JP2008526890A - Ccn3によるccn2の調節ならびに線維症、硬化症および他の疾患におけるその治療的可能性ならびに診断的可能性 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CCN2の過剰発現に関連する疾患におけるCCN3の役割を開示し、その疾患としては、腎疾患、線維症、および癌が挙げられるが、これらに限定されない。完全長CCN3タンパク質もしくはそのフラグメント、またはCCN3のアイソフォーム(もしくは組み合わせ)は、これらの疾患に関与する。単離されかつ精製されたCCN3タンパク質もしくはそのフラグメント、またはCCN3のアイソフォーム(もしくは組み合わせ)は、CCN2タンパク質の発現および/または活性を調節することによって、これらの疾患の処置または予防に、潜在的に使用され得る。組織または体液におけるCCN3のレベルはまた、疾患の進行を予測するか、診断するか、そして/または追跡するため、および治療的介入の有効性を決定するために使用され得る。

Description

(関連出願の参照)
本願は、米国仮特許出願第60/642,728号(2005年1月10日出願)、および米国仮特許出願第60/646,916号(2005年1月25日出願)(これらは、本明細書中に参考として援用され、そして本明細書の一部を構成する)に基づく優先権を主張する。
(連邦支援の研究または開発)
該当無し。
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、CCN2の過剰発現に関連する疾患におけるCCN3の役割を開示し、その疾患としては、としては、腎疾患、線維症、および癌が挙げられるが、これらに限定されない。CCN3は、完全長CCN3タンパク質もしくはそのフラグメント、または完全長CCN3のアイソフォーム、あるいはそれらの組み合わせであり得る。単離されかつ精製されたCCN3は、CCN2タンパク質の発現および/または活性を調節することによって、これらの疾患の処置に、実現可能に使用され得る。組織または体液におけるCCN3のレベルはまた、疾患の進行を予測するか、診断するか、そして/または追跡するため、および治療的介入の有効性を決定するために使用され得る。
(CCNファミリーの遺伝子およびタンパク質)
CCNファミリーの遺伝子は、現在、基本的な生物学的プロセス(例えば、細胞の増殖、接着、移動、分化、創傷治癒、新脈管形成、ならびに数種の病理(線維症および腫瘍形成が挙げられる))に関与するタンパク質をコードする6種の異なるメンバーからなる。CCN遺伝子ファミリーのメンバーによってコードされるタンパク質は、非常にシステインが豊富(質量の10%)な30〜40kDaのタンパク質である(非特許文献1)。より最近、CCNタンパク質のいくつかの形態(CCN3を含めて)は、35〜55kDaの範囲であることが、報告されている。それらは、システインリッチ61(CYR−61)タンパク質、結合組織増殖因子(CTGF)タンパク質、腎芽細胞腫過剰発現(nephroblastoma overexpressed)(NOV)タンパク質、Wnt誘導性分泌タンパク質−1(WISP−1)、Wnt誘導性分泌タンパク質−2(WISP−2)、およびWnt誘導性分泌タンパク質−3(WISP−3)として表される。より最近、このファミリーの遺伝子およびタンパク質に対する新規命名法が、提案されている(表1を参照のこと)。
(表1:CCNファミリーの遺伝子およびタンパク質に対する提案された名称、ならびに現在および以前に使用される名称)
Figure 2008526890
図1は、CCNタンパク質のモジュラー構造を示す、それらは、インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)、Von Willebrand因子(VWC)、トロンボスポンジン−1(TSP1)、および成長調節因子のファミリーを含むシステインノット(cysteine knot)(CT)と同一性を共有する4つのモジュールを含む非常に保存された複数モジュラー組織であるが、そのCCNタンパク質は、独特の生物学的特性を有し、そして異なって調節される。それらの関与は、複数の器官系において示されている。多数の研究の焦点となっている1つの器官は、腎臓である。タンパク質の作用の基礎となっている機構は、未だによく理解されていない。特有の特異的な高親和性シグナル変換レセプターを同定する試みは、実っていない(非特許文献2)。
(CCN2遺伝子およびそのコードされるタンパク質)
CCNファミリーの6種のメンバーの全てのうち、CCN2は、骨格の成長および胎盤の新脈管形成において重要な特定の細胞の機能の調節におけるその役割、ならびに線維症を含む特定の疾患(腎線維症および糖尿病関連性線維症)、およびおそらく腫瘍形成におけるその役割において重要な作用因子(player)として出現した。
腎臓系による研究は、多くの慢性腎疾患(CKD)のモデルにおいて線維症/硬化症における重要な病原因子としてのCCN2の役割の証拠を提供した。初期の報告は、皮膚の線維症および強皮症における、トランスホーミング増殖因子−β(TGF−β)との相互作用の役割の可能性を示唆した(非特許文献3)。
腎臓における硬化症または線維症の形成は、傷害の重症形態または慢性形態に対する一般的な応答である。少なくとも慢性腎疾患(CKD)において、3つの優勢な原因因子が存在するようである:代謝的、遺伝的、および血行力学的。これらの因子の全ては、特に、糖尿病性腎症(DN)において、相互作用して進行を促進し得る。ここで、CCN2は、これらの3つのエレメントの効果の中心的な下流のメディエーターであるらしい。例えば、糸球体内の高血圧から生じる病理学的なせん断応力または伸縮力は、CCN2を含むサイトカインの産生を刺激するようである。この同じ力は、タンパク尿および血管作用性ホルモン(例えば、アンギオテンシン(AG)IIおよびエンドセリン)の増加した産生の両方を生じ、次にまた、CCN2を上昇させ、そして機械的応力をさらに増強する、増加した血管の透過性を担うようである。グルコースの変化した代謝によって生じる前進性グリコシル化終末産物(advanced glycosylation end product)(AGE)の異常な蓄積はまた、細胞外マトリックス(ECM)の架橋および蓄積を直接増加させ、かつCCN2を増加させるように作用し得る。個体の遺伝的背景は、血行力学および代謝のエレメントに影響し得、次に記載されるように、生じた経路に影響し得る。さらに、プロテインキナーゼC(PKC)活性および血管作用性ホルモンの産生に対する遺伝の影響が存在するようである。全ての場合において、CCN2活性の慢性的なアップレギュレーションは、変化したECMのターンオーバーおよび漸増性のECMの蓄積を生じ、線維症または硬化症をもたらすようである。これらの知見は、CCN2は腎線維症の進行における中心的な下流のエレメントであり、そしてそのようなものとして、診断目的および治療目的の両方のための適当でありかつ新規の標的を提供するという仮定を支持する。
CCN2は、エストロゲン誘導性であり、そしてステロイド依存性の乳房または子宮の腫瘍において過剰発現される(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)。CCN2および他のCCNファミリーメンバーは、エストロゲン調節型細胞増殖およびプロゲステロン調節型細胞増殖の重要な下流のメディエーターである。CCN2および他のCCNタンパク質もまた、乳癌細胞において他の増殖調節経路に影響を与え得る。尿CCN2は、エストロゲンおよびプロゲステロンによって調節され、そして支質のECMの維持またはリモデリングに重要であるようである(非特許文献11;非特許文献12)。卵巣において、CCN2は、ゴナドトロピンまたはトランスホーミング増殖因子−β(TGF−β)によって調節され、そして包膜細胞の漸増および有糸分裂、ならびに黄体の維持に関連する(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。
RiserおよびDeNichiloによる特許文献1は、細胞外マトリックス(ECM)の産生におけるCCN2の役割、ならびにサンプル中のCCN2のレベルを測定することによる、ECM成分の蓄積によって特徴付けられる病理の存在および進行を診断するための方法を開示する。上記方法は、腎線維症および関連する腎障害(特に、糖尿病、高血糖症、および高血圧に関連する合併症)の診断に関する。
