形態によるボトル１０と、ボトル１０内部に取り付けた温度調整機構１２の一例の断面図を示す。実施形態では、温度調整機構１２はボトル１０内の液体を所定温度（例えば室温未満）に維持しておくことができる。ボトル１０内の液体は、蒸留酒（例えばウオッカ）、ワイン、ビール又はノンルコール飲料であり得る。

実施形態では、温度調整機構１２をボトル１０内に固定して取り付ける。しかし当業者の中には、温度調整機構をボトルに固定せずに取り付けることもできると考える者もいるであろう。

温度調整機構１２は、相変化物質を含み得る。相変化物質は、相変化（例えば融解又は凝固）を利用して、比較的温度の一定した比較的大量の潜熱を吸収又は放出する物質の類である。相変化物質はＳｕｐｐｅｓの米国特許第６，５７４，９７１号で開示されており、かかる特許は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。相変化物質は、マイクロカプセル化することができるとともに、融点／凝固点をカスタマイズすることができる。凝固点より高い温度になると、相変化物質は液化して熱を吸収し、蓄熱する。逆に温度が下がると、相変化物質は凝固して熱を放出し、相変化物質をコーティング又は含浸させた物質を温める。

相変化物質は幅広い工業的用途で使用されており、多くの用途に対して通常の氷や凍結したゲルに比べてはるかに優れており、それらに引けを取らない。例えば米国陸軍は、高温下で兵士達が涼しくいられるように、相変化物質を充填した冷却ベストを使用する等、相変化物質は身体の健康にも関わっている。相変化物質は宅配ピザのパッケージ用断熱材としても使用され、配達する間ピザを温かく保つことができる。相変化物質を空調機器で使用し、蓄冷を行うことで消費電力を節約することもできる。

実施形態では、相変化物質はボトル内のアルコール（例えばウオッカ）を約１０℃前後に維持する。実施形態では、とりわけ液体に理想的な温度に調整した所定の温度に、液体を維持することができる。使用する相変化物質は無害のもので、大豆等の食品用材料から製造することができる。相変化物質は、ウオッカを適温に保つために使用するとともに、香りや味にとって理想的な約１０℃の給仕温度に作用するよう調合することができる。実施形態では、相変化物質を約１０℃の融点及び凝固点を有するよう調整する。換言すれば、相変化物質は約１０℃以下で凝固し、約１０℃より高い温度で液体となる。固体状態の相変化物質が融解して液体になり始めると、相変化物質は周囲から大量の熱を吸収することによって周囲をより低い温度に保つことができる。逆に相変化物質が固体状態から液体状態になり始める時には、相変化物質が大量の熱を放出することによって、アルコールが急速に冷たくなるのを防ぐように作用する。これが、適温に保つように作用する相変化物質の融解と凝固の実際のプロセスである。

実施形態では、相変化物質を含む温度調整機構１２は、ボトル１０の開口部に近い位置でボトル１０に固定して取り付けることができる。温度調整機構は、ボトル１０内の液体（例えばウオッカ）を所定の温度（例えば約１０℃）に維持することができる。温度調整機構１２の相変化物質は、相変化物質に関連する物理反応を介してボトル１０内の液体と相互作用し、ボトル１０内の液体から温度を吸収する。例えば相変化物質の凝固点（例えばウオッカの入ったボトル内の温度調整機構の場合は１０℃）未満の温度に冷却されると、相変化物質は固体化する。ボトル１０を冷却環境から取り出す場合には、相変化物質は周囲から余分な熱を吸収することができる。吸収した熱は液体中ではなく相変化物質内に蓄えられる。これにより、液体を所定の温度（例えばウオッカの場合には約１０℃の給仕温度が理想的である）に冷却しておくことができる。

実施形態では、相変化材料を含む温度調整機構１２は、ボトル１０内の液体（例えばウオッカや他の飲料）の温度の維持と適正化を行う温度制御デバイスとして作用し得る。例えばウオッカの場合、温度調整機構１２は、ウオッカ独特の香りを十分に満喫できる理想的な給仕温度に、ウオッカを長時間（例えば１．５時間）保持することができる。温度調整機構１２はまた、ボトル１０内の液体が急速に冷えないようにすることもできる。例えばウオッカの品質が低ければ、ウオッカを過度に冷やすことによってその香り及び／又は品質を紛らわすということもあろうが、高品質のウオッカの場合には、給仕温度を低くし過ぎると抽出される香りが幾分か失われてしまい、調合された最適な風味を味わうことができなくなってしまうため、望ましくない。

