JP2008507557A - 眼疾患の治療法 - Google Patents

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Abstract

アダマンタン、及び遺伝子の発現にアダマンタン同様の影響を及ぼすその他の薬剤は、眼疾患の治療又は予防に有用である。
【選択図】 なし

Description

関連出願の相互参照
本願は、2004年7月22日に出願した同時係属中の米国特許仮出願第60/590,260号の利益を主張するものであり、その内容を参照によって本明細書中に組み込む。
本発明は、眼疾患の治療、より具体的には網膜神経線維機能の防護及び網膜脈管構造の維持に関する。
シンメトレル(登録商標)としても知られている塩酸アマンタジン、すなわち、塩酸1−アミノアダマンタンは、現在、抗ウィルス薬及び抗パーキンソン薬として市場に出回っている。パーキンソン病の治療におけるアマンタジンンの作用機序は分かっていない。また、8名のハンチントン病患者を対象とした小規模オープンラベル試験によって、アマンタジンによる治療を受けた患者ではジスキネジーが顕著に減少することが報告されている。このデータは、アマンタジンがハンチントン病の治療法になり得ることを示唆するものである。
ある種の眼障害及び眼疾患の治療にその他のアダマンタン誘導体を使用することについての記載もある。
発明の概要
本発明は、種々の眼疾患を治療するために、アダマンタン及びその誘導体を使用することに関する。詳細には、本発明は、眼の神経線維機能の低下を治療又は予防するために、並びに網膜脈管構造を維持/回復するためにアダマンタン及びその誘導体を使用することを含む。
その他の態様において、本発明は、眼で発現するある種の遺伝子をアップレギュレートすること、すなわち、眼におけるある種の遺伝子の転写及び/又はそれら遺伝子に相当するRNA転写産物の翻訳を増大させることが知られている又は判明している薬剤を使用することに関する。具体的な遺伝子については以下に記載する。本発明は、アダマンタン及びその誘導体だけでなく、以下に記載する遺伝子の一部又は全部に関して遺伝子発現に同様の影響を及ぼすその他の薬剤の使用も意図している。
アダマンタン及びその誘導体の使用、又は遺伝子の発現に同様の影響を及ぼすその他の薬剤の使用が有益であると考えられる具体的な疾患の例としては、網膜ジストロフィー、網膜浮腫、網膜新血管新生、糖尿病性網膜症、虚血性網膜症、硝子体網膜症、黄斑浮腫、加齢黄斑変性症、糖尿病性黄斑浮腫、IOP、眼圧亢進症、網膜色素変性症、脈絡膜硬化症、桿体/錐体変性、及び緑内障が挙げられる。
本発明の1つの特定の態様は、視神経線維の減少、網膜脈管構造の崩壊、網膜障害、網膜新血管新生、網膜色素変性症、脈絡膜硬化症、加齢黄斑変性症、及び桿体/錐体変性から成る群から選択される少なくとも1つの眼疾患を治療又は予防する方法を提供し、この方法は、有効量のアマンタジンを、それを必要としている患者に体内投与することを含む。
本発明の別の態様は、視神経線維機能の低下を防ぐ方法であって、CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のまた別の態様は、これだけに限らないが、眼内圧(IOP)の上昇による網膜障害などの、網膜障害から患者を防護する方法であって、MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のまた別の態様は、網膜新血管新生から患者を防護する方法であって、TIMP3及びTIMP2の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明の別の態様は、網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物の遺伝子発現プロファイルと被験物質で治療した動物の遺伝子発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、CRX、クリスタリン、カベオリン、AKT1、SLC6A6、MYOC、SLC1A3、ASS、IGFBP2、TIMP3及びアクアポリンの各遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子のアップレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物の遺伝子発現プロファイルと被験物質で治療した動物の遺伝子発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、PDCD8、TRADD及びASNSの各遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子のダウンレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜脈管構造を維持する方法であって、CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜障害から患者を防護する方法であって、MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜血管新生から患者を防護する方法であって、TIMP2及びTIMP3の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物のタンパク質発現プロファイルと被験物質で治療した動物のタンパク質発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、CRX、クリスタリン、カベオリン、AKT1、SLC6A6、MYOC、SLC1A3、ASS、IGFBP2、TIMP3及びアクアポリンの各タンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質の発現のアップレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法である。
本発明のさらに別の態様は、網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物のタンパク質発現プロファイルと被験物質で治療した動物のタンパク質発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、PDCD8、TRADD及びASNSの各タンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質の発現のダウンレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法である。
本発明のさらに別の態様は、眼疾患の治療又は予防用治療薬に対し規制当局の承認を得る方法であって、前記治療薬が、CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、PDCD8及びTRADDの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のダウンレギュレーション、MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、ASNS遺伝子の発現のダウンレギュレーション、並びにTIMP3及びTIMP2の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーションのうちの少なくとも1つを起こすことを立証するデータを、規制所管機関に提供することを含む方法である。
本発明のさらに別の態様は、レーザー治療及び網膜虚血障害のうちの少なくとも1つから患者を防護する方法であって、TIMP3、TIMP2、SULF1、IRF1、RBP1、RBP4、F3、CD44、IRF1、PLA2G4A及びVEGFBの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明のさらに別の態様は、光及び遺伝的素因による障害のうちの少なくとも1つから患者を防護する方法であって、LRAT、RBP1/CRABP−1、RBP4、RPE65及びTTRの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法である。
