JP2008298264A - ボルト・ナットの締結方法とその締付構造 - Google Patents

ボルト・ナットの締結方法とその締付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】
新しいゆるみ止め機構を備えているボルト・ナットの締結方法と締結構造。
【課題を解決する手段】
ナットの内ねじを該ナットの中心軸線に対して所要の角度に傾斜させて設け、この内ねじボルトを螺合させる締結手段であって、ボルトとナットの締結初期にあっては、ナットの回転によってその内ねじ座面の一部がボルトのねじの一部に着座するとボルトに軸力が生じ、ナットの回転角の増加に比例して軸力も増加させるともに、着座面積が増加するようになしたこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゆるみを発生させないボルト・ナットの締結方法とその構造関する。
自動車や、各種機械や、電気機器そして各種建築などの構造物を組み立てる際に使用される結合法の一つであるボルト締結は、取り付けや取り外しの容易さ、価格の安さなどの面から幅広く使用されている。しかしボルトなど締結体に衝撃や振動、あるいは熱負荷などの動的な外力が作用すると、ナットはしばしば戻り回転を開始し、ボルト締結体は締結力を失い、締結部はその機能をはたさなくなる。
この結果現在に至ってもなお産業界において、ボルト・ナットのゆるみに起因する事故が多く発生している。このようにボルト・ナットによる締結体のゆるみの間題は工学分野において解決すべき重要な課題の一つである。
従来、上記の機器の他あらゆる構造物には、ボルトと共にそれに螺合するナットが大量に使用されている。このナットは、強く締め付けることによって強固に組付くので、締結具として優れた作用効果を発揮する。しかし、例えば特に振動が加わる箇所に使用すると、その振動によってゆるんでしまうといった欠点がある。
こうした欠点を解消するために、二つのナットを重ねて所謂ダプルナットとして使用する方怯がある。このようなダプルナットとすると、振動の加わる箇所に使用しても、それまでの一つのシングルナットを使用した場合に比してゆるみ難いといった効果がある。
しかし、ダブルナットとして使用することは、二つのナットを使用することであるため、シングルナットの場合と比較してコストが嵩み、その取付けも二重の手間を要する。
本発明者らはこうした問題に鑑み、たゆまぬ創意,研究を重ねた結果、遂にシングルナトでありながら、振動が加わってもゆるみが生じ難いナットを開発(特許文献1参照),提供をなし多大な好評を博した。
それは図24に示すようにボルト(a)に螺合するナットであり、その略々中間高さより稍々下位部分に径方向に沿って少なくともネジ部(b)の一部を切除する範囲に致たるまで、好ましくはその中心線(c)を越える範囲に至るまで、横溝(d)を形成し、かつその座面を横溝(d)斜面の形成側に上昇傾斜する1度乃至5度の傾斜角度θをもつ傾斜面(e)とし、横溝(d)の中立線Q−Qの延長線とを交差させたものである。
特開2004−156637号
本発明はさらにこれを改善したものであり、このボルト締結体のゆるみの間題を解決する一つの方法として、新しいゆるみ止め機構を備えていることが期待される傾斜ねじナット(ScrewIncliclinod Nut)を開発したのである。
而してこの傾斜ねじナットは、通常六角ナットと同等の形状を有る単一のものを用いるのでありながら、これとボルトを締付けの際に複雑な工具や手順を要しないボルト・ナットの締結方法を提唱し、その結果仮令振動が加わってもゆるみが発生せず、かつ生産性に優れボルト・ナットの締結構造を提供するものである。
よって本発明の特徴はナットの内ねじを該ナットの中心軸線に対して所要の角度に傾斜させて設け、この内ねじボルトを螺合させる締結手段を有するボルト・ナットの締結方法とその構造にある。
