JP2008526828A - 逆転写酵素モジュレーターとしてのイミダゾール誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)(R1〜R3は明細書に定義されている)のベンゾニトリル誘導体、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、医療におけるそれらの使用、およびそれらを含む組成物に関する。本発明の化合物は、逆転写酵素に結合し、それらのモジュレーター、特に阻害剤である。
【化1】

Description

本発明は、ベンゾニトリル誘導体、医療におけるそれらの使用、それらを含む組成物、それらの製造方法、およびこのような方法において使用される中間体に関する。
本発明の化合物は逆転写酵素に結合し、それらのモジュレーター、特に阻害剤である。逆転写酵素は、HIVの感染ライフサイクルに密接に関係しており、この酵素の機能を妨げる化合物は、AIDSを含む状態の治療に役立つことが示されている。
このウイルスは変異することができ、知られているモジュレーターの作用に耐性をもつようになるので、HIV逆転写酵素の新規な、よりよいモジュレーター、特に阻害剤を提供することが常に求められている。
本発明によれば、式(I):
Figure 2008526828
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物もしくは誘導体が提供され、式中、
−R1は、(C1〜C4)アルキルまたは(C3〜C6)シクロアルキルであり、前記アルキルは、ピリジルまたはピリジルN−オキシドによって場合により置換されており;
−R2は、(C1〜C4)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキルまたはトリフルオロメチルであり;
−R3は、−(CH2)mOH、−(CH2)mOC(O)NR45、−(CH2)mNR45または−(CH2)mNHC(O)NR45であり;
−R4およびR5は、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり;
−mは、1、2、3または4である。
「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族飽和炭化水素基を表す。アルキル基の例には、これらに限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが含まれる。
「シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子で構成される炭素環を表す。炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが含まれる。
一実施形態において、R1は(C1〜C4)アルキルである。
一実施形態において、R2は、(C1〜C4)アルキルまたはトリフルオロメチルである

一実施形態において、R3は、−(CH2)mOH、−(CH2)mOC(O)NR45または−(CH2)mNR45である。さらなる実施形態において、R3は、−(CH2)mOHまたは−(CH2)mOC(O)NR45である。
一実施形態において、R4およびR5はHである。
一実施形態において、mは1または2である。
本発明は、式(I)の化合物の定義に合致する、前記の本発明の特定の実施形態の組合せの全てを包含すると理解すべきである。
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩には、それらの酸付加塩および塩基との塩が含まれる。
適切な酸付加塩は、無毒の塩を生成する酸から生成される。例には、以下が含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エシル酸塩(esylate)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、へキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物塩、臭化水素酸塩/臭化物塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩(naphthylate)、2−ナプシル酸塩(2−napsylate)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシノホアート(xinofoate)塩。
適切な塩基との塩は、無毒の塩を生成する塩基から生成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛の塩が含まれる。
酸および塩基のヘミ塩(hemisalt)もまた生成され得る(例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩)。
適切な塩に関する概説については、StahlとWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002)を参照。
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、次の3つの方法の1つまたはそれ以上によって製造され得る。
(i)式(I)の化合物と所望の酸または塩基とを反応させることによる;
(ii)所望の酸または塩基を用いて、式(I)の化合物の適切な前駆体から酸または塩基に不安定な保護基を除去することによって、あるいは適切な環状前駆体(例えば、ラクトンまたはラクタム)を開環させることによって;または
(iii)適切な酸もしくは塩基との反応により、または適切なイオン交換カラムにより、式(I)の化合物の1つの塩を別の塩に変換することによって。
3つの反応の全ては、通常、溶液中で実施される。得られる塩は、析出し、濾過により捕集されるか、または溶媒を蒸発させることによって回収され得る。得られる塩のイオン化の程度は、完全なイオン化から、ほとんどイオン化しない状態まで変わり得る。
本発明の化合物は、完全なアモルファスから完全な結晶に亘る連続的な固体状態で存在し得る。「アモルファス」という用語は、物質に分子レベルでの長距離規則度がない状態を表し、物質は温度に応じて、固体または液体の物理的性質を示し得る。通常、このような物質は、明瞭なX線回折パターンを与えず、固体の性質を示すが、より形式的には液体として記述される。加熱により、固体から液体の性質への変化が起こり、この変化は、通常2次の状態変化(「ガラス転移」)により特徴付けられる。用語「結晶」は、物質が分子レベルで規則的な内部秩序構造を有し、明確に定まったピークを有する明瞭なX線回折パターンを与える固体相を表す。このような物質もまた、十分に加熱された時には、液体の性質を示すが、固体から液体への変化は、通常一次である相変化(「融点」)によって特徴付けられる。
本発明の化合物はまた、溶媒和していないか、または溶媒和した形でも存在し得る。本明細書では、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と、1つまたはそれ以上の薬学的に許容される溶媒分子(例えば、エタノール)とを含む分子複合体を記述するために使用されている。「水和物」という用語は、溶媒が水である場合に用いられる。
有機水和物について現在受け入れられている分類システムは、孤立サイト、チャネル、または金属イオン配位水和物を定義するものである−K.R.Morrisによる「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照。孤立サイト水和物は、水分子が介在する有機分子によって互いに直接接触することなく孤立しているものである。チャネル水和物では、水分子は格子チャネルにあり、そこで水分子は互いに隣り合っている。金属イオン配位水和物では、水分子は金属イオンに結合している。
溶媒または水が強固に結合している場合、複合体は、湿度に依存しない明確に定まった化学量論比を有するであろう。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物におけるように、水または溶媒が弱く結合している場合、水/溶媒の含量は、湿度および乾燥条件に依存するであろう。このよう場合、非化学量論的であることが一般的であろう。
本発明の範囲にやはり含まれるのは、薬物と少なくとも1つの他の成分とが化学量論的または非化学量論的な量で存在する多成分複合体(塩および溶媒和物以外の)である。このタイプの複合体には、クラスレート化合物(薬物−ホスト包接複合体)および共結晶(co−crystal)が含まれる。後者は通常、非共有結合による相互作用を通じて互いに結合した中性分子成分の結晶性複合体として定義されるが、中性分子と塩との複合体でもあり得る。共結晶は、溶融晶析、溶媒からの再結晶、または成分を一緒に物理的にすり潰すことによって製造され得る−O.AlmarssonとM.J.Zaworotkoによる、Chem Commun,17 1889−1896(2004)を参照。多成分複合体の一般的概説については、Haleblianによる、J Pharm Sci,64(8),1269−1288(August 1975)を参照。
本発明の化合物はまた、適切な条件に置かれると、中間状態(mesomorphic
state)(中間相または液晶)としても存在し得る。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(溶融体または溶液のいずれか)との間の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は、「サーモトロピック」として記述され、第2成分(例えば、水または他の溶媒)の添加の結果として生じるものは、「リオトロピック」として記述される。リオトロピック中間相を生成する可能性のある化合物は、「両親媒性」として記述され、イオン性(例えば、−COO-Na+、−COO-+、もしくは−SO3 -Na+)、または非イオン性(例えば、−N-+(CH3)3)の頭部極性基を有する分子からなる。さらなる情報については、N.H.HartshorneとA.Stuartによる「Crystals and the Polarizing Microscope」(第4版、Ed
ward Arnold、1970)を参照。
以後、式(I)の化合物の全ての言及は、それらの塩、溶媒和物、多成分複合体および液晶への、ならびにそれらの塩の溶媒和物、多成分複合体および液晶の言及を含む。
本明細書において上で定義された式(I)の化合物が、それらの全ての多形および晶癖、本明細書において後に定義されるそれらのプロドラッグおよび異性体(光学、幾何および互変異性体が含まれる)、ならびに式(I)の同位体標識化合物を含めて、本発明の化合物に含まれる。
指摘の通り、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた本発明の範囲内にある。従って、ほとんど、または全く薬理活性をもたない可能性がある式(I)の化合物の特定の誘導体は、身体内にまたは身体上に投与された場合に、所望の活性を有する式(I)の化合物に、例えば加水分解による開裂によって、変換され得る。このような誘導体が「プロドラッグ」と呼ばれている。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ACS Symposium Series (T.Higuchi and W.Stella)、およびBioreversible Carriers in Drug Design(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association、Pergamon Press、1987)を参照。
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物に存在する適切な官能性を、例えば、H.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されている「前駆基(pro−moiety)」として当業者に知られている特定の基により、置き換えることによって生成され得る。
本発明によるプロドラッグのいくつかの例には、以下が含まれる:
(i)式(I)の化合物がカルボン酸官能性(−COOH)を含んでいる場合のそれらのエステル、例えば、式(I)の化合物のカルボン酸官能性の水素が(C1〜C8)アルキルによって置き換えられた化合物;
(ii)式(I)の化合物がアルコール官能性(−OH)を含んでいる場合のそれらのエーテル、例えば、式(I)の化合物のアルコール官能性の水素が(C1〜C6)アルカノイルオキシメチルにより置き換えられた化合物;および
(iii)式(I)の化合物が第1級または第2級アミノ官能性(−NH2または−NHR(R≠H))の場合のそれらのアミド、例えば、式(I)の化合物のアミノ官能性の1つまたは両方(場合に応じて)の水素が(C1〜C10)アルカノイルにより置き換えられた化合物。
前記の例に従う置換基のさらなる例、およびプロドラッグの他のタイプの例は、前記の参考文献に見出すことができる。
さらに、式(I)の特定の化合物は、それら自体、式(I)の他の化合物のプロドラッグとして機能する可能性がある。
やはり本発明の範囲内に含まれるのは、式(I)の化合物の代謝産物、すなわち、薬物の投与でin vivoに生成する化合物である。本発明による代謝産物のいくつかの例には、以下が含まれる:
(i)式(I)の化合物がメチル基を含んでいる場合に、それらのヒドロキシメチル誘導体(−CH3→−CH2OH);
(ii)式(I)の化合物がアルコキシ基を含んでいる場合に、それらのヒドロキシ誘導
体(−OR→−OH);
