JP2008529517A - 化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ウイルスへの結合及び中和に有用である新規なアプタマ誘導体を提供する。また、このアプタマを具える薬学的処方物及びこのアプタマでの有用な化合物に対するスクリーニングでのこのアプタマの使用も提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次構造を有し、従ってウイルスの表面に結合することが可能な所定の核酸分子、具体的には、HIVの糖タンパク質gp120を有する核酸分子に関する。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1及びHIV−2)は、後天性不免疫症候群(AIDS)(2−4)の病原因子であり、年間、約3百万人の死亡原因となっている。臨界ウイルス酵素の強力な阻害剤の開発及び複合治療アプローチにも関わらず、HIV感染症の根絶のゴールは、異常な系統間の多様性によって、分かりにくいままである(5)。従って、新規な抗レトロウイルス剤を開発する強い動機付けがある。古くから、抗レトロウイルス剤は、ウイルス酵素をターゲットとしてきたが、最近の研究は、宿主細胞内へのウイルスの侵入の阻害を対象とした薬剤が、代替戦略を提供することを示している(6)。HIV−1は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質(Env)と、一次細胞レセプタ(CD4)及びコレセプタ(CCR5又はCXCR4)の間の分子相互作用の連鎖によってCD4+ T細胞に侵入する(8−10)。表面糖タンパク質、gp120は、先ずCD4に結合し、コレセプタの結合を促進する立体構造変化を受けるように誘発される(11)。これは、膜貫通糖タンパク質(gp41)の更なる立体構造変化を誘発し、標的細胞膜へのN−末端融合ペプチドの挿入、及び宿主サイトプラズムへのウイルスゲノムの最終放出につながる(12)。このため、ウイルス侵入は、ウイルス(gp120及びgp41)と、宿主標的細胞(CD4及びケモカインコレセプタ)の双方への治療攻撃用の多数のターゲットを示す。ウイルスが、免疫学的監視を逃れるために用いる多数の回避戦略を促進する抗体(〜150kDa)によって課せられた選択的圧力を考慮して、アプタマ(20−38kDa)等のより小さなリガンドが、エンベロープ糖タンパク質上の凹型保存領域に結合し、ウイルスの侵入を阻害することができると仮定した。
アプタマは、一般的に20から120の核酸を具える核酸リガンドであり、タンパク質の表面上の機能性保存部位を規定するのに用いることができる。これらは、SELEXと呼ばれるインビトロ進化プロセスによって、複合組み合わせライブラリから取り出すことができる(13、14)。この方法を用いて、CCR5−依存性HIV−1株Ba−Lのgp120に結合する一連の高親和性単鎖RNAアプタマを単離した(1)。BIAcoreを用いる5回の選択後、高親和性を有するgp120を結合した抗−gp120(Ba−L)アプタマの25の異なる配列ファミリを単離した(1)。これらのアプタマは、1,000倍以上のヒト末梢血単核球(PBMC)のHIV−1Ba−Lの感染性を中和した。重要なことは、これらは、試験された中和モノクローナル抗体よりも効果的に、様々な臨床分離株を中和し、80%又はそれ以上の度合でHIV−1感染症を阻害した(1)。これらのアプタマを表1に挙げる。
一般的な二次構造モチーフは、現在アプタマ−gp120相互作用に重要である最小gp120−結合領域内で同定される。これは、言い換えれば、修飾/切断アプタマを提供し、これは、更に、(1)に記載されたフルサイズのアプタマ構造の中和効果を提供する。
従って、第1の態様では、本発明は、I

