JP2008504489A - フリーピストン・エンジン用のナトリウム冷却ピストン - Google Patents
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Abstract
フリーピストン・エンジンが、流体ポンプ組立体の対向する側部に配設された、一組の対向エンジン・シリンダを備えて構成される。ピストン202、220の少なくとも一つが、一つ以上の、概して軸方向に伸びる、ナトリウム化合物215、217で部分的に満たされる孔212、213、230、231を含む。ピストン202、220の夫々が往復運動するとき、ナトリウム215、217は、夫々の冷却孔212、213、230、231の中で前後に移動し、それにより、ピストン202、220内で熱をより良く分配する。
【選択図】図13
【選択図】図13
Description
本発明は、内燃機関(エンジン)に関連し、より具体的には、フリーピストン・エンジンに関連する。
従来、内燃機関(エンジン)は、機械的に固定されたピストンの動きによって動作している。例えば、自動車用の従来のエンジンは、クランクシャフト及び、夫々のシリンダの中の各ピストンの動きを機械的に決定するコネクティング・ロッド組立体を含む。各ピストンの位置がエンジン・サイクル内の如何なる任意の点に関しても知られ、このことがエンジンのタイミングと作動を単純化するので、この形式のエンジンは望ましい。これらの従来の形式のエンジンは近年、効率に関して大きく改良されたが、エンジン本来の性質に起因して、その効率は依然として制限されている。特に、ピストンの機械的に固定された動きが圧縮比を固定するため、出力密度が制限される。さらに、ピストン(さらに、カムシャフトとエンジン・バルブ)の動きを方向付ける可動部品の全てが、大きな摩擦抵抗を作り出し、それを克服するためには、エンジンそれ自体からのエネルギーを必要とする。その結果として生じる低い出力密度が、エンジンが所望のものより、大きく且つ重くなることを意味する。また、構成されなければならない全ての機械的連結のため、エンジン設計及びエンジン実装の柔軟性が制限される。
したがって、環境及び他の理由のため、エンジンに、これら従来のエンジンよりも高い出力密度を持たすことが望まれる。より軽い相対的重さ、より小さい実装サイズ及び、改良された燃料経済性の有利点が、車両及び据え置き型発電設備用途の両方において大きな有利点となり得る。
内燃機関の別の形式が、フリーピストン・エンジンである。これは、そこにおいてシリンダ内のピストンの動きが、機械的に固定されていないエンジンである。その動きは、所定の時間において各ピストンに作用する力のバランスによって制御される。動きが固定されていないので、エンジンは可変圧縮比を持つことが可能となり、このことは、エンジン運転パラメータの設計において、より大きな柔軟性を可能とする。また、従来のクランクシャフト及び、ピストンに横力を発生させるためにクランクシャフトに取り付けられたロッドが存在しないので、エンジン作動の間に生成される摩擦は、概して小さい。しかしながら、フリーピストンを用いると、エンジン作動の複雑性が大きく増加するため、これらの形式のエンジンは未だ一般的に使用される状態になっていない。
特に、懸念事項の一つが、各ピストンからそのシリンダ壁への十分な熱伝達を確実にすることである。これが無いと、フリーピストン組立体上に過熱域が存在する可能性がある。クランクシャフト・エンジンは本質的に、シリンダ壁に対して作用される、ピストンの横過重を誘導する。この横過重によって誘導される接触が、ピストンからそのシリンダ壁への十分な熱伝達を可能とする。しかし、フリーピストン・エンジンにおいて、横過重の存在は望ましくなく且つ不要であり、したがって、ピストン・スカートとシリンダ壁との間の接触を取り除いている。これがピストンとシリンダとの間の摩擦を低減し、そしてシリンダ壁に必要とされる潤滑油の量を低減しながら、熱伝達のための接触面積も低減している。ピストンを適切に冷却する能力は、シリンダの排気ポートに近接して動作するピストンがあるエンジン構成にとって、特に重要である。
本発明の目的は、改善されたピストン組立体及び、そのピストン組立体を組み込みエンジンを提供することである。
本発明の第一の観点によれば、そこにおいて燃焼シリンダが動作軸の近傍に置かれるエンジンの円筒型の燃焼シリンダの中で使用されるピストン組立体が提供され、そのピストン組立体は、ヘッド部を持つ本体部、向かい合わされる後部及びそれらの間に伸びる円筒型側壁を、該ヘッド部が上記動作軸の該して法線方向を向いて適合されると共に該円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びるように適合される状態で有し、上記本体部が、上記ヘッド部に近接する位置から上記後部に近接する位置に伸びる少なくとも一つの冷却孔を含み、液体ナトリウム化合物が、各冷却孔内において少なくとも一部に含まれ且つ満たしている。
上記本体部の中に互いに間隔を空けて配置された複数の第一冷却孔がある場合もあり、該冷却孔の夫々が上記ヘッド部に近接する位置から上記後部に近接する位置へ伸び、少なくとも部分的に上記液体ナトリウム化合物で満たされる。
冷却孔の夫々は、動作軸と概して平行に伸び得る。
冷却孔の夫々は、上記後部に近接する第一端部から上記ヘッド部に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸び得る。
ピストン組立体は更に、夫々が液体ナトリウム化合物で部分的に満たされる複数の第二の冷却孔を上記本体部の中に有し、上記第二冷却孔は上記複数の第一冷却孔と互い違いに配設されると共に、上記後部に近接する第一端部から上記ヘッド部に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸び得る。
ピストン組立体は、上記円筒型側壁の周りに上記ヘッド部に対して概して平行に且つ近接して伸びる第一環状ピストン・リングと、上記円筒型側壁の周りに上記後部に対して概して平行に且つ近接して伸びる第二環状ピストン・リングとを更に有する。
ピストン組立体は、上記第一環状ピストン・リングと上記第二環状ピストン・リングとの間で、両方から間隔を空けて配設され、上記円筒型側壁の周りに伸びる第三環状ピストン・リングを更に有する。
ピストン組立体は、上記本体部に取り付けられた第一の部分と、間隔を空けて置かれた、フリーピストン・エンジンのエネルギ生成・制御組立体との係合のための第二の部分とを持つロッドを更に有する。
本発明の第二の観点によれば、エンジンが、第一側部及び該第一側部と対向した関係にある第二側部を持つエネルギー生成・制御組立体、該エネルギー生成・制御組立体の上記第一側部に近接して配設され且つ、第一エンジン・シリンダを規定する第一シリンダ・ライナーを含み、動作軸の近傍に中心を持つ第一燃焼シリンダ組立体、上記エネルギー生成・制御組立体の上記第二側部に近接して配設され且つ、第二エンジン・シリンダを規定する第二シリンダ・ライナーを含み、動作軸の近傍に中心を持つ第二燃焼シリンダ組立体及び、第一ヘッド部、向かい合わされる第一後部及びそれらの間に伸びる第一円筒型側壁を、該第一ヘッド部が上記動作軸の概して法線方向に向けられると共に該第一円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びる状態で備える第一本体部を持つ第一内側ピストンと、第二ヘッド部、向かい合わされる第二後部及びそれらの間に伸びる第二円筒型側壁を、該第二ヘッド部が上記動作軸に概して法線方向に向けられると共に該第二円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びる状態で備える第二本体部を持つ第二内側ピストンと、上記第一内側ピストンに取り付けられる第一端部、上記第二内側ピストンに取り付けられる第二端部及び上記エネルギー生成・制御組立体に動作可能に係合する中央部を持つプッシュロッドとを含む内側ピストン組立体を有し、上記第一本体部がその中に概して上記第一ヘッド部に近接する位置から上記第一後部に近接する位置へ伸びる少なくとも一つの冷却孔を含み、上記第二本体部が上記第二ヘッド部に近接する位置から上記第二後部に近接する位置に伸びる少なくとも一つの冷却孔を含み、液体ナトリウム化合物が上記第一本体部及び上記第二本体部内の各冷却孔内において少なくとも一部に含まれ且つ満たすことを特徴とする、フリーピストン・エンジンが提供される。
上記第一本体部の中に互いに間隔を空けて置かれた複数の第一冷却孔が存在する場合がある。
上記第二本体部の中に互いに間隔を空けて置かれた複数の第一冷却孔が存在する場合がある。
冷却孔の夫々が、上記動作軸に対して概して平行に伸び得る。
上記第一本体部及び上記第二本体部の少なくとも一方が、上記複数の第一冷却孔と互い違いに置かれた複数の第二冷却孔を更に有し、該複数の第二冷却孔は、夫々の上記後部に近接する第一端部から夫々の上記ヘッド部に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸び、少なくとも部分的に液体ナトリウム化合物で満たされる。
上記エンジンが、上記第一円筒型側壁の周りに上記第一ヘッド部に対して概して平行に且つ近接して伸びる第一環状ピストン・リングと、上記第一円筒型側壁の周りに上記後部に対して概して平行に且つ近接して伸びる第二環状ピストン・リングとを更に有する。
上記エンジンが、上記第一円筒型側壁の周りに伸びる第三環状ピストン・リングを更に有し、該第三ピストン・リングは、上記第一ピストン・リングと上記第二ピストン・リングとの間で、両方から間隔を空けて配設される。
冷却孔の夫々は、各後部に近接する第一端部から各ヘッド部に近接する第二端部へ向かって概して径方向内向きの角度で伸び得る。
エネルギー生成・制御組立体が、第一側部及び該第一側部と対向した関係にある第二側部、内側流体ポンプ室、内側流体ポンプ室に選択的に流体連通する、比較的低い圧力の下で流体を収容するための第一容器及び内側流体ポンプ室に選択的に流体連通する、比較的高い圧力の下で流体を収容するための第二容器を持つ流体ポンプ組立体であり得、第一燃焼シリンダ組立体が、流体ポンプ組立体の第一側部に近接して配設され且つ、動作軸近傍に中心を持ち第一エンジン・シリンダを規定する第一シリンダ・ライナーを含み得、第二燃焼シリンダ組立体が、流体ポンプ組立体の第二側部に近接して配設され且つ、動作軸近傍に中心を持ち第二エンジン・シリンダを規定する第二シリンダ・ライナーを含み得、内側ピストン組立体が、第一ヘッド部、向かい合わされる第一後部及びそれらの間に伸びる第一円筒型側壁を、第一ヘッド部が動作軸の概して法線方向に向けられると共に第一円筒型側壁が該して動作軸近傍に中心を持ち動作軸の方向に伸びる状態で備える第一本体部を有し、その第一本体部が、その中に、第一ヘッド部に近接する位置から第一後部に近接する位置へ伸びる複数の冷却孔を含み得る第一内側ピストンと、第二ヘッド部、向かい合わされる第二後部及びそれらの間に伸びる第二円筒型側壁を、第二ヘッド部が動作軸の概して法線方向に向けられると共に第二円筒型側壁が該して動作軸近傍に中心を持ち動作軸の方向に伸びる状態で備える第二本体部を有し、その第二本体部が、その中に、第二ヘッド部に近接する位置から第二後部に近接する位置へ伸びる第二の複数の冷却孔を含み得る第二内側ピストンと、第一内側ピストンに取り付けられる第一端部、第二内側ピストンに取り付けられる第二端部及び内側流体ポンプ室に動作可能に係合する中央部を持つプッシュロッドと、複数の冷却孔の夫々の一部に含まれそれを満たし得る液体ナトリウム化合物とを含み得る。