(CCN3遺伝子およびそのコード化タンパク質)
CCN3は、CCNファミリーの別のメンバーである。CCN3が種々の形態で存在することが、報告されている。レトロウイルスコンピテントなオビアン(ovian)組換え体を構築する研究において、CCN3タンパク質は、約50kDaの分子量を有する完全長タンパク質、またはその完全長タンパク質のフラグメントであるより小さい切断されたタンパク質のいずれかとして発現され得る(非特許文献1)。CCN3タンパク質の他の形態もまた、報告されている。例えば、CCN3関連タンパク質は、NCI−H295R細胞の核膜において検出されており、そして別のCCN3関連タンパク質は、ヒトプラスミノーゲン活性化因子インヒビター2型(PAI−2)のプロモーターを結合する(非特許文献1)。CCN3のC末端の19アミノ酸のペプチドに対するK19M−AF抗体は、ネイティブなCCN3タンパク質の少なくとも2つの立体構造を示した(非特許文献18)。原形質膜および細胞膜に結合されたCCN3は、露出したC末端を有する一方で、分泌されたCCN3は、他のタンパク質またはそれ自体との相互作用に起因し得る(二量体化)隔離されたC末端を有する。
ヒトを含む種々の種に由来する完全長CCN3タンパク質のアミノ酸配列は、完全に特徴付けられており、そしてそのアミノ酸配列は、Liらによって開示される(非特許文献19)。
これら局面および他の局面ならびに本発明の特質は、添付の図面および明細書を参照することによって考察される。
米国特許出願公開第2004/0224360号明細書 Perbal B.、「NOV and the CCN family of genes:structural and functional issues」、Molecular Pathology、2001年、第54巻、p.57−79 Brigstock D.R.、「Regulation of angiogenesis and endothelial cell function by connective tissuegrowth factor」、FEBS Letters、2003年、第327巻、p.125−130 Bradham DMら、「Connective tissue growth factor:a cysteine−rich mitogen secreted by human vascular endothelial cells is related to SCR−induced immediate early gene product CEF−10」、Journal of Cell Biology、1991年、第114巻、p.1285−1294 Tsaiら、「Expression and function of CYR61,an angiogenic factor,in breast cancer cell lines and tumor biopsies」、Cancer Research、2000年、第60巻、p.5602−5607 Tsaiら、「Expression and regulation of Cyr61 in human breast cancer cell lines」、Oncogene 2000年、第21巻、p.964−974 Sampathら、「Cyr61,a member of the CCN family,is required for MCF−7 cell proliferation:regulation by 17 beta−estradiol and overexpression in human breast cancer」、Endocrinology、2001年、第142巻、p.2540−2548 Sampathら、「Aberrant expression of Cyr 61、a member of the CCN family(i.e.CCN1),and dysregulation by 17 beta−estradiol and basic fibroblast growth factor in human uterine leiomyomas」、Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism、2001年、第86巻、p.1707−1715 Sampathら、「The angiogenic factor Cyr61 is induced by progestin R5020 and is necessary for mammary adenocarcinorma cell growth」、Endocrine、2002年、第18巻、p.147−150 Xieら、「Breast cancer,Cyr61 is overexpressed,estrogen−inducible、and associated with more advanced disease」、Journal of Biological Chemistry、2001年、第276巻、p.14187−14194 Xieら、「Elevated levels of connective tissue growth factor,WISP−I,and CYR61 in primary breastcancers associated withmore advanced features」、Cancer Research、2002年、第61巻、p.8917−8923 Ragehら、「Steroidal regulation of connective tissue growth factor(CCN2;CTGF) synthesis in the mouse uterus」、Molecular Pathology、2001年、第56巻、p.80−85 Cheonら、「A genomic approach to identify novel progesterone receptor regulated pathways in the uterus during implantation」、Molecular Endocrinology、2002年、第16巻、p.2853−2871 Wandjiら、「Messenger ribonucleic acids for MAC25 and connective tissue growth factor(CTGF) are inversely regulated during folliculogenesis and early luteogenesis」、Kidney International、2000年、第60巻、p.96−105 Sleeら、「Differentiation−dependent expression of connective tissue growth factor and lysyl oxidase messenger ribonucleic acids in rat granulose cells」、Endocrinology、2001年、第142巻、p.1082−1089 HarlowおよびHillar、「Connective tissue growth factor in the ovarian paracrine system」、Molecular and Cellular Endocrinology、2002年、第187巻、p.23−27 Harlowら、「FSH and TGF−beta superfamily members regulate granulose cell connective tissue growth factor gene expression in vitro and in vivo」、Endocrinology、2002年、第143巻、p.3316−3325 Liuら、「Gonodotrophins inhibit the expression of insulin−like growth binding protein−related protein−2 mRNA in cultured ヒトgranulose−luteal cells」、Molecular Human Reproduction、2002年、第8巻、p.136−141 Kyurkchiev Sら、「Potential cellular conformations of the CCN3 (NOV) protein」、Cellular Communication and Signaling、2004年、第2巻、p.9−18 Li,C.L.ら、「A role for CCN3(NOV) in calcium signaling」Journal of Clinical Pathology:Molecular Pathology、2002年、第55巻、p.250−261