Figure 2008529517

で示されるような二次構造を形成する単鎖核酸分子を提供し、ここで、
H1、H2、及びH3は、全てへリックスであり;
L1、L2、及びL3は、全てループ構造であり;
L2は、配列CAC又はCAXCを具え;
前記核酸分子が、表1に上げられたものから選択された核酸を具えない場合に、L3は、配列ACXX又はAXXXを具え;ここで、Xは、任意のヌクレオチドであり、次のヌクレオチドはH3の一部を形成するGであり;
H2とH3の間の領域で、L1は配列UUUUを具える。
単鎖核酸分子の2つの部分間に、Watson−Crick塩基対が形成される場合、へリックスを形成する。これは、通常、回分配列がある場合に起こる。しかし、「ウォブル」の度合、例えば、G−U塩基対合が可能である。へリックスを形成する配列の2つの部分間の配列は、ループを形成する。従って、図1cを見て、ここに示されるアプタマ構造を考える場合、様々な長さの塩基−対合の3つの領域が明らかに見える。これらは、図において1、2、及び3に分類されている。H3が、2つの塩基対のみから成ることが分かるが、本発明の目的のためには、このような短い対を成す配列が、更にへリックスとして規定される。本発明によれば、塩基対合を形成しない配列の他の部分は、ループ構造を構成する。
本発明の核酸分子は、好ましくは、ウイルスを中和することができなければならない。好ましい実施例では、中和は、エンベロープタンパク質、例えば、HIVウイルスのgp120タンパク質に結合することによって達成される。
本明細書では、用語「中和」は、好ましくは、少なくとも1桁、より好ましくは数桁、エンベロープウイルスの感染力を中和/還元することをいう。
核酸は、RNA又はDNAのいずれかであり、単鎖又は二重鎖のいずれかである。一般的に、核酸分子は、長さ20−120ヌクレオチドである。核酸を形成するヌクレオチドは、化学的に修飾されて、分子の安定性を増し、その生物学的利用能を強化し、又は、更なる活性を与えることができる。例えば、ピリミジン塩基は、6又は8位で修飾され、プリン塩基は、CH3、又はI、Br、又はCl等のハロゲンを用いて、5位で修飾することができる。また、ピリミジン塩基の修飾は、2NH、O−CH、N−CH、及びN−CHを含む。2’位での修飾は、糖修飾であり、典型的に、NH、F、OCH、OCHCH、O−ブチル、又はあらゆるO−アルキル基を含む。また、修飾は、キャッピング等の3’及び5’修飾を含むことができる。また、リボース部分に対する修飾は、構造中に組み込むことができる。
代替的に、モルホリノヌクレオチド、固定核酸(locked nucleic acid)(LNA)及びペプチド核酸(PNA)等の修飾ヌクレオチドを用いることができる。モルホリノオリゴヌクレオチドは、様々なモルホリノサブユニットからアッセンブルされ、それぞれは、6−員モルホリン環に結合した4つの遺伝的塩基(アデニン、サイトシン、グアニン、及びチミン)のうちの1つを含む。これらのサブユニットは、非イオン性ホスホロジアミダートサブユニット間結合によって結合し、モルホリノオリゴヌクレオチドを与える。LNAモノマは、フラノース環構造が、4’−C位に2’−O位を結合するメチレンリンカによって制限される点で特徴付けられる。PNAは、骨格が糖よりもむしろ擬ペプチドであるDNAの類似体である。
本発明の実施例では、H1は、4−10塩基対から成り、加えて、A:Aミスマッチ対合も具えることができる。代替的に、H1は、3塩基対未満、又は実に10塩基対を超えるものから成るものでもよい。
我々は、H1の長さを短縮することは、アプタマの構造の安定性の減少させる、言い換えれば、結合を少なくすることを示した。これは、恐らく、H1によってL1の安定性が失われることに起因する。従って、H1の長さが短くなるにつれて、L1は、修飾の導入、例えば、架橋修飾、又はH1又は実にL1の塩基対を増やすものによって、安定化されるべきである。従って、例えば、H1を除去することが可能であるべきであるが、これは、L1を安定化する架橋又は塩基対修飾によってL1ループの「閉鎖」を必要とするであろう。
結合等においてH1の長さを変更する効果を、図9−11に見ることができる。
アプタマは、当業者に公知の方法、例えば、固相合成(Ogilvie,K.K.,et al(1988)Proc,Natl,Acad.Sci.U.S.A85(16)p5764−8;Scaringe,S.A(2000)Methods Enzymol 317 p3−18)、又は、インビトロ転写(Heidenreich,O.,W.Peiken and F.Eckstein(1993)Faseb J.7(1)p90−6)によって調製することができる。
別の実施例では、アプタマは、切断アプタマ、即ち、除去した核酸残渣を少なくとも1つ有する全長アプタマ核酸分子である。ここで議論されているように、このような分子の重要な特徴は、ここに記載されている二次構造を形成する能力を保持することである。本発明者は、このようなアプタマ分子が中和のために効果的である最小構造を規定した。
第2の態様では、本発明は、本発明のアプタマを用いて潜在的治療ターゲットをスクリーニングする方法を提供する。上記のように、ウイルスは、抗体による検出から自身を守るように適応する。抗体可変領域よりも小さい分子に基づいた薬剤は、これらの適応デバイス中を通ることができるべきである。ウイルス感染を防ぐように働く薬剤はほとんどない(「ロスマン(Rossman)」結合開裂抗−ピコルナウイルス剤は、明らかな例外である)。これは、抗ウイルス治療の道具の有意なギャップとして同定される。アプタマウイルス結合の効果が、細胞の感染を防ぐので、ウイルス結合用アプタマと競合する小さな分子を同定することが可能である。これらの分子は、ウイルスの同じ機能が保存されている部位に結合し、ウイルス感染を抑制するので、抗−ウイルス治療の開発に有益である。
ウイルス中和アッセイは、細胞培養システム、拡張インキュベーション時間、及び複合読み出しシステムの要求(challenging)に依存するので、高スループットスクリーニングアプローチの影響を受けにくい。アプタマは、Green及びJanjic(2001)Biotechniques30 1094−6,1098,1100の各所に記載されているように、高スループットスクリーニングに用いることができる。従って、1の好ましい実施例では、本発明のアプタマを高スループットスクリーニング法で用いている。このような方法は、ウイルスタンパク質、具体的には、エンベロープ糖タンパク質、例えばgp120の使用を含む。
本発明の第3の態様では、本発明のアプタマと該アプタマの結合部位を具える生体分子間の相互作用をブロックする又は強化する化合物を同定するインビトロ方法を提供し、この方法は:
(a)本発明の1又はそれ以上のアプタマ、前記生体分子、及び候補化合物を具える混合物を形成するステップと;選択的に、
(b)候補化合物のない状態で、前記生体分子に対するアプタマの特異的結合を許容する条件下で、前記混合物をインキュベートするステップと;
(c)前記生体分子に対する前記アプタマの結合の候補化合物の効果を測定するステップと;
を具える。
アプタマ結合部位に対する本発明のアプタマの結合を阻害又は刺激する化合物が、疾病の治療における潜在的な薬理活性、又はこの結合部位に対するアプタマの結合モチーフに媒介される状態を有するとして同定される。
ここで用いられるとき、用語「特異的結合」は、アプタマが、生体分子のその他の領域、又はアッセイが実施される容器の表面に非特異的に結合することと逆に、結合モチーフに結合することを意味する。
生体分子は、タンパク質、ペプチド、DNA又はRNA等の核酸、又は例えば、ペプチド核酸等のこれらの組み合わせであってよい。1の好ましい実施例では、生体成分は、HIV−1のエンベロープ糖タンパク質gp120のアプタマ結合モチーフを具える。より好ましくは、この生体分子は、HIV−1のエンベロープ糖タンパク質である。
1の好ましい実施例では、アプタマ及び/又は生体分子が標識されて、検出シグナルを提供する。この成分は、直接又は間接的に検出できる標識、例えば、35S、125I、32P、及び/又はH等の放射性標識、蛍光又は発光標識、タンパク質成分の一つ又は他の特異的検出を促進する酵素又はエピトープタグで標識されてよい。このアッセイ混合物の他の成分は、最適なタンパク質−タンパク質結合を強化し、反応成分のバックグラウンド又は非特異的相互作用を低減する塩、緩衝剤成分等を必要に応じてを含む。
ウイルスタンパク質は、Moore,J.P.,J.A.McKeating,et al.(1990)“Characterization of recombinant gpl20 and gpl60 from HIV−I:binding to monoclonal antibodies and soluble CD4”Aids4(4):307−15に記載されている96ウエルプレート等の反応容器に結合する。例えば、組み合わせライブラリからの化合物を、固定したウイルスタンパク質でインキュベートする。標識した中和アプタマを加える。この標識は、放射性、又は、例えば、ストレプトアビジン等のタンパク質であってよい。あらゆる非結合アプタマを洗い落として、結合アプタマの濃度を測定する。結合アプタマの量が対照よりもかなり少ない(試験化合物を除去した)容器が、潜在的にウイルス感染を阻害する試験化合物に相当する。次いで、同定された化合物は、最も低いIC50でこれらを同定するために様々な濃度で、更なるスクリーニング試験に用いることができる(アプタマ−タンパク質結合を50%阻害する濃度)。また、超高スループット法も用いることができる。
これらのスクリーニング法は、マイクロ流体技術、及び「ラボオンチップ(lab−on−a−chip)」ベースの技術を用いて実施することができる。これらの方法では、一般的に、直径1mmよりも小さいチャネルのデバイスを用いる。これらの方法で用いられる通常ナノリットルの小さな体積、必要な試薬の量を低減し、これによって、特に、高価な試薬が必要とされる場合に、コストを削減する。また、等化を起こすのに必要な時間を低減して、プロセスを促進する。これらのデバイスの製造は比較的安価であり、複数のデバイスを大量生産することが可能である。また、マイクロ流体技術は、いくつかの異なる機能を同じチップ上で実施することが可能である。マイクロ流体技術を用いる高スループットスクリーニング法は、当業者に公知であり、例えば、国際公開番号第WO98/00231号、US5942443号及びUS2002/031821号に記載されている。また、これらの方法で用いる方法及びデバイスは、US6495369号に記載されている。
本発明の核酸は、薬学的組成物に用いることができる。従って、第4の態様では、本発明は、選択的に1又はそれ以上の薬学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤を有するここで規定されているような1又はそれ以上の核酸を具える薬学的組成物を提供する。
本発明の組成物は、あらゆる適切な経路、例えば、経口(口腔又は舌下を含む)、経腸、経鼻、局所(口腔、舌下、又は経皮を含む)、経腟又は非経口(皮下、筋肉内、静脈、脊髄内、眼球、又は皮内を含む)経路による投与に適応される。このような処方は、例えば、担体又は賦形剤を有する活性成分に関する医薬の技術分野で公知のあらゆる方法によって調製される。
経口投与に適合した薬学的処方は、カプセル又はタブレット;パウダー又は顆粒;水性又は非水性液体の溶液又は懸濁液;可食性の泡又はホイップ;又は水中油型液体エマルジョン又は油中水型液体エマルジョン等の個々の単位として存在してよい。
経皮投与に適合した薬学的処方は、受け手の表皮へ長期間の密接な接触を維持する目的で個々のパッチとして存在してよい。例えば、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)に一般的に記載されているように、イオン導入によってパッチから有効成分が導入される。
局所投与に適合した薬学的処方は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、パウダー、溶液、ジェル、スプレィ、エアロゾル、又は油として処方されてよい。
眼又はその他の外部組織、例えば口又は皮膚への塗布のためには、処方が、好ましくは局所軟膏又はクリームとして適用されてよい。軟膏で処方される場合、有効成分は、パラフィン又は水混和性軟膏ベースと共に用いることができる。代替的に、有効成分を、水中油型クリームベース又は油中水型ベースを有するクリームと共に処方してもよい。
眼への局所投与に適合した薬学的処方は、点眼を含み、有効成分は、好適な担体、特に水性溶剤中に溶解又は懸濁される。
口内の局所投与に適合した薬学的処方は、ドロップ(lozenges)、トローチ(pastilles)及び洗口液を含む。
経腸投与に適合した薬学的処方は、座薬又は浣腸剤として存在してよい。
経鼻投与に適合した薬学的処方であって、担体が固体である薬学的処方は、例えば、嗅ぎ薬で摂取される方法で、即ち、鼻に近づけたパウダァの容器から鼻腔を通って急速に吸入することによって投与される20から500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末を含む。経鼻スプレィとして、又は経鼻ドロップとして投与用の担体が液体である好適な処方は、有効成分の水性又は油性溶液を含む。
吸入による投与に適合した薬学的処方は、様々なタイプの定量噴霧圧力エアロゾル、噴霧器又は吸入器によって発生する微粉末又は霧を含む。
経腟投与に適合した薬学的処方は、ペッサリィ、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡、又はスプレィ処方として存在してよい。
非経口投与に適合した薬学的処方は、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、対象とするレシピエントの血液と等張な製剤にする溶質を含む水性及び非水性無菌注射液;懸濁剤及び増粘剤を含む水性及び非水性無菌懸濁液を含む。この処方は、例えば、密封したアンプル及びバイアル等の単位投与容器、又は反復投与容器に入れてあり、使用直前に、例えば、注射用水等無菌液体担体の添加のみを必要とするフリーズ−ドライした(凍結乾燥した)状態で貯蔵することもできる。即時注射液及び懸濁液は、無菌パウダー、顆粒及びタブレットから調製されてよい。
本発明の組成物は、所定量の1投与当たりの各有効成分を含む単位投与形態で与えることができる。このような単位は、5−100mg/日の化合物、好ましくは5−15mg/日、10−30mg/日、25−50mg/日、40−80mg/日、又は60−100mg/日を提供するようにしてもよい。式Iの化合物については、100−1000mg/日の範囲、好ましくは100/400mg/日。300−600mg/日、又は500−1000mg/日の範囲で提供することができる。このような投与は、単回投与で、又は多数の分散投与として提供することができる。もちろん、最終的な投与は、治療の状態、投与経路、患者の年齢、体重及び状態に依存し、医師の裁量である。
好ましい単位投与処方は、有効成分の上記のような1日の投与量、サブ−ドーズ(sub−dose)、又はこれらの最適な分画を含む処方である。
特に上記の成分に加えて、処方は、問題の処方のタイプに関するこの分野の従来の他の薬剤も含んでもよく、例えば、経口投与に好適な薬剤は、香料添加剤を含んでもよいことが理解されるであろう。
更なる態様では、本発明は:
(i) HIV感染の治療用の医薬の製造における本発明の少なくとも1の核酸分子の使用と;
(ii)対象に対する本発明の少なくとも1の核酸分子の有効量を投与するステップを具えるHIV感染の治療方法と;
を提供する。
ここで、本発明を、以下に記載されている図に言及する次の非限定例を参照して、より詳細に記載する。

