JP2008517602A - 増幅を改善するための核酸の修復 - Google Patents

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Abstract

例えば増幅反応において、改善された忠実度及び収率で効率的に合成することができるように、ポリヌクレオチドを修復する方法及び組成物を提供する。これは、リガーゼとNAD+又はATPから選択される補因子とを含む反応混合物の使用及びエンドヌクレアーゼVIの非存在下でポリヌクレオチドを反応混合物と一緒にインキュベートすることを含む。反応混合物は、さらにAPエンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼを含むことができる。これらの酵素は、増幅混合物に含めることができるように、高温に耐える能力に従って選択してもよい。好熱性ではない酵素を使用することができる場合には、反応混合物をポリヌクレオチド合成反応前に使用することができる。修復反応は、酵素混合物中でのインキュベーションの秒、分又は時間に関して時間の影響を受けない。

Description

塩基除去酵素を用いてDNAを修復する種々の手法が報告されている。残念ながら、これらの異なる手法はDNAにさらに損傷を与える。従来のPCR技術は、増幅を改善するためにある面で改変されてきた。米国特許第5,035,996号は、修飾ヌクレオチドdUTPを増幅反応に使用する、核酸増幅反応の汚染を抑制する方法を記載している。この方法は、ウラシルグリコシラーゼを用いて、ウラシルを含むPCR産物を除去して、後続のPCR反応の汚染を防止する。米国特許公開第2004−0067559号A1も、増幅前のプライマーDNA中の修飾塩基に依拠し、例えば、単位複製配列への組み入れにdUTPを使用する。次いで、単位複製配列は、例えばウラシル−DNAグリコシラーゼ(UDG)及びエンドヌクレアーゼ(Endo)IVを添加することによって断片化することができる。
PCR中のミスプライミング(mis−priming)を減少させるためにホットスタート核酸増幅が使用された。ホットスタート増幅の1タイプは、PCR反応において存在するポリメラーゼによる伸長を防止するために3’末端をブロックしたPCRプライマーの存在に依拠する(例えば米国特許公開第2003−0119150号参照)。このプライマーは、>37℃で活性である耐熱性3’−5’エキソヌクレアーゼによってブロック解除される。したがって、ポリメラーゼは、エキソヌクレアーゼが>37℃で3’末端をブロック解除した後にのみPCRプライマーを伸長させる。或いは、Taqポリメラーゼがブロックされ、次いで増幅温度で活性化される。
Barnes, W.M. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:2216−2220(1994)は、増幅においてTaqポリメラーゼのみの使用を上回る改良として、ventポリメラーゼとTaqポリメラーゼの使用を記載している。Ghadessy等は、損傷部位又は脱塩基部位によって停止されない変異Taqポリメラーゼを報告した(Ghadessyら Nature Biotechnol. 22(6):755−9(2004))。
従来の増幅技術は、DNAが実質的に損傷を受けた場合には損なわれることが報告された(DiBernardoら Nucl. Acids Res. 30:e16(2002))。DNAエンドヌクレアーゼを含む環境及び微生物への暴露に起因するDNAの分解及び/又は断片化は、科学捜査、診断テスト及び定常的な増幅において頻繁に起こる問題であり、増幅産物の忠実度及び収率に影響を及ぼす。また、分解DNAの問題は、凍結生物、絶滅生物又は極めて稀な生物から得られたDNAを分析する研究者も直面する。
Fromenty, Bら Nucl. Acids Res. 28(11):e50(2000)及び国際公開第0151656号は、エキソヌクレアーゼ(Exo)IIIによってlong PCRの収率が改善されることを報告した。Fromentyは、DNA<500bpに対する単位複製配列の収率が減少することも報告した。Exo IIIの使用に伴う問題の1つは、Exo IIIがテンプレート及びプライマーを分解することである。
Di Benardoら Nucl. Acids Res. 30(4):e16(2002)は、二本鎖DNAの架橋領域間の一本鎖DNAの短い領域を増幅するためのT4 DNAリガーゼ(T4リガーゼ)及びE. coli ポリメラーゼの使用を記載している。
損傷DNAを増幅する別の手法は、米国特許公開第2003−0077581号に記載されている。分解核酸を分解核酸と相同の配列を有する未分解核酸とハイブリッド形成させた。次いで、分解核酸の領域にヌクレオチド前駆体を埋め込んだ。次いで、断片化した鎖を、重合酵素及び/又は連結酵素を用いて共有結合的に連結した。
損傷DNAの増幅を改善する調製物は、Sigma, St. Louis, MO及びQbiogene、現在のMP Biomedicals, Irvine, CAから商業的に入手することができる。これらの調製物の組成物は提供されていないが、Exo IIIは調製物に含まれていると考えられる。これらの調製物は長さ500塩基対未満のDNAテンプレートに対しては推奨されない。
他の研究者は増幅前修復のE. coli DNA PolIとT4リガーゼの併用を報告している(Puschら Nucl. Acids Res. 26:857(1998))。しかし、Puschらによれば、増幅前産物は増幅開始前に精製される。
本発明の一実施形態においては、損傷を受けたポリヌクレオチドの増幅産物の忠実度及び収率の少なくとも一方を向上させる方法を提供する。この方法は、(a)エンドヌクレアーゼ(Endo)VIの非存在下で、リガーゼとNAD+又はATPから選択される補因子とを含み、Endo VIを含まない反応混合物中で、ポリヌクレオチドをインキュベートする段階と、(b)段階(a)中又は段階(a)後に増幅試薬を前記反応混合物に添加することによって、前記ポリヌクレオチドの増幅を前記反応混合物中で起こす段階と、(c)段階(a)の非存在下よりも段階(a)の存在下で、増幅産物の忠実度又は収率の少なくとも一方を向上させる段階とを含む。
上記方法は、インキュベーションを秒、分又は時間単位で行うかどうかという点では、特に時間感応性ではない。本方法の実施形態に使用するリガーゼは、中温性でも好熱性でもよく、特定の状況下で有用であり得る好冷性リガーゼを除外しない。温度感受性に関するリガーゼの選択は、特定の反応条件セットに何が最適であるかによって決まる。例えば、増幅試薬をインキュベーション段階(a)中に添加する場合には、増幅中に利用する温度に耐える好熱性リガーゼを使用することが望ましいことがある。好熱性リガーゼの例はTaq DNAリガーゼ(Taqリガーゼ)及び9°Nリガーゼである。TaqリガーゼはNAD補因子と一緒であるとより有効であり、9°N DNAリガーゼ(9°Nリガーゼ)はATP補因子と一緒であるとより有効である。中温性リガーゼは(ATP補因子を用いた)T4リガーゼ及び(NAD補因子を用いた)E. coli DNAリガーゼ(E. coli リガーゼ)である。
反応混合物は、さらに、タイプIIエンドヌクレアーゼなどのAPエンドヌクレアーゼ、T7エンドヌクレアーゼ(Endo)I若しくはその変異体又はEndo IVを含むことができる。反応混合物は、これらとは別に、又はこれらに加えて、ポリメラーゼ、例えばTaqポリメラーゼ、E. coli ポリメラーゼ、サーモミクロビウム(Thermomicrobium)種ポリメラーゼ又は古細菌ポリメラーゼ若しくはPfu、Vent(登録商標)、Deep Vent(登録商標)、9°N、GBDポリメラーゼなどのその変異体を含むことができる。
本発明の実施形態においては、試薬混合物にさらに添加することができる酵素としては、T4ピリミジン2量体グリコシラーゼ、[fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)などが挙げられ、ポリヌクレオチドが受ける損傷のタイプに応じた種々の組み合わせでUvrA、UvrB、UvrC、UvrD、Cho、UDG、Aag、Endo III及びEndo Vの少なくとも1種類などが挙げられる。
本発明の一実施形態においては、場合によってはDNA 1−1000ngに添加されていてもよい、エンドヌクレアーゼ約1−100単位、ポリメラーゼ約0.05−0.25単位及びリガーゼ約5−500単位を含む反応混合物を使用する。
ポリヌクレオチドに影響を及ぼし得る損傷のタイプとしては、脱プリン/ピリミジン(AP)部位、変異を誘発されたヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、ニック、ギャップ及びDNA−DNA又はDNA−タンパク質架橋などが挙げられる。
損傷を受けたポリヌクレオチドは、自然源、保存生体材料、法医学的証拠、古代のポリヌクレオチド、組織生検又は定常的生物学的操作から得ることができる。
本方法の実施形態によれば、DNA増幅をPCR増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、転写による増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅又は全ゲノム増幅のいずれかによって実施する。
ポリヌクレオチドが一本鎖RNAである場合には、増幅は逆転写酵素依存性増幅とすることができる。
本方法の一実施形態においては、ポリヌクレオチドは、PCR増幅に対して50ヌクレオチドから100,000ヌクレオチドの範囲の大きさの単位複製配列を生成することができる。
本発明の一実施形態においては、使用説明書及び1種類以上の酵素を含み、該酵素の少なくとも1種類はリガーゼであり、該1種類以上の酵素は、増幅混合物に添加して増幅を増強するために、又は増幅混合物の添加前に使用して増幅を増強するために処方される、増幅キットを提供する。
本発明の別の実施形態においては、リガーゼ、ポリメラーゼ及びEndo VIを含まないAPエンドヌクレアーゼの有効量を含み、混合物が、組成物の非存在下でのポリヌクレオチドの増幅と比較して、該ポリヌクレオチドの増幅の収率及び忠実度の少なくとも一方を向上させることができる、組成物を提供する。例えば、組成物中の試薬の濃度は、例えば反応体積10−100μl中に含まれる、エンドヌクレアーゼ1−100単位の濃度のAPエンドヌクレアーゼ、0.05−0.25単位のポリメラーゼ及びリガーゼ5−500単位を含む。この処方をDNA修復用のDNA 1−1000ngに適用することができる。より高濃度のDNAに対しては、各酵素の量を比例して増加させるべきである。本発明の実施形態においては、T4ピリミジン2量体グリコシラーゼ、[fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)、UvrA、UvrB、UvrC、UvrD、Cho、UDG、Aag、Endo III及びEndo Vの1種類以上をポリヌクレオチドが受ける損傷のタイプに応じた種々の組み合わせで含む組成物に追加の酵素を含めることができる。
本発明の実施形態は、損傷を受けたポリヌクレオチドの合成の収率又は忠実度の少なくとも一方を向上させる方法を記述する。ポリヌクレオチド合成によってポリメラーゼ−依存性増幅がもたらされる場合には、約500塩基長未満である(100ntもの短い)長い単位複製配列又は500塩基を超える、若しくは約100kbもの長い単位複製配列を増幅することができる(PCR増幅の場合)。ポリヌクレオチド合成の他のタイプとしては、増幅(例えば、PCR、RT−PCR及びQPCR)、ゲノム増幅、ローリングサークル増幅(RCA)、ヘリカーゼ−依存性増幅(HDA)などのプライマー伸長反応、DNA塩基配列決定反応などが挙げられる。本方法の実施形態は、分子生物学研究において、また、応用生物学における問題の解決において、例えば、科学捜査において、古代の源由来のDNAを分析することが望ましい生物学的考古学において、Barcode of Life Projectに必要とされるものなど環境試料由来のDNAを分析することが望ましい分類学に対して、疾患感受性又は疾患状態を決定する組織生検を含めた診断アッセイに対して、また、分子生物学研究に対して広範な有用性を有する。
