JP2008510090A - ロックドリルビット及びねじ接合 - Google Patents
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Abstract
本発明は、衝撃削岩のために意図されたドリルビットに関する。ドリルビット10は、ロッド(11)の方へ洗浄媒質を案内することによって、衝撃削岩時のキャビテーションの発生を減少するために形成されている。ドリルビットは、ドリルビット(10)に一体化されたスカートを備えている。ドリルビット(10)は、洗浄媒質を流すための少なくとも一つのチャンネルを備えている。ドリルビット(10)は、最大の第1の外径(D0)を規定する突起(31)が設けられた前面(29)と、衝撃削岩用のロープねじ又は台形ねじなどの雌ねじ溝が設けられた凹部が存在する第1の端面(26)とを有する。凹部は所定の深さ(LO)である。スカート(13)の外側表面(28)は、円錐状部分(15)を備える。円錐状部分(15)は、凹部の深さ(LO)の8分の1よりも大きく、凹部の深さ(LO)よりも小さい軸方向の延長部を有する。本発明は、また、衝撃削岩のために意図されたねじ接合に関する。
Description
本発明は、独立クレーム1の前文にあるような衝撃削岩のためのロックドリルビットに関する。本発明は、また、衝撃削岩のためのねじ接合に関する。
連結ドリルにおけるねじ接合は、連結ドリルがトップハンマーからの打撃エネルギーを連結ドリル自由端における超硬合金のドリルビットまで伝達する衝撃トップハンマー削岩時において大きな歪みにさらされる。通常、個々のドリルロッドは一端に雌ねじを有し、他のドリルロッドの対向端の雄ねじを受け入れるようになっている。通常、場合によって潤滑を高めるための添加物を含む水が、ロックドリルに関連する洗浄媒質として穴から切り屑を除去するために、またビットを冷却するために用いられる。ドリル鋼、すなわち、ビット、ロッド、チューブ、スリーブ及びシャンク・アダプターの材料である鋼は、削岩の中に摩耗と腐食の作用にさらされる。これは、水が洗浄媒質として用いられ、環境が一般に湿潤である地中ボーリングに特にあてはまる。摩耗と腐食の作用は直径が比較的小さな部分、すなわち、ねじ溝末端又はねじクリアランス、において特に深刻になる。
WO−A1−03042493は、衝撃削岩におけるキャビテーションの作用に対処するものである。これはドリルロッドの細い部分をドリルビットのスカートで被うことによってなされた。それにより、キャビテーションは、上記細い部分に到達せず、接合部の大きな寸法の方へ導かれる。この従来技術は製品の性能を向上させたが、例えば10,000mも掘られたロッドは、スカートのすぐ下のロッド表面が損傷を受けることがある。損傷はきわめて局部的であり、実質的にロッドの全周をめぐるカットという形態をとる。すると、ロッドが烈しく曲げられたときにこの損傷はクラックの発生点として作用する。
本発明は上述のような問題を軽減しようとするものであり、衝撃削岩における、近代的採鉱の効率を向上させる改良されたねじ接合を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、衝撃削岩におけるキャビテーションの発生を減らすロックドリルビットを提供することである。
本発明の別の目的は、外部洗浄媒質によるブラスト作用と腐食を減らすロックドリルビットを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、細い寸法のロックドリルロッドの寿命を延ばすことができるロックドリルビットを提供することである。
本発明によって、上記の目的は、独立クレームの特徴記載部分に開示されるような特徴によって達成される。本発明によるロックドリルビットとねじ接合の有利な実施形態は従属クレームによって規定される。
本発明によって、上記の目的は、独立クレームの特徴記載部分に開示されるような特徴によって達成される。本発明によるロックドリルビットとねじ接合の有利な実施形態は従属クレームによって規定される。
