JP2008500114A - 水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する外科の装置 - Google Patents

水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する外科の装置 Download PDF

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Abstract

胸骨が水平に破断した患者に用いるための胸骨閉鎖装置であって、好ましくは、2本の脚部を有する挿入部材を備え、2本の脚部のそれぞれは、離れた第1の肋骨の対に、胸骨の両側において係合すべく構成されている。胸骨閉鎖装置はさらに、挿入部材を受け入れるべく構成されてなる挿入ガイド部材を備え、挿入ガイド部材は2本の脚部を有し、2本の脚部のそれぞれは、離れた第2の肋骨の対に、胸骨の両側において係合すべく構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、概略的には、外科の位置決め装置に関し、より詳しくは、水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する外科の装置に関する。
[関連出願]
本願は、2004年5月27日に出願された「水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する外科の装置("A Surgical Device for Capturing, Positioning and Aligning Portions of a Horizontally Severed Human Sternum")」と称する米国出願第10/857,418号を基礎とする利益を要求し、同出願の開示内容をここで参照によって引用する。
[マイクロフィッシュ付録の参照]
本願は、いかなるマイクロフィッシュ付録においても参照されない。
今日の技術において、ワイヤによる閉鎖は、中間線胸骨切開術後に胸骨を閉じるための手段として認められており、広範囲に用いられている。そうした手段は、水平に破断した胸骨における破断部分を互いに結び付けるべく、潜在的に配置させるものとして認知される。今日の例示的なワイヤ閉鎖システムは、様々な装置名/方法名のもとに市販されているけれども、それを限定せずに挙げれば、止血胸骨閉鎖システム(Hemostatic Sternal Closure System (R))は、証明された心臓外科手術に基づく、主要な革新であると宣言されている。本願の執筆時において、止血胸骨閉鎖システムについてはさらに、ウェブサイト http://www.alpha-research.com.products_4_cc_hsc.html が見い出される。ワイヤに依存する閉鎖システムの別の例は、Pectofix Surgical Technique の名称で市販されている。この技術とその関連装置の配置に関する情報は、ウェブサイト http://www.pectofix.com/technique.shtm に見い出される。その他のワイヤ閉鎖システムも、過去において使用されたものとして、当業者に知られており、実際に使用され続けているが、今日の求められる結果には至っていない。
ワイヤを基礎とする閉鎖装置に関して広く認められる不都合には、中間線胸骨切開術において、ひとつのメカニズムあたり、代表的に平均15〜20分間の実現・配置時間を要することが含まれる。そうした過大な時間を求められることは、もちろん、手術室のコストの上昇や、医師、スタッフ、及び保険コストの高騰、及び医師の疲労の増加につながる。しかしながら、おそらくもっと重要なことは、ワイヤベースの胸骨閉鎖装置の配置に長く関連した多数のストレス、つまり、患者の苦痛、患者の感染、肺炎、組織の破損、ワイヤの外れや緩み、胸の開口、及び術後の緊急再手術などである。前述したすべての状態は、ワイヤ閉鎖装置に関連した、不正確で過度のストレス状態による結果であり、このことは一貫的に、患者の退院を遅くすると共に、患者及び共同体にとって不必要なコストにつながる。これとは明らかな対照的をなして、本発明において必要とされる実現時間は、ワイヤ装置に比べて90%以上短縮され、わずかに1〜2分間の実現時間で良く、事実上、物理的及び強度的な複数の横方向応力は解消され、ワイヤで縫合する装置で必要となる骨への孔開けも不要になる。
