JP2008296361A - 管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法 - Google Patents

管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被切断管に偏肉等があってもマンドレルを隙間なく一様に密着させて、切断精度を向上させる。
【解決手段】一組の刃体1,20のダイ孔2,21に、内側にマンドレル30を介在させた被切断管Pを挿入し、両刃体を摺動させることにより切断する管材切断装置であって、前記マンドレルは、被切断管の内径よりも小さい外径を有する円筒体31と、該円筒体内に軸方向に移動可能に設けられた芯部材45とを備え、円筒体の先端部は、複数の縦割りスリット32により半径方向に弾性変形可能な弾性片33が周方向に間隔をおいて複数形成されるとともに、弾性片の内周面は、円筒体を先端に向けて先細りとするテーパ面33aに形成され、芯部材には、弾性片のテーパ面に当接して軸方向に進退させられる拡径部材34と、該拡径部材を押圧する押圧部材36とを備え、これら拡径部材と押圧部材との間に拡径部材を首振り自在に支持する球面座38aが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は管材切断装置に係り、特に、マンドレルによって内側から支持した被切断管を一組の刃体間に架け渡すように貫通させ、これら刃体を摺動させて被切断管を切断する管材切断装置に関する。また本発明は、上記管材切断装置で管素材を切断することによりリング材、シンクロナイザーリング素材等を製造する方法に関する。
従来、長尺の押出管や溶接管等からなる管素材(被切断管)を短尺に切断して、さらに後加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材(リング状素材)を製造する場合は、長尺の管素材を切削刃や研削刃を用いて切断していた。例えば、長尺の押出管からなる管素材を切断して自動車などに用いる変速機の部品であるリング状のシンクロナイザーリング鍛造用素材(シンクロナイザーリング素材)を製造する場合は、長尺の管素材を旋盤に固定して回転させ、突切バイトで切断していた。
ところで、上述の切削刃や研削刃で管素材を切断する管材切断装置は、刃物の厚さ分だけ材料の損失が発生するとともに、加工時間が長く生産性が低くなるという欠点を有している。これら欠点を解決する管材切断装置として固定刃及び回転刃を有し、これら固定刃及び回転刃間に管素材を貫通させ、回転刃を偏心回転させて管素材を切断する管材切断装置が提案されている(特許文献1〜5参照)。この固定刃及び回転刃を有する管材切断装置は、固定刃及び回転刃間に管素材を貫通させて回転刃を偏心回転させると、管素材は固定刃及び回転刃の当接箇所で剪断作用を受けて切断されるので、切断に伴う材料の損失がなく、しかも、加工時間を短縮できるという特徴を有している。
また、上記固定刃及び回転刃を有する管材切断装置で管素材を切断する場合には、管素材の内側に管素材を内側から支持するマンドレルが用いられる(特許文献3参照)。このマンドレルを用いることにより、切断面の精度を高めることができる。
特開昭53−24192号公報 特開平7−16813号公報 特開昭63−52916号公報 特開平8−90328号公報 特開平8−112716号公報
しかしながら、このように内側にマンドレルを介在させた状態で管素材を固定刃及び回転刃間に貫通させて切断する管材切断装置においては、マンドレルが管素材の内側に隙間なく一様に密着していないと、切断面の凹凸が大きくなり、品質低下を招く原因となる。特に、管素材の寸法に偏肉等のばらつきがある場合には、内周面を均一に拘束することが難しく、切断面の精度向上に限界があった。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されたもので、被切断管に偏肉等があっても内周面にマンドレルを隙間なく一様に密着させて、その切断精度を向上させることができる管材切断装置、リング材の製造方法及びシンクロナイザーリング素材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の管材切断装置は、表面どうしを摺動可能に接触させた一組の刃体のダイ孔に、内側にマンドレルを介在させた被切断管を両刃体間に架け渡すように挿入し、両刃体を摺動させることにより前記被切断管を切断する管材切断装置であって、前記マンドレルは、前記被切断管の内径よりも小さい外径を有する円筒体と、該円筒体内に軸方向に移動可能に設けられた拡径用芯部材とを備え、前記円筒体の先端部は、その長さ方向に延びる複数の縦割りスリットにより半径方向に弾性変形可能な弾性片が周方向に間隔をおいて複数形成されるとともに、これら弾性片の内周面は、前記円筒体の内径を先端に向けて先細りとするテーパ面に形成され、前記芯部材には、前記弾性片のテーパ面に当接して軸方向に進退させられる拡径部材と、該拡径部材を後方から押圧する押圧部材とを備え、これら拡径部材と押圧部材との間に拡径部材を前記軸方向に対して首振り自在に支持する球面座が形成されていることを特徴とする。