本発明は、衝撃削岩のためのロックドリルビット10に関する。図1には、第1のドリルロッド11がロックドリルビット10に一体化されたスカート13と結合された状態で示されている。スカート13は、円錐部分15を含み、少なくとも部分的に円錐状の、外側表面28を有する。ロックドリルビット10は、図1には4つしか示されていないが、多数の正面突起30と外周突起31とを有する正面29を含む。外周突起31は、一般的には掘られる穴の直径を規定する。
ドリルロッド11及びそのねじ接合は、水などの洗浄媒質を輸送するための少なくとも一つのチャンネル14を含む。上記チャンネル14はロックドリルビット10における少なくとも一つのチャンネルに結合する。ドリルロッド11は、円形の半径方向の切断面を有し、第1の外側表面16を備える。第1の外側表面16は、軸方向に実質的に一定な第1の外径DD3を有する。ドリルロッド11は、衝撃削岩のためのロープねじ又は台形ねじなどの雄ねじを備えた第1の端部17,又はスピゴット、を有する。雄ねじは、凹面のねじ入口又はねじ始端と凹面のねじ出口又はねじ終端を含む。第1の端部17は第1の端面21を含む。第1のドリルロッド11は第2の外側表面22を含み、好ましくはその直径は直径D3よりも大きい。ロックドリルビット10のスカート13は雌ねじ24と内側当接面25を有する凹部を含む。凹部23はスカートの第2の端面26に結合する。凹部の最小直径は実質的に直径D3に対応する。第2の端面26は実質的にリング状である。第1の端面21が内側当接面25に当接するまでスピゴット17がねじ込まれたとき、ねじ接合が行われた状態になる。
上述したように、ロッド表面に、スカートのすぐ下に損傷が発生することがある(図1の位置16参照)。損傷はきわめて局部的であり、基本的に全周のまわりの“切り欠き(notch)”という形をとる。その場合、損傷は、ロッドが烈しく曲げられたときにクラック発生点として作用する。本発明が防ごうと意図していることは、洗浄水が従来のロックドリルビットの端を通過するときに生ずる乱流による侵食又はキャビテーション腐食である。本発明によるロックドリルビット10は、少なくとも部分的に円錐状であるスカート13を備えている。適切に設計されたスカートでは、洗浄水はスカートの形に連続的に従って、キャビテーションが実質的に回避されるか、又は大幅に減少する。この点に関連して正しいデザインは、スカートに沿ってゆっくりとした面積変化と、スカートの端26におけるあまり急激でない面積変化を含むようなものである。
ロックドリルビット10の寸法は、特に図2を参照した次の式によって選ばれる:
1 < A3/A2 < 1.6
ここで、A2は、端面26から軸方向距離L2における直径D2とロックドリルビットの最大直径D0の間の半径方向断面における仮想面積、すなわち、A2= π/4・(D02−D22)であり、A3は、凹部の最小直径D3とロックドリルビットの最大直径D0の間の半径方向断面における想像上の面積、すなわち、A3=π/4・(D02−D32)である。比A3/A2は、好ましくは1.30から1.60までの間にある。軸方向距離L2は、端面26から角度β、例えば45゜の線によって定められる点まで、スカート13の第2の端面26と内径D3の交点から、図3に示されているように、センターラインCLと平行に測られる。円錐状の部分15の長さL1は、凹部の深さL0の8分の1よりは大きいが凹部の深さL0よりは小さい。円錐状の部分15の想像上の頂点は、端面26から凹部の深さL0の4分の1より大きな距離に設けられる。ロックドリルビットの最大直径D0は30から50mmの範囲内にある。この大きさのロックドリルビット10が比較的細いドリルロッドに結合され、このドリルロッドが傷つけられた周囲の切り欠きのために折れる可能性がある。ロックドリルビットの寸法はまた次の条件を満たす:
D02 < D22 < (1/1.6)D32 + (0.6/1.6)D02
端面26で、洗浄水が穴とスカートの間で通過できる面積は、最大直径D0のところに比べて60%まで増加している。
1 < A3/A2 < 1.6
