JP2008521917A - Akt活性のインヒビター - Google Patents

Akt活性のインヒビター Download PDF

Info

Publication number
JP2008521917A
JP2008521917A JP2007544476A JP2007544476A JP2008521917A JP 2008521917 A JP2008521917 A JP 2008521917A JP 2007544476 A JP2007544476 A JP 2007544476A JP 2007544476 A JP2007544476 A JP 2007544476A JP 2008521917 A JP2008521917 A JP 2008521917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
heterocyclyl
aryl
cycloalkyl
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007544476A
Other languages
English (en)
Inventor
バーネツト,スタンレー・エフ
ボグスキー,マイケル,ジェイ
ライスター,ウィリアム,エイチ
リンズレイ,クレイグ・ダブリユ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck and Co Inc
Original Assignee
Merck and Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck and Co Inc filed Critical Merck and Co Inc
Publication of JP2008521917A publication Critical patent/JP2008521917A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/12Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D471/16Peri-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

本発明はAkt活性を阻害するカンチン類似体を提供する。特に、開示された化合物は1種または2種のAktイソ型を選択的に阻害する。また、本発明はかかる阻害化合物を含有してなる組成物および該化合物を癌の処置を必要とする患者に投与することにより、Akt活性を阻害する方法を提供する。

Description

本発明は、セリン/スレオニンキナーゼ、Akt(PKBとしても知られる;本明細書では“Akt”という)のイソ型の1種以上の活性のインヒビターであるカンチン(canthine)類似体に関する。また、本発明はかかる化合物を含有してなる医薬組成物および当該化合物を癌の処置に使用する方法に関する。
アポトーシス(プログラムされた細胞死)は胎児の発育および種々の疾患(例えば、変性神経細胞性疾患、心臓血管系疾患および癌など)の病因において本質的な役割を果たしている。最近の研究ではプログラムされた細胞死の調節または遂行に関与する種々のプロ−または抗−アポトーシス遺伝子産物が同定されている。抗−アポトーシス遺伝子(Bcl2またはBcl−xなど)の発現は、様々な刺激により誘発されたアポトーシス細胞死を阻害する。他方、プロ−アポトーシス遺伝子(例えば、BaxまたはBadなど)の発現は、プログラムされた細胞死に導く(Adams et al. Science, 281:1322-1326 (1998))。プログラムされた細胞死の遂行にはカスパーゼ−1関連プロティナーゼ(例えば、カスパーゼ−3、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8およびカスパーゼ−9など)が介在する(Thornberry et al. Science, 281:1312-1316 (1998))。
ホスファチジルイノシトール3’−OHキナーゼ(P13K)/Akt経路は、細胞生存/細胞死の調節にとって重要と思われる(Kulik et al. Mol. Cell. Biol. 17:1595-1606 (1997); Franke et al, Cell, 88:435-437 (1997); Kauffmann-Zeh et al. Nature 385:544-548 (1997) Hemmings Science, 275:628-630 (1997); Dudek et al., Science, 275:661-665 (1997))。血小板由来増殖因子(PDGF)、神経成長因子(NGF)およびインスリン様増殖因子−1(IGF−1)などの生存因子は、P13Kの活性を誘発することにより、種々の条件下で細胞の生存を促進する(Kulik et al. 1997, Hemmings 1997)。活性化されたP13Kは、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)−三リン酸(PtdIns(3,4,5)−P3)の産生を誘導し、それが次いでプレックストリン(pleckstrin)同族体(PH)ドメインを含むセリン/スレオニンキナーゼAktに結合し、その活性化を促進する(Franke et al Cell, 81:727-736 (1995); Hemmings Science, 277:534 (1997); Downward, Curr. Opin. Cell Biol. 10:262-267 (1998), Alessi et al., EMBO J. 15: 6541-6551 (1996))。P13Kの特異的インヒビターまたはドミナント(優性)ネガティブAkt変異体(dominant negative Akt mutant)は、これらの増殖因子またはサイトカインの生存促進活性を無効としてしまう。P13Kのインヒビター(LY294002またはウオートマンニン(wortmannin))が、上流キナーゼによりAktの活性化をブロックすることがすでに開示されている。さらに、構成的に活性なP13KまたはAkt変異体の導入は、細胞が正常にアポトーシス性細胞死を受ける条件下で細胞の生存を促進する(Kulik et al. 1997, Dudek et al. 1997)。
第二メッセンジャー調節セリン/スレオニンタンパク質キナーゼのAktサブファミリーの3種のメンバーが同定されており、それぞれ、Akt1/PKBα、Akt2/PKBβおよびAkt3/PKBγ(以下、“Akt1”、“Akt2”および“Akt3”という)と命名されている。これらのイソ型は、特に触媒ドメインをエンコードする領域において相同性である。AktはP13Kシグナル伝達に応答して生じるリン酸化事象により活性化される。P13Kは膜イノシトールホスホリピドをリン酸化して、第二メッセンジャー・ホスファチジル−イノシトール3,4,5−三リン酸およびホスファチジルイノシトール3,4−二リン酸を生成させるが、これらはAktのPHドメインに結合することが示されている。Akt活性化の現在のモデルでは、3’−リン酸化ホスホイノシチドにより酵素が膜に送達されるとし、そこで、上流キナーゼによるAkt調節部位のリン酸化が起こると提案している(B.A. Hemmings, Science 275:628-630 (1997); B.A. Hemmings, Science 276:534 (1997); J. Downward, Science 279:673-674 (1998))。
Akt1のリン酸化は2つの調節部位、すなわち、触媒ドメイン活性化ループのThr308およびカルボキシ末端近傍のSer473で起こる(D. R. Alessi et al. EMBO J. 15:6541-6551 (1996) and R. Meier et al. J. Biol. Chem. 272:30491-30497 (1997))。等価の調節リン酸化部位がAkt2およびAkt3に存在する。活性化ループ部位でAktをリン酸化する上流キナーゼがクローン化されており、3’−ホスホイノシチド依存性タンパク質キナーゼ1(PDK1)と命名されている。PDK1はAktだけでなく、p70リボソームS6キナーゼ、p90RSK、血清とグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)、およびタンパク質キナーゼCをもリン酸化する。カルボキシ末端近傍のAktの調節部位をリン酸化する上流キナーゼは未だ同定されていないが、最近の報告ではインテグリン結合キナーゼ(ILK−1)、セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、または自己リン酸化に対しての役割を示唆している。
ヒトの腫瘍でのAktレベルの分析は、有意な数の卵巣癌(J. Q. Cheng et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:9267-9271(1992))とすい臓癌(J. Q. Cheng et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:3636-3641 (1996))においてAkt2が過剰に発現されることを示した。同様に、Akt3は乳癌と前立腺癌の細胞株に過剰発現されることが判明した(Nakatani et al. J. Biol. Chem. 274:21528-21532 (1999))。
PtdIns(3,4,5)−P3の3’−リン酸を特異的に除去するタンパク質脂質ホスファターゼである腫瘍サプレッサーPTENは、P13K/Akt経路のネガティブ調節因子である(Li et al. Science 275:1943-1947 (1997), Stambolic et al. Cell 95:29-39 (1998), Sun et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:6199-6204 (1999))。PTENの生殖細胞系列突然変異はカウデン(Cowden)病などのヒト癌症候群の原因である(Liaw et al. Nature Genetics 16:64-67 (1997))。PTENはかなりの割合のヒト腫瘍で欠失しており、機能的なPTENをもたない腫瘍細胞株は活性化したAktのレベルが上昇していることを示す(Li et al. supra, Guldberg et al. Cancer Research 57:3660-3663 (1997), Risinger et al. Cancer Research 57:4736-4738 (1997))。
これらの観察はP13K/Akt経路が腫瘍形成における細胞生存またはアポトーシスの調節に重要な役割を果たしていることを物語っている。
Akt活性化および活性の阻害は、LY294002およびウオートマンニンなどのインヒビターによりP13Kを阻害することにより達成し得る。しかし、P13Kの阻害は、3種すべてのAktアイソザイムのみならず、チロシンキナーゼのTecファミリーなどのPdtIns(3,4,5)−P3に依存する他のPHドメイン含有シグナル伝達分子にも無差別に影響する能力を有している。さらに、AktはP13Kとは独立している増殖シグナルによって活性化され得ることが開示されている。
あるいは、Akt活性は上流キナーゼPDK1の活性を遮断することによって阻害し得る。特異的なPDK1インヒビターは開示されていない。再び、PDK1の阻害は、異型PKCイソ型、SGK、およびS6キナーゼなどのその活性がPDK1に依存する多数のタンパク質キナーゼを阻害することとなる(Williams et al. Curr. Biol. 10:439-448 (2000))。
本発明の目的はAktのインヒビターである新規化合物を提供することにある。
また、本発明の目的はAktのインヒビターである新規化合物を含有してなる医薬組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、かかるAkt活性のインヒビターを投与することを特徴とする癌の処置方法を提供することにある。
本発明の要約
本発明はAkt活性を阻害するカンチン類似体を提供する。特に、開示された化合物は1種または2種のAktイソ型を選択的に阻害する。また、本発明はかかる阻害化合物を含有してなる組成物および該化合物を癌の処置を必要とする患者に投与することにより、Akt活性を阻害する方法を提供する。
本発明の詳細な記載
本発明化合物はセリン/スレオニンキナーゼAktの活性の阻害に有用である。本発明の第一の態様において、Akt活性のインヒビターは式A:
Figure 2008521917
〔式中、
aは0または1である;bは0または1である;mは0、1または2である;nは独立して0、1、2、3または4である;pは独立して0、1、2、3、4または5である;rは0または1である;sは0または1である;また、tは2、3、4、5または6である;
Figure 2008521917
はC−Cシクロアルキル、アリール、へテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される;
は独立して(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR,S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、NR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
は独立して(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−NR、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR、S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、NR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルはRから選択される1個、2個または3個の置換基で置換されてもよい;
およびRは独立してH、(C=O)O、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、および(C=O)NR から選択される(当該アルキル、シクロアルキル、アリール、へテロシクリル、アルケニル、およびアルキニルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい)か、またはRおよびRがそれらの結合する窒素と一緒になって単環式または二環式のヘテロ環(各環が5員〜7員)を形成してもよい;該へテロ環は窒素原子に加えて、N、OおよびSから選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい;当該単環式または二環式のヘテロ環はRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
は(C=O)(C−C10)アルキル、O(C−C)ペルフルオロアルキル、(C−C)アルキレン−S(O)mR、オキソ、OH、ハロ、CN、(C=O)(C−C10)アルケニル、(C=O)(C−C10)アルキニル、(C=O)(C−C)シクロアルキル、(C=O)(C−C)アルキレン−アリール、(C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、(C=O)(C−C)アルキレン−N(R、C(O)R、(C−C)アルキレン−CO、C(O)H、(C−C)アルキレン−COH、C(O)N(R、S(O)mR、S(O)N(RNR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、アリール、へテロシクリル、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、およびN(Rから選択される3個までの置換基で置換されてもよく、ここで、、当該へテロシクリルはオキソ、OH、N(R、および−O(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい;
は置換もしくは未置換の(C−C10)アルキル、置換もしくは未置換の(C−C10)アルケニル、置換もしくは未置換の(C−C10)アルキニル、置換もしくは未置換の(C−C10)シクロアルキル、置換もしくは未置換のアリール、(C−C)ペルフルオロアルキル、2,2,2−トリフルオロエチル、または置換もしくは未置換のヘテロシクリルである;
はH、(C−C10)アルキル、置換もしくは未置換のアリール、置換もしくは未置換のベンジル、置換もしくは未置換のヘテロシクリル、(C−C10)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−CアルキルまたはS(O)である;
はH、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−C10シクロアルキル、C−Cペルフルオロアルキルから選択される;当該アルキル、シクロアルキル、アリール、へテロシクリル、アルケニル、およびアルキニルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;および
は独立してHおよび(C−C)アルキルから選択される〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
本発明の第二の態様において、Akt活性のインヒビターは式A1:
Figure 2008521917
〔式中、
R’およびR”は独立してH、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR、S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、O(C=O)O−C10アルキル、およびO(C=O)O−Cシクロアルキルから選択される(当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、へテロシクリル、およびシクロアルキルはRから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい)か、またはR’およびR”がそれらの結合する窒素と一緒になって単環式または二環式のヘテロ環(各環が5員〜7員)を形成してもよい;該へテロ環は窒素原子に加えて、N、OおよびSから選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい;当該単環式または二環式のヘテロ環はRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
およびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C)ペルフルオロアルキルから選択されるか、またはRおよびRが一緒になって(CH)t−を形成する;ここで、その炭素原子の1個はO、S(O)m、−N(R)C(O)−、および−N(COR)−から選択される部分で置換されてもよい;
また、他の置換基および変数はすべて第一の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
本発明の第三の態様において、Akt活性のインヒビターは式A3:
Figure 2008521917
〔式中、
qは0、1、2、3または4である:
は独立して(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR、S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、O(C=O)O−C10アルキル、およびO(C=O)O−Cシクロアルキルから選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
また、他の置換基および変数はすべて第二の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
第四の態様において、本発明のインヒビターは式A4:
Figure 2008521917
〔式中、
他の置換基および変数はすべて第三の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
第五の態様において、本発明のインヒビターは式A5:
Figure 2008521917
〔式中、
Qはへテロシクリルから選択される;当該へテロシクリルはRから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい;
他の置換基および変数はすべて第四の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
本発明の第六の態様において、Akt活性のインヒビターは式A6:
Figure 2008521917
〔式中、
他の置換基および変数はすべて第二の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
本発明の第七の態様において、Akt活性のインヒビターは式A7:
Figure 2008521917
〔式中、
他の置換基および変数はすべて第三の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
第八の態様において、本発明のインヒビターは式A8:
Figure 2008521917
〔式中、
他の置換基および変数はすべて第四の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
第九の態様において、本発明のインヒビターは式A9:
Figure 2008521917
〔式中、
他の置換基および変数はすべて第五の態様に定義したとおりである〕
によって示されるか、またはその医薬的に許容される塩または立体異性体である。
本発明の具体的化合物は:
1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−5);および