(発明の詳細な説明)
本発明は、多くの異なる形態における実施形態を許容し得る一方で、図面に示されるものが存在し、そして本発明は、本開示が、本発明の原理の例示として見なされるべきであり、そして本発明を示された特定の実施形態に限定することを意図しないことの理解と共に、その詳細な特定の実施形態で本明細書中に記載される。
本発明は、CCN2の過剰発現に関連する疾患におけるCCN3の役割を開示し、その疾患としては、腎疾患、線維症、および癌が挙げられるが、これらに限定されない。上記CCN3は、約50kDの分子量を有する完全長CCN3タンパク質もしくはそのフラグメント、または完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム、または1つ以上の形態のCCN3を含む複合体、あるいはそれらの組み合わせであり得る。本開示における用語「アイソフォーム」によって、各アイソフォームは、完全長CCN3分子に対する1つ以上の抗体に免疫反応性であるが、先に報告されたように、翻訳後修飾物(post translational modification)の分子量、アミノ酸配列、三次元構造に関して、完全長形態と正確に似ていない可能性がある。単離かつ精製されたCCN3は、CCN2タンパク質の発現および/または活性を調節することによって、これらの疾患の処置において実現可能に使用され得る。組織または体液におけるCCN3のレベルはまた、疾患の進行を予測するか、診断するか、そして/または追跡するため、および治療的介入の有効性を決定するために使用され得る。
本開示において使用される用語「線維症」は、用語「硬化症」と交換可能に使用される。なぜならそれらは、線維組織もしくは線維症様組織の過剰増殖および/または細胞外マトリックス分子(例えば、コラーゲン)の増加した沈着に関与する類似のプロセスであり、そして両方とも、少なくとも原因因子としてCCN2を有することが示されているからである。本開示における用語「線維症」はまた、線維症および/または硬化症を含み得る。
ここで、CCN2は、腎線維症における原因因子であることが示されており、そしてCCN2は、同様の様式で、他の線維性疾患において作用するようであり、その疾患としては、肝臓、肺、心臓、皮膚、血管系、腹膜などにおいて生じる疾患である(Dean R.G.,Balding L.,Candido R.,Burns W.C.,Cao Z.,Twigg S.M.,Burrell L,M.Connective tissue growth factor and cardiac fibrosis after myocardial infarction.Journal of Histochemistry & Cytochemistry.53(10):1245−56,2005;Shi−wen X.,Pennington D.,Holmes A.,Leask A.,Bradham D.,Beauchamp J.R.,Fonseca C.,du Bois R.M.,Martin G.R.,Black C.M.,Abraham D.J.Autocrine overexpression of CTGF maintains fibrosis:RDA analysis of fibrosis genes in systemic sclerosis.Experimental Cell Research.259(l):213−24,2000;Ozaki S.,Sato Y.,Yasoshima M.,Harada K.,Nakanuma Y.Diffuse expression of heparan sulfate proteoglycan and connective tissue growth factor in fibrous septa with many mast cells relate to unresolving hepatic fibrosis of congenital hepatic fibrosis.Liver International.25(4):817−28,2005;Sakamoto N.,Sugimura K.,Kawashima H.,Tsuchida K.,Takemoto Y.,Naganuma T.,Tatsumi S.,Nakatani T.Influence of glucose and inflammatory cytokines on TGF−betal and CTGF mRNA expressions in human peritoneal mesothelial cells.International Journal of Molecular Medicine.15(6):907−ll,2005;Zarrinkalam K.H.,Stanley J.M.,Gray J.,Oliver N.,Faull R.J.Connective tissue growth factor and its regulation in the peritoneal cavity of peritoneal dialysis patients.Kidney International.64(1):331−8,2003)。増加した量で発現する場合、例えば、トランスホーミング増殖因子−β(TGF−β)、高濃度グルコース、機械的応力、前進性グリコシル化終末産物(AGE)によってアップレギュレートされたCCN2は、(とりわけ)細胞外マトリックス(ECM)分子(例えば、コラーゲン形態およびトロンボスポンジン(TSP))の過剰蓄積を誘導し、これは、瘢痕化および線維症/硬化症を生じる。CCN3は、遺伝子のCCNファミリーに属すると認識されるのに十分な、構造における類似性を有する。CCN2とは異なり、CCN3が、コラーゲン、トロンボスポンジンまたは線維症の調節に関与することは報告されておらず、そして実際に、CCNファミリーのメンバーのほとんどは、大部分、異なる生物学的活性を有することが報告されている。
(糖尿病を有する患者および腎線維症を有する患者の尿におけるCCN3の排泄)
線維症(特に、糖尿病疾患における腎線維症)におけるCCN3についての役割を示すために、腎臓病の異なる病期における糖尿病患者は、尿におけるCCN3の排泄について検査される。糖尿病患者はまた、慢性腎疾患(CKD)を含む、腎臓の線維症/硬化症および腎臓以外の線維症/硬化症の両方の多くの他の形態についてのモデルとして機能し得る。CKDを有する患者は、腎臓に存在するCCN2の増加した量を有し、そしてその患者はまた、CCN2を尿中に排泄することが、先に示されている。上記CCN2のレベルは、その疾患の進行の増大に相関する量の増加によって、その疾患の進行に関連するようである(RiserおよびDeNichiloによる米国特許出願公開第2004−0224360号)。本発明者らは、本願において初めて、腎臓病の既知の履歴を有さない健康なヒト被験体(本明細書中で以下、「健康なヒト被験体」または「健康な被験体」と称される)もまた、その尿中にCCN3を排泄すること示す。このことは、CCN3特異的抗体を使用したELISAによって、この研究において、最初に決定された。健康なヒト被験体中のCCN3の量は、約280(+/−377)μg/mmolクレアチニンであった。これは、平均で、約2.0(+/−2.0)μg/mmolクレアチニンである健康なヒト被験体中のCCN2のレベルよりずっと高い。臨床的な腎臓病を有さない糖尿病患者(正常アルブミン尿患者)において、350(+/−574)μg/mmolクレアチニンのCCN3の平均レベルは、健康なコントロール群のCCN3レベルと同様であった。最も初期の腎臓病にある患者(すなわち、アルブミン尿患者)において、群としてのCCN3レベルは、3,048(+/−6,599)μg/mmolクレアチニンの平均レベルまで増加した。