JP2008308088A - 把持部材温度制御装置及びステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングホイール表面に配置されたペルチェ素子を介して各種情報を操作者に伝えることができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリングホイール2の表面に配置され、操作者の皮膚に触れる接触面の温度を変化させる複数の熱源部3を備えるステアリング装置100は、操作者に伝えようとする情報に応じて接触面の温度を変化させる情報伝達手段10を備える。また、情報伝達手段10は、操作者に伝えようとする情報に応じて左手把持部分Lの接触面と右手把持部分Rの接触面との間に所定幅の温度差を発生させたり、伝えようとする情報に応じて比較的高温の部分と比較的低温の部分とで形成される所定の配列の位置を移動させ、或いは、該所定の配列の大きさを変化させたりする。
【選択図】図1
【解決手段】ステアリングホイール2の表面に配置され、操作者の皮膚に触れる接触面の温度を変化させる複数の熱源部3を備えるステアリング装置100は、操作者に伝えようとする情報に応じて接触面の温度を変化させる情報伝達手段10を備える。また、情報伝達手段10は、操作者に伝えようとする情報に応じて左手把持部分Lの接触面と右手把持部分Rの接触面との間に所定幅の温度差を発生させたり、伝えようとする情報に応じて比較的高温の部分と比較的低温の部分とで形成される所定の配列の位置を移動させ、或いは、該所定の配列の大きさを変化させたりする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両を操作するために用いるステアリングホイール等の把持部材表面における温度を制御する把持部材温度制御装置及びその把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置に関し、特に、把持部材表面で発生させる温度によってその把持部材を握る操作者に各種情報を伝えることができる把持部材温度制御装置及びその把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置に関する。
従来、背中合わせに吸熱面及び放熱面を有するペルチェ素子を所定配列で外面に配置したステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このステアリング装置は、それらペルチェ素子に流す電流の向き及び大きさを制御することでペルチェ素子の表面のうちステアリングを握る操作者の皮膚と接する側の表面(以下、「接触面」とする。)を温めたり冷やしたりすることにより、ステアリング装置の表面温度が高すぎたり低すぎたりした場合にも、操作者がそのステアリング装置を快適に握ることができるようにする。
また、このステアリング装置は、接触面で吸熱を担うペルチェ素子と接触面で放熱を担うペルチェ素子とを隣り合わせるようにすることで、ステアリングを握る操作者の多数の隣接する冷点及び温点を同時に刺激し温冷覚の錯覚(擬似的に痛みを感じさせる現象(Thermal Grill Illusion)をいう。)を発生させ、運転に対する操作者の集中力を高めたりする。
特開2007−101082号公報
しかしながら、特許文献1に記載のステアリング装置は、ステアリングホイール表面の温度を快適な温度に制御したり、注意力を欠いた操作者の注意を喚起するために温冷覚の錯覚を発生させたりするが、それらステアリングホイールの表面に配置されたペルチェ素子を介して運転支援情報等の各種情報を操作者に伝えようとはしていない。
上述の点に鑑み、本発明は、把持部材表面に配置された熱源素子を介して各種情報を操作者に伝えることができる把持部材温度制御装置及びその把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る把持部材温度制御装置は、把持部材表面に配置され、操作者の皮膚に触れる接触面の温度を変化させる複数の熱源部を備える把持部材温度制御装置であって、操作者に伝えようとする情報に応じて前記接触面の温度を変化させる情報伝達手段を更に備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る把持部材温度制御装置であって、前記情報伝達手段は、操作者に伝えようとする情報に応じて左手把持部分の接触面と右手把持部分の接触面との間に所定幅の温度差を発生させることを特徴とする。