材料及び方法
細胞
ヨトウガ(spodoptera frugiperda)Sf9s細胞は、John Sinclair(英国所在のオックスフォード大学Laboratory of Molecular Biophysics)によって親切にも提供された。ヒト白血球は、Oxford National Blood Servicesを通してBristol Hospital Servicesによって供給された軟膜画分から得た。
ウイルスストック
本試験に用いたHIV−1Ba−L株は、米国メリーランド州ベテスダ(Bethesda)所在のNational Institute of Allergy and Infectious Diseases,National Institute of HealthによるAIDS Research and Reference Reagent program(Catalog number 510)を通して得た。
オリゴヌクレオチド
オリゴヌクレオチド1及び2を各アプタマのT7転写用のテンプレートとして用いた(5’→3’に記載されている)。5’及び3’プライマを列挙し、T7プロモータに下線を付している。
1.アプタマB40(1−117)−

Figure 2008529517

5’プライマ(T3 SELEX)−

Figure 2008529517

3’プライマ(T7 SELEX)−

Figure 2008529517
2.アプタマB40t77(1−74CCC)−

Figure 2008529517

Figure 2008529517

Figure 2008529517
HIV−1 Ba−L gp120の発現
1×106細胞/ml以下の浮遊培地中のSF900II血清−フリー昆虫培地(GibcoBRL社製)中で、Sf9s細胞を28℃で培養した。次の標準的方法で、Sf9s細胞をHIV−1Ba−LSU糖タンパク質(gp120)及び線形化pAcBAK6(Invitrogen社製)をコードする500ngのp2BaC−gp120(28)の混合物でトランスフェクトして、組み換えウイルスを産生した(29)。細胞を5のm.o.iで感染させ、28℃で4日間インキュベートした。この時間で、培地内へのgp120の分泌が最適であった。抗−FLAG M2(Sigma社製)親和性クロマトグラフィを用いてgp120を精澄培地上澄みから精製し、画分をSDS−PAGE、及びウエスタンブロットによって評価した。製造者の指示に従って、タンパク質を、Superdex 200 HR 10/30(Pharmacia社製)を用いてFPLCゲルろ過によって更に精製して、高次凝集体を取り除き、BCAタンパク質アッセイキット(英国チェスター所在のPierce社製)を用いて定量化した。
インビトロトランスクリプション
225pmolのDNAテンプレート全量を、40mM トリス−Cl pH7.5、1mM 2’F UTP、1mM 2’F CTP(Trilink BioTechnologies社製)、1mM ATP、1mM GTP(Amersham Pharmacia社製)、6mM MgCl2、5mM ジチオスレイトール(DTT)、1mM スペルミジン、及び1,500UのT7 RNAポリメラーゼ(New England Biolabs社製)から成る最終500μlの転写反応混合物に加え、37℃で16時間インキュベートした。1μgのDNAテンプレートについて、1UのRNase−フリーDNase I(Sigma社製)の添加によって転写を終了し、この反応混合物を37℃で20分間インキュベートした後、フェノール−クロロフォルムを抽出した。RNAをエタノールで沈殿させ、水に再溶解し(Sigma社製)、Sephadex−G50ニックスピンカラム(Amersham Pharmacia社製)で低−Mr汚染物質から分離し、A260の決定によって定量化した。3分間水中で95℃に加熱することによって、RNAをリフォールディングして、次いで、5分間室温に徐冷し、1×cHBS緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、2.7mM KCl)に調製し、更に室温で10分間インキュベートした。
RNAの32P5’−末端標識
5’−末端標識について、微生物アルカリホスファターゼ(New England Biolabs社製)を用いて末端5’ホスファートの脱リン酸を実施し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Roche社製)を用いて[γ−32P]−ATPからγ−ホスファートで置換した。次いで、標識RNAを12%の変性(8M尿素)ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させ、オートラジオグラフィによって可視化し、受動的溶離によってゲルスライスから回収した。
酵素プロービング及びフットプリント
32P5’−末端標識RNAは、リボヌクレアーゼ(RNase)T1(Amersham Pharmacia社製;5×10−3U)、ヌクレアーゼV1(Pierce社製;5×10−3U)、又はS1(Amersham Pharmacia社製;0.05U)で、20℃で5分間、担体RNA(1μgのtRNA)の存在下で1×cHBS緩衝液の酵素消化に曝された。この反応を停止し、RNAは、フェノール/クロロフォルム抽出に曝され、エタノール沈殿し、ホルムアミド緩衝液に溶解した。フットプリントを、25℃で1時間HIV−1Ba−Lgp120の様々な濃度で同様に標識されたアプタマをインキュベートすることによって達成し、適切なヌクレアーゼ消化をした。消化をフェノール抽出によって終了し、エタノールで沈殿させ、ホルムアルデヒド緩衝液に再溶解した。次いで、RNAフラグメントを18%変性(8M尿素)ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させることによって大きさ順に並べ、次いで、オートラジオグラフィした。フラグメントのサイズの決定を、部分アルカリ加水分解ラダーと(50mM NaHCO3、pH9.2で標識したRNAを、95℃で10分間加熱することによって達成した)、RNase T1−消化ラダー(10μlの20mMクエン酸ナトリウム中55℃でRNAを変性させた50,000c.p.m(Cerenkov社製)の消化によって生成した、1mM EDTA、7M尿素、pH4.6)を流すことによって促進し、G残渣の位置を示した。
化学プロービング
ジメチルサルファート(DMS;Fluka社製)及び1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホナート(CMCT;Sigma社製)を用いて上記(15−17)のように化学プロービングを実施した。2μg tRNAの存在下にゲル精製及びリフォールディングした0.1μgのアプタマB40(1−117)のDMS(N1−A及びN3−Cを修飾)及びCMCT(N3−U、N1−Gを修飾)修飾を、20μl反応液中で実施した。DMSについては、緩衝液は、50mM トリス−HCl pH7.5、5mM MgCl2、及び150mM KCl、5mM β−メルカプトエタノールを含むが、CMCTについては、緩衝液は、50mM ホウ酸−NaOH pH8.0、5mM Mg(C・HO、150mM CHCOOK、及び5mM β−メルカプトエタノールを含んでいた。セミ−変性緩衝液は、1mM EDTAを含んでいた。30μmol及び60μmolのDMSの存在下で、5分間、10μmol及び20μmolのCMCTの存在下で20分間、20℃で反応を実施した。エタノールで沈殿させた後、修飾RNAを水に溶解させた。対照、即ち未修飾アプタマB40を同時に処理した。
プライマ伸長
プライマ伸長(18)を実施して、修飾残基を検出した。プローブされた対照(未修飾)RNAを、5’−32P−標識DNAプライマ(5’AATTAACCCTCAC3’)にハイブリダイズした。これは、標的配列の3’−末端に相補であり、このプライマは、AMV逆転写酵素(Amersham pharmacia社製;4U)を用いて伸長した。プローブされた(対照の)RNAのプライマ伸長によって生成したcDNAパターンを、8%変性(8M尿素)ポリアクリルアミドゲル上で分析し、オートラジオグラィを実施した。ジデオキシヌクレオチド及び未処理RNAを用いた配列反応(19)を実施して、修飾残基の同定を促進するように平行に進めた。プライマ伸長プロセス中の逆転写酵素の自然の切れ目を検出するために、未修飾RNAの伸長対照も平行に進めた。
B40アプタマの二次構造予測
アプタマB40及びB40t77の二次構造モデルを、mfold折り畳みアルゴリズム(20)及びSTARソフトウエアパッケージ(21、22)を用いて推定した。この予測を、酵素及び化学プロービング実験からのデータを用いて限定した。
ゲル移動度のシフトアッセイ(Gel mobility shift assay)
天然ゲルシフトアッセイを用いて、gp120に結合するB40及びB40t77アプタマの解離定数を定量化した。典型的な結合アッセイでは、1×cHBS緩衝液及び1μgのtRNA中の5’−末端標識アプタマ(Cerenkov社製5000c.p.m.)を、室温で1時間、増量したgp120の存在下でインキュベートした。インキュベートを完了後、70%(v/v)グリセロール及び0.025%(w/v)ブロモフェノールブルーを含む3μlのローディング溶液を各反応液に加えた。
次いで、サンプルを1%のアガロースゲルに再溶解させた。電気泳動後、ゲルに再溶解したサンプルを、Hybond−Nメンブレン(Amersham Pharmacia社製)に移した。結合及び未結合画分中のアプタマの量を、リン貯蔵オートラジオグラフィ及びSTORMリン撮像装置(Molecular Dynamics社製)を用いて得た。B40及びB40t77アプタマの解離定数は、式:結合画分=Bmax(gp120)/((gp120)+Kd)へのフィットから誘導される。ここで、Bmaxは、観察されたアプタマ結合の最大画分であり、(gp120)は、タンパク質濃度、Kdは、解離定数である。ゲル上のアプタマ−gp120複合体の拡散によって、gp120に結合したアプタマの画分を、フリー(未結合)アプタマの画分から推測した(レーン1、図A及びB)。
BIAcore(登録商標)表面プラズモン共鳴
