JP2008300795A - 熱電材料の温度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線カメラ画像の煩雑な画像処理を伴うことなく、温度測定のための熱画像データを得る。
【解決手段】表面に熱電変換素子(8)とこの熱電変換素子両端に発生する起電力を測定する電極(80a、80b)とを形成した基板(100)を赤外線カメラ(102)で撮像し、撮像した画像(110)から熱電変換素子と電極との接触部付近の画像データを獲得し、獲得した画像データに基づいて前記接触部付近の温度を算出する熱電変換素子の温度測定装置において、評価用基板の所定部分が赤外線カメラの画面上で表示される位置にマーカを表示し、かつ、所定部分とマーカとが一致するように評価用基板と赤外線カメラとを位置合わせした時に、赤外線カメラの画面上の接触部付近が表示される領域を予め測定領域(120a、120b)に設定し、位置合わせ後の画面の測定領域から獲得した画像データに基づいて温度を算出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、熱電材料の温度測定装置に関し、特に、多数の熱電変換素子を基板上に形成した場合であっても個々の素子の温度を一括して測定することが可能な、熱電材料の温度測定装置に関する。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。この性質を利用することで、産業・民生用プロセスや移動体から排出される廃熱を有効な電力に変換することが可能となる。従って、熱電変換素子は、環境問題に配慮した省エネルギー材料としてその将来が注目されている。熱電変換素子を実用化する上で最も重要な問題は、熱電変換効率の高い材料を開発することである。
熱電材料は一般に多元系物質で構成され、同じ化学式を有していても構成元素の組成比が異なればその熱電特性が変化する。物質が相変化を起こす前後では、わずかな組成比の相違によっても熱電特性が大きく変化する場合がある。従って、熱電変換素子に最適な材料を得るためには、組成比をわずかに変化させた一連の評価材料を用意し、その個々について熱電特性を測定し評価する必要が有る。
近年、コンビナトリアルテクノロジーの進歩によって、組成の異なる材料片を大量にしかも短時間で合成する技術が開発されている。従って、この技術を利用すれば、熱電変換素子の候補材料を大量にかつ短時間で合成することが可能となるが、一方、個々の試料に対する評価作業が膨大となって、これが熱電変換素子開発の速度を低下させるネックとなっている。例えば、熱電材料では、試料を高温(数百度)や低温(数Kから数十K度)に保持してその特性を測定する必要があり、1個の試料であっても測定に長時間を要するが、多数の試料を測定する場合、測定装置の昇温、冷却に時間と手間がかかり、その作業量は膨大なものとなる。
このような観点に立って、多層配線基板上に多数の薄膜状熱電変換素子を形成し、これらの熱電変換素子の特性を一括して評価する測定方法が、特願2005−204853「薄膜状試料の測定方法」として既に提案されている。この方法により、多数の熱電変換素子候補材料を一括して簡便に測定することが可能となり、実用的な熱電材料を開発する上で効果が大きい。
熱電変換素子の特性は、ゼーベック係数α、電気抵抗率ρ等に基づいて決定される。ゼーベック係数αは、熱電変換素子の両端に温度勾配を与え、この状態で素子両端に発生した起電力を求めることによって算出される。したがって、ゼーベック係数αの測定には、熱電変換素子両端の温度を正確に測定することが不可欠である。熱電変換素子の温度測定を効果的に行うために、赤外線カメラを利用したサーモグラフィを用いることが既に提案されている(特許文献1参照)。また、上記先行発明でも、熱電変換素子の温度測定にサーモグラフィを用いることを提案している。赤外線サーモグラフィでは、基板上の温度分布を非接触でかつ一括して測定できるため、測定対象の個々の素子にセンサを取り付けるなどの操作が不必要であり、そのため、測定作業が簡便となりかつ測定能率が向上する。
ところが、多数の熱電変換素子を同一基板上に形成した一括評価用基板に対して、このようなサーモグラフィを適用し、全ての素子の温度勾配を一括して測定する場合、赤外線カメラの同一画面上に多数の発熱点(測定点)が存在することになるため、各発熱点を個々の素子に対応させるなどの画像処理に多くの作業と時間が必要となる。位置測定用のカメラと測定対象との位置関係の修正を容易にするために、カメラレンズにクロスマークをつける技術が開発されている(特許文献2参照)が、クロスマークによって基板とカメラの位置関係を固定させても、同一画面上の多数の測定点を特定することはできない。