様々な胸骨の破壊的な力は、ワイヤベースのシステムにおける、まさしくその意図を悪化させる。胸骨切開術に関連した力には、限定はしないが、腹直筋の筋肉に作用する不均一な引張、胸筋による横方向の引張、ヴァルサルヴァ作用によって発生する力、及び呼吸筋の作用による半胸骨の前方/後方変位などが含まれる。今日の技術によるワイヤベースの装置にあっては、そうした破壊的な力は、(a)ワイヤが骨に切込む、(b)胸骨が断片化する、(c)ワイヤが破断する、及び(d)胸骨切開術がオフサイドする、のうちの1又は複数の状態をもたらす。
ワイヤベースの外科固定装置の不都合に鑑みて、また、さらに、そうした装置の故障に関連した生命に対する脅威的な状態に鑑みて、より新しい技術が、ワイヤ装置に比べて優れていると認識されるに至った。簡潔に述べたように、そうした装置は一般に、クランプ閉鎖装置と称される。本発明以外のクランプ閉鎖装置も、ワイヤ装置に対する改良を実現するものとして提案されてきたけれども、本発明による、水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する装置によって提供される如き、新規な特徴と利益をもったクランプ装置はこれまでに存在せず、本発明による独特な構造によるならば、水平に破断した胸骨の両側に位置している対をなす各肋骨を捕捉及び位置決めし、これと同時に、胸骨における前方部分と後方部分とを接触させて実質的に取り囲み、これにより、破断した胸骨が互いに水平に動くことを防ぐことができる。その結果、本発明による独特な構造によれば、今日の装置に関連した多くの問題点を解決することができる。
米国特許第6,051,007号は、1998年5月2日に出願され、2000年4月18日に Mike Hogendijk と Troy Chapman に発行され、Coravascular Incorporated 社に譲渡されたもので、第1のクランプと第2のクランプとを備えてなる胸骨閉鎖装置とを開示して権利取得することを趣旨としている。第1及び第2のクランプは略管状の部分を有し、第2のクランプは管状部分に摺動式に受け入れ可能な部分を備えていて、さらに、前記第2のクランプを前記第1のクランプの内部に保持すべく構成されたロックを備えている。対向する胸骨クランプを互いに横方向に動かすための外科の器具も開示されている。器具は、互いに略直線的に摺動して結合される、第1及び第2の把持部材を備える。特許’007号の開示及び構造的な教示によっても、水平に破断した人間の胸骨を位置決めして固定するための要求条件を満足することは出来ない。
本発明とは明瞭に区別されるように、特許’007号の利益、教示、及び特許請求の範囲は、胸骨係合の恩恵の多様性に欠けており、さらに重要なことには、本発明がもつ「取り囲む」能力、つまり、水平に破断した人間の胸骨の前方部分と後方部分を取り囲み、また、破断した胸骨の両側に位置する肋骨の対における対向する肋骨部材を取り囲む能力に欠けている。そのように区別される特性によって、正常な肺のメカニックスに関して優れた援助が得られ、位置決めが良くなると共に、人間の胸骨を水平に破断する必要のある手術に関連した回復時間が加速される。
米国特許第6,217,580B1号は、米国特許第6,051,007号に関して述べたように、胸骨切開術に続いて患者の胸骨を閉じる方法を開示して権利取得することを目的としているが、特許’580号は、Hogendijk の特許’007号の翌年に発行されたにも拘らず、依然として、本発明による利益及び特徴である、弾性的な位置決め及び捕捉について、これを欠落したものである。特許’580号は、患者の胸骨を閉じる方法に限定されるけれども、特許’580号は、クランプ部材における対向する脚部を互いに重ね合わせることに依存している点において、本発明とは明瞭に区別される。