BIAcore2000を用いて、全ての結合アッセイを実施した。リサーチグレードCM5センサチップ、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)/EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド)カップリング試薬、エタノールアミン及びグリシン−HClは、BIAcore社製(瑞国ウプサラ県所在)であった。1×cHBS緩衝液を1時間脱気して、流入緩衝液として用いた。流速を5μl/分に設定した。アミン結合化学物質を用いて、gp120をCM5センサチップ上に固定した。フローセルを、EDC(0.2M)とNHS(0.05M)の混合物で10分間活性化した。
gp120は、10mM酢酸ナトリウム、pH5.2で交換した緩衝液であり、500μg/mlの濃度で注入された。投与量依存性結合アッセイについて、10000RU、5000RU及び1000RUを、3つの異なるフローセル上に固定し、第4のフローセルを、モック固定化ブランク対照(mock immobilized,blank control)として用いた。RNAの2’−フルオロ−ピリミジン修飾の役割を研究する結合アッセイでは、2500RUを固定化した。固定化に続いて、エタノールアミン(1M、pH8.5)を10分間注入し、残りの活性基を阻害した。次いで、グリシン−HCl(10mM、pH2.5)を用いて、あらゆる非特異的結合リガンドを洗い流した。このアプタマを結合緩衝液(上記のような)中でリフォールディングし、5μl/分でフローセル全体に注入した(35μl又は15μl)。注入の間に、これらの表面を、5μlの10mM NaOHを2回注入することによって再生し、次いで、流入緩衝液で10分間洗浄した。屈折率の変化、及び機器のノイズを補正するために、対照表面からの反応データを、BIAevaluation3.2を用いて反応表面から得られた反応から差し引いた。
ヒトPBMCの培養
ヒトPBMCを、標準のHIV−陰性ドナーのヘパリン化軟膜から、Ficoll−Hypaque(Amersham Pharmacia社製)密度勾配遠心分離法によって単離した。希釈自己プラズマを保存して、加熱不活化し、浄化して、白血球培養用自己血清(AS)添加剤を調製した。PBMCを4℃のPBS(Sigma社製)で6回洗浄し、実質的に血小板及び顆粒球がなくした。HIV−1中和を研究するために、マイトジェンの活性化とインターロイキン−2(IL−2)なしで培養したPBMC培地を用いた。細胞を2%のASを含むX−VIVO−10(BioWhittaker社製)で7日間維持した。マイトジェン及びIL−2のないシステムは、マイトジェン処理した、サイトカイン添加培地よりもより高いレベルのウイルス分離体のレプリカを、思いのままにサポートするリンパ球やマクロファージの遅増殖型混合培地を生成する。これに続いて、細胞培地を用いて、96ウエルプレートで感染及び中和アッセイを実施した。
中和アッセイ
10細胞/ウエルで播種した7日目のPBMCを、室温で30分間、50μlの逐次希釈(反対数希釈)抗−gp120モノクローナルアプタマ又は対照アプタマ、SA19、又は可溶性ヒトCD4で前インキュベートした培養液中で、HIV−1Ba−Lの10感染単位/mlを用いて感染させた。アプタマSA19は、B40として同じSELEXライブラリからTahiri−Alaoui et.al(23)によってストレプトアビジンに対して選択された。3つの複製を各希釈液で用いた。感染後16時間で、培地含有ウイルス接種材料及びアプタマを新しい培地と交換して、この培養液を更に3日間維持した。ウイルス複製の範囲を、上記のように上澄みから細胞外p24−抗原成分を測定することによって決定した(24、25)。
突然変異B40t77アプタマのRNA突然変異生成及びBIAcore結合分析。
突然変異生成研究用に、先ず、RNA突然変異体を、mfoldを用いたインシリコ(in silico)で試験して、3方向ジャンクション構造を保持するようにした。これによって、この研究で用いられる突然変異アプタマは、特に言及しない限り、前記二次構造を保持する。これらの突然変異体(置換体又は欠失体の双方)をDNAテンプレート中に導入し、突然変異オリゴはSigma−Aldrich社から得た。B40t77−特異5’−及び3’−プライマを用いてPCR増幅を実施した。インビトロ転写を(上記のように)実施して、突然変異B40t77アプタマを得て、A260の決定によって収量を定量化した。BIAcore2000を用いて、結合アッセイを実施した。上記のようにリサーチグレードCM5センサチップを用いて活性化した。2500RUのgp120を、アミン結合を介して1のフローセル上に固定する一方で、モック固定化ブランクフローセル(mock immobilized,blank flow cell)を対照として用いた。これらのアプタマを結合緩衝液(上記のような)中でリフォールディングして、15μlを5μl/分でフローセル全体に渡って注入した。これらの注入の間、この表面を上記のように再生した。3つの独立した実験を実施して、各場合についてサンプルをランダムな順で注入した。突然変異体の相対結合度(対照チャネルから反応を引いた後の)を記録し(T=180sで)、このデータをその時点の反応の平均±標準偏差として表す(図5)。
結果
アプタマB40の二次構造の解明
いくつかのアルゴリズムを用いるB40についてのRNA二次構造のインシリコ予測は、少数の予測された安定した折り畳みを導いた。これらの推測した構造のいずれか一方が実験的に確かめられるかどうかを決めるために、酵素(S1、V1又はT1)プロービング法と化学プロービング法の双方を用いた。酵素プロービング(図1)に見られる感受性及び保護のパターンを見つけて、mfoldを含むいくつかのアルゴリズム(バージョン3.1)を用いて予測されるように最も安定な折り畳みを確かめる。この推定二次構造は2つのドメインに分割することができる。ドメインIは、ヌクレオチド1から76から成り、ステムループ1、2、及び3を含み、ドメインIIは、ヌクレオチド77から117から成り、ステムループ4を含む。
また、化学プロービングデータもこの予測を強力に支持した−これらのデータの説明できない特徴は、へリックス間の領域に位置するいくつかのヌクレオチドの反応性欠如である。例えば、A−39、58、80、及びC−21、33、54及び55は、DMSに対して反応性を示さなかった(図1E及び補充データS2)。同様に、G−25、77、84、及びU−20、24、48及び49は、CMCTに対して反応しなかった(図1B及び1E)。これらの相違は、DMS及びCMCTを用いた反応性に影響するアプタマ内の3次相互作用によって、又は代替配座異性体の存在によって生じうる。様々なへリックスドメインの安定度を確立するために、セミ−変性条件下(即ち、EDTAの存在下)で、DMS及びCMCTを用いた同様の反応を実施した。自然の条件下ではCMCTと反応しなかったU−68、69、74、81、87及びG−82が、セミ−変性条件下で融解し、同じプローブに対して反応性を示した(図1B及び1E)。従って、我々は、これらの残基が、恐らく、このような条件下で変性するヘリックス内でのより弱い相互作用に含まれることを提案する。
アプタマB40分子の集団を、ここに示す集団に対して代替的に折り畳まれるgp120結合型を少ない割合で含む可能性が、以下の欠失突然変異のコンテキストにおいて、遺伝的に調べる。
アプタマ上のgp120結合部位及び結合親和性の決定
アプタマB40上のgp120のフットプリントを決定するために、タンパク質の存在下及び不存在下でのヌクレオチドの開裂位置を比較した。フットプリントデータは、gp120の結合が、濃度依存法のドメインI(図1A及び1D)の様々な度合に対して保護を誘発することを示した。主要な保護は、ドメインIのヌクレオチド21−57を含む領域を含み、117マー親アプタマ上の1次gp120結合部位が、このドメインで本質的に存在することを示している。また、タンパク質結合後のリボヌクレアーゼ(RNase)V1及びS1に対する感受性の変化も観察した(図1A及び1D)、これはアプタマのタンパク質誘発構造変化を暗示している。これらの2つのドメインの内のドメインIIは、gp120結合に関与しなかった。ドメインIのヘリックス1は、ステムループ2及び3の配置を安定化するように思えた。これらをもとに、このデータは、ドメインIのみを具えるアプタマは、gp120結合活性を保持するであろうと仮定された。従って、アプタマ、即ちB40t77(1−74CCC)を構成した。このアプタマは、3’−末端で2つに2つもサイトカインを有するドメインIのヌクレオチド1−74を保持して、3bp5’−3’GC−クランプを完成した(図IC)。この77−ヌクレオチド切頭アプタマ(以下単にB40t77という)は、酵素プロービング及びmfoldを用いた二次構造予測によって推定されるように、その配座異性体(親アプタマのドメインIのように)を保持した(図1C及び補完データS1)。切頭アプタマのフットプリントパターンは、親アプタマB40に類似しているが、より強いタンパク質誘発構造変化(アンフォールディング)が、前者(図IC及びS1)、特に、ドメインIのヘリックスステム1で観察された。これは、ドメインIIが、タンパク質の不存在下での親分子のドメインIのこの領域を安定化する役割を果たす場合に、理にかなっている。
親アプタマ及び切頭アプタマの結合親和性を決定するために、天然ゲル移動度シフトアッセイを実施した。全長アプタマB40(図2A&B)と、切頭アプタマB40t77(図2D&E)を有するgp120のインキュベートは、フリーRNAと比較して〜50nMタンパク質濃度での、電気泳動移動度がより遅い複合体を得た。実験を3回別個に繰り返して、親アプタマについて21±2nM(図10 2B)、及び切頭アプタマについての31±2nM(図2E)の解離定数(KD)の推定値を得た。これから、切頭アプタマは、親アプタマの結合エネルギィの〜90%を保持し、従って、生成結合に必要とされる要素の主要部分を含んでいなければならないといえる。
