JP2008522841A - 水応答性機械エレメント及びそのようなエレメントを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、試剤の供給に対して応答する可撓構造体401に関するものである。試剤を供給すると、該可撓構造体は所定の態様で曲がる402。該可撓構造体は、実質的に異なる分子の向きを有する上側表面層及び下側表面層を規定するように配向されたポリマ液晶から形成され、該ポリマ液晶は上記試剤を供給すると長さ/幅比が変化されるようなものである。これにより、上記上側表面層及び下側表面層は試剤の供給に対して異なるように応答し、結果として該可撓構造体401は曲がるか又は曲げが戻る。
Description
本発明は、外部からの活性化に応答して形状を変化させる可撓構造体に関する。
今日知られている可撓微小機械構造体は、典型的には、電界、熱又は光に応答する。例えば、光により移動可能な可撓箔が、Ikeda他によりアドバンスド・マテリアル、15第3号、第201〜205頁に開示されている。該文献に開示された箔はアゾベンゼン液晶ゲルからなり、該ゲルは光に暴露されると異方的に曲がり又は曲がりが戻る。該箔は異方的に配向されたトランス・アゾ・ベンゼン部分を含み、該部分は適切な波長の光に暴露されるとトランス-シス異性化を受ける。当該シス及びトランス異性体は異なる形状を有する。曲げ(又は曲げ戻し)を生じさせるために、当該箔は、該箔の大部分は暴露されないまま、略全ての入射光が該箔の表面領域におけるトランス・アゾ・ベンゼン部分により吸収されるように露光される。従って、上記表面領域において染料(dye)が形状を変化させる一方、該箔の大部分においては変化しない。染料の形状の変化は、当該表面領域における一方向に選択的に沿った容積集中を生じさせる一方、大部分の容積は変化せず、これが該箔を湾曲させる。
しかしながら、他の刺激に応答するような可撓微小機械構造体に対する需要が存在する。特に、種々の液体又は蒸気の供給等の環境的変化に応答するような構造体に対する需要が存在する。一般的に要件は、斯かる構造体が個別の使用及び大きな構造体の系への統合を可能にするということである。
上記需要は、請求項1に記載の可撓構造体により満たされる。更に、このような可撓構造体の有利な製造法及び使用が、請求項10及び13に各々記載されている。従属請求項は、本発明による有利な実施例を記載している。
かくして、本発明の一態様は、ポリマ網状構造を有する可撓構造体を提供する。該ポリマ網状構造は重合された液晶モノマを有する。該可撓構造体は上側表面層及び下側表面層を規定し、重合されたモノマは、上側表面層における重合モノマの平均軸方向が下側表面層における重合モノマの平均軸方向とは本質的に相違するように配向される。上記上側及び下側層は、互いに重ねられた2つの異なる層からなることができる。しかしながら、上側と下側との間の区別が特性の徐々の変化から生じるような単体構造エレメントからなることもでき、この場合、平均的局部分子配向及び/又は組成は上側境界から下側境界へと進む。該分子配向の間の角度は典型的には90°となるように選択される。何故なら、これは、殆どの場合において、最大の目標とされる効果を生じるからである。しかしながら、上記角度は、処理及び製造が一層容易になるとの理由で、より小さく又は大きく選択することもできる。前記重合モノマは、試剤(agent)の供給により切断可能であり、これにより当該構造体が形状を変化させるような切断可能な二次結合を更に有する。かくして、我々の教示は、上述したような構造体を設けることにより、試剤に暴露された場合に曲がるような構造体を得るということである。これは、如何なる理論によっても縛られることを欲することなく、試剤の供給により重合モノマの長さ/幅比の変化の結果であると信ぜられる。前記上側及び下側表面層の平均軸方向の差は、上側表面層における長さ/幅変化の方向が下側表面層のものと本質的に相違するようなものである。一実施例によれば、上記差は実質的に90°であり、これにより当該可撓構造体における最適な曲げ効果を保証する。
結果として、上記上側及び下側表面層は試剤の供給に対して異なるように反応し、該可撓構造体を曲げさせる。
このように、本発明は、環境的変化に曝されると形状を変化させるようなポリマ液晶に基づく可撓構造体を提供する。言い換えると、熱、光又は電界により刺激されるというよりは、ここに記載するエレメントは環境の変化に反応する。
一実施例によれば、前記ポリマ網状構造は捻られた又は斜角が付けられた(splayed)形に配向される。これにより、前記重合モノマの平均軸方向の実質的に90°の差が保証され、当該構造体の頂部及び底部を膨張及び収縮に関して反対の態様で反応させ、かくして、該構造体に非常に効果的な曲げモードを付与する。