1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−6);
またはその医薬的に許容される塩または立体異性体を包含する。
本発明化合物の例は、以下の化合物のTFA塩を包含する:
1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−5);および
1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−6);
またはその立体異性体。
本発明化合物は不斉中心、キラル軸、およびキラル平面を有し得るものであり(E.L. Eliel and S.H. Wilen, Stereochemistry of Carbon Compounds(炭素化合物の立体化学), John Wiley & Sons, New York, 1994, pages 1119-1190に記載されている)、また光学異性体を含むすべての可能な異性体およびその混合物と共に、ラセミ体、ラセミ混合物、および個々のジアステレオマーとして存在し得、かかる立体異性体のすべてが本発明に包含される。
さらに、本明細書に開示されている化合物は互変異性体として存在可能であり、一方の互変異性体構造のみが描出されていたとしても、その両方の互変異性体形状が本発明の範囲に包含されるものとする。例えば、下記化合物Aを請求している場合には、互変異性体構造Bをも含むと理解され、またその逆もあり、さらにその混合物をも含む。
Figure 2008521917
テトラゾールは1H/2H互変異性体の混合物として存在する。テトラゾール部分の互変異性体も本発明の範囲内にある。
Figure 2008521917
いずれかの変数(例えば、R、R、Rなど)がいずれかの構成体に1度ならず存在する場合、その存在ごとの定義はどの存在もそれぞれで独立している。また、置換基と変数の組合わせも、かかる組合せが安定な化合物に至る場合にのみ許される。置換基から環系に引かれた線は、表示した結合が置換可能な環原子のいずれに接合してもよいことを意味する。環系が多環系である場合、近位環上のみの適当な炭素または窒素原子のいずれかに接合しているものとする。
本発明化合物上の置換基および置換パターンは、当業者が選定して、化学的に安定であり、かつ技術上既知の方法ならびに以下に示す方法により、容易に入手し得る出発原料から容易に合成し得る化合物とすることが可能なものと理解される。もし置換基それ自体が1つを超える基により置換されているならば、これらの複数基は安定な構造が得られる限り、同じ炭素上にあっても、異なる炭素上にあってもよいと理解される。「1個以上の置換基で置換されてもよい」という文言は、「少なくとも1個の置換基で置換されてもよい」という文言と等価であると解釈すべきであり、そのような場合、好適な態様は0ないし4個の置換基を有し、より好適な態様では0ないし3個の置換基を有する。
本明細書にて使用する場合、「アルキル」は特定数の炭素原子を有する分枝および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。例えば、「C−C10アルキル」におけるC−C10は、直線または分枝状の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素を有する基を包含すると定義する。例えば、「C−C10アルキル」は、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどである。用語「シクロアルキル」は特定数の炭素原子を有する単環式の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアルキル」はシクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含する。
「アルコキシ」とは酸素架橋を介して接合する表示数の炭素原子の環状または非環状アルキル基を表す。従って、「アルコキシ」とは上記のアルキルとシクロアルキルの定義を包含する。
「アルケニル」という用語は、炭素原子数が特定されていない場合、2ないし10個の炭素原子と少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖、分枝もしくは環状の非芳香族炭化水素基をいう。好ましくは1個の炭素−炭素二重結合が存在し、また4個までの非芳香族炭素−炭素二重結合が存在し得る。従って、「C−Cアルケニル」とは2ないし6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。アルケニル基はエテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニルおよびシクロヘキセニルを包含する。アルケニル基の直鎖、分枝もしくは環状の部分は二重結合を含み得るし、また置換アルケニル基が示されるならば、置換基を有し得る。
「アルキニル」という用語は、2ないし10個の炭素原子と少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖、分枝もしくは環状の炭化水素基をいう。3個までの炭素−炭素三重結合が存在し得る。従って、「C−Cアルキニル」とは2ないし6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基はエチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどを包含する。アルキニル基の直鎖、分枝もしくは環状の部分は三重結合を含み得るし、また置換アルキニル基が示されるならば、置換基を有し得る。
一部の例において、置換基は例えば(C−C)アルキレン−アリールなどのように、ゼロを含む炭素範囲で定義し得る。もしアリールがフェニルであるとするならば、この定義にはフェニルそれ自体、ならびに−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどを包含する。
本明細書にて使用する場合、「アリール」は安定な単環式または二環式の炭素環であって、各環7個までの原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族である環を意味するものとする。かかるアリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニルなどである。アリール置換基が二環式であり、1つの環が非芳香族である場合、その接合は芳香環を介するものと理解される。
ヘテロアリールという用語は、本明細書にて使用する場合、安定な単環式または二環式の環であって、各環7個までの原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族であり、かつO、NおよびSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基は、限定されるものではないが、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンなどである。下記へテロ環の定義に従うと、「ヘテロアリール」とはまた含窒素へテロアリールのN−オキシド誘導体も包含すると理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、環の1つが非芳香族であるかまたはヘテロ原子を含まない場合、その接合はそれぞれ芳香環またはヘテロ原子含有環を介するものと理解される。置換基Qのかかるヘテロアリール部分は、限定されるものではないが、2−ベンズイミダゾリル、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、および4−イソキノリニルなどである。
用語「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」(”heterocycle”又は”heterocyclyl”)」とは、本明細書にて使用する場合、O、NおよびSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む3員ないし10員の芳香族または非芳香族へテロ環を意味するものとし、二環式基を包含する。従って、「ヘテロシクリル」は上記のヘテロアリール、ならびにそのジヒドロおよびテトラヒドロ類似体を包含する。さらに、「ヘテロシクリル」の例は、限定されるものではないが、以下のものを包含する:ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロチエニル、ならびにそのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の接合は炭素原子を介して、またはヘテロ原子を介して起こり得る。
本明細書にて使用する場合、用語の「置換C−C10アルキル」、「置換C−C10アルケニル」、および「置換C−C10アルキニル」は特定した炭素原子数の分枝鎖または直鎖のアルキル基を包含するものとし、ここで、その炭素原子は、限定されるものではないが、以下からなる群より選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい:ハロ、C−C20アルキル、CF、NH、N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、へテロ環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロ環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロ環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキル。
本明細書にて使用する場合、用語の「置換C−C10シクロアルキル」、「置換アリール」、および「置換へテロ環」とは、化合物の残りの部分に対する接合点に加えて、1ないし3個の置換基を含む環状基を包含するものとする。好ましくは、該置換基は以下から選択されるが、限定されるものではない:ハロ、C−C20アルキル、CF、NH、N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、へテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロ環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロ環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキル。
当業者も認識するように、「ハロ」または「ハロゲン」とは、本明細書にて使用する場合、クロロ(Ch)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)およびヨード(I)を包含するものとする。
一態様において、nは独立して0、1または2である。
別の態様において、nは0である。
一態様において、pは独立して0、1または2である。
別の態様において、pは0である。
一態様において、
Figure 2008521917
はフェニルから選択される。
一態様において、Qは2−アゼピノン、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、2−ジアザピノン、イミダゾリル、2−イミダゾリジノン、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノン、2−ピリミジノン、2−ピロリジノン、キノリニル、テトラゾリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、チエニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリルおよびトリアゾリルから選択され、これらは1〜3個のRで置換されてもよい。
別の態様において、Qは以下から選択される:
Figure 2008521917
これらはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい。
別の態様において、Qは:
Figure 2008521917
から選択される。
一態様において、RはH、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキル、およびヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい。
別の態様において、RはH、(C=O)(C−C)アルキル、NH、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、フェニルおよび(C−C)シクロアルキルから選択される;当該アルキル、フェニルおよびシクロアルキルは、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい。
一態様において、Rは独立して(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−NR、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR、S(O)NR、NRS(O)mR、CHO、NO、NR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルは、Rから選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよい。
別の態様において、Rは独立して(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−NRから選択される;当該ヘテロシクリルはRから選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよい。
別の態様において、RはCH−NRから選択される。
さらに別の態様において、Rはハロ、OH、N(R、オキソおよびO(C−C)アルキルから選択される。
一態様において、RおよびRはH、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい。
一態様において、RはH、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、Rから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい。
一態様において、RおよびRはHおよび(C−C)アルキルから選択される。
別の態様において、RおよびRはHである。
一態様において、RはH、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)HC(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、(C=O)(C−C)アルキル、NR 、OH、オキソ、ハロ、NO、C(O)H、C(O)OH、CF、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびヘテロシクリルから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよく、ここで、当該へテロシクリルはオキソ、OH、N(R、およびO(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい。
本発明には式(A)で示される化合物の遊離型のもの、ならびにその医薬的に許容される塩および立体異性体が包含される。本明細書に例示されている単離された具体的化合物のあるものは、アミン化合物のプロトン化塩である。「遊離型」という用語は、非塩型のアミン化合物をいう。包含される医薬的に許容される塩とは、本明細書に記載された具体的化合物について例示された単離塩のみならず、式(A)で示される化合物の遊離型のものの代表的な医薬的に許容される塩をすべて包含する。記載された具体的塩化合物の遊離型は当該技術分野における技術上既知の方法により単離し得る。例えば、遊離型はその塩を適当な希釈塩基性水溶液(例えば、NaOH、炭酸カリウム、アンモニアおよび重炭酸ナトリウムなどの希釈水溶液)で処理することにより再生し得る。遊離型はそのそれぞれの塩の形状とは、一部の物性(例えば、極性溶媒における溶解度など)で幾分異なるが、本発明の目的において、酸性塩および塩基塩はその他の点ではそれぞれの遊離型と医薬的に等価である。
当該化合物の医薬的に許容される塩は、常套の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含む本発明化合物から合成し得る。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、または該遊離塩基を化学当量もしくは過剰の所望とする塩形成無機もしくは有機酸と適当な溶媒中または様々な溶媒の組合わせ中で反応させることにより調製する。同様に、酸性化合物の塩は適切な無機またな有機の塩基と反応させることにより形成される。
本発明化合物の医薬的に許容される塩は、塩基性の当該化合物と無機または有機酸とを反応させることにより形成される本発明化合物の通常の非毒性塩を包含する。例えば、通常の非毒性塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など)から誘導される塩、ならびに有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など)から調製される塩を包含する。
本発明化合物が酸性である場合、適当な「医薬的に許容される塩」は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される非毒性塩基から調製される塩をいう。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を包含する。特に好適な塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩である。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、一級、二級および三級のアミンの塩; 天然産置換アミンなどの置換アミンの塩; 環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。
上記の医薬的に許容される塩およびその他の典型的な医薬的に許容される塩の調製については、文献(Berg et al., "Pharmaceutical Salts(医薬用塩)," J. Pharm. Sci., 1977:66:1-19)により詳しい記載がある。
本発明化合物が潜在的に内部塩または両性イオンであることも銘記される;その理由はその場合、生理条件下での該化合物の脱プロトンされた酸性部分(例えば、カルボキシル基)がアニオン性であり得るし、そしてこの電荷がプロトン化もしくはアルキル化された塩基性部分(例えば、四級窒素原子など)のカチオン性電荷に対して内部的に平衡を保つ可能性があるからである。
用途
本発明化合物はAkt活性のインヒビターであり、従って、癌の処置、とりわけAkt活性およびAktの下流細胞性標的における異常と関連する癌の処置に有用である。かかる癌は、限定されるものではないが、卵巣、膵臓、乳房および前立腺の癌、ならびに腫瘍抑制因子PTENが突然変異している場合の癌(グリア芽細胞腫を含む)である(Cheng et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (1992) 89:9267-9271; Cheng et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (1996) 93:3636-3641; Bellacosa et al., Int. J. Cancer (1995) 64:280-285; Nakatani et al., J. Biol. Chem. (1999) 274:21528-21532; Graff, Expert. Opin. Ther. Targets (2002) 6(1):103-113; and Yamada and Araki, J. Cell Science. (2001) 114:2375-2382; Mischel and Cloughesy, Brain Pathol. (2003) 13(1):52-61)。
本明細書に示される化合物、組成物および方法は、皮膚、乳房、脳、子宮頸癌、睾丸癌などの固形腫瘍を含む癌の処置に特に有用であると考えられる。より詳しくは、本発明化合物、組成物および方法によって処置し得る癌は、限定されるものではないが、以下のとおりである: 心臓系:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫; :気管支腫(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫; 胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(線種、管状線種、絨毛線種、過誤腫、平滑筋腫); 泌尿生殖器管:腎臓(腺癌、ウイルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維線種、線種様腫瘍、脂肪腫); 肝臓:肝癌(肝細胞癌)、肝胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺癌、血管腫; :骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨大細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨大細胞腫瘍; 神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、グリオーマ、上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性グリア細胞芽腫、希突起グリオーマ、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、グリオーマ、肉腫); 婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚部癌、前腫瘍子宮頚部異形性)、卵巣(卵巣癌[漿膜性のう胞腺癌、ムチン性のう胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜−卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞肉腫、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児横紋筋肉腫))、卵管(癌腫); 血液学的:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]; 皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および 副腎:神経芽細胞腫。従って、本明細書にて提示される用語の「癌性細胞」は、上記の症状のいずれか一つに罹患する細胞である。