本実施形態の有利な点は、フリーピストン・エンジンが、効果的な予混合圧縮着火(homogeneous charge, combustion ignition:HCCI)エンジン作動に貢献しながら、フリーピストン・エンジンの対向ピストン・対向シリンダ(opposed piston, opposed cylinder:OPOC)構成をより容易に変更できるという特有の能力によって、より本質的に均衡のとれたフリーピストン・エンジンを可能にする点である。そのようなエンジンは、比較的少ない主要可動部品で作動可能であり、エンジン作動の間に克服すべき総摩擦がクランク・エンジンより該して小さい。
本発明の実施形態の別の有利点は、フリーピストンの側面がシリンダ壁に対して負荷を与えず、それ故に、ピストンとシリンダ壁との間の摩擦を低減する点である。さらに、ピストンの側面がシリンダ壁に負荷を与えないので、シリンダ壁に沿って必要とされる潤滑油が少ない。
本発明の更に別の有利点は、孔の中のナトリウム化合物が、リングの夫々による熱伝達をより良く均一化するのみならず、ピストン・ヘッドからピストン・リングへのより良い熱伝達を補助する点であり、従って、ピストンからエンジン・シリンダの壁までの全体的な熱伝達を改善する。
図1〜14が、対向ピストン・対向シリンダ型油圧フリーピストン・エンジン10を示す。エンジン10は、そこから伸びる第一ピストン/シリンダ組立体14及び、そこから第一ピストン/シリンダ組立体14と一列に並ぶように反対方向に伸びる第二ピストン/シリンダ組立体16とを備える油圧ポンプブロック組立体12を含む。第一ピストン/シリンダ組立体14のタイミングが、第二ピストン/シリンダ組立体16と正反対になる。したがって、一方が上死点にあるとき、他方は下死点にある。さらに、その動きは、単一の動作軸に沿う或いは、平行である。このフリーピストン・エンジンの構成が、より本質的にバランスの取れたエンジンを可能とする。
加えて、後述する説明が、エンジンによって生成されたエネルギーを加圧流体の形式で蓄えるのみでなく、この加圧流体の一部を、エンジン作動の調整及びエンジン・バランスの保持の開始に、時には補助するために使用することを開示する。
第一ピストン/シリンダ組立体14は、流体ポンプブロック組立体12に取り付けられる第一シリンダ・ジャケット18を含む。第一シリンダ・ジャケット18は、第一エンジン・シリンダを規定するシリンダ・ライナー42を持ち、そして、流体ポンプブロック組立体12に近接して置かれる第一排気ガス・スクロール20を含む。第一排気ガス・スクロール20の内部が、第一シリンダ・ジャケット18の円周方向且つ、第一排気フランジ24の径方向外側に伸びる内側排気流路22を規定する。排気フランジ24は、エンジン運転中に排気ガスを取り除くための排気装置(不図示)に接続するように構成される。
排気装置は、排気ガスを適切に処理して運び去る限りにおいて、如何なる所望の形式でもあり得る。例えば、それは、排気マニフォールド、マフラー、触媒コンバータ或いは、ターボチャージャー、或いはこれら及び可能性のある他の構成要素の組み合わせであり得る。
第一シリンダ・ジャケット18はまた、流体ポンプブロック組立体12に近接配置され、概して円周方向に伸びる冷却液通路28内に伸びる冷却液注入口26を含む。冷却液注入口26は、冷却液冷却システム(不図示)につながっており、冷却液冷却システムは、例えば、エンジン冷却液から熱を取り除くためのラジエータのような熱交換器、冷却システムを通して冷却液を圧送するためのウオーター・ポンプ、温度センサー及び、冷却液を目標温度範囲内に維持するための流量制御バルブ、若しくは、これらの構成要素間に延設された冷却液ライン、若しくは、これら及び可能性のある他の構成要素の組み合わせを含み得る。冷却システムは、エンジンから適切な量の熱を取り除く限りにおいて、如何なる形式の所望のエンジン冷却システムでもあり得る。
第一シリンダ・ジャケット18の排気ガス・スクロール20からの反対側の端部において、その内部が吸気流路31を規定する吸気環30が円周方向に伸びる。吸気環30に近接して、第一シリンダ・ジャケット18が、その中に第一燃料噴射弁34が取り付けられる燃料噴射弁用ボス32を形成する。第一燃料噴射弁34は、燃料噴射弁の開口時期及び期間を決定するための信号を供給する電子制御器35に電気的に接続される。第一燃料噴射弁34はまた、燃料システム39(概略的に開示するのみ)から燃料を供給する燃料噴射弁レール37につながっている。燃料システム39は、例えば、燃料タンク、燃料ポンプ或いは燃料レールに至る燃料ライン、又はこれら及び可能性のある構成要素の組合せを含み得る。
所望の圧力の下で適切な量の燃料を燃料噴射弁34に対して供給可能な如何なる形式の燃料システムが、概して利用可能である。好ましくは、燃料噴射弁レール37はまた、制御器35に電気的に接続された燃料圧センサー41を含む。
制御器35は好ましくは、バッテリー(不図示)、好ましくはエンジン10からのエネルギー出力を動力源とする発電機若しくはオルタネータ又は、他の幾つかの適切な電力供給器を備える電気システムを動力源とする。また、ここにおいて制御器35が単数形として言及されているが、それは、もし必要であれば、互いに通信する複数の電子処理装置を含み得る。
第一排気ガス・スクロール20と吸気環30との間の中間部の付近に、第一シリンダ・ジャケット18が、その中に第一シリンダ圧力センサー38が取り付けられる圧力センサー取付ボス36を形成する。第一シリンダ圧力センサー38は、制御器35に電気的に接続されるのが好ましい。
第一シリンダ圧力センサー38は、任意選択要素であり、したがってもしそれがエンジン内で使用されなかったならば、圧力センサー取付ボス36も同様に取り除かれるであろう。燃料噴射弁ボス32及びセンサー取付ボス36の両方は、第一シリンダ・ジャケット18を通って、第一シリンダ・ジャケット18の長さ方向に伸びるメイン・ボア40に向かって伸びる。冷却液通路28、内側排気流路22及び、吸気環30が全て、メイン・ボア40内に同様に開口している。
第一シリンダ圧力センサー38は、任意選択要素であり、したがってもしそれがエンジン内で使用されなかったならば、圧力センサー取付ボス36も同様に取り除かれるであろう。燃料噴射弁ボス32及びセンサー取付ボス36の両方は、第一シリンダ・ジャケット18を通って、第一シリンダ・ジャケット18の長さ方向に伸びるメイン・ボア40に向かって伸びる。冷却液通路28、内側排気流路22及び、吸気環30が全て、メイン・ボア40内に同様に開口している。
第一ピストン/シリンダ組立体14はまた、第一シリンダ・ジャケット18のメイン・ボア40を通って伸び、そして好ましくはメイン・ボア40に圧入される第一シリンダ・ライナー42を含む。第一シリンダ・ライナー42は、その中を伸びて第一エンジン・シリンダ44を規定する円筒形状のメイン・ボアを含む。第一エンジン・シリンダの中心軸が、動作軸に沿うのが好ましい。第一シリンダ・ライナー42はまた、第一エンジン・シリンダ44と第一シリンダ・ジャケット18の内側排気流路22との間を伸びて接続する、円周方向に間隔を空けられた一連の排気ポート46を含む。
排気ポート46に近接して、第一シリンダ・ライナー42が、第一シリンダ・ジャケット18内の冷却液通路28と接する。この冷却液通路28は、第一シリンダ・ライナー42から径方向外側に伸び且つ間隔を空けて置かれた一連の螺旋状リブ48に接続し、そして、第一シリンダ・ジャケット18のメイン・ボア40に接して、一連のシリンダ冷却液通路50を形成する。これらのリブ48の内側において、シリンダ圧力タップボス52が、第一エンジン・シリンダ44から第一シリンダ・ジャケット18上のセンサー取付ボス36に伸びる。これは、第一シリンダ圧力センサー38をエンジン冷却液からシールする一方で、センサー38が第一エンジン・シリンダ44に対して晒されることを可能とする。
燃料噴射弁ボア54は、燃料噴射弁ボス32と一列に並び、リブ48を通って第一エンジン・シリンダ44に向かって伸びる。これは、第一燃料噴射弁34に、第一エンジン・シリンダ44内に直接燃料を噴射することを可能にする。
第一シリンダ・ライナー42はまた、円周方向に間隔を空けて置かれ、第一シリンダ・ジャケット18の吸気環30と接し、第一シリンダ44に開口する一連の吸気ポート56を持つ。吸気ポート56に近接して、間隔を空けて置かれた一連のオイルミスト孔58が、第一シリンダ・ライナー42の周囲に円周方向に配設される。
第一ピストン/シリンダ組立体14はまた、第一エア・ベルト60を含む。エア・ベルト60は、第一シリンダ・ライナー42の回りに取り付けられ、吸気環30の位置において第一シリンダ・ジャケット18と接している。オイル注入管62が、第一エア・ベルト60から突出し、そして第一エア・ベルト60を通って伸びて、オイルミスト環64に接続する。オイルミスト環64は、オイルミスト孔58の位置において第一シリンダ・ライナー42と接し、その回りを円周方向に伸びる。オイル注入管62は、オイル源に接続された注入口を持ち、そしてオイルミスト環64に対してオイルとエアの混合気を供給するオイル噴霧器(不図示)に接続するのが好ましい。オイル源は、オイル供給システム(不図示)の一部であり得る。オイル供給システムは、例えば、オイルポンプ、オイルフィルタ、オイルクーラー、オイルパン、オイルをシステム中に移動させるオイルライン又は、これら及び他の可能性のある構成要素の組み合わせを含み得る。オイル供給システムは、エンジンが作動している間にエンジンに潤滑油を適切に供給するためにエンジン構成部品と協力することが出来るような、如何なるシステムでもあり得る。
また、冷却液環66が、第一シリンダ・ライナー42に接し、その円周方向に伸びる。冷却液環66は、シリンダ冷却液通路50に接続し、そしてまた、第一エア・ベルト60から伸びる冷却液排出口68にも接続する。この冷却液排出口68は、上述した冷却液冷却システム(不図示)に接続する。第一エア・ベルト60はまた、一組のプルロッド通路70及び、第一シリンダ・ジャケット18の吸気環30と連通する吸気通路72を備える。
第一ピストン/シリンダ組立体14はまた、第一掃気ポンプ74を組み込んでいる。掃気ポンプ74は、第一エア・ベルト60及び第一シリンダ・ライナー42端部の周囲に取り付けられる掃気ポンプ筐体76を含む。掃気ポンプ筐体76は、入力室82に通じる吸気口ポート80及び排出室86に通じる排出口ポート84を備えた主ポンプ室78を持つ。主ポンプ室78は、概して楕円形の断面を持つ円筒形状である。