また、アプタマB40(図2C)とB40t77(図2F)との結合を調べて、BIAcoreSPR技術を用いて、リアルタイムでCM5センサチップ上にgp120を固定した。明確な投与依存性反応が観察された。しかし、このデータは、1:1ラングミュア結合又はその他の単純なモデルを用いて適合しなかった。これは、恐らく、リアルタイム結合が敏感であるアプタマの低レベルでの立体配座の不均質に起因すると思われる。
親アプタマ及び切頭アプタマによるHIV−1のR5株(Ba−L)の中和
初期の研究は、B40を含むアプタマ(27の内の25)で導かれるHIV−1Ba−Lgp120の主要部分は、PBMCの相同HIV−1Ba−Lを中和することができることを示した(Khati et al.,2003)。従って、この研究で、切頭アプタマが標的細胞中のこのHIV−1株の感染を防止又は制限することができるかどうかも決定することを望んだ。終点希釈及びp24−抗原ELISAを用いて、切頭アプタマが、ヒトPBMC中の相同HIV−1Ba−Lを中和する点で、親アプタマと同様に強力であることが分かった(図3)。300nMで、双方のアプタマは、アプタマのない、及び無関係のアプタマ対照とは逆にHIV−1Ba−Lエントリをバックグラウンドレベルに中和した。これは、ウイルス感染に効果が無かった。また、可溶性ヒトCD4は、HIV−1Ba−Lを300nM濃度でバックグラウンドレベル近くへ中和した。一連の様々な濃度を研究して、IC50を取り出した(50%のウイルス感染を阻害するアプタマの効果的濃度)。これは、B40アプタマ双方について、ほぼ2nMであることが分かった。KDとIC50の間の10倍の差は、定数を決定するのに用いられるアッセイの全く異なる性質を単純に反映するが、ウイルス上に存在する実質的に50%未満のgp120部位が、アプタマによって結合する場合に、ウイルス中和を達成することを暗示するように解釈してもよい。各スパイクトリマ中のgp120単位のみが、相当するgp41トリマの6量体融合促進複合体の形成を阻害するために、阻害することが必要であるということは説得力がある。また、全部には満たないスパイクトリマは、阻害すべきウイルスエンベロープ及びプラズマメンブレンの間の融合のためにこの方法で機能的に阻害される必要があるように思われる。しかしながら、我々のデータでは、エントリに必要とされるトリマの最小比率の正確な計算をすることができない。
リガンド結合(tigand binding)中のアプタマの修飾2’フルオロ−ピリミジンの役割
gp120−結合中のフルオロ−ピリミジンの潜在的役割を調べるために、2’フルオロ−サイトカイン又は2’フルオロ−ウラシルのどちらか、又は双方を、2’OH相当物と置換するアプタマのgp120結合能力を分析した(図4)。2−Fウリジンを2’−OHウリジンと置換するが、2’Fサイトカインは保持するアプタマが、gp120結合能力を保持することが分かった。これは、フットプリント領域内で比較的よく見られるウリジン中の2’F基のいずれも、結合gp120中に直接含まれないことを示している。一方、2’F−サイトカイン中のウリジンは、2’OH−サイトカインと置換されるが、2’F−ウリジンを保持するものは、結合能力を失った。これは、明らかに、1又はそれ以上の2’フルオロ−サイトカインがgp120との相互作用に必要とされるが、必須である2’修飾がヘリックス(例えば、ヘリックス2)又はループ(例えば、ループ2)にあるかどうかを示すものではないことを表している。当然、2’Fピリミジンの双方が相当する2’OHピリミジンと置換されると、結合が消滅した。
フットプリント領域内での配列の必要条件の分析
gp120に結合することによってヌクレアーゼから保護されたアプタマB40の部分内のヌクレオチドのサブセットのみが、タンパク質−核酸相互作用に必要とされることが可能である。これを調べるために、この領域の突然変異生成分析に取り組んだ。150を上回る個々の点突然変異体(及び>1024多重突然変異体)は、フットプリント領域内で理論的にあり得るが、実行可能な結果を得るために、上で同定した二次構造を変更しないことが予想されるサブセットを先ず研究することを選択した。この型の主要な突然変異は、単鎖ループ及びジャンクション領域にあり、あり得る突然変異の包括的なインシリコ分析の後に同定した。ジャンクション1の残基の突然変異によってgp120結合の有意な欠失を得た。これは、gp120との相互作用を必要とすることを示した。gp120結合に何らかの有意な差を示さないこの領域の突然変異のみが、C21Aの置換である(図5)。これは、この配列の5’ヌクレオチドが、B40t77アプタマのgp120結合の自由エネルギィ変化にほとんど寄与しない場合に可能である。ヘアピンループ1及び2の突然変異体は全て、結合のほぼ完全な欠失を示し、フットプリントデータから分かるように、これらの残基もgp120認識及び結合に必要である。また、領域U40−U43(ジャンクション1)の全突然変異によって、gp120に対する結合の有意な欠失を得た(図5B)。一般的に、この領域の複数の置換(UUUU→CCCC)は、点突然変異(例えば、U40A)よりもより極端な効果を有した。興味深いことに、2’F Uが、活性を無くすことなく2’OH Uで置換することができることを示したが、これらの4つのウラシル(2’リボース置換基に関わりなく)は必須であるように思われる。加えて、自然の二次構造を保存するように設計されたヘリックス3の二重及び四重突然変異体を分析した。全突然変異体は、野生型B40t77アプタマと比較して結合に有意な欠失を示した(図5)。全体として、これらの結果は、二次構造が維持されるが、フットプリント領域(ジャンクション1及び1、ループI及び2及びヘリックス3)内のほとんどのヌクレオチドの変化によって、gp120結合が欠失する。
gp120結合の二次構造の必要条件の分析
二次構造モデリングは、アプタマB40t77は、原則として、実験的証拠によって支持される分枝構造に加えて、線形二次構造をとることができるべきであることを示唆している(図6A参照)。これらの2つの代替構造は、互いに同様の安定性を有し、一般的に、いくつかの構造上の特徴を共有することが推測される。結果として、少数のアプタマ集団が、線形を適用し、生物化学的検出を逃れ、更に、gp120結合活性に関与することがあり得る。この可能性を調べるために、再び遺伝的分析を行った。これは、二次構造の潜在的に識別力のある領域が、gp120フットプリント内にあり、その結果、主要な配列効果が、二次構造効果と混同するという事実によって複雑になった。
例えば、分枝構造を分断するヘリックス3の点突然変異(G64C及びC47G)では結合は欠失しているが(図6B参照)、構造を修復した代償性突然変異が、結合を修復するのに失敗している(図5、上記参照)。この結果、この領域の配列又は二次構造、又は双方のどちらかが機能するのに必要であるかどうかを見分けることは不可能である。
その完全性(G18C+C61G、A14G+U65C、C7U+G71A、及びΔA9)を維持するヘリックス1の突然変異は、gp120結合を維持した(図6C参照)。しかし、これらの突然変異は、線形及び分枝形の双方と全て一致し、そのため、この2つの形状間を区別できなかった。
分枝構造及び線形構造双方の構造(ΔG18)を失ったヘリックス1の突然変異は、結合を有意に喪失した。この突然変異体は、ヘリックス3、ループ2、及び上部ヘリックスIを、実質的に歪む異常な、分枝構造を構成するように予測される(図6D参照)。また、正常な分枝及び線形形状を復元する代償性欠失(ΔG18+ΔC61)も、gp120結合を復元した。これは、明らかに、アプタマB40t77の二次構造の維持がgp120に必要であることを示すが、結合形態が、分枝構造、線形構造、又はその双方かどうかを明確にするものではない。
最終的に、この2つの二次構造間を明確に区別するように設計されているヘリックス2の突然変異を調べた。この分枝構造の形成を防止するが、線形構造(G27C)と一致するヘリックス2の突然変異は、gp120に対するアプタマの結合を実質的になくした(図6E)。分枝構造を復元するが、線形構造(G27C+C37G)をなくす代償性突然変異は、完全野生型レベルに対してではないが、gp120結合(P=0.0015、t試験)を有意に復元した。この結果は、アプタマの3方向分枝構造が、機能的形状であるとの仮説を強力に支持するものであり、実際、B40t77集団の分枝形状と共存する場合は、線形代替異性体は、gp120に対するリガンドではない。しかし、二重突然変異体の分枝形状の復元後のgp120結合の完全な復元の失敗は、残基27及び/又は37が、全構造を安定化する役割に加えて、僅かに結合にも寄与していることを示す。
議論
アプタマによるHIV−1の様々な組織培養研究室適合(TCLA)及び臨床CCR5−指向性(R5)分離株の感染の中和が、HIV−1 R5株のgp120に対して明らかに生じた旨を報告した。ここで、1つのこのような中和アプタマ、B40の必須の構造上の特徴を述べる。親アプタマの二次構造及び完全gp120結合に必須の最小領域を決定することによって、アプタマをより小さなサイズに切る一方で、その結合及び中和特性を保存することができた。ここで、HIV gp120結合アプタマのより広い接触、及び結果的により高い親和性が、標的タンパク質のより大きいサイズを反映している。切頭アプタマB40t77は、〜23kDaの分子量:IgG分子の6分の1未満のサイズ、及び抗体の抗原結合フラグメント(Fab)の約2分の1のサイズを有する。従って、より大きなエントリ阻害剤が、立体障害によってアクセスできない「コア」糖タンパク質の深い保存領域に容易にアクセスできると考える。これは、この発生は、A.F.Labrijn et al.(Labrijn et al.,2003)による最近の発見によって更に支持されるCD4i−特異的中和剤のサイズが、その能力と逆に関係し、主要なHIV−1分離株を中和することを明確に示した。高親和性及び特異性を有する標的結合することに加えて、核酸ベースの治療剤及び診断剤は、ヌクレアーゼ耐性があり、及び安定した非生物学的流体である必要がある。RNAの2’フルオロ及び2’アミノ修飾は、アルカリ性加水分解物及びリボヌクレアーゼ分解に対する耐性を与える(Pieken et al.,1991)。gp120に対する2’フルオロ修飾及び未修飾アプタマのSPR結合分析の結果(図4)は、2’位での修飾が、リガンド−標的相互作用に有意に作用することを示している。2’フルオロ−ピリミジンのピリミジンの2’OH基での置換は、gp120に対するアプタマの結合の完全な欠失をもたらした。これは、熱力学的により安定であり、未修飾RNAよりも剛性構造を形成する実質的により強力な分子内ヘリックスを形成する2’F RNAの能力に起因し(Pagratis et al.,1997)、より高い親和性で標的に結合する。2’F−シチジンのリボヌクレオシド類似体での置換は、同様の結合を欠失し、これは、リガンド結合中の1又はそれ以上のシチジンの2’位のフッ素原子の所定の役割に寄与する。更に、2’位の置換基も、その能力の差を発現して水素結合を形成し、結合で観察される差の主な原因となる。RNAの2’OH基は、水素結合受容体及び供与体として作用する一方で、2’F基は、恐らく弱い水素結合受容体としてのみ機能することができる(Aurup et al.,1992)。しかし、各場合で、この置換によって誘発されるオリゴヌクレオチドの局所的異性体変化の寄与は、アプタマのリガンド結合特性の欠失又は保存の重要な要因である。従って、様々な2’−部分を有する核酸ライブラリで実施される選択が、同じ標的又は異なる標的に対する様々な結合特性を有するアプタマの明らかに異なるファミリを生じる。