Aktシグナル伝達は血管形成において多数の重要なステップを調節する。Shiojima and Walsh, Circ. Res. (2002) 90:1243-1250。癌の処置における血管形成インヒビターの用途は文献上既知である;参照例:J. Rak et al. Cancer Research, 55:4575-4580, 1995およびDredge et al., Expert Opin. Biol. Ther. (2002) 2(8):953-966。癌における血管新生の役割は、多くのタイプの癌と組織において示されている:乳癌(G. Gasparini and A.L. Harris, J. Clin. Oncol., 1995, 13:765-782; M. Toi et al., Japan. J. Cancer Res., 1994, 85:1045-1049);膀胱癌(A.J. Dickinson et al., Br. J. Urol., 1994, 74:762-766);大腸癌(L.M. Ellis et al., Surgery, 1996, 120(5):871-878):および口腔腫瘍(J.K. Williams et al., Am. J. Surg., 1994, 168:373-380)。その他の癌としては、進行性腫瘍、毛髪細胞白血病、メラノーマ、進行性頭頚部、転移性腎細胞、非ホジキンリンパ腫、転移性乳房、乳房腺癌、進行性メラノーマ、膵臓、胃、グリア芽細胞腫、肺、卵巣、非小細胞肺、前立腺、小細胞肺、腎細胞癌、種々の固形腫瘍、多発性骨髄腫、転移前立腺、悪性グリオーマ、腎癌、リンパ腫、難治性転移性疾患、難治性多発性骨髄腫、子宮頸癌、カポジ肉腫、再発性退生グリオーマ、および転移大腸癌を包含する(Dredge et al., Expert Opin. Biol. Ther. (2002) 2(8):953-966)。従って、本出願に開示されたAktインヒビターは、これらの血管新生関連癌の処置にも有用である。
新血管形成を受ける腫瘍は転移能力が増大していることを示す。実際に、血管新生は腫瘍の成長と転移にとって必須である。(S.P. Cunningham, et al., Can. Research, 61: 3206-3211 (2001))。本出願に開示されたAktインヒビターは、従って、腫瘍細胞転移の予防または低減にも有用である。
さらに本発明の範囲には、血管新生が関与している疾患の処置または予防方法であって、本発明化合物の治療有効量をかかる処置の必要な哺乳動物に投与することからなる方法が包含される。眼の血管新生疾患はその一例であり、その場合、得られる組織損傷の多くが眼における血管の異常な浸潤に帰される(参照:WO00/30651;2000年6月2日公開)。望ましくない浸潤は虚血性網膜症(例えば、これは、糖尿病網膜症、未熟児網膜症、網膜血管閉塞から生じる)が引き金となるか、;あるいは望ましくない浸潤は変性疾患(例えば、加齢関連黄斑変性において観察される脈絡膜血管化など)によっても惹き起こされる。本発明化合物の投与による血管成長の阻害は、従って、血管の浸潤を予防することになり、また血管新生が関与する疾患、例えば、網膜血管化、糖尿病網膜症、加齢関連黄斑変性などの眼の疾患を予防または処置することとなる。
さらに本発明の範囲には、血管新生が関与している非悪性疾患、例えば、限定されるものではないが、眼の疾患(網膜血管化、糖尿病網膜症および加齢関連黄斑変性など)、アテローム性動脈硬化症、関節炎、乾癬、肥満およびアルツハイマー病などの疾患を処置または予防する方法が包含される(Dredge et al., Expert Opin. Biol. Ther. (2002) 2(8):953-966)。もう一つの態様において、血管新生が関与している疾患の処置または予防方法は、眼の疾患(網膜血管化、糖尿病網膜症および加齢関連黄斑変性など)、アテローム性動脈硬化症、関節炎および乾癬を包含する。
さらに本発明の範囲には、再狭窄、炎症、自己免疫疾患およびアレルギー/喘息などの高増殖性疾患を処置する方法が包含される。
さらに本発明の範囲には、ステントを被覆するために本発明化合物を使用すること、従って、再狭窄の処置および/または予防するために被覆ステント上で本発明化合物を使用することが包含される(WO03/032809)。
さらに本発明の範囲には、骨関節症の処置および/または予防のために本発明化合物を使用することが包含される(WO03/035048)。
さらに本発明の範囲には、高インスリン症を処置する方法が包含される。
本発明化合物は、上記の疾患、とりわけ癌の処置に有用な医薬の調製においても有用である。
本発明の一態様において、当該化合物は選択的インヒビターであり、その阻害の有効性はPHドメインに依存する。この態様において、該化合物はPHドメインを欠失する末端切除Aktタンパク質に対して、インビトロの阻害活性が低下しているか、またはインビトロの阻害活性が消失している。
さらなる態様において、本発明化合物はAkt1の選択的インヒビター、Akt2の選択的インヒビターおよびAkt1とAkt2両方の選択的インヒビターの群から選択される。
別の態様において、本発明化合物はAkt1の選択的インヒビター、Akt2の選択的インヒビター、Akt3の選択的インヒビターおよび3種のAktイソ型の中の2種の選択的インヒビターの群から選択される。
別の態様において、本発明化合物は3種すべてのAktイソ型の選択的インヒビターであるが、PHドメイン、そのヒンジ領域、またはPHドメインとヒンジ領域の双方を欠損するように修飾したAktイソ型の1種、2種または全部のインヒビターではない。
本発明はさらにAkt活性を阻害する方法であって、当該化合物の医薬的有効量をそれの必要な哺乳動物に投与することからなる方法を目的とする。
本発明化合物は、ヒトを含む哺乳動物に、単独で、または医薬的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と医薬組成物中で組合わせて、標準的投薬プラクティスに従って投与し得る。本化合物は経口的に、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸および局所の投与経路など非経口的に投与することができる。
有効成分を含有する医薬組成物は経口使用に適した形状、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルとしてもよい。経口用組成物は医薬組成物の製造上、当該技術分野で既知の方法に従って調製し得る;また、かかる組成物は製剤上形のよい口に違和感のない製剤とするために、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される1種以上の薬剤を含有し得る。錠剤は有効成分と、錠剤の製造に適する非毒性の医薬的に許容される賦形剤とを混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性賦形剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム);顆粒化剤および崩壊剤(例えば、微結晶性セルロース、ナトリウム・クロスカルメロース、コーンスターチ、またはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドンまたはアラビアゴム);および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)などである。該錠剤は未被覆であってもよいし、または薬物の不快な味をマスクするために、もしくは胃腸管での分解と吸収を遅延させて、それによって長時間作用を持続させるために、既知方法により被覆してもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性味遮蔽物質、またはエチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどの時間遅延物質を用いることができる。
経口使用の剤形はハードゼラチンカプセルとしても提供し得るが、ここで、有効成分は不活性の固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなど)と混合する;あるいはソフトゼラチンカプセルとして提供し得るが、ここで、有効成分はポリエチレングリコールなどの水溶性担体、または油性媒体(例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油)と混合する。
水性懸濁液の製造に適する賦形剤と一緒に、水性懸濁液は活性物質を含有する。かかる賦形剤は懸濁化剤、例えば、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムなどである;分散剤または湿潤剤は天然産のホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合産物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であってもよい。水性懸濁液はさらに1種以上の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル、1種以上の着色剤、1種以上の芳香剤、および1種以上の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリンもしくはアスパルテームなどを含有してもよい。
油性懸濁液は有効成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィンなど)に懸濁することにより製剤化することができる。この油性懸濁液は増粘剤、例えば、ミツロウ、硬パラフィンもしくはセチルアルコールなどを含有してもよい。上記のような甘味剤および芳香剤を添加して口当たりのよい経口製剤とすることができる。これらの組成物はブチル化ヒドロキシアニソールまたはアルファ−トコフェロールなどの抗酸化剤の添加によって保存してもよい。
水を加えることによる水性懸濁液の調製に適した分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1種以上の保存剤と混合した有効成分を提供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤はすでに上記したものにより例示される。さらなる添加剤、例えば、甘味剤、芳香剤および着色剤も含んでいてもよい。これらの組成物はアスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により保存してもよい。
本発明の医薬組成物は水中油型のエマルジョンの形状でもよい。油相は植物油(例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィン)、またはそれらの混合物でもよい。適当な乳化剤は天然産のホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、および脂肪酸とヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、および当該部分エステルとエチレンオキシドの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であってもよい。該エマルジョンは甘味剤、芳香剤、保存剤および抗酸化剤をも含んでもよい。
シロップおよびエリキシルは甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)とともに製剤化してもよい。かかる製剤は粘滑剤、保存剤、芳香および着色剤および抗酸化剤をも含んでもよい。
該医薬組成物は無菌の注射用水性溶液の形状であってもよい。使用してもよい媒体と溶媒は、とりわけ水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。
無菌の注射用製剤は、有効成分を油相に溶かした無菌の注射用水中油型マイクロエマルジョンでもよい。例えば、有効成分を先ずダイズ油とレシチンの混合物に溶かす。次いで、その油溶液を水とグリセロールの混合物中に入れ、加工処理してマイクロエマルジョンとする。
注射用溶液またはマイクロエマルジョンは、局所のボーラス注射により患者の血流中に導入し得る。あるいは、当該化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で、該溶液またはマイクロエマルジョンを投与することが有利であるかもしれない。かかる一定濃度を維持するためには、連続静脈内送達装置を利用してもよい。かかる装置の一例は、デルテック(Deltec)のカッド−プラス(CADD−PLUS;商標)モデル5400静脈内用ポンプである。
該医薬組成物は筋肉内および皮下投与用の無菌注射用水性または油脂性懸濁液の形状であってもよい。この懸濁液は既知の技術に従い、上記のこれらの適当な分散もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤化してもよい。無菌の注射用製剤は、非毒性の非経口投与可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオールの溶液でもよい。さらに、無菌の不揮発性油が溶剤または懸濁媒体として従来用いられる。この目的のためには、合成のモノ−またはジグリセリドを含むいずれの刺激のない不揮発性油も採用し得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤に使用し得る。
式Aで示される化合物は薬物の直腸投与用の坐剤の形状でも投与してもよい。これらの組成物は、適当な非刺激性の賦形剤であって、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、その結果、直腸内で融解して薬物を放出するような賦形物と薬物を混合することにより調製し得る。かかる物質はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物を包含する。
局所での使用には、式Aで示される化合物を含有するクリーム、軟膏、ジェリー、溶液または懸濁液などが用いられる。(この適用の目的には、局所適用剤としてうがい薬および含嗽剤も包含するものとする)。
本発明化合物は鼻腔内用の形状として、適当な鼻腔内媒体と送達装置を局所的に使用するか、または当業者周知の皮膚透過性皮膚パッチの形状で、皮膚透過経路により投与し得る。皮膚透過送達システムの形状で投与するには、勿論、一定用量の投与を薬剤投与計画全般で断続的であるよりもむしろ継続的であるようにする。本発明化合物はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物などの基剤を用いる坐剤としても送達してもよい。
本発明による組成物をヒトの対象に投与する場合、通常、日用量はそれを処方する医師が決定するが、その用量は個々の患者の年齢、体重、および反応、ならびに患者症状の重症度によって一般には変わり得る。
一態様においては、Aktのインヒビターの適当な量を癌の処置を受ける哺乳動物に投与する。投与はインヒビターの量として、1日体重1kgあたり、約0.1mgないし約60mg、または1日体重1kgあたり、0.5mgないし約40mgで行う。もう一つの治療用量は、当該組成物を含んでなり、Aktインヒビターとして約0.01mgないし約1000mgである。もう一つの態様において、用量はAktインヒビターとして約1mgないし約1000mgからなる。
当該化合物はまた既知の治療薬および抗癌剤との組合わせにおいても有用である。例えば、当該化合物は既知の抗癌剤との組合わせにおいて有用である。ここに開示した化合物と他の抗癌剤または化学療法薬との組合わせは本発明の範囲内である。かかる薬剤の例は文献(Cancer Principles and Practice of Oncology(癌の原理と腫瘍学の実際)V.T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (February 15, 2001), Lippincott Williams & Wilkins Publishers)に見出し得る。当業者はどの薬剤との組合せが有用であるかについて、関係する薬物と癌の特性に基づいて、明確に認識し得よう。かかる抗癌剤は以下のとおりである:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞障害剤/細胞成長抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビターと他の血管形成インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、細胞増殖と生存シグナル伝達のインヒビター、および細胞周期チェックポイント干渉薬剤。当該化合物は放射線療法と同時投与の場合に特に有用である。
「エストロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するエストロゲンの結合を干渉または阻害する化合物をいう。エストロゲン受容体モジュレーターの例は、限定されるものではないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン(toremifene)、フルベストラント(fulvestrant)、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、およびSH646などである。
「アンドロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するアンドロゲンの結合を干渉または阻害する化合物をいう。アンドロゲン受容体モジュレーターの例は、フィナステリドと他の5α−リダクターゼ・インヒビター、ニルタミド(nilutamide)、フルタミド(flutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、リアロゾール(liarozole)および酢酸アビラテロン(abiraterone acetate)などである。
「レチノイド受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するレチノイドの結合を干渉または阻害する化合物をいう。かかるレチノイド受容体モジュレーターの例は、ベキサロテン(bexarotene)、トレチノイン(tretinoin)、13−cis−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、trans−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド、およびN−4−カルボキシフェニルレチナミドなどである。
「細胞障害剤/細胞成長抑制剤」とは、細胞死を惹き起こすか、または細胞の機能化に直接干渉して細胞増殖を主として阻害するか、または細胞の減数分裂を阻害または干渉する化合物をいい、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレート剤、低酸素症活性化化合物、微小管インヒビター/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンインヒビター、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター、増殖因子およびサイトカインシグナル伝達経路に関与するキナーゼのインヒビター、代謝拮抗剤、生物応答修飾因子、ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼインヒビター、プロテオソームインヒビター、ユビキチンリガーゼインヒビター、およびオーロラキナーゼインヒビターを包含する。
細胞障害剤/細胞成長抑制剤の例は、限定されるものではないが、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン(altretamine)、プレドニムスチン(prednimustine)、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン(fotemustine)、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド(temozolomide)、ヘプタプラチン、エストラムスチン(estramustine)、イムプロスルファン・トシレート(improsulfan tosilate)、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ(pumitepa)、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、cis−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(trans,trans,trans)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化砒素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(参照WO00/50032)、Rafキナーゼインヒビター(Bay43−9006など)およびmTORインヒビター(ワイスCCI−779など)などである。
