以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明を適用した自発光型ディスプレイは、図1に示すように、輝度コントローラ100と接続されて輝度調整がされるR素子、G素子、B素子の組を複数備える発光部10と、当該発光部10によって発光された光を伝達する複数の光ファイバ2A,2B,・・・,2N(以下、総称する場合には単に「光ファイバ2」と呼ぶ。)とを有する。発光部10を構成する各R素子、G素子、B素子の組には、当該R素子、G素子、B素子から発光された各光を合成する映像ユニット1A,1B,・・・,1N(以下、総称する場合には単に「映像ユニット1」と呼ぶ。)が接続されている。R素子、G素子、B素子の組と各映像ユニット1とは、例えば光ファイバを介して接続されている。これら映像ユニット1A,1B,・・・,1Nには、光ファイバ2A,2B,・・・,2Nがそれぞれ接続されている。したがって、光ファイバ2は、映像ユニット1によって合成された光を光入力端から入力し、光出力端2’から光を出力する。
映像ユニット1は、輝度調整がされるR素子、G素子、B素子から発光された光を合成して、映像の画素となる映像光を生成する。この映像ユニット1によって生成された映像光は、接続された光ファイバ2に出力される。映像ユニット1は、任意形状面3を構成する光ファイバ2の光出力端2’であるピクセルに対応して設けられている。すなわち、任意形状面3を構成するピクセル数分の映像ユニット1を備えることにより、一画面の映像を任意形状面3に表示することが可能となる。
このような自発光型ディスプレイは、複数の光ファイバ2の光出力端2’が任意形状面3を形成するように配置されている。これにより、任意形状面3を映像表示面とした自発光型ディスプレイを提供する。
光ファイバ2の光出力端2’は、映像の各ピクセルに対応する。したがって、この自発光型ディスプレイは、発光部10を構成するR素子、G素子、B素子の組からなる各ピクセルと、当該各ピクセルに対応した映像ユニット1と、当該映像ユニット1に接続された光ファイバ2とによって、各ピクセルの色情報を光ファイバ2によって伝送して、任意形状面3に映像を表示することができる。その結果、任意形状の映像表示面を持つ自発光ディスプレイが実現可能となる。
このような自発光型ディスプレイにおいて、発光部10における各ピクセルと、映像ユニット1との関係を図2に示す。図2(a)、(b)、(c)に示す発光部10は、R素子、G素子、B素子の組からなるピクセル11をマトリクス状に配置している。特に、図2(a)に示す発光部10は、各ピクセル11を隣接させて配置している。これに対し、映像ユニット1は、各ピクセル11と同様に、他の映像ユニット1と隣接して配置される。また、図2(b)に示す発光部10は、縦2×横2の4個のブロック毎にピクセル11を離間して配置している。これに対し、映像ユニット1は、他の映像ユニット1と縦2×横2の4個が隣接して配置される。更に、図2(c)に示す発光部10は、各ピクセル11を離間して個別に配置している。これに対し、映像ユニット1は、他の映像ユニット1と所定距離だけ離間して配置される。
図2(a)に示した発光部10を用いることにより、既存の液晶パネルやプラズマパネルを流用し、当該液晶パネルから発光した光を光ファイバ2で伝送できる。また、図2(b)、(c)のように、ピクセル11をブロックごとや個別に配置した発光部10を用いることにより、図2(a)のように隣接して配置した発光部10と比較して、隣接したピクセル11から発光されて光ファイバ2の光出力端2’から出力された光が、隣接する光の漏れの影響で干渉することを排除することが可能となる。また、図2(b)、(c)の発光部10は、全てのピクセル11が隣接しているよりも、各ピクセル11の位置精度を緩やかとすることができ、発光部10の製造が容易となり、更に、各ピクセル11に対して映像ユニット1の配設する工程も容易となる。
また、本発明を適用した他の自発光型ディスプレイは、図3に示すような構成によって、図4(a)、(b)、(c)に示すように単一の任意形状面3に複数の部分映像30a、30bを表示させることができる。