吸気口リード弁組立体88及び掃気ポンプ吸気口カバー90が、入力室82に取り付けられる。吸気口カバー90は、吸気システム(不図示)に接続する空気吸い込み口92を含むのが好ましい。吸気システムは、例えば、好ましくは何らかの形式のターボ過給機又は機械式過給機から空気を受ける吸気マニフォールド、スロットル・バルブ、質量エアフロー・センサー、大気温度センサー、或いはフィルター、或いは、これらの及び他の可能性のある構成要素の組み合わせを含み得る。吸気システムは、特定のエンジン運転状態に関して、所望の容積の空気を所望の圧力で空気吸い込み口92に供給するようなものであれば、如何なるシステムでもあり得る。
吸気口リード弁組立体88内のリード弁94が、空気流を吸気口カバー90から入力室82に流入するのを可能する一方で、逆方向の流れを防止するために配置される。排出口リード弁組立体89及び掃気ポンプ排出口カバー91が、排出室86に取り付けられる。排出口カバー91は、排出口リード弁組立体89から第一エア・ベルト60内の吸気通路72を経て第一シリンダ・ジャケット18の吸気流路31に至る吸気通路93を含む。排出口リード弁組立体89内のリード弁95が、空気流が排出室86を出て吸気通路93に至るのを可能とする一方で、その逆方向の空気流を防止するために配置される。
第二ピストン/シリンダ組立体114は、流体ポンプブロック組立体12に取り付けられた第二シリンダ・ジャケット118を含む。第二シリンダ・ジャケット118は、流体ポンプブロック組立体12に近接配置された第二排気ガス・スクロール120を含む。第二排気ガス・スクロール120の内部が、第二シリンダ・ジャケット118の円周方向且つ、第二排気フランジ124の径方向外側に伸びる内側排気流路122を規定する。排気フランジ124は、上で簡単に論じたように、排気装置(不図示)に接続するように構成される。第二シリンダ・ジャケット118はまた、流体ポンプブロック組立体12に近接配置され、概して円周方向に伸びる冷却液通路128内に伸びる冷却液注入口126を含む。冷却液注入口126は、冷却液冷却システム(不図示)につながっている。
第二シリンダ・ジャケット118の排気ガス・スクロール120からの反対側の端部において、その内部が吸気流路131を規定する吸気環130が円周方向に伸びる。吸気環130に近接して、第二シリンダ・ジャケット118が、その中に第二燃料噴射弁134が取り付けられる燃料噴射弁用ボス132を形成する。第二燃料噴射弁134は、燃料噴射弁の開口時期及び期間を決定するための信号を供給する電子制御器35に電気的に接続される。第二燃料噴射弁134はまた、燃料システム39から燃料を供給する燃料噴射弁レール37につながっている。燃料システム39は、例えば、燃料タンク、燃料ポンプ及び、燃料レールに通じる燃料ラインを含み得る。燃料噴射弁レール37はまた、制御器35に電気的に接続された燃料圧力センサー141を含むのが好ましくい。
第二排気ガス・スクロール120と吸気環130との間の中間部の付近に、第二シリンダ・ジャケット118が、その中に第二シリンダ圧力センサー138が取り付けられる圧力センサー取付ボス136を形成する。燃料噴射弁ボス132及びセンサー取付ボス136の両方は、第二シリンダ・ジャケット118を通って、第二シリンダ・ジャケット118の長さ方向に伸びるメイン・ボア140に伸びる。冷却液通路128、内側排気流路122及び、吸気環130は全て、メイン・ボア140内に同様に開口している。
第二ピストン/シリンダ組立体114はまた、第二シリンダ・ジャケット118のメイン・ボア140を通って伸び、そして好ましくはメイン・ボア140内に圧入される第二シリンダ・ライナー142を含む。第二シリンダ・ライナー142は、その中を伸びて第二エンジン・シリンダ144を規定する円筒形状のメイン・ボアを含む。第二エンジン・シリンダ144の中心軸は、動作軸に沿うのが好ましい。第二シリンダ・ライナー142はまた、第二エンジン・シリンダ144と第二シリンダ・ジャケット18の内側排気流路122との間を伸びて接続する、円周方向に間隔を空けられた一連の排気ポート146を含む。
排気ポート146に近接して、第二シリンダ・ライナー142が、第二シリンダ・ジャケット118内の冷却液通路128と接する。この冷却液通路128は、第一シリンダ・ライナー142から径方向外側に伸び且つ、間隔を空けて置かれた一連の螺旋状リブ148に接続し、そして、第二シリンダ・ジャケット118のメイン・ボア140に接して、一連のシリンダ冷却液通路150を形成する。これらのリブ148の内部において、シリンダ圧力タップボス152が、第二エンジン・シリンダ144から第二シリンダ・ジャケット118上のセンサー取付ボス136に伸びる。これは、第二シリンダ圧力センサー138をエンジン冷却液からシールする一方で、センサー138が第二エンジン・シリンダ144に対して晒されることを可能とする。
燃料噴射弁ボアが、燃料噴射弁ボス132と一列に並び、リブ148を通って第二エンジン・シリンダ144に向かって伸びる。これは、第二燃料噴射弁134に、第二エンジン・シリンダ144内に直接燃料を噴射することを可能にする。
第二シリンダ・ライナー142はまた、円周方向に間隔を空けて置かれ、第二シリンダ・ジャケット118の吸気環130と接し、第二シリンダ144に開口する一連の吸気ポート156を持つ。吸気ポート156に近接して、間隔を空けて置かれた一連のオイルミスト孔158が、第二シリンダ・ライナー142の周囲に円周方向に配設される。
第二ピストン/シリンダ組立体14はまた、第二エア・ベルト160を含む。エア・ベルト160は、第二シリンダ・ライナー142の回りに取り付けられ、吸気環130の位置において第二シリンダ・ジャケット118と接している。オイル注入管162が、第二エア・ベルト160から突出し、第二エア・ベルト160を通って伸びて、オイルミスト環164に接続する。オイルミスト環164は、オイルミスト孔158の位置において第二シリンダ・ライナー142と接し、その回りを円周方向に伸びる。オイル注入管162が、オイルとエアの混合気をオイルミスト環164に供給するため、オイル噴霧器に接続するのが好ましい。
また、冷却液環166が、第二シリンダ・ライナー142に接し、その円周方向に伸びる。冷却液環166は、シリンダ冷却液通路150に接続し、そしてまた、第二エア・ベルト160から伸びる冷却液排出口168にも接続する。この冷却液排出口168は、上述した冷却液冷却システム(不図示)に接続する。第二エア・ベルト160はまた、一組のプルロッド通路170及び、第二シリンダ・ジャケット118の吸気環130と連通する吸気通路172を備える。
第二ピストン/シリンダ組立体114はまた、第二掃気ポンプ174を組み込んでいる。掃気ポンプ174は、第二エア・ベルト160及び第二シリンダ・ライナー142の端部の周囲に取り付けられる掃気ポンプ筐体176を含む。掃気ポンプ筐体176は、入力室182に通じる吸気口ポート180及び排出室186に通じる排出口ポート184を備えた主ポンプ室178を持つ。主ポンプ室78は、概して楕円形の断面を持つ円筒形状である。吸気口リード弁組立体188及び掃気ポンプ吸気口カバー190が、入力室182に取り付けられる。吸気口カバー190は、好ましくはある種の過給器或いはターボ過給器(不図示)から空気を受ける吸気マニフォールド(不図示)に接続するのが好ましい、吸気口192を含む。吸気口リード弁組立体188内のリード弁194が、空気流を吸気口カバー190から入力室182に流入するのを可能する一方で、逆方向の流れを防止するために配置される。
排出口リード弁組立体189及び掃気ポンプ排出口カバー191が、排出室186に取り付けられる。排出口カバー191は、排出口リード弁組立体189から第二エア・ベルト160内の吸気通路172を経て第二シリンダ・ジャケット118の吸気流路131に至る吸気通路193を含む。排出口リード弁組立体189内のリード弁195が、空気流が排出室186を出て吸気通路193に至るのを可能とする一方で、その逆方向の空気流を防止するために配置される。
内側ピストン組立体200及び外側ピストン組立体250の二つのピストン組立体が、二つのピストン/シリンダ組立体14及び16の内部に収容される。内側ピストン組立体200は、そのヘッド210が流体ポンプブロック組立体12から見て外方を向き且つ、その後部211が流体ポンプブロック組立体12に対向する状態で第一エンジン・シリンダ44内に取り付けられた円筒型の側壁を備えた本体を有する第一内側ピストン202を備える。第一内側ピストン202が、その外径と第一エンジン・シリンダ44の壁との間に小さな間隙を持って、第一エンジン・シリンダ44の中に取り付けられる。したがって、第一内側ピストン202はまた、その外周回りに三つのリング溝を、第一の溝が第一圧縮リング204を受け、第二の溝が第二圧縮リング206を受け、そして第三の溝がオイル調整リング208を受ける状態で、含むのが好ましい。三つのリング204、206及び208は全て、第一エンジン・シリンダ44の壁に対してシールする大きさである。
第一内側ピストン202は、ピストン202の後部211からヘッド210に向かって動作軸に対して該して平行な方向に概して軸方向に伸びる、間隔を空けて置かれた第一組の冷却孔212を含むのが望ましい。孔212の各々は、部分的にナトリウム化合物215で満たされ、そして孔212の中にナトリウム化合物215を密封するための蓋214を持つのが好ましい。ナトリウム化合物は、幾つかの高性能エンジン内の排気バルブを冷却するのに使用されるナトリウム化合物と同一或いは類似の液体が望ましい。また、蓋219の二つが、ガイド・ロッド(後述)を支え即ち保持するべく改良されるのも好ましい。第一内側ピストン220はまた、第一組の冷却孔212と交互に配置される第二組の冷却孔213を含むのが好ましい。第二組の冷却孔213は、それらがピストン202の後部211からヘッド210に向かって伸びるにつれて径方向内側へ向かっていくのが望ましい。各孔は、ナトリウム化合物217で部分的に満たされ、そして、ナトリウム化合物217を孔213の中に密封するための蓋214の一つを有する。第二の組の冷却孔213の向きを第一組の冷却孔212に対して互い違いにすることにより、ヘッド210の、径方向外側部と径方向内側部の両方の全ての部分から、熱がより良く取り出されると考えられる。しかしながら、代替例として、両方の冷却孔の組212と213が、必要に応じ、ピストン202内で同じ方向を持つ場合がある。
内側ピストン組立体200は、第二エンジン・シリンダ144内に、そのヘッド222が流体ポンプブロック組立体12から見て外方を向き且つ、その背面223が流体ポンプブロック組立体12に対向する状態で取り付けられた円筒型の側壁を備える本体を有する第二内側ピストン220を更に含む。第二内側ピストン220は、その外径と第二エンジン・シリンダ144の壁との間に小さな間隙をもった状態で、第二エンジン・シリンダ144内に取り付けられる。したがって、第二内側ピストン220はまた、その外周回りに三つのリング溝を、第一の溝が第一圧縮リング224を受け、第二の溝が第二圧縮リング226を受け、そして第三の溝がオイル調整リング228を受ける状態で、含むのが好ましい。三つのリング224、226及び228は全て、第二エンジン・シリンダ144の壁に対してシールする大きさである。
