JP2008525321A - 疼痛治療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、疼痛緩和を誘発、推進、または他の方法で促進するための方法および組成物に向けられる。より具体的には、本発明は、疼痛、特に中程度〜重度の疼痛の予防または軽減のための、ヒトを含む脊椎動物の治療管理における一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬の併用を開示する。特に、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であるか、または低用量の一酸化窒素の持続放出を提供するように製剤化される。

Description

発明の分野
本発明は、疼痛緩和を誘発、推進、または他の方法で促進するための方法に一般的に関する。より具体的には、本発明は、疼痛、特に中程度〜重度の疼痛の予防または軽減のための、ヒトを含む脊椎動物の治療管理における一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬の併用に関する。特に、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であるか、または低用量の一酸化窒素の持続放出を提供するように製剤化される。
発明の背景
オピオイド鎮痛薬は、疼痛管理に使用できる最も有効なクラスの薬物である。モルヒネは、新規オピオイド鎮痛薬全てを比較する「判断基準」となる強力なオピオイド鎮痛薬である。モルヒネはまた、世界保健機関により、中程度〜重度の癌疼痛の緩和術後環境における中程度〜重度の疼痛の軽減、ならびに外傷および心筋梗塞後の疼痛の緩和のために選択される薬物として推奨されている。
しかしながら、モルヒネを含むオピオイド鎮痛薬は、望ましくない様々な副作用を起こすことが十分に立証されている。重篤な副作用としては、アレルギー反応、例えば、呼吸困難、口唇、舌、顔および/または喉の腫脹、ならびにじんましん;呼吸障害;発作;寒冷皮膚;極度の虚弱、極度のめまい;ならびに意識消失が挙げられる。他の副作用としては、鎮静、悪心、嘔吐、口渇、食欲減退、便秘、めまい、疲労、意識朦朧、筋攣縮、発汗、掻痒症、尿閉、および性欲減退が挙げられる。さらに、オピオイド鎮痛薬を長期使用すると、耐性が現れることがあり、この場合、一定レベルの疼痛緩和を得るのに必要とされるオピオイド鎮痛薬の量が増加する。モルヒネなどのいくつかのオピオイド鎮痛薬は、中または長期使用によって、患者依存性となる可能性がある。
副作用を減少させた、オピオイド鎮痛薬の疼痛緩和を送達する療法が必要である。オピオイド鎮痛薬消費量を減少させ、依然として十分な疼痛緩和を提供する療法もまた必要である。
発明の概要
本発明は、非常に低い生物学的濃度の一酸化窒素が、オピオイド鎮痛薬の疼痛緩和効力および/またはオピオイド鎮痛薬により達成される鎮痛作用期間を増加させ、これにより、所与の量のオピオイド鎮痛薬により、長期疼痛緩和が達成され、または所与のレベルの疼痛緩和を達成するのに使用されるオピオイド鎮痛薬の量が減少できるという結論に一部基づき、予測される。
したがって、本発明の1つの局面では、被験体に、有効量の一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、有効量の窒素酸化物供与体は、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法が提供される。好ましくは、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であり、または持続放出製剤に製剤化される。
本発明の別の局面では、被験体に、有効量の、持続放出製剤に製剤化された一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体の持続放出製剤は、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法が提供される。
本発明のさらに別の局面では、被験体に、有効量の徐放性一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、徐放性一酸化窒素供与体の有効量は、0.004nmol/kg〜0.4nmol/kgの範囲である、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法が提供される。
別の局面では、本発明は、有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および鎮痛未満量(sub-analgesic amount)のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法を提供する。
別の局面では、本発明は、有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体は、NO+またはNO-の形態で一酸化窒素を放出する、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法を提供する。
さらに別の局面では、本発明は、有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体はニトロソチオールの内因性産生を増強する、鎮痛作用を生じさせる方法を提供する。
別の局面では、本発明は、有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体はペルオキシナイトライとの内因性産生を減少させる、鎮痛作用を生じさせる方法を提供する。
さらに別の局面では、本発明は、有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体により、ペルオキシナイトライトの内因性産生よりも多いニトロソチオールの内因性産生が引き起こされる、鎮痛作用を生じさせる方法を提供する。
好ましい態様では、一酸化窒素供与体の有効量は、5mgのニトログリセリン/24時間を送達するニトログリセリンの持続放出製剤の投与で観察されるニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比と比較して、体液、例えば血液、血清、血漿、リンパ、脳脊髄液または脳細胞外液中のニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比を、少なくとも1.1倍増加させるものである。
徐放性一酸化窒素供与体は、オピオイド鎮痛薬と同時に、別個に、または連続して投与され、鎮痛作用が達成される。一酸化窒素供与体の持続放出製剤は、オピオイド鎮痛薬と同時におよび/または別個に投与され、鎮痛作用が達成される。オピオイド鎮痛薬は、鎮痛量で、または鎮痛未満量で投与される可能性がある。一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬は、各々が、薬学的に許容される担体および/または希釈剤を含む1つまたは複数の組成物の形態で適当に投与される。組成物は、注入により、局所投与により、くも膜下投与、硬膜外投与、脳室内投与、口腔投与、直腸投与、経皮投与により、または持続放出投与様式を含む経口投与により、一定期間、被験体において鎮痛作用を生じさせるのに有効な量で投与されてもよい。
徐放性一酸化窒素供与体は、長期にわたり、インビボ一酸化窒素に変換もしくは分解もしくは代謝され、またはその供給源を提供する任意の物質から適当に選択される。1つの態様では、徐放性一酸化窒素供与体は、リンカーにより担体化合物に結合されたニトラト基を含む。
オピオイド鎮痛薬は、鎮痛活性を有する任意のオピオイド化合物から適当に選択される。1つの態様では、オピオイド鎮痛薬は、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、コデイン、ヒドロコデイン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、ヘロイン、モルヒネ-6-グルクロニド、レバロルファン、6-モノアセチルモルヒネおよびトラマドールから選択される。
別の局面では、本発明は、有効量の一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含み、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であり、または0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する持続放出製剤に製剤化される、疼痛を緩和する方法を提供する。特に、これらの方法は、侵害受容性疼痛、例えば、中程度〜重度の癌疼痛、中程度〜重度の術後疼痛、身体的損傷よる外傷または心筋梗塞により引き起こされる中程度〜重度の疼痛、および関節炎などの炎症性疼痛状態の緩和に適している。
さらに別の局面では、本発明は、鎮痛作用を生じさせるため、および/または中程度〜重度の疼痛を緩和するための、併用療法で使用するための単一薬剤または別個の薬剤の製造における一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬の使用を提供し、ここで、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であり、または、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する持続放出製剤に製剤化される。
発明の詳細な説明
定義
特に記載がなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で記述したものと同様または等価な任意の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料について説明する。本発明のために、下記用語を以下のように定義する。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)のその冠詞の文法的目的語を示す。例えば、「1つの要素(an element)」は1つまたは複数の要素を意味する。
本明細書で使用されるように、「約」という用語は、言及した数量、レベル、値、寸法、サイズ、または量に対し30%、20%、または10%だけ変動する数量、レベル、値、寸法、サイズ、または量を示す。
本明細書で使用されるように、単独または複合語中で使用される「アルキル」という用語は、飽和直鎖、分枝または環状炭化水素基、好ましくはC1〜20アルキル、例えばC1〜10またはC1〜6を示す。直鎖および分枝アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルおよびその分枝異性体、n-ヘキシルおよびその分枝異性体、n-ヘプチルおよびその分枝異性体、n-オクチルおよびその分枝異性体、n-ノニルおよびその分枝異性体、ならびにn-デシルおよびその分枝異性体が挙げられるが、それらに限定されない。環状アルキルの例としては、単環または多環アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、などが挙げられる。アルキル基は、本明細書で定義される1つまたは複数の任意の置換基によりさらに置換されてもよい。
本明細書で使用されるように、「アルケニル」という用語は、前に定義した、エチレン化した、モノ-、ジ-、もしくはポリ-不飽和アルキルまたはシクロアルキル基を含む少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖、分枝または環状炭化水素残基を示し、好ましくはC2〜20アルケニル(例えば、C2〜10またはC2〜6)である。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、1-メチルビニル、ブテニル、イソ-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、シクロペンテニル、1-メチル-シクロペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、シクロヘキセニル、1-ヘプテニル、3-ヘプテニル、1-オクテニル、シクロオクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、3-ノネニル、1-デセニル、3-デセニル、1,3-ブタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1,3-シクロペンタジエニル、1,3-シクロヘプタジエニル、1,3,5-シクロヘプタトリエニル、および1,3,5,7-シクロオクタテトラエニルが挙げられるが、それらに限定されない。アルケニル基は、本明細書で定義される1つまたは複数の任意の置換基により置換されてもよい。
本明細書で使用されるように、「アルキニル」という用語は、前に定義した、エチン化した、モノ-、ジ-、もしくはポリ-不飽和アルキルまたはシクロアルキル基を含む少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖、分枝または環状炭化水素残基を示す。この用語は好ましくはC2〜20アルキニルを示す。例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、およびブチニル異性体、およびペンチニル異性体が挙げられるが、それらに限定されない。アルキニル基は、本明細書で定義される1つまたは複数の任意の置換基により置換されてもよい。
