JP2008307817A - 平版印刷版支持体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

平版印刷版支持体の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】酸性の表面処理液中にMnイオンが多く存在することによって生じる種々の不具合を解消することができる平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装置の提供。
【解決手段】平版印刷版用支持体の製造方法において、少なくとも、Mnを含有するアルミニウム合金板を酸性の表面処理液を用いて表面処理する工程、及び該表面処理液からMnイオンを回収することにより、該表面処理液中のMnイオン濃度を減少させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、平板印刷版用支持体の製造方法及び製造装置に関する。
一般に、オフセット印刷には、感光性平版印刷版(以下「PS版」という)が利用されている。
このようなPS版の製造ラインでは、例えば、アルミニウム製等の長尺の帯状薄板材を順次引き出して、砂目立て処理、陽極酸化処理、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて連続的に行って平版印刷版用支持体を作製し、次いで、該平版印刷版用支持体に感光液を塗布して感光層を形成した後、所望のサイズに裁断してPS版が製造されている。
平版印刷版用支持体を製造する際、アルミニウム原材料は、Al>99.7%の地金を溶解し、鋳造、圧延、熱処理などを行って板状に加工される。この際、アルミニウム板に各種機能を発現させるために、機能に応じた特定の金属元素をアルミニウム原材料に添加してアルミニウム合金板とする場合がある。例えば、強度を高めるために、Mn、Mg、Fe、Si等の金属元素をアルミニウム原材料に添加して、アルミニウム合金板とする場合がある。あるいは、表面処理性を変えるために、Cu、Zn、Mg、Si、Pb、Cr等の金属元素をアルミニウム原材料に添加して、アルミニウム合金板とする場合がある(特許文献1〜11等参照)。
平版印刷版用支持体の製造工程では、アルミニウム板の表面に粗面化処理、陽極酸化処理を施し、必要に応じて親水化処理を施す。その後、製造された平版印刷版用支持体上に画像記録層を形成し、所望のサイズに裁断することでPS版が製造される。以下、本明細書において、アルミニウム板の表面に施される粗面化処理、陽極酸化処理、親水化処理を総じて表面処理工程と称する。この表面処理工程では、酸性の表面処理液、アルカリ性の表面処理液、及び水洗水が適宜使用される。表面処理液には、アルミニウム板の一部が溶出し、蓄積する。アルミニウム板として、アルミニウム合金板を使用した場合、アルミニウム以外に、合金中に含まれる他の金属成分が表面処理液中に溶出し、蓄積することで、徐々に表面処理液中のこれら金属成分が増加する。このため、表面処理液の組成は初期状態に比べて徐々に変化する。また、表面処理液中に溶出した金属成分の一部は、アルミニウム合金板の表面に析出し、この状態で後工程に搬送されると、画像記録層を塗布する際に悪影響を及ぼす不具合があった。また、表面処理液中に溶出した金属成分の一部は、表面処理液を貯留しておくタンク内や、アルミニウム合金板の表面処理を行う処理槽内において蓄積することで、タンク内や処理槽内の汚染の原因になる。それらの清掃のために、製造設備を長時間停止する必要が生じることもある。
本願出願人は、アルミニウム支持体に通電して陽極酸化表面処理を行う際に、アルミニウム支持体に不純物として含まれる銅が電解液中に銅イオンとして溶出することによって生じる不具合を解消するため、陽極酸化表面処理を行う電解槽内の電解液から銅イオンを回収することにより、電解液中の銅イオン濃度を減少させることを特徴とするアルミニウム支持体の表面処理方法、装置を特許文献12に開示している。
特開平5−96875号公報 特開平5−309964号公報 特開平6−92051号公報 特開平6−192779号公報 特開2005−42187号公報 特開2007−63586号公報 特開2005−238737号公報 特開平11−286183号公報 特開2005−35034号公報 特開2003−80857号公報 特開平7−145495号公報 特開2005−60781号公報
本発明者らは、アルミニウム合金中に含まれるアルミニウム以外の金属成分が表面処理液中に溶出することによって生じる不具合について鋭意検討した結果、アルミニウム合金中に含まれるマンガンが酸性の表面処理液中に溶出し、該表面処理液中にイオンの形で存在すると、種々の不具合を生じることを見出した。
例えば、平版印刷版の製造時に実施される電解粗面化処理工程においては、通常交流電源を用いて、酸性の表面処理液(酸性電解液)中にてアルミニウム合金板に交流電流を印加することで、アルミニウム合金板がプラス時のアノード反応にてアルミニウムの溶解(ピットと呼ぶ穴の形成)が起こり、アルミニウム合金板がマイナス時のカソード反応にて、穴発生部にスマットと呼ぶ水酸化アルミニウムを主成分とした生成物が形成することで全体に均一なピットを形成する。ここで、酸性電解液中にマンガンイオンが存在すると、カソード反応時にスマット形成を抑制する作用があり、ピットが不均一になる不具合があることを本発明者らは見出した。具体的には、電解粗面化処理で使用する硝酸電解液中にマンガンイオンが多く存在すると、電解粗面化時に粗大な集中ピットが形成されやすくなり、ピットが不均一になる不具合がある。また、電解粗面化処理で使用する塩酸電解液中にマンガンイオンが多く存在すると、未エッチ(ピットが形成されない部分)が生じ易くなる不具合がある。
また、平版印刷版の製造時において、酸性の表面処理液中に溶出したマンガンが、その後、アルミニウム合金板の表面に析出する場合があり、この状態で後工程に搬送されると、画像記録層を塗布する際に悪影響を及ぼす。
さらにまた、平版印刷版の製造時において、酸性の表面処理液中、例えば、陽極酸化処理やデスマット処理で使用する硫酸水溶液中にマンガンイオンが多く存在すると、硫酸水溶液がピンク色に着色する不具合を生じ、液を早期に交換する必要が生じる。
さらにまた、資源保護の観点から、表面処理液やその水洗水を中和処理した後、液中に含まれる水酸化アルミニウムを回収して再利用することが行われているが、液中にマンガンイオンが多く混入していると、中和処理の際にマンガンイオンがマンガンの水酸化物あるいは酸化物になることにより、本来白色の水酸化アルミニウムが黒色又は灰色に着色し、再利用できなくなり、系外に排出される表面処理液の利活用が阻害されるという不具合がある。
上記の不具合は、表面処理液を早期に交換することで解決できるが、これには経済的にデメリットが多い。