別個に、上記群における13人のアルブミン尿患者のうちの7人は、健康な者に関して正常であることが見出されたレベルを上回って上昇したCCN3のレベルを有した。進行した臨床的な腎臓病を有する患者(すなわち、タンパク尿患者)において、上記レベルは、さらに、そして大きく、平均27,526(+/−65,301)μg/mmolクレアチニン(すなわち、mgに換算すると27.5mg/mmolクレアチニン)まで増加した。対照的に、健康な被験体および腎疾患を伴わない糖尿病患者における尿のCCN2レベルは、比較的低いレベル(2.0(+/−2.3)μg/mmolクレアチニンおよび2.4(+/−6.8)μg/mmolクレアチニン)を有したか、またはCCN3より約100倍低いCCN2を有した。腎臓病を発症した患者は、後期において、CCN3に対する応答であるらしい若干異なる発現の経過に従う。例えば、上記CCN2発現は、限定的な数の患者において、初期(すなわち、アルブミン尿の前)に増加したが、その平均は、非腎性の被験体または健康な被験体の平均(1.1+/−1.6ng/mmolクレアチニン)と同様のままである。タンパク質尿の群において、上記平均は、18.7ng/mmolクレアチニンまで上昇したが、その後、CCN3の値が増加するのに伴って、時間と共に下降してベースラインに戻るようである。このことは、CCN3が、おそらくCCN2(疾患の進行における公知の原因因子)の内因性のインヒビターとして疾患に関与することを示した。これは、CCN3がCCN2に対するネガティブな調節エレメントを提供し得ること、および尿中のレベルが患者の腎不全への進行を予測するか、または病気分類する(stage)ために機能し得ることを示唆した。これらのデータはまた、上記CCN3がヒト被験体の尿から単離され、そして精製され得ることを示す。特に、CCN3が過剰発現される種々の腎臓病を有する患者は、CCN3を大量に得るための優れた供給源を提供する。CCN3が、ヒト被験体、ならびにCCN3タンパク質の単離および精製のための優れた供給源としても機能し得る他の動物種の体液または組織において見出され得ることは、下に記載される研究から明らかである。
尿サンプルの免疫ブロット分析は、尿におけるCCN3の存在を確認し、そして糖尿病性疾患を有する患者におけるCCN3の複数の分子形態(アイソフォーム)の存在を同定した。健康な被験体由来の尿サンプルは、約50kDaの分子量を有する天然に産生される完全長CCN3に等しい単一のバンドのみを示した。糖尿病患者由来の尿サンプルは、完全長CCN3に加えて、より低い分子量の免疫反応性CCN3、およびより高い分子量の免疫反応性CCN3の両方の形態(図2、右側のレーン)を示し、このことは、これらの代替的な形態(フラグメント、アイソフォーム、あるいはCCN3分子の1つ以上の形態を含む組み合わせまたはそのフラグメントもしくはそのアイソフォームを含む)が、上記疾患の進行において重要であり得ることを示唆する。本開示における用語「アイソフォーム」によって、各アイソフォームが上記完全長CCN3分子に対する1つ以上の抗体に免疫反応性であるが、翻訳後修飾物の分子量、アミノ酸配列、三次元構造に関して、完全長形態と正確に似ていない可能性がある。
(上首尾の腹膜透析を受ける患者由来の透析流体におけるCCN3)
腎臓が衰えるような末期の腎臓病(ESRD)を有する患者が生存するために、その患者は、3種の利用可能な型の腎臓代償療法から選択し得る。これは、急性腎不全を含む種々の他の腎臓病を有する患者にもあてはまる。1つの代償療法は、腎移植であるが、それは、多くの患者に対して、受容可能または利用可能ではない。第2の治療の型は、透析のための診察室に、長くかつ身体的に拘束される期間(physically demanding session)(最も一般的には、1週間に3回)を必要とする、血液透析である。第3の型の治療は、腹膜透析であり、そしてそれは、頻繁に、患者によって自宅で行われ得る。したがって、腹膜透析は、多くの患者にとって最良の選択肢である。上首尾の長期治療としてのこれに対する最も大きな障害の1つは、血液から有毒な代謝副産物を除去するために必要な透析流体を輸送する能力の最終的な喪失を伴う腹膜の線維症を、多くの患者が、時が経つにつれて発症する傾向である。この型の線維症に対して利用可能な処置は、存在せず、そして現在、患者がこの型の透析を使用し得る期間を予測する方法は、存在しない。
本発明者らは、上首尾の透析(すなわち、膜を横切る不適切な限外濾過によって決定されるような腹膜の線維症の明らかな発症を伴わない)を受ける患者由来の腹膜透析流体(透析物サンプルとしても公知である)を、CCN3の存在について検査し、そしてCCN2レベルの比較のために検査した。ELISAによって試験された51人の患者において、驚くべきことに、これらの患者のほとんどが、6〜28ng/mlの範囲にある透析流体中のCCN3レベルを有したことが、見出された。対照的に、試験された患者のほとんどは、CCN2の検出可能なレベルを有さなかった(すなわち、2ng/ml未満)。試験された51人の患者のうちの2人だけが、高いCCN2レベル(それぞれ、18.6ng/mlおよび18.5ng/ml)を有した。これは、CCN3もしくはフラグメント、またはCCN3の分子アイソフォームが、腹膜の線維症において役割を果たし得るが、CCN2とは異なり、CCN3もしくはフラグメントまたは分子アイソフォームが、線維症のインヒビターとして作用し得ることを、示唆する。
上首尾の腹膜透析(すなわち、腹膜の線維症の発症を伴わない)からのヒト腹膜透析(PD)流体(透析物サンプルとしても公知である)の、CCN3特異的抗体を使用したウェスタンブロット分析(図3を参照のこと)は、分子量標準と比較した場合に、約50kDaおよび65〜70kDaにおいて、2つの明確なCCN3バンドを示した。対照的に、尿のCCN3(この場合では、マウス)は、約50kDa、60kDa、および70kDaにおける3つのバンド、ならびに約15kDaにおける単一のバンドとして出現した。後者の15kDaのバンドは、完全長分子の4分の1のフラグメントを表し得る。図4に示されるように、上首尾の腹膜透析を受ける患者由来の透析物サンプルがウェスタンブロット分析によって検査された場合、ほとんどの患者が、50〜65kDaの範囲において2つの顕著なバンドを示した。しかし、幾人かの患者が、これらのバンドに対する薄い染色を示したのに対して、いくつかのサンプルは、約20kDaにおけるバンドを含むCCN3反応性分子の代わりのサイズの存在を示した。
これらの結果は、初めて、上首尾の腹膜透析を伴う糖尿病患者のPD流体において、CCN3の存在だけでなく、特有のアイソフォームの存在も示した。これは、とりわけ、高レベルの腹膜のCCN3(あるいはCCN3フラグメントもしくはアイソフォームまたはそれらの組み合わせ)を有する患者が、CCN2(およびいくつかの他のCCNファミリーメンバーを含む、考えられる他の線維症誘発因子)を制御する(またはダウンレギュレートする)ことによって、少なくとも部分的に、その位置において線維症に対して保護され得ることを示唆する。最初に高いCCN3レベルを有する患者は、腹膜の線維症の発症、および継続的な透析処置における限外濾過能力の喪失に対して最も抵抗性の患者であり得、したがって長期PD療法に最も適した患者であり得る。これはまた、CCN3が、糖尿病患者を処置するか、または線維症の発症およびもしくは透析における限外濾過能力の喪失(糖尿病であるか否かにかかわらず)から糖尿病患者(特に、最初に低いレベル有する患者、または腹膜透析後に減少したレベルを有する患者のいずれか)を保護するために使用され得ることの証拠を提供する。本開示において使用される場合、CCN3としては、上記完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、この完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム、組換えCCN3タンパク質、CCN3の分子模倣(mimetic)物、もしくはCCN3の1つ以上の形態を含む複合体、またはCCN3の1つ以上の形態の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。「アイソフォーム」によって、完全長CCN3に特異的な1つ以上の抗体に対して免疫反応性である分子が、意味される。それらは、高分子を送達するのに適した任意の伝統的な経路(例えば、静脈内、筋肉内、鼻、局所、経皮、吸入、経口など)によって患者に投与され得る。これらの投与経路は、当業者にとって周知である。腹膜透析を受ける患者において腹膜の線維症を予防するか、または元に戻す(reverse)ためにCCN3ベースの治療を施すための1つの方法は、腹膜透析を受ける患者によって使用される透析溶液に対するCCN3の添加である。