損傷源及び損傷の程度
ポリヌクレオチド分子が受ける損傷は「正常」ポリヌクレオチドにおいてでも一般的であるが、損傷は保存組織、乾燥試料又は環境に曝されたポリヌクレオチドにおいてより重大である。損傷は、試料の古さ、その長さ、その出所又はその調製の結果として起こり得る。また、損傷は、高温段階を含むPCR増幅中に起こるなど、ポリヌクレオチド合成方法の適用中に起こり得る。
ポリヌクレオチドは多様な損傷を受ける。損傷の種々のタイプとしては、(a)例えば熱、エタノール中でのポリヌクレオチドの保存及びHO、pHなど環境中の要因への暴露によって生じる、脱プリン又は脱ピリミジン損傷、(b)例えば脱アミノ、アルキル化、酸化及び2量体化に起因する個々のヌクレオチドの改変、(c)例えば熱、エタノール中でのポリヌクレオチドの保存及びHO、pHなど環境中の要因への暴露によって生じる、ニック及びギャップ、(d)例えばホルムアルデヒド、環境要因及びエタノール保存によって生じる架橋、(e)例えばポリメラーゼによるヌクレオチドの誤取り込みによって生じるDNAのミスマッチなどが挙げられる。
異なるポリヌクレオチド調製物は、例えばポリヌクレオチド調製物のインビトロでの保存又は取扱いに起因する、異なるタイプの損傷を受け、ポリヌクレオチドを含む、原核細胞、古細菌又は真核細胞の保存方法及びポリヌクレオチドを抽出した細胞の諸特性に依存し得る。
定義
「ポリヌクレオチド」という用語は、二本鎖DNA、二本鎖RNA、ハイブリッドDNA/RNA二本鎖、一本鎖DNA及び一本鎖RNAを指す。
「修復酵素」とは、ポリヌクレオチドの修復方法に関与する好冷性、中温性又は好熱性酵素を指す。例えば、修復酵素は、ポリヌクレオチドの結合の切断を引き起こし、それによってポリヌクレオチドの損傷領域の除去を促進することができる。リガーゼ、ポリメラーゼなど合成上ある役割を有する酵素も修復酵素である。
DNA修復酵素は科学文献に記載されている。例えば、Wood, R.D., et al. Mutat. Res. 577(1−2):275−83(2005)及びEisen, J.A. and Hanawalt, P.C. Mutat. Res. 435(3):171−213(1999)を参照されたい。ヒト修復酵素の一覧を表1に示す。表1には記載していないが、列挙した酵素の相同体及び機能的に関係する他の酵素も修復酵素の定義に含まれる。上記酵素は天然でも、組換えでも、合成でもよい。上記酵素は、幾つかの活性を有する、自然の、又はインビトロで作製された、キメラとすることができる。上記酵素に加えて、保存配列モチーフを共有し、類似の酵素活性を有する、関係する他の酵素を特定するためにデータベースを検索する方法が当業者に公知である。例えば、NCBIウェブサイト(www.ncbi.com)は、保存ドメインデータベースを提供している。例えば、Endo IVの相同体をデータベースで検索する場合には、74個の配列一致が回収される。(リガーゼについては図6も参照されたい。)。
損傷DNAを修復する酵素混合物において使用する「ポリヌクレオチド開裂酵素」は、修復酵素の1クラスであり、塩基除去修復を担う、APエンドヌクレアーゼ、グリコシラーゼ、リアーゼなどが挙げられる。
損傷を受けた塩基は、デオキシリボース糖部分と塩基のN−グリコシル結合を加水分解するDNAグリコシラーゼ酵素によって除去することができる。この反応の生成物は、正確に埋め込まれなければならない、脱プリン又は脱ピリミジン部位(AP部位)である。これは、AP部位に隣接する糖リン酸骨格に切れ目を入れるエンドヌクレアーゼによって実施することができる。脱塩基糖が除去され、新しいヌクレオチドがポリメラーゼ/リガーゼ活性によって挿入される。本発明に適用可能である一部の酵素は、1分子中にグリコシラーゼとAPエンドヌクレアーゼ活性を有する。これらの修復酵素は、原核生物及び真核細胞に存在する。脱塩基部位は、APエンドヌクレアーゼ及び/又はAPリアーゼによって認識し、開裂させることができる。クラスII APエンドヌクレアーゼはAP部位において開裂して、ポリヌクレオチド重合に使用することができる3’OHを残す。また、APエンドヌクレアーゼは、ポリヌクレオチド重合を阻害する、3’OHに結合した部分を除去することができる。例えば、3’リン酸は、E. coli Endo IVによって3’OHに転化することができる。APエンドヌクレアーゼは、グリコシラーゼとともに働くことができる。
グリコシラーゼ特異性の例としては、ウラシル、ヒポキサンチン、3−メチルアデニン(3−mAde)、ホルムアミドピリミジン及びヒドロキシメチルウラシルが挙げられる。DNA中のウラシルの存在は、硫酸水素塩、亜硝酸又は自発的脱アミノによる、シトシンの誤取り込み又は脱アミノのために生じる。ヒポキサンチンは、亜硝酸又は自発的脱アミノによるアデニンの脱アミノのために生じる。3−mAdeはアルキル化剤の生成物である。E. coli は、TagI及びTagIIと呼ばれる2種類の3−mAdeグリコシラーゼを有する。ホルムアミドピリミジン(FAPY)(7−mGua)は、DNAのメチル化剤の最も一般的な生成物である。ガンマ線放射によって4.6−ジアミノ−5−FAPYが生成する。この障害を修復するE. coli グリコシラーゼはFpgエンドヌクレアーゼである。ヒドロキシメチルウラシル(Hydroxymethyuricil)は、チミジンへの電離放射線又は酸化的損傷によって生成される。
リアーゼはポリヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合を切断する。
APエンドヌクレアーゼの例は4つのクラスに属する。
(I)3’−−>3’−OH+5’−P−に開裂し、関連するグリコシラーゼ活性を有する。
(II)5’−−>3’−OH+5’−Pに開裂する。
(III)3’−−>3’−P+5’−OHに開裂する。
(IV)5’−−>3’−P+5’−OHに開裂する。
協奏的(すなわち、AP部位を形成せずに)又は逐次的に連係して働く、APエンドヌクレアーゼ活性又はリアーゼ活性とグリコシラーゼ活性とを有すると考えられる幾つかの酵素を単離した。
増幅反応において収率及び忠実度の少なくとも一方を向上させるのに使用するポリヌクレオチド開裂酵素の例としては、1)E. coli Endo IV、Tth Endo IV、ヒトAPエンドヌクレアーゼなどのAPエンドヌクレアーゼ、2)UDG、E. coli AlkA、ヒトAagなどのグリコシラーゼ及び3)E. coli Endo III、E. coli Endo V、E. coli Endo VIII、E. coli Fpg、ヒトOGG1、T4ピリミジン2量体グリコシラーゼ(T4 pdg)、ヒトAPエンドヌクレアーゼなどのグリコシラーゼ/リアーゼが挙げられる。
(Exo IIIとも称する)Endo VIは、ポリヌクレオチド中の損傷領域以外のポリヌクレオチドのかなりの部分を通常の反応条件下で数時間で分解することができ、損傷を受けたポリヌクレオチドを処理する酵素混合物中に含まれない。
本明細書の酵素混合物に使用する「ポリメラーゼ」とは、ポリメラーゼ活性を有する酵素を指す。修復とポリメラーゼを増幅することは、同じでも異なっていてもよい。
ポリメラーゼの例としては、Taqポリメラーゼなどの耐熱性細菌性ポリメラーゼ、Vent(登録商標)、deep Vent(登録商標)、Pfuなどの古細菌ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、E. coli PolI、サーモミクロビウム ロゼウム(thermomicrobium roseum)ポリメラーゼ、サーモミクロビウム サーモフィラス(thermomicrobium thermophilus)などの熱不安定性酵素、phi29ポリメラーゼ、T7ポリメラーゼ、T4ポリメラーゼなどのファージポリメラーゼ又はこれらの変異体、誘導体若しくは改変体が挙げられる。誘導体の例としては、Pfusion(商標)酵素(Finnzymes, Espoo, Finland)及び二本鎖結合タンパク質を1つ又は幾つかの出所から得られたポリメラーゼ配列と結合させる他のポリメラーゼが挙げられる。
本明細書に記載する酵素混合物中に使用する「リガーゼ」とは、ポリヌクレオチドの一本鎖の5’末端をポリヌクレオチドの別の一本鎖の3’末端に連結する酵素である。かかるリガーゼは、実質的に全ての真核細胞並びに原核細胞、ウイルス及び古細菌中に存在する。これらのリガーゼのいずれも、本明細書に記載の修復に使用することができる。リガーゼの例としては、9°Nリガーゼ、E. coli リガーゼ、T4リガーゼ及びTaqリガーゼが挙げられる。他のリガーゼとしては、LIGA(NP−416906.1)、TthDNALGS(AAA27486.1)、LIG3(NM−013975)、LIG4(NM−002312)などが挙げられる。
本発明に有用性を有し得る他のリガーゼ又はリガーゼ様タンパク質は、データベースを検索するためのT4リガーゼ又はE. coli リガーゼを用いたGenbank検索によって明らかになる(図6参照)。これらの公知のリガーゼと少なくとも6個の隣接アミノ酸を共有する任意の酵素を、本発明の実施形態による修復混合物に含めることができる。
あらゆる補因子の非存在下でExo IIIと組み合わせたリガーゼの公開された使用とは逆に(米国特許公開第2005−0026147号)、NAD+又はATPは、リガーゼを含む酵素混合物に必要であることが判明した。より具体的には、Taqリガーゼ及びE. coli リガーゼはNAD+を必要とし、T4リガーゼ及び9°NリガーゼはATPを必要とする。
例示的なリガーゼ、ポリメラーゼ及びエンドヌクレアーゼは、2005−2006カタログの107−117ページ(リガーゼについては102−108ページ)を参照により本明細書に組み込まれるNew England Biolabs Inc.、米国仮出願第60/717,296号及び国際公開第2005/052124号から利用可能である。また、耐熱性修復酵素は、増幅前混合物中の熱不安定性修復酵素と区別なく使用することができる。耐熱性酵素は、40℃を超える温度、より具体的には65℃以上で活性である。
本方法の実施形態は、ポリヌクレオチド増幅又は他の合成反応から得られる産物の収率又は忠実度を改善する。これは、例えば、損傷を受けたポリヌクレオチドをプレインキュベーション混合物中で、及び/又は増幅中に、酵素の調製物で処理したときに達成することができる。
上記プレインキュベーションの利点を得ることができる増幅プロトコルとしては、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、鎖置換増幅(SDA)(米国特許第5,455,166号及び同5,470,723号);HDA(米国特許公開第2004−0058378−A1号);転写による増幅(TMA)(Guatelliら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874−1878(1990));インビボでのローリングサークルDNA複製から改作されたインビトロでのDNA増幅に使用する配列の複数のコピーを生成するローリングサークル増幅(RCA)(例えば、Fire and Xu, Proc. Natl. Acad Sci. USA 92:4641−4645(1995);Luiら J. Am. Chem. Soc. 118:1587−1594(1996);Lizardiら Nature Genetics 19:225−232(1998)参照)、全ゲノム増幅方法などが挙げられる。
汎用酵素混合物は、ポリヌクレオチドに対する損傷のタイプにかかわらず、損傷を受けたポリヌクレオチドを増幅前又は増幅中に修復する反応混合物に有用であることが判明した。汎用酵素混合物は、さらなる損傷を起こさずに、損傷DNAを修復する。
