JP2008518946A - 過剰増殖性疾病の治療及び予防のための組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、以下の特許関連文書をそれぞれその全てにおいて、優先権、利益を主張し、全ての目的のために引用文献により組み込む:2004年10月28日付けで出願された米国特許仮出願第60/623,197号:2000年12月22日付けで出願された米国特許仮出願第60/257,926号:2001年12月21日付けで出願された米国特許出願第10/028,156号(現在、米国特許第6,881,546号):及び、2004年4月7日付けで出願された米国特許出願第10/820,582号(この出願は一部継続出願である)。
本発明は、SBIR認可番号NIH/NCI R43 CAl 10298−01及びNIH/NCI R43 CAl 10298−02により、少なくとも一部の資金が供給された。その結果として、米国政府は、ここで特定の権利を有し得る。
本発明は、一般的に過剰増殖性疾病及び疾患、特に癌及び過剰な新血管新生により特徴付けられる他の病理の処置及び/又は予防の分野に関する。これらの有用な結果は、薬剤、並びにスフィンゴ脂質及びその代謝物の産生及び/又は生物学的活性を妨げる薬剤を含む組成物の使用により達成される。
以下の記載は、本発明を理解する際に有用であり得る情報を含む。それは任意のこのような情報が、ここで特許請求する発明に対する先行技術、又はそれに関連すること、或いは具体的に又は暗黙に引用する任意の刊行物が先行技術であるという承認ではない。
様々な組織及び器官の細胞が、異常なパターンの成長、増殖、移動、シグナル伝達、老化、及び死を示す、多くの既知の過剰増殖性疾患が存在する。多くの処置がいくつかのこれらの処置に対処するために開発されてきたが、多くは未だ存在する技術で処置することができず、他の場合において、処置が利用可能である場合では、それららはしばしば最適未満であり、ほとんど治癒的でない。
本発明を詳細に説明する前に、本発明との関連において用いられるいくつかの用語を定義する。これらの用語に加えて、他のものは、必要に応じて明細書中の他のところで定義する。本明細書中で別段明確に定義しない限り、本明細書中で用いる当業界の用語は、それらの当業界で認識されている意味を有する。
本発明の1つの側面は、過剰増殖性疾患を処置するための方法に関する。これらの方法は、S1Pに関連する過剰増殖性疾患に罹患したことが知られている又はその疑いのある哺乳動物(例えば、ウシ、イヌ、ウマ、ヒツジ、又はブタ、特にヒト)に、好ましくは医薬として又は獣医学的に許容される担体(意図した適用が必要とし得る)中に、S1P活性を妨げる薬剤を含んでなる治療有効量の組成物を投与することを含んでなる。S1Pに関連する過剰増殖性疾患としては、新形成、内皮細胞の増殖に関連する疾患、及び線維形成に関連する疾患が挙げられる。ほとんどの場合、新形成は癌であろう。内皮細胞の増殖に関連した典型的な疾患は、血管新生依存性疾患、例えば固形腫瘍により引き起こされる癌、血液腫瘍、及び加齢性黄斑変性症である。線維形成に関連する疾患としては、異常心臓リモデリングに関連するもの、例えば心不全が挙げられる。
本発明は、抗S1P分子、特に抗S1P抗体が、S1P活性に関連する過剰増殖性疾病の処置に用いることができるという驚くべき発見に基づく。更に、特許可能なクラスの抗S1P分子、すなわち第一の結合部分及び第二の結合部分(それらの部分の1つがS1Pに結合する)を含んでなる薬剤についても説明する。
A.スフィンゴ脂質
スフィンゴ脂質は、細胞シグナル伝達及び調節分子としても働く細胞膜の一次構造要素である。図1は、生体活性脂質メディエーター、セラミド(CER)、スフィンゴシン(SPH)、及びスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)を含む、スフィンゴ脂質シグナル伝達カスケードを示す。これらのメディエーターは、全ての哺乳動物細胞の原形質膜に存在するスフィンゴミエリンに由来する。