「アシル」という用語は、C=O部分を含む基を示す(が、カルボン酸、エステル、またはアミドではない)。好ましいアシル基としてはC(O)-Rが挙げられ、ここで、Rは水素または、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロシクリル残基、好ましくはC1〜20残基である。アシル基の例としてはホルミル;直鎖または分枝アルカノイル、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイルおよびイコサノイル;シクロアルキルカルボニル、例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニル;アロイル、例えば、ベンゾイル、トルオイルおよびナフトイル;アラルカノイル、例えば、フェニルアルカノイル(例えば、フェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイルおよびフェニルヘキサノイル)およびナフチルアルカノイル(例えば、ナフチルアセチル、ナフチルプロパノイルおよびナフチルブタノイル);アラルケノイル、例えば、フェニルアルケノイル(例えば、フェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタクリロイル、フェニルペンテノイルおよびフェニルヘキセノイル)およびナフチルアルケノイル(例えば、ナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイルおよびネフチルペンテノイル);アリールオキシアルカノイル、例えば、フェノキシアセチルおよびフェノキシプロピオニル;複素環カルボニル;複素環アルカノイル、例えば、チエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルへキサノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチルおよびテトラゾリルアセチル;ならびに複素環アルケノイル、例えば、複素環プロペノイル、複素環ブテノイル、複素環ペンテノイルおよび複素環ヘキセノイルが挙げられる。
本明細書で使用されるように、「アルコキシ」、「アリールオキシ」、「アルケニルオキシ」、「アルキニルオキシ」、「アシルオキシ」、および「ヘテロシクリルオキシ」という用語は、酸素により結合されている、本明細書で定義されるアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アシル、またはヘテロシクリル基を示す。
本明細書で使用されるように、「アルキルチオ」、「アルケニルチオ」、「アルキニルチオ」、「アリールチオ」、「アシルチオ」または「ヘテロシクリルチオ」という用語は、硫黄原子により結合されている、本明細書で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、またはヘテロシクリル基を示す。
本明細書で使用されるように、「アルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アリールアミノ」、「ジアリールアミノ」、「アシルアミノ」および「ヘテロシクリルアミノ」という用語は、NHまたはN原子により結合されている、本明細書で定義される1つまたは2つのアルキルもしくはアリール基またはアルケニル、アルキニル、アシル、もしくはヘテロシクリル基を示す。
本明細書で使用されるように、「アリール」という用語は、C6〜C14芳香族炭化水素基を示す。適したアリール基としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、アントラセニル、ジヒドロアントラセニルおよびフェナントレニルが挙げられる。好ましいアリール基としてはフェニルおよびナフチルが挙げられる。アリール基は、1つまたは複数の任意の置換基によりさらに置換されてもよい。
「鎮痛作用」という用語は、本明細書では、疼痛知覚が減少した状態を記述するために使用され、痛感が存在しない、ならびに有害刺激に対する知覚が減少または存在しない状態が含まれる。そのような疼痛知覚が減少したか、または存在しない状態は、当技術分野で普通に理解されるように、「鎮痛薬」とも呼ばれる疼痛制御剤の投与により誘発され、意識消失せずに起きる。鎮痛作用という用語は、「抗侵害受容」という用語を含み、これは、当技術分野では、動物モデルにおける鎮痛作用または疼痛感受性の減少の定量的測度として使用される。
この明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含むこと(comprising)」という用語は、提示した1つの段階もしくは要素または複数の段階もしくは要素を含むが、他の1つまたは複数の段階もしくは要素を排除しないと理解すべきである。
疼痛の治療または予防の関連では、「有効量」により、疼痛を予防し、疼痛を防止し、および/または既存の疼痛を治療するために有効な、単回用量または一連の用量の一部としての、そのような治療または予防の必要な個体に対して活性な量の投与を意味する。有効量は、治療すべき個体の健康および身体状態、治療すべき個体の分類群、組成物の製剤化、医学的状況の評価、および他の関連する因子によって変動する。量は、ルーチン試験により決定することができるかなり広い範囲内にあると予測される。
本明細書で使用されるように、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード置換基を含むものとする。
「ヘテロシクリル」という用語は、単環、多環もしくは縮合、飽和、不飽和または芳香族炭化水素残基を示し、ここで、1つまたは複数の炭素原子(および必要に応じて、それに結合された水素原子)がヘテロ原子により置換される。適したヘテロ原子としてはO、N、S、およびSeが挙げられる。2つまたはそれ以上の炭素原子を置換させる場合、これは、2つまたはそれ以上の同じヘテロ原子または異なるヘテロ原子よって置換させてもよい。複素環基の適した例としては、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリノ、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロリル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、インドリル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、プリニル、キナゾリニル、フェナジニル、アクリジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。ヘテロシクリル基はさらに、本明細書で定義される1つまたは複数の任意の置換基により置換されてもよい。
「侵害受容性疼痛」は、感作のない非損傷皮膚、内臓および他の器官に位置する侵害受容器の活性化により誘発される正常な急性痛覚を示す。
「オピオイド鎮痛薬」により、特異的なオピオイド受容体に結合し、それらの受容体を活性化し、意識消失を引き起こさずに疼痛知覚を減少または喪失させる薬剤を意味する。オピオイド鎮痛薬としては、アヘンから単離される可能性のあるオピエートアルカロイドおよびそれらの合成誘導体または類似体が挙げられる。
本明細書では、「置換されてもよい」は、基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ハロヘテロシクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ベンジルチオ、ヘテロシクリルチオ、アシルチオ、シアノ、ニトロ、スルフェート、およびホスフェート基から選択される1つまたは複数の基によりさらに置換される可能性があるか、または置換されない可能性があることを意味すると解釈される。
本明細書で使用されるように「疼痛」という用語には最も広い意味が与えられ、実際のまたは潜在的な組織損傷と関連する、またはそのような損傷の観点から説明される不快感および感情体験を含み、特殊な神経終末の刺激に起因する、程度の差はあるが局在する不快、苦痛、または苦悶の感覚を含む。多くの型の疼痛が存在し、電撃痛、幻想痛、ずきずきする疼痛、急性疼痛、炎症性疼痛、神経因性痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経障害、などが挙げられるが、それらに限定されない(Dorland’s Illustrated Medical Dictionary, 28th Edition, W.B. Saunders Company, Philadelphia, Pa)。疼痛治療の目標は、治療被験体により知覚される疼痛の重篤度を減少させることである。
「薬学的に許容される担体」により、局所、局部または全身投与において安全に使用される可能性のある固体または液体フィラー、希釈剤もしくは封入物質を意味する。
本明細書で使用されるように「薬学的に許容される塩」という用語は、ヒトおよび動物投与に対し毒物学的に安全な塩を示す。この塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ナプシル酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、テレフタル酸塩、パモ酸塩およびペクチン酸塩を含む群から選択してもよい。
「プロドラッグ」という用語は、最も広い意味で使用され、本発明により、インビボでオピオイド鎮痛薬に変換される化合物を含む。そのような化合物は当業者が容易に考えつくものであり、例えば、遊離ヒドロキシ基がエステル誘導体に変換される化合物が挙げられる。化合物のプロドラッグ形態を利用して、例えば、バイオアベイラビリティを改善してもよく、苦味などの不快な特性を隠してもよく、静脈注射用に溶解度を変化させてもよく、または化合物の部位特異的送達を提供してもよい。
「徐放性一酸化窒素供与体」または「徐放性NO供与体」により、長期にわたりインビボ一酸化窒素またはNOに変換もしくは分解もしくは代謝され、またはその供給源を提供し、これにより低濃度一酸化窒素を血流中に送達させる任意の物質を意味する。適切には、徐放性一酸化窒素供与体は、0.004nmol/kg〜0.4nmol/kgの量、または一酸化窒素が0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で送達される量で投与される。
「鎮痛未満量」により、単独で投与すると、被験体において鎮痛作用を引き起こさないが、有効量の徐放性一酸化窒素供与体と組み合わせて投与すると鎮痛作用を生じさせる鎮痛薬の量を意味する。
本明細書で同じ意味で使用される「被験体」または「個体」または「患者」という用語は、治療または予防が望まれる、任意の被験体、特に脊椎動物被験体、より特定的には哺乳動物被験体を示す。本発明の範囲内にある適した脊椎動物としては、霊長類、鳥類、家畜(例えば、ヒツジ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ)、実験室試験動物(例えば、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター)、コンパニオンアニマル(例えば、ネコ、イヌ)および捕獲野生動物(例えば、キツネ、シカ、ディンゴ)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい被験体は、疼痛、特に中程度または重度の疼痛の治療または予防が必要なヒトである。しかしながら、上記用語は、症状が存在することを意味しないことは理解されると思われる。
本明細書で使用されるように、「一酸化窒素供与体の持続放出製剤」という用語は、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間、または0.001nmol/kg/時間〜1.0nmol/kg/時間、0.005nmol/kg/時間〜1.0nmol/kg/時間、0.001nmol/kg/時間〜0.5nmol/kg/時間、0.002nmol/kg/時間〜0.2nmol/kg/時間、0.005nmol/kg/時間〜0.1nmol/kg/時間または0.01nmol/kg/時間〜0.05nmol/kg/時間から選択される範囲の速度で一酸化窒素を放出するように適合された一酸化窒素供与体の製剤を意味する。持続放出製剤は、この速度で一酸化窒素を放出することができる任意の製剤としてもよい。好ましい持続放出製剤は、24時間あたり5nmol〜500nmol、特に24時間あたり10nmol〜100nmol、より特定的には、24時間あたり20nmol〜60nmol、最も特定的には24時間あたり50nmolを送達するように適合された経皮パッチである。
鎮痛作用を生じさせる方法
1つの局面では、本発明は、被験体において鎮痛作用を生じさせるための方法を提供する。これらの方法は一般に、有効量の一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬の投与を含み、ここで、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であり、または一酸化窒素供与体は0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達するように適合された持続放出製剤である。一酸化窒素供与体は、オピオイド鎮痛薬の疼痛緩和効力またはオピオイド鎮痛薬により生じる鎮痛作用期間を増加させる量で投与される。オピオイド鎮痛薬は、一酸化窒素供与体と組み合わせると、鎮痛作用を生じさせる量で投与される。