第二内側ピストン220はまた、ピストン220の後部223からヘッド222に向かって概して軸方向に伸びる第一の組の冷却孔230を含むのが望ましい。孔230の各々は、部分的にナトリウム化合物で満たされ、そして孔230の中にナトリウム化合物を密封するための蓋232を持つのが好ましい。繰り返しになるが、第二の組の冷却孔231を、それらが第二内側ピストン220のヘッド222の後部223からヘッド222に向かって伸びるにつれて径方向内側に向かう状態で、第二の組の冷却孔231を第一の組の冷却孔230と交互に配置するのが望ましい。
第一内側ピストン202は、中央に位置して軸方向に伸び、その中に締め具218を受ける穴216を含み、そして第二内側ピストン220もまた、中央に位置して軸方向に伸び、その中に締め具236を受ける穴234を含む。締め具218及び236は夫々、流体ポンプブロック組立体12を通って伸びるプッシュロッド240の端部の夫々に装着される。内側ピストン202及び220の夫々に取り付けられたプッシュロッド240は、二つのピストン202及び220を、好ましくは動作軸に、同時に移動させる。プッシュロッド240はまた、内側プランジャ242を形成する径拡大領域を含む。内側プランジャ242は、二つのピストン202及び220の中ほどに位置する。内側プランジャ242の目的は、流体ポンプブロック組立体12に関連して、後述されるであろう。
内側ピストン組立体200はまた、第一及び第二内側ピストン202、220の後面211、223の間を連結すべく、流体ポンプブロック組立体12を通って伸びる第一ガイドロッド244及び、第二ガイドロッド245を含むのが望ましい。ガイドロッド244及び245は、エンジンの作動中、内側ピストン組立体200を回転しないようにする。また、ガイドロッド244及び245の少なくとも一つ、好ましくは両方が、エンジン作動中に内側ピストン組立体200の軸方向の位置を判定するために使用され得る位置センサー指標を含むのが好ましい。そのような指標は、第一ガイドロッド244の回りに取り付けられる第一の銅リングの組246という形を取り得る。第二ガイドロッド245もまた、第二の銅リングの組247として指標を含むのが好ましい。その結果、第二ガイドロッド245は、第一ガイドロッド244上の位置センサーが内側ピストン組立体200の軸方向の位置を正確に読み取るのを確実にするための位置校正センサーの一部として使用され得る。
外側ピストン組立体250は、第一エンジン・シリンダ44内に、そのヘッド254が第一内側ピストン202のヘッド210に対向し且つ、その後面256が第一掃気ポンプ主室78に対向する状態で取り付けられた第一外側ピストン252を持つ。第一外側ピストン252は、その外径と第一エンジン・シリンダ44の壁との間に小さな間隙をもった状態で、第一エンジン・シリンダ44内に取り付けられる。
したがって、第一外側ピストン252はまた、その外周回りに三つのリング溝を、第一の溝が第一圧縮リング258を受け、第二の溝が第二圧縮リング260を受け、そして第三の溝がオイル調整リング262を受ける状態で、含むのが好ましい。三つのリング258、260及び262は全て、第一エンジン・シリンダ44の壁に対してシールする大きさである。
第一ピストン・ブリッジ264が、第一外側ピストン252の後部256に取り付けられる。第一ピストン・ブリッジ264は、第一外側ピストン252と共に移動し、そして、実質的に第一外側ピストン252の一部を形成する。第一ピストン・ブリッジ264は、第一掃気ポンプ74の主ポンプ室78の壁に摺接し且つ壁に対してシールする、概して楕円形状の外側部266を含む。楕円部266の小径が、第一外側ピストン252のヘッド254の直径に比べてわずかに小さく、一方で、楕円部266の大径がヘッド254の直径に比べて大幅に大きいのが好ましい。第一プルロッド・ボス268及び第二プルロッド・ボス269が、楕円部266の大径に沿って且つ、第一外側ピストン252の外径の径方向外側に配設される。
ガイドポスト・ボス270が、第一ピストン・ブリッジ264の中心に、第一外側ピストン252の動作軸上を中心として配設される。第一ガイドポスト271が、第一掃気ポンプ筐体76に取付けられ、そこから伸びる。第一ガイドポスト271は、動作軸を中心としそして、動作軸と平行に伸びる、概して円筒型の外面を持つ。この外面は、ガイドポスト・ボス270が、第一ガイドポスト271に沿って伸縮自在に摺動するのを可能とすべく、ガイドポスト・ボス270の内部を正確に摺動する。第一ガイドポスト271が固定されているので、その位置は第一エンジン・シリンダ44に対して正確に位置決めされ得る。その結果、第一エンジン・シリンダ271は、第一ピストン・ブリッジ264の非常に正確な配置を可能にさせ、従って、第一エンジン・シリンダ44に対する第一外側ピストン252の非常に正確な配置を可能にさせる。
その結果、ガイドポスト・ボス270は、エンジン作動中、ガイドポスト271上を摺動し、第一外側ピストン252が第一エンジン・シリンダ44内を摺動するとき、ピストン・リング258、260及び262のみが第一エンジン・シリンダ44の壁に当接するように、第一外側ピストン252の適切な方向を維持する。これは、第一外側ピストン252の外面が第一エンジン・シリンダ44の壁と接触せずに動く一方で、概してピストン・リング258、260及び262とガイドポスト・ボス270のみが外面で摺接するので、比較的小さな量の摩擦のみを生じさせる。
外側ピストン組立体250はまた、第二エンジン・シリンダ144内に、そのヘッド276が第二内側ピストン220のヘッド222に対向し且つ、その後面277が第二掃気ポンプの主ポンプ室178に対向する状態で取り付けられた第二外側ピストン275を備える。第二外側ピストン275は、その外径と第二エンジン・シリンダ144の壁との間に小さな間隙をもった状態で第二エンジン・シリンダ144内に取り付けられる。したがって、第二内側ピストン275はまた、その外周回りに三つのリング溝を、第一の溝が第一圧縮リング278を受け、第二の溝が第二圧縮リング279を受け、そして第三の溝がオイル調整リング280を受ける状態で含むのが好ましい。三つのリング278、279及び280は全て、第二エンジン・シリンダ144の壁に対してシールする大きさである。第一外側ピストン252及び第二外側ピストン275が、ナトリウム冷却通路が無い状態で図示されているが、通路は、必要に応じて、内側ピストンに採用されているのと同様に、採用され得る。
第二ピストン・ブリッジ282が、第二外側ピストン275の後部277に取り付けられる。第二ピストン・ブリッジ282は、第二掃気ポンプ174の主ポンプ室178の壁に摺接し且つ壁に対してシールする、概して楕円形状の外側部283を含む。楕円部283の小径が第二外側ピストン275のヘッド276の直径に比べてわずかに小さく、一方で、楕円部283の大径がヘッド276の直径に比べてかなり大きいのが好ましい。第一プルロッド・ボス284及び第二プルロッド・ボス285が、楕円部283の大径に沿って且つ、第二外側ピストン275の外径の径方向外側に配設される。
ガイドポスト・ボス286が、第二ピストン・ブリッジ282の中心部に配設される。第二ガイドポスト287が、第二掃気ポンプ筐体176に取付けられ、そこから伸びる。第二ガイドポスト287は、動作軸を中心としそして、動作軸と平行に伸びる、概して円筒型の外面を持つ。この外面は、ガイドポスト・ボス286の内部を摺動する。第二ガイドポスト287が第二エンジン・シリンダ144に対して固定されているため、第二ピストン・ブリッジ282が正確に位置調整され、従って、第二エンジン・シリンダ144に対する第二外側ピストン275の位置が正確に調整される。その結果、ガイドポスト・ボス286は、エンジン作動中、ガイドポスト287上を摺動し、第二外側ピストン275が第二エンジン・シリンダ144内を摺動するとき、ピストン・リング278、279及び280が第二エンジン・シリンダ144の壁と当接するように、第二外側ピストン275の適切な方向を維持する。繰り返しになるが、エンジン・ピストンの適切な誘導も可能とする一方で、摩擦が最小化されるだろう。
第二ガイドポスト287は又、位置センサー組立体288の一部を形成する。位置センサー組立体288は、少なくとも一つの位置指標290を持ち、第二外側ピストン275に取り付けられて摺動可能なセンサー・ロッド289を含む。センサー291が、センサーロッド289の周りに取り付けられ、そして第二掃気ポンプ筐体176を通って伸び、そこにおいて電気コネクタ292がセンサー291を電子制御器35に接続する。制御器35は、センサー291からの出力を、外側ピストン組立体250の位置及び速度を判定するために使用することが出来る。
外側ピストン組立体250はまた、第一プルロッド293及び第二プルロッド294を含む。第一プルロッド293は、第一ピストン・ブリッジ264上の第一プルロッド・ボス268と、第二ピストン・ブリッジ282上の第一プルロッド・ボス284との間を接続する。ブリッジ264及び282が楕円形なので、第一プルロッド293は、エンジン・シリンダの作動を邪魔することなく、それらを連結させることが出来、そして、動作軸に対して平行な動きを可能とする。
第一プルロッド293は、第一外側プランジャ295を形成する拡大径領域を含む。第一外側プランジャ295は、第一ピストン・ブリッジ264及び第二ピストン・ブリッジ282との間の、流体ポンプブロック組立体12中間部に配設される。第一プルロッド・スリーブ272が、第一プルロッド293周りに、流体ポンプブロック組立体12と第一シリンダ・ジャケット18との間に伸び、そして第二プルロッド・スリーブ273が、第一プルロッド293周りに、流体ポンプブロック組立体12と第二シリンダ・ジャケット118との間に伸びる。プルロッド・スリーブ272及び273は、第一プルロッド293がエンジン構成部品に完全に囲まれるのを確かなものとし、その結果、混入物質が接触して第一プルロッド293の作動を妨げるのを防止する。
第二プルロッド294が、第一ピストン・ブリッジ264上の第二プルロッド・ボス269と、第二ピストン・ブリッジ282上の第二プルロッド・ボス285との間を接続する。第二プルロッド294が、第二外側プランジャ296を形成する拡大径部を含む。第二外側プランジャ296は、第一ピストン・ブリッジ264及び第二ピストン・ブリッジ282との間の、流体ポンプブロック組立体12中間部に配設される。第三プルロッド・スリーブ274が、第二プルロッド294周りに、流体ポンプブロック組立体12と第一シリンダ・ジャケット18との間に伸び、そして好ましくは位置検出プルロッド・スリーブ281が、第二プルロッド294周りに、流体ポンプブロック組立体12と第二シリンダ・ジャケット118との間に伸びる。プルロッド・スリーブ274及び281は、第二プルロッド294がエンジン構成部品に完全に囲まれるのを確かなものとし、その結果、混入物質が接触して第二プルロッド294の作動を妨げるのを防止する。
