JP2008506105A - 分光担体 - Google Patents

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Abstract

多孔質サンプル担体はマトリクスを提供し、その細孔又は格子間空間中には分光分析に供されるべきサンプルが導入され得る。次いで、2D赤外分光法が、より高い濃度のサンプルについて、最小化されたバックグラウンド放出で実行され得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分光担体(support)に関する。
本発明は、分光担体,例えば、二次元赤外分光法で使用される分光担体,に関する。
一連の分光学的アプローチは、2以上の二準位系のカップリングの調査で知られている。1つの公知のアプローチは、二次元核磁気分光法(2D−NMR)である。そのようなシステムの一例は、Friebolinの“Basic one− and two−dimensional NMR spectroscopy” 2nd edition (April 1993) John Wiley & sonsに記載されている。NMRは、よく知られているように、磁性核の外部磁場との相互作用に依拠している。NMRスペクトル中に密集したデータを展開するために2D−NMRが開発された。典型的な2D−NMRスキームでは、サンプルは、遅延間隔によって分離された第1及び第2励起パルスに曝される。サンプル内での相互作用、特にはスピン−スピンカップリングのために、第2励起パルスから得られる情報は、第1励起パルスから得られる情報とは異なっており、余次元(extra dimension)を提供する。各励起パルスからの時間スペクトルにフーリエ変換が適用されて、各々の周波数スペクトルを得る。それら周波数スペクトルは直交軸上にプロットされて、曲面(surface)を得る。その曲面上のピークは、サンプル内での相互作用に関する追加情報(additional information)を提供する。
2D−NMRプロットは、分子構造を決定するのに使用され、溶液中の成分を同定するための独特で特徴的な形状(「フィンガープリント」)を提供する。化学、生物学、及び他の分野においては、分子の複雑な混合物の分析への極めて多くの適用がある。しかしながら、2D−NMRは、感度を欠いており、検出限界は、典型的には、1014〜1018分子のオーダである。加えて、2D−NMRは、時間領域において制限された分解能しか提供しない。
他の公知の分光分析法では、2D−NMR分光分析で使用されているのと類似の技術は2D振動又は赤外(IR)分光法で採用されており、そこでは、原子又は分子の振動モードが励起される。そのような1つの公知技術は、Woutersenらの“Structure Determination of Trialanine in Water Using Polarization Sensitive Two−Dimensional Vibrational Spectroscopy” J.Phys.Chem. B104, 11316−11320, 2000に記載されている所謂「ポンプ−プローブ」技術である。さらに、例えば、Hammらの“The two−dimensional IR non−linear spectroscopy of a cyclic penta−peptide in relation to its tree−dimensional structure” Proc.Nat.Acad.Sci. 96. 2036, 1999に記載されているように、2D−IRポンプ−プローブ試験が行われている。
公知の2D−IRシステムによると、第1のポンプパルスにプローブパルスが続き、結果として得られる周波数スペクトルが各々の軸上にプロットされ、サンプル中の振動−振動相互作用に関する情報を表す曲面を提供する。カップリングされた何れの二準位量子系も数学的記述は本質的には同一であるので、2D−NMRで使用される分析原理及び技術の多くは、2D−IR分光法に適用可能である。しかしながら、検出感度は入力レーザノイズによって極度に制限され、その結果は大きなバックグラウンド信号上での極めて小さな変化,特には、サンプルの光学濃度における小さな変化によって生じる入射ビーム強度における同様の小さな変化,しか示さない。その結果、当該成分の濃度への感度が非常に低い。
