JP2008502895A - 物理媒体、例えば、人体または動物の体の一部の多数の点における屈折率を求める装置 - Google Patents

物理媒体、例えば、人体または動物の体の一部の多数の点における屈折率を求める装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、物理的環境(44)の多数の点p、例えば10000点における屈折率を求めるための装置に関する:ここで、各点は、要素タイルの重心を占める固定マーキング(48、49)によってマークされており、p個の要素タイル(100)は物理的環境の舗床を形成する。本発明は、以下を含むことを特徴とする:
一連のp個の同一平面上の照射を実施するために、(ここで各々の照射は、2つの点ApとBpの間の最短光軌跡であるとして定義される光路に沿って物理的環境(44)を通過した後で、移動ガイド(102)に対して定義される出発点Apから進んで、検出手段(40)によって定義される到達点Bpに到達する)移動ガイド(102)に沿って1つの要素ステップによって稼動装置(42)または、前記移動ガイドに沿って1つの要素ステップによって稼動装置(42)鏡(38)に対して固定された、例えば赤外レーザ(42)のような光レーザ(37);
この照射が出発点Apを離れた時の最初の瞬間から始めて、各照射が到達点Bpに達する瞬間Tpを記録するよう、各照射と時間同期化されたタイマー(104);
出発点Apから離れ全てが到達点Bpに達する全光路の中から、光路を調査すること;および、検出された経過時間Tpに対して、調査されたp個の光路、要素光路(L)および屈折率(N)の各々のためのp個の一次方程式から出発して、要素光路[L]の行列が収斂しそして、要素タイルの屈折率[N]のベクトルも収斂するまで、工程(1)および(2)を繰り返すことによって、要素タイルの屈折率[N]に関して、ベクトル[N]*[L]=[T]行列方程式を解くこと;のために適切にプログラムされたコンピュータ(106)。
【選択図】図4

Description

本発明は、物理媒体の多数の点、例えば10000点における屈折率を求める装置に関する。
例えば、赤外レーザスキャナーを使用すると、異なる屈折率の層からなる媒体を赤外線が通過する際の光路を調べる問題が生じる。しばしば、その赤外線が通過する全ての点の屈折率を無視する方法が採られる。
米国特許第4,309,998号
この目的のために、本発明は、物理媒体の多数の点p、例えば10000点における屈折率を求めるための装置であって、ここで、各点は、要素格子ユニットまたはブロックの重心を占める固定参照点によって定義され、p個の要素格子ユニットは物理媒体の格子状配列を形成する、以下を含むことを特徴とする装置を提供する:
2つの点ApとBpの間の最短光軌跡であるとして定義される光路に沿って物理媒体を通過した後で、一連のp個の同一平面上の「照射(tirs)」を実施するために、ここで各々の照射は移動ガイドに対して定義される出発点Apから出発して検出手段によって定義される到達点Bpに到達する、移動ガイドに沿って要素ステップ中を移動可能なまたは、移動ガイドに沿って要素ステップ中を移動可能な鏡に対して固定された、例えば赤外レーザのような光レーザ;
この照射が出発点Apを離れた時の最初の瞬間からカウントして、各照射が到達点Bpに達する瞬間Tpを記録するように、各照射と時間同期化されたカウンタ;および
以下の工程を実施するために適切にプログラムされたコンピュータ:
(1)全てが出発点Apから離れ全てが到達点Bpに達する光軌跡の中から、光路を調査すること、ここで各光軌跡は、2つの項の算術積に等しい一連の要素光路(L)によって定義され、ここで第1項は2つの隣り合う要素格子ユニットの2つの重心を結ぶベクトルの絶対値(module)であり、第2項は各重心での推定屈折率である;
(2)検出された経過時間Tpに対して、調査されたp個の光路、要素光路(L)および屈折率(N)の各々のためのp個の一次方程式から出発して、要素光路[L]、要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルおよび光線の経過時間[T]のベクトルの正方行列を構築し、そして以下の行列方程式:
Figure 2008502895
を要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルに関して解くこと;および
(3)要素光路[L]の行列が収斂し、そして、要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルも収斂するまで、新しく調査された光路に対応する新しい要素光路を有するこの行列方程式を解いて、要素格子ユニットの屈折率の新しいベクトルを得るために、直前の逐次代入の間に計算された要素格子ユニットの屈折率を有する新しい光路を調査するよう、工程(1)と(2)を繰り返すこと。
好ましくは、本装置は、屈折率が測定された物理媒体の如何なる点での減衰係数を測定するために、以下のことを特徴とする:
要素光路に沿った、そしてそれに続く各照射での光度の減衰を考慮して、出発点Apと到達点Bpの間の一連の各々の照射の強度変化(△lp)、これは各要素格子ユニットに付随する減衰係数Eの関数である、を検出するよう、検出手段が適応されている;および、
コンピュータが以下の補助工程を実施するよう適切にプログラムされている:
(4)要素格子ユニットの屈折率ベクトルが工程(3)において収斂する要素光路(L)および要素格子ユニット(100)の減衰係数(E)を、一連のp個の照射各々の強度変化(△lp)に結びつけるp個の一次方程式から出発して、要素格子ユニットの減衰係数(E)のベクトルおよび強度変化(△lp)のベクトルを構築し、次いでこの行列方程式:
Figure 2008502895
を線形代数を含む数学的方法によって、要素格子ユニットの減衰係数(E)のベクトルに関して解くこと。
好ましくは、本コンピュータは、X線スキャナー、核磁気共鳴画像ユニット、または超音波検査ユニットを使用する画像法によって得られる屈折率の推定値からの最短臨界経路の計算を含む方法によって、光路を調査するために適切にプログラムされることによって工程(1)を実施する。
本発明の一つの態様において、本装置は、物理媒体に対してより大きな空間分解能を用いて屈折率の推定に到るために、以下のことによって特徴付けられる:
移動ガイドには、2つの交差した一連の照射XとYを実施するように、増幅因子Kで除した要素ステップに等しい要素マイクロステップによって、移動ガイドに沿って光レーザまたは鏡を移動させるマイクロ作動装置が設けられる;ここで両画像は同一平面上にありそして、各々は、移動ガイドに関して定義される出発点AxまたはAyから出発し、2つの点AxとBxまたはAyとByの間の最短光軌跡であるとして定義される光路に沿って物理媒体を通過した後で、検出手段によって定義される到達点BxまたはByに達する;および、
コンピュータが以下の補助工程を実施するために適切にプログラムされている:
(5)全て出発点AxまたはAyから出発し、そしてすべて到達点BxまたはByに到達し、一連のミクロ要素光路(μL)によって定義される多数の光軌跡の中から光路を調査すること、ここで各光軌跡は、2つの項の算術積に等しく、第1項は2つの隣り合う要素ミクロ格子ユニットの2つの重心を結ぶベクトルの絶対値であり、そして第2項は各要素ミクロ格子ユニットの各重心での屈折率(N’)であり、この屈折率(N’)は、増幅因子Kで除した後で、要素ミクロ格子ユニットが由来する要素格子ユニットの屈折率に等しい。そして、これに対して要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルが(3)において収斂する;そして、この照射が出発点AxまたはAyを離れた時の最初の瞬間からカウントして、到達点BxまたはByに到達する各照射と時間同期化されたコンピュータ手段によって検出された経過時間TxまたはTyに対して、一つのシリーズXと他のシリーズYという二つのシリーズの照射の調査された光路、ミクロ要素光路(μL)および要素ミクロ格子ユニットの屈折率(N’)の各々のための、K*p=X+Y個の一次方程式から、ミクロ要素光路(μL)、要素ミクロ格子ユニットの屈折率(N’)および光線の経過時間[T]のベクトルの正方行列を構築すること;そして次に
(6)検出された経過時間TxまたはTyによって設定される境界値によって課せられる制約を考慮して、最小二乗法によって、各要素ミクロ格子ユニットの屈折率を下記の式を用いて調整すること:
Figure 2008502895
式中、
Cijは調査される値であり、
Bijは最初に推定された値であり、
nはミクロ要素格子ユニットの屈折率表の代表的行列の行数であり(n>X)、
mはミクロ要素格子ユニットの屈折率表の代表的行列の列数であり(m>Y)、
列jの制約であるiの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足し、