膨張及び収縮の程度は、異なるポリマ網状構造の間で、軸方向における収縮/膨張対直交方向における収縮/膨張の比が変化するように、変化する。供給された試剤の多くの量が、加えられた際に当該ポリマに取り込まれた場合、軸方向の収縮は典型的には減少され、零にさえもなり得る。このような反応が、結果的に膨張となる程大きな程度に収縮に反対に作用することさえ可能である。しかしながら、軸方向対直交方向の非対称性は、典型的には、いずれにせよ大きな曲げ効果につながる。
このように、本発明は、切断可能な結合を含む液晶網状構造内の重合モノマの長さ/幅比は、斯かる切断可能な結合と特に干渉する試剤と接触させられた後にこれら結合が切断されると、変化するという洞察に基づいている。本状況における切断可能な結合とは、試剤の存在及び不存在において可逆的に切断及び形成され得るような結合である。切断可能な結合は、水素結合のような二次結合であり得る。しかしながら、斯かる結合は、分子間の双極子/誘導双極子相互作用又は双極子/双極子相互作用に基づく一層弱い結合でさえあり得る。しかしながら、斯かる結合は、関心温度範囲において秩序付けられた液晶相の形成を可能にする程度に強くなければならない。本状況において、二次結合とは、分子間の吸引は含むが、電子の転移又は共有は含まないような結合を指す。試剤が存在すると可逆的に開放され得る他のタイプの切断可能な結合は、例えばイオン結合等の一層高い結合力を持つ一次結合である。
対照的に、例えば、共有結合の形の一次結合は一般的に可逆的に開かない。共有結合は、電子を共有する原子の間で形成され、殆どの有機化合物の構成単位である。斯かる結合は、安定しており、特殊な試剤又は温度により開放されると、元の構造には殆ど戻らない。水素ブリッジ等の二次結合は、一般的に一次結合より弱いが、それでも条件が変わった場合に再結合する程には充分に強く、従って多くの実施例において好ましい。イオン結合は、一層強いが、陽イオン又は陰イオンと更に一層強く反応する試剤により可逆的に切断され得る。例は、酸が存在すると切断され得る塩である。本発明の範囲内で使用されるポリマ網状構造体は、典型的には、このような可逆的分断を受ける能力を持つ重合モノマ単位を含む。また、該ポリマ網状構造は(必須ではないが)、共有結合から専ら構築された重合モノマ単位を含むこともできる。これらの単位は、上記分断反応は受けないが、全体的な可逆性に貢献する。これらの重合されたモノマは、形状記憶モノマと称され、典型的には0.1wt%と30wt%との間の濃度で使用される。
この様に、本発明による可撓構造体は、試剤が供給されると切断二次結合の数が増加する。前記曲がり効果は、典型的には、切断二次結合の数が増加すると増加する。
二次結合の切断及び回復は、フーリエ変換赤外検出法(FTIR)等の良く知られた技術を用いて識別及び定量化することができる。このように、本発明による可撓構造体の特徴的特性は、試剤の供給が液晶網状構造の分子配向の方向の異方性寸法変化を生じる点である。これらの異方性寸法変化は、当該構造体を曲げ(曲げ戻り)させ、例えばFTIRを用いて測定可能な二次結合切断によりなされる。
Hブリッジは二次結合の一例であり、Hブリッジを有する重合液晶モノマが本発明にとり有効であることが分かった。従って、本発明によれば、上記の切断可能な二次結合は、重合された液晶モノマにおけるHブリッジである。
試剤の供給に際して長さ/幅の比の変化を生じさせるものとして識別されている1つのメカニズムは、切断された二次又はイオン結合の位置にモノマ部分のための場所を形成すると共に斯かるモノマ部分に試剤の分子を組み込み、かくして、斯様な切断されたモノマ部分を押し離してモノマを長くするような重合モノマである。従って、一実施例によれば、上記重合された液晶モノマは切断可能な二次結合が切断されると伸張可能となり、かくして、該切断可能な二次結合の切断が前記試剤の分子のための場所を形成すると共に、斯かる試剤の分子を当該重合モノマに組み込むようになる。
当該重合液晶モノマは多くの異なる化学組成を有することができ、結合を切断するために使用される試剤のタイプは、使用される組成に依存する。しかしながら、化学の視点(例えば、二次結合としてのHブリッジに関して)及びユーザの視点(H2Oは当該可撓構造体を制御するために使用するのに安価且つ無害な試剤である)の両方から、H2Oが多くの用途のための試剤として有用であることが分かった。従って、一実施例によれば、上記試剤はH2Oを含む。
有効であることが分かった重合されたモノマの群は、R1−X−R3構造を持つ重合モノマの群であり、ここで、R1及びR3の各々はアクリレート(acrylate)又はメタクリレート(methacrylate)基を有し、Xはカルボキシル(carboxyl)基又はピリジル(pyridyl)である。