原理的には、2D光学分光法も、純粋電子及び振動状態間並びに電子状態間のカップリングの測定を可能とする。これは、特には、遷移金属錯体及び多数の弱い電子状態がスペクトルの赤外領域に存在し得る化合物の研究に関係している。
幾つかの例では、励起及び検出波長が中間赤外にあるという他の問題を生じ、それゆえ、その領域において不十分にしか機能しない検出器及びサンプル自体からの高いバックグラウンドの問題に見舞われる。
2D赤外分光技術における更なる改良は、継続中の独国特許出願第0326088.2号に記載されており、それは、ここに参照により組み込まれる。その出願に記載されたアプローチによると、サンプルは赤外励起源によって励起され、その系の振動間相互作用は二次元情報を得ることを可能とする。その励起源及び/又はサンプルパラメータは、ホモダインよりはむしろヘテロダイン検波を可能とするように調整され、検出された信号は、検出された出力場が濃度に対して有効に直線的に変化するように処理される。その結果、ホモダイン検波と比較して遥かに低濃度の分析が可能である。
既存のアプローチが有している問題は、サンプルが溶液中に提供されがちであることにある。その結果、サンプルは、低濃度でしか存在しない。加えて、その溶媒は、有用な信号を埋没させ得る高いIRシグネチャーを有している傾向にある。
本発明は、請求の範囲に記述されている。
多孔質体の形態のサンプル担体の提供により、サンプルを細孔中に支持させ、高濃度のサンプルを得ることができる。そのうえ、IRサイレント(silent)材料(すなわち、当該スペクトル領域において低いIRシグネチャーを有している材料)の担体への選択が可能であり、その結果、バックグラウンド放射の寄与を最小化することができる。さらに、サンプル担体としての固体状態のマトリクスの提供は、材料を調整してヘテロダイン検波をエンハンスすることを可能とする。更なる利益は、バックグラウンド信号を与える光学窓の必要性を排除すること、サンプルを濃縮するためのフィルタとして多孔質材料を使用する潜在能力、単純なエバネッセント波検出幾何を可能とすること、及び、現在、タンパク質の分離に広く使用されているポリアクリルアミドゲルのような予備分離マトリクスとして多孔質材料自体を使用し得る可能性を含んでいる。
例示の目的で、本発明の幾つかの態様を、図面を参照しながら説明する。そこでは、
図1は、分光法を実施するための装置を示している。
概略的には、多孔質サンプル担体はマトリクスを提供し、その細孔又は格子間空間(interstitial space)中には分光分析に供されるべきサンプルが導入され得る。次いで、2D赤外分光法が、より高い濃度のサンプルについて、最小化されたバックグラウンド放出で実行され得る。
二次元赤外分光サンプル担体は、1nm乃至10μmに及ぶ細孔径を有する多孔質マトリクスを備えている。そのマトリクスは、レーザビームのスペクトル領域において、光学的に透明であるか又は低い吸収を有していてもよく、必須ではないが好ましくは低散乱性である。特には、マトリクスは、サンプルに当る全ての波長で光学的に透明であってもよい。マトリクスは、好ましくは、ポリマー、有機又は無機マトリクスを備えている。
本発明のマトリクスは、当該化合物はその中に吸収されるが細孔による光散乱を最小化するのに十分に小さい直径の細孔を備えている。それら細孔は、1nm乃至10マイクロメートルに、より好ましくは1nm乃至1マイクロメートルに及んでいてもよい。細孔径/細孔直径の変更は、分子,例えば当該タンパク質,の選択的な取り込みを可能とすることがわかるであろう。マトリクスは、必須ではないが、好ましくは弱散乱性である。マトリクスの多孔質性は、サンプルの高い担持量を可能とし、何れの分子サンプルの分析にも特段に有利な濃度効果を提供する。それゆえ、本発明の方法は、従来から公知のサンプル調製技術を顕著に上回る利益を提供する。