また、第三の発明は、第一又は第二の発明に係る把持部材温度制御装置であって、前記情報伝達手段は、伝えようとする情報に応じて、比較的高温の部分と比較的低温の部分とで形成される所定の配列の位置を移動させ、或いは、該所定の配列の大きさを変化させることを特徴とする。
また、第四の発明は、第一乃至第三の何れかの発明に係る把持部材温度制御装置であって、前記情報伝達手段は、所定数の熱源部群を一纏まりとして該纏まり毎に接触面の温度を制御することを特徴とする。
また、第五の発明は、第一乃至第四の何れかの発明に係る把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置である。
上述の手段により、本発明は、把持部材表面に配置された熱源素子を介して各種情報を操作者に伝えることができる把持部材温度制御装置及びその把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置の構成例を示す図であり、ステアリング装置100は、車両等の操舵に用いられる装置であって、温度コントローラ1、ステアリングホイール2、熱源素子3、温度センサ4、ナビゲーション装置5、接近センサ6、注意力判定器7及び熱源素子用電源8から構成される。
温度コントローラ1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであり、情報伝達手段10に対応するプログラムをROMに記憶しながら、情報伝達手段10に対応する処理をCPUに実行させる。
また、温度コントローラ1は、温度センサ4が出力する熱源素子3の接触面の温度情報に基づいて、それら熱源素子3の接触面が所望の温度状態になるよう熱源素子用電源8を動作させる。
ステアリングホイール2は、車両の操舵に用いる装置であって、車両の操作者がステアリング操作を行う際に手で握る把持部材である環状のリム20、リム20の回転を支えるハブ21、及び、リム20とハブ21とを連結する複数のスポーク22から構成される。
なお、リム20は環状ではなく、円環の一部が欠けた形状など、操作者が車両等を操作し易い他の形状であってもよい。また、リム20の断面は円形であるが、楕円形、又は、操作者が握り易い他の形状であってもよい。
熱源素子3は、その接触面で所定の温度状態を発生させる素子であり、例えば、一方の面で吸熱を行い他方の面で放熱を行うペルチェ素子であって、ステアリングホイール2の表面に複数並べて配置される。
ペルチェ素子は、可動部を有さずメンテナンスが容易であり、騒音を発生させることもなく、かつ、電流の方向に応じて吸熱面と放熱面とを切り替えることができるため、ステアリングホイール2等の把持部材の表面の温度を制御するための用途に好適である。
各ペルチェ素子は、ステアリングホイール2の表面に吸熱専用(接触面で吸熱のみを行うものであり、以下、「冷デバイス」とする。)又は放熱専用(接触面で放熱を行うものであり、以下、「温デバイス」とする。)としてモザイク状に交互に固定的に配置され、熱源素子用電源8のオン、オフにより吸放熱を開始或いは停止させる。
また、各ペルチェ素子は、ステアリングホイール2の表面に吸放熱両用(接触面で吸熱又は放熱を行うものであり、冷デバイスにも温デバイスにもなりうる。)として固定的に配置され、電流方向の切り替えにより吸放熱を切り替え、冷デバイスと温デバイスとを動的にモザイク状に交互に配置させるようにしてもよい。
さらに、各ペルチェ素子は、必ずしも冷デバイスと温デバイスとを交互に配置させる必要はなく、所定領域全体で吸熱を行うよう満遍なく冷デバイスを配置させるようにしてもよく、所定領域全体で放熱を行うよう満遍なく温デバイスを配置させるようにしてもよい。
なお、温デバイスは、電気を熱に変換するニクロム線ヒータ等、専ら高温状態を発生させるための素子であってもよい。
また、熱源素子3は、自ら熱を発生させる素子そのものの他、それら素子に接続されそれら素子が発生させた熱を伝える伝熱部材をも含むものとする。
また、熱源素子3は、それぞれ、正方形の接触面を有するが、円形、楕円形、多角形等の他の形状から成る接触面を有していてもよく、好適には、円形、線対称の正多角形、点対称の正偶数多角形等が用いられる。全方位における表面積の偏りが少なくリム20の表面に密接に隙間無く敷き詰めることができるからである。
温度センサ4は、リム20の表面にある熱源素子3の温度を測定するためのセンサであり、例えば、熱電対又はサーミスタ等であって、測定した温度の値を温度コントローラ1に出力してフィードバック制御させることにより、温度コントローラ1が熱源素子3における所望の温度状態を安定的に維持できるようにする。