上記式は、水又は水蒸気に対して直接的且つ即座の態様で応答する可撓構造体を提供する。他の例として、当該構造体は、流体環境で使用された場合、塩の濃度の変化に対して又は当該流体媒体の酸性度(pH)の変化に対して反応し得る。
多数の代替重合モノマが、後に、当該詳細な説明の材料部分に示される。
一実施例によれば、当該ポリマ網状構造は前記試剤の供給に際しても長さ/幅比を変化させないような重合液晶形状記憶モノマを更に有する。このように、該重合形状記憶モノマは、該重合モノマの切断可能な二次結合が試剤を除去した際に回復するようにしてポリマ網状構造を維持する。これにより、該可撓構造体は試剤が除去されると曲げが戻る。該形状記憶モノマは、典型的には、1wt%と30wt%との間の範囲の量で添加され、当該ポリマが試剤と接触されせられた場合に解離しないような結果としてのポリマ液晶における結合を提供する。このように、重合形状記憶モノマの添加は当該ポリマ網状構造に元の分子配向を"記憶"させ、従って上記解離を当該ポリマ網状構造の分子規則に関して可逆的にさせる。
多数の代替的重合形状記憶モノマが、後に、当該詳細な説明の材料部分に示される。
本発明の他の態様は、ポリマエレメントの可撓構造体としての使用方法を提供し、その場合において、上記ポリマエレメントはポリマ網状構造を有し、該ポリマ網状構造は各々が長さ/幅比を有するような重合された液晶モノマを有し、前記構造体は上側表面層及び下側表面層を規定する一方、前記重合モノマは上記上側表面層における該重合モノマの平均軸方向が上記下側表面層における該重合モノマの平均軸方向とは略90°異なるように配向され、上記重合モノマは該重合モノマの長さ/幅比が試剤の供給に際して変化されるように該試剤の供給により切断され得るような切断可能な二次結合を有し、これにより、当該可撓構造体は上記試剤の供給に応答して曲がるように動作する。
前述したように、上記試剤は液体状態又は気体状態とすることができる。一つの特別な実施例によれば、該試剤はH2Oである。
本発明の更なる一態様は、試剤の供給に応答するような可撓構造体を製造する方法を提供する。該方法は、異方性膨張又は収縮により試剤の供給に応答するようなポリマ液晶を選択するステップと、該ポリマ液晶から前記可撓構造体を形成するステップとを含む。
上記可撓構造体は、所望の分子配向を有するポリマ箔から形成することができる。そのような場合において、上記箔は例えばレーザ切断又はエッチングを用いてパターン化することができる。
しかしながら、一実施例によれば、上記ポリマ液晶は液晶モノマを重合することにより形成される。該重合ステップは、例えば光重合を含むことができる。
上記重合液晶モノマの配向は、例えば、擦られた(ラビングされた)基板を用いて制御することができ、該基板のラビング方向が当該重合モノマの表面配向を決定する。他の例として、界面活性剤を上記基板に塗布して、例えば基板表面における分子の垂直配向を保証することもできる。これにより、斜角が付けられた(splayed)配向(一方の表面が垂直な配向を有する一方、逆の表面は単軸の平行な配向を有する)又は捻られた配向(一方の側から逆の側へと例えば90°捻りを伴う平行な配向)を設けることもできる。
従って、一実施例によれば、上記ポリマ液晶を形成するステップは、重合された液晶モノマを当該ポリマ液晶に所望の液晶分子配向を生じさせる表面の間に配置するステップを含む。
上述したように、当該ポリマ網状構造は、例えばモノマ及び形状記憶モノマ等の異なるタイプの重合されたモノマを含むことができる。このような場合において、これらモノマの好適な混合物が重合の間に共重合される。上述したような可撓構造体は、例えば、アクチュエータ、人工筋肉又はシャッタ若しくはバルブ(弁)として使用することができる。斯かる構造体は、特定の種を検出するために使用することもできる。機械的変形は、例えば、光の反射の変化若しくは電気的容量の変化により、又は電極間の電気的接続を形成又は切断することにより分析することができる。更に、複数のエレメントをアレイにパターン化して、パターン化されたスイッチングエレメントを可能にすることもできる。このようなアレイは、小型化し、電子、光電子又はマイクロ流体装置に組み込むことができる。
以下、本発明の実施例を、添付した例示的図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、有利にはポリマ液晶を用いて製造される。ポリマ液晶は、例えば、良好に規定された液晶分子配向を持つモノマを重合することにより形成することができる。
[材料]
以下においては、多数の使用可能な重合されたモノマ及び形状記憶モノマが例示される。
以下においては、多数の使用可能な重合されたモノマ及び形状記憶モノマが例示される。
[モノマ]
