JP2008298350A - ガスタービンエンジンの燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合燃焼方式における予混合気供給部の空気取入口への流入空気の流量配分を均一化して燃焼室の火炎温度の分布を均一化する。
【解決手段】燃焼室を形成する環状の燃焼筒と、燃焼室内に予混合気燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部4を有する複数の燃料噴射ユニット2と、予混合気供給部4に燃料を供給する燃料供給ユニットと、燃料噴射ユニット2の上流側に圧縮機からの圧縮空気を導入する環状の空気導入口と、予混合気供給部4における環状の空気取入口43に対して、その軸方向上流側に位置するカバー部とを備える。カバー部は、空気取入口から軸方向の上流側に離間して配置され、空気取入口との間に空気導入路を形成し、軸方向から見て空気取入口に少なくとも一部分が重なっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、拡散燃焼方式と希薄予混合気燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式の燃料噴射構造を有するガスタービンエンジンの燃焼装置に関する。
ガスタービンエンジンにおいては、環境保全への配慮から、燃焼により排出される排ガスの組成に関して厳しい環境基準が設けられており、窒素酸化物(以下、N0X という)などの有害物質を低減することが求められている。一方、大型のガスタービンや航空機用エンジンでは、低燃費化および高出力化の要請から、圧力比が高く設定される傾向にあり、それに伴って燃焼装置入口における高温・高圧化が進んでおり、この燃焼装置の入口温度の高温化によって燃焼温度が高くなり易いことから、N0X をむしろ増加させる要因になることが懸念されている。
そこで、近年では、N0X 発生量を効果的に低減できる希薄予混合気燃焼方式と、着火性能および保炎性能に優れた拡散燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式が提案されている。希薄予混合気燃焼方式は、空気と燃料を予め混合して燃料濃度を均一化した混合気として燃焼させるため、局所的に火炎温度が高温となる燃焼領域が存在せず、かつ燃料の希薄化により全体的にも火炎温度を低くできることから、N0X 発生量を効果的に低減できる利点がある反面、大量の空気と燃料とを均一に混合することから、燃焼領域の局所燃料濃度が非常に薄くなってしまい、特に低負荷時での燃焼安定性が低下する課題がある。一方、拡散燃焼方式は、燃料と空気とを拡散・混合しながら燃焼させることから、低負荷時にも吹き消えが起こり難く、保炎性能が優れている利点がある。したがって、複合燃焼方式は、始動時および低負荷時に拡散燃焼により燃焼安定性を保持できるとともに、高負荷時に希薄予混合気燃焼によりN0X 発生量を低減できる。
前記複合燃焼方式による燃焼装置は、燃焼室内に拡散燃焼方式による拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部と、前記燃焼室内に希薄予混合気燃焼方式による予混合燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部とを備えている。この燃焼装置は、始動時や低負荷時に燃料噴射部のみから燃料を供給し、高負荷時に燃料噴射部に加えて予混合気供給部からも燃料を供給するようになっている。(特許文献1,2)。
特開2002−115847号公報 特開2002−139221号公報
ところで、圧縮機から供給される高温・高圧の圧縮空気が環状のディフューザから約100m/secの流速で環状の燃焼筒の上流側に導入されるが、従来の拡散燃焼方式では、その圧縮空気の15%程度が軸流スワーラを介して燃焼室内に取り入れられるだけであるが、上述の複合燃焼方式では、導入された圧縮空気のうちの50%〜70%が燃料噴射ユニットを介して燃焼室内に取り入れられるため、燃料噴射部の外側の予混合気供給部には外径の大きい軸流スワーラが用いられている。燃焼筒の上流側を覆うカウルには、上述の外径の大きい軸流スワーラに対応した径の円形の開口が形成されており、この開口を通して圧縮空気を燃料噴射ユニットに導くようになっている。前記円形の開口は、従来の拡散燃焼方式の場合、ディフューザの開口部流路高さの1.2〜2倍程度の直径に設定されているが、複合燃焼方式の場合、ディフューザの開口部流路高さの3〜4倍もの大きな径に設定される。