本発明の前記及びその他の特徴は、以下に記載する本発明の実施形態の詳細な説明を読めば明らかとなろう。
発明の詳細な説明
本発明の実施に有用なアダマンタン誘導体の例としては、アダマンタン(トリシクロデカン)の核構造を有する化合物、例えば、メマンチン、アマンタジン及びリマンタジンなどが挙げられる。いずれの場合も、有用な化合物にはアダマンタン及びアダマンタン誘導体の塩、立体異性体、多形体、エステル、プロドラッグ及び水和物、並びに他の溶媒和物が含まれる。好ましい化合物はアマンタジン、例えば塩酸アマンタジンである。このような薬剤を使って以下に記載するような眼障害の治療、すなわち予防又は治療が可能であることが判明した。
有効量の本発明の作用剤、すなわちアダマンタンもしくはアダマンタン誘導体、又は遺伝子発現に同様の影響を及ぼす以下に記載するようなまた別の薬剤を、多くの経路によって、対象動物(通常ヒトであるが、その他の動物、例えば家畜、ペット及び競争用動物なども治療の対象とすることができる)に投与することが可能である。これら経路の例としては、経口、吸入、局所、経粘膜、非経口、静脈内などの全身への投与経路、並びに眼内、硝子体内、脈絡膜内及び眼の局所投与などのより局部への投与を意図した経路が挙げられる。
本発明の作用剤の製剤は、例えば投与経路によって決まる、型通りの製剤技術によって成し得る。作用剤は、速放性製剤、放出制御製剤又は徐放性製剤の形態で送達することができる。
送達される作用剤の最も望ましい量は、標準的手法で決めることができる。投与経路、アダマンタン及びアダマンタン誘導体の製剤並びにその用量についての手引きとして、開業医は、シンメトレル(登録商標)に関する添付文書及びその他の公表文献、並びに本明細書において引用されるものも含めて、その他の目的でのアダマンタン及びアダマンタン誘導体の投与に関する公表文献を参照することができる。
本発明の実施に有用な、アダマンタン以外の薬剤を同定するために、標準的手法に従って遺伝子発現の定量を行うこともできる。このような定量を使えば、それがある化合物か又は他の薬剤かどうか、どちらがその他の用途に承認される医薬品並びに新規化学物質又はバイオ医薬品を含むことができるか、どの薬剤が眼での遺伝子発現に所望の効果を有するかなどを容易に決定することができる。
ある治療薬(この語は予防薬も含む)が所定の効能をもって商品化される前には、米国食品医薬品局及び欧州医薬品審査庁などの規制当局により承認されなければならない。承認されるにあったては、一般に、その薬剤の安全性及び有効性を立証するデータの提出が必要となる。そのようなデータには遺伝子発現プロファイルデータが含まれる。
シンメトレル(登録商標)としても知られている塩酸アマンタジンは、現在、抗ウィルス薬及び抗パーキンソン薬として市場に出回っている。アマンタジンが、特にニューロン及び脳において、多くの生物学的作用を有することは明らかになっているが、それら生物学的活性の背後にある分子の作用機序についてはいまだ分かっていない。そのため、アマンタジンによってレギュレートされる分子経路を同定するために、複数のSprague Dawleyラットをそれぞれ異なる用量のアマンタジンで治療し、選択した組織についてRNA発現プロファイル解析を行った。この報告では、定常状態でと殺した動物から得た網膜を解析した結果を記載する。遺伝子発現に現れる変化は、アマンタジンが遺伝子発現に影響を及ぼしていること、その結果神経保護作用が生じている可能性があることを示唆するものである。このデータは、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、加齢黄斑変性症、緑内障及び網膜色素変性症における桿体/錐体減少、桿体/錐体ジストロフィー、並びに脈絡膜硬化症における網膜神経節細胞の減少から防護するために、アマンタジンを使用できる可能性を示すものである。
アマンタジンは水溶性であり良好に吸収される(Endo)。アマンタジンは、糸球体濾過及び尿細管分泌によって不変の状態で主として尿中に排泄される(Endo;Goralski、Smyth及びSitar、496−504)。ヒトの場合、ピーク濃度に達する時間(Cmax)は3.3±1.5時間(範囲:1.5〜8時間)で半減期は17±4時間(範囲10〜25時間)である(Endo)。アマンタジンは、ラットの場合、50mg/kg/日で催奇性であり、100mg/kg/日で胎児毒性である(ヒトの場合の予測等価用量(HED)は身体表面積換算でそれぞれ7.1mg/kg/日、14.2mg/kg/日)という報告がある(Endo)。ラットの場合、37mg/kg/日(予測HED5.3mg/kg/日)の用量では催奇性及び胎児毒性はいずれも生じない(Endo)。アマンタジンの発癌性の可能性を評価する長期にわたるin vivo動物実験はまだ行われていないが、Ames試験又はチャイニーズハムスター卵巣由来の細胞において、アマンタジンは非変異原性であることが明らかになっている(Endo)。また、in vitroでのヒト抹消血リンパ球又はin vivoでのマウス骨髄小核試験においては、染色体異常の証拠は認められなかった(Endo)。
アマンタジンが、特にニューロン及び脳において、多くの生物学的作用を有することは明らかになっているが、それら生物学的活性の背後にある分子の作用機序についてはいまだ分かっていない。そのため、アマンタジンによってレギュレートされる分子経路を同定するために、複数のSprague−Dawleyラットをそれぞれ異なる用量のアマンタジンで、異なる期間治療した。具体的には、3時間(Cmax)、14日間(定常状態)及び14日間プラス無治療の3日間(回復)である。前記ラットを適当な時期にと殺し、その組織をRNA発現プロファイル解析用に採取した。アマンタジンによる治療の影響を受けた遺伝子発現プロファイルを解析することによって、アマンタジンの作用機序が解明されるだけでなく、同薬剤の新たな治療指標が同定される。遺伝子発現プロファイルには、タンパク質及び/又は転写産物の測定値が含まれる。この報告では、定常状態でと殺した動物からの網膜を解析した結果を記載する。遺伝子発現の変化は、アマンタジンが遺伝子発現に影響を及ぼしていること、その結果神経保護作用を生じている可能性があることを示唆するものである。それゆえ、このデータは、アマンタジンが糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、加齢黄斑変性症、緑内障及び網膜色素変性症における桿体/錐体減少、桿体/錐体ジストロフィー、並びに脈絡膜硬化症における網膜神経節細胞の減少の防護に有用であることを示すものである。
1. 材料及び方法
1.1 動物治療プロトコル
全動物サービスを、試験番号231−001で、Charles River Laboratories社に外部委託した。本試験では、異系交配のSprague−Dawleyアルビノ雄ラット(Crl:CD(登録商標)(SD)IGS BR)30匹を使用し、それらをCharles River Laboratories,Inc.社(Raleigh、North Caroline)から受け取った。前記動物を、試験日1日目以前に8日間順応させておき、試験用に解放する前にStaff Veterinarianがチェックした。群の平均体重が全体の平均体重の±10%超えないような、コンピュータ生成体重順分布によってラットを無作為にグループに割り当てた。試験第1日目には、前記ラットはおよそ11週齢で300〜369グラムであった。試験デザインを表1に示す。
Figure 2008507557
群2、3及び4のラットに、1日1回それぞれの服用量を腹腔内注射した。群1のラットは治療しなかった。群2のラットは、連続14日間にわたり毎日溶媒対照(dHO)で治療した。群3及び群4のラットは、連続14日間にわたり毎日試験品で治療した。試験第1日目の投与3時間後に、2、3及び4群のラットのうち各群の3匹を群1の3匹のラットと一緒に安楽死させた。試験第14日目(定常状態)の投与3時間後に、2、3及び4群のラットのうち各群の3匹を安楽死させた。3日間の無治療期間の後、試験第17日目(回復)に、2、3及び4群の残りのラットを安楽死させた。安楽死は、容認されている米国動物協会ガイドラインに従って、麻酔なしの断頭術によって行った。
