JP2008505215A - 炭化水素を含む1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン冷媒組成物およびその使用 - Google Patents

炭化水素を含む1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン冷媒組成物およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタンおよび少なくとも1つの炭化水素を含む冷凍システムおよび空気調節システムでの使用のための組成物に関する。さらに、本発明は、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタンおよび少なくとも1つの炭化水素を含む遠心圧縮機を用いる冷凍システムおよび空気調節システムでの使用のための組成物に関する。本発明の組成物は共沸または近共沸であってもよいし、冷却または熱をもたらすためのプロセスで、または伝熱流体として有用である。

Description

本発明は、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタンおよび少なくとも1つの炭化水素を含む冷凍システムおよび空気調節システムでの使用のための組成物に関する。さらに、本発明は、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタンおよび少なくとも1つの炭化水素を含む遠心圧縮機を用いる冷凍システムおよび空気調節システムでの使用のための組成物に関する。本発明の組成物は共沸または近共沸であってもよいし、冷却または熱をもたらすためのプロセスで、または伝熱流体として有用である。
(関連出願の相互参照)
本件出願は2004年6月29日出願の米国仮特許出願第60/584,785号の優先権の利益を主張するものである。
冷凍業界は、モントリオール議定書(Montreal Protocol)の結果として段階的に廃止されつつあるオゾン破壊クロロフルオロカーボン(CFC)およびヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代替冷媒を見つけるよう過去二、三十年の間取り組んできた。ほとんどの冷媒製造業者にとっての解決策は、ヒドロフルオロカーボン(HFC)冷媒の商業化であった。現時点で最も広く使用されつつある新たなHFC冷媒、HFC−134aは、ゼロのオゾン破壊係数を有し、従ってモントリオール議定書の結果としての現行規制上の段階的廃止による影響を受けない。
さらなる環境規制は究極的には、ある種のHFC冷媒のグローバルな段階的廃止をもたらすかもしれない。現在、自動車業界は、自動車空気調節に使用される冷媒に対する地球温暖化係数にかかわる規制に直面しているところである。それ故、自動車空気調節市場向けに減少した地球温暖化係数の新たな冷媒を特定する大きな現在の必要性がある。規制が将来より広く適用されれば、冷凍および空気調節業界のすべての分野に使用できる冷媒に対してさらにより大きい必要性が感じられるであろう。
現在提案されているHFC−134aの代替冷媒には、HFC−152a、ブタンもしくはプロパンなどの純炭化水素、またはCOもしくはアンモニアなどの「天然」冷媒が含まれる。これらの提案された代替品の多くは有毒でありおよび/または可燃性である。それ故、新たな代替品が絶えず捜し求められている。
米国特許出願第10/910,495号明細書 米国再発行特許第Re36,951号明細書 米国特許第5,065,990号明細書 米国特許第5,363,674号明細書 米国仮特許出願第60/658,915号明細書 米国仮特許出願第60/663924号明細書
本発明の目的は、低いまたはゼロのオゾン破壊係数および現在の冷媒と比べてより低い地球温暖化係数という要求を満たすために独特の特性を提供する新奇な冷媒組成物および伝熱流体を提供することである。
本発明は、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン(COC)と
シクロヘキサン、
シクロペンタン、
3−エチルペンタン、
2,2−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルペンタン、
n−ヘプタン、
メチルシクロペンタン、
2−メチルヘキサン、
3−メチルヘキサン、
2−メチルペンタン、
3−メチルペンタン、および
n−ペンタン
からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含む冷媒または伝熱流体組成物に関する。
本発明はさらに、特に、遠心圧縮機、多段もしくは2段遠心圧縮機、またはシングルパス/シングルスラブ熱交換器を用いる冷凍システムまたは空気調節システムでの使用のための上にリストされた組成物に関する。
本発明はさらに、共沸または近共沸組成物に関する。これらの組成物は冷凍システムまたは空気調節システムで有用である。本組成物はまた、遠心圧縮機を用いる冷凍システムまたは空気調節システムでも有用である。
本発明はさらに、本発明組成物を用いる冷却、加熱、および熱源からヒートシンクへの熱の移動をもたらすためのプロセスに関する。
本発明の冷媒および伝熱流体組成物はCOCおよび少なくとも1つの炭化水素を含む。
本発明の炭化水素は、水素および炭素を含有する化合物を含む。かかる炭化水素は直鎖、分枝鎖または環式化合物であってもよく、約5〜10個の炭素原子を有する。好ましい炭化水素は5〜7個の炭素原子を有する。本発明の代表的な炭化水素は表1にリストされる。
本発明の組成物の成分であってもよい代表的な化合物は表1にリストされる。
Figure 2008505215
表1にリストされた化合物は商業的に入手可能であるか、または当該技術で公知のもしくは下に記載されるようなプロセスによって製造されてもよい。COCは、表1に示されるような異性体の混合物であってもよく、3MTM(ミネソタ州セントポール(St.Paul,Minnesota))から商業的に入手可能である。
混合物である本発明の組成物は、所望量の個々の成分を組み合わせるための任意の便利な方法によって調製されてもよい。好ましい方法は、所望の成分量を量り、そしてその後に成分を適切な容器で組み合わせることである。必要ならば、攪拌が用いられてもよい。
本発明の組成物は、オゾン破壊可能性を全く持たない、および低い地球温暖化係数を有する。例えば、COCは、単独でまたは炭化水素との混合物で、現在使用中の多くのHFC冷媒より低い地球温暖化係数を有するであろう。
本発明の冷媒または伝熱組成物は、COCと、
シクロヘキサン、
シクロペンタン、
3−エチルペンタン、
2,2−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルペンタン、
n−ヘプタン、
メチルシクロペンタン、
2−メチルヘキサン、
3−メチルヘキサン、
2−メチルペンタン、
3−メチルペンタン、および
n−ペンタン
からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含む組成物を包含する。
本発明の冷媒または伝熱組成物は、共沸または近共沸組成物であってもよい。共沸組成物は、個々の成分の沸点より高くても低くてもよい一定の沸点を有する2つ以上の物質の液体混合物である。従って共沸組成物は、システムの効率を低下させるかもしれない、運転中に冷凍システムまたは空気調節システム内で分留しないであろう。さらに、共沸組成物は冷凍システムまたは空気調節システムからの漏洩時に分留しないであろう。混合物の1成分が可燃性である状況では、漏洩中の分留は、システム内かシステム外かのどちらかで可燃性組成物をもたらし得る。
時々「共沸様の組成物」とも呼ばれる近共沸組成物は、本質的に単一物質として挙動する2つ以上の物質の実質的に定沸点の液体混合物である。近共沸組成物を特徴づける一方法は、液体の部分蒸発または蒸留によって生み出された蒸気が、該組成物がそれから蒸発したまたは蒸留された液体と実質的に同じ組成を有する、すなわち、混合物が実質的な組成変化なしに蒸留される/還流することである。近共沸組成物を特徴づける別の方法は、ある特定の温度での組成物の沸点蒸気圧および露点蒸気圧が実質的に同じものであることである。本明細書では、組成物の50重量パーセントが例えば蒸発またはボイリングオフなどによって除去された後に、元の組成物と元の組成物の50重量パーセントが除去された後に残った組成物との間の蒸気圧の差が約10パーセント未満である場合に組成物は近共沸である。
本発明の共沸冷媒組成物は表2にリストされる。
Figure 2008505215
本発明の近共沸冷媒組成物および濃度範囲が表3にリストされる。
Figure 2008505215
表1のリストからの追加の化合物が、三元またはより高次の組成物を形成するために本発明の二元組成物に加えられてもよい。