しかしながら、環状のディフューザからカウルの上流側に導入された高温・高圧の圧縮空気は、ディフューザの開口部流路高さ、すなわち燃焼装置への空気導入口の径方向寸法に対応する幅で環状の帯状に分布する高動圧領域を形成し、この高動圧領域はカウルの大きな径を有する各開口の中心部分のみに対向する。そのため、予混合気供給部の軸流スワーラには、カウルの開口におけるガスタービン径方向の中央部分を通過した高動圧の圧縮空気が流入する部分と高動圧でない圧縮空気が流入する部分とが生じてしまい、軸流スワーラを通過する空気流量の配分が不均一になる。
このように軸流スワーラを不均一な流量配分で空気が通過すると、予混合気供給部の予混合通路内において燃料と空気との配合むらが生じるために、燃焼室内の火炎温度が不均一な分布となり、高温の火炎部におけるNOx発生量の増加、ライナ上のホットスポットの発生によるライナの寿命低下や燃焼器の出口温度分布の不均一によるタービンの寿命低下といった悪影響を招く。また、軸流スワーラから導出される空気の速度分布にむらが発生すると、燃焼室内に良好な逆流領域を形成することができないので,良好な着火性や安定燃焼の妨げとなり、かつ燃焼効率の低下を招く。
上述の問題を解消するために、カウルをディフューザに対し大きく離間して設置したり、ディフューザの開口部流路高さを大きくすることが考えられるが、この何れの手段を用いた場合にも、燃焼器の軸方向長さが大きくなって燃焼器が大型化するので、採用するのが困難である。
本発明は、拡散燃焼方式および希薄予混合気燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式において、予混合気供給部の空気取入口に流入する空気の流量配分を均一化して燃焼室の火炎温度の分布を均一化することができるタービンエンジンの燃焼装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るガスタービンエンジンの燃焼装置は、燃焼室を形成する環状の燃焼筒と、前記燃焼室内に予混合気燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部を有する複数の燃料噴射ユニットと、前記予混合気供給部に燃料を供給する燃料供給ユニットと、前記燃料噴射ユニットの上流側に圧縮機からの圧縮空気を導入する環状の空気導入口と、前記予混合気供給部における環状の空気取入口に対して、その軸方向上流側に位置するカバー部とを備え、前記カバー部が、前記空気取入口から前記軸方向の上流側に離間して配置されて前記空気取入口との間に空気導入路を形成し、前記軸方向から見て前記空気取入口に少なくとも一部分が重なっている。
この構成によれば、予混合気供給部の環状の空気取入口の軸方向上流側に位置するカバー部が、軸方向から見て空気取入口に一部分が重なっているので、動圧の高い領域の圧縮空気が空気取入口に直接流入するのが抑制される結果、圧縮空気を、空気取入口の全体にわたり均一な流量で流入させることができる。これにより、予混合気供給部では、全体にわたり燃料と空気との混合濃度が均一化される。その結果、燃焼室内の火炎温度も均一になるので、高温の火炎に起因するNOxの発生量を抑制することができ、燃焼室を構成するライナの壁面上のホットスポット発生が防止されてライナの十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器の出口温度分布の均一化にともなってタービンの十分な寿命も確保できる。さらに、予混合気供給部から供給される混合気の速度分布が均一化されるので、燃焼室内に良好な逆流領域を安定に形成できることから、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保することができる。