そして、ボルトとナットの締結初期にあっては、ナットの回転によってその内ねじ座面の一部がボルトのねじの一部に着座することによりボルトに軸力が生じ、ナットの回転角の増加に比例して軸力も増加させ、着座面積が増加するようになしたことである。
他の本発明の特徴として上記のナットは、その一側より中心軸線に対して直交する水平方向に、所要巾にして所要奥行きのスリットを穿設したことにある。
さらにこのナットの内ねじの所要角度を1度乃至6度としたことも本発明の特徴の1つである。
本発明の効果としては、ナットの内ねじを該ナットの中心軸線に対して所要の角度に傾斜させて設け、この内ねじボルトを螺合させる締結手段を有するもので、この本発明のボルト・ナットの締結構造の用いられる傾斜ねじナットは、製造簡単な通常六角ナットと同等の形状を有る単一のものを用いるのであり、これとボルトを締付けの際に複雑な工具や手順を要せず、仮令振動が加わってもゆるみが発生せず、かつ生産性に優れボルト・ナットの締結構造を提供できたのである。
またかかる内ねじを穿設したナットは、当該内ねじの中心線がナットの中心線に対して、所定の角度傾斜させて形成したので、例えば振動が加わってもポルトがゆるむことがないと共に、製造が容易であるため生産性に優れているのである。
すなわち、かかるネットの内ねじは、その中心線がナットの中心線に対して傾いた状態で形成されているので、当内ねじにポルトを螺合させると、このゆるみ止めナットは、歪んだ状態でその座面の一部が局部的に取付け部材に強固に接触することになる。これにより当該接触部分に大きな摩擦抵抗が発生し、ゆるみの発生が防止されるのである。
また、内ねじは従来技術のようにナットに傾斜座面を形成する必要がなく、通常のナットを、例えば水平状態で保持しその状態で、当該ネジ孔を形成する刃物を、その中心軸をナットの中心線から所定の角度傾斜させて加工すれば良いので、成形がきわめて容易であり、従って生産性に優れている。
また、かかるにそのナットの中心線に直交する方向に横溝を形成したものでは、特にゆるみの発生をより効果的に防止することができたのである。これは横溝を形成したことによって、横溝近傍のねじが、ボルトに局部的に強く締付くからであり、ポルトや取付け部材等から伝わる振動が当該横溝によって吸収され、当該振動がゆるみ止めナットの全体にそのまま直接伝達されるのが阻止されるからでる。
なお、上記ナットの中心線に対する内ねじの中心線角度αを、所要の1°〜6°としているので、さらに効果的にゆるみを防止することができるのである。即ち当該所定角度αが1°未満であると傾斜が小さすぎるので、ナットの取付け部材に対する局部的な接触が弱くなり、また7°以上であると傾斜が大きすぎるのでボルトヘの蝶合締付けが困難となりナットとしての機能を損なうことになる。
さらに、横溝の深さ(奥行)は内ねじ横断する範囲にまで形成しているので、横溝近傍のねじを、ボルトに局部的により強く締付けることができ、これによりゆるみ止め効果をさらに高めることができたのである。
しかして本発明の最良の形態を述べると、図1および図2で(1)はこの実施例に用いられる傾斜ねじナットで、通常の平面六角ナットと同等の形状を有る単一の素材からなり、この六角形状のナット(1)の垂直中心線(L)に対して、1度乃至6度の角度(α)に傾斜させて内ねじ(2)を穿設したものである。
そして上記ナット(1)の内ねじ(2)に通常のボルト(3)を螺合させることで本発明の締結構造本体(4)は完了する。
この場合図3は、取付ける部材(5)に嵌込まれたボルト(3)に、本発明のナット(1)を螺合させる取付け初期の段階を示すものであり、この図の実施例のものは、表1の示すような寸法を示すようなナット(1)を用いた。
Figure 2008298264