(2型糖尿病および腎臓病の動物モデルからのデータ)
2型糖尿病のdb/dbマウスモデルはまた、腎臓病および線維症疾患(fibrotic disease)におけるCCN3についての役割を確立するために使用される。上記db/dbマウスは、速やかに肥満になり、そしてそのマウスは、月齢約1ヶ月以内に高血糖症を発症する。その後3〜4ヶ月間にわたって、そのマウスは、ヒト腎臓病の腎糸球体の線維症の特徴を発症する。しかし、その疾患は、ヒトにおいて見られるものと同様に、重い糸球体硬化症および/または糸球体の間質性疾患(当然に、その後の腎不全)に進行しないままであるが、「静止的(static−like)な疾患状態」であり続けるようである。コントロールのdb/m同腹仔は、変異の表現型を示さず、そして肥満にならず、糖尿病、または腎疾患を発症しないことを除いてdb/dbマウスと同一である。ヒト患者の場合のように、糖尿病のマウスは、ELISAによって、尿中にCCN2を含むことが見出された(Riser,B.L.ら、Urinary CCN2(CTGF) as a possible predictor of nephropathy:Preliminary report.Kidney International.64:451−458、2003)。本開示において、コントロール(非糖尿病マウス)は、約204μg/mmol尿クレアチニンの尿中CCN3レベルを有することが見出された。尿のクレアチニンが測定され、サンプルを標準化する手段として使用される。なぜならば、糖尿病患者および糖尿病の動物は、より頻繁に排尿し、より希釈された尿を産生するからである。コントロール動物とは対照的に、糖尿病を有する動物は、糖尿病になってから4週間以内に、その尿中CCN3レベルが6倍(1mmolのクレアチニンあたり1,244μgのCCN3)まで増加した。糖尿病になってから2ヶ月で、その値は、1mmolのクレアチニンあたり334μgのCCN3に戻り、そしてその値は、3ヶ月(1mmolのクレアチニンあたり31.2μgのCCN3)、および検査した最後の期間である6ヶ月(糖尿病の動物において1mmolのクレアチニンあたり27.5μgのCCN3であり、非糖尿病コントロール動物において1mmolのクレアチニンあたり28.3μgであった)において低いままであった。要約すると、2型糖尿病のdb/dbモデルにおいて、CCN3は、尿において測定したところ、糖尿病になってから1ヶ月以内に大きく増加した。その後、時間が経つにつれて、そのCCN3レベルは、コントロール(疾患を有さない動物)のレベルまで減少した。このことは、CCN3が糖尿病および腎臓病に関与するという見解を支持する。健康な動物におけるCCN3の既に高いレベル(すなわち、CCN2と比較して)は、CCN2のレベルを恒常的に低く保つように(ネガティブな調節因子として)作用し得る。その後、CCN2は、傷害に対する応答(創傷を治癒する応答)、すなわち代謝的ストレスの事象として、CCN3の存在によるダウンレギュレーションを克服して糖尿病の発症後に増加した。この代謝的ストレスは、慢性的であるので、増加したCCN2に対するシグナルは、存在し続ける。このシグナルのネガティブフィードバックに対する通常の方法は、CCN3に対するこのデータからもたらされる。したがって、CCN3において観察されたアップレギュレーションは、初期であるが若干長い期間のCCN2の増加に対する応答であり、それは、CCN2発現のネガティブな調節因子であり、その後のCCN2の発現およびまたは活性を制御するCCN3による。この修復機構全体は、急性の傷害に対するCCN2の必要とされる応答を可能にするが、慢性の傷害の場合、その応答の遮断を必要とする。適切に遮断されない場合、その結果として線維症が、発症する。
免疫ブロット法は、存在するCCN3分子の形態の同一性を決定するために使用された(すなわち、定量的ではなく定性的なアッセイ)。db/mコントロールマウス由来の尿は、CCN3バンドのみを示し、それは、6匹のマウスのうちの1匹に存在した(図5)。しかし、db/dbマウスは、複数のCCN3バンドを示し、それは、疾患を有するマウスのほぼ全てに存在した。この結果は、ELISAアッセイに関して上に記載されるような知見を支持するが、さらに、疾患を有する動物では、CCN3のレベルの増加だけでなく、複数のアイソフォーム、フラグメント、または複数の複合体のレベルの増加も存在することを示す。尿(および/またはPD流体)由来のこれらの特有の形態の単離および特徴付けは、特有であるか、もしくは最大の治療的可能性を有する分子、または分子形態を決定するために使用され得、それらは、細胞、組織、もしくは他の系において抽出されるか、そして/または細胞、組織、または他の系において組換え形態で精製されるか、もしくは産生されるものとして使用される。
CCN3 mRNAについての逆転写PCR(図6)は、CCN3のmRNAレベルが疾患の6ヶ月目(検査された唯一の期間)において腎臓で劇的にアップレギュレートされたことを示した。腎臓のCCN2 mRNAは、早期に大きくアップレギュレートされる(先の研究(Riser B.L.ら、Urinary connective tissue growth factor(CTGF):a possible predictor of diabetic nephropathy(DN):J Am Soc Nephrol、11:121A、2000)において示されるとおり4〜5ヶ月目にて)。本研究において用いられた6ヶ月間において、CCN2は、わずかに上昇しただけであった(図7を参照のこと)。これは、CCN3が高い量で発現される場合、CCN3がCCN2の発現および/または活性を減少させるように作用し得るという見解を支持する。これは、これらの動物においてさらに進行しない「静的な(static)」疾患状態を説明し得る。腎臓組織において増加したCCN3 mRNAはまた、腎臓の細胞が尿中に観察されるCCN3の少なくとも1つの供給源であるという証拠を提供する。さらに、本発明者らはまた、CCN3タンパク質がまた、これらの糖尿病マウスのマウス腎臓切片に存在することを、CCN3に対する免疫ブロット法を使用して見出した。
(腎臓病および腎線維症のインビトロモデルからのデータ)
腎臓のメサンギウム細胞は、CKDを含み、糖尿病に関連する多くの腎臓病において重要な役割を果たす。この細胞は、多くのサイトカインおよび増殖因子の産生、ならびにそれらに対する応答の両方を行い、そしてその細胞は、糸球体間質の線維症/硬化症の一般的な病変を媒介するのに重要である。インビボの場合のように、培養された腎臓のメサンギウム細胞は、TGF−β(良好に確立された線維症/硬化症誘発サイトカイン)に応答して、CCN2を増加し、次にコラーゲン(線維症において重要な細胞外マトリックス分子)を増加する。これは、腎臓(および他の器官においても)線維症を発症するインビトロモデルを提供する。このモデルにおいて、CCN2は、これらの細胞によって低レベルで産生されるが、TGF−β(2ng/ml)に対する曝露後に、顕著に増加する。TGF−βは、多くの他の細胞型においても、CCN2の周知の刺激因子または周知のポジティブな調節因子である。