そのような重ね合わせの関係と、実質的に面一な上面を呈すべくクランプ部材を円錐形に広げることに依存しているため、かかる特許にあっては、挿入部材と挿入ガイド部材とによって提供される本発明の挿入可能な関係によって得られるような固定強度を得ることは出来ない。おそらくもっと重要なことは、特許’007号と同様に、特許’580号も依然として、水平に破断した胸骨部分が剪断を生じることを防ぐ点について欠落していることであって、すなわち、複数の肋骨の対をなす部材を組み合わせて、水平に破断した胸骨部分を整列するという、捕捉ないし位置決めと固定の組み合わせによる利益について、これが欠落していることである。特許’007号の開示及び構造的な教示によっても、水平に破断した人間の胸骨を位置決めして固定するための要求条件を満足することは出来ない。
1980年5月6日に E.S. Crossett L.L. に発行された米国特許第4,201,215号は、破断した胸骨を閉じるための装置及び方法を開示して権利取得している。開示された Crossett の装置は、本発明による肋骨の捕捉及び位置的な想定に比べて、寸法的に不十分である。より詳しくは、Crossett の装置は、水平に破断した人間の胸骨の部分に付いた肋骨の対を捕捉する(取り囲む)のではなく、続いた肋骨の対の間に配置させることを意図している。さらに、Crossett の装置は、本発明によって提供されるような肺の援助を提供することがなく、すなわち、Crossett の装置における本体部分は、胸骨の背部にわたる横方向の構造的な変位に依存している。そうした配置と構造的な力学は、Crossett の装置が、過度な応力を生じさせずに、水平に破断した人間の胸骨の前方部分を均等に合致させて整列させるために必要な角度的なオフセットを呈することを不可能にする。
今日の技術による胸骨閉鎖装置を越えた技術水準に高めることに加えて、本発明によれば、患者、医者、病院、及び保険に関する利益が提供される。患者に関しては、本発明は迅速かつ有効に実現できるので、患者の苦痛、感染、出血は少なくなり、輸血も少なく、術後の緊急再手術は少なくなり、満足度が高くなる。医師にとって得られる利益には、限定はしないが、適用が容易で、疲労が少なく、効力の速度が高く、手術室での時間が短縮されて、患者やその家族と過ごせる時間が増えることが含まれる。病院にとっては、本発明の効率によって、矯正手順の数が少なくなり、手術室のコストが低くなり(短時間)、医師/スタッフのコストが低くなる。保険の適用範囲に関する利益としては、本発明によれば、その配置は、感染が少なく、出血が少なく、麻酔時間が少ないことから、フロントコストを引き下げることが容易になる。これらすべてによって、患者のリスクは低くなり、術後の緊急再手術が少なくなり、終末過程に必要なコストが低くなり、実に、全体的な病院のコストは低くなる。
好ましい実施形態においては、本発明は、胸骨が水平に破断した患者に用いるための、胸骨閉鎖装置を含む。胸骨閉鎖装置は好ましくは、2本の脚部を有する挿入部材であって、2本の脚部のそれぞれは、胸骨の両側において対をなす第1の離れた肋骨に係合すべく構成されている。胸骨閉鎖装置はさらに、挿入部材を受け入れるべく構成されてなる挿入ガイド部材であって、挿入ガイド部材は2本の脚部を有し、2本の脚部のそれぞれは、胸骨の両側において対をなす第2の離れた肋骨に係合すべく構成されている。
本発明とその利点をより完全に理解できるように、添付図面に関連させて、以下の説明を参照する。
本発明の様々な実施形態について、その実施方法を以下に詳述するけれども、本発明は、様々な特定の文脈において具体化できるような発明的概念を提供するものであることを認識されたい。本願において述べる特定の実施形態は、発明を実施するための単なる特別な例示であって、それらは本発明の範囲を限定する根拠として解釈されるべきではない。
特許請求の範囲と明細書とは提示される発明を記述しており、特許請求の範囲において使用されている用語の意味は、明細書におけるそれらの用語の使用を通して理解される。従来技術において使用されるものと同じ用語は、本願で特別に使用されるものに比べて広い意味をもつ。従来技術において使用される広い定義と、本願において使用される特別な使用との間にて疑念が生じる場合には、より特定的な意味が意図される。