特許文献12には、アルミニウム支持体を陽極酸化処理する際に、アルミニウム支持体に不純物として含まれる銅が電解液中に銅イオンとして溶出することによって生じる不具合を解消するため、陽極酸化処理工程中に溶出した銅イオンを除去する方法が示されているが、銅以外の金属成分が表面処理液中に溶出することによって不具合が生じるとは記載されておらず、特許文献12に記載の方法により、銅以外の金属成分を除去できるとも記載されていない。特許文献12に記載の方法は、銅イオン除去手段として、銅よりもイオン化傾向の大きい金属部材を浸漬させた銅イオン除去槽を用いることにより、銅と金属部材とのイオン化傾向の差によって、銅イオンを金属銅として析出させる方法である。この方法でマンガンイオンの除去を試みた場合、マンガンよりもイオン化傾向が小さい銅が析出してしまい、マンガンイオンを金属マンガンとして析出させて除去することはできない。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、平版印刷版用支持体の製造時に使用される酸性の表面処理液中のMnイオン濃度を減少させることにより、該表面処理液中にMnイオンが多く存在することによって生じる種々の不具合を解消して、製造される平版印刷版支持体の品質の安定化、表面処理工程の安定化、及び系外に排出される表面処理液の利活用阻害の回避を達成する平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法において、少なくとも、Mnを含有するアルミニウム合金板を酸性の表面処理液を用いて表面処理する工程、及び該表面処理液からMnイオンを回収することにより、該表面処理液中のMnイオン濃度を減少させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法を提供する。
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法において、前記アルミニウム合金板が、Mnを0.01〜1.0wt%を含有することが好ましい。
また、本発明は、平版印刷版用支持体の製造装置であって、少なくとも、酸性の表面処理液を貯留する表面処理槽と、長尺のアルミニウム合金板を前記表面処理槽内に貯留された表面処理液に浸漬させながら搬送する搬送手段と、前記表面処理槽内から抜き出した表面処理液中にあるMnよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段と、前記表面処理槽内から抜き出した表面処理液中にあるMnイオンを除去する手段と、を有する平版印刷版支持体の製造装置を提供する。
本発明の平版印刷版用支持体の製造装置において、前記Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段と、前記Mnイオンを除去する手段と、が、この順に連接して設けられていることが好ましい。
本発明の平版印刷版用支持体の製造装置において、前記Mnイオンよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段が、前記表面処理液が貯留されると共に、前記Mnよりイオン化傾向が低い金属よりもイオン化傾向の大きい金属部材が浸漬される、Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンの除去槽であり、前記Mnイオンを除去する手段が、前記表面処理液が貯留されると共に、前記Mnよりもイオン化傾向の大きい金属部材が浸漬される、Mnイオン除去槽であることが好ましい。
本発明の平版印刷版用支持体の製造装置において、前記Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンの除去槽及び前記Mnイオン除去槽のうち少なくとも一方において、前記表面処理液に浸漬された前記金属部材に電源の陰極を接続し、前記表面処理液に浸漬した不溶性の導電性部材に電源の陽極を接続して電流を流すことが好ましい。
本発明によれば、平版印刷版用支持体の製造時で使用される酸性の表面処理液中のMnイオンを回収し、該表面処理液中のMnイオン濃度を減少させることにより、該表面処理液中にMnイオンが存在することによって生じる種々の不具合を解消して、製造される平版印刷版支持体の品質の安定化、表面処理工程の安定化、及び系外に排出される表面処理液の利活用阻害の回避を達成することができる。
また、本発明によれば、該表面処理液中の他の微量金属元素(Cu,Mg,Zn,Fe,Si,Cr,Pb等)のイオンも除去することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<アルミニウム合金板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法に用いられるアルミニウム合金板は、必須成分として、AlおよびMnを含有する。ここで、アルミニウム合金板がMnを含有すると言った場合、不可避不純物として、Mnを含有することではなく、アルミニウム合金板の機械的強度および電気化学的粗面化性を向上させるために、Mnを積極的に含有させたものを指す。
Mnは、新地金の中に極微量含有される。Mnは、比較的アルミニウム中に固溶しやすく、Alや、アルミニウム合金板中に任意に含有されるFe、Si等と金属間化合物を形成する。Mnは、アルミニウム合金板の機械的強度を向上させるとともに、アルミニウム合金板の電気化学的粗面化性に影響を及ぼす。本発明で用いられるアルミニウム合金板は、Mnを0.01〜1質量%含有することが好ましい。平版印刷版用支持体に要求される特性(機械的強度、電気化学的粗面化性)を満たすためには、Mnを0.01質量%以上含有することが好ましい。しかしながら、Mn含有量が0.01質量%以上になると、表面処理液中へのMnの溶出が顕在化し始める。Mn含有量を0.3質量%以上にすると、機械的強度を向上させる効果が大きくなる。Mnを更に増やすことで一層機械的強度が向上する。但し、Mn含有量を1質量%超とすると、平版印刷版用支持体としては過度に高強度化するため、現実的ではない。
本発明で用いられるアルミニウム合金板は、MnおよびAl以外の金属元素を任意に含有してもよい。アルミニウム合金板が任意に含有してもよい元素の代表的なものはFe、SiおよびCuである。
Feは、新地金においても、一般に0.1〜0.2質量%前後含有される金属元素で、アルミニウム中に固溶する量は少なく、ほとんどが金属間化合物として残存する。Feは、アルミニウム合金の機械的強度を高める作用があるが、1質量%より多いと圧延途中に割れが発生しやすくなる。また、Fe含有量を0.1質量%未満にするのは現実的ではない。金属間化合物としては、Al3FeおよびAl6Feや、AlFeSi系化合物およびAlFeSiMn系化合物(アルミニウム合金板がSiを含有する場合)等が代表的である。
Siは、新地金においても、一般に0.02〜0.1質量%前後含有される金属元素である。Siは、アルミニウム中に固溶した状態で、または、金属間化合物もしくは単独の析出物として存在する。また、平版印刷版用支持体の製造過程で加熱されると、固溶していたSiが単体Siとして析出することがある。単体Siが過剰の場合、耐苛酷インキ汚れ性が低下する。また、Si含有量は、アルミニウム合金板の電気化学的粗面化性に影響を及ぼす。金属間化合物としては、AlFeSi系化合物およびAlFeSiMn系化合物(アルミニウム合金板がFeを含有する場合)、Mg2Si(アルミニウム合金板がMgを含有する場合)等が代表的である。
Cuは、一般に新地金の中に極微量含有される金属元素である。Cuは、比較的アルミニウム中に固溶しやすい。Cuは、アルミニウム合金板の電気化学的粗面化性に大きく影響を及ぼすため、必要な電気化学的粗面化性に応じて、0.2質量%以下の範囲で含有させることが好ましい。