本発明の組成物は、約0.01重量パーセント〜約5重量パーセントの安定剤、フリーラジカル捕捉剤または酸化防止剤をさらに含んでもよい。かかる添加剤には、ニトロメタン、ヒンダードフェノール類、ヒドロキシルアミン類、チオール類、ホスファイト類、またはラクトン類が含まれるが、それらに限定されない。単一添加剤または組合せが使用されてもよい。
本発明の組成物は、約0.01重量パーセント〜約5重量パーセントの水捕捉剤(乾燥化合物)をさらに含んでもよい。かかる水捕捉剤は、オルトギ酸トリメチル、トリエチル、またはトリプロピルなどのオルトエステル類を含んでもよい。
本発明の組成物は、紫外線(UV)染料および場合により可溶化剤をさらに含んでもよい。UV染料は、冷凍装置または空気調節装置の漏洩ポイントでまたは装置の近傍で冷媒または伝熱流体組成物中の染料の蛍光を観察することを可能にすることによって冷媒および伝熱流体組成物の漏洩を検出するために有用な成分である。染料の蛍光を紫外光下に観察してもよい。可溶化剤は、幾つかの冷媒および伝熱流体へのかかるUV染料の溶解度を上げるために必要とされるかもしれない。
「紫外線」染料とは、電磁スペクトルの紫外または「近」紫外域で光を吸収するUV蛍光組成物を意味する。10ナノメートル〜750ナノメートルの任意の波長で放射線を発するUV光による照明下にUV蛍光染料によって生み出される蛍光が検出されてもよい。それ故、かかるUV蛍光染料を含有する冷媒または伝熱流体が冷凍装置または空気調節装置のある所定のポイントから漏洩しつつある場合、蛍光を漏洩ポイントで検出することができる。かかるUV蛍光染料には、ナフタルイミド類、ペリレン類、クマリン類、アントラセン類、フェナントラセン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ナフトサンテン類、フルオレセイン類、およびそれらの誘導体または組合せが含まれるが、それらに限定されない。本発明の可溶化剤は、炭化水素類、炭化水素エーテル類、ポリオキシアルキレングリコールエーテル類、アミド類、ニトリル類、ケトン類、クロロカーボン類、エステル類、ラクトン類、アリールエーテル類、フルオロエーテル類および1,1,1−トリフルオロアルカン類からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
本発明の炭化水素可溶化剤は、16個またはそれより少ない炭素原子および何の他の官能基もなしで水素のみを含有する直鎖、分枝鎖または環式アルカンまたはアルケンをはじめとする炭化水素を含む。代表的な炭化水素可溶化剤は、プロパン、プロピレン、シクロプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、オクタン、デカン、およびヘキサデカンを含む。炭化水素可溶化剤は冷媒または伝熱流体組成物の炭化水素成分と同じものであってはならないことが留意されるべきである。
本発明の炭化水素エーテル可溶化剤は、ジメチルエーテル(DME)などの、炭素、水素および酸素のみを含有するエーテルを含む。
本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤は、式R[(OROR(式中、xが1〜3の整数であり、yが1〜4の整数であり、Rが水素および1〜6個の炭素原子とy個の結合サイトとを有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rが2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rが水素ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つが前記炭化水素基から選択される)で表され、前記ポリオキシアルキレングリコールエーテル類が約100〜約300原子質量単位の分子量を有する。本明細書で用いるところでは、結合サイトは、他の基と共有結合を形成するために利用可能な基サイトを意味する。ヒドロカルビレン基は二価の炭化水素基を意味する。
本発明では、好ましいポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤は、R[(OROR(式中、xが好ましくは1〜2であり、yが好ましくは1であり、RおよびRが好ましくは独立して水素および1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rが好ましくは2または3個の炭素原子、最も好ましくは3個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表され、ポリオキシアルキレングリコールエーテル分子量は好ましくは約100〜約250原子質量単位、最も好ましくは約125〜約250原子質量単位である。1〜6個の炭素原子を有するRおよびR炭化水素基は線状、分枝または環式であってもよい。代表的なRおよびR炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤上の遊離のヒドロキシル基がある種の圧縮冷凍装置構築資材(例えばマイラー(Mylar)(登録商標))と相溶性が低いかもしれない場合、RおよびRは好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは1個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。2〜4個の炭素原子を有するR脂肪族ヒドロカルビレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、およびオキシブチレン基を含む繰り返しオキシアルキレン基−(OR−を形成する。1つのポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤分子中にRを含むオキシアルキレン基は、同じものであってもよいし、または1つの分子は異なるRオキシアルキレン基を含有してもよい。本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤は好ましくは少なくとも1つのオキシプロピレン基を含む。Rが1〜6個の炭素原子とy個の結合サイトとを有する脂肪族または脂環式炭化水素基である場合、該基は線状、分枝または環式であってもよい。2個の結合サイトを有する代表的なR脂肪族炭化水素基には、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロペンチレン基およびシクロヘキシレン基が含まれる。3または4個の結合サイトを有する代表的なR脂肪族炭化水素基には、それらのヒドロキシル基を除去することによって、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサンおよび1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの、ポリアルコールに由来する残基が含まれる。
代表的なポリオキシアルキレングリコールエーテル可溶化剤には、CHOCHCH(CH)O(HまたはCH)(プロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、CHO[CHCH(CH)O](HまたはCH)(ジプロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、CHO[CHCH(CH)O](HまたはCH)(トリプロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、COCHCH(CH)O(HまたはC)(プロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、COCHCH(CH)O(HまたはC)(プロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、COCHCH(CH)OH(プロピレングリコールn−ブチルエーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールn−ブチル(またはジ−n−ブチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールn−ブチル(またはジ−n−ブチル)エーテル)、(CHCOCHCH(CH)OH(プロピレングリコールt−ブチルエーテル)、(CHCO[CHCH(CH)O](Hまたは(CH)(ジプロピレングリコールt−ブチル(またはジ−t−ブチル)エーテル)、(CHCO[CHCH(CH)O](Hまたは(CH)(トリプロピレングリコールt−ブチル(またはジ−t−ブチル)エーテル)、C11OCHCH(CH)OH(プロピレングリコールn−ペンチルエーテル)、COCHCH(C)OH(ブチレングリコールn−ブチルエーテル)、CO[CHCH(C)O]H(ジブチレングリコールn−ブチルエーテル)、トリメチロールプロパントリ−n−ブチルエーテル(CC(CHO(CHCH)およびトリメチロールプロパンジn−ブチルエーテル(CC(CHOC(CHCHCHOH)が含まれるが、それらに限定されない。