1つの癌治療ストラテジーは、単独で、或いは従来の抗癌処置、例えば化学療法剤、例えばアントラサイクリンの投与と組み合わせて、生物学的に利用可能な細胞外の腫瘍プロモーター(S1P)のレベルを低減することである。この目的のために、S1Pに特異的なモノクローナル抗体(mAb)が開発された。これは、血清からS1Pを選択的に吸着し、細胞外のS1Pを中和するための分子スポンジ(sponge)として作用する。S1Pは血管新生促進性であることが示されてきたので、この抗体の有効性に対する付加された利益は、成長する腫瘍の血液供給を飢えさせる抗体の能力に由来し得る。従って、別のスフィンゴ脂質をベースとした抗腫瘍ストラテジーは、S1Pレベルを減少させるストラテジーと合わせたCER及びSPH産生の既知のアクチベーター(ドキソルビシン、ドキソルビシン、放射線治療)を組み合わせることに関連する。
血管新生は、存在する血管から新規の血管が形成される過程である。固形及び循環腫瘍に関連する血管新生は、腫瘍形成の重要な要素であると考えられており、今日では腫瘍成長が新血管新生(neovascularization)に依存するという見解は、科学的に十分に受け入れられている。
i. S1P、線維芽細胞及びリモデリング過程
心臓線維芽細胞、特に筋線維芽細胞は、細胞死及び心筋梗塞(MI)の炎症に応答した瘢痕形成における重要な細胞要素である。筋線維芽細胞のコラーゲン遺伝子発現は、リモデリングの特徴であり、瘢痕形成に必要である。その他の活性に加えて、S1Pは、血小板を活性化し、血管新生を刺激し、そして平滑筋の機能を促進することに加えて、線維芽細胞の移動及び増殖を活性化することにより、創傷治癒に対して著しく寄与する炎症メディエーターでもある。従って、損傷した筋線維芽細胞により局所的に産生されるであろうS1Pは、特に心臓の筋線維芽細胞を活性化することにより、心臓リモデリング及び心不全に関連する不適応な損傷治癒に部分的に関与し得る。
多くの細胞タイプの場合、線維芽細胞はS1Pの添加により直接的にアポトーシスから保護され、アポトーシスはSPHKの阻害剤により強化され、そしてS1PはシトクロムCの放出及びこれに伴うカスパーゼの活性化をブロックする。更に、SPHK1を形質転換した線維芽細胞は、アポトーシスからの保護を示し、この効果は、SPHK1の原形質膜への移行に依存し得る。SPHK1がAktをアップレギュレートし、それによりBcl−2ファミリーのメンバーを制御し、アポトーシスから保護する。また、S1P3は、マウス胚線維芽細胞(MEF)におけるAktのリン酸化に必要である。また、SPHKのアップレギュレーション及び結果として生じるS1Pレベルの増加は、心臓線維芽細胞をアポトーシスから保護する。
線維芽細胞が増大するDNA合成によりS1P処理に応答し、SPHK1を形質転換した線維芽細胞が細胞増殖の増大を示すことが実証されてきた。非心臓線維芽細胞における効果と同様に、S1Pは心臓線維芽細胞増殖(及び、その後の分化)を刺激すると考えられている。この効果はリモデリングの間に生じ、S1Pの不適応な行為(この場合、瘢痕形成)を説明する別のメカニズムであり、特にS1Pは多くの細胞タイプにおいて増殖を刺激するので、培養心臓線維芽細胞におけるS1P依存性DNA合成をもたらす(以下の実施例14を参照のこと)。
移動は、梗塞領域の心臓線維芽細胞の浸潤に必要である。S1Pは、他の細胞タイプにおける移動の著しい刺激によってこの過程に関係しているようであり、それにより繊維化に寄与し得る。繊維化の減少は瘢痕形成を減少させ、心臓組織との関連においては、心筋梗塞(MI)後の心臓機能の改善を可能にする。しかし、MI期直後において、心臓破裂を防止するために、いくらかの瘢痕形成が必要であることを認識することで、特に梗塞領域の周囲、また梗塞領域自体において心臓破裂の危険性が低くなった後に瘢痕形成を制限し始めることが望ましいだろう。