ここで、A2は、端面26から軸方向距離L2における直径D2とロックドリルビットの最大直径D0の間の半径方向断面における仮想面積、すなわち、A2= π/4・(D02−D22)であり、A3は、凹部の最小直径D3とロックドリルビットの最大直径D0の間の半径方向断面における想像上の面積、すなわち、A3=π/4・(D02−D32)である。比A3/A2は、好ましくは1.30から1.60までの間にある。軸方向距離L2は、端面26から角度β、例えば45゜の線によって定められる点まで、スカート13の第2の端面26と内径D3の交点から、図3に示されているように、センターラインCLと平行に測られる。円錐状の部分15の長さL1は、凹部の深さL0の8分の1よりは大きいが凹部の深さL0よりは小さい。円錐状の部分15の想像上の頂点は、端面26から凹部の深さL0の4分の1より大きな距離に設けられる。ロックドリルビットの最大直径D0は30から50mmの範囲内にある。この大きさのロックドリルビット10が比較的細いドリルロッドに結合され、このドリルロッドが傷つけられた周囲の切り欠きのために折れる可能性がある。ロックドリルビットの寸法はまた次の条件を満たす:
D02 < D22 < (1/1.6)D32 + (0.6/1.6)D02
端面26で、洗浄水が穴とスカートの間で通過できる面積は、最大直径D0のところに比べて60%まで増加している。
スカート13の外側表面28は、図示の実施形態では、円筒状の外側表面12と円錐状の部分15から成る。円筒状の外側表面の配置により、ロックドリルビットの壁厚は当接面21と25に近く維持され、抵抗の大きなロックドリルビットが得られる。円錐状部分15は、ロックドリルビットのセンターラインCLに対して角度αを成す。角度αは最大で15゜である、すなわち、0 < α ≦ 15゜であり、好ましくは2゜から5゜までの間である。角度αに関する条件は次の通りである:
tan α = (D1 − D2)/2/(L1 − L2)、
ここでtan 0゜=0,tan 15゜≒0.27
0 < (1/2)・(D1 − D2)/(L1 − L2)≦0.27
ここで、L1は円錐状部分15の長さ又は凹部の深さL0の半分であり、L2=h=(D2−D3)/2であり、端面26における斜面は考慮に入れない。端面26からの軸方向距離L2は凹部の深さL0の8分の1より大きい。
tan α = (D1 − D2)/2/(L1 − L2)、
ここでtan 0゜=0,tan 15゜≒0.27
0 < (1/2)・(D1 − D2)/(L1 − L2)≦0.27
ここで、L1は円錐状部分15の長さ又は凹部の深さL0の半分であり、L2=h=(D2−D3)/2であり、端面26における斜面は考慮に入れない。端面26からの軸方向距離L2は凹部の深さL0の8分の1より大きい。
D3は、ロックドリルビットのねじ溝トップによって限定される内径に対応する。L2は、図3に示されているように、スカートの端面26と内径D3との交点から45゜の線から決定できる。円錐状の部分15の想像上の延長線Xは、端面からの軸方向距離が凹部の深さL0の8分の1よりも大きなところでドリルロッドの第1の外側表面16と交わる。円筒状の外側表面12は、内側の当接面25の面から後方への延長が最大で凹部の深さL0の8分の7になる。
選ばれた寸法は、パーツ11と10の間での幾何形状の移行が比較的小さく、キャビテーションの程度が減少し、切り屑及び侵食性の水による延長接合部への影響が軽減される。洗浄媒質は空気と水の混合物に代えることもできる。
したがって、本発明は、衝撃削岩だけのための、好ましくはトップハンマー削岩のためのロックドリルビットに関する。ロックドリルビット10は、洗浄媒質をロッド11の方向に導くことによって衝撃削岩におけるキャビテーションの発生を減らすように形成される。
Claims (10)
- スカート(13)が一体化されている衝撃削岩用のドリルビットであって、水などの洗浄媒質の輸送のための少なくとも一つのチャンネルを備えると共に、最大の第1の外径(D0)を規定する突起(31)が設けられた前面(29)と、衝撃削岩用のロープねじ又は台形ねじなどの雌ねじが設けられた凹部が存在する第1の端面(26)とを有し、前記凹部が所定の深さ(LO)であるドリルビットにおいて、