図3に示す自発光型ディスプレイは、第1の発光部10Aと第2の発光部10Bといった複数の発光部10と、更に、第1の発光部10Aから出力された映像光を伝達する複数の光ファイバからなる第1の光ファイバ群20Aと、当該第1の光ファイバ群20Aには含まれない複数の光ファイバからなる第2の光ファイバ群20Bとを有する。
この自発光型ディスプレイは、第1の光ファイバ群20Aと第2の光ファイバ群20Bの光出力端2’とによって、任意形状面3を形成する。ここで、第1の光ファイバ群20Aの光出力端2’は、図4に示す第1の部分映像30aの表示面と同じ3次元的形状に配置されており、第2の光ファイバ群20Bの光出力端2’は、第2の部分映像30bの表示面と同じ3次元的形状に配置されている。これにより、自発光型ディスプレイは、第1の光ファイバ群20Aによって第1の部分映像30aを表示し、第2の光ファイバ群20Bによって第2の部分映像30bを表示する。
このような自発光型ディスプレイによれば、光ファイバの光出力端2’によって任意形状面3を形成しても、第1の発光部10Aによって出力した映像光を第1の光ファイバ群20Aで伝達して第1の部分映像30aを表示すると同時に、第2の発光部10Bによって出力した映像光を第2の光ファイバ群20Bで伝達して第2の部分映像30bを表示することができる。
このような自発光型ディスプレイによれば、任意形状面3に映像を表示させるに際し、映像ユニット1により、第1の発光部10A、第2の発光部10Bの各ピクセルによって表示させる色情報である映像光を取得する。この取得した各ピクセルの映像光は、映像ユニット1に接続されている光ファイバ2にそれぞれ出力される。ここで、映像の全ピクセルに対応した複数の映像ユニット1を利用することにより、複数の映像ユニット1によって、一画面の映像全体のピクセルの色情報を取得することが可能となる。また、図4に示したように、複数画面分の映像の全ピクセルに対応した複数の映像ユニット1を利用することにより、複数の映像ユニット1によって、複数個の映像全体のピクセルの映像光を取得することが可能となる。そして、各映像ユニット1によって取得した映像光を、各光ファイバ2を介して、光ファイバ2の光出力端2’から出力することによって、任意形状面3に映像を表示させることができる。この任意形状面3は、光ファイバ2の光出力端2’の配置によって、観察者に凹部を向けたドーム型といった3次元形状となっている場合には、当該3次元形状に配列したピクセル(光ファイバ2の光出力端2’)から映像光を出力して、観察者に、任意形状面3の自発光型ディスプレイを視認させることができる。
なお、上述したように、任意形状面3に映像を表示させる場合、各ピクセルの映像光からなる映像は、任意形状面3の形状、観察者の位置と任意形状面3の位置のとの関係等の映像歪みに影響する歪み補正パラメータによって、観察者から任意形状面3の映像を見たときに歪み無く映像を視認させるような歪み補正処理が施されていることは勿論である。この歪み補正処理は、発光部10によって映像光を発光させるための映像データに対して行われている。したがって、当該歪み補正処理が施された映像データに基づく各ピクセルの映像光が映像ユニット1で合成されて、各光ファイバに導かれて光ファイバ2の光出力端2’から出力されている。
更に、本発明を適用した自発光型ディスプレイは、各光ファイバの映像光の出力先を変更することができる。この自発光型ディスプレイは、図5に示すように、複数の光ファイバが、映像ユニット1側の光入力端から発光部10によって発光された光を入力する入力用光ファイバ群40Aと、映像表示面側である光出力端2’が任意形状面3を形成するように配置された出力用光ファイバ群40Bとからなり、当該入力用光ファイバ群40Aと出力用光ファイバ群40Bとの間に設けられて、所望の入力用光ファイバ群40Aから入力した光を、所望の出力用光ファイバ群40Bから出力させる切換手段を備える。自発光型ディスプレイは、この切換手段として、光スイッチングモジュール4と、当該光スイッチングモジュール4の動作を制御する切換制御部5とを備える。