本発明の方法及び組成物は、単剤治療又は併用治療に基づくものであっても、これらの治療が、相対濃度、絶対濃度、又は利用可能な濃度の、一定の疾病又は疾患に関連するスフィンゴ脂質を変えることができることを示すために、「スフィンゴ脂質をベースとした」と言われる。疾病及び疾患に関連するスフィンゴ脂質、特に過剰増殖性疾患に関連するスフィンゴ脂質の例としては、セラミド(CER)、スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)、及びスフィンゴシン(SPH)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の1つの側面は、過剰増殖性疾患、特にS1Pに関連する過剰増殖性疾患に対する治療を提供するために、患者に供給することができるスフィンゴ脂質、特にS1Pに結合する抗体に関する。このような方法は、非限定的な例により、(1)有効濃度の具体的なスフィンゴ脂質又は代謝物(例えば、S1P)を調節することができ、(2)スフィンゴ脂質又はスフィンゴ脂質代謝物の細胞受容体への結合を立体的に阻害し、或いはそのような受容体への結合に利用可能なスフィンゴ脂質の濃度を低下させることができ;(3)スフィンゴ脂質又はスフィンゴ脂質代謝物の酵素的変換を立体的に阻害することができ;或いは(4)スフィンゴ脂質又はスフィンゴ脂質代謝物をインビボ又はエクスビボにおける血液から除去することができる。好ましい実施態様においては、このような抗体は、併用治療の一部として用いられ、一方、他の実施態様においては、それ(又は、1つ以上のその抗原結合ドメイン)は、抗スフィンゴ脂質部分のものとは異なる分子種に結合或いは特異的に相互作用する他の部分を含む薬剤に組み込まれる。
好ましい二重特異性モノクローナル抗S1P抗体(抗S1PmAb)が開発され、A.T.C.C及び指定アクセッション番号306D326.1#26により寄託された。この抗体は、治療分子スポンジとして用いて、S1Pを選択的に吸着し、それによりS1P活性に関連した過剰増殖性疾患を処置する目的で、効果的なインビボの細胞外S1P濃度を低下させることができる。これは、腫瘍容積及び転移能の減少、並びに成長する腫瘍に供給し得る新規の血管形成の同時遮断をもたらすことができる。この抗体(及び、同等の活性を有する分子)は、S1Pにより影響を受ける他の過剰増殖性疾患、例えば加齢性黄斑変性症、線維形成に関連する疾患、及び多くの癌において生じる望まれない内皮細胞増殖を処置するのに用いることもできる。更に、アポトーシスから細胞を保護するS1Pの能力は、薬剤、例えば抗体により無効にされ、それにより標準的なアポトーシス促進化学療法剤の有効性を増大させる。
本発明の別の側面は、組成物、例えば医薬組成物及び/又は生物学的組成物(これらに限定されない)まで引き込む。本発明によると、「組成物」は、少なくとも1つの担体、好ましくは生理学的に許容される担体、及び1つ以上の本発明の治療剤を含んでなる混合物を指す。「担体」という用語は、治療剤の細胞又は組織への取り込みを阻害又は妨げない化学化合物を規定する。担体は、典型的には、活性成分を適切な剤形(例えば、丸剤、カプセル、ゲル、フィルム、錠剤、微粒子(例えば、ミクロスフェア)、溶液など)へと製剤化又は配合することを可能にする不活性物質である。「生理学的に許容される担体」は、化合物の生物活性及び特性を抑制(減少、阻害、又は妨害)しない生理学的条件下での使用に適した担体である。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生物の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを容易にする担体である。好ましくは、担体は、生理学的に許容される担体、好ましくは医薬として又は獣医学的に許容される担体であり、その中に治療剤を置く。「医薬組成物」は、担体が医薬として許容される担体である組成物を指し、一方、「獣医用組成物」は、担体が獣医学的に許容される担体であるものである。