このように構成した管材切断装置は、両刃体のダイ孔に架け渡すように被切断管を挿入するとともに、この被切断管の内側にマンドレルを挿入しておき、該マンドレルの押圧部材によって拡径部材を押圧すると、該拡径部材が円筒部材のテーパ面を押圧して、各弾性片を半径方向外側に押し広げ、これら弾性片によって被切断管の内周面を拘束した状態とする。この拘束状態において、両刃体を摺動させることにより被切断管を切断する。この場合、マンドレルの円筒体先端部は複数の弾性片に分割されているとともに、該弾性片を内側から押し広げる拡径部材は、球面座によって首振り自在に支持されていることから、被切断管に部分的な偏肉等が生じている場合であっても、拡径部材が球面座に沿って首振りしながら、各弾性片を被切断管の偏肉等に倣うようにすることができる。一方、切断終了後は、拡径部材による押圧状態を解除することにより、各弾性片を縮径させることができるので、被切断管からマンドレルを簡単に抜くことができる。
また、本発明のリング材の製造方法は、前述の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のリング材を製造することを特徴とする。
本発明のリング材の製造方法によれば、管素材を簡便に精度よく切断でき、例えば切断後にさらに加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材の品質が高められるとともに、製造コストが低減する。
また、本発明のシンクロナイザーリング素材の製造方法は、前述の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のシンクロナイザーリング素材を製造することを特徴とする。
本発明のシンクロナイザーリング素材の製造方法によれば、管素材を簡便に精度よく切断でき、例えば自動車等に用いる変速機の部品であるリング状のシンクロナイザーリング素材の品質が高められるとともに、製造コストが低減する。
本発明に係る管材切断装置及びこれを用いたリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法は、マンドレルの円筒体先端部は複数の弾性片に分割されているとともに、該弾性片を内側から押し広げる拡径部材は、球面座によって首振り自在に支持されていることから、被切断管に部分的な偏肉等が生じている場合であっても、拡径部材が球面座に沿って首振りしながら、各弾性片を被切断管の偏肉等に倣うようにすることができる。したがって、偏肉等が生じている被切断管であっても、その内面に弾性片を一様に接触させて、確実に拘束状態とすることができ、高精度の切断を可能にする。
以下、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管材切断装置の縦断面図を示しており、この管材切断装置は、被切断管Pに剪断力を作用させるための固定刃体1と、回転刃ホルダ10に収納された回転刃体20と、これら両刃体1,20間で切断される被切断管Pを固定刃体1の内側で拘束するマンドレル30及び回転刃体20の内側で被切断管Pの先端部を拘束する拘束具50とを備える構成とされている。
固定刃体1は、図3に示すように、鋼製のブロック体からなり、その固定刃体1の一面1a(図3に示す例では固定刃体1の正面であり、本発明の表面に相当する)は、高い滑り性を有する平坦面に形成されている。図示の例では、固定刃体1の一面1aは縦長の長方形に形成されている。そして、この一面1aの中心位置(図3の「O」で示す位置)よりも若干左上側の箇所、すなわち、長方形の一面1aの中心点Oに対して第2象限となる位置を中心Osとして、前記一面1aに直角な円孔からなる第一のダイ孔2が開口されている。この第一のダイ孔2は、その円孔の直径が被切断管Pの外径よりも小さく設定され、被切断管Pが圧入されることにより拘束力が発生されるようになっており、前記一面1aにおける開口端内周縁が切れ刃となっている。また、この第一のダイ孔2における切れ刃とは反対側の開口端にはC面取り、R面取り等の面取り加工が施されており、この開口端が被切断管Pの挿入口1bとされている。