特開2002−76447号公報 特開平5−118811号公報
本発明は、熱電変換素子の温度測定のためにサーモグラフィを用いた従来の測定装置における、上記のような問題点を解決する目的でなされたもので、熱画像の煩雑な画像処理を伴うことなく画面上で熱電変換素子の発熱点を容易に特定し、温度測定を簡便に行うことができる、熱電材料の温度測定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、表面に熱電変換素子とこの熱電変換素子両端に発生する起電力を測定するための電極とを形成した熱電材料の評価用基板を赤外線カメラで撮像し、撮像した画像から前記熱電変換素子と前記電極との接触部付近の画像データを獲得し、獲得した前記画像データに基づいて前記接触部付近の温度を算出する熱電変換素子の温度測定装置において、前記評価用基板の所定部分が前記赤外線カメラの画面上で表示される位置にマーカを表示し、かつ、前記所定部分と前記マーカとが一致するように前記評価用基板と前記赤外線カメラとを位置合わせした場合に、前記赤外線カメラの画面上で前記接触部付近が表示される領域を予め測定領域に設定し、前記位置合わせ後の画面において前記測定領域から獲得した画像データに基づいて前記接触部付近の温度を算出するようにしている。
また、前記発明において、前記所定部分を前記熱電変換素子と前記電極との接触部に設定し、それによって、前記マーカが前記測定領域に形成されるようにしてもよい。
また、上記発明において、前記評価用基板上に形成された前記熱電変換素子と前記電極とが黒体塗装されている場合、前記所定部分を、前記評価用基板上の前記黒体塗装がされていない部分に設定してもよい。
また、前記発明において、前記評価用基板上面の周囲に前記電極に発生する起電力を外部に導出するための電極パッドが形成されている場合、前記所定部分を当該電極パッドの形成位置に設定してもよい。
また、前記発明において、前記評価用基板上には前記熱電変換素子と前記電極とで構成される熱電変換ユニットが複数個形成されていてもよい。
本発明に係る熱電材料の温度測定装置では、赤外線カメラと熱電材料の評価用基板とが位置合わせされた場合に、熱電材料の評価用基板上の予め特定した部分が赤外線カメラの画面上に表示される位置に、ソフト的にマーカを定義し表示している。更に、熱電変換素子と電極との接触部が表示される位置を予め測定領域として画面上に定義している。したがって、評価用基板上の特定部分とマーカとが一致するようにして、赤外線カメラと評価用基板とを位置あわせした後、前記特定された測定領域の画像データを得ることによって、画面全体の画像処理を実行して熱電変換素子と電極との接触部分を特定することなく、当該接触部分の温度を算出することができる。
したがって、測定領域を特定するために、画面全体の画像処理を必要とする従来の装置に比べて、非常に簡単な作業でしかも短時間で、熱電変換素子の温度測定を実行することができる。そのため、評価用基板上に多数の熱電変換素子を形成し、それぞれの素子の温度を一括して測定する場合に、非常に有効な手段を提供することができる。
まず、本発明にかかる装置に使用された場合に効果が大きい、熱電変換素子の一括評価用基板の一例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る一括評価用基板1の概略平面図、図2は図1のX−X線上断面図(概略)である。図1および2において、2は多層配線基板であって、図示の例では絶縁材料等を材料とする4層の基板20、22、24、26中に銅、アルミニウム、金等を材料とする配線パターン28が埋め込まれている。なお、多層配線基板2は、半導体集積回路等を形成する場合に使用される一般的な配線基板を使用することが可能であり、また基板2中に埋め込まれる多層の配線パターン28も同様に、通常の半導体集積回路製造技術を利用して任意に設計することが可能である。
図1および2において、4は多層配線基板2の上面周辺に形成した電極パッド、6は電極パッド4と測定装置(図示せず)を接続するプローブを示す。なお、プローブ6は測定装置によって制御され、測定時に電極パッド4に接触し、測定が終了すると電極パッド4から離れて次の評価用基板の測定に備える。図2ではこのプローブ6は省略されている。
8は熱電特性測定用の電極ユニットであり、一個のユニット8は、一対のブロード電極(通電電極)80a、80bと一対の点状電極82a、82bを備えている。電極ユニット8は、1個の熱電試料の形成領域を画定する。各ブロード電極80a、80bおよび点状電極82a、82bは、図2に示すように、多層配線基板2中に形成した配線パターン28によって、個々の電極パッド4に接続されている。10は熱電特性の測定のために、評価用基板1全体を加熱するヒータ、12は、ブロード電極80a、80b間に温度勾配を形成するためのヒータを示す。なお、図2において、配線基板20〜26、ヒータ10、12はそれぞれの断面を示しているが、図面を簡略化するために、これらについて断面を示す斜線は省略されている。