(iii)式(I)の化合物が第3級アミノ基を含んでいる場合に、それらの第2級アミノ誘導体(−NR12→−NHR1または−NHR2);
(iv)式(I)の化合物が第2級アミノ基を含んでいる場合に、それらの第1級誘導体(−NHR1→−NH2);
(v)式(I)の化合物がフェニル基を含んでいる場合に、それらのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH);および
(vi)式(I)の化合物がアミド基を含んでいる場合に、それらのカルボン酸誘導体(−CONH2→−COOH)。
1つまたはそれ以上の不斉炭素原子を含む式(I)の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在し得る。式(I)の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含んでいる場合、シス/トランス(または、Z/E)の幾何異性体が可能である。構造異性体が低いエネルギー障壁を介して相互変換可能である場合、互変異性体の異性(「互変異性」)が起こり得る。これは、例えば、イミノ、ケト、もしくはオキシム基を含んでいる式(I)の化合物では、プロトン互変異性の形を、または芳香族基を含んでいる化合物ではいわゆる原子価互変異性の形を取り得る。1つの化合物が2つ以上のタイプの異性を示し得ることも起こる。
本発明の範囲内に含まれるのは、2つ以上のタイプの異性を示す化合物を含めて、式(I)の化合物の立体異性体、幾何異性体および互変異性形の全て、ならびにこれらの1つまたはそれ以上の混合物である。やはり含まれるのは、対イオンが光学活性(例えば、d−ラクタートもしくはl−リシン)、またはラセミ体(例えば、dl−タルトラトまたはdl−アルギニン)である酸付加塩または塩基との塩である。
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている通常の技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離できる。
個々のエナンチオマーの製造/単離の通常の技法には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(または、塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
別法として、ラセミ体(または、ラセミ前駆体)は、適切な光学活性化合物(例えば、アルコール、または式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性基を含んでいる場合には、1−フェニルエチルアミンまたは酒石酸のような塩基もしくは酸)と反応させてもよい。得られるジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離でき、ジアステレオマーの一方または両方は、当業者によく知られている手段によって対応する純粋な(単一または複数の)エナンチオマーに変換できる。
本発明のキラル化合物(およびそれらのキラル前駆体)は、イソプロパノール0から50体積%(典型的には、2体積%から20体積%)と、アルキルアミン0から5体積%(典型的には、ジエチルアミン0.1体積%)とを含む炭化水素(典型的には、ヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相による、不斉樹脂での、クロマトグラフィー(典型的には、HPLC)を用いて、エナンチオマーに富んだ状態で得ることができる。溶離液の濃縮により、エナンチオマーに富んだ混合物が得られる。
どのようなラセミ体でも結晶化する場合に、2つの異なるタイプの結晶が起り得る。第1のタイプは、両方のエナンチオマーを等モル量で含む1つの均一な結晶形が生成する、上で言及されたラセミ化合物(真のラセミ体)である。第2のタイプは、ラセミ混合物または集合体であり、それぞれ単一のエナンチオマーを含む2つの結晶形が等モル量で生成される。
ラセミ混合物に存在する結晶形のどちらも同一の物理的性質を有するが、それらは、真のラセミ体と比べて、異なる物理的性質を有し得る。ラセミ混合物は、当業者に知られている通常の技法によって分離できる−例えば、E.L.Eliel、およびS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、1994)を参照。
本発明は、1つまたはそれ以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然界で優勢な原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、薬学的に許容される同位体標識された式(I)の化合物の全てを含む。
本発明の化合物に含めるのに適する同位体の例には、水素(例えば、2Hおよび3H)、炭素(例えば、11C、13Cおよび14C)、塩素(例えば、36Cl)、フッ素(例えば、18F)、ヨウ素(例えば、123Iおよび125I)、窒素(例えば、13Nおよび15N)、酸素(例えば、15O、17Oおよび18O)、リン(例えば、32P)、ならびに硫黄(例えば、35S)の同位体が含まれる。
特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み入れたものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム(すなわち、3H)、および炭素−14(すなわち、14C)は、これらの組入れ易さと素早い検出手段のために、この目的にとって特に有用である。
重水素(すなわち、2H)のような、より重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、in vivoでの半減期の増加または投薬必要量の減少)から生じる治療上の特定の利点をもたらし得るので、いくつかの状況において好ましいことであり得る。
ポジトロン放出同位体(例えば、11C、18F、15Oおよび13N)による置換は、基質の受容体占有率を調べるポジトロン断層撮影(PET)研究において有用であり得る。
同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に知られている通常の技法によって、または添付の実施例と製造(Preparation)とに記載されているものと同様の方法によって、適切な同位体標識試薬を、すでに用いられている非標識試薬の代わりに用いて製造できる。
本発明による薬学的に許容される溶媒和物には、そこで結晶化の溶媒が同位体置換(例えば、D2O、d6−アセトン、d6−DMSO)され得る溶媒和物が含まれる。
式(I)の代表的な化合物には、実施例1、3および8の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物または誘導体が含まれる。
式(I)の化合物は、類似の構造の化合物の製造で知られている任意の方法によって製造され得る。
式(I)の化合物、およびそれらの中間体は、下記のスキームに従って製造できる。
これらのスキームにおいて、Xはハロで、好ましくはクロロであり;Yはハロで、好ましくはヨードであり;THFはテトラヒドロフランを意味し;DMSOはジメチルスルホキシドを意味し;DCMはジクロロメタンを意味し;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを意味し;MeCNはアセトニトリルを意味し;NMPは1−メチル−2−ピロリドンを意味し;LDAはリチウムジイソプロピルアミドを意味し;MeOHはメタノールを意味し;EtOHはエタノールを意味し;0.88SGは、濃水酸化アンモニウム溶液で
ある0.88アンモニアを意味し;rtは室温を意味し;eq.は当量を意味する。
当業者であれば、式(I)の化合物またはそれらの中間体の製造のためのスキームに記載されている手順のいくつかは、可能性のある置換基のいくつかには適用できないことがあり得ることを、理解するであろう。
さらに、当業者には、式(I)の所望の化合物を得るために、スキームに記載されている変換を、記載されているものとは異なる順序で実施すること、または変換の1つもしくはそれ以上を変更することが必要であるか、または望ましいことであり得るということを理解されよう。
式(I)の化合物は、スキーム1示されているようにして製造できる。
Figure 2008526828
一般式(II)の化合物は、市販されているか、またはTetrahedron,56,5303−5310;2000に記載されているようにして製造できるかのいずれかである。
一般式(III)の化合物は、市販されているか、またはSynthesis,455−456,1975に記載されているようにして製造できるかのいずれかである。
式(IV)の化合物は、市販されているか、またはBaldwin and Kasinger(J.Med.Chem.18(9)895−900;1975)の方法から類推して製造できるかのいずれかである。化合物(IV)は、典型的には、ケトンR2C(O)
CHZab(好ましくは、Xa=Zb=ブロモ)1.0eq.と、酢酸ナトリウム三水和物2.0eq.とを、水のような適切な溶媒中、0.5〜1時間加熱還流して反応させることによって製造される。
(a)環化
式(V)の化合物は、式(II)の化合物と、式(III)の化合物(Xはハロ、好ましくはクロロである)とを、MeCNのような適切な溶媒中、アンモニア源(例えば、濃水酸化アンモニウム溶液である0.88SG、または酢酸アンモニウム)の存在下に、rtで18〜48時間反応させることによって製造できる。典型的な条件は、化合物(II)1.0eq.、化合物(III)1.0eq.および過剰の0.88アンモニア、MeCN中、rtで48時間の条件を含む。
別法として、式(V)の化合物は、式(II)の化合物と式(IV)の化合物とを、MeOHまたはTHFのような適切な溶媒中、アンモニア源(例えば、濃水酸化アンモニウム溶液である0.88SG、または酢酸アンモニウム)の存在下に、rtで18〜48時間環化させることによって製造してもよい。典型的な条件は、化合物(II)の1.0eq.、化合物(IV)1.1eq.および過剰の0.88アンモニア、MeOH中、rtで18時間の条件を含む。
(b)ヨウ素化
式(VI)の化合物は、適切な溶媒(例えば、DCM、MeOH、またはクロロホルムと酢酸のような2相系)中、場合によって適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)の存在下に、0℃から60℃の間の温度で、0.5から4時間、ヨウ素源(例えば、分子状ヨウ素、過ヨウ素酸二水和物またはN−ヨードスクシンイミドによるヨウ素)を用いて、式(V)の化合物をヨウ素化することによって製造できる。典型的な条件は、化合物(V)1.0eq.、ヨウ素1.0〜1.5eq.および過ヨウ素酸二水和物1.0eq.、クロロホルムと酢酸の混合物中、60℃で4時間の加熱、または化合物(V)の1.0eq.、水酸化ナトリウムのような塩基1〜1.5eq.およびヨウ素1〜1.3eq.、DCMとMeOHの混合物中、0℃で0.5〜1.0時間の条件を含む。
別法として、式(VI)の化合物は、工程(a)と(b)を「ワンポット」合成として組み合わせることによって、式(II)と(III)の化合物から製造してもよい。典型的な条件は以下の条件を含む:
a)化合物(II)1.0eq.、化合物(III)1.0eq.および過剰の0.88アンモニア、MeCN中、rtで16時間;
b)水酸化ナトリウムのような塩基1〜1.5eq.およびヨウ素1〜1.3eq.、DCMとMeOHの混合物中、0℃で1時間。
(c)求核置換
式(VIII)の化合物は、通常の条件下での式(VI)の化合物と式(VII)の化合物との反応によって製造できる。都合よくは、この反応は、極性非プロトン性溶媒(例えば、MeCNまたはDMF)のような適切な溶媒中で、場合によってヨウ化銅(I)の存在下に、アルカリ金属塩基(例えば、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム、ナトリウムもしくはセシウム))のような塩基を用いて、場合によって高温で、1〜24時間で実施され得る。典型的な条件は、化合物(VI)1.0eq.、化合物(VII)1.0〜1.3eq.、炭酸セシウム1.1〜1.5eq.、場合によってヨウ化銅(I)(触媒)の存在下、MeCN中、1〜24時間の還流の条件を含む。
(d)アルキル化
式(I)の化合物は、式(VIII)の化合物を式(IX)の化合物により、通常のアルキル化条件下に、アルキル化することによって製造できる。都合よくは、アルキル化は、極性非プロトン性溶媒(例えば、MeCNまたはDMF)のような溶媒の存在下に、アルカリ金属塩基(例えば、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、カリウムまたはセシウム))のような塩基を用いて、rtで、18時間で実施される。典型的な条件は、化合
物(VIII)1.0eq.、化合物(IX)1.0〜1.2eq.、炭酸カリウム1.5〜2.0eq.、DMF中、rtで18時間の条件を含む。
別法として、式(I)の化合物は、スキーム2に記載されているようにして製造してもよい。
Figure 2008526828
(b)ヨウ素化
式(VI)の化合物は、スキーム1において記載されたように、式(V)の化合物のヨウ素化によって製造できる。
(d)アルキル化
式(X)の化合物は、スキーム1に記載されたように、式(VI)の化合物を式(IX)の化合物によりアルキル化することによって製造できる。
(c)求核置換
式(I)の化合物は、スキーム1に記載されたように、式(X)の化合物と式(VII)の化合物との反応によって製造できる。
式(VII)の化合物は、スキーム3に示されるようにして製造できる。