徐放性一酸化窒素供与体は、長期にわたりインビボ一酸化窒素に変換もしくは分解もしくは代謝されるか、またはその供給源を提供する任意の物質から選択される。本発明の1つの態様では、徐放性一酸化窒素供与体は、リンカーにより担体化合物に結合されたニトラト基を含む。好ましい徐放性一酸化窒素供与体は式(I)のものまたはその薬学的に許容される塩を含む:
Figure 2008525321
式中、
R1はOH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
から選択され;
R2およびR3はそれぞれHであるか、または一緒に-O-となり;
R4はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
であり、かつR5はHであるか、あるいはR4およびR5は一緒にオキソ基を形成し;
R6はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
から選択され;
--------------は単結合または二重結合を示し;
XはOまたはSを示し;
YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
Aは下記を示し:
Figure 2008525321
式中、Wは存在しないか、または-O-、-S-、-NH-、-NC1〜6アルキル、
Figure 2008525321
から選択され;
R7はC1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C1〜20アルキルCO、C1〜20アルキルSO、C1〜20アルキルSO2、アリール、アリールオキシ、アリールSO2、アリールSO、アリールCO、N(R8)2、(R8)2NCOから選択され;
各R8は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニルまたはアリールから独立して選択され、
各Rは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜20アルコキシ、アリールオキシ、C2〜20アルケニルオキシ、C2〜20アルキニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜20アルキルチオール、C2〜20アルケニルチオール、C2〜20アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2R’、SOR’、SO2R’、SO3R’、SON(R’)2、SO2N(R’)2、SO3N(R’)2、CON(R’)2、N(R’)2、P(R’)3、P(=O)(R’)3、Si(R’)3、B(R’)2C1〜20アルキル、CN、CF3またはNO2から独立して選択され、式中、各R’はH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリールおよびヘテロシクリルから独立して選択され;
mは0または1〜10の整数であり;
nは1〜10の整数であり;および
tは0または1〜4の整数であり;
R1、R4およびR6の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
である。
式-O-A-X-NO2の例示的な基としては下記が挙げられる:
Figure 2008525321
式中、
XはSまたはOであり;
pは1〜10の整数であり;および
qは0または1〜10の整数である。
好ましい化合物は式(II)のものまたはその薬学的に許容される塩を含む:
Figure 2008525321
式中、
R10はOH、OCH3、-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
から選択され;
R40は-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
から選択され、かつR50はHであるか、あるいはR40およびR50は一緒にオキソ基を形成し;
R60はHまたは-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
から選択され;
--------------は単結合または二重結合を示し;
XはOまたはSを示し;
YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
Aは下記を示し:
Figure 2008525321
式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、
Figure 2008525321
から選択され;
R70はC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルCO、C1〜6アルキルSO、C1〜6アルキルSO2、フェニル、フェノキシ、フェニルSO、フェニルSO2、フェニルCO、N(R80)2および(R80)2NCOから選択され;
各R80は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
各Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C2〜6アルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜6アルキルチオール、C2〜6アルケニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2H、CO2C1〜6アルキル、SOC1〜6アルキル、SO2C1〜6アルキル、SO3H、SO3C1〜6アルキル、SONH2、SONHC1〜6アルキル、SON(C1〜6アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC1〜6アルキル、SO2N(C1〜6アルキル)2、CONH2、CONHC1〜6アルキル、CON(C1〜6アルキル)2、NH2、NHC1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、CN、CF3またはNO2から独立して選択され;
uは0または1〜5の整数であり;
vは1〜5の整数であり;および
tは0または1〜4の整数であり;
R10、R40およびR60の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
Figure 2008525321
である。
適した徐放性一酸化窒素供与体の例としては下記およびそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる:
Figure 2008525321
Figure 2008525321
Figure 2008525321
Figure 2008525321
式(I)の化合物は、当業者に公知の合成法により調製してもよい。そのような方法は、Advanced Organic Chemistry, March J, 3rd Edition, John Wiley and Sons, 1985およびComprehensive Organic Transformations, R.C. Larock, VCH, 1989などの本文において見出される可能性がある。当技術分野では、官能基を合成過程中に保護および脱保護する必要がある可能性があることも公知である。適した保護および脱保護法は、Protective Groups in Organic Chemistry, T.W.Greene and P.G.M. Wuts, Wiley Interscience, 1999などの本文において見出される可能性がある。
式(I)の化合物は、市販のモルヒネ化合物もしくは誘導体または、市販の化合物から調製したモルヒネ誘導体をニトラト、フラザニルまたは-SNO含有リンカーと結合させることにより調製してもよい。例えば、遊離カルボン酸または酸塩化物およびニトラト、フラザニルまたは-SNO基を含むリンカーを、モルヒネまたはモルヒネ誘導体の遊離ヒドロキシ基に、当技術分野で周知のエステル化法により結合させてもよい。例えば、カルボン酸およびモルヒネ誘導体ヒドロキシ基を、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの脱水剤と処理することにより結合を達成してもよい。または、ニトラト、フラザニルまたは-SNO基および脱離基を含むリンカーを遊離ヒドロキシと結合させ、エーテル結合を形成させてもよい。
本発明の別の局面では、式(I)の化合物、それらの薬学的に許容される塩、ならびに式(I)の化合物、それらの薬学的に許容される塩、および任意で、オピオイド鎮痛薬を含む組成物が提供される。
有効量の一酸化窒素供与体は、オピオイド鎮痛薬の疼痛緩和効力または効果持続期間を増強または増加させるのに有効なものである。1つの態様では、ボーラスとして投与される徐放性一酸化窒素供与体の量は0.004nmol/kg〜0.4nmol/kgの範囲、好ましくは0.005nmol/kg〜0.3nmol/kg、0.006nmol/kg〜0.2nmol/kg、0.007nmol/kg〜0.1nmol/kg、0.008nmol/kg〜0.09nmol/kg、0.009nmol/kg〜0.08nmol/kg、0.01nmol/kg〜0.07nmol/kg、0.02nmol/kg〜0.06nmol/kgから選択される範囲、特に0.03nmol/kg〜0.05nmol/kgである。とりわけ好ましい量は0.04nmol/kgである。別の態様では、一酸化窒素供与体は、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で、または0.001nmol/kg/時間〜1.0nmol/kg/時間、0.005nmol/kg/時間〜1.0nmol/kg/時間、0.001nmol/kg/時間〜0.5nmol/kg/時間、0.002nmol/kg/時間〜0.2nmol/kg/時間、0.005nmol/kg/時間〜0.1nmol/kg/時間、または0.01nmol/kg/時間〜0.05nmol/kg/時間から選択される範囲内で一酸化窒素を放出するように適合された持続放出製剤に製剤化される。特に好ましい態様は、24時間あたり、5nmol〜500nmol、特に10nmol〜100nmol、より特定的には20nmol〜60nmol、さらに特定的には約50nmolを放出するように適合された経皮パッチである。
任意の1つの理論または作用様式に縛られるのは望まないが、一酸化窒素供与体からのNOの徐放により、血流中の低NO濃度が維持されると仮定される。NOの徐放は、ニトロソチオールの内因性形成において重要であると考えられるNO+、およびおそらくはNO-の形成に有利に働くと考えられる。NOの徐放は、スーパーオキシド(O2 -)と容易に反応し、強力な神経毒、ペルオキシナイトライト(ONOO-)を生成するNOの形成には有利に働かない。
内因性ニトロソチオールは、N-メチル-Dアスパラギン酸受容体(NMDA受容体)のニトロシル化を促進し、これによりこの受容体の活性化を軽減し、結果的に、疼痛応答が減衰すると仮定される。1つの態様では、徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤の有効量は、NOをNO+およびNO-の形態で放出するのに有効なものである。さらに別の態様では、徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤の有効量は、ニトロソチオールの内因性産生を増強し、またはペルオキシナイトライトの内因性産生を減少させ、または、ペルオキシナイトライトの内因性産生よりも多くのニトロソチオールの内因性産生を引き起こすものである。ペルオキシナイトライトの内因性産生は、体液中のニトロチロシンの測定により評価してもよい。
さらに別の態様では、一酸化窒素供与体の有効量は、24時間あたり5mgのニトログリセリンを送達するニトログリセリンの持続放出製剤の投与で観察されるニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比率に比べ、体液中のニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比率を少なくも1.1倍に増加させるものである。好ましい態様では、ニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比率は、ニトログリセリンの持続放出製剤の投与で観察されるニトロソチオール濃度:ペルオキシナイトライト濃度の比率と比較すると、1.25〜100倍、好ましくは1.25〜500倍、より好ましくは1.25〜1000倍に増加する。この比率が、1.25〜5倍、1.25〜10、1.25〜20、1.25〜30、1.25〜40、1.25〜50、1.25〜60、1.25〜70、1.25〜80、1.25〜90または1.25〜100倍に増加すると特に好ましい。
生物系では、一酸化窒素はニトロソチオール形成により安定化され、これによりその生物活性が保存されることが示唆されている。ニトロソチオールはインビボで一酸化窒素よりも著しく長い半減期を有し、強力な抗血小板薬および血管拡張薬としても作用する。哺乳動物血漿中の主なニトロソチオールはニトロソアルブミン(AlbSNO)であり、これはその後、一酸化窒素を、グルタチオン(GSH)またはシステイン(CySH)などの低分子量チオールに移動し、それぞれ、GSNOまたはCySNOが形成される。低分子量ニトロソチオールはその後、所望の作用部位に拡散し、一酸化窒素を放出することができる。
