JP2008523055A - 熱ショックタンパク質(hsp)および上室性不整脈 - Google Patents

熱ショックタンパク質(hsp)および上室性不整脈 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学、分子生物学および医学の分野に関する。より具体的には、本発明は、上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防または遅延または低減する方法に関する。本発明は、心臓細胞における少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、例えば、HSP27またはその機能的等価物HSP25の量を増加する段階を含む、上室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を予防、遅延または低減する方法を提供する。

Description

本発明は、生物学、分子生物学および医学の分野に関する。より具体的には、本発明は、上室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防または遅延または低減する方法に関する。
心房細動(AF)は、時間が経つにつれてより持続性となる傾向を持つ最も一般的な心不整脈である1。AFの自己永続化(self-perpetuation)の基礎をなす機序を探求する最近の研究により、主に筋細胞ストレスを誘導し、その結果電気的活性化パターンの不均一性2〜10と収縮性機能の欠失11〜15とをもらたす、AF時の早い速度の筋細胞の活動が示された。不整脈が続くと、AFは、AFの収縮性機能不全および脆弱性に最も重大である、構造レベルの変化、主として筋変性を誘導する6;12;16〜19
筋変性は、筋原線維構造の破壊12;13;20が特徴であり、虚血性ストレス21および低酸素22などの様々な型の細胞ストレスの後に観察される。筋細胞は、筋原線維の構造破壊によって非機能的な表現型に変わり、筋変性に至り、結果として収縮性機能不全になる。
AFのような、上室性不整脈によって誘導される、心臓細胞に対する悪化させる/負の効果を防ぐ、遅延するまたは低減する方法および薬学的組成物を開発することが本発明の目的である。このような方法おいておよび/または薬学的組成物において使用可能である薬剤を開発するおよび/または同定することが本発明のもう1つの目的である。
本発明者らは、発作性AFを有する患者において、熱ショックタンパク質27(HSP27;齧歯類においてHSP25と呼ばれることが多い)および熱ショックタンパク質70(HSP70)の発現の増加があることをここで初めて開示する。本発明者らは、続いて本発明者らの研究をAFのためのインビトロのぺーシングされる(paced)細胞モデル28および急速な心房ぺーシングをしている(pacing)インビボイヌモデルにまで拡張した。本発明は、HSP、特にHSP27の誘導が、ぺーシング誘導性筋変性およびぺーシングされる細胞における電気的変化を減衰するが、イヌモデルにおけるGGAによるHSPの誘導が心房の電気的リモデリングを強く減衰することを開示している。
従って、第1の態様において、本発明は、心臓細胞における少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/または機能的断片の量を増加する段階を含む、上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する方法を提供する。
熱ショックタンパク質(HSP)は、シャペロンの1グループである。心血管生物学におけるHSPの主要クラスは、HSP110、HSP90、HSP70、低分子HSP(HSP27など)、雑多(HSP47またはHSP40など)およびHSP60である。これらのHSPには、心臓肥大、血管壁傷害および虚血プレコンディショニングのような状態においてそれらの臨床的関係について試験されたものもある。相当な量の文献が、虚血によるHSP70の誘導、虚血プレコンディショニングにおけるHSP70の潜在的な役割、および動物モデルにおける虚血または熱プレコンディショニングによって誘導されるHSP70の発現と梗塞の大きさとの間の反比例の相関関係を説明している。これらの刊行物における焦点は、心室状態およびHSPである。
上室性(supraventricular)不整脈は、本明細書において心室上方から生じる不整脈として定義される。「上の(supra)」とは、上方(above)を意味し、ならびに「心室の(ventricular)」とは、心臓の下方の空間(心室)を意味する。
好ましくは、本明細書による方法は、結果として心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する。心臓細胞に対する(目に見える)損傷がまだ生じていない場合、予防は可能である。この場合、HSPをこのような細胞に与えることによって、損傷(例えば筋変性または電気的リモデリング)は、好ましくは完全に阻止される。心臓細胞が、上心室性不整脈によって誘導されるような(目に見える)損傷をいくらかすでに有している場合、低減は可能である。この場合、(目に見える)損傷は、低減され、好ましくは完全に止められる。損傷がすでにあるまたは損傷がない場合、遅延は可能である。好ましくは、遅延は(さらに)(目に見える)損傷ができるだけ長く先に延ばすようなものである。
HSPタンパク質の断片は、本明細書においてHSPタンパク質のN末端におけるもしくはC末端における欠失または内部の一部の欠失またはこれら候補となるものの任意の組み合わせを含むHSP分子の断片として定義される。しかしながら、断片は機能的でならなければならず、すなわち、それは、上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を予防、遅延または低減できなければならない。等価物は、本明細書において、結果として生じるHSPが元のHSPに比べて変異(挿入、点変異)を含むように、アミノ酸配列が改変/変異導入されている変異HSPとして定義されるが、この場合もまた、このような変異体は機能的でならなければならず、すなわち、それは上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を予防、遅延または低減できなければならない。さらに、機能的等価物という用語もまた、その他の起源由来のHSPを含み、すなわちHSP27(ヒト起源由来)がHSP25(ハツカネズミ起源由来)の機能的等価物またはその逆である。さらに、機能的断片および/または機能的等価物の性質は、本質的に同じものであるが、必ずしも量は同じではない。免疫系(例えば抗体形成)の活性化を回避するために、治療における種特異的なHSPを用いることが好ましい。例えばHSPがヒトの心臓手術時に注入される場合には、好ましくはHSPは、ヒト起源である、もしくはヒト化される、またはヒトHSPコード遺伝子が適切な発現/プロセシングを可能にする発現系において発現される。例えばマウスが遺伝子送達治療の助けを借りて治療される場合には、提供されたHSP遺伝子は好ましくはハツカネズミ起源であり、または非免疫原性HSPを発現するよう適合させられる。