而して具体的に、ナット(1)を締付けた初期段階で、その傾斜した内ねじ(2)によりボルト(3)との接触座面に傾斜角度が発生し、締付けの軸力が増加するに従い、篏合あったボルト(3)と、ナット(1)内ねじ(2)との夫々のねじ部に、大きな接触力を発生させ、この結果ボルト(3)とナット(1)の著大なゆるみ防止効果を発揮させることができたのである。
即ち、この取り付け初期の状態にあって、三次元有限要素法を適用して、本実施例ナット(1)使用した締結構造本体(4)の性能を解析的に評価してみた。この場合解析ソフトとして知られているADINA8.0を使用した。
またその解析は、ナット(1)の回転角法による弾塑性締付けをモデル化し実施することにした。これに要するボルト(3)の遊びねじ部は5山、グリップ長さを80mm、披締結物は剛体と仮定しボルト座面と披締結物は固着とするものとした。
ボルト(3)およびナット(1)のねじ寸法は、6H/6H/6gの公差域内の呼び径M16のメートル並目ねじとした。また解析においては、傾斜したナット(1)の所要角度は1°と1.5゜とした、要素は一次元四面体要素を用いねじ面核触部およびナット座面の部分は締付けトルクを精度よく解析するために要素を密に分割した。そしてナット座面、ねじ面、披締結物接触面には接触要素を設定した。図4はその三次元有限要素モデルである。
なお、解析に用いた材料物性値として、ボルト(3),ナット(1)の縦弾性係数は200MPaとした。またボルト(3),ナット(1)のポアソン比は0.3とした。そしてボルト(3)の強度区分は10.9、ナットは8とした。この時初期降伏応力はボルトを790MPa、ナットを790MPaとした。
また塑性則は線形硬化弾塑性体とし、塑性の接線係数はボルト(3),ナット(1)共に2700MPaとした。解析の種類は材料非線形、幾何学的非線形を考慮した弾塑性解析を行った。さらに接触面における摩擦係数は0.15とし、締付け過程において摩擦係数は変化しないものと仮定した。
而して実施例における締結構造本体(4)の解析諸元は表2の通である。
Figure 2008298264
この場合本発明に於ける実施例のナット(1)の三次元有限要素モデルのノード数は、17769、また要素数は87430である。解析はナット(1)の回転角を0.1°毎に計算を進めていき、計算値が発散するまで進めたもので、計算結果は1°おきに出力するようにした。さらにCPUはPENTIUM(登録商標)4、 2.4GHzのコンピュータを使用して計算時間は72時間であった。
次に1回転角と締付け軸力および締付けトルクの開係解析結果を述べると、解析では表3に示すように傾斜角度と締め付け回転速度が異なる3種類について検討した。
Figure 2008298264
ここで[SIN]とは本発明者が傾斜内ねじ(2)を持つナット(1)Screw Incliclinod Nut の頭文字をとって、仮にSINとした略号である。そしてその結果は図5乃至9の計算結果グラフで明らかである。
即ち図5は、ナット回転角と締付け軸力の関係を示したものであり、横軸はナット(1)の回転角、縦軸は締付け軸力を示す。図において太い実線は本発明に於ける実施例のナット(SIN1)、細線は本発明に於ける他の実施例のナット(SIN2)の場合の解析結果を示すものである。
而してこの軸力と回転角の関係は、回転角が約10°くらいまでは軸力は発生しない。これはナット(1)の内ねじ(2)部が所要角度傾斜しているために、締付けの初期において、ナット座面が傾斜していることによるものである。続いて回転角が11°から49°くらいまでは、ゆるやかではあるが軸力が発生する。
この区間の単位角度あたりの軸力の増加率は340N/degである。回転角が50°以上になると勾配が急に大きくなる。これは、傾斜する内ねじ(2)の座面が、回転角が37°に達すると、ナット(1)の座面が完全に被締結物に着座することによるものである。