加えて、第二プルロッド294は、その上に間隔を空けて取り付けられ且つ、位置検出プルロッド・スリーブ281の内部に配設される、銅リング298を含むのが好ましい。位置検出プルロッド・スリーブ281は、銅リング298に近接して配置されたセンサー組立体297を含むのが好ましい。次にセンサー組立体297は制御器35に接続され、銅リング298の位置を検出する。その結果、制御器35はセンサー組立体29からの出力を他のセンサー291を校正するために使用可能であり、従って、外側ピストン組立体250の位置及び速度の正確な測定を確かなものとする。
エンジン10にとって、最適な作動特性を確かなものとするために、バランスが保たれていることが好ましい。エンジンがバランスを保たれる為には、外側ピストン組立体250、即ち、外側ピストン252及び275と一緒に動く全ての部品の全質量が、内側ピストン組立体200、即ち、内側ピストン202及び220と一緒に動く全ての部品の全質量が等しくなければならない。また、バランスがとられたエンジンにとって、プッシュロッド240の内側プランジャ242の液圧面積が、プルロッド292及び294の外側プランジャ295及び296の液圧面積の和と等しく且つ、第一外側プランジャ295の液圧面積が第二外側プランジャ296の液圧面積と等しいのが好ましい。
したがって、ピストン組立体200及び250内の異なる構成部品の材質が、組立体の質量のバランスを取りつつ、適切な熱的特性及び強度特性を確かなものとするために選択される。例えば、外側ピストン252及び275はアルミニウムから作られ、そして楕円形状のブリッジ264及び282は鋼から作られる一方で、内側ピストン202及び220とプッシュロッド240は鋳鉄から作られ、プルロッド293及び294もまた鋳鉄から作られ得る。しかしながら、本技術分野の当業者によって、他の適切な材質が使用され得ることが認識されるであろう。
したがって、ピストン組立体200及び250内の異なる構成部品の材質が、組立体の質量のバランスを取りつつ、適切な熱的特性及び強度特性を確かなものとするために選択される。例えば、外側ピストン252及び275はアルミニウムから作られ、そして楕円形状のブリッジ264及び282は鋼から作られる一方で、内側ピストン202及び220とプッシュロッド240は鋳鉄から作られ、プルロッド293及び294もまた鋳鉄から作られ得る。しかしながら、本技術分野の当業者によって、他の適切な材質が使用され得ることが認識されるであろう。
上述したように、流体ポンプブロック組立体12は、第一ピストン/シリンダ組立体14と第二ピストン/シリンダ組立体16との間に組み込まれる。それは、種々の流体ポーティング及び通路、冷却液通路そして、潤滑オイルパン及び通路がその中に形成され、好ましくは鋼から作られる、ポンプブロック302を含む。
ポンプブロック302は、プッシュロッド240がその中を通って伸びるプッシュロッド穴304を含む。内側プランジャ242は、プッシュロッド穴304の周りを円周方向にシールする。中央穴304の両端部もまた、プッシュロッド240に接触してシールし、一方の端部は、シールを生成するためにシールプラグ309を使用している。これらのシールは、内側プランジャ242の一方側に内側ポンプ室306を形成し、内側プランジャ242の他方側に内側連結ポンプ(coupler-pumping)室308を形成する。
ポンプブロック302はまた、その中を第一プルロッド293が通って伸びる第一プルロッド穴310及び、その中を第二プルロッド294が通って伸びる第二プルロッド穴312を含む。第一外側プランジャ295が、第一プルロッド穴310の周りを円周方向にシールし、第二外側プランジャ296が第二プルロッド穴312の周りを円周方向にシールする。第一プルロッド穴310は、各端部において、第一プルロッド293に接触してシールすべく形成され、一方の端部においてシールプラグ311がシールのために使用されている。プルロッド穴310は、第一プルロッド293と連携して、第一外側プランジャ295の一方側に第一外側ポンプ室314を形成し、第一外側プランジャ295の他方側に第一外側連結ポンプ室316を形成する。第二プルロッド穴312は、各端部において、第二プルロッド294に接触してシールすべく形成され、一方の端部においてシールプラグ313がシールのために使用されている。第二プルロッド穴312は、第二プルロッド294と連携して、第二外側プランジャ296の一方側に第二外側ポンプ室318を形成し、第二外側プランジャ296の他方側に第二外側連結ポンプ室320を形成する。
内側連結ポンプ室308及び第一外側連結ポンプ室316は、第一交差接続通路322に接続される。加えて、内側連結ポンプ室308及び第二外側連結ポンプ室320は、第二交差接続通路323に接続される。したがって、三つの連結ポンプ室308、316及び320が常時、互いに流体的に連通した状態にある。
制限要素326を備えた低圧通路324が、第二交差接続通路323から第一連結調整バルブ328に通じている。第一連結調整バルブ328は、流体システム329の側面の低圧容器330に接続される。それは、第二交差接続通路323から低圧容器330への流体流れを可能とする位置と、そのような流体流れを遮る位置との間で切り替えられ得る。制限要素334を備えた高圧通路332が、第一交差接続通路322から第二連結調整バルブ336に通じている。第二連結調整バルブ336は、流体システム329側面の高圧容器338に接続される。それは、第一交差接続通路322から高圧容器338への流体流れを可能とする位置と、そのような流体流れを遮る位置との間で切り替えられ得る。第一及び第二連結調整バルブ328及び336は、電子制御器35に電気的に接続され、それにより制御される。
共振通路340が、第二交差接続通路323と、ポンプブロック組立体302に取り付けられたヘルムホルツ共振機342との間に伸びる。ヘルムホルツ共振機342は、流体が交差接続通路322及び323を通じて連結ポンプ室308、316及び320の間を行き来する際に生じる脈動を減衰させるべく調整される。ヘルムホルツ共振機342は、必要に応じてエンジン10から取り除かれ得る。
これらの交差接続通路322及び323は、それらに接続される油圧部品と共に、内側ピストン組立体200を外側ピストン組立体250に流体的に連結させる流体回路を形成する。連結調整バルブ328及び336を閉じた状態で、連結ポンプ室308、316及び320内の容積及び、交差接続通路322及び323が、(作動油のような)本質的に非圧縮性の流体で満たされているので、この容積は一定に保たれる。また、上記の様に、プッシュロッド240の内側プランジャ242が、(直線的な移動量につき)プルロッド293及び294の夫々の各外側プランジャ295及び296の二倍の容積の流体を移動させるべく、大きさが設定されている。したがって、もし内側ピストン組立体200が右に1ミリメートル動いたならば、内側ポンプ室308から流体が移動し、外側ピストン組立体250は、二つの連結ポンプ室316及び320内の流体の量を受けるため、左に1ミリメートル移動しなければならない。これは、内側ピストン組立体200と外側ピストン組立体250が機械的に固定されていないにも係らず、それらが実質的に互いに正反対に移動することを確かなものとする。その結果、二つのピストン組立体200及び250に関する上死点及び下死点が同時に到達される。
第一及び第二連結調整バルブ328及び336は、シール周りの漏れが連結器内に保持される流体の容積を変える場合、連結器からの流体の一部追加或いは除去を可能とする。ピストン組立体200及び250を接続する流体システムを説明してきたが、必要に応じて、ピストン組立体200及び250が互いに反対に移動するのを確かなものとするための他の機構が使用される場合もある。
流体ポンプブロック組立体12はまた、ポンプブロック302の中を通って、ポンプブロック302の下側に配設されているオイルパン346に伸びる、一組のオイル注入口344及び345を含む。オイルパン346は、ポンプブロック組立体12内の種々の可動部品に対し、可動部品、特に、第一及び第二内側ピストン202及び220が摺動するシリンダ壁44及び144の部分の、撥ねかけ潤滑を可能とするため、開かれている。オイルパン346はまた、オイルリターン排出口348を含む。オイル注入口344及び345そして、オイルリターン排出口348は、オイル供給装置(不図示)に接続される。オイルパン346は又、エンジンの作動の間、ピストン202及び220が往復運動するときに、空気が内側ピストン202及び220の後で前後移動するのを可能とする。冷却液注入口350が、ポンプブロック302の底部に取り付けられる。冷却液注入口350は、ポンプブロック内を通じて伸び、それから、ポンプブロック302の上端部に取り付けられた冷却液排出口354に接続する一連の冷却液通路352に接続する。冷却液注入口350及び冷却液排出口354は、冷却液冷却システム(不図示)に接続する。ポンプブロック302を通して流れる冷却液は、エンジン作動の間に可動部品が過熱しないことを確かなものとするだろう。
流体ポンプブロック組立体12はまた、ポンプブロック302の上端部に取り付けられた低圧レール356を含み、低圧レール356は、流体ラインを介して低圧容器330に接続される低圧レール・ポート358を含む。低圧レール356は、内側組360、第一外側組362及び第二外側組363の三組の一方向低圧チェックバルブに対して開放する。内側組チェックバルブ360は、通路364を介して、低圧レール356から内側ポンプ室306への流体流れのみを可能とする状態で内側ポンプ室306につながっている。第一外側組チェックバルブ362は、通路365を介して、低圧レール356から第一外側ポンプ室314への流体流れのみを可能とする状態で第一外側ポンプ室314につながっている。第二外側組チェックバルブ363も同様に、通路366を介して、低圧レール356から第二外側ポンプ室318への流体流れのみを可能とする状態で第二外側ポンプ室318につながっている。内側組チェックバルブ360が四つの個別バルブを含み、外側組チェックバルブの各々362及び363が二つのバルブを含むが、必要に応じて、異なる数の個別バルブが使用される場合もある。ただし、内側プランジャ242が、外側プランジャ295及び296のどちらについても二倍のポンピング能力を持つので、内側組360の開口面積は、外側組の夫々362及び363の開口面積の二倍に設定されるのが好ましい。
