JP2008303724A - ベーンポンプ - Google Patents

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Tomoyuki Fujita
朋之 藤田
Masamichi Sugihara
雅道 杉原
Hiroshi Shiozaki
浩 塩崎
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Abstract

【課題】吸込流路の構造を改善することによりキャビテーションの発生が抑制されると共に、製造コストの低減及び軽量化が達成されたベーンポンプを提供すること。
【解決手段】ベーンポンプ1の吸込側流路12とカバー側吸込流路22との間の屈曲部に、両流路を連通させる内部流路14aを有するコネクタ14を装着する。この流路14aは、入口部がボデー側吸込流路12に、出口部がカバー側吸込流路22に跨いで連通しており、内部流路14aの曲率半径Rの起点をボデー2の接合面2aからボデー2側に所定長さSだけ入り込んだ位置から開始させたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベーンポンプに関し、特に吸込側流路におけるキャビテーションの発生を抑制し、種々の油圧機器の油圧源として最適なベーンポンプに関する。
油圧ポンプの形式として、例えばギアポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポンプ等があるが、これらの中でベーンポンプは、他のポンプに比べて、吐出量が多く、比較的安価であるため、自動車業界、建設業界等の広い分野で採用されている。
このような従来のベーンポンプとしては、例えば図6乃至図9に示すような構造のベーンポンプ50が使用されている。
このベーンポンプ50は、図6のポンプ50の縦断面図及びカバー57を取り外してX-X矢視方向から見た側面図である図7に示すように、ボデー51に形成された開口部52の内周面内にカムリング53を固定し、そのカムリング53の内部に、駆動軸54、ロータ55、ベーン56を同心状に回転自在に収装し、ロータ55とボデー51との間にサイドプレート58を介設し、カバー57で封止したものである。
そして、これらロータ55等に至る作動油流路として、ボデー51の上方に作動油の吸込ポート59と、この吸込ポート59と連通し、駆動軸54と並行してカバー57方向に向かう導入路60とが設けられ、これら両流路59、60でボデー側吸込流路61を構成している。
なお、符号62は、図示しない油圧機器からの作動油の還流路であり、図示しない流量制御弁を経て導入路60に合流するようになっているが、流量制御弁は必須のものではなく、ベーンポンプ50の回転数に比例して全量吐出する構造のものであれば必要のないものである。
一方、カバー57のボデー51との接合面57aには、図6のポンプ50のY−Y矢視の側面図である図8に示すように、基端部57bと、二股状流路と、先端部57dとを連通させるカバー側吸込流路57eが凹設されており、上記ロータ55が回転することにより、図6の導入路60から基端部57bに吸い込まれた作動油は、二股状流路で左右に分流され、先端部57dを経て、図7に示すベーン間容積が拡大する部分である左右一対の吸込室64、64に吸い込まれる。
さらに、ロータ55が図7の矢印P方向(反時計方向)に回転すると、作動油は、今度はベーン間容積が縮小される左右一対の吐出室65、65に移動しつつ加圧されて、図6のサイドプレート58の高圧ポート63から吐出され、ボデー51の開口部52の最奥部に形成された高圧室66を経て、図示しない出口ポートから吐出されるようになっている。
他方、図9は、ベーンポンプの他例の縦断面図であり、ベーンポンプ50A全体の外径を小さくするべく、カムリング53A、ロータ55A、ベーン56Aを一対のサイドプレート58A、58Bで挟持する如く封止し、カバー57Aの接合面に凹設されている二股状流路57fを中子形状にすることにより、前述の従来ポンプ50よりも二股状流路57fを内径側に配置した形式のものもある。
特開2002− 21748(図1の吸込流路34) 特開2003−106264(図1の吸入通路32) 特開平10−306781(段落0005、図11)
しかしながら、上記従来のベーンポンプ50は、図6に示したとおり、カバー57がボデー51の接合面51aに接合して固定されるという構造上、接合面51aを跨いで折れ曲がり部を形成できず、その結果、カバー57側だけで折れ曲がり部の曲率を稼ぐこととなる。