図6は、ナット(1)の回転角と締付けトルクの関係を示す。図において太い実線が本発明に於ける実施例の(SIN3)のナット、細線が本発明に於ける上記実施例のナット(SIN2)の場合を示すもので、横軸は回転角,縦軸は締付けトルクを示す。この場合回転角と締付けトルクの関係も、上掲の回転角と締付け軸力の場合と同様の特性を示すことが分った。
さらに回転角が約10゜くらいまでは締付けトルクは発生しない。これはナットのねじ部軸心(L)が傾斜しているために、締付けの初期においてナット座面が傾斜していることによる。次いでナット(1)が回転して回転角が11°をすぎるくらいから46°くらいまでは、ゆるやかではあるが締付けトルクが発生する。
そして、この区間の単位角度あたりのトルクの増加率は923N/degである。この回転角が46°以上になると勾配が急に大きくなる。これはナット(1)の座面が、回転角が46°に達すると、ナット(1)の座面が完全に被締結物に着座することによるものと思われる。
続いて、図7は軸力と締付けトルクの関係を示もので、横軸は軸力,縦軸は締付けトルクを示す。軸力が増加すると、締付けトルクもー様に増加する、図において太い実線は本発明に於ける実施例のナット(SIN3)、細線は本発明に於ける他の実施例のナット(SIN2)の場合の解析結果を示すものである。
同じく図8は、本発明に於ける実施例のナット(1)の場合のナット回転角と締付け軸力の関係を示すもので、横軸は回転角、縦軸は締付け軸力を示す。そして、回転角が約20°くらいまでは軸力は発生しない。これは、ナット(1)の内ねじ(2)部が所定角度1°傾斜しているために、締付けの初期においてナット座面が傾斜していることによる。
今回転角が20°から50°くらいまでは、ゆるやかではあるが軸力が発生する。この区間の単位角度あたりの軸力の増加率は300N/degである。回転角が50°以上になると勾配が急に大きくなる。これは、傾斜ねじナットの座面が、回転角が50°に達すると、ナット(1)の座面が完全に被締結物に着座することによる。
図9は本発明に於ける実施例のナット(1)の締付けトルクと回転角の解析結果を示したもので、横軸はナットの回転角,縦軸は締付けトルクを示のである、締付けトルクは座面トルクと、ねじ面トルクリード角の和となるのである。
図10は軸力と締付けトルクの関係を示もので、横軸は軸力,縦軸は締付けトルクを示し、軸力が増加すると締付けトルクも一様に増加することが判明できる。
次に本実施例斜内ねじ(2)を持ったナット(1)、即ち上記で(SIN)の応力評価を述べると、そのJIS標準ナットの場合についての計算結果は図17乃至20の示したグラフの通であり、それは軸力が50kNおよび100kN(90kN)の場合の応力分布を示もので図における、カラースケールの単位はkgf/mmである。
そして図17は、軸力が50kNの楊合の応力解析の計算結果を示もので、軸心より左側のボルト(3)の表面近傍に65 kgf/mmの応力が発生していることになる。図18は軸力100kNの場合についての、応力解析の計算結果を示したもので、軸力が100kNになると、85 kgf/mmの応力がかなり広範囲に発生する事が判明する。
図19,20は、軸力が50kNの場合および100kNの場合について、JIS標準ナットの応力解析の計算結果を示すものである。JIS標準ナットの場合は軸心を中心として対称に応力が発生している様子がうかがわれる。いま軸力が100kNの場合について、JIS標準ナットの応力分布と比較してみると、軸心より右側の応力分布はJIS標準ナットの場合と大差はないが、軸心より左側はやや大きく応力が発生している様子がうかがわれるのである。