本発明で用いられるアルミニウム合金板には、Fe、Si、Cu以外に、機械的強度を高めるためや、電気化学的特性を変えるためにMg、Zn、Ni等が添加される場合がある。このような目的でMg、Zn、Ni等を添加する場合、アルミニウム合金板中に各々0.01〜1.5質量%含有させることが好ましい。
また、アルミニウムを鋳造する際、結晶微細化剤として、Ti、B等が添加されることが多い。結晶微細化材として、Tiを添加する場合、0.01〜0.05質量%添加することが好ましい。結晶微細化材として、Bを添加する場合、0.05質量%以下添加することが好ましい。
アルミニウム板の残部は、Alとその他の不可避不純物からなる。不可避不純物の大部分は、Al地金中に含有される。不可避不純物は、例えば、Al純度99.7%の地金に含有されるものであれば、本発明の効果を損なわない。不可避不純物については、例えば、L.F.Mondolfo著「Aluminum Alloys:Structure and properties」(1976年)等に記載されている量の不純物が含有されていてもよい。アルミニウム合金に含有される不可避不純物としては、例えば、Ga、V、Cr、Pb、Sn等が挙げられる。各種のリサイクル材を原材料として使用した場合も同様に、リサイクル材の元の組成に応じて種々の合金成分が混入する。
アルミニウム合金を板材とするには、例えば、下記の方法を採用することができる。まず、所定の合金成分含有量に調整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、清浄化処理を行い、鋳造する。清浄化処理においては、溶湯中に混入している水素等の不要ガスや、固形の不純物を除去する。不要ガスを除去する清浄化処理としては、例えば、フラックス処理;アルゴンガス、塩素ガス等を用いる脱ガス処理が挙げられる。また、固形の不純物を除去する清浄化処理としては、例えば、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アルミナボール等をろ材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を用いるフィルタリング処理が挙げられる。また、脱ガス処理とフィルタリング処理とを組み合わせた清浄化処理を行うこともできる。
これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物、酸化物等の異物による欠陥や、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐため、実施されるのが好ましい。溶湯のフィルタリング処理としては、例えば、特開平6−57342号公報、特開平3−162530号公報、特開平5−140659号公報、特開平4−231425号公報、特開平4−276031号公報、特開平5−311261号公報および特開平6−136466号公報に記載されている方法を用いることができる。また、溶湯の脱ガス処理としては、例えば、特開平5−51659号公報、特開平5−51660号公報、特開平5−49148号公報および特開平7−40017号公報に記載されている方法を用いることができる。
ついで、アルミニウム合金溶湯を、DC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる鋳造法、および、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる鋳造法のいずれかにより鋳造する。DC鋳造法を用いる場合には、1〜300℃/秒の範囲の冷却速度で凝固される。冷却速度が1℃/秒未満であると、粗大な金属間化合物が多数形成される場合があるので好ましくない。連続鋳造法としては、双ロール法および3C法に代表される冷却ロールを用いる方法と、双ベルト法およびアルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトまたは冷却ブロックを用いる方法とが工業的に行われている。連続鋳造法を用いる場合には、100〜1000℃/秒の範囲の冷却速度で凝固される。一般的に連続鋳造法は、DC鋳造法に比べて冷却速度が速いため、アルミニウムマトリックスに対する合金成分の固溶度を高くできるという特徴がある。連続鋳造法に関しては、例えば、特開平3−79798号公報、特開平5−201166号公報、特開平5−156414号公報、特開平6−262203号公報、特開平6−122949号公報、特開平6−210406号公報および特開平6−262308号公報に記載されている方法を用いることができる。
DC鋳造法の場合、板厚300〜800mmの鋳塊が製造されるので、常法に従い、面削により表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmが切削される。その後、必要に応じて、均熱化処理が行われる。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化しないように、450〜620℃で1〜48時間の熱処理を行う。1時間未満の場合は、均熱化処理の効果が不十分となることがある。金属間化合物の安定化の必要がない場合、均熱化処理は省略することができる。
その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアルミニウム合金板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は350〜500℃が適当である。冷間圧延の前もしくは後、またはその途中において、中間焼鈍処理を行ってもよい。その条件は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱するかである。連続焼鈍炉を用いて10℃/秒以上の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。熱間圧延終了時点で、結晶組織が微細であれば、中間焼鈍は省略してもよい。冷間圧延に関しては、例えば、特開平6−210308号公報に記載されている方法を用いることができる。
所定の厚さ、例えば、0.1〜0.7mmに仕上げられたアルミニウム板は、更にローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。また、所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通すことも通常行われる。
連続鋳造の場合、例えば、双ロール法等の冷却ロールを用いる方法によれば、板厚1〜10mmの鋳造板を直接連続鋳造圧延することができ、熱間圧延の工程を省略することができるという利点がある。また、双ベルト法等の冷却ベルトを用いる方法によれば、板厚10〜50mmの鋳造板を鋳造することができ、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ロールを用いて連続的に圧延することにより、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。これらの方法により得られた連続鋳造圧延板は、DC鋳造の場合において述べたように、冷間圧延、中間焼鈍、平面性改善、スリット等の工程を経て、所定の厚さ、例えば、板厚0.1〜0.7mmに仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍および冷間圧延の条件については、例えば、特開平6−220593号公報、特開平6−210308号公報、特開平7−54111号公報および特開平8−92709号公報に記載されている方法を用いることができる。
