JP2008514626A - 哺乳動物治療剤としての植物pr−5タンパク質 - Google Patents

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Abstract

レクチン様バレルドメインを有するPR−5ファミリーのタンパク質は、レセプター結合を介して酵母においてアポトーシスを制御する。レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質に特異的に結合するレセプターは、哺乳動物アディポネクチンレセプターと相同であることが見出されており、このようなPR−5タンパク質は、アディポネクチンの機能的ホモログとして作用し、哺乳動物においてアディポネクチン応答を制御できる。レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質(例えば、オスモチン)は、アディポネクチンレセプター媒介性の代謝経路の活性化又は阻害の結果である、哺乳動物における状態の治療において使用できる。レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質、このようなタンパク質をコードする核酸及びこのようなタンパク質に特異的に結合するレセプターは、哺乳動物において使用するための新規治療剤のスクリーニング及び合理的設計においても使用できる。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
[0001]本願は、2004年9月27日出願の米国仮特許出願番号60/613,647及び2005年2月28日出願の米国仮特許出願番号60/657,335に関する。
[0002]本発明は、哺乳動物の障害、特にグルコース及び脂質代謝の障害の治療、このような状態の治療のための治療剤、並びにこのような治療剤の設計及び/又は同定に関する。
[0003]植物防御に関連する抗菌タンパク質のファミリーの中で、病原性関連タンパク質ファミリー5(PR−5)は、甘味タンパク質タウマチンに構造的に関連する(Veroneseら、2003)。PR−5タンパク質は、(a)分子のコンパクトなコアを形成するβバレル(ドメインI)(この構造は、レクチン中に共通に見出され、以下本明細書中で「レクチン様βバレル」と呼ぶ);ドメインIから延び、4つのジスルフィド結合によって安定化された数個のループからなるドメイン(ドメインII);及びこれもまたドメインIから延び、2つのジスルフィド結合によって安定化された小さいループからなるドメインIIIからなる3ドメイン構造、(b)N末端リーダー配列の切断部位に共通に位置するアラニン、(c)当該タンパク質中に空間的に保存された分布を有し、ジスルフィド結合によって連結された16個までのシステイン残基(Minら、2004)、及び(d)生物学的活性に関連し得るドメインI及びIIによって形成されるクレフト、を有することによって、識別される。
[0004]オスモチンはタバコの抗真菌PR−5タンパク質である。オスモチンは、RAS2/cAMPを介して細胞ストレス応答の抑制をシグナル伝達することによって、S.cerevisiaeにおいてプログラム細胞死を誘導する(Narasimhanら、2001)。オスモチンを含むほとんどのPR−5タンパク質は、広いスペクトルの特異的抗真菌活性を有し、これは、それらの標的認識が、病原体細胞表面成分との相互作用によって決定され得ることを示唆する。オスモチンの場合、特定の真菌細胞壁成分が、オスモチンの抗真菌活性を増強又は抑制する(Narasimhanら、2003;Veroneseら、2003)。S.cerevisiaeにおいて、PIRファミリーの細胞壁糖タンパク質は、オスモチン抵抗性の決定因子である(Yunら、1997)。酵母細胞壁糖タンパク質のホスホマンナンは、おそらくはオスモチンに対するドッキング構造として働くことによってその局所的濃度及び細胞壁を横切る拡散を増大させることにより、オスモチンの毒性を増大させることが報告されている(Ibeasら、2000)。遺伝学的分析により、細胞壁形態形成及びPIRタンパク質の堆積に影響を与えるタンパク質であるSSD1が、オスモチンに対する抵抗性の決定因子であることが明らかになっている(Ibeasら、2001)。毒性を増強する酵母細胞壁中の未同定の変化が、マイトジェン活性化プロテインキナーゼカスケードの活性化を介して、オスモチンによって誘導される(Yunら、1998)。タバコオスモチンに対して感受性の酵母スフェロプラストは、他の植物種由来のPR−5タンパク質に対して抵抗性であり得るので、原形質膜での特異的相互作用もまた、オスモチンの抗真菌活性に必要なようである(Yunら、1997)。PR−5タンパク質の最も研究された役割は抗真菌活性であるが、シグナル伝達又は認識の役割が示唆されてきた。Veroneseら、2003
[0005]アディポネクチン(30−kDa脂肪細胞補体関連タンパク質−Acrp30とも呼ばれる)は、アディポネクチンレセプターと相互作用して、エネルギー状態、脂肪酸酸化及びグルコース輸送の感知を調節する、哺乳動物における抗糖尿病性で抗アテローム硬化性のタンパク質ホルモンである。既知のアディポネクチンレセプターには、ヒトAdipoR1及びAdipoR2(Diez and Iglesias、2003;Yamauchiら、2003a、b)、並びにブタアディポネクチンレセプター;genebankNM_001007193)(Dingら、2004)が含まれる。さらなるアディポネクチンレセプターの配列は、GeneBank中に見出され得る。血清アディポネクチンレベルは、肥満、インスリン抵抗性及びII型糖尿病の条件下では減少するが(Yamauchiら、2003a)、アディポネクチンの投与は、マウスにおいて血清グルコースレベルを低下させ、インスリン抵抗性を改善する(Yamauchiら、2003a)。哺乳動物アディポネクチンレセプターAdipoR1及びAdipoR2は、Gタンパク質共役レセプター(GPCR)に特有の特徴である7回膜貫通ドメインを有すると予測されている。
発明の概要
[0006]PR−5ファミリーのタンパク質は、GPCRに特徴的な7回膜貫通ドメインを含むレセプターを介して、酵母においてアポトーシスを制御する。RP−5タンパク質に特異的に結合するレセプターは、哺乳動物アディポネクチンレセプターに対して相同であることが見出されており、PR−5タンパク質は、アディポネクチンの機能的ホモログとして作用して哺乳動物においてアディポネクチン応答を制御できる。
[0007]酵母細胞におけるオスモチン感受性の原形質膜決定因子が、遺伝子過剰発現の際にオスモチン過感受性表現型を付与するその能力によって同定され、その後単離された。遺伝子ORE20/PHO36は、GPCRに対する構造的相同性及び哺乳動物アディポネクチンレセプターR1に対する有意な配列同一性(29%)を有する、7回膜貫通ドメインレセプター様タンパク質(PHO36)をコードする。PHO36は、酵母の脂質及びホスフェートの代謝を調節し、酵母におけるオスモチンに対する完全な感受性に必要である。PHO36は、オスモチン誘導性のアポトーシス経路においてRAS2の上流で機能する。PHO36の哺乳動物ホモログは、アディポネクチンホルモンのレセプターであり、細胞の脂質及び糖の代謝を調節する。オスモチンレセプターPHO36とアディポネクチンレセプターとは、有意な配列相同性を共有するが、対応するレセプター結合タンパク質であるオスモチンとアディポネクチンとは、配列類似性を共有しない(10%以下の相同性)。しかし、両方のタンパク質のレクチン様βバレルドメインの3次構造は非常に類似することが見出されており、重複し得る。オスモチンは、哺乳動物アディポネクチンレセプターに選択的に結合することができ、哺乳動物の系においてアディポネクチンアゴニストとして作用することが見出されている。
[0008]従って、医薬的に許容される担体中に適切に処方されたオスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有するPR−5ファミリー中の関連タンパク質は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する広範な種々の哺乳動物の障害の治療のための治療剤として使用できる。このような障害には、糖尿病、動脈硬化及び心疾患が含まれる。オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物の障害の治療のための治療方法の開発において、アディポネクチンの代理としても使用できる。オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物の障害の治療のための新規治療剤の合理的設計のための基礎としても使用できる。