その結果、ボデー51側の導入路60とカバー57側のカバー側吸込流路57e(図6参照)とは、接合面51aを境に約90度(図の中心角α)急激に折れ曲がることとなり、ロータ55が高回転になるほどキャビテーションが急速に発生し易くなるという問題があった。
この問題は、図9で説明したベーンポンプ50Aにおいても、流路構造がポンプ50と同様であるため生じていた。
また、当該急激に折れ曲がった流路の内径部(流路内壁のうち駆動軸側部分)は、流路構造上、どうしてもエッジ(角)形状となるため、上記キャビテーションの発生が助長されていた。
さらに、カバー57をボルト57hにてボデー51に締付固定しているが、カバー57のボルト孔57g(図8参照)は組立効率や加工精度を考慮してボルト径よりも若干大きな内径のものが設けられているため、ボデー51とカバー57との間で位置ずれが発生し易く、導入路60とカバー側吸込流路57e間のずれによってもキャビテーションが発生し易くなる一要因となっていた。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、従来の吸込流路の構造的欠陥を改善することにより、カバーとボデーの2分割構造においてもボデーからカバーにかけての流路内におけるキャビテーションの発生を抑制し、もって吐出流量が安定した高性能のベーンポンプを提供すること、及び製造コストの低減及び軽量化が達成されたベーンポンプを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ロータ、ベーン及びカムリングを収装するボデーと、該ボデー内に収装されたカムリング、ロータ、ベーン及びカムリングを封止するカバーと、作動油の吸込ポート及び吐出ポートとを備え、前記吸込ポートから前記ロータに至る前記作動油の吸込側流路が、前記吸込ポートに連通するボデー側吸込流路と、前記ロータに連通するカバー側吸込流路とで構成されると共に、両流路間に、流路の向きを変える屈曲部が形成されて成るベーンポンプにおいて、
前記屈曲部に、入口部を前記ボデー側吸込流路に、出口部を前記カバー側吸込流路に跨いで連通する流路が内部に形成されたコネクタを装着すると共に、該コネクタ内の前記流路の曲率半径(R)の起点を、前記ボデーと前記カバーとの接合面から前記ボデー側吸込流路側に所定長さ(S)だけ入り込んだ位置から開始させることにより、前記屈曲部における流路の曲率半径を緩やかに形成させたことを特徴とするベーンポンプである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記カバー側吸込流路は、前記カバーの前記ボデーとの接合面に凹設され、前記ボデー側吸込流路から二股状に分岐した二股状流路及び先端部を含み、前記コネクタを、前記ボデー側吸込流路の流路軸を中心として回動可能にすると共に、該コネクタの出口部を、前記吸込ポートから前記ロータに至る吸込側流路内でのキャビテーションの発生を抑制すべく、前記先端部のうちの吸込圧力の低い方の流路側に所定の傾斜角(θ)で回動させて固定したことを特徴とするベーンポンプである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記コネクタを、前記ボデー側接合面と前記カバー側接合面のうちのいずれか一方の接合面に設けた穴に圧入して固定したこと特徴とするベーンポンプである。
請求項1に記載の発明によれば、ボデー側吸込流路とカバー側吸込流路との間の屈曲部に、入口部をボデー側吸込流路に、出口部をカバー側吸込流路に跨いで連通する流路が内部に形成されたコネクタを装着し、このコネクタ内の前記流路の曲率半径(R)の起点を、ボデーとカバーとの接合面からボデー側吸込流路側に所定長さ(S)だけ入り込んだ位置から開始させたので、この分、屈曲部における流路の曲率半径を緩やかに形成することができる。
したがって、吸込ポートからロータに至る作動油の吸込流路内において、急激な流路変更を強いる屈曲部が無くなり、吸込流路設計の不具合に起因するキャビテーションの発生を抑制することができ、その結果、吐出流量が安定した高性能のベーンポンプが得られる。
また、本発明は、ベーンポンプの吸込流路内にコネクタを装着するだけでよいので、既存のベーンポンプを大きな改造を加えることなく、キャビテーションが発生しないものに容易に調整することができる。