高圧レール368がポンプブロック302の底部に取り付けられ、流体圧ラインを介して高圧容器338に接続される高圧レールポート369を含む。高圧レール368は、内側組370、第一外側組371及び第二外側組372の三組の一方向低圧チェックバルブに対して開放する。内側組チェックバルブ370は、通路373を介して、内側ポンプ室306から高圧レール368への流体流れのみを可能とする状態で内側ポンプ室306につながっている。第一外側組チェックバルブ371は、通路374を介して、第一外側ポンプ室314から高圧レール368への流体流れのみを可能とする状態で第一外側ポンプ室314につながっている。第二外側組チェックバルブ372は、通路375を介して、第二外側ポンプ室318から高圧レール368への流体流れのみを可能とする状態で第二外側ポンプ室318につながっている。この場合も、内側組370の開口面積は、外側組の夫々371及び372の開口面積の二倍に設定されるのが好ましい。
低圧レール356は、その中の圧力を検出するためにその中に取り付けられる圧力センサー376を含むのが好ましい。高圧レール368も同様に、その中の流体の圧力を検出するための圧力センサー377をその中に含むのが好ましい。圧力センサー376及び377の両方は、圧力信号を受けて処理するための電子制御器35に電気的に接続される。
流体始動制御バルブ379が、ポンプブロック302の上端部に、低圧レール356に近接して取り付けられる。流体始動制御バルブ379は、ここにおいて概略的にのみ示すが、好ましくは、例えばニューヨーク州イースト・オーロラ(East Aurora)のMoog社によって製造された、部品番号35-196-4000-I-4PC-2-VITを持つMoog流体制御バルブのような流体バルブである。制御バルブ379は、ポンプブロック302上に、高圧ポート380、低圧ポート381、内側ポンプ室ポート382及び外側ポンプ室ポート383の四つのポートを取り付けている。高圧ポート380は、流体通路を介して高圧レール368に接続され、そして、低圧ポート381は、流体通路を介して低圧レール356に接続される。内側ポンプ室ポート382は、第一始動/流出・流体通路384を介して、内側ポンプ室306に接続し、一方で、外側ポンプ室ポート383は、第二始動/流出・流体通路385を介して、二つの外側ポンプ室314及び318に接続する。
制御バルブ379は、高圧ポート380を内側ポンプ室ポート382に流体的に接続し、同時に、低圧ポート381を外側ポンプ室ポート383に接続すべく、動作し得る。制御バルブ379はまた、低圧ポート381を内側ポンプ室ポート382に流体的に接続し、同時に、高圧ポート380を外側ポンプ室ポート383に接続すべく動作し得る。三番目の動作状態において、制御バルブ379は、高圧及び低圧ポート380及び381と、内側及び外側ポンプ室ポート382及び383との間の作動流体の流れを遮断する。電子制御器35が、制御バルブ379がいずれの動作状態になるかを制御するのが好ましい。
流体ポンプブロック組立体12はまた、ピストン移動の終端の夫々における最大距離を設定するピストン停止具を含み得る。これらの停止具は、フリーピストン・エンジンに関し、ピストンの動きが、固定された機械的経路よりむしろ、力のバランスによって決定されることに起因して必要とされ得る。内側ピストン組立体200用のピストン停止具は、中央穴304の各端部においてプッシュロッド240の内側プランジャ242の両側に間隔を空けて配設され、ポンプブロック302及びシールプラグ309上に配設された適合停止部389と適合する複数の径方向段付部388を含むのが望ましい。段付部388の停止部389に対する相対位置は、内側ピストン組立体200の両方向への最大移動量を決定する。もし段付部388が停止部389と係合したならば、その方向へのピストンの動きは止められる。
外側ピストン組立体250用の停止具は、第一および第二プルロッド293及び294夫々の外側プランジャ295及び296の両側に間隔をおいて配設された径方向段付部を含むのが好ましい。ポンプブロック302及びシールプラグ311及び313は、内側ピストン組立体200と同様の方法で、第一および第二プルロッド穴310及び312の夫々の向かい合う端部に配設された適合停止部392及び393を含む。
代替例として、ピストン停止具は取り除かれ得る。この構成の場合、第一外側ピストン252のヘッド254に当たる第一内側ピストン202のヘッド210が、一つの方向における停止具として働き、一方で、第二外側ピストン275のヘッド276に当たる第二内側ピストン220のヘッド222がもう一方の方向における停止具として働く。これは一見、好ましくないように見えるが、ピストンヘッドが比較的広い接触面積を持ち、そして、そこにおいてピストンが停止具として作動しているシリンダ内の圧力が、衝突直前に急激に上昇するので、衝突速度は遅い。
流体ポンプブロック組立体12はまた、一組の位置センサーを含むのが好ましい。第一位置センサー395が、ポンプブロック302内に、第一組の銅リング246を含む第一ガイドロッド244の一部を取り囲んで取り付けられる。第二位置センサー396が、ポンプブロック302内に、第二組の銅リング247を含む第二ガイドロッド245の一部を取り囲んで取り付けられるのが好ましい。位置センサー395及び396は、電子制御器35に電気的に接続され、そして、電子制御器35に位置信号を供給する。第一位置センサー395からのセンサー情報を用いて、制御器35は内側ピストン組立体200の位置及び速度を判定できる。第二位置センサー396からの情報が、第一位置センサー395の校正に使用されるのが好ましい。
これから、エンジン10の作動を説明する。エンジン10はフリーピストン・エンジンなので、ピストンの動きはピストン組立体200及び250に作用する力のバランス(均衡)によって決定される。例えば、主要な力が、対向するエンジン・シリンダ44及び144のシリンダ内圧、種々の可動部品によって生成される摩擦、空気掃気、動いているピストン組立体200及び250の慣性並びにプランジャ242、295及び296によって生成される幾らかの負荷であるのが通常である。したがって、ピストン組立体200及び250の夫々は、持続した往復ピストン運動を生成するために、適切なタイミング及び量で入力エネルギーを受けなければならない。この往復動は、燃焼プロセスのためにシリンダ44及び144の中で必要とされる圧縮を得るのに十分なものでなければならない。ピストン組立体200及び250の動きを、特に各行程に関する移動の終わり近傍で、制御するための入力を使用することにより、ピストン上死点位置、従って圧縮比が制御され得る。さらに、エンジン運転状態に基づいて燃焼を生じさせるのに必要な圧縮比を変更できるので、この圧縮比を変更する能力が、HCCI燃焼をより実現可能なものとする。力のバランスが、正確な時機に作動され且つ調整されなければならないので、電子制御器35は、効率的なエンジン作動及び持続するエンジン作動にとって重要なエンジン構成部品を監視しそして作動させる。
エンジン始動に先立って、流体システム329の高圧容器338が、作動液を、例えば34.5〜41.5メガパスカル(5,000〜6,000ポンド平方インチ(pounds per square inch: PSI))であり得る比較的高圧に保持する。
流体システム329の低圧容器330が、作動液を、例えば0.345〜0.415メガパスカル(50〜60 PSI)であり得る比較的低圧に保持する。
エンジン始動プロセスの開始において、電子制御器35は、高圧ポート380が内側ポンプ室ポート382に対して開放し且つ、低圧ポート381が外側ポンプ室ポート383に対して開放する第一バルブ位置と、高圧ポート380が外側ポンプ室ポート383に対して開放し且つ、低圧ポート381が内側ポンプ室ポート382に対して開放する第二バルブ位置との間を交互に入れ替わる始動制御バルブ379にエネルギーを加える。
制御バルブ379の第一バルブ位置において、高圧容器338からの流体が、内側ポンプ室306の中に押し出され、プッシュロッド240の内側プランジャ242に、従って内側ピストン組立体全体に、(ここに図面内で示されるものとして)右方への動きを開始させる。これは、内側連結ポンプ室308内の流体が、第一及び第二交差接続通路322及び323を通って、第一及び第二外側連結ポンプ室316及び320に押し出されることを引き起こすであろう。これは、次に、第一及び第二プルロッド293及び294の第一及び第二外側プランジャ295及び296の夫々に、したがって、外側ピストン組立体250全体に、左方(ここに図面内で示されるものとして)への移動を開始させるであろう。外側ピストン組立体250が左方に移動するとき、第一及び第二外側ポンプ室314及び318からの流体は、制御バルブ379を通って、低圧容器330内に押し出されるであろう。
二つのピストン組立体200及び250の対向する動きが、第一外側ピストン252及び第一内側ピストン202に、第一エンジン・シリンダ44内で、それらの下死点の方向に同時に離れる動きをさせる一方で、第二外側ピストン275及び第二内側ピストン220は、第二エンジン・シリンダ144内で、それらの上死点の方向にお互いに向かって同時に移動するであろう。ピストン組立体200及び250の両方が、単一の直線的な動作軸に沿って、前後に移動する。単一の動作軸は、図10および11内のエンジン・シリンダ44及び144内で両側矢印によって示されるように、二つのエンジン・シリンダ44及び144の中心を通って伸びる。
制御バルブ379の第二バルブ位置において、高圧容器338からの流体が、第一及び第二外側ポンプ室314及び318の中に押し出され、第一及び第二プルロッド293及び294の第一及び第二外側プランジャ295及び296の夫々に、したがって外側ピストン組立体全体に、右方への動きを開始させる。これは、第一及び第二外側連結ポンプ室316及び320内の流体が、第一及び第二交差接続通路322及び323を通って、内側連結ポンプ室308に押し出されることを引き起こすであろう。これは、次に、プッシュロッド240の内側プランジャ242に、したがって、内側ピストン組立体200全体に、左方への移動を開始させるであろう。内側ピストン組立体200が左方に移動するとき、内側ポンプ室306からの流体は、制御バルブ379を通って、低圧容器330内に押し出されるであろう。
この二つのピストン組立体200及び250の対向する動きが、第一外側ピストン252及び第一内側ピストン202を、第一エンジン・シリンダ44内で、それらの上死点の方向にお互いに向かって同時に移動させる一方で、第二外側ピストン275及び第二内側ピストン220は、第二エンジン・シリンダ144内で、それらの下死点の方向に同時にお互いから離れて移動するであろう。