上記手順で作製したアルミニウム合金板から平版印刷版用支持体を製造する際、該アルミニウム合金板に対して以下に述べる表面処理が施される。これらの表面処理を全て施すことは必ずしも要求されないが、粗面化処理および陽極酸化処理は必須である。また、これらの表面処理の回数は特に限定されず、2回以上の複数回施してもよい。
<粗面化処理(砂目立て処理)>
アルミニウム合金板は、好ましい形状に砂目立て処理される。砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的砂目立て、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に、塩酸電解液中または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て法(電気化学的粗面化処理、電解粗面化処理)や、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法等の機械的砂目立て法(機械的粗面化処理)を用いることができる。これらの砂目立て法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。例えば、ナイロンブラシと研磨剤とによる機械的粗面化処理と、塩酸電解液または硝酸電解液による電解粗面化処理との組み合わせや、複数の電解粗面化処理の組み合わせが挙げられる。
ブラシグレイン法の場合、研磨剤として使用される粒子の平均粒径、最大粒径、使用するブラシの毛径、密度、押し込み圧力等の条件を適宜選択することによって、平版印刷版用支持体表面の長い波長成分(大波)の凹部の平均深さを制御することができる。ブラシグレイン法により得られる凹部は、平均波長が2〜30μmであるのが好ましく、平均深さが0.3〜1μmであるのが好ましい。
電気化学的粗面化方法としては、塩酸電解液中または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法、すなわち、塩酸電解液または硝酸電解液を用いた電解粗面化処理が好ましい。好ましい電流密度は、陽極時電気量50〜400C/dm2である。更に具体的には、例えば、0.1〜50質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中で、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dm2の条件で直流または交流を用いて行われる。塩酸電解液または硝酸電解液を用いた電解粗面化処理によれば、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、画像記録層と支持体との密着性を高くすることができる。
上記したように、塩酸電解液または硝酸電解液を用いた電解粗面化処理は、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、画像記録層と支持体との密着性を高くすることができることから、アルミニウム合金板を砂目立て処理するのに好適である。しかしながら、塩酸電解液または硝酸電解液を用いて電解粗面化処理すると、アルミニウム合金中のMnやその他の微量金属元素(Cu,Mg,Zn,Fe,Si,Cr,Pb等)がAlと共に、塩酸電解液中または硝酸電解液中に溶出し、イオンの形で存在する。ここで、硝酸電解液中のMnイオンが増加すると、電解粗面化処理によるピット生成が不均一になり、特には一カ所に電解ピットが集中して形成される「集中ピット」が形成される。一方、塩酸電解液中のMnイオンが増加すると、電解粗面化処理によるピット生成の際、部分的にピットが生成されない「未エッチ」という現象がおこり、結果的に不均一な粗面化形状になる。したがって、アルミニウム合金板の砂目立て処理として、塩酸電解液または硝酸電解液を用いた電解粗面化処理を行う場合、塩酸電解液中または硝酸電解液中に溶出したMnイオンを除去して、該電解液中のMnイオン濃度を減少させることが重要である。
<アルカリエッチング処理>
このように砂目立て処理されたアルミニウム合金板は、アルカリ性の表面処理液により化学的にエッチングされるのが好ましい。本発明において好適に用いられるアルカリ性の表面処理液は、特に限定されないが、例えば、カセイソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。アルカリエッチング処理の条件は、Alの溶解量が0.05〜5.0g/m2となるような条件で行うのが好ましく、特に、電気化学的粗面化の後に行う場合は、Alの溶解量が0.5g/m2以下となるような条件で行うのが好ましい。また、他の条件も、特に限定されないが、アルカリ性の表面処理液の濃度は1〜50質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、また、アルカリ性の表面処理液の温度は20〜100℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。アルカリエッチング処理は、1種の方法に限らず、複数の工程を組み合わせることができる。アルカリエッチング処理の際にも、アルミニウム合金中のMnやその他の微量金属元素がAlと共に、アルカリ性の表面処理液中に溶解するが、これらはアルカリ性の表面処理液中で酸化物または水酸化物の形で存在するため、酸性の表面処理液中にMnがイオンの形で存在する場合のような不具合を生じることがない。
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する水酸化物、あるいは酸化物等からなる生成物(スマット)が存在する。これを除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。特に、電解粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸水溶液と接触させる方法が挙げられる。このデスマット処理においても、アルミニウム合金中のMnやその他の微量金属元素がAlと共に、酸性の表面処理液中に溶出し、イオンの形で存在する。酸性の表面処理液中、例えば、硫酸水溶液中のMnイオンの濃度が高くなると、硫酸水溶液がピンク色に着色する不具合が生じ、液を早期に交換する必要が生じる。
<陽極酸化処理>
以上のように処理されたアルミニウム合金板には、更に、表面硬化、および画像記録層との密着性向上を目的に、陽極酸化処理が施される。この処理では、陽極酸化皮膜が形成され、その表面にはマイクロポアというきわめて微細な凹部が形成される。具体的には、硫酸を主成分とし、必要に応じて、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等の他の酸を組み合わせた硫酸電解液中で、アルミニウム合金板に直流または交流を流すことで、アルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