Figure 2008526828
(a)求核置換
式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物を適切な塩基(例えば、水素化ナトリウムま
たはLDA)により処理し、その後、中間体アニオンを、適切な溶媒(例えば、NMPまたはDMSO)中、周囲温度から高温で、2〜4時間、ジエチルチオカルバモイルクロライドによりクエンチすることによって製造できる。典型的な条件は、化合物(XI)1.0eq.、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散)1.3eq.、ジエチルチオカルバモイルクロリド1.3eq.、NMP中、25〜75℃の間の温度で2.5時間の条件を含む。
(b)転位
式(XIII)の化合物は、化合物(XII)を高温で18〜24時間加熱することによって、式(XII)の化合物から製造できる。典型的な条件は、180〜200℃の温度で22時間、化合物(XII)を直接加熱する条件を含む。
(c)脱保護
式(VII)の化合物は、通常の方法を用いて、式(XIII)の化合物から製造できる。Theodora W GreenとPeter G M Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」(第3版、John Wiley and Sons、1999)に記載されている方法、特に、第6章を参照。典型的な条件は、化合物(XIII)1.0eq.および水酸化ナトリウム1.0eq.、MeOH中、周囲条件下で18〜24時間の条件を含む。
式(XI)の化合物は、WO2004031178の27頁に記載されているようにして製造できる。
式(I)の化合物の合成におけるいずれかの段階で、望ましくない副反応を防ぐために、分子の1つまたはそれ以上の反応し易い基を保護することが必要であるか、または望ましいことであり得ることが、当業者は理解されるであろう。特に、アミノまたはヒドロキシ基を保護することが必要であるか、または望ましいことであり得る。式(I)の化合物の製造において用いられる保護基は、通常の仕方で用いることができる。例えば、Theodora W GreenとPeter G M Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」(第3版、John Wiley and Sons、1999)(参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているもの、特に、第2章、17〜245頁(「Protection for the Hydroxyl Group」)、および第7章、494〜653頁(「Protection for the Amino Group」)を参照。このような基の除去もまた、前記の通常の方法を用いて実施できる。
例えば、R3がヒドロキシル基を含んでいる場合、式(I)の化合物は、周囲条件下に、2Mの三塩化ホウ素・ジメチルスルフィド錯体のDCM溶液を用いる、ベンジル保護基の開裂によって製造され得る(例えば、実施例1および2)。
3がアミノ基を含んでいる場合、式(I)の化合物は、適切な溶媒(例えば、EtOH)中、45℃で18時間、ヒドラジン一水和物を用いて、フタルイミド保護基を除去することによって製造され得る(実施例4および5)。
さらに、式(I)の化合物はまた、標準的な化学反応および変換を用いて、式(I)の別の化合物に変換され得ることも理解されるであろう。例えば、R3がヒドロキシである場合、トリクロロアセチルイソシアネートとの反応によって、カルバミン酸が得られる(実施例6および8)。
別の態様によれば、本発明は、式(VIII)の化合物と式(IX)の化合物との反応、または式(X)の化合物と式(VII)の化合物との反応を含む、式(I)の化合物の製造方法
を提供する。
やはり本発明の範囲内であるのは、本明細書において上で定義された式(VII)、(VIII)、(XII)および(XIII)の中間体化合物、式(I)の化合物について本明細書において上で定義された通りのそれらの塩、溶媒和物および複合体の全て、ならびにそれらの塩の溶媒和物および複合体である。本発明は、前記化学種の全ての多形およびそれらの晶癖を含む。
本発明による式(I)の化合物を製造する場合、この目的にとって最善の特徴の組合せを与える、式(VII)、(VIII)、(XII)または(XIII)の化合物の形態を、いつも行なわれているように、選択することは当業者に委ねられている。このような特徴には、その中間体の形態の融点、溶解性、処理可能性および収率、ならびにこれらの結果として単離の際に生成物が精製され得る容易さが含まれる。
本発明の化合物は逆転写酵素阻害剤であり、したがって、HIV、HIVに遺伝子的に関連するレトロウイルス感染症、およびAIDSの治療に使用される。
したがって、本発明の別の態様は、医薬として使用するための式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体を提供する。
別の態様において、本発明は、逆転写酵素の阻害剤またはモジュレーターとして使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体を提供する。
別の態様において、本発明は、HIV、HIVに遺伝子的に関連するレトロウイルス感染症、またはAIDSの治療に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体を提供する。
別の態様において、本発明は、逆転写酵素を阻害するまたは調節する活性を有する医薬の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、HIV、HIVに遺伝子的に関連するレトロウイルス感染症、またはAIDSの治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体の有効量によりヒトを含む哺乳動物を治療することを含む、逆転写酵素阻害剤またはモジュレーターによる、前記哺乳動物の治療方法を提供する。
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体の有効量によりヒトを含む哺乳動物を治療することを含む、HIV、HIVに遺伝子的に関連するレトロウイルス感染症、またはAIDSに罹った、前記哺乳動物の治療方法を提供する。
式(I)の化合物は、提示された適応症の治療のための最適な剤形および投与経路を選択するために、それらの生物薬剤学的性質、例えば、溶解性および溶液の安定性(全pHに亘る)、透過性などについて評価されるべきである。
医薬としての使用を意図する本発明の化合物は、結晶またはアモルファスの生成物として投与され得る。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥のよう
な方法によって、例えば、固体プラグ(solid plug)、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波または高周波(radio frequency)乾燥をこの目的に用いてもよい。
本発明の化合物は、単独で、または1つもしくはそれ以上の本発明の他の化合物と組み合わせて、または1つもしくはそれ以上の他の薬物と組み合わせて(あるいはこれらの任意の組合せとして)投与され得る。一般に、それらは、1つまたはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒にした製剤として投与され得る。本明細書では、「賦形剤」という用語は、本発明の(単一または複数の)化合物以外の任意の成分を記述するために用いられている。賦形剤の選択は、大部分、特定の投与形態、溶解性および安定性への賦形剤の影響、ならびに剤形の性質のような因子に依存するであろう。
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物およびそれらの調製方法は、当業者には直ちに明らかであろう。このような組成物およびそれらの調製方法は、例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(19版、Mack
Publishing Company、1995)に見出すことができる。
本発明の化合物は経口投与され得る。経口投与には、嚥下(結果的に化合物は消化管に入る)、および/または口腔、舌もしくは舌下投与(これらにより、化合物は口から直接血流に入る)が含まれ得る。
経口投与に適する製剤には、錠剤;多粒子(multi−particulates)もしくはナノ粒子、液剤、または散剤を含むソフトまたはハードカプセル剤;ロゼンジ剤(液体が充填されたものも含まれる);チュワブル剤(chews);ゲル剤;速分散性製剤;フィルム剤;膣坐剤(ovule);スプレー剤;および口腔/粘膜貼付(mucoadhesive)パッチ剤;のような固体、半固体および液体系が含まれる。
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。このような製剤は、ソフトもしくはハードカプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)の充填剤として使用でき、通常、担体(例えば、水、エタノール、ポリエチレングルコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切なオイル)と、1つまたはそれ以上の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤はまた、例えばサッシェから、固体の再構成によっても調製され得る。
本発明の化合物はまた、LiangとChenによる、Expert Opinion
in Therapeutic Patents,11(6),981−986(2001)に記載されたもののような、速溶解性、速崩壊性の剤形としても使用され得る。
錠剤の剤形では、投薬量に応じて、本発明の薬物は、剤形1質量%から80質量%、より典型的には、剤形5質量%から60質量%で作り上げる。薬物以外に錠剤は一般に崩壊剤を含む。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファー化デンプン(pregelatinised starch)およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1質量%から25質量%、好ましくは5質量%から20質量%を占めるであろう。
結合剤は一般に、錠剤処方に凝集性を付与するために使用される。適切な結合剤には、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングルコール、天然および合成ゴム、ポリ
ビニルピロリドン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤はまた、希釈剤、例えば、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物も含み得る。
錠剤はまた、場合によって、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80)、ならびに流動促進剤(glindant)(例えば、二酸化ケイ素およびタルク)を含んでいてもよい。存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2質量%から5質量%を占め、流動促進剤は錠剤の0.2質量%から1質量%を占め得る。
錠剤はまた、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、ならびにステアリン酸マグネシウムおよびラウリル硫酸ナトリウムの混合物のような滑沢剤も含む。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から3質量%を占める。
他のあり得る成分には、抗酸化剤、着色剤、着香料、保存剤および味マスキング(taste−masking)剤が含まれる。
典型的な錠剤は、約80質量%以下の薬物、約10質量%から約90質量%の結合剤、約0質量%から約85質量%の希釈剤、約2質量%から約10質量%の崩壊剤、および約0.25質量%から約10質量%の滑沢剤を含む。
錠剤用ブレンドは、錠剤を形作るために、直接、またはロールによって圧縮することができる。別法として、錠剤用ブレンドまたはブレンドの一部を、打錠する前に、湿式造粒、乾式造粒もしくは溶融造粒しても、溶融固化(melt congeal)しても、または押出(extrude)してもよい。最終の製剤は、1つまたはそれ以上の層を備えていてもよく、被覆されていても、被覆されていなくてもよい。それは、カプセル化されることさえあり得る。
錠剤の製剤は、H.LiebermanとL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」(第1巻、Marcel Dekker、ニューヨーク、1980)に記載されている。
ヒトまたは獣医用の消耗経口フィルムは、通常、迅速に溶けるかまたは粘膜接着性であり得る、水溶性または水膨潤性の柔軟な薄いフィルムの剤形であり、通常、式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤および溶媒を含む。この製剤のいくつかの成分は2つ以上の機能を果たし得る。
式(I)の化合物は、水溶性または水不溶性であり得る。水溶性化合物は、典型的には、溶液剤の1質量%から80質量%、より典型的には、20質量%から50質量%を占める。溶解性の劣る化合物は、組成物のより大きな割合、典型的には溶液剤の88質量%までを占め得る。別法として、式(I)の化合物は、多粒子ビーズの形態であってもよい。
