JP2008300788A - 固体撮像素子、撮像装置、およびカメラシステム - Google Patents

固体撮像素子、撮像装置、およびカメラシステム Download PDF

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Abstract

【課題】リップルの影響を小さくすることが可能で、特性のばらつきを防止でき、画質改善を図ることができる固体撮像素子、撮像装置、およびカメラシステムを提供する。
【解決手段】入射光のうち特定波長の光のみを透過させるカラーフィルタ(第1フィルタ)102と、第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子105と、第1フィルタの透過光の光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成されたMLT(第2フィルタ)104と、第2フィルタの光入射側および光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、第2フィルタの設計による全構造の波長依存(リップル)の影響を減少させる機能を有する減少層106Bとを含む
【選択図】図6

Description

本発明は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子、撮像装置、およびカメラシステムに関するものである。
能動画素やイメージセンサセルは、セルへの入力光のエネルギーを集めるために用いられる光電変換素子としてフォトダイオードが設けられている。主として、そのようなセルは、可視域の全波長範囲に感応し、色の3原色である赤(R)セル、緑(G)セル、青(B)セルを選定するためのカラーフィルタが用いられる。
イメージセンサの色フィルタの配列としては、色再現性が良好な、色の3原色のうち緑(G)を2つ、赤(R)、青(B)を一つずつ用いた2×2マトリクスのベイヤー配列が知られている。
このベイヤー配列は、色よりも輝度の解像度を重視した配列である。
ところで、このような色フィルタ配列においては、混色等の問題に対して完全ではなく、赤色セルに入射する全ての光が赤色光ではいことから、3つのフィルタを介した入力からより純粋な色を得るような補正アルゴリズムが用いられる。
上記した技術とは別に、上述したようなフィルタが赤外光をカットしないことから、通常、赤外光遮断(ブロックキング)フィルタ(以下、IRフィルタという)が必要とされる。このIRフィルタは、標準的に外部のフィルタプレートに形成される。このフィルタプレートは、センサデバイスの全面上に配置される。
しかしながら、そのような領域は、高感度領域であるので、高性能CMOSイメージセンサには、R,G,Bの各画素と一緒にピクセル内に結合する研究を行うことが必要となっている。これはいわゆる画素が、非常に高感度であるからである。
そのような研究としては、画素のセットにおいて、デバイスのコントラストと感度を改善するために赤外光を検出するものが知られている。
この技術は、IRフィルタを持つには、全般的ではなく、むしろ個々の分離した画素に適用することが課題となる。
この一つの方法として、異なる屈折率の材料を交互に積層してなる干渉フィルタとして機能する多重フィルム層を用いる方法がある。
この方法によれば、IRフィルタを構成することが可能となるが、リップルの影響が問題となってくる。このリップルの影響は、波長の変化と共に、画素のピークゲインにおいて周期的な変動として見られる。
リップルの影響の原因は、積層膜(MLT)が反射率との全構造の設計の組み合わせであることによる。積層膜(MLT)が高反射率であることは、たとえばシリコンセンサ表面と積層膜間に光が捕捉されて、これに伴って多重反射が起こる。その結果、光が捕捉されることは、入射光の波長に依存する光の増大あるいは枯渇を引き起こす。
このことは、一画像でリップルの影響が全構造の膜厚の変化に伴って全体のキャビティで安定し、変化した場合には、リップルが大きな問題となるものとは考えられない。
しかしながら、デバイスチップ内の全体のキャビティの変動により、デバイスチップ内で実質的に変化が見られることは、実験により知られていることである。
また、この種の技術としては、たとえば特許文献1に開示されている固体撮像装置が知られている。
特開2006−102778号公報
上述したように、個々の画素(ピクセル)に個々のIRフィルタを持つことの利点は理解されているところである。
しかし、この構成の大きな不利益は、リップルの影響が実質的に増大することである。これは真に、MLT(積層膜)の高い反射率によるものであり、この問題を解決するべく種々の試みがなされている。
図1は、個々のIRフィルタを持つ画素の構成例を示す簡略断面図である。