本発明のアミド可溶化剤は、式RC(O)NRおよびシクロ−[RC(O)N(R)−](式中、R、R、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、Rが3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表されるものであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するアミド類を含む。前記アミド類の分子量は好ましくは約160〜約250原子質量単位である。R、R、RおよびRは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択される非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。R、R、RおよびRは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子からなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がR1〜3中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。好ましいアミド可溶化剤は炭素、水素、窒素および酸素からなる。代表的なR、R、RおよびR脂肪族および脂環式炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの構造異性体が含まれる。アミド可溶化剤の好ましい実施形態は、前述の式シクロ−[RC(O)N(R)−]中のRがヒドロカルビレン基(CRで表されてもよいもの、つまり、式シクロ−[(CRC(O)N(R)−](ここで、分子量については前に述べられた値が適用され、nは3〜5の整数であり、Rは1〜12個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基であり、RおよびRは独立してR1〜3の定義で前に提供された規則によって(各nについて)選択される)ものである。式シクロ−[(CRC(O)N(R)−]で表されるラクタムで、すべてのRおよびRは好ましくは水素であり、またはn個のメチレン単位の中に単一の飽和炭化水素基を含有し、Rは3〜12個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基である。例えば、1−(飽和炭化水素基)−5−メチルピロリジン−2−オン。
代表的なアミド可溶化剤には、1−オクチルピロリジン−2−オン、1−デシルピロリジン−2−オン、1−オクチル−5−メチルピロリジン−2−オン、1−ブチルカプロラクタム、1−シクロヘキシルピロリジン−2−オン、1−ブチル−5−メチルピペリド−2−オン、1−ペンチル−5−メチルピペリド−2−オン、1−ヘキシルカプロラクタム、1−ヘキシル−5−メチルピロリジン−2−オン、5−メチル−1−ペンチルピペリド−2−オン、1,3−ジメチルピペリド−2−オン、1−メチルカプロラクタム、1−ブチル−ピロリジン−2−オン、1,5−ジメチルピペリド−2−オン、1−デシル−5−メチルピロリジン−2−オン、1−ドデシルピロリド−2−オン、N,N−ジブチルホルムアミドおよびN,N−ジイソプロピルアセトアミドが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のケトン可溶化剤は、式RC(O)R(式中、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択される)で表されるケトン類であって、約70〜約300原子質量単位の分子量を有するケトン類を含む。前記ケトン類中のRおよびRは好ましくは独立して1〜9個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される。前記ケトン類の分子量は好ましくは約100〜200原子質量単位である。RおよびRは一緒になって連結ヒドロカルビレン基を形成し、5、6、または7員環環式ケトン、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、およびシクロヘプタノンを形成してもよい。RおよびRは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択される非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。RおよびRは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子からなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(ケト−、オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がRおよびR中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。一般式RC(O)R中の代表的なRおよびR脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基には、フェニル、ベンジル、クメニル、メシチル、トリル、キシリルおよびフェネチルだけでなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの構造異性体が含まれる。
代表的なケトン可溶化剤には、2−ブタノン、2−ペンタノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、ヘキサノフェノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、3−オクタノン、ジイソブチルケトン、4−エチルシクロヘキサノン、2−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、4−デカノン、2−デカロン、2−トリデカノン、ジヘキシルケトンおよびジシクロヘキシルケトンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のニトリル可溶化剤は、式RCN(式中、Rが5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される)で表されるニトリル類であって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリル類を含む。前記ニトリル可溶化剤中のRは好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される。前記ニトリル可溶化剤の分子量は好ましくは約120〜約140原子質量単位である。Rは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択される非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。Rは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子からなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(ケト−、オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がR中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。一般式RCN中の代表的なR脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基には、フェニル、ベンジル、クメニル、メシチル、トリル、キシリルおよびフェネチルだけでなく、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの構造異性体が含まれる。代表的なニトリル可溶化剤には、1−シアノペンタン、2,2−ジメチル−4−シアノペンタン、1−シアノヘキサン、1−シアノヘプタン、1−シアノオクタン、2−シアノオクタン、1−シアノノナン、1−シアノデカン、2−シアノデカン、1−シアノウンデカンおよび1−シアノドデカンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のクロロカーボン可溶化剤は、式RCl(式中、xが1または2であり、Rが1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるクロロカーボン類であって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボン類を含む。前記クロロカーボン可溶化剤の分子量は好ましくは約120〜150原子質量単位である。一般式RCl中の代表的なR脂肪族および脂環式炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの構造異性体が含まれる。