フィルム形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質、または合成ハイドロコロイドから選択でき、典型的には、0.01から99質量%の範囲、より典型的には30から80質量%の範囲で存在する。
他のあり得る成分には、抗酸化剤、着色剤、着香料およびフレーバーエンハンサー、保存剤、唾液分泌刺激剤、清涼剤(cooling agents)、共溶媒(オイルが含
まれる)、エモリエント、増量剤(bulking agent)、消泡剤、界面活性剤および味マスキング剤が含まれる。
本発明に従うフィルム剤は、通常、剥離可能な支持体または紙の上に塗布された薄い水性フィルムを蒸発乾燥させることによって製造される。これは、乾燥オーブンまたは乾燥トンネル内で、通常、組み合せの塗布乾燥機内で、または凍結乾燥または真空にすることによって実施され得る。
経口投与のための固体製剤は、速放出および/または調節放出であるように製剤できる。放出調節製剤には、遅延−、持続−、パルス−、制御−、標的−、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の目的にとって適切な放出調節製剤は、米国特許第6106864号に記載されている。高エネルギー分散体ならびに浸透性粒子および被覆粒子のような他の適切な放出技法の詳細は、Verma等による、Pharmaceutical Technology On−line,25(2),1−14,(2001)に見出される。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
本発明の化合物はまた、血流、筋肉、または内部器官に直接投与されてもよい。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内(intraventricular)、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑膜内および皮下が含まれる。非経口投与に適するデバイスには、有針(マイクロニードルが含まれる)注射器、無針注射器および注入技法が含まれる。
非経口製剤は通常、塩、糖類および緩衝剤(好ましくは、3から9のpHに)のような賦形剤を含み得る水性液剤であるが、いくつかの用途では、これらの製剤は、滅菌した非水性液剤として、または滅菌したパイロジェンフリー水のような適切なビヒクルと組み合せて使用予定の乾燥した形態として、より適切に製剤され得る。
滅菌条件下での非経口製剤の調製(例えば、凍結乾燥による)は、当業者によく知られている標準的な製薬技術を用いて容易に実施され得る。
非経口液剤の調製に用いられる式(I)の化合物の溶解性は、適切な製剤技法(例えば、溶解促進剤の混合)の利用によって高めることができる。
非経口投与のための製剤は、即放および/または調節放出であるように製剤化できる。放出調節製剤には、遅延−、持続−、パルス−、制御−、標的−、およびプログラム放出が含まれる。したがって、本発明の化合物は、懸濁液として、または活性化合物の放出が調節される埋め込みデポーとして、投与される固体、半固体、もしくはチキソトロピー性液体として製剤化され得る。このような製剤の例には、薬物被覆ステント、ならびに薬物担持ポリ(dl−乳酸−co−グリコール酸)(PGLA)マイクロスフェアを含む半固体製剤および懸濁剤が含まれる。
本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜に、局所、皮膚(内)、または経皮投与することができる。この目的にとって典型的な製剤には、ゲル剤、ハイドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤(dusting powder)、包帯、泡製剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウエハー剤(wafers)、インプラント剤、スポンジ剤、繊維製剤、ばんそうこうおよびマイクロエマルジョン剤が含まれる。リポソーム製剤もまた使用され得る。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールが含ま
れる。浸透(penetration)促進剤を混合してもよい−例えば、FinninとMorganによる、J Pharm Sci,88(10),955−958(October 1999)を参照。
局所投与の他の手段には、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよびマイクロニードル注射または無針注射(例えば、Powderject(登録商標)、Bioject(登録商標)など)による送達が含まれる。
局所適用のための製剤は、即放および/または調節放出であるように製剤化できる。放出調節製剤には、遅延−、持続−、パルス−、制御−、標的−、およびプログラム放出が含まれる。
吸入器またはインサフレーターに使用されるカプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、適切な粉末基剤(例えばラクトースまたはデンプン)および性能向上剤(performance modifier,例えば、l−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウム)の粉末混合物を含むように製剤化できる。ラクトースは、無水であっても、一水和物の形であってもよいが、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが含まれる。
本発明の化合物は、例えば、坐薬、ペッサリー、または浣腸の形で、直腸投与または経膣投与され得る。カカオ脂が慣例の坐薬基剤であるが、様々な代替物も適切であれば使用され得る。
直腸/膣への投与のための製剤は、即放および/または調節放出であるように製剤化できる。放出調節製剤には、遅延−、持続−、パルス−、制御−、標的−、およびプログラム放出が含まれる。
本発明の化合物はまた、目または耳にも、通常、pH調整され滅菌された等張の生理的食塩水中の微粒子化(micronised)懸濁液または溶液の点滴剤の形態で、直接投与され得る。目および耳への投与に適する他の製剤には、軟膏剤、ゲル剤、生分解性(例えば、吸収されるゲル・スポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント剤、ウエハー剤、レンズ製剤および粒子または小胞系(例えば、ニオソームまたはリポソーム製剤)が含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース)、またはヘテロ多糖ポリマー(例えば、ジュランガム)のようなポリマーが、保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)と一緒に混合し得る。このような製剤はまたイオントフォレーシスによっても送達され得る。
目/耳への投与のための製剤は、即放および/または調節放出であるように製剤化できる。放出調節製剤には、遅延−、持続−、パルス−、制御−、標的−、およびプログラム放出が含まれる。
前記の投与形態のいずれかに使用するために、本発明の化合物の溶解性、溶解速度、味マスキング、生物学的利用率および/または安定性を改善させるように、本発明の化合物は、シクロデキストリンおよびそれらの適切な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性マクロ分子体と組み合わせてもよい。
例えば、薬物−シクロデキストリンの複合体は、一般に、ほとんどの剤形および投与経路で有用であることが見出されている。包接および非包接複合体のいずれも使用され得る。薬物との直接複合化に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助的な添加剤として、すなわち、担体、希釈材、または可溶化剤として用いられてもよい。これらの目的で最も広く使用されるのは、アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンであり、これらの例は、国際特許出願公開WO91/11172、WO94/02518およびWO98/55148に見出すことができる。
例えば、特定の疾患または状態の治療目的のために、活性化合物の組合せを投与することが望ましいことであり得るので、2つ以上の医薬組成物(これらの少なくとも1つは本発明による化合物を含む)が、これらの組成物の併用投与(coadministration)に適するキットの形に、簡便に組み合わせられていてもよいことは本発明の範囲内である。
このように、本発明でのキットは、2つ以上の別個の医薬組成物(これらの少なくとも1つは本発明による式(I)の化合物を含む)と、前記組成物を別々に保持する手段(例えば、容器、分割ボトル(divided bottle)、または分割ホイルパケット(divided foil packet))とを含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などのパッケージに使用されているよく知られたブリスター・パックである。
本発明でのキットは、異なる剤形(例えば、経口および非経口)を投与するのに、別個の組成物を異なる投薬間隔で投与するのに、または別個の組成物を互いに調節投与する(titrate)のに、特に適している。服薬遵守を助けるために、キットは通常、投与についての指示を備え、いわゆる記憶補助(memory aid)を備えていてもよい。
ヒトの患者への投与では、本発明の化合物の1日当たりの全投薬量は、言うまでもなく、投与形態に応じるが、典型的には、1から10000mg、例えば、10から1000mg、例えば、25から500mgの範囲である。1日当たりの全投薬量は単回投与されることも、または分割投与されることもあり、医師の裁量で、本明細書に記載されている典型的な範囲から外れることもあり得る。
これらの投薬量は、約60kgから70kgの体重を有する平均的なヒトの患者に基づいている。医師は、体重がこの範囲から外れる患者(例えば、乳児および老人)に対する投薬量を容易に決めることができるであろう。
不確かさを避けるために、本明細書では、「治療」の意味には、治癒、緩和および予防治療への言及が含まれる。
したがって、別の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体と、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体の1つまたはそれ以上とを一緒に含む医薬組成物を提供する。
式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物および誘導体には、先行技術の化合物より、選択的である、作用の開始が早い、よく効く、よく吸収される、安定である、代謝に対する抵抗性がある、「食物の影響(food effect)」が少ない、安全性プロフィールが改善されている、またはより望ましい他の性質(例えば、溶解性もしくは吸湿性に関して)を有するという利点がある。
特に、式(I)の化合物は代謝に対してより抵抗性がある。同程度または向上した効能と併せて代謝に対する抵抗性の向上を示す式(I)の化合物を提供するという点で、本発明は、先行技術の化合物より著しく少ない投薬量で治療に有効なNNRTIである化合物を提供する。さらに、式(I)の化合物の向上した溶解性は、より少ない投薬量と、投与経路における柔軟性をさらに助長する。これらの利点は、治療の間の効能、安全性、および患者の服薬遵守を向上させ、また治療の費用を低減させることが期待できる。
式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物および誘導体は、単独で、または併用療法の一部として投与され得る。したがって、本発明の範囲内に含まれるのは、本発明の化合物に加えて、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬との併用投与、および本発明の化合物に加えて、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬を含む組成物を含む実施形態である。併用療法と呼ばれることが多いこのような複数薬物の投薬計画は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染症の治療および予防に使用され得る。このような併用療法の使用は、治療を必要としている患者またはこのような患者になる危険のある者の中のヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および関連する病原性レトロウイルスの感染症および増殖の治療と予防に対して、特に適切である。前記患者に投与されている何らかの単剤療法に対して耐性のある変種へと比較的短期間に変異するこのようなレトロウイルス病原体の能力は、文献においてよく知られている。HIVに対して推奨される治療は、高活性抗レトロウイルス療法(Highly Active Anti−Retroviral Therapy、またはHAART)と呼ばれる薬物併用治療である。HAARTは3種以上のHIV薬剤を組み合わせる。したがって、本発明の治療方法および医薬組成物は、本発明の化合物を単剤療法の形で用いてもよいが、前記方法および組成物はまた、1つまたはそれ以上の本発明の化合物が、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬(例えば、本明細書においてさらに詳細に記載されているもの)と組み合わせて併用投与される併用療法の形で用いられてもよい。