行iの制約であるjの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
好ましくは、本装置は、物理媒体に対してより大きな空間分解能を有する減衰係数を推定するために以下のことによって特徴付けられる:
以下の補助工程を実施するようコンピュータ(106)が適切にプログラムされている:
(7)出発点AxまたはAyおよび到達点BxまたはByの間での2つの交差した照射XおよびYの各々の照射に対して、ミクロ要素光路に沿った光度の減衰とそれに続く各々の照射を考慮して、検出手段によって検出された光度変化(Δlx、Δly)から出発し、ここで、光度変化は各要素ミクロ格子ユニットに影響を及ぼす減衰係数(E’)の関数であり、そして増幅因子Kで除して、要素ミクロ格子ユニットが由来するこの要素格子ユニットの減衰係数(E)に等しい;そして、この光度の変化(Δlx、Δly)に対して、一つのシリーズXと他のシリーズYという二つのシリーズの照射の調査された光路、ミクロ要素光路(μL)および要素ミクロ格子ユニットの減衰係数(E’)の調査された光路の各々のための、K*p=X+Y個の一次方程式から、ミクロ要素光路(μL)、要素ミクロ格子ユニットの減衰係数[μE’]および光度の変化(Δl)のベクトルの正方行列を構築すること;そして
(8)光度における検出された変化ΔlxまたはΔlyを形成する、境界値によって課せられる制約を考慮して、最小二乗法によって、各要素ミクロ格子ユニットの減衰係数を下記の式を用いて調整すること:
Figure 2008502895
式中、
Cijは調査される値であり、
Bijは最初に推定された値であり、
nはミクロ要素格子ユニットの減衰係数表の代表的行列の行数であり、
mはミクロ要素格子ユニットの減衰係数表の代表的行列の列数であり、
列jの制約であるiの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足し、
行iの制約であるjの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
物理媒体がヒトまたは動物の体の一部であり、そしてこの体の一部の腫瘍または他の病理学的状態を表わす屈折率の特異点を治療するためという特別な場合、本装置は以下において特徴付けられる:
本装置が、非常に短い時間、例えば、100フェムト秒の、そして非常に高いエネルギーを有するビームを発生するための、移動ガイド上に搭載されたパルス型治療用光レーザを含み、そして、レンズの中立軸に沿って焦点距離を調整し、そしてビームをその中立軸の焦点に収斂させるための移動可能なレンズを本装置が具備していること;および
以下の補助的工程を実施するために、コンピュータが適切にプログラムされている:
(9)工程(3)の完了時点で計算された、または工程(6)の完了時点で調節された屈折率の中から、または工程(4)の完了時点で計算された、または工程(8)の完了時点で調節された減衰係数の中から、特異点Cを調査し、そして特異点Cの格子ユニットまたは要素ミクロ格子ユニットを参照して、移動ガイドに対して定義すること;および
(10)レンズの複数の点に対して、出発点Aqと、到達点と見なされる特異点Cの間の光路を調査し、そして、光線が、光レーザの繰り返しパルスの作用下で例えば蒸発によって破壊されるために、特異点Cが実焦点と一致するよう、空気中をビームが虚焦点に焦点を合せるように進むと仮定して、収斂角度によって求められた虚焦点までの焦点距離を調節するよう、レンズの異なる点から出発しそしてそのビームに対して対称条件に従う種々の調査された光路に亘って平均された収斂角度を計算すること。
本発明のその他の好ましい特性を、いくつかの態様と図面を援用することによって述べる。
本発明に記載の本装置は、光路を計算する方法、そして、特に、水系媒体中における対象物の検出または、以下に開示される断層密度測定方法の応用を実施する。実際に、不均一媒体を通過する、コヒーレント(干渉性)のまたは非コヒーレントの赤外線照射を使用のためには、この媒体中で光路が追跡できることが前提である。このことには、更に調査中の媒体のあらゆる点での屈折率の知見および、可能ならば、投影過程中の全てのまたは部分的な反射の知見も前提になる。
かくして実験者らは種々の場面に直面する。第一の例では、横切られる媒体と、各点における屈折率が知られている。第二の例では、不完全な情報しか入手できない。
第一の例では、光路を計算するために二つの方法が使用できる、つまり、デカルトの第二法則を使用する方法または、もし屈折率が全ての点で既知であればフェルマーによって公式化された原理を使用する方法である。
屈折に関するデカルトの第二法則は、二つの媒体の間の界面を通過する光線の偏向を以下に示される関係によって表わし、ここで媒体1中における入射角が、媒体2中における屈折角と次の式で関係づけられる:
Figure 2008502895
式中、nおよびiは、第1媒体の屈折率および屈折角であり、nおよびiは、第2媒体の屈折率および屈折角である。
フェルマーの原理も2点間の光路を計算するために使用してよい。実際に、フェルマーの原理は以下のように表現できる:照射を伴ういかなる軌跡も、要素光路の合計が最短となるような定常光路に対応する。要素光路は、2点間を結ぶベクトルの長さと、照射光が通過する媒体の屈折率の算術積である。
より一般的には、点Aと点Bの間の光路は以下のように表わされる:
Figure 2008502895
光路は、種々の可能な軌跡の中で、当軌跡を構成する連続的要素光路の合計が最短となるような軌跡に対応するものであることが思い出されるであろう。要素光路の各々は、ベクトルの両端間の幾何学的距離と、横切られる媒体の屈折率の算術積に等しい。
本発明者は、最長路ではなくて、異なる点も結ぶベクトルの図を用いて計算される最短軌跡を可能ならしめる方法を用いて、光路を計算するための初めての方法を発明した。
より複雑な状況、例えば、図1に示される場合においては、光線の出発点と到達点のみが既知であり、光路を描くためにフェルマーの原理が使用できる。異なる点を、例えば点Aから点Bに結ぶベクトルのネットワークの枠内で軌跡の計算を可能ならしめる臨界経路法を利用することによってこの原理が使用できる。この場合、この臨界経路法は最長路の計算を可能ならしめ、それは、軌跡要素ベクトルを、以下のように、(過剰評価値−軌跡要素ベクトル)に等しいベクトルによって置き換えることによって得られる。
例えば、点Aから点1.2(図3のグラフの層1の中心)に行く時、要素軌跡は以下のようになる:
Figure 2008502895
点1.1から点2.3に行く時、要素軌跡は以下のようになる:
Figure 2008502895
このように臨界経路法は、Lijの値に対して最短軌跡、つまり図1のグラフ上に示された各六角形要素を横切る距離を求めるのである。
臨界経路を計算するための方法を、最短路を計算するための方法で置き換えることが可能である。臨界経路法を使用することに関する利点は、適切なソフトウエアが入手できるということである。
1965年以来、本発明者は、先例の方法であるTELOR法によって臨界経路を求めるための方法を開発し完成させてきた。本発明に関連して、この方法はこの特定の先例の最小値を着実に参照することによって直接、光路を描くために使用できる。
図1に示されたグラフに関連して、点Aから出発して、点1.01、1.02および1.03で終わる3つのベクトルが描かれ得る。点Aから出発する最短路は、その長さが1.003に等しいので、点1.02で終わる。次の工程に進むと、つまり層1から層2に進むと、点1.01、1.02および1.03から出発する9個のベクトルが描かれ、そしてベクトル値(長さ)に先例のベクトルの値を加えることによって、原点から出発して指示された如何なる点にも向かう路が得られる。例えば、点1.02から点2.02に進むベクトル8は、2つの先例、つまり2(A、1.02)および4(1.01、1.02)のベクトルを有する。最短長さは、2.02に対応するものであり、それは調査された軌跡の光路上に見出される。
このようにベクトルAからベクトルBに一歩一歩進むことによって、光路が定まるが、それは更に我々の例においては分岐も含み、それは図3に示される。従って2つの光路は次のようになる:
Figure 2008502895
この例は、層No.3に対する場合であるが、完全にコヒーレントな媒体が横切られた時に、コヒーレントな光が含まれているとしても、光路が2つの異なるルートを取ることを示す。
このシステムは我々に、図2に例示されるように、例えばレーザ光線の走査に対応する、ある点から出発して多数の路を描くことも可能にしてくれる。
しかしながら、横切られた媒体の全点の屈折率が無視されることもよく起こる。この第二の例の場合、本発明に記載の装置が次のようにして使用される:
1:媒体の性質の評価が、例えば、1mmオーダーの低解像度を有する例えばX線スキャナーを使用する最初の試験手段によって実施される。