低酸素症活性化化合物の例は、チラパザミン(tirapazamine)である。
プロテオソームインヒビターの例は、限定されるものではないが、ラクタシスチン(lactacystin)およびMLN−341(ベルケード;Velcade)である。
微小管インヒビター/微小管安定化剤の例はパクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオネート(mivobulin isethionate)、オーリスタチン(auristatin)、セマドチン(cemadotin)、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(epothilones)(参照例:USP6,284,781および6,288,237)およびBMS188797などである。一態様において、エポチロン類は微小管インヒビター/微小管安定化剤には含まれない。
トポイソメラーゼインヒビターの一部の例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−チャートロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパナミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ラートテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナンスリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、およびジメスナ(dimesna)などである。
有糸分裂キネシン、とりわけヒトの有糸分裂キネシンKSPのインヒビターの例は、PCT公開WO01/30768、WO01/98278、WO03/049527、WO03/049679、WO03/050064、WO03/050122、WO03/049678およびWO03/039460に記載されている。一態様において、有糸分裂キネシンのインヒビターは、限定されるものではないが、KSPのインヒビター、MKLP1のインヒビター、CENP−Eのインヒビター、MCAKのインヒビターおよびRab6−KIFLのインヒビターである。
「ヒストン・デアセチラーゼ・インヒビター」の例は、限定されるものではないが、SAHA、TSA、オキサムフラチン(oxamflatin)、PXD101、MG98およびスクリプタイド(scriptaid)である。その他のヒストン・デアセチラーゼ・インヒビターに関しては、さらに、以下の文献:Miller, T.A. et al. J. Med. Chem. 46(24):5097-5116 (2003)に見出し得る。
「有糸分裂の進行に関わるキナーゼのインヒビター」は、限定されるものではないが、オーロラ・キナーゼのインヒビター、ポロ様キナーゼ(PLK;とりわけPLK−1)のインヒビター、バブ−1(bub−1)のインヒビターおよびバブ−R1(bub−R1)のインヒビターを包含する。「オーロラ・キナーゼ・インヒビター」の例は、VX−680である。
「抗増殖剤」の例は、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、およびINX3001、および代謝拮抗剤、例えば、エノシタビン、カルモフル、テガフル、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート(trimetrexate)、フルダラビン(fludarabine)、カペシタビン(capecitabine)、ガロシタビン(galocitabine)、シタラビン・オクホスフェート(cytarabine ocfosfate)、ホステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン(nelzarabine)、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン(swainsonine)、ロメトレキソール、デキスラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒド・チオセミカルバゾンおよびトラスツズマブなどである。
モノクローナル抗体標的化治療剤の例は、癌細胞特異的または標的細胞特異的モノクローナル抗体に付着させた細胞毒性剤または放射性同位体を有する治療薬である。その例はベクサール(Bexxar)である。
「HMG−CoAリダクターゼインヒビター」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAリダクターゼのインヒビターをいう。使用し得るHMG−CoAリダクターゼインヒビターの例は、限定されるものではないが、ロバスタチン(メバコール(MEVACOR;登録商標);参照USP4,231,938,4,294,926および4,319,039)、シンバスタチン(ゾコール(ZOCOR;登録商標);参照USP4,444,784,4,820,850および4,916,239)、プラバスタチン(プラバコール(PRAVACHOL;登録商標);参照USP4,346,227,4,537,859,4,410,629,5,030,447および5,180,589)、フルバスタチン(レスコール(LESCOL;登録商標);参照USP5,354,772,4,911,165,4,929,437,5,189,164,5,118,853,5,290,946および5,356,896)、アトルバスタチン(リピトール(LIPITOR;登録商標);参照USP5,273,995,4,681,893,5,489,691および5,342,952)およびセリバスタチン(リバスタチンおよびベイコール(BAYCHOL;登録商標)としても知られる);参照USP5,177,080))を包含する。本方法に使用し得るこれらのHMG−CoAリダクターゼインヒビターおよびさらなるインヒビターの構造式については、文献(M. Yalpani, “Cholesterol Lowering Drugs(コレステロール低下剤)”, Chemistry & Industry, pp. 85-89 (5 February 1996))の87ページおよびUSP4,782,084および4,885,314に記載がある。本明細書にて使用する場合の用語HMG−CoAリダクターゼインヒビターとは、HMG−CoAリダクターゼ阻害活性を有する化合物の医薬的に許容されるラクトンおよび開環酸型(すなわち、ラクトン環が開いて遊離の酸を形成する場合)のものならびに塩およびエステル型のものを包含し、従って、かかる塩、エステル、開環酸およびラクトン型のものの使用が本発明の範囲に包含される。
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター」は1種類のまたは組合わせたプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素を阻害する化合物をいい、該酵素はファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニル−ゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)、およびゲラニル−ゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、ラブGGPTアーゼともいう)などである。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの例は、以下の公開出願および特許に見出し得る:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、USP5,420,245、USP5,523,430、USP5,532,359、USP5,510,510、USP5,589,485、USP5,602,098、欧州特許公開0 618 221、欧州特許公開0 675 112、欧州特許公開0 604 181、欧州特許公開0 696 593、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、USP5,661,152、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、USP5,571,792、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、およびUSP5,532,359。血管形成に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの役割の例については、文献(European J. of Cancer, Vol. 35, No. 9, pp.1394-1401 (1999))を参照されたい。
「血管形成インヒビター」とは、メカニズムに関係なく、新しい血管の形成を阻害する化合物をいう。血管形成インヒビターの例は、限定されるものではないが、チロシンキナーゼインヒビター、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)およびFlk−1/KDR(VEGFR2)のインヒビター、表皮由来、線維芽細胞由来もしくは血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサンポリ硫酸、サイクロオキシゲナーゼインヒビター(アスピリンおよびイブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)ならびにセレコキシブおよびロフェコキシブなどの選択的サイクロオキシゲナーゼ−2インヒビター(PNAS, Vol. 89, p. 7384 (1992); JNCI, Vol. 69, p. 475 (1982); Arch. Opthalmol., Vol. 108, p.573 (1990); Anat. Rec., Vol. 238, p. 68 (1994); FEBS Letters, Vol. 372, p. 83 (1995); Clin, Orthop. Vol. 313, p. 76 (1995); J. Mol. Endocrinol., Vol. 16, p.107 (1996); Jpn. J. Pharmacol., Vol. 75, p. 105 (1997); Cancer Res., Vol. 57, p. 1625 (1997); Cell, Vol. 93, p. 705 (1998); Intl. J. Mol. Med., Vol. 2, p. 715 (1998); J. Biol. Chem., Vol. 274, p. 9116 (1999))、ステロイド系抗炎症剤(コルチコステロイド、ミネラロコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレッド、ベタメサゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−(クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(参照Fernandez et al., J. Lab. Clin. Med. 105:141-145 (1985))、およびVEGFに対する抗体(参照Nature Biotechnology, Vol. 17, pp.963-968 (October 1999); Kim et al., Nature, 362, 841-844 (1993);WO00/44777;およびWO00/61186)である。
血管形成を調節するか、または阻害し、本発明化合物と組合わせて使用し得る他の治療薬は、凝固系および繊維素溶解系を調節するか、または阻害する薬剤である(参照概説:Clin. Chem. La. Med. 38:679-692 (2000))。凝固および繊維素溶解経路を変調または阻害するかかる薬剤の例は、限定されるものではないが、ヘパリン(参照:Thromb. Haemost. 80:10-23 (1998))、低分子量ヘパリンおよびカルボキシペプチダーゼUインヒビター(活性トロンビンを活性化し得る繊維素溶解インヒビター(TAFIa)のインヒビターとしても知られる)(参照:Thrombosis Res. 101:329-354 (2001))などを包含する。TAFIaインヒビターはWO03/13526に記載されている。
「細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤」とは、細胞周期チェックポイントシグナルを伝達するタンパク質キナーゼを阻害し、それによってDNA傷害剤に対し癌細胞を増感する化合物をいう。かかる薬剤は、ATR、ATM、Chk1およびChk2キナーゼのインヒビター、およびcdkとcdcキナーゼインヒビターであり、具体的には7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(シクラセル(Cyclacel))およびBMS−387032などである。
「細胞増殖と生存シグナル伝達経路のインヒビター」とは、細胞表面受容体の下流にあるシグナル伝達カスケードを阻害する化合物をいう。かかる薬剤はセリン/スレオニンキナーゼのインヒビター(限定されるものではないが、下記に記載されているAktインヒビターを含む:WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、WO02/083138、WO03/086279、WO03/086394、WO03/086403、WO03/086404およびWO04/041162)、Rafキナーゼのインヒビター(例えば、BAY−43−9006)、MEKのインヒビター(例えば、CI−1040およびPD−098059)、mTORのインヒビター(例えば、ワイスCCI−779)、およびPI3Kのインヒビター(例えば、LY294002)を含む。
上記のように、NSAIDと組み合わせは強力なCOX−2阻害剤であるNSAIDの使用に関する。本明細書の目的上、NSAIDは細胞またはミクロソームアッセイにより測定した場合に、COX−2阻害に対するIC50が1μM以下であるならば強力である。
また本発明は選択的COX−2インヒビターであるNSAIDとの組合わせをも包含する。本明細書の目的上、選択的COX−2インヒビターであるNSAIDは、細胞またはミクロソームアッセイにより評価されるCOX−2のIC50とCOX−1のIC50との比で測定して、COX−1の少なくとも100倍COX−2を阻害する特異性を有するものと定義される。かかる化合物は、限定されるものではないが、USP5,474,995、USP5,861,419、USP6,001,843、USP6,020,343、USP5,409,944、USP5,436,265、USP5,536,752、USP5,550,142、USP5,604,260、USP5,698,584、USP5,710,140、WO94/15932、USP5,344,991、USP5,134,142、USP5,380,738、USP5,393,790、USP5,466,823、USP5,633,272およびUSP5,932,598(これらはすべて参照により本明細書の一部とする)に開示された化合物である。
本処置方法において特に有用なCOX−2インヒビターは:3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;および5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;またはその医薬的に許容される塩;である。
COX−2の特異的インヒビターとして記載されており、従って、本発明において有用である化合物は、限定されるものではないが、以下のものである:パレコキシブ(parecoxib)、ベクストラ(BEXTRA;登録商標)およびセレブレックス(CELEBREX;登録商標)または医薬的に許容されるその塩。
血管形成インヒビターのその他の例は、限定されるものではないが、エンドスタチン、ウクライン(ukrain)、ランピルナーゼ(ranpirnase)、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン(squalamine)、コンブレタスタチン(combretastatin)、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)、および3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)である。
すでに使用した「インテグリン・ブロッカー」とは、生理的リガンドがαvβ3インテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害または反作用する化合物、生理的リガンドがαvβ5インテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害または反作用する化合物、生理的リガンドがαvβ3インテグリンとαvβ5インテグリンの両方に結合するのを選択的に拮抗、阻害または反作用する化合物、および毛細血管内皮細胞で発現される特定インテグリンの活性を拮抗、阻害または反作用する化合物をいう。この用語はまたαvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1およびα6β4インテグリンのアンタゴニストをいう。この用語はまたαvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1およびα6β4インテグリンのいずれかの組合わせのアンタゴニストをいう。
チロシン・キナーゼインヒビターの一部の具体例は、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリナミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン(genistein)、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジナミン、およびEMD121974である。
抗癌化合物以外の化合物との組合わせもまた本方法に包含される。例えば、本出願の請求項に記載した化合物とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニストおよびPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの組合わせは、ある種悪性腫瘍の処置に有用である。PPAR−γおよびPPAR−δは核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γおよびδである。血管形成における内皮細胞およびその周辺でのPPAR−γの発現は文献(参照:J. Cardiovasc. Pharmacol. 1998; 31:909-913; J. Biol. Chem. 1999;274:9116-9121; Invest. Ophthalmol Vis. Sci. 2000; 41:2309-2317)に報告されている。つい最近、PPAR−γアゴニストがインビトロでVEGFに対する血管形成応答を阻害することが示されている;トログリタゾン(troglitazone)およびマレイン酸ロシグリタゾン(rosiglitazone maleate)両方がマウスにおいて網膜新生血管形成の進展を阻害する(Arch. Ophthamol. 2001; 119:709-717)。PPAR−γアゴニストおよびPPAR−γ/αアゴニストの例は、限定されるものではないが、チアゾリジンジオン類(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン(troglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、およびピオグリタゾン(pioglitazone))、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンズイソキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(WO01/60807)、および2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(WO02/026729)などを包含する。
本発明のもう一つの態様は、癌処置のための遺伝子療法と組合わせて、本明細書に開示した化合物を使用することである。癌処置の遺伝子戦略の概観については:Hall et al (Am. J. Hum. Genet. 61:785-789, 1997) および Kufe et al (Cancer Medicine, 5th Ed, pp 876-889, BC Decker, Hamilton 2000)を参照。遺伝子療法は腫瘍抑制遺伝子を送達するために使用することができる。かかる遺伝子の例は、限定されるものではないが、p53(この遺伝子は組換えウイルス仲介遺伝子伝達を介して送達される)(例えば、USP6,069,134参照)、uPA/uPARアンタゴニスト(“uPA/uPARアンタゴニストのアデノウイルス仲介送達は、マウスにおいて血管形成依存性腫瘍増殖および拡散を抑制する”Gene Therapy, August 1998;5(8):1105-13)、およびインターフェロン−ガンマ(J. Immunol. 2000;164:217-222)などを包含する。
本発明化合物はまた本来多剤耐性(MDR)であるインヒビター、とりわけ輸送体タンパク質の高レベル発現と関係するMDRのインヒビターと組合わせて投与し得る。かかるMDRインヒビターはp−糖タンパク質(P−gp)のインヒビター、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853およびPSC833(バルスポダール(valspodar))を包含する。