本発明のさらなる実施形態において、本発明での併用は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体と、以下から選択される1つまたはそれ以上のさらなる治療薬とによる治療を含む:HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)、これらに限らないが、インジナビル、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、ロピナビル、アンプレナビル、アタザナビル、チプラナビル、AG1859およびTMC 114が含まれる;非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、これらに限らないが、ネビラピン、デラビルジン、カプラビリン(capravirine)、エファビレンツ、GW−8248、GW−5634およびエトラビリン(etravirine)が含まれる;ヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、これらに限らないが、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン(stavudine)、ラミブジン、アバカビル、アデホビルジピボキシル、テノホビルおよびエムトリシタビンが含まれる;CCR5アンタゴニスト、これらに限らないが、
N−{(1S)−3−[3−(3−イソプロピル−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)−exo−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]−1−フェニルプロピル}−4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、
1−endo−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−2−メチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、
1−endo−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン
酸エチル、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、Sch―D、ONO−4128、AMD−887、GW−873140およびCMPD−167が含まれる;CXCR4アンタゴニスト、これらに限らないが、AMD−3100、AMD−070、およびKRK−2731が含まれる;インテグラーゼ阻害剤、これらに限らないが、L−870、810が含まれる;侵入(例えば、融合)阻害剤、これに限らないが、エンフビリチド(enfuviritide)が含まれる;gp120とCD4との相互作用を阻害する薬剤、これらに限らないが、BMS806およびBMS−488043が含まれる;ならびに、RNアーゼH阻害剤。
やはり本発明の範囲内に含まれるのは、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体と、以下からなる群から独立に選択される1つまたはそれ以上のさらなる治療薬との併用である:増殖阻害剤、例えば、ヒドロキシウレア;免疫調節剤、例えば、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激成長因子(例えば、サルグラモスチム)、および様々な形のインターフェロンまたはインターフェロン誘導体;CXCR4アンタゴニストのような他のケモカイン受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、AMD−3100、AMD−070またはKRK−2731;タキキニン受容体モジュレーター(例えば、NK1アンタゴニスト)および様々な形のインターフェロンまたはインターフェロン誘導体;ウイルスの転写およびRNA複製の阻害剤;CCR5受容体の発現に影響を及ぼす、特に負に調節する(down regulate)薬剤;CCR5受容体のインターナリゼーションを誘発するケモカイン、例えば、MIP−1α、MIP−1β、RANTESおよびこれらの誘導体;ならびに、様々な機序により、ウイルスの感染を防止する、またはHIVに感染した個体の状態またはアウトカムを改善する他の薬剤。
CCR5受容体の発現に影響を及ぼす(特に、特に負に調節する)薬剤には、免疫抑制剤、例えば、カルシニューリン阻害剤(例えば、タクロリムスおよびシクロスポリンA);ステロイド;サイトカインの産生またはシグナル伝達を妨げる薬剤、例えば、ヤヌスキナーゼ(Janus Kinase、JAK)阻害剤(例えば、JAK−3阻害剤、3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル、およびその薬学的に許容される塩、溶媒和物または誘導体が含まれる);サイトカイン抗体(例えば、インターロイキン−2(IL−2)受容体を阻害する抗体、バシリキシマブおよびダクリズマブ(daclizumab)が含まれる);ならびに、細胞の活性化または細胞周期を妨げる薬剤、例えば、ラパマイシン;が含まれる。
やはり本発明の範囲内に含まれるのは、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体と、本発明の化合物の代謝速度を尚一層低下させることによって患者への暴露を増大させる、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬との併用である。このような仕方で暴露を増大させることは、ブースティング(boosting)として知られている。これには、本発明の化合物の効能を増す、またはブースティングのない投薬と同じ効能を達成するために必要とされる投薬量を減らすという利点がある。本発明の化合物の代謝は、p450(CYP450)酵素、特に、CYP 3A4により行なわれる酸化過程、ならびにUDPグルクロノシルトランスフェラーゼおよび硫酸化酵素による抱合が含まれる。したがって、本発明の化合物への患者の暴露を増大させるために使用され得る薬剤の中には、シトクロムP450(CYP450)酵素のアイソフォームの少なくとも1つの阻害剤として作用し得るものがある。阻害されて有益であり得るCYP450のアイソフォームには、これらに限らないが、CYP1A2、CYP2D6、CYP2C9、CYP2C19およびCYP3A4が含まれる。CYP3A4を阻害するのに使用され得る適切な薬剤には、これらに限らないが、リトナビル、サキナビルまたはケトコナゾールが含まれる。
本明細書において上で説明された薬物併用治療は、同じ、または異なる作用機序を有する2つ以上の化合物を含み得ることが、当業者により理解されるであろう。したがって、単なる例示であるが、1つの併用は、本発明の化合物と:1つまたはそれ以上の他のNNRTI;1つまたはそれ以上のNRTIおよびPI;1つまたはそれ以上のNRTIおよびCCR5アンタゴニスト;PI;PIおよびNNRTI;などを含み得る。
治療効果に関する必要条件(このために、本発明の化合物に加えて、治療剤の使用を必要とすることがある)に加えて、基礎となるまたは潜在的な疾患または状態から直接生じるか、これらに間接的に伴う疾患または状態の治療におけるように、本発明の化合物と別の治療薬との併用が強いられるか、または強く推奨される、さらなる根本的理由があり得る。例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、日和見感染(バクテリアおよび真菌の感染が含まれる)、新生物、ならびに治療されつつある患者の免疫能低下状態の結果として起こる他の状態を治療することが、必要であるか、または少なくとも望ましいことがある。他の治療薬は、例えば、免疫刺激を与えるために、または初期の根源的なHIV感染に伴う疼痛および炎症を治療するために、本発明の化合物と共に使用され得る。
このように、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物および誘導体と組み合わせて使用される治療薬にはまた次のものが含まれる:肝炎の治療のための、インターフェロン、ペグインターフェロン(例えば、ペグインターフェロン・アルファ−2aおよびペグインターフェロン・アルファ−2b)、ラミブジン、リバビリン、およびエムトリシタビン;抗真菌剤、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、およびボリコナゾール;抗菌剤、例えば、アジスロマイシンおよびクラリスロマイシン;AIDSに関連するカポジ肉腫の治療のための、インターフェロン類、ダウノルビシン、ドキソルビシン、およびパクリタキセル;ならびに、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎の治療のための、シドホビル(cidofovin)、ホミビルセン(fomivirsen)、ホスカルネット、ガンシクロビルおよびバルサイト(valcyte)。
本発明による使用でのさらなる併用には、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体と、次のものとの併用が含まれる:CCR1アンタゴニスト、例えば、BX−471;ベータ・アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、サルメテロール;コルチコステロイド・アゴニスト、例えば、プロピオン酸フルチカゾン;LTD4アンタゴニスト、例えば、モンテルカスト;ムスカリン受容体アンタゴニスト、例えば、臭化チオトロピウム;PDE4阻害剤、例えば、シロミラストまたはロフルミラスト;COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、バルデコキシブまたはロフェコキシブ;アルファ−2−デルタ・リガンド、例えば、ガバペンチンまたはプレガバリン;ベータ−インターフェロン、例えば、REBIF;TNF受容体モジュレーター、例えば、TNF−アルファ阻害剤(例えば、アダリムマブ);HMG CoA還元酵素阻害剤、例えば、 スタチン(例えば、アトルバスタチン);または免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、もしくはマクロライド(例えば、タクロリムス)。
前記の併用では、式(I)の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくは誘導体および他の(複数の)治療薬は、剤形の点では、別々に、または互いに一緒にして、またそれらの投与時間の点では、同時に、または逐次的に、投与され得る。したがって、薬剤成分の1つの投与は、他の(複数の)薬剤の投与に、先立つことも、同時であることも、後であることもある。
したがって、さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体と、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬とを含む医薬組成物を提供する。
本明細書において、「治療」の全ての言及には、治癒、緩和および予防治療が含まれると理解すべきである。
本発明は、以下の実施例および製造によって例示され、次のさらなる省略形が用いられることがある。
EtOAcは酢酸エチルを意味し;AcOHは酢酸を意味し;NMRは核磁気共鳴を意味し;LRMSは低分解能マススペクトルを意味し;HRMAは高分解能マススペクトルを意味し;APCIは大気圧化学イオン化を意味し;tlcは薄層クロマトグラフィーを意味する。
製造1:2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
酢酸ナトリウム三水和物(2.7g、20mmol)および1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトン(2.7g、10mmol)と水(18mL)の混合物を30分間加熱還流した。次いで、この混合物をrtに冷却し、4−(フェニルメトキシ)プロパナール(Tetrahedron,56,5303−5310;2000)(1.48g、9mmol)および濃水酸化アンモニウム溶液(11mL)のMeOH(45mL)溶液に加えた。混合物をrtで18時間撹拌し、次いで、減圧下に蒸発させた。水性残留物をEtOAcにより抽出し(3×50ml)、合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮してオイルを得た。次いで、オイルを微量のMeOHを含む水中で摩砕して、標題化合物を結晶性の固体として、88%の収率(2.4g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.08(t,2H)、3.80(t,2H)、4.75(s,2H)、7.22(d,1H)、7.30(m,5H)LRMS:m/z APCI 271[M+H]+
製造2:2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−ヨード−5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