血液中のニトロソチオール、例えば、AlbSNO、GSNOまたはCySNOのレベルは、適したアッセイ法を使用して決定してもよい。一酸化窒素(NO)のスーパーオキシド(O2 -)との反応により形成するペルオキシナイトライト(ONOO-)のレベルは、体液中のニトロチロシンのレベルをモニタすることにより決定することができる。ニトロソチオール、例えばS-ニトロソグルタチオン(GSNO)およびS-ニトロソシステイン(CySNO)、ならびにニトロチロシンの量は、体液、例えば、血漿限外濾過液中で、高性能液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(HPLC-ESI-MS-MS)アッセイ法ならびに内標準としてのシステイン、グルタチオンおよびニトロチロシンの重水素化類似体を用いて、同時に決定してもよい。クロマトグラフィー分離は、Agilent Zorbax C18 2.1×50mmカラム型により、成分A(0.1% v/vギ酸)および成分B(0.1%ギ酸を含む90:10メタノール水)を含む移動層を用いて達成される。この方法は、Kluge et.al.,(1997), J. Neurochem., 69:2599-2607およびOrhan et. al., (2004), J. Chrom. B., 799:245-254の方法から適合されている
オピオイド鎮痛薬は鎮痛活性を有する任意のオピオイド化合物であってもよい。好ましい態様では、オピオイド鎮痛薬は、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、コデイン、ヒドロコデイン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、ヘロイン、モルヒネ-6-グルクロニド、レバロルファン、6-モノアセチルモルヒネ、およびトラマドールから選択される。
患者に投与される活性化合物の用量は、時間と共に患者において有益な応答、例えば、疼痛の減少または緩和が達成されるのに十分なものであるべきである。投与される薬学的な活性な化合物の量は、年齢、性別、体重、および一般健康状態を含む治療される被験体に依存する可能性がある。この点において、投与のための活性化合物の正確な量は、医師の判断に依存する。鎮痛作用を生じさせる際に投与される活性化合物の有効量の決定においては、医師は、侵害受容性疼痛または炎症性疼痛状態に関連する疼痛症状の重篤度を評価してもよく、オピオイド鎮痛薬の量では、患者がオピオイド鎮痛薬未処置であるかどうか、またはオピオイド鎮痛薬への以前の長期曝露があったかを考慮してもよい。いずれにしても、当業者であれば、必要以上の実験をせずに、本発明の一酸化窒素供与体および/またはオピオイド鎮痛薬の適した用量を容易に決定する可能性がある。
オピオイド鎮痛薬の有効量は、オピオイド未処置患者またはオピオイドの鎮痛効果に対し耐性のある患者に対する推奨用量である量としてもよい。例えば、大人のモルヒネ未処置患者では、標準用量は、筋内または皮下注射により送達させる場合5〜20mg、または静脈注射により送達させる場合2.5〜15mgである。モルヒネはまた、10〜30mgの用量の経口用即効型錠剤またはカプセルで、または40mgもしくは20mgの経口用持続放出剤形で投与してもよい。モルヒネはまた、大人のモルヒネ未処置患者に、硬膜外投与(5mg)、くも膜下投与(0.2〜1mg)または脳室内投与(0.1〜1mg)により投与してもよい。子供への投与に適したモルヒネの用量としては、筋内もしくは皮下注射によっては0.1〜0.2mg/kg〜最大15mgが挙げられ、または、静脈内投与により用量設定する場合、慎重に、5〜15分にわたり徐々に増加させ0.05〜0.1mg/kgとしてもよい。筋内もしくは皮下注射または経口即効型錠剤もしくはカプセルに対する上記用量は通常4〜6時間毎の頻度で投与されるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、投与頻度は5〜7時間、6〜8時間、7〜9時間、8〜10時間、9〜11時間または11〜12時間毎に延長される可能性がある。経口持続放出製剤のための上記剤形は通常、40mg/24時間または20mg/12時間の頻度で与えられるが、これらの製剤は、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせて、より長い間隔、例えば25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35もしくは36時間または13、14、15、16、17もしくは18時間で投与してもよい。硬膜外、くも膜下または脳室内投与のための上記で示した標準用量は、通常、24時間毎の頻度で与えられる。しかしながら、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、投与頻度は、例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35または36時間間隔まで延ばしてもよい。
大人のオピオイド未処置患者に対する標準オキシコドン用量としては、静脈注射による1〜10mgまたは筋内もしくは皮下注射による1〜10mgが挙げられる。経口投与は、5〜10mgの用量の即効型錠剤によってもよく、または10mgの持続放出経口剤形形態としてもよい。オキシコドン用量はまた、直腸坐薬により30mgで投与してもよい。静脈内、筋内もしくは皮下注射または経口即効型錠剤のための上記オキシコドン用量は、通常、4〜6時間毎に投与されるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、投与頻度は、例えば、5〜7時間、6〜8時間、7〜9時間、8〜10時間、9〜11時間または11〜12時間毎に延長される可能性がある。オキシコドンの持続放出経口用量は、通常12時間毎に与えられるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、この頻度は、例えば、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間または18時間毎に延長される可能性がある。オキシコドンの直腸坐薬形態は通常6〜8時間毎の頻度で与えられるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、この投与頻度は、例えば、7〜9時間、8〜10時間、9〜11時間、10〜12時間、11〜13時間、12〜14時間、13〜15時間または14〜16時間毎に延長される可能性がある。
オピオイド未処置患者において鎮痛作用を生じさせるための標準ヒドロモルホン用量としては、2〜4mgの経口用量、筋内もしくは皮下注射による1〜2mg、または2〜3分にわたり送達される静脈注射による0.5〜1.0mgが挙げられる。経口剤形の投与頻度は通常、4時間毎であるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、投与頻度は、例えば、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間または10時間毎に延長される可能性がある。筋内または皮下注射剤形の投与頻度は通常2時間毎である。しかしながら、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、この投与頻度は、例えば、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間または8時間毎に延長される可能性がある。子供のための適した用量としては、筋内、皮下または静脈注射により送達される場合、60μg/kgまたは15μg/kgの経口用量が挙げられる。子供におけるヒドロモルホンの経口および注射形態の両方に対する投与頻度は通常3〜4時間毎である。しかしながら、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、投与頻度は、例えば、4〜5時間、5〜6時間、6〜7時間、7〜8時間、8〜9時間、または9〜10時間に延長される可能性がある。
大人のオピオイド未処置患者において鎮痛作用を生じさせるためのフェンタニルの適した用量としては、手術前30〜60分に筋内投与される50〜100μg、および必要に応じて術後に筋内投与される50〜100μgが挙げられる。術後フェンタニルはしばしば、1〜2時間毎に送達されるが、本発明による一酸化窒素供与体と組み合わせると、送達頻度は、例えば、2〜3時間、3〜4時間、4〜5時間、5〜6時間、6〜7時間または7〜8時間に延長される可能性がある。フェンタニルはまた、経皮パッチにより25μg/時間の用量で送達させてもよい。
または、オピオイド鎮痛薬は、鎮痛未満量で投与してもよく、これは、単独で投与すると、被験体において鎮痛作用を引き起こさないが、有効量の徐放性一酸化窒素供与体と組み合わせて投与すると、鎮痛作用が生じる量である。例えば、鎮痛未満量は、患者または被験体の10〜90%において鎮痛応答を生じさせるのに有効な用量に対応するED10〜ED90量であってもよい。好ましくは、鎮痛未満量は、ED10〜ED80量、ED10〜ED70量、ED10〜ED60量、ED10〜ED50量、ED10〜ED40量、およびとりわけED10〜ED30量の1つに対応する。とりわけ好ましい有効鎮痛未満量はED20量である。
前記の鎮痛作用を生じさせる方法は、疼痛、特に中程度〜重度の疼痛の治療で使用するのに適している。治療はオピオイド鎮痛薬の使用が通常指示される任意の状況での使用に適している。例えば、治療は、侵害受容性疼痛、例えば中程度〜重度の癌疼痛の緩和、術後環境での中程度〜重度の疼痛の軽減、および身体的外傷、例えば事故後の軟部組織損傷後の疼痛、心筋梗塞に関連する疼痛の緩和、ならびに炎症性疼痛、例えば関節痛の緩和において使用するのに適している。
投与したオピオイド鎮痛薬の量が標準または鎮痛量(ED100)であり、有効量の一酸化窒素供与体と組み合わせて投与される場合、鎮痛効果期間は、同じ量のオピオイド鎮痛薬を単独で投与した場合に経験されるものより長くなる可能性がある。これにより、被験体にオピオイド鎮痛薬を投与する頻度が少なくなり、そのため、経験する副作用が少なくなり、および/または副作用の重篤度が低くなる。
投与したオピオイド鎮痛薬の量が鎮痛未満量であり、有効量の一酸化窒素供与体と組み合わせて投与されると、経験される鎮痛効果は、1.5〜5倍多い用量、例えば3倍多い用量が投与される場合に経験されるのと同じ効力および期間となる。これにより、ずっと少ない任意の用量のオピオイド鎮痛薬が投与されることとなり、そのため、経験される副作用が少なくなり、および/または副作用の重篤度が低くなる。例えば、下記のいずれか1つまたは複数の減少:アレルギー反応の減少、例えば、呼吸困難、口唇、舌、顔および/または喉の腫脹、ならびにじんましんの消失または減少;呼吸障害の消失または減少、発作の減少または発作の重篤度の減少;寒冷皮膚の減少、虚弱の減少、めまいの消失または減少、意識消失の可能性の減少、鎮静状態の減少または消失、悪心の減少または消失、嘔吐または口渇の減少または消失、食欲減退の減少、便秘の減少または消失、疲労の減少または消失、立ちくらみの減少または消失、筋攣縮の減少または消失、発汗の減少または消失、掻痒症の減少または消失、尿閉の減少または消失、ならびに性欲減退の減少。オピオイド鎮痛薬耐性または依存性の発症の可能性も減少する場合がある。
徐放性一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬の組み合わせの効果は、当技術分野で公知の疼痛/侵害受容の発表されたモデルの1つまたは複数を用いて試験してもよい。鎮痛活性は、当技術分野において公知の方法、例えば、テイルフリック(Tail-flick)試験(D’Amour et. al., 1941, J. Pharmacol. Exp. Ther. 72:74-79)、ホットプレート試験(Eddy and Leimbach, 1953, J. Pharmocol. Exp. Ther., 107:385-93)、ポープレッシャー(paw pressure)試験(Randall and Selitto, 1957, Arch. Int. Pharmacodyn., 111:409-414)、ポーサーマル(paw thermal)試験(Hargreaves et. al., 1998, Pain, 32:77-88)および術後疼痛のBrennanモデル(Brennan et. al., 1996, Pain, 64:493-501)を使用して評価してもよい。
一酸化窒素供与体およびオピオイド鎮痛薬を単一の組成物中で同時に投与してもよく、または混ぜ物がないか、もしくは希釈されていない化合物として別個の投与で同時にもしくは連続して投与してもよいが、薬学的組成物中で化合物を投与するのがより一般的である。適した組成物は、目的を達成するための有効量の活性剤および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
1つの態様では、対象とする投与様式により、一酸化窒素供与体含有組成物は一般に、約0.1重量%〜90重量%、約0.5重量%〜50重量%、または約1重量%〜約25重量%の一酸化窒素供与体を含み、残りは適した薬学的担体および/または希釈剤などであり、任意でオピオイド鎮痛薬である。一酸化窒素供与体の用量は、様々な因子、例えば、個々の一酸化窒素供与体、投与様式、影響を受ける被験体の種、年齢および/または個体の状態に依存する可能性がある。
もう1つの態様では、対象とする投与様式により、オピオイド鎮痛薬含有組成物は一般に、約0.1重量%〜90重量%、約0.5重量%〜50重量%、または約1重量%〜約25重量%のオピオイド鎮痛薬を含み、残りは適した薬学的担体および/または希釈剤などであり、任意で一酸化窒素供与体である。