この切換制御部5は、例えばユーザが任意形状面3によって表示させる映像を切り換えるためのパーソナルコンピュータなどで構成される。例えば、パーソナルコンピュータの操作キーボードなどの操作入力命令を入力した場合、切換制御部5は、所望の映像を表示させるように光スイッチングモジュール4を制御する。また、切換制御部5は、予め設定された表示パターンに従って任意形状面3によって表示する映像を自動的に切り換えるように光スイッチングモジュール4を制御しても良い。
このような自発光型ディスプレイは、光スイッチングモジュール4が入力用光ファイバ群40Aを構成する各光ファイバから映像光を入力する。この各光ファイバから伝達された映像光は、任意形状面3における各画素の映像光である。光スイッチングモジュール4は、入力用光ファイバ群40Aを構成する各光ファイバから伝達された映像光を、出力用光ファイバ群40Bを構成するどの光ファイバに出力するかを制御する。これによって、光スイッチングモジュール4は、任意形状面3に表示される映像の画素ごとに表示箇所を切り換える。
このような光スイッチングモジュール4の動作は、入力用光ファイバ群40Aを構成する光ファイバから入力した映像光をどの光ファイバに出力するかを決定する切換制御部5によって制御される。
また、この自発光型ディスプレイは、入力用光ファイバ群40Aと出力用光ファイバ群40Bとを同数とする場合のみならず、図6に示すように、映像ユニット1側に、入力用光ファイバ群40Cを追加して光スイッチングモジュール4に接続しても良い。この場合、発光部10は、入力用光ファイバ群40Aと入力用光ファイバ群40Cとで共用のものを備えていても良く、入力用光ファイバ群40Aと入力用光ファイバ群40Cとで異なるものを備えていても良い。なお、図6に示す例では、入力用光ファイバ群40A及び入力用光ファイバ群40Cからなる光ファイバの本数と、出力用光ファイバ群40Bからなる光ファイバの本数との比が、2:1のものを示しているが、任意のm:n(m、nは自然数)であっても良いことは勿論である。
このような自発光型ディスプレイは、入力用光ファイバ群40Aと入力用光ファイバ群40Cとの何れか一方によって伝達された映像光のみを出力用光ファイバ群40Bに導くことができる。これによって、自発光型ディスプレイは、入力用光ファイバ群40Aによって伝達している映像光のみを任意形状面3に表示し、逆に、入力用光ファイバ群40Cによって伝達している映像光のみを任意形状面3に表示することができる。
また、自発光型ディスプレイは、上述の図4に示すように、第1の部分映像30a又は第2の部分映像30bを任意形状面3に表示させる場合に、入力用光ファイバ群40Aによって第1の部分映像30aを伝達し、入力用光ファイバ群40Cによって第2の部分映像30bを伝達することができる。この場合、切換制御部5は、第1の部分映像30aを任意形状面3に表示する場合には入力用光ファイバ群40Aに伝達されている映像光を出力用光ファイバ群40Bに伝達するように光スイッチングモジュール4を制御し、第2の部分映像30bを任意形状面3に表示する場合には入力用光ファイバ群40Cに伝達されている映像光を出力用光ファイバ群40Bに伝達するように光スイッチングモジュール4を制御する。
上述した図5及び図6に示す自発光型ディスプレイは、ピクセル単位で、どの光ファイバで伝達している映像光を、どの光ファイバに伝達して表示させるかを決定することができる。例えば、図7(A)に示すように光スイッチングモジュール4内の点線のように入力用光ファイバ群40Aの映像光を出力用光ファイバ群40Bに出力している状態と、図7(B)に示すように光スイッチングモジュール4内の点線のように入力用光ファイバ群40Aの映像光を出力用光ファイバ群40Bに出力している状態とで切り換えることができる。また、図6に示す自発光型ディスプレイにおいても、映像単位で入力用光ファイバ群40Aと入力用光ファイバ群40Cを切り換える場合のみならず、ピクセル単位で、入力用光ファイバ群40Aで伝達している映像光と入力用光ファイバ群40Cで伝達している映像光とを組み合わせて出力用光ファイバ群40Bに出力しても良い。