2:例えば、100ミクロンサイズの正方形に、または図1の線図に示されるような六角形の格子状配列によって、より巧妙な方法で濃度測定平面がスライスされる。
3:横切られる媒体の構成物質の知見のお陰で、各正方形または各六角形要素に対する屈折率の推定値が得られる。
4:点Aから点Bに向かい、そしてこの要素正方形または要素六角形の全ての中心を通過するグラフが描かれる。
5:このグラフの各ベクトルに、(過剰評価値−要素光路の値)に等しい値が割り振られ、または替わりに最短路の直接調査が実施される。
6:このように(過剰評価値の合計値−要素光路の合計値)に等しい、このグラフの臨界経路が求められ、そしてそれによって望ましい光路が得られる。最短路の直接調査を含む方法も採用され得る。
7:この光路は、要素光路間の線形関係、つまり、各ミニ領域または要素格子ユニットの屈折率の値に対応する。
8:この計算が、多数の、例えば、10000に等しいp個の出発点Apと到達点Bpに対して繰り返され、そのことによって、調査された屈折率の値を相互に結びつける一組の線形関係が得られる。
9:各ミニ領域の屈折率の実数の値を得るために、線形代数によって、この得られた方程式が解かれる。
10:このようにして屈折率の最初の計算が得られる。
11:得られた結果が物理的に満足されるまで、この操作が繰り返される。
言い換えれば、本発明に記載の本装置は、以下の方法を実施する:媒体に関する情報が入手できると仮定することで、観察される媒体の全点の屈折率が推定でき、そして点Aと他の点Bの間の可能な光路が計算され、その結果、軌跡に沿った屈折率間の線形関係が確立される。十分な数の点ApとBpに対してこれらの計算が繰り返され、そこからp個の点に対してp個の方程式が導かれ、p個の点で屈折率が計算され、そして、その結果が幾何学平面上で収斂するまでこの操作が繰り返される。
実際、多数の応用において、光学的使用を意図された材料をチェックしまたは生産するため、対象物または障害物を検出するため、または像を得るためにも、光線の軌跡つまり光路を計算する必要がある。
このように、本発明において、不十分な情報しか入手できない時に、一般的方法で如何に屈折率を得ることができるかを発明者は調べた。
第一の段階において、例えば、X線スキャナー、IRM(核磁気共鳴映像法)または超音波検査によって得られる像によって供される媒体の知見から各点での屈折率の評価が実施される。実際に、例えばX線スキャナー(またはその他の方法)によって得られる像によって示される各点の減衰係数と屈折率の間には、X線スキャナーによってまたは他の如何なる医療用画像診断法によっても得られる像のある領域が対応する疑わしい媒体を定義できる程度のある相関がある。種々の人体組織、骨、脂などが、その像の中では違って見えることは明白である。
二番目の段階において、例えば、六角形の格子状配列において、そしてこの場合に光路を調査するために使用される計算において示されるように、点Aと点Bの間の軌跡を求めることができる。もし、前述の方式が繰り返されるならば(4頁の13行から16行を参照)、2つの恐らく既知の媒体に対応する特定の係数である1.003と1.333が未知のものに置き替えられてもよく、そうすることで、以下のようにp番目の照射に対して表わされ得る、光路全体に沿った関係が得られることになる。
Figure 2008502895
変数の簡単な変更を実施すること、および進んだ距離は速度Vp=k/Npに比例することに着目することによって、それは屈折率が与えられた距離の経過時間Tpに比例するという結果が導かれ、経過時間(これは実質的に一定である)に比例するNn間で、そして六角形の格子状配列の場合においてはp番目の照射に対して、線形関係が確立され得る。
Figure 2008502895
実際に、光の速度は各屈折率に対応し、そして進んできた光路のTp値は、AとBの間でかかった時間から計算され得る。この値Tpは観察され得るし、たとえば、10cmの長さに対して空中における移動時間は0.333ナノ秒であり、一方、現在入手可能な装置はフェムト秒、つまりナノ秒よりも100万分の1も小さい時間まで測定可能である。
もし、P個の点に対してp個の光路があるとして、もし、光路が各場合で変化しないならば、全ての点での屈折率を、線形代数によって計算することができる。
第一の評価が良好かどうか不確実であるため、第二の評価の値を置き換えて、計算過程において与えられた領域の屈折率がもはや変化しなくなるまで光路を再計算してもよく、または、より便利な方法としては、偏差の合計または計算の2つの水準間の全体的変化を示す標準偏差の合計が、事前に定められた閾値よりも小さいならば、十分な正確さに既に達したと見なしてもよい。
もし計算された時間と測定された時間の間の偏差が小さいならば、その物理的路が実質的に同じと受入れられる。偏差のこの解析を必要ならば、各段階で実施して、計算をチェックさせても良い。
次いで、以下に開示するアルゴリズムを用い、赤外レーザ(または他の光レーザ)を使用して2つの交差走査シーケンスXとYを実行することによって先に進めてよい。要素領域または格子ユニットの屈折率の正方形に分割することなく、その替わりにミニ領域の屈折率値をその領域の屈折率と見なすことによって行列を展開し、ミクロ領域または要素ミクロ格子ユニットの屈折率を評価することになる。
減衰係数に対して、増幅因子Kによる分割の原理を再び採用することになる。
評価された屈折率を基準にして光路を求めてよいと言う第一の近似を仮定して、最初に評価された屈折率と再評価された屈折率の間の二乗偏差を最小化するために、本当の軌跡によって課せられる制約を考慮して、評価された屈折率を修正することになる。
この場合も、上記のように屈折率または減衰をもう一度考慮して、二段階法に従ってこの解析を完了させてよい:
1:より大きな解像度(例えば1mm)を含む段階、および
2:より細かな解像度(例えば10ミクロン)を含む段階。
六角形の格子状配列は強調されるべき利点を有する。この配列は表面の全領域を完全にカバーする。隣接する六角形の2つの中心点間距離は常に等しい。点Apから点Bpに到る光路の調査を含むある場合においては、図的方法による計算が、制限された角度内に位置するベクトルを使用することによって簡略化でき、そうすることによって調査されるべき軌跡数が減る。
六角形の格子状配列の場合には、第二段階を評価し、第二段階の屈折率と減衰係数を計算するために、第1段階で得られた情報を活用することによって、各六面体を6個の等辺三角形に分割することや、最初の六角形の格子状配列(1mmのサイズを有する)および、より細かな六角形の格子状配列(10ミクロンのサイズを有する)を創出することができる。医療用スキャナーの解像度は、約1.5mmのサイズの要素を検出することが可能である;1mm中には約10億個の細胞がある。癌は3つの段階で展開すると見られる:小結節が約50ミクロンの臨界サイズに到達する時期までのゆっくりした段階、原位置で発現する血液網によって癌が生体と結合している脈管化段階、そして癌が本当の器官となって生体に侵入し、廃棄物と場合によっては悪性細胞を廃棄する、より早い段階。
これらの事実を考えると、1mmの解像度は、脈管化によって癌が危険状態に成長し始める時点での癌の検出には不十分である。
従来法を使用して解像度を10倍に改善するには、X線ビームによる走査数を増加して、照射を1000倍にすることが含まれであろうが、その結果として情報処理コストも100倍に増す。
最初の目的は、走査数を減少させ、そうすることで照射レベルを下げることである。そのためには、像をもっと迅速に治療する方法を見出す必要がある。そのような方法は数学的アルゴリズムに基づいてもよく、その原理を以下に説明する。
従って、先ず、スキャノグラフィの原理と当分野での技術の現状を思い出すことが必要である。スキャノグラフィ(または断層密度測定)は、EMI社で働いていた技術者G.N.Hounsfieldによって1968年に発見された。1972年の特許の名称は「X線またはガンマ線のような照射によって体を調べる方法と装置」である。1979年にこの発明者はその発明に対してノーベル賞を受賞した。この発明の原理は以下の通りである:
X線ビームは定められた面を走査し、器官を直線的に通過して、板、つまり放射線検出器にぶつかる。器官を通過すると、ビームは減衰し、その減衰の程度を検出器の手段によって測定することができる。断面における交差走査によって、付随のコンピュータ上の適切なソフトウエアによって処理される一組の情報が得られる。
十分な数の交差走査をこうして情報処理して、実際に小さな要素細胞または領域を定義することにより、走査数が細胞数に等しいとすれば、一組の一次方程式を解くことが可能になる。
情報の編集と使用は付随のコンピュータによって行われる。
コンピュータは一組のデータを集め、次いで、各要素領域の減衰係数の値を計算する。これらの計算から得られる情報が断層面マップによって表わされる。