まず、添付図面を参照すると、図面において、図示の要素は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではなく、複数の図面において、対応する要素には同一の参照符号を付している。図1は、本発明による代表的な実施形態について、その内部要素の詳細を示した分解斜視図になっている。以下、図1を参照する。
図1は、本発明の実施形態による胸骨閉鎖装置であって、該装置は、一時的に結合される挿入部材3と挿入ガイド部材42とを備え、前記部材のそれぞれは、第1の端部部分33,69と第2の端部部分54,15、第1の側部部分12,49と第2の側部部分13,50、本体部分6,45、および、前面52,65及び後面62,67を備えている。さらに、前記部材3,42は、三日月形に形成されて足部24,75が斜めに変位した2本の脚部18,72、および、複数の胸骨及び肋骨係合面を有している。本発明における胸骨係合面は、限定はしないが、挿入ガイド部材42及び挿入部材における背面部分62,67に配置された、複数の可変長さの円筒形ペグ60における取付側とは反対側の端部部分である。前記可変長さの円筒形ペグ60は、これを配置したとき、水平に破断された人間の胸骨におけるそれぞれの部分の前面に当接する。
引き続き図1を参照すると、回動ロック部材90を挿入ガイド部材42にピボット式に取り付けるべく、ピボットピン51をピボット用のガイド孔93に挿入させている。回動ロック90は、鋭利に尖った斜めの縁部83を備え、この鋭利な縁部は、回動ロックの周辺に沿って、第1の端部85と第2の側部部分86とに配置され、さもなくば成長した組織が侵入して変位を生じさせるであろう該組織に切り込む助けになっている。
本発明におけるロック90は、斜めに変位した歯状の構造部84を有する独特な捕捉機構を備え、該捕捉機構は、挿入部材52における後方を向いた表面に沿って配置された歯状の構造部30と協働して、第1の側12を位置決めし、前記挿入部材3、前記回動ロック90、及び前記挿入ガイド部材42を機能的に組み合わせて所定位置に配置する。また、図1に示すように、回動ロック部材90は、迅速解放挿入ボア孔87と、位置決めブロック57に圧縮的に当接してなる位置決め肩部99をもち、弾性的にテンションを与えられた、迅速係脱アーム96とを備えている。
本発明は、胸骨クランプを取り外すために、2つの非常用の迅速解放機構を備えている。前記非常用の解放機構のうち第1のものは、先が針のように尖ったプライヤー状の装置を、ロックの迅速解放挿入ボア孔87と、迅速解放位置決め切取部63とに協働させる。かかるプライヤー状の器具を圧縮すれば、ロック90は回動して、その弾性的なテンションバネ部材96を圧縮して、位置決めブロック57に当接させる。ロック90は、ピボットピン開口93に挿入されたピボットピン51の軸上にて回動せしめ、ロックの歯状の保持機構87を、反対側の歯30から解放させる。本発明における2つの非常用の解放構造のうち、第1のものについては、図5及び図6に関連して説明される。
図11及び図12には、補助的な緊急解放工具を用いる、第2の非常用の解放機構を示している。工具は、挿入部材3における第1の側部12及び第2の側部13に沿って配置された、バイアスガイド9に対して配置する。補助的な緊急解放工具と、それに関連した配置についての方法論は、図11及び図12に関連させて議論される。さらに説明するために図1を参照すると、図1に示した挿入部材3はさらに、複数のバイアスガイド9を前記挿入部材3の両側に配置されて備えていて、補助的な工具をここに挿入して、てこの力を作用させ、強制的に挿入部材3と挿入ガイド部材42とを係脱させ、もって、いったん取り付けられた本発明の装置を迅速かつ緊急に容易に取り外すことができる。
さらに図1を参照すると、切り取り可能な挿入ガイド接触部分27は、個別的又は集合的に挿入部材3から切り取られて、クランプのサイズを患者に合わせてカスタマイズする。さらなる利益及び目的として、そうした動的にカスタマイズできる接触部材27の切り取りによれば、侵襲的な組織成長の機会をもつであろう、余分な接触部分27を事前に取り除くことができる。