すなわち、本発明は、口径、流量等のポンプ仕様に応じた最適のコネクタをベーンポンプ形式ごとに予め準備しておき、コネクタの装着に際しては前述の屈曲部に圧入穴を設けて固定するだけでよいから、大幅な改造コストを要しない簡単な作業で既存のベーンポンプをキャビテーションの発生しにくいものに調整することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、上記コネクタをボデー側吸込流路の流路軸を中心として回動可能にしたので、吸込側流路内でのキャビテーションの発生を抑制すべく、コネクタの流路出口部をカバーの接合面に凹設されている先端部のうちの吸込圧力が低い方の流路側に所定の傾斜角まで回動して振り向けることができる。
その結果、当該吸込圧力が低くなる方の流路側には、作動油の流入量が多くなり、これに伴い流路内の内圧も高くなって、キャビテーションの発生がより一層抑制される。
請求項3に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、コネクタの固定方法として、コネクタをボデー側接合面とカバー側接合面のうちのいずれか一方の接合面に設けた穴に圧入して固定する方法を採用したので、コネクタの固定が容易であるうえ、送液中のロータ等の回転による振動により外れることもない。
また、コネクタを固定する際は、コネクタをボデー側又はカバー側のいずれか一方に圧入した後、これにコネクタがすきま嵌めとなる程度の内径を有する他方を被せるので、カバーをボデーに固定する際の位置決めにもなる。
以下、本発明の最良の実施形態を一実施例の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るベーンポンプ1の縦断面図、図2は、図1のベーンポンプ1のA−A矢視図、図3は、図1のポンプのB−B矢視図である。なお、本実施例のベーンポンプのポンプ自体の構造は、前述した従来のベーンポンプ50とほぼ同様であるが、他の構成部材も含めて詳細に説明する。
図1において、本実施例のベーンポンプ1は、主要構成部材として、図示しない本ポンプの駆動機器に固定されるボデー2と、ボデー2の中央部を貫通し、図示しないプーリ等により駆動される駆動軸3と、ボデー2の接合面2aに開口した開口部2b内に、駆動軸3と同軸状に収装されるロータ4、ベーン5及びカムリング6と、前記ロータ4等とボデー2との間に介設したサイドプレート7と、これら部材を開口部2b内に収装した状態で封止するカバー9とで構成される。
これら各部材について説明すると、ボデー2内には、駆動軸3が貫通し、軸受メタル11により回転自在に軸支される。
駆動軸3の端部の外周面には、スプライン3aが形成されており、これにロータ4が嵌合して、両者が同期回転する。
図2に示すように、ロータ4の外周には、さらに複数のスリット4aが所定間隔で放射状に形成されており、各スリット4a内には板状のベーン5が半径方向に出没自在に組み込まれている。
また、ベーン5の外周には、ベーン先端部がロータ4の回転に伴って摺接するための楕円形状の内周面6aを有するカムリング6が一対のピン17によりボデー2に固定されている。このピン17は、図1のサイドプレート7に装着され、カムリング6を貫通してカバー9に設けられた固定穴30(図3参照)に固定又は挿入されており、カバー9をボデー2に固定することでカムリング6が回動しないように所定の位置関係を保持している。
サイドプレート7は、ベーンの5の回転に伴い隣接ベーン5間で仕切られる容積が減少する領域である一対の吐出室19、19をボデー2側から仕切るためのもので、ボデー2の開口部の最奥部にOリング7aを介して装着されている。
また、一対の吐出室19、19の対応位置には、開口部2bの最奥部に形成された高圧室20に高圧に昇圧された作動油を導くための高圧吐出孔21が形成されている。
このサイドプレート7と、前述のロータ4、ベーン5及びカムリング6とは、駆動軸3に貫通された状態で開口部2b内に収装された後、駆動軸3の端部において、駆動軸3の抜け止めとしてスナップリング31によりロータ4と固定されている。
一方、図3及び図1に示すように、カバー9は、ボデー2の開口部2bをその接合面9aにおいて液密状態に封止するための蓋体であり、接合面2aに配置されたOリング溝32に装着されたOリング33を介して、ボルト8をカバー9のボルト孔9c(図3参照)に貫通して、ボデー2の接合面9aに設けられた植込みボルト孔2c(図2参照)に捩じ込むことにより接合面9aに固定される。
これらベーンポンプの構成部材に対する作動油の流路としては、以下のように構成される。