[0009]オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質が特異的に結合し得るレセプター(例えば、酵母レセプターPHO36)は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物の障害の治療において有用な新規治療剤についてのスクリーニング系として使用できる。このようなスクリーニング方法は、単離されたレセプターの調製物(例えば、溶液中、又はカラム充填、薄層プレートもしくはマイクロアレイでの使用のために結合した)を使用して、又はレセプターが発現される細胞株もしくは組織培養物を使用して、実施できる。
[0010]酵母株BWG7aは、オスモチンレセプターPHO36を発現し、オスモチンに対して感受性である。PHO36を過剰発現させると、この酵母株は、オスモチンのアポトーシス誘導効果に対して過感受性であることが見出されていた。従って、酵母株BWG7a、又はPHO36もしくは類似の感受性PR−5タンパク質レセプターを発現もしくは過剰発現する任意の他の適切な細胞株のような細胞は、哺乳動物におけるアディポネクチンレセプター機能の、化学物質及びタンパク質/ペプチドアゴニスト又はアンタゴニストを同定するための一次スクリーニングとして使用され得る。このスクリーニングにより、潜在的なアディポネクチンレセプター媒介性治療剤の同定が可能となる。好ましい実施形態において、この細胞は、PHO36又は類似の感受性PR−5レセプターを過剰発現する細胞である。
[0011]オスモチンのゲノム配列[配列番号1]もしくはcDNA配列[配列番号2]を有する核酸、又はそれらから誘導されるタンパク質産物及び治療的産物、あるいはそれらの誘導体及び機能的ホモログは、アディポネクチン、PR−5タンパク質又はそれらの誘導体もしくは機能的ホモログの治療剤としての効力を改善するために、アディポネクチンレセプター結合の構造/機能分析において使用できる。このような構造/機能分析には、DNAシャッフリング、もしくは増強された選択的変異誘発及びファージディスプレイ、又は改善されたペプチド機能についての他の選択的方法のようなin vitro分子進化アプローチを使用する比較分析、並びにヒト細胞におけるアディポネクチンの標的の全て又は一部の、アゴニスト又はアンタゴニストである薬物を含む改善された治療剤を開発するための合理的設計アプローチが含まれ得る。
[0012]本発明の1実施形態は、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質を含む医薬組成物である。好ましい実施形態において、このPR−5タンパク質は、オスモチン[配列番号3]又はレクチン様βバレルドメインを有するそのホモログである。
[0013]本発明の別の実施形態は、アディポネクチン又はアディポネクチン様タンパク質によって媒介される代謝経路の活性化又は阻害の結果である障害に罹患した哺乳動物を治療するための方法であって、この方法は、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質の投与を含む。好ましい実施形態において、この障害は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、動脈硬化及び心疾患からなる群より選択される。より好ましい実施形態において、この方法は、オスモチン[配列番号3]又はレクチン様βバレルドメインを有するオスモチンのホモログの投与を含む。
[0014]本発明の別の実施形態は、哺乳動物細胞におけるアディポネクチンの標的の、全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤の合理的設計における、PR−5タンパク質の使用である。好ましい実施形態において、この治療剤はアゴニストである。別の好ましい実施形態において、この治療剤はアンタゴニストである。より好ましい実施形態において、この合理的設計は、構造/機能分析を含む。最も好ましい実施形態において、このPR−5タンパク質はオスモチン[配列番号3]である。
[0015]本発明の別の実施形態は、哺乳動物細胞におけるアディポネクチンの標的の、全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤の合理的設計における、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質をコードする核酸配列の使用である。好ましい実施形態において、この治療剤はアゴニストである。別の好ましい実施形態において、この治療剤はアンタゴニストである。より好ましい実施形態において、この合理的設計は、構造/機能分析を含み、好ましくは、構造/機能分析には、DNAシャッフリング、増強された選択的変異誘発及びファージディスプレイからなる群より選択される1種又は複数の技術が含まれる。最も好ましい実施形態において、この核酸配列は配列番号1又は配列番号2である。
[0016]本発明の別の実施形態は、哺乳動物細胞におけるアディポネクチンの標的の、全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤を同定するための一次スクリーニングとしての、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質に対する特異的結合親和性を有するレセプタータンパク質の使用である。1つの好ましい実施形態において、このスクリーニングは、単離された形態のレセプターを使用して実施される。別の好ましい実施形態において、このスクリーニングは、レセプターを発現する、より好ましくはレセプターを過剰発現する細胞株又は組織培養物を使用して実施される。この実施形態での使用に好ましい細胞株は、酵母細胞株、最も好ましくはレセプターを過剰発現する酵母細胞株である。この実施形態での使用に最も好ましいPR−5レセプターはPHO36である。
詳細な説明
[0022]PR−5及びアディポネクチンレセプター−リガンド系の相同性。PHO36のゲノム配列は、GPCR間で保存された唯一の特徴である細胞原形質膜に局在する推定7回膜貫通ドメインを有するポリペプチドをコードする。(a)PHO36発現は、ホスフェート、C14:0脂肪酸であるミリスチン酸、及びオレイン酸依存性転写因子であるOAFl及びPIP2によって誘導され、(b)酵母における脂肪酸代謝及びホスフェートシグナル伝達に関与する種々の遺伝子がpho36変異体において誘導され、(c)このpho36変異体が、高レベルの酸ホスファターゼ及び液胞におけるポリリン酸の蓄積を有し、(d)Δpho36変異体がステロール結合抗生物質ナイスタチンに対して抵抗性であり、(e)炭素源としてグリセロール+ミリスチン酸上でΔpho36変異体の増殖が乏しく(Karpichevら、2002)、(f)PHO36発現は、増殖培地中の亜鉛レベル及び亜鉛欠乏を感知する転写因子ZAP1によって制御される(Lyonsら、2004)ので、PHO36は、脂質、ホスフェート及び亜鉛の代謝において調節的な役割を有すると推測されている。現在、オスモチンは、PHO36と相互作用し、その天然の機能に影響を与えることが見出されている:(a)PHO36は、溶液中でオスモチンと特異的に相互作用し、(b)原形質膜に対する放射標識オスモチンの結合、並びにオスモチンに対する感受性は、PHO36の豊富さと相関し、(c)アディポネクチン及びオスモチン(その主鎖の折りたたみが重複し得るタンパク質)は、アディポネクチンレセプターを介して(即ち、PHO36の哺乳動物ホモログを介して)、C2C12筋細胞において同じ細胞内シグナル伝達経路に関与する。
[0023]PHO36及びRAS2が同じ経路で機能するという証拠は、栄養感知におけるPHO36の役割と一致する。酵母のRASタンパク質は、細胞の分裂、分化、アポトーシス、長寿命、炭素及び窒素栄養に関連する(Jazwinski、1999;Narasimhanら、2001;Forsbergand Ljungdahl、2001)。アディポネクチンレセプターは、グルコース取り込み、脂肪酸β酸化、及び細胞のエネルギー状態を感知するいくつかのタンパク質の活性を調節する(Yamauchiら、2003a)。最近の報告により、アディポネクチンが上皮細胞においてアポトーシスを誘導することもまた示されている(Brakenheilmら、2004)。アポトーシスとの関連に起因して、PHO36は、細胞のエネルギー状態又はミトコンドリアの機能(不全)に応答した栄養素獲得及び使用の調節に関連付けられ得る。合わせて考えると、これらの知見は、PHO36レセプターリガンドとアディポネクチンとの間の機能的類似性を示す。
[0024]PHO36オスモチンレセプターは、(構造分析に基づき)GPCRレセプターファミリーに特有の特徴である7回膜貫通ドメインを含むと予測されている。オスモチンの甘味のある構造的ホモログであるタウマチンは、GPCRである甘味レセプターに結合する(Liら、2002;http://www.cmbi.kun.nl/7tm/)。従って、GPCRに結合する能力は、真菌種標的のサブセットに対するそれらの特異性に寄与する、PR−5タンパク質の保存された特徴であるといえよう。PHO36に対して有意な(29%)配列相同性を有するアディポネクチンレセプターAdipoR2及びAdipoR1もまた、GPCRに特徴的な7回膜貫通ドメインを有すると予測されているが、別個のシグナル伝達分子を活性化する。しかし、典型的なGPCRとは異なり、AdipoR1及びAdipoR2は、Gタンパク質とは共役しない(Yamauchiら、2003a)。