治療する特定の疼痛により、活性化合物は、全身用、局所用または局部用に製剤化され、投与される可能性がある。製剤化および投与のための技術は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Publishing Co., Easton, Pa., 最新版において見出される可能性がある。適した経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜、または腸投与;筋内、皮下、髄内注射、ならびにくも膜下、硬膜外、直接脳室内、静脈内、腹腔内、吸入、鼻内、または眼内投与を含む非経口送達が挙げられる。注射のために、本発明の治療薬は水溶液、適当に、ハンクス液、リンガー液または生理食塩緩衝液などの生理学的に適合する緩衝液中で適当に製剤化してもよい。経粘膜投与のために、バリアを透過するのに適した浸透剤を製剤中で使用する。そのような浸透剤は当技術分野で一般に公知である。
または、本発明の組成物は、局所または局部投与のために製剤化することができる。この場合、対象組成物は、クリーム、ゲル、油、軟膏、溶液および坐薬を含むが、それらに限定されない任意の適した様式で製剤化してもよい。そのような局所組成物は、浸透促進剤、例えば塩化ベンズアルコニウム、ジギトニン、ジヒドロサイトカラシンB、カプリン酸を含んでもよく、pHが7.0から8.0に増加される。表皮を通る活性化合物の浸透を促進するように向けられた浸透促進剤はこの点で好都合である。または、局所組成物は、本発明の活性化合物が封入されるリポソームを含んでもよい。
オピオイド鎮痛薬および徐放性一酸化窒素供与体は単一の組成剤中で製剤化してもよく、または同じもしくは異なる投与様式による同時もしくは逐次送達のために別個に製剤化してもよい。例えば、オピオイド鎮痛薬は経口送達用に製剤化してもよく、一方、一酸化窒素供与体は、経皮パッチにより送達されるように製剤化され、またはオピオイド鎮痛薬は非経口投与のために製剤化されてもよく、一方、徐放性一酸化窒素供与体は、経口送達用に製剤化され、またはオピオイド鎮痛薬および徐放性一酸化窒素供与体の両方が単一の組成物または別個の組成物に製剤化されてもよく、または一酸化窒素供与体は経皮送達のために製剤化されてもよく、一方、オピオイド鎮痛薬は非経口投与用に製剤化される。他の送達モードの組み合わせは、当業者により容易に決定される。
本発明の組成物は、許容される希釈剤(例えば、生理食塩水および滅菌水)を含む液体の形態で投与するように製剤化してもよく、または、所望の手触り、稠度、粘性および外観を付与するために許容される希釈剤または担体を含むローション、クリームまたはゲルの形態としてもよい。許容される希釈剤および担体は当業者にはよく知られており、エトキシル化および非エトキシル化界面活性剤、脂肪アルコール、脂肪酸、炭化水素油(例えば、パーム油、ココナッツ油、および鉱物油)、ココアバター蝋、シリコン油、pHバランサー、セルロース誘導体、非イオン有機および無機塩基などの乳化剤、保存剤、蝋エステル、ステロイドアルコール、トリグリセリドエステル、レシチンおよびセファリンなどのリン脂質、多価アルコールエステル、脂肪アルコールエステル、親水性ラノリン誘導体、および親水性蜜蝋誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。
または、本発明の活性化合物は、当技術分野において周知の薬学的に許容される担体を用いて容易に、本発明の実施に好ましい、経口投与に適した剤形に製剤化することができる。そのような担体により、本発明の化合物を、治療を受ける患者が経口摂取できるように、錠剤、ピル、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などの剤形に製剤化することができる。これらの担体は糖類、デンプン、セルロースおよびその誘導体、モルト、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝液、乳化剤、等張生理食塩水、および発熱物質を含まない水から選択してもよい。
非経口投与のための薬学的製剤としては、水溶性形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。さらに、活性化合物の懸濁液を、適当な油状注射懸濁液として調製してもよい。適した親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、または合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランのような懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでもよい。任意で、懸濁液はまた、適した安定化剤、または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含んでもよく、高濃度の溶液の調製が可能となる。
経口用途のための薬学的調製物は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、任意で、得られた混合物を粉砕し、所望であれば、適した助剤を添加した後、顆粒混合物を処理し、錠剤または糖衣錠コアを得ることにより、得られる。適した賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などのフィラー;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)である。望ましい場合、崩壊剤を添加してもよく、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。そのような組成物は、任意の薬学的方法により調製してもよく、しかしながら、全ての方法は、1つまたは複数の上記で記述したような治療薬を、1つまたは複数の必要成分を構成する担体と一緒にする段階を含む。一般に、本発明の薬学的組成物は、それ自体公知の様式で、例えば、従来の混合、溶解、粉砕、糖衣錠形成、ゲル状化、乳化、被包、封入、または凍結乾燥過程により製造してもよい。
糖衣錠コアには適したコーティングが提供される。このため、濃糖溶液を使用してもよく、これは任意で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適した有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい。識別のために、または活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに染料または顔料を添加してもよい。
経口で使用することができる調合薬としては、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトール製のソフト密閉カプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは活性成分を、ラクトースなどのフィラー、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意で酸化剤との混合物として含むことができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は適した液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適した液体中に溶解また懸濁させてもよい。さらに、安定化剤を添加してもよい。
本発明の活性化合物の剤形はまた、特にこのために設計された注入もしくはインプラント制御放出装置、または付加的にこのように作用するように改良された他の型のインプラントを含んでもよい。本発明の活性化合物の制御放出は、本発明の化合物を、例えば、アクリル樹脂、蝋、高級脂肪族アルコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸を含む疎水性ポリマー、ならびにある特定のセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースによりコーティングすることにより達成してもよい。さらに、制御放出は、他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いて達成してもよい。制御放出はまた、経皮パッチ、特に一酸化窒素供与体の放出速度がコポリマー放出膜により制御される、または一酸化窒素供与体が公知の速度で溶解する生物分解性マトリクス中に包埋されている経皮パッチを用いて達成してもよい。薬物を公知の速度で徐放送達および持続送達することができる経皮パッチは当技術分野では公知である。
本発明の化合物は、治療される疼痛の重篤度、疼痛が慢性かどうか、または疼痛の再発の可能性があると考えられるかどうか、などを含む複数の因子に基づき、数時間、数日、数週間、または数ヶ月の期間にわたり、投与される可能性がある。投与は一定であってもよく、例えば、数時間、数日、数週間、数ヶ月などの期間にわたり、一定注入される。または、投与は断続的であってもよく、例えば、活性化合物は1日に1回、数日間にわたり、1時間に1回、数時間にわたり投与されてもよく、または適していると考えられる任意の他のそのような計画であってもよい。
本発明の組成物はまた、噴霧器用の鼻内または肺吸入エアロゾルまたは溶液として、吹送用の超微粒粉末として、単独でもしくはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、または他の薬学的に許容される賦形剤と共に、気道に投与される可能性がある。そのような場合、製剤の粒子は50μm未満の直径を有することが好都合であり、10μm未満が適している可能性がある。
本発明を容易に理解し、実際の効果を生じさせるために、特に好ましい態様について、下記の非制限的実施例により説明する。
実施例
実施例1
モルヒネコンジュゲート(2)の調製
ニトラト酢酸(1)
Figure 2008525321
乾燥アセトン5mlに溶解したクロロ酢酸(1.89g、20mmol)の溶液に、乾燥アセトン10mlに溶解したNaI(30mmol、4.5g)の溶液を添加し、混合物を還流しながら、1時間加熱した。その後、溶媒を除去し、残渣を水10mlで処理した。混合物をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出し、有機相を合わせ、塩類溶液、飽和Na2S2O3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空で除去すると、2.8gの黄色固体が得られ、これをさらに精製せずに使用した。
固体を乾燥アセトニトリル10mlに溶解し、アセトニトリル20mlに溶解したAgNO3(5.1g、30mmol)の溶液を添加した。混合物を室温で一晩中撹拌すると、黄色沈殿が形成した。この混合物に塩類溶液10mlを添加し、混合物を濾過して除去した。濾液をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出し、有機相を合わせ、塩類溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空で除去すると、黄色固体が得られた(1.45g、12mmol、60%)。
Figure 2008525321
モルヒネコンジュゲート(2)
Figure 2008525321
ニトラト酢酸(64mg、0.53mmol)を無水クロロホルム40mlに溶解し、新たに調製した遊離モルヒネ塩基(150mg、0.53mmol)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(109mg、0.53mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。混合物を70℃まで10時間加熱した。その後、追加部分のニトラト酢酸(64mg)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(109mg)を添加した。加熱を6時間続けた。その後、混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空で除去した。残渣を水(20ml)で処理し、20分間撹拌した。その後、沈殿を濾過して除去し、水(2×10ml)で洗浄した。水溶液を真空で濃縮すると120mg(0.31mmol、59%)の(2)が褐色固体として得られた。
実施例2
モルヒネ-酸化物コンジュゲート5の調製
(a)モルヒネ
Figure 2008525321
モルヒネ塩酸塩三水和物(1.5g)を最小量の水(RO型)(〜20mL)に溶解し、これに、十分な飽和炭酸水素ナトリウムを添加しモルヒネを沈殿させた。モルヒネ3を真空濾過により収集し、蒸留水(20mL)、続いて少量の冷ジエチルエーテル(5mL)で洗浄した。アルミ箔で遮光した白色固体を高真空下(0.01mmHg)に3時間置いた。
(b)5-ニトラト吉草酸
Figure 2008525321
標題化合物をEP 0 984 012 A2(K.M.Lundy, M.T.Clark)の手順に従い調製した。簡単に言うと、硝酸銀(23.48g、0.153mol)を高真空(0.01mmHg)下、予め乾燥させ、その後、アルゴン雰囲気下、無水アセトニトリル(70mL)に溶解した。溶液を50℃まで温め、5-ブロモ吉草酸(5g、0.028mol)[無水アセトニトリル(3mL)に溶解]をシリンジによりすぐに添加した。即時に沈殿が形成した。混合物をその後80℃で20分間加熱した。冷却し、沈殿(AgBr)を濾過により除去した。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルと水の間で分配させた。酢酸エチル層をその後水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、さらに真空下(0.01mmHg)で乾燥させた。標題化合物をさらに精製せずに使用した。