汎用酵素混合物は、リガーゼ及びNAD+又はATPなどの補因子を含む。汎用酵素混合物は、好ましくは、Thermopol(New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)、AccuTaq LA DNAポリメラーゼ緩衝剤(Takara Bio Inc., Shiga, Japan)、任意の他の標準Taq緩衝剤などの適切な緩衝剤中の上記ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼをさらに含む。種々の実施形態においては、汎用酵素混合物は、E. coli PolI又はTaqポリメラーゼ及び中温性Endo IV、例えば、E. coli Endo IV、好熱性Endo IV、例えば、Tth Endo IVなどのAPエンドヌクレアーゼ及びE. coli リガーゼ、Taqリガーゼ又は9°Nリガーゼなどの古細菌リガーゼから選択されるリガーゼを含む。特定の実施形態においては、酵素混合物は、増幅前又は増幅中にDNA 1−1000ngの修復に適切である、Endo IV 1−100単位、E. coli PolI 0.05−0.25単位及びリガーゼ5−500単位を含む。上記汎用混合物において指定したもの以外のエンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼの濃度範囲は、使用する酵素及び反応温度とともに変わり得ることを理解されたい。しかし、濃度範囲は、実施例に記載のアッセイによって容易に確認することができる。例えば、ラムダDNAの標準調製物は、実施例1に従って熱処理することができる。次いで、DNAをリガーゼ及び補因子を含む一連の酵素混合物に供することができる。追加の酵素は、混合物中のその酵素の好ましい濃度を求めるために滴定することができる。このようにして、DNA修復を最適化することができる。各試料の増幅後、増幅されたDNAの量をゲル電気泳動によって求めることができ、試験酵素の好ましい濃度範囲を明らかにすることができる。
汎用酵素混合物は、ポリヌクレオチド増幅又は他の合成の前又はその最中に使用することができる。
実施例に示すように、損傷のタイプに応じて、DNA損傷の性質に応じた追加の修復酵素を汎用酵素混合物に補充することが望ましい場合がある。個々の修復酵素又は修復酵素混合物の有用性は、特定のポリヌクレオチドの修復に適切であるかどうかを判定する、実施例及び図に記載のアッセイによって決定することができる。
ポリヌクレオチドに対する一般的又は特異的損傷の修復
(a)一般的損傷
ポリヌクレオチドにおける損傷の性質を決定することは時間がかかる。ポリヌクレオチドに対する何らかの形態の損傷が疑われる場合には、例えば、ポリヌクレオチドの増幅が不十分である場合には、障害を特定する必要がないことが好ましい。この状況では、増幅が改善するかどうかを判定するために、上述したものなどの汎用酵素混合物を利用することができる。汎用混合物を用いて改善が十分である場合には、それ以上の措置は不要である。改善が不十分である場合には、好ましい結果が得られるまで、本明細書に記載の混合物に追加の酵素を添加することができる。アッセイ全体は、96ウェル皿などの単一の反応器で実施することができる。皿中の各マイクロウェルは、以下に概説する損傷の各クラスを扱うのに選択した汎用混合物+酵素を含めて、異なる酵素混合物に利用可能である。
DNAの一般的損傷又は未知の損傷の修復用酵素を選択するプロトコルを図12(フローチャート)及び実施例に記載のアッセイに示す。
(b)特異的損傷
ポリヌクレオチドに対する損傷の性質が既知である場合もある。この状況においては、図12の分析をせずに酵素混合物を選択することができる。
(i)AP部位
塩基の損失はDNA損傷の最も一般的な自発的形態である。ポリメラーゼ及びポリメラーゼに基づく技術は、この脱塩基部位の存在によって悪影響を受ける。プライマー伸長反応の有効性は、ポリヌクレオチド中に存在する脱塩基部位を修復することによって向上する。修復は、一実施形態においては、脱塩基部位においてリン酸骨格を開裂させるEndo IV活性によって行われる。この開裂によって、伸長可能な3’OHが、開裂した脱塩基部位に対して5’側のDNA断片上に残る。開裂によって、デオキシリボース−5’−リン酸(dR5P)も、開裂した脱塩基部位に対して3’側のDNA断片上に残る。ポリメラーゼは、遊離の3’OHから伸長させ、開裂した脱塩基部位を正しいヌクレオチドで置換することができる。dR5Pは、E. coli DNAポリメラーゼIなどのある種のポリメラーゼに存在するフラップエンドヌクレアーゼ活性又はFENIなどのセパレートフラップ(separate flap)エンドヌクレアーゼによってdR5Pを特異的に標的とする酵素によって除去することができる。dR5Pの除去は、フラップエンドヌクレアーゼ活性によるこの基の下流の開裂によっても起こり得る。dR5Pを除去し、3’OHに隣接する5’リン酸を生成した後、リガーゼは、このニックを塞いで、修復を終える(実施例1−3及び7参照)。
(ii)修飾ヌクレオチド
(a)チミジン2量体
光は、ピリミジン2量体の形成を引き起こすことによってDNAに損傷を与え得る。ピリミジン2量体は、Taq DNAポリメラーゼなどのDNAポリメラーゼによって触媒されるDNA伸長反応を遮断し、したがってDNA増幅を阻害する(Wellinger,ら Nucleic Acids Res. 24(8):1578−79(1996))。したがって、増幅前又は増幅中にピリミジンプライマーを修復することが望ましい。この修復は、ピリミジン2量体グリコシラーゼ/リアーゼ(Vande Berg,ら J. Biol. Chem. 273(32):20276−20284(1998))を汎用酵素混合物に添加することによって実施することができる。DNA骨格はピリミジン2量体に対して5’側で開裂し、DNAポリメラーゼによって伸長可能である3’ヒドロキシル部分が残る。ある実施形態においては、3’ヒドロキシルにおける伸長と、それに続く、DNA伸長中に生じる障害含有フラップの形成と切断とによって、ニックが生成する。ニックは、ニックを塞ぐことができる酵素によって塞がれる。フラップは、伸長ポリメラーゼ、例えば、E. coli ポリメラーゼIによって、又はフラップエンドヌクレアーゼの作用によって、切断することができる((Xu, Yら J. Biol. Chem. 275(27):20949−20955(2000)、Liu, Yら Annu. Rev. Biochem. 73:589−615(2004))。
(b)酸化的損傷
損傷を受けた塩基の反対側に望ましくないヌクレオチドが組み入れられるので、DNA増幅反応の産物中に誤りが持ち込まれ得る(Gilbertら Am. J. Hum. Gen. 72:48−61(2003);Hofreiterら Nucl. Acids Res. 29:4793−9(2001))。この誤りは、同じ試料を多数回増幅し、クローニングし、配列決定することによって発見することができる。塩基損傷による誤りは、変異原性DNA障害の一般的なタイプの1つを除去する、UDGなどの酵素を用いた試料処理前後の配列データを比較することによって特定することもできる(Hofreiterら Nucl. Acids Res 29:4793−9(2001))。しかし、UDGを用いた処理によって、プライマー伸長法によるDNA増幅を阻害する脱塩基部位がDNA内に生成する。このため、UDG処理によって増幅し難くなる恐れがある希少DNA試料では問題が生じる。
酸化的損傷の生成物である修飾ヌクレオチドは、Fpg又はhOGGによってポリヌクレオチドから除去し、ブロックされたポリヌクレオチドを残すことができる。ブロックされたポリヌクレオチドは、Endo IVなどのAPエンドヌクレアーゼによって修復可能である。
ポリヌクレオチドに対する酸化的損傷を増幅前に修復する酵素前処理の有効性を実施例9で説明する。汎用酵素混合物は、プレインキュベーション混合物中でFpgが補充されている。
シトシンがウラシルに、グアニンがキサンチンに、又はアデニンがヒポキサンチンに転化された、アルキル化塩基、脱アミノ塩基などの他の修飾ヌクレオチドは、誤った遺伝コードを伝える。これらの修飾ヌクレオチドを除去することが望ましい。これらの修飾塩基は、実施例10に記載のようにAlkA、UDG又はAagのいずれかによって除去し、AP部位を残すことができる。次いで、このAP部位は、リガーゼと、好ましくはさらにAPエンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼとを含む反応混合物によって修復することができる。ウラシルを除去すると、ポリメラーゼは、この部位で通常は停止する増幅反応において、DNAを増幅し続けることができる。例えば、Vent(登録商標)ポリメラーゼ活性は、DNAに挿入された不正確なウラシルによって阻害される。ウラシルを除去できると、ポリメラーゼはより有効になる。
(iii)ニック及びギャップ
DNA骨格中のニック及びギャップは、短縮されたプライマー伸長産物をもたらし、増幅反応を阻害し得る。汎用酵素混合物中のリガーゼとポリメラーゼの協奏的作用は、DNA中のニック及びギャップを修復し、したがってDNA増幅反応を促進する。
(iv)架橋
追加のヌクレオチド除去修復(NER)タンパク質(Minkoら Biochemistry 44:3000−3009(2005);Costaら Biochimie 85(11):1083−1099(2003);Sancar Ann. Rev. Biochem 65:43−81(1996))は、ホルムアルデヒド及びかさ高い付加体へのポリヌクレオチドの暴露に起因する損傷並びにDNA−タンパク質架橋を形成する化学修飾された塩基をもたらす損傷を修復する汎用酵素混合物に添加することができる。E. coli UvrA、UvrB、変異UvrB、UvrC、UvrD又はChoの少なくとも1種類(Moolenarら Proc. Natl Acad. Sci USA 99:1467−72(2002))を、損傷部位周囲の5’末端及び場合によっては3’末端に切り込みを入れるために使用することができる。これらの酵素の諸特性及び精製プロトコルについての詳細は(Zou, Yら Biochemistry 43:4196−4205(2004))から得ることができる。修復プロセスは、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ及び場合によってはフラップエンドヌクレアーゼを用いて完了することができる。
5’切り込み部位における3’ヒドロキシルの生成は、NER酵素がDNAを開裂させるが、プライマー伸長を阻害するブロックされた3’末端がDNA上に残る場合には有用であり得る。例としては、NER酵素がDNAを開裂させ、3’リン酸が残る場合が挙げられる。これは、例えばE. coli Endo IVによって3’リン酸を除去しない限り、公知のDNAポリメラーゼによって伸長させることはできない。
NER酵素がDNA障害に対する5’及び3’を開裂させる場合には、新たに放出されたオリゴヌクレオチドがDNAから解離するときに損傷が除去される。ポリメラーゼは、DNAの切除領域を単に埋めることができ、ニックを残す。次いで、ニックをリガーゼが塞いで修復を終える。ポリメラーゼがDNAを埋め、次いで残りのDNA鎖を置換する場合もある。この状況においては、フラパーゼ(flapase)活性を有する酵素は、リガーゼによって塞ぐことができるニックを形成することができる。NER酵素が損傷に対する5’のみを開裂させる場合には、ポリメラーゼは、好ましくは、損傷を過ぎるまで元のDNA鎖を置換する。その後、フラパーゼがDNAフラップを開裂させて、連結可能なニックを生成する。フラパーゼは、DNA障害に達する前後で活性であり得る。好ましくは、ポリメラーゼ及びフラパーゼ活性は、DNA障害を最終的に置換し、除去して、連結可能なニックを残し、それによってDNAテンプレートを修復するように働く。上記手法の有効性の例を実施例7に示す。
(v)ミスマッチポリヌクレオチド
ヘテロ二重鎖DNAは、マルチテンプレートPCR及び均一テンプレートPCRにおいて問題となり得る(Lowell, J.L.& Klein, D.A. Biotechniques 28:676−681(2000);Thompson, J.Rら Nucl. Acids Res. 30(9):2083−2088(2002);Smith, J.& Modrich, P. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:6847−6850(1997))。T7 Endo I又はその変異体は、リガーゼと一緒に使用して、ミスマッチ領域を除去することができる。この手法は、DNAの定量が不要であり、Lowellら Biotechniques 28:676−681(2000)及びSmithら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:6847−6850(1997)によって必要とされる、PCR反応後の余分な段階が回避される。これらの酵素の使用例を実施例8に示す。T7エンドヌクレアーゼ又は変異体:DNA比の有用な範囲は、ヘテロ二重鎖開裂反応における非特異的開裂を最小にするDNAリガーゼ活性を含めることによって拡張することができる。