マトリクスは、IR領域において光学的にサイレントであるか又は小さな信号のみを与え、サンプルの正確な検出を可能とする。そのうえ、マトリクスは、好ましくは、核酸やタンパク質などの生物学的サンプルに適合し、必要であれば、それらサンプルが本来の(すなわち、非変性の)形態及び/又は活性な形態で観測されるのを可能とする。変性マトリクス(denaturing matrices)が、アミノ酸のリン酸化状態の検出などの特定の応用で使用されてもよい。
本発明の特に好ましい特徴において、マトリクスは無機マトリクスであり、より好ましくは金属酸化物多孔質膜である。その膜は、好ましくは、300nm乃至12μmの厚さで提供される。本発明のための金属酸化物膜は、メソ孔(mesoporous)ナノ結晶質金属酸化物を備えている。特には、金属酸化物は、ZnO2、ZrO2、TiO2、SiO2、SnO2、CeO2、Nd25、WO3、SrTiO3又はそれらの混合物から選択され、好ましくはTiO2である。その膜は、好ましくは、5乃至50nmの主要径(typical diameter)を有するナノメートルサイズの結晶質粒子を備えており、それら密に充填された粒子は、高い表面積を提供するメソ孔構造を形成している。
TiO2膜などのメソ孔ナノ結晶質金属酸化物膜は、高い表面積とスペクトルの赤外領域における優れた光学的透明性とを有している。それゆえ、これら金属酸化物膜は、光学的検出での使用に特に有用である。
或いは、マトリクスは、透明ポリマー膜を備えていてもよい。好ましくは、本発明のポリマーは、ポリアクリルアミド又はアガロースゲルを供えている。そのようなポリマー膜の使用は、赤外分析に先立って、例えば電気泳動による複数の化合物の混合物の分離を可能とする。
マトリクスは、共吸着されたサンプル又は大気水の大部分が室温での蒸発によって又は加熱によってサンプルから除去されるのを可能とする。水は強いバックグラウンド信号を生じるので、水含量を低減する能力は有利である。タンパク質によってTiO2膜上に共吸着された水の多くは、室温で蒸発する。
マトリクスは、基材(substrate)上に支持されていてもよい。そのような基材は、好ましくは、高分子ガラスマトリクス、珪酸ガラスマトリクス、サファイア、MgF2又はCaF2から選ばれる。
本発明は、さらに、二次元赤外分光サンプル担体及びそれと接触したサンプルを備えた二次元赤外分光サンプルプレパラート(preparation)に関する。サンプルは、担体に吸収されてもよく、担体の上面上に保持されてもよい。サンプルは、イオン相互作用、共有相互作用又は非共有相互作用(例えば、ファンデルワールス相互作用)によって担体に保持されるか又は吸収されてもよい。
本発明のサンプルは、好ましくは、1つ以上の有機分子、タンパク質、核酸、多糖類又はそれらの断片を備えている。本発明は、特には、1つ以上の有機分子、1つ以上のタンパク質、1つ以上の核酸、又は1つ以上の多糖類の混合物の分析へと向けられている。本発明において、タンパク質という用語は、ポリペプチド、抗体、酵素及びそれらの断片を包含している。
サンプルのサンプル担体マトリクスとの相互作用がサンプルの特性とサンプル担体マトリクスの特性とに依存することは、当業者にはわかるであろう。それゆえ、サンプル担体マトリクスがTiO2である場合、その負に帯電したマトリクスは、全体的に正電荷を有するタンパク質又は一点に集中して正電荷を有するタンパク質と強く相互作用するであろう。しかしながら、TiO2マトリクスの負に帯電したタンパク質との相互作用は弱いかも知れない。このために、本発明は、追加のポリマーがマトリクスに加えられた改質サンプル担体を提供する。例えば、ポリリジン(好ましくはポリ−L−リジン)部分などの正に帯電したポリマーのTiO2マトリクスへの追加は、マトリクスと負に帯電したタンパク質や核酸などの負に帯電した分子との間の改良された相互作用を可能とする。そのようなポリマーの追加は、マトリクスの特性を改質して、例えば、親油性又は疎水性の環境を疎水性又は親油性タンパク質(膜タンパク質など)に提供することにより、サンプルにとってより好適な環境を提供し得る。