好ましい態様において、本発明は、心臓細胞における少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/または機能的断片の量を増加する段階を含み、該HSPがHSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片である、上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する方法を提供する。本明細書で実験部内で開示されるように、HSP27の過剰発現は、ぺーシング誘導された筋変性の予防につながり、ならびに/または心臓細胞の筋細胞構造および/または電気的性質および/または収縮性機能を維持する。これにより、結果として少なくともある程度該心臓細胞に対する損傷を予防、遅延または低減する。HSP27様タンパク質の例にはHSP25がある。これもまた、免疫系の活性化(例えば抗体形成)を回避するために、治療に種特異的なHSPを用いることが好ましい。この場合、HSP25は、ヒトに適用する場合、好ましくはヒト化される。
本明細書で実験部内で開示されるように、少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片の量を心臓細胞において増加できる様々な方法がある。好ましい態様において、本発明は、心臓細胞において少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片の量を増加する段階を含み、該HSPが、該細胞にHSPコード遺伝子またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片をトランスフェクションすることによって該細胞において増加する、上心室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する方法を提供する。トランスフェクションは、例えば必要な遺伝子情報を骨髄細胞に送達することによって、一過性ならびに(より)永続的であることができる。別の好ましい態様において、HSP量は、該細胞にHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片を注入することによって、該細胞において増加する。さらに別の態様において、HSP量は該細胞にHSP量を増加できる薬剤を提供することによって該細胞において増加する。このような薬剤の例には、ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)がある。本明細書において実験部内に開示されるように、GGAによるHSP誘導は、ぺーシングされたイヌ心房において、ならびに培養細胞において電気的変化を妨げる。HSP量の増加はまた、適切な細胞の熱プレコンディショニングによって達成されることもできる。これは、例えば、開心術において必ず見られるような手術(後)AFを少なくともある程度予防するために実施される。HSP量の増加方法の選択が、環境に、例えば方法がインビボまたはインビトロで適用されるかどうかに依存することが明らかである。
さらに別の態様において、本発明は、心臓細胞における少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片の量を増加する段階を含み、上心室性不整脈が心房細動(AF)である、上心室性不整脈によって誘導される該心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する方法を提供する。本発明は、HSPの上方制御がAFの自己永続化/進行を予防または遅延するための治療目的であると示している。上心室性不整脈のその他の例には、心房性粗動、AV結節性再入頻脈または副伝導路による頻脈、例えばウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群がある。
本発明の方法によるHSPが増加する心臓細胞は、例えば内皮細胞、平滑筋細胞または繊維芽細胞である。好ましい態様において、本発明は、心臓細胞において少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片の量を増加する段階を含み、該細胞が心筋細胞である、上心室性不整脈によって誘導される該心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防、遅延または低減する方法を提供する。本発明による方法は、心臓細胞に対する損傷(または心臓細胞の変性;この用語は本明細書において互換的に用いられる)の予防、遅延または低減のために用いられ、好ましくは本発明による方法は、筋細胞リモデリングの予防または遅延または低減のために用いられる。心臓細胞に対する損傷または変性は、結果として上心室性不整脈を患っていない細胞と比較して心臓細胞の機能化が悪化する。この該心臓細胞の機能化の悪化は、例えば該細胞のより劣った収縮性能力につながる。好ましくは、本発明による方法の適用は、該細胞の適応および/または生存、すなわちリモデリングをもたらす。筋細胞のリモデリングの例には、電気生理学的変化またはタンパク質発現のプロファイルの変化またはイオンチャネル量の減少またはイオンチャネル機能における急速な変化もしくは心臓細胞の冬眠または心筋細胞の収縮性機能不全がある。該筋細胞のリモデリングの例には、筋変性または電気的リモデリングまたは収縮性リモデリングがある。筋変性は、筋原線維の破壊により、収縮性機能不全につながる、非機能的表現型に変化させる筋細胞の能力として定義される。