実施例及び図の考察
実施例1及び図1によれば、PCR増幅から得られる単位複製配列収率は、ある損傷しきい値(例えば、約90秒の熱処理)を超えてテンプレートDNAが損傷を受けたときに、実質的に負の影響を受ける(図1A参照)。増幅に対するこの損傷の効果は、増幅前に酵素混合物と一緒にDNAをインキュベートすることによって逆転し、単位複製配列収率は増加し得る(図1B、1C及び1D参照)。さらに、「非損傷」DNAの単位複製配列収率も、上記酵素混合物を添加することによって増加させることができる。
実施例1によれば、DNAの増幅に対する酵素混合物の効果は、APエンドヌクレアーゼ又はリガーゼの単一のタイプに依存せず、代わりに複数の代替源からのエンドヌクレアーゼ又はリガーゼを使用することができる。例えば、耐熱性Tth Endo IVはE. coli Endo IVと同様に有効であることが判明し、E. coli リガーゼは耐熱性Taqリガーゼと同様に有効であった。
実施例2及び図2は、増幅収率に対する別のタイプのDNA損傷、すなわち、脱プリンの負の効果を示す。脱プリンは、熱及びクエン酸塩の存在下で引き起こされる。さらに、実施例2によれば、DNA増幅に対する酵素混合物の効果は、ポリメラーゼの単一のタイプに依存せず、複数の代替源からのポリメラーゼを使用することができる。例えば、E. coli PolIをTaq DNAポリメラーゼで、又はTaqとVent(登録商標)の各DNAポリメラーゼの混合物で置換して、収率を増加させることができる。
実施例3及び図3によれば、増幅収率の増加を短い(200bp)断片によって観察することができる。実際に、増幅収率の増加は、100塩基ほども短いDNAテンプレートから100kbほども長いDNAテンプレートまで広いサイズ範囲で認められ、100kbよりもさらに大きいDNAに対する増幅収率を達成できると考えられる。サイズの上限は、増幅混合物中のポリメラーゼによってのみ制限される。
図3は、DNAが天然のままの形態(例えば、生物自体が保存されている生物の細胞内)での保存によって損傷を受けたときでも、増幅前の酵素混合物の添加によって増幅収率がかなり増加することも示している。酵素混合物をテンプレートDNAに増幅前に添加したが、類似の収率効果は、テンプレートDNAを耐熱性等価物である酵素混合物と一緒に増幅中又は増幅前段階中にインキュベートするときにも見ることができる。
実施例4及び図4によれば、リガーゼ単体でも単位複製配列収率を増加させることができるが、APエンドヌクレアーゼの添加はさらに役立つ。この実施例では、リガーゼ、APエンドヌクレアーゼ及びDNAポリメラーゼを増幅前に使用したときに、最良の結果が認められた。また、この実施例によれば、修復はDNAサイズに依存しない。例えば、5kbと10kbの各単位複製配列で類似の結果が得られた。
実施例5及び図5によれば、増幅収率はリガーゼを用いて増加させることができ、この効果は、単一のリガーゼ源に限定されずに得ることができる。図5によれば、TaqリガーゼとT4リガーゼはどちらも、プレインキュベーション混合物中に追加の酵素なしで用いたときでも、増幅収率の増加に有効である。この効果は、(耐熱性であれば)リガーゼを増幅混合物に添加した場合にも生じると考えられる。図5は、損傷を与える種々の作用物質に自然界で曝された土壌試料から直接得られる環境DNAを増幅するこの手法の利点も示す。
本明細書で引用する全ての参考文献並びに2004年10月21日に出願された米国仮出願第60/620,896号、2005年1月24日に出願された同60/646,728号及び2005年4月22日に出願された同60/673,925号を参照により本明細書に組み込まれる。
実施例
種々の損傷度を有するDNAの増幅収率の向上
増幅前にDNAを修復するために選択試薬の使用を最適化するアッセイを開発した。
種々の熱損傷度の生成
熱処理によって種々のDNA損傷量を誘導した。これを以下の通り実施した。すなわち、0.5mg/mlのラムダDNA(NEB#N3011, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)100μLを別々の管に等分し、PE2700サーマルサイクラー中で99℃でそれぞれ30秒、60秒、90秒、120秒及び180秒間熱処理した。試料を前処理せずに増幅用テンプレートとして用いた。
残りの損傷DNAを酵素混合物で以下の通り前処理した。すなわち、損傷DNAテンプレートを以下の混合物中で室温で10分間インキュベートした。
DNA(5ng、2ng及び1ng)、
100μM dNTPs(NEB#M0447, New England Biolabs, Ipswich, MA)、
1mM NAD(Sigma#N−7004, Sigma, St. Louis, MO)、
Taqリガーゼ(NEB#M0208, New England Biolabs, Ipswich, MA)80単位又はE. coli リガーゼ40−100単位、
E. coli DNAポリメラーゼI(E. coli pPolI) NEB#M0209, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)0.1単位、
E. coli Endo IV(NEB#M0304, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)10単位又はTth Endo IV 10単位、
1× thermopol緩衝剤(NEB#B9004, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA) 最終体積96μL。
反応の最後に試料を氷に移し、次いで増幅した。
DNA増幅反応
ラムダのDNA増幅を以下のプライマー、すなわち、CGAACGTCGCGCAGAGAAACAGG(L72−5R)(配列番号1)及びCCTGCTCTGCCGCTTCACGC(L30350F)(配列番号2)を用いて、Wangら Nucl. Acids Res. 32:1197−1207(2004)の方法に従って実施した。
増幅混合物4μlを上記修復混合物96μlに添加した。増幅混合物は、dNTPs 100μM、Taq DNAポリメラーゼ5単位、Vent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ0.1単位、5×10−7MプライマーL72−5R及び5×10−7MプライマーL30350Fの1× thermopol緩衝剤溶液を含んだ。
酵素保存緩衝剤の効果を補正するために、修復酵素を反応から省略したときには、その保存緩衝剤の適切な量を反応物に添加した。いずれの場合においても、増幅反応物を以下のパラメータ、すなわち、95℃20秒1サイクル、続いて94℃5秒、次いで72℃5分25サイクルでサーマルサイクラー中に置いた。増幅された単位複製配列サイズは5kbであった。
DNA(5kb)の増幅結果を1%アガロースゲル電気泳動によって求めた。6×添加色素(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., eds. Sambrook and Russell, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001, pp. 5.4−5.17)を増幅反応物100μlに添加した。次いで、この溶液20μlを、サイズ標準としての2−log ladder(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)1μgと一緒にアガロースゲルに載せた。
各試料の増幅DNA量をゲル電気泳動によって比較した。結果を図1Aに示す。熱処理後かつ増幅前に試料を酵素混合物で処理すると、増幅収率がかなり増加した(図1B、1C及び1D)。
(クエン酸処理後の)誘導された脱塩基部位を有するDNAからの、酵素混合物による前処理後の単位複製配列収率の増加
脱塩基部位に起因する種々の損傷度の生成
損傷DNAの修復度を評価するために、まず、種々の量のDNA損傷をクエン酸処理によって引き起こした。これを以下の通り実施した。
Ide, H., et al. Biochemistry 32(32):8276−83(1993)に記載のようにDNAを脱プリンした。ラムダDNA(NEB#N3011, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)をエタノール沈澱させた。DNAを脱プリン緩衝剤(100mM NaCl、10mMクエン酸塩、pH5.0)に0.5mg/mlの濃度で再懸濁させ、70℃で0、20、40、80、120及び160分間インキュベートした。次いで、試料をエタノール沈澱させ、EB緩衝剤(Qiagen, Inc., Valencia, CA)に再懸濁させた。DNA含有溶液のA260を測定することによってDNA濃度を求めた。
酵素混合物によるDNAの前処理
損傷DNAを以下の混合物中で室温で10分間インキュベートした。
DNA(2.5ng/120分損傷)、
100μM dNTPs、
1mM NAD+、
Taqリガーゼ80単位、
Taq DNAポリメラーゼ0.1単位又はE. coli PolI(NEB#M0209, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA))0.1単位又はTaq0.1単位:Vent(登録商標)Pol、(NEB#M0254, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA))0.002単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1× thermopol緩衝剤 最終体積96μl。
上記混合物を室温で10分間インキュベートし、次いで増幅前に氷に移した。
DNA増幅反応
増幅を実施例1に記載のように実施して5kb単位複製配列を生成させた。脱塩基部位を含むラムダDNAを酵素混合物で処理することによって、単位複製配列収率は負の対照よりも増加した(図2A)。種々の酵素混合物を用いた一連の前処理の結果を図2Bに示す。酵素混合物をポリメラーゼ(E. coli PolI又はTaq:Vent(登録商標))に関して変化させた。
防腐剤中に保存後、無処置の生物から抽出したDNAの増幅収率の改善
Bucklin, A. & Allen, L.D. Mol. Phylogenet Evol. 30(3):879−882(2004)に記載のようにMeganyctiphanes norvegica(クリール)からゲノムDNAを単離した。クリールを1999年からエタノールに保存した。
クリールDNAの酵素混合物による前処理を以下の通り実施した。
M. norvegicaゲノムDNA 50ng、
100 μM dNTPs、
1mM NAD+、
Taqリガーゼ40単位、
Taq DNAポリメラーゼ0.5単位、Vent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ0.2単位、又はTaq DNAポリメラーゼ0.05単位とVent(登録商標)(exo+)0.001単位を含むTaq:Vent(登録商標)(exo+)混合物、
E. coli Endo IV 10単位、
1× Thermopol緩衝剤 最終体積96μl。
この反応物を室温で15分間インキュベートした後、増幅段階に進んだ。
DNA増幅反応
増幅プライマーは、Bucklin, A. & Allen, L.D. Mol. Phylogenet. Evol. 30(3):879−82(2004)に記載の52F及び233Rに対応し、200bp単位複製配列を生成した。
52F:TTTTTAGCAATACACTACACAGCAA(配列番号3)
233R:ATTACGCCAATCGATCACG(配列番号4)