「医薬として許容される担体」又は「獣医学的に許容される担体」という用語は、生物学的に又はその他の点で所望されなくはない任意の媒体又は物質を含む、すなわち担体は、任意の所望されない生物学的効果を引き起こさずに、或いは生物の複合体又は任意の成分と有害な様式で相互作用せずに、治療剤、治療組成物又は治療化合物と共に生物に投与することができる。医薬として許容される試薬の例は、The United States Pharmacopeia,The National Formulary,United States Pharmacopeia,Convention,Inc.,Rockville,Md.1990において提供され、それにより本明細書の引用文献により本願に組み込まれる。
抗S1PmAbは単独で腫瘍進行を軽減する
抗S1Pモノクローナル抗体(mAb)の抗腫瘍効果を、2つの同所乳癌モデル及び1つの卵巣癌モデルにおいて評価した。標準的プロトコルを用いて、ヌード(Ncr Nu/Nu)マウスの乳房脂肪パッドにMDA MB231ヒト腫瘍細胞を注入することにより、腫瘍を発達させた。10日後、固形腫瘍が形成した時に(〜100mm3)、抗S1PmAb又は賦形剤単独の腹腔内処置を開始した。抗S1PmAbを、25mg/kgで、腹腔内(i.p.)に、一日おきに、生理食塩水中において投与した。試験期間においては、一日おきに処置を行った。腫瘍容積も、一日おきに測定し記録した。腫瘍が、IACUC基準により規定されるように、その最大の大きさ(約1.5cm3)に到達した時に、試験を終わりにし、その動物を屠殺した。微小血管の変化の免疫組織化学的評価のために、腫瘍を取り、測定し、そして処理した。
抗S1PmAbは、インビボで腫瘍血管新生を阻害する
S1Pの血管新生促進効果を中和する抗S1PmAbの能力を調べるために、インビボでのマトリゲルプラグ試験を用いた。この試験はマトリゲル(マウス腫瘍から得た基底膜を含む腫瘍残留物の独自に開発した混合物)を用いた腫瘍血管新生のための十分確立された動物モデルである。マトリゲルを動物に皮下(s.c.)注入すると、それは「プラグ」を形成する。血管新生因子を添加すると、プラグは血管内皮細胞により浸潤され、それは毛細血管様血管を形成する。マトリゲルは、単独で或いは血管促進化合物として、組み換え成長因子(rGF)、例えばFGF又はVEGFと混合して調製し、その後6週齢のC57Bl/6N雌性マウスの背中に皮下注入することができる。血管及び周辺組織からの内因性S1Pは、更なる血管新生促進刺激と共にプラグを供給し得る。抗体のインビボでの性能特性に基づいて(以下を参照のこと)、抗S1PmAbによるマウスの処理は、利用可能な血清及び組織のS1Pのレベルを減少させ、結果としてプラグに対して利用可能な内因性S1Pの濃度を減少させる。これらの実験においては、最適に刺激したプラグ(タンパク質成長因子と内因性S1Pを添加)における血管新生を減少させる抗体の能力を試験した。hGFを含むマトリゲルを受けたマウスの1つのグループは、マトリゲル移植の1日前から開始して48時間ごとに、抗S1PmAbの腹腔内(i.p.)注入も受けた。各処理グループ(マトリゲル、マトリゲルとhGF、又はmAb処理と伴うマトリゲルとhGF)は、最少6匹のマウスからなる。10日後に、マウスをヘパリン処理し、蛍光性レクチン、イソレクチンB4−FITC(これは、血管内皮細胞により発現される接着分子と結合する)を注入した。その後、プラグを切除した。プラグの外観検査により、コントロール(マトリゲルのみ)プラグは無色であり、一方、hGFを含むプラグは赤く、血のような外観により示されるように明らかに血管新生を受けていたことが明らかになった。hGFを含む抗S1PmAbで処理した動物からのプラグは無色であり、これは微小血管新生の阻害を示唆した。その後、プラグをOCT寒剤(freezing medium)中に埋め込み、区分化した。図5に示すように、微小血管密度を、レクチン−FITCで染色した血管により定性的に評価した。