以上のように、自発光型ディスプレイは、光ファイバ2の光入力端と光出力端2’との途中に、光スイッチングモジュール4、切換制御部5を接続した場合に、切換制御部5で設定した切換設定に応じて、映像ユニット1と任意形状面3の各ピクセルの対応を切り換えることができる。
つぎに、上述した自発光型ディスプレイにおいて、光ファイバ2の光出力端2’から出力される映像光を加工することについて説明する。
例えば図8(a)に示すように、光ファイバ2から出力された映像光Lを目視等で直接的に視認した時に、映像光Lに、観察者にとって眩しいと感じる光成分が含まれる場合がある。これに対し、自発光型ディスプレイは、図8(b)に示すように、各光ファイバ2の光出力端2’に、光出力端2’から出力された光の強度を抑制する被覆材6を設けることが望ましい。
この被覆材6としては、透明度を意図的に低下させたフィルムやガラス等の背面投影用のスクリーン材が使用可能である。この被覆材6は、光ファイバ2の光出力端2’から出力された映像光Lの強度を低減させて、透過させる。
この被覆材6は、図8(c)に示すように個々の光ファイバ2の光出力端2’に配置しても良く、図8(d)に示すように、複数の光ファイバ2の光出力端2’の全体を覆う形状の被覆材7を配置しても良い。各被覆材6は、他の被覆材6と共に、任意形状面3と同じ任意の形状に配置されることになる。また、この光ファイバ2の光出力端2’の全体を覆う被覆材7は、その表面の形状が、ドーム型などの任意形状面3となっている。光ファイバ2の光出力端2’に被覆材7を設けることにより、任意形状面3においてピクセルの格子を認識しにくくなり、被覆材7の製造や配置が容易になるといったメリットがある。
また、自発光型ディスプレイは、図9に示すように、光ファイバ2の光出力端2’に、当該光出力端2’から出力された光を拡大する拡大するレンズ8が設けられていても良い。このレンズ8は、観察者側が凸面となった凸面レンズで構成される。このレンズ8は、光ファイバ2の光出力端2’と、被覆材6又は被覆材7の間に配置される。このレンズ8によって拡大された映像光は、図9(a)に示すように、各光ファイバ2の光出力端2’及びレンズ8に対応した被覆材6を透過して、観察者側に導かれる。また、レンズ8の観察者側には、複数の光ファイバ2の光出力端2’を覆うような被覆材7を設けても良い。このような自発光型ディスプレイによれば、光ファイバ2の光出力端2’から出力される映像光を拡大して、被覆材6又は被覆材7に透過させることにより、観察者が観察する表示面の面積を、複数の光ファイバ2から形成される任意形状面3の面積以上とすることができる。
更に、自発光型ディスプレイは、図10に示すように、レンズ8によって拡大された映像光を、隣接する光ファイバ2から出力されてレンズ8によって拡大された映像光に対して遮蔽する遮蔽部9を設けることが望ましい。この遮蔽部9は、各レンズ8を通過して被覆材6又は被覆材7に導かれる映像光同士が干渉しないように、各レンズ8を通過した映像光を被覆材6又は被覆材7に導く間仕切りとして機能する。図10(a)に示す自発光型ディスプレイは、各レンズ8に対応して被覆材6を設けた場合に、個々のレンズ8と被覆材6との組み合わせごとに遮蔽部9を設けた構成例である。図10(b)に示す自発光型ディスプレイは、複数のレンズ8の全体を覆う被覆材7を設けた場合に、各レンズ8によって拡大された映像光が被覆材7に到達する前に干渉させないように遮蔽部9を設けた構成例である。これによって、自発光型ディスプレイは、レンズ8を設けた場合であっても、隣接したレンズ8によって拡大された映像光同士が干渉することを低減して、被覆材6又は被覆材7に導くことができる。
つぎに、上述した自発光型ディスプレイを備え、当該自発光型ディスプレイによって観察者に立体映像を提供する立体映像表示システムについて説明する。