(c)モルヒネNO供与体
Figure 2008525321
新たに調製したモルヒネ3(500mg、1.75mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(362mg、1.75mmol)、および5-ニトラト吉草酸4(286mg、1.75mmol)をアルゴン雰囲気下、無水クロロホルム(90mL)に溶解した。混合物を12時間還流させ、冷却させた。追加のジシクロヘキシルカルボジイミド(362mg、1.75mmol)、および5-ニトラト吉草酸(286mg、1.75mmol)を添加し、6時間還流を続けた。冷却すると、溶媒を真空で除去し、残渣を温めた酢酸エチル/メタノール(6:4)(〜5mL)溶液に溶解し、濾過し、N,N-ジシクロヘキシル尿素を除去した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール;6:4)にかけると、モルヒネ誘導体5が淡黄色固体として得られる(600mg、80%)。
Figure 2008525321
モルヒネNO供与体5の酒石酸塩
上記化合物5(300mg、0.697mmol)を水(RO型)(15mL)に懸濁させ、酒石酸(105mg、0.697mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後、ジメチルスルホキシド(ARグレード)(15mL)を添加した。得られた溶液を-20℃で保存した。
実施例3
モルヒネ-一酸化窒素コンジュゲート7の調製
5-ニトラトバレロイルクロリド
Figure 2008525321
標題化合物を、EP 0 984 012 A2(K.M.Lundy, M.T.Clark)の手順に従い調製した。簡単に言うと、5-ニトラト吉草酸(13.34g、0.082mol)を高真空(0.01mmHg)下、予め乾燥させ、その後、アルゴ雰囲気下、無水ジクロロメタン(200mL)に溶解した。これに五塩化リン(17.03g、0.082mol)を少しずつ2分にわたり添加した。混合物を15時間室温で撹拌した。溶媒および過剰の塩酸を真空で除去し、残渣を無水トルエンに溶解した。その後、トルエンを、アルゴン下、大気圧で蒸留させることにより90%除去した。[警告:蒸留により完全にトルエンを除去させてはいけないが、これは自然に爆発的分解が起きるためである]トルエンは、オキシ塩化リンの除去に不可欠である。トルエン酸塩化物混合物をさらに精製せずに使用した。
モルヒネNO供与体
Figure 2008525321
モルヒネ塩酸塩三水和物(50mg、0.133mmol)および5-ニトラトバレロイルクロリド6(169mg、0.931mmol)を一緒にストレートで135℃で、7分間加熱すると、均一混合物が得られた。冷却すると、液体をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)を含む分液漏斗に移した。数回洗浄した後、有機層を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、グラジエント)にかけると、モルヒネNO供与体7が褐色油として得られた。
Figure 2008525321
実施例4
オキシコドン-一酸化窒素コンジュゲート9の調製
オキシコドン
Figure 2008525321
オキシコドン塩酸塩(1.5g)を、最小量の水(RO型)(〜20mL)に溶解し、これに、十分な飽和炭酸水素ナトリウムを添加し、溶液のpHを約11まで上昇させ、オキシコドンを沈殿させた。オキシコドン8を真空濾過により収集し、蒸留水(20mL)により、続いて少量の冷ジエチルエーテル(5mL)により洗浄した。白色固体を、アルミニウム箔で遮光し、高真空下(0.01mmHg)に3時間置いた。
オキシコドンNO供与体
Figure 2008525321
新たに調製したオキシコドン8(500mg、1.59mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(327mg、1.59mmol)、および5-ニトラト吉草酸4(259mg、1.59mmol)をアルゴン雰囲気下、無水クロロホルム(90mL)に溶解した。混合物を12時間還流させ、冷却させた。追加のジシクロヘキシルカルボジイミド(327mg、1.59mmol)、および5-ニトラト吉草酸(259mg、1.59mmol)を添加し、6時間還流を続けた。冷却すると、溶媒を真空で除去し、残渣を温めた酢酸エチル(〜5mL)溶液に溶解し、濾過し、N,N-ジシクロヘキシル尿素を除去した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール;グラジエント)にかけると、誘導体9が淡黄色固体として得られた。
オキシコドン-一酸化窒素コンジュゲートの酒石酸塩
上記化合物9(300mg、0.651mmol)を水(RO型)(15mL)に懸濁させ、酒石酸(98mg、0.651mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後、ジメチルスルホキシド(ARグレード)(15mL)を添加した。得られた溶液を-20℃で保存した。
実施例5
テイルフリック潜時試験(Tail Flick Latency Test)を用いた抗侵害受容応答の評価
動物
大人の雄のSprague-Dawleyラット(225〜250g)をHerston Medical Research Centre, The University of Queensland(Brisbane、Australia)大学から購入し、大人の雄のSprague-DawleyラットをCentral Animal Breeding House, The University of Queensland(Brisbane、Australia)大学から購入した。ラットを温度制御した環境(21±2℃)において、12h/12hの明/暗サイクルを用いて飼育した。餌および水は無制限とした。この研究に対する倫理的認可は、Queensland大学の動物実験倫理委員会から取得した。
試薬および材料
モルヒネ塩酸塩粉末(B.P.)をRoyal Brisbane Hospital Pharmacy(Brisbane, Australia)から購入した。標準の生理食塩水アンプルをDelta West Pty Ltd(Perth, Australia)から入手し、医療グレードのCO2およびO2をBOC Gases Ltd(Brisbane, Australia)から購入した。
保存液の調製
化合物(2)およびモルヒネHClの保存液を、標準生理食塩水中で調製し、それぞれ、最終濃度10μmol/mLおよび35μmol/mLを達成した。保存液のアリコートを-20℃で必要になるまで保存した。
薬物投与
O2:CO2の50%:50%混合物で軽く麻酔をしている間に、ラット群に、(2)(0.04nmol/kg)、モルヒネ(2.8μmol/kg[?ED20]、10μmol/kg)の単一ボーラス用量、または2つの組み合わせのいずれかを、皮下(s.c.)経路を介して投与した。抗侵害受容性を、6時間の投与後期間にわたり、テイルフリック試験を用いて定量した。
テイルフリック潜時試験を用いた抗侵害受容応答の評価
テイルフリック潜時試験を用いてラットにおいて抗侵害受容性を定量した(D’Amour and Smith, 1941, J. Pharmacol. Exp. and Ther., 72:74-79)。これには、ラットの尾の腹側表面の下部3分の1への有害な熱刺激の適用が含まれた。薬物投与前に、ベースラインテイルフリック応答を5分間隔で、±1s以内にある3つのベースライン潜時値が得られるまで測定した(ほとんどのラットにおいて3つの読み取りのみが必要であり、いずれのラットでも必要となったのは5つにすぎなかった)。9.0sの最大テイルフリック潜時を使用して、ラットテイルへの組織損傷を最小に抑えた。テイルフリック試験は下記時間で実施した:投与前、投与後0.08、0.25、0.5、0.45、1、1.5、2、3、4、6時間)。
データ解析
各ラットから獲得した生のテイルフリック潜時値を、最大可能効果のパーセンテージに変換することにより正規化した(%MPE;Brady and Holtzmann, Pharmacol. Exp. Ther., 1982, 222:190-7):
Figure 2008525321
*ここで、最大テイルフリック潜時は9.0sである。
抗侵害受容性レベル(%MPE値)を、時間に対しプロットし、応答(%MPE)対時間曲線を作成した。
MPE対時間曲線下面積の割合(%)(%MPE AUC)を、台形積分を用いて計算した。
統計分析
Mann-Whitney試験を使用して、処置群間の正規化%MPE AUC値の差を比較した。統計分析をGraphPad Prism(商標)(バージョン3)ソフトウエアパッケージを用いて始め、統計的有意性基準をP<0.05とした。
有害熱刺激に対する化合物2の抗侵害受容効力
化合物2(実施例1より)の単独の、およびモルヒネと組み合わせた抗侵害受容効力を、未処置ラットの尾に対する有害熱(加熱)刺激の適用(テイルフリック試験)を含む、ラットの急性疼痛モデルを用いて評価した(図1)。小さなs.c.ボーラス用量の2(0.04nmol/kg)を〜ED20のモルヒネ(2.8μmol/kg)と組み合わせて投与した後、最大疼痛緩和(抗侵害受容性)が、投与後45分で発生し、作用期間は3〜4時間であった。対照的に、単一のs.c.ボーラス用量の2(0.04nmol/kg)またはモルヒネ(2.8μmol/kg)を単独でラットに投与すると、抗侵害受容性のピークレベルは非常に低く、つまり、それぞれ、最大可能効果(%MPE)の14%および21%であり、対応する作用期間は1.5〜2時間の範囲でかなり短かった(図1)。これらの結果から、まとめると、この低用量の2(0.04nmol/kg)をモルヒネと同時投与すると、抗侵害受容性の程度および期間が大きく増加し、これは、鎮静などのCNS副作用の同時増加を伴わずに起きた。
本明細書で引用した全ての特許、特許出願および公開の開示は、参照により、その全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書のいずれの参考文献の引用も、そのような参考文献が、本出願の「先行技術」として利用できることを承認するものと考えるべきではない。
明細書全体を通して、本発明の好ましい態様を記述することを目的とし、本発明をいずれか1つの態様または特徴の特定の集合に限定するものではない。そのため、当業者であれば、本開示内容に鑑みて、本発明の範囲から逸脱せずに、例示した特別の態様において様々な改変および変更をすることが可能であることを認識すると思われる。そのような改変および変更は全て、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
未処置ラットにおける侵害刺激に対するモルヒネの抗侵害受容効力を示すグラフである。10μmol/kgで投与した1回の皮下(s.c.)大量瞬時用量のモルヒネ(白三角)により、テイルフリック試験を使用すると、1時間で、有害熱刺激から最大に近い疼痛緩和が提供される。ED20用量のモルヒネ(2.8μmol/kg s.c.)では(黒三角)、最大疼痛緩和効果の20%しか得られない。0.04nmol/kg s.c.用量の、徐放性一酸化窒素供与体、化合物2と併用して投与した、ED20用量のモルヒネ(2.8μmol/kg s.c.)では、1時間以内に最大疼痛緩和が生じる(白ひし形)が、化合物2単独の投与(0.04nmol/kg s.c.)では、有意の疼痛緩和は提供されない(黒ひし形)。

Claims (31)

  1. 被験体に有効量の一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法であって、有効量の一酸化窒素供与体は、0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する、方法。
  2. 一酸化窒素供与体が、持続放出製剤に製剤化される、請求項1記載の被験体において鎮痛作用を生じさせる方法。
  3. 一酸化窒素供与体が、徐放性一酸化窒素供与体である、請求項1記載の被験体において鎮痛作用を生じさせる方法。
  4. 一酸化窒素供与体の有効量が0.004nmol/kg〜0.4nmol/kgの範囲である、請求項3記載の被験体において鎮痛作用を生じさせる方法。
  5. オピオイド鎮痛薬の有効量が鎮痛未満量(sub-analgesic amount)である、請求項1記載の被験体において鎮痛作用を生じさせる方法。
  6. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および鎮痛未満量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法。
  7. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法であって、一酸化窒素供与体はNO+またはNO-の形態の一酸化窒素を放出する、方法。
  8. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、被験体において鎮痛作用を生じさせる方法であって、一酸化窒素供与体はニトロソチオールの内因性産生を増強する、方法。