本発明化合物は、本発明化合物の単独使用または放射線療法との併用から生じ得る急性、遅延型、後期、および予測性嘔吐などの悪心または嘔吐を処置するために、抗嘔吐剤とともに使用し得る。嘔吐の予防または処置のために、本発明化合物は他の抗嘔吐剤、とりわけ、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト(例えば、オンダンセトロン(ondansetron)、グラニセトロン(granisetron)、トロピセトロン(tropisetron)、およびザチセトロン(zatisetron)など)、GABAB受容体アゴニスト(例えば、バクロフェンなど)、コルチコステロイド(例えば、デカドロン(デキサメタゾンなど)、ケナログ(Kenalog)、アリストコルト(Aristocort)、ナサリド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、またはUSP2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326および3,749,712に開示されたその他のもの、抗ドーパミン作動性薬(例えば、フェノチアジン類(例:プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジンおよびメソリダジン)、メトクロプラミドまたはドロナビノールなど)と共に使用し得る。もう一つの態様においては、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、およびコルチコステロイドから選択される抗嘔吐剤との連結療法が、本発明化合物の投与により生じ得る嘔吐の処置または予防のために開示される。
本発明化合物と連結して使用するニューロキニン−1受容体アンタゴニストについては、例えば、以下に詳しく記載されている:米国特許USP5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147;欧州特許公開番号EP0 360 390、0 394 989、0 428 434、0 429 366、0 430 771、0 436 334、0 443 132、0 482 539、0 498 069、0 499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394,0 585 913,0 590 152、0 599 538、0 610 793、0 634 402、0 686 629、0 693 489、0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632および0 776 893;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942および97/21702;および英国特許公開2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169、および2 302 689。かかる化合物の調製については、上記の特許および出願公開に詳しく記載されている;これらを参照により本明細書の一部とする。
一態様において、本発明化合物と一緒に使用するニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、USP5,719,147に開示されている2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、またはその医薬的に許容される塩から選択される。
本発明化合物は貧血の処置に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる貧血処置の薬剤は、例えば、連続的赤血球形成受容体活性化因子(エポエチンアルファなど)である。
本発明化合物は好中球減少症の処置に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる好中球減少症処置の薬剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の産生と機能を調節する造血成長因子である。G−CSFの例はフィルグラスチム(filgrastim)である。
本発明化合物はまた免疫増強剤、例えば、レバミゾール、イソプリノシン(isoprinosine)およびザダキシン(Zadaxin)などと共にも投与し得る。
本発明化合物はまたビスホスホネート(ビスホスホネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸およびジホスホン酸などを含むと理解される)と組合わせて、骨癌などの癌の処置または予防に有用であり得る。ビスホスホネートの例は、限定されるものではないが、エチドロネート(ジドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレジア(Aredia))、アレンドロネート(ホサマックス(Fosamax))、リセドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート(incadronate)もしくはシマドロネート(cimadronate)、クロドロネート(clodronate)、EB−1053、ミノドロネート(minodronate)、ネリドロネート(neridronate)、ピリドロネート(piridronate)および チルドロネート(tiludronate)ならびにその医薬的に許容される塩、誘導体、水和物およびその混合物である。
従って、本発明の範囲は本出願請求項に記載の化合物を、第二の化合物、すなわち、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞障害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、本来多剤耐性であるインヒビター、抗嘔吐剤、貧血の処置に有用な薬剤、好中球減少症の処置に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖および生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネートおよび細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される化合物と組合わせて使用することを包含する。
本発明化合物に関連する用語「投与」およびその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、該化合物または該化合物のプロドラッグを、処置を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明化合物またはそのプロドラッグが1種以上の他の活性薬剤(例えば、細胞障害剤など)と組合わせて提供される場合、「投与」およびその変形はそれぞれ該化合物またはそのプロドラッグおよび他の薬剤を同時に、および連続的に導入することを包含すると理解される。
本明細書にて使用する場合、用語「組成物」とは、特定量の特定成分を含む製品、ならびに直接または間接に、特定量の特定成分の組合わせから生じる製品を包含するものとする。
本明細書にて使用する場合、用語「治療有効量」とは、組織、系、動物またはヒトにおいて、研究者、獣医師、医師またはその他の臨床家が求める、生物学的または医薬的応答を生じる活性化合物または薬剤の量を意味する。
用語「癌を処置する」または「癌の処置」とは、癌の症状に侵された哺乳動物に投与することをいい、また癌細胞を殺すことにより癌の症状を軽減する作用をいうが、さらに癌の増殖および/または転移を阻害する作用をもいう。
一態様において、第二の化合物として使用するべき血管形成インヒビターは、チロシンキナーゼインヒビター、上皮由来増殖因子のインヒビター、線維芽細胞由来増殖因子のインヒビター、血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン・ポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼ・インヒビター、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチルカルボニル)フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、またはVEGFに対する抗体から選択される。一態様において、エストロゲン受容体モジュレーターは、タモキシフェンまたはラロキシフェンである。
請求の範囲には、式Aで示される化合物の治療有効量を、放射線療法との組合わせおよび/またはエストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞障害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、本来多剤耐性であるインヒビター、抗嘔吐剤、貧血の処置に有用な薬剤、好中球減少症の処置に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖および生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネートおよび細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される第二化合物とを組み合わせて投与することからなる癌の処置方法が包含される。
また本発明のなお別の態様は、式Aで示される化合物の治療有効量を、パクリタキセルまたはトラスツズマブと組合わせて投与することからなる癌の処置方法である。
本発明はさらに式Aで示される化合物の治療有効量をCOX−2インヒビターと組合わせて投与することからなる癌の処置または予防方法を包含する。
本発明はまた式Aで示される化合物の治療有効量と、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞障害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖および生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネートおよび細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される第二化合物とを含有してなる癌の処置または予防のための医薬組成物を包含する。
ここに示したすべての特許、公開出願、および係属中の特許出願は参照により本明細書の一部とする。
以下の化学上の記載および実施例に使用する略号は以下のとおりである:AEBSF(フッ化p−アミノエチルベンゼンスルホニル);BSA(ウシ血清アルブミン);BuLi(n−ブチルリチウム);CDCl(クロロホルム−d);CuI(ヨウ化銅);CuSO(硫酸銅);DCE(ジクロロエタン);DCM(ジクロロメタン);DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル);DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);DTT(ジチオスレイトール);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);EGTA(エチレングリコール四酢酸);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);HOAc(酢酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);HRMS(高分解能質量分析);LCMS(液体クロマトグラフ−質量分析計);LHMDS(リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド);LRMS(低分解能質量分析);MeOH(メタノール);MP−B(CN)H(多孔性水素化シアノホウ素);NaHCO(重炭酸ナトリウム);NaSO(硫酸ナトリウム);Na(OAc)BH(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム);NHOAc(酢酸アンモニウム);NBS(N−ブロモコハク酸アミド);NMR(核磁気共鳴);PBS(リン酸緩衝食塩水);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応);Pd(dppf)([1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム);Pd(Ph(パラジウム(0)テトラキス−トリフェニルホスフィン);POCl(オキシ塩化リン);PS−DIEA(ポリスチレンジイソプロピルエチルアミン);PS−PPh(ポリスチレン−トリフェニルホスフィン);TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム);THF(テトラヒドロフラン);TFA(トリフルオロ酢酸);およびTMSCH(トリメチルシリルジアゾメタン);CHCl/DCM(ジクロロメタン);DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)。
本発明化合物の製造法の幾つかを以下の概略反応工程図および反応工程図1にて説明する。出発原料および必要な中間体は一部の事例では市販品として入手するか、または文献記載の手法または本明細書に説明するように調製することができる。
本発明化合物は、文献上既知であるか、または実験手法に例示した標準的な手技に加えて、概略反応工程図に示した反応を採用することにより調製し得る。概略反応工程図に示した置換基の番号は請求項に用いたものとは必ずしも対応するものではなく、しばしば、明瞭とするために、上記の定義のもとで複数の置換基が可能である場合、一つの置換基をその化合物に付して示す。本発明化合物を生成させるために使用した反応は、本明細書の概略反応工程図および反応工程図1に示した反応を採用することにより実施し、それにさらに他の標準的な操作手技、例えば、エステル加水分解、保護基の切断など、文献上既知であるか、または実験手法に例示した方法を採用する。
一部の事例において、最終産物はさらに、例えば、置換基の操作により修飾してもよい。これらの操作は、限定されるものではないが、一般的に当業者に慣用されている還元、酸化、アルキル化、アシル化、および加水分解反応である。一部の事例においては、反応を容易にするため、または不所望の反応産物を回避するために、上記の反応工程図実施の順番を変更することもできる。以下の概略反応工程図および反応工程図1は、より詳しく反応を理解してもらうために提供するものである。これらの例は説明のためのみのものであり、いかなる方法でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。
Figure 2008521917
概略反応工程図に説明するように、本発明化合物については、市販品として入手し得るp−ブロモベンジル1−1を一級または二級アミンで処理して1−2を生成させる。(1−2の別途合成法はPCT国際公開WO2003/086394にも見出し得る)。この物質を既知のインドール−連接アシルヒドラジド1−3および過剰の酢酸アンモニウムと HOAc中、220℃、マイクロ波照射下に処理すると、1,24−トリアジンの形成および引き続くディールス−アルダー反応を経て、2つの位置異性体である非天然カンチンアルカロイド、1−4および1−5を1:1の比で生じる。
Figure 2008521917
1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−5)および1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−6)
1−(4−{[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェニル)−2−フェニルエタン−1,2−ジオン(1−3)
攪拌バーを備え、窒素を充満させた100mL容量の丸底フラスコに、乾燥DCM(30mL)中のp−ブロモメチルベンジル(1−1)(1.0g、3.3mmol)を加えた。これに室温で、DIEA(2mL)と1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−2)(716mg、3.3mol)を加え、一夜攪拌した。朝、この溶液をDCMで希釈し、水および1N HClで洗った。有機相を濃縮して、1.3gの明黄色固体を得た。分析用LCMSは単一ピークを与えた。m/z440.1。
1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−5)および1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン(1−6)
5mLマイクロ波用バイアルに、氷酢酸(2.5mL)中の(1−3)(131mg、0.3mmol)、4−(1H−インドール−1−イル)ブタノヒドラジド(1−4)[1−4の調製に関する文献:Lindsley, C.W.; Wisnoski, D.D.; Leister, W.H., Wang, Y.; Zhao, Z.「A ’One Pot’Microwave-Mediated Synthesis of the Basic Canthine Skeleton: Expedient Access to Unnatural β-Carboline Alkaloids」(塩基性カンチン骨格のワンポット・マイクロ波介在合成:非天然ベータカルボリンアルカロイドへの便法)Tetrahedron Lett. 2003, 44, 4495](65mg、0.3mmol)、酢酸アンモニウム(231mg、3.0mmol、10当量)を加えた。反応容器をシングル−モード・マイクロ波合成機にて220℃に40分間加熱した(圧力は略16バール)。40分後に反応容器が40℃となるまで装置を急速に冷却した。粗製のサンプルを直ちに質量誘導分取HPLCシステムに注入し、純位置異性体カンチン1−5および1−6を分離精製した。(1−5)についての分析データ:分析用LCMSは2.176分(MeCN/HO/0.05%TFA;4分勾配)に単一ピーク、純度>99%を示した;H NMR(CDCl,600MHz),δ9.09(br s,1H),7.72(t,J=7.78Hz,7.73Hz,1H),7.62(d,J=8.48Hz,1H),7.45(m,3H),7.42(d,J=5.89Hz,2H),7.41(d,J=5.89Hz,2H),7.39(obs d,1H),7.33(d,J=8.16Hz,1H),7.31(t,J=7.61Hz,6.98Hz,2H),7.18(t,J=8.84Hz,7.79Hz,1H),7.01(br m,3H),4.60(br s,1H),4.44(t,J=7.00Hz,5.62Hz,2H),4.24(br s,2H),3.71(br t,2H),3.59(br d,2H),2.88(m,4H),2.62(t,J=5.46Hz,6.79Hz,2H),1.94(br s,2H);13C NMR(125MHz,CDCl,25℃)d154.5,143.8,139.6,138.8,134.7,134.1,132.5,131.8,131.5,131.2,131.1,130.1,129.7,129.4,129.2,128.4,127.8,125.1,122.2,122.0,121.9,120.9,110.4,110.3,109.9,60.0,51.7,47.3,41.2,26.0,23.7,21.8;HRMS計算値C3936O(M+H)として、590.2914;測定値590.2926;(1−6)についての分析データ:分析用LCMSは2.389分(MeCN/HO/0.05%TFA;4分勾配)に単一ピーク、純度>99%を示した;H NMR(CDCl,600MHz),d8.40(br s,1H),7.72(t,J=7.95Hz,8.1Hz,1H),7.60(d,8.79Hz,1H),7.57(d,7.35Hz,2H),7.47(d,J=7.95Hz,1H),7.43(d,J=7.35Hz,2H),7.36(d,J=8.21Hz,1H),7.31(d,J=7.91Hz,2H),7.28(obs,1H),7.23(t,J=7.60Hz,8.97Hz,2H),7.21(obs,1H),7.12(t,J=7.30Hz,1H),7.09(t,J=7.90Hz,1H),7.07(d,J=8.21Hz,1H),4.71(m,1H),4.44(t,J=5.43Hz,2H),4.33(s,2H),3.73(t,J=5.56Hz,2H),3.69(br d,J=11.4Hz,2H),2.98(q,J=13.36Hz,12.65Hz,2H),2.85(t,J=12.4Hz,2H),2.62(m,2H),2.03,(d,J=13.17Hz,2H);13C NMR(125MHz,DMSO−d,25℃)d153.2,142.0,140.7,140.5,137.0,131.5,131.3,130.2,129.4,128.4,128.0,127.9,127.8,127.5,125.6,122.9,120.6,120.2,119.9,119.5,110.8,108.8,108.2,58.5,50.8,46.5,40.3,25.2,24.7,21.1;HRMS計算値C3936O(M+H)として、590.2914;測定値590.2921。2つの位置異性体はさらにROE相関により確認した。
ヒトAktイソ型とΔPH−Akt1のクローニング