なお、図11乃至14に締結構造本体(4)の縦剪断写真を掲示した。そして図11は、実施例のナット(1)[SIN]の応力解析(軸力50kNの場合),図12の応力解析(軸力90kNの場合),図13は、JIS標準ナットの応力解析(軸力50kNの場合),図14はJIS標準ナットの応力解析(軸力100kNの場合)を掲げたものである。因みにJISの標準ナットで応力分布は左右対称に発生するが、本実施例のナット(1)では軸心より左側に高い応力が偏在する非対称の分布となるのである。
続いてこの締結構造本体(4)について、そのゆるみの試験を実施した。それは締結構造本体(4)(供試体)を試験機に取り付け、以下の次の条件で試験を実施した。即ち、かかる締結構造本体(4)に17分間振動試験を実施し、17分後にゆるまなかった時は戻しトルクを測定する。
試験機としては図15のような高速ねじゆるみ試験機を使用した。振動条件として振動数は1780rpm、加振台ストロークは11mm、インパクトストロークは19mm、振動は全振幅を設定した。そしてゆるみの判定は供試ボルト、供試ナットおよびワッシャーの合マークがずれ、ワッシャーが指で回せるようになった時をゆるんだと判定した。その結果は表4の振動試験結果通りである。
Figure 2008298264
このゆるみ試験は、M16の本発明に於ける実施例のナット(1)[SIN]を、3試料について実施したものである。そしてこの実施例のナット(1)の材質はS45Cを用いた。強度区分は8である。こ実施例のナット(1)[試験品]は締付けトルクを280Nmに設定したが、いずれの場合もゆるまなかった。戻しトルクは締付けトルクの78.6乃至85.7%であった。
次にかかる締結構造本体(4)(供試体)の締付け試験を実施した。このためには先ず、JIS B 1084の締付け試験方法を満足する試験装置を開発した。それは各種のボルト・ナット締結体の締付け回転角、締付け軸力および締付けトルクの関係が実測できるものである。
そしてこの開発した締付構造は、図16に各機器の構成と信号の流れを示した。即ち図で、MはSGギアモータ[TML15−120。5KWシグマ技研製]であり、Cは変速機、Aは角度検出センサー、Tはトルク変換器[TP−100KMCB KYOWA]、Lはワッシャー型ロードセル[LCW−C−400KN60SA6B KYOWA]、TPは訳験試料、SIはセンサインターフェース[PCD−300AKYOWA]、PCはパーソナルコンピュータをそれぞれ示す。計測精度は締付けトルクが1KN・mで0.07%、締付け軸力が400KNで0.1616%、締付け回転角が350度で0.58%である。
この締結構造本体(4)の締付け試験で、本実施例のナット(1)[SIN]の取付部締付け試験を、下記の2種類で行った。それは、
1.M16 本実施例のナット(1)[SIN]の10割5個に実施した。それは、材質s45c焼き入れ処理(qT)強度8,ボルト(3)の強度10.9である。
2.M16 JIS標準ナット、5個に実施した。それは、材質s45c焼き入れ処 理(qT)強度8,ボルト(3)の強度10.9である。
而してその試験の結果は、図17の締付け軸力、図18の締付けトルク、図19の締付けトルクと軸力の関係、図20の締付け軸力に示したグラフの試験結果より優れた結果が得られていること明らかである。
なお、図25のグラフは本発明実施品とJIS標準ナットの各5個ずつの試験結果を平均したものを比較したものである。そして特性曲線は4次多項式近似で平滑化した。その結果締付け軸力の全ての帯域において、トルクメイトの方が、締付けトルクが大きいことが判明した。たとえば締付け軸力が30,60,90,120KNにおいてトルクメイトの締付けトルクはJIS標準ナットに比較して、36.6%、25.55%、21.8%、24.4%それぞれ大きい値である。
以上のことから、本発明の実施体である締結構造本体(4)の構造は、ゆるみ防止構造も持っていること明らかである。いいかえればこの締結構造本体(4)はそのボルト(3)とナット(1)の締結座面と、おねじとめねじ[内ねじ(2)]の接合面との二つの面がゆるみ防止構造となっていると言えるのである。