親アプタマと切頭アプタマのナノモル親和性、及びその強力な中和能力を考慮すると、アプタマは、必須の供与体結合部位を占めることによって、又はgp120中に非生産的異性体変化を誘発することによって、その中和効果を与えることが可能である。従って、このアプタマは、gp120と標的細胞上のその受容体間の分子間相互作用のよりよい理解を可能にするツールとして働く。
突然変異生成研究及びSPR結合分析の結果は、上記のRNAフットプリントデータ及び二次構造モデルを強力に支持している。切頭アプタマのフットプリント領域内でのほとんどの突然変異は、gp120結合を有意に抑止する。フットプリント領域外では、RNAステム内で塩基対を特異的に分離するよう設計した突然変異が、gp120結合を抑止する一方で、構造を回復する代償性突然変異、又は構造を分離しない突然変異が、gp120結合を維持する。より重要なことは、提案された分枝構造を分離する一方で線形代替配座異性体を安定化するフットプリントヘリックス2内の突然変異は、結合を阻止するが、分枝構造を回復し、線形代替配座異性体を阻止する二次代償性突然変異はgp120結合を有意に回復した。これは、gp120結合についての小さな配列特異的モチーフを提供するために特異的3次元アプタマ構造が必要であるという仮定を強力に支持する。注目すべきは、この構造の結合部分の配列が、gp120に対する結合後のVIヌクレアーゼに対してより敏感になり、この相互作用がアプタマ構造の変化を指数化する可能性を示している。
興味深いことに、HIV−IBaLgp120に対して上げられ、ウイルス感染を中和することが分かったアプタマB4及びB116は、アプタマB40に系統発生学的に無関係であることが明らかであり、主要な配列レベルに関して統計学的に有意な関係を示さないが、アプタマB40についてここに記載した構造モチーフを共有することが可能である。構造分析は、これらが2つのヘアピンループ及び終端ヘリックスの3方向ジャンクションを具えることも示している(データは示さず)。更に、これらは、ループ1(B4、B116及びB40のCACと比較したCAgC及びCAaC)、及び恐らくループ2(モチーフANNYG)の断片的な主配列を共有している。この証拠は、確証的ではないが、3つ全てのアプタマが、gp120に対する中和結合を可能にする基礎的な構造モチーフを共有すると考える。アプタマ−gp120複合体の高分解能構造が、この問題に更に取り組み、全gp120認識事象を形作る多重相互作用を明らかになるであろう。
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表1
Figure 2008529517
合成B40アプタマ誘導体
原理
インビトロ転写(通常、T7 RNAポリメラーゼを用いて)によって、又は固相化学合成(オリゴヌクレオチドとして)によって、アプタマを作成することができる。前者のアプローチは、SELEXプロセスによるアプタマの発見、及び初期の構造及び機能分析に必要である。化学合成は、化学療法、化学的予防及び結晶学等の用途の、大規模で費用効果の高いアプタマの製造に欠かせないが、60ntの長さよりもずっと長い配列には実施できない。有効転写が可能なB40の最も短い誘導体は、77ntの長さであり、31ntのこの誘導体はヘリックス1を具え、結合要素の必須成分を具えるというより、アプタマ構造の安定性のためにのみが必要であると推測した。従って、アプタマB40のコアの想定される機能構造を維持するであろう化学合成用の一連のアプタマを設計する一方で、多くのヘリックス1を除去した。表2−4にこれらの合成アプタマの配列を、図12−14に予測される構造を、図15にgp120結合能力を示す。
247.2及び247.1
これらのアプタマは、親B40及びB40t77、即ち、3方向ジャンクションから離れた4塩基対に見られるA:Aミスマッチを保持する。B40t77のように、これらのアプタマは、分枝及び線形形状を導入することができる。B40t77は、A:Aミスマッチ15bpヘリックス1を有し、247.2は、A:Aミスマッチ10bpヘリックス1を有し、247.1は、A:Aミスマッチ7bpヘリックス1を有する。ヘリックス1の短縮は、B40t77>247.2>247.1の順にアプタマの熱力学的安定性の予測された低減に関連する。gp120に対するアプタマの結合ポテンシャルは、7bpに対するミスマッチヘリックス1の低減が、機能的アプタマ構造の小さいが有意な欠失をもたらすことを示している。その結果、A:Aミスマッチが、除去されて、安定性を損なうことなくヘリックス1の更なる低減が可能になるかを調べた。
247.5、247.3、及び247.4
これらのアプタマは、それぞれ7bp、6bp、及び4bpの長さのヘリックス1を有するA:Aミスマッチ(上記)の欠失を含んでいた。ミスマッチの除去は、等価物であるミスマッチ247.1と比較して、247.5及び247.3の熱力学的安定性を改善したが、4bpに対する低減は、4つの代替配座の生成をもたらした。247.5が、完全なgp120結合能力を保持する一方で、247.3は、いくつかの結合能力を失い、247.4では、大幅に低下した。この結果、代替異性体の生成を阻害する更なる突然変異が、短縮アプタマの結合能力を改善する可能性を調べた。
247.6
このアプタマは、247.4のように4bpヘリックス1を有するが、結合領域内に後者と関連する代替配座と不適合である突然変異を追加で有している。予測と一致して、247.6は、完全gp120結合活性を保持した。
二次構造を安定化するための疎水性置換基の使用(265シリーズ)
前に述べたように、リボースの2’位にある疎水性置換基が、ヘリックスの安定性に影響することがある。1つの鎖のみに存在する場合に、これらの効果は、ヘリックスを不安定にする。対照的に、3’方向に1ntだけオフセットされている反対の鎖に存在する場合、これらはヘリックスを安定化するように相互作用する。アプタマ265.1は、6bpヘリックス1を有し、ヘリックス1の3つの塩基対が、ジメチル−アリル対によって安定化されることを除いて、247.3に対する配列と同一である。247.3よりも熱力学的安定性が全体的に大きいことが望まれるが、分枝及び線形構造双方に適合することが依然として可能である。予測されるように、265.1は、247.3よりもgp120によく結合した。実際、この修飾は、対照であるB40t77と比較して、結合の有意な増加をもたらす。
分枝構造を安定化する試みで、247.3の更に3つの誘導体を合成し(265.2、265.3、及び265.4)、ジメチル−アリル対を、ヘリックス2の3つの位置の内の1つに導入した。265.3は、247.3を超える結合(野生型レベルには達しないが)の改善を示したが、265.2(示さず)及び265.4は、改善を示さなかった。
突然変異及び疎水性相互作用の組み合わせ(299.2、299.3及び299.1)
ジメチル−アリル置換は、短い形状のヘリックス1をよく安定化させることができ、分枝形状は結合領域又はヘリックス2の突然変異によって線形形状を犠牲にして安定化することができることが、上記に示されている。いずれかのアプローチの多数の変形例が、有益に用いられ、多数の潜在的に有益な方法で組み合わされることは明らかである。これを例示するために、3つのあり得る変形例を示す。アプタマ299.2は、265.1のようなdma安定化6bpヘリックス1アプタマであるが、加えて、付加C:G塩基対によって安定化したヘリックス1を有する。この修飾は、線形異性体を除去し、265.1によって示されるものよりもより高次の結合をgp120にもたらす。アプタマ299.3は、結合突然変異を付加的に有することを除いて、299.2と同様である(247.6に前もって有益に導入されている)。この更なる変化は、gp120結合に追加の効果が生じない。アプタマ299.1は、ヘリックス1の2’O−ブチル置換を具え(ジメチル−アリルの代わりに)、247.6に導入された結合突然変異を追加で有する。このアプタマの結合は、B40t77と区別することができず、そのため、ブチル置換は、ジメチル−アリルよりも安定性が低い。
299.4
この短いアプタマは4bpヘリックス1、及び安定化結合突然変異を有する点で247.6と似ているが、加えて、ヘリックス2の塩基で突然変異し、潜在的により安定性があるC:G標準対(canonical pair)でU:Gウォッブル塩基対を置換した。247.6よりも構造的に安定であると予測されるが、gp120に対して僅かな結合能力しかなく、ヘリックス2の塩基におけるウォッブル塩基対のいくつかの特徴が活性に重要であることを示している。
299.5
この短いアプタマは、5’末端でのビオチン化ウラシルの付加を除いて、247.6と同一であり、アプタマ及びgp120のキャプチャ、及び欠失を促進する。gp120に対するこのアプタマの結合特性は、247.6の結合特性と区別することができない(データは示さず)。
(2)93
これは、この研究で述べた組成物と同様の組成物のアプタマであるが、未関連のタンパク質であるPrPに対して上げた(Sayer,Cubin et al.2004)。
表2
合成B40アプタマ誘導体の配列