本発明による方法は、インビボならびにインビトロで適用することができる。インビボにおいてこの方法を非ヒト動物(モデル系)にまたはヒトに適用する。インビトロ法は、心臓細胞におけるHSP量を増加できると推測される化合物についての迅速なスクリーニングが可能である。このような(ハイスループット)インビトロ試験系のために、細胞(例えば心筋細胞)を、(種々)様々な可能性のある有効な化合物とともにインキュベートする。化合物とのインキュベーション後に、タンパク質を抽出し、HSPレベルを例えばウェスタンブロッティング法および/または免疫蛍光法によって決定する。化合物/薬剤の選択が成功した後、該薬剤を(より小さいまたはより大きい)動物モデルにおいて試験する。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも1つのHSPコード核酸またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片を含む、ならびに/または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/または機能的断片を含み、ならびに/または少なくとも1つのHSP量を少なくともある程度増加できる薬剤を含み、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤をさらに含む薬学的組成物を提供する。好ましい態様において、HSPがHSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/または機能的断片である。さらに別の好ましい態様において、該薬剤はGGA(またはその機能的等価物)である。別の好ましい態様において、該薬学的組成物は、多数の、例えば少なくとも2つ(またはそれ以上)の核酸を含み、この核酸のそれぞれが(ことによると異なる)HSPまたはその機能的等価物および/または機能的断片(または2つまたはそれ以上の、ことによると異なるHSPをコードする1つの核酸)を含む。本発明による薬学的組成物は、少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/または機能的断片を含み、この薬学的組成物は、例えば錠剤または流体として提供され、かつ公知の適切な組成物によって分解について任意で保護される。本発明による薬学的組成物は、様々な入口経路によって、例えば、経口的に、直腸的にまたは注射によって、経鼻的にまたは遺伝子治療によって提供されうる。
好ましい態様において、本発明による薬学的組成物は、少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/または機能的断片を含み、タンパク質送達系の一部を形成する。好ましい態様において、本発明は、少なくとも1つのHSPコード核酸またはその機能的等価物および/または機能的断片を含み、ならびに/または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/または機能的断片を含み、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤をさらに含み、該HSPコード核酸またはその機能的等価物および/または機能的断片は、遺伝子送達ビヒクルの一部である、薬学的組成物を提供する。遺伝子送達ビヒクルは、当業者において周知であり、よってさらに詳述は提供されない。遺伝子送達ビヒクルの例には、アデノウイルスによる遺伝子送達系またはセムリキ森林ウイルスによる遺伝子送達ベクターがある。
前記核酸は、前記動物のゲノムに組み込まれることができ、ならびに/または該動物において一過的に存在することができる。好ましくは、該核酸の転写および/または翻訳は、例えば外因性化合物に応答するまたはRAS、ナトリウム利尿ペプチド系または交感神経系のような、心臓病において活性化される内因性ホルモン系の刺激の増加に応答する配列によるなどの、シグナルによって制御される。該動物内部の該核酸の転写および翻訳は、結果として、例えばぺーシング誘導性筋変性を減弱できる、HSPまたはその機能的断片および/または機能的等価物を産生する。本明細書において用いられる場合、動物はヒトおよび/または非ヒト動物を含むことができる。
本発明の1つの局面において、DNAに基づくストラテジーにおけるHSPを含む治療は、特定の臓器のみ、好ましくは心臓を標的にする治療を含む。本発明の1つの態様において、HSP遺伝子構築物は、条件付き発現を導く。前記構築物のプロモーターは、心臓の状態を示す神経液性レベルの増加に反応する。
当然、当業者は、HSPまたはその機能的断片および/もしくは機能的等価物を、AFのような上心室性不整脈の進行を予防または遅延するための医用薬剤として用いる代替手法を十分選択できる。同様に、当業者は、医用薬剤の調製のためにHSPまたはその機能的断片および/もしくは機能的等価物を用いる代替方法を十分実施できる。
添加剤は、例えば投与を容易にするためにおよび/または該医用薬剤の安定性を増すために、該医用薬剤に添加してもよい。
HSP誘導物質のインビボ供与(dosing)の最適化の例として、以下のストラテジーが用いられる。第1の段階は、実験の最適時間ウィンドウを定めることを含む。この程度までは、誘導物質は、注射により動物へ投与されることになっている。使用用量は、例えば文献にまたは製造者によって記載される(他の適用について記載されるような)ものの2倍であると考えられる。心臓は、注射後のいくつかの時点、例えば、6時間、12時間、24時間および48時間において切除されることになっている。HSPの発現誘導は、様々なHSPのmRNAおよび/またはタンパク質レベルの測定によって調べられることになっている。次の一連の実験において、最適な供与は、以前決定されたような最適な時間ウィンドウを用いて評価されることになっている。動物は、文献にまたは製造者によって記載される(他の適用について記載されるような)最適用量の1/4で注射されることになっている。動物のそれぞれの次の群においては、供与は先の群と比較して2倍にすることになっている。誘導分析は、最適時間ウィンドウの決定について記載されるように実施されることになっている。
別の態様において、本発明は、上心室性不整脈の(インビトロ)治療のための、少なくとも1つのHSPタンパク質コード遺伝子またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSP量を少なくともある程度増加可能な薬剤の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、上心室性不整脈の治療のための医用薬剤の製造用の、少なくとも1つのHSPタンパク質コード核酸またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSP量を少なくともある程度増加可能な薬剤の使用を提供する。好ましい態様において、該HSPは、HSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片である。より好ましい該HSPタンパク質コード核酸またはその機能的等価物および/もしく機能的断片は、遺伝子送達ビヒクルの一部である。さらに別の態様において、該薬剤はGGAである。さらにより好ましい該上心室性不整脈は、心房細動である。このような医用薬剤を用いる治療によって、例えば心筋細胞における筋変性は、少なくともある程度予防、遅延または低減され、よってAFの自己永続化が破壊され、(さらに)心臓細胞に対する損傷が妨げられる。