これら数組のマップは、縦方向または横方向の断面を可能にする解析の三次元走査像を構成する。このようにその医療的解釈は組織の実際の内部像に基づくものである。これらの調査は他の調査、例えば超音波検査や磁気共鳴画像法によって進められまたは完成される。
走査およびそれが導入した方法は医療的調査の必須手法として生き残っている。現在、容積としてmmオーダー各要素領域が得られる。
しかしながら、生きた細胞数は1mm当たり10億個のオーダーであるため、この方法は顕微鏡的スケールには程遠い。ヒト細胞は平均して10ミクロンサイズを有する。人体中に見出される微生物は1μmオーダーのサイズを有し得る。
癌の初期検出には、著しい解像度の向上が前提となる。しかしながら、ある特定の患者に対してこの系が使用される時間の長さが、ある経済的閾値を越えることはできない。
従って、正確な走査装置と共に、非常に精密に位置取りと切り替えが可能な非常に小さな寸法のマスク、および各要素ミクロ領域の減衰係数値の受け入れ可能な評価を提供する情報処理システムの組合せによって、ビームパルス数、従って記録されるプロファイル数をかなりの倍率で減らすことが可能となり、一方、同時に、照射を禁止レベルまで到達させることなく、1mmから10または20ミクロンの解像度まで引上げることが可能となる。
20×20cm領域を1mmの解像度で調べると、現在実施されている如く、200×200点、つまり40000点に関する減衰係数が得られることになり、40000プロファイルの作成が必要になる。もし、10ミクロンの解像度を得ることを望むならば、10000倍も大きい点の数つまり4億点の減衰係数値を入手することが必要となり、患者を致死量の照射に晒すこととなり、従って、超音波検査または磁気共鳴画像法が使用されるかどうかにかかわらず、処理遅れと実際に耐えられないコストを含むという事実からして、それは極めて実現性からかけ離れている。
ここで述べられる方法においては、4億プロファイルの代わりに、低い解像度を得るための40000プロファイル、続いて高い解像度の交差走査のための補助的40000プロファイルの作成、つまり合計80000プロファイルの作成、言い換えれば1/5000の数のプロファイルおよび付随する照射が必要となる。
しかしながら、如何にしてそれに伴う信号と値を処理するかの問題は依然として残る。
そこで本発明者は、各項に関しては近似推定が得られ、行列の各行と列の合計に関しては精密な情報が得られる場合に、スキャナーによって調査される特定領域の断面プロファイルを表わす矩形行列の項の評価に関する特別の問題を解くべく、信号とそれに付随する情報の処理方法を完成させることに注力してきた。
種々の画像状況において遭遇する問題を解決するためにいくつかの方法を完成させ、調べてみた。その結果、矩形行列によって表わされる望みの像を得るという観点で、計算方法において著しい簡略化が供される独創的方法にたどり着いた。
医学画像の場合、この方法によって作成するプロファイル数を減少させ得る。これから述べるように、実際にこの方法で、最初の行列の各項または領域のスライスによって得られるミクロ領域における推定値を得るための低い解像度の最初の行列の各項または領域の値の分布または外挿によって、より大きなサイズの行列を作成することが可能になる。
このようにして展開行列が得られる。
次いで、もし境界要素の値を得ることが望まれ、その境界要素が行または列の項の合計である場合、各項を信頼性高く評価できる計算方法によってこの展開行列を調整する。
この場合、例えば、20項を含む5×4の行列から、500項を含む25×20の行列まで進み、次に上記方法によって各項を計算することができる。
次いで、種々のプロファイルが得られるよう、得られた信号を表わす最初の行列の展開と調整が含まれる。
この調整方法について以下に述べる。この方法は、より小さな最初の行列から大きな寸法の行列を適宜得た後に行われる計算において特別な役割を演じる。
従って、以下の記述は、本発明に記載の、調整計算方法それ自体に関する。この方法は、放射線検出器による測定から得られる、X線装置から生じる一次ビームの、ビームが調査される生物を通過した後の強度または残留値の信号の処理において重要な役割を演じる。
もし、n行m列の大きさを有する行列を処理することが望まれるならば、
Bijをi行、j列での推定値とし、
Cijをこの行列の対応する項の最も確からしい値とし、
ρjをj列の項の合計とし、
cjをi行の項の合計とする。
Bijの推定値は、この行列展開方法によってまたは、そのような推定を供する如何なる他の方法、特に線形または多項式の調整技法を使用する方法によって得られる。
本法の場合、行と列の制約を考慮してCijの値の解、つまり以下の関数の最小値が求められる:
iおよびjの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
これらは以下の制約を受ける。
jの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
iの値は全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
制約下でのこの関数の最小値を調査することがLagrange(ラグランジュ)乗数の方法を使用して行われ、ここでLagrangianは以下のように表わされる:
Figure 2008502895
この関数は2つの部分から構成されており、つまり左側の文字を含まない第1部分および線形関係の組である第2部分である。
このように、Lagrangianは、変数Cijとλjおよび行と列の制約(実際に2組の制約、つまり行制約と列制約がある)に付随するLagrange乗数、μiに対して導かれる。
これらの条件下で、Lagrangianを微分することによってCijに関する一組の線形関係および、制約値に関する一組の関係値を得ることができ、それは以下のように表わされる:
dL/dCijが、変数Cijに対する関数Lの偏導関数を表わすと特定することによって、
Figure 2008502895
そして制約は以下の通りである。
jは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
iは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
この偏導関数に対応するn×mの関係式にn+mの制約関係式を加えたこの組は線形であり、nm+n+m変数に対応する一つの解のみを与える。
もし、例えば、行数nが25に等しく、列数mが30に等しい行列を処理したいならば、線形代数による解は以下の処理の中にある:
750個のCij変数
行の乗数μiに対応する25個の変数
列の乗数λjに対応する30個の変数
750個ではなく55個のプロファイルしか得る必要がない故、最初の目的は既に達成された。
805個の変数に対して、偏導関数に対応する合計で750個の関係式および制約に対応する55個の関係式がある。行列計算法を採用することによるこの問題の解が、最も明快な解であるが、非常に退屈な計算が含まれるため、従来法において含まれるものよりは少しばかり扱い難い。本発明者の目的は第一に迅速に計算する方法の改善であったが、本発明者の本質的目的に加えて、検査期間中の照射線量を制限することがあった。
このレベルでは、照射レベルを制限するスキャナーを操作できるものの、上記に述べられた方法に含まれる計算によって余分のコストがかかる。
本方法は照射(または超音波検査処理)のレベルを効果的に、相当制限することは可能であるものの、推定値(一般的には満足できるものの、減衰係数の精密な値は供しない)を得るために、従来法におけると全く同じ退屈な計算方法を含むことになる。
従って、計算時間の改善に努めるための方法を引き続いて調べることが必要であった。種々のアルゴリズムを使用して、多少の改善は供されたものの、本発明者は計算時間を著しく改善する方法を見出すため引き続いて挑戦した。
上記の関係式を組合せることによって以下のことが得られた:
Figure 2008502895
Figure 2008502895
これらの関係式から以下が導かれる:
Figure 2008502895
Figure 2008502895
これらの条件下で、例えばμiにλjの値を代入すると、次のようになる:
jは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
iは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
μ−を下記式:
Figure 2008502895
のように定義すると、μiは行の制約に付随する乗数の平均となり、以下の2つの関係式に到達する:
jは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
iは全て、下記式:
Figure 2008502895
を満足する。
実際には、下記式:
Figure 2008502895