すなわち、図1に示すように、駆動軸3の上方に、駆動軸3と直交するように作動油の吸込ポート12aが設けられ、この吸込ポート12aは、吸込ポート12aの下方において図示しない流量制御弁からの作動油の還流路13と合流した後、導入路12bと連通している。
また、導入路12bは、駆動軸3と並行して接合面2a方向に延び、接合面2aに圧入、固定されたコネクタ14の内部流路14aと連通しており、これら吸込ポート12aと、導入路12bとでボデー側吸込流路12を形成している。
なお、本実施例においても上記流量制御弁は、必須の構成部材ではなく、当該ベーンポンプの1の回転数に比例して全量吐出する構造のものであれば設ける必要はない。
一方、図3に示すように、カバー9の接合面9aには、従来ポンプ同様、基端部22aと、二股状流路22bと、一対の先端部22cとからなり、これらが互いに連通されたカバー側吸込流路22が接合面9aに凹設されており、上記基端部22a位置には、ボデー2側に圧入、固定されたコネクタ14が位置する。
ここで、ロータ4と複数のベーン5とが図2の矢印P方向に回転すると、図1の吸込ポート12aから吸い込まれた作動油は、導入路12b及びコネクタ14の内部流路14aを経て、カバー側吸込流路22の基端部22a内に流入し、ここから二股状流路22b方向に分流され、先端部22cを経て、図2に示すベーン間容積が拡大する領域である左右一対の吸込室18、18に吸い込まれる。
この状態において、ロータ4が矢印P方向(反時計方向)に回転すると、全てのベーン5は、ベーン先端部が各ベーンに作用する遠心力とベーンの内周径に印加される背圧とにより、カムリング6の内周面6aに摺接しつつ回転する。
さらにロータ4の回転が進むと、今度は一部のベーン5が、ベーン間容積が縮小しつつある領域である左右一対の吐出室19、19に至り、作動油は前述したサイドプレート7の高圧吐出孔21を経て高圧室20に至る。
次に、本発明の特徴であるコネクタ14について、図4及び図5を参照して説明する。このうち、図4(a)は、図1のコネクタ14部分の部分拡大図、図4(b)は、図1のポンプ1のB−B矢視図のうちコネクタ14部分近傍の側面図、図5(a)は、コネクタ14の拡大斜視図、図5(b)は、その左側面図、図5(c)は、その縦断面図、図5(d)は、その右側面図である。
図5(a)に示すように、コネクタ14は、ボデー側吸込流路12とカバー側吸込流路22とが略90度に折れ曲がっていることに対応して、ボデー側吸込流路12から流入する作動油を略90度、方向転換してカバー側吸込流路22に導くために、外径がDで長さがLの柱状体の内部に、両流路12、22をスムーズに接続する断面形状を有する内部流路14aを穿設したものである。
すなわち、内部流路14aは、その入口部がボデー側吸込流路12に、出口部がカバー側吸込流路22にあってこれらの流路を跨いで連通させた流路である。
この場合、内部流路14aの入口側(ボデー2側)の断面形状は、通常、カバー側内部流路12の導入路12bの断面形状が円形断面であることから同様に円形断面にすることが好ましいが、勿論他の形状であっても良い。
しかし、図4に示すように、内部流路14aの出口側(カバー9側)の断面形状は、当該出口側におけるカバー側内部流路22の基端部22aの断面形状が必ずしも円形断面ではないことから円形断面である必要はなく、要は基端部22aの内壁面に段差なくスムーズに移行する断面形状であれば良く、本実施例の場合もそのような断面形状に形成されている。
内部流路14aの内壁面の半径が最大となる内壁面14b(図5(c)参照)の半径Rは、ボデー側吸込流路12から流入する作動油をカバー側吸込流路22に方向転換させるものであるから、キャビテーションの発生を抑制させるべく、なるべく大なる曲率半径を採用するのが良い。
なお、ここでいう「曲率半径」とは、内部流路14aの内壁面を同一半径Rで方向転換させる通常の曲率半径の他、流路の方向転換と共に前記曲率半径Rから多少前後する半径も含まれる広い概念のものである。
また、コネクタ14の曲率半径Rの起点をボデー側接合面2aからボデー内部にどの程度深く入り込んだ長さS(換言すればコネクタ14のボデー側への植え込み深さS)とするかは、所定長さSを大きく設定すればするほど屈曲部の曲率が大きく取れ、キャビテーションの発生が抑制できるから、コネクタ近傍の物理的条件が許す限り、大きく設定するのが好ましい。
また、最大半径Rの中心位置は、流路軸方向に多少ずれていても良いが、両流路12、22間でスムーズな流路を形成するためには本実施例のように入口側端面の平面内に配置させるのが好ましい。