方法および薬学的組成物は、例えば予防策として用いられる。例えば、一般に手術で、具体的には開心術において、患者は心房細動を経験するという高い危険性があり、結果として患者は心臓細胞に対する起こりうる損傷に直面する。患者が手術前および/または手術中および/または手術後に本発明による方法を用いて治療される、または本発明による薬学的組成物を用いて治療される場合、HSPタンパク質量は増加し、かつ患者は収縮性機能不全のような心臓の問題に苦しまない、またはこの問題に苦しむことがより少ないと考えられる。開心術中に、HSPを治療される領域に直接注入されることは、または治療される領域にHSPコード遺伝子を与えることはかなり容易である。
本発明による方法および/または薬学的組成物のさらに別の予防的な使用は、 洞調律に対する電気除細動(例えばオンデマンド式ペースメーカーによる)の成功を増すための、上心室性不整脈を患っている患者のHSPを用いたプレコンディショニングである。電気除細動の成功は、正常な律動および心房収縮性の回復につながり、従って抗凝固剤の中止(または少なくとも量を減らすこと)が可能となる。その結果、患者は、抗凝固剤の副作用の危険性、すなわち出血、特に卒中の危険性がもはやない。
本発明は、以下の記載においてより詳細に説明するが、本発明を限定するものではない。
実験部
材料と方法
患者
右心耳および/または左心耳(それぞれRAAおよびLAA)は、以前研究されたように6、PAF(n=8)またはCAF(n=9)を有し、付加的な根本的な心臓病および正常な左心室機能を有さない患者からの材料を含んだ(表1)。すべてのAF患者は、治療が難しいAFのためのMaze手術を受けた。AFの存在、種類および持続期間は、患者歴および以前の心電図に基づいて評価された。対照として、冠状動脈バイパス移植術を受けている、 洞調律が正常である患者からの付属器を用いた(CABG、n=8、表1)。治験審査委員会 (Institutional Review Board)は研究を許可し、患者は文書のインフォームドコンセントを与えた。
HL-1細胞培養条件、トランスフェクションおよび構築物
成体マウスの房から発達した、HL-1心房筋細胞29を、William Claycomb博士(Louisiana State University, New Orleans, LA, USA)より入手し、以前に記載のように培養した28
リポフェクタミン(Life technologies, The Netherlands)を製造者の説明書に従って一過的なトランスフェクションに用いた。pHSP70-YFPは、CMVプロモーター制御下でYFPに融合させた機能的なヒトHSP70をコードする。pHSP27は、CMVプロモーター制御下でヒトHSP27をコードする。
培養細胞におけるHSP発現のぺーシングおよび誘導
HL-1筋細胞(≧1×106 筋細胞)は、カバーガラス上で培養され、電界刺激(5Hz、1.5V/cm 電界強度; Grass S88刺激器)によって10倍の速度増加(急速なぺーシング)に供された28。培養筋細胞におけるHSP発現の上昇は、3通りで達成された:(I)43℃30分間の適度の熱ストレス、その後37℃一晩インキュベーションに供することによる、(II)ぺーシングの2時間前およびぺーシング時の0,1μMゲラニルゲラニルアセトン(GGA, M. Kawai, Japanより供与)とのインキュベーションによる、および(III)ぺーシングの24時間前のpHSP-YFPまたはpHSP27のトランスフェクションによる。
タンパク質抽出およびウェスタンブロット解析
ウェスタンブロット解析のために、凍結RAAおよびLAAを、以前記載されたように6タンパク質単離に用いた。HL-1筋細胞由来のタンパク質単離のために、SDS-PAGEサンプルバッファーを添加し、その後10% PAA-SDSゲルでの分離(1.105細胞/スロット)の前に超音波処理することによって細胞を溶解した。ニトロセルロースメンブレン(Stratagene, The Netherlands)への転写後、メンブレンをGAPDH(アフィニティー試薬, USA)、HSP25、HSP27、HSP40、Hsc70、HSP70またはHSP90(すべてStressGen Biotechnologies, Victoria, Canada)に対する一次抗体とともにインキュベーションした。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗マウス、抗ラット、または抗ラビットのIgG(Santa-Cruz Biotechnology, The Netherlands)を二次抗体として用いた。シグナルを、ECL検出法(Amersham, The Netherlands)によって検出し、濃度計によって定量化した。選択されるタンパク質量は、直線的免疫反応シグナル範囲内であり、かつGAPDHと比例して発現された。
免疫蛍光染色、定量化および共焦点解析
急速なぺーシングにHL-1筋細胞を供した後、細胞を100%メタノール(-20℃)で10分間固定し、5% BSA(20分室温)でブロッキングした。ミオシン重鎖(MF-20, Developmental Studies Hybridoma Bank, Baltimore、MD、USA)またはHSP27(StressGen Biotechnologies, Vicotria, Canada)を一次抗体として用いた。フルオレセイン標識イソチオシアネート(FITC)抗マウスおよび抗ウサギ(Jackson ImmunoResearch, The Netherlands)またはN,N'-(ジプロピル)-テトラメチル-インドカルボシアニンCy3抗マウス(Amersham, The Netherlands)を二次抗体として用いた。核を4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)染色によって可視化した。FITC、YFPまたはCY3およびDAPI蛍光の像が、Leica共焦点レーザー走査型顕微鏡(Leica TCS SP2)を用いることによって得られた。
筋変性量の定量化について、少なくとも5つの視野は250〜500個の筋細胞全量を用いて調べられ、かつミオシン破壊(筋変性に特徴的である12)は実験群について知らない(blinded)3人の別の観察者によってスコア化された。観察者の平均スコアを用いた。
カルシウムトランジェントおよび細胞短縮