T7ポリメラーゼ−転写B40t77を比較のために挙げる。より低い場合、即ち「c」及び「g」は、2’O−ブチル(299.1)又は2’ジメチル−アリルを表し(265.1、265.2、265.3、265.4、299.2及び299.3)、「bU」は、ビオチン化ウラシルを表す(299.5)。
Figure 2008529517
表3
合成B40アプタマの整列。「〜」は、配列目的のみで導入した埋め込み文字である。共有結合修飾は示さず。
Figure 2008529517
表4
合成B40アプタマの配置;グラフバージョン
表2に示されているが、カラーコードした残渣と「.」で示されるB40t77と相同の位置を有する。
Figure 2008529517
図1は、アプタマB40及びB40t77の酵素プロービング、RNAフットプリンティング及び溶液構造を示す図である。(A)HIV−1Ba−Lgp120の不存在(0)及び存在(5,25nM)下で、リボヌクレアーゼ(RNase)T1、ヌクレアーゼV1及びS1を有する5’−末端標識B40の消化生成物を示す18%のポリアクリルアミド(8M尿素)ゲルのオートラジオグラム。部分アルカリ加水分解物(OH−)及びリボヌクレアーゼ(RNAse)T1消化(G残渣)ラダーが、公知の配列への配置を促進するべく側部を走る。縦軸は、主なgp120−保護領域を示す。対照(C)は、gp120の存在下ではあるが、ヌクレアーゼの不存在下でインキュベートした5’−末端標識B40(1−117)アプタマに相当する。アルカリ加水分解物(OH−)ラダー中のギャップは、2’−フルオロピリミジンを示す。ゲル頂点のウェッジは、gp120の濃度(0、5、25nM)の増加を示している。(B)CMCTを用いたアプタマB40の二次構造分析。アプタマB40は、CMCTで修飾され、5’−末端標識3’−プライマ、及びAMV逆転写酵素を用いて、逆転写された。cDNA産物を、PAGEを変性(denaturing)することによって可視化した。バンド(矢印で示す)は、野生型アプタマ構造で対になっていない残渣における、DMS修飾の位置を示す。未修飾(Con)アプタマB40は、化学的修飾によって特に導入した停止と、安定二次構造の存在に起因する停止と、AMV逆転写酵素の誤停止との間を区別するように平行になっている。N−修飾は自然の条件下で成され;SD−修飾はセミ−変性(semi−denaturing)条件(1mM EDTA)下で成される。レーンA、G、C、Uは、ジデオキシRT配列ラダーを示す。ゲル頂点のウェッジは、CMCTの濃度(10μmol及び20μmol)の増加を示す。(C及びD)mfold予測アルゴリズムを制限するために用いた酵素プロービングデータからそれぞれ推測されるようなアプタマB40t77及びB40の提案の二次構造。リボヌクレアーゼ(RNase)V1(緑)、ヌクレアーゼS1(赤)によって目標とされた残渣、及びgp120上のヌクレアーゼV1(緑の矢印)又はS1(赤の矢印)に対してより敏感な残渣が強調されている。gp120に対する結合のヌクレアーゼ保護を示す残渣の概略、ラインの厚みは、保護の度合を示す。ワトソン−クリック塩基対は・によって示され、ウォッブル(Wobble)G−Uは☆によって示される。(E)DMS(N1−A及びN3−C)及びCMCT(N1−G及びN3−U)に対するアプタマB40のワトソン−クリック位の反応性。自然(及びセミ−変性)条件下での反応:DMS(□□)及びCMCT(O);自然条件下では未反応であるが、セミ−変性条件下では反応:(O)。ワトソン−クリック塩基対は・によって示され、ウォッブル(Wobble)G−Uは☆によって示される。 図2は、アプタマB40及びB40t77の結合親和性のゲル移動度シフトアッセイを示す。(A及びD)1%のアガロースゲル上で分析したタンパク質濃度(25から400nM)の増加範囲をそれぞれに用いたアプタマB40及びB40t77の結合親和性を分析する代表的なゲルのオートラジオグラム。(B及びE)タンパク質濃度を関数としたgp120によって結合したアプタマの割合の代表的なプロットを示す。このデータは、グラフ−パッドプリズム(Graph−Pad Prism)の非線形曲線フィット法の双曲線関数に合致した。この滴定で、アプタマB40及びB40t77それぞれについて、21±2nM及び31±2nMの平行解離定数(Kd)を得た。(C及びF)BIAcore社製表面プラズモン共鳴測定装置を用いてCM5センサチップ(10000RU)上にgp120を固定化するためのアプタマB40(C)及びB40t77(F)投与依存性結合。このバーは、アプタマがチップ表面を横切って流れた時間を示している。 図3は、アプタマB40及びB40t77によるヒトPBMC中のHIV−1Ba−Lの中和を示す。ウイルスp24抗原の出力を用いて、p24抗原ELISAを用いてアプタマの効果を測定する。ウイルス複製の範囲は、阻害剤の不存在下で生成したp24抗原の割合として示される。可溶性ヒトCD4(shCD4)を、陽性対照として用い、一方で、ストレプトアビジン(23)に対するアプタマSA19を陰性対照として用いる。この実験を3回中2回実施する。エラーバーは、この手段の標準的なエラーを示す。 図4は、リガンド結合中のアプタマの修飾2’−フルオロピリミジンの役割を分析するためのBIAcore社製結合アッセイを示す。(A)BIAcore社製表面プラズモン技術(SPR)によって分析したときに、固定化gp120(2500RU)に対するアプタマ2’−フルオロピリミジン置換B40及びB40t77、2’−フルオロサイトカイン置換B40t77、2’−フルオロウラシル置換B40t77及び未置換(リボヌクレオチドを含む)mB40t77アプタマ(〜100nM)の相対結合スコア(RU)。3つの別々の実験の平均±SDがプロットされている。相対結合(RU)スコアは、t=180sで結合値である。2’−フルオロピリミジン置換アプタマB40及びB40t77は、予想通りにgp120に結合するが、2’−フルオロサイトカイン置換B40t77アプタマは、gp120への結合能力を残しており、一方で2’−フルオロウラシル置換B40t77アプタマ及び未置換B40t77アプタマが固定化gp120に結合しない。(B)前記アプタマの代表的結合を示すための対照補正SPR曲線のオーバーレイ(1セットの結合曲線のみ)を示す。太いバーは、アプタマがチップ表面を横切って流れた時間を示す。 図5は、アプタマB40t77のgp120−フットプリント領域内の配列要件の分析を示す。切頭B40の配列を、二次構造実験によって明らかになった分枝中に示す。gp120に結合することによって、ヌクレアーゼ介在開裂から保護されるように思われる構造の5つの部分を太線で示し、gp120結合への関与を示す最も明瞭な証拠が存在する残渣に下線が付加されている。BIAcore社製SPR技術を用いて、gp120−結合への影響についての5つの領域の突然変異を研究した。野生型B40t77配列の相対結合と比較して、t=180sでの全突然変異体の相対結合を、GraphPadプリズムを用いて記録し、この相対結合を平均±SDとして示す。この相対結合は、3つの別々の実験から得た結果である。相対結合(RU)スコアは、t=180sでの結合値である。この野生型の突然変異体から統計的に区別することができなかった値には、n/sを付している。野生型配列との有意な差は、*(p<0.05)、**(p<0.01)、又は***(p<0.001)で示されている。 図6は、gp120結合の二次構造要件の分析である。A.B40t77の2つの潜在的代替配座異性体のグラフ表示を示す。フットプリント分析及び突然変異生成によるgp120−結合に重要であると認識される領域を標識し、厚い領域として示し、代替構造の表示を示す。B−E.図5に関する説明文に記載されているように、BIAcore社製SPR分析によるgp120結合の突然変異の効果の分析を示す。各ケースで、各突然変異体に関して予測される配座異性体は、予測される異常分枝構造が完全に示されているパネルD、突然変異体ΔG18、を除いて、関連するデータバーのすぐ上のカートゥーンによって示されている。 図7は、アプタマB40t77のRNAフットプリント及び溶液構造を示す。HIV−1Ba−Lgp120の不存在(0)及び存在(5、25nm)下で、リボヌクレアーゼ(RNase)T1、ヌクレアーゼV1及びS1を有する5’−末端標識B40の消化生成物を示す18%ポリアクリルアミド(8M尿素)ゲルのオートラジオグラム。部分アルカリ加水分解物(OH−)及びリボヌクレアーゼ(RNase)T1消化(G残渣)ラダー(T1D)が、公知の配列への整列を促進する側に走っている。縦線は、主要なgp12−保護領域を示す。対照(C)は、gp120は存在するがヌクレアーゼの不存在下でインキュベートされた5’−末端標識B40アプタマに相当する。ゲル頂点のウェッジは、gp120の濃度(0、5、25nm)の増加を示す。 図8は、DMSを用いるアプタマB40の化学プロービングを示す。アプタマB40の化学修飾は、DMSを用いて成され、5’−末端標識3’−プライマを用いて逆転写した。cDNA生成物を、18%変性(8M尿素)PAGEによって視覚化した。矢印は、相当するDNAラダーの距離に足りない距離1ヌクレオチドで移動する処理されたRNAの化学修飾塩基を表すプライマ延長中の転写停止を示す。Con−Ahは未修飾RNA対照であり;N−修飾は自然条件下で成され;SD−修飾はセミ−変性条件(1mM EDTA)下で成された。レーンA、G、C、Uは、ジデオキシRT配列ラダーを表す。ゲル頂点のウェッジは、DMSの濃度(30μmol及び60μmol)が増加することを示す。左:長距離移動、右:短距離移動。 図9は、種々のアプタマ構造について予測される最小エネルギィ構造であり、H1の長さは様々である。 図10は、図9に示す最小構造のgp120への結合を示す。 図11は、最小構造の結合と構造安定性との関係の分析を示す。 図12は、合成B40アプタマ誘導体の247シリーズの予測される構造及び熱力学的特性を示す。 図13は、合成B40アプタマ誘導体の265シリーズの予測される構造及び熱力学的特性を示す。 図14は、合成B40アプタマ誘導体の299シリーズの予測される構造及び熱力学的特性を示す。 図15は、組み換えgp120に対するセルチン(certsin)B40−誘導アプタマの結合試験の結果を示す。