ヨウ素(5.6g、22mmol)、過ヨウ素酸二水和物(4.6g、20mmol)およびクロロホルム(35mL)を、製造1の化合物(5.4g、20mmol)のAcOH(105mL)溶液に加え、混合物を50℃で2時間、次いでrtで18時間撹拌した。反応混合物を氷−冷10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液上に注ぎ、EtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物をトルエンと共沸させ、酢酸エチル:ペンタン(33:66→50:50)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を、淡黄色のオイルとして、49%の収率(3.9g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.05(m,2H)、3.78(t,2H)、4.58(s,2H)、7.38(m,5H)。LRMS:m/z APCI 397[M+H]+
製造3:2−[2−(ベンジルオキシ)エチル]−4−エチル−5−ヨード−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
3−ベンジルオキシ−1−プロピオンアルデヒド(Tetrahedron,2000,56,5303−5310)(135g、957mmol)および2,2−ジクロロブタナール(Synthesis,1975,455−456)(154.3g、957mmo1)のMeCN(250mL)溶液を−5℃に冷却し、0.88アンモニア(650mL、50mlずつに分けて添加)により処理した。次いで、反応物を放置してrtまで温め、16時間撹拌した。混合物にDCM(500mL)を加え、層分離させた。水層をさらにDCMにより抽出し(2×200mL)、合わせた有機フラクションを塩水(500mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に蒸発させて、オレンジ色で粘性のあるオイル244gを得た。このオイルをDCM(400mL)に溶かし、0℃に冷却し、水酸化ナトリウム(46.61g、1.17mol)の水(200mL)溶液により処理した。ヨウ素(295.8g、1.17mol)のメタノール:ジクロロメタン(1:1、400mL)スラリーを加え、生じた黒褐色の混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、放置して8℃まで温めた。混合物をDCM(400mL)により希釈し、10%の亜硫酸ナトリウム水溶液(500mL)により、激しく撹拌しながら処理した。層分離させ、水層をDCMによりさらに抽出した(2×300mL)。合わせた有機溶液を10%の亜硫酸ナトリウム水溶液(500mL)および塩水(600mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、ペンタン:酢酸エチル(50:50→0:100)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、固体を得た。この固体をペンタンで摩砕し、標題化合物を、白色固体として、34%の収率(117.44g)で得た。
LRMS:m/z APCI 357[M+H]+
製造4:ジエチル−チオカルバミン酸O−(3−クロロ−5−シアノ−フェニル)エステル
Figure 2008526828
3−クロロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル[(10.1g、66mmol)WO2004031178、27頁]のNMP(40mL)溶液を、NMP(30mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中、60%分散、3.42g、85mmol)の氷冷スラリーに加えた。混合物を放置してrtになるまで温め、30分間撹拌した。次いで、ジエチルチオカルバモイルクロライド(12.97g、85mmol)のNMP(50mL)溶液を加え、混合物をrtで30分間、75℃で2時間撹拌した。冷却した混合物を水(300mL)で希釈し、EtOAcにより抽出し(3×200mL)、合わせた有機溶液を塩水により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して赤色のオイルを得た。このオイルを、ペンタン:酢酸エチル(100:0→80:20)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、関係するフラクションを真空で濃縮した。次いで、残留物を、ペンタン:酢酸エチル(90:10)から再結晶させて、標題化合物を、固体として、74%の収率(13.12g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.30(m,6H)、3.62(q,2H)、3.83(q,2H)、7.22(s,1H)、7.23(s,1H)、7.48(s,1H)LRMS:m/z APCI 269[M+H]+、微量分析(Microanalysis):C1213ClN2OS計算値(%):C 53.63;H 4.88;N 10.42;実測値(%):C 53.64;H 4.83;N 10.33。
製造5:ジエチル−チオカルバミン酸S−(3−クロロ−5−シアノ−フェニル)エステル
Figure 2008526828
製造4の化合物(13.2g、49mmol)を、180〜200℃の間で12時間加熱して、オレンジ色のオイルを得た。このオイルを、ペンタン:酢酸エチル(100:0→20:80)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を、結晶性の固体として、100%の収率(13.2g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.04〜1.32(bm,6H)、3.40(m,2H)、3.83(q,2H)、7.60(s,1H)、7.68(s,1H)、7.72(s,1H)LRMS:m/z APCI 269[M+H]+、微量分析:C1213ClN2OS計算値(%):C 53.63;H 4.88;N 10.42;実測値(%):C 53.57;H 4.80;N 10.32。
製造6:3−クロロ−5−メルカプト−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
水酸化ナトリウム(74mg、1.85mmol)を、製造5の化合物(0.5g、1.86mmol)のMeOH(2mL)溶液に加え、混合物をrtで22時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空で濃縮し、残留物を、1M水酸化ナトリウム溶液(5mL)により希釈し、DCM(2×5mL)およびジエチルエーテル(5mL)により洗った。この水溶液を2M塩酸により酸性にし、DCM(2×10mL)、ジエチルエーテル(5mL)およびEtOAc(5mL)により抽出した。合わせた有機溶液を塩水により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、標題化合物を、82%の収率(260mg)で得た。
LRMS:m/z APCI 168[M−H]-、微量分析:C74ClNSの計算値(%):C 49.56;H 2.38;N 8.26;実測値(%):C 49.44;H
2.45;N 8.25。
製造7:5−[2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−3−クロロベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸セシウム(0.89g、2.75mmol)を、MeCN(20mL)中の製造6の化合物(0.43g、2.5mmol)の撹拌溶液に加え、混合物を20分間rtで撹拌した。次いで、製造2の化合物(1g、2.5mmol)を、その後、ヨウ化銅(I)(95mg、0.5mmol)を分割して加え、反応混合物を4時間加熱還流した。この時間の後、tlc分析は、出発物質がまだ残っていることを示したので、さらなるヨウ化銅(I)(45mg、0.24mmol)を混合物に加え、加熱を18時間続けた。次いで、混合物をrtまで冷却し、真空で濃縮した。残留物を、EtOAcと水との間に分配させ、生じた析出物を濾別した。濾液の層を分液し、有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、暗緑色の発泡体(foam)を得た。この発泡体を、ペンタン:酢酸エチル(75:25→67:33)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を46%の収率(500mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.10(m,2H)、3.84(t,2H)、4.58(s,2H)、7.18(s.1H)、7.20〜7.38(m,6H)7.42(s,1H)。LRMS:m/z APCI 438[M+H]+
製造8:5−[2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−5−エチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−3−クロロ−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸セシウム(1.47g、4.5mmol)を、MeCN(20mL)中の製造6の化合物(0.7g、4.12mmol)の撹拌溶液に加え、混合物をrtで15分間撹拌した。次いで、製造3の化合物(1.47g、4.12mmol)のMeCN(20mL)溶液を加え、反応混合物を18時間加熱還流した。次いで、混合物をrtまで冷却し、真空で濃縮した。残留物を、EtOAcと水との間に分配させ、生じた沈殿を濾別した。濾液の層を分液し、水性溶液をEtOAcにより再抽出した。合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、褐色のゴム状物を得た。このゴム状物を、ペンタン:酢酸エチル(75:25→50:50)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、ジエチルエーテル/ペンタンで摩砕し、標題化合物を75%の収率(1.2g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15(t,3H)、2.63(q,2H)、3.09(t,2H)、3.85(t,2H)、4.63(s,2H)、7.15(s,1H)、7.35(m,7H)、LRMS:m/z APCI 397[M+H]+
製造9:5−[2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−3−エチル−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−3−クロロ−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸カリウム(208mg、1.5mmol)を、製造7の化合物(440g、1.0mmol)のDMF(5mL)溶液に加え、混合物をrtで10分間撹拌した。次いで、混合物にヨウ化エチル(96μL、1.2mmol)を滴下して加え、撹拌を18時間続けた。次に、混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAcと水との間に分配させた。水層を分離し、EtOAcにより抽出し、合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、トルエン:酢酸エチル(75:25)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、標題化合物をゴム状物として、71%の収率(330mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.18(t,3H)、3.05(t,2H)、3.90(t,2H)、4.05(q,2H)、4.50(s,2H)、7.25(m,7H)、7.42(s,1H)。HRMS:m/z 実測値:466.0962;C2220ClF33OS計算値 466.0960
製造10:5−[2−(2−ベンジルオキシ−エチル)−3,5−ジエチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−3−クロロ−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、製造8の化合物およびヨウ化エチルから、製造9と同様の方法を用いて、25%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.18(t,3H)、1.22(t,3H)、2.65(q,2H)、3.10(m,2H)、3.95(m,4H)、4.50(s,2H)、7.20(m,8H)LRMS:m/z APCI 427[M+H]+
製造11:2−ベンジルオキシメチル−4−エチル−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
ベンジルオキシアセトアルデヒド(11.4mL、80.9mmol)を、MeCN(40mL)中の2,2−ジクロロブタナール(Synthesis,1975,455−456)(11.4g、80.9mmol)の撹拌溶液に0℃で加え、その後、0.88アンモニア(80mL)を加えた。反応物をrtで48時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下に蒸発させ、残留物をDCMで抽出した(300mL、2×100mL)。合わせた有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、暗褐色のオイルを得た。このオイルを、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0→95:5:0.5)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、ジエチルエーテルで摩砕し、標題化合物を、淡褐色の固体として、53%の収率(9.2g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.23(t,3H)、2.60(q,2H)、4.56(s,2H)、4.62(s,2H)、6.69(s,1H)、7.35(m,5H)LRMS:m/z APCI 217[M+H]+ 微量分析:C13162O計算値(%):C 71.98;H 7.44;N 12.85;実測値(%):C 72.19;H 7.48;N 12.95。