筋変性に加えて、本発明者らは、HSP発現を誘導するための以下の前処理をしたおよびしないHL-1細胞におけるCa2+トランジェント(CaT)および細胞短縮(CS)に対するHL-1細胞の短期間頻回ペーシング(3Hzで2時間、3時間および4時間)の影響を調べた:熱ショックストレス応答誘導物質ゲラニルゲラニルアセトン(GGA、10μM)または43℃20分間の熱ショック(HS)またはヒトHSP27(pHSP27)による一過性トランスフェクション。簡単に言えば、筋細胞を10msの2倍閾値強度の矩形波パルス(10-ms twice-threshold strength square-wave pulses)で電界刺激した。CSを電荷結合素子接続ビデオエッジ検出器(a video egde-detector connected to a charge-coupled device)で測定した。CaTを記録するために、筋細胞をインド-1AM(5μM)とともに5〜7分間インキュベーションした。次に細胞外指示薬を洗い落とすため、およびエステル分解を考慮して、筋細胞を室温で少なくとも40分間一面に注いだ。バックグラウンドおよび細胞の自家蛍光を、インド-1を添加しない細胞における光電子倍増管出力をゼロにすることによって消した。340nmの干渉フィルタ(±10nm帯域幅)を通過する100Wの水銀アークランプからの紫外線を、細胞内インド-1(励起光〜15μm径)の励起のためにx40 油浸蛍光対物レンズへ2色性ミラーによって反射させた。細胞のUV光曝露(30〜60秒毎に5〜10)を電子シャッター(Optikon, model T132)によって制御して、光退色を最小限にした。放射光(<550nm)は、スペクトル分離器へ反射され、400nmおよび500nm(±10nm)で平行フィルタを通過させ、整合光電子倍増管(Hamamatsu R2560 HA)によって検出され、かつ60Hzで電子をフィルターにかけた(electronically filtered)。蛍光シグナル比(R400/500)を数値化し(1kHz)、[Ca2+]iの指標として用いた(48)
動物実験
インビボAF促進に対するHSP誘導の影響は、イヌにおける心房性頻脈誘導性リモデリングに対するGGAの影響(49)を調べることで調査した。イヌを、経口GGA処理の非存在下(ATP、n=5)および存在下(120mg/kg/日、n=3)で400bpmにおいて7日間心房性頻回ペーシング(ATP)に供し、ATP開始の3日前に開始し、かつATPを最後まで続けた。結果を非ぺーシング対照群(NP、n=5のイヌ)と比較した。雑種のイヌ(20〜37kg)をケタミン(5.3mg/kg 静脈注射)、ジアゼパム(0.25mg/kg 静脈注射)、およびハロタン(1.5%)で麻酔をかけた。単極リードを頸静脈を通って右心室(RV)心尖部および右心房(RA)心耳に挿入し、頸部の皮下ポケットにおいてペースメーカー(Medtronic)に接続した。双極電極を経時的電気生理学検査(EPS)時の刺激および記録のためにRAに挿入した。心房性頻回ペーシング(ATP)時に心室応答を制御するために、AVブロックを高周波アブレーションによって作製した。RVペースメーカーを80bpmにプログラムした。開胸EPSについては、イヌをモルヒネ(2mg/kg 皮下投与)およびα-クロラロース(120mg/kg 静脈注射、その後29.25mg・kg-1・h-1)で麻酔をかけ、機械で人工呼吸を行った。体温を37℃に維持し、大腿動脈および両大腿静脈に圧のモニタリングと薬剤投与のためにカニューレを挿入した。胸骨正中切開を行い、双極電極を記録および刺激のためにRAおよび左心房(LA)心耳に引っかけた。プログラム可能な刺激器(Digital Cardiovascular Instruments)を用いて、2倍の閾値の電流を送った。240個の双極電極を含む5つのシリコンシートを以前記載したように6〜8心房表面に縫い合せた。http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/110/16/2313 - R7-155347http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/110/16/2313 - R8-155347 心房性有効不応期(ERP)を、RAおよびLA心耳の複数基本周期(BCL)において測定した。AF脆弱性を、AFが単一の外的刺激(extrastimuli)によって誘導可能である心房部位のパーセンテージとして決定した。回復のための24時間後に、ベースライン非開胸EPSをケタミン/ジアセパム/イソフルラン麻酔下で行い、その後ATP(400bpm)を開始した。非開胸EPSをATPの7日目に繰り返し、最後の開胸EPSをモルヒネ/α-クロラロース麻酔下で行った。
統計解析
結果を平均±SEMとして表す。すべてのウェスタンブロット手順および形態学的定量化をシリーズ毎に少なくともn=6ウェルの2通りのシリーズで行い、平均値を統計解析に用いた。マン-ホイットニーU検定法を群について行い、比較分類した。すべてのp値は両側性であり、<0.05のp値を統計学的に有意とみなした。SPSSバージョン8.0をすべての統計的評価に用いた。
結果
PAFおよびCAFを有する患者の心房組織におけるHSPタンパク質発現ならびに構造変化
心耳から単離されたタンパク質をHSP27、HSP40、Hsc70、HSP70およびHSP90の免疫学的検出に用いた。タンパク質発現の変化は、GAPDHのタンパク質レベルに関して調べられ、群間で相違はなかった(データ示さず)。HSP70(図1A)のおよびHSP27(図1B)の両タンパク質発現は、対照患者とCAFを有する患者からの試料と比較して、PAFを有する患者の心房組織において有意に増加した。HSP40、Hsc70およびHSP90の量において有意な変化は見出されなかった(表1)。さらに、CAFの心房組織中のHSP70およびHSP27の量は、大きい差異を示し、患者の不整脈の持続時間に関連する可能性があった。従って、CAF持続期間との相関関係がつくられた。興味を引くように、有意な反比例の相関関係がCAF持続期間とHSP27発現との間に観察された(図1C)。AF持続期間が最も短い患者は、HSP27発現量が最も高いことを示した。HSP27発現と、左心房の直径、年齢、および薬剤適用との間に、加えてHSP70発現とCAF持続期間との間に有意な相関関係が観察されなかった(データ示さず)。
以前、本発明者らは、この患者集団の心房組織における(超微細)構造を報告した11。簡単に言えば、CAFを有する患者の心筋細胞においてのみ、かなりの画分は筋変性であった(31.0±14.8%)が、PAFを有する患者の組織における筋変性がある細胞画分は、低く(6.9±6.1%)、かつ対照患者におけるものと同様であった(5.5±3.6%)。反比例の相関関係が、AFを有する患者において筋変性量とHSP70およびHSP27発現との間に見出された(図2A、2B)。HSPレベルが増加した患者の組織は、筋変性の量が低いことと関連していた。共焦点顕微鏡検査法により、HSP27は心筋細胞における筋原線維に局在化するが、HSP70は、拡散したサイトゾル染色を示す(データ示さず)ことが明らかにされた。これらのすべてを含めた結果より、PAF患者におけるHSPレベルの増加が、筋変性の減少とことによるとつながる細胞保護作用を導くことが示される。