血管染色は、コントロール(未処理)プラグにおいては散在的であり、一方、hFGFを含むプラグは血管新生の有意な証拠を実証した(パネルCの中央の写真)。抗S1PmAbにより処理したマウスからのプラグは、未処理マウス(mAbなし)からのhGfプラグと比較して血管形成における顕著な減少を実証した。染色された血管の定量化により、未処理動物と比較して、抗体で処理した動物からのプラグを含むhGFの新血管新生における11倍の減少が明らかにされた(図5)。この評価は、内因性血清及び組織S1Pの微小血管新生を促進する能力、並びに抗S1PmAbのインビボでの内因性S1Pの血管新生促進効果を中和する能力を実証する。
インビボでの薬物動態及び毒性学
インビボでの試験を開始する前に、抗S1PmAbの毒性学的及び薬物動態特性をマウスにおいて決定した。抗体の半減期を測定して、抗S1PmAbの適当な血中濃度を保持するのにどのようにして最適に動物に投与するかを決定した。25mg/kgの抗S1PmAbをマウスの静脈内(i.v.)に投与し、指定した時点で出血させた。ビオチン標識抗S1PmAbを用いた競合的ELISAを用いて、抗体のボーラス投与後20分から120時間の間のマウスの血液中に保持されている抗体の濃度を決定した。図6は、このmAbの血清半減期が約20〜25時間であることを実証する。静脈注入に加えて、腹腔内(i.p.)注入により抗S1PmAbをマウスにボーラス投与した。20分後に、95%以上の抗体が血流中に現れた。総合すると、これらのデータは、マウスは腹腔内又は静脈内のいずれかにより、抗S1PmAbを効果的に投与されることができることを示す。
抗体の特徴
抗体の1つの重要な性能特性は、その抗原に対する特異性である。すなわちそれはその意図した標的と特異的に反応する。図7は、ゴールドスタンダード(gold−standard)S1P試料(Avanti Polar Lipidsから得、HPLC及び質量分析により確認した)、並びにいくつかの他のリゾ脂質(lysolipid)コントロールに対して試験した、抗S1PmAbを用いた競合的ELISAを示す。重要なことには、抗体は、スフィンゴ脂質(SPH)(S1Pの直接的な代謝前駆体)に対して交差反応を示さなかった。更に、抗S1PmAbは、リゾリン酸(lysophosphatic acid)(LPA)又はスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)を認識しなかった。LPA及びSPCは双方ともS1Pに構造的に類似している。
S1Pの血管新生促進特性(上記を参照のこと)に加えて、腫瘍成長を促進するS1Pの作用が、細胞増殖を直接的に促進し、アポトーシス促進化学療法剤から細胞を保護する分子の能力に起因することが実証された。臨床的に適切なレベルの化学療法剤(パクリタキセル(タキソール)及びドキソルビシン((アンドリアマイシン)Andriamycin))に曝露した際に、アポトーシスターミナルエフェクター(カスパーゼ3)のアップレギュレーション及び活性化を妨げるS1Pの能力を、いくつかの腫瘍細胞株において試験した。図8は、これらの化学療法剤によりもたらされるアポトーシスから、A549、HT−29、U266BL、及びHeLa細胞を保護するS1Pの能力を実証する。図8は、パクリタキセル及びドキソルビシンが、10%の血清を含む培地における処理の48時間後にカスパーゼ3の活性化を50〜1000%まで強く誘導したことを示す。S1Pの生理学的レベルに類似した条件を促進することを目的として、10%の血清に追加のS1P(100nM)を加え、その後細胞を細胞毒性剤で処理した。10%の血清で処理した細胞と比較して、追加の外因性S1Pを供給した細胞は、パクリタキセル及びドキソルビシンで誘導したアポトーシスから保護された。これは、添加したスフィンゴ脂質の存在下で見られるカスパーゼ活性の顕著な(p<0.001)減少により実証された。重要なことには、このmAbは、化学療法剤の存在下におけるS1Pの保護効果を軽減するのに効果的であった。添加したS1Pの不在下においても、パクリタキセル及びドキソルビシンで誘導したカスパーゼ活性は抗S1PmAbにより強化され(それぞれ、25%及び50〜200%の増加)、これは内因性S1Pの保護的抗アポトーシス効果が、血清中に存在するS1Pの選択的な抗体吸着により排除されたことを示唆する。血清がかなりの内因性S1Pを有することを考慮すると、添加したS1Pの不在下における抗体の有効性は(3番目の組のバー(bar))、血清中のS1Pの内因性レベルがドキソルビシン又はパクリタキセルで誘導した細胞死に対する保護をもたらすのに十分であったことを示す。