図3は、図1および2に示す熱電材料の評価用基板1上に、例えば既知のコンビナトリアル薄膜合成法によって、熱電材料の試料14(14(1)〜14(9))を形成した状態を示す。熱電材料の試料14は、個々の電極ユニット8によって画定される領域に形成され、電極ユニットを構成する各電極に接触している。個々の熱電試料14は、コンビナトリアルケミストリに基づいて、組成が傾斜的に相違した一連の熱電材料である。図示のように熱電試料14が評価用基板1上に形成されると、各ブロード電極80a、80bに配線パターン28を介して接続された対応する電極パッド4に、外部のプローブから電圧を印加し、ブロード電極間に通電する。
このとき、点状電極82a、82bに発生する電圧降下を対応する電極パッド4を介して測定することによって、試料14の電気抵抗率ρを測定することができる。この場合、ヒータ10によって基板1全体を任意の温度に昇温することで、その温度における電気抵抗率ρの測定が可能となる。熱電試料のゼーベック係数αを測定する場合は、ヒータ12によって電極80a、80b間に温度勾配を形成し、その結果として両電極間に発生する起電力を測定する。従って、基板1上の熱電試料を一括して測定する場合は、全ての電極パッド4に測定装置のプローブ6を接続し、測定装置においてプローブ6を適宜選択して通電し、適宜選択したプローブ間の電圧降下あるいは起電力を測定することによって、基板上の全ての熱電試料14の熱電特性を、一回の温度管理で一括して測定することができる。
なお、図1に示した構成は、ゼーベック係数αおよび電気抵抗率ρの両者を測定する場合の構成であるが、ゼーベック係数αのみの測定を行う場合は、熱電試料の両端にブロード電極を形成すればよく、点状電極82a、82bは必要ない。ブロード電極は、熱電試料との良好な接触を図るために比較的広い電極としているが、充分に良好な接触を得られれば特にその形状に限定はない。
図4に、熱電変換素子におけるゼーベック係数αの測定方法を示す。ある温度Tにおけるゼーベック係数αは、図4に示すように、両端に電極80a、80bを接触させた熱電変換素子8に温度勾配ΔTを与え、このとき電極80a、80b間に発生する起電力Vから以下の式(1)に従って算出する。
Figure 2008300795
ここで、ξは熱電変換素子8と接触する電極80a、80bのゼーベック係数αなどに関する補正項である。温度勾配ΔTは、厳密には熱電変換素子8と電極80a、80bとが接触している部分の温度T1とT2の差である。しかしながら、図4(b)に示すように、熱電変換素子8と電極80a、80bとの接触部分付近の矩形領域90a、90bの平均温度で近似してもほとんど問題が無い。従って、本発明では、この矩形領域90a、90bを、赤外線カメラによる温度測定領域として設定する。なお、温度測定領域は必ずしも矩形である必要は無い。
図5は、本発明の一実施形態に係る熱電材料の温度測定装置の概略構成を示す図である。図5(a)において、100は熱電材料の評価用基板、102は赤外線カメラ、104は電圧計を示す。評価用基板100は、図1乃至3を参照した熱電材料の一括評価用基板を用いることができる。したがって、評価用基板100上には複数の熱電変換素子8、8・・・が形成されている。各熱電変換素子8は、その両端で電極80a、80bと接触している。熱電材料の評価用基板100の周辺には、複数の電極パッド4、4・・・が形成されている。各電極パッド4、4・・・は、プローブ(図示せず)を介して電圧計104に接続されている。各熱電変換素子8の電極80a、80bは、多層配線基板中に形成された配線層を介して、適宜、電極パッド4の何れかに接続され、熱電変換素子1の両端に発生した起電力を外部電圧計104で測定可能なようにされている。
図5(b)は、赤外線カメラ102によって撮像された画像を示す。110は赤外線カメラ102の表示画面を示し、画面内の点線で示す部分は評価用基板100の上面の画像である。画面110上に実線で示す部分120a、120bは、表示画面110上にソフト的に表示させた測定領域を示す。この測定領域120a、120bは、赤外線カメラ102と評価用基板100とを位置合わせした場合に、図4に示す温度測定領域90a、90bが画面上に表示される位置に設定されている。図5に示す実施形態では、この測定領域120a、120bを、赤外線カメラ102の画面上にソフト的に表示させることによって位置合わせのためのマーカとして使用している。