なお、固定刃体1の一面1aの大きさ及びその固定刃体1の厚さは、被切断管Pを剪断するときの力に十分に耐えられるようにそれぞれ決められている。また、この固定刃体1は、管材切断装置の図示しないケーシングに固定して設けられている。この固定刃体1をケーシングに固定する場合、後述する回転刃ホルダ10が固定刃体1の一面1a上において上下方向に自由に移動できるように、固定のためのボルトやクランプ等が回転刃ホルダ10の移動を妨げない位置に配置される。
前記回転刃ホルダ20は、鋼製のブロック体からなり、その回転刃ホルダ10の一面10a(図3に示す例では回転刃ホルダ10の裏面)は、高い滑り性を有する平坦面に形成されている。図示の例では、回転刃ホルダ10の一面10aの形状は正方形で、その一辺の長さは上記固定刃体1の長方形からなる一面1aの短辺と同一に形成されている。そして、この一面10aの中心位置、すなわち、正方形の一面10aの中心点(図3の「O」参照)を通る箇所に、該中心点Oを中心とした円形の孔からなる回転刃体収納孔11が該一面10aに直角に開口されている。この回転刃体収納孔11の直径は、上記第一のダイ孔2の直径よりも十分に大きく設定されている。また、この回転刃ホルダ10の厚さは、被切断管Pを剪断するときの力に十分に耐えられるように決められている。さらに、この回転刃ホルダ10の一面10a側には、回転刃体収納孔11を拡径し、後述する回転刃体20のフランジ20bを軸方向に受ける受圧面10bが形成されている。
この回転刃ホルダ10は、この回転刃ホルダ10の前記一面10aが上記固定刃体1の一面1aと当接し、かつ、その固定刃体1の上下方向にのみ移動ができるように図示しないガイド枠に摺動自在に取り付けられている。すなわち、この回転刃ホルダ10は、図3において、両サイドが平行状のガイド枠によって支持され、そのガイド枠間を上下動できるように構成されている。そして、この回転刃ホルダ10は、油圧シリンダー又は機械プレス等によって前記ガイド枠に沿って移動される構成である。
また、回転刃体20は、前記回転刃ホルダ10に設けられている回転刃体収納孔11に隙間なくかつ回転自在に挿入される大きさに形成されている。すなわち、この回転刃体20は、直径が回転刃体収納孔11の内径よりもわずかに小さく、かつ、高さ(厚さ)が回転刃ホルダ10の厚さに等しい段付円柱形に形成され、その一面20a(図3に示す例では回転刃体20の裏面であり、本発明の表面に相当する)は、高い滑り性を有する平坦面に形成され、この一面20aの側に、被切断管の剪断時に生じる軸方向の力を前記回転刃ホルダ10の受圧面10bとの間で受けるため、フランジ20bが一体に形成されている。
そして、この回転刃体20に、被切断管Pが挿入される円形の第二のダイ孔21が形成されている。この第二のダイ孔21は、その直径が前記固定刃体1に設けられている第一のダイ孔2と同じ大きさで、被切断管Pの外径よりも小さく設定され、被切断管Pが圧入されることにより拘束力が発生されるようになっており、前記一面20aにおける開口端内周縁が切れ刃とされている。
この場合、この第二のダイ孔21の軸心Ocは、回転刃ホルダ10の回転刃体収納孔11(又は回転刃体20の外形)の中心点Oから第2象限に向けて若干ずれた位置に配置されており、その偏心距離Lは、前記固定刃体1における中心点Oと第一のダイ孔2の軸心Osとの間の偏心距離Lと同じに設定されている。したがって、この回転刃体20が回転刃ホルダ10の回転刃体収納孔11に収納されたときは、回転刃体20における第二のダイ孔21の軸心Ocと、固定刃体1における第一のダイ孔2の軸心Osとを一致させ、同一軸心とすることができる構成である。そして、これら両刃体1,20のダイ孔2,21の軸心Oc,Osを一致させることにより、被切断管Pを両ダイ孔2,21間に架け渡した状態に挿入することができるようになっている。
図4(a),(b)は、回転刃ホルダ10内における回転刃体20を初期位置へ自動的に復帰させるための復帰機構を示す説明図であり、図示の例では引張りバネ12、ストッパ13及びピン22により復帰機構30が構成されている。
回転刃体20は、後に詳述するが、被切断管Pの切断時、回転刃ホルダ10が図4(a)の状態から図4(b)に示される状態に下方に移動したときに時計方向に受動的に所定角度回転される。そして、切断した後の管体を排出した後、ピン22がストッパ13に当接するまで引張りバネ12によって回転刃体20が戻され、図4(a)に示す固定刃体1と回転刃体20との両ダイ孔2,21の軸心Os,Ocが一致した状態、つまり初期位置に復帰して位置決めすることができるものである。