このマイクロポアには、画像記録層との密着性を向上させる効果がある。この陽極酸化処理では、酸化被膜の生成と同時にAlの溶解が起こり、この際、アルミニウム合金中のMnやその他の微量金属元素も硫酸電解液中に溶出する。硫酸電解液中のMnイオンの濃度が高くなると、硫酸電解液がピンク色に着色する不具合が生じ、液を早期に交換する必要が生じる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜15質量%、液温−5〜40℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜200V、電解時間10〜200秒であるのが適当である。
陽極酸化皮膜の量は1〜5g/m2であるのが好ましい。1g/m2未満であると版に傷が入りやすくなり、一方、5g/m2を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の量は、1.5〜4g/m2 であるのがより好ましい。
<アルカリ金属ケイ酸塩処理>
上記の処理によって、陽極酸化皮膜が形成された平版印刷版用支持体は、必要に応じて、親水化処理として、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液を用いて浸せき処理する。この処理ではAlの溶解量がきわめて少なく、Mnの溶出も無視できる量である。
処理条件は、特に限定されないが、例えば、濃度0.01〜5.0質量%の水溶液を用いて、温度5〜40℃で、1〜60秒間浸せきし、その後、流水により洗浄する。より好ましい浸せき処理温度は10〜40℃であり、より好ましい浸せき時間は2〜20秒間である。
本発明に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩は、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を適当量含有してもよい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法では、上記した表面処理のうち、酸性の表面処理液を用いる表面処理において、アルミニウム合金板から酸性の表面処理液中に溶出したMnイオンを回収することにより、該表面処理液中のMnイオン濃度を減少させることを特長とする。ここで、表面処理液中のMnイオン濃度を減少させることにより、表面処理液中にMnが多く存在することによって生じる種々の不具合を解消することができればよく、表面処理液中のMnイオンを完全に除去する必要はない。なお、上記した表面処理のうち、塩酸電解液または硝酸電解液を用いた電解粗面化処理、デスマット処理および陽極酸化処理が酸性の表面処理液を用いる表面処理である。
以下、表面処理液中に溶出したMnイオンを回収する手段について、図面を用いて説明する。
図1は、平版印刷版用支持体の製造装置のうち、アルミニウム合金板の表面処理に用いる表面処理装置の一構成例を示した概略構成図である。
図1に示す表面処理装置10は、帯状のアルミニウム合金板12を酸性の表面処理液20中に浸漬させることにより、該アルミニウム合金板を連続的に表面処理するように構成されている。
図1に示す表面処理装置10は、長尺帯状のアルミニウム合金板12を、表面処理槽18に貯留された酸性の表面処理液20中に浸漬させる搬送路上を連続的に搬送する搬送手段を構成するため、複数の搬送ローラ14及び複数のパスローラとしてのガイドローラ16が搬送路上の各所定位置に配置されている。
ガイドローラ16は、それぞれアルミニウム合金板12の表面へ所定の圧接力で圧接し、転接してガイドする。このように搬送されるアルミニウム合金板12は、その長手方向に弛みがでないように所要の張力で引っ張られながら搬送される。ガイドローラ16は、その表層部がアルミニウム合金板12に対する保護性及び酸性の表面処理液に対する化学的な安定性を持たせるため、例えば、柔軟性に富み、化学的な安定性も高いクロロプレンゴムを素材として形成する。
表面処理を実施しない状態では、表面処理液20は表面処理槽18の鉛直下方に設置された液貯留タンク24に蓄えられている。表面処理を行う際にポンプ26および給液配管28を使って表面処理槽18に送液される。表面処理槽18中の表面処理液20はリターン配管22を通って液貯留タンク24に戻される。
アルミニウム合金板12を表面処理すると、アルミニウム合金中のMnやその他の微量金属元素(Cu,Mg,Zn,Fe,Si,Cr,Pb等)がAlと共に表面処理液20中に溶出し、該表面処理液20中にイオンの形で存在する。表面処理液20中の酸濃度、およびAlイオン濃度は、液貯留タンク24に接続された液物測系のシステム(図示しない)で測定され、測定された濃度に応じて、液添加系システム(図示しない)によって、表面処理液20の調整用原料(例えば、酸、水等)の補充を行い、表面処理液20の酸濃度およびAlイオン濃度を一定に保つ。
一方、表面処理液20中に溶出したMnイオンや、アルミニウム合金に含まれる他の微量金属元素のイオンは、液貯留タンク24に貯留した表面処理液20を回収系システムに送ることにより、除去され、回収される。このため、液貯留タンク24に貯留された表面処理液20は、回収配管30およびポンプ32を使ってイオン除去手段33,45に送られる。イオン除去手段33,45は、比較的小型の貯液槽34,46を有し、該貯液槽内部に貯留した表面処理液20に浸漬するように、除去対象となる金属よりもイオン化傾向の大きい金属片部材36,48(この金属片部材は、単一の金属片で構成し、又は多数の金属片で構成しても良いし、さらにはメッシュ構造のフィルタ状に構成してもよい。また、金属片部材の形状は特に限定されず、板状であってもよいし、管状であってもよい。)を配置し、除去対象となる金属とのイオン化傾向の差によって、金属片部材36,48上に、除去対象となる金属イオンを金属として析出させて、除去する。本発明において、主たる除去対象であるMnイオンを例にとると、金属片部材としてMnよりもイオン化傾向の大きい金属片部材、例えば、Al、Pb、Fe、Sn等を金属片部材として用いることにより、Mnとのイオン化傾向の差によって、金属片部材上にMnイオンを金属Mnとして析出させて除去する。但し、金属片部材として、Alを用いることが望ましい。これは、Alがアルミニウム合金板12から溶出して表面処理液20中に多く存在しているため、表面処理液20中に溶解しても不純物とならない為である。
さらに、イオン除去手段33,45では、金属片部材36,48、すなわち、除去対象となる金属よりもイオン化傾向の大きい金属片部材に加えて、不溶性の導電性の材料、例えば、Ti,Ptで構成した金属片部材38,50を、貯液槽34,46に貯留した表面処理液20に浸漬するように配置し、金属片部材36,48が陰極、金属片部材38,50が陽極となるように、直流電源40,52から電流を流すことによって、除去対象となる金属イオンを金属として電解析出させても良い。コスト的には、直流電源を使用しない前者が、効率的には後者がそれぞれ望ましく、目的に応じて選択することができる。なお、後者の場合、析出用電極側、すなわち、陰極側の電位が−0.5V以下となるように電流を流すことが好ましく、望ましくは−3V以下、更に望ましくは−5V以下、更に望ましくは−10V以下となるように電流を流す。