[0025]オスモチン誘導性の細胞死における、酵母GαサブユニットであるGPA1又はGPA2の関与の証拠はなかった。STE4及びSTE18(Gβサブユニット及びGγサブユニット)もまた、PHO36と共役しない(図2F)。従って、PHO36は、アディポネクチンレセプターのようにヘテロトリマーGタンパク質と共役しない可能性があるか(Yamauchiら、2003aを参照のこと)、あるいはGPA2と会合する異常なタンパク質と共役し得る(Harashima and Heitman、2002を参照のこと)かのいずれかである。遺伝学的証拠は、PHO36がオスモチン誘導性のアポトーシス経路においてRAS2の上流で機能するとしており(図2)、その原形質膜への局在と一致している(図3)。オスモチン感受性に対するPHO36の効果は、RAS2の効果よりも小さいので、他の「レセプター」もまた、RAS2経路と関連する可能性がある。酵母におけるPHO36の代替的機能は、膜透過性(PR−5タンパク質についてinvitroで実証された活性)を促進する、オスモチンに対するドッキングレセプターであり得る(Anzlovarら、1998;Veroneseら、2003)。RASタンパク質は、酵母においてGPCRによって活性化されるとは知られていないので(Rollandら、2002)、この仮説は魅力的であり、そのように増大した膜透過性は、RAS2とPHO36との間の間接的なシグナル伝達連結である可能性がある。
[0026]オスモチンの毒性作用機構は多因子性であり、個々の因子がタンパク質の全体的な毒性に部分的に寄与する(図2E)。全ての生物において自然免疫の成分である防御的抗菌ペプチドの抗菌活性もまた、マルチヒット作用機構に起因する(Hancockand Scott、2000)。種を超えた抗菌タンパク質及びペプチドのマルチヒット機構主題の保存は、宿主−病原体共進化をおそらく反映する。病原体は、単一の変異によって宿主の防御的タンパク質/ペプチドに対するその感受性を大きく変更することができないので、これはまた、宿主に選択的利点を提供する。
[0027]オスモチン分子及びアディポネクチン分子は、類似した全体的折りたたみ及び生物学的活性を示す。PHO36の哺乳動物ホモログであるAdipoR1及びAdipoR2は、脂肪細胞によって分泌されるタンパク質ホルモンであるアディポネクチンに対するレセプターである。マウス及びヒトにおけるアディポネクチン欠損は、インスリン抵抗性及びグルコース不耐性と関連する(Yamauchiら、2001a、b;Kubotaら、2002;Diezand Iglesias、2003)。注射、過剰発現、又は体重減少及びチアゾリジンジオン治療の併用によるアディポネクチンレベルの増大は、マウス及びヒトを肥満及び糖尿病から保護し、インスリン抵抗性を減少させ(Yamauchiら、2001a、b;2003b)、血清の遊離脂肪酸、グルコース及びトリグリセリドのレベルを減少させた(Fruebisら、2001;Diezand Iglesias、2003)。アディポネクチンの治療上の潜在能力及びPHO36とアディポネクチンレセプターとの間の相同性を考慮して、オスモチン及びアディポネクチンの3次構造が比較された。アディポネクチンは30kDaのタンパク質であり、コラーゲン様のN末端ドメイン及び補体1q様のC末端球状ドメインを有する(Schererら、1995)。このC末端球状ドメイン(17kDa)はしばしば、球状アディポネクチンと呼ばれ、少量の球状アディポネクチンがヒト血漿中で検出可能であることが報告されている。球状アディポネクチンは、筋細胞又は骨格筋におけるAMPキナーゼ活性化、グルコース取り込み及び脂肪酸酸化のような生物学的活性について、全長アディポネクチンと同等の効力を有することが報告されている(Freubisら、2001;Yamauchiら、2001a、2003a、2003b)。オスモチンは、全長又は球状のアディポネクチンと有意な配列相同性を有さない(10%以下)球状タンパク質(26kDa)である。X線結晶解析研究により、球状アディポネクチン及びオスモチンが、βバレルの形状で配置された逆平行β鎖を含むことが示されている(Shapiro and Scherer、1998;Minら、2004)。オスモチンのドメインI(レクチン様βバレルドメイン)は、121Cα原子について3.1Åの平均二乗偏差でアディポネクチンと重複し得、このことは、2つのタンパク質がレクチン様ドメインを共有することを示唆している(図5)。タウマチンの甘みに必須のアミノ酸は、抗真菌PR−5タンパク質のドメインI及びIIによって形成される酸性クレフトに対応し、それらの抗真菌活性に重要であると予測される、その表面上のクレフトに位置する(図5;Kaneko and Kitabatake、2001;Minら、2004)。この領域は、アディポネクチントリマーの外側表面に局在し、このことは、これがレセプターとの相互作用に関与することを示唆し、本発明者らの結果は、これがアディポネクチンレセプターへの結合を制御する重要な因子であることを示している。
[0028]アディポネクチンのアディポネクチンレセプターへの結合は、リン酸化によるAMPキナーゼの活性化を生じる(Yamauchiら、2003a)。アディポネクチン及びオスモチンは、C2C12筋細胞においてAMPキナーゼのリン酸化を誘導できるが(図5C、レーン4〜8、列1)、予測されるように、酵母に対する殺真菌活性を欠く植物ホモログであるA9は誘導できない(図5C、レーン9〜11、列1)。AMPキナーゼのリン酸化はアディポネクチンレセプターAdipoR1及びAdipoR2の発現を必要とする(図5C、列2及び3)。従って、C2C12筋細胞におけるアディポネクチン及びオスモチンの保存された生物学的機能は、アディポネクチンレセプターとの相互作用に関与するβバレルドメイン(ドメイン1)中の共通の構造に起因するはずである。
[0029]植物シグナル伝達。Arabidopsisthaliana中の24の遺伝子座は、タウマチンファミリードメイン(これらのいくつかは推定膜アンカー配列を有し、3つは膜貫通ドメインを介してSer/Thrキナーゼドメインに連結されている)を有するORFをコードする。少なくとも2つの遺伝子座が、PHO36に対する相同性を有する配列をコードする。このことは、タウマチン様タンパク質が、植物において情報伝達の役割をおそらく有することを示す。動物における細胞内情報伝達、免疫及び/又はエネルギー恒常性に関与するタンパク質(例えば、腫瘍壊死因子α(TNFα)、CD40リガンド及び冬眠調節性のタンパク質)のC末端ドメインは、オスモチン及びアディポネクチンのものと類似したβバレル折りたたみを有する。これらのタンパク質の機能は、アディポネクチンのエネルギー恒常性機能並びにオスモチンのアポトーシス誘導機能及び免疫関連機能にわたる。TNFα及びCD40リガンドは、可溶性及びH型膜アンカー形態で存在する(このことは、予測されたArabidopsisのタウマチン様タンパク質との類似性を示す)。オスモチンとは異なり、これらのタンパク質の全長分子は、コラーゲンドメインであり得る(アディポネクチン、補体1q、冬眠誘導性タンパク質)又はあり得ない(TNFα、CD40リガンド)、N末端の「トーク(talks)」を有する。球状C末端アディポネクチン様ドメインの全てがトリマーを形成する。しかし、オスモチンはダイマーとして結晶化する(Minら、2004)。溶液中ではモノマーが主であるが、より少ない量の高次構造が、特定の条件下でオスモチン及びタウマチン溶液中で観察され得る。球状アディポネクチン様ドメインのトリマー化と、N末端コラーゲンドメインを介したその後の高次マルチマーへのアセンブリは、レセプターのクラスター化を誘導することによるシグナル伝達に重要であると考えられている(Jonesら、1989;Shapiroand Scherer、1998;Karpusasら、1995;Eck and Sprang、1989)。しかし、オスモチン及びアディポネクチンの共有されたレクチン様βバレルドメイン、他のドメインにおける有意な相同性の欠如、並びにそれらのレセプター間の高度の相同性を合わせて考えると、保存されたレクチン様βバレルドメインが、これらのタンパク質に対するレセプター結合特異性の主要な決定因子であることが示される。