本発明において、さらに、前記燃料噴射ユニットは、前記燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部を備え、この燃料噴射部が環状の前記予混合気供給部の中心部に同心状に配置され、前記燃料供給ユニットは、主要部が前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部と、これの中心部に位置し前記燃料噴射部にパイロット燃料を供給するパイロット燃料供給部とを有している構成とすることができる。これにより、燃料噴射部と予混合気供給部とを適切に配置して燃料噴射ユニットを小型化できる。
本発明において、さらに、前記燃焼筒の上流端部を覆って前記燃料噴射ユニットの上流側の圧縮空気を前記燃焼筒の外側に導くカウルを備え、このカウルが前記燃料噴射ユニットに空気を導入する開口を有し、前記カウルに前記カバー部が一体形成されていることが好ましい。これにより、燃焼装置に既存のカウルの開口の孔形状を変更するのみでカバー部を形成できるので、部品点数の増加を抑制して安価な構成とすることができる。
前記カウルに前記カバー部を一体形成する構成において、前記燃料供給ユニットは前記空気取入口の上流側に配置されて、前記空気取入口と同心の環状の前記メイン燃料供給部を有し、前記カバー部が、前記カウルにおける開口のガスタービン周方向に対向する両側部に形成されていることが好ましい。空気導入口から導入される圧縮空気は、ガスタービン周方向に環状の帯状に延びる高動圧領域を形成するので、カウルの開口のガスタービン周方向に対向する両側部にカバー部を一体形成することにより、動圧の高い領域の空気が空気取入口に直接流入するのをカバー部によって防ぐことができるので、空気取入口に流入する空気流量を全体にわたり効果的に均一化できる。
本発明において、前記燃料供給ユニットは前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部を有し、前記カバー部は前記メイン燃料供給部の外周を囲むリング体からなる構成とすることもできる。これにより、動圧の高い領域の空気をリング体により静圧に一旦戻したのち、この空気の圧力と燃焼室内の圧力との差圧で空気を空気取入口内に引き込むので、圧縮空気を、空気取入口の全体にわたり均一な流量で流入させることができる。
本発明において、前記リング体は前記燃料供給ユニットに支持されていることが好ましい。これにより、リング体を既存の燃料供給ユニットに支持させるので、専用の支持部材を別途必要としない。
本発明において、前記リング体の外周縁の外径が前記燃料噴射ユニットの空気取入口の外径よりも大きいことが好ましい。これにより、リング体が空気取入口を塞いで動圧の高い領域の空気を効果的に静圧に戻すことができる。
本発明のガスタービンエンジンの燃焼装置によれば、カバー部により、圧縮空気が空気取入口の全体にわたり均一な流量で流入するように整流されるから、予混合気供給部において燃料と空気との混合濃度が均一化された予混合気が生成されるので、燃焼室内の火炎温度を均一化してNOxの発生量を抑制でき、燃焼室を構成するライナの十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器の出口温度分布の均一化にともなってタービンの十分な寿命も確保でき、さらに、燃焼室内に良好な逆流領域を安定に形成して、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼装置を構成する燃焼器1の頭部を示している。この燃焼器1は、ガスタービンエンジンの図示しない圧縮機から供給される圧縮空気に燃料を混合して生成した混合気を燃焼させ、その燃焼により発生する高温・高圧の燃焼ガスをタービンに送ってタービンを駆動するものである。
燃焼器1はアニュラー型であり、環状のアウタケーシング7の内側に環状のインナケーシング8が同心状に配置されて、ガスタービン軸心(回転軸心)と同心の環状の内部空間を有する燃焼装置ハウジング6を構成している。この燃焼装置ハウジング6の環状の内部空間には、環状のアウタライナ10の内側に環状のインナライナ11が同心状に配置されてなる燃焼筒9が、燃焼装置ハウジング6と同心円状に配置されている。燃焼筒9は内部に環状の燃焼室12を形成しており、この燃焼筒9の頂壁9aに、燃焼室12内に燃料を噴射する複数(この実施形態では14個)の燃料噴射ユニット2が、燃焼筒9と同心の単一の円上に等間隔に配設されている。各燃料噴射ユニット2は、燃料噴射部(パイロット燃料噴射ノズル)3と、この燃料噴射部3の外周を囲むように燃料噴射部3と同心状に設けられた予混合気供給部(メイン燃料噴射ノズル)4とを備えている。燃料噴射部3および予混合気供給部4の詳細については後述する。