図2は、図1の破線円Eの部分の拡大図であり、リム20は、冷デバイス30(熱源素子3の一つであり、灰色で塗りつぶしたものである。)及び温デバイス31(熱源素子3の一つであり、白色で塗りつぶしたものである。)を相互に接触させないよう、かつ、それぞれが過度に偏在しないように配置させ、一列(例えば、15個の熱源素子3から構成される。)を一纏まり(制御単位)として電源ライン(図中の破線)で接続させ、各列を代表する熱源素子3にサーミスタ40を配置させるようにする。
この場合、温度コントローラ1は、例えば、各サーミスタ40が測定した(代表)接触面の温度に応じて、各サーミスタ40によって代表される列に含まれる複数の熱源素子3の接触面の温度を纏めて制御する。
なお、電源ラインによって一纏まりに接続される熱電素子3は、一列に並べられるばかりでなく、円形状に並べられたり、矩形状に並べられたりしてもよく、一制御単位に含まれる全ての熱源素子3が冷デバイス30又は温デバイス31の何れか一方であってもよく、一制御単位に冷デバイス30と温デバイス31とを混在させるようにしてもよい。
また、図3は、熱源素子3をステアリングホイール2に実際に配置させた例を示し、円形のステアリングホイール2における10時10分の位置周辺の所定範囲に熱源素子3が配置され、操作者の左手が把持する部分(以下、「左手把持部分L」とし、例えば、15個の熱源素子3から成る制御単位を50個並べて構成される。)にある全ての熱源素子3(冷デバイス30及び温デバイス31)が非作動状態(オフ)にされ、操作者の右が把持する部分(以下、「右手把持部分R」とし、左手把持部分Lと同様、例えば、15個の熱源素子3から成る制御単位を50個並べて構成される。)にある全ての熱源素子3(冷デバイス30及び温デバイス31)が作動状態(オン)にされた状態を示す。
この場合、ステアリング装置100は、操作者の右手で温冷覚の錯覚を発生させ、車両右方向に操作者の注意を向けることができる。なお、ステアリング装置100は、左手把持部分L又は右手把持部分Rにある全ての熱源素子3を冷デバイス30又は温デバイス31の何れか一方として作動させることで、何れかの方向に操作者の注意を向けるようにしてもよい。
なお、冷デバイス30及び温デバイス31は、同じ種類の熱源素子3を使用するため表面積が等しい構成をとるが、例えば、放熱を担う熱源素子3の接触面の表面積と吸熱を担う熱源素子3の接触面の表面積とが異なる構成をとるようにしてもよい。人間の感覚器の大きさに適合させるためである。
また、熱源素子3は、環状のリム20の長手方向(矢印D1参照。)全体にわたって配置されてもよく、図3に示すように操作者が握り易い範囲にだけ部分的に配置されてもよい。同様に、熱源素子3は、リム20の断面円周方向(矢印D2参照。)の所定の角度範囲にだけ配置されてもよく、リム20の断面円周方向の全周にわたって配置されてもよい。これらの範囲が狭いと、熱源素子3がステアリングホイール2の外部の空気と接触する面積が小さくなることで低い消費電力と高い温度応答性とを実現できるからであり、一方で、これらの範囲が広いと、操作者の様々なリム20の握り方に対応できるからである。
ここで、再び図1を参照しながら、ステアリング装置100の構成要素の説明を継続する。
ナビゲーション装置5は、GPS(Global Positioning System)機能により取得される車両の位置情報と、ハードディスクやDVD等に記憶された地図情報とに基づいて目的地までの推奨経路を示し、車両を誘導するためのシステムであり、例えば、推奨経路上の右左折地点が接近した場合に右左折のための画像案内や音声案内を行ったりする。
接近センサ6は、自車両に接近する物体を検出するための装置であり、例えば、自車両外部に取り付けられたミリ波レーダや画像センサ(カメラ)等であって、前後左右方向から接近する他車両、又は、自車両が電柱、側溝若しくは壁等に近接したことを検出する。
注意力判定器7は、操作者の注意力を判定する装置であり、例えば、近赤外線を操作者の頭部に照射し、その透過光を検出することで、非侵襲的に血液中の酸素化ヘモグロビン濃度等の脳活動値を測定し、脳活動値から操作者の注意力を判定する光トポグラフィ装置である。なお、注意力判定器7は、心電位、皮膚電位、血圧又は体温等の操作者の他のバイタルサインに基づいて操作者の注意力を判定する装置であってもよい。
また、注意力判定器7は、カメラにより操作者を継続的にモニターし、まばたきの回数、あくびの回数、表情、行動等を画像処理により認識し、注意力の有無、眠気の度合い、疲労の度合い等を判定する装置であってもよい。
