JP2008500058A - アルツハイマー病および他の神経変性疾患の発症前または発症後診断の方法および組成物 - Google Patents

アルツハイマー病および他の神経変性疾患の発症前または発症後診断の方法および組成物 Download PDF

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Abstract

βアミロイド沈着(例えば、プラーク)および/またはβアミロイド線維の形成を伴うアルツハイマー病または他の障害を発症前または発症後診断する方法、組成物および装置(例えば、テスト・キット、テスト・システム、試薬、関連するコンピュータ・ソフトウェア、計算機等)。また、そのような障害の治療効果を評価する方法、組成物および装置。標本細胞、組織または体液をヒトまたは動物対象から採取、分析して、あるミトコンドリア制御領域(mtDNA CR)が存在するかどうか、またはどの程度存在するのかを判定する。これらのmtDNA CR突然変異数が著しく増加した場合、対象がβアミロイド沈着(例えば、プラーク)および/またはβアミロイド線維の形成を伴うアルツハイマー病または他の障害に罹患しているか、またはそれを発現するリスクが高いことを示唆している。該障害の治療中にこれらのmtDNA CR突然変異数が著しく低下した場合、その治療が有効であることが示唆される。

Description

本願は2004年3月29日出願の「Methods and Apparatus for Determining Mitochondrial Control Region Mutations Associated With Alzheimer’s Disease」と題する米国特許仮出願第60/557612号への優先権を主張するものであり、この全体を参照により本願明細書に明示的に援用する。
本発明は米国立衛生研究所助成金番号AG13154およびNS21328の下で米政府の支援のもと行われた。米政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明は一般に分子生物学および医学に関し、さらに具体的には、アルツハイマー病または他の神経変性疾患に罹患しているか、またはその発症リスクがある患者の診断および予後診断に使用可能な方法および組成物に関する。
哺乳類の身体の正常な生理的機能の多くは、少なくとも一部は、配列依存性の種々の構造を身体に取り入れるタンパク質の能力を介して生じる。しかし、タンパク質の配列はアミロイド線維として知られる異常な、ミスフォールディングした、不溶性の凝集体を形成することがある。これらのアミロイド線維は、これに限定するものではないが、アルツハイマー病、海綿状脳症、パーキンソン病、II型糖尿病、クロイツフェルトヤコブ病、ダウン症候群関連認知症、ハンチントン病、黄斑変性、種々のプリオン病および他の多数のアミロイド病などの遺伝性、感染性および/または自然発症性の種々のアミロイド病の発症機序に関与していると考えられている。これらのアミロイド病の少なくとも一部では、アミロイド線維はアミロイド斑の発生を導く。
アルツハイマー病は進行性の神経変性疾患であり、高齢者に見られる進行性認知症の最も一般的な形態である。これは脳内でのβ−アミロイド(Aβ)斑の蓄積および神経突起のもつれに関連している。しかし、アルツハイマー病の原因のかなりの部分は依然として不明である。
アルツハイマー病の脳ではミトコンドリア異常が見られることが多く、OXPHOS酵素の欠損はアルツハイマー病患者の脳および全身的に認められている。ミトコンドリアDNA(mtDNA)のある生殖細胞系列の突然変異もまた、欧州人家系のあるアルツハイマー病患者に関連付けられている。これらには、遅発性患者の約5%に認められるヌクレオチド対(np)4336におけるtRNAGln遺伝子突然変異と、高度に保存されたメチオニンをバリンに転換するND1 np3397突然変異とがある。np4336変異とアルツハイマー病との関連性は欧州の4件の独立した研究のうち3件で確認されている。西欧人のmtDNA系列(ハプログループ)JおよびUkはアルツハイマー病およびパーキンソン病(PD)に保護的であり長寿にも関与しているという報告では、アルツハイマー病はさらに生殖細胞系列のmtDNA変異にも関連付けられている。最後に、アルツハイマー病の脳では体細胞mtDNA再配列変異が増加していることが観察されており、一般的な5キロベース(kb)のmtDNA欠損は、アルツハイマー病患者の脳においては75歳までに約15倍に増加する。
mtDNA CRは、重(H)鎖および軽(L)鎖の転写を開始するためのプロモーター(PHおよびPL)、関連するミトコンドリア転写因子(mtTFA)結合部位、3個の保存配列ブロック(CSB)I−IIIおよびH鎖複製の開始点(OH)を含んだmt
DNAの1000ヌクレオチド対(np)の非コード領域である。したがって、CRはmtDNAの転写および複製を調節するための主要な部位である。
このmtDNAは13個の必須OXPHOSポリペプチド、22個のtRNA遺伝子ならびに12Sおよび16SのrRNA遺伝子をコードする。また、mtDNA CRは軽(L)鎖プロモーターおよび重(H)鎖プロモーター(PおよびP);それらのミトコンドリア転写因子A(mtTFA)結合部位;下流の保存配列ブロック(CSB)I、IIおよびIII;ならびにH鎖複製開始点(OH1およびOH2)を包含する。近年、
組織特異的なmtDNA CR突然変異が加齢に伴って蓄積することが見出された。mtTFA結合部位PにおけるT414Gトランスバージョンは、培養皮膚線維芽細胞に蓄積しており、出願人の感受性タンパク質核酸(PNA)固定化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いると、低いレベルで骨格筋で検出されるが、脳においては検出することができない。また、A189GおよびT408A CR突然変異は加齢に伴って骨格筋に蓄積し、T150C突然変異は白血球に蓄積する。しかし、正常の脳およびアルツハイマー病患者の脳について、特異的な体細胞mtDNA CR突然変異は報告されていない。しかし、特異的なmtDNA CR突然変異は加齢に伴って特定の組織に蓄積することがわかっている。例えば、np414(T414G)におけるTからGへのトランスバージョンは加齢に伴ってヒト皮膚線維芽細胞に蓄積することがわかっており(非特許文献1)、A189GおよびT408A突然変異は骨格筋に蓄積することが認められている(非特許文献2)。しかし、感受性タンパク質核酸(PNA)固定化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、このT414G突然変異は正常脳において検出することはできなかった(非特許文献3)。