アウタケーシング7およびアウタライナ10を貫通して、着火を行うための2つの点火栓13が、燃焼筒9の径方向を向き、かつ先端が燃料噴射ユニット2に相対向する配置で設けられている。したがって、この燃焼器1では、2つの点火栓13に対向する2つの燃料噴射ユニット2からの可燃混合気が先ず着火され、この燃焼による火炎が、隣接する各燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に次々に火移りしながら伝播して、全ての燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に着火される。
図2は図1のII−II線に沿った拡大縦断面図である。前記燃焼装置ハウジング6の環状の内部空間には、圧縮機から送給される圧縮空気CAが環状のディフューザ14の内部通路を介してこれの下流端の空気導入口14aから導入され、この導入された圧縮空気CAは、燃焼筒9の上流端部を覆うカウル27に設けた開口27aを介して燃料噴射ユニット2に供給されるとともに、カウル27によって燃焼筒9の外側に導かれて、燃焼筒9のアウタライナ10およびインナライナ11にそれぞれ複数形成された冷却用空気導入口17から燃焼室12内に供給される。
燃料配管ユニット18は、前記燃料噴射部3に拡散燃焼のための燃料を供給する第1燃料供給系統F1および前記予混合気供給部4に希薄予混合燃焼のための燃料を供給する第2燃料供給系統F2を備えており、アウタケーシング7に支持されている。この燃料配管ユニット18に接続された燃料供給ユニット20が、燃料配管ユニット18からの燃料Fを燃料噴射ユニット2に供給する。この燃料供給ユニット20は、カウル27の開口27aを貫通するように配置されており、その詳細については後述する。燃料噴射ユニット2はその外周部に設けたフランジ5Aと、アウタライナ10に設けた支持体5Bとを介してアウタライナ10に支持され、このアウタライナ10が、ライナ固定ピンPでアウタケーシング7に支持されている。燃焼筒9の下流端部にはタービンの第1段ノズルTNが接続される。
前記燃料噴射部3は燃料噴射ユニット2の中央部に設けられている。この燃料噴射部3は、内外二重の環状のスワーラ33と拡散ノズル32とを有しており、燃料配管ユニット18の第1燃料供給系統F1から送給されて燃料供給ユニット20のパイロット燃料供給部31の燃料噴射孔から噴射された燃料Fを、スワーラ33を通過した圧縮空気CAにより微粒子化したのち、拡散ノズル32を経て燃焼室12内に噴霧することにより、拡散燃焼領域50を形成する。この燃料噴射部3の外周を囲む形で、環状の前記予混合気供給部4が設けられている。この予混合気供給部4は、予混合通路42と内外二重の環状のスワーラ43とを有し、燃料配管ユニット18の第2燃料供給系統F2から送給されて燃料供給ユニット20における環状のメイン燃料供給部41に周方向に等間隔で配置された燃料噴射孔から予混合通路42に噴射された燃料Fに、スワーラ43を通過した圧縮空気CAを混合して予混合気を生成し、これを燃焼室12内に噴射して予混合燃焼領域51を形成する。
燃料噴射部3および予混合気供給部4は、各々の内外二重のスワーラ33,43を環状の空気取入口として圧縮空気CAを内部に取り入れる。前記燃料供給ユニット20は、パイロット燃料供給部31とメイン燃料供給部41とがユニット基体19に連結された構成を有している。この燃料供給ユニット20は、燃料噴射部3に対し、パイロット燃料供給部31を環状のスワーラ33内に嵌入し、かつメイン燃料供給部41を環状のスワーラ43内に嵌入した状態で、所定本数のピン(図示せず)の嵌め合いにより相互に留められている。
燃料噴射部3には、全負荷領域において第1燃料供給系統F1から燃料Fが供給される。予混合気供給部4には、全負荷に対し例えば70%以上の高負荷時、および高負荷時と低負荷時の間にある、例えば全負荷の40〜70%の中負荷時において、第2燃料供給系統F2から燃料Fが供給される。なお、予混合気供給部4は、全負荷に対し40%以下の低負荷時において、燃料Fが供給されないことから、スワーラ43を通して圧縮空気CAのみを燃焼室12に供給する。