[0030]薬理学的重要性。PR−5ファミリーの植物タンパク質は、哺乳動物アディポネクチンレセプター結合においてアゴニスト/アンタゴニストとして作用できる。オスモチンは、C2C12筋細胞において、アディポネクチンレセプター媒介性のAMPキナーゼのリン酸化を誘導できる(図5C)。PR−5タンパク質は、植物に遍在する(スクリーニングされた全ての種がPR−5タンパク質を含むことが報告されている)大きいファミリー(Arabidopsisthalianaのみで24のメンバー)である。PR−5タンパク質は非常に安定でもあり、従って、ヒトの消化器系又は呼吸器系と接触しても活性なままであり、いくつかはアレルゲンであることが知られている(Breitenederand Ebner、2000)。PR−5タンパク質及びアディポネクチン上の類似のレセプター結合部位(即ち、レクチン様βバレルドメイン)から生じる機能的相同性及びそれらのそれぞれのレセプター間の高度の相同性が、哺乳動物における実際の又は潜在的な治療的用途(糖尿病、動脈硬化及び心疾患、又はアディポネクチンレセプター媒介性の代謝経路の活性化もしくは阻害の結果である他の疾患の治療における用途を含む)を有する非常に多数の植物産物に薬理学者を近づけている。
[0031]ドメインII(図5A及び5Bを参照のこと)は、ある種のタウマチン様タンパク質において高度に短縮されている(GenbankAccession番号X68197、イネ;AF389884、コムギ;X97687、コムギ)。この短縮はこれらのタンパク質のβバレルドメインの露出を増大させ、アディポネクチンのβバレルドメインとのより高い重複を許容する。従って、これらの短縮タウマチン様タンパク質の構造は、アディポネクチン(ある場合には、おそらくオスモチンよりも当てはまる)の構造とも類似するので、これらのタンパク質の強力なアディポネクチンレセプター結合が可能である。
[0032]オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有するPR−5ファミリー中の関連タンパク質は、当該分野で公知の任意の種々の適切な薬学的に許容される担体中に処方され得、種々の哺乳動物障害を治療するための治療剤として直接使用され得る。アディポネクチンレセプターとの相互作用の性質(例えば、結合活性及び活性化活性の両方を有する、結合活性を有するが活性化活性を有さない、結合活性を有さないが阻害活性を有する、など)に依存して、これらのタンパク質は、アディポネクチン活性のアゴニスト又はアンタゴニストとして使用され得る。アディポネクチンは種々の代謝経路を媒介することが知られており、これらの代謝経路の破壊は、高脂血症、グルコース代謝における不均衡、インスリン抵抗性の状態を導き得、糖尿病、動脈硬化、肥満及び心疾患のような疾患を生じる。そのような医薬組成物に適切な剤形及び投与方法(投与経路及び投薬レベルを含む)の開発は、医薬の分野において慣用の手順である。
[0033]さらに、オスモチン、及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物障害の治療のための治療方法の開発において、アディポネクチンの代用物として使用され得る。このような方法において、この代用物は、予備試験並びに投薬レジメン、投与経路(例えば、注射、経口投与又は移植)の開発において使用される。オスモチン及び関連タンパク質のような豊富に入手可能な植物タンパク質の使用は、このような治療方法の研究及び開発段階の間の有効なコスト削減を提供できる。
[0034]重要かつ非常に強力な薬物開発へのアプローチは、「合理的設計」アプローチである。新たな薬物の合理的設計は、新たな薬物の設計のための出発点として、その化合物の本質的に改善されたバージョンである新たな薬物において所望される既知の活性を有する化合物を使用する。出発化合物の構造/機能分析によって、所望の薬物の品質(例えば、可溶性、安定性、結合活性又は特異性、減少した毒性及び副作用)に寄与する物性が決定され得る。一旦これが実施されると、所望の改善をより効果的かつ予測可能に導く、出発化合物への修飾を行う構造化されたアプローチが開発できる。アディポネクチンアゴニスト活性もしくはアンタゴニスト活性又はその両方を有するPR−5タンパク質は、このような合理的薬物設計における有益なツールである。
[0035]逆に、又は相補的に、オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質が特異的に結合し得るレセプター(例えば、酵母レセプターPHO36)は、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物障害の治療において有用な新規治療剤についてのスクリーニング系として、及び合理的薬物設計のための構造/機能分析において、使用され得る。再度、これらのレセプターのための豊富な植物供給源は、可能性のある治療剤を迅速に同定及び選択するための、大容量スクリーニング方法の使用を可能にする。このようなスクリーニング方法は、単離されたレセプターの調製物(例えば、溶液中、又はカラム充填、薄層プレートもしくはマイクロアレイでの使用のために結合した)を使用して、又はレセプターが発現される細胞株もしくは組織培養物を使用して、実施できる。好ましい実施形態において、オスモチンレセプターPHO36を過剰発現し、オスモチンのアポトーシス誘導効果に対して過感受性の酵母株は、このようなスクリーニングを実施する効率的かつ有効な手段を提供する。このような細胞株又は組織培養物は、オスモチン及び相同タンパク質の影響に対して過感受性なので、スクリーニングは、比較的少量の薬物候補組成物を使用して信頼性高く実施できる。従って、PHO36又は同様に感受性のPR−5タンパク質レセプターを過剰発現するこのような細胞株又は組織培養物は、哺乳動物におけるアディポネクチンレセプター機能の、化学物質及びタンパク質/ペプチドアゴニスト又はアンタゴニストを同定するための一次スクリーニングとして使用され得る。このようなアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、PHO36のような植物PR−5レセプターと哺乳動物アディポネクチンレセプターとの間の高度の相同性(構造的及び機能的の両方)に起因して、アディポネクチンレセプター媒介性の経路が関与する哺乳動物の状態の治療に有用な治療剤の良好な候補である。植物PR−5レセプターに結合して影響を与える能力は、化合物が哺乳動物アディポネクチンレセプターに関して同様の活性を有することの強力な指標である。
[0036]同様に、タンパク質の構造とそのタンパク質をコードする核酸配列との間の厳格な関係に起因して、オスモチン及び構造的に相同なレクチン様βバレルドメインを有する関連のPR−5タンパク質をコードするDNA及び/又はRNA配列(例えば、[配列番号1及び配列番号2])もまた、合理的薬物設計のための手段として使用できる。コードされた産物において所望の特性に関連するコード配列の特徴を同定することによって、それらから発現される修飾及び改善された薬物産物を作成するために、このコード配列に直接修飾を行うことができる。このような構造/機能分析は、DNAシャッフリング、もしくは増強された選択的変異誘発及びファージディスプレイ、又は改善されたペプチド機能についての他の選択的方法のようなin vitro分子進化アプローチを使用した比較分析を含み得る。
[0037]実施例1:材料及び方法。引き続く実施例2〜6で使用する材料及び方法は以下の通りである。
[0038]株、プラスミド及び培地。プラスミドの増幅及び単離のためにEscherichiacoli DH5αを使用した。全てのSaccharomyces cerevisiae株は、Becker and Guarante(1991)に記載された公に入手可能なBWG7a株の同質遺伝子誘導体であった。株BWG7aは、HO遺伝子による接合型スイッチングによって得られた(Herskowitz and Jensen、1991)。Δste、Δras2及びΔmnn6変異体並びにこれらの遺伝子座の破壊のための手順は、他の文献に記載されている(Yunら、1998;Narasimhanら、2001)。PHO36遺伝子座は、Wachら、1997に記載されたように、内部コード配列をURA3(開始コドンであると予測される2番目のATGに対して+192bp〜+680bp)又はkanMX(+72bp〜+740bp)で置換することによって欠失させた。Δydr492変異は、標準的な技術を使用して、内部コード配列(+244bp〜+724bp)をLEU2で置換することによって作製した。正確な遺伝子破壊を、PCR及びサザンブロッティングによって確認した。二倍体Δpho36/Δpho36変異体株は、標準的な技術を使用して、反対の接合型の一倍体株を交雑することによって作製した。
[0039]構成的過剰発現のために、pPHO36を、株BWG7aからPHO36のコード領域(−46bp〜+957bp)をPCRによって単離し、多コピープラスミドp426GPD(Mumbergら、1995)中にクローニングすることによって構築した。プラスミドpPHO36MHは、c−myc及び6×Hisタグを、PCRによってPHO36のC末端で、インフレームで導入することによって、pPHO36から構築した。構築物PHO36MHを配列決定して、タグの適切な融合を確認した。タグ化PHO36の低レベル発現のために、プラスミドpPHO36MHSを、適切な制限酵素部位を使用して、単コピープラスミドp416GPD中にPHO36MH構築物をクローニングすることによって作製した。STE7−Myc転写融合物を含むプラスミドpNC267が記載されている(Zhouら、1993)。RAS2G19Vを、標準的な技術を使用してpAD4M中にクローニングした。