  9. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、鎮痛作用を生じさせる方法であって、一酸化窒素供与体はペルオキシナイトライトの内因性産生を減少させる、方法。
  10. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、鎮痛作用を生じさせる方法であって、一酸化窒素供与体はペルオキシナイトライトの内因性産生よりも多いニトロソチオールの内因性産生を引き起こす、方法。
  11. オピオイド鎮痛薬が、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、コデイン、ヒドロコデイン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、ヘロイン、モルヒネ-6-グルクロニド、レバロルファン、6-モノアセチルモルヒネ、およびトラマドールから選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 徐放性一酸化窒素供与体が、リンカーにより担体化合物に結合されたニトラト基を含む、請求項3〜10のいずれか一項記載の方法。
  13. 徐放性一酸化窒素供与体が、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項3〜10のいずれか一項記載の方法:
    Figure 2008525321
    式中、
    R1はOH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R2およびR3はそれぞれHであるか、または一緒に-O-となり;
    R4はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    であり、かつR5はHであるか、あるいはR4およびR5は一緒にオキソ基を形成し;
    R6はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、-NC1〜6アルキル、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R7はC1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C1〜20アルキルCO、C1〜20アルキルSO、C1〜20アルキルSO2、アリール、アリールオキシ、アリールSO2、アリールSO、アリールCO、N(R8)2、(R8)2NCOから選択され;
    各R8は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニルまたはアリールから独立して選択され、
    各Rは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜20アルコキシ、アリールオキシ、C2〜20アルケニルオキシ、C2〜20アルキニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜20アルキルチオール、C2〜20アルケニルチオール、C2〜20アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2R’、SOR’、SO2R’、SO3R’、SON(R’)2、SO2N(R’)2、SO3N(R’)2、CON(R’)2、N(R’)2、P(R’)3、P(=O)(R’)3、Si(R’)3、B(R’)2C1〜20アルキル、CN、CF3またはNO2から独立して選択され、式中、各R’はH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリールおよびヘテロシクリルから独立して選択され;
    mは0または1〜10の整数であり;
    nは1〜10の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R1、R4およびR6の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  14. 徐放性一酸化窒素供与体が、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項13記載の方法:
    Figure 2008525321
    式中、
    R10はOH、OCH3、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R40は-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され、かつR50はHであるか、あるいはR40およびR50は一緒にオキソ基を形成し;
    R60はHあるいは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R70はC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルCO、C1〜6アルキルSO、C1〜6アルキルSO2、フェニル、フェノキシ、フェニルSO、フェニルSO2、フェニルCO、N(R80)2および(R80)2NCOから選択され;
    各R80は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはアリールから独立して選択され、
    各Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C2〜6アルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜6アルキルチオール、C2〜6アルケニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2H、CO2C1〜6アルキル、SOC1〜6アルキル、SO2C1〜6アルキル、SO3H、SO3C1〜6アルキル、SONH2、SONHC1〜6アルキル、SON(C1〜6アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC1〜6アルキル、SO2N(C1〜6アルキル)2、CONH2、CONHC1〜6アルキル、CON(C1〜6アルキル)2、NH2、NHC1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、CN、CF3またはNO2から独立して選択され;
    uは0または1〜5の整数であり;
    vは1〜5の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R10、R40およびR60の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  15. 徐放性一酸化窒素供与体が下記からなる群より選択される、請求項3〜14のいずれか一項記載の鎮痛作用を生じさせる方法:
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
  16. 有効量の一酸化窒素供与体および有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、疼痛を緩和する方法であって、一酸化窒素供与体は徐放性一酸化窒素供与体であるか、または0.0002nmol/kg/時間〜2.0nmol/kg/時間の速度で一酸化窒素を送達する持続放出製剤に製剤化される、方法。
  17. 有効量の徐放性一酸化窒素供与体または一酸化窒素供与体の持続放出製剤、および鎮痛未満量のオピオイド鎮痛薬を投与する段階を含む、疼痛を緩和する方法。
  18. オピオイド鎮痛薬が、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、コデイン、ヒドロコデイン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、ヘロイン、モルヒネ-6-グルクロニド、レバロルファン、6-モノアセチルモルヒネ、およびトラマドールから選択される、請求項16または17記載の方法。
  19. 徐放性一酸化窒素供与体が、リンカーにより担体化合物に結合されたニトラト基を含む、請求項16〜18のいずれか一項記載の方法。
  20. 徐放性一酸化窒素供与体が、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項16〜19のいずれか一項記載の方法:
    Figure 2008525321
    式中、
    R1はOH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R2およびR3はそれぞれHであるか、または一緒に-O-となり;
    R4はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    であり、かつR5はHであり、あるいはR4およびR5は一緒にオキソ基を形成し;
    R6はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、-NC1〜6アルキル、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R7はC1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C1〜20アルキルCO、C1〜20アルキルSO、C1〜20アルキルSO2、アリール、アリールオキシ、アリールSO2、アリールSO、アリールCO、N(R8)2、(R8)2NCOから選択され;
    各R8は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニルまたはアリールから独立して選択され、
    各Rは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜20アルコキシ、アリールオキシ、C2〜20アルケニルオキシ、C2〜20アルキニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜20アルキルチオール、C2〜20アルケニルチオール、C2〜20アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2R’、SOR’、SO2R’、SO3R’、SON(R’)2、SO2N(R’)2、SO3N(R’)2、CON(R’)2、N(R’)2、P(R’)3、P(=O)(R’)3、Si(R’)3、B(R’)2C1〜20アルキル、CN、CF3またはNO2から独立して選択され、式中、各R’はH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリールおよびヘテロシクリルから独立して選択され;
    mは0または1〜10の整数であり;
    nは1〜10の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R1、R4およびR6の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  21. 徐放性一酸化窒素供与体が、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項20記載の方法:
    Figure 2008525321
    式中、
    R10はOH、OCH3、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R40は-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され、かつR50はHであるか、あるいはR40およびR50は一緒にオキソ基を形成し;
    R60はHあるいは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R70はC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルCO、C1〜6アルキルSO、C1〜6アルキルSO2、フェニル、フェノキシ、フェニルSO、フェニルSO2、フェニルCO、N(R80)2および(R80)2NCOから選択され;
    各R80は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
    各Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C2〜6アルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜6アルキルチオール、C2〜6アルケニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2H、CO2C1〜6アルキル、SOC1〜6アルキル、SO2C1〜6アルキル、SO3H、SO3C1〜6アルキル、SONH2、SONHC1〜6アルキル、SON(C1〜6アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC1〜6アルキル、SO2N(C1〜6アルキル)2、CONH2、CONHC1〜6アルキル、CON(C1〜6アルキル)2、NH2、NHC1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、CN、CF3またはNO2から独立して選択され;
    uは0または1〜5の整数であり;