代表的なクロロカーボン可溶化剤には、3−(クロロメチル)ペンタン、3−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1,6−ジクロロヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、1−クロロノナン、1−クロロデカン、および1,1,1−トリクロロデカンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のエステル可溶化剤は、一般式RC(O)OR(式中、RおよびRが独立して線状および環式の、飽和および不飽和の、アルキルおよびアリール基から選択される)で表されるエステル類を含む。好ましいエステル類は本質的には元素C、HおよびOからなり、約80〜約550原子質量単位の分子量を有する。
代表的なエステル類には、(CHCHCHO(O)C(CH2〜4(O)COCHCH(CH(二塩基酸ジイソブチルエステル)、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸n−プロピル、安息香酸エチル、フタル酸ジ−n−プロピル、安息香酸エトキシエチルエステル、炭酸ジプロピル、「イグザート(Exxate)700」(市販の酢酸Cアルキル)、「イグザート800」(市販の酢酸Cアルキル)、フタル酸ジブチルおよび酢酸第三ブチルが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のラクトン可溶化剤は構造[A]、[B]、および[C]で表されるラクトン類を含む。
Figure 2008505215
これらのラクトン類は、構造[A]および[B]について、R〜Rが独立して水素または線状、分枝、環式、二環式、飽和および不飽和ヒドロカルビル基から選択される、6原子(A)、または好ましくは5原子(B)の環中に官能基−C(O)O−を含有する。各R〜Rは連結されて別のR〜Rと環を形成してもよい。ラクトンは、R〜Rが独立して水素または線状、分枝、環式、二環式、飽和および不飽和ヒドロカルビル基から選択される、構造[C]のように環外アルキリデン基を有してもよい。各R〜Rは連結されて別のR〜Rと環を形成してもよい。ラクトン可溶化剤は約80〜約300原子質量単位、好ましくは約80〜約200原子質量単位の分子量範囲を有する。
代表的なラクトン可溶化剤には、表4にリストされる化合物が含まれるが、それらに限定されない。
Figure 2008505215
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ラクトン可溶化剤は一般に40℃で約7センチストーク未満の動粘度を有する。例えば、両方とも40℃で、ガンマ−ウンデカラクトンは5.4センチストークの動粘度を有し、シス−(3−ヘキシル−5−メチル)ジヒドロフラン−2−オンは4.5センチストークの粘度を有する。ラクトン可溶化剤は商業的に入手可能であってもよいし、または参照により本明細書に援用される、2004年8月3日出願の米国特許公報(特許文献1)に記載されているような方法によって製造されてもよい。
本発明のアリールエーテル可溶化剤は、式ROR(式中、Rが6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rが1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される)で表されるアリールエーテル類であって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテル類を含む。一般式ROR中の代表的なRアリール基には、フェニル、ビフェニル、クメニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチルおよびピリジルが含まれる。一般式ROR中の代表的なR脂肪族基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチルおよび第三ブチルが含まれる。代表的な芳香族エーテル可溶化剤には、メチルフェニルエーテル(アニソール)、1,3−ジメトキシベンゼン、エチルフェニルエーテルおよびブチルフェニルエーテルが含まれるが、それらに限定されない。
本発明のフルオロエーテル可溶化剤は、一般式ROCFCFH(式中、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素基、好ましくは第一、線状、飽和アルキル基から選択される)で表されるものを含む。代表的なフルオロエーテル可溶化剤には、C17OCFCFHおよびC13OCFCFHが含まれるが、それらに限定されない。冷媒がフルオロエーテルである場合、可溶化剤は同じフルオロエーテルあってはならないことが留意されるべきである。
フルオロエーテル可溶化剤は、フルオロオレフィン類とポリオール類とから誘導されたエーテルをさらに含んでもよい。フルオロオレフィン類は、Xが水素、塩素またはフッ素であり、Yが塩素、フッ素、CFまたはRがCF、CもしくはCであるORである、タイプCF=CXYのものであってもよい。代表的なフルオロオレフィン類は、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルである。ポリオール類は線状または分枝であってもよい。線状ポリオール類は、RおよびR’が水素、CHまたはCであり、そしてxが0〜4の整数であり、yが0〜4の整数である、タイプHOCH(CHOH)(CRR’)CHOHのものであってもよい。分枝ポリオール類は、Rが水素、CHまたはCであってもよく、mが0〜3の整数であってもよく、tおよびuが0または1であってもよく、vおよびwが0〜4の整数であり、およびt+u+v+w=4である、タイプC(OH)(R)(CHOH)[(CHCHOH]のものであってもよい。代表的なポリオール類はトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ブタンジオール、およびエチレングリコールである。
本発明の1,1,1−トリフルオロアルカン可溶化剤は、一般式CF(式中、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基、好ましくは第一、線状、飽和アルキル基から選択される)で表される1,1,1−トリフルオロアルカン類を含む。代表的な1,1,1−トリフルオロアルカン可溶化剤には、1,1,1−トリフルオロヘキサンおよび1,1,1−トリフルオロドデカンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明の可溶化剤は単一化合物として存在してもよいし、または2つ以上の可溶化剤の混合物として存在してもよい。可溶化剤の混合物は、同じクラスの化合物、例えば2つのラクトン類からの2つの可溶化剤、またはラクトンおよびポリオキシアルキレングリコールエーテルなどの、2つの異なるクラスからの2つの可溶化剤を含有してもよい。
冷媒およびUV蛍光染料を含む、または伝熱流体およびUV蛍光染料を含む本発明組成物では、組成物の約0.001重量パーセント〜約1.0重量パーセント、好ましくは約0.005重量パーセント〜約0.5重量パーセント、最も好ましくは約0.01重量パーセント〜約0.25重量パーセントがUV染料である。
冷媒および伝熱流体でのこれらのUV蛍光染料の溶解性は不満足であるかもしれない。それ故、冷凍装置または空気調節装置へのこれらの染料の導入方法は厄介で、高くつき、時間のかかるものであった。米国特許公報(特許文献2)は、冷凍装置または空気調節装置の部品へ入れられてもよい染料粉末、染料の固体ペレットまたはスラリーを利用する方法を記載している。冷媒および滑剤は装置のすみずみまで循環されるので、染料は溶解または分散されて装置の全体にわたって運ばれる。染料を冷凍装置または空気調節装置へ導入するための多数の他の方法が文献に記載されている。
理想的には、UV蛍光染料は冷媒それ自体に溶解することができ、それによって冷凍装置または空気調節装置への導入のためのいかなる特別の方法をも必要としない。本発明は、冷媒中でシステムへ導入されてもよい、UV蛍光染料を含む組成物に関する。本発明組成物は、染料を溶液中に維持したまま低温でさえも染料含有冷媒および伝熱流体の貯蔵および輸送を可能にするであろう。
冷媒、UV蛍光染料および可溶化剤を含む、または伝熱流体、UV蛍光染料および可溶化剤を含む本発明組成物では、組み合わせられた組成物の約1〜約50重量パーセント、好ましくは約2〜約25重量パーセント、最も好ましくは約5〜約15重量パーセントが冷媒または伝熱流体中の可溶化剤である。本発明の組成物中にUV蛍光染料は、冷媒または伝熱流体中に約0.001重量パーセント〜約1.0重量パーセント、好ましくは0.005重量パーセント〜約0.5重量パーセント、最も好ましくは0.01重量パーセント〜約0.25重量パーセントの濃度で存在する。