図2は、本発明の代表的な実施形態について、本体と、本体挿入部分とが結合され閉鎖されたモードにされた様子を示している。以下、図2を参照する。
図2においては、挿入部材3が、挿入ガイド部材42の内部に挿入されて収容されている。より詳しくは、かかる目的のためにデザインされた受け入れガイドチャネル66の中に、切り取り可能な挿入ガイド接触部分27と、挿入部材3における第1の側部12及び第2の側部13に配置された挿入リップ部分とが本発明の閉鎖モードにて配置されている。さらに図2を参照すると、挿入ボア孔87は、緊急解放チャネル48(図1参照)と重なり合って配置されている。図1を参照して前述したように、本発明による迅速胸骨閉鎖装置(RSC)において非常用の解放を行うには、係合チャネル48、ボア孔87、及び切取部63に協働させた、先が針のように尖ったプライヤー状の装置による圧縮を用いて、テンションアーム96を圧縮してロック90を回動させる。図1及び図2に関連させて前述した要素に加えて、要素73は、本発明における受け入れガイドチャネル66の最外面に配置された、応力緩和チャネル73になっていることに留意されたい。応力緩和チャネル73は、本発明による両方のチャネルの最外部の部分に組み込まれていて、図11及び図12に関連させて述べるように、てこで引き放すか、あるいは別なやり方で挿入部材3から挿入ガイド部材42を取り外すようにバイアスガイド9に関連させて用いるとき、破断した胸骨から本発明を迅速に取り外すための手段を提供する。
図3は、本発明による代表的な実施形態であって、装置の後面ないし背面を斜視図にて示している。以下、図3を参照する。
図3には、本発明における可変長さの円筒形のペグ60が明瞭に示されている。本発明による図示の実施形態にあっては、円筒形の構造物は、その長さは固定されているものの、様々な長さになっている。しかし、容易に案出できるように、圧縮可能な「ピン」を用いるならば、クランプ62における背面62を、水平に破断した人間の胸骨における各部の前面にあつらえたように密着させることができる。図3に示した支柱状のピン60は、代表的に、本発明の下側部分の肋骨対への配置に関して、水平に破断した人間の胸骨における胸骨柄や凹部に対する密着状態を形成する。
また、図3に詳しく示されるように、足部75,24は、水平に破断した人間の胸骨を取り囲んで捕捉することができ、可変長さの円筒形ピン60と圧縮可能に連絡することによって、胸骨の正常な解剖学的形態を模写し、治癒過程を援助すべく、正常な肺のメカニックスの協力を得る。
さらに図3には、三日月形の脚部18,72が示されており、これらの部分は対をなす肋骨の両側の肋骨を実質的に取り囲む。脚部18,17は、限定はしないが、不規則な形の表面19,21を備え、装置を容易に位置決めして肋骨の捕捉を容易にするように、肋骨部分に対する把持の接触を高められるように設計されている。
図4及び図5は、本発明による装置の平面図であって、係合モードと係脱モードとにおける、回動ロック部材に関する詳細を示している。以下、図4及び図5を参照する。
図4及び特に図5を参照すると、本発明における第1の非常用の解放機構が動作した様子を示している。そのために、ロック90はピン51を中心としてピボットし、ロック90における歯状の構造部84を、挿入部材3における相補的な歯状の構造部30から係脱させている。ロック部材90を回転させる方法については、図1乃至図3に関連して述べた通りに行われる。以下、図6を参照する。
図6は、本発明の代表的な実施形態について、回動ロックの位置決めと、可変長さの円筒形ペグとについての詳細を示している。