サンプル及び担体は、熟練した読者には明白なように、何れの適当な形態でも分光分析で使用され得る。理解し易いように、前述した係属中の独国出願第0326088.2号に記載されているタイプの分光装置中でサンプル担体を使用する1つの可能な実施を説明する。
図1を参照すると、その装置は、一般には、サンプル担体10、典型的には赤外帯の放射線を放出するレーザを備えた励起源12,18、及び検出器14を含むものとして示されている。チューナブルレーザ12及び18は、各々が1000cm-1から16000cm-1まで変化する波長/波数を有する励起ビームを放出し、それらは、サンプルの分子構造の1つ以上の振動モードを励起し、周波数を調整(tuning)すること又は変動時間遅延(variable time delay)を提供することにより多次元データを可能とする。795nmの第3の固定周波数ビームは、第3レーザ16によって発生させられ、出力又は読出しを効果的に散乱した入力ビームの形態で提供し、サンプル10の構造との相互作用によって周波数がシフトする(厳密には、第4ビームとして発生する)。検出信号は、典型的には、電磁スペクトルの可視又は近赤外部,例えば740nm,にあり、1eV以上のエネルギーのフォトンを備えている。多次元データを得るために、サンプルは、周波数領域において離れている連続したビームによって励起される。しかしながら、何れの適当な多次元分光技術も、例えば、周波数領域というよりはむしろ又は周波数領域に加えて時間領域において入力を変化させること、或いは、ここに参照により組み込まれるZhao,Wrightの“Spectral Simplification in Vibrational Spectroscopy using Doubly Vibrationally Enhanced Infrared Four Wave Mixing”, J.Am.Chem.Soc. 1999, 121, 10994−10998に記載されているような配置によって採用され得る。同様に、何れの次元数も時間領域における追加のパルスによって又は周波数領域における追加の周波数によって得ることができ、2以上の振動状態が励起され得る。透過スキームを示しているが、適当であれば、反射スキーム(サンプルが検出ビームを反射する)又は読出ビームがマトリクスの内部全反射角より大きいエバネッセントスキームが採用され得る。加えて、1つのサンプルスポットから他のスポットまで基材を横切って励起ビームが走査される走査スキームが実施され得る。
改良された感度を得るために、装置のパラメータは、ヘテロダイン検波が達成されるように変化させられる。これは、例えば更なる励起レーザ又は広帯域レーザを備えた外部ヘテロダイン励起源(図示せず)を提供することによって、又は、励起レーザ又はサンプルのパラメータを調整することによって為され得る。例えば、自動又は自己ヘテロダイニングは、マトリクスの特性を調整して適当な強度及び位相を有するヘテロダイン波を提供することにより達成され得る。
それゆえ、サンプル10は、詳細に上述したように、サンプルを保持するマトリクスを提供する多孔質担体を備えていることがわかるであろう。反射スキームが採用される場合、担体及びその設備(provision of)は、適当な基材上に、以下により詳細に記載する方法で搭載され得る。担体中のサンプルの濃度及び局在化並びに複数のサンプルスポットを有するマトリクスの提供のために、例えば20〜1000ミクロンの小さなレーザビーム断面が許容され且つ好ましい。
1つの潜在的な分光学的応用は、ゲル電気泳動に続く担持サンプルの使用である。熟練した読者にはよく知られているように、ゲル電気泳動は、ゲル中に担持されたサンプルを電場とは逆向きに流すことによりサンプルの複数の成分を分離する技術を含んでいる。それら成分はこのアプローチによって空間的に分離され、典型的には、染色(staining)技術が適用され、次いで、各種成分の位置を同定する。その空間的位置は、サンプルの組成を含んだ情報を導き出すのに使用され得る。したがって、ここで議論したサンプル及び担体を提供するためには、電気泳動に続いてゲルを乾燥させることのみが必要であり、次いで、サンプル担体を形成している乾燥させたゲルに2D赤外分光法を適用する。その結果、サンプルの組成に関する追加の情報が、迅速且つ容易に導出され得る。加えて、或るゲルは選択可能な細孔径を有し得るので、マトリクスのパラメータにおける更なる変化を利用可能である。