プライマーを最終濃度0.5μMまで添加し、各dNTPを最終濃度200μMまで添加した。次いで、50:1 Taq:Vent(登録商標)混合物(反応物に添加したTaq DNAポリメラーゼ5単位及びVent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ0.1単位)1μlを各反応物に最終体積100μLまで添加した。
対照反応(レーン1)では、Endo IVも、Taqリガーゼも、前処理ポリメラーゼも添加しなかった。したがって、体積を調節した。修復酵素を省略した反応物においては、緩衝剤効果を補正するために、適切な量の酵素保存緩衝剤を添加した。
サイクリング条件は以下の通りであった。94℃で30秒、52℃で30秒及び72℃で1分40秒を40サイクル。上述したように、25μL(反応物の1/4)を1%アガロースゲルに載せ、調製し、電気泳動させ、可視化した。
上記酵素混合物を用いた試料のプレインキュベーション後に、クリールゲノムDNAからの単位複製配列収率の増加を認めた(図3)。
熱損傷DNAを用いた10kb単位複製配列の収率増加
熱損傷DNAを実施例1に記載のように調製した。ラムダDNAを99℃に180秒間加熱した。
酵素混合物による損傷DNAの前処理を以下の通り実施した。
ラムダDNA(熱処理を180秒間受けたDNA 1μg)、
100 μM dNTPs、
1mM NAD+、
Taqリガーゼ80単位、
E. coli PolI 0.1単位、
E. coli Endo IV 100単位、
1× thermopol緩衝剤 体積96μLまで。
混合物を増幅前に10分間インキュベートした。
下記以外は実施例1に記載のようにDNA増幅を実施した。プライマーを上記プレインキュベーション混合物96μlに添加した。プライマーL71−10R(配列GCACAGAAGCTATTATGCGTCCCCAGG)(配列番号5)で実施例1のL72−5Rを置換した。icyclerサーマルサイクラープログラムは、95℃20秒1サイクル、95℃5秒、72℃10分25サイクル、次いで72℃10分1サイクルであった。単位複製配列サイズは10kbであった。
下記以外実施例1に記載のようにDNAを可視化した。6×ローディングバッファー20μlを増幅反応物100μlに添加した。この溶液10μlをHO及び1×ローディングバッファーで100μlに希釈した。この溶液20μlを各レーンに添加した。ゲルは0.8%アガロースゲルであった。結果を図4に示す。
土壌試料から抽出したDNAの増幅収率の改善
MoBio Laboratories, Inc., Carlsbad, CA製UltraClean Soil DNAキット(カタログ#12800−50)を用いて土壌から環境DNAを単離した。
リガーゼによるDNAの前処理
土壌から単離した環境DNA0.6μgと下記(a)及び(b)の2種類のリガーゼのうち1種類とを含む最終体積100μlで反応混合物を形成した。次いで、この反応混合物を室温で15分間インキュベートした。
(a)1× Taqリガーゼ緩衝剤(New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)及びTaqリガーゼ80単位。
(b)1× T4リガーゼ緩衝剤(New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)及びT4リガーゼ(NEB#M0202, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)800単位。
反応混合物1μlを下記増幅反応に使用した。
DNA増幅反応
プライマーGGGGGXAGAGTTTGATCMTGGCTCA(配列番号6)及びGGGGGXTACGGYTACCTTGTTACGACTT(配列番号7)(M=C又はA、Y=C又はT、X=8−オキソ−グアニン)を用いてDNA増幅を実施した。これらのプライマーは、単位複製配列サイズ1.6Kbの16S rDNAを標的にする。
反応物50μlは、プライマーの各々10pmol、修復した環境DNA 1μl、200μM dNTPs、1× thermopol緩衝剤及びTaq DNAポリメラーゼ1.25単位を含んだ。以下のサイクリングパラメータを用いて増幅を実施した。94℃5分1サイクル、94℃30秒、55℃1分、72℃1分40秒32サイクル、次いで72℃5分1サイクル。
ゲル電気泳動を実施例1に記載のように実施した。結果を図5に示す。
紫外光損傷DNAの増幅収率の改善
DNA修復の有効性を評価する条件を決定するために、ラムダDNA(NEB#N3011, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)50μgをTE緩衝剤(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH7.5)で濃度50μg/mlに希釈し、36J/mのUV光で0、10、20、30、40及び50秒間照射した。
酵素混合物による損傷DNAの前処理を以下の通り実施した。
損傷DNAを以下の混合物中で室温で15分間インキュベートした。
DNA(0、10、20、30、40又は50秒間損傷を受けたラムダDNA 50ng)、
200 μM dNTPs、
1mM NAD+、
Taqリガーゼ400単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
(T4 Endo Vとも称される)T4 pdg 80単位又は10単位。(Trevigen, Gaithersburg, MD)、
Thermopol緩衝剤 体積50μlまで。
15分間インキュベーション後、反応混合物50μlを増幅溶液50μlに添加した。増幅溶液は、各プライマー(実施例1に記載のL72−5R及びL30350F又はL72−2R(DNA配列はCCATGATTCAGTGTGCCCGTCTGGであった。)(配列番号8)40pmol、1× Thermopol緩衝剤、1mM NAD、200μM dNTPs、Taq DNAポリメラーゼ(NEB#M0267, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)2.5単位及び最終体積50μLまでのHOからなった。修復反応物50μLを増幅溶液50μlと混合して最終体積100μlとした。
この100μl溶液をサーマルサイクラーに入れた。L72−5RとL30350Fプライマーの組み合わせの場合、
94℃5分1サイクル;94℃30秒、58℃60秒及び72℃4分30サイクル;72℃5分1サイクル。
L72−2RとL30350Fプライマーの組み合わせの場合、
94℃5分1サイクル;94℃30秒、58℃60秒及び72℃2分30サイクル;72℃5分1サイクル。
増幅産物の存在を、1.8%アガロースゲル上で臭化エチジウムを用いて可視化した。任意のバンドのサイズを2−log ladder(NEB#N3200S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)サイズ標準を含むレーンと比較した。結果を図8に示す。
ヌクレオチド除去修復タンパク質UyrA、UyrB及びUyrCを用いたDNAの増幅収率の改善
ヌクレオチド除去修復に関与するタンパク質を含む酵素混合物を用いて試料をプレインキュベートした後に、クリールゲノムDNAからの単位複製配列収率の増加を求める。
酵素混合物による保存DNAの前処理を以下の通り実施する。
保存DNAを以下の混合物中で4−37℃で1−180分間インキュベートする。
DNA:M. norvegicaゲノムDNA 50ng、
100 μM dNTPs、
1mM ATP、
Taqリガーゼ400単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
10nM E. coli UvrA、250nM E. coli UvrB(又は変異体UvrB)、+又は−50nM E. coli UvrC。
1X Thermopol緩衝剤 最終体積96μl。
* 変異体UvrBについては、Zou, Y., et al. Biochemistry 43:4196−4205(2004)を参照されたい。
DNA増幅反応を実施例3に記載のように実施する。
ヘテロ二重鎖の酵素開裂によるDNA増幅反応物の配列の正確度の向上
実験条件
A. TaqリガーゼをT7 Endo Iに添加すると、DNAを無作為に分解することなく、反応混合物中のT7 Endo I:DNA定量(ration)が増加することが示された。この手法によって、増幅反応におけるミスマッチに起因する望ましくないヘテロ二重鎖を削減することができる。
アッセイは、十字構造を含むスーパーコイルDNAを漸増量のT7 Endo Iで処理することに依拠する。
T7 Endo I(NEB#M0302, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)0、1.6、3.1、6.2、12.5、25、50、100、200又は400単位を、pUC(AT)(Guan, C., et. al. Biochemistry 43:4313−4322(2004))1μg及び1× NEBuffer 2(NEB#B7002S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)で構成される反応物50μlに添加した。プラスミドpAT25tetAをpUC(AT)の代わりに使用することができる(Parkinson, M.J. & Lilley, D.M. J. Mol. Biol. 270:169−178(1997))及びBowater, R.P., et. al. Biochemistry 33:9266−9275(1994))。別の反応セットを同時に設置し、上記と同じ成分に1mM NAD(Sigmaカタログ#N−7004, Sigma, St. Louis, MO)及び(NEB#M0208の原料を濃度100u/μlで使用した)Taqリガーゼ100単位を添加して使用した。全反応物を37℃で60分間インキュベートした。
反応物を0.9%TBEアガロースゲル上で泳動させ、臭化エチジウムで染色し、UV光で可視化することによって、結果を分析した(図9参照)。T7 Endo Iなしでは、pUC(AT)プラスミドは、ゲル上でスーパーコイル型(低バンド)及び弛緩型環状(relaxed circular)型(高バンド)に対応する2本のバンドが生成した。
T7 Endo Iは、スーパーコイルpUC(AT)を弛緩型環状型と、スーパーコイル型と弛緩型環状型の中間である線状型とに分解した。ある17 Endo I:DNA比では、バンドが尾を引き、T7 Endo Iが非特異的酵素活性によってDNAを分解したことが示された。Taqリガーゼの存在によって、使用可能なT7 Endo IとDNAの比がかなり増加した。この比は、国際公開第2005/052124号に記載の変異体T7 Endo IでT7 Endo Iを置換することによってさらに改善する。
B. PCR反応物からヘテロ二重鎖を除去するT7 Endo I及びリガーゼ混合物の有効性を判定する実験条件
土壌からのDNAの単離及び精製DNAの増幅を、T7 Endo I又はその変異体5単位を任意で添加して実施例5に記載のように実施する。T7 Endo 1又はその変異体を添加するときには、増幅サイクルを追加する(37℃15分1サイクル)。最終段階は、形成されるヘテロ二重鎖をAPエンドヌクレアーゼによって開裂するものである。
ゲル電気泳動を実施例1に記載のように実施する。Lowell, J.L. & Klein, D.A. Biotechniques 28:676−681(2000))に記載のように、ヘテロ二重鎖DNAをゲル上で可視化する。T7 Endo I又はその変異体の存在下でヘテロ二重鎖DNAが存在しないことは、T7 Endo I又はその変異体とリガーゼの有効性を示している。
単位の定義は、本明細書で引用した酵素の各々の製品説明と一緒に、NEBカタログ、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA中に記述されている。例えば、T7 Endo I又はその変異体の単位の定義は、スーパーコイルプラスミド1μgの90%を超えるスーパーコイルプラスミドを90%を超える線状DNAに反応体積50μl中で37℃1時間で転化するのに必要な酵素量である。