即ちゆるみ防止能力は二つの面の摩擦力と摩擦中心の半径との積である。座面の摩擦力は軸力と摩擦係数の積であり、ねじ面の摩擦力は軸力のねじ面垂直分力とねじ面摩擦係数との積である。従って、摩擦係数の大きいボルト(3),ナット(1)や座面半径の大きいボルト(3),ナット(1)はゆるみ難いのである。
ここでこの実施例の内ねじ(2)を持った傾斜ねじナット(1)のゆるみ止め機構について考察してみると、この本発明に於ける実施例のナット(1)の傾斜ねじは、その内ねじ(2)の山の嵌合が、ボルトのおねじとめねじのフランク面での接合だけでなく、おねじ山頂部とめねじ谷底の接合をももたらす特徴があるのである。
従って、本発明に於ける実施例のナット(1)とボルト(3)の締結初期はナット(1)の回転によって座面の一部が着座すると、ボルト(3)に軸力が生じ、ナット(1)の回転角の増加に比例して軸力も増加すると共に着座面積が増加するのである。
この時、座面が密着する課程で座面傾斜角があるために本発明に於ける実施例のナット(1)は回転中心線がボルト(3)の中心線から変位しながら回転し、かつボルトを曲げる。この結果本発明に於ける実施例のナット(1)では、ナット(1)中心が偏心してくるので、傾斜側のおねじ山頂とめねじ谷が噛合いながら、フランク面が接合していることになるのである。
この現象をトルクの値で考えると、本発明に於ける実施例のナット(1)のフランク面接触での摩擦力はJIS標準ナットでのフランク面の摩擦力にほぼ等しいが、これに加えて、おねじの半周側において、おねじ山頂での接触はおねじのねじ山が楔の形でめねじの谷に食い込むので、山頂の樹接合の摩擦力とおねじ半径の積としてのトルクが発生することになる。
このため傾斜座面を有するナットはJIS標準ナットよりも高いトルクをもたらすのであって、傾斜座面が全面密着した後も、軸力の増加によりボルトの傾きは増加するので楔接合は強くなるのである。よって傾斜座面は、ねじ山の干渉を増し摩擦力を増加させる機能を有することになる。
図21から24に示した発明は、他の本発明の実施例で上記ナット(1)に、横溝(6)を、当該ナット(1)の中心線(C)に直交する方向に形成したものである。そしてこの実施態様では、上記内ねじ(2)を横断する範囲にわたって形成されている。
そしてこの実施例のゆるみ止めナット(1)は、振動が加わってもボルト(3)からゆるむことがないと共に、成形が容易であるため生産性に優れるものである。すなわち、内ねじ(2)を、その中心線(L)がナット(1)の中心線(C)に対して傾いた状態で形成しているので、当該内ねじ(2)にボルト(3)を蝶合させると、このゆるみ止めナット(1)は、そのー郎が局部的に取付ける部材(5)に強固に接触する。従って大きな摩擦抵抗が発生しゆるみが防止されるのである。
また、内ねじ(2)は、ナット(1)を例えば水平に保持し、その状態で当該内ねじ(2)形成する角度を、ナット(1)の中心線(C)から所定角度α(1°〜6°)傾斜させて加工することによって形成できるので、成形がきわめて容易である。従って生産性に優れているのである。
また、このゆるみ止めナット(1)はこれに横溝(6)を形成しているので、ゆるみの発生をより効果的に防止することができる。これは横溝(6)を形成したことによって、その近傍のネジが、ボルト(1)に食い込んで局部的に強く組付くからであると考えられる。また、ボルト(1)や取付ける部材(5)等から伝わる振動が当該横溝(6)よって吸収し、当該振動がゆるみ止めナット(1)の全体に直接伝達されるのが阻止されるからであると考える。
なお、本実施形態では横溝(6)を、内ねじ(2)を横断する範囲にまで形成してボルト(1)に対する締付けを強固にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば内ねじ(2)の中心部分程度まで形成することもできる。