上記した手段で表面処理液中のMnイオンを金属片部材36,48上に金属Mnとして析出させるうえで留意すべき点がある。上記した手段は、Mnよりもイオン化傾向が大きい金属片部材を用いることにより、金属片部材とMnとのイオン化傾向の差によって、表面処理液中のMnイオンを金属片部材36,48上に金属Mnとして析出させて除去するため、表面処理液中にMnよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンが存在すると、イオン化傾向がより小さい金属が優先的に析出してしまい、Mnイオンを金属Mnとして析出させて除去することができない。表面処理液中のMnイオンを金属Mnとして電解析出させて除去する場合も、イオン化傾向が小さい金属が優先的に析出するため、同じ問題を抱えることとなる。
平版印刷版用支持体の製造に用いるアルミニウム合金板は、通常、Mnよりもイオン化傾向が小さい金属を含有している。このような金属の具体例としては、Cuが挙げられる。
上記の問題を解決するため、図1に示す表面処理装置10のように、2つのイオン除去手段34,46を、ライン44を介して連接して設けて、上流側に位置するイオン除去手段33で、Mnよりイオン化傾向が小さい金属のイオン、例えば、Cuイオンを金属Cuとして金属片部材36上に析出させて除去してから、下流側に位置するイオン除去手段46で、Mnイオンを金属Mnとして金属片部材48上に析出させて除去することが好ましい。これにより、表面処理液20中のMnイオンを効率よく回収することができる。しかも、イオン除去手段34でMnよりイオン化傾向が小さい金属のイオン、例えば、Cuイオンを、金属Cuとして金属片部材36上に析出させて除去することにより、特開2005−60781号公報に記載の効果を享受することができる。
また、表面処理液20中のMnイオンの量が比較的少ない場合、イオン除去手段46でMnよりもイオン化傾向が大きい金属(例えば、Mg,Zn,Fe,Si,Cr,Pb等)のイオンを、金属として金属片部材48上に析出させて除去することもできる。
イオン除去手段33で表面処理液20中に浸漬させる金属片部材36には、除去対象となる金属(Mnよりもイオン化傾向が小さい金属)よりも、イオン化傾向が大きい金属を用いる。例えば、除去対象がCuイオンである場合、金属片部材36としてCuよりもイオン化傾向の大きい金属片部材、例えば、Al、Pb、Fe、Sn等を金属片部材として用いることにより、Cuとのイオン化傾向の差により、表面処理液中のCuイオンを、金属Cuとして金属片部材上に析出させて除去することができる。但し、上述した理由から、金属片部材としてAlを用いることが望ましい。
イオン除去手段33において、除去対象となる金属(Mnよりもイオン化傾向が小さい金属)のイオンを金属として金属片部材36上にさせて除去する際、直流電源40から電流を流すことなしに、除去対象となる金属(Mnよりもイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。)と、金属片部材36と、のイオン化傾向の差のみによって、除去対象となる金属イオンを、金属として金属片部材36上に析出させて除去してもよいし、直流電源40から電流を流すことにより、除去対象となる金属イオンを金属として電解析出させて除去しても良い。いずれの方法を用いるかは、コスト面および効率面の兼ね合いに応じて、適宜選択すればよい。
イオン除去手段45において、Mnイオンを金属Mnとして金属片部材48上に析出させて除去する際、直流電源52から電流を流すことなしに、Mnと、金属片部材48と、のイオン化傾向の差のみによって、表面処理液20中のMnイオンを金属片部材48上に金属Mnとして析出させて除去してもよいが、Mnイオンはイオン除去手段34で除去される金属(例えば、Cu)に比べてイオン化傾向が高いので、直流電源52から電流を流して、表面処理液20中のMnイオンを金属Mnとして金属片部材48上に電解析出させて除去することが好ましい。
Mnイオンよりもイオン化傾向が小さい金属のイオン(例えば、Cuイオン)およびMnイオンが除去された表面処理液20は、ポンプ56およびリターン配管58を使って液貯留タンク24に戻される。
この結果、Mnイオンが除去され、液中のMnイオン濃度が減少した表面処理液20が、ポンプ26および給液配管28を使って表面処理槽18に供給されるため、上記した表面処理液20中のMnイオン濃度が高くなることによって生じる種々の不具合が解消される。
イオン除去手段33,45の貯液槽34,46は、内部に貯留した表面処理液20から析出し沈殿した金属(イオン除去手段34の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段46の場合、Mn)を外部へ抜き出すため、貯液槽34,46の底部をすり鉢状に形成し、その中央の最も低い位置に形成する排出口として、一方の端部を開口する排出用配管が設けられており、該排出用配管の他方の開口端部は、貯液槽34,46の外部で開放され、その中間部に開閉バルブ42,54が設けられている。これにより排出口としての排出用配管は、開閉バルブ42,54を開くことにより、表面処理液20から金属片部材36,48上に析出し、沈殿した金属(イオン除去手段33の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段45の場合、Mn)が、貯液槽34,46のすり鉢状の底面に沿って中央の最も低い位置にある排出用配管の開口に落下し集まってきたところで、表面処理液20と共に外部に抜き出して、金属(イオン除去手段33の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段45の場合、Mn)を回収することができる。
なお、イオン除去手段33,45では、排出用配管を設ける代わりに、図示しないが、貯液槽34,46内に表面処理液20から析出した金属(イオン除去手段34の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段46の場合、Mn)を濾し取るフィルタを配置し、このフィルタを定期的に交換し又は清掃することによって析出した金属(イオン除去手段34の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段46の場合、Mn)を回収しても良い。
また、金属片部材36,48を取り外して清掃することにより、または金属片部材36,48を交換することにより、該金属片部材36,48上に析出した金属(イオン除去手段34の場合、Mnよりイオン化傾向が小さい金属。例えば、Cu。イオン除去手段46の場合、Mn)を回収しても良い。
図1に示す表面処理装置10は、図示した以外の構成を有していてもよい。例えば、酸性の表面処理液を用いた表面処理が、塩酸電解液もしくは硝酸電解液を用いた電解粗面化処理、または陽極酸化処理である場合、液中給電方式による電気化学的な表面処理を行うため、給電用の電源、ならびに該給電用の電源に接続される給電電極および電解電極を有し、該給電電極および該電解電極は、表面処理槽18に貯留された表面処理液20に浸漬するように配置される。