安楽死させた後、網膜を採取し、液体窒素中で瞬間凍結した。全サンプルをドライアイスを使ってVanda Pharmaceuticalsに移し、使用時まで−80℃で貯蔵した。
1.2 RNA抽出
標準的RNA抽出プロトコルに従ってRNAを抽出し、分光光度計を用いてRNA定量を行った。
1.3 RNA発現プロファイリング
Rat Expression Array 230A及び230v2.0を用い、メーカーの標準プロトコル(Affymetrix、サンタクララ、カリフォルニア)に従って、RNA発現プロファイリングを行った。
1.4 遺伝子発現解析
本発明者等は、溶媒で治療した網膜由来のアレー、「ベースラインチップ」、及び塩酸アマンタジン(低容量[LD]又は高容量[HD])で治療した網膜由来のアレー、「試験チップ」、で異なる発現をする遺伝子を同定した。p<0.05のフィルタ及び倍率変化1.5倍又は1.6倍を使用して2種類の解析、すなわち(1)溶媒対低用量と(2)溶媒対低+高用量、を行った。ただし、発現の検出されないプローブセットは全て解析から除外した。
2. 結果
2.1 RNA発現解析
2.1.1 網膜:溶媒対定常状態で低用量
アマンタジンの生物学的作用を理解するための第一のステップとして、溶媒で治療したラット(群2)から採取した網膜のRNA発現プロファイルを、定常状態における低用量のアマンタジンで治療したラット(群3、20mg/kg/日)から採取した網膜のRNA発現プロファイルと比較した。この方法を行う理論的根拠は3つある。第一に、20mg/kg/日という用量が、1日に処方されるHED(ヒトの場合の等価用量)を表していること。第二に、あるうる新規効能を同定するためには、長期間連続して薬剤に暴露した後の遺伝子発現変化を知ることが重要であること。多くの遺伝子発現変化は暴露直後(すなわちTmax/3時間の時点)に生じているが、これらの変化はむしろ薬剤治療に対する「一過性の」適応反応であると考えられよう。第三に、アマンタジンが脳において生物学的作用を有することは十分証拠づけられているが、一方、網膜における潜在的な作用については何も分かっていないことである。さらに、網膜は、ラットから摘出した時点で他の組織/構造物によって汚染されていないことが確信できるという意味において、比較的「清浄な」組織である。
2つの治療群間で比較解析を行い、その発現が1.6又は1.5倍以上変化しており(アップレギュレーション又はダウンレギュレーションのいずれか)また統計学的に有意である(p<0.05、t検定)遺伝子を同定した。プローブセットの解析により、類似の生物学的機能を有するタンパク質をコードする多数の遺伝子群を同定した。例えば、アマンタジンによって、多くの溶質/イオンチャンネルタンパク質(KCNE2、SLC1A3、SLC3A1、SLC4A3、SLC6A6、SLC7A1、SLC7A8、SLC17A7、SLC21A5、SLC24A1及びSLC26A1)、直接又は間接的にグルタミン酸塩合成に関与するタンパク質(ASNS、ASS、GAD1)、細胞間相互作用の維持に関与するタンパク質(TIMP2、TIMP3、SERPINI1)、水晶体構造形成タンパク質(CRYAB及びCRYBA3)並びにアポトーシス執行タンパク質(PDCD8)の発現に変化が生じた。
遺伝子リストの全体的テーマは、アマンタジンが、神経保護(細胞周期及びアポトーシス)、レチノイド回路、凝固経路及び血管形成に関与する遺伝子の調節において役割を果たしていることを示している。これらの結果の重要性については、考察の項でさらに詳しく述べる。
Figure 2008507557
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2.1.2 網膜:溶媒対定常状態で(低用量及び高用量)
アマンタジンの生物学的作用を理解するための第二のステップとして、低用量のアマンタジンで治療したラット(群3、20mg/kg/日)から採取した網膜のRNA発現プロファイルと高用量のアマンタジンで治療したラット(群4、100mg/kg/日)から採取した網膜のRNA発現プロファイルを1つの治療群にまとめた、それらを、溶媒のみで治療したラットから採取した網膜のRNA発現プロファイルと比較した。2つのアマンタジン群を一体にすることによって、用量に関係なく、重要な遺伝子発現変化を同定するための検出力が増す。
2つの治療群間で比較解析を行い、その発現が1.6倍以上変化しており(アップレギュレーション又はダウンレギュレーションのいずれか)また統計学的に有意である(p<0.05、t検定)遺伝子を同定した。プローブセットの解析により、類似の生物学的機能を有するタンパク質をコードする幾つかの遺伝子群を同定した。例えば、アマンタジンによって、多数の水晶体構造形成タンパク質(CRYAA、CRYAB、CRYBA2、CRYBA4、CRYBB3及びCRYBS)、アクアポリン(AQP1、AQP4)、溶質/イオンチャンネルタンパク質(CACNB2、KCNE2、SLC1A3、SLC3A1、SLC4A3、SLC6A6、SLC7A1、SLC7A8、SLC17A7、SLC21A5、SLC24A1、SLC24A2及びSLC26A1)、直接又は間接的にグルタミン酸塩合成に関与するタンパク質(ASNS、ASS、GAD1及びGLYT1)、細胞間相互作用の維持に関与するタンパク質(TIMP2、TIMP3、SERPINI1)、並びにアポトーシス執行タンパク質(CAV1、PDCD8及びTRADD)の発現に変化が生じた。
先の場合のように、遺伝子リストにおける重要なテーマを確認した。最も重要な群は、CAV1、すなわち、分裂促進シグナル伝達及び腫瘍形成に関与しているとされ(Fiucci他、2365〜75)また抗アポトーシス作用を有していると報告されている(Li他、9389〜404)ゴルジ小胞細胞膜に見られる足場タンパク質に集中しているように思われる。これらの結果の重要性については考察の項でさらに詳しく述べる。
Figure 2008507557
3. 考察
塩酸アマンタジンは、現在、抗ウィルス薬及び抗パーキンソン薬として市場に出回っている(Endo)。アマンタジンの作用機序についてはいまだ分かっていない。その作用機序を調べ、できれば新規の効能を同定するために、複数のラットをそれぞれ異なる用量のアマンタジンで治療し、遺伝子発現プロファイリングを実施した。網膜の解析結果は、アマンタジンが、網膜神経節細胞の減少を防護する網膜神経保護薬としてまた眼内圧を下げる薬剤として有用であることを示している。したがって、そのデータは、アマンタジンが網膜変性症、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫及び緑内障に有用であることを示していることになる。これら主張の裏付けについて以下に論じる。
3.1 神経保護
アマンタジンが神経保護の役割を果たしていることを示す第一の遺伝子はCone−rodホメオボックス(CRX)である。CRXは、主として網膜の桿体及び錐体光受容体で発現するotd/Otx様ホメオドメイン転写因子である(Furukawa、Morrow及びCepko、531〜41)。CRXは、ロドプシン、β―ホスホジエステラーゼ、アレスチン及び光受容体間レチノイド結合タンパク質などを含めた多数の光受容体遺伝子のプロモーターに結合し、それを活性化する(Chen他1017〜30)。CRXの重要性は、nullCRX対立遺伝子がホモ接合である突然変異マウスの研究において最初に確認されている。機能性CRX対立遺伝子が欠如しているマウスでは、機能性光受容体外節が発現せず網膜変性を生じる(Furukawa他、466−70)。これらのマウスの遺伝子発現解析によって、変性が発症する前に多くの光受容体特異的遺伝子の発現が減少又は喪失することが明らかになっているが、このことは、CRXが光受容体遺伝子発現の重要な調節遺伝子であることを示唆している(Livesey他、301〜10)。網膜の機能におけるCRXの重要性は、この遺伝子での多くの突然変異が網膜変性に関連しているという事実によっても裏付けられる(Freund他、543〜53;Jacobson他、2417〜26;Swain他1329〜36)。CRXが、アマンタジンで治療した動物の網膜で2.7倍アップレギュレートしていることが判明したという事実は、アマンタジンが神経保護効果を有しており、光受容体の機能を促進しかつ網膜変性を低く抑えていることを示すものである。