ミチカワら(Michikawa et al)、1999年、Science、第286巻:774〜779頁 ワンら(Wang et al)、2001年、PNAS、第98巻:4022〜4027頁 マードックら(Myrdock et al)、2002年、NAR、第28巻:4350〜4355頁
本発明は、mtDNA CR変異が対象身体の組織または細胞に存在するかどうか、またはそれがどの程度存在するのかを判定することによって、βアミロイド沈着(例えば、プラーク)および/またはβアミロイド線維の形成を伴う神経変性疾患を発症前または発症後診断する方法、組成物および装置(例えば、テスト・キット、テスト・システム、試薬、関連するコンピュータ・ソフトウェア、計算機等)を提供する。
本発明によれば、ヒトまたは動物対象から試料細胞を採取し、該試料細胞からDNAを抽出し、該DNAをミトコンドリアDNA制御領域増幅に供する方法が提供される。この後、ノモプラスミック(nomoplasmic)414および477のヌクレオチド変異が存在するかどうかを判定する。414および477ヌクレオチド変異が存在するとみなされる場合、この変異分子をクローン化、配列決定して突然変異を確認する。次いで、そのような突然変異の数を関連する対照群または対照母集団の変異の数と比較することもできる。そのような突然変異の数が対照群よりも著しく多い場合、対象は神経変性疾患または他のβアミロイド疾患(例えば、黄斑変性症)を発症したか、または発症するリスクがあると結論付けることができる。
さらに本発明によれば、mtDNA CR突然変異の量および重症度の変化を判定することによって、神経変性疾患または他のβアミロイド疾患(例えば、黄斑変性症)の治療
の有効性および無効性を判定する方法が提供される。
本発明のさらなる態様および詳細は、以下に記載の詳細な説明および実施例を読めば当業者には明白となろう。
図面の簡単な説明
図1Aおよび図1Bは、AD脳および対照脳のmtDNA CR体細胞突然変異分布を示す。図1Aは、mtDNA CRのnp16000〜570を示す図である。線の下の数字はmtDNA npを示し、線より上の黒四角は調節要素を表す。CRマップ下の太い横線はAD(赤)、対照(青)、または共通(金)のヘテロプラスミック突然変異の場所を表す。図1Bは、AD脳および対照脳のmtDNA CR調節要素におけるヘテロプラスミック突然変異の数を示す表である。
図2A−Eは、AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す。図2Aは対照のアガロース・ゲル電気泳動の結果を示す。図2AはAD患者のアガロース・ゲル電気泳動の結果を示す。aおよびbの個々の標本は対象の年齢によって同定される。2つのPCRを各対象について示し、野生型mtDNAの増幅を抑える414野生型塩基を包含するPNAが、一方では存在せず(−)、他方では存在する(+)。図2Cは、AD脳からのT414G突然変異の存在を確認するAD脳および対照脳からのT414G突然変異の存在を確認するPNA固定化PCR産物のFokI消化を示す。図2Cは、比較のために同じゲルに入れられた、PNA固定化PCR産物のFokI消化を示す。cのレーンはAD患者の年齢で標識し;−cのレーンは野生型プラスミドからのPCR産物から得られたFok消化の結果;+cのレーンはT414G突然変異プラスミドからの結果。矢印はT414G FokI産物を示す。図2Eは、74歳の対象からのCRフラグメントの配列解析を示すグラフ。414領域はPNA固定化PCR増幅され、得られたフラグメントをPNAなしで再増幅し、最終フラグメントをクローニングおよび配列決定した。突然変異ヌクレオチドG(矢印で示す)が5つのクローンのうちの3つに見られる。
図3Aおよび図3は、ADおよび対照の脳標本からのCRクローンをクローニングおよび配列決定して観察されたヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異の総数を示す棒グラフである。図3Aは、全年齢群(59〜94歳)からの突然変異の数を示す。P<0.01*。図3Bは、年齢の異なる3群:59〜69歳、70〜79歳、80歳以上のD
NA突然変異頻度の突然変異の数を示す。80歳以上でP<0.001**
図4A−Dは、AD脳および対照脳の特異的体細胞mtDNA CR突然変異およびそれらのヘテロプラスミーの割合を示すグラフである。対象は年齢で示す。図4Aは、対照(正常)脳からのCR np1〜100のデータである。図4Bは、AD患者脳からのCR np1〜100のデータである。図4Cは、対照(正常)脳からのCR np101〜570のデータである。図4Dは、AD患者脳からのCR np101〜570のデータである。特異的突然変異を横座標の下に示す。個々の脳の各突然変異の割合をその色のグラフの高さで示す。ホモプラスミック生殖系列突然変異もこれらの突然変異に観察される。np1〜100領域では、A73GがAD6例および対照4例に見られる。np101〜570領域では、T146CがAD3例および対照2例に見られる。T152CがAD3例および対照4例に見られる。A189GはADには見られず、対照1例に見られる。T195CがAD2例および対照2例に見られる。T414CおよびT477Cは、AD標本および対照標本いずれにもホモプラスミック状態では見られない。
図5は、AD、DS、ADPD、PDおよび対照(正常)対象からの脳のT414Gト
ランスバージョン変異の発生率を比較したグラフである。各群でアッセイした前頭葉標本の数をX軸の真下に示す。
図6は、認知症のDS、ADおよび対照脳におけるmtDNA CR体細胞mtDNA突然変異の頻度を示すグラフである。認知症のDS脳は対照に比してmtDNA CR突然変異数が61%増加し、AD脳では76%増加した。
図7は、mtDNA CR調節要素における認知症のDS、ADおよび対照群の体細胞mtDNA突然変異分布を示す表である。
図8は、DS、ADおよび対照脳におけるmtRNAレベル(L鎖/H鎖)を示すグラフである。このグラフは40〜74歳の対照、ADおよびDSの脳における重鎖(H鎖)(ND2 mRNAレベル)に対する軽鎖(L鎖)(ND6 mRNAレベル)の転写レベルの比を表す。このグラフはADおよびDS症例においてL鎖/H鎖のmRNAレベル約50%が著しく低減したことを示す。