始動制御バルブ379の三つのバルブ位置を正確に且つ迅速に切り替えることにより、ピストン組立体200及び250は、第一エンジン・シリンダ44内に圧縮を生じさせることと、第二エンジン・シリンダ144内に圧縮を生じさせることとを、選択的に切り替えさせられ得る。位置センサー288及び395を監視することにより、電子制御器35は、両方のピストン組立体200及び250の位置及び速度を判定する。位置及び速度の情報はその後、エンジン・シリンダ44及び144内に望ましい量の圧縮比を生成すべく始動制御バルブ379を切り替えるための適切なタイミングを決定するため制御器35によって使用される。そして、この考察から、エンジン始動において始動制御バルブ379が、エンジン作動の必要に応じてピストン組立体200及び250を移動させる方法で、ピストン組立体200及び250の動きを制御することが分かる。
エンジン10は、エンジン・シリンダ44及び144の吸気ポート及び排気ポートを開閉するために別々の如何なるバルブ装置も持たないで、2サイクルエンジンとして動作する。したがって、燃料/空気混合気の圧縮、燃焼(点火を含む)、膨張及びガス交換(吸気と排気を含む)が、ピストンの2行程の間に達成される。この配置は、エンジン10全体のサイズを最小化するだけでなく、可動部品の数を最小化する。
内側ピストン組立体200の動きが、内側ピストン202及び220に、夫々のエンジン・シリンダ44及び144に関する排気ポート46及び146を選択的に開閉させる。外側ピストン組立体250の動きが、外側ピストン252及び275に、夫々のエンジン・シリンダ44及び144に関する吸気ポート56及び156を選択的に開閉させ、また、ピストン・ブリッジ264及び282に吸気を充填させる。外側ピストン組立体250の動きはまた、外側ピストン252及び275に、燃料噴射弁34及び134の閉鎖と、燃料噴射弁34及び134のエンジン・シリンダ44及び144夫々に対する露出とを選択的に生じさせる。従って、始動制御バルブ379によって引き起こされる内側及び外側ピストン組立体200及び250の動きは、エンジン・シリンダ44及び144内への空気充填をもたらすのに必要とされる動きを提供し、燃料が充填空気と混合すべくシリンダ内に供給されるのを可能とし、そして燃焼が生じるのに十分な圧縮を供給する。
通常の作動条件における燃焼プロセスが、このエンジン10の可変圧縮比能力を非常に高い効率の燃焼形式を可能とするために利用する予混合圧縮着火(homogeneous charge, compression ignition: HCCI)形式であるのが好ましい。HCCIプロセスは、高圧縮比に起因して自動点火される均一充填混合気を使用する。すなわち、予混合された充填混合気が自動点火(あるいは、自然発火とも呼ばれる)する点まで圧縮加熱される。HCCIプロセスによって発生させられる自動点火のため、混合気全体に亘って、迅速な燃焼を確かなものとするために多数の点火点が存在し、火炎伝播が不要なので、低い等量比(化学量論的比に対する実際の燃料/空気の比の比率)が使用されるのを可能とする。これは、ピーク・シリンダ温度を低減し、窒素酸化物の形成をより一般的な形式の内燃機関に対して著しく低減させながら、熱効率を改善させる。しかしながら、必要に応じて、火花点火エンジンとして動作するエンジンのために、各エンジン・シリンダ内に点火プラグが採用される場合がある。
さらに具体的に、HCCIエンジン運転の間の吸気、圧縮、燃焼及び排気イベントが、第一エンジン・シリンダ44に関して記述されるが、第二エンジン・シリンダ144にも同様に適用可能である。第一外側ピストン252の動きが、吸気ポート56の時期及び期間を決定するのと同時に吸気の充填を行い、そして第一燃料噴射弁34が第一エンジン・シリンダ44に開放される。第一外側ピストン252がその上死点に向かって移動するとき、第一掃気ポンプ74の主ポンプ室78の容積が増大し、空気が吸気口リード弁94を介して引き込まれる。
一般的には燃焼イベントの後である上死点の後、第一外側ピストン252の動きは、主ポンプ室78内の容積を低減し、空気の圧縮、排出口リード弁95を介しての強制的な排出、及び、吸気通路93と73そして吸気流路31への導入をもたらす。第一外側ピストン252がその下死点位置へ向かって移動を続ける時、それは吸気ポート56を露出させ、圧縮空気が吸気流路31から第一エンジン・シリンダ44に流入するのを可能とするであろう。この時、第一燃料噴射弁34もまた、第一エンジン・シリンダ44に露出される。制御器35は、第一燃料噴射弁34を駆動し、入ってくる充填空気内へ燃料を噴霧させるであろう。燃料噴射弁の駆動の時機及び期間を決定するため、燃料圧センサー41のみならず、外側ピストン位置センサー291が制御器35によって使用される。
下死点に達した後、第一外側ピストン252は上死点位置に向かって移動する。この移動の間、第一外側ピストン252は吸気ポート56及び燃料噴射弁ボア54を第一エンジン・シリンダ44から閉鎖する。第一外側ピストン252が上死点位置に向かって移動し続ける時、充填混合気が圧縮される。ピストン252が上死点或いはその近傍にあるときには、第一燃料噴射弁34は第一外側ピストン252によって覆われているので、未だ燃焼イベントに晒されていないが、第一燃料噴射弁34が第一エンジン・シリンダ44の中に直接噴射することに気づくであろう。
第一内側ピストン202の動きが、排気ポート46の第一エンジン・シリンダ44に対して開放される時機及び期間を決定する。第一内側ピストン202が上死点から離れるとき、典型的には燃焼イベントの後、ピストン202は排気ポート46を通過し、排気ガスが排気ポート46を介して流れ出るのを可能とする。排気ガスはその後、第一排気ガス・スクロール20内を流れ、そして、他の排気装置(不図示)を介して流出するだろう。下死点の後、第一内側ピストン202は上死点に向かって移動し、そして、この行程の途中で、排気ポート46を覆い、それらを効率的に閉じるだろう。このときに排気ポート46を介して流出されなかった排気ガスの幾らかは、内部排気ガス還流(exhaust gas recirculation : EGR)としてシリンダ44の中に残るだろう。第一内側ピストン202が上死点に向かって移動し続けるとき、充填混合気が圧縮される。
第一内側ピストン202が往復運動するとき、冷却孔212及び213の中のナトリウム化合物215及び217が夫々前後に流れる。ヘッド210が燃焼に晒されると共に、排気ポート46の近くでもあるので、第一内側ピストン202内の大きな熱増加がヘッド210又はその近くでおこるだろう。したがって、ナトリウム化合物215及び217がヘッド210の近くを動くとき、それは熱を吸収する傾向があり、一方で、後部211に向かって移動するとき、熱を発する傾向があるだろう。この熱の再分配は、三個のピストン・リング204、206及び208による第一エンジン・シリンダ44の壁へのより均一な熱伝達と同様に、リング204、206及び208への熱伝達を促進するであろう。
第二エンジン・シリンダ144は第一エンジン・シリンダ44に対して反対方向に作動するので、第一エンジン・シリンダ44内の燃焼イベントが、第一内側ピストン202及び第一外側ピストン252を離れるように駆動させる一方で、第二エンジン・シリンダ144内の燃焼イベントが、第一シリンダ44内に圧縮を生じさせながら第一内側ピストン202及び第一外側ピストン252を互いに向かうように移動させ、それにより、エンジン作動サイクルを持続的に保持し続ける。それから、各燃焼イベントに先立って、そのときのエンジンが作動している種々の運転条件を考慮して燃料噴射を制御することにより、エンジン10の自立運転作動が保持される。燃料噴射制御は、燃焼のために必要とされる圧縮比を得るのに充分でなければならない一方で、ピストン停止具との衝突を避けなければならないピストン・ストロークの長さを調節するために使用され得る。もちろん、過渡条件、時折の無燃焼イベント、システム不均衡及び、他の因子を許容するため、始動制御バルブ379が時折、ピストンの動きを修正するため、燃料制御と組み合わせて使用され得る。これは、所定のエンジン運転状態に関して適切な圧縮比が達成されることのみならず、ピストン組立体200及び250の移動方向を変える燃焼エネルギーの無駄を避けるため、自己点火が上死点位置若しくは、上死点位置の直後において生じることを確かなものとすることを含む。
通常のエンジン作動の間、燃焼イベントがピストン組立体200及び250に往復動をさせるとき、プッシュロッド240とプルロッド293及び294がプランジャ242、295及び296をそれら夫々の穴304、310及び312の中で前後に駆動する。内側ピストン組立体200が(図示されているように)右方に動くとき、内側プランジャの動きは内側組低圧チェックバルブ360を開放させ、低圧レール356からの油圧が、内側ポンプ室306内に引き込まれることを可能にする。低圧レール356を出て行く流体は、低圧容器330から補充される。低圧レール356内に保持される流体の量及び低圧容器330が低圧レール356を補充する能力は、低圧チェックバルブの組を通る流量を保持するのに充分でなければならない。さもなければ、キャビテーションの問題が生じる可能性がある。
加えて、外側ピストン組立体250が左に動くと同時に、外側プランジャ295及び296が第一及び第二外側ポンプ室314及び318内の流体を第一及び第二外側高圧チェックバルブ371及び372を介して高圧レール368へ圧送する。これが流体を高圧容器338内に移動させる。それから、高圧容器338内の圧力下の流体は、他の構成要素及び装置を駆動するのみならず、エンジン作動のための貯蔵エネルギー源として利用可能である。
利用可能な作動液エネルギーは作動液流の圧力レベル及び流量の関数なので、最初にエンジンの寸法を設計するとき、ピストン・ストローク、ピストン周波数及び/又は作動液プランジャの寸法を決めるにあたって、目標エンジン出力が使用され得る。ピストン振動数に関して、移動するピストン組立体の質量が大きくなるほど、エンジンの最適な動作周波数が低くなるのが一般的である。
内側ピストン組立体200を右方に移動させるエンジン・ストロークの間、内側プランジャ242が、内側連結ポンプ室306からの流体を二つの外側連結ポンプ室316及び320に対して圧送する。上述したように、これは二つのピストン組立体200及び250に互いに対向する動きを保持させる。もし、位置センサー288及び395が、二つのピストン組立体200及び250が、エンジン・シリンダ内の中心に適切に位置しないことを検出したならば、連結調整バルブ328及び336の一方が、オフセットを修正すべく駆動され得る。
次のエンジン・ストロークの間、内側ピストン組立体200が左方に移動するとき、内側プランジャ242によって生成される流体圧が、内側高圧チェックバルブ370を開き、流体を高圧レール368そして高圧容器338に至るまで強制的に流す。外側ピストン組立体250は同時に右方に移動し、外側プランジャ295及び296が、第一及び第二の外側組低圧チェックバルブ362及び363を介して流体が低圧レール356から引き出されるようにする。このエンジン・ストロークの間、外側プランジャ295及び296はまた、流体を外側連結ポンプ室316及び320から内側連結ポンプ室306に圧送する。