図1においては、リップルの発生に寄与する主要領域が示されている。
図1において、1はオンチップレンズ(OCL)を、2はカラーフィルタを、3は内部チップレンズを、4はMLT(積層膜)を、5はシリコン光導電領域部(光電変換部)を、それぞれ示している。
図2は、リップルがデバイスの赤画像特性にどのように影響を及ぼすかを説明するための図である。
図2において、横軸が波長を、縦軸が反射率をそれぞれ表している。
図2においては、OCL1からシリコンセンサ表面における全体の膜厚の違いに起因して2つの特性曲線間に大きな差異があることが示されている。
このことは、製品を大量に製造しようとするときに、明らかに大きな問題となる。
理想的には、MLT4は波長400nm〜700nmの可視域において100%の透過特性を持ち、IR域において0%の透過特性を持つことが好ましい。このことは、可視域あるいはIR域においてリップルがないことを意味する。第1に可視光を透過し、第2にIR光の完全に遮光すべきだからである。
したがって、図3に示すように、リップルを発生する領域のみ移行(切り替え)領域にあるべきである。
しかしながら、実際には、フィルタ応答はそれを作製する層の数に制約を受ける。層の数が増えるほど、図3に示すような理想的特性に近づく。
ところが、層の数が多いということは、実質的にOCL1のシリコンセンサ表面に対する高さが高くなることを意味する。このことは、デバイスを使いものにならないようにする極度の混色およびシェーディングの問題を引き起こす。
したがって、フィルタ特性とデバイス特性間でバランスをとる必要があり、その結果、理想的なスペクトルは得られず、図4に示すような特性となる。
この理想的な特性からの逸脱は、全スペクトル域においてリップルの問題を引き起こすことになる。
本発明は、リップルの影響を小さくすることが可能で、特性のばらつきを防止でき、画質改善を図ることができる固体撮像素子、撮像装置、およびカメラシステムを提供することにある。
本発明の第1の観点の固体撮像素子は、入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成された第2フィルタと、上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層とを含む。
本発明の第2の観点の撮像装置は、光電変換を行う複数の画素が行列状に配列され、上記画素が、入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成された第2フィルタと、上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層と、を含む。
本発明の第3の観点のカメラシステムは、撮像装置と、上記撮像装置の撮像部に入射光を導く光学系と、上記撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路と、を有し、上記記撮像装置は、光電変換を行う複数の画素が行列状に配列され、上記画素が、入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成された第2フィルタと、上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層と、を含む。
本発明によれば、たとえば減少層により第2フィルタの設計による全構造の波長依存(リップル)の影響が減少される。
本発明によれば、リップルの影響を小さくすることが可能で、特性のばらつきを防止でき、画質改善を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るMOS固体撮像装置の要部の構成例を示すブロック図である。なお、MOS型固体撮像装置では、多数の単位画素が行列状に配列されることになるが、ここでは、図面の簡略化のために、2行×2列の画素配列として描いている。
また、図6は、本発明の実施形態に係る画素個々にIRフィルタを持つ固体撮像素子の構成例を示す簡略断面図である。
以下、まず図5に関連付けて固体撮像装置の基本的な全体構成を説明した後、画素個々にIRフィルタを持つ画素の具体的な構成、特に、MLT(積層膜)に付加されるリップルを減少させる構成、機能について説明する。
図5において、単位画素10は、光電変換素子である、たとえばフォトダイオード11以外に、転送トランジスタ12、増幅トランジスタ13およびリセットトランジスタ14の3つのN型MOSトランジスタを有する3トランジスタ構成となっている。
この画素構成において、フォトダイオード11は、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷(たとえば、電子)に光電変換して蓄積する。