また、本実施形態においては、上記横溝(6)をナット(1)の中間高さより上位に形成しているが、その形成位置は限定されず、ナット(1)の中間位置あるいはそれより下位に形成することもできる。ただし、その場合は、取付ける部材(5)に対する締付け力が大きくなりすぎて、取り外しが困難となる傾向があるため、本実施形態のように、ナット(1)の中間高さより上位に形成することが好ましい。
本発明の実施に使用されるナットの平面図 同正面図 ナットとボルトの締結構造本体の正面図 同三次元有限要素モデル斜視図 ナット回転角と締付け軸力の関係を示したグラフ ナットの回転角と締付けトルクの関係を示したグラフ 軸力と締付けトルクの関係を示したグラフ ナット回転角と締付け軸力の関係を示したグラフ ナットの締付けトルクと回転角の解析結果を示したグラフ 軸力と締付けトルクの関係を示示したグラフ ナットとボルトの応力解析断面図(軸力50kNの場合) ナットとボルトの応力解析断面図(軸力90kNの場合) JIS標準ナットの応力解析(軸力50kNの場合) JIS標準ナットの応力解析(軸力100kNの場合) 高速ねじゆるみ試験機の説明図 各機器の構成と信号の流れを示したブロック参考図 締付け軸力の試験結果のグラフ 締付けトルクの試験結果のグラフ 締付けトルクと軸力の関係の試験結果のグラフ 締付け軸力の試験結果のグラフ 本発明に係る他のナットの縦断面図 同ナットとボルトの締結状態を示す正面図 同ナットの平面図 本発明者が先に発明したナットの一部切欠平面図 本発明実施品とJIS標準ナットのグラフ
符号の説明
a ボルト
b ネジ部
c 中心線
d 横溝
e 傾斜面
θ 傾斜角度
C ナットの中心線
L 垂直中心線
M SGギアモータ
C 変速機
A 角度検出センサー
T トルク変換器
L ワッシャー型ロードセル
TP 訳験試料
SI センサインターフェース
PC パーソナルコンピュータ
Q−Q中立線
1 傾斜ねじナット
2 内ねじ
3 ボトル
4 締結構造本体
5 取付ける部材
6 横溝

Claims (6)

  1. ナットの内ねじを該ナットの中心軸線に対して所要の角度に傾斜させて設け、この内ねじボルトを螺合させ、
    ボルトとナットの締結初期にあっては、ナットの回転によってその内ねじ座面の一部がボルトのねじの一部に着座するとボルトに軸力が生じ、ナットの回転角の増加に比例して軸力も増加させるともに、該着座面積が増加するようになしたことを特徴とするボルト・ナットの締結方法。
  2. 上記請求項1に示すナットは、その一側より中心軸線に対して直交する水平方向に、
    所要巾にして所要奥行きのスリットを穿設したことが特徴のボルト・ナットの締結方法。
  3. 好くは、上記ナットの内ねじの所要角度を1度乃至6度としたことが特徴の、請求項1および2に示すボルト・ナットの締結方法。
  4. ナットの内ねじを、該ナットの中心軸線に対して所要の角度に傾斜させて設け、該ナットと、これに螺合されるボルとで構成される締結具であって、
    ボルトとナットの締結初期にあっては、ナットの回転によってその内ねじ座面の一部がボルトのねじの一部に着座するとボルトに軸力が生じ、ナットの回転角の増加に比例して軸力も増加させるとともに、該着座面積が増加するようになしたことを特徴とするボルト・ナットの締結構造。
  5. 上記請求項4に示すナットは、その一側より中心軸線に対して直交する水平方向に、
    所要巾にして所要奥行きのスリットを穿設したことが特徴のボルト・ナットの締結構造。
  6. 好くは、上記ナットの内ねじの所要角度を1度乃至6度としたことが特徴の、請求項1および2に示すボルト・ナットの締結構造。
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