以上は内部流路14aの曲率半径が最大となる内壁面14bについて述べたが、曲率半径が最小となる内壁面14cの断面形状についても原則同様であり、なるべく大なる曲率半径で、ボデー側吸込流路12からカバー側吸込流路22にスムーズに移行できる内壁面形状を採用する。
コネクタ14の固定方法としては、例えば接着法、圧入法、ねじ止め法や、確定的な固定方法が必要な場合は例えばアルゴン溶接法などを採用することができるが、本実施例では圧入固定する方法を採用している。
すなわち、図1に示すように、ボデー側接合面2aの導入路12b位置に、コネクタ14を圧入できる程度のコネクタ外径Dよりもやや小径の穴を同心状に深さがSとなるまで穿設する。一方、カバー側接合面9aには、コネクタ外径Dと同様内径かそれよりもやや大きな内径のコネクタ装着穴15を深さL−Sで基端部9b位置に同心状に例えばエンドミルなどにより座ぐりすることにより設ける。
なお、前述した内部流路14aの出口側の断面形状は、外径Dの柱状体に内部流路14aを形成する前に、カバー側接合面9aにコネクタ外径に一致する内径Dの穴を深さL−Sで穿設し、穴底部に形成された基端部22aの側面形状を調べることで容易に知ることができるので、このような形状に一致させれば良い。このような流路形状は、例えばNC旋盤等により容易に形成することができる。
コネクタ14の装着に際しては、まずボデー2側にコネクタ14全体を圧入固定し、コネクタ端部がボデー側接合面2aからL−Sの高さで突出した状態にする。そして、この突出部分にカバー9にL−Sの深さで形成した穴を嵌合して被せ、前述のボルト8で固定するのである。
本実施例では、コネクタ14をボデー側接合面2aに圧入固定したが、組立作業の容易性を考慮してボデー側接合面とカバー側接合面のうちのいずれか一方の側に固定すればよい。
なお、ボデー2、カバー9及びコネクタ14の材質は、いかなるものでも良いが、例えばアルミダイカスト製にすると加工が容易である上、ベーンポンプ全体の軽量化が達成できる。
また、図2に示すように、カバー側吸い込み流路22がロータ4の両側に位置するに対し、その間に位置するベーン5の回転は方向性があるために、本図の場合では一般に図2の左側の吸込室18の圧力が右側の吸込室18よりも吸込み圧力が低圧となる。したがって、図4(b)に示す左右一対のカバー側吸込流路22では、上記低圧となる吸込室18の対応流路である右側のカバー側吸込流路22の吸込み圧力が左側流路22よりも低圧となり、キャビテーションが発生し易くなる。
しかし、この場合は、矢視B−Bのカバー側流路の図4(b)に示すように、コネクタ14を中心線Cに対して、所定角度θ分だけ回動させて装着させることにより、コネクタ14を経て基端部22aに流入した作動油を、一対の先端部22cのうち吸込み圧力が低い方の先端部22c方向に他方よりも多く振り向けることにより(いわばチューニング)、先端部22c内の吸込み圧力のバランスを取るとともに、吸込み圧力が低い方の圧力を高めることでキャビテーションの発生を抑制することができる。
次に、本実施例のベーンポンプの作用、効果を説明する。
図1及び図2において、駆動軸3が図示しないモータにより駆動され、ロータ4がベーン5と共に矢印P方向(図2)に回転すると、図示しないタンクから作動油が吸込ポート12aから吸い込まれ、導入路12bを経て、コネクタ14の入口部に流入する。
コネクタ14においては、内部流路14aの曲率半径Rの起点が、ボデー側接合面2aからボデー側に所定長さSだけ入り込んだ位置から開始されているので、コネクタ14に流入する作動油は、従来よりも前記所定長さS分によって大きく、緩やかな曲率半径にてスムーズにカバー側吸込流路22方向に方向転換され、作動油をカバー側吸込流路22の基端部22a内に導く。
基端部22aに流入した作動油は、図3に示す二股状流路22b内にて分流され、先端部22cに至り、対応位置にある図2の一対の吸込室18、18に吸い込まれる。
さらにロータの回転が進むと作動油は、吐出室19、19に至り、ここで昇圧され、サイドプレート7の高圧吐出孔21を経て、ボデー2の高圧室20に吐出され、図示しない吐出ポートから図示しない油圧機器に高圧作動油として供給される。
このように、本実施例のベーンポンプ1によれば、従来のボデー側吸込流路12とカバー側吸込流路22間の屈曲部にコネクタ14の内部流路14aを跨いで装着させ、内部流路14aの曲率半径Rの起点をボデー側接合面2aから距離Sだけボデー本体側に入り込んだ位置から開始させたため、従来の直角に近い吸込流路の曲げ角度が緩和される。