転送トランジスタ12は、フォトダイオード11のカソードとフローティングノードN11との間に接続され、ゲートが垂直選択線21に接続されており、導通(オン)することによってフォトダイオード11に蓄積されている信号電荷をフローティングノードN11に転送する機能を有している。
増幅トランジスタ13は、垂直信号線22と電源Vddとの間に接続され、ゲートがフローティングノードN11に接続されており、フローティングノードN11の電位を垂直信号線22に出力する機能を有している。
リセットトランジスタ14は、ドレイン(一方の主電極)がドレイン線(配線)23に、ソース(他方の主電極)がフローティングノードN11に、ゲートがリセット線24にそれぞれ接続されており、フローティングノードN11の電位をリセットする機能を有している。
この単位画素10が行列状に配置されてなる画素領域(撮像領域)において、垂直選択線21、ドレイン線23およびリセット線24の3本の線は、画素配列の各行ごとに水平(H)方向(図の左右方向)に配線されており、垂直信号線22は各列ごとに垂直(V)方向(図の上下方向)に配線されている。
そして、垂直選択線21、ドレイン線23およびリセット線24は、垂直駆動回路(VDRV)を構成するVシフトレジスタ25によって駆動される。
垂直選択線21およびリセット線24は、Vシフトレジスタ25の垂直選択パルスTおよびリセットパルスRを出力する各出力端に各行ごとに直接接続されている。ドレイン線23は、Vシフトレジスタ25のリセット電圧出力端に対して各行ごとにP型MOSトランジスタ26を介して接続されている。P型MOSトランジスタ26のゲートは接地されている。
上記画素領域の垂直方向(図中の上下方向)に一方側において、各列ごとに、垂直信号線22の一端とグランドとの間にN型MOSトランジスタからなる負荷トランジスタ27が接続されている。この負荷トランジスタ27は、そのゲートがロード(Load)線28に接続されて定電流源の役目をする。
画素領域の垂直方向の他方側において、垂直信号線22の他端には、N型MOSトランジスタからなるサンプルホールド(SH)スイッチ29の一端(一方の主電極)が接続されている。このサンプルホールドスイッチ29の制御端(ゲート)はSH線30に接続されている。
サンプルホールドスイッチ29の他端(他方の主電極)には、サンプルホールド(SH)/CDS(Correlated Double Sampling)回路31の入力端が接続されている。
サンプルホールド/CDS回路31は、垂直信号線22の電位Vsigをサンプルホールドし、相関二重サンプリング(CDS)を行う回路である。
ここで、相関二重サンプリングとは、時系列で入力される2つの電圧信号をサンプリングしてその差分を出力する処理を言う。
サンプルホールド/CDS回路31の出力端と水平信号線32との間には、N型MOSトランジスタからなる水平選択スイッチ33が接続されている。
この水平選択スイッチ33の制御端(ゲート)には、水平駆動回路(HDRV)を構成するHシフトレジスタ34から水平走査時に順次出力される水平走査パルスH(H1,H2,…)が与えられる。
水平走査パルスHが与えられ、水平選択スイッチ33がオンすることで、サンプルホールド/CDS回路31で相関二重サンプリング(CDS)された信号が水平選択スイッチ33を通して水平信号線32に読み出される。
この読み出された信号Hsigは、水平信号線32の一端に接続された出力アンプ35を通して出力端子36から出力信号Voutとして導出される。
図5の構成は最も基本的な構成を示しているが、単位画素10は、実際には可視域の全波長範囲に感応し、色の3原色である赤(R)セル、緑(G)セル、青(B)セルを選定するためのカラーフィルタが用いられる。
以上、固体撮像装置の基本的な全体構成を説明した。
次に、個々にIRフィルタを持つ画素の具体的な構成、特に、MLT(積層膜)に付加されるリップルを減少させる構成、機能について図6等に関連付けて具体的に説明する。
図6においては、リップルの発生に寄与する主要領域が示されている。
図6の固体撮像素子(画素)100は、オンチップレンズ(OCL)101、カラーフィルタ(第1フィルタ)102、内部チップレンズ103、MLT(積層膜、第2フィルタ)104、シリコン光導電領域部(フォトダイオード、光電変換部)105、およびリップル減少層106T,106Bを有している。
カラーフィルタ102は、特定波長の選択された色光域(R,G,またはB)を通過(透過)させることが可能に形成されている。
MLT104は、内部光のバンドパスフィルタとして機能し、異なる屈折率の材料を交互に積層してなる多重フィルム層として形成されている。
MLT104の形成材料は、高い屈折率hnを持つものとしてSiN、TiO、NbO、あるいはSiCを採用することが可能である。
また、低い屈折率lnを持つものとして、SiO、SiO、あるいはMgFを採用することが可能である。