アマンタジンが神経保護の役割を果たしていることを示す第二の遺伝子ファミリーはクリスタリンのファミリーである。クリスタリンは、水晶体線維細胞及び網膜内外顆粒層において高レベルで発現する種々のタンパク質群である(Xi他、410〜19)。これらタンパク質は、シャペロン機能を有することが明らかになっている。すなわち、損傷したタンパク質の部分的に折り畳みがなされていない種を認識することによって、又はそれらの種に結合することによってその他のタンパク質をストレスにより誘発される凝集から保護する、小さな熱ショックタンパク質ファミリーのメンバーである(Schey他、200〜03)。興味深いことに、アマンタジンによる治療によって、70kDa熱ショックタンパク質1Aも1.6倍誘発されていた。クリスタリンは、カスパーゼの活性を阻害することによって抗アポトーシス作用を有することも明らかになっている(Mao他、512〜26;Xi他、410〜19)。したがって、最終的には早期の細胞死を阻害すると考えられる。眼の機能におけるクリスタリンの重要性は、発達性白内障、退行性白内障及び優性白内障などの原因となる、幾つかの種類のクリスタリンに起こる突然変異を同定することによっても立証されている。幾つかのクリスタリンは、アマンタジンによる治療を受けたラットの網膜において顕著にアップレギュレートされる(4〜21倍)。したがって、クリスタリン及び熱ショックタンパク質1Aの発現を誘発することによって、これらの抗アポトーシスタンパク質を誘発することによって、アマンタジンは網膜を細胞死から保護することができる。
アポトーシス/早期の細胞死に関与している他の多くの遺伝子が、アマンタジンの治療によって差次的に発現することも判明した。例えば、カベオリン1及びカベオリン2は、それぞれ2.42倍、1.99倍アップレギュレートされることが判明している。先に示したように、カベオリンは抗アポトーシス作用を有するという報告がある(Li他9389〜404)。
AKT1もアマンタジンの治療によってアップレギュレートされた。AKT1は、細胞内増殖シグナル及び生存シグナルの形質導入において主要な役割を果たしているセリン/スレオニンキナーゼである(Marte及びDownward、355〜58)。AKT1は、アポトーシスシグナル伝達カスケードに関与する多数のタンパク質をリン酸化することが立証されており、これらタンパク質のリン酸化によってアポトーシスが防護され、幾つかの異なる機序によって細胞の生存が促進される(Trencia他、4511〜21)。
カベオリンとAKTの他に、EDNRBがアップレギュレートされている。エンドセリンB受容体は、脳における神経細胞の生存に関連している。エンドセリン、すなわち血管収縮タンパク質は、抗アポト−シス因子として作用する(Yagami他、291〜300)。したがって、アマンタジンによるこれら遺伝子のアップレギュレーションは、早期細胞死から網膜を防護すると考えられる。
一方、アポト−シスを誘発することが知られている2つの遺伝子、PDCD8及びTRADDは、アマンタジンによる治療後ダウンレギュレートされることが判明した。アポト−シス誘発因子としても知られているPDCD8は、ミトコンドリアに限局されており、細胞死の刺激に反応して放出される(Joza他、549〜54)。PDCD8を遺伝子不活化すると、細胞は細胞死に対して抵抗性となる(Joza他、549〜54)。TRADD、すなわち腫瘍壊死因子1受容体の細胞内ドメインと特異的に相互作用するタンパク質は、プログラム細胞死の媒介に必須であることが明らかになっている(Hsu、Xiong及びGoeddel、495〜504)。したがって、アマンタジンによるこれらの遺伝子のダウンレギュレーションも、早期細胞死から網膜を防護すると考えられる。本研究で示す結果は、アマンタジンが神経保護薬として有用であり、網膜細胞を細胞死から防護することを示唆するものである。
3.2 眼内圧及び緑内障
緑内障は、視神経乳頭陥凹及び変性を伴う網膜神経節細胞死によって特徴づけられる、一群の視神経障害であると定義することができる(Ahmed他、1247〜58)。緑内障の発生進展に関わる1つの重要な危険因子は高眼内圧(IOP)である。慢性的IOP上昇後の網膜における遺伝子発現変化を同定する研究で、Tomarevと同僚達は、5週間高IOPを経験したラット由来の網膜をマイクロアレイ解析した。その解析によって、網膜でアップレギュレートされた74の遺伝子とダウンレギュレートされた7つの遺伝子を同定し、網膜における「高IOP遺伝子サイン」を作製した。興味深いことに、Tomarev等がその研究でダウンレギュレートされているとした遺伝子の一部が、アマンタジン実験でアップレギュレートされていることが判明し、またその逆も同様であった。IOP試験では、例えば、CRYAB、CRYAA、CRYBB2及びSLC6A6がそれぞれ−5.0倍、−14.5倍、−18.0倍及び−2.1倍ダウンレギュレートされていることが判明し、一方、アマンタンジン試験では、上記遺伝子はそれぞれ3.83倍、19.07倍、18.55倍及び2.89倍アップレギュレートされていることが判明した。
クリスタリンの生物学的重要性は先に説明した。タウリントランスポーターとしても知られているSLC6A6は、神経興奮性及び浸透圧調節に関与している。タウリンは、タンパク質に組み込まれていない半必須アミノ酸であり、網膜に高ミリモル濃度で見られる(Militante及びLombardini、75〜90;Schuller−Levis及びPark、195〜202)。視機能障害及び網膜損傷がタウリン欠乏に起因することは証明されている(Militante及びLombardini、75〜90)。また、タウリントランスポーターノックアウトマウスでは、アポトーシスによるひどい網膜変性が原因の視力低下を生じる(Schuller−Levis及びPark、195〜202)。重要なことであるが、アマンタジンによる治療によって、網膜においてタウリントランスポーターがアップレギュレートされた。これらのデータは、アマンタジンが、IOPの上昇によって引き起こされる網膜障害の保護薬として有用であることを示唆するものである。
通常デキサメタゾンの形態をとるグルココルチコイド点眼液は、眼の炎症の治療薬として一般に使われている。デキサメタゾンは、小柱網(TM)を通過する房水流出抵抗の増加に関系する一種の開放隅角緑内障を引き起こすことが知られている(Ishibashi他、3691〜97)。TM細胞に対して長期間デキサメタゾン治療の影響を与えることによって、第一の緑内障遺伝子、すなわちミオシリン(MYOC)を同定した(Leung他、425〜39)。MYOC突然変異が緑内障を引き起こすことが最近明らかにされている(Alward他、1022〜27;Fingert他、899〜905;Stone他、668〜70)。興味深いことに、MYOCは、アマンタジンで治療したラット由来の網膜では2.58倍アップレギュレートされていることが判明した。ステロイド誘発性緑内障の発症に関係する遺伝子を同定するために、2つのグループが、デキサメタゾンで処理した培養TM細胞について遺伝子発現解析研究を行った。両研究とも、デキサメタゾン処理によってMYOCとインシュリン様成長因子結合タンパク質2型(IGFBP2)がアップグレードされていること、またアスパラギン合成酵素がダウンレギュレートされていることを確認した(Ishibashi他、3691〜97;Leung他、425〜39)。これらの遺伝子の同様な調節が、アマンタジンで治療したラット由来の網膜において確認された。遺伝子発現変化が、デキサメタゾンによって引き起こされた障害に対する保護効果なのかあるいはその障害の結果なのかは、この時点では明らかでない。この点を明らかにするために、いっそうの研究が必要である。しかし、これらの変化が保護的なものであるとすれば、この結果は、アマンタジンがIOPの上昇によって引き起こされる網膜障害の保護薬として有用であるとする仮説を強化するものとなろう。