したがって、図5(a)に示す赤外線カメラ102で評価用基板100の表面を撮像し、獲得した熱画像から温度データを得る場合、赤外線カメラ102の例えば表示画面上に表示された画像を観察しながら、熱電変換素子8と電極80a、80bとの接触部付近90a、90bと画面上の表示120a、120bとが重なる様に、赤外線カメラ102と評価用基板100の位置関係を調整する。この結果、位置合わせの完了の時点で、測定領域120a、120bと熱電変換素子と電極との接触部付近90a、90bとが画面上で一致するようになる。そのため、測定領域120a、120bの画像データのみを出力すれば、出力されたデータから接触部付近90a、90bの温度を算出することができる。したがって、本装置では、画面全体の画像処理を行って測定点を特定する煩雑な処理は必要ない。
図5に示す装置を用いたゼーベック係数αの算出は、次のようにして行われる。まず、図5(b)に示すように、赤外線カメラ102の画面110上に表示した測定領域120a、120bが熱電変換素子8と電極80a、80bとの接触部付近と重なるように、赤外線カメラ102と評価用基板100との位置関係を、例えば目視によって調節する。次に、ヒータ12によって熱電変換素子8の一方の電極を加熱し、電極80a、80b間に温度勾配を形成する。
なお、通常ヒータ12(図2参照)は、多層配線基板内に帯状に形成され、各熱電変換素子8の電極80bを共通に加熱する。従って、熱画像では、各電極80bを結ぶ帯状部分がほぼ同じ温度として現れるため、熱画像のみから電極80bの個々の位置を特定することはできない。あるいは、電極を一個のヒータで加熱する場合でも電極とヒータの大きさが違うと、赤外線カメラの映像から電極の正確な位置を見出すことは困難である。ところが本実施形態では、赤外線カメラの画面上に表示した測定領域を電極近辺の領域に合わせ込むことによって、熱画像上で測定位置を特定してしまうので、熱画像の煩雑な画像処理を行うことなく、温度算出のためのデータを得ることができる。
熱画像からのデータの出力には、1)指定した領域120a、120bの熱画像データのみを出力する方法、あるいは、2)一旦全体の熱画像を保存した後、予め指定しておいた領域120a、120b内のピクセルのデータのみを切り出す方法、があるが、何れの方法でもよい。測定領域120a、120bの熱画像データから熱電変換素子8の両端の温度T1、T2が算出されると、その温度勾配ΔTから、式(1)に従ってゼーベック係数αの値が算出される。なお、起電力Vは、熱電変換素子8の電極80a、80bが接続された電極パッド4間の電圧を、電圧計104によって計測することによって得られる。
図6は、熱電材料の一括評価用基板の他の例を示す図である。図示する評価用基板200は、熱電変換素子を6×4のマトリックス状に形成している。更に、隣接する2列の熱電変換素子8a、8bにおいて、相対向する電極を共通電極80cで構成することによって熱電試料の形成面積を小さくし、評価用基板200上に更に多数の熱電変換素子を形成できるようにしている。更に、電極の一方を共通電極とすることによって、必要とされる電極パッド数も減少する。
図6に示す評価用基板200は更に、熱電変換素子8、電極80a、80bおよび共通電極80cの部分に黒体塗装210が施されている。黒体塗装210は、赤外線カメラによって評価用基板の温度測定を行う場合、評価用基板からの放射率を補正するために設けるものであり、この塗装の結果、熱電変換素子8a、8b、電極80a、80bおよび80cを肉眼で確認することができなくなっている。従って、図5に示した実施形態のように、熱電変換素子の電極位置に対応した測定領域120a、120bを赤外線カメラ102の画像上に表示させても、この表示をマーカとして使用して評価用基板と赤外線カメラの位置合わせを行うことはできない。従って、黒体塗装を施した評価用基板に対しては、赤外線カメラの画像上の測定領域とは別の位置にマーカを設ける必要がある。
図7は、測定領域とは異なる位置にマーカを設けた、赤外線カメラの画像220を示す。図7において、230a、230bは赤外線カメラと評価用基板200との位置合わせ用のマーカであり、このマーカは、図6に示す評価用基板200の電極パッド4の内、対角線上のコーナーにある2個の電極パッド4a、4bに相当する位置に形成されている。基板200の周辺に設ける電極パッド4は、外部プローブ6(図1、3参照)との良好な電気的接続関係を確保するために黒体塗装が施されておらず、従って、赤外線カメラを介してこの電極パッド4を観測することが可能である。