また、イオン除去手段34,46間を接続するライン44には、貯液槽34から貯液槽46に送液するためのポンプを設けてもよい。
また、表面処理液20中のMnイオンの除去効率を高めるため、イオン除去手段46と連接するように、第3、第4のイオン除去手段を設けてもよい。
また、図1に示す表面処理装置10では、液貯留タンク24から出た表面処理液20がイオン除去手段33,45を経由して液貯留タンク24に戻るように構成されているが、表面処理槽18から出た表面処理液20がイオン除去手段33,45を経由して液貯留タンク24に送られるように構成してもよい。
また、図1に示す表面処理装置10では、液貯留タンク24から出た表面処理液20がイオン除去手段33,45を経由して液貯留タンク24に戻る循環経路を構成しているが、液貯留タンク24または表面処理槽18から出た表面処理液20がイオン除去手段33,45を経た後、回収槽(図示しない)に送られるワンスルーの経路を構成してもよい。回収槽に送られたAlイオンを含む表面処理液は、中和処理され、液中に含まれる水酸化アルミニウムを回収して再利用される。この際、液中にマンガンイオンが混入していると、中和処理の際にマンガンイオンがマンガンの水酸化物あるいは酸化物になることにより、本来白色の水酸化アルミニウムが黒色又は灰色に着色し、再利用できなくなるが、本発明では、イオン除去手段で液中のMnイオンを除去されているので、このような不具合が生じることがない。
以下の手順で平版印刷版を作製した。
下記3種のAl材料を用意した。Al材料はそれぞれ、DC鋳造、均熱処理、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を行い、厚さ0.24mm、幅1060mm、長さ約6000mのアルミニウム合金板を作製し、コイル状に仕上げ、試験に使用した。
[Al材料1]
Mnを0.3質量%含み、その他の微量金属元素として、Mgを0.3質量%、Feを0.25質量%、Siを0.1質量%、Znを0.03質量%およびCuを0.06質量%を含有し、不可避不純物として、Crを0.006質量%およびPbを0.002質量%含むAl材
[Al材料2]
Mnを0.06質量%含み、その他の微量金属元素として、Mgを0.05質量%、Feを0.3質量%、Siを0.08質量%、Znを0.01質量%およびCuを0.03質量%含有し、不可避不純物として、Crを0.001質量%およびPbを0.001質量%含むAl材
[Al材料3]
Mnを0.002質量%含み、その他の微量金属元素として、Mgを0.003質量%、Feを0.3質量%、Siを0.08質量%、Znを0.003質量%およびCuを0.03質量%含み、不可避不純物として、Crを0.0005質量%およびPbを0.0005%含むAl材
なお、Al材料1,2は、本願が対象とする、機械的強度および電気化学的粗面化を向上させるためにMnを含有させたアルミニウム合金材料である。Al材料3は、従来の1050材組成の平版印刷版用アルミ材であり、極微量のMnを不可避不純物として含有する。
上記手順で作製したコイルをそれぞれ、平版印刷版用支持体の連続製造ラインを通過させた。まず始めに、ブラシロールとパミス懸濁液を使い、表面粗さがRa=0.48μmになるよう機械的粗面化を行った。次に水洗を行った。次にNaOH水溶液(NaOH濃:24質量%、Alイオン濃度:10質量)でアルカリエッチング処理を行った。Alの溶解量は機械的粗面化を行った面(表面)において7g/m2、裏面において2.5g/m2。次に水洗を行った。次に、硝酸水溶液(硝酸濃度:1質量%、30℃)でデスマット処理を行った。次に、硝酸電解液(硝酸濃度:1質量%、Alイオン濃度:0.5質量%)中で交流電源を使用し電気化学的粗面化を行った。通電量は、Al側が陽極となるアノード反応において、150c/dm2とした。次にNaOH水溶液(NaOH濃度:24質量%、Alイオン濃度:10質量%)でアルカリエッチング処理を行った。Alの溶解量は表面において5g/m2、裏面において1.5g/m。次に水洗を行った。次に、硫酸水溶液(硫酸濃度:15質量%、イオン濃度:Al0.5質量%)を用いてデスマット処理を行った。次に水洗を行った。次に、塩酸電解液(塩酸濃度:0.7質量%、Alイオン濃度:0.5質量%)中で交流電源を使用し電気化学的粗面化を行った。通電量は、Al側が陽極となるアノード反応において、60c/dm2とした。次にNaOH水溶液(NaOH濃度:5質量%、Alイオン濃度:1質量%)でアルカリエッチング処理を行った。Alの溶解量は表面において0.2g/m2、裏面において0.05g/m2。次に、硫酸水溶液(硫酸濃度:15質量%、Alイオン濃度:0.5質量%)を用いてデスマット処理を行った。次に、硫酸電解液(硫酸濃度:15質量%、Alイオン濃度:0.5質量%)中で直流電源を用いて、平均電圧30Vで陽極酸化処理を行い、陽極酸化皮膜を3g/m2形成させた。次に水洗を行った。その後、ケイ酸ソーダ液中で親水化処理を行った。更に、表面を水洗、乾燥後下塗り層、感光層を設けることで平版印刷版を製造した。
上記の手順で3種のAl材料から作製したアルミニウム合金板各10コイルずつについて、酸性の表面処理液を用いた表面処理を行い、それぞれ表面処理液がどのように変化するか調べた。なお、上記の手順のうち、硝酸水溶液もしくは硫酸水溶液を用いたデスマット処理、硝酸電解液もしくは塩酸電解液を用いた電解粗面化、および硫酸電解液を用いた陽極酸化処理が酸性の表面処理液を用いた表面処理である。これらのうち、硝酸若しくは塩酸を用いた電解粗面化処理、および硫酸電解液を用いた陽極酸化処理について、表面処理液がどのように変化するか調べた。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す表面処理装置を用いて、酸性の表面処理液に溶出した微量金属元素のイオンの除去を試みた。ここで、イオン除去手段33では、金属片部材36としてJIS1070材で作成したアルミ管を使用し、電流を流すことなしに、表面処理液中のCuイオンを、金属Cuとして金属片部材36上に析出させて、除去するのに用いた。イオン除去手段45では、金属片部材48として、JIS1070材で作成したアルミ製電極を使用し、金属片部材48が陰極、不溶性の導電性の材料からなる金属片部材50が陽極になるように直流電源52に接続し、陰極(金属片部材48)の電位が−10Vとなるように電流を流して、Mnイオンを金属Mnとして金属片部材48上に電解析出させた。なお、実施例1における表面処理は、硫酸電解液(硫酸濃度:15質量%、Alイオン濃度:5質量%)を用いた陽極酸化処理である。
上記した3種のAl材料から作製したアルミニウム合金板について、それぞれ10コイル連続で陽極酸化処理を行い、表面処理後の硫酸電解液中に含まれるMnイオンの濃度をICP発光分析装置(島津製作所製)を用いて測定した。併せて、そのほかの微量金属元素(Cu,Mg,Zn,Cr,Fe,Si,Pb)についても濃度を調べた。結果を表1〜3に示す。
また、表面処理後の硫酸電解液の色を目視により確認した。結果を表4に示す。ここで、液が薄いピンク色に着色したものを×、若干着色したものを△、着色していないものを○として評価した。