T7 Endo I:DNA比は、リガーゼの存在下でDNAの非特異的開裂を増加させずに増加させることができる。
酸化的損傷後のDNA増幅反応物の配列の正確度の向上
酸化的損傷を有するDNAの作製
酸化的損傷を受けやすいDNAはpWB407であった(Kermekchiev, M.B. et al. Nucl. Acids Res. 31:6139−47(2003))。既報のようにメチレンブルー(MB)と可視光の組み合わせを用いて損傷を起こした(Sattler, et al. Arch. Biochem Biophys. 376(1):26−3(2000))。広げたパラフィルムにプラスミドDNA(蒸留水中200μg/ml)を滴下した(液滴50μl)。MBを0から50(0、3、6、12.5、25及び50)μg/mlの最終濃度まで液滴に添加した(最終体積100μl)。これらのパラフィルムを載せたプレートを氷上に置き、1×100−Wランプで8分間照射した。MB−光処理DNAを沈澱させ、乾燥させ、次いでTE緩衝剤(pH8.0)50μlに再懸濁させた。最終DNA濃度を260nmにおける吸光度によって測定した。
DNA増幅条件
lacZ遺伝子を含むpWB407の一部をプライマー316−138、TGTCGATCAGGATGATCTGGACGAAGAGC(配列番号9)及び316−137、CGAAAGCTTTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGA(配列番号10)を用いて増幅した。プライマー316−138及び316−137は、それぞれ既報のプライマーKfd−29及びH3Bla34を基にした(Kermekchiev, M.B. et al. Nucl. Acids Res. 31:6139−47(2003))。PCR反応物100μLは、テンプレートDNA 10又は50ng(必要に応じて示す。)及び各プライマー40ピコモルを含んだ。使用するサイクリング条件を、増幅に用いた熱安定ポリメラーゼに応じて変えた。
Taq DNAポリメラーゼ(NEB cat#M0267S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)を用いたときのサイクリング条件は、94℃5分1サイクルの初期変性段階、次いで94℃30秒、58℃60秒及び72℃3分30秒30サイクル、最後に72℃5分であった。
Phusion DNAポリメラーゼ(NEB cat#F−530S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)を用いたときのサイクリング条件は、98℃30秒1サイクルの初期変性段階、次いで98℃10秒、62℃30秒及び72℃1分30秒30サイクル、最後に72℃5分であった。
上述したように反応物25μLを1.6%アガロースゲルに載せ、調製し、電気泳動させ、可視化して、反応結果を分析した。使用したマーカーは2−log DNA ladder(NEB cat#N3200S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)であった。
増幅の正確度の測定
pWB407テンプレートからのDNA増幅の正確度を、Barnes, et al. Gene 112:29−35(1992)及びKermekchiev, et al. Nucl. Acids Res. 31:6139−47(2003)に記載のように求めた。lacZ遺伝子を含む単位複製配列を、種々の量の酸化的損傷を受けたプラスミドpWB407から生成させた。メチレンブルーを用いて上述したように酸化的損傷を実施した。テンプレート50ngを用いて上述したようにPCR反応を実施した。サイクリング後、制限エンドヌクレアーゼDpnI 10単位をPCR反応物各100μLに添加し、37℃で2時間インキュベートした。この段階で元のテンプレートプラスミドを除去した。次に、生成した増幅産物をイソプロパノールを用いたフェノール/クロロホルム沈殿によって抽出した(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., eds. Sambrook and Russell, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001, pp. 6.25, A8.12−A8.24)。沈澱生成物をHOに再懸濁させ、製造者(New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)の推奨条件を用いて、制限エンドヌクレアーゼStyI及びHindIIIによって切断した。65℃に20分間加熱することによってHindIII及びStyI酵素を不活性化してDNA消化反応を停止した。制限酵素による消化産物をmicrocon YM−100カラム(Millipore, Billerica, MA)を用いて精製して短いDNA断片を除去した。
全量50μlの修復反応混合物は、pWB407単位複製配列10又は50ng+/−メチレンブルーインキュベーションを含んだ。修復反応物は、20mM Tris−HCl(pH8.8 25℃)、10mM KCl、10mM(NHSO、2mM MgSO、0.1%Triton X−100、1mM NAD、200μM dNTPs(dATP、dTTP、dCTP及びdGTP)及び種々の修復酵素混合物を含んだ。
別個に、又は種々の組み合わせで、総容積50ulで使用した修復酵素混合物は、
Fpg0.4単位、NEB cat#M0240S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)、
Taqリガーゼ200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100 μM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤
であった。
反応物を25℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、PCR混合物(20mM Tris−HCl(pH8.8 25℃)、10mM KCl、10mM (NHSO、2mM MgSO、0.1%Triton X−100、1mM NAD、200μM dNTPs(dATP、dTTP、dCTP及びdGTP)50μL、Taq DNAポリメラーゼ(NEB cat#M0267S、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)2.5単位を修復反応物50μLに添加し、この新しい溶液をPCR用サーマルサイクリング条件に供した。これらの反応物からの単位複製配列を精製し、他の上記単位複製配列に対して記述したように制限酵素で消化した。
単位複製配列をpWB407プラスミドにクローン化した。制限エンドヌクレアーゼStyI及びHindIIIで消化し、続いてantarctic phosphatase(NEB cat#M0289S, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)のDNA1単位/μgと一緒に37℃で30分間インキュベートすることによって、プラスミドpWB407を調製した。脱リン酸したpWB407ベクター骨格をアガロースゲル電気泳動によって精製した。ゲル抽出をQIAquickゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)によって実施した。
消化した単位複製配列を、反応物30μL中でベクターDNA約0.1μg及び単位複製配列約0.5μgを用いて、調製したpWB407プラスミドに連結した。T4リガーゼを用いて、製造者(New England Biolabs, Inc., Beverly, MA)の推奨条件に従って連結を実施した。連結産物をE. coli 系統WB441(Barnes, W. Gene 112:29−35(1992))に電気穿孔により挿入した。用いた選択的表示プレートは、50μg/mlアンピシリン及び80ug/ml Xgalを含むLBプレートであった。プレーティング前に、細菌を濃厚なブロス中で37℃で1時間インキュベートしてアンピシリン耐性を発現させた。リガーゼ処理していない対照形質転換はコロニーを生成しなかった。37℃で1日及び25℃で1日又は2日後にコロニーを青色について調べた。結果を図10及び11に示す。
脱アミノ損傷後のDNA増幅反応物の配列の正確度の向上
脱アミノDNAの作製
脱アミノを受けやすいDNAはpWB407であった(Kermekchiev, et al. Nucleic Acids Research, 2003, Vol. 31:6139−47)。Yan, W. et al. J Virol. 2003 Feb;77(4):2640−50に記載のように、亜硝酸を用いたランダム変異導入によって損傷を起こした。亜硝酸は、DNA中のグアニンをキサンチンに、シトシンをウラシルに、アデニンをヒポキサンチンに脱アミノすることができる。
プラスミドDNA(2mg)を0.7M NaNoの1M酢酸緩衝剤溶液、pH4.6で処理した。氷冷1M Tris−Cl(pH7.9 4体積を添加して種々の時点で反応を停止した。プラスミドDNAを沈澱させ、乾燥させ、次いでTE緩衝剤100mlに再懸濁させた。
脱アミノ塩基を修復する前処理反応
別個に、又は種々の組み合わせで、総容積50mlで使用した修復酵素混合物は、以下の通りである。
(a)
ヒトAag1単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
Endo III(NEB cat # M0268S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
Endo V(NEB cat # M0305S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
UDG(NEB cat # M0280S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
(b)
Endo V(NEB cat # M0305S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
UDG(NEB cat # M0280S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
(c)
Endo V(NEB cat # M0305S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
(d)
ヒトAag1単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
Endo III(NEB cat # M0268S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
(e)
ヒトAag1単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
UDG(NEB cat # M0280S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
(f)
ヒトAag1単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
Endo V(NEB cat # M0305S)2単位、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA、
E. coli Endo IV 200単位、
E. coli DNAポリメラーゼI 0.1単位、
E. coli Endo IV 10単位、
1mM NAD+、
100mM dNTPs、
1× Thermopol緩衝剤。
増幅反応条件及び増幅の正確度を実施例9に記載のように求めた。
単位の定義
好熱性リガーゼ単位
1単位は、全反応体積50μl中で45℃15分間で、BstE IIによって消化されたラムダDNA 1μgの50%連結を生じるのに必要な酵素量として定義される。
中温性リガーゼ単位