の値はμに等しくなる。
このような条件下で、この関係式に代入すると、下記式:
Figure 2008502895
という代数関係式に到達する。
この調節式によって、項毎の計算によってBijの行列からCijの行列が導出できる:
Figure 2008502895
こうして本発明者は全く驚くべきことに、行列計算法の使用を必要としない、代数型の計算を実行することに成功した。
この代数型の計算によって、参照行列の部分的処理が可能になり、これは多くの場合、十分である。
信号を処理するこの方法の数値的検証および、医療事情にいて求められている像の解像度値の確立について以下に述べる。
本方法の縮小モデルへの応用例:
n=3、m=4のn行でm列の行列を考えてみよう。
最初の行列
Figure 2008502895
この行列において、3つの行と4つの列に推定値が入力されており、行の制約値がC列に入力されている。
列の制約値が最下段のP行に入力されている。
列(または行)の制約の合計が各項の合計に等しいため、上記式の応用は簡略化されて次のようになる:
計算後の平衡状態
Figure 2008502895
単純な計算機上で行われる計算によって、縦方向または横方向に合計した項の値が制約値を満足していることのみならず、望みの値に導かれていることがチェックされ得る。もし、この問題を解くために線形代数の使用を望むならば、次に、nm+n+m個、つまり我々の場合の19×19に等しいサイズの行列に反転させることが必要であるが、そのための計算時間は明らかにあまりにも長くなるであろう。
発見されたこの方法により、計算時間の(照射レベルにおける減少と同じオーダーの大きさの)著しい減少が可能になる。
例として、線形代数による処理に数時間かかるであろう200×200の行列に対して、多色を用いて同一減衰ラインを構成する形で表示した4000項の値が2秒未満で得られる。
上記説明の通り、波長が可視または赤外範囲に近い周波数領域における他の如何なる光学系を使用しても、光線の屈折の問題が生じる。本発明に記載の装置はこの問題を解決している。
そこで以下の2つの方法が組合される:
多数の走査に対して光路を計算する方法において、例えば、点Aと複数の点B1、B2、B3などの間の光路が次に得られ、そして横切られる媒体の屈折率を結びつける方程式が各光路に対応付けられる。もし、走査数が十分であれば、断層密度測定によって検査される対象物の範囲内の各ミニ領域の屈折率の精密な評価が得られるであろう;および
X線スキャナーに対して使用されるような、行列の展開と調節方法によって、行列展開法によってミニ領域の分布から得られる、各ミクロ領域の「要素」屈折率の適切な値が得られるように系の分解能が改良されるであろう。次いで、各ミクロ領域の屈折率およびその対応する吸収または減衰の係数があれば、高解像度の像が得られる。実際に、一旦全ての点の屈折率が分かれば、各軌跡の端部での残留光度が測定され、そして特異点の位置が、屈折率の像のみならず減衰係数の像も得られるようにX線スキャナーに対して使用されるものと類似の上記方法によって見つかるであろう。
この像を読めば、検査された対象物の内部において見つかった特異点に関する情報が、2次元検査によってまたは三次元検査により、複数の密度測定面の連続処理よってオペレータに供され得る。
本発明に記載の装置の2つの態様を以下に述べる。この2つのシステムは、断層平面におけるレーザビームの移動モードが基本的に異なることを想定している。両者において、1.064ミクロンの波長を有するYAG NEDDYNEレーザまたは1.110ミクロンの波長を有するYLFレーザが好ましく使用される。1パルスあたりのエネルギーは5から10ミリジュールの間である。ビームのサイズは光学系によって変更でき、1から5ミクロンの間まで変えられる。パルスの継続時間は1から5ナノ秒の間である。この継続時間は特に、読取器の光電セルの反応時間に依存する。もし光電セルの反応時間がマイクロ秒のオーダーであれば、同じオーダーの大きさのパルス時間を使用する必要があるし、ビームのエネルギーはそれに従って調節する必要がある。このレーザの重量は数キログラムであってよい。
検査されるべき対象物の近傍にて移動可能で、斜面上で自己移動可能で向き変更可能な棒によって支持された光ファイバ系も使用してよい。詳細検査用には、ビーム自身が移動可能で向き変更可能な、二次元の光ファイバビームが使用されてよい。
第一の系は、各面に対してビームが固定位置を有し、そして斜面上で移動可能で、斜面上でのその位置の各点で回転によって向きを変え得る鏡の手段によってビームの移動がなされることを想定している。第ニの系は、レーザが斜面上で移動されそして斜面上の各点で回転によって向きを変え得ることを想定している。
第一の系の様子が図3に示されている。この図において、30は床を表わし、31はテーブルの支持脚用の調節手段、32は支持用円筒、33はスライドするチューブ、35は振動を除去可能なTeflon(登録商標)製トーラス、34は残留振動を除去しまたは弱めるための、硬い金属、花崗岩または大理石のような非変形材料製の支持板、36はレーザを板上に固定する手段、37はレーザチューブ、38は向きを変えられる鏡、39は取付金具を支持体に固定する手段、41は光電セルで構成される検出板、42は取付金具の水平レール、40はセルを過剰曝露から保護する板、43は鏡用の支持棒、44は検査されるべき対象物、45または46は入射レーザ光、45’または46’は平行レーザ光、47は検査されるべき対象物用で赤外照射を透過させる回転可能で移動可能な支持板、そして48は取付金具を表わす。
この系の操作は次の通りである:支持用円筒32、スライドするチューブ33およびトーラス形状の結合部35を支持する小さな板の範囲内で支持板47を移動させて望みの高さに置く。スライドするチューブ33は、実質的に全ての振動を濾過するTeflon製のトーラス形状の結合部35を通して以外には支持用円筒32と全く接触しない。鏡38用の支持棒43を所要の位置に移動して、入射レーザ光45が望み通りに向きを変えるように鏡38とレーザ37の向きを変える。
種々の走査プログラムによって、p個のプロファイルが低解像度で得られ、または2つの交差シリーズにおけるk*p=X+Y個の照射によって高解像度で得られる。第一の場合、各セルまたはマイクロ要素格子ユニットの要素表面は1mmのオーダーのものである。第ニの場合、要素セルのサイズは100ミクロンのオーダーのものであり、1ミクロン(波長を考慮すると実用的限界)もの小ささでもあり得る。
望みの解像度を得るためは、レーザチューブ内に統合された光学系にビームを通過させると、検査されるべき対象物のレベルでのその直径を1mmまで増大させるかまたは1ミクロンまで減少させ得る。
小さな直径の場合、横切られる対象物または検出手段の光電セルへの熱的影響を減少させるためにパルス継続時間を短縮させるように操作を実施することによって、または赤外エネルギーを吸収するための装置40を挿入することによって、2つの手順が、一緒にまたは他の方法で、採用され得る。従って断層撮影面の実施は以下のように実施される:
第一段階で、例えば、1mmの解像度で機能するようにビームを制御し、検出板を調節して、対称物の断面の表面mmに等しい数のプロファイルが得られるように走査プログラムを定義し、そして細胞から得られた結果をコンピュータに移動させることによって、その走査プログラムを実施する。
第二段階で、望みの高い解像度が得られるようにビームと検出板を制御し、そして、対象物の断面における調査される領域、二つの平行な高解像度走査または高くない解像度走査の間の角度(一般に直角)および対象物の透明度に応じて、パルス継続時間およびあり得る吸収を制御するように交差走査プログラムを確立する。
細胞レベルで得られたデータを、データ処理を実行してその結果を保存するコンピュータに移す。
第三段階で、計算結果を用いて各断層面の像をプリンタの手段によって、グレイスケールまたはカラーを使用または使用せずに描く。
前述のアルゴリズムの使用は、同じ条件下で起きる。このように使用された方法によって、X線スキャナーに対して得られたものに等しく比例して計算時間に非常に大きな節約ができる。
選択された操作モードにおいて、平行な横断光線46と46’が得られるように、鏡38は、レーザビームと同じように回転軸の周りで回転する。この鏡は、k*p個のプロファイルの2つのシリーズXとYが、各シリーズにおいて横断光線が互いに平行になりそして2つのシリーズが交差するように得られるために、十分な距離を動かせる。
特異点Cの体積は、ある平面において、あるレベルの着色を有する小さな正方形を単純に一定の面でカウントし、次いでその隣接平面において得られた数を、そして観察結果によって定義される2つの制限面の間にあるその隣接領域に対して得られた数を加えることによって得ることができる。
異なった平面に関する一組の結果からなるデータベースによって、ある介在物の絶対不透明性に起因する黒い領域を浮き彫りにして、こうして隠れた領域を見えなくする。