一実施例によれば、前述したように、ポリマ液晶は、その液晶的挙動を水分子と接触すると破断する二次結合を形成する水素ブリッジに負うようなモノマから形成される。該ポリマ液晶は、例えば、前記式1により示されたような構造を有すると共に反応し得る。好適なモノマの一例は、R1及びR2がアクリレート基(例えば、CH2=CH-COO-(CH2)6-O-)又はメタクリレート基を含むような分子である。
一実施例によれば、前述したように、ポリマ液晶は、その液晶的挙動を水分子と接触すると破断する二次結合を形成する水素ブリッジに負うようなモノマから形成される。該ポリマ液晶は、例えば、前記式1により示されたような構造を有すると共に反応し得る。好適なモノマの一例は、R1及びR2がアクリレート基(例えば、CH2=CH-COO-(CH2)6-O-)又はメタクリレート基を含むような分子である。
モノマ状態においては、水がない場合、このモノマは、液晶的であり、ラビングされたポリイミド基板の間に位置合わせされながらの該モノマの光重合により、配向された液晶網状構造を形成するように処理することができる。重合された状態においては、R1及びR2はポリマ網状構造の一部であるか、又は該ポリマ網状構造に結合(attach)される。
同じ原理を他のタイプの水素ブリッジに対しても使用することができ、結合を切断するために水以外の試剤を使用することができる。水素ブリッジを含む他の規則的構造の例は、カルボン酸(carboxylic acid)基及びピリジル(pyridyl)に基づくものである:
一般的に、斯かるモノマは液晶相を有すべきであり、重合可能であるべきである。更に、重合されたモノマは、例えば水素結合要素の形で切断可能な結合を提供しなければならない。下記のものは、水に反応する重合モノマの一例である:
この場合、6個の炭素のスペーサ(アクリレートの酸素とフェニル基の酸素との間の単位である)長が選択されている。しかしながら、異なる数(例えば、3又は11等)の炭素原子を伴う多数の他の例が存在する。また、処理温度を低下させる混合物も可能である。
下記の化合物は、中央の分子が水素ブリッジにより2つの外側の分子を接続する故に液晶相を形成する。これらのブリッジは、先に例示したカルボン酸に基づくものよりも強い。これらの結合の形成のためには、1:1のモル比で反応性混合物に加えられるべき2つの異なる分子が必要とされることに注意されたい。
好ましくは、この重合モノマは、水単独というよりは強い酸等のエネルギ的に一層有利な結合を形成する分子で"開放する"ようにする。該試剤は、例えば、pトルエンスルホン酸(p-toluene sulfonic acid)であり得る。
この場合も、強い酸が水素ブリッジを切断し得る。しかしながら、中央の単位が当該ポリマ膜から削除されると(これは、当該ポリマ網状構造にもはや結合されなくなるやいなや、なされ得る)、永久的体積変化は、長さ/幅比の形状を永久的に変化させる。
カルシウムの代わりに、例えばマグネシウム又はバリウムも使用することができる。これらのイオン結合は、例えばpトルエンスルホン酸、塩化水素(hydrogen chloride)、硫酸(sulfuric acid)等の試剤としての強い酸により切断することができる。
アクリレート
を重合可能な基として使用する代わりに、当該ポリマを作製するために他の官能性を適用することもできる。これらの例は、
メタクリレート:
ビニルエーテル(Vinyl ethers):
エポキシド(Epoxides):
オキセタン(Oxetanes):
メタクリレート:
チオール−エン(thiol-enes):−SH若しくは−CH=CH2の何れかを持つモノマ、又は両方を含むモノマ。
アクリレート、メタクリレート及びチオール−エンは遊離基メカニズムで硬化する。ビニルエーテル、エポキシド及びオキセタンは陽イオンメカニズムを介して硬化する。当業技術で広く知られているように、これらの化合物は、従って、幾らか異なった開始剤を必要とする。
[形状記憶モノマ]
記憶機能が望ましい場合、有利には、切断可能な結合及び"記憶(メモリ)"結合を提供するような共重合体(コポリマ)が使用される。このような場合、典型的には、形状記憶モノマが1wt%と30wt%との間の範囲の量で添加される。例えば、(前記)式2により特定されるモノマを形状記憶モノマとして使用することができる。この形状記憶モノマを使用すれば、水素ブリッジを切断するための、従って、長さ/幅比を変化させるための試剤として水を使用することができる。水が除去された場合、当該重合されたコポリマへの形状記憶モノマの含有により、水素結合の切断及び形成の過程が逆転され、当該膜は元の寸法及び形状を保持する。