1単位は、全反応体積20μl中で16℃30分間で、Hind IIIによって消化されたラムダDNA(5’DNA末端濃度0.12μM、300μg/ml)の50%連結を生じるのに必要な酵素量として定義される。
APエンドヌクレアーゼ単位
1単位は、全反応体積10μl中で37℃1時間で、単一のAP部位を含む34量体オリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを開裂させるのに必要な酵素量として定義される。
中温性ポリメラーゼ単位
1単位は、[3H]−dTTPを含む33μM dNTPs及び70μg/ml変性ニシン精子DNAを用いて、全反応体積50μl中で37℃30分間で、dNTP 10nmolを酸不溶性材料に取り込む酵素量として定義される。
好熱性ポリメラーゼ単位
1単位は、[3H]−dTTPを含む200μM dNTPs及び200μg/ml活性子ウシ胸腺DNAを用いて、全反応体積50μl中で75℃30分間で、dNTP 10nmolを酸不溶性材料に取り込む酵素量として定義される。
UDG及びFpgの単位の定義については、(NEBカタログ、New England Biolabs, Inc., Ipswich, MAを参照されたい。)。
Figure 2008517602
Figure 2008517602
Figure 2008517602
指定の酵素と一緒にプレインキュベートした後、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率が増加したことを示す図である。図1Aは、程度の異なる熱損傷を受けたDNAテンプレート及びこの損傷のラムダDNAの5kbセグメントの増幅に対する効果を示す図である。ここで、熱処理を受けたラムダDNAの5ng、2ng及び1ngを、99℃で0秒、30秒、60秒、90秒、120秒又は180秒の熱処理による事前の損傷後に増幅した。増幅前には損傷DNAを酵素処理しなかった。増幅量を電気泳動後に求めた。増幅量は、120秒の熱処理によってかなり減少することが判明した。ゲル上の第1のレーン及び最終レーンは、2−log ladderサイズ標準(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)1μgを含む。 指定の酵素と一緒にプレインキュベートした後、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率が増加したことを示す図である。図1Bは、ラムダDNAの5kbセグメントの増幅に対してTaqリガーゼ、E. coli Endo IV及びE. coli PolIを用いた、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率の増加を示す図である。DNAは図1Aにおいて記述したように熱損傷を受けたが、増幅前に損傷DNAを酵素処理に供した。Taqリガーゼ、E. coli Endo IV及びE. coli PolIを用いた10分間の前処理反応後の増幅の結果を示す。単位複製配列収率は全体を通して増加したが、特に120秒及び180秒の熱損傷DNAで顕著であった。 指定の酵素と一緒にプレインキュベートした後、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率が増加したことを示す図である。図1Cは、Taqリガーゼ、Tth Endo IV及びE. coli PolIによる、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率の増加を示す図である。増幅を図1Bに従って実施したが、増幅前の酵素処理はE. coli Endo IVの代わりにサーマス サーモフィラス(Thermus thermophilus)(Tth)Endo IVを含んだ。サーマス アクアチクス(Thermus aquaticus)(Taq)リガーゼ、Tth Endo IV及びE. coli PolIを用いた10分間の前処理反応後の増幅の結果を示す。単位複製配列収率は全体を通して増加したが、特に120秒及び180秒の熱損傷DNAで顕著であった。第1のレーンのみがサイズ標準(size ladder)を含む。 指定の酵素と一緒にプレインキュベートした後、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率が増加したことを示す図である。図1Dは、E. coli リガーゼ、E. coli Endo IV及びE. coli DNA PolIによる、熱損傷を受けたラムダDNAからの単位複製配列収率の増加を示す図である。増幅を図1Bに従って実施したが、増幅前の酵素処理はTaqリガーゼの代わりにE. coli リガーゼを含んだ。99℃に180秒間曝したラムダDNAをテンプレートとして使用した。使用したテンプレートDNA量を各レーンの上部に示す。単位複製配列収率は、テンプレート量の各々について酵素前処理によって増加する。 単位複製配列収率に対するテンプレートDNAのクエン酸処理の効果を示す図である。図2Aは、ラムダDNAの5kbセグメントの増幅結果を示す図である。ここで、ラムダDNAをクエン酸緩衝剤中で70℃に0、20、40、80、120及び160分間加熱した。熱処理を受けた各試料50ng、10ng及び5ngを増幅し、得られた生成物をゲル上で可視化して増幅度を求めた。増幅前には、選択した酵素でDNAを処理しなかった。右側の最終レーンは、2−log ladder 1μgを含む。 単位複製配列収率に対するテンプレートDNAのクエン酸処理の効果を示す図である。図2Bは、酵素混合物中で使用したポリメラーゼの種類にかかわらず、ラムダDNAの5kb単位複製配列の収率増加を示す図である。熱/クエン酸による損傷を120分間受けたラムダDNAを増幅前に種々の酵素で処理した。 レーン1:2−log ladder(NEB# N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)1μg。 レーン2:前処理なし。 レーン3:Taqリガーゼ、Taq DNAポリメラーゼ及びE. coli Endo IVによる前処理。 レーン4:Taqリガーゼ、E. coli PolI及びE. coli Endo IVによる前処理。 レーン5:Taqリガーゼ、Taq:Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ混合物及びE. coli Endo IVによる前処理。 クリールのエタノール保存試料から抽出し、増幅収率を増大させる種々のポリメラーゼ、リガーゼ及びAPエンドヌクレアーゼの1種類を含む酵素混合物で前処理したクリールゲノムの200bpセグメントの増幅結果を示す図である。 レーン1:酵素によるクリールDNAの前処理なし。 レーン2:Taqリガーゼ、E. coli Endo IV及びTaqポリメラーゼを用いてクリールDNAを前処理。 レーン3:Taqリガーゼ、E. coli Endo IV及びVent(登録商標)ポリメラーゼを用いてクリールDNAを前処理。 レーン4:Taqリガーゼ、E. coli Endo IV及び50:1 Taq:Vent(登録商標)ポリメラーゼを用いてクリールDNAを前処理。 熱損傷DNAからの10kb単位複製配列の収率増加を示す図である。180秒熱損傷DNAを酵素混合物で前処理し、次いで増幅した。 レーン1:2−log ladderサイズ標準(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)1μg。 レーン2:Taqリガーゼ、E. coli Endo IV及びE. coli PolIによる前処理。 レーン3:Taqリガーゼ及びE. coli Endo IVによる前処理。 レーン4:Taqリガーゼによる前処理。レーン5:対照−無処置のDNA。 リガーゼ前処理によって環境DNA(土壌試料抽出物)からの単位複製配列収率が増加することを示す図である。 レーン1:2−log ladderサイズ標準(NEB# N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)。 レーン1:酵素前処理なし。 レーン2:T4リガーゼによる前処理。 レーン3:酵素前処理なし。 レーン4:Taqリガーゼによる前処理。 タンパク質がT4リガーゼと配列相同性を有することが明らかになったGenbank探索を示す図である。 タンパク質がT4リガーゼと配列相同性を有することが明らかになったGenbank探索を示す図である。 タンパク質がT4リガーゼと配列相同性を有することが明らかになったGenbank探索を示す図である。 Tth Endo IVのDNA配列(配列番号11)を示す図である。 ラムダDNAをテンプレートとして用いてゲル電気泳動によって単位複製配列収率に対するUV光の効果を示す図である。 A:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、生成する2Kb単位複製配列の収率がわずかに減少する。 B:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、5Kb単位複製配列の収率が減少する。 C:UV照射後の5kb単位複製配列の収率に対する、ラムダDNAに添加した種々の反応混合物の効果を示す。 レーン2−7は反応混合物の非存在下での対照である。 レーン8−13は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG10単位を添加することの有益な効果の増大を示す。 レーン14−19は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG80単位を添加することの有益な効果の増大を示す。 レーン1及び20:2−log ladderサイズ標準(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)。 ラムダDNAをテンプレートとして用いてゲル電気泳動によって単位複製配列収率に対するUV光の効果を示す図である。 A:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、生成する2Kb単位複製配列の収率がわずかに減少する。 B:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、5Kb単位複製配列の収率が減少する。 C:UV照射後の5kb単位複製配列の収率に対する、ラムダDNAに添加した種々の反応混合物の効果を示す。 レーン2−7は反応混合物の非存在下での対照である。 レーン8−13は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG10単位を添加することの有益な効果の増大を示す。 レーン14−19は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG80単位を添加することの有益な効果の増大を示す。 レーン1及び20:2−log ladderサイズ標準(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)。 ラムダDNAをテンプレートとして用いてゲル電気泳動によって単位複製配列収率に対するUV光の効果を示す図である。 A:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、生成する2Kb単位複製配列の収率がわずかに減少する。 B:ラムダDNAに最高50秒間UV照射すると、5Kb単位複製配列の収率が減少する。 C:UV照射後の5kb単位複製配列の収率に対する、ラムダDNAに添加した種々の反応混合物の効果を示す。 レーン2−7は反応混合物の非存在下での対照である。 レーン8−13は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG10単位を添加することの有益な効果の増大を示す。 レーン14−19は、リガーゼ、ポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ+T4 PDG80単位を添加することの有益な効果の増大を示す。レーン1及び20:2−log ladderサイズ標準(NEB#N3200, New England Biolabs, Inc., Ipswich, MA)。 