アクアポリンは、水輸送タンパク質であり、IOPの調節及び網膜シグナル伝達などの、膜関門を通過する体液輸送に関わる眼の機能の多くの面において役割を果たしている(Verkman、137〜43)。アクアポリン1及び4(AQP1及びAQP4)の両者とも、アマンタジン治療後にアップレギュレートされることが判明した。AQP4は網膜シグナル伝達において重要であることが明らかになっており、AQP1はTM細胞の維持に関与していることが判明している(Verkman、137〜43)。アマンタジンによるこれら遺伝子のアップレギュレーションは、アマンタジンがIOP上昇の治療において果たす役割を示唆するものである。
グルタミン酸塩は、哺乳類の中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり、過剰レベルのグルタミン酸塩は緑内障の病因に関連づけられている(Naskar、Vorwerk及びDreyer、1940〜44)。正常な状態では、グルタミン酸輸送体は、グルタミン酸塩を迅速に細胞内空間に輸送して眼における生理学的濃度を維持する(Nicholls及びAttwell、462〜68)。これまで、5つの興奮性アミノ酸輸送体が、神経系におけるグルタミン酸クリアランスに関与していることが確認されている。具体的には、EAAT1が網膜で見つかっている(Rauen、Rothstein及びWassle、325〜36)。このグルタミン酸輸送体の発現は、緑内障において減少することが判明している(Naskar、Vorwerk及びDreyer、1940〜44)。重要なことは、この輸送体(SLC1A3としても知られる)が、アマンタジンで治療した動物由来の網膜においてアップレギュレートされていることが分かったことである。これら遺伝子のアップレギュレーションによって輸送体の発現が増加し、硝子体液内に見られるグルタミン酸塩が減少するであろうと考えられる。
輸送体だけでなく、グルタミン酸産生に関与しているその他の遺伝子も、アマンタジンによる治療後に弁別的に発現することが判明した。具体的には、アスパラギン合成酵素(ASNS)が、アマンタジンによる治療後にダウンレギュレートされていることが判明した。ASNSは2つの生化学的反応、すなわち、(1)アスパラギン酸塩のアスパラギンへの変換並びに(2)アスパラギン酸塩及びグルタミン酸のアスパラギン及びグルタミン酸塩への変換、の触媒作用に関与している。ASNSの発現が減少するとグルタミン酸塩保護が低下することになり、それによって網膜は過剰なグルタミン酸塩の毒性から解放される。ASNSの他に、アルギノコハク酸合成酵素(ASS)がアマンタジンによる治療後にアップレギュレートされていることが判明した。ASSはアスパラギン酸塩のアルギニンへの変換に関与しているが、これが産生されるグルタミン酸塩の量に間接的に影響しているのではないかと考えられる。ASSの発現を増やすことで利用できるアスパラギン酸塩がアルギニンに変換され、それによってグルタミン酸塩への変換に利用できるアスパラギン酸塩の量が減るのではないかと考えられる。
また、アマンタジンは、炭酸脱水酵素(CA)ファミリーのメンバーであるCA4をダウンレギュレートする。CA4は、CO及び重炭酸塩の輸送において機能上重要な物質であり、角膜内皮の細胞外部分に存在する膜結合型酵素である。緑内障で重大なできごとは、COとOHから触媒によりHCOが産生することである。したがって、アマンタジンはCA4の発現を減少させることによって、HCOの産生を阻害する可能性があり、ひいては水の生成を減らし緑内障患者の眼内圧を低下させる可能性がある(Maren、1976;同上)。したがって、先に示した結果は、網膜変性症を予防するための高眼内圧の治療にアマンタジンを使用し得ることを明白に証明するものである。
3.3 糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫
糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫は、糖尿病患者によく起こる微小血管合併症であり、視力を急激に弱体化させ、ついには失明に至ることがある(Ciulla、Amador及びZinman、2653〜64)。先進国においては、糖尿病性網膜症は生産年齢人口(20〜74歳)の失明の第一の原因とされており、毎年新たに生じる失明の12%は糖尿病性網膜症が原因である(Ciulla、Amador及びZinman、2653〜64)。10年間で、糖尿病性黄斑浮腫は糖尿病を患う米国人の10〜14%に発生すると考えられる(Klein、Klein及びMoss、796〜801)。糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫の特徴は、網膜血管が異常成長し、その結果、黄斑部での網膜が厚くなり、また拡張した血管透過亢進性毛細血管及び微細血管瘤からの血液の漏出により血液網膜柵が破綻することである(Ciulla、Amador及びZinman、2653〜64)。内血液網膜柵が破綻すると、黄斑部に細胞外液が蓄積し、ついには高IOPに至る(Antcliff及びMarshall、223〜32)。さらに、糖尿病の高グリシン血症により、網膜に細胞内のソルビトール及びフルクトースが蓄積する(Gabbay、521〜36)。それに続く網膜の浸透圧バランスの崩壊は細胞損傷に至るとされており、他の合併症の中でも、血液網膜柵の完全な状態が失われるという点で重要である(Gabbay、521〜36)。
先に記載のように、アマンタジンは、早期細胞死からの細胞の保護に関与する遺伝子を誘発し、またアクアポリン、タウリン、及び浸透圧の恒常性維持に関与しているその他多くの溶質キャリア輸送チャンネルの発現を誘発する。したがって、これら遺伝子のアップレギュレーションは、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫によって引き起こされる障害から網膜を保護するのに役立つと考えられ、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫の治療にアマンタジンを使うことを支持するものと考えられる。
3.4 加齢黄斑変性症
黄斑変性症は、黄斑の変性による中心視の発達性損失を引き起こす網膜変性疾患である。黄斑変性症の発生進展のリスクは、年齢と共に高まる。黄斑は、眼に見える細部を識別する働きを担っている網膜の中心部である。光受容体とも呼ばれる網膜の受光細胞は、光を電気インパルスに変換し、次いでそのインパルスを視神経を介して脳に伝達する。
黄斑変性症には、ドライ型とウェット型の2種類ある。ドライ黄斑変性症は、全症例の90%を占める。また、ドライ黄斑変性症は、萎縮型、非滲出型又はドルーゼ型黄斑変性症と呼ばれることもある。ドライ黄斑変性症の場合、ドルーゼと呼ばれる黄白色の沈着物が、黄斑の下の網膜色素上皮(RPE)組織に蓄積する。ドルーゼ沈着物は光受容体細胞の老廃物から成る。理由は分かっていないが、RPEが老廃物を処理する能力を失うことがある。その結果、ドルーゼが蓄積する。このような沈着物が網膜の光受容体の機能を損ない、それら細胞の発達性変性を引き起こしていると考えられる。
ウェット黄斑変性症は全黄斑変性症症例の10%を占める。ウェット黄斑変性症は、脈絡膜新血管新生型、網膜下新血管新生型、滲出型又は円板型変性症とも呼ばれる。ウェット黄斑変性症では、黄斑の下に異常な血管成長が生じる。このような血管から血液及び液が網膜に漏れ出し、光受容体細胞を損傷する。ウェット黄斑変性症は急速に進行する傾向があり、中心視に重い障害を引き起こすことがある(Fighting Blindness http://www.blindness.org/により提供された情報)。
近年、黄斑変性症の治療法の開発は少なからぬ進歩をとげてきた。レーザー光凝固法は、ウェット黄斑変性症の一部の症例では(周辺CNV−脈絡膜新血管新生黄斑変性症)好ましい治療法である。
先に記載のように、アマンタジンは、凝固経路に関与する遺伝子(CD44、F3、IRF1、PLA2G4A及びVEGF)の発現をアップレギュレートする。