前記スカート(13)の外側表面(28)が円錐状部分(15)を備え、該円錐状部分(15)が、前記凹部の深さ(LO)の8分の1よりも大きく、前記凹部の深さ(LO)よりも小さい軸方向の延長部を有することを特徴とする、ドリルビット。 - 円筒状外側表面(12)が前記ドリルビット(10)の内側当接面(25)を囲み、前記円筒状外側表面(12)が、該内側当接面(25)から後方へ延長する軸方向の延長部を有し、該延長部の長さが最大で前記凹部の深さ(LO)の7/8であることを特徴とする、請求項1に記載のドリルビット。
- 前記円錐状部分(15)が、センターライン(CL)に対して一定の角度(α)を成し、該角度(α)が0゜よりも大きく最大で15゜であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のドリルビット。
- 前記ドリルビット(10)の寸法が次の式:
D32 < D22 < (1/1.6)・D32 + (0.6/1.6)・D02
に従って選択され、
ただし、D2は前記端面(26)からのある軸方向距離(L2)における前記スカート(13)の直径であり、D3は前記凹部の最小直径であり、D0は前記ドリルビットの最大直径であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のドリルビット。 - 前記ドリルビットの寸法が次の条件:
D32 < D22 < (1/1.6)・D32 + (0.6/1.6)・D02
を満たすことを特徴とする、請求項4に記載のドリルビット。 - 前記円錐状部分(15)の想像上の頂点が、前記端面(26)から前記凹部の深さ(LO)の4分の1よりも大きな軸方向距離に設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のドリルビット。
- 第1のドリルロッドと、ドリルビット(10)と一体化されたスカート(13)の間に位置する衝撃削岩用のねじ接合であって、前記ドリルビット(10)は、水などの洗浄媒質の輸送のための少なくとも一つのチャンネルを備えるとともに、最大の第1の外径(D0)を規定する突起が設けられた前面(29)と、衝撃削岩用のロープねじ又は台形ねじなどの雌ねじ(24)が設けられた凹部が存在する第1の端面(26)とを有し、該凹部が所定の深さ(L0)であるねじ接合において、
前記スカート(13)の外側表面(28)が円錐状部分(15)を備え、該円錐状部分(15)が、前記凹部の深さ(LO)の8分の1よりも大きく、前記凹部の深さ(LO)よりも小さい軸方向の延長部を有することを特徴とする、ねじ接合。 - 円筒状外側表面(12)が前記ドリルビット(10)の内側当接面(25)を囲み、前記円筒状外側表面(12)が、該内側当接面(25)から後方へ延長する軸方向の延長部を有し、該延長部の長さが最大で前記凹部の深さ(LO)の7/8であることを特徴とする、請求項7に記載のねじ接合。
- 前記円錐状部分(15)が、前記ドリルビットのセンターライン(CL)に対して一定の角度(α)を成し、該角度(α)が0゜よりも大きく最大で15゜であることを特徴とする、請求項7又は9に記載のねじ接合。
- 前記ねじ接合の寸法が次の式:
1 < A3/A2 < 1.6
に従って選択され、
ただし、A2は、前記端面(26)から前記軸方向距離(L2)における前記スカート(13)の直径D2と前記ドリルビットの最大直径(D0)との間の半径方向断面における仮想面積であり、A3は前記凹部の最小直径(D3)と前記ドリルビットの最大直径(D0)との間の半径方向断面における仮想面積であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載のねじ接合。
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