図6に示すように、挿入部材3は、挿入部材3を線92に沿って前進させることによって、挿入ガイド部材42に受け入れられる。円筒形または同様に意図されたペグ状の構造部60は、図6における視線から見ると、凸形状を提供し、本発明を肋骨の対に配置する場合、略中央にあるペグは胸骨柄ないし胸骨体における凹部に整列されて、本発明は、下側の肋骨対/胸骨にて、胸骨柄ないし胸骨体における凹部に整列される。図6において、破線は、挿入ガイド部材42の内部にある受け入れチャネル66を示していて、同チャネルには、切り取り可能な挿入ガイド接触部材27と(同図の視線から見たとき)挿入部材3における第1の側部部材12とが挿入可能に配置される。また、図6には、三日月形の脚部18,72と足部24,75とが示されている。図6において留意すべきことは、不規則に形成された表面21が、限定はしないが、三日月形の脚部部材の凹部の中に一体化されており、本発明が配置されるとき、接触表面を高めると共に、水平に破断した胸骨の半体に対する把持を高めている。引き続き図6を参照すると、本発明によれば、ピン状の構造部60と、足部部分24,75と、不規則な表面の接触部分21とによって胸骨接触の恩恵を提供できることは明らかであり、これらの部分は、本発明の凹面状の寸法により、水平に破断した人間の胸骨における各部との接触を維持し、さらに、破断した胸骨に付いている各肋骨の両側との接触を維持し、ここで本発明は、取り囲んで捕捉するように寸法が定められ位置決めされる。
回動ロックのピボットピン51は、回動ロック90におけるピボットガイド開口93を通して挿入されるように配置される。さらに図6に示すように、前記回動ロック90は、斜めに変位した歯状の構造部84を備え、該構造部は、挿入部材42における第1の側部12の背面に沿って一体的に配置された、対応する歯状の構造部30と協働して、固定の目的を果たす。以下、図7を参照する。
図7は、本発明による代表的な実施形態について、回動ロックの配置と、可変長さの円筒形ペグとの詳細を、患者の頭部から下向きに見た図である。
図7は、本発明によるピン状の構造部60について、該構造部が破断した胸骨82,86の胸骨柄の部分に接触して維持される様子を、詳細を追加的に示している。図7に示すように、本発明によれば、図6に関連して述べたように、接触部分で支えることで、胸骨柄/胸骨が完全に取り囲まれて位置決めされる。前記接触部分には、限定はしないが代表的に、足部24,75と、脚部部材における不規則表面21と、支柱状の構造部60とが含まれる。図8、図9、及び図10は、本発明について、位置決め及び捕捉能力が高められた様子をさらに詳細に示している。以下、図8乃至図10を参照する。
図8乃至図10には、要素82,86として示された、水平に破断した胸骨の部分が図示されている。本発明によるクランプ3は、破断した胸骨82,86の両方の半体にわたって延びており、三日月形の脚部部分72,18を介して、前記破断した胸骨に付いている対をなす肋骨における各肋骨において、肋軟骨部分を効果的に捕捉して取り囲む。
図10は、破断した胸骨82,86を示した背面図であって、足部部分24,75は前記肋骨の背面101,102,103,104との接触を支えていて、正常な肺のメカニックスを援助するのに必要な、胸骨の効果的な捕捉及び位置決めをしている様子が見えている。以下、図11及び図12を参照する。
図11及び図12はそれぞれ、本発明による緊急解放工具(ERT)についての位置決めと配置とを示している。
図11に示すように、非常用の補助的な解放工具100において、てこのアーム103,105は、図1に関連して説明した挿入部材3の本体部分に組み込まれてなる、バイアスガイド9に挿入されるてこ部分19,113に、軸により取り付けられている。
図12に示すように、補助的な工具100におけるてこ部分103,105を操作して、部分109,133を外方へと広げ、挿入ガイド部材における部分73に応力を発生させて、前記ガイド部材を引き剥すか破損させて、本発明によるクランプを非常時において解放する。
本発明に関して特定の実施形態を参照して説明したけれども、これらの説明は限定的な意味に解釈されるべきではない。開示された実施形態に対する様々な変形例や、本発明の代替的な実施形態は、本発明についての説明を参照すれば、当業者にとって明らかである。当業者にあっては、本発明の概念及び開示された特定の実施形態は、本発明と同一の目的を実現するための変形例やその他の構造デザインの基礎として、容易に利用できることを認識されたい。また、当業者にあっては、特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱せずに、そうした均等物を実現できることを理解すべきである。従って、特許請求の範囲は、本発明の真の範囲に含まれる、あらゆるそうした変形例や実施形態を包含することを意図している。