リガーゼをT7 Endo Iに添加することによって、正しい配列の比を増加させるために増幅混合物からのヘテロ二重鎖の除去を容易にする酵素:DNA比の有用な範囲が拡大することを示す図である。Taqリガーゼ及びT7 Endo IをスーパーコイルDNAに、各レーンに示す種々の量で添加した。 図9aは、Taqリガーゼを添加せずに、より多量のT7 Endo Iを使用する対照を示す図である。スーパーコイルDNAは、T7 Endo I 12.5−25単位を用いて、主に種々のサイズの断片に開裂する。 図9bは、T7 Endo I 200単位でも、リガーゼの非存在下では存在しない、線状DNAに対応するバンドが存在するように、Taqリガーゼ100単位がT7 Endo Iの存在下で非特異的開裂からDNAを保護する仕方を示す図である。 リガーゼをT7 Endo Iに添加することによって、正しい配列の比を増加させるために増幅混合物からのヘテロ二重鎖の除去を容易にする酵素:DNA比の有用な範囲が拡大することを示す図である。Taqリガーゼ及びT7 Endo IをスーパーコイルDNAに、各レーンに示す種々の量で添加した。図9aは、Taqリガーゼを添加せずに、より多量のT7 Endo Iを使用する対照を示す図である。スーパーコイルDNAは、T7 Endo I 12.5−25単位を用いて、主に種々のサイズの断片に開裂する。 図9bは、T7 Endo I 200単位でも、リガーゼの非存在下では存在しない、線状DNAに対応するバンドが存在するように、Taqリガーゼ100単位がT7 Endo Iの存在下で非特異的開裂からDNAを保護する仕方を示す図である。 酸化的に損傷を受けたDNA又は非損傷テンプレートからの単位複製配列収率に対する修復酵素処理の効果を示す図である。 図10Aは、非損傷テンプレートpWB407への修復酵素の添加が単位複製配列収率に効果を示さないことを示す図である。 図10Bは、メチレンブルーの存在下でインキュベートした損傷テンプレート、プラスミドpWB407へのFpgの添加が、収率に対して一貫した効果を有することを示す図である。Fpgの存在下又は非存在下でTaqリガーゼ、E. coli DNAポリメラーゼ及びE. coli Endo IVを添加すると、単位複製配列収率は一貫して増加する。 酸化的に損傷を受けたDNA又は非損傷テンプレートからの単位複製配列収率に対する修復酵素処理の効果を示す図である。 図10Aは、非損傷テンプレートpWB407への修復酵素の添加が単位複製配列収率に効果を示さないことを示す図である。図10Bは、メチレンブルーの存在下でインキュベートした損傷テンプレート、プラスミドpWB407へのFpgの添加が、収率に対して一貫した効果を有することを示す図である。Fpgの存在下又は非存在下でTaqリガーゼ、E. coli DNAポリメラーゼ及びE. coli Endo IVを添加すると、単位複製配列収率は一貫して増加する。 修復酵素による処理後に損傷DNAからのPCR反応の正確度が向上することを示す図である。非損傷テンプレート、プラスミドpWB407のPCR前の修復酵素処理は、反応の正確度に大きな効果を示さない。メチレンブルーと一緒にインキュベートした損傷テンプレート、プラスミドpWB407を、Fpg単体によって、又はTaqリガーゼ、E. coli DNAポリメラーゼI及びE. coli エンドヌクレアーゼによっても処理すると、PCRの正確度が向上する。正確度の尺度は、以下で考察するlacZ含有単位複製配列をクローニングした後の白色コロニー数対青色コロニー数である。白色コロニーの割合が高いほど誤り率は高い。 未知の損傷を受けたDNAを処理して忠実度及び収率の少なくとも一方を向上させる流れ図である。

Claims (40)

  1. (a)エンドヌクレアーゼ(Endo)VIの非存在下で、リガーゼとNAD+又はATPから選択される補因子とを含む反応混合物中で、ポリヌクレオチドをインキュベートすること、
    (b)段階(a)中又は段階(a)後に増幅試薬を前記反応混合物に添加することによって、前記ポリヌクレオチドの増幅を前記反応混合物中で起こすこと、及び
    (c)段階(a)の非存在下よりも段階(a)の存在下で、増幅産物の忠実度又は収率の少なくとも一方を向上させること
    を含む、損傷を受けたポリヌクレオチドの増幅産物の忠実度及び収率の少なくとも一方を向上させる方法。
  2. 段階(c)が段階(a)におけるインキュベーション時間とは無関係である、請求項1に記載の方法。
  3. リガーゼが耐熱性リガーゼである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記損傷が、脱プリン/ピリミジン(AP)部位、変異を誘発されたヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、ニック、ギャップ及びDNA−DNA又はDNA−タンパク質架橋から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ポリヌクレオチドが自然源から得られる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ポリヌクレオチドが保存生体材料から得られる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ポリヌクレオチドが法医学的証拠から得られる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ポリヌクレオチドが古代のものである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ポリヌクレオチドが組織生検から得られる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記反応混合物が、さらにT7 Endo I又はその変異体を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記反応混合物が、さらにポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記反応混合物が、さらにポリメラーゼ及びクラスII APエンドヌクレアーゼを含む、請求項2に記載の方法。
  13. 前記リガーゼがTaqリガーゼ及びE. coli リガーゼから選択され、補因子がNAD+である、請求項3に記載の方法。
  14. 前記APエンドヌクレアーゼがT4エンドヌクレアーゼ又はE. coli エンドヌクレアーゼを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記APエンドヌクレアーゼがE. coli Endo IVである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ポリメラーゼがTaqポリメラーゼ、E. coli ポリメラーゼ若しくは古細菌ポリメラーゼ又はその変異体を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 古細菌ポリメラーゼがPfu、Vent(登録商標)、Deep Vent(登録商標)、9°North及びGBDポリメラーゼから選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ポリヌクレオチドがDNAであり、前記反応混合物が、DNA 1−1000ngに添加されたE. coli Endo IV 1−100単位、E. coli PolI 0.05−0.25単位及びリガーゼ5−500単位を含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記反応混合物がさらにT4ピリミジン2量体グリコシラーゼを含む、請求項11、12又は18に記載の方法。
  20. 前記反応混合物がさらに[fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)を含む、請求項11、12又は18に記載の方法。
  21. 前記反応混合物がさらにUvrA、UvrB、UvrC、UvrD及びChoの少なくとも1種類を含む、請求項11、12又は18に記載の方法。
  22. 前記反応混合物がさらにEndo V又はEndo IIIを含む、請求項11、12又は18に記載の方法。
  23. 前記反応混合物がさらにEndo VとUDG及びAagの少なくとも1種類とを、又はEndo IIIとUDG及びAagの少なくとも1種類とを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記混合物がさらにUDG及びAagを含む、請求項11、12又は18に記載の方法。
  25. 前記増幅がPCR増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、転写による増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅又は全ゲノム増幅である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記ポリヌクレオチドが一本鎖RNAであり、前記増幅がRT増幅である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記ポリヌクレオチドの増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応法において50ヌクレオチドから100,000ヌクレオチドの範囲の大きさの単位複製配列を生成することができる、請求項1に記載の方法。
  28. 使用説明書及び1種類以上の酵素を含み、該酵素の少なくとも1種類はリガーゼであり、該1種類以上の酵素は、増幅混合物に添加して増幅を増強するために、又は増幅混合物の添加前に使用して増幅を増強するために処方される、増幅キット。
  29. リガーゼ、ポリメラーゼ、及びEndo VIを含まないAPエンドヌクレアーゼの有効量を含み、混合物が、組成物の非存在下でのポリヌクレオチドの増幅と比較して、該ポリヌクレオチドの増幅の収率及び忠実度の少なくとも一方を向上させることができる、
    組成物。
  30. 増幅前混合物に使用するために体積10−100μl中に前記APエンドヌクレアーゼが1−100単位の濃度で存在し、前記ポリメラーゼが0.05−0.25単位で存在し、前記リガーゼが5−500単位で存在する、請求項29に記載の組成物。
  31. DNA 1−1000ngの修復に適切である、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記APエンドヌクレアーゼがタイプII APエンドヌクレアーゼである、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記APエンドヌクレアーゼがE. coli Endo IVである、請求項32に記載の組成物。
  34. 前記ポリメラーゼがE. coli PolIである、請求項29に記載の組成物。
  35. T4ピリミジン2量体グリコシラーゼをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
  36. [fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
  37. UvrA、UvrB、UvrC、UvrD及びChoの少なくとも1種類をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
  38. Endo V又はEndo IIIをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
  39. Endo VとUDG及びAagの少なくとも1種類とを、又はEndo IIIとUDG及びAagの少なくとも1種類とをさらに含む、請求項33に記載の組成物。
  40. UDG及びAagをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
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