立体映像表示システムは、上述したように、映像光を発光する発光部10と、発光部10によって発光された光を伝達する複数の光ファイバ2とからなり、複数の光ファイバ2の光出力端2’が任意形状面3を形成するように配置された自発光型ディスプレイに加えて、観察者に装着される立体映像用メガネと、自発光型ディスプレイに立体映像を表示させる立体映像表示制御手段とを備えるものである。この自発光型ディスプレイに表示される立体映像は、互いに視差が設けられた右眼用映像と左眼用映像とからなる。立体映像用メガネは、右眼用映像を透過する右眼部分及び左眼用映像を透過する左眼部分を有する。また、立体映像表示制御手段は、後述の偏光方式やシャッタ方式などによって、立体映像用メガネの右眼部分を介して視認される右眼用映像及び立体映像用メガネの左眼部分を介して視認される左眼用映像を自発光型ディスプレイによって表示させるものである。
このような立体映像表示システムの一例としては、例えば、図11及び図12に示すように偏光方式を採用したものが挙げられる。
図11に示す立体映像表示システムは、自発光型ディスプレイが、右眼用映像を出力する発光部10R及び左眼用映像を出力する発光部10Lを備えて、当該発光部10R及び発光部10Lから発光された右眼用映像及び左眼用映像を映像ユニット1によって第1の光ファイバ群20A及び第2の光ファイバ群20Bに導く。第1の光ファイバ群20Aは、複数の光ファイバ2によって右眼用映像を伝達し、第2の光ファイバ群20Bは、当該第1の光ファイバ群20Aには含まれない複数の光ファイバ2によって左眼用映像を伝達する。自発光型ディスプレイは、上述したように、第1の光ファイバ群20Aと第2の光ファイバ群20Bとによって任意形状面3を形成する。この立体映像表示システムにおける自発光型ディスプレイは、右眼用映像を表示する第1の光ファイバ群20Aと左眼用映像を表示する第2の光ファイバ群20Bとが任意形状面3(一画面)内全体に亘って配置され、右眼用映像及び左眼用映像との双方を任意形状面3の全面に亘って表示する。なお、自発光型ディスプレイの他の構成は、図3に示した自発光型ディスプレイと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
立体映像用メガネ50は、右眼部分50Rによって第1偏光方向の映像(右眼用映像)のみを透過し、左眼部分50Lによって第2偏光方向の映像(左眼用映像)のみを透過する。この立体映像用メガネ50は、観察者が任意形状面3に表示された映像の観察時に、当該観察者によって装着される。
立体映像表示制御手段は、任意形状面3の観察者側に配置される偏光フィルタからなる。この偏光フィルタは、図12(a)に示すような右眼用映像を透過するピクセルと左眼用映像を透過するピクセルが水平方向に交互に配置されたフィルタ51の構成、又は、図12(b)に示すような垂直方向に交互に配置されたフィルタ52の構成である。偏光フィルタは、上述の被覆材6又は被覆材7を兼用したものであっても良く、別個に被覆材6又は被覆材7を設けても良い。偏光フィルタと被覆材6又は被覆材7とを別個に設ける場合には、光ファイバ2の光出力端2’から被覆材6又は被覆材7、偏光フィルタの順に設ける必要がある。
また、上述のように、各光ファイバ2の光出力端2’にレンズ8を設けても良く、各レンズ8に対応した遮蔽部9を設けても良い。
偏光フィルタは、第1の光ファイバ群20Aから出力された右眼用映像を透過する第1偏光方向となっている部位と、第2の光ファイバ群20Bから出力された左眼用映像を透過する第2偏光方向となっている部位とを有する。また、右眼部分50Rは、第1偏光方向の光のみを透過し、左眼部分50Lは、第2偏光方向の光のみを透過する。なお、立体映像用メガネ50、偏光フィルタにおける偏光方向の種類としては、直線偏光(縦横、ハの字)、円偏光などが利用可能である。