図3は上記燃焼器1の要部であるカウル27、燃料供給ユニット20および燃料噴射部3の相対関係を示す斜視図であり、燃料供給ユニット20は、予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43と同心の環状のメイン燃料供給部41が、前記スワーラ43に対し上流側(図の手前側)から内部に嵌入され、かつメイン燃料供給部41の中心部に位置するパイロット燃料供給部31が、図2の燃料噴射部3の内外二重のスワーラ33に、これの上流側から嵌入されて、燃料噴射ユニット2に連結されている。スワーラ43の入口43aが予混合気供給部4の空気取入口を形成し、スワーラ33の入口33aが燃料噴射部3の空気取入口を形成しており、燃料供給ユニット20のメイン燃料供給部41を除いた主要部は、これら空気取入口43a,33aの上流側に位置している。
前記カウル27は、燃料供給ユニット2における燃料噴射部3および予混合気供給部4の各々の空気取入口であるスワーラ33,43に対し上流側に離間して配置されている。このカウル27に、圧縮空気CAを燃料噴射ユニット2に導入するための開口27aが長孔形状に形成されている。
図4は図3のA方向矢視図であり、前記カウル27の開口27aは、ガスタービン周方向Qにおける両側部が、ほぼ径方向Rに延びる互いに平行な直線形状となって、予混合気供給部4の軸方向から見て予混合気供給部4のスワーラ43に重なっており、この重なった部分がカウル27と一体のカバー部27bを形成している。ガスタービン径方向Rにおける両側部は、前記軸方向から見てスワーラ43に重なることがなく、スワーラ43の上部および下部を露出させるように、径方向Rに大きく離間している。これにより、開口27aは径方向Rに長い長孔形状となっている。ガスタービン周方向Qにおける燃料供給ユニット20のメイン燃料供給部41と開口27aの孔縁との隙間C1は製造上の寸法公差を吸収する程度の小さな寸法に設定され、径方向Rにおけるスワーラ43と開口27aの孔縁との隙間C2は、製造上の寸法公差および運転中の相対変位差を吸収するよう、前記隙間C1の1〜3倍程度に設定されている。図2のディフューザ14の空気導入孔14aの開口部流路高さに対応する幅Wで帯状にガスタービン周方向Qに環状に分布する高動圧領域HAは、図4の開口27aにおけるガスタービン径方向Rの中心部分を通る。
予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43における高動圧領域HAに入る部分は、内側のスワーラ43の一部分だけであって、その他の部分は、前記カバー部27bにより塞がれている。カバー部27aは、図5に示すように、空気取入口43aから予混合気供給部4の軸方向上流側に離間しており、カバー部27aと空気取入口43aとの間に空気導入路61が形成されている。したがって、高動圧領域HAの圧縮空気CAは、前記カバー部27bに当たって流速が低下することにより、高動圧領域HA以外の圧縮空気CAとほぼ同等の低い動圧に整流されたのち、カバー部27b近傍の孔縁から開口27aを通り、空気導入路61を経てスワーラ43に流入する。一方、高動圧領域HA以外の圧縮空気CAはそのまま開口27aを通ってスワーラ43内に流入する。すなわち、スワーラ43には、圧縮空気CAが、スワーラ43の全体にわたりほぼ同じ流速となるように整流されたのちに流入する。これにより、スワーラ43の圧縮空気CAの流入量はスワーラ43の全体にわたり場所的に均一化される。
なお、燃料噴射部3のスワーラ33には、その全域が高動圧領域HAに含まれるから、圧縮空気CAがそのまま流入するので、予混合気供給部4のような不均一の問題は生じない。