図1は、本発明による代表的な実施形態を示した分解斜視図であって、本発明の内部要素の詳細を明らかにしている。 図2は、本発明による代表的な実施形態を示した斜視図であって、本体と本体に挿入する部分とを結合させた「閉じた」モードを示している。 図3は、本発明による代表的な実施形態を示した斜視図であって、本発明を背面から見た様子を示している。 図4は、本発明を示した平面図であって、本発明における回動ロック部材について、その係合して固定された位置における詳細を示している。 図5は、本発明を示した平面図であって、本発明における回動ロック部材について、その係脱して固定されていない位置における詳細を示している。 図6は、本発明による代表的な実施形態であって、本発明における回動ロックの位置決めと、可変長さの円筒形ペグとの詳細を示している。 図7は、本発明による代表的な実施形態であって、対をなす肋骨を実質的に取り囲むように配置された様子を示し、さらに、折り取ってカスタマイズできるという本発明の能力を示している。 図8は、本発明による代表的な実施形態を示した前面図であって、配置して2対の肋骨を実質的に取り囲んだ捕捉状態とし、事前に破断された胸骨の部分を整列させている。 図9は、図8に示した本発明の配置状態を示した側面図である。 図10は、図8及び図9に示した本発明の配置状態を示した背面図である。 図11は、本発明における緊急解放工具(ERT)を位置決めした状態を示している。 図12は、本発明における緊急解放工具(ERT)を配置させた状態を示している。

Claims (14)

  1. 胸骨が水平に破断した患者に用いるための胸骨閉鎖装置であって、該装置が、
    2本の脚部を有する挿入部材であって、2本の脚部のそれぞれは、離れた第1の肋骨の対に、胸骨の両側において係合すべく構成されているような上記挿入部材と、
    挿入部材を受け入れるべく構成されてなる挿入ガイド部材であって、挿入ガイド部材は2本の脚部を有し、2本の脚部のそれぞれは、離れた第2の肋骨の対に、胸骨の両側において係合すべく構成されているような上記挿入ガイド部材と、
    を備えていることを特徴とする胸骨閉鎖装置。
  2. 胸骨閉鎖装置において、挿入部材はさらに歯状の構造部を具備し、胸骨閉鎖装置がさらに、
    挿入ガイド部材に回動可能に取り付けられた回動ロックを備え、回動ロックは、回動ロックが回動すると、挿入部材の歯状の構造部に係合したり、係脱したりするような歯状の構造部を具備している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  3. 挿入部材と挿入ガイド部材とのそれぞれに設けられた脚部は、三日月形になっていることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  4. 挿入部材と挿入ガイド部材とのそれぞれは、複数の胸骨係合面を具備していることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  5. 挿入ガイド部材は、本体部分と、本体部分から延びたピボットピンとを具備していて、回動ロックはさらに、挿入ガイド部材におけるピボットピンを受け入れるべく構成されてなる、ピボット開口部を具備していることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  6. 回動ロックはさらに、迅速解放挿入ボア孔を具備していることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  7. 挿入ガイド部材は、位置決めブロックをさらに具備し、回動ロックは、回動ロックの回動に抗するように、位置決めブロックに隣接したバネ部材を具備していることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  8. 回動ロックは、鋭利に尖った斜めの縁部を具備していることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  9. 挿入部材の背面側に、円筒形のペグがさらに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  10. 挿入部材はさらに、挿入部材と挿入ガイド部材とを強制的に係脱させるための工具を受け入れるように構成されてなる、バイアスガイドを備えていることを特徴とする請求項1に記載の胸骨閉鎖装置。