VEGFとCD44抗原は、レーザー光凝固法による治療後3〜5日に最大量誘発されることが明らかになっており、RPE、脈絡膜血管内皮及び炎症細胞に限局していた(Shen他、1063〜71)。
F3(組織因子)は凝固カスケードに関与していることが分かっている。F3は、通常血管の外傷によって外因系の活性化が開始されるときに放出され、また因子Xの因子VIIa触媒による活性化における補因子である(Frederick他、397〜417)。PLA2G4A(細胞質ホスホリパーゼA2)は、膜リン脂質からのアルキドン酸の放出を触媒する。アラキドン酸は、血行動態の調節、炎症反応及びその他の細胞プロセスに関与している、集合的にエイコサノイドとして知られる多種類の生物学的エフェクターの前駆体としての役割を果たす。アラキドン酸の放出によってトロンボキサンB2(トロンボキサンA2の水和最終産物)、すなわち重要な内因性血小板アクチベーター及び血管組織の収縮作用物質が増加する(Rao、263〜75)。
また、正常な角膜に比べ、血管新生した角膜ではIRF1(インターフェロン調節因子1)がダウンレギュレートされていることが明らかになっている。IRF1は、インターフェロンアルファ及びベータ(血管新生インヒビター)転写のアクチベーターとしての役割をする。さらに、IRF1がアポトーシス及び腫瘍抑制においても役割を果たしていることが明らかになっている(Kroger他、1045〜56)。
要するに、これら遺伝子のアップレギュレーションは、毛細血管からの血液の漏出や微小動脈瘤の形成を伴う血液網膜柵の破綻の影響を最小化するのにアマンタジンが有用であることを示唆するものである。
また、アマンタジンは、血管新生/血管新生抑制活性を有する幾つかの遺伝子、具体的にはSulf、IRF1、RBP1、RBP4、TIMP−3及びVEGFをアップレギュレートする。HSulf−1は、細胞表面の硫酸化を減少させるヘパリン分解エンドスルファターゼである。卵巣癌細胞系におけるHSulf−1発現が、細胞増殖を減弱させまたアポトーシス誘発の感受性を減弱させることが明らかになっている(Lai他、23107〜17)。ヘパリナーゼが血管新生インヒビターであることは知られており、したがってアマンタジンが、HSulf−1遺伝子発現を増強することによって新血管新生と毛細血管内皮細胞の増殖の両方を阻害する可能性がある(Sasisekharan他、1524〜28)。
メタロプロテアーゼ3組織インヒビターは非常に良く知られている血管新生阻害物質である。最近の研究によって、TIMP3の血管内皮因子(VEGF)媒介血管新生阻害活性が証明されており、それが生じる機序、すなわちTIMP3がVEGFのVEGF受容体2への結合を妨げ、下流のシグナル伝達及び血管新生を阻害することが確認されている(Qi他、407−15)。一方で、VEGFはアップレギュレートされており、血管新生分子としての役割を果たしていることが知られているが、VEGFは、血管新生抑制性と考えられているIP−10ケモカイン発現を誘発することが明らかになっている(Lin他、79〜82)。アマンタジンがTIMP3及びVEGF遺伝子発現に及ぼす総合的な影響が、最終的なアマンタジンの血管新生阻害効果に寄与している可能性がある。また、2つのレチノール結合タンパク質がアップレギュレートされているが、これらのタンパク質は血液中のレチノール(ビタミンAアルコール)特異的キャリアである。したがって、それらタンパク質をアップレギュレートすることにより、より多くのレチノールが最終標的組織に送達されることになり、その組織においてアマンタジンの血管新生阻害活性が解明できることになる(Pal他、112〜20)。
結論として、血管新生/血管新生抑制活性を伴う、アマナタジンによる上記遺伝子発現のアップレギュレーションは、加齢黄斑変性症によって生じる障害から網膜を保護するのに役立っており、このことは、前記眼疾患の治療にアマンタジンが使えることを示唆するものである。
3.5 網膜色素変性症、桿体/錐体変性、早発性網膜変性症及び脈絡膜硬化症
網膜色素変性症(RP)は、網膜をおかす一群の遺伝性眼疾患につけられる病名である。網膜色素変性症は、発達性の視力低下をもたらす、光受容体(桿状体及び錐状体)細胞又は網膜色素上皮(RPE)の変性を引き起こす。その他の遺伝性疾患でもRPの一部の症状が現れる。これらの状態の一部に、視力低下だけでなく他の症状が合併している。これら遺伝性疾患で最も一般的なものはアッシャー症候群であり、この疾患は聴力低下及び視力低下をもたらす。その他まれに起こる症候群の例としては、バルデ−ビードル(ローレンス−ムーン)症候群、ベスト病、脈絡膜欠損症、脳回転状萎縮、レーベルの先天性黒内障及びスターガールト病が挙げられる。光視症(閃光の感覚)の初期症状、中心視異常、色覚異常又は眼の使い方に著しい非対称性を有する人はRPではなく、桿体/錐体変性及び脈絡膜硬化症などの他のレチノイド回路に関連する網膜変性症又は網膜疾患である可能性がある(Fighting Blindness http://www.blindness.org/により提供された情報)。
表6に示すように、アマンタジンは、LRAT、RPE65、RBP1/CRABP−1、RBP4、RGR及びTTRなどの、レチノイド回路に関与している幾つかの遺伝子をアップレギュレートする。網膜色素上皮(RPE)は、網膜光受容体細胞の外表面に位置する一層の単純な上皮細胞である。そして、レチノイド視覚回路、光受容体外節円板食作用及びリサイクリングなどの多くのRPE特異的機能を含め、光受容体細胞を持続的に維持するために必須である網膜外層代謝の多くに面に関与している。Hamel他(1993)は、RPEで発現するユニークなRPE特異的ミクロソームタンパク質、RPE65の特徴付けを行い、クローンした。RPE65遺伝子の破壊が、網膜色素上皮における全トランス型レチニルエステルの重度の蓄積、11シス型レチナールの欠乏及びそれに伴うロドプシンの欠乏、そして最終的に失明をもたらすことが明らかになっている。したがって、網膜におけるRPE65遺伝子の発現を増強するアマンタジンの効果は、RP又はLCA患者のRPE変性予防に役立つことになろう。
また、アマンタジンはLRAT、RBP1/CRABP−1、RBP4、RGR及びTTRをアップレギュレートする。これらの遺伝子は、網膜色素上皮において、主として脈絡膜抹消循環への全トランス型レチノールの供給、トランス型レチナールのシス型レチナールへの異性化、及びレチノールのレチニルエステルへのエステル化に関与している。
アマンタジンは、タンパク質sp:P47804(ヒト)RGR_ヒトPRE網膜Gタンパク質結合受容体に類似のラット転写配列である、プローブセット1389473_のシグナルを増強する。視覚回路において重要なステップは、RPEにおける全トランス型レチナールの11シス型レチナールへの異性化であり、RGRタンパク質は大部分が内因性の全トランス型レチナールに結合する。すなわち、in vitroでのRGRの暴露によって、結合全トランス型異性体は11シス型レチナールに立体異性変換される。RGRをコードするヒト遺伝子における突然変異は、網膜色素変性症及び脈絡膜硬化症と関連している(Chen他、256〜60)。
もう1つの重要な遺伝子は、ホスファチジルコリン(PC)のアシル部分を転移することによってレチニルエステルを合成する、レシチンレチノールアシル転移酵素(LRAT)である。LRATにおける突然変異もまた、レーベルの先天性黒内障(LCA)及び早発性網膜変性症と関連がある(Thompson他、123〜24)。さらに、アマンタジンによってアップレギュレートされるレチノイド結合タンパク質及びトランスサイレチンは、血中レチノールの標的組織への輸送、及び腎臓中レチノールの濾過の予防に関与しているという報告がある(Kuksa他、2959〜81;Wei他、866〜70)。
結論として、アマンタジンは、RPEにおける化学反応にとって非常に重要な基質の送達及び利用を向上させることによって、また、網膜変性症、桿体/錐体変性、早発性網膜変性症及び脈絡膜硬化症などの特異的変性疾患に欠けている遺伝子をアップレギュレートすることによって、レチノイド回路に関連する眼疾患において重要であると報告されている遺伝子の発現を調整するのである。