実施例の詳細な説明
以下の詳細な説明および実施例、添付図面ならびに図面の簡単な説明は、本発明の特定の実施例のみを説明することを意図したものであり、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
出願人らは、アルツハイマー病に罹患した患者の脳において、mtDNAのL鎖転写およびH鎖複製に関与することが知られている要素内で、mtDNA CR内に位置する突然変異の発生率が増大することを発見した。さらに、これらの突然変異はmtDNA、L鎖、ND6 mRNAおよびmtDNAコピー数の減少に関連している。したがって、体細胞mtDNA突然変異は散発性ADの共通の特徴であり、観察されたミトコンドリア機能障害の原因であり得ると結論付けされる。
以下の実施例1に示すように、出願人はAD脳の前頭葉を用いてPNA固定化PCR法によってT414G突然変異を試験した。このPNA固定化PCR法は本明細書で以下に記載されているし、またマードック ディージー(Murdock DG)およびウォレス ディーシー(Wallace DC);PNA−mediated PCR Clamping.Applications and Methods.Methods Mol Biol.第208巻:145〜164頁(2002年)に記載されている。この方法は、本発明によるどのmtDNA CRの試験にも使用することができる。
これらの試験では、AD脳の65%がこの突然変異に対して陽性であったが、正常対照脳はいずれも突然変異を有していなかったことが見出された。この現象についてさらに詳しく調べるために、出願人らはAD患者および年齢適合対照の脳から多数のCRクローンをクローニングし、配列決定した。このことからAD脳はCR突然変異が全体的に63%増加し、これらの突然変異は、mtDNAの転写および調節に関与することが知られているCRの配列モチーフに優先的に位置していることが明らかとなった。例えば、出願人らは、ADの脳では、CSBIならびにPHおよびPL mtTFAの各々に7個の突然変異があるが、対照の脳にはないことを見出した。さらに、AD CR突然変異の年齢分布は特徴的であり、59〜69歳では対照群よりも65%高く、70〜79歳の脳では14%高く、80歳以上のAD脳では130%高かった。
AD脳のmtDNA CRの体細胞突然変異の全体的増加に加え、出願人らはAD患者の脳に特有であった2種類のCR突然変異であるT414C突然変異およびT477C突然変異も発見した。また、T146C、T152C、A189GおよびT195Cにおける突然変異は、対照群よりもAD脳によく見られた。最後に、T146C、T195Cお
よびT477C突然変異はAD脳では非常に高いレベルまで増加し、ある場合には、患者脳では全mtDNAの70〜80%を表すに至った。さらに、これらの突然変異はAD脳に認められたが、対照の脳には認められなかった。最後に、これらの特異的mtDNA CR突然変異は主として70〜83歳の患者に非常に高い頻度で見られ、同じ範囲の年齢で、より無作為なCR突然変異の頻度は低かった。このことは2つのクラスのADが存在することを示唆している。1つの場合では、少数のCR突然変異が発達の初期に生じ、脳全体に広範に汎発するようになり、各細胞内でクローン増幅して、脳内に高頻度の少数の突然変異を伴う認知症を早期に発症する。もう一方の場合では、突然変異は発達のより後期に蓄積するので、個々の突然変異はより少数の細胞に閉じ込められる。これらの突然変異がその個々の細胞内でクローン増幅されると、各突然変異は脳内の総mtDNA CRの数%を表すようになり得るに過ぎない。
いずれの場合でも、ある細胞内で突然変異mtDNAの割合が十分に高いレベルに達すると、mtDNA転写および/または複製を阻害する。これによって、L鎖転写の減少、mtDNA複製の阻害、呼吸不全、早発性神経細胞死および認知症が生じる。したがって、これらのデータはmtDNA CR領域の体細胞突然変異が晩発性ADの原因であることを示唆している。したがって、これらの突然変異を検出することはADの診断を確認し、現在は発症前であるが該疾患のリスクがある個人を予測するための優れた手段となる。
出願人らは、mtDNA CR突然変異が増大するという仮説について、アルツハイマー病およびパーキンソン病患者(ADPD)の脳を評価した。まず、T414G突然変異をこのセットの脳標本で試験した。興味深いことに、該患者脳の52%がこの突然変異に対して陽性であることが認められた。他のCR突然変異はADPD脳についてまだ試験中である。
ダウン症候群(DS)患者もアミロイド斑およびADに類似する神経原線維変化に伴う老年性認知症を発現するが、その年齢はずっと若年である。したがって、mtDNA CR突然変異が斑およびもつれに関連して認知症を発現するのに重要である場合、認知症のDS患者脳では、若い年齢でmtDNA体細胞突然変異の多様性および密度がAD患者脳に匹敵するはずであると合理的に予測され得る。
このことが正しいかどうかを判定するために、出願人はPNA固定化PCR法を用いて認知症AD脳標本からの前頭葉DNAをT414G CR突然変異について試験した。上記のAD脳の結果と一致して、59〜93歳のAD脳の65%に比して40〜62歳の認知症AD脳の57%はT414Gを持っていたが、59〜94歳の対照脳は持っていなかったことが決定された。
認知症DS患者も他のmtDNA CR領域突然変異を重要な機能要素に持っているかどうかを判定するために、出願人らは認知症のDS脳7例からの前頭葉mtDNAのCRをPCRで増幅、クローニングおよび配列決定し、その結果をわれわれのAD対象および対照対象と比較した。認知症DS脳はmtDNA CR突然変異の数が対照群に比して61%増加していることが認められた。他方、AD脳では76%増加した。さらに、ADの場合に見られたのとまったく同じように、認知症DS CR突然変異は知られたmtDNAの転写および複製調節要素に集中していた。
最後に、AD脳の場合のように、認知症DS脳はL鎖ND6 mRNAレベルが50%低下した。DS脳の平均比は0.32±0.09、対照群の平均比は0.71±0.38(P=0.018)であった。したがって、斑およびもつれの蓄積は体細胞mtDNAミトコンドリア突然変異の増大およびmtDNA転写の低下に関連している。
アミロイド病に関連するmtDNA CR突然変異の同定
AD患者および対照群からの脳標本