製造12:2−ベンジルオキシメチル−4−エチル−5−ヨード−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
水酸化ナトリウム(1.88g、51.7mmol)の水(25mL)溶液を、DCM(50mL)中の製造11の化合物(9.2g、42.5mmol)の氷冷溶液に加え、混合物を5分間撹拌した。ヨウ素(11.9g、47mmol)の、DCM(80mL)およびMeOH(15mL)の混合物溶液を、30分間かけて滴下して加え、得られた混合物を0℃で45分間撹拌した。次いで、反応混合物をDCM(200mL)により希釈し、洗い[亜硫酸ナトリウム溶液(100mL)、亜硫酸水素ナトリウム溶液(100mL)、次に塩水(200mL)]、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、ペンタン:酢酸エチル(80:20→67:33)により溶離させる、ISCO companion(登録商標)シリカ・カートリッジを用いて精製して、標題化合物を、淡黄色のゴム状物として、65%の収率(9.4g)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.19(t,3H)、2.58(q,2H)、4.57(s,2H)、4.60(s,2H)、7.30〜7.40(m,5H)LRMS:m/z APCI 343[M+H]+ 微量分析:C1315IN2O計算値(%):C 45.77;H 4.54;N 8.01;実測値(%):C 45.63;H 4.42;N 8.19。
製造13:2−ベンジルオキシメチル−1,4−ジエチル−5−ヨード−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
炭酸カリウム(1.21g、8.77mmol)を、製造12の化合物(2g、5.84mmol)のDMF(50mL)溶液に加え、混合物をrtで5分間撹拌した。次いで、混合物にヨウ化エチル(514μL、6.43mmol)を滴下して加え、撹拌を18時間続けた。次に、混合物を、EtOAc(100mL)および水(100mL)との間に
分配させ、層を分液した。水性溶液をEtOAcにより抽出し(2×100mL)、合わせた有機フラクションを塩水(100mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、トルエン:酢酸エチル(80:20)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、標題化合物(カラムから2番目に溶離した)を、淡黄色のオイルとして、42%の収率(900mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.15(t,3H)、1.28(t,3H)、2.51(q,2H)、4.02(q,2H)、4.53(s,2H)、4.60(s,2H)、7.25〜7.34(m,5H)。LRMS:m/z APCI 371[M+H]+
製造14:(1,4−ジエチル−5−ヨード−1H−イミダゾール−2−イル)−メタノール
Figure 2008526828
三塩化ホウ素−メチルスルフィド錯体溶液(DCM中2M、2.4mL、4.80mmol)を、製造13の化合物(880mg、2.38mmol)のDCM(15mL)溶液に滴下して加え、混合物をrtで4時間撹拌した。次いで、反応混合物に、三塩化ホウ素−メチルスルフィドの錯体溶液のさらなる量(DCM中2M、1.2mL、2.40mmol)を加え、撹拌を2時間続けた。次に、混合物をDCM(20mL)により希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)によりクエンチした。層を分液し、水性溶液をDCM(2×30mL)により抽出した。合わせた有機溶液を塩水(20mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、褐色のオイルを得た。このオイルを、ペンタン:酢酸エチル(66:33→0:100)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、ジエチルエーテル/ペンタンで摩砕し、標題化合物を、淡褐色の固体として、75%の収率(500mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.14(t,3H)、1.35(t,3H)、2.50(q,2H)、4.10(q,2H)、4.64(s,2H)。LRMS:m/z APCI 281[M+H]+
製造15:2−(1,4−ジエチル−5−ヨード−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン
Figure 2008526828
ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(139μL、0.72mmol)を、製造14の化合物(150mg、0.54mmol)、トリフェニルホスフィン(210mg、0.80mmol)およびフタルイミド(118mg、0.80mmol)とTHF(5mL)の氷冷混合物に加え、懸濁液をrtで18時間攪拌した。次いで、混合物を真空で濃縮し、残留物を、ペンタン:酢酸エチル(33:66)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を、淡黄色の固体として、36%の収率(80mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.07(t,3H)、1.33(t,3H)、2.45(q,2H)、4.16(q,2H)、4.97(s,2H)、7.82(m,2H)、7.89(m,2H)。LRMS:m/z APCI 410[M+H]+
製造16:3−クロロ−5−{2−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチル]−3,5−ジエチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル}−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、実施例2の化合物から、製造15の化合物と同様の方法を用いて、白色固体として、65%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.95(m,3H)、1.25(t,3H)、2.45(m,2H)、3.15(m,2H)、3.95(q,2H)、4.10(t,2H)、7.25(s,1H)、7.28(s,1H)、7.40(s,1H)、7.70(m,2H)、7.88(m,2H)。LRMS:m/z APCI 465[M+H]+
製造17:3−クロロ−5−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,5−ジエチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸セシウム(83mg、0.26mmol)を、製造6の化合物(37mg、0.22mmol)のMeCN(2mL)溶液に加え、混合物を10分間攪拌した。次いで、製造15の化合物(70mg、0.17mmol)およびヨウ化銅(I)(10mg、0.05mmol)を加え、混合物を18時間加熱還流した。反応混合物をrtに冷却し、真空で濃縮し、EtOAc(15mL)と水(15mL)との間に分配させた。有機溶液を分離し、水性溶液をEtOAcにより抽出した(3×10mL)。合わせた有機溶液を塩水(15mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、暗黄色のオイルを得た。このオイルを、アセトン:ペンタン(50:50→67:33→100:0)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジエチルエーテル:ペンタン中で摩砕し、標題化合物を、固体として、33%の収率(25mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.08(t,3H)、1.27(t,3H)、2.56(q,2H)、4.16(q,2H)、5.01(s,2H)、7.23(t,1H)、7.27(t,1H)、7.60(t,1H)7.83(m,2H)、7.91(m,2H)。LRMS:m/z APCI 451[M+H]+
製造18:2−ベンジルオキシメチル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジブロモアセトン(10.4mL、55mmol)を、酢酸ナトリウム三水和物(13.6g、100mmol)の水(45mL)溶液に加え、混合物を30分間加熱還流した。次いで、混合物をrtまで冷却し、MeOH(230mL)および0.88アンモニア(57mL)中のベンジルオキシアセトアルデヒド(7.0mL,50mmol)溶液に加え、混合物をrtで18時間攪拌した。反応混合物を低容積(60mL)に真空で濃縮し、水(50mL)により希釈し、摩砕した。得られた沈殿を濾別し、60℃で真空乾燥して、標題化合物を、淡褐色の固体として、92%の収率(13g)で得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:4.51(s,2H)、4.52(s,2H)、7.25〜7.37(m,5H)、7.73〜7.71(m,1H)、12.81(brs,1H)。LRMS:m/z APCI 257[M+H]+ 微量分析:C12112OF3計算値(%):C 56.25;H 4.33;N 10.93;実測値(%):C 56.12;H 4.29;N 10.90。
製造19:2−ベンジルオキシメチル−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール
Figure 2008526828
ヨウ素(12.0g、47.5mmol)、過ヨウ素酸二水和物(10.3g、45mmol)およびクロロホルム(45mL)を、製造18の化合物(11.5g、45mmol)のAcOH(135mL)溶液に加え、混合物を60℃で4時間加熱した。次いで、混合物を放置して室温に冷却し、氷−冷10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(600mL)上に注いだ。水溶液を、EtOAcにより抽出し(3×400mL)、合わせた有機溶液を塩水(400mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、酢酸エチル:ペンタン(33:66)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、ペンタンで摩砕し、標題化合物を、白色粉末として、81%の収率(14g)で得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ:4.55(s,2H)、4.57(s,2H)、7.24〜7.36(m,5H)。LRMS:m/z APCI 383[M+H]+
製造20:3−[2−(2−ベンジルオキシメチル)−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−5−クロロベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸セシウム(5.73g、17.6mmol)を、MeCN(100mL)中の製造6の化合物(2.71g、16.0mmol)の攪拌溶液に加え、混合物をrtで15分間攪拌した。次いで、製造19の化合物(6.11g、16.0mmol)のMeCN(100mL)溶液を、その後、ヨウ化銅(I)(910mg、4.8mmol)を滴下して加え、反応混合物を18時間加熱還流した。この時間の後、tlc分析は、出発物質(starting material、SM)がまだ残っていることを示したので、さらなるヨウ化銅(I)(300mg、1.6mmol)を混合物に加え、加熱を30時間続けた。次いで、混合物をrtまで冷却し、真空で濃縮した。残留物を、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間に分配させ、生じた沈殿を濾別した。層を分液し、水性溶液をEtOAcにより抽出した(2×100mL)。合わせた有機溶液を塩水(100mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、緑色の発泡体を得た。この発泡体を、トルエン:酢酸エチル(17:83)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を、それぞれ、生成物:未反応SMが6:1の混合物として、41%の収率(2.8g)で得た。
LRMS:m/z APCI 424[M+H]+