その結果、内側ピストン組立体200及び外側ピストン組立体250がいつも互いに反対側に移動するので、それ故、内側プランジャ242が二つの外側プランジャ295及び296に対していつも反対に移動するため、各エンジン・ストロークが内側プランジャ242もしくは外側プランジャ295及び296のいずれかにのみ高圧容器388への流体圧送を供給する。夫々の場合における対向するストローク方向が、流体を連結システム中に圧送すべく動作するだろう。
一方で、もし内側プランジャ242と外側プランジャ295及び296との両方に関して両方向で高圧容器内へのポンピング作動を得ることが望ましいならば、異なる形式の連結システムが使用されるべきである。
もちろん、エンジンの内部にあるこのサブシステムの作動に加えて、エンジン10の作動を維持するために必要に応じて外部システムもエンジン作動の間、機能するであろう。したがって、必要に応じて、エンジン構成要素が過熱しないことを確かなものとするために、冷却システムが冷却液を冷却液通路28、50、66、128、150、166及び352を介して圧送されるであろう。また、燃料システム39が燃料を蓄積し、そして所望の圧力において燃料噴射弁34及び134に燃料を供給するであろう。電気システムが制御器35、センサー及び、作動の為に電力を必要とする他の構成部品に電力を供給するであろう。オイル供給システムが、必要に応じて、特定の構成要素に潤滑を提供するための潤滑油をエンジンに供給するであろう。そして、吸気システムがエンジン作動の間、必要に応じて、空気吸い込み口92及び192に空気を供給するであろう。エネルギー蓄積媒体と制御バルブのために使用される流体が油圧オイルとして記述されているが、必要に応じて、他の適切な流体も使用され得る。例えば、その流体は気体の場合があり、その場合は容器の代わりに気体エネルギー蓄積システムを備える。流体は、液相状態或いは気相状態であり得る冷媒の場合がある。これらの両方の例において、液体はもはや(一般的に非圧縮性の)液体で無いので、二つのピストン組立体の対向する動きを確かなものとするために使用される連結装置も変わり得る。しかしながら、OPOCフリーピストン・エンジン構成、特にHCCI燃焼を使用する構成は、流体エネルギー蓄積装置内に蓄えられるエネルギーを生成するため、依然として使用され得る。
さらに、ここに詳細に記述されたOPOCプリーピストン・エンジンの典型的な実施形態はエネルギー蓄積媒体及び制御媒体として作動油を使用しているが、OPOCフリーピストン・エンジンはエンジン制御及び電気エネルギー生成のためのリニア・オルタネータを採用する場合もある。流体ポンプブロック組立体は、リニア・オルタネータ構成部品の一部を構成する或いは、リニア・オルタネータ構成部品を駆動するプルロッド及びプッシュロッドを備えるリニア・オルタネータ組立体に置き換えられるであろう。掃気ポンプを含むピストン/シリンダ組立体は、リニア・オルタネータを駆動すべく、燃焼イベントからエネルギーを生成するために作動するであろう。したがって、所望の大量の充填空気を備えるHCCI燃焼は、リニア・オルタネータに連結されたOPOCフリーピストン・エンジンと一緒に、エンジンの動力密度を最大化を目的に、依然として使用され得る。
一つ以上の例を参照する方法によって本発明が記述されているが、本発明が記述された実施形態に限定されないこと、そして、記述された実施形態に対する修正或いは代替実施形態が、本発明の範囲から外れることなく構築され得ることが、本技術分野の当業者によって認識されるであろう。
Claims (15)
- そこにおいて燃焼シリンダが動作軸の近傍に置かれるエンジン(10)の円筒型の燃焼シリンダの中で使用されるピストン組立体(200)において、
ヘッド部(210、222)を持つ本体部、向かい合わされる後部(211、223)及びそれらの間に伸びる円筒型側壁を、該ヘッド部(210、222)が上記動作軸の該して法線方向を向いて適合されると共に該円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びるように適合される状態で有し、
上記本体部が、上記ヘッド部(210、222)に近接する位置から上記後部(211、223)に近接する位置に伸びる少なくとも一つの冷却孔(212、213、230、231)を含み、
液体ナトリウム化合物(215、217)が、各冷却孔(212、213、230、231)内において少なくとも一部に含まれ且つ満たすことを特徴とするピストン組立体(200)。 - 上記本体部の中に互いに間隔を空けて配置された複数の第一冷却孔(212、213、230、231)があり、該冷却孔(212、213、230、231)の夫々が上記ヘッド部(210、222)に近接する位置から上記後部(211、223)に近接する位置へ伸び、少なくとも部分的に上記液体ナトリウム化合物(215、217)で満たされる、請求項1に記載されたピストン組立体。
- 冷却孔(212、230)の夫々が、上記動作軸と概して平行に伸びる、請求項1又は2に記載されたピストン組立体。
- 冷却孔(212、230)の夫々が、上記後部(211、223)に近接する第一端部から上記ヘッド部(210、222)に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸びる、請求項1又は2に記載されたピストン組立体。
- 夫々が液体ナトリウム化合物(217)で部分的に満たされる複数の第二の冷却孔(213、231)を上記本体部の中に更に有し、上記第二冷却孔(213、231)が上記複数の第一冷却孔(212、230)と互い違いに配設されると共に、上記後部に近接する第一端部から上記ヘッド部に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸びる、請求項2に従属するときの請求項3に記載されたピストン組立体。
- 上記ピストン組立体が、上記円筒型側壁の周りに上記ヘッド部(210、222)に対して概して平行に且つ近接して伸びる第一環状ピストン・リング(204、224)と、上記円筒型側壁の周りに上記後部(211、223)に対して概して平行に且つ近接して伸びる第二環状ピストン・リング(206、226)とを更に有する、請求項1乃至5のいずれかに記載されたピストン組立体。
- 上記ピストン組立体が、上記第一環状ピストン・リング(204、224)と上記第二環状ピストン・リング(206、226)との間で、両方から間隔を空けて配設され、上記円筒型側壁の周りに伸びる第三環状ピストン・リング(208、228)を更に有する、請求項6に記載されたピストン組立体。
- 上記ピストン組立体が、上記本体部に取り付けられた第一の部分と、間隔を空けて置かれた、フリーピストン・エンジン(10)のエネルギ生成・制御組立体(12)との係合のための第二の部分(242)とを持つロッド(240)を更に有する、請求項1乃至7のいずれかに記載されたピストン組立体。
- フリーピストン・エンジン(10)において、
該エンジン(10)が、
第一側部及び該第一側部と対向した関係にある第二側部を持つエネルギー生成・制御組立体(12)、
該エネルギー生成・制御組立体の上記第一側部に近接して配設され且つ、第一エンジン・シリンダ(44)を規定する第一シリンダ・ライナー(42)を含み、動作軸の近傍に中心を持つ第一燃焼シリンダ組立体(14)、
上記エネルギー生成・制御組立体の上記第二側部に近接して配設され且つ、第二エンジン・シリンダ(144)を規定する第二シリンダ・ライナー(142)を含み、動作軸の近傍に中心を持つ第二燃焼シリンダ組立体(16)及び、
第一ヘッド部(210)、向かい合わされる第一後部(211)及びそれらの間に伸びる第一円筒型側壁を、該第一ヘッド部(210)が上記動作軸の概して法線方向に向けられると共に該第一円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びる状態で備える第一本体部を持つ第一内側ピストン(202)と、第二ヘッド部(222)、向かい合わされる第二後部(223)及びそれらの間に伸びる第二円筒型側壁を、該第二ヘッド部(222)が上記動作軸に概して法線方向に向けられると共に該第二円筒型側壁が該して上記動作軸近傍に中心を持ち且つ該動作軸の方向に伸びる状態で備える第二本体部を持つ第二内側ピストン(220)と、上記第一内側ピストン(202)に取り付けられる第一端部、上記第二内側ピストン(222)に取り付けられる第二端部及び上記エネルギー生成・制御組立体(12)に動作可能に係合する中央部(242)を持つプッシュロッド(240)とを含む内側ピストン組立体(200)を有し、
上記第一本体部がその中に概して上記第一ヘッド部(210)に近接する位置から上記第一後部(211)に近接する位置へ伸びる少なくとも一つの冷却孔(212、213)を含み、上記第二本体部が上記第二ヘッド部(222)に近接する位置から上記第二後部(223)に近接する位置に伸びる少なくとも一つの冷却孔(230、231)を含み、液体ナトリウム化合物(215、217)が上記第一本体部及び上記第二本体部内の各冷却孔(212、213、230、231)内において少なくとも一部に含まれ且つ満たすことを特徴とするフリーピストン・エンジン。 - 上記第一本体部の中に互いに間隔を空けて置かれた複数の第一冷却孔(212、213)がある、請求項9に記載されたフリーピストン・エンジン。
- 上記第二本体部の中に互いに間隔を空けて置かれた複数の第一冷却孔(230、231)がある、請求項9または10に記載されたフリーピストン・エンジン。
- 第一冷却孔(212、230)の夫々が、上記動作軸に対して概して平行に伸びる、請求項10または11に記載されたフリーピストン・エンジン。
- 上記第一本体部及び上記第二本体部の少なくとも一方が、上記複数の第一冷却孔と互い違いに置かれた複数の第二冷却孔(213、231)を更に有し、該複数の第二冷却孔(213、231)は、夫々の上記後部(211、223)に近接する第一端部から夫々の上記ヘッド部(210、222)に近接する第二端部へ概して径方向内向きの角度で伸び、少なくとも部分的に液体ナトリウム化合物(215、217)で満たされる、請求項10乃至12のいずれかに記載されたフリーピストン・エンジン。
- 上記エンジンが、上記第一円筒型側壁の周りに上記第一ヘッド部(210、222)に対して概して平行に且つ近接して伸びる第一環状ピストン・リング(204、224)と、上記第一円筒型側壁の周りに上記後部(211、223)に対して概して平行に且つ近接して伸びる第二環状ピストン・リング(206、226)とを更に有する、請求項9乃至13のいずれかに記載されたフリーピストン・エンジン。
- 上記エンジンが、上記第一円筒型側壁の周りに伸びる第三環状ピストン・リング(208、228)を更に有し、該第三ピストン・リング(208、228)は、上記第一ピストン・リング(204、224)と上記第二ピストン・リング(206、226)との間で、両方から間隔を空けて配設される、請求項14に記載されたフリーピストン・エンジン。
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