これらの実験には年齢を適合させたADおよび対照の死体からの前頭葉標本を用いた。合計でAD23例および対照群(非AD)40例の脳標本を病理学的に確認し、この試験に用いた。各脳標本のmtDNA超可変領域(np−16000−100)を配列決定し、西欧人型のmtDNAハプログループH、U、JおよびTに属する標本を選択して、さらにクローニングおよび配列決定試験を行い、大陸間の比較に共通する多型の差を最小にした。観察されたCR変異がコードされた核DNA(nDNA)の偽の増幅産物、すなわちmtDNA偽遺伝子である可能性を除くために、あらゆるPCRプロトコルをmtDNAを欠損した細胞(ρ0細胞)に適用して、mtDNA様配列を増幅することができない
ことを確実にした。
AD脳におけるT414G突然変異の検出
1000個の野生型分子の中に1個のmtDNA突然変異を検出することができる図2Aに示したPNA固定化PCR法によって、前頭葉DNAでT414G突然変異を探した。図2Cおよび図2Eに示すように、Foklを用いて切断し、個々のPCR分子をクローニングおよび配列決定することによって、得られた334np PCR産物中にT414G突然変異が存在することを確認した。
クローニングおよび配列決定によるAD脳中の新規なmtFNA CR突然変異の同定
図1に示したようにクローニングおよび配列決定して、mtDNA CRのPCR増幅によってヌクレオチド対(np)16527と636との間にさらなるmtDNA CR体細胞突然変異を同定した。pure geneキット(Gentra Systems社)および高品質のEpicentre社のfailSafe Taq DNAポリメラーゼと共にプライマーnp16527−16546(5’−CCT AAA TAG CCC ACA CGT TC−3’)およびnp617−636(5’−TGA TGT
GAG CCC GTC TAA AC−3’)を用いて増幅したCRを使用して、ゲノムDNAを抽出した。アガロース・ゲル電気泳動法を用いて所望のPCRフラグメントを精製し、Nucleo Trapゲル・キット(クロンテック社(Clontech))を用いて抽出し、TOPO TAクローニング・プロトコル(インビトロゲン社(Invitrogen))を用いてクローニングし、少量調製により所望のプラスミドを精製した。ABI3100キャピラリーシーケンサーを利用してBigDye ジデオキシ法(アプライドバイオシステム社(Applied Biosystem))を用いてプラスミドDNAをサイクル・シーケンシングし、シーケンス結果を「Sequencer v4.0.5」(ジーンコード社(Gene Code Corporation))を用いて分析した。
mtDNAの転写レベルおよびコピー数の定量
mtDNAのL鎖転写とH鎖転写の比を決定するために、TRIZOL(ギブコ−BRLシステム(Gibco−BRL system))を用いて全てのRNAを前頭葉から抽出し、L鎖、ND6、mRNAおよびH鎖、ND2、mRNAを逆転写し、定量リアルタイム(qRT)−PCRによって増幅した。順方向プライマーnp14260−14279(5’−ATC CTC CCG AAT GAA CCC TG−3’)および逆方向プライマーnp14466−14485(5’−GAT GGT TGT CTT TGG ATA TA−3’)を用いて、ND6を増幅した。mtDNA/nDNA比25を決定するのに用いたものと同じプライマーを用いて、ND2 mRNAを増幅した。
ゲノムDNAのqRT−PCRによってmtDNA/nDNAの相対比を決定した。mtDNAプライマーをND2遺伝子に入れ、nDNAプライマーを18S rRNAに入
れた。
結果
T414G CR突然変異はAD脳には認められたが、対照にはなかった
PNA固定化PCRによって合計AD脳23例および対照脳40例の前頭葉ゲノムDNAを対象にしてT414Gの存在の有無を分析したところ、試験したAD脳の65%がT414G突然変異に対して陽性であったが、対照には見られなかった(図2AおよびB)。Fokl制限酵素消化物を用い、直接クローニングおよび直接配列決定によって、T414GがAD標本中に存在することを確認した(図2C、2Dおよび2E)。
AD脳CR突然変異の同定および定量
AD脳においてmtDNA CR体細胞突然変異の存在が増大することの一般性を判定するために、われわれはAD16例および対照17例各々の脳標本からの10〜20個のCRクローンをPCR増幅、クローニングおよび配列決定し、合計でAD250例および対照クローン235例を分析した。図3Aに示すように、この試験から、対照に比してAD脳ではヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異の頻度が全体的に63%増加したことが明らかとなった(P<0.01)。また、図3Bに示すように、対照に比してmtDNA CR突然変異では、59〜69歳のグループは79%増加し、70〜79歳のグループは18%増加し、80歳以上のグループは130%増加し、80歳以上のAD患者と対照群との差は極めて有意なものであった(p<0.001)。
これらのCR突然変異の機能的重要性を判定するために、mtDNA CRの既知の機能的要素の位置と突然変異の位置を相関させた。再び図1に戻ると、調節要素がほとんど同定されなかったnp1〜100のCRにおいてAD標本と対照標本との間には突然変異の分布に明らかな差はなかった。対照的に、既知のmtDNA調節要素の大半を包含するAD脳クローンのnp101〜570の領域ではCR突然変異の有意な増加が認められた。
また、対照の突然変異ではなくAD突然変異は、既知の機能的な転写および複製要素に優先的に位置している。例えば、図1Bからわかるように、7個のヘテロプラスミックCR突然変異が、AD脳のCSBIには観察されるが、対照には見られない。同じく、図2Bからわかるように、17個のヘテロプラスミック突然変異が、AD脳の4カ所のmtTFA結合部位(2カ所はPとPとの間、もう2カ所はCSBIとCSBIIとの間)に認められるが、対照群では5個しか見られなかった(P<0.001)。実際、7個のヘテロプラスミック突然変異が2カ所のmtTFA結合部位に存在したが、対照の脳のこれらのmtTFA部位には存在しなかった。したがって、mtDNA CR突然変異はAD患者により共通して認められ、それらは機能的に重要なモチーフに優先的に影響を及ぼす。
AD脳における高レベルのmtDNA CR突然変異ヘテロプラスミー
CR突然変異はAD脳に優先的に存在するだけでなく、図4に示すように、並外れて高い割合のヘテロプラスミーで存在することが多い。np1〜100ではAD脳と対照群の脳との間には有意な差は見られなかったが(図4A対図4B)、np100〜570の領域ではAD脳には対照に比して多数の高い割合のヘテロプラスミック突然変異が認められた(図4C対図4D)。