復帰機構としては、カム、バネ、油圧等を用いたものを利用してもよい。
一方、前記マンドレル30は、前記固定刃体1の第一のダイ孔2内に設けられるもので、図2にその拡大図を示す。
このマンドレル30は、円筒体31と、該円筒体31内に軸方向に移動可能に設けられた拡径用芯部材45とを有している。円筒体31は、外径が被切断管Pの内径よりも若干小さく形成され、かつ、固定刃体1の厚さよりも大きい長さを有している。そして、この円筒体31のうち、固定刃体1に開口されている第一のダイ孔2内に配置される先端部には、複数の縦割りスリット32が設けられている。
これら縦割りスリット32は、円筒体31の長さ方向に延び、その円筒体31の円周を等間隔に区分するように設けられていることにより、これら縦割りスリット32の間に、それぞれ弾性片33が形成されている。また、これら弾性片33の内面、言い換えればこれら弾性片33によって形成される円筒体31の先端部の内周面は、先端(図示の例では、左方)に向って先細りとなるテーパ面33aに形成されている。
そして、このテーパ面33aの内側には、テーパ面33aで囲まれる中空部を栓で塞ぐように拡径部材34が円筒体31の軸方向に移動自在に設けられている。この拡径部材34は先端面が円筒体31のテーパ面33aに合わせて先細りとなるテーパ面34aに形成されている。したがって、この拡径部材34を円筒体31の先端方向に移動させると、円筒体31の各弾性片33が内側から押し広げられ、半径外方に撓ませられることにより、円筒体31全体の径が拡大させられるようになっている。
また、この拡径部材34の後端には、継手機構35を介して押圧部材36が接続されている。この継手機構35は、球状のボール37を一組のボール押さえ38,39で挟んだ構成とされており、各ボール押さえ38,39のボール37への接触面がボール37の外表面に係合する球面座38a,39aとされるとともに、これらボール押さえ38,39相互間はボール37の外側で若干の間隔があけられており、ボール37を中心として首振りするように屈曲自在とされている。
そして、後側のボール押さえ39の後端に、前記押圧部材36が当接されている。この押圧部材36は棒状に形成され、前記円筒体31の後端部に設けられているキャップ部材41を貫通して油圧シリンダ等の進退機構42に接続されている。
すなわち、この押圧部材36を介してボール押さえ39を後方から押圧すると、このボール押さえ39から、ボール37、前側ボール押さえ38、圧縮バネ40を介して拡径部材34が前方に向けて押圧され、該拡径部材34のテーパ面34aが円筒体31の先端方向にくさび状に入り込むことにより、該円筒体31の各弾性片33のテーパ面33aを内側から押圧して、各弾性片33を半径外方に押し広げる構成であり、これら拡径部材34、圧縮バネ40、両ボール押さえ38,39及びボール37、押圧部材36、進退機構42により、前記拡径用芯部材45が構成される。この場合、拡径部材34は、常時所定の付勢力で弾性片33を外側に向けて押圧している状態に保っている。
なお、前側ボール押さえ38の先端部には小径部38bが形成され、該小径部38bが拡径部材34の後端部に形成されたガイド穴34b内にスライド自在に挿入され、そのガイド穴34b内に前記圧縮バネ40が収納されている。この圧縮バネ40は、継手機構35のガタ付きを防止する。また、後側ボール押さえ39の後端部にも、ガイド穴39bが形成され、該ガイド穴39b内に押圧部材36の先端部がスライド自在に挿入されている。
一方、前記拘束具50は、回転刃体20の第二のダイ孔21内に、前記マンドレル30によって支持された被切断管Pの先端部を拘束するように設けられている。この拘束具50は、前記マンドレル30と同様に、先端部に縦割りスリット51によって複数の弾性片52が形成された円筒体53を有している。この弾性片52が形成されている円筒体53の先端に大径部54が形成されており、この大径部54の外周面で被切断管Pの先端部が拘束される構成である。また、これら弾性片52の内面は、円筒体53の先端に向って徐々に拡径するテーパ面52aに形成されている。
円筒体53の内側には、拡径部材55が円筒体53の軸方向に移動自在に設けられており、この拡径部材55は、その先端部に、円筒体53のテーパ面52aに対応するテーパ面55aが形成され、油圧シリンダ等の進退機構56によって後方から引っ張られることにより、円筒体53の各弾性片52を内側から半径外方に押し広げることができるようになっている。