屈折率の調和する膜105は、シリコン光導電領域部(フォトダイオード、光電変換部)107に形成され、図5に示す転送トランジスタ12、増幅トランジスタ13およびリセットトランジスタ14との電気的関係をもつように形成されている。そして、シリコン光導電領域部105に平坦化膜108を介してリップル減少層106B、MLT104、およびリップル減少層(第2の減少層)106Tが形成されている。
リップル減少層106T,106Bは、それぞれMLT104の光入射側(デバイスとしては上面側)および光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)に形成されている。
図6に示すリップル減少層106T,106Bは、単一層として形成されており、その屈折率は、MLT104の形成材料より低い。
図6のリップル減少層106B、MLT104、およびリップル減少層106Tからなるフィルタ構成は、リップルの影響を完全に取り除くことはできないが、リップルの影響を実質的に減少させることができる。
このように、MLT104の光入射側(デバイスとしては上面側)および光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)の両側にリップル減少層106B、106Tを形成することにより、最悪な部分を取り除くことができる。
図6のリップル減少層106T,106Bは、最も簡単な構成を有し、上述したように単一層により形成されており、その膜厚は、おおよそ次式に従って設定される。
[数1]
λ/(4n1)
ここで、n1はリップル減少層を形成する材料の屈折率を、λは波長をそれぞれ示している。
リップル減少層の材料としては、直接的に上および下となる層間の中間の屈折率を有するものが選択される。
たとえば、MLT104の周囲の材料は通常SiO(二酸化シリコン)である。MLT104の上層および底面層は通常SiN、TiO、SiC、あるいはSiのような高い屈折率の材料である。
したがって、中間の屈折率を持つ材料としてはSi0(1−X)を用いることができる。
以上、リップル減少層106T,106Bは、最も簡単な構成、すなわち単一層により形成された例を説明した。
リップルの影響をより効果的に減少させることができるリップル減少層として、たとえば図7に示すような、多層構造を採用することができる。
図7に示すリップル減少層は、4層構造を採用してリップルの影響を減少させている。
MLT104の光入射側(上面側)は、リップル減少層106T−1,106T−2,106T−3,106T−4の4層構造に形成されている。
同様に、MLT104の光出射側(底面側)は、リップル減少層106B−1,106B−2,106B−3,106B−4の4層構造に形成されている。
この4層構造においては、MLT104の光入射側(上面側)のリップル減少層106T−1,106T−2,106T−3,106T−4は、光入射側からMLT104の上面側(光入射部)に向かって徐々に屈折率が大きくなるような材料により形成される。
同様に、MLT104の光出射側(底面側)のリップル減少層106B−1,106B−2,106B−3,106B−4は、光出射側からMLT104の底面側(光出射部)に向かって徐々に屈折率が大きくなるような材料により形成される。
たとえば、周囲の絶縁膜(平坦化膜等)を屈折率が1.45程度のSiO2により形成され、MLT104の上層および底面層は屈折率2.0のSiNに形成されていると、4層構造の各リップル減少層は次のように形成される。
たとえば、最も絶縁膜側(外側)のリップル減少層106T−1および106B−4は、屈折率が1.45より大きい屈折率が1.5程度の材料により形成される。次のリップル減少層106T−2および106B−3は屈折率が1.5程度より大きい屈折率が1.6程度の材料により形成される。次のリップル減少層106T−3および106B−2は屈折率が1.6程度より大きい屈折率が1.75程度の材料により形成される。そして、最もMLT側(内側)のリップル減少層106T−4および106B−1は屈折率が1.75程度より大きく、2.0より小さい屈折率が1.9程度の材料により形成される。
このような多層構造を採用することにより、リップルの影響をより効果的に減少させることができる。
図7の例は4層構造であるが、もちろん層の数が増えるほど、より厚くなることにはなるが効果を大きくなる。ただし、あまり層数を大きくすると、混色の問題やより製造工程が複雑になるおそれがある。
また、複数層で形成する代わりに、たとえば図8(A),(B)に示すように、リップル減少層106T−5、106B−5として単一層の成分を調整して屈折率が外側から内側(MLT側)に向かって屈折率が略線形に変化するように構成することも可能である。
この構成においても、図6の単純な単一構造よりも、リップルの影響をより効果的に減少させることができる。