HSPは筋変性からHL-1筋細胞を保護する
HSPがAFにより誘導される筋変性から保護できるかどうかに直接取り組むために、本発明者らは、AFに特有の特徴を明らかにするAFのぺーシングした細胞モデルを適用した28。これは、ぺーシングの8時間目に見られるように筋変性の誘導を導いた(図3B)。
HSP27(齧歯類においてHSP25と呼ばれる場合が多い)およびHSP70をコードするものを含む、すべての熱誘導性遺伝子を誘導するために、筋細胞を軽度の非致死性の熱ショックにより前処理し、その後16時間目からぺーシングした。HSP27およびHSP70レベルは、ぺーシング前およびぺーシング時に上昇した(図3A、パネルIおよびII)。この熱ショックプレコンディショニングは、ぺーシング誘導性筋変性の量を減少させた(図3B,C)。
ぺーシング時のHSP発現の増加もまた筋変性から保護できるかどうかを試験するために、非毒性熱ショック(共)誘導物質GGA(50)が、ぺーシングの2時間前およびぺーシング時に適用された。ぺーシング単独のみが、HSP発現を穏やかに上方制御したが(図3A、パネルI)、GGA処理と組み合わせたぺーシングは、HSP27およびHSP70発現においてかなりの上昇につながった(図3A、パネルIII)。ぺーシング時のこのHSPの上昇は、ぺーシング誘導性筋変性において有意な減少と一致した(図3B,D)。
HSP27の過剰発現はぺーシング誘導性筋変性からの保護に十分である
HSPの上方制御がぺーシング誘導性筋変性から直接保護するかどうか最終的に証明するために、およびどのHSPがこの保護を導くかを調べるために、筋細胞をHSP70またはHSP27をコードするどちらかのプラスミドで一過的にトランスフェクションした。HSP27を過剰発現する筋細胞は、ぺーシング誘導性筋変性から保護されたが(図4)、HSP70を過剰発現する筋細胞は保護されなかった(図4)。従って、HSP27過剰発現のみが、ぺーシング誘導性筋変性からの保護につながる。
HSP、特にHSP27は、HL-1筋細胞を電気的リモデリングおよび収縮性機能不全から保護する
HL-1細胞を2時間、3時間および4時間ぺーシングすることにより、それぞれ40%±9%、58%±9%および79%±7%(ぺーシングしてない細胞と比較してすべてp<0.05)ずつCa2+トランジェント(CaT)が減少した。同様に、細胞を2時間、3時間および4時間ぺーシングすることにより、それぞれ32%±4%、45%±8%および68%±12%(ぺーシングしてない細胞と比較してすべてp<0.05)ずつ細胞短縮(CS)が減少した。GGA、軽度の熱ショックおよびpHSP27は、ぺーシング誘導性CaTおよびCSの減少を有意に防いだ(例えばGGAについては、ぺーシングの2時間後に減少:GGAなしの頻回ペーシングされたのものに対して、CaTについては、2%±6%、p=0.01およびCS、11%±3%、p=0.03)。さらに、ぺーシングは、HL-1細胞におけるカルシウム電流密度(Ica++)を実質的に減少したが(図5)、GGAによる処理によって、ならびに熱ショックによってより少ない程度に、減少が妨げられた(図5)。
インビボでのHSP誘導はぺーシングされたイヌの心房における電気的変化を妨げる
イヌにおいて、ぺーシングされない動物(NP)と比較して、GGA処理なしの心房性頻回ぺーシング(ATP)は、誘導性AFの平均持続期間(誘導性AFの持続期間(DAF):ATPにおいて816±402 s 対 NPにおいて23±13 s、p<0.01)と、AFが単一の外的刺激によって誘導された心房部位の%として測定される、AFに対する心房脆弱性(ATPにおいて56±8% 対 NPにおいて10±7%、p<0.01)とを増加し、それと同時に心房性有効不応期を減少した(ERP:基本周期300 msにおいて、ATPでは67±7 ms 対 NPでは121±7 ms、p<0.01)。GGA処理により、ATP誘導による変化は、ほとんど完全に抑制された(DAF 39±15 s;ERP 102±3 ms、ATPに対して脆弱性 13±7%、すべてp<0.05)。
本開示は、発作性AFを有する患者の心耳における保護性HSP27のかなり有意な増加およびHSP70発現のいくぶん大きくはない増加をつきとめているが、慢性の永続的なAFを有する患者においてはこの上方制御がなかった。HSP27およびHSP70の量は、筋融解(myolytic)細胞数と反比例で相関していた。HSP27レベルもまた慢性AFの持続期間と相関していた。さらに、HSP27は筋フィラメントに局在化していた。AFのHL-1細胞モデル28を用いて、本発明者らは、ぺーシング前に上昇したHSP発現が筋変性を減じるという、およびぺーシングされた細胞におけるカルシウムトランジェントおよび細胞短縮の減少の、直接的な証拠を提供した。さらに、これらの細胞のぺーシング時のHSP上方制御もまた、それらを筋変性から保護した。最後に、トランスフェクション実験は、この保護がHSP27の過剰発現によるものであると明示した。加えて、急速なぺーシングによって誘導される心房性リモデリングを減少するためのHSPの上方制御の有効性は、頻回ぺーシングされたイヌにおいてインビボでのGGA処理によって心房の電気的変化の減衰によって明示された。
概して、これらのデータは、発作性AFを有する患者において観察される、上昇したHSP発現および特にHSP27は、筋細胞の構造と機能の維持をもたらす、筋変性を減ずる適応性のある機序として理解されることができるという仮説を支持する。この機序を通して、HSPは、発作性AFの持続性AFへの進行を遅延することができる。両HL-1細胞モデルにおける、ならびにインビボでのイヌにおけるHSPの誘導による心房の変化の減衰のため、HSP、特にHSP27の誘導は、筋細胞構造、電気的性質および収縮性機能を維持するためのAFの興味深い治療標的である。
HSP保護機序