記憶機能が望ましい場合、有利には、切断可能な結合及び"記憶(メモリ)"結合を提供するような共重合体(コポリマ)が使用される。このような場合、典型的には、形状記憶モノマが1wt%と30wt%との間の範囲の量で添加される。例えば、(前記)式2により特定されるモノマを形状記憶モノマとして使用することができる。この形状記憶モノマを使用すれば、水素ブリッジを切断するための、従って、長さ/幅比を変化させるための試剤として水を使用することができる。水が除去された場合、当該重合されたコポリマへの形状記憶モノマの含有により、水素結合の切断及び形成の過程が逆転され、当該膜は元の寸法及び形状を保持する。
しかしながら、形状記憶モノマとして使用することが可能な多数のモノマが存在する。例えば、(前記)式2自体により与えられるモノマに加えて、6以外(例えば3〜11)の長さの炭素鎖を備える又は中央のメチル基が削除されていること以外類似したモノマである。異なる数のベンゼン環を備えるモノマ、及び異なる接続又は反応性基を有するモノマを使用することもできる。一般的要件は、両端で(例えば、アクリレート、メタクリレート又はエポキシと)重合可能でなければならない、モノマと混ざり合わなければならない、及び好ましくは重合前に液晶状でなければならないことである。
これらの例は、メソゲン的特徴により、通常はモノマ状態において液晶相を安定化させる。多官能価液晶モノマの更なる例は、文献で見付けることができる。
しかしながら、メソゲン的特性を持つ多官能価モノマを使用するよりも、メソゲン的でないモノマも使用することができる。一般的に、これらのモノマは、モノマ混合物の液晶度を不安定化させる。しかしながら、特に相対的に低い濃度で適用された場合、この低下は問題とならない。また、一般的に、融解温度も同様に低下されるからである。(液晶モノマの処理は、典型的には、限られた温度範囲内で進行する。モノマの配合物(blend)は、しばしば、室温で結晶的であり、融解させるために加熱されねばならない。過度に高い温度に加熱されると、斯かるモノマ配合物は等方性となり、分子秩序を喪失する。)形状記憶モノマとして使用することが可能な他のモノマの例は、下記の各構造を持つヘキサンジオール・ジアクリレート(hexanediol diacrylate)、トリプロピレングリコール・ジアクリレート(tripropyleneglycol diacrylate)及びトリメチロールプロパン・トリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)である:
更に、モノマと同様に、アクリレート以外の他の官能価も、ポリマを作製するための重合可能な基として適用することができる。その例は、メタクリレート(methacrylates)、ビニルエーテル(vinyl ethers)、エポキシド(epoxides)、オキセタン(oxetanes)及びチオール−エン(thiol-enes)を含む。
[試剤(agents)]
切断可能な結合を切断するためのH2O以外の試剤の例は、例えば、ピリジル(pyridyl)基を形成すると共に、無水溶媒に溶解されるような強いHブリッジを持つ化合物を含む。ピリジル部分とカルボキシル部分(carboxylic moiety)との間の強いHブリッジは、ポリマ鎖におけるカルボキシル単位の既存の分子間Hブリッジを切断する:
切断可能な結合を切断するためのH2O以外の試剤の例は、例えば、ピリジル(pyridyl)基を形成すると共に、無水溶媒に溶解されるような強いHブリッジを持つ化合物を含む。ピリジル部分とカルボキシル部分(carboxylic moiety)との間の強いHブリッジは、ポリマ鎖におけるカルボキシル単位の既存の分子間Hブリッジを切断する:
この過程は、簡単な加熱により可逆的となり、Hブリッジを弱くすると共に、余り特異でなくする。これによれば、例えば蒸発により又は溶媒による洗浄(flushing)により上記ピリジル含有化合物を除去することが可能であり、当該膜に元の構造を保持させる。
[分子配向]
当該構造体の曲がり効果は、典型的には、該可撓構造体における適切な分子配向により向上される。該分子配向は、分子鎖に対する側基のもの又はポリマ主鎖のものであり得る。好ましい実施例では、分子配向は、ポリマ主鎖を接続しているメソゲン単位の配列に関係する。メソゲン単位は、上述した分子構造において示された反応性可重合基をブリッジする棒状分子部分である。ポリマ網状構造の一例100が、図1a及び1bに図示されている。該ポリマ網状構造は、各々が中央の切断可能な結合を有すると共に、例えば捻られた又は斜角を付けられた向きに整列されたメソゲン単位103を有する。しかしながら、前述したように、ポリマ主鎖101は必ずしも整列される必要はない。更に、該ポリマ網状構造は、メソゲン単位103をポリマ主鎖101と接続する可撓性スペーサ102を有している。