場合により、一般に使用される冷凍システムまたは空気調節システム添加剤が、性能およびシステム安定性を高めるために本発明の組成物に要望通りに添加されてもよい。これらの添加剤は冷凍および空気調節の分野で公知であり、耐摩耗剤、極圧滑剤、腐食および酸化防止剤、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、ならびに泡制御剤を含むが、それらに限定されない。一般に、これらの添加剤は全体組成物に関して少量で本発明組成物中に存在する。典型的には、約0.1重量パーセント未満から約3重量パーセント程度までの濃度の各添加剤が使用される。これらの添加剤は個々のシステム要件に基づいて選択される。これらの添加剤には、ブチル化トリフェニルホスフェート(BTPP)、または他のアルキル化トリアリールホスフェートエステル類、例えばアクゾ・ケミカルズ(Akzo Chemicals)製のSyn−0−Ad8478、トリクレジルホスフェートおよび関連化合物などの、トリアリールホスフェート族のEP(極圧)潤滑性添加剤のメンバーが含まれる。さらに、金属ジアルキルジチオホスフェート(例えば亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(またはZDDP)、ルブリゾール(Lubrizol)1375およびこの族の化学薬品の他のメンバーが本発明の組成物に使用されてもよい。他の耐摩耗添加剤には、天然物オイルおよびシナゴール(Synergol)TMS(インターナショナル・リューブリカンツ(International Lubricants))などの、非対称ポリヒドロキシル潤滑添加剤が含まれる。同様に、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、および水捕捉剤などの安定剤が用いられてもよい。このカテゴリーの化合物には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびエポキシドが含まれ得るが、それらに限定されない。
ケトン類などの可溶化剤は、臭気マスキング剤または香料の添加によってマスクすることができる、不快臭を有するかもしれない。臭気マスキング剤または香料の典型的な例には、d−リモネンおよびピネンだけでなく、すべて商業的に入手可能な、エバーグリーン(Evergreen)、フレッシュ・レモン(Fresh Lemon)、チェリー(Cherry)、シナモン(Cinnamon)、ペパーミント(Peppermint)、フローラル(Floral)またはオレンジ・ピール(Orange Peel)が挙げられるかもしれない。かかる臭気マスキング剤は、臭気マスキング剤と可溶化剤との組合せ重量を基準にして約0.001%から約15重量%ほどに多い濃度で使用されてもよい。
本発明はさらに、冷凍装置または空気調節装置中に紫外線蛍光染料、および場合により、可溶化剤をさらに含む冷媒または伝熱流体組成物の使用方法に関する。本方法は、冷凍装置または空気調節装置へ冷媒または伝熱流体組成物を導入する工程を含む。これは、UV蛍光染料を可溶化剤の存在下で冷媒または伝熱流体組成物に溶解し、該組合せを装置へ導入することによって行われてもよい。あるいはまた、これは、可溶化剤とUV蛍光染料とを組み合わせ、冷媒および/または伝熱流体を含有する冷凍装置または空気調節装置へ前記組合せを導入することによって行われてもよい。生じた組成物は、冷凍装置または空気調節装置で使用されてもよい。
本発明はさらに、漏洩を検出するための紫外線蛍光染料を含む冷媒または伝熱流体組成物の使用方法に関する。組成物中の染料の存在は、冷凍装置または空気調節装置での漏洩冷媒の検出を可能にする。漏洩検出は、装置もしくはシステムの非能率的な運転または設備故障に対処する、解決するまたは予防するのに役立つ。漏洩検出はまた、装置の運転に使用される化学薬品を封じ込めるのを助ける。
本方法は、冷媒および紫外線蛍光染料を含む、または本明細書に記載されるような伝熱流体および紫外線蛍光染料、そして場合により本明細書に記載されるような可溶化剤を含む組成物を冷凍装置および空気調節装置に提供する工程と、UV蛍光染料含有冷媒を検出するための好適な手段を用いる工程とを含む。染料を検出するための好適な手段には、しばしば「ブラックライト」または「ブルーライト」と言われる、紫外線ランプが含まれるが、それに限定されない。この目的にために特にデザインされた、かかる紫外線ランプは多数の供給業者から商業的に入手可能である。いったん紫外線蛍光染料含有組成物が冷凍装置または空気調節装置に導入され、システムの全体にわたって循環させられたら、漏洩は、前記紫外線ランプを装置に向け、任意の漏洩ポイントの近傍で染料の蛍光を観察することによって見つけることができる。
本発明はさらに、冷却または熱をもたらすための本発明の組成物の使用方法であって、冷却されるべき物体の近傍で前記組成物を蒸発させ、そしてその後に前記組成物を凝縮させることによって冷却をもたらす工程、または加熱されるべき物体の近傍で前記組成物を凝縮させ、そしてその後に前記組成物を蒸発させることによって熱をもたらす工程を含む方法に関する。本発明の組成物が紫外線蛍光染料、および/または可溶化剤入り冷媒または伝熱流体を含む場合、組成物の冷媒または伝熱流体成分は蒸発し、そしてその後に凝縮して冷却を生み出し、または凝縮し、そしてその後に蒸発して熱をもたらす。
機械冷凍は主として、冷媒などの冷却媒体がそれを再使用のために回収できるようにサイクルを通過する熱力学の適用である。一般に用いられるサイクルには、蒸気圧縮、吸収、スチーム−ジェットまたは蒸気エジェクタ、およびエアが含まれる。
蒸気−圧縮冷凍システムには、蒸発器、圧縮機、凝縮器、および膨張装置が含まれる。蒸気−圧縮サイクルは、一工程で冷却効果、そして異なる工程で加熱効果をもたらす多段工程で冷媒を再使用する。サイクルは次の通り簡単に説明することができる。液体冷媒は膨張装置を通って蒸発器に入り、液体冷媒は蒸発器において低温で沸騰してガスを形成し、そして冷却をもたらす。低圧ガスは圧縮機に入り、そこでガスは圧縮されてその圧力および温度を上げる。より高い圧力の(圧縮された)ガス状冷媒は次に凝縮器に入り、そこで冷媒は凝縮し、その熱を周囲に放出する。冷媒は膨張装置に戻り、それによって液体は凝縮器におけるより高い圧力レベルから蒸発器における低い圧力レベルに膨張し、このようにサイクルを繰り返す。
本発明はさらに、冷却されるべき物体の近傍で本発明の組成物を蒸発させ、そしてその後に前記組成物を凝縮させることを含む冷却をもたらすためのプロセスに関する。
本発明はさらに、加熱されるべき物体の近傍で本発明の組成物を凝縮させ、そしてその後に前記組成物を蒸発させることを含む熱をもたらすためのプロセスに関する。
冷凍用途で用いられてもよい様々なタイプの圧縮機がある。圧縮機は、流体を圧縮するための機械的手段に依存して、往復、回転、ジェット、遠心、スクロール、スクリューもしくは軸流に、または機械エレメントが圧縮されるべき流体にどのように作用するかに依存して、容積式(例えば、往復、スクロールもしくはスクリュー)または動(例えば、遠心もしくはジェット)に一般に分類することができる。
容積式圧縮機か動圧縮機かのどちらが本発明方法に用いられてもよい。遠心タイプ圧縮機が本発明冷媒組成物にとって好ましい設備である。
遠心圧縮機は冷媒を放射状に加速させるために回転要素を用い、典型的にはケーシングに収容されたインペラおよびディフーザを含む。遠心圧縮機は通常、インペラ入口または循環インペラの中央入口で流体を取り入れ、それを放射状に外側へ加速させる。幾らかの静圧上昇はインペラで起こるが、圧力上昇のほとんどは、速度が静圧に変換されるケーシングのディフーザ部分で起こる。各インペラ−ディフーザ・セットは圧縮機の1段である。遠心圧縮機は、所望の最終圧力および取り扱われるべき冷媒の容量に依存して、1〜12またはそれ以上の段で構築される。
圧縮機の圧力比または圧縮比は、絶対吐出圧力対絶対入口圧力の比である。遠心圧縮機によって与えられる圧力は、比較的広範囲の能力にわたって事実上一定である。
容積式圧縮機は蒸気をチャンバ中へ引き込み、チャンバは容積を減少させて蒸気を圧縮する。圧縮された後、蒸気は、チャンバの容積をゼロまたはほぼゼロにさらに減少させることによってチャンバから押し出される。容積式圧縮機は圧力を増加させることができ、その圧力は容積効率と圧力に耐えるべき部品の強度とによってのみ制限される。
容積式圧縮機とは違って、遠心圧縮機は、インペラを通過する蒸気を圧縮するための高速インペラの遠心力にもっぱら依存する。容積式圧縮はなく、むしろ動圧縮と呼ばれるものがある。