本発明者らは、メサンギウム細胞がCCN3を産生し、そうであるならばTGF−βに応答し得るか否かを試験した。本発明者らの実験において、培養されたメサンギウム細胞は、比較的高レベル(100,000個の細胞あたり約6.7ng)のCCN3を分泌することが見出された。その細胞がTGF−β(2ng/ml)に曝された場合、そのCCN3レベルは、2.2ngまで著しく減少(すなわち、70%近く減少)したが、同時に、CCN2、およびコラーゲンの蓄積が、同様の量で増加した。これは、CCN2およびCCN3の逆(または、ネガティブ)の調節という見解、ならびに線維症/硬化症における逆の役割という見解を支持する。CCN3レベルが減少する場合、CCN2レベル(活性)は増加し、そしてECMが蓄積する。CCN3レベルの上昇が、その後にCCN2の産生または活性を減少させるように作用し、そして硬化症/線維症からの回復またはそれらの予防をもたらすか否かを決定するために、2セットの実験を行った。第1に、メサンギウム細胞は、CCN3が濃縮された条件培養培地の存在下または非存在下で、TGF−βによって処理された。メサンギウム細胞においてTGF−βによって増強されるCCN2およびI型コラーゲンの蓄積は、線維症の発症および進行に対する十分に認められたインビトロモデルである。この条件培地は、NCIと称されるヒト腫瘍細胞株由来であった。これらの細胞は、顕著なレベルのCCN3を分泌することが示されている。この結果は、CCN2およびコラーゲンの増強した産生(通常、TGF−βによって刺激される)が、NCI条件培地の存在下において、両方とも著しく阻害されたことを示した。この条件培地は、CCN3に加えて、上記細胞から放出される他のタンパク質を含むので、実験の第2のセットは、CCN3特異的効果を検証するために行われた。これを達成するために、本発明者らは、CCN3についての遺伝子をクローニングし、そしてその遺伝子をメサンギウム細胞にトランスフェクトし、コントロール細胞は、lac Z遺伝子を受容した。得られた細胞株は、CCN3遺伝子を受容する細胞(CCN3+株)では、CCN3 mRNAの恒常的発現の顕著な上昇を示したが、lac−z遺伝子を受容する細胞株(CCN3−株)は、変化しないままであった(図8)。仮定されるように、CCN3 mRNAの発現におけるこの特異的なアップレギュレーションは、I型コラーゲンmRNAレベルの同時発生的かつ実質的な減少をもたらすことが示された(図8)。タンパク質分析は、CCN3遺伝子発現におけるこのアップレギュレーションが、分泌されるCCN2の実質的な減少をもたらし(図9)、そしてI型コラーゲンのほぼ完全な阻害(97%)をもたらした(図10)ことを示した。第2の細胞外マトリックスタンパク質でありかつ線維症誘発因子であるTSP−1もまた、CCN3の増加した発現の結果として、大きく減少した(図11)。CCN2がTSP−1のアップレギュレーションにおいて役割を果たすこと(Wang S.Denichilo M.Brubaker C.Hirschberg R.Connective tissue growth factor in tubulointerstitial injury ofdiabetic nephropathy.Kidney International.60(1):96−105、2001)、およびこの研究において、CCN3によるCCN2のダウンレギュレーションが、TSP−1の形成を減少させるCCN3についての機構であるらしいことが、報告されたが、本発明のデータは、CCN3がTSP−1の分泌を阻害する直接的な役割を担うこと除外しない。
(生物学的に活性なCCN3(nov)タンパク質の供給源としての、腹膜透析患者由来の尿および/または腹膜洗浄液(透析流体))
(患者の腹膜透析(PD)流体および血清中のCCN3タンパク質)
本発明者らは、ほとんどの腹膜透析患者が、PD流体中にCCN3(NOV)タンパク質を20ng/mlまたはそれより高い範囲のレベルで有することを見出した。対照的に、ほとんどの患者は、PD中に検出可能なレベルのCCN2(CTGF)タンパク質を有さなかった。数人の患者のみが、測定可能なCCN2値を有した。健康な被験体由来の血清は、この測定のために用いられるCCN3(NOV)特異的抗体による間接的なELISAを使用したところ、約700ng/mlのCCN3を示した。ウェスタンブロッティングによって、(多数のPD患者において)PD流体がCCN3タンパク質を含んだこと、ならびにCCN3の量および分子形態が、患者の間で変化すること(図4)を確認された。これらのデータはまた、PD流体が、先に考察された尿と同様に、CCN3タンパク質、もしくはそのフラグメント、またはCCN3タンパク質のアイソフォーム、あるいはそれらの任意の組み合わせを単離し、そして精製するための優れた供給源であるという証拠を提供する。CCN3タンパク質、活性フラグメント、アイソフォーム、またはそれらの組み合わせがまた、他の体液(例えば、血液)および組織(例えば、腎臓細胞)から単離され、そして精製され得ることが、企図される。
これらの分子は、任意の標準的なバイオセパレーション技術、または当業者にとって周知であるバイオセパレーション工程の組み合わせによって先に記載された供給源から単離され、そして精製され得る。周知のバイオセパレーション技術の例としては、透析、分子サイズ排除クロマトグラフィー、免疫単離(immunoisolation)、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電気泳動(1次元または2次元)、等電点電気泳動法(isoelectrofocusing)、高速液体クロマトグラフィー、pH勾配クロマトグラフィー、イオン強度勾配クロマトグラフィー、向流クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
単離され、そして精製されたCCN3タンパク質もしくはそのフラグメントまたはCCN3のアイソフォーム(あるいは組み合わせ)は、CCN2タンパク質の発現および/または活性を調節することによる、CCN2の異常なレベルに関連する疾患の処置に、実現可能に使用され得る。組織または体液におけるCCN3のレベルはまた、疾患の進行を予測するか、診断するか、そして/または追跡するため、および治療的介入の有効性を決定するために使用され得る。
したがって、本発明は、被験体のCCN3遺伝子発現またはCCN3活性レベルを調節することによってその被験体中のCCN2活性レベルを調節するための方法を開示する。上記被験体は、哺乳動物(例えば、ヒト、げっ歯類動物など)または鳥類の被験体のような任意の種の被験体であり得る。好ましい実施形態において、上記被験体は、ヒトである。「CCN3」によって、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、アイソフォーム、CCN3の任意の形態を含む複合体、組換えCCN3タンパク質分子、CCN3分子に対する模倣物、またはそれらの組み合わせを含む、CCN3タンパク質に関連するあらゆる分子種が意味される。用語「アイソフォーム」は、本願において、CCN3に特異的な抗体との免疫反応性を有するタンパク質分子を意味する。上記抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得る。1つの実施形態において、上記CCN3活性は、ELISAまたはウェスタンブロットなどの標準的なイムノアッセイ技術を使用して、完全長CCN3タンパク質分子に対する1つ以上の抗体(およびいくつかの場合においては、CCN3に特有の短い配列および/またはエピトープに特異的なモノクローナル抗体)に対する免疫反応性によって測定される。