次に、本実施形態に係る管材切断装置によって被切断管Pを切断する動作及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法について説明する。
まず、固定刃体1と回転刃体20との両ダイ孔2,21の軸心Os,Ocが一致した位置(図1及び図4(a)に示す位置)を初期位置とし、この初期位置において、図6に示すように両ダイ孔2,21に架け渡すように被切断管Pを挿入する。このとき、固定刃体1に挿入されている部分では、被切断管Pの内側にマンドレル30が配置され、回転刃体21に挿入されている被切断管Pの先端部の内側には拘束具50が配置される。そして、これらマンドレル30及び拘束具50における両円筒体31,53の弾性片33,52を半径方向外側に押し広げて、被切断管Pを両刃体1,20に固定状態とする。
この初期位置から、回転刃ホルダ10を下方に移動すると、該回転刃ホルダ10に収納されている回転刃体20には、この下方への直線移動と、前述した収納孔11内での回転移動との合成した移動が生じる。
図5には、固定刃体1の第一のダイ孔2の軸心Os、回転刃ホルダ10の収納孔11(つまり該収納孔11内に収納されている回転刃体20)の軸心O、回転刃体20の第二のダイ孔21の軸心Ocの動きをそれぞれ矢印で示している。
まず、軸心Oc(Os)で示した位置が初期位置であり、この初期位置から、回転刃ホルダ10の下方への移動成分だけを捉えると、回転刃ホルダ10が下方に移動することに伴い第二のダイ孔21の軸心Ocも矢印(イ)で示すように下方に移動する。一方、回転刃ホルダ10の軸心Oと第二のダイ孔21の軸心Ocとは偏心していて、第二のダイ孔21内には固定刃体1の第一のダイ孔2に架け渡されるように被切断管Pが挿入状態となっていることから、該第二のダイ孔21に、回転刃ホルダ10の軸心Oを中心として矢印(ロ)で示すように時計回りに回転させようとする力が作用する。この第二のダイ孔21を有する回転刃体20は、回転刃ホルダ10の収納孔11内に回転自在に収納されているから、前記時計回りの力によって矢印(ロ)に示す方向に回転させられる。
この矢印(ロ)で示す回転移動は、回転刃ホルダ10の下方への移動開始から終了までの間になされることになり、該回転刃ホルダ10の軸心がOからO´に移動する間に、回転刃体20の軸心もOcから矢印(イ)及び矢印(ロ)で示す両方向への移動が複合して、結局、Oc´の位置に移動することになる。
この一連の移動により、両ダイ孔2,21に架け渡されるように挿入されていた被切断管Pは、回転刃体20の第二のダイ孔21内に挿入されている部分が、二点鎖線で示すように移動させられ、その間に両ダイ孔2,21の開口端の切れ刃によって剪断される(図7参照)。このとき、回転刃体20が回転しながら被切断管Pを剪断することになるので、剪断個所を被切断管Pの周方向に徐々にずらしながら切断することになり、比較的小さい力で切断することができるとともに、図5に示すようにθ=数°の回転で被切断管Pを切断することが可能になる。
図8は、被切断管Pが切断されて管体P´が生成された後に、再び回転刃体20が初期位置に復帰した状態を示している。そして、図9は、切断された管体P´が拘束具50を用いて回転刃体20から排出される状態を示している。この管体P´の排出時には、固定刃体1から離れるように回転刃ホルダ10及び回転刃体20が後方に移動して、該回転刃体20の正面を開放状態とする。その際に、拘束具50の先端部を回転刃体20の第二のダイ孔21から突出させ、回転刃体20に嵌合していた管体P´の外側を開放状態とするとともに、拘束具50の拡径部材55を移動させて弾性片52を復元させると、管体P´の内側の拘束状態も解除され、図に示すように排出することができる。この管体P´が排出された後は、回転刃ホルダ10及び回転刃体20は固定刃体1に接触して初期位置に戻される。
上述のように、本実施形態に係る管材切断装置及びそれによるリング材、シンクロナイザーリング素材の製造方法は、被切断管Pの内側を支持するマンドレル30が、縦割りスリット32によって分割された各弾性片33を被切断管Pの内周面に押圧させながら該被切断管Pを拘束するので、被切断管Pに偏肉等が生じていたとしても、これに倣うようにして各弾性片33を被切断管Pに緊密に接触させることができる。