遠心圧縮機が生成することができる圧力は、インペラの先端速度に依存する。先端速度は、その先端で測定されるインペラの速度であり、インペラの直径およびその回転数毎秒に関係する。遠心圧縮機の能力はインペラの通路のサイズによって決定される。これは、圧縮機のサイズを能力よりも必要とされる圧力に依存させる。
その高速運転のために、遠心圧縮機は基本的には高容量、低圧機である。遠心圧縮機は、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)または1,2,2−トリクロロトリフルオロエタン(CFC−113)などの、低圧冷媒で最も良く働く。
大きな遠心圧縮機は典型的には3000〜7000回転毎秒(rpm)で動作する。小タービン遠心圧縮機は、約40,000〜約70,000(rpm)の高速用にデザインされ、小さなインペラサイズ、典型的には0.15メートル(約6インチ)未満を有する。
圧縮機効率を向上させ、こうして使用中により少ない電力を必要とするために多段インペラが遠心圧縮機に用いられてもよい。2段システムについては、運転中に、第1段インペラの吐出物は第2インペラの吸引取入口に行く。両インペラは単一シャフト(または心棒)を用いて動作してもよい。各段は約4対1の圧縮比を構築することができる、すなわち、絶対吐出圧力は絶対吸引圧力の4倍であることができる。特に自動車用途向けの2段遠心圧縮機システムの幾つかの例は、両方とも参照により本明細書に援用される、米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)に記載されている。
遠心圧縮機を用いる冷凍システムまたは空気調節システムでの使用に好適な本発明の組成物は、COCと、
シクロヘキサン、
シクロペンタン、
3−エチルペンタン、
2,2−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルペンタン、
n−ヘプタン、
メチルシクロペンタン、
2−メチルヘキサン、
3−メチルヘキサン、
2−メチルペンタン、
3−メチルペンタン、および
n−ペンタン
からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含む。
これらの上にリストされた組成物はまた、多段遠心圧縮機、好ましくは2段遠心圧縮機装置での使用にも好適である。
本発明の組成物は、固定式空気調節、ヒートポンプまたは移動式空気調節および冷凍システムで使用されてもよい。固定式空気調節およびヒートポンプ用途には、ウィンドウ型、ダクトレス型、ダクト型、パッケージ・ターミナル型、パッケージ・ルーフトップを含む冷蔵室および業務用が含まれる。冷凍用途には、家庭用またはホーム冷蔵庫およびフリーザー、製氷機、内蔵型クーラーおよびフリーザー、ウォークイン・クーラーおよびフリーザーならびに輸送冷凍システムが含まれる。
本発明の組成物はさらに、フィンおよびチューブ熱交換器、マイクロチャネル熱交換器、ならびに垂直または水平シングルパスチューブまたはプレート型熱交換器を用いる空気調節、加熱および冷凍システムで使用されてもよい。
通常のマイクロチャネル熱交換器は、本発明の低圧冷媒組成物にとって理想的ではないかもしれない。低い運転圧力および密度は、すべての部品に高い流速および高い摩擦損失をもたらす。これらのケースでは、蒸発器・デザインが修正されてもよい。(冷媒パスに関して)直列に連結された幾つかのマイクロチャネル・スラブよりもむしろシングルスラブ/シングルパス熱交換器配置が用いられてもよい。それ故、本発明の低圧冷媒にとって好ましい熱交換器はシングルスラブ/シングルパス熱交換器である。
2段または他の多段遠心圧縮機装置に加えて、シングルスラブ/シングルパス熱交換器を用いる冷凍装置または空気調節装置での使用に好適な本発明の組成物は、COCと、
シクロヘキサン、
シクロペンタン、
3−エチルペンタン、
2,2−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルペンタン、
n−ヘプタン、
メチルシクロペンタン、
2−メチルヘキサン、
3−メチルヘキサン、
2−メチルペンタン、
3−メチルペンタン、および
n−ペンタン
からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含む。
本発明の組成物は、自動車およびウィンドウ型空気調節、ヒートポンプ、または輸送冷凍、ならびに他の用途で用いることができる、小タービン遠心圧縮機(ミニ遠心圧縮機)で特に有用である。これらの高効率ミニ遠心圧縮機は電動機によって駆動されてもよく、それ故エンジン速度とは無関係に運転することができる。一定の圧縮機速度は、該システムにすべてのエンジン速度で比較的一定の冷却能力を提供させる。これは、従来のR−134a自動車空気調節システムと比較してより高いエンジン速度で特に効率向上の機会を提供する。高い駆動速度での従来システムのサイクリング運転が考慮される場合、これらの低圧システムの利点はさらにより大きくなる。
あるいはまた、電力の使用よりもむしろ、ミニ遠心圧縮機は、エンジン排ガス駆動タービンまたは比例化(ratioed)ベルト駆動の比例化ギア駆動アセンブリによって動力供給されてもよい。現在の自動車デザインで利用可能な電力は約14ボルトであるが、新ミニ遠心圧縮機は約50ボルトの電力を必要とする。それ故、代わりの電源の使用が有利であろう。エンジン排ガス駆動タービンによって動力供給される冷凍装置または空気調節装置は、参照により本明細書に援用される、2005年3月4日出願の米国特許公報(特許文献5)に詳細に説明されている。比例化ギア駆動アセンブリによって動力供給される冷凍装置または空気調節装置は、参照により本明細書に援用される、2005年3月21日出願の米国特許公報(特許文献6)に詳細に説明されている。
本発明はさらに、エンジン排ガス駆動タービンによって動力供給されるミニ遠心圧縮機中で本発明の組成物を圧縮し、前記組成物を凝縮させ、そしてその後に冷却されるべき物体の近傍で前記組成物を蒸発させることを含む冷却をもたらすためのプロセスに関する。
本発明はさらに、比例化ベルト駆動の比例化ギア駆動アセンブリによって動力供給されるミニ遠心圧縮機中で本発明の組成物を圧縮し、前記組成物を凝縮させ、そしてその後に前記組成物を冷却されるべき物体の近傍で蒸発させることを含む冷却をもたらすためのプロセスに関する。
本発明の低圧冷媒流体の幾つかは、既存の遠心装置でCFC−113のドロップイン代替品として好適であるかもしれない。
本発明はさらに、既存の冷凍装置または空気調節装置でのCFC−113の代替方法であって、本発明の組成物を代替品として提供する工程を含む方法に関する。
本発明はさらに、本発明の組成物が伝熱流体として役立つ、熱源からヒートシンクへの熱の移動のためのプロセスに関する。伝熱のための前記プロセスは、本発明の組成物を熱源からヒートシンクへ移すことを含む。
伝熱流体は、輻射、伝導、または対流によって熱を、ある空間、場所、物体から異なる空間、場所、物体へ移す、移動させるまたは除去するために利用される。伝熱流体は、遠く離れた冷凍(または加熱)システムから冷却(または加熱)のための移送の手段を提供することによって二次クーラントとして機能してもよい。幾つかのシステムでは、伝熱流体は、移送プロセスの全体にわたって一定の状態のままであってもよい(すなわち、蒸発しないまたは凝縮しない)。あるいはまた、蒸発冷却プロセスは同様に伝熱流体を利用してもよい。
熱源は、それから熱を移す、移動させるまたは除去することが望まれる任意の空間、場所、物体と定義されてもよい。熱源の例は、冷蔵庫またはスーパーマーケットのフリーザーケースなどの、冷凍もしくは冷却を必要とする空間(開かれたまたは閉ざされた)、空気調節を必要とする建物空間、または空気調節を必要とする自動車の客室であってもよい。ヒートシンクは、熱を吸収することができる任意の空間、場所、物体と定義されてもよい。蒸気圧縮冷凍システムは、かかるヒートシンクの一例である。
(実施例1)
(蒸気漏洩の影響)
容器に初期組成物を規定温度で装入し、組成物の初期蒸気圧を測定する。初期組成物の50重量パーセントが除去されるまで、温度を一定に保ちながら、組成物を容器から漏洩させ、その時、容器中に残っている組成物の蒸気圧を測定する。結果を下の表5にまとめる。
Figure 2008505215
Figure 2008505215
Figure 2008505215
(実施例2)
(圧力を生成するための先端速度)
先端速度は、遠心圧縮機を用いる冷凍設備について幾つかの基本的な関係式を作成することによって推定することができる。インペラがガスに理想的に与えるトルクは
T=m(v −v ) 式1
のように定義される。
ここで、
T=トルク、N−メートル
m=流れの質量速度、kg/秒
=インペラを出る冷媒の接線速度(先端速度)、メートル/秒
=出口インペラの半径、メートル
=インペラに入る冷媒の接線速度、メートル/秒
=インペラの入口の半径、メートル
冷媒が本質的に軸方向にインペラに入ると仮定すると、速度の接線成分v=0であり、それ故、