[0040]STRE−lacZ(LEU2)を構築するために、pSTRE−lacZ(TRP)(Stanhillら、1999)から、キメラSTRE−lacZ遺伝子を、フォワードプライマーとして5’−CCCAAGCTTCAGTTATTACCCTCGAC−3’を、リバースプライマーとして5’−CCCGGGTTATTTTTGACACCAGACCAA−3’を使用して、PCRによって単離した。挿入物をpGEM−T easy中にサブクローニングし、配列決定し、ApaII及びXmaIによって切り出し、pRS315の対応部位中にサブクローニングした。
[0041]酵母培地の調製及び遺伝学的分析には標準的な手順を使用した(Becker and Guarante、1991;Sherman、1991)。酵母形質転換は、Elble、1992中に記載された酢酸リチウム法によって実施した。酵母株表現型の分析は、標準的な手順に従って実施した(Hampsey、1997)。
[0042]cDNAライブラリー及びクローニング。株BWG7aを、Liuら(1992)に記載された方法を使用して、GAL1調節される酵母cDNA発現ライブラリーで形質転換した。SC−グルコース培地上で選択した約50,000の一次形質転換体を、これらの条件下で致死未満の濃度である0.2μMのオスモチンを含まないか又は含む、0.003%メチレンブルーを含む選択的SC−ガラクトース培地上に引き続いてレプリカプレートした。次いで、青色になった形質転換体又はオスモチンの存在下で増殖できなかった形質転換体を選択した。これらの形質転換体のガラクトース依存的なオスモチン過感受性表現型を、一定範囲のオスモチンを補充した選択的SC−ガラクトース培地及びSC−グルコース培地上で、スポットアッセイによって確認した。これらの形質転換体が保有するプラスミドを、Robzykand Kassir(1992)に記載された方法を使用して単離し、それらのcDNA挿入物を標準的な技術を使用して配列決定した。
[0043]総膜及び細胞内画分の精製。総膜画分を、Davidら(1997)中に記載されたように、単コピープラスミドpPHO36MHSからPHO36MHを発現する酵母細胞の1リットルの培養物(A600nm 1.0)から単離した。バッファーA(50mM HEPES、pH7.5/5mM EDTA/2μg・ml+1 アプロチニン/2μg・ml−1 キモスタチン/2μg・ml−1 ペプスタチン/1μg・ml−1 ロイペプチン/2mM ベンズアミジン/1mM PMSF)中10%(w/w)スクロース3ml中にこれを再懸濁し、バッファーA中5段階のスクロース勾配(15、28、35、43及び53%w/w)(1段階当たり2ml)の上部に層状化した。BeckmanSW40ローター中で4℃で20,000rpmで12時間の遠心分離後、画分(2ml)を上部から底部まで収集した。それらを3倍容量の水で希釈し、186,000×gで30分間遠心分離した。ペレットをバッファー(10mMMes.KOH [pH6.5]、10%グリセロール、バッファーA中と同様のプロテアーゼインヒビター)200μl中に再懸濁した。
[0044]タンパク質方法及び酵素アッセイ。オスモチン精製及びオスモチン細胞毒性のアッセイを、Yunら(1997)、Ibeasら(2000)及びNarasimhanら(2001)中に以前に記載されたように実施した。α−マンノシダーゼ活性を、p−ニトロフェニル−a−D−マンノピラノシド(Sigma)を基質として使用して測定した。タンパク質濃度は、Bio−Radタンパク質アッセイキット(Bio−Rad)で決定した。タンパク質抽出物を、10%ポリアクリルアミドゲルでのSDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロースメンブレンに転写した。PHO36MH及び原形質膜H−ATPaseを、ECL法(AmershamBiosciences)によって、分離したタンパク質のイムノブロット上で検出した。MycI−9E10モノクローナル抗体(2μg/ml;CalBiochem)及びウサギPMA1ポリクローナル抗体(1:10000希釈)(Monkら、1991)を一次抗体として使用し、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス又は抗ウサギ免疫グロブリンG(1:5000希釈;Promega)を二次抗体として使用した。
[0045]β−ガラクトシダーゼアッセイ法、細胞増殖条件、オスモチン処理及びこの目的のための細胞抽出物の調製は、以前に記載されている(Narasimhanら、2001)。β−ガラクトシダーゼ活性は、タンパク質1mg当たりA400nm/分の増分として、任意の単位で表した。組換えマウスアディポネクチンを精製し、マウスC2C12筋細胞におけるAMPキナーゼの活性化を測定するためのプロトコールは、Yamauchiら(2003a)に記載された通りとした。
[0046]免疫金局在化。酵母スフェロプラストを、Yunら(1997)に記載されたように固定及び包埋した。但し、1Mソルビトールを浸透圧安定剤として固定溶液に添加し、メタ過ヨウ素酸ナトリウム処理は省いた。引き続いて、超薄切片を、myc1−9E10モノクローナル抗体(5μg/ml)及び20nmの金粒子にコンジュゲート化したヤギ抗マウスIgG(1:50希釈;TedPella、Inc.、Redding、CA)と反応させた。切片を、透過型電子顕微鏡EM200(Philips Electronic InstrumentsCo.、Mahwah、NJ)で観察した。
[0047]35S−オスモチン結合アッセイ。オスモチンを、35SLR試薬(Amersham)を製造業者の指示に従って使用して、12Ci/mmolの比活性になるように放射能標識した。A600nm0.6まで酵母細胞をYPD培地で増殖させ、次いで遠心分離によって回収した。ペレットを1Mソルビトール中に再懸濁し(A600nm6)、リチカーゼ(lyticase)(100U/ml)で処理した。細胞壁の消化が完了した後、スフェロプラストを遠心分離によって収集し、1Mソルビトールで2回洗浄し、1Mソルビトール中に再懸濁した(10/ml)。結合反応を、2μlの35S−オスモチン(1μCi、3μg)を300μlのスフェロプラスト(0.3×10)に添加することによって開始した。30℃で60分間インキュベートした後、反応混合物の3つ組のアリコート(50μl)を、氷冷1Mソルビトール(1.5ml)中に希釈した。スフェロプラストを遠心分離によって収集し、2回洗浄し、1Mソルビトール(50μl)で再懸濁し、5mlのEcoLume(商標)(ICNBiomedicals)中で液体シンチレーションカウンターによって計数した。競合実験として、スフェロプラストを、35S−オスモチンを添加する前に、A9、オスモチン又はBSAと共に30分間プレインキュベーションした。
[0048]溶液中でのタンパク質相互作用アッセイ。オスモチンを、製造業者の指示に従ってCNBr活性化Sepharose4B(Pharmacia Biotech)にカップリングさせた。総膜画分(50mlの培養物由来)を上記のように単離し、200μlのバッファー(1%n−ドデシル−β−D−マルトシド、10%グリセロール、50mMTris.HCl[pH7.6]、100mM NaCl、1mM PMSF)中に再懸濁した。総膜画分(50μl)を、室温で4時間穏やかに攪拌しながら、競合タンパク質(100μg)の非存在下又は存在下で、50mMTris.HCl[pH7.6]、1mM PMSF(1ml)中でオスモチン−Sepharose 4B(200μl)と共にインキュベートした。50mM Tris.HCl[pH7.6]、0.1%TritonX−100で5回洗浄した後、複合体を、室温で30分間サンプルバッファー(1%SDS、50mM Tris.HCl[pH7.6]、10%グリセロール)中でインキュベートすることによって解離させ、10%SDS−PAGEによって分離した。PHO36MHタンパク質を、myc1−9E10モノクローナル抗体を使用してブロット上で免疫検出した。
[0049]実施例2:PHO36はオスモチンに対する感受性を媒介する。酵母株BWG7aにオスモチン過感受性表現型を付与する遺伝子を、GAL1調節されるcDNA発現ライブラリーを使用して単離した(Liuら、1992)。SC−グルコース培地中で選択した約50,000の一次形質転換体から、SC−ガラクトース培地中でオスモチンに対する過感受性を一貫して示すが、グルコース培地中でオスモチンに対する通常の感受性を示す、合計12個の形質転換体を、推定オスモチン過感受性クローンとして選択した。これらの形質転換体が保有するプラスミドを単離してBWG7a中に再導入し、それらがガラクトース依存性オスモチン過感受性表現型を付与できることを確認し、それらのcDNA挿入物を配列決定した。遺伝子座YOL002c/PHO36に対応するORE20遺伝子(オスモチン抵抗性のため)(Karpichevら、2002)を、さらなる研究のために選択した。この遺伝子は、GPCRの特徴的な特徴である7回膜貫通ドメインを含むと予測された317アミノ酸(36.3kDa)のタンパク質をコードすることが見出された(SaccharomycesGenome Database)。