同定されたヘテロプラスミーの割合が高いCR突然変異のうちの2つはAD脳に特異的であることが証明された。1つのAD突然変異であるT414Cは59歳、83歳および84歳のAD患者の約10%で認められたが、どの対照にも見られなかった。第2のAD特異的突然変異であるT477Cは76歳、78歳、83歳のAD患者の70〜80%の
ヘテロプラスミーで認められ、89歳の患者では20%のヘテロプラスミーで認められたが、対照には見られなかった(図4Cおよび4D)。
その他の4個の高い割合のヘテロプラスミーCR突然変異はAD脳に優先的に認められたが、レベルはより低く年齢も高くはあるがいくつかの対照でも見られた。T146C突然変異が74歳および83歳のAD患者脳の70〜80%のヘテロプラスミーで認められ、94歳の対照の約50%のヘテロプラスミーでも見られた。T195C突然変異が74歳および83歳のAD患者のそれぞれ80%および10%のヘテロプラスミーで認められ、対照の77歳の1例の約10%の突然変異でも見られた。T152C突然変異が67歳および76歳のAD患者の5〜20%のヘテロプラスミーで認められ、対照の87歳の1例の5%のヘテロプラスミーでも認められた。A189G突然変異が62歳、67歳および93歳のAD患者の5〜20%のヘテロプラスミーで認められ、59歳および86歳の対照の10%未満で見られた(図4D対4C)。
これらの同じCR突然変異はまた、対照よりもAD脳で同時発生することが多かった。4個のAD脳は2つ以上のヘテロプラスミック突然変異を有していた。67歳のAD脳はT152C突然変異およびA189G突然変異の両方を有していたが、ヘテロプラスミーの割合は低かった。74歳のAD脳はT146C突然変異およびT195C突然変異を非常に高いレベルのヘテロプラスミーで有していた。76歳のAD脳はT152C突然変異およびT477C突然変異をそれぞれ低いレベルおよび高いレベルのヘテロプラスミーで有していた。また、83歳のAD脳はT146C突然変異およびT477C突然変異を高い割合で有していたほか、T195C突然変異およびT4141C突然変異を低い割合のヘテロプラスミーで有していた。対照の脳はどれも2つ以上のヘテロプラスミックCR突然変異は有していなかった。また、AD患者6例はT146C突然変異に対してホモプラスミックであり、これらのうちの4例はT195C突然変異に対してもホモプラスミックであった。対照的に、T146C突然変異に対しては対照群の2例のみがホモプラスミックであり、これらのうちのいずれもT195Cを有していなかった。
最後に、70%以上のヘテロプラスミー・レベルで個々のmtDNA CR突然変異を有していたAD患者は全て74歳〜83歳で生じたが(7例中4例すなわち60%)、59歳〜72歳および84歳〜93歳では非常に高いレベルのヘテロプラスミックな突然変異を有する患者は認められなかった。したがって、対照よりもAD患者脳では、mtDNA CR突然変異はより共通しており、早期に蓄積し、より高い割合のヘテロプラスミーで存在し得る。
AD脳におけるmtDNA−L鎖転写体およびコピー数の減少
AD脳に観察されたヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異の大半は、L鎖転写が開始される部位であるP近傍;その後L鎖転写体がMRP−RNaseによって切断されて3’−OH複製プライマーを生成するCSBI;ならびにmtDNAポリメラーゼγ16がH鎖複製を開始するOH1およびOH2で生じた。したがって、AD脳で見られ
たCR突然変異はL鎖転写およびmtDNAコピー数を低減させるはずであると想定することは合理的であり得る。
AD脳のL鎖転写の低減は、qRT−PCRを用いてL鎖 ND6、mRNA対H鎖、ND2 mRNAの比を決定することによって確認した。AD脳12例のND6/ND2mRNAの比は0.29±0.18であったが、対照11例のその比は0.67±0.38であり、ND6 mRNAレベルは1/2に低減した(p=0.01)。同じく、qRT−PCRによってND2および18S rRNA遺伝子のコピー数のmtDNA/nDNA比を分析したところ、平均比はAD脳9例では12±6.9となったが、対照脳17例では22±18となり、mtDNAコピー数50%低減した(P=0.03)。
結論
病理学的に確認されたADおよび対照の脳前頭葉のmtDNA CR配列のバリエーションを分析することによって、出願人は、AD脳はmtDNA L鎖転写およびH鎖複製を調節するヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異を高頻度で重要な要素に有していることを見出した。これらの突然変異の機能的な場所と一致して、AD脳はL鎖である、ND6およびmRNAのレベルならびに細胞のmtDNAコピー数が有意に減少していた。
ND6はmtDNAのL鎖コードされた唯一のポリペプチドであるとともに呼吸複合体Iアセンブリにとって必須であるので、ND6 mRNAが減少すると、呼吸複合体Iが優先的に阻害される。また、L鎖の転写障害に加えCSBIならびにOH1およびOH2
配列に突然変異があると、H鎖複製の開始が低減され、これはmtDNA欠乏が観察される原因となる。このmtDNA欠乏はmtDNAでコードされるOXPHOSサブユニットの13個全てを低減させることになり、これは複合体I、III、IVおよびVの酵素活性を抑えることになる。この結果、AD脳に観察されるmtDNA CR突然変異は、ADに観察されたミトコンドリアOXPHOS酵素活性を低減させる原因となる可能性がある。
出願人らの理論は、ADに関与していることを出願人が見出したmtDNA CR体細胞突然変異が、ミトコンドリアのROS産生によって引き起こされるというものである。ミトコンドリアは細胞ROSの大半をOXPHOSの毒性副産物として産生する。次に、これらのROSはミトコンドリアタンパク質および膜を損傷し、mtDNAに突然変異を誘発させる。したがって、ミトコンドリアROS産生の比率の高い個体は、mtDNA体細胞突然変異をより速く獲得し、これによって加齢に伴ってOXPHOS欠損およびADをより発現しやすくなる。