上述した図6から図8の構成は、移行領域側のリップルの影響を減少させる効果を有するが、移行領域それ自身についてはその効果が小さい。
移行領域外におけるリップルの影響の減少効果を維持するのと同様に、この移行領域のリップルを制限するには、MLT104の構成に工夫することで対応可能である。
これには、非対称構成を用いる。
具体的には、MLT104を、ダイクロイックフィルタ(二色性フィルタ)、すなわちフィルタの入射光に依存して異なる特性を持つフィルタとして形成する。
図9は、模範的な2つの材料により形成されるフィルタの厚さ関係を示す図である。
図9において、横軸が層の番号を、縦軸が層厚をそれぞれ表している。
ここでは、2つの材料SiOとSiNを図中の矢印の順に積層した場合を示している。また、図9において、Aで示す線がSiOの厚さを示し、Bで示す線がSiNの厚さを示している。
厚さの変化に依存させて特性を得るより、むしろ要求に合致した材料を変えることにより所望のフィルタ特性を得ることも、もちろん可能である。
たとえば層の厚さを一定に保ったままで、層の材料、すなわち屈折率を変えることにより所望のフィルタ特性を得ることができる。
図10は、2つの材料により形成される他のフィルタの厚さ関係を示す図である。
図10において、横軸が層の番号を、縦軸が層厚をそれぞれ表している。
この場合も、高い屈折率hnと低い屈折率ln2つの材料図中の矢印の順に積層した場合を示している。
たとえば、屈折率の高い材料としてはSiN、TiO、NbOあるいはSiCを採用することができ、屈折率の低い材料としては、SiO、SiO、あるいはMgFを採用することができる。
また、図10において、Aで示す線が屈折率の低い材料の厚さを示し、Bで示す線が屈折率の高い材料の厚さを示している。
この場合、材料を変えることによるバンドエッジシフトにおける変化はさほど大きくない。しかし、IRおよび可視域の幅は、屈折率hnとln間の減少と共に縮小する。
図11は、3つの材料により形成されるフィルタの厚さ関係を示す図である。
図11において、横軸が層の番号を、縦軸が層厚をそれぞれ表している。
この場合も、高い屈折率hnと低い屈折率ln2つの材料図中の矢印の順に積層した場合を示している。
また、図11において、Aで示す線がSiOの厚さを示し、Bで示す線がSiNの厚さを示し、Cで示す線がTiOの厚さを示している。
この場合、要求される厚さはより均一で、製造しやすくなるという利点がある。
なお、厚さの変化により依存させて特性を得るより、むしろ要求に合致した材料を変えることにより所望のフィルタ特性を得ることも、もちろん可能である。
たとえば層の厚さを一定に保ったままで、層の材料、すなわち屈折率を変えることにより所望のフィルタ特性を得ることができる。
図12は、本実施形態に係るダイクロイックフィルタ(二色性フィルタ)の特性を示す図である。
図12において、横軸が波長を、縦軸が相対的な透過率をそれぞれ表している。
図12からわかるように、光の入射方向に応じて移行ポイントがシフトする。
フィルタの上面側を通して入射する光は、フィルタの底面側のどの領域において反射されず、このことはリップルが存在できないことを意味している。
以上の技術を採用することにより、図13に示すように、スペクトルデータの領域から完全にリップルの影響を効果的に取り除くことが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、リップル減少層106T,106Bは、それぞれMLT104の光入射側(デバイスとしては上面側)および光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)に形成されている。
また、MLT104の光入射側(上面側)のリップル減少層106T−1,106T−2,106T−3,106T−4は、光入射側からMLT104の上面側に向かって徐々に屈折率が大きくなるような材料により形成され、同様に、MLT104の光出射側(底面側)のリップル減少層106B−1,106B−2,106B−3,106B−4は、光出射側からMLT104の底面側に向かって徐々に屈折率が大きくなるような材料により形成される。
あるいは、リップル減少層106T−5、106B−5が単一層の成分を調整して屈折率が外側から内側(MLT側)に向かって屈折率が略線形に変化するように形成される。
また、MLT104がダイクロイックフィルタ(二色性フィルタ)として形成される。
その結果、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
すなわち、内部にIRフィルタを持つ個体撮像素子のリップルによる影響が著しく改善される。すなわち、重要は波長範囲内において、リップルの影響を大幅に減少させることができる。その結果、内部フィルタを有する高性能なイメージセンサに対応することができる。