当該構造体の曲がり効果は、典型的には、該可撓構造体における適切な分子配向により向上される。該分子配向は、分子鎖に対する側基のもの又はポリマ主鎖のものであり得る。好ましい実施例では、分子配向は、ポリマ主鎖を接続しているメソゲン単位の配列に関係する。メソゲン単位は、上述した分子構造において示された反応性可重合基をブリッジする棒状分子部分である。ポリマ網状構造の一例100が、図1a及び1bに図示されている。該ポリマ網状構造は、各々が中央の切断可能な結合を有すると共に、例えば捻られた又は斜角を付けられた向きに整列されたメソゲン単位103を有する。しかしながら、前述したように、ポリマ主鎖101は必ずしも整列される必要はない。更に、該ポリマ網状構造は、メソゲン単位103をポリマ主鎖101と接続する可撓性スペーサ102を有している。
当該構造体は、典型的には、長尺の伸展された形状を有し、例えば、適切な分子配向を持つポリマ膜から形成することができる。
例えば、分子は捻られた向きを有することができ、その場合、分子は当該膜の断面を介して90°回転し、且つ、これら分子が平均で当該膜の面内で整列されたままとなるか、又は斜角が付けられた向きとすることができ、その場合、分子は当該膜の一方の側では表面に平らに整列され、且つ、該膜の逆側では表面に対して垂直となる。
図2は、斜角が付けられた配向を持つポリマ液晶構造体の断面201を図示している。該構造体の底面において、平均の分子配向204は水平(当該構造体に平行)である一方、該構造体の上面においては平均の分子配向203は垂直(当該構造体に対し直角)である。しかしながら、試剤202(この場合はH2O)を加えると、ポリマ主鎖の間の平均距離はΔL=L1−L0だけ増加し、かくして、実効的に巨視的長さも増加する。これが、図1bに概念的に示されている。
図3は捻られたポリマ配向の断面を示し、この場合において、向きは当該構造体に対して平行であるが、下側表面層302と比較して上側表面層301においては90°捻られている。
寸法的変化を受ける分子が当該膜の上部において該膜の下部と比較して異なる向きを有する場合、該膜は、この寸法的変化により曲がる。上述したように、異なる向きは所謂斜角を付けられた構造とすることができる。その場合、膜は、分子が当該構造体に平行に整列された位置において横方向に膨張する一方、この膜は、分子の向きが該膜に垂直な個所において該膜に垂直な方向に膨張する。その結果は、このような構造を持つ膜が試剤と接触されると、これら膜は、常に、図2に示されるように平らな分子の分子配向の方向及び該膜の底部に向かう曲げ方向に曲がる。このような現象が図4にマクロレベルで図示されており、該図には可撓エレメントの断面が示されている。可撓構造体401、402は、基本的に、基体マウント404上に位置する可動エレメント403からなっている。上記可動エレメントは、例えば図1に示した斜角の付けられた分子配向を持つポリマ液晶から形成される。試剤(この場合はH2O)に曝されると、ポリマの長さ/幅比が変化し、該エレメントは直線的形状401から湾曲形状402へと形状を変化させる。
他の例として、分子配向の相違が捻り構造である場合、当該膜の底部におけるメソゲン単位の平均の分子の向きは、該膜の頂部におけるものに対して平均して直交的である。このような構造体では、曲がり方向は定まらない。何故なら、両方の面が配向方向に離れるように曲がる傾向があるからである。この結果、幾何学的理由により形成するのが不可能な鞍状幾何学構造となる。しかしながら、驚いたことに、斯かる膜は、常に、最初に試剤を受ける面から離れるように曲がることが分かった。従って、図5に示すように、試剤が膜500の上側から到来すると、該膜500は底の方向501に曲がり、曲がり方向は該膜の頂部における平均の分子の向きに平行となる。逆に、試剤が底部から到来する場合は、膜は該膜の底部における平均の分子の向きと平行な方向502で頂部に向かって曲がる。
図6は、4つの可撓構造体からなるアレイ610、620、630を図示している。構造体601は、全てが真っ直ぐな状態であり得、全てが閉じたアレイ610を呈する。他の例として、これらが全て湾曲状態602とすることができるか、又は幾つかの構造体604が湾曲状態である一方、他のもの605が真っ直ぐな状態であるとすることもできる。個々の構造体のアドレス指定は、例えば、これら構造体の組成を変化させることにより実施することができる。基材分子の濃度の差は、試剤の濃度に依存した応答の差を提供する。当該膜は光重合により形成されるので、これら膜は容易に構造化することができ、異なる応答を持つ複雑なアレイは、異なるモノマ組成による2以上の連続するステップにおいてコーティング及びリソグラフィック露光及び非反応モノマの溶解により形成される。結果として、図6に示すようなアレイにおいて、水に応答するエレメントの場合、水の蒸気圧に依存して一層多く又は少ない孔が開放される。
他の例では、可撓構造体はマイクロ流体系の一部であり、各エレメントは自動化された弁の機能を有する。ここでは、これらエレメントの水に対する高い感度が利用される。