1つの実施形態において、CCN2(CTGF)遺伝子発現の調節は、ダウンレギュレーションによるものであり、そしてそのCCN2遺伝子発現は、被験体において、CCN3(NOV)遺伝子発現を増強することによってか、またはCCN3活性のレベルを増加させることによって、ダウンレギュレートされる。好ましい実施形態において、被験体におけるCCN3活性のレベルは、CCN3の有効量を投与することによって増加し得、そのCCN3は、完全長CCN3分子、そのフラグメント、CCN3のアイソフォーム、CCN3の任意の形態を含む複合体、組換えCCN3、またはCCN3タンパク質の分子模倣物であり得る。CCN3の有効量の例は、約900ng/ml以上の血清完全長CCN3レベルを提供するための量である。CCN3の有効量の別の例は、約280μg/mmolクレアチニン以上の尿CCN3レベルを提供するために、CCN3の1つ以上の用量を被験体に投与することである。CCN3によるCCN2の調節が、先に考察されたCCN2の異常なレベルに関連する任意の疾患を処置するために使用され得ることが、企図され、その疾患としては、慢性腎疾患、線維症または硬化症、および癌が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法の可能な使用の1つは、線維症の処置のための使用である。本開示において使用される用語「線維症」は、線維症および/または硬化症を含む。なぜならそれらは、類似のプロセスであり、そして両方とも、少なくとも1つの原因因子としてCCN2を有することが示されているからである。本開示において、「線維症」および「硬化症」は、交換可能に使用され得る。上記線維症は、線維症を形成し得る任意の器官(例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、血管系(強皮症の動脈、冠状動脈を含む)、頚、眼、歯肉、脳、および腹膜であるが、これらに限定されない)に関連し得る。上記線維症はまた、病理学的状態(例えば、腎臓病、腹膜透析、黄斑変性、歯周疾患、うっ血性心臓不全、脳卒中ならびに関連する虚血および再灌流障害、外科的介入手順および医学的介入手順(例えば、バルーン血管形成術、ステントの挿入、カテーテル、グラフト(動脈瘻および静脈瘻を含む)、および器官移植片)、ならびに外科手術後の望ましくない組織の癒着もしくは器官の癒着)の1つの結果であり得る。上記線維症はまた、増加した細胞の増殖(例えば、糸球体の増殖性疾患)に関連し得る。他の適応は、特に、増殖または転移がCCN2発現のアップレギュレーションに関連する場合、異常な細胞の増殖(例えば、癌)に関連する。
本発明はまた、CCN3の有効量を被験体に投与することによって、その被験体中の慢性腎疾患における腎線維症を処置するための方法に関連し、このCCN3は、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム;CCN3の分子模倣物、組換えCCN3タンパク質、CCN3を含む複合体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、CCN3の有効量の例は、約900ng/ml以上の血清レベルを提供するために、完全長CCN3の1つ以上の用量を被験体に投与することである。完全長CCN3の有効量の別の例は、280μg/mmolクレアチニン以上の尿CCN3レベルを提供するのに十分な量である。透析流体による腹膜透析を受ける患者のために、上記CCN3は、腹膜透析を受ける患者によって使用される透析溶液にそのCCN3を添加することによってその被験体に投与され得る。この実施形態において、完全長CCN3の有効量の例は、透析溶液1mlあたり100ng以上(例えば、500ng/ml以上、または1000ng/ml以上)の完全長CCN3タンパク質の濃度である。
本発明は、さらに、線維症または硬化症、あるいはCCN2の異常なレベルに関連する任意の他の疾患を処置するためのキットに関連する。上記キットは、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム;CCN3の分子模倣物、組換えCCN3タンパク質、CCN3を含む複合体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるCCN3を備える。
本発明は、被験体において腎臓病または線維症/硬化症の障害などの疾患を診断するために使用され得る。上記方法は、(a)被験体から組織サンプルまたは体液サンプルを得る工程、(b)そのサンプル中のCCN3活性のレベルを検出する工程、および(c)そのサンプル中のCCN3活性のレベルと、標準レベルとを比較する工程を包含し、CCN3活性の増加したレベルは、上記疾患の存在を示す。1つの実施形態において、CCN3の特有のアイソフォームの存在または非存在が、疾患を示すために使用され得る。上記サンプルは、組織または体液(例えば、尿、血液(血漿および血清を含む)、または腹膜洗浄液)であり得る。好ましい実施形態において、上記CCN3活性のレベルは、イムノアッセイによって検出される。
本発明は、さらに、哺乳動物被験体において腎障害または線維症障害(fibrotic disorder)を診断するのに使用するための診断キットに関する。上記キットは、CCN3に特異的な抗体を備える。上記抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得る。
本発明の実施は、特に示されない限り、当業者の技術範囲内である細胞生物学、細胞培養、分子生物学、微生物学、遺伝子操作、および免疫学の従来技術を利用し、そしてそれらを組み込む。本発明は、現在、最も実用的であり、かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して記載される。本発明は、本開示の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる種々の改変および等価な配置を網羅することが意図されることが、認識されるべきである。本発明の改変およびバリエーションは、特許請求の範囲に規定されるような本発明の新規局面から逸脱することなくなされ得る。添付の特許請求の範囲は、広く、かつ本明細書中の本発明の精神および範囲と一致する様式で解釈されるべきである。
図1は、CCNタンパク質の複数モジュラー構造を示す。CT、成長調節因子のファミリーを含むシステインノット(knot);IGFBP、インスリン様増殖因子結合タンパク質ドメイン;TSP1、トロンボスポンジン様ドメイン;およびVWC、Von Willebrand因子様ドメイン(VWC)。 図2は、不希釈または1:10希釈の両方で泳動されるサンプルによる、糖尿病性腎症を有する患者の尿における複数のバンドを示す、CCN3反応性タンパク質についてのウェスタン(免疫ブロット)ブロット分析である。高い量のCCN3を産生する細胞株(NCI)由来の条件培地が、ポジティブコントロールとして泳動された(左の2レーン)。kDaにおけるおおよその分子量(レーンMに示される)は、この図面の左に数値として示される。 図3は、CCN3特異的抗体を使用した、マウス尿およびヒト腹膜透析物(PD)流体のウェスタン(免疫ブロット)ブロット分析である。ヒトPD流体は、高濃度のCCN3を含む条件培地(GST−NOV、一番左のレーン)と比較して、約50kDaおよび65〜70kDaに2つの明確なCCN3のバンドを示した。マウス尿のCCN3は、約50kDa、60kDa、および70kDaにおける3つのバンド、ならびに約15〜20kDaにおける、単一の、より強い染色のバンドとして出現した。後者の15〜20kDaのバンドは、完全長分子の4分の1のフラグメントを表し得る。 図4は、上首尾に透析(すなわち、膜を横切る適切な限外濾過によって決定されるような、腹膜の線維症の明らかな発症を伴わない)を受ける患者から回収された透析液のウェスタンブロットまたは免疫ブロット(同時に同一条件下で泳動される4つのゲル)であり、そして免疫反応性のCCN3分子の存在を示した。ほとんどの患者は、50〜65kDa(元のゲル上の分子量標準との比較によって決定される)の範囲に2つの顕著なバンドを示したが、数人の患者が、少ない染色を示したのに対して、他の患者は、強い染色を示し、そしていくつかのサンプルは、約20kDaにおけるバンドを含む、代わりのサイズの存在を示した。(+)で示されたレーンは、ポジティブコントロールとして、CCN3について濃縮された培養培地を含み、そして約50〜55kDaにおける1つの強力なバンド、および約20kDaにおける別の強力なバンドからなる2つの強いバンドを示した。20kDaのバンドは、中央にて切断されたCCN3のフラグメントを表すと考えられる。3番目に軽いバンドは、60〜65kDaにて出現し、大部分の患者の流体において見られる強力なバンドとサイズが等しい。 図5は、1個体の非糖尿病動物における弱いCCN3バンド(レーン20)、および「静的な」腎臓病を有する大部分の糖尿病動物における強力なCCN3バンドの存在を実証する、糖尿病マウス(db/db)由来の尿サンプル(レーン1〜16)、および非糖尿病マウス(db/m)由来の尿サンプル(レーン17〜32)のウェスタンブロット分析である。M=分子量標準。 図6は、特異的プライマー配列を使用した逆転写PCRの結果であり、この結果は、月齢約8ヶ月の健康なコントロール非糖尿病マウスの腎臓(主に、腎皮質)における低いCCN3 mRNAレベル(db/m、17〜32、上の図、下のバンド)を実証する。