[0050]このスクリーニングから元々単離されたcDNA(PHO36t)は、その仮定の開始コドンの下流の最初の19ヌクレオチドを欠失していた。GAL1プロモーターからPHO36tを過剰発現する株BWG7aの細胞は、空のベクターで形質転換したコントロール細胞よりもオスモチンに対して感受性であり、オスモチン含有培地中でコロニーを形成できなかった(図1A)。1時間のオスモチン処理後の生存数を測定することによって実証されるように、増殖阻害が、オスモチン誘導性細胞死に対する感受性の増大から生じた。ガラクトース培地中で、PHO36tを過剰発現する細胞のオスモチンについてのIC50は、空のベクターで形質転換したコントロール細胞のIC50の3分の1であった(それぞれ、0.2μM及び0.6μM)。グルコース培地中で、同じ表現型が、多コピープラスミド中の構成的GPDプロモーターから全長PHO36を過剰発現する細胞について観察された。逆に、PHO36の破壊は、オスモチン抵抗性を増大させ(図2F)、野生型株と比較してオスモチンについてのIC50が3倍増大したと概算された(それぞれ、1.6μM及び0.6μM)。
[0051]株BWG7aにおけるPHO36の過剰発現は、スフェロプラストのオスモチン感受性を増大させた(図1B、挿入図)。逆に、Δpho36変異体のスフェロプラストは、野生型株のスフェロプラストよりもオスモチンに対してより抵抗性であった(図1B)。これらの結果は、PHO36が、以前に同定された細胞壁媒介性のオスモチン抵抗性決定因子(Yunら、1997;Ibeasら、2000、2001)とは異なり、原形質膜のレベルでオスモチンに対する感受性を媒介することを示す。
[0052]実施例3:PHO36の発現レベルに関連する表現型。S.cerevisiae株W3031AにおけるΔpho36変異体(Δyol002c)は、ミリスチン酸及び非発酵性炭素源上であまり増殖しないことが報告されている(Karpichevら、2002)。しかし、同質遺伝子野生型株BWG7a、pho36及びPHO36過剰発現細胞の増殖は、コロニー形成又は細胞増殖速度を異なる炭素源(2%グルコース、2%ガラクトース、2%エタノール、2%乳酸、2%酢酸カリウム、3%グリセロール又は3%グリセロール及び0.1%オレイン酸)、窒素源(なし、尿素、アスパラギン又はプロリン)、温度(16、28及び37℃)、及びpH(3、6.6及び8)で測定した場合、識別不能であった。
[0053]野生型、Δpho36及びPHO36過剰発現細胞の、ソルビトール(2M)、NaCl、KCl又はNHCl(0.75及び1.5M)処理によって測定されるような、浸透圧即ちイオンストレスに対する感受性において、差異は見出されなかった。Σ1278株(Gimenoら、1992)におけるPHO36の欠失は、寒天を透過する能力を無効にしなかったので、PHO36は、浸潤性の増殖には必要なかった。二倍体PHO36/PHO36細胞(21.33±5.89)及び二倍体Δpho36/Δpho36細胞(26.33±3.36)について決定した胞子形成の割合は、有意には異ならなかった。見出された僅かな差異には、接合効率における差異(Δpho36、6.9%;野生型、2.7%)、ヒートショックに対する感受性における差異(50℃で20分の後、野生型細胞についての78.3±3.38%と比較して、Δpho36細胞について46±10%の生存)、並びに細胞壁撹乱剤カルコフルオルホワイト(calcofluor white)及びハイグロマイシンBに対する抵抗性の差異(Δpho36細胞はより抵抗性であった)が含まれた。Δpho36細胞は、細胞膜撹乱抗生物質ナイスタチンに対して、野生型細胞よりも抵抗性であることが以前に示されている(Karpichevら、2002)。
[0054]実施例4:PHO36は、オスモチンによって活性化されて細胞死を誘導するRAS2シグナル伝達経路において機能する。オスモチンは、RAS2/cAMP経路を介して細胞ストレスシグナル伝達を抑制して、プログラム細胞死を促進する(Narasimhanら、2001)。従って、オスモチン抵抗性は、RAS2のヌル変異によって増大し、野生型株における優性の活性RAS2G19V対立遺伝子の発現によって減少する(Narasimhanら、2001)。Δras2変異体におけるPHO36の変異は、アポトーシス誘導条件下でΔras2変異体のオスモチン抵抗性を増大させず(Narasimhanら、2001)、このことは、PHO36が、RAS2媒介性のオスモチン誘導性のアポトーシス経路において機能することを示唆する(図2A)。Δras2変異体における多コピープラスミドからのPHO36の過剰発現は、オスモチン感受性を有意に増大させなかったが、野生型株におけるPHO36の過剰発現は、オスモチンに対して野生型株をより感受性にした(図2B)。また、PHO36がRAS2の上流で細胞死経路において機能する場合に予測されるように、Δpho36変異体における優性な活性RAS2G19V対立遺伝子の発現は、オスモチンに対する感受性を増大させた(図2C)。
[0055]lacZレポーター遺伝子に融合したSTRE(ストレス応答性)プロモーターエレメントは、RAS2/cAMP経路依存的なストレスシグナル伝達に応答することが示されている(Stanhillら、1999)。キメラSTRE−lacZ構築物は、オスモチンがRAS2/cAMP経路を介して細胞ストレスシグナル伝達を抑制して、細胞死を促進することを実証するためにも使用されており(Narasimhanら、2001)、オスモチン誘導性の細胞シグナル伝達におけるPHO36の役割を試験するために本明細書中で使用した(図2D)。オスモチン処理した酵母細胞の集団における細胞死の程度が、STRE−lacZレポーター遺伝子活性の抑制に比例するという以前の報告(Narasimhanら、2001)と一致して、β−ガラクトシダーゼ活性の抑制は、野生型細胞において最大であり、Δpho36変異体においてより低く、Δras2及びΔpho36Δras2二重変異体において最低であった(図2A及び2D)。これらの結果は、PHO36がRAS2の上流で細胞死シグナル伝達経路において機能することを示す。オスモチン処理の非存在下では、Δpho36Δras2二重変異体におけるSTRE−lacZ活性はΔras2変異体における活性よりも低かったことに留意すべきであり(図2D、説明文)、このことは、PHO36の非存在下のみで明らかとなる、ストレス応答を制御するRAS2非依存的でオスモチン非依存的な経路が存在することを示す。
[0056]これら及び以前のデータ(Yunら、1998;Ibeasら、2000;Narasimhanら、2001)は、オスモチン毒性を制御する経路の存在と一致する(図2E)。例えば、Δras2変異体のオスモチン抵抗性と比較して部分的なΔpho36変異体のオスモチン抵抗性は、他のタンパク質によるPHO36の機能的重複によって説明できよう。YDR492w遺伝子座によってコードされる推定タンパク質は、PHO36と最大の同一性(44%)を共有する。そこで、Δydr492及びΔpho36Δydr492変異を保有する株のオスモチン感受性を試験したが、それぞれ、野生型株及びΔpho36株のオスモチン感受性と識別できないことが見出された。
[0057]オスモチンがまた、酵母においてシグナル伝達経路を破壊して、防御的細胞壁バリアを弱体化させ、その毒性効力を増大させることが、以前の遺伝学的研究によって明らかとなっている(Yunら、1998)。この経路の成分には、ヘテロトリマーGタンパク質のβ(STE4)サブユニット及びγ(STE18)サブユニット、プロテインキナーゼSTE20、STE5、STE11、STE7、FUS3、KSS1からなるMAPキナーゼモジュール、並びに転写因子STE12が含まれ、これらの成分は、フェロモン応答及び浸潤性の増殖のシグナル伝達経路によっても共有される。しかし、Gタンパク質共役フェロモンレセプターSTE2及びSTE3は、オスモチン誘導性のシグナル伝達にとって重要ではなかった。PHO36は、Gタンパク質共役レセプターの構造的特徴を有するがオスモチン感受性を媒介するので、オスモチンによって活性化されるMAPキナーゼ経路に関連したレセプターとしてPHO36が作用する可能性を試験した。Δste18、Δste20、Δste7及びΔste12変異体におけるPHO36の同時破壊は、いずれかの遺伝子単独の破壊よりも高いオスモチン抵抗性を生じ(図2F)、このことは、STE遺伝子及びPHO36がオスモチン感受性を導く異なる過程で機能することを示している。以前の観察により、RAS2及びSTE遺伝子がオスモチン感受性を導く遺伝学的に別個の経路で機能することが示されているので(Narasimhanら、2001)、これは、RAS2シグナル伝達経路中にPHO36を位置づける結果と一致する。