pS2neo ベクター(2001年4月3日ATCCに寄託;ATCC PTA−3253)は以下のように調製した:pRmHA3ベクター(Nucl. Acid Res. 16:1043-1061 (1988)の記載に従って調製)をBglIIで切断し、2734bpのフラグメントを単離した。pUChsneoベクター(EMBO J. 4:167-171 (1985)の記載に従って調製)もまたBglIIで切断し、4029bpのバンドを単離した。これら2つの単離したフラグメントをつなぎ合わせ、pS2neo−1と命名するベクターを生成させた。このプラスミドはメタロチオニンプロモーターとアルコールデヒドロゲナーゼ・ポリA付加部位との間にポリリンカーを含む。このものはまた熱ショックプロモーターにより駆動するneo耐性遺伝子を有する。pS2neo−1ベクターをPsp5IIおよびBsiWIで切断した。2つの相補性オリゴヌクレオチドを合成し、アニールした(CTGCGGCCGC(配列番号:1)およびGTACGCGGCCGCAG(配列番号:2))。切断したpS2neo−1とアニールしたオリゴヌクレオチドを連結し、第二のベクターpS2neoを生成させた。この変換に、S2細胞に形質移入する前に、線形化を助けるためにNotI部位を加えた。
ヒトAkt1遺伝子はヒト膵臓cDNA(クロンテック)から5’プライマー(5’CGCGAATTCAGATCTACCATGAGCGACGTGGCTATTGTG3’(配列番号:3))と3’プライマー(5’CGCTCTAGAGGATCCTCAGGCCGTGCTGCTGGC3’(配列番号:4))を用いてPCR(クロンテック)により増幅した。5’プライマーはEcoRIとBglII部位を含んでいた。3’プライマーはクローニング目的のXbaIおよびBamHI部位を含んでいた。得られるPCR産物をEcoRI/XbaIフラグメントとしてpGEM3Z(プロメガ)にサブクローンした。発現/精製を目的として、全長Akt1遺伝子の5’末端に、PCRプライマー:5’GTACGATGCTGAACGATATCTTCG3’(配列番号:5)を用いて、中鎖Tタグを付加した。得られるPCR産物は5’KpnI部位と3’BamHI部位とを包含しており、これらは昆虫細胞発現ベクターpS2neoを含むビオチンタグによりフレーム中の該フラグメントをサブクローンするために使用した。
Akt1のプレックストリン相同ドメイン(PH)欠失(Δaa4−129;このものはAkt1ヒンジ領域の一部の欠失を含む)型の発現のために、pS2neoベクターの全長Akt1遺伝子を鋳型として用い、PCR欠失突然変異を実施した。該PCRは重複内部プライマー(5’GAATACATGCCGATGGAAAGCGACGGGGCTGAAGAGATGGAGGTG3’(配列番号:6)、および5’CCCCTCCATCTCTTCAGCCCCGTCGCTTTCCATCGGCATGTATTC3’(配列番号:7))を用いて2工程で実施した;該プライマーは5’末端にKpnI部位と中鎖Tタグを包含する欠失と5’および3’フランキングプライマーを包含していた。最終PCRの産物はKpnIとSmaIとで消化し、pS2neo全長Akt1KpnI/SmaI切断ベクターに連結し、効果的に該クローンの5’末端を欠失型と置き換えた。
ヒトAkt3遺伝子はアミノ末端オリゴプライマー(5’GAATTCAGATCTACCATGAGCGATGTTACCATTGTG3’(配列番号:8))およびカルボキシ末端オリゴプライマー(5’TCTAGATCTTATTCTCGTCCACTTGCAGAG3’(配列番号:9))を用いて成人脳cDNA(クロンテック)のPCRにより増幅した。これらのプライマーはクローニング目的の5’EcoRI/BglII部位および3’XbaI/BglII部位を含んでいた。得られるPCR産物はpGEM4Z(プロメガ)のEcoRIおよびXbaI部位にクローン化した。発現/精製を目的として、全長Akt3クローンの5’末端に、PCRプライマー:5’GGTACCATGGAATACATGCCGATGGAAAGCGATGTTACCATTGTGAAG3’(配列番号:10)を用いて、中鎖Tタグを付加した。得られるPCR産物は5’KpnI部位を包含しており、昆虫細胞発現ベクターpS2neoを含むビオチンタグによるフレームへのクローニングを可能とした。
ヒトAkt2遺伝子はヒト胸腺cDNA(クロンテック)から、アミノ末端オリゴプライマー(5’AAGCTTAGATCTACCATGAATGAGGTGTCTGTC3’(配列番号:11))およびカルボキシ末端オリゴプライマー(5’GAATTCGGATCCTCACTCGCGGATGCTGGC3’(配列番号:12))を用いてPCRにより増幅した。これらのプライマーはクローニング目的の5’HindIII/BglII部位および3’EcoRI/BamHI部位を含んでいた。得られるPCR産物はpGem3Z(プロメガ)のHindIII/EcoRI部位にサブクローン化した。発現/精製を目的として、全長Akt2の5’末端に、PCRプライマー:5’GGTACCATGGAATACATGCCGATGGAAAATGAGGTGTCTGTCATCAAAG3’(配列番号:13)を用いて、中鎖Tタグを付加した。得られるPCR産物は上記のようにpS2neoベクターにサブクローン化した。
ヒトAktイソ型およびΔPH−Akt1の発現
pS2neo発現ベクターにクローン化したAkt1、Akt2、Akt3およびΔPH−Akt1遺伝子を含むDNAを精製し、ショウジョウバエS2細胞(ATCC)にリン酸カルシウム法により形質移入するために使用した。抗生物質(G418、500μg/ml)耐性細胞のプールを選択した。細胞を1.0L容量(〜7.0×10/ml)まで拡張し、ビオチンおよびCuSOをそれぞれ最終濃度50μMおよび50mMとなるように加えた。細胞を27℃で72時間増殖させ、遠心分離により取得した。細胞ペーストは必要時まで−70℃に凍結した。
ヒトAktイソ型およびΔPH−Akt1の精製
実施例2に記載したS2細胞1リットルからの細胞ペーストは、50mlの1%CHAPS/バッファーA(50mMトリスpH7.4、1mM EDTA、1mM EGTA、0.2mM AEBSF、10μg/mlベンズアミジン、それぞれ5μg/mlのロイペプチン、アプロチニンおよびペプスタチン;10%グリセロールおよび1mM DTT)による音波処理により細胞溶解した。可溶性のフラクションは、9mg/mlの抗ミドルTモノクローナル抗体を負荷したプロテインGセファロース・ファストフロー(ファルマシア)カラム上で精製し、75μMのEYMPME(配列番号:14)ペプチド/25%グリセロール含有バッファーAで溶出した。Akt/PKB含有フラクションをプールし、タンパク質の純度をSDS−PAGEにより評価した。精製したタンパク質について標準のブランドフォード・プロトコールに従い定量した。精製したタンパク質は液体窒素により瞬間的に凍結し、−70℃で保存した。
S2細胞から精製したAktおよびAktプレックストリン相同ドメイン欠失体は、活性化を必要とした。AktおよびAktプレックストリン相同ドメイン欠失体は、10nM PDK1(アップステート・バイオテクノロジー・インク(Upstate Biotechnology, Inc.))、脂質小胞(10μMホスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸(メトレヤ・インク(Metreya, Inc))、100μMホスファチジルコリンおよび100μMホスファチジルセリン(アバンチ・ポーラー・リピド・インク(Avanti Polar lipids, Inc.)))、および活性化バッファー(50mMトリスpH7.4、1.0mM DTT、0.1mM EGTA、1.0μMミクロシスチン−LR、0.1mM ATP、10mM MgCl、333μg/ml BSAおよび0.1mM EDTA)を含有する反応液中で活性化した(Alessi et al. Current Biology 7:261-269)。反応は22℃で4時間インキュベートした。一部を液体窒素で瞬時に凍結した。
Aktキナーゼアッセイ
活性化したAktイソ型およびAktプレックストリン相同ドメイン欠失構築物は、GSK由来ビオチニル化ペプチド基質を利用してアッセイした。ペプチドリン酸化の程度は、ホスホペプチドに特異的なランタニドキレート(ランス)カップル結合モノクローナル抗体を用い、該ペプチド上のビオチン部分に結合するストレプトアビジン結合アロフィコシアニン(SA−APC)発蛍光団と組合わせて、均一系時間分解蛍光(HTRF)により定量した。ランスとAPCが近位にある場合(すなわち、同じホスホペプチド分子に結合している場合)、非放射性エネルギー転移がランスからAPCに起こり、その結果、APCから665nmの発光が起こる。
アッセイに必要な材料:
A.活性化Aktアイソザイムまたはプレックストリン相同ドメイン欠失構築物
B.Aktペプチド基質:GSK3α(S21)ペプチド#3928ビオチン−GGRARTSSFAEPG(配列番号:15);マクロモレキュラー・リソース。
C.ランス標識抗ホスホGSK3αモノクローナル抗体(セル・シグナリング・テクノロジー、クローン#27)。
D.SA−APC(プロザイム・カタログno.PJ25Sロット#896067)。
E.ミクロフルオル(Microfluor;登録商標)BUボトム・マイクロタイター・プレート(ダイネックス・テクノロジー、カタログno.7205)。
F.ディスカバリー(登録商標)HTRFマイクロプレート・アナライザー、パッカード・インスツルーメント・カンパニー。
G.100Xプロテアーゼインヒビター・カクテル(PIC):1mg/mlベンズアミジン、0.5mg/mlペプスタチン、0.5mg/mlロイペプチン、0.5mg/mlアプロチニン。
H.10Xアッセイバッファー:500mM HEPES、pH7.5、1%PEG、mM EDTA、1mM EGTA、1%BSA、20mM β−グリセロールリン酸。
I.失活バッファー:50mM HEPES pH7.3、16.6mM EDTA、0.1%BSA、0.1%トリトンX−100、0.17nMランス標識モノクローナル抗体クローン#27、0.0067mg/ml SA−APC
J.ATP/MgCl作業溶液:1Xアッセイバッファー、1mM DTT、1XPIC、125mM KCl、5%グリセロール、25mM MgCl、375ΤM ATP
K.酵素作業溶液:1Xアッセイバッファー、1mM DTT、1X PIC、5%グリセロール、活性Akt。最終酵素濃度はアッセイが直線応答範囲にあるように選択した。
L.ペプチド作業溶液:1Xアッセイバッファー、1mM DTT、1X PIC、5%グリセロール、2ΤM GSK3ビオチニル化ペプチド#3928
反応は16TLのATP/MgCl作業溶液を96穴マイクロタイタープレートの適切なウエルに加えることにより組み立てる。インヒビターまたは媒体(1.0Tl)を加え、次いで10Tlのペプチド作業溶液を加える。13Tlの酵素作業溶液を加え、混合することにより反応を開始させる。反応は50分間進行させ、次いで60TlのHTRF失活バッファーを加えて反応停止する。停止した反応液は少なくとも30分間室温でインキュベートし、次いでディスカバリー装置上で読み取る。
ストレプトアビジン・フラッシュプレート・アッセイの手法:
工程1:
100%DMSO中の試験化合物溶液1μlを、20μlの2X基質溶液(20uM GSK3ペプチド、300μM ATP、20mM MgCl、20μCi/ml[γ33P]ATP、1Xアッセイバッファー、5%グリセロール、1mM DTT、1X PIC、0.1%BSAおよび100mM KCl)に加えた。リン酸化反応は19μlの2X酵素溶液(6.4nM活性Akt/PKB、1Xアッセイバッファー、5%グリセロール、1mM DTT、1X PICおよび0.1%BSA)を加えることにより開始した。次いで、反応液を45分間室温でインキュベートした。
工程2:
170μlの125mM EDTAを加えることにより反応を停止した。停止反応液200μlをストレプトアビジン・フラッシュプレート(登録商標)プラス(NENライフサイエンス、カタログno.SMP103)に移した。プレートはプレートシェーカー上で室温、≧10分間インキュベートした。各ウエルの内容物を吸入し、ウエルを200μlのTBS/ウエルで2回すすいだ。次いで、室温でインキュベートしたプレートを用いて200μl/ウエルのTBSで、洗浄工程のみプラットホームシェーカー上、そのウェルを5分間3回洗浄した。
プレートをシーリングテープで被い、フラッシュプレート内の[33P]を計測するように適切に設定したパッカード・トップカウントにより計数した。
ストレプトアビジン・フィルタープレート・アッセイの手法:
工程1:
上記ストレプトアビジン・フラッシュプレート・アッセイの手法の工程1に記載した反応と同じ酵素反応を実施した。
工程2:
7.5Mグアニジン塩酸塩20μlを加えることにより反応を停止した。停止反応液50μlをストレプトアビジン・フィルタープレート(SAM(商標)ビオチン捕捉プレート、プロメガ、カタログno.V7542)に移し、反応液を1〜2分間フィルター上でインキュベートし、次いで吸引した。
次いで、プレートは真空マニホルドで以下のように洗浄した:1)4x200μl/ウエルの2MNaCl;2)6x200μl/ウエルの2MNaCl(1%HPO含有);3)2x200μl/ウエルの2H0;および4)2x100μl/ウエルの95%エタノール。次いで、膜を完全に空気乾燥し、シンチラントを加えた。
プレートの底を白色裏張りテープでシールし、30μl/ウエルのマイクロシンチ20(パッカード・インスツルーメント、カタログno.6013621)を加えた。プレートの上部を透明なシーリングテープでシールし、次いでプレートを液状シンチラントによる[33P]を計測するように適切に設定したパッカード・トップカウントにより計数した。
ホスホセルロース・フィルタープレート・アッセイの手法:
工程1:
ストレプトアビジン・フラッシュプレート・アッセイの手法(上記)の工程1に記載した反応と同じ酵素反応を実施した;ビオチン−GGRARTSSFAEPGの代わりに、基質としてKKGGRARTSSFAEPG(配列番号:16)を利用した。
工程2:
0.75%HPO20μlを加えて反応を停止した。停止反応液50μlをフィルタープレート(ユニフィルター(商標)ワットマンP81ストロングカチオン交換体、ホワイトポリスチレン96穴プレート、ポリフィルトロニックス、カタログno.7700−3312)に移し、反応液を1〜2分間フィルター上でインキュベートし、次いで吸引処理した。
次いで、プレートは真空マニホルドで以下のように洗浄した:1)9x200μl/ウエルの0.75%HPO;および2)2x200μl/ウエルのジH0。プレートの底を白色裏張りテープでシールし、30μl/ウエルのマイクロシンチ20を加えた。プレートの上部を透明なシーリングテープでシールし、次いでプレートを液状シンチラントおよび[33P]を計測するように適切に設定したパッカード・トップカウントにより計数した。
PKAアッセイ:
それぞれ個々のPKAアッセイは以下の成分からなる:
A.5XPKAアッセイバッファー(200mMトリスpH7.5、100mM MgCl、5mM β−メルカプトエタノール、0.5mM EDTA)
B.水で希釈したケンプチド(Kemptide)(シグマ)の50μMストック
C.非標識ATPの50μMストック200Tlに1.0μlの33P−ATP[10mCi/ml]を希釈することにより調製した33P−ATP
D.0.5mg/ml BSA中に希釈したPKA触媒サブユニット(UBIカタログ#14−114)の70nMストック10μl
E.PKA/ケンプチド作業溶液:等容量の5X PKAアッセイバッファー、ケンプチド溶液およびPKA触媒サブユニット。
反応液は深底96穴アッセイプレートに集められる。インヒビターまたは媒体(10Tl)を10Tlの33P−ATP溶液に加える。30TlのPKA/ケンプチド作業溶液を各ウエルに加えて反応を開始する。反応液を混合し、室温で20分間インキュベートした。50Tlの100mM EDTAおよび100mMピロリン酸ナトリウムを加え、混合して反応を停止した。
酵素反応産物(リン酸化ケンプチド)をp81ホスホセルロース96穴フィルタープレート(ミリポア)上に集めた。プレートを調製するために、p81フィルタープレートの各ウエルに75mMリン酸を満たした。プレートの底から吸引してフィルターを通してウエルを空にした。リン酸(75mM、170μl)を各ウエルに加えた。各停止したPKA反応液からの一定分量30μlを、リン酸を含むフィルタープレート上の対応するウエルに加えた。ペプチドは吸引後にフィルター上にトラップされ、そのフィルターを75mMリン酸で5回洗浄した。最終洗浄の後、フィルターを空気乾燥した。シンチレーション液(30μl)を各ウエルに加え、フィルターをトップカウント(パッカード)で計数した。
PKCアッセイ:
各PKCアッセイは以下の成分からなる:
A.10XPKC同時活性化バッファー:2.5mM EGTA、4mM CaCl
B.5X PKC活性化バッファー:1.6mg/mlホスファチジルセリン、0.16mg/mlジアシルグリセロール、100mMトリスpH7.5、50mM MgCl、5mM β−メルカプトエタノール
C.非標識ATPの100μMストック100μlに1.0μlの33P−ATP[10mCi/ml]を希釈することにより調製した33P−ATP
D.水に希釈したミエリン塩基性タンパク質(350μg/ml、UBI)
E.0.5mg/ml BSAに希釈したPKC(50ng/ml、UBIカタログ#14−115)
F.PKC/ミエリン塩基性タンパク質作業溶液:各5容量部のPKC同時活性化バッファーおよびミエリン塩基性タンパク質と各10容量部のPKC活性化バッファーおよびPKCとを混合することにより調製。
アッセイ液は深底96穴アッセイプレートに集められた。インヒビターまたは媒体(10Tl)を5.0μlの33P−ATPに加える。PKC/ミエリン塩基性タンパク質作業溶液を加え、攪拌して反応を開始する。反応液を30℃で20分間インキュベートした。50Tlの100mM EDTAおよび100mMピロリン酸ナトリウムを加え、混合して反応停止した。リン酸化ミエリン塩基性タンパク質を96穴フィルタープレートのPVDFメンブランに集め、シンチレーション計数により定量した。
本発明の具体的化合物を上記のアッセイ法により試験し、Akt1、Akt2およびAkt3の1種以上に対して、IC50≦50μMを有することが判明した。
Akt/PKBの阻害を定量する細胞に基づくアッセイ
細胞(例えば、活性化Akt/PKBを含むLnCaPまたはPTEN(−/−)腫瘍細胞株)を100mMの皿に塗布した。細胞が大よそ70〜80%の周密となったとき、細胞に5mlのあらたな培地を供給し、試験化合物を溶液に加えた。対照は未処理細胞、媒体処理細胞、およびLY294002(シグマ)もしくはウオーツマニン(wortmanin)(シグマ)により、それぞれ20μMもしくは200nMで処理した細胞とした。該細胞は2、4または6時間インキュベートし、培地を除去した。細胞をPBSで洗い、掻きとって遠心管に移した。それをペレットにし、PBSにて再洗浄した。最後に、細胞ペレットを溶菌バッファー(20mMトリスpH8、140mM NaCl、2mM EDTA、1%トリトン、1mM Naピロホスフェート、10mM β−グリセロールリン酸、10mM NaF、0.5mm NaVO、1μMミクロシスチン、および1xプロテアーゼインヒビター・カクテル)に再懸濁し、氷上に15分間置き、ゆるやかにボルテックスして細胞を溶解した。溶解液をベックマン卓上超遠心機で、4℃、100,000xgで20分間回転した。上清のタンパク質を標準ブラッドフォードプロトコール(バイオラッド)により定量し、必要時まで−70℃に保存した。
澄明な溶解液からタンパク質を以下のように免疫沈降(IP)させた:Akt1/PKBΙについては、溶解液をサンタ・クルズ(Santa Cruz)sc−7126(D−17)/NETN(100mM NaCl、20mMトリスpH8.0、1mM EDTA、0.5%NP−40)と混合し、タンパク質A/Gアガロース(サンタ・クルズsc−2003)を加えた。Akt2/PKBβについては、溶解液をNETN中で抗−Akt2アガロース(アップステート・バイオテクノロジー#16−174)と混合し、Akt3/PKBΚについては、溶解液をNETN中、抗−Akt3アガロース(アップステート・バイオテクノロジー#16−175)と混合した。IPを4℃で一夜インキュベートし、洗浄して、SDS−PAGEにより分離した。
ウエスタン・ブロット法を用いて、総量のAkt、pThr308 Akt1、pSer473 Akt1、およびAkt2およびAkt3上の対応するリン酸化部位、およびAktの下流標的を、特異的抗体(セル・シグナリング・テクノロジー)、すなわち、抗−総量Akt(カタログno.9272)、抗−ホスホAktセリン473(カタログno.9271)、および抗−ホスホAktスレオニン308(カタログno.9275)により分析した。適切な一次抗体をPBS+0.5%非脂肪ドライミルク(NFDM)希釈し、4℃で一夜インキュベートした後、ブロットを洗い、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)標識した二次抗体と、PBS+0.5%NFDM中、室温で1時間インキュベートした。タンパク質はECL試薬(アマシャム/ファルマシア・バイオテクRPN2134)で検出した。
ヘレグリン(Heregulin)刺激Akt活性化
MCF7細胞(PTEN+/+であるヒト乳癌株)を100mMプレートあたり1×10細胞で平板培養した。細胞が70〜80%周密となったとき、それらに5mlの無血清培地を再供給し、一夜インキュベートした。翌朝、化合物を加え、細胞を1〜2時間インキュベートした後、ヘレグリンを30分間加え(Aktの活性化を誘発するため)、上記同様に細胞を分析した。
腫瘍増殖阻害
癌細胞の増殖を阻害するインビボでの有効性を技術上周知のいくつかのプロトコールにより確認し得る。
P13K経路の規制解除を示すヒト腫瘍細胞株(LnCaP、PC3、C33a、OVCAR−3、MDA−MB−468など)を6〜10週令のメスヌードマウス(ハーラン;Harlan)の左側腹部に皮下注射し、0日とする。マウスは無作為に媒体群、化合物群または組合わせ処置群に割り振る。毎日の皮下投与を1日目に開始し、実験期間中継続する。あるいは、インヒビター試験化合物を連続注入ポンプにより投与してもよい。化合物、化合物組合わせ、または媒体は総容量0.2mlで送達する。媒体処置した動物のすべてが直径0.5〜1.0cmの病巣を示したときに、典型的には細胞注射後4ないし5.5週後に腫瘍を切り出し、秤量する。各細胞株について、各処置群の腫瘍の平均重量を計算する。