  11. 水平に破断した胸骨を胸骨閉鎖装置を用いて閉じるための方法であって、該方法が、
    水平に破断した胸骨における第1の部分に結合されている、第1の対をなす肋骨における両側の肋骨に、該第1の対をなす肋骨における両側の肋骨に係合すべく構成されてなる2本の脚部を有する挿入部材を係合させる段階と、
    水平に破断した胸骨における第2の部分に結合されている、第2の対をなす肋骨における両側の肋骨に、該第2の対をなす肋骨における両側の肋骨に係合すべく構成されてなる2本の脚部を有する挿入ガイド部材を係合させる段階と、
    水平に破断した胸骨における第1の部分と第2の部分とを近づけるべく、挿入部材を挿入ガイド部材に挿入する段階と、
    を備えていることを特徴とする方法。
  12. 前記方法がさらに、
    挿入部材と挿入ガイド部材とを閉じた位置にロックすることによって、水平に破断した胸骨における第1の部分と第2の部分とを固定する段階、
    を備えていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 水平に破断した胸骨における第1の部分と第2の部分とを固定する段階がさらに、
    挿入部材に設けた歯状の構造部を、これに対応すべく回動ロックに設けられた歯状の構造部に係合させる段階であって、該回動ロックは挿入ガイド部材に回動可能に取り付けられているような上記係合させる段階、
    を備えていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 水平に破断した人間の胸骨の部分を捕捉し、位置決めし、整列する方法であって、破断した胸骨の両側に位置している対をなす各肋骨のまわりに装置を配置させて、これと同時に、胸骨における前方部分及び後方部分と接触して実質的に取り囲み、これにより、破断した胸骨の半部が相対的に動くことを防ぐことで、吻側及び垂直な骨の剪断移動を排除するための方法において、
    胸骨閉鎖装置を提供する段階であって、該胸骨閉鎖装置は、一時的に結合される挿入部材と挿入ガイド部材とを備え、前記部材のそれぞれは、第1及び第2の端部部分、第1及び第2の側部部分、本体部分、前面及び後面、三日月形に形成されて足部が斜めに変位した2本の脚部、及び複数の胸骨及び肋骨係合面を有し、挿入ガイド部材は、回動ロック位置決めブロック、挿入部材の後面の両側に設けられた可変長さの複数の円筒形のペグ、回動ロックのピボットピン、係脱ツールを位置決めする切取部、及び前記挿入部材が挿入されたときに該挿入部材を位置決めして着脱可能に受け入れる一対のガイド部分を備え、挿入部材は、挿入部材と挿入ガイド部材とを互いに強制的に係脱させる工具が差し込めるようなバイアスガイド、及び個別的又は集合的に取り外すことができる複数の切断可能な挿入ガイド接触部分を備えており、
    前記挿入ガイド部材にピボット式に取り付けられる回動ロック部材であって、ロック部材はさらに、第1の側に設けた斜めに変位した歯状の構造部を有する捕捉機構を備え、該捕捉機構は、前記挿入部材における第1の側部に一体的に設けられた歯状の構造部と協働して、前記挿入部材、前記回動ロック、及び前記挿入ガイド部材を機能的に組み合わせて所定位置に配置するような上記回動ロック部材を備えており、
    前記挿入部材を前記挿入ガイド部材に挿入して結合し、水平に破断した人間の肋骨における両側に位置している対をなす肋軟骨部分を捕捉し、これと同時に、胸骨における前方部分と後方部分とを実質的に取り囲んで係合させることを特徴とする方法。
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