T=m 式2
シャフトで必要とされる電力はトルクと回転速度との積である。
P=Tω 式3
ここで、
P=電力、W
ω=回転速度、ラジアン/秒
それ故、
P=Tω=m ω 式4
低い冷媒流速では、インペラの先端速度および冷媒の接線速度はほぼ同一であり、それ故
ω=v 式5
および
P=m 式6
理想的な電力についての別の表現は、流れの質量速度と圧縮の等エントロピー仕事との積であり、
P=m (1000J/kJ) 式7
ここで、
=飽和凝縮状態に対する蒸発状態での飽和蒸気からの冷媒のエンタルピーの差、kJ/kg
2つの表現式6と7とを組み合わせると
=1000 式8
を生み出す。
式8は幾つかの基本的仮定に基づいているが、それはインペラの先端速度の良好な推定値を提供し、冷媒の先端速度を比較するための重要な方法を提供する。
下の表は、1,2,2−トリクロロトリフルオロエタン(CFC−113)および本発明の3−エチルペンタンについて計算される理論的な先端速度を示す。この比較のために仮定された条件は次の通りである。
蒸発器温度:40.0°F(4.4℃)
凝縮器温度:110.0°F(43.3℃)
液体サブクール温度::10.0°F(5.5℃)
リターンガス温度:75.0°F(23.8℃)
圧縮機効率は:70%である。
これらは、小タービン遠心圧縮機が機能する典型的な条件である。
Figure 2008505215
本実施例は、本発明の化合物がCFC−113の約30パーセント内の先端速度を有し、最小限の圧縮機デザイン変更でCFC−113の有効な代替品であろうことを示す。最も好ましい組成物は、CFC−113の約20パーセント内の先端速度を有する。
(実施例3)
(性能データ)
下の表は、CFC−113と比較して様々な冷媒の性能を示す。データは次の条件に基づいている。
蒸発器温度:40.0°F(4.4℃)
凝縮器温度:110.0°F(43.3℃)
サブクール温度:10.0°F(5.5℃)
リターンガス温度:75.0°F(23.8℃)
圧縮機効率は:70%である。
Figure 2008505215
データは、本発明の組成物がCFC−113に類似の蒸発器および凝縮器圧力を有することを示す。幾つかの組成物はまた、CFC−113より高い能力を有する。

Claims (23)

  1. OCと、
    シクロヘキサン、
    シクロペンタン、
    3−エチルペンタン、
    2,2−ジメチルブタン、
    2,3−ジメチルブタン、
    2,3−ジメチルペンタン、
    n−ヘプタン、
    メチルシクロペンタン、
    2−メチルヘキサン、
    3−メチルヘキサン、
    2−メチルペンタン、
    3−メチルペンタン、および
    n−ペンタン
    からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含むことを特徴とする冷媒または伝熱流体組成物。
  2. (i)遠心圧縮機または(ii)多段遠心圧縮機または(iii)シングルスラブ/シングルパス熱交換器を用いる冷凍装置または空気調節装置での使用に好適な冷媒または伝熱流体組成物であって、COCと、
    シクロヘキサン、
    シクロペンタン、
    3−エチルペンタン、
    2,2−ジメチルブタン、
    2,3−ジメチルブタン、
    2,3−ジメチルペンタン、
    n−ヘプタン、
    メチルシクロペンタン、
    2−メチルヘキサン、
    3−メチルヘキサン、
    2−メチルペンタン、
    3−メチルペンタン、および
    n−ペンタン
    からなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素とを含むことを特徴とする組成物。
  3. 約1〜約71重量パーセントのCOCおよび約99〜約29重量パーセントのシクロペンタン、
    約1〜約71重量パーセントのCOCおよび約99〜約29重量パーセントの2,2−ジメチルブタン、
    約1〜約77重量パーセントのCOCおよび約99〜約23重量パーセントの2,3−ジメチルブタン、
    約52〜約99重量パーセントのCOCおよび約48〜約1重量パーセントの2,3−ジメチルペンタン、
    約56〜約99重量パーセントのCOCおよび約44〜約1重量パーセントの3−エチルペンタン、
    約25〜約99重量パーセントのCOCおよび約75〜約1重量パーセントのメチルシクロペンタン、
    約51〜約99重量パーセントのCOCおよび約49〜約1重量パーセントの2−メチルヘキサン、
    約54〜約99重量パーセントのCOCおよび約46〜約1重量パーセントの3−メチルヘキサン、
    約1〜約79重量パーセントのCOCおよび約99〜約21重量パーセントの2−メチルペンタン、
    約1〜約82重量パーセントのCOCおよび約99〜約18重量パーセントの3−メチルペンタン、または
    約1〜約62重量パーセントのCOCおよび約99〜約38重量パーセントのn−ペンタン
    を含むことを特徴とする共沸または近共沸組成物。
  4. 約48.1℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する29.6重量パーセントのCOCおよび70.4重量パーセントのシクロペンタン、
    約48.1℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する32.6重量パーセントのCOCおよび67.4重量パーセントの2,2−ジメチルブタン、
    約54.8℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する44.7重量パーセントのCOCおよび55.3重量パーセントの2,3−ジメチルブタン、
    約72.2℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する82.2重量パーセントのCOCおよび17.8重量パーセントの2,3−ジメチルペンタン、
    約73.5℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する86.0重量パーセントのCOCおよび14.0重量パーセントの3−エチルペンタン、
    約64.5℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する62.1重量パーセントのCOCおよび37.9重量パーセントのメチルシクロペンタン、
    約72.1℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する81.8重量パーセントのCOCおよび18.2重量パーセントの2−メチルヘキサン、
    約72.8℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する83.8重量パーセントのCOCおよび16.2重量パーセントの3−メチルヘキサン、
    約56.5℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する47.9重量パーセントのCOCおよび52.1重量パーセントの2−メチルペンタン、
    約58.7℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する52.1重量パーセントのCOCおよび47.9重量パーセントの3−メチルペンタン、または
    約35.0℃の温度で約14.7psia(101kPa)の蒸気圧を有する9.2重量パーセントのCOCおよび90.8重量パーセントのn−ペンタン
    を含むことを特徴とする共沸組成物。
  5. 冷却されるべき物体の近傍で請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を蒸発させ、そしてその後に前記組成物を凝縮させる工程を含むことを特徴とする冷却をもたらすためのプロセス。
  6. 加熱されるべき物体の近傍で請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を凝縮させ、そしてその後に前記組成物を蒸発させる工程を含むことを特徴とする熱をもたらすためのプロセス。
  7. 前記組成物を熱源からヒートシンクへ移す工程を含むことを特徴とする伝熱のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用方法。