図7a及び7bは、第1の可撓構造体701及び第2の可撓構造体702を有するT型弁の形態の斯様なマイクロ流体系700を図示している。当該チャンネルに精製されたエタノール等の無水液体が供給された場合、構造体701は下方向のチャンネルを閉塞し、当該液体は上方向に進むように強制される。該エタノールが水により汚染されるやいなや、構造体702は閉じる一方、構造体701は開くので、当該液体は異なる経路を辿るように強いられる。このために、構造体701は乾燥状態で曲がるように作製され、構造体702は湿った状態で曲がるように作製される。湿った状態で曲がる真っ直ぐな構造体は、例えば斜角が付けられた構造を利用することにより、前述したようなものとなる。乾燥状態において既に曲がっており、湿ると真っ直ぐになるような構造体は、モノマ混合物に少量のスチルベン(stilbene)含有形状記憶モノマを添加することにより準備することができる。重合の間において、このような単位は収縮する傾向がある。このような配合物が斜角の付けられた構造にされた場合、該配合物は当該膜を、分子が平らに整列された側に湾曲させる。
他の実施例では、上記エレメントに導電材料が、当該エレメントが湾曲すると2つの対向する電極が短絡するように設けられる。可撓構造体は試剤の濃度の関数として開成又は閉成するようなリレーに相当するので、斯様なデバイスは試剤の検出のために使用することができるが、試剤と接触された場合にシャッタ、窓、弁、ポンプ等の他の装置を駆動するためにも使用することができる。
[例]
本発明による自立型(free-standing)可撓構造体(ビーム:beam)であって、断面を介して分子の90°の捻りを伴う規則的分子構造を持ち、且つ、水に応答する可撓構造体の製造の一例を以下に示す。
本発明による自立型(free-standing)可撓構造体(ビーム:beam)であって、断面を介して分子の90°の捻りを伴う規則的分子構造を持ち、且つ、水に応答する可撓構造体の製造の一例を以下に示す。
第1の化合物はモノマであり、第2の化合物は形状記憶モノマであり、第3の化合物はキラルドーパントであり、第4の化合物は光反応開始剤(photoinitiator)である。上記キラルドーパントは、全分子が同一の方向に回転することを保証し、かくして捻り分子配向のために使用される。上記光反応開始剤は、紫外線に暴露された場合に2つの遊離基に分離するようなもので、これにより連鎖反応重合過程を開始させる。
2枚の50x50mmのガラス基板が、Nメチル・ピロリジン(pyrrolidine)への溶解液からスピンコーティング形成された30nmのポリイミド層により被覆され、その後、該ポリイミドは例えばビロード布を用いて一軸的にラビングされる。このラビング処理は、該ラビングされたポリイミドと接触させられる液晶の一軸的整列を生じさせる。
次いで、上記ガラス板は、ラビングされたポリイミド膜が互いに対面するようにしてセル構造に取り付けられる。これら基板を離隔させるために、例えば10マイクロメートルの直径を持つガラスファイバスペーサが使用され、各ポリイミド層のラビング方向は互いに垂直になるように配される。
上記離隔空間は、次いで、100℃において毛管力を用いて前記モノマ配合物により充填される。30℃に冷却した後、該試料は、20cmはなれた蛍光UVランプ(フィリップス社製PL10、5mW/cm2)からのUV光の30分間の露光により重合される。上記UV露光の後、この試料を後硬化するために該試料の温度は5分間80℃に上昇され、その後、該試料は再び室温まで冷却される。室温において、該ガラス板は取り外され、結果としてのポリマ液晶膜から20x5mmの自立型ポリマビームが切断される。
切断は、例えばナイフを用いて実行することができる。他の例として、基板上に構造をスタンプするマイクロコンタクト印刷法、又はマスクを介して光重合し、非露光領域に除去可能な未反応モノマを残存させる方法を用いて当該構造をパターン化することもできる。
結果としてのポリマビームは複屈折的であり(規則的構造の仮定をサポートする)と共に、偏光された光の方向を回転させる(捻られた構造の仮定をサポートする)。この膜が水と接触させられた場合、何の機械的応答も観測されない。しかしながら、同じ膜が先ず2 N KOH溶液に浸され、乾燥されると、該膜は曲がりにより水に対して直接的に応答する。KOHによる浸漬は、水が当該ポリマにより異方的に吸収されるのを可能にし、結果として分子を長くさせる。事実、明らかなように当該膜を水面に向かって単に移動させることにより、該膜にとり、5mmの半径で湾曲するのに水蒸気の存在で既に充分である。該膜を水面から離れるように上方に移動させると、該膜は再び真っ直ぐになることにより直接的に応答する。