この領域を明るくするためには、少なくとも2つの方法が採用できる:つまり、完全な像を再構成するように顕微鏡的参照要素を適所に置いた後で、複数の像が異なる角度で得られるように対象物を回転させ、または隠れた領域の像を得るように取付金具48を回転させることである。
両者の場合において、検査されるべき対象物を、軸の周りに回転可能な透明板47の上に、必要ならば固定させて、置くべきである。
この第一の系において、鏡による反射がある波長に対して困難となり、その結果、反射角で変わる光エネルギーの損失が生じ、対象物の無い状態における、より複雑な参照測定を行うことが必要となり、計算を複雑化する可能性がある。
他方、鏡38の回転と並進は、その軽量性から非常に容易であり、低パワーの圧電差動装置があるだけでよい。
第二の系の様子が図4に示されている。ここで、同じ参照番号は同じ要素を示す。参照番号49は枠を示す。この系の機能は以下の通りである:
支持用円筒32、スライドするチューブ33およびトーラス形状の結合部35用の小さな支持板の範囲内で移動させることによって、支持板34を望みの高さに置く。検査されるべき対象物を支持するための板47を選択された角度で置く。次いで、第一の系と同じ手順が続く。走査を例示するために図18を参照する。この図で、2つの交差走査が得られるように、第1点からの距離でのビーム37の移動および、ビーム37の新しい傾斜の選択が示される。ビーム45と45’は各走査において互いに平行である。
この第二の系において、レーザビーム37の並進と回転には、より強力な作動装置が必要になる。この場合もまた前述のアルゴリズムを使用すると同じ利点が供される。このように本方法を使用すると、X線スキャナーに対して得られたものに等しいスケールで計算時間に非常に大きな節約が可能となる。
尚、赤外照射の場合、いくつかの現象、例えば、対象物内部での反射、特定領域内での反射および熱に変換される赤外エネルギーの吸収の結果、減衰がもたらされ得る。
従って、種々の減衰源を区別するために、可能ならば種々の領域における温度の上昇も測定することが重要である。
次に、対象物の性質が重要であり、そして種々の測定に対して対象物が回転できると、種々の材料に対する波長とそれに対応する屈折率に依存する反射または屈折によって生じる誤差の評価において有用な情報が得られる。
反射現象を避けるために、低屈折率材料の薄層を気相蒸着によってプラスチック材料の非常に薄い膜上に作製して、このフィルム50で生物を覆うことが可能である。
屈折に関して言えば、いわばコヒ−レント光が生産されるレーザが使用される場合、この現象はコヒ−レントで無い光が使用された場合とは異なるものの、やはりある程度の屈折が存在する。図5に示されるように、生物または対象物44を2つの透明板47と51の間に配置することによって屈折は減少され得る。これらの透明板は、図25と26に図示された例にある支持板を形成する板のうちの一つであり、反射を避けるように反射防止層で被覆されておりそして、これらもまた生じ得る屈折を制限するよう、厳密に平行である。
このように、2つの系、つまりX線スキャナーと赤外レーザスキャナーを組合せることが、像の品質とその解像度の改善につながる。
しかしながら、ここで述べた2つの赤外スキャナー系において、本発明に記載の方法によって、赤外レーザによって得られるプロファイルの数を高解像度に対して温度上昇がまだ制御可能である程度まで減少でき、そのことによって調査対象物または生物の、または横切られる体が類似屈折率を有する領域を含む場合に、過剰な加熱が避けられる。
既に説明した通り、計算時間がまだ情報処理のための通常法の制限内にある。
第一の応用は治療的使用に対してである。事実、癌の小結節または細胞グループは非常に高いエネルギーの赤外レーザビームの焦点を合せることによって破壊できるが、焦点の周囲に位置する領域の昇温の結果として、目標物を破壊するため非常に短い時間だけの操作に限られる。
特に、眼科においてそのような手順が使用される。この方法は、もし、特定の波長の屈折率と吸収係数の本当のマップが得られるよう、上述の方法によって予備検査が実施できれば、体の他の部分にも展開し得る。このようにして、スクリーン上にビームの傾斜が異なる位置における光路を模擬表示し、そして到達すべき小結節または細胞グループに精密に目標を合せることができ、一方で、吸収係数の手段によって目標上に差し向けられるべきエネルギーが評価される。
実際に、目標物中に位置する面の走査と調整が、検査された空間における如何なる点での屈折率と吸収係数の精密な評価につながる
もし、この調査が、血栓(特に、脳血栓)、腫瘍(悪性またはそれ以外)などの特異点の証拠を供すると、この特異点を破壊するよう、迅速に行動することができる。
そのような結果を達成するためには、適切な装置を採用しなければならない。図4に例示されている通り、この装置は検査用レーザと治療用レーザを固定する支持金具を含み、これら2つのレーザは、支持金具に沿って移動でき、レーザの下の空間を走査するよう傾けることができる。これら2つのレーザは、それらの機能と役割は非常に異なるものの、好ましくは同じ波長、例えば、赤外範囲の1.064ミクロンで操作される。検出器は、ビームが目的物とその透明支持体を通過した後で測定される残留光度を検出でき、同様にビームが目的物を通過することによって生じる偏差も検出できる。この検出器は基本的に検査段階において使用され、パワーがはるかに大きな治療用レーザの影響を受けないように遮蔽され得る。
検査用レーザは、前に説明した通り、目的物のあらゆる点での屈折率を求めるために使用される。
治療用レーザは、特異点に同レーザの高エネルギーの焦点を当てるために使用される。従って、この治療用レーザには、ビームの焦点を合せることが可能な光学系が設けられる。
こうしてこの操作は2段階で行われる:
第一の段階において、検査用レーザは疑わしい断面全ての点での屈折率を計算でき、そうして特異点の位置を求めることができる。そうすることで、同レーザが供する2組の情報、つまり屈折率の異常と減衰係数(または吸収係数)の異常に関する情報によって、特異点の特定に寄与して、その位置を精密に定めることを可能ならしめる。
第二の段階においては、治療用レーザが、ビームの焦点を破壊されるべき特異点に合せて繰り返して使用されることになる。この焦点合わせを達成するためには、光学的焦点合わせ系、例えば、移動可能なレンズ110およびビームの焦点によって、特異点の領域中に焦点が位置するように、種々のビーム端から特異点までの光路を計算して調節することが必要である。種々の屈折率が既知である故に、種々の光路のあらゆる計算が実行できる。この光路の予備知識によって、光学的焦点合わせ系を特異点上の目標に設定することが可能になる。
処理されるまたは横切られる媒体によっては、赤外波長以外の波長も使用可能である。特許文献1(Daniele ARON ROSAとMichele GRIESEMANN、名称:「眼科外科用の方法と装置」)において示唆されたような周波数増大系を備えたレーザを使用することさえ可能である。
実際に、目標物が存在しない中での極端な光路は虚焦点をもたらす。目的物を間に置くと、腫瘍または特異点が位置する領域に合致するように焦点が移動する。ビームと集束レンズが同軸にある多くの場合において、実際の虚光路がビーム軸に対して対称的であるかどうかをチェックする必要がある。もし、そうでない場合は、レーザ操作の前にこの同軸性条件がチェックされるように、レーザの並進または回転をシミュレートする必要がある。
治療用レーザの場合好ましくは、非常に短時間、例えば100フェムト秒、つまり500×10−15の間、操作する非常に高いエネルギーのレーザを含む装置が使用される。もし、集中されることになるこのエネルギーが1ジュールに等しいなら、このレーザのパワーはテラワット単位で測定される。もし、特異点近くの領域における損傷を起こすことを避けたいならば、例えば、100ミリ秒で1500回、照射を繰り返し、そのビームを例えば100ステップ毎に、つまり1ミリ秒当たりで1ステップ、各回に10から100ミクロンの距離だけ移動することが好ましい。
これは、取付金具がステップ毎に非常に小さな振幅で、非常に迅速に移動でき、そしてレーザが毎秒数千回の切り替え(パルス化)ができることを仮定している。従って、組織またはこの領域の周囲環境を損傷しかねない加熱を起こさせずに、10から100ミクロンの小さいサイズ中に非常に高い温度上昇を起こすことができる。
医療用赤外レーザスキャナーへの応用は、光路計算の単なる一つの可能な応用に過ぎず、それはもし望むならば、その点の屈折率および/または減衰係数の同時測定によって補完されてよい。
第二の応用は、水系媒体中に位置する目的物の検出に関係する。実際に、水によってほんのわずかしか吸収されない、1.06ミクロン周辺のある波長が例えば水生動物、ダイバー(水鳥)、または如何なる他の水中にある物体をも検出または表示するために使用され得る。また、ある場合には、高エネルギー(テラワット単位で測定される)赤外レーザを、フェムト秒単位で測定される非常に短時間、使用する必要がある。