いくつかの機序は、HSP27が細胞をストレス誘導損傷からどのように保護するかを説明することができる。提供された説明のもとで、ここは本願を狭めるために構成されるのではない。ぺーシングは、直接的にまたは細胞内遊離カルシウムの増加およびカルパイン活性化2;11;28によって、結果的にタンパク質損傷を招く場合がある。第1の可能性は、HSP27が、AF誘導性筋変性をそれらのいわゆるシャペロン活性によって減ずることである。これまでのところ、HSP27シャペロン活性は、HSP27が非天然タンパク質の凝集を防ぎ、およびそれらの再折りたたみを補助したインビトロアッセイ法において唯一確認された32。この役割において、HSP27のみでは十分でなく、HSP70との協力に依存する33。本発明者らは、HSP27がその推定されたシャペロン活性により保護することを除外できないが、本発明者らは、ぺーシング誘導性筋変性に対するより強力なシャペロンHSP70の過剰発現の影響が見出されなかったため、この選択を一致させることが難しいことがわかっている。さらに、タンパク質の変性を測定するためのホタルルシフェラーゼ技術34を用いて、本発明者らはHL-1細胞モデルにおけるぺーシング誘導性タンパク質損傷の証拠を見出さなかった(Brundel, SchakelおよびKampingaの未発表データ)。
本発明者らは、ヒトおよびラットの心臓における以前の研究26;35に合致して、AF患者の心房筋細胞における筋フィラメントに局在化するHSP27を観察した。従って、第2のおよびより可能性の高いHSP27を介した保護についての候補は、トロポミオシン、α-アクチニンおよびF-アクチンのような収縮性タンパク質の安定化、ならびに/または破壊後のそれらの修復速度を加速すること23;36;37による、ストレス後の筋細胞生存の増加である。システインプロテアーゼがAF時に活性化されることは公知であり、これらのプロテアーゼが筋フィラメントタンパク質を切断できる11;28ので、HSP27と収縮性タンパク質との相互作用は、代わりにそれらをこれらのプロテアーゼによる切断から守ることができる。さらに、活性化システインプロテアーゼはまた、一定の細胞においてアポトーシスを誘導する38。しかしながら、アポトーシスが心筋細胞において開始される場合に、活性化システインプロテアーゼは、通常は細胞死を引き起こすことはなく、むしろ筋変性を誘導する39〜41。HSP27は、シトクロームc放出42を、またはアポトーシス時のより後期の段階において、例えばプロテアーゼ活性レベルにおいて38、妨害することによって、いくつかの種類の細胞において抗アポトーシス性タンパク質として働くと報告された。その結果、第3の選択として、筋細胞におけるHSP27の過剰発現は、アポトーシスカスケードのこれらそれぞれの段階において作用することによって筋変性を妨げることができる。
発作性AFにおけるHSP27発現と慢性AFへの進行
AF患者の心房細胞において、HSP27発現の増加は、発作性AFにおいてのみ観察された。またぺーシングは、AFの細胞モデルにおけるHSP25およびHSP70の発現の一時性の、穏やかであろうとも誘導を引き起こした。これは、短期間のAF時のHSPの迅速な上方制御として理解されることができ、発作性AFを有する患者が筋変性などの構造変化の誘導のないAF発作を克服できると考えられる。慢性AFにおけるHSP発現の増加がないことについての最もわかりやすい説明は、不整脈が続くため、HSP応答の枯渇であると考えられる。HSP上方制御の枯渇は、慢性AFの持続期間とHSP27量との間の反比例の相関関係によってさらに支持される。熱ショック応答が心臓の分化時43、疾患時44に一時的に活性化され、かつそれが年齢により減衰されるため45、HSP応答の枯渇が、やがては発作性から慢性のAFへ進行させ、それによって、筋変性につながる不整脈誘導性のプロテアーゼに対しての保護はなく、結果的にAF脆弱性における連続的増加を招く46と仮定できる。この点で、AF時のGGAなどのHSP発現を増大する物質による治療は、HSP応答の減衰を防ぎ、これによってAFの自己永続化を妨ぐことができる。
また保護する特徴が筋変性に帰すると認識される必要がある。筋変性は、収縮性機能不全につながる筋原線維構造の破壊によって、非機能的表現型に変わる筋細胞の能力として定義される12;13;20。一般的に、筋融解細胞が、結果としてアポトーシスをもたらさないが、ストレスへの長期の曝露に耐え47、それによって、細胞機能の欠失においてにもかかわらず(二次的な)組織保護応答を生じると考えられている。従って、熱ショック応答は、組織の完全性だけでなく組織の機能も維持する最も重要な防御的機序に影響する。
以上をまとめると、本発明者らは、筋変性と関連しない、発作性AFを有する患者において保護性HSP27の増加のかなり有意な増加を観察した。これは、これらの患者における筋変性を減ずることによってHSP27の保護的役割を強く示唆する。AFのHL-1モデル28から得られた結果は、HSP27の発現の上昇が筋細胞をぺーシング誘導性の筋変性から保護するという直接的な証拠を提供する。従って、HSPは、筋細胞構造および収縮性機能を維持するために、AF患者における興味深い治療標的となる。一致して、本発明者らは、本明細書において、GGA投与によるHSPの上方制御を通じてぺーシング誘導性の心筋リモデリングに対する保護を示すインビボ実験を開示する。
(表1) 発作性AFのみを有する患者(PAF)、慢性AFのみを有する患者(CAF)および洞調律(SR)の対照患者の基準の特徴
Figure 2008523055
値は、平均値±SDまたは患者数として表す。CABG:大動脈冠動脈バイパス移植術;Maze:心房性不整脈手術
文献リスト
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(図1)発作性AFを有する患者(PAF)、慢性AFを有する患者(CAF)および洞調律(SR)の対照の心房組織中のHSP70(A)、HSP27(B)のタンパク質量。タンパク質量は、ウェスタンブロッティングによって決定され、GAPDHについての比率として表した。挿入部分は、典型的なウェスタンブロットを示す。PAFを有する患者は、 洞調律(SR)の対照と比較した、HSP70およびHSP27タンパク質比において有意な増加を示す。(C)HSP27/GAPDHタンパク質比とCAFの持続期間との間の相関関係。*=SR(p<0.05)と比較した有意な増加。
(図2)反比例の相関関係が、PAF
Figure 2008523055
およびCAF(●)を有する患者における、筋変性量とHSP70のタンパク質量との間に(A)、および筋変性量とHSP27のタンパク質量との間に(B)見られた。