Claims (7)

  1. 式A:
    Figure 2008521917
    〔式中、
    aは0または1である;bは0または1である;mは0、1または2である;nは独立して0、1、2、3または4である;pは独立して0、1、2、3、4または5である;rは0または1である;sは0または1である;また、tは2、3、4、5または6である;
    Figure 2008521917
    はC−Cシクロアルキル、アリール、へテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される;
    は(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR,S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、NR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから独立して選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
    は(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル−NR、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、(C=O)−Cシクロアルキル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、NR(C=O)NR、S(O)mR、S(O)NR、NRS(O)mR、オキソ、CHO、NO、NR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから独立して選択される;当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、およびシクロアルキルにはRから選択される1個、2個または3個の置換基で置換されてもよい;
    およびRは独立してH、(C=O)O、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、および(C=O)NR から選択される(当該アルキル、シクロアルキル、アリール、へテロシクリル、アルケニル、およびアルキニルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい)か、またはRおよびRがそれらの結合する窒素と一緒になって単環式または二環式のヘテロ環(各環が5員〜7員)を形成してもよい;該へテロ環は窒素原子に加えて、N、OおよびSから選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい;当該単環式または二環式のヘテロ環はRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;
    は(C=O)(C−C10)アルキル、O(C−C)ペルフルオロアルキル、(C−C)アルキレン−S(O)mR、オキソ、OH、ハロ、CN、(C=O)(C−C10)アルケニル、(C=O)(C−C10)アルキニル、(C=O)(C−C)シクロアルキル、(C=O)(C−C)アルキレン−アリール、(C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、(C=O)(C−C)アルキレン−N(R、C(O)R、(C−C)アルキレン−CO、C(O)H、(C−C)アルキレン−COH、C(O)N(R、S(O)mR、S(O)N(RNR(C=O)O、O(C=O)O−C10アルキル、O(C=O)O−Cシクロアルキル、O(C=O)Oアリール、およびO(C=O)O−ヘテロシクリルから選択される;当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、アリール、へテロシクリル、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、およびN(Rから選択される3個までの置換基で置換されてもよく、ここで、、当該へテロシクリルはオキソ、OH、N(R、および−O(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されてもよい;
    は置換もしくは未置換の(C−C10)アルキル、置換もしくは未置換の(C−C10)アルケニル、置換もしくは未置換の(C−C10)アルキニル、置換もしくは未置換の(C−C10)シクロアルキル、置換もしくは未置換のアリール、(C−C)ペルフルオロアルキル、2,2,2−トリフルオロエチル、または置換もしくは未置換のヘテロシクリルである;
    はH、(C−C10)アルキル、置換もしくは未置換のアリール、置換もしくは未置換のベンジル、置換もしくは未置換のヘテロシクリル、(C−C10)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−CアルキルまたはS(O)である;
    はH、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−C10シクロアルキル、C−Cペルフルオロアルキルから選択される;当該アルキル、シクロアルキル、アリール、へテロシクリル、アルケニル、およびアルキニルはRから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい;および
    は独立してHおよび(C−C)アルキルから選択される〕
    で示される化合物またはその医薬的に許容される塩または立体異性体。
  2. 式A5:
    Figure 2008521917
    〔式中、
    Qはへテロシクリルから選択される;当該へテロシクリルはRから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい;
    また、他の置換基および変数はすべて請求項1に定義したとおりである〕
    で示される請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩または立体異性体。
  3. 式A9:
    Figure 2008521917
    〔式中、
    Qはへテロシクリルから選択される;当該へテロシクリルにはRから選択される1個ないし3個の置換基で置換されてもよい;
    また、他の置換基および変数はすべて請求項1に定義したとおりである〕
    で示される請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩または立体異性体。
  4. 1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;および
    1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
    から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩または立体異性体。
  5. 1−{1−[4−(1−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;および
    1−{1−[4−(2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−インドロ[3,2,1−de]−1,5−ナフチリジン−1−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オン;
    から選択される請求項1記載の化合物のTFA塩またはその立体異性体。
  6. 医薬担体、およびそこに分散された治療有効量の請求項1記載の化合物を含有してなる医薬組成物。
  7. 癌の処置を必要とする哺乳動物における癌の処置または予防に有用な医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
JP2007544476A 2004-12-02 2005-11-28 Akt活性のインヒビター Withdrawn JP2008521917A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US63249004P 2004-12-02 2004-12-02
PCT/US2005/043361 WO2006068796A2 (en) 2004-12-02 2005-11-28 Inhibitors of akt activity