更なる実施において、透過、反射又はエバネッセントモードの励起ビームの入射角或いはファイバカップリングの使用が変更され、内部全反射が誘起され得る。よく知られているように、これは、その界面の他方の側にエバネッセント波を生じさせ、その強度は、その界面からの距離と共に指数関数的に減衰する。適当な装置は、Moultonらの“ATR−IR spectroscopic studies of the influence of phosphate buffer on adsorption of immunoglobulin G to TiO2”, Colloids and Surfaces A: Physicochem.Eng.Aspects 220 (2003) 159−167に記載されており、これはここに参照により組み込まれる。その結果、励起効果は界面の近傍においてのみ観測され、その結果として、励起の深さが制御され得る。特に、入射角は、ビームが透過するよりはむしろマトリクス中へと所定の距離だけしみ出すように設定される。これは、サンプリング厚さ(sampled thickness)の調整を可能とし、例えば、最上層が吸着されたサンプルを有している場合に厚さ全体のサンプリングを回避する。また、担体からのバックグラウンド放出をさらに低減することも可能である。
本発明は、基材を多孔質マトリクスに接触させることを含んだ二次元赤外分光サンプル担体の製造方法をさらに提供する。本発明には、多孔質マトリクスは、好ましくは金属酸化物膜である。基材の多孔質マトリクスへの接触は、熱及び/又は圧力の印加と供に実行され得る。
サンプル担体の基材への適用は、スプレーコートにより実行され得る。基材に支持されたサンプル担体の製造は基材のサンプル担体への親和性に依存することがわかるであろう。TiO2などの多孔質金属酸化物膜は、硼珪酸ガラスなどのガラス基板との良好な親和性を有し得る。12マイクロメートルの厚さを有するTiO2膜は、100マイクロメートルのガラス基材上に堆積させられ得る。そのような厚さのサンプル担体膜は、これまで、当技術分野では使用されていない。本発明の特定の特徴において、基材,特にはガラス基材,は、サンプル担体の適用に先立ってエッチングされ得る。これは、より薄い基材上へのサンプル担体の適用を可能とする。例えば、TiO2の堆積をエッチング位置上で実行し、25マイクロメートルのガラス基材上に堆積されたTiO2膜を得た。
或いは、CaF2又はサファイアなどの基材は、サンプル担体の適用を可能とする追加の処理工程を必要とするかも知れない。例えば、それら基材は、チタニアを用いた第1のスプレーコートと、それに続くスプレーコートによるTiO2の多層(例えば、1以上の4マイクロメータの層)の適用とを必要とするかも知れない。そのような適用プロセスは、安定なサンプル担体−基材プレパラートの形成を可能とする。
マトリクスは、基材,例えば、高分子又は珪酸ガラスマトリクス、サファイア、MgF2或いはCaF2,に支持されていてもよい。マトリクスは、基材の全体又は一部を被覆していてもよい。本発明の好ましい特徴において、マトリクスは、マトリクスを基材に付着させる1以上の連結基(ligating group)を含んでいてもよい。
マトリクスは、基材上でアレイを形成していてもよい。それゆえ、マトリクスは、基材上に、都合よく形づけられたセンシングエリアを提供し得る。アレイは、例えばスクリーン印刷によって、基材上に不連続エリア又はドットとして提供され得る。
さらに、本発明は、サンプルがサンプル担体に導入され且つ水がそこから除去される二次元赤外分光サンプルプレパレートの製造方法に関する。
好ましくは、サンプルは、基材に吸収される。サンプルは、スクリーン印刷、スピンコート、ドクターブレード又はインクジェット印刷によって堆積させられてもよい。次いで、担体は、ヒートシンタリング(heat sintering)、低温圧縮及び/又は圧縮などの1以上の追加の処理工程を受けてもよい。