(実施例2)
本実施例では、実施例1と同様の手順を実施した。但し、図1に示す表面処理装置10において、イオン除去手段45と連接するように、第3のイオン除去手段をさらに設け、Mnイオンの除去を試みた。なお、第3のイオン除去手段は、上記したイオン除去手段45と同様の構成であり、陰極となる金属辺部材の電位が−10Vとなるように電流を流して、Mnイオンを金属Mnとして金属片部材上に電解析出させた。
(比較例1)
実施例1と同様の手順を実施した。但し、イオン除去手段33,45は設けなかった。
(比較例2)
実施例1と同様の手順を実施した。但し、イオン除去手段33は設けなかった。
Figure 2008307817

Figure 2008307817

Figure 2008307817

Figure 2008307817
以上のように、実施例1,2では、従来除去が困難であったMnイオンの除去が可能となる。また併せて、アルミニウム合金に含まれる他の微量金属元素(Mg,Zn,Fe,Si,Cr,Pb)のイオンも除去可能であることが分かった。このような他の微量金属元素も以下の理由から除去することが好ましい。
CrはAl原材料中に、不可避不純物として微量含まれる。特に添加元素としてMn、Mg、Zn、Feを多く含む組成の材料とした場合は、その添加元素を主に含む母合金内にCrが含まれる場合があったり、リサイクル材を原材料として使用した場合に、不純物として混入しやすかったりする。微量であれば電解粗面化特性などに与える影響は少ないが、Crは表面処理工程で溶出後、表面処理液やその水洗水を中和処理した後の水の中に含まれる可能性があり、河川などに放水する際、重金属であることから障害になりうる元素である。そのため、Crは表面処理液から排除する必要がある。
PbもCrと同様の理由で微量混入する場合があり、Crと同様の理由で表面処理液から排除する必要がある。
Mg、Fe,ZnおよびSiは、Mnほど顕著に表面処理性に影響は及ぼさないが、製造工程の各所に再析出し、工程上の故障原因になりうるので、不純物としての表面処理液への混入は少ないほうが好ましい。特に、Znは、CrやPbと同様に、河川などに放水する際、障害になりうる元素であるので、表面処理液から排除する必要がある。
なお、実施例1,2では、イオン除去手段34において、表面処理液中のCuイオンを、金属片部材36上に金属Cuとして析出させて、除去している。
また、実施例1,2では、酸性の表面処理液(硫酸電解液)の着色防止の効果も確認できた。
塩酸電解液を用いた電解粗面化処理および硝酸電解液を用いた電解粗面化処理についても実施例1と同様の手順を実施して、Mnイオンおよび他の微量金属元素の陽イオンの削減効果、ならびに酸性の表面処理液(塩酸、硝酸)の着色防止の効果を確認できた。
(実施例3)
本実施例は実施例1と同様の手順で実施した。但し、イオン除去手段45において、金属片部材48に印加する電位を変えて、酸性の表面処理液20に含まれる、Mnイオン、およびその他の微量金属元素の陽イオンの除去効果(以下、「陽イオンの除去効果」という。)、および表面処理性への影響を調べた。
表面処理は、硝酸電解粗面化処理(硝酸電解液(硝酸濃度:1質量%)使用)、塩酸電解粗面化処理(塩酸電解液(塩酸濃度:0.6質量%)使用)および陽極酸化処理(硫酸電解液(硫酸濃度:15質量%)使用)について調べた。金属片部材48への印加電位は、−0.25V、−0.5V、−1V、−3V、−5V、−9V、−11V、−15V、−19V、−21V、−25V、−29V、−31Vと変えて実施した。
陽イオンの除去効果は、金属片電極48への付着状況を外観評価で三段階評価した。×はほとんど付着せず、△は付着するが少ない、○は十分付着。表面処理性は、表面処理性に影響が現れない場合を○とし、表面処理性が変化した電位を×とし、それ以下の電位については実験を中止した。結果を表5に示す。
Figure 2008307817
表5から明らかなように、金属片部材48における印加電位は、酸性の表面処理液によって最適な範囲が異なることが分かった。共通する点は、−0.5V以下の電位であること。上限は表面処理性への影響の有無によって決まることである。
図1は、アルミニウム合金板の表面処理に用いる表面処理装置の一構成例を示した概略構成図である。
符号の説明
10:表面処理装置
12:アルミニウム合金板
14:搬送ローラ
16:ガイドローラ
18:表面処理槽
20:表面処理液
22,58:リターン配管
24:液貯留タンク
26,32,56:ポンプ
28:給液配管
30:回収配管
33,45:イオン除去手段
34,46:貯液槽
36,38,48,50:金属片部材
40,52:直流電源
42,54:開閉バルブ

Claims (6)

  1. 平版印刷版用支持体の製造方法において、少なくとも、Mnを含有するアルミニウム合金板を酸性の表面処理液を用いて表面処理する工程、及び該表面処理液からMnイオンを回収することにより、該表面処理液中のMnイオン濃度を減少させる工程を含むことを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金板が、Mnを0.01〜1.0wt%含有する請求項1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 平版印刷版用支持体の製造装置であって、少なくとも、酸性の表面処理液を貯留する表面処理槽と、長尺のアルミニウム合金板を前記表面処理槽内に貯留された表面処理液に浸漬させながら搬送する搬送手段と、前記表面処理槽内から抜き出した表面処理液中にあるMnよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段と、前記表面処理槽内から抜き出した表面処理液中にあるMnイオンを除去する手段と、を有する平版印刷版支持体の製造装置。
  4. 前記Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段と、前記Mnイオンを除去する手段と、が、この順に連接して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の平版印刷版用支持体の製造装置。
  5. 前記Mnイオンよりイオン化傾向が低い金属のイオンを除去する手段が、前記表面処理液が貯留されると共に、前記Mnよりイオン化傾向が低い金属よりもイオン化傾向の大きい金属部材が浸漬される、Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンの除去槽であり、前記Mnイオンを除去する手段が、前記表面処理液が貯留されると共に、前記Mnよりもイオン化傾向の大きい金属部材が浸漬される、Mnイオン除去槽であることを特徴とする請求項3または4に記載の平版印刷版用支持体の製造装置。
  6. 前記Mnよりイオン化傾向が低い金属のイオンの除去槽及び前記Mnイオン除去槽のうち少なくとも一方において、前記表面処理液に浸漬された前記金属部材に電源の陰極を接続し、前記表面処理液に浸漬した不溶性の導電性部材に電源の陽極を接続して電流を流すことを特徴とする請求項5に記載の平版印刷版用支持体の製造装置。
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