湖、水泳プールまたは如何なるその他の水を含む表面において人間を探す場合、以下の手順が採用可能であろう:
ビームを検出器に向けて反射させ、そして検出器をある深さに設置することによって、または目的物自身による反射を使用することによって赤外レーザ走査を実施する。
一旦、目的物が検出されると、その目的物の性質を調べるためにまたは、上記一連の走査によって調べられた空間の走査を実施するために、一個の赤外線カメラをその場所に向けることができる。
より一般的には、例えば、もし赤外カメラまたは写真装置を使用すれば、媒体中の屈折率の変化によって生じる変形および偏差を考慮できるように、装置から目的物までの光路が既知であれば、像を修正または改善できる。
ソナー装置による水系媒体中における目的物の検出は、水中では光波またはより一般的には電磁波より約20000倍も遅い音波の伝搬速度の問題を生じる。
例えば100mの深さで毎秒30mで素早く動いている目的物は、音波の発射と戻りの路の間に6m動くことになるが、電磁波を使用すれば、その動きはわずか1ミクロンの数10分の1だけである。
他の応用は空中での検出に関する。実際に、赤外レーザによる空気中の走査は音波法検出に比べて明白な利点を有するのみならず、Hertzian波と比較しても、ビームの細かさ故に像のよりよい解像度を可能にし、そして前記特許に述べられたタイプの画像法の使用に資するし、かつ、そうすることで形状の調査と特定に資する。
警報システムも、如何なる異常な目的物の検出をも可能ならしめることによって、ここに述べられた技法からの便益を受ける。
光路を調査する方法は、ある調節を実施することによって、音波または実際にそれと組合せて超音波路の調査に応用でき、特に、熱によって破壊されるのが望ましい癌小結節上に集束する超音波を使用した癌治療の分野において応用できる。これに関し、音波の伝搬はEulerの式を用いて解析でき、その結果は音波の伝搬の数値計算を可能とする種々の方法にそれ自身役立つ。光路に関して本発明者によって述べられたものと同様の方法は、技術的および治療的手順を簡略化するよう、不均一媒体中の音波路を描くことも可能ならしめる。
より一般的には、特に、石油調査の仕事において、光路または音響路に関して、土層の解析が調査に多大の便益をもたらすであろう。
このように、光路計算法は、2点間の可能な光路の曲線を確立することによって、そしてそれによって求められるべき2点間の最短光路を可能とすることによって、幾つかの技術的操作を実施可能ならしめる:
全ての点での吸収係数を得て、そのことによって特異点を特定するために、各領域の屈折率が既知である媒体中での追跡;
X線スキャナーによって供される媒体の知見によって得られた屈折率の不完全な推定を用いて、調査された表面をカバーする一連のレーザ走査と、必要ならばこれらの走査を繰り返すことによる全ての点での屈折率の計算;
前述の展開法および調整法の応用による高解像度光学的像の形成およびそのことによる赤外レーザスキャナーの使用への手助け;
特に液体または気体媒体中の異常性または目的物の迅速検出のための本方法の使用;および
治療的使用において、この方法は、悪性または良性の細胞またはグループを破壊するための精密な手順を取らせ、その結果レーザビーム、例えば赤外レーザビームの光路を、破壊されるべき領域を形成する目標物上に定めて焦点を合せることが可能となる。
音の伝搬法則と光の伝搬法則の類似性があるとして、本方法は、あらゆる必要な使用上の注意をして、不均一媒体中において音響路を描くことに展開してよい。これらの条件下で、治療すべき領域に焦点を合せることによって、目標細胞を破壊するよう熱効果を生むことができる高エネルギー超音波ビームを目標に設定した後にも、これらの細胞の破壊を実施してもよい。
もし、必要な注意を常に採用すれば、本発明に記述されたものと類似の方法による音響路の追跡技法を土層の解析による、特に屈折波地震探査による油層探鉱に役立たせてもよい。
物理媒体中の点を示しており、各点は要素格子ユニットの重心を占め、ここで要素格子ユニットは屈折率の格子状光線を形成する。 1と2の間をランダムに変化する10000点の屈折率の正方行列、および出発点と5つの到達点の間の5つの光路を図的に示す。 本発明の第1態様に記載の装置の平面図である。 本発明の第2態様に記載の装置の平面図である。 図3の装置と同様の装置の平面図である。

Claims (13)

  1. 物理媒体(44)の多数、例えば10000個の点pにおける屈折率を求める装置であって、前記点は各々、要素格子ユニットまたはブロックの重心を占める固定参照点(48、49)によって定義され、p個の前記要素格子ユニット(100)は、前記物理媒体の格子状配列を形成し、
    移動ガイド(102)に沿って要素ステップ中を移動可能な、または前記移動ガイドに沿って要素ステップ中を移動可能な鏡(38)に対して固定された、一連のp回の同一平面上の「照射」を実施するための、例えば赤外レーザ(42)のような光レーザ(37)であって、前記各照射は、前記移動ガイドに対して定義される出発点Apから出発して、前記物理媒体(44)を通過した後で、検出手段(40)によって定義される到達点Bpに、前記2つの点ApとBpの間の最短光軌跡と定義される光路に沿って到達するものである光レーザ;
    前記照射が前記出発点Apを離れた時の最初の瞬間からカウントして、前記各照射が前記到達点Bpに達する瞬間Tpを記録するよう、前記各照射と時間同期化されたカウンタ(104);および
    以下の工程(1)〜(3):
    (1)全て出発点Apから出発し、全て到達点Bpに達する光軌跡の中から、光路を調査する工程であって、前記各光軌跡は、2つの項の算術積に等しい一連の要素光路(L)によって定義され、前記2つの項のうち、第1項は、2つの隣り合う要素格子ユニットの2つの重心を結ぶベクトルの絶対値であり、第2項は、各重心での推定屈折率である工程;
    (2)検出された経過時間Tpに対して、調査されたp個の光路、要素光路(L)および屈折率(N)の各々のためのp個の一次方程式から出発して、要素光路[L]、要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルおよび光線の経過時間[T]のベクトルの正方行列を構築し、下記の行列方程式:
    Figure 2008502895
    を要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルに関して解く工程;および
    (3)要素光路[L]の行列が収斂し、要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルも収斂するまで、調査された新しい光路に対応する新しい要素光路を有する上記の行列方程式を解いて、要素格子ユニットの屈折率の新しいベクトルを得るために、直前の逐次代入の間に計算された要素格子ユニットの屈折率を有する新しい光路を調査するよう、工程(1)と(2)を繰り返す工程
    を実施するために適切にプログラムされたコンピュータ(106)
    を含むことを特徴とする装置。
  2. 屈折率が測定された物理媒体(44)のあらゆる点での減衰係数を求めるために、
    要素光路に沿った、そしてそれに続く各照射での光度の減衰を考慮して、出発点Apと到達点Bpの間の一連の各々の照射の強度変化(△lp)を検出するよう、検出手段(40)が適応されており、前記強度変化は、各要素格子ユニット(106)に付随する減衰係数Eの関数であり、また
    コンピュータ(104)は、下記補助工程(4):
    (4)要素格子ユニットの屈折率ベクトルが工程(3)において収斂する要素光路(L)および要素格子ユニット(100)の減衰係数(E)を、一連のp個の照射各々の強度変化(△lp)に結びつけるp個の一次方程式から出発して、要素格子ユニットの減衰係数(E)のベクトル、および強度変化(△lp)のベクトルを構築し、次いで線形代数を含む数学的方法によって、下記行列方程式:
    Figure 2008502895
    を、要素格子ユニットの減衰係数(E)のベクトルに関して解く工程
    を実施するよう適切にプログラムされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記コンピュータ(106)は、X線スキャナー、核磁気共鳴画像ユニットまたは超音波検査ユニットを使用する画像法によって得られる屈折率の推定値からの最短臨界経路の計算を含む方法により光路を調査するよう適切にプログラムされることによって、工程(1)を実施することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 物理媒体に対してより大きな空間分解能での屈折率の推定に到るために、