熱源素子用電源8は、熱源素子3に電気エネルギーを供給するための装置であり、例えば、CPU、RAM、ROMがワンチップに収められたPIC(Peripheral Interface Controller)コントローラであって、温度コントローラ1が出力する制御信号に基づいて、ペルチェ素子への電力供給の許否、並びに、ペルチェ素子に流れる電流の向き及び大きさを制御単位毎に制御する。
次に、温度コントローラ1が有する情報伝達手段10について説明する。
情報伝達手段10は、接触面の温度変化が操作者の皮膚の温覚及び冷覚に及ぼす影響を利用して各種情報を操作者に伝えるための手段であり、例えば、左手把持部分Lにある熱源素子3の接触面の温度LTと右手把持部分Rにある熱源素子3の接触面の温度RTとの間に所定幅の温度差(例えば、20℃)を発生させ、より高温の把持部分が示す方向(例えば、温度LTが温度RTより高い場合、左方向を示すものとする。)から接近する他車両の存在を操作者に知らせるようにする。
この場合、情報伝達手段10は、接近センサ6の出力に基づいて隣接する左側の車線の後方から他車両が接近してきたことを検出した上で、温度LTが所定幅だけ温度RTより高くなるよう熱源素子用電源8に対して制御信号を送信し、左手把持部分Lを握る操作者の温覚を刺激することにより左後方から他車両が接近したことを操作者に伝えるようにする。
また、情報伝達手段10は、ナビゲーション装置5の出力に基づいて推奨経路上の右折地点が接近したことを検出した上で、温度RTが所定幅だけ温度LTより低くなるよう熱源素子用電源8に対して制御信号を送信し、右手把持部分Rを握る操作者の冷覚を刺激することにより右折地点が接近したことを操作者に伝えるようにしてもよい。
更に、情報伝達手段10は、温度LTと温度RTとの間で所定幅の温度差を発生させる他、左右何れか一方の把持部分で冷覚及び温覚を同時に刺激して温冷覚の錯覚を発生させるようにし、方向に関する情報を操作者に伝えるようにしてもよい(図3参照。)。
また、情報伝達手段10は、作動状態の(所定の温度状態を発生させた状態の)熱源素子3の個数を徐々に増加させたり、減少させたりすることで(以下、「個数増減制御」とする。)、他車両との間の距離を表現するようにしてもよい(例えば、自車両と他車両との間の距離が小さくなるにつれて作動状態の熱源素子3の個数が大きくなるようにする。)。
図4は、情報伝達手段10による個数増減制御の例を説明するための図であり、推奨経路上の所定地点に接近した場合に、図4(A)の状態から図4(B)の状態まで作動状態にある熱源素子3の数(領域)を増大させながら、自車両と所定地点との間の距離を操作者に伝えるようにする。
また、情報伝達手段10は、作動状態の熱源素子3の面積又は配列をそのまま維持しながらそれらの位置を前後左右に移動させることで(以下、「位置変更制御」とする。)、自車両に対する他車両の相対位置を表現するようにしてもよい。
図5は、情報伝達手段10による位置変更制御の例を説明するための図であり、右後方から他車両が接近してきた場合に、図5(A)の状態から図5(B)の状態まで作動状態にある熱源素子3の所定配列を移動させながら、他車両の動き(自車両に対する他車両の相対的な位置の推移であって、この場合、右側方から右斜め前方に移動する他車両の動きをいう。)を操作者に伝えるようにする。
ここでいう「所定配列」は、冷デバイス30及び温デバイス31を交互に並べた四列配列であるが、円形配列、矩形配列、又は、多角形配列等の他の配列を用いるようにしてもよい。さらに、所定配列は、必ずしも冷デバイス30と温デバイス31とを交互に並べたものである必要はなく、冷デバイス30又は温デバイス31の何れか一方を連続的に並べたものであってもよい。
なお、情報伝達手段10は、左右何れか一方の把持部分だけで個数増減制御を実行させるようにしてもよく、左右両方の把持部分で位置変更制御を実行させるようにしてもよい。
また、情報伝達手段10は、熱源素子3を間欠的に作動状態としながら操作者の温覚又は冷覚を間欠的に刺激するようにし、その時間間隔によって自車両と他車両や右左折地点との間の距離を表現するようにしてもよい。
次に、図6を参照しながら、温度コントローラ1が熱源素子3の接触面の温度を制御する処理(以下、「温度制御処理」とする。)について説明する。なお、図6は、温度制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、温度コントローラ1は、注意力判定器7の出力に基づいて、操作者の注意力が低下したか否かを判定する(ステップS1)。温冷覚の錯覚を発生させるための温冷覚の同時刺激を実行すべきか否かを自動的に判定するためである。