上述した担体を提供することの更なる利益は、サンプルは例えば厚さが300nm〜12μmの薄膜の形状で提供され得ることである。そのような薄膜は、低濃度のサンプルの分析を可能とするヘテロダイン検出を実行することが望まれる場合に特に好適であることが見出された。サンプルが調整され得る一般的方法は、独国特許出願第0326088.2号で説明されており、ここに参照を容易にするために要約する。
定義の目的で、本発明を含む全ての分光法は、以下に規定され得る強度を有する信号を放出する。
I=(ELO2+(EHO2+(ELO×EHO)cosφ (1)
ここで、EHOは、サンプルからのホモダイン信号であり、それは当該サンプル成分が放出した合計電場(sum electric field)であると考えられる。ELOは、「局部発振器」場、すなわち、検出器上に存在しており固定された位相差φを有している同一周波数の場である。標準的なホモダイン検波では、局部発振器場はなく、強度は単にホモダイン項EHO 2であって、それは研究中の化学系の濃度に対して二次関数的に変化する。ヘテロダイン検波では、局部発振器が別につくられ、検出器上で時間及び空間において一致させられる。そうして、熟練した読者は精通しているであろう何れかの適当な技術によって(ELO2項を除くことにより、交差項が等式を支配するようにすることができる。局部発振器強度の知見を用いると、出力場は濃度において線形である。
その結果、位相整合が起こる場合にコヒーレントな分光学的アプローチが提供され、それは、サンプルのパラメータを変化させて、局部発振器場が信号の共鳴寄与又はホモダイン部よりも遥かに大きな(例えば10倍)非共鳴寄与を提供することを確実にすることにより得られる。その結果、ELO及び交差項が等式(1)を支配するようにすることができ、事実上、信号はヘテロダインであると考えられる。よって、信号は濃度において線形であり、検出限界に到達する前に遥かに低い濃度が達成されるのを可能とする。担体の材料、マトリクスの寸法又は体積或いは担体の厚さを変化させることにより、局部発振器寄与の相対的サイズが制御され得て、非常に広い濃度範囲が試験され得るのを可能とする、その結果、IRサイレント担体が選択され得るだけでなく、それは、ヘテロダイン検波をエンハンスすべくさらに調整され得る。
局部発信場が内部で又は内在的に発生する場合などのイントラサンプルの場合、(ELO2項は、較正の段階で得られる特性局部発振信号を同定及び減算することにより除かれ得る。
本発明は、一連の応用で、特には、直接的又は非直接的に振動/振動カップリングを測定する多次元光学分光が適当などのような領域でも実施され得て、そこでは、少なくとも一方がIRであるか又は時間遅延した2以上の可変周波数光を用い、ヘテロダイン又はホモダイン検波を使用して分子のアイデンティティ及び/又は構造を調査する。
熟練者は、どのような適当な特定の部品及び技術も本発明の実施に採用され得ることを認識するであろう。典型的には、少なくとも1つの赤外のチューナブルレーザ源と少なくとも1つの紫外、可視又は赤外のチューナブルレーザ源とが採用され得て、どのような適当なレーザも使用されることができ、また、実際、どのような他の適当な励起源も使用され得る。また、更なる固定周波数ビームが、図1を参照しながら説明した2つの赤外励起ビームの場合に組み入れられてもよく、どのような適当な源も採用され得る。どのような適当な検出器が採用されてもよく、例えば、CCDや2D−IR分光技術からわかっているような他の検出器が採用されてもよい。
励起波長の範囲は、上記では、一般に赤外であるとして記載したが、分析すべき構造の振動モードを励起するのに必要などのような適当な波長であってもよい。先の説明は主に二次元分析に関するが、どのような次元数も、入力励起のパラメータ,例えば、周波数パルスの時間遅延/数又は他の適当なパラメータ,の適当な変形によって導入され得る。加えて、この技術は、電子状態或いは電子又は振動状態の混合の励起にまで拡張され得る。