    移動ガイド(102)には、2つの交差した一連の照射XとYを実施するように、要素ステップを増幅因子Kで除したものに等しい要素マイクロステップによって、移動ガイド(102)に沿って光レーザ(37)または鏡(38)を移動させるマイクロ作動装置が設けられ、前記両照射は同一平面上にあり、かつ各々移動ガイドに関して定義される出発点AxまたはAyから出発し、物理媒体を通過した後で、検出手段によって定義される到達点BxまたはByに、2つの点AxとBxまたはAyとByの間の最短光軌跡と定義される光路に沿って達し、また
    前記コンピュータ(106)は、下記補助工程(5)および(6):
    (5)全て出発点AxまたはAyから出発し、全て到達点BxまたはByに到達し、一連のミクロ要素光路(μL)によって定義される多数の光軌跡の中から、光路を調査し、次いで
    一連の照射Xおよび他の一連の照射Yという二組の照射の、調査された各々の光路につき、ミクロ要素光路(μL)および要素ミクロ格子ユニットの屈折率(N’)を、経過時間TxまたはTyと結びつけるK*p=X+Y個の一次方程式から、ミクロ要素光路(μL)の正方行列、要素ミクロ格子ユニットの屈折率(N’)のベクトルおよび光線の経過時間[T]のベクトルを構築する工程であって、
    前記各光軌跡は、2つの項の算術積に等しく、前記2つの項のうち、第1項は、2つの隣り合う要素ミクロ格子ユニットの2つの重心を結ぶベクトルの絶対値であり、第2項は、各要素ミクロ格子ユニットの各重心での屈折率(N’)であり、
    前記屈折率(N’)は、増幅因子Kで除した後の、要素ミクロ格子ユニットが由来する要素格子ユニットの屈折率に等しく、また前記工程(3)において、要素格子ユニットの屈折率[N]のベクトルは、前記屈折率(N’)に収斂し、
    前記経過時間は、到達点BxまたはByに到達する前記各照射に対し、前記照射が出発点AxまたはAyを離れた時の最初の瞬間において時間同期化されたコンピュータ手段によって検出される工程;および
    (6)検出された経過時間TxまたはTyによって設定される境界値によって課せられる制約を考慮し、下記式:
    Figure 2008502895
    (式中、
    Cijは調査される値であり、
    Bijは最初に推定された値であり、
    nはミクロ要素格子ユニットの屈折率表の代表的行列の行数であり、
    mはミクロ要素格子ユニットの屈折率表の代表的行列の列数であり、
    列jの制約であるiの値は全て、下記式:
    Figure 2008502895
    を満足し、
    行iの制約であるjの値は全て、下記式:
    Figure 2008502895
    を満足する)
    を用いて、各要素ミクロ格子ユニットの屈折率を、最小二乗法によって調整する工程
    を実施するよう適切にプログラムされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  5. 前記コンピュータ(106)は、物理媒体に対してより大きな空間分解能での減衰係数の推定に到るために、下記補助工程(7)および(8):
    (7)2つの交差した一連の照射XおよびYの各々の照射につき、出発点AxまたはAyおよび到達点BxまたはByの間で検出手段によって検出された光度変化(Δlx、Δly)から出発し、ミクロ要素光路に沿った光度の減衰とそれに続く各々の照射を考慮して、一連の照射Xおよび他の一連の照射Yという二組の照射の、調査された各々の光路につき、ミクロ要素光路(μL)および要素ミクロ格子ユニットの減衰係数(E’)を、光度の変化(Δlx、Δly)と結びつけるK*p=X+Y個の一次方程式から、ミクロ要素光路(μL)の正方行列、要素ミクロ格子ユニットの減衰係数[μE’]のベクトルおよび光度の変化(Δl)のベクトルを構築する工程であって、
    前記光度の減衰は、各要素ミクロ格子ユニットに影響を及ぼす減衰係数(E’)の関数であり、増幅因子Kで除した、要素ミクロ格子ユニットが由来する要素格子ユニットの減衰係数(E)に等しい工程;および
    (8)検出された光度変化ΔlxまたはΔlyを形成する、境界値によって課せられる制約を考慮し、下記式:
    Figure 2008502895
    (式中、
    Cijは調査される値であり、
    Bijは最初に推定された値であり、
    nはミクロ要素格子ユニットの減衰係数表の代表的行列の行数であり、
    mはミクロ要素格子ユニットの減衰係数表の代表的行列の列数であり、
    列jの制約であるiの値は全て、下記式:
    Figure 2008502895
    を満足し、
    行iの制約であるjの値は全て、下記式:
    Figure 2008502895
    を満足する)
    を用いて、各要素ミクロ格子ユニットの減衰係数を、最小二乗法によって調整する工程
    を実施するよう適切にプログラムされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 物理媒体(44)がヒトまたは動物の体の一部である場合において、前記体の一部における、腫瘍または他の病理学的状態を表わす屈折率の特異点を治療することを目的として、
    非常に短い時間、例えば100フェムト秒の、非常に高いエネルギーを有するビームを発生するための、移動ガイド(102)上に搭載されたパルス型治療用光レーザ(108)を含み、且つ、移動可能なレンズ(110)を具備して、前記レンズの中立軸に沿って焦点距離を調整し、前記ビームを前記中立軸の焦点に収斂させることができ、また、
    前記コンピュータ(106)は、下記補助工程(9)および(10):
    (9)前記工程(3)の完了時点で計算された、または前記工程(6)の完了時点で調節された屈折率の中から、或いは、前記工程(4)の完了時点で計算された、または前記工程(8)の完了時点で調節された減衰係数の中から、特異点Cを調査し、移動ガイド(102)に対して前記特異点Cの格子ユニットまたは要素ミクロ格子ユニットを定義する工程;および
    (10)前記レンズの複数の点に対して、出発点Aqと、到達点と見なされる特異点Cの間の光路を調査し、前記レンズ(110)の異なる点から出発し、前記ビームに対する対称条件に従って、種々の調査された光路に対する平均された収斂角度(σ)を計算し、前記収斂角度によって求められた虚焦点までの焦点距離を調節できるようにする工程であって、
    前記ビームは、その焦点を前記虚焦点に合せるように空気中を進み、この結果、特異点Cが実焦点と一致し、前記実焦点は、例えば、光レーザの繰り返しパルスの作用下での蒸発によって破壊されうると仮定して行われる工程
    を実施するよう適切にプログラムされている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の装置。
  7. 前記ビーム(37)は、それ自身がステッピング・モーターの手段または圧電作動装置の手段によって直線的に動く軸(42)の周りで回転することを特徴とする請求項1または4に記載の装置。
  8. 独立してまたは三次元的に処理され得る複数の並行な像を同時に生み出すための複数の検出棒(40)を含むことを特徴とする請求項1または4に記載の装置。
  9. 光レーザ(37)、特に、赤外光レーザ(37)または超音波レーザ用の支持体(48、49)を含み、前記支持体上でステッピング・モーターまたは圧電作動装置が光ビームを配向(α、β)または移動させ得ることを特徴とする請求項1、4または8に記載の装置。
  10. 前記鏡(38)は、赤外レーザビーム(45、46)を反射させて(45’、46’)p個の共平面照射または交差した一連のk*p=X+Y個の照射を行うために、ステッピング・モーターまたはミクロ作動装置によって、移動ガイド(102)に沿って移動し、また圧電作動装置の手段によって回転点の周りに回転することによって移動し、
    前記赤外線は、いずれの場合においても、互いに平行(45’、46’)であり、かつ一連の照射Xおよび一連の照射Yの両方と交差していることを特徴とする請求項1または4に記載の装置。
  11. 前記装置は、赤外ビーム(45’)の反射を防止するために反射防止層で被覆されている2つの透明板(47、51)を含み、前記透明板は、前記ビームの屈折を制限するために平行であり、検査されるべき対象物(44)は、この2つの板の間に配列され、支持板(47)として役立つそれらの一つに対峙して据えてあることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  12. 請求項1に記載の装置において使用される、適切にプログラムされたコンピュータ。
  13. 請求項1に記載の装置において使用されるコンピュータに読込まれるコンピュータプログラム。
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