また、このマンドレル30は、先端の拡径部材34と後方の押圧部材36との間にボール37を介在させて、ボール押さえ38,39の球面座38a,39aによって支持する構成としていることにより、この球面座38a,39aに沿って拡径部材34を首振り可能にしており、その弾性片33の被切断管Pへの接触をより確実にして、高精度の切断面に仕上げることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更可能である。例えば、マンドレルの球面座を拡径部材側と押圧部材側との両方に形成したが、いずれか一方に形成したものでもよい。その場合、ボール単体を使用するのではなく、拡径部材側又は押圧部材側に半球部を一体に形成し、他方に球面座を一体に形成するようにしてもよい。また、上述の例では、回転刃体20を直線移動によって受動的に回転させるようにしたが、回転刃体20を回転させるための機構を別途設ける構成のものを除外するものではない。
また、本実施形態で説明した被切断管Pが、例えば長尺の押出管や溶接管等からなる管素材であり、管体P´が、前記管素材を短尺に切断してさらに後加工が施される中間素材等や切断した状態で製品とされる機械部品等のリング状のリング材(リング状素材)であることとしてもよい。また或いは、被切断管Pが、長尺の押出管からなる管素材であり、管体P´が、前記管素材を短尺に切断して製造され、自動車などに用いる変速機の部品のリング状のシンクロナイザーリング鍛造用素材(シンクロナイザーリング素材)であることとしてもよい。また、これらリング材及びシンクロナイザーリング素材は、上記用途に限定されることなく、種々様々な要望、用途に合わせ製造し用いることができる。
本発明の一実施形態に係る管材切断装置の縦断面図である。 図1におけるマンドレルの上半分を断面で示した拡大図である。 この実施形態の管材切断装置のうちの、固定刃体、回転刃ホルダ及び回転刃体の分解斜視図である。 この実施形態の管材切断装置において、回転刃ホルダ内における回転刃体の動きを(a)(b)の順に示す正面図である。 図4に示す両ダイ孔、回転刃ホルダの収納孔の各軸心の動きを示す模式図である。 図1に示す管材切断装置に被切断管を挿入した状態を示す縦断面図である。 図6に示す状態から被切断管を切断した状態を示す縦断面図である。 図7に示す状態から初期位置に復帰させた状態を示す縦断面図である。 図8に示す状態から両刃体を離間させ、切断した管体を回転刃体から排出している状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 固定刃体
1a 一面(表面)
1b 挿入口
2 第一のダイ孔
10 回転刃ホルダ
10a 一面
11 回転刃体収納孔
20 回転刃体
20a 一面(表面)
21 第二のダイ孔
25 復帰機構
30 マンドレル
31 円筒体
32 縦割りスリット
33 弾性片
33a テーパ面
34 拡径部材
34a 拡径部材
35 継手部材
36 押圧部材
37 ボール
38,39 ボール押さえ
38a,39a 球面座
40 圧縮バネ
45 拡径用芯部材
50 拘束具
P 被切断管(管素材)
P´ 管体(リング材、シンクロナイザーリング素材)
Os 第一のダイ孔の軸心
Oc 第二のダイ孔の軸心
回転刃体収納孔(又は回転刃体)の軸心

Claims (3)

  1. 表面どうしを摺動可能に接触させた一組の刃体のダイ孔に、内側にマンドレルを介在させた被切断管を両刃体間に架け渡すように挿入し、両刃体を摺動させることにより前記被切断管を切断する管材切断装置であって、
    前記マンドレルは、前記被切断管の内径よりも小さい外径を有する円筒体と、該円筒体内に軸方向に移動可能に設けられた拡径用芯部材とを備え、
    前記円筒体の先端部は、その長さ方向に延びる複数の縦割りスリットにより半径方向に弾性変形可能な弾性片が周方向に間隔をおいて複数形成されるとともに、これら弾性片の内周面は、前記円筒体の内径を先端に向けて先細りとするテーパ面に形成され、
    前記芯部材には、前記弾性片のテーパ面に当接して軸方向に進退させられる拡径部材と、該拡径部材を後方から押圧する押圧部材とを備え、
    これら拡径部材と押圧部材との間に拡径部材を前記軸方向に対して首振り自在に支持する球面座が形成されていることを特徴とする管材切断装置。
  2. 請求項1に記載の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のリング材を製造することを特徴とするリング材の製造方法。
  3. 請求項1に記載の管材切断装置を用い、管素材を短尺に切断してリング状のシンクロナイザーリング素材を製造することを特徴とするシンクロナイザーリング素材の製造方法。
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