なお、以上においては、リップル減少層106T,106Bは、それぞれMLT104の光入射側(デバイスとしては上面側)および光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)の両側に形成されている例について説明した。
しかし、本発明は、この構成に限らず、リップル減少層を、MLT104のたとえば少なくとも光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)のみに形成する場合においても上述したように効果を得ることができる。
図14は、リップル減少層を、MLTの光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側(デバイスとしては底面側)のみに形成した固体撮像素子を示す図である。
その他の構成は図6と同様であることから、その詳細は省略する。
また、図7の場合と同様に、図15に示すように、MLT104の光出射側(底面側)において、リップル減少層106B−1,106B−2,106B−3,106B−4の4層構造(多層構造)に形成することも可能である。
この場合も、図7の場合と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、図8の場合と同様に、図16(A),(B)に示すように、リップル減少層106B−5を、単一層の成分を調整して屈折率が外側から内側(MLT側)に向かって屈折率が略線形に変化するように形成することも可能である。
この場合も、図8の場合と同様の作用効果を得ることができる。
第1フィルタなしでも内蔵された第2フィルタに効果がある。R,G、Bを持つイメージセンサだけではなくR,G,B,A(A=第1フィルタなし画像)でも効果がある。内蔵された第2フィルタが特にIRフィルタである必要はなく、多層膜色IRフィルタでの効果が同じである。
このような効果を有する固体撮像素子は、デジタルカメラやビデオカメラの撮像デバイスとして適用することができる。
図17は、本発明の実施形態に係るカメラシステムの構成の概略を示すブロック図である。
本カメラシステム200は、撮像デバイス210と、この撮像デバイス210の画素領域に入射光を導く光学系、たとえば入射光(像光)を撮像面上に結像させるレンズ220と、撮像デバイス210を駆動する駆動回路230と、撮像デバイス210の出力信号を処理する信号処理回路240などを有する構成となっている。
このカメラシステム200において、撮像デバイス210として、上記実施形態に係る撮像装置が用いられる。
駆動回路230は、タイミング制御部にも相当する回路であって、撮像デバイス210を駆動する。
信号処理回路240は、撮像デバイス210の出力信号Voutに対して種々の信号処理を施して映像信号として出力する。
このように、本カメラシステムによれば、先述した実施形態に係る撮像装置を撮像デバイス210として用いることにより、リップルの影響を大幅に低減することができることから、小回路規模にて雑音の少ない、高画質の撮像画像を得ることができる。
なお、本発明の撮像装置は、1チップとして形成された撮像装置であっても、複数のチップの集合体として形成されたモジュールタイプの撮像装置であってもよい。複数チップの集合体として形成された撮像装置である場合、撮像を行うセンサチップ、デジタル信号処理を行う信号処理チップなどに分かれて形成され、さらに、光学系を含むこともある。
個々にIRフィルタを持つ画素の構成例を示す簡略断面図である。 リップルがデバイス特性にどのように影響を及ぼすかを説明するための図である。 理想的なIRフィルタの特性を示す図である。 実際のIRフィルタの特性を示す図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置の要部の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画素個々にIRフィルタを持つ固体撮像素子の構成例を示す簡略断面図である。 本実施形態に係るリップル減少層を多層構造にした構成例を示す図である。 本実施形態に係るリップル減少層を単一層で屈折率を略線形に変化させた構成例を示す図である。 模範的な2つの材料により形成されるフィルタの厚さ関係を示す図である。 2つの材料により形成される他のフィルタの厚さ関係を示す図である。 3つの材料により形成されるフィルタの厚さ関係を示す図である。 本実施形態に係るダイクロイックフィルタ(二色性フィルタ)の特性を示す図である。 本実施形態に係るダイクロイックフィルタ(二色性フィルタ)を採用した場合のスペクトルデータを示す図である。 リップル減少層を、MLTの光をシリコンセンサ表面に出射する光出射側のみに形成した固体撮像素子を示す図である。 本実施形態に係るリップル減少層を多層構造にした他の構成例を示す図である。 本実施形態に係るリップル減少層を単一層で屈折率を略線形に変化させた他の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るカメラシステムの構成の概略を示すブロック図である。