OXPHOSがROSを産生する傾向は、ミトコンドリアの電子伝達系(ETC)の電子伝達体に保持された電子の密度によって調節される。環境有害物質またはtRNA np4336突然変異およびND1 np3997突然変異などの弱有害性のミトコンドリア遺伝子突然変異による慢性的阻害があると電子伝達体の電子の密度を上昇させることになり、これによってO2への直接的な偽の伝達が促進されてスーパーオキサイド・アニオ
ン(O2 )が生成される。これが第1のROSである。次いで、スーパーオキサイド・
アニオンは過酸化水素(H22)に転換され、H22はヒドロキシル・ラジカル(OH)に転換される。これが残りの2つのROSである。対照的に、OXPHOSの部分的な脱共役から生じるであろうようにETCがより完全に酸化されれば、電子伝達体の電子密度は低減することになり、これによってROS産生およびmtDNA変異誘発性は低減されることになろう。
この点に関し、人々が熱帯アフリカからより寒冷な北ユーラシア大陸およびシベリアへと移住するにしたがって、OXPHOSの脱共役を生じさせるmtDNA突然変異がヒト集団に確立されたことを出願人は明らかにした。これらのmtDNAの脱共役変異がATP生成を犠牲にしてミトコンドリアの熱産生を増大させ、寒冷地に適合できるようにした。今日、これらの同じ突然変異は寿命の延長ならびにADおよびPDの低減に関連している。この現象の驚くべき例は欧州人のハプログループJ(サブハプログループJ1およびJ2)およびハプログループUkに見られる。両ハプログループJ1およびUkは、np14798のシトクロムb(cytb)突然変異によって別個に発見された。ハプログループJ2はnp15257の異なるcytb突然変異によって発見された。このnp14798および15257のcytb突然変異はcytbの2カ所の補酵素Q10結合部位の保存されたアミノ酸を変化させるので、複合体IIIQサイクルによるプロトン・ポン
プに影響を及ぼす可能性がある。これらの脱共役cytb突然変異はミトコンドリアのETC電子密度、ROS産生、mtDNA体細胞突然変異、およびミトコンドリアが惹起するアポトーシスによるシナプスの損失を低減させるであろう。
体細胞mtDNA突然変異は、ある個体の生涯の間のどの時点でも、最も初期の胚細胞から最終分化した分裂終了細胞まで、細胞内で生じ得る。発達の早い段階で生じる突然変異はその後の細胞分裂に伝播され、その結果、身体の器官全体に広く分布するであろう。対照的に、発達の後期に生じる突然変異は比較的少ない細胞に限定されよう。一旦mtDNAの有害突然変異が分裂終了細胞に存在するようになると、mtDNA突然変異は選択的に増幅され、最終的にはその細胞内で優勢になることは十分に裏付けられている。したがって、脳発達の初期に生じるmtDNA突然変異は、細胞分割を介して脳の細胞全体にわたって分布し、その後に実質的にあらゆる細胞において選択的に増幅されるであろう。これらは、ある種のAD患者の脳においてmtDNAの70%以上を表すことになるmtDNA突然変異であろう。発達の初期に発生したmtDNAも初期に増幅されるであろうから、これらの突然変異は大半の脳細胞において初期に毒性レベルに達するので、早期に発症するAD患者の脳に認められるであろう。このことは何故74〜83歳のAD症例が最低の頻度でヘテロプラスミックmtDNAを有するが(対照群に対して18%増加)(図3B)、1つ以上の突然変異を70〜80%のヘテロプラスミーで有することが多かったのかを説明するであろう(図4Cおよび4D)。
対照的に、体細胞突然変異が発達の後期に生じたAD症例では、個々の突然変異は少数の分裂終了後の脳細胞に限定されるであろう。より多数のこれらの突然変異が発生し、各々がその存在している細胞内で増幅される場合、これらの脳は、各々のヘテロプラスミーの全体的割合は低い状態で、より多くのmtDNA突然変異を有することになろう。これらの体細胞mtDNA突然変異は発達の後期に生じ、認知症を生じるのに十分な量の細胞を損なうにはより非依存的な突然変異が必要とされるであろうから、この突然変異はより後期に毒性レベルにまで増幅され、より後期に発症する疾患を有する患者を生じるであろう。このシナリオは、何故80歳以上のAD患者脳が種々のヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異を高頻度で有するが(対照群に対して130%)(図3B)、どの突然変異も脳のmtDNAの20%を超えることはなかった(図4Cおよび4D)のかを説明するであろう。異なる年齢のAD脳におけるmtDNA突然変異遺伝子型の頻度のこのような不連続性は、一般的な5kbのmtDNA欠損について以前に観察されている。この欠損は、75歳前に死亡したAD患者の脳では対照に比して15倍増大したが、75歳以降に死亡したAD患者の脳については対照レベルの1/5であることが認められた。
個人の脳細胞がどのように高レベルのmtDNA CR突然変異を生じるかに関係なく、AD患者全てで、最終的にはND6 mRNAが低減し、mtDNAコピー数が減少する。これらの変異mtDNAが細胞の発現閾値を超えると、OXPHOSが阻害され、ROS産生が増大し、mtPTPが感作され、シナプス結合が失われる。
このミトコンドリア仮説は今や、アポE対立遺伝子のADの素因に及ぼす影響およびADの疾患過程におけるAβの役割を説明することができる。アポEε4対立遺伝子を有する個人はAD32のリスクが高く、またアポEε2対立遺伝子およびε3対立遺伝子に比して、ε4体質遺伝子は酸化ストレスに関与していることが明らかとなった。したがって、アポEε4対立遺伝子はミトコンドリアの酸化ストレスを増大させ、それ故、mtDNAの体細胞突然変異率を上昇させる可能性がある。
他方では、Aβペプチドは抗酸化防御系として機能して神経シナプスを酸化的損傷から保護することが報告されている。しかし、Aβは過剰酸生されると、凝集して毒性の酸化促進剤となる。このシナリオを考えると、ミトコンドリアのROS産生を増大させる神経
細胞のmtDNA変異はAβの産生を刺激するであろう。最初は保護的であるが、このAβはすぐに凝集し、その結果プラークが沈着し、ミトコンドリアが豊富にあるシナプスの神経繊維末端近傍でROSが増大し、シナプスが失われることになる。さらに、結果的にAβの過剰産生およびその時期尚早の凝集を生じるAPPまたはプレセニリン複合遺伝子はまた、ROS産生、ミトコンドリア損傷、mtPATの活性化およびシナプスの損失を増大させるであろう。