  8. ナフタルイミド類、ペリレン類、クマリン類、アントラセン類、フェナントラセン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ナフトキサンテン類、フルオレセイン類、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの紫外線蛍光染料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 炭化水素類、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、クロロカーボン類、エステル類、ラクトン類、アリールエーテル類、フルオロエーテル類、および1,1,1−トリフルオロアルカン類からなる群から選択される少なくとも1つの可溶化剤をさらに含む請求項8に記載の組成物であって、前記冷媒または伝熱流体が前記可溶化剤と同じ化合物であってはならないことを特徴とする組成物。
  10. 前記可溶化剤が、
    a)式R[(OROR(式中、xが1〜3の整数であり、yが1〜4の整数であり、Rが水素および1〜6個の炭素原子とy個の結合サイトとを有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rが2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rが水素、ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つが前記炭化水素基から選択される)で表されるポリオキシアルキレングリコールエーテル類であって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するポリオキシアルキレングリコールエーテル類、
    b)式RCONRおよびシクロ−[RCON(R)−](式中、R、R、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基、ならびに6〜12個の炭素原子を有する多くても1つの芳香族基から選択され、Rが3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表されるアミド類であって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するアミド類、
    c)式RCOR(式中、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択される)で表されるケトン類であって、約70〜約300原子質量単位の分子量を有するケトン類、
    d)式RCN(式中、Rが5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される)で表されるニトリル類であって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリル類、
    e)式RCl(式中、xが整数1または2から選択され、Rが1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるクロロカーボン類であって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボン類、
    f)式ROR(式中、Rが6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rが1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される)で表されるアリールエーテル類であって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテル類、
    g)式CF(式中、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表される1,1,1−トリフルオロアルカン類、
    h)式ROCFCFH(式中、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるフルオロエーテル類であって、フルオロオレフィン類とポリオール類とから誘導され、前記フルオロオレフィン類はタイプCF=CXY(式中、Xは水素、塩素またはフッ素であり、そしてYは塩素、フッ素、CFまたはRがCF、CもしくはCであるORである)のものであり、そして前記ポリオール類は線状または分枝であり、前記線状ポリオール類はタイプHOCH(CHOH)(CRR’)CHOH(式中、RおよびR’は水素、CHまたはCであり、xは0〜4の整数であり、yは0〜3の整数であり、そしてzはゼロか1かのどちらかである)のものであり、そして前記分枝ポリオール類はタイプC(OH)(R)(CHOH)[(CHCHOH](式中、Rは水素、CHまたはCであってもよく、mは0〜3の整数であり、tおよびuは0または1であり、vおよびwは0〜4の整数であり、およびt+u+v+w=4である)のものであるフルオロエーテル類、
    i)構造[B]、[C]、および[D]
    Figure 2008505215
    (式中、R〜Rが独立して水素、線状、分枝、環式、二環式、飽和および不飽和のヒドロカルビル基から選択される)で表され、および分子量が約100〜約300原子質量単位であるラクトン類、ならびに
    j)一般式RCO(式中、RおよびRが独立して線状および環式の、飽和および不飽和の、アルキルおよびアリール基から選択される)で表されるエステル類であって、約80〜約550原子質量単位の分子量を有するエステル類
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. 紫外線蛍光染料の圧縮冷凍装置または空気調節装置中への導入方法であって、紫外線蛍光染料を可溶化剤の存在下で請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物に溶解させる工程と、該組合せを前記圧縮冷凍装置または空気調節装置中へ導入する工程とを含むことを特徴とする方法。
  12. 紫外線蛍光染料の請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物への可溶化方法であって、該紫外線蛍光染料を可溶化剤の存在下で前記組成物と接触させる工程を含むことを特徴とする方法。
  13. 圧縮冷凍装置または空気調節装置を提供する工程と、請求項8または9に記載の組成物を前記装置中へ導入する工程と、前記装置の近傍に前記組成物を検出するための好適な手段を提供する工程とを含むことを特徴とする漏洩の検出方法。
  14. 冷却されるべき物体の近傍で請求項8に記載の組成物の冷媒または伝熱流体成分を蒸発させ、そしてその後に前記冷媒または伝熱流体成分を凝縮させる工程を含むことを特徴とする冷却をもたらす方法。
  15. 加熱されるべき物体の近傍で請求項8に記載の組成物の冷媒または伝熱流体成分を凝縮させ、そしてその後に前記冷媒または伝熱流体成分を蒸発させる工程を含むことを特徴とする熱をもたらす方法。
  16. 安定剤、水捕捉剤、または臭気マスキング剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記安定剤が、ニトロメタン、ヒンダードフェノール類、ヒドロキシルアミン類、チオール類、ホスファイト類およびラクトン類からなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
  18. 多段遠心圧縮機を用いる冷凍装置または空気調節装置で熱または冷却をもたらす工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用方法。
  19. 前記多段遠心圧縮機が2段遠心圧縮機であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記水捕捉剤がオルトエステルであることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
  21. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を、エンジン排ガス駆動タービンによって動力供給されるミニ遠心圧縮機中で圧縮する工程と、前記組成物を凝縮させる工程と、その後に冷却されるべき物体の近傍で前記組成物を蒸発させる工程とを含むことを特徴とする冷却をもたらすためのプロセス。
  22. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を比例化ベルト駆動の比例化ギア駆動アセンブリによって動力供給されるミニ遠心圧縮機中で圧縮する工程と、前記組成物を凝縮させる工程と、その後に冷却されるべき物体の近傍で前記組成物を蒸発させる工程とを含むことを特徴とする冷却をもたらすためのプロセス。
  23. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を代替品として提供する工程を含むことを特徴とする既存の冷凍装置または空気調節装置でのCFC−113の代替方法。
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