符号の説明
10・・・単位画素、11・・・フォトダイオード、12・・・転送トランジスタ、13・・・増幅トランジスタ、14・・・リセットトランジスタ、22・・・垂直信号線、23・・・ドレイン線、24・・・リセット線、25・・・Vシフトレジスタ、26・・・P型MOSトランジスタ、31・・・サンプルホールド/CDS回路、32・・・水平信号線、34・・・Hシフトレジスタ、100,100A・・・固体撮像素子、101・・・オンチップレンズ(OCL)、102・・・カラーフィルタ、103・・・内部チップレンズ、104・・・MLT(積層膜)、105・・・シリコン光導電領域部(フォトダイオード、光電変換部)、106T,106T−1〜106T−5,106B、106B−1〜106B−5・・・リップル減少層、200・・・カメラシステム、210・・・撮像デバイス、220・・・レンズ、230・・・駆動回路、240・・・信号処理回路。

Claims (10)

  1. 入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、
    上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、
    上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され,積層膜により形成された第2フィルタと、
    上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層と
    を含む固体撮像素子。
  2. 上記光電変換素子への光出射側に配置された減少層は、その屈折率が上記光電変換素子と対向する側から上記第2フィルタの光出射部に向かって徐々に高くなるように形成されている
    請求項1記載の固体撮像素子。
  3. 上記第2フィルタの光入射側に配置された第2の減少層をさらに有し、
    上記第2の減少層は、屈折率がその光入射側から上記第2フィルタの光入射部に向かって徐々に高くなるように形成されている
    請求項2記載の固体撮像素子。
  4. 上記減少層は屈折率が異なる複数の層の多層構造により形成されている
    請求項2記載の固体撮像素子。
  5. 上記各減少層は屈折率が異なる複数の層の多層構造により形成されている
    請求項3記載の固体撮像素子。
  6. 上記減少層は、屈折率を徐々に変化させた単一層により形成されている
    請求項2記載の固体撮像素子。
  7. 上記各減少層は、屈折率を徐々に変化させた単一層により形成されている
    請求項3記載の固体撮像素子。
  8. 上記第2フィルタは、ダイクロイックフィルタにより形成されている。
    請求項1から6のいずれか一に記載の固体撮像素子。
  9. 光電変換を行う複数の画素が行列状に配列され、
    上記画素が、
    入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、
    上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、
    上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成された第2フィルタと、
    上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層と、を含む
    撮像装置。
  10. 撮像装置と、
    上記撮像装置の撮像部に入射光を導く光学系と、
    上記撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路と、を有し、
    上記記撮像装置は、
    光電変換を行う複数の画素が行列状に配列され、
    上記画素が、
    入射光のうち特定波長の光のみを透過させる第1フィルタと、
    上記第1フィルタを透過した光を電気信号に変換する光電変換素子と、
    上記第1フィルタの透過光の上記光電変換素子への光路に配置され、積層膜により形成された第2フィルタと、
    上記第2フィルタの光入射側および上記光電変換素子への光出射側のうち少なくとも光出射側に配置され、当該第2フィルタの波長依存の影響を減少させる機能を有する減少層と、を含む
    カメラシステム。
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