[0058]オスモチンに対する完全な感受性は、細胞壁糖タンパク質上のマンノシルホスフェート残基の存在を必要とする(Ibeasら、2000)。マンノシルホスフェートの付加は、マンノシルホスフェートトランスフェラーゼMNN6に依存する。それらがオスモチン抵抗性を調節する異なる過程で機能した場合に予測される通り、PHO36の変異はΔmnn6変異体のオスモチン抵抗性を増大させ、PHO36の過剰発現はΔmnn6変異体のオスモチン感受性を増大させた。
[0059]これらのデータは、PHO36が、オスモチンによって活性化されるプログラム細胞死シグナル伝達経路においてRAS2の上流で機能することを、集合的に一貫して示す。
[0060]実施例5:PHO36は原形質膜タンパク質である。PHO36は、GPCRの構造的特徴を有する。典型的には、これらのタンパク質は、原形質膜内在性タンパク質である。従って、PHO36の細胞内位置を、電子顕微鏡法のための免疫細胞化学的手順を使用して決定した。この目的のために、c−mycエピトープ及び6×HisタグがPHO36のC末端で、インフレームで融合した組換えPHO36MHタンパク質を、BWG7a細胞中で構成的GPDプロモーターから発現させた(図3A)。多コピープラスミドからのPHO36MHの過剰発現はオスモチン感受性を増大させ、このことは、PHO36MHが機能的であったことを示す。PHO36MHは、単コピープラスミドpPHO36MHSから低レベルのPHO36MHを発現する細胞から生じたスフェロプラストの超薄切片上で、myc1−9E10モノクローナル抗体で検出した。金粒子標識は、PHO36MHの原形質膜局在を示した(図3B及び3C)。従って、PHO36MHは、スクロース勾配で分画した総膜のより密度の高い画分中で免疫検出され(図3D)、原形質膜H−ATPaseと共に分画されたが(図3E)、液胞型α−マンノシダーゼと共には分画されなかった(図3F)。
[0061]実施例6:PHO36は、活性なPR−5アイソフォームに特異的に結合する。PHO36MH過剰発現株及びΔpho36変異体の細胞溶解物から精製した膜画分を、オスモチン−Sepharose−4Bと共にインキュベートした。充分洗浄した後、結合したタンパク質を解離させ、SDS−PAGEによって分離し、PHO36MHを、myc1−9E10モノクローナル抗体で免疫検出した。それぞれ約36及び72kDaの見かけの分子量を有するPHO36MHのモノマー及びダイマーを示す2本のバンドが、PHO36MH過剰発現株の膜画分において検出されたが(図4A、レーン3〜8)、Δpho36変異体の膜画分中には存在しなかった(図4A、レーン2)。c−mycタグ化STE7を発現する酵母株の細胞抽出物ではバンドは検出されず、このことは、組換えPHO36MHのオスモチンへの結合が、PHO36特異的であるがc−mycタグには特異的でないことを示している(図4A、レーン1)。結合反応中に遊離のオスモチンを含めることにより結合が減少したが、A9又はBSAを含めることは影響を有さず(図4A、レーン3〜8)、このことは、オスモチン−PHO36相互作用の特異性を実証している。植物Atriplexnummulariaから精製されたA9は、酵母細胞及びスフェロプラストに対する活性がオスモチンよりも低いが、他の真菌種に対しては活性なPR−5タンパク質であり(Yunら、1997)、従って、結合選択性についてコントロールとして使用した。
[0062]PHO36MHを過剰発現する株、Δpho36変異体(図4B)及び空のベクターで形質転換した野生型株のスフェロプラストは、全てinvivoで35S−オスモチンに結合した。Δpho36変異体のスフェロプラストに結合し、インキュベーションの間に10倍過剰の非放射性オスモチンを含めることによっても置換できなかった35S−オスモチンの量は、非特異的結合の程度を示す(図4B、左)。この非特異的結合を差し引いた後、PHO36MH過剰発現株のスフェロプラストに結合している35S−オスモチンは、スフェロプラストの生存率を損なうことなく、60分間にわたって線形であると推定された。PHO36MH過剰発現株のスフェロプラストは、空のベクターで形質転換した野生型株のスフェロプラストよりも約3倍の35S−オスモチンに結合した。PHO36MHを過剰発現する株のスフェロプラストへの35S−オスモチンの結合(図4B、右)は、反応中に10倍過剰の非放射性オスモチンを含めることによって部分的に妨害されたが、酵母において不活性なオスモチンホモログA9、又はBSAのいずれによっても妨害されなかった。従って、オスモチンに対する最大の感受性に必要な原形質膜タンパク質であるPHO36は、細胞死に先立つ、酵母スフェロプラストへのオスモチンの特異的結合にも関与する。
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[0063]以下の文献は、本発明を可能にする程度まで、参照により組み込まれる:
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PHO36が酵母においてオスモチンに対する感受性を媒介する。A.PHO36t挿入物なし(ベクター)又はあり(pPHO36t)の動原体性プラスミドpRS316で形質転換した酵母株BWG7aの対数期培養物(A600nm0.4)の10倍連続希釈物のアリコート(2.5μl)を、オスモチン補充なし(なし)又はあり(1.6μM)の選択的SC−ガラクトース培地上にスポットし、28℃で3日間増殖させた。B.野生型株BWG7a(白四角)又は同質遺伝子のΔpho36変異体(黒四角)由来のスフェロプラスト(10/ml)を希釈し、0.8Mソルビトール及び示された濃度のオスモチンを含むYPD寒天上にプレートした。生存スフェロプラストを、28℃で3日間のインキュベーション後に計数した。生存数を、オスモチンを添加しなかった値に対して正規化する。値は、3つの異なる実験の平均±SEである(挿入図)。0.8Mソルビトールを補充した選択的SC−ガラクトース培地中で実施した、PHO36t挿入物なし(白丸)又はあり(pPHO36t;黒丸)のプラスミドpRS316を保有するBWG7a株のスフェロプラストを用いた類似の実験の結果を示す。 PHO36が、オスモチン誘導性アポトーシスにおいてRAS2を介して機能する。A.野生型株(wt)並びに同質遺伝子のΔpho36、Δras2及びΔpho36Δras2変異体株の細胞(10/ml)を、アポトーシス誘導条件下で、YPD中5μMのオスモチンと共に30℃でインキュベートした。3時間のオスモチン処理後細胞を洗浄し、生存してコロニーを形成できた全細胞の割合を測定した。値は、4回の決定の平均±SEを示す。B.野生型(wt)、及びPHO36挿入物なし(vec)又はあり(pPHO36)のp426GPDで形質転換したΔras2変異体株の細胞(10/ml)を、アポトーシス誘導条件下で、選択的SC−グルコース培地中2μMのオスモチンと共に30℃でインキュベートした。生存してコロニーを形成できた全細胞の割合を、上記のように1時間のオスモチン処理後に測定した。値は、2回の決定の平均±SEを示す。C.株BWG7a(wt)及びpAD4M(vec)又はpAD4M−RAS2G19V(pRASG19V)で形質転換したΔpho36変異体のA600nm0.4培養物の10倍連続希釈物のアリコート(2.5μl)を、示されたオスモチン補充なし(なし)又はありの選択的SC−グルコース培地上にスポットすることによって、オスモチン感受性をアッセイした。室温で5日間のインキュベーション後、プレートを撮影した。D.pSTRE−lacZ(LEU2)で形質転換した株BWG7a(wt)並びにΔpho36、Δpho36Δras2及びΔras2変異体の細胞(10/ml)を、アポトーシス誘導条件下で、30℃で45分間、YPD中8μMのオスモチンで処理しなかった(マイナス)か、又は処理した(プラス)。無細胞抽出物中で測定したβ−ガラクトシダーゼ活性の比率を示す。各々の棒は、平均±SDを示す(n=3)。これらの群の統計的比較を報告する:p<0.01;アスタリスクなし、差異なし。オスモチン非存在下でのβ−ガラクトシダーゼ活性は、それぞれ、それぞれ、152±4、133±3、705±23及び139±6単位であった。実験を1回繰り返し、類似の結果を得た。E.オスモチン媒介性細胞死経路のモデルを示す:オスモチンはRAS2/cAMP経路を活性化し、細胞ストレス応答(STRE−lacZレポーター)の抑制を誘導し、その後反応性酸素種の蓄積及び細胞死が生じる。オスモチンのPHO36との相互作用により、RAS2を介して細胞死が活性化される。オスモチンに応答してRAS2細胞死経路を刺激する上流の未同定の成分が存在する可能性がある。Δpho36Δras2の遺伝学的バックグラウンドにおけるSTRE−lacZ活性に対するオスモチン非依存的効果によって明らかなように、ストレス応答を制御する経路は、なおより複雑であり、示されていない。記号:?、未知の成分;↓、活性化;┴、阻害;→、細胞壁弱体化;CW、細胞壁;PM、原形質膜。