    vは1〜5の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R10、R40およびR60の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  22. 徐放性一酸化窒素供与体が下記からなる群より選択される、請求項16〜21のいずれか一項記載の鎮痛作用を生じさせる方法:
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
  23. 疼痛が、中程度〜重度の癌疼痛、中程度〜重度の術後疼痛、身体的外傷後の疼痛、心筋梗塞に関連する疼痛、および炎症性疼痛からなる群より選択される、請求項16〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩:
    Figure 2008525321
    式中、
    R1はOH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R2およびR3はそれぞれHであるか、または一緒に-O-となり;
    R4はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    であり、かつR5はHであるか、あるいはR4およびR5は一緒にオキソ基を形成し;
    R6はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、または-O-、-S-、-NH-、-NC1〜6アルキル、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R7はC1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C1〜20アルキルCO、C1〜20アルキルSO、C1〜20アルキルSO2、アリール、アリールオキシ、アリールSO2、アリールSO、アリールCO、N(R8)2、(R8)2NCOから選択され;
    各R8は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
    各Rは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜20アルコキシ、アリールオキシ、C2〜20アルケニルオキシ、C2〜20アルキニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜20アルキルチオール、C2〜20アルケニルチオール、C2〜20アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2R’、SOR’、SO2R’、SO3R’、SON(R’)2、SO2N(R’)2、SO3N(R’)2、CON(R’)2、N(R’)2、P(R’)3、P(=O)(R’)3、Si(R’)3、B(R’)2C1〜20アルキル、CN、CF3またはNO2から独立して選択され、式中、各R’はH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリールおよびヘテロシクリルから独立して選択され;
    mは0または1〜10の整数であり;
    nは1〜10の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R1、R4およびR6の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  25. 式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項24記載の化合物:
    Figure 2008525321
    式中、
    R10はOH、OCH3、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R40は-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され、かつR50はHであるか、あるいはR40およびR50は一緒にオキソ基を形成し;
    R60はHあるいは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R70はC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルCO、C1〜6アルキルSO、C1〜6アルキルSO2、フェニル、フェノキシ、フェニルSO、フェニルSO2、フェニルCO、N(R80)2および(R80)2NCOから選択され;
    各R80は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
    各Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C2〜6アルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜6アルキルチオール、C2〜6アルケニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2H、CO2C1〜6アルキル、SOC1〜6アルキル、SO2C1〜6アルキル、SO3H、SO3C1〜6アルキル、SONH2、SONHC1〜6アルキル、SON(C1〜6アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC1〜6アルキル、SO2N(C1〜6アルキル)2、CONH2、CONHC1〜6アルキル、CON(C1〜6アルキル)2、NH2、NHC1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、CN、CF3またはNO2から独立して選択され;
    uは0または1〜5の整数であり;
    vは1〜5の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R10、R40およびR60の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  26. 下記からなる群より選択される、請求項24記載の化合物:
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
  27. 式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む薬学的組成物:
    Figure 2008525321
    式中、
    R1はOH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R2およびR3はそれぞれHであるか、または一緒に-O-となり;
    R4はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    であり、かつR5はHであるか、あるいはR4およびR5は一緒にオキソ基を形成し;
    R6はH、OH、OC1〜6アルキル、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、または-O-、-S-、-NH-、-NC1〜6アルキル、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R7はC1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C1〜20アルキルCO、C1〜20アルキルSO、C1〜20アルキルSO2、アリール、アリールオキシ、アリールSO2、アリールSO、アリールCO、N(R8)2、(R8)2NCOから選択され;
    各R8は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
    各Rは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜20アルコキシ、アリールオキシ、C2〜20アルケニルオキシ、C2〜20アルキニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜20アルキルチオール、C2〜20アルケニルチオール、C2〜20アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2R’、SOR’、SO2R’、SO3R’、SON(R’)2、SO2N(R’)2、SO3N(R’)2、CON(R’)2、N(R’)2、P(R’)3、P(=O)(R’)3、Si(R’)3、B(R’)2C1〜20アルキル、CN、CF3またはNO2から独立して選択され、式中、各R’はH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、アリールおよびヘテロシクリルから独立して選択され;
    mは0または1〜10の整数であり;
    nは1〜10の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R1、R4およびR6の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  28. 式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項27記載の薬学的組成物:
    Figure 2008525321
    式中、
    R10はOH、OCH3、-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R40は-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され、かつR50はHであるか、あるいはR40およびR50は一緒にオキソ基を形成し;
    R60はHまたは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    から選択され;
    --------------は単結合または二重結合を示し;
    XはOまたはSを示し;
    YはO、S、SO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    ZはSO、SO2、CO、CONH、CO2、NHまたはNC1〜6アルキルを示し;
    Aは下記を示し:
    Figure 2008525321
    式中、Wは存在しないか、あるいは-O-、-S-、-NH-、
    Figure 2008525321
    から選択され;
    R70はC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルCO、C1〜6アルキルSO、C1〜6アルキルSO2、フェニル、フェノキシ、フェニルSO、フェニルSO2、フェニルCO、N(R80)2および(R80)2NCOから選択され;
    各R80は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたはアリールから独立して選択され;
    各Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C2〜6アルケニルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、チオール、C1〜6アルキルチオール、C2〜6アルケニルチオール、アリールチオール、ヘテロシクリルチオール、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アシル、アシルオキシ、CO2H、CO2C1〜6アルキル、SOC1〜6アルキル、SO2C1〜6アルキル、SO3H、SO3C1〜6アルキル、SONH2、SONHC1〜6アルキル、SON(C1〜6アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC1〜6アルキル、SO2N(C1〜6アルキル)2、CONH2、CONHC1〜6アルキル、CON(C1〜6アルキル)2、NH2、NHC1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、CN、CF3またはNO2から独立して選択され;
    uは0または1〜5の整数であり;
    vは1〜5の整数であり;および
    tは0または1〜4の整数であり;
    R10、R40およびR60の少なくとも1つは-O-A-X-NO2
    Figure 2008525321
    である。
  29. 下記からなる群より選択される化合物を含む、請求項27記載の薬学的組成物:
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
    Figure 2008525321
  30. オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項27〜29のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  31. オピオイド鎮痛薬が、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、コデイン、ヒドロコデイン、ヒドロコドン、レボルファノール、メペリジン、ヘロイン、モルヒネ-6-グルクロニド、レバロルファン、6-モノアセチルモルヒネ、およびトラマドールから選択される、請求項30記載の薬学的組成物。
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