注意力が低下したと判定した場合(ステップS1のYES)、温度コントローラ1は、冷デバイス30と温デバイス31とがモザイク状に交互に配置されるよう熱源素子用電源8により熱源素子3を流れる電流の向き及び大きさを制御し、操作者の皮膚における多数の隣り合う温覚と冷覚とを同時に刺激しながら操作者に擬似的な痛みを感じさせ、操作者の眠気を覚ましたり、或いは、集中力の低下を防止したりする(ステップS2)。
注意力が低下していないと判定した場合(ステップS1のNO)、温度コントローラ1は、温度センサ4を介して接触面の温度を取得し、取得した接触面の温度が閾値T1以上となっているか否かを判定する(ステップS3)。
接触面の温度が閾値T1以上となっている場合(ステップS3のYES)、温度コントローラ1は、接触面で吸熱が行われるよう熱源素子用電源8により熱源素子3を流れる電流の向き及び大きさを制御し、操作者が快適な温度状態でステアリングホイール2を握れるようにする(ステップS4)。
接触面の温度が閾値T1を下回っている場合(ステップS3のNO)、温度コントローラ1は、接触面の温度が閾値T2(T1>T2)以下となっているか否かを判定する(ステップS5)。
接触面の温度が閾値T2以下となっている場合(ステップS5のYES)、温度コントローラ1は、接触面で放熱が行われるよう熱源素子用電源8により熱源素子3を流れる電流の向き及び大きさを制御し、操作者が快適な温度状態でステアリングホイール2を握れるようにする(ステップS6)。
接触面の温度が閾値T2を上回っている場合(ステップS5のNO)、温度コントローラ1は、熱源素子3を作動させることなく、温度制御処理を終了させる。
このように、温度コントローラ1は、操作者が把持する部分のリム20表面の温度が操作者にとって快適な温度となるよう接触面の温度を制御することができる。
なお、温度コントローラ1は、熱源素子用電源8によって熱源素子3を流れる電流の向き及び大きさを制御しながら吸放熱両用の熱源素子3における吸熱と放熱とを切り替えるようにするが、熱源素子用電源8によって各熱源素子3を流れる電流をオン、オフしながら吸熱専用の熱源素子3(冷デバイス30)と放熱専用の熱源素子3(温デバイス31)とを別々に制御するようにしてもよい。
次に、図7を参照しながら、温度コントローラ1が熱源素子3の接触面の温度を制御単位毎に制御しながら操作者に各種情報を伝える処理(以下、「情報伝達処理」とする。)について説明する。なお、図7は、情報伝達処理の流れを示すフローチャートであり、ステアリング装置100は、この情報伝達処理を所定周期(例えば、1秒間隔である。)で繰り返し実行するものとする。
最初に、温度コントローラ1は、車載カメラが撮像した操作者の顔画像に画像処理を施し操作者の目の位置や顔の向きを算出しながら操作者の視線を検出し、操作者が脇見をしているか否かを判定する(ステップS11)。
操作者が脇見をしていると判定した場合(ステップS11のYES)、ステアリング装置100の温度コントローラ1は、操作者が視認すべき方向に対応するステアリングホイール2上の熱源素子3を作動させて操作者の冷覚及び温覚を同時に刺激することにより温冷覚の錯覚を発生させ、操作者がその方向を視認するように促す(ステップS12)。
操作者が脇見をしていないと判定した場合(ステップS11のNO)、温度コントローラ1は、接近センサ6の出力に基づいて自車両周辺に近接する物体が存在するか否かを判定する(ステップS13)。
電柱等の近接する物体が存在する場合(ステップS13のYES)、温度コントローラ1は、その物体が存在する方向に対応するステアリングホイール2上の熱源素子3を作動させて温冷覚の錯覚を発生させ、近接する物体の存在を操作者に伝えるようにする(ステップS12)。
近接する物体が存在しない場合(ステップS13のNO)、温度コントローラ1は、ナビゲーション装置5の出力に基づいて推奨経路上の右左折地点が接近しているか否かを判定する(ステップS14)。
右左折地点が接近していると判定した場合(ステップS14のYES)、温度コントローラ1は、右左折の方向に対応するステアリングホイール2上の熱源素子3を作動させて温冷覚の錯覚を発生させ、右左折の方向を操作者に伝えるようにする(ステップS12)。