結論として、これらのデータはADが、mtDNAの酸化的損傷の産物である体細胞mtDNA CR突然変異が蓄積することの産物であることを示唆している。これらのmtDNA有害突然変異は最終的には、ミトコンドリアのエネルギー欠乏を生じ、酸化ストレス、mtPTPの活性化およびシナプス結合の損失を増大させる。体細胞mtDNA突然変異の確率的性質およびミトコンドリアが神経細胞のエネルギー産生、ROS産生およびアポトーシスで担う中心的役割のために、このミトコンドリアの仮説は散発性ADの遺伝子の異常な特徴および病理学的特徴の簡単な説明となる。
(発症前対象におけるADの診断)
現時点ではADの症状を呈していない35歳の女性対象2例から、細胞(例えば、血液細胞、皮膚線維芽細胞、尿管上皮細胞、および/または脳脊髄液細胞)の標本を採取する。細胞収集後、各対象からのDNAをミトコンドリアDNA制御領域増幅に供し、次いで、PNA固定化PCRを用いて低レベルのヘテロプラスミックな414および477ヌクレオチド突然変異用の直接配列決定によってホモプラスミックな414および477ヌクレオチド変異が存在するか、増幅されたDNAを試験した。414および477ヌクレオチド変異がPNA固定化PCRによって検出された場合、その突然変異分子をクローニングおよび配列決定して、突然変異の存在を確認する。
最初の対象では、検出された総数は対照よりも有意に多く、このことからこの対象は後年ADの症状を発現しやすいことが示唆される。
第2の対象では、検出された総数は対照よりは有意に多くなく、このことからこの対象は後年ADの症状を発現し難いことが示唆される。
(AD治療の効果の決定)
この実施例では、症状および臨床所見に基づいて85歳の患者をADであると診断した。治療を始める前に、細胞(例えば、血液細胞、皮膚線維芽細胞、尿管上皮細胞、および/または脳脊髄液細胞)の標本を採取、処理し、414および477ヌクレオチド変異の有無について試験し、次いで実施例2のように、突然変異分子をクローニングおよび配列決定し、T4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数のベースラインを定量する。T4141G、T414CおよびT477C突然変異のこのベースラインの総数を正常な対照データと比較して、ADの診断と一致する予想数を超えるT4141G、T414CおよびT477C突然変異を対象が有していることを確認する。次いで、ADに対する薬物療法を開始した。周期的(例えば、6カ月毎の)追跡細胞標本をベースラインの血液標本と同様に対象から採取、処理、試験およびクローニングし、これにより治療後のT4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数を定量する。各追跡の血液標本において決定されたT4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数を治療前のベースラインと(および場合によっては、試験した任意の早期の追跡血液標本と)比較して、投与中のAD治療の効果を決定する。治療が続くにつれてT4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数が減少することが認められた場合、その治療はその対象には有効であるとみなされる。他方、治療が続くにつれてT4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数が一定のままであるか、または増加することが認めら
れた場合、その治療はその患者には効果なしとみなされ、その治療を調整または変更することが適切であるとみなしてよい。
(ダウン症候群関連認知症の診断)
ダウン症候群と確定診断された25歳の対象は、現時点で認知症の症状を呈していない。上記実施例2のように、細胞(例えば、血液細胞、皮膚線維芽細胞、尿管上皮細胞、および/または脳脊髄液細胞)の標本を414および477ヌクレオチド変異の有無について試験し、次いでその突然変異分子をクローニングおよび配列決定した。T4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数が対照よりも有意に多い場合、その対象はダウン症候群関連老年性認知症を後年発現しやすいと結論付けてよい。他方、T4141G、T414CおよびT477C突然変異の総数が正常な対照よりも有意に多くない場合、その対象はダウン症候群関連老年性認知症を後年発現しやすいと結論付けてよい。
ある場合には、本発明に従って細胞標本の収集、処理、試験および/またはクローニングを実施するのに使用されるテスト・キットが提供される。そのようなテスト・キットには正常な基準(例えば、参照標本)および/または試験結果と比較するための対照データを含み得る。そのような対照データは、単一の数字、ルックアップ・テーブル、機械式または電子式計算機の形態で提供されてよくかつ/またはそのような対照データを含むようにかつ/または比較または統計学的計算を行って特定の対象で検出されたmtDNA CR突然変異が関連する対照群のmtDNA CR突然変異と有意に異なっていないかどうかを判定するようにコンピュータをプログラムしてもよい。
本明細書において用いられる場合、「患者」および「対象」という用語は、治療的、予防的、実験的または診断的な治療受けている、ヒト患者のほかにその他の動物の患者および対象、あるいは疾患を有するかまたは疾患になりやすい傾向のあるヒトまたは動物を含む。
明快に理解しやすいように詳細に上記発明を記載してきたが、ある種の改変が特許請求の範囲内で実施されてよいことは明白である。本明細書に引用した刊行物および特許文書は全て、あらゆる目的のために各々が非常に個別に示される場合と同程度にその全体を本明細書に援用する。
AD脳および対照脳のmtDNA CR体細胞突然変異分布を示す図。 AD脳および対照脳のmtDNA CR体細胞突然変異分布を示す図。 AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す図。 AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す図。 AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す図。 AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す図。 AD脳および対照脳のT414G mtDNA突然変異のためのPNA固定化PCRアッセイの結果を示す図。 ADおよび対照の脳標本からのCRクローンをクローニングおよび配列決定して観察されたヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異の総数を示す棒グラフ。 