(図3)ぺーシング誘導性筋変性に対するHSPレベル誘導の影響。(A) ウェスタンブロットは、熱ショック(あらかじめ加熱)またはGGA処理(GGA)によるプレコンディショニングが、内因性HSP27およびHSP70の発現をやがては誘導するが、非処理筋細胞と比較してGAPDHレベルを変化しないことを示す(0時間に対する対照レーン)。レベルの増加は、ぺーシング時は維持される(8時間、16時間および24時間のレーン)。(B) 16時間ぺーシングされた筋細胞(ぺーシングされた)、ぺーシングされたHS筋細胞およびぺーシングされたGGA処理筋細胞と比較した、ぺーシングされない筋細胞(Con)、熱ショック処理された対照筋細胞(Con HS)およびGGA処理対照筋細胞(Con GGA)におけるミオシンの免疫蛍光染色(緑色)。ぺーシングされた筋細胞は、ミオシン破壊(筋変性)を示すが、ミオシン染色はHSまたはGGAのどちらかでプレコンディショニングした筋細胞の細胞質において拡散して分布した状態のままである。(C) 対照および熱でプレコンディショニングした筋細胞(ぺーシングされない筋細胞○、ぺーシングされないHS筋細胞□、ぺーシングされた筋細胞●、ぺーシングされたHS筋細胞■)において筋変性が明確な筋細胞のパーセンテージの定量化。(D)
(図4)ぺーシング誘導性筋変性に対するHSP27またはHSP70トランスフェクションの影響。トランスフェクションされない筋細胞(ぺーシングされた筋細胞●、ぺーシングされない対照筋細胞○)と比較して、HSP27をトランスフェクションされた筋細胞(ぺーシングされたHSP27■、ぺーシングされないHSP27□)、HSP70トランスフェクションされた筋細胞(ぺーシングされたHSP70▲、ぺーシングされないHSP70△)における筋変性が明確な細胞のパーセンテージの定量化。*=ぺーシングされない対照筋細胞と比較した有意な増加(p<0.01);#=ぺーシングされた対照筋細胞と比較した有意な減少(p≦0.05)。
(図5)ぺーシングされない(CON)およびぺーシングされた(PC)HL-1細胞におけるIca++最大値のI-V関係。Ica++は、-80 mVから-70 mVと+70 mVの間までの300 ms電圧段階を用いて記録された。データは、4時間ぺーシングすると、電流密度(I)の実質的な低下を示す(上のパネル:CON 対 下のパネル:PC)。電流密度のぺーシング誘導性の低下は、軽度の熱ショック(TT:43℃30分間、その後一晩37℃でインキュベート)によってわずかに妨げられ、GGAによる処理によって強く妨げられた(GGA:ぺーシングの2時間前およびぺーシング時)。n=3またはそれ以上の独立した実験。

Claims (22)

  1. 心臓細胞において少なくとも1つの熱ショックタンパク質(HSP)またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片の量を増加する段階を含む、上室性不整脈によって誘導される心臓細胞に対する損傷を少なくともある程度予防または遅延または低減する方法。
  2. HSPが、HSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片である、請求項1記載の方法。
  3. HSPが、細胞にHSPをコードする遺伝子またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片をトランスフェクトすることによって該細胞において増加する、請求項1または2記載の方法。
  4. HSPが、細胞にHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片を注入することによって該細胞において増加する、請求項1または2記載の方法。
  5. HSPが、細胞に薬剤を与えることによって増加する、請求項1または2記載の方法。
  6. 薬剤がゲラニルゲラニルアセトン(GGA)である、請求項5記載の方法。
  7. HSPが、細胞の熱プレコンディショニングによって増加する、請求項1または2記載の方法。
  8. 上室性不整脈が心房細動である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 細胞が筋細胞である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 損傷が筋細胞リモデリングである、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 筋細胞リモデリングが筋変性である、請求項10記載の方法。
  12. インビトロで実施される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 少なくとも1つのHSPコード核酸またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片を含み、ならびに/または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片を含み、ならびに/または少なくとも1つのHSPの量を少なくともある程度増加可能である薬剤を含み、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤をさらに含む、薬学的組成物。
  14. HSPがHSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片である、請求項13記載の薬学的組成物。
  15. HSPコード核酸またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片が遺伝子送達ビヒクルの一部である、請求項13または14記載の薬学的組成物。
  16. 薬剤がGGAである、請求項13または14記載の薬学的組成物。
  17. 上室性不整脈の(インビトロ)治療のための、少なくとも1つのHSPタンパク質コード遺伝子またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPの量を少なくともある程度増加可能である薬剤の使用。
  18. 上室性不整脈の治療のための医用薬剤の製造のための、少なくとも1つのHSPタンパク質コード核酸またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPタンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片、または少なくとも1つのHSPの量を少なくともある程度増加可能である薬剤の使用。
  19. HSPがHSP27もしくはHSP27様タンパク質またはその機能的等価物および/もしくは機能的断片である、請求項18記載の使用。
  20. HSPタンパク質コード核酸もしくはその機能的等価物および/もしくは機能的断片が遺伝子送達ビヒクルの一部である、請求項18または19記載の使用。
  21. 薬剤がGGAである、請求項18または19記載の使用。
  22. 上室性不整脈が心房細動である、請求項17〜21のいずれか一項記載の使用。
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