図8に、黒体塗装が施された評価用基板200を赤外線カメラ102で観察した画像を示す。評価用基板200では、電極パッド4の形成領域が黒体塗装されていないので、画面においてこれらを肉眼で観察することができ、従って画面220上に形成されたマーカ230a、230bがコーナーの電極パッド4a、4bに重なるように、評価用基板200と赤外線カメラ102とを位置合わせすることができる。位置合わせの結果、画面上に形成した測定領域120a、120bが、熱電変換素子の温度測定領域と一致するようになる。
図9に、マーカ230a、230bを電極パッド4a、4bに位置合わせした状態のカメラ画像を示す。この位置合わせによって、カメラ画像上にソフト的に形成した測定領域120a、120bが、熱電変換素子の温度測定領域に一致している。したがって、測定領域120a、120bの熱画像データを出力することにより、ゼーベック係数αの算出に必要な温度データを算出することができる。
なお、本実施形態では、赤外線カメラ102の画像上にソフト的に形成する測定領域120a、120bを、肉眼で確認可能なように表示する必要はない。例え、これらを視認できるように表示した場合であっても、評価用基板上の熱電変換素子および各電極が黒体塗装されているため、測定領域が電極近辺に一致したか否かを肉眼で確認することができないためである。従って、例えば、アプリケーションソフトによって、赤外線カメラの画面上に仮想的に測定領域を定義するのみで充分である。また、図6乃至9に示す実施形態では、コーナー部分の電極パッドを評価基板上の目印として使用しているが、あるいは、評価基板の黒体塗装がされていない部分に新たな目印を形成し、画面上に定義されたマーカに対応させるようにしてもよい。
熱電材料の一括評価用基板の平面図。 図1に示す一括評価用基板のX−X線上断面図。 図1に示す一括評価用基板上に熱電変換素子を形成した状態を示す図。 ゼーベック係数測定のための熱電変換素子と電極の配置関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る熱電材料の温度測定装置の概略構成を示す図。 熱電材料の評価用基板の他の例を示す図。 赤外線カメラの画像上に形成されたマーカを示す図。 赤外線カメラと評価用基板との位置合わせ前の画像を示す図。 赤外線カメラと評価用基板との位置あわせ後の画像を示す図。
符号の説明
4 電極パッド
8 熱電変換素子
80a、80b 電極
100 熱電材料の一括評価用基板
102 赤外線カメラ
104 電圧計
110 赤外線カメラ画面
120a、120b 測定領域

Claims (5)

  1. 表面に熱電変換素子とこの熱電変換素子両端に発生する起電力を測定するための電極とを形成した熱電材料の評価用基板を赤外線カメラで撮像し、撮像した画像から前記熱電変換素子と前記電極との接触部付近の画像データを獲得し、獲得した前記画像データに基づいて前記接触部付近の温度を算出する熱電変換素子の温度測定装置において、前記評価用基板の所定部分が前記赤外線カメラの画面上で表示される位置にマーカを表示し、かつ、前記所定部分と前記マーカとが一致するように前記評価用基板と前記赤外線カメラとを位置合わせした場合に、前記赤外線カメラの画面上の前記接触部付近が表示される領域を予め測定領域に設定し、前記位置合わせ後の画面において前記測定領域から獲得した画像データに基づいて温度を算出することを特徴とする、熱電変換素子の温度測定装置。
  2. 請求項1に記載の熱電変換素子の温度測定装置において、前記所定部分を前記熱電変換素子と前記電極との接触部に設定し、それによって、前記マーカが前記測定領域に形成されるようにしたことを特徴とする、熱電変換素子の温度測定装置。
  3. 請求項1に記載の熱電変換素子の温度測定装置において、前記評価用基板上に形成された前記熱電変換素子と前記電極とが黒体塗装されている場合、前記所定部分は、前記評価用基板上の前記黒体塗装がされていない部分に設定されることを特徴とする、熱電変換素子の温度測定装置。
  4. 請求項3に記載の熱電変換素子の温度測定装置において、前記評価用基板上面の周囲に前記電極に発生する起電力を外部に導出するための電極パッドが形成され、前記所定部分は当該電極パッドの形成位置に設定されることを特徴とする、熱電変換素子の温度測定装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱電変換素子の温度測定装置において、前記評価用基板上には前記熱電変換素子と前記電極とで構成される熱電変換ユニットが複数個形成されることを特徴とする、熱電変換素子の温度測定装置。
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