抗S1PmAbは、腫瘍促進サイトカイニン及びVEGFの放出を阻害する
動物モデルにおいて、インターロイキン6及び8の発現は、卵巣癌細胞の増大した腫瘍形成、腹水形成、血管新生、及び浸潤性に関連する。卵巣癌患者においては、IL−6の血清レベルは、いくつかの大きさで上昇する。総合すると、これらの研究は、IL−6が重要なモジュレーターであるか、或いは少なくとも卵巣癌の進行の指標であることを示す。これらの理由により、抗S1Pモノクローナル抗体が、卵巣癌の進行を軽減する抗体の能力の指標としてのIL−6産生を減少させることができるかを調べることを決定した。これらの試験に関しては、10μMのS1Pが卵巣癌細胞からのIL−6の放出を刺激することができることを実証した。S1Pで処理した又はしない卵巣癌OVCAR3細胞の培養上清を回収し、ELISAを用いて細胞馴化培地へのIL−6の放出を分析した。図9が実証するように、S1Pは、未処理細胞と比較して、平均275%までIL−6の発現を増大させた。抗S1PmAbで前処理した細胞に関しては、IL−6の発現は顕著に減少した。このmAbの量を増大させると(0.01〜10μg/mL)、用量依存的なIL−6の発現の喪失がもたらされた。いくつかの腫瘍細胞系統を用いて、2つの他の新血管新生因子(IL−8及びVEGF)を用いると、同様の顕著な結果が得られた。これらのデータは、成長因子の放出の妨害が、抗S1P剤の付加的な効果であることを示す。
抗S1PmAbは、S1Pで刺激した癌細胞増殖の増大を減少させる
図10は、3H−チミジン取り込み試験により、選択されたヒト由来の腫瘍細胞株、例えばA549、HT−29、MCF−7及びHeLa細胞の増殖を増大させるS1Pの能力を実証する。これらの癌細胞株のそれぞれにおける未処理コントロール細胞と比較した場合に、100nMのS1Pで処理した細胞においてDNA合成が顕著(p<0.05)に増大した。腫瘍由来の細胞は、通常高い基礎レベルの増殖を有するが、S1Pはほとんどの腫瘍細胞株において増殖を増大させるようである。重要なことには、S1Pにより刺激されたDNA合成の増大は、1μg/mlの抗S1PmAbの添加により軽減された。クリスタル・バイオレット染色を用いて、OVCAR3、MDA、MB273、及びMDA MB 468腫瘍細胞株により同様のデータが得られた。
抗S1PmAbは、S1Pで刺激した腫瘍細胞の転移能の増大を減少させる
転移癌の重要な特徴は、腫瘍細胞が移動し組織を浸潤する能力を獲得することである。S1Pは、インビトロでの細胞浸潤試験を用いて、乳癌、多形性膠芽腫、及びメラノーマ細胞における転移能を促進することが示された。抗S1Pモノクローナル抗体が、S1Pで介在される細胞移動を妨げることができるかを評価することを決定した。腫瘍細胞におけるS1Pの走化性効果を評価するために、化学浸潤(chemoinvasion)試験において一般的に用いられるインビトロでのマトリゲル細胞浸潤試験を用いた。図11に示すように、ヒト血清中に見出されるレベルのS1Pによる処理は、マトリゲルマトリクスを通してA549、HT−29及びMCF−7細胞の浸潤における増大を誘導した。未処理コントロール細胞と比較して、1μMのS1Pにより、細胞移動において6〜9倍の増大が得られた。モノクローナル抗S1P抗体の添加は、腫瘍細胞浸潤をコントロールレベルまで減少させた。4つのコントロール実験は、これらの結果の特異性を実証した。第一に、A549細胞をLPAと共にインキュベートすることにより、細胞移動への効果はなく、これによりこの細胞株へのS1Pの特異的な効果が実証された。第二に、非特異的マウスIgGの添加は、S1Pで誘導した細胞移動を阻害しなかった。第三に、抗S1PmAbの濃度を1μg/mLから0.001μg/mLへの滴定は、全てのS1Pを効果的に中和する抗体の能力を減少させた。第四に、B16−F10細胞(以前にS1Pに対して非応答であることを決定した;実施例5を参照のこと)は、S1Pとのインキュベーションにより移動しなかった。