従って、本質的に、本発明は試剤の供給に応答するような可撓構造体401に関するものである。試剤が供給されると、該可撓構造体は所定の態様で曲がる(402)。該可撓構造体は、実質的に異なる分子の向きを有する上側表面層及び下側表面層を規定するように配向されたポリマ液晶から形成され、該ポリマ液晶は試剤が供給されると長さ/幅比が変化されるようなものである。これにより、上記の上側及び下側表面層が試剤の供給に対して異なるように応答し、結果として該可撓構造体401は曲がるか又は曲げが戻る。
Claims (16)
- ポリマ網状構造を有する可撓構造体であって、前記ポリマ網状構造は重合された液晶モノマを有し、前記構造体は上側表面層及び下側表面層を規定し、前記重合されたモノマは前記上側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向が前記下側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向とは実質的に相違するように配向され、前記重合されたモノマが試剤の供給により切断可能な可切断二次結合を有するような可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記重合されたモノマは前記上側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向が前記下側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向とは実質的に90°相違するように配向されているような可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記重合された液晶モノマが、前記可切断二次結合の切断に際し、該可切断二次結合の切断が前記試剤の分子のための位置を形成し、前記試剤の分子が前記重合されたモノマに組み込まれるように伸張可能である可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記可切断二次結合が前記重合された液晶モノマにおけるHブリッジであるような可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記試剤がH2Oを含むような可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記ポリマ網状構造が、その二次結合を切断するように前記試剤と反応しないような重合されたモノマを更に有するような可撓構造体。
- 請求項1に記載の可撓構造体において、前記重合されたモノマはR1-X-R3なる構造を有し、ここで、R1及びR3はビニル基と組み合わされたチオール基、又はアクリレート、メタクリレート、エポキシド、ビニルエーテル、オキセタン基を各々有し、Xは2つのカルボキシル基により又は1つのカルボキシル基及び1つのピリジル基により形成されるような可撓構造体。
- 可撓構造体としてのポリマエレメントの使用方法であって、前記ポリマエレメントはポリマ網状構造を有し、該ポリマ網状構造は各々が長さ/幅比を持つ重合された液晶モノマを有し、前記可撓構造体は上側表面層及び下側表面層を規定し、前記重合されたモノマは前記上側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向が前記下側表面層における前記重合されたモノマの平均軸方向とは実質的に90°相違するように配向され、前記重合されたモノマは、試剤が供給されると前記重合されたモノマの長さ/幅比が変化される如くに試剤の供給により切断可能な可切断二次結合を有し、これにより、前記可撓構造体が前記試剤の供給に応答して曲がるようにするポリマエレメントの使用方法。
- 請求項10に記載のポリマエレメントの使用方法において、前記試剤が液体状態又は気体状態の一方であるような使用方法。
- 請求項10に記載のポリマエレメントの使用方法において、前記試剤がH2Oであるようなポリマエレメントの使用方法。
- 試剤の供給に応答するような可撓構造体を製造する方法において、該方法が、
− 異方性膨張又は収縮により試剤の供給に応答するようなポリマ液晶を選択するステップと、
− 該ポリマ液晶から前記可撓構造体を形成するステップと、
を有するような方法。 - 請求項13に記載の方法において、液晶モノマを重合することにより前記ポリマ液晶を形成するステップを含むような方法。
- 請求項14に記載の方法において、前記ポリマ液晶を形成するステップが、前記ポリマ液晶に所望の液晶分子の向きを生じさせる表面間に前記液晶モノマを配置するステップを含むような方法。
- 請求項15に記載の方法において、前記液晶モノマがモノマの混合物であるような方法。
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