Claims (20)



  1. Figure 2008529517

    に示されるような二次構造を形成する単鎖核酸分子において、
    H1、H2、及びH3が全てへリックスであり;
    L1、L2、及びL3が全てループ構造であり;
    L2が配列CAC又はCAXCを具え;
    前記核酸分子が、表1に挙げられた核酸から選択された核酸を具えないことを条件として、L3が配列ACXX又はAXXXを具えることを特徴とする単鎖核酸分子であり;ここで、Xが任意のヌクレオチドであり、次のヌクレオチドがH3の一部を形成するGであり;H2とH3の間の領域のL1が配列UUUUを具えることを特徴とする単鎖核酸分子。
  2. 請求項1に記載の核酸分子において、当該核酸分子がウイルスを中和することができることを特徴とする核酸分子。
  3. 請求項2に記載の核酸分子において、当該核酸分子がHIV−1ウイルスを中和することができることを特徴とする単鎖核酸分子。
  4. 請求項3に記載の核酸分子において、当該核酸分子が糖タンパク質gp120を包むように結合することによって、HIV−1ウイルスを中和することを特徴とする核酸分子。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の核酸分子において、当該核酸分子が切断アプタマであることを特徴とする核酸分子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の核酸において、H1が4から10の塩基対から成ることを特徴とする核酸。
  7. 請求項6に記載の核酸において、配列;

    Figure 2008529517

    Figure 2008529517

    を具えることを特徴とする核酸。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の核酸分子において、前記核酸分子が、修飾ヌクレオチドを具えることを特徴とする核酸分子。
  9. 請求項8に記載の核酸分子において、前記修飾塩基が、以下の手段:
    (i) I、Br、Cl、CHでのピリミジン6位又は8位、又はプリン5修飾;
    (ii) NH3でのピリミジン2位修飾;
    (iii)ピリミジン修飾O−CH、N−CH、及びN−CH
    (iv) 2’糖修飾;
    (v) 3’及び/又は5’キャッピング
    の1又はそれ以上によって修飾されることを特徴とする核酸分子。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の配列と補完することを特徴とする核酸。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の核酸分子と前記核酸分子の結合部位を具える生体分子との間の相互作用を阻害又は強化する化合物を同定するインビトロ法において:
    (a)請求項1から10のいずれか1項に記載の1又はそれ以上の核酸分子と、前記生体分子と、候補化合物を具える混合物を形成するステップと;
    選択的に、
    (b)前記候補化合物の不在下で、前記生体分子に対する前記核酸分子の特異的結合を許容する条件下で、前記混合物をインキュベートするステップと;
    (c)前記生体分子に対する前記核酸分子の結合への前記候補化合物の効果を測定するステップと;
    を具えることを特徴とするインビトロ法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記方法が、マイクロ流体デバイスを使用することを特徴とする方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の方法において、前記方法が、高スループットスクリーニングを具えることを特徴とする方法。
  14. 請求項11から13に記載の方法において、前記方法が、拮抗阻害を含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項11から14に記載の方法において、前記方法がgp120を用いることを特徴とする方法。
  16. 薬学的組成物において、選択的に、1又はそれ以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤と共に、請求項1から10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの核酸分子を具えることを特徴とする薬学的組成物。
  17. HIV感染症の治療用の請求項1から10のいずれか1項に記載の核酸分子。
  18. HIV感染症の治療用の薬剤の製造における、請求項1から10のいずれか1項に記載の核酸分子の使用。
  19. HIV感染症の治療方法において、これらを必要とする被験者に対して、請求項1から10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの有効量の核酸分子、又は請求項16に記載の薬学的処方物を投与するステップを具えることを特徴とする方法。
  20. 表1に示される配列を有することを特徴とする核酸分子。
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