抗S1PmAbが腫瘍血管新生を妨げることのインビトロにおける実証
新血管新生の過程は、腫瘍の生存及び成長に不可欠である。新血管新生は、成長する腫瘍の中又は隣接した内皮細胞の浸潤、血管形成、及び生存に依存する。この一連の実験は、管形成、移動、及び化学療法剤に対抗した生存の観点から、新血管新生を刺激するS1Pの腫瘍促進能力の評価について記載する。
抗S1PmAbはインビボでの同種モデルにおいて腫瘍血管新生を妨げる
成長する腫瘍は、血管成長に依存する。著しい毒性を有さずにこの過程を阻害し得る薬剤は、有力な新規の抗腫瘍治療剤として役立ち得る。抗VEGF抗体治療剤(アバスチン)は結腸癌のための臨床的使用に対して最近承認されたが、アバスチンは肺癌及び乳癌の臨床試験において効果的であるとは証明されなかった。従って、腫瘍血管新生を阻害する更なるアプローチが未だ必要とされている。実施例9に示すように、1つのこのようなアプローチは、S1Pの血管新生促進効果を妨げることである。抗S1PmAbは、S1Pにより誘導される内皮細胞の移動、毛細血管成長、及びインビトロでの細胞の生存を強く阻害することが示された。抗S1PmAbは、血管新生のインビボでのマウスのマトリゲルプラグモデルにおいて、新たな血管形成を促進するS1Pの能力を中和することも示された。従って、2つのインビボでのマウスモデルにおいて腫瘍の微小血管形成を減少する抗S1Pの有効性について調べた。S1Pが血管新生を促進又は強化することが示されたので、抗S1PmAbが新たな血管形成を抑制し、腫瘍成長を妨げることが予想された。
化学療法剤との併用における抗S1PmAbは腫瘍進行を減少させる
実施例1が抗S1PmAbを単独で投与した場合に、それが腫瘍細胞を減少させるのに有効であることを実証する一方で、効果的なインビボ濃度のS1Pに結合し減少させる薬剤を、1つ以上の化学療法剤と併用して、又は手術及び放射線治療などの処置の補助として与えた場合に、ヒト癌の処置はより上手くいき、或いはより多くのタイプの癌の処置に適用することができる。実際に、かなり大きい腫瘍を有するマウス(例えば、700〜800mm3;MDA MB231乳癌細胞を移植することにより確立した)を、抗S1PmAb(一日おきに25mg/kg)単独、又は20mg/kgのボーラス投与における一回投与のタキソール(パクリタキセル)と併用して処理した場合に、この組み合わせは、抗体処理マウスがほぼ更なる成長を示さない相乗効果を実証した。図14を参照のこと。更に、化学療法処置へのS1P結合剤の付加が、マウスの生存率を劇的に改善した。図14を参照のこと。
単独で投与した抗S1PmAbは、確立したヒト卵巣腫瘍を除去する
実施例1及び12は、抗S1PmAbが単独又は細胞毒性薬と併用して投与された場合に腫瘍の大きさを減少させるのに有効であることを実証し、一方、この実施例は適切なヒト腫瘍タイプを用いて、確立した腫瘍の除去を実証する、すなわち治癒がもたらされ得ることを実証する。
血管新生及び加齢性黄斑変性症
この実施例に記載された実験の目的は、抗S1PmAbが腫瘍血管新生以外のモデルにおける血管新生を減少させることができるかを決定することである。これらの試験のために、加齢性黄斑変性症(AMD)の確立された動物モデルを用いた(すなわち、細隙灯を使用したレーザー燃焼を用いたBruch膜の破裂による脈絡膜新血管新生(CNV))。
線維形成