さらに、このアプローチは、どのような適当な形態の2D分光法、例えば、Teeらの“Probing Microstructure of Acetonitrile − Water Mixtures by Using Two−Dimensional Infrared Correlation Spectroscopy” J.Phys.Chem. A 2002, 106, 6714−6719に記載されているタイプの温度サイクルが二次元情報を提供する定常状態IR分光法に関しても実施され得る。加えて、このアプローチは、一般には、ひとたびサンプルを結合させれば、蒸発によってマトリクスから水を除去し、バックグラウンドを減少させることができるので、IR分光法に関する利点を有している。この利点は、複数のIRビームを用いる多次元分光法について顕著に高められる。
分光法を実施するための装置を示す図。

Claims (24)

  1. 多孔質マトリクスを具備した二次元赤外分光サンプル担体。
  2. 1nm乃至10μmの細孔径を有するマトリクスを具備した請求項1に記載のサンプル担体。
  3. 前記マトリクスは光学的に透明である請求項1又は2に記載のサンプル担体。
  4. 前記マトリクスは、ポリマー、有機又は無機マトリクスを備えた請求項1乃至3の何れか1項に記載のサンプル担体。
  5. 前記マトリクスは金属酸化物多孔質膜を備えた請求項1乃至4の何れか1項に記載のサンプル担体。
  6. 前記金属酸化物膜はメソ孔ナノ結晶質金属酸化物を備えた請求項5に記載のサンプル担体。
  7. 前記金属酸化物膜は、ZnO2、ZrO2、TiO2、SiO2、SnO2、CeO2、Nd25、WO3、SrTiO3又はそれらの混合物から選択される請求項5又は6に記載のサンプル担体。
  8. 前記金属酸化物膜は、5乃至50nmの主要径を有するナノメートルサイズの結晶質粒子を備えた請求項5乃至7の何れか1項に記載のサンプル担体。
  9. 前記マトリクスは脱水ポリアクリルアミドゲルを備えた請求項1乃至4の何れか1項に記載のサンプル。
  10. 前記マトリクスは多孔質ゾル又はゲルを備えた請求項1乃至4の何れか1項に記載のサンプル。
  11. 前記ナノ孔マトリクスは基材上に支持されている請求項1乃至10の何れか1項に記載のサンプル担体。
  12. 前記基材は、高分子ガラスマトリクス、珪酸ガラスマトリクス、サファイア、MgF2又はCaF2である請求項11に記載のサンプル担体。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載のサンプル担体と、これと接触したサンプルとを具備した二次元赤外分光サンプルプレパラート。
  14. 生物学的なサンプルは、有機分子、タンパク質、核酸、多糖類及び/又はそれらの断片である請求項13に記載のサンプルプレパラート。
  15. 前記サンプルは、前記サンプル担体と、イオン、共有又はファンデルワールス相互作用している請求項13又は14に記載のサンプルプレパラート。
  16. 励起源と、請求項1乃至12の何れか1項に記載のサンプル担体とを具備した二次元分光装置。
  17. 2D赤外分光装置を備えた請求項16に記載の装置。
  18. エバネッセント波幾何分光装置を備えた請求項17に記載の装置。
  19. 請求項13乃至15の何れか1項に記載のサンプルプレパラートと接触したサンプルのモードを励起することを含んだ二次元分光方法。
  20. 1以上の振動又は電子モード或いはそれらの組み合わせを励起することを含んだ請求項19に記載の方法。
  21. 請求項1乃至12の何れか1項に記載の二次元赤外分光サンプル担体を製造する方法であって、基材をマトリクスに接触させることを含んだ方法。
  22. 熱及び/又は圧力の印加により前記基材は前記マトリクスと接触させられる請求項21に記載の方法。
  23. 二次元赤外分光サンプルプレパラートの製造方法であって、請求項1乃至12の何れか1項に記載の二次元赤外分光サンプル担体にサンプルを適用することと、前記プレパラートから水を除去することとを含んだ方法。
  24. スクリーン印刷又はグリッディングロボットにより前記サンプルは前記サンプル担体に適用される請求項23に記載の方法。
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