したがって、予混合気供給部4では、周方向の全体にわたり均一化された混合率で圧縮空気CAと燃料とが混合されて、混合濃度つまり空燃比が全体にわたり一定の混合気が燃焼室12内に供給される。その結果、燃焼室12内の火炎温度も均一となるので、高温の火炎に起因するNOxの発生量を抑制することができ、燃焼室12を構成するライナ10,11の壁面は、温度分布の不均一に伴うホットスポットが発生しないことから損傷を受けにくく、ライナ10,11の十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器1の出口温度分布も均一化されるから、タービンの第1ノズルTNは、ホットスポットによる焼損や高い熱応力の発生が抑制されて、十分な寿命を確保できる。さらに、予混合気供給部4から供給される混合気の速度分布が均一化されるので、燃焼室12内に良好な逆流領域を安定に形成できることから、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保することができる。また、カバー部27bで高動圧領域HAの圧縮空気CAの流れを一旦せき止めることによる圧力損失は、スワーラ43の全体に流入する圧縮空気の流速を均一化できる大きな整流効果によって相殺される。これらの効果が得られることは、実験によって確認済みである。
なお、従来の燃焼器のカウルには、図3に2点鎖線Uで示すように、一般に円形の開口が形成されている。したがって、この燃焼器1では、既存のカウル27に孔形状を長孔に変更した開口27aを形成するだけで、カバー部27bをカウル27に一体形成でき、専用のカバー部を別途設ける必要がないから、部品点数の増加を抑えた簡単な構成で上述した種々の効果を得ることができる利点がある。
図6は、本発明の第2実施形態に係る燃焼器における要部を示す斜視図である。この燃焼器では、円形の開口29aが形成された既存のカウル29を用い、カバー部として、燃料供給ユニット20のメイン燃料供給部41の外周を囲むリング体34が設けられている。このリング体34は、その中央部の取付孔34aにメイン燃料供給部41の外周面を嵌合させた状態で、そのメイン燃料供給部41の外周面に溶接またはろう付けで固定されている。
図7は図6の一部切断した側面図を示し、リング体34は、燃料噴射ユニット2の外側の空気取入口43aを形成するスワーラ43の外径Dよりも大きい外径を有し、かつカウル29の前端部に沿った碗形の曲面形状に形成された板材からなる。このリング体34は、カウル29の上流側において、カウル29に対し隙間Cが全体にわたりほぼ一定となる相対配置で設けられて、リング体34とスワーラ43との間に、スワーラ43への空気導入路61Aが形成されている。上記隙間Cの大きさは、第1実施形態の場合と同程度である。
このリング体34を設けた燃焼器では、リング体34が燃料噴射ユニット2におけるメイン燃料供給部41の外周面の外側箇所の全体を覆っているので、予混合気供給部4のスワーラ43に向かって流動してきた圧縮空気CAは、リング体34に当たって一旦せき止められたのち、リング体34の外周縁部からリング体34とカウル29との間の空気導入路61Aに流動して、カウル29の開口29aを通ってカウル29内に流入する。カウル29内に入った圧縮空気CAは、一部の動圧が一旦静圧に戻されたのち、カウル29内の圧力と燃焼室12内との差圧によってスワーラ43内に取り込まれる。したがって、圧縮空気CAは、スワーラ43の全体にわたりほぼ同じ流速で流入するから、スワーラ43の圧縮空気CAの流入量はスワーラ43の全体にわたり場所的に均一化され、第1実施形態で説明したと同様の効果を得ることができる。それに加えて、この実施形態では、既存のカウル29をそのまま用いて、簡単な形状のリング体34を新たに設けるだけで済むので、大きなコスト高を招くことがない。
図8は本発明の第3実施形態に係る燃焼器における要部を示す斜視図である。この燃焼器では、カウルを除外して、メイン燃料供給部41の外周面を嵌合させることのできる円形の取付孔37aを中央部に形成したリング体37を、カバー部として設けている。
図9は図8の一部切断した側面図である。リング体37は、単純な球面形状であり、予混合気供給部4の軸方向から見て、燃料噴射ユニット2の外側の空気取入口であるスワーラ43の外径Dよりも大きい外径を有する円形の外周を有し、スワーラ43との間に空気導入路61Bを形成する。したがって、このリング体37は、第2実施形態とほぼ同様に機能して同様の効果を得ることができ、また、第2実施形態のカウル27に沿った複雑な球面を有する形状のリング体34とは異なり、単純な球面を有しているので、容易に製作できる利点があるのに加えて、カウルを除外して構成を簡素化できるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼装置を示す概略正面図である。 図1のII−II線に沿った拡大断面図である。 第1実施形態の要部構成を示す斜視図である。 図3のA方向矢視図である 図2の要部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る燃焼器における要部を示す斜視図である。 図6の一部切断した側面図である。 本発明の第3実施形態に係る燃焼器における要部を示す斜視図である。 図8の一部切断した側面図である。