右左折地点が接近していないと判定した場合(ステップS14のNO)、温度コントローラ1は、熱源素子3を作動させることなく情報伝達処理を終了させる。
なお、ステアリング装置100は、温冷覚の錯覚による擬似的な痛覚以外にも、冷覚又は温覚の何れか一方を刺激することで各種情報を操作者に伝えるようにしてもよく、ディスプレイに表示される画像情報(テキスト情報、グラフィック情報、色情報、光情報を含む。)、車載スピーカ(指向性スピーカを含む。)から出力される音声情報、又は、振動発生器から出力される振動情報を伴わせるようにしてもよい。
以上の構成により、ステアリング装置100は、比較的順応が起こりにくく、脳を覚醒させる作用のある(擬似的な)痛覚刺激を用いるので、視覚情報における見落としや聴覚情報における聞き逃しを発生させることなく、各種情報を操作者に確実に伝えることができる。
また、ステアリング装置100は、左右の把持部分で別々の温度状態を発生させるので、方向を含む情報を表現することができ、また、時間的に変化する局所的な温度状態を発生させるので、距離の大小や動きを含む情報を表現することができる。
また、画像情報、音声情報、又は、空調変化(車室内温度を変化させることにより情報を伝える方法である。)による情報伝達は、操作者(運転車)ばかりでなく同乗者にも影響を与えることとなるが、本発明のように操作者の冷覚及び温覚を利用した情報伝達は、同乗者に影響を与えることなく各種情報を操作者だけに確実に伝えることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、一列を一纏まりとした制御単位で熱源素子3を作動させるが、各熱源素子を個別に制御するようにしてもよい。操作者の冷覚及び温覚をより柔軟に刺激できるようにし、より多くの情報を操作者に伝えることができるようにするためである。
また、上述の実施例において、温度コントローラ1は、ステアリングホイール2の表面に配置された熱源素子3の接触面の温度を制御するが、シフトレバー、ハンドブレーキレバー、アームレスト等の他の装置の表面に配置された熱源素子3の接触面の温度を制御するようにしてもよい。
1 温度コントローラ
2 ステアリングホイール
3 熱源素子
4 温度センサ
5 ナビゲーション装置
6 接近センサ
7 注意力判定器
8 熱源素子用電源
10 情報伝達手段
20 リム
21 ハブ
22 スポーク
30 冷デバイス
31 温デバイス
40 サーミスタ
100 ステアリング装置
D1 長手方向
D2 断面円周方向
L 左手把持部分
R 右手把持部分
2 ステアリングホイール
3 熱源素子
4 温度センサ
5 ナビゲーション装置
6 接近センサ
7 注意力判定器
8 熱源素子用電源
10 情報伝達手段
20 リム
21 ハブ
22 スポーク
30 冷デバイス
31 温デバイス
40 サーミスタ
100 ステアリング装置
D1 長手方向
D2 断面円周方向
L 左手把持部分
R 右手把持部分
Claims (5)
- 把持部材表面に配置され、操作者の皮膚に触れる接触面の温度を変化させる複数の熱源部を備える把持部材温度制御装置であって、
操作者に伝えようとする情報に応じて前記接触面の温度を変化させる情報伝達手段を更に備える、
ことを特徴とする把持部材温度制御装置。 - 前記情報伝達手段は、操作者に伝えようとする情報に応じて左手把持部分の接触面と右手把持部分の接触面との間に所定幅の温度差を発生させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の把持部材温度制御装置。 - 前記情報伝達手段は、伝えようとする情報に応じて、比較的高温の部分と比較的低温の部分とで形成される所定の配列の位置を移動させ、或いは、該所定の配列の大きさを変化させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の把持部材温度制御装置。 - 前記情報伝達手段は、所定数の熱源部群を一纏まりとして該纏まり毎に接触面の温度を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の把持部材温度制御装置。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の把持部材温度制御装置を備えるステアリング装置。
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2007
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