線維芽細胞に関連する過剰増殖性疾患(すなわち、線維形成)としては、過剰な瘢痕の疾患(すなわち、線維症)、例えば加齢性黄斑変性症(AMD)、心臓リモデリング、及び心筋梗塞に関連する不全症、手術又は損傷の結果として一般的に生じるような過剰創傷治癒、ケロイド、及び線維腫が挙げられるが、これらに限定されない。この実施例14は、S1Pが、インビトロ及びインビボにおける線維芽細胞の増殖、移動、及びコラーゲン遺伝子発現の有力なアクチベーターであり、抗S1PmAbがS1Pにより介在される線維芽細胞活性の効果を減少させるのに効果的であることを実証する。更に、この抗体は、心臓モデルにおいて瘢痕形成を軽減することが示された。
Claims (20)
- 治療有効量のS1P活性を妨げる薬剤を含んでなる組成物を、S1Pに関連する過剰増殖性疾患に罹患したことが知られた又はその疑いのある哺乳動物に投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患を処置するための方法。
- S1Pに関連する過剰増殖性疾患が、新形成、内皮細胞増殖に関連する疾患、及び線維形成に関連する疾患からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 新形成が癌である、請求項2に記載の方法。
- 内皮細胞増殖に関連する疾患が、血管新生依存性疾患からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
- 血管新生依存性疾患が、固形腫瘍、血液腫瘍、及び加齢性黄斑変性症により引き起こされる癌からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
- 線維形成に関連する疾患が、異常心臓リモデリングに関連する疾病である、請求項2に記載の方法。
- 異常心臓リモデリングに関連する疾病が心不全である、請求項6に記載の方法。
- 哺乳動物が、ウシ、イヌ、ウマ、ヒツジ及びブタからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
- 哺乳動物がヒトである、請求項2に記載の方法。
- 組成物が医薬用担体を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
- S1P活性を妨げる薬剤が、S1Pと特異的に反応する抗体である、請求項1に記載の方法。
- 薬剤が、第一の結合部分及び第二の結合部分を含んでなり、第一の結合部分はS1Pと特異的に反応し、第二の結合部分はS1P以外の第二の分子と特異的に反応する、請求項1に記載の方法。
- S1P活性を妨げる薬剤を含んでなる組成物が、単剤治療として投与される、請求項1に記載の方法。
- S1P活性を妨げる薬剤を含んでなる組成物が、併用治療の一部として投与される、請求項1に記載の方法。
- 併用治療が、S1P活性を妨げる薬剤を含んでなる組成物の投与に加えて、化学療法剤の投与、放射線治療、手術、及び任意の前記のものの組み合わせからなる群から選択される第二の治療計画を与えることを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
- 第一の結合部分及び第二の結合部分を含んでなり、第一の結合部分は、スフィンゴ脂質及びスフィンゴ脂質代謝物からなる群から選択される第一の分子と特異的に反応し、第二の結合部分は、第一の分子とは異なる分子種である第二の分子と特異的に反応する薬剤。
- 多数の第一の結合部分、多数の第二の結合部分、又は多数の第一の結合部分と多数の第二の結合部分を含んでなる、請求項16に記載の薬剤。
- 第一の結合部分の第二の結合部分に対する比率が、約1の第二の結合部分に対して約1,000の第一の結合部分から、約1,000の第二の結合部分に対して1の第一の結合部分の範囲である、請求項17に記載の薬剤。
- 請求項13に記載の薬剤及び担体を含んでなる組成物。
- 容器中に請求項19に記載の組成物を含んでなるキット。
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