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008521917A true JP2008521917A (ja) 2008-06-26

Family

ID=36602202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007544476A Withdrawn JP2008521917A (ja) 2004-12-02 2005-11-28 Akt活性のインヒビター

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20080015212A1 (ja)
EP (1) EP1824849A4 (ja)
JP (1) JP2008521917A (ja)
CN (1) CN101068811A (ja)
AU (1) AU2005319606A1 (ja)
CA (1) CA2588474A1 (ja)
WO (1) WO2006068796A2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510823A (ja) * 2004-08-23 2008-04-10 メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド Akt活性阻害剤
CA2610888C (en) 2005-06-10 2011-02-08 Merck & Co., Inc. Inhibitors of akt activity
AR064010A1 (es) * 2006-12-06 2009-03-04 Merck & Co Inc Inhibidores de la actividad de la akt
EP2120951A4 (en) * 2006-12-06 2012-02-15 Merck Sharp & Dohme INHIBITORS OF AKT ACTIVITY
WO2008070823A2 (en) * 2006-12-07 2008-06-12 University Of South Florida Substrate-mimetic akt inhibitor
DE602008003055D1 (de) * 2007-05-31 2010-12-02 Nerviano Medical Sciences Srl Zyklokondensierte Azaindole, die als Kinase-Hemmer wirken
WO2009148887A1 (en) * 2008-06-03 2009-12-10 Merck & Co., Inc. Inhibitors of akt activity
CA2726317A1 (en) * 2008-06-03 2009-12-10 Merck Sharp & Dohme Corp. Inhibitors of akt activity
US8168652B2 (en) 2009-03-12 2012-05-01 Merck Sharp & Dohme Corp. Inhibitors of AKT activity
WO2010114780A1 (en) 2009-04-01 2010-10-07 Merck Sharp & Dohme Corp. Inhibitors of akt activity
US9408885B2 (en) 2011-12-01 2016-08-09 Vib Vzw Combinations of therapeutic agents for treating melanoma

Also Published As

Publication number Publication date
AU2005319606A1 (en) 2006-06-29
EP1824849A2 (en) 2007-08-29
CA2588474A1 (en) 2006-06-29
US20080015212A1 (en) 2008-01-17
WO2006068796A2 (en) 2006-06-29
CN101068811A (zh) 2007-11-07
EP1824849A4 (en) 2009-09-30
WO2006068796A3 (en) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7589068B2 (en) Inhibitors of Akt activity
JP4679514B2 (ja) Akt活性の阻害剤
US7638530B2 (en) Inhibitors of Akt activity
EP1622616B1 (en) Inhibitors of akt activity
JP4673300B2 (ja) Akt活性の阻害剤
US7705014B2 (en) Inhibitors of AKT activity
US7544677B2 (en) Inhibitors of Akt activity
JP5364454B2 (ja) Akt活性の阻害剤
JP4394961B2 (ja) Akt活性の阻害剤としての融合キノキサリン誘導体
JP4394959B2 (ja) Akt活性の阻害剤
JP2007532551A (ja) Akt活性の阻害剤
JP2008524339A (ja) Akt活性のインヒビター
JP2007532558A (ja) Akt活性の阻害剤
JP2008521917A (ja) Akt活性のインヒビター
JP2010512312A (ja) Akt活性の阻害剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081106

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090828

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090828

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20091112