製造21:3−[2−(2−ベンジルオキシメチル)−3−エチル−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−5−クロロベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、製造20の化合物およびヨウ化エチルから、製造9と同様の方法を用いて、無色のオイルとして、49%の収率で製造した。
LRMS:m/z APCI 452[M+H]+
〔実施例1〕
3−クロロ−5−[3−エチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
三塩化ホウ素−メチルスルフィド錯体溶液(DCM中2M、0.71mL、1.42mmol)を、製造9の化合物(330mg、0.71mmol)のDCM(7mL)溶液に加え、混合物をrtで2時間撹拌した。次いで、反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液により塩基性にし、さらに15分間攪拌した。混合物をDCMにより希釈し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテルで摩砕し、標題化合物を、淡褐色の固体として、60%の収率(160mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.22(t,3H)、2.95(t,2H)、4.00(q,2H)、4.15(t,2H)、7.15(s,1H)、7.23(m,1H)、7.42(m,1H)LRMS:m/z APCI 375/377[M+H]+
微量分析:C15133ClN3OS計算値(%):C 47.33;H 3.45;N 10.97;実測値(%)C 47.49;H 3.56,N 11.08。
〔実施例2〕
3−クロロ−5−[3、5−ジエチル−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、製造10の化合物から、実施例1のものと同様の方法を用いて、淡褐色の固体として、61%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.22(m,6H)、2.63(q,2H)、2.98(t,2H)、3.93(q,2H)、4.18(t,2H)、7.10(s,1H)、7.15(s,1H)、7.40(s,1H)LRMS:m/z APCI 335/337[M+H]+ 微量分析:C1618ClN3OS計算値(%):C 57.22;H 5.40,N 12.51;実測値(%)C 56.92;H 5.37;N 12.36
〔実施例3〕
3−クロロ−5−(3,5−ジエチル−2−ヒドロキシメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル)−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
炭酸セシウム(437mg、1.34mmol)を、製造6の化合物(227mg、1.34mmol)のMeCN(10mL)溶液に加え、混合物を10分間攪拌した。次いで、製造14の化合物(250mg、0.89mmol)およびヨウ化銅(I)(51mg、0.27mmol)を加え、混合物を18時間加熱還流した。反応混合物をrtまで冷却し、真空で濃縮し、EtOAc(30ml)と水(30mL)との間に分配させた。有機層を分離し、水性溶液をEtOAcにより抽出した(3×30mL)。合わせた有機溶液を塩水(30mL)により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮して、暗黄色のオイルを得た。このオイルを、酢酸エチルにより溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、その後、ジエチルエーテル:ペンタン中で摩砕し、標題化合物を、白色固体として、54%の収率(155mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.17(t,3H)、1.25(t,3H)、2.62(q,2H)、4.10(q,2H)、4.70(s,2H)、7.24(t,1H)、7.25(t,1H)、7.60(t,1H)。LRMS:m/z APCI 322[M+H]+
〔実施例4〕
3−[2−(2−アミノ−エチル)−3,5−ジエチル−3H−イミダゾール−4−イ
ルスルファニル]−5−クロロ−ベンゾニトリル・酒石酸塩
Figure 2008526828
分子ふるい(4Å)およびヒドラジン一水和物(50μL、1mmol)を、製造16の化合物(95mg、0.2mmol)のEtOH(5mL)懸濁液に加え、混合物を45℃で18時間加熱した。tlc分析は、出発物質がまだ残っていることを示したので、さらなるヒドラジン一水和物(50μL、1mmol)を混合物に加え、加熱を45℃で6時間続けた。次いで、反応混合物を濾過し、濾液を亜硫酸ナトリウム溶液により洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0→90:10:1)により溶離させる、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色のゴム状物を得た。次いで、このゴム状物をEtOAcに再溶解し、L(+)酒石酸(18mg、0.2mmol)のEtOAc溶液を加えた。混合物を真空で濃縮し、残留物を、酢酸エチル/ペンタンで摩砕し、標題化合物を、白色固体として、68%の収率(48mg)で得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ:1.11(m,6H)、2.50(m,2H)、2.98(m,2H)、3.20(m,2H)、3.75(bs,2H)、3.84(q,2H)、7.33(d,1H)、7.38(d,1H)、7.85(s,1H)。
〔実施例5〕
3−(2−アミノメチル−3,5−ジエチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル)−5−クロロ−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、遊離アミンとして、製造17の化合物から、実施例4のものと同様の方法を用いて、無色のオイルとして、78%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.18(t,3H)、1.20(t,3H)、2.63(q,2H)、3.92(s,2H)、4.02(q,2H)、7.26(d,2H)、7.60(t,1H)。LRMS:m/z APCI 321[M+H]+
〔実施例6〕
カルバミン酸5−(3−クロロ−5−シアノ−フェニルスルファニル)−1,4−ジエチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル・エステル
Figure 2008526828
実施例3の化合物(60mg、0.19mmol)のTHF(2mL)溶液を、0℃に冷却し、トリクロロアセチルイソシアネート(33μL、0.27mmol)により処理した。混合物を放置してrtに温め、3時間攪拌した。次いで、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりクエンチし、DCM(10mL)により希釈した。水層を分離し、DCM(2×10mL)により抽出し、合わせた有機溶液を塩水で洗い、低容積に真空で濃縮した。残留物を、アルミナ(Brockmann I、3%w/wの水により処理し、4日間攪拌した中性アルミナ)のパッドに注ぎ、15分間放置した。次いで、アルミナを、酢酸エチル:メタノール(100:0→90:10)の混合物によりフラッシングし、濾液を真空で濃縮して、無色のオイル得た。このオイルを、ペンタン:酢酸エチルで摩砕し、標題化合物を、白色固体として、58%の収率(40mg)で得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.17(t,3H)、1.23(t,3H)、2.63(q,2H)、4.08(q,2H)、5.17(s,2H)、7.23(m,1H)、7.26(m,1H)、7.61(m,1H)LRMS:m/z APCI 365[M+H]+
〔実施例7〕
3−クロロ−5−[3−エチル−2−(2−ヒドロキシメチル)−5−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−イルスルファニル]−ベンゾニトリル
Figure 2008526828
標題化合物を、製造21の化合物から、実施例1のものと同様の方法を用いて、ベージュ色の固体として、39%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.30(t,3H)、4.14(q,2H)、4.84(s,2H)、7.17(t,1H)、7.26(t,1H)、7.46(t,1H)。LRMS:m/z APCI 362[M+H]+
〔実施例8〕
カルバミン酸5−(3−クロロ−5−シアノ−フェニルスルファニル)−1−エチル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル・エステル
Figure 2008526828
標題化合物を、実施例7の化合物から、実施例6のものと同様の方法を用いて、白色固体として、70%の収率で製造した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.26(t,3H)、4.13(q,2H)、4.79(br s,2H)、5.26(s,2H)、7.13(t,1H)、7.25(t,1H)、7.46(t,1H)。LRMS:m/z APCI 404[M+H]+
微量分析:C15123ClN42S計算値(%):C 44.51;H 2.99;N
13.84;実測値(%)C 44.45;H 2.97;N 13.74。
生物学的データ
逆転写酵素阻害剤としての本発明の化合物の活性は、以下のアッセイを用いて評価され得る。
HIV−1逆転写酵素の阻害
本発明の化合物の逆転写酵素活性のアッセイは次の様にして行なわれ得る。大腸菌(Escherichia Coli)で発現させることによって得られた精製リコンビナントHIV−1逆転写酵素(RT、EC,2.7.7.49)を用いて、多数の試料のアッセイのために、[3H]−Flashplate酵素アッセイ・システム(NEN−SMP
410A)を、製造業者の推奨に従って用いる、384ウェル・プレートによるアッセイ・システムを確立した。本発明の化合物を100%DMSOに溶かし、適切な緩衝液により5%の最終DMSO濃度まで希釈した。阻害活性をDMSOコントロールに対する阻害パーセントで表した。化合物が逆転写酵素を50%阻害した濃度を、その化合物のIC50として表した。
本発明の実施例の全ては、1μM未満の、上の方法によるIC50値を有する。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2008526828
    [式中、
    −R1は、(C1〜C4)アルキルまたは(C3〜C6)シクロアルキルであり、ここで該アルキルは、ピリジルまたはピリジルN−オキシドによって場合により置換されており;
    −R2は、(C1〜C4)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキルまたはトリフルオロメチルであり;
    −R3は、−(CH2)mOH、−(CH2)mOC(O)NR45、−(CH2)mNR45または−(CH2)mNHC(O)NR45であり;
    −R4およびR5は、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり;
    −mは、1、2、3または4である]
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは誘導体。
  2. 1が(C1〜C4)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 2が(C1〜C4)アルキルまたはトリフルオロメチルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 3が、−(CH2)mOH、−(CH2)mOC(O)NR45または−(CH2)mNR45である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 4およびR5がHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. mが1または2である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体を、1つまたはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物。
  8. 1つまたはそれ以上のさらなる治療剤を含む、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 逆転写酵素を阻害または調節する活性を有する医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、または請求項7もしくは8に記載の医薬組成物の使用。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体、または請求項7もしくは8に記載の医薬組成物の有効量によりヒトを含む哺乳動物を治療することを含む、逆転写酵素の阻害剤またはモジュレーターによる、該哺乳動物の治療方法。
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