すなわち、図6の従来ポンプの吸込流路における90度もの急激な曲げ角度αが解消され、作動油はスムーズに流路内を流れるので、吸い込み流路内におけるキャビテーションの発生を抑制することができる。
また、ロータ回転方向の方向性により、カバー側吸込流路22内の一対の先端部22c内において、いずれか一方における流路の吸込み圧力が低くなり、作動油が偏流する場合は、コネクタを所定角度(θ)回動させて傾斜させるだけで、一対の先端部22cに作動油をバランス良く供給でき、簡単な処置でキャビテーションの発生を抑制することができる。
さらに、コネクタ14の装着は、コネクタ以外に特別な部品を必要とするものではなく、ボデー側接合面2aにコネクタ14が圧入固定できる程度の穴を設けるだけで済むので、製造コストの低減化を図ることができる。この場合、ポンプ形式が異なっても、予めこれら形式毎に最適のコネクタ14を準備しておくことで、既存のポンプを安価な費用でキャビテーションが発生しないよう最適の条件のものに調整することができる。
以上に説明した本実施例のベーンポンプは、ポンプの吸込側流路の改善を図るものであるから、吸い込み流路を備えるポンプならばベーンポンプに限らず、あらゆる形式のポンプに広く適用することができる。
本発明に係るベーンポンプの一実施例の縦断面図である。 図1のベーンポンプのA−A矢視断面図である。 図1のベーンポンプのB−B矢視断面図である。 図4(a)は、図1のコネクタ部分近傍の部分拡大図、図4(b)は、図1のポンプのB−B矢視図のうちコネクタ部分近傍のみの側面図である。 図5(a)は、図1のベーンポンプに装着されているコネクタの斜視図、図5(b)は、その左側面図、図5(c)は、その縦断面図、図5(d)は、その右側面図である。 従来のベーンポンプの縦断面図である。 図6のベーンポンプのX−X矢視断面図である。 図6のベーンポンプのY−Y矢視断面図である。 図6のベーンポンプとは異なるベーンポンプの一例の縦断面図である
符号の説明
1 ベーンポンプ(本発明)
2 ボデー
2a ボデー側接合面
3 駆動軸
4 ロータ
5 ベーン
6 カムリング
7 サイドプレート
8 ボルト
9 カバー
9a カバー側接合面
12 ボデー側吸込流路
12a 吸込ポート
12b 導入路
14 コネクタ
14a 内部流路
14b 内壁面
14c 内壁面
15 コネクタ装着穴
22 カバー側吸込流路
22a 基端部
22b 二股状流路
22c 先端部
R、α 曲率半径
S 曲率半径の起点深さ(コネクタの植込み深さ)
θ 傾斜角

Claims (3)

  1. ロータ、ベーン及びカムリングを収装するボデーと、該ボデー内に収装されたカムリング、ロータ、ベーン及びカムリングを封止するカバーと、作動油の吸込ポート及び吐出ポートとを備え、
    前記吸込ポートから前記ロータに至る前記作動油の吸込側流路が、前記吸込ポートに連通するボデー側吸込流路と、前記ロータに連通するカバー側吸込流路とで構成されると共に、両流路間に、流路の向きを変える屈曲部が形成されて成るベーンポンプにおいて、
    前記屈曲部に、入口部を前記ボデー側吸込流路に、出口部を前記カバー側吸込流路に跨いで連通する流路が内部に形成されたコネクタを装着すると共に、
    該コネクタ内の前記流路の曲率半径(R)の起点を、前記ボデーと前記カバーとの接合面から前記ボデー側吸込流路側に所定長さ(S)だけ入り込んだ位置から開始させることにより、前記屈曲部における流路の曲率半径(R)を緩やかに形成させたことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記カバー側吸込流路は、前記カバーの前記ボデーとの接合面に凹設され、前記ボデー側吸込流路から二股状に分岐した二股状流路及び先端部を含み、
    前記コネクタを、前記ボデー側吸込流路の流路軸を中心として回動可能にすると共に、該コネクタの出口部を、前記吸込ポートから前記ロータに至る吸込側流路内でのキャビテーションの発生を抑制すべく、前記先端部のうちの吸込圧力の低い方の流路側に所定の傾斜角(θ)で回動させて固定したことを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記コネクタを、前記ボデー側接合面と前記カバー側接合面のうちのいずれか一方の接合面に設けた穴に圧入して固定したこと特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーンポンプ。
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