F.株BWG7a(wt)及び示された変異体株のA600nm0.4培養物の10倍連続希釈物のアリコート(2.5μl)を、示されたオスモチン補充なし(なし)又はありのYPD寒天上にスポットした。28℃で2日間のインキュベーション後、プレートを撮影した。 PHO36は原形質膜上に局在する。A.PHO36MH構築物の配列を示す。EcoRI−XhoIフラグメントは、開始コドンの前に46ntのPHO36遺伝子を含み、天然PHO36のORF(薄い)は、c−mycタグ(濃い)及びHisタグ(点線の下線)に、そのC末端近傍でインフレームで融合した。B〜C.タグ化PHO36MHタンパク質の免疫金局在化。PHO36MH挿入物なし(B)又はあり(pPHO36MHS[C])の単コピープラスミドp416GPDを保有する株BWG7aのスフェロプラストの超薄切片を示す。小さい黒の点として見える20nmの金粒子は、PHO36MHタンパク質の位置を示す。D〜F.細胞膜におけるPHO36MHタンパク質の分布。pPHO36MHSを保有する細胞の抽出物を分画し、膜を含まない上清画分(レーン1)、総膜画分(レーン2)、及び軽い方の画分から濃い方の画分までのスクロース密度勾配膜画分(それぞれ、レーン3〜7)においてタンパク質の分布を分析した。PHO36MH(D)及び原形質膜H−ATPaseマーカー(E)を、それぞれmyc1−9E10モノクローナル抗体及びPMA1抗体を用いて、SDS−PAGEによって分離したタンパク質のブロット上で検出した。液胞型α−マンノシダーゼマーカーの活性を、これらの画分(F)中で測定し、タンパク質1mg当たりA400nm/分の増分として任意の単位で与える。 PHO36は、invitro及びin vivoでオスモチンと特異的に相互作用する。A.オスモチン−Sepharose 4Bを、競合タンパク質の非存在下(レーン1、2及び5)又は競合タンパク質A9(100μg、レーン3;又は10μg、レーン7)、オスモチン(Osm;100μg、レーン4;又は10μg、レーン6)もしくはBSA(100μg、レーン8)の存在下で、融合タンパク質STE7−Mycを発現する株BWG7aの細胞抽出物(レーン1)、株ΔPHO36から精製した総膜画分(レーン2)又はプラスミドpPHO36MHからc−mycタグ化PHO36を発現する株BWG7aから精製した総膜画分(レーン3〜8)と共にインキュベートした。充分洗浄した後、結合したタンパク質を解離させ、SDS−PAGEによって分離し、c−Mycタグをmyc1−9E10抗体で免疫検出した。B.Δpho36変異体(Δpho36)及びプラスミドpPHO36MHを保有する野生型株BWG7a(pPHO36)由来のスフェロプラスト(10/ml)を、競合物として10倍モル過剰のA9、BSA又はオスモチンなし(なし)又はありで、35S−オスモチン(0.4μM、0.16μCi)と共に1時間インキュベートした。充分洗浄した後、スフェロプラスト上に保持された35S−オスモチンを計数した。 オスモチンとアディポネクチンの構造の比較。A.オスモチン(黄緑、青及びマゼンダ)及びアディポネクチン(緑)のCαトレースの重ね合わせの2つの異なる視点(90°回転)による1つの図を示す。オスモチンの3つのドメインを、青(ドメインI即ちレクチン様ドメイン)、マゼンダ(ドメインII、アミノ酸121〜177)及び黄緑(ドメインIII、アミノ酸55〜82)で着色している。オスモチンファミリーの酸性クレフト中に見出される3つの保存された残基(Glu84、Asp97及びAsp102)を、赤の棒モデルで描いている。B.表面静電ポテンシャルを示す、オスモチン(左)及びアディポネクチン(右)の表面トポロジーの図。タンパク質表面を、青(最も陽性)〜白(中性)〜赤(最も陰性)まで、静電ポテンシャルに従って着色している。タンパク質の配向は、(A)(左)に示されるものと同一である。図はGRASP(Nichollsら、1991)を使用して描いた。C.示されたsiRNAでトランスフェクトし、示された濃度の全長アディポネクチン(Ad)、オスモチン(Osm)及びA9(A9)で処理しなかった(なし)か、又は10分間処理し、ホスホAMPキナーゼ特異的抗体で探索した、C2C12筋細胞の溶解物(1レーン当たり10μgのタンパク質)のイムノブロットを示す。D.(C)のデータの定量的分析。同じsiRNAセットにおけるタンパク質を添加していない値(なし)と比較して、統計的に有意な差異(**)及び有意でない(N.S.)差異を示す。

Claims (30)

  1. レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質を含む、医薬組成物。
  2. 前記PR−5タンパク質は、オスモチン[配列番号3]又はレクチン様βバレルドメインを有するそのホモログである、請求項1記載の医薬組成物。
  3. アディポネクチン又はアディポネクチン様タンパク質によって媒介される代謝経路の活性化又は阻害の結果である障害、に罹患した哺乳動物を治療するための方法であって、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質の投与を含む、方法。
  4. 前記障害は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、動脈硬化及び心疾患からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記障害は、II型糖尿病である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記障害は、インスリン抵抗性である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記障害は、高脂血症である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記障害は、動脈硬化である、請求項4に記載の方法。
  9. 前記障害は、心疾患である、請求項4に記載の方法。
  10. 前記PR−5タンパク質は、オスモチン[配列番号3]又はレクチン様βバレルドメインを有するオスモチンのホモログである、請求項3に記載の方法。
  11. 前記PR−5タンパク質は、オスモチン[配列番号3]又はレクチン様βバレルドメインを有するオスモチンのホモログである、請求項4に記載の方法。
  12. 哺乳動物細胞における、アディポネクチンの標的の全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤の合理的設計における、PR−5タンパク質の使用。
  13. 前記治療剤がアゴニストである、請求項12に記載の使用。
  14. 前記治療剤がアンタゴニストである、請求項12に記載の使用。
  15. 前記PR−5タンパク質がオスモチン[配列番号3]である、請求項12に記載の使用。
  16. 前記合理的設計が構造/機能分析を含む、請求項12に記載の使用。
  17. 哺乳動物細胞における、アディポネクチンの標的の全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤の合理的設計における、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質をコードする核酸配列の使用。
  18. 前記治療剤は、アゴニストである、請求項17に記載の使用。
  19. 前記治療剤は、アンタゴニストである、請求項17に記載の使用。
  20. 前記核酸配列は、配列番号1である、請求項17に記載の使用。
  21. 前記核酸配列は、配列番号2である、請求項17に記載の使用。
  22. 前記合理的設計は、構造/機能分析を含む、請求項17に記載の使用。
  23. 前記構造/機能分析は、DNAシャッフリング、増強された選択的変異誘発及びファージディスプレイからなる群より選択される1種又は複数の技術を含む、請求項22に記載の使用。
  24. 哺乳動物細胞における、アディポネクチンの標的の全て又は一部のアゴニスト又はアンタゴニストである治療剤を同定するための一次スクリーニングとしての、レクチン様βバレルドメインを有するPR−5タンパク質に対する特異的結合親和性を有するレセプタータンパク質の使用。
  25. 前記PR−5レセプターは、PHO36である、請求項24に記載の使用。
  26. 前記スクリーニングは、単離された形態のレセプターを使用して実施される、請求項24に記載の使用。
  27. 前記スクリーニングは、前記レセプターを発現する細胞株又は組織培養物を使用して実施される、請求項24に記載の使用。
  28. 細胞株又は組織培養物が前記レセプターを過剰発現している、請求項27に記載の使用。
  29. 前記スクリーニングは、酵母細胞株を使用して実施される、請求項27に記載の使用。
  30. 酵母が前記レセプターを過剰発現している、請求項29に記載の使用。
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