ADおよび対照の脳標本からのCRクローンをクローニングおよび配列決定して観察されたヘテロプラスミックmtDNA CR突然変異の総数を示す棒グラフ。 AD脳および対照脳の特異的体細胞mtDNA CR突然変異およびそれらのヘテロプラスミーの割合を示すグラフ。 AD脳および対照脳の特異的mtDNA CR体細胞突然変異およびそれらのヘテロプラスミーの割合を示すグラフ。 AD脳および対照脳の特異的体細胞mtDNA CR突然変異およびそれらのヘテロプラスミーの割合を示すグラフ。 AD脳および対照脳の特異的体細胞mtDNA CR突然変異およびそれらのヘテロプラスミーの割合を示すグラフ。 AD、DS、ADPD、PDおよび対照(正常)対象からの脳のT414Gトランスバージョン変異の発生率を比較したグラフ。 認知症のDS、ADおよび対照脳におけるmtDNA CR体細胞mtDNA突然変異の頻度を示すグラフ。 mtDNA CR調節要素における認知症のDS、ADおよび対照群の体細胞mtDNA突然変異分布を示す表。 DS、ADおよび対照脳におけるmtRNAレベル(L鎖/H鎖)を示すグラフ。

Claims (34)

  1. ヒトまたは動物対象においてβアミロイド沈着またはβアミロイド線維の発達を伴う障害を診断またはそのような障害のために対象に提供される治療の効果を評価する方法であって、該方法は
    A)mtDNA CR突然変異の存在を判定する工程を含む方法。
  2. 工程AはmtDNS CR突然変異が存在するか否かを定性的に判定することを含む請求項1に記載の方法。
  3. 工程AはmtDNS CR突然変異を定量することを含む請求項1に記載の方法。
  4. B)工程Aで行われた定量によって得られたmtDNS CR値を対照のmtDNS CR値と比較して、前記対象が対照よりも有意に多いmtDNS CR突然変異を有しているかどうかを判定する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  5. B)工程Aで行われた定量によって得られたmtDNS CR値を、アミロイド沈着またはβアミロイド線維の発達を伴う障害に罹患した対象を表すmtDNS CR値と比較する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  6. 工程AはT4141G突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  7. 工程AはT414C突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  8. 工程AはT477C突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  9. 工程AはT146C突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  10. 工程AはT152C突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  11. 工程AはA189G突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  12. 工程AはT195C突然変異の試験を含む請求項1に記載の方法。
  13. 工程Aの少なくとも一部はPNA固定化PCRで実施される請求項1に記載の方法。
  14. 工程Aの少なくとも一部はオリゴヌクレオチド・ハイブリダイゼーションによって実施される請求項1に記載の方法。
  15. 工程Aの少なくとも一部はプライマー伸長法によって実施される請求項1に記載の方法。
  16. 工程Aの少なくとも一部は制限酵素消化法によって実施される請求項1に記載の方法。
  17. 工程Aの判定は、
    i.脳組織;
    ii.前頭葉からの脳組織;
    iii.神経組織;
    iv.神経細胞;
    v.血液;
    vi.血液細胞;
    vii.尿
    viii.尿管細胞;
    ix.皮膚;
    x.皮膚細胞;
    xi.上皮;
    xii.上皮細胞;
    xiii.線維芽細胞;
    xiv.脳脊髄液;および
    xv.脳脊髄液に含まれる細胞
    から選択される組織、細胞または体液の試料において行われる請求項1に記載の方法。
  18. 前記方法は、その障害の症状を呈し始めた対象の該障害の発症後診断のために実施される請求項1に記載の方法。
  19. 前記方法は、その障害の症状を呈し始めていない対象の該障害の発症前診断のために実施される請求項1に記載の方法。
  20. 前記障害は神経変性疾患である請求項1に記載の方法。
  21. 前記障害はアルツハイマー病である請求項1に記載の方法。
  22. 前記障害はパーキンソン病である請求項1に記載の方法。
  23. 前記障害はダウン症候群関連認知症である請求項1に記載の方法。
  24. 前記障害は海綿状脳症である請求項1に記載の方法。
  25. 前記障害はII型糖尿病である請求項1に記載の方法。
  26. 前記障害はクロイツフェルトヤコブ病である請求項1に記載の方法。
  27. 前記障害はハンチントン病である請求項1に記載の方法。
  28. 前記障害は黄斑疾患である請求項1に記載の方法。
  29. 前記障害はプリオン病である請求項1に記載の方法。
  30. 工程Aは、
    対象から標本細胞を採取する工程と、
    該標本細胞からDNAを抽出する工程と、
    該抽出したDNAをミトコンドリアDNA制御領域増幅に供する工程と、
    ヘテロプラスミック414および477ヌクレオチド突然変異について直接配列決定することによって、ホモプラスミック414および477ヌクレオチド変異が存在するかどうか判定する工程と、
    414および477ヌクレオチド変異が検出された場合に、該突然変異分子をクローニングし、該クローンを配列決定する工程と、を含む請求項1に記載の方法。
  31. 請求項1から30のいずれかに記載の方法を実施するのに使用可能な試薬および/または物質を含むテスト・システム。
  32. 使用説明書をさらに含む請求項31に記載のテスト・システム。
  33. 対照データを含む参照物をさらに含む請求項31に記載のテスト・システム。
  34. 前記参照物はコンピュータ・ソフトウェアである請求項33に記載のテスト・システム。
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