アマンタジンによる治療を受けた網膜又はラットにおける遺伝子発現変化の本発明者等の発見は、多数の眼疾患の治療におけるアマンタジンの利点を強固に裏付けるものである。
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Claims (56)

  1. 視神経線維の減少、網膜脈管構造の崩壊、網膜障害、網膜新血管新生、網膜色素変性症、脈絡膜硬化症、加齢黄斑変性症、及び桿体/錐体変性から成る群から選択される少なくとも1つの眼疾患を治療又は予防する方法であって、
    有効量のアマンタジンを、それを必要としている患者に体内投与することを含む方法。
  2. 前記眼疾患が、
    網膜色素変性症、脈絡膜硬化症、加齢黄斑変性症及び緑内障のうちの少なくとも1つが原因である視神経線維の減少、
    糖尿病性網膜症、脈絡膜硬化症、加齢黄斑変性症及び緑内障が原因である網膜脈管構造の崩壊、
    眼内圧の上昇、身体的外傷、レーザー治療、網膜虚血、光、糖尿病及び遺伝的素因のうちの少なくとも1つが原因である網膜障害、並びに
    光、レーザー治療及び遺伝的素因のうちの少なくとも1つが原因である桿体/錐体変性
    のうちの少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
  3. 前記アマンタジンの投与が、経口投与、非経口投与、眼内投与、硝子体内投与、脈絡膜内投与及び眼の局所投与のうちの少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
  4. 視神経線維機能の低下を防ぐ方法であって、CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  5. 前記薬剤が、同時にPDCD8及びTRADDの遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をダウンレギュレートする請求項4に記載の方法。
  6. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項5に記載の方法。
  7. 前記薬剤がアマンタジンである請求項6に記載の方法。
  8. これだけに限らないが、眼内圧(IOP)の上昇による網膜障害などの網膜障害から患者を防護する方法であって、
    MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  9. 前記薬剤が、同時にASNS遺伝子の発現をダウンレギュレートする請求項8に記載の方法。
  10. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項8に記載の方法。
  11. 前記薬剤がアマンタジンである請求項10に記載の方法。
  12. 網膜新血管新生及び網膜虚血のうちの少なくとも1つから患者を防護する方法であって、
    TIMP3、TIMP2、SULF1,IF1,RBP1及びRBP4の各遺伝子のうち少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  13. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項12に記載の方法。
  14. 前記患者が、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫及び腫瘍形成のうちの少なくとも1つを患っている請求項12に記載の方法。
  15. 網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物の遺伝子発現プロファイルと被験物質で治療した動物の遺伝子発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、CRX、クリスタリン、カベオリン、AKT1、SLC6A6、MYOC、SLC1A3、ASS、IGFBP2、TIMP3及びアクアポリンの各遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子のアップレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法。
  16. 前記有効量が、CRX遺伝子の発現を少なくとも約2.65倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  17. 前記有効量が、少なくとも1つの型のカベオリン遺伝子の発現を少なくとも約1.99倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  18. 前記有効量が、少なくとも1つの型のクリスタリン遺伝子の発現を少なくとも約3.83倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  19. 前記有効量が、AKT1遺伝子の発現を少なくとも約1.69倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  20. 前記有効量が、HSPA1A遺伝子の発現を少なくとも約1.82倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  21. 前記有効量が、SLC6A6遺伝子の発現を少なくとも約2.89倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  22. 前記有効量が、アクアポリン遺伝子の発現を少なくとも約1.68倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  23. 前記有効量が、MYOC遺伝子の発現を少なくとも約2.58倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  24. 前記有効量が、SLC1A3遺伝子の発現を少なくとも約2.94倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  25. 前記有効量が、IGFBP2遺伝子の発現を少なくとも約2.13倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  26. 前記有効量が、ASS遺伝子の発現を少なくとも約2.56倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  27. 前記有効量が、TIMP3遺伝子の発現を少なくとも約2.34倍アップレギュレートするのに有効な量である請求項15に記載の方法。
  28. 網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、未治療の実験動物の遺伝子発現プロファイルと被験物質で治療した動物の遺伝子発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、PDCD8、TRADD及びASNSの各遺伝子から成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子のダウンレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法。
  29. 前記有効量が、ASNS遺伝子の発現を少なくとも約2.12倍ダウンレギュレートするのに有効な量である請求項28に記載の方法。
  30. 前記有効量が、PDCD8遺伝子の発現を少なくとも約1.73倍ダウンレギュレートするのに有効な量である請求項28に記載の方法。
  31. 前記有効量が、TRADD遺伝子の発現を少なくとも約1.75倍ダウンレギュレートするのに有効な量である請求項28に記載の方法。
  32. 網膜脈管構造を維持する方法であって、
    CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  33. 前記薬剤が、同時に、PDCD8遺伝子及びTRADD遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をダウンレギュレートする請求項32に記載の方法。