実施形態では、温度調整機構１２は伸長部材及び／又は略円筒形状であり得る。しかし、当業者の中には実施形態の主旨を逸脱することなく、その他の形状や寸法を考える者もいるであろう。実施形態では、温度調整機構１２は少なくとも１つの注ぎ穴２４を含むが、これにより、ボトル１０の開口部を介して中の液体を注ぐことが容易になる。

温度調整機構１２は、少なくとも１つの相変化部１４と被覆部１３とを含み得る。少なくとも１つの相変化部１４の各々は、ボトル１０内の液体（例えばウオッカ）と相変化物質が混ざり合わないようにするために囲いを含み得る。被覆部１３が少なくとも１つの相変化物質部を囲むようにすることで、少なくとも１つの相変化部１４のボトル１０内での位置が維持され得る。被覆部１３に少なくとも１つの開口部を備えることにより、少なくとも１つの相変化物質部１４をボトル１０内の液体に暴露させることができる。被覆部１３にマーク（ボトル１０内の液体のブランド、特性等）を設けて、ボトル１０の外からマークが見えるようにすることもできる。

実施形態によれば、被覆部１３に少なくとも１つの開口部を設け、ボトルを介して温度調整機構１２の相変化物質の外観を見せるようにすることができる。 液体（例えばウオッカ）の温度が所定の設定温度（例えばウオッカの場合には約１０℃の給仕温度が理想）であるかどうかを、相変化物質の外観が示すようにすることもできる。実施形態では、相変化物質の外観をその透明度及び／又は色によって判別することができる。相変化物質の透明度及び／又は色を、相変化物質の液体状態から固体状態への移行結果とすることができる。 例えばボトル１０内の液体が所定の温度(例えばウオッカの場合は約１０℃）に維持されている場合には、相変化物質は固体状態にある。同様に、相変化物質が液体状態から固体状態に移行する際にその色を変化させて、ボトル１０内の液体（例えばウオッカ）が所定の温度にあることを示すようにしてもよい。相変化物質の化学的性質に所定温度を反映させて、液体の特定の用途(例えばウオッカの摂取温度は約１０℃）に調整する。

図２は、温度調整機構３２、シルクスクリーンラベル３０及びドロップカット注ぎ口２６を備えるボトル３６の外観斜視図である。実施形態は、ドロップカット注ぎ口２６を含む注出機構に関する。実施形態では、ドロップカット注ぎ口２６はその開口部において鋭いエッジ２８と略なだらかな形状となっている。鋭いエッジ２８を設けることで、ボトル３６から液体を好都合に且つ正確に注ぐことができる。

図３はフレキシブルプラグ４０を備えたボトルキャップ３８を示す。ボトルキャップ３８は、ドロップカット注ぎ口２６と相補的な形状となっている。ボトルキャップ３８は、ドロップカット注ぎ口２６と固定的に及び取り外し可能に係合するフレキシブルプラグ４０を含む。ボトルキャップ３８をドロップカット注ぎ口２６に取り付けると、ボトル３６が密閉される。ボトルキャップ３８に適度な圧力をかけてボトルキャップ３８をボトル３６に取り付けると、フレキシブルプラグ４０が変形し、ドロップカット注ぎ口２６内に抵抗が生じてボトル３６内の液体が固定される。ボトルキャップ３８はまた、ショットグラスの役割も果たす。

実施形態では、シルクスクリーンラベル３０をボトル３６の外部に貼り付けることができる。シルクスクリーンラベル３０により、温度調整機構３２と温度調整部３４をボトル３６の外からより見易くすることができる。従って、ボトル３６内の液体のおおよその温度を示す温度調整機構における相変化物質の外観を、外部からより簡単に評価することができる。シルクスクリーンラベル３０を使用して、ボトル３６内外でマークを示すことができる。