符号の説明
2 燃料噴射ユニット
3 燃料噴射部
4 予混合気供給部
9 燃焼筒
12 燃焼室
20 燃料供給ユニット
27 カウル
27a 開口
27b カバー部
31 パイロット燃料供給部
33,43 スワーラ
33a,43a 空気取入口
34,37 リング体(カバー部)
41 メイン燃料供給部
50 拡散燃焼領域
51 予混合気燃焼領域
61,61A,61B 空気導入路
F 燃料
CA 圧縮空気

Claims (7)

  1. 燃焼室を形成する環状の燃焼筒と、
    前記燃焼室内に予混合気燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部を有する複数の燃料噴射ユニットと、
    前記予混合気供給部に燃料を供給する燃料供給ユニットと、
    前記燃料噴射ユニットの上流側に圧縮機からの圧縮空気を導入する環状の空気導入口と、
    前記予混合気供給部における環状の空気取入口に対して、その軸方向上流側に位置するカバー部とを備え
    前記カバー部は、前記空気取入口から前記軸方向の上流側に離間して配置されて前記空気取入口との間に空気導入路を形成し、前記軸方向から見て前記空気取入口に少なくとも一部分が重なっているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  2. 請求項1において、さらに、前記燃料噴射ユニットは、前記燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部を備え、この燃料噴射部が環状の前記予混合気供給部の中心部に同心状に配置され、前記燃料供給ユニットは、主要部が前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部と、これの中心部に位置し前記燃料噴射部にパイロット燃料を供給するパイロット燃料供給部とを有しているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  3. 請求項1または2において、さらに、前記燃焼筒の上流端部を覆って前記燃料噴射ユニットの上流側の圧縮空気を前記燃焼筒の外側に導くカウルを備え、このカウルが前記燃料噴射ユニットに空気を導入する開口を有し、前記カウルに前記カバー部が一体形成されているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  4. 請求項3において、前記燃料供給ユニットは前記空気取入口の上流側に配置されて、前記空気取入口と同心の環状の前記メイン燃料供給部を有し、前記カバー部が、前記カウルにおける開口のガスタービン周方向に対向する両側部に形成されているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  5. 請求項1または2において、前記燃料供給ユニットは前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部を有し、前記カバー部は前記メイン燃料供給部の外周を囲むリング体からなるガスタービンエンジンの燃焼装置。
  6. 請求項5において、前記リング体は前記燃料供給ユニットに支持されているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  7. 請求項5または6において、前記リング体の外周縁の外径が前記燃料噴射ユニットの空気取入口の外径よりも大きいガスタービンエンジンの燃焼装置。
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