  34. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項32に記載の方法。
  35. 網膜障害から患者を防護する方法であって、
    MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  36. 前記薬剤が、同時に、ASNSタンパク質の発現をダウンレギュレートする請求項35に記載の方法。
  37. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項35に記載の方法。
  38. 網膜血管新生から患者を防護する方法であって、
    TIMP2及びTIMP3の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子によるタンパク質発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  39. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項38に記載の方法。
  40. 網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、
    未治療の実験動物のタンパク質発現プロファイルと被験物質で治療した動物のタンパク質発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、CRX、クリスタリン、カベオリン、AKT1、SLC6A6、MYOC、SLC1A3、ASS、IGFBP2、TIMP3及びアクアポリンの各タンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質のアップレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法。
  41. 網膜神経保護薬として開発される医薬品開発候補物質を同定する方法であって、
    未治療の実験動物のタンパク質発現プロファイルと被験物質で治療した動物のタンパク質発現プロファイルとを比較することを含み、前記被験物質が、PDCD8、TRADD及びASNSの各タンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質のダウンレギュレーションに関連している場合に、その被験物質を、網膜神経保護薬として開発される開発候補物質であると見なす方法。
  42. 眼疾患の治療又は予防用治療薬に対し規制当局の承認を得る方法であって、
    前記治療薬が、
    CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、
    PDCD8及びTRADDの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のダウンレギュレーション、
    MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、
    ASNS遺伝子の発現のダウンレギュレーション、
    TIMP3、TIMP2、SULF1及びIRF1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、
    LRAT、RBP1;CRABP−1、RBP4、RPBE65及びTTRの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、並びに
    CA4遺伝子の発現のダウンレギュレーション
    のうちの少なくとも1つを起こすことを立証するデータを、規制所管機関に提供することを含む方法。
  43. 前記薬剤が、視神経の減少の抑制及び網膜脈管構造の維持のうちの少なくとも一方のためのものであって、前記データは、前記薬剤が、
    CRX、カベオリン、クリスタリン、AKT1、HSP1A、SLC6A6及びアクアポリンの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、並びに
    PDCD8及びTRADDの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のダウンレギュレーション
    のうちの少なくとも1つを起こすことを立証するものである請求項42に記載の方法。
  44. 前記薬剤が、IOPの上昇による網膜障害防護のためのものであって、前記データは、前記薬剤が、
    MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、並びに
    ASNS遺伝子の発現のダウンレギュレーション
    のうちの少なくとも1つを起こすことを立証するものである請求項42に記載の方法。
  45. 前記薬剤が、網膜血管新生から患者を防護するためのものであって、前記データは、前記薬剤が、TIMP3及びTIMP2の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートすることを立証するものである請求項42に記載の方法。
  46. 前記薬剤が、レーザー治療及び網膜虚血のうちの少なくとも1つによる網膜障害防護のためのものであって、前記データは、前記薬剤が、
    MYOC、SLC1A3、IGFBP2、ASS、クリスタリン、SLC6A6、アクアポリン及びGAD1の各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、
    ASNS遺伝子の発現のダウンレギュレーション、又は
    両方を起こすことを立証するものである請求項42に記載の方法。
  47. 前記薬剤が、光及び遺伝性素因のうちの少なくとも1つによる網膜障害防護のためのものであって、前記データは、前記薬剤が、
    LRAT、RBP1/CRABP−1、RBP4、RPE65及びTTRの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現のアップレギュレーション、
    CA4遺伝子の発現のダウンレギュレーション、又は
    両方を起こすことを立証するものである請求項42に記載の方法。
  48. レーザー治療及び網膜虚血障害のうちの少なくとも1つから患者を防護する方法であって、
    TIMP3、TIMP2、SULF1、IRF1、RBP1、RBP4、F3、CD44、IRF1、PLA2G4A及びVEGFBの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  49. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項48に記載の方法。
  50. 前記薬剤が、アマンタジンである請求項49に記載の方法。
  51. 前記患者が、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑変性症及び虚血性網膜症のうちの少なくとも1つを患っている請求項48に記載の方法。
  52. 光及び遺伝的素因による障害のうちの少なくとも1つから患者を防護する方法であって、
    LRAT、RBP1/CRABP−1、RBP4、RPE65及びTTRの各遺伝子のうちの少なくとも1つの遺伝子の発現をアップレギュレートする薬剤を有効量投与することを含む方法。
  53. 前記薬剤が、アダマンタン及びアダマンタン誘導体のうちの少なくとも1つである請求項52に記載の方法。
  54. 前記薬剤が、アマンタジンである請求項53に記載の方法。
  55. 前記患者が、網膜色素変性症における桿体/錐体の減少、桿体/錐体ジストロフィー及び脈絡膜硬化症のうちの少なくとも1つを患っている請求項52に記載の方法。
  56. 前記薬剤が、同時に、CA4遺伝子の発現をダウンレギュレートする請求項52に記載の方法。
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