前述の実施形態（例えばボトルと温度調整機構）及び利点は一例に過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限するものとは解釈すべきではない。当業者であれば理解できる通り、上述の教示は他の装置や方法にも適用することができる。当業者には多くの代替、変更及び改変が明らかであろう。

ボトルとボトル内部に取り付けた温度調整機構の一例の断面図を示す図である。 温度調整機構、シルクスクリーンラベル及びドロップカット注ぎ口を備えたボトルの一例の外観斜視図を示す図である。 フレキシブルプラグを備えたボトルキャップの一例を示す図である。

符号の説明

１０ ボトル
１２ 温度調整機構
１３ 被覆部
１４ 相変化物質部
２４ 注ぎ穴
２６ ドロップカット注ぎ口
２８ エッジ

Claims (22)

1. ボトルと、
   前記ボトル内に取り付けた温度調整機構と、
   を含む装置であって、前記温度調整機構が相変化物質を含むこと、
   を特徴とする装置。
2. 前記温度調整機構を、前記ボトルの開口部付近で前記ボトル内に固定して取り付けること、を特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記温度調整機構が伸長部材であること、を特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 前記伸長部材が略円筒形状であること、を特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 前記ボトル内の液体を所定温度に維持するように前記温度調整機構を構成すること、
   を特徴とする請求項１に記載の装置。
6. 前記所定温度が室温未満であること、を特徴とする請求項５に記載の装置。
7. 前記液体がウオッカであること、を特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 前記所定温度が約１０℃であること、を特徴とする請求項７に記載の装置。
9. 前記液体が蒸留酒、ワイン、ビール及びノンアルコール飲料のうちの少なくとも１つであること、を特徴とする請求項５に記載の装置。
10. 前記温度調整機構が、
    少なくとも１つの相変化物質部であって、その各々が、前記液体と前記相変化物質が混ざり合うことを防止するように構成した囲いを含む、前記少なくとも１つの相変化物質部と、
    前記少なくとも１つの相変化物質部の前記ボトル内での位置を維持するように構成した、前記少なくとも１つの相変化物質部を囲む被覆部と、
    を含むことを特徴とする請求項５に記載の装置。
11. 前記被覆部が少なくとも１つの開口部を含むこと、を特徴とする請求項１０に記載の装置。
12. 前記少なくとも１つの相変化物質部を前記液体に直接暴露させるように、前記少なくとも１つの開口部を構成すること、
    を特徴とする請求項１１に記載の装置。
13. 前記ボトルを通して前記相変化物質の外観を表示するように、前記少なくとも１つの開口部を構成すること、
    を特徴とする請求項１１に記載の装置。
14. 前記液体が飲料であり、
    前記相変化物質の外観が、前記飲料の温度が理想給仕温度であるかどうかを示し、
    前記理想給仕温度前後に前記飲料を維持するように前記温度調整機構を構成すること、
    を特徴とする請求項１３に記載の装置。
15. 前記飲料がウオッカであり、前記理想給仕温度が約１０℃であること、を特徴とする請求項１４に記載の装置。
16. 前記相変化物質の融点は前記飲料の前記理想給仕温度前後であること、を特徴とする請求項１４に記載の装置。
17. 前記相変化物質の透明度及び色のうちの少なくとも一方によって、前記相変化物質の前記外観を判別すること、
    を特徴とする請求項１４に記載の装置。
18. 前記被覆部が前記ボトルの外部から見えるマークを含むこと、を特徴とする請求項１０に記載の装置。
19. ボトルと、
    ドロップカット注ぎ口を含む注出機構と、
    前記注出機構の開口部において前記注出機構と固定的に及び取り外し可能に係合するように構成したフレキシブルプラグを含む、前記ドロップカット注ぎ口と相補的な形状のボトルキャップと、
    を含むことを特徴とする装置。
20. 前記ドロップカット注ぎ口が、その開口部における鋭いエッジと略なだらかな形状であること、を特徴とする請求項１９に記載の装置。
21. 前記ボトルキャップをショットグラスとなるよう構成すること、を特徴とする請求項１９に記載の装置。
22. ボトルと、
    前記ボトルの外面に貼り付けたシルクスクリーンラベルと、
    を含むことを特徴とする装置。

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