CCN3の発現は、動物が「静的な疾患状態」にあり、そして進行が安定化している場合、糖尿病の7ヵ月後および月齢8ヶ月で著しく増加した(db/db、1−16、上のパネル、上のバンド)。対応するβアクチン(ハウスキーピング遺伝子)レベルの量は、両群の動物において同様であった(下のパネル)。 図7は、CCN2特異的プライマー配列を使用した逆転写PCRの結果であり、この結果は、月齢約8ヶ月の健康なコントロール非糖尿病マウスの腎臓(主に、腎皮質)における対応するCCN2 mRNAレベル(図面の左上4分の1)を実証する。CCN2の発現は、動物が、さらなる疾患の進行を伴わない「静的な」状態にある場合、db/dbマウスにおいて、糖尿病の7ヵ月後に正常に戻った(右上4分の1)。対応するβアクチンレベルの発現は、図面の下半分のレーンに示される(ハウスキーピング遺伝子)。図面中の各バンドは、個々の動物からの結果を表す。 図8は、CCN3特異的プライマー配列またはI型コラーゲン特異的プライマー配列を使用した逆転写PCRの結果を示し、この結果は、メサンギウム細胞のインビトロでのトランスフェクション後のヒトCCN3遺伝子の特異的な過剰発現が、I型コラーゲン遺伝子発現の著しいダウンレギュレーションをもたらしたことを実証する。ラットのメサンギウム細胞は、CCN3遺伝子構築物(+)、またはコントロールLac−Z遺伝子構築物(−)のいずれかを用いてトランスフェクトされた。 図9は、トランスフェクトされたメサンギウム細胞におけるCCN2タンパク質分泌の、ELISAによる測定を示し、この測定は、そのトランスフェクション、およびその後のCCN3遺伝子の過剰発現が、その分泌されたCCN2の著しい減少をもたらすことを実証する。 図10は、トランスフェクトされたメサンギウム細胞におけるI型コラーゲンタンパク質の分泌の、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)による測定を示し、そしてこの測定は、メサンギウム細胞におけるCCN3遺伝子の特異的な過剰発現が、産生および/または蓄積されたコラーゲンの遮断をもたらしたことを実証した。 図11は、メサンギウム細胞におけるトロンボスポンジン1(TSP−1)タンパク質分泌の、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)による測定を示し、そしてこの測定は、CCN3遺伝子の特異的な過剰発現が、TSP−1分泌の実質的な減少をもたらしたことを実証した。

Claims (27)

  1. 被験体のCCN3遺伝子発現またはCCN3活性レベルを調節することによって、該被験体においてCCN2活性を調節するための方法。
  2. 前記CCN2活性の調節は、CCN2の遺伝子発現のダウンレギュレーションによって阻害され、そして前記CCN3遺伝子発現または前記CCN3活性レベルが、増強される、請求項1に記載の方法。
  3. 被験体中の高いCCN2レベルから生じる疾患を処置するための方法であって、CCN3の有効量を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
  4. 前記疾患は、慢性腎疾患である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記疾患は、線維症または硬化症である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記疾患は、癌である、請求項3に記載の方法。
  7. 前記CCN3活性レベルは、CCN3の有効量を前記被験体に投与することによって増加され、該CCN3は、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム;CCN3の分子模倣物、組換えCCN3タンパク質、CCN3を含む複合体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記被験体は、ヒト被験体である、請求項3に記載の方法。
  9. 被験体において線維症または硬化症を処置するための方法であって、該被験体においてCCN3遺伝子の発現を増加させる工程または該被験体においてCCN3活性のレベルを増加させる工程を包含する、方法。
  10. 前記線維症または硬化症は、腎臓、心臓、肝臓、肺、血管系、頚、眼、歯肉、脳、および腹膜からなる群より選択される器官に関連する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記血管系は、強皮症の動脈および冠状動脈からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記線維症または硬化症は、前記被験体の病理学的状態に関連する、請求項9に記載の方法。
  13. 前記病理学的状態は、腎臓病、腹膜透析、黄斑変性、歯周疾患、脳卒中および関連する虚血ならびに再灌流障害、外科的介入手順および医学的介入手順、または望ましくない外科手術後の組織の癒着もしくは器官の癒着の結果である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記外科的介入手順および医学的介入手順は、バルーン血管形成術、ステントの挿入、カテーテル、グラフト、および器官移植片からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記グラフトは、動脈瘻または静脈瘻である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記線維症または硬化症は、増加した細胞の増殖に関連する、請求項9に記載の方法。
  17. 前記細胞の増殖は、糸球体の増殖性疾患または癌をもたらす、請求項16に記載の方法。
  18. 前記被験体は、ヒトである、請求項9に記載の方法。
  19. CCN3の有効量を被験体に投与することによって、該被験体中の慢性腎疾患における腎線維症を処置するための方法であって、該CCN3は、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム;CCN3の分子模倣物、組換えCCN3タンパク質、CCN3を含む複合体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、方法。
  20. 前記被験体は、透析溶液による腹膜透析を受け、そして前記CCN3は、該CCN3を該透析溶液に添加することによって、該被験体に投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 線維症または硬化症を処置するためのキットであって、該キットは、完全長CCN3タンパク質、そのフラグメント、完全長CCN3タンパク質のアイソフォーム;CCN3の分子模倣物、組換えCCN3タンパク質、CCN3を含む複合体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるCCN3を備える、キット。
  22. 被験体において腎障害または線維症障害を診断するための方法であって、(a)該被験体から組織サンプルまたは体液サンプルを得る工程、(b)該サンプル中のCCN3活性のレベルを検出する工程、および(c)該サンプル中のCCN3活性のレベルと、既知の腎障害または線維症障害を有さない被験体のCCN3活性の標準レベルとを比較する工程を包含し、CCN3活性の増加したレベルが、該腎障害または線維症障害の存在を示す、方法。
  23. 前記サンプルは、尿、血液、または腹膜洗浄液である、請求項22に記載の方法。
  24. CCN3の特有の形態の非存在または存在は、前記腎障害もしくは線維症障害の存在または非存在を示す、請求項22に記載の方法。
  25. 前記CCN3活性のレベルは、イムノアッセイによって検出される、請求項22に記載の方法。
  26. 哺乳動物被験体において腎障害または線維症障害を診断するのに使用するための診断キットであって、該キットが、CCN3に特異的な抗体を備える、キット。
  27. 前記抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体から選択される、請求項26に記載の診断キット。
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