また、偏光フィルタのうちの右眼用映像を透過する部分は、第1の光ファイバ群20Aを構成する光ファイバ2の光出力端2’から出力された右眼用映像光が出射される位置に配置する必要がある。同様に、偏光フィルタのうちの左眼用映像を透過する部分は、第2の光ファイバ群20Bを構成する光ファイバ2の光出力端2’から出力された左眼用映像光が出射される位置に配置する必要がある。なお、映像の偏りを少なく、且つ光効率を高くする観点から、図12に示したように、右眼用映像を透過するピクセルと左眼用映像を透過するピクセルが水平方向に交互に配置されたフィルタ構成とし、垂直方向に交互に配置されたフィルタ構成とすることが望ましいが、それ以外の構成、例えば右眼用映像を透過するピクセルと左眼用映像を透過するピクセルとをランダムに配置したフィルタ構成であっても良い。
このような立体映像表示システムは、任意形状面3に立体映像を表示するに際し、発光部10R、発光部10Lからそれぞれ右眼用映像、左眼用映像といった右眼、左眼に対応した2画面分の映像を発光し、第1の光ファイバ群20A及び第2の光ファイバ群20Bによって右眼用偏光フィルタ51及び左眼用偏光フィルタ52に導く。右眼用偏光フィルタ51を透過した右眼用映像は、立体映像用メガネ50における右眼部分50Rのみに透過され、左眼用偏光フィルタ52を透過した左眼用映像は、立体映像用メガネ50における左眼部分50Lのみに透過される。これによって、立体映像表示システムは、観察者に右眼用映像及び左眼用映像からなる立体映像を視認させることができ、任意形状の自発光ディスプレイを用いたシステムを実現できる。
立体映像表示システムの他の一例としては、例えば、図13に示すように時分割偏光方式を採用したものが挙げられる。
この立体映像表示システムは、発光部10Rによって発光されて第1の光ファイバ群20Aによって伝達された右眼用映像と、発光部10Lによって発光されて第2の光ファイバ群20Bによって伝達された左眼用映像とを光スイッチングモジュール4によって入力して、時分割で右眼用映像と左眼用映像とを出力用光ファイバ群に供給するように構成されている。このような立体映像表示システムにおける自発光型ディスプレイは、任意形状面3を構成する全ピクセルによって、右眼用映像又は左眼用映像を表示する。
すなわち、立体映像表示システムにおける自発光型ディスプレイは、図6に示すような入力用光ファイバ群40Aを、複数の光ファイバによって右眼用映像を伝達する第1の光ファイバ群20Aとし、出力用光ファイバ群40Bを、当該第1の光ファイバ群20Aには含まれない複数の光ファイバによって左眼用映像を伝達する第2の光ファイバ群20Bとし、出力用光ファイバ群40Bによって、右眼用映像と左眼用映像とを時分割で交互に任意形状面3に供給する。なお、入力用光ファイバ群の本数と出力用光ファイバ群との本数は2:1となっている。
また、立体映像用メガネ50は、図11に示したものと同様である。
立体映像表示制御手段は、第1の光ファイバ群20Aから出力された右眼用映像と第2の光ファイバ群20Bから出力された左眼用映像とで切り換える光スイッチングモジュール4と、任意形状面3の観察者側に設けられ第1偏光方向の右眼用映像のみを透過する状態と、第2偏光方向の左眼用映像のみを透過する状態とが切り換えられる時分割偏光フィルタ61と、光スイッチングモジュール4及び時分割偏光フィルタ61との動作を同期させる同期制御装置62となる。
時分割偏光フィルタ61は、同期制御装置62によって与えられる制御信号によって、偏光方向を第1偏光方向と第2偏光方向とで切り換えるものである。時分割偏光フィルタ61は、任意形状面3の観察者側に、当該観察者が任意形状面3を見る視界を覆うように設置される。なお、時分割偏光フィルタ61は、上述の被覆材6又は被覆材7と兼用したものであっても良く、別個に被覆材6又は被覆材7を設けても良い。時分割偏光フィルタ61と被覆材6又は被覆材7とを別個に設ける場合には、光ファイバ2の光出力端2’から被覆材6又は被覆材7、時分割偏光フィルタ61の順に設ける必要がある。また、上述のように、各光ファイバ2の光出力端2’にレンズ8を設けても良く、各レンズ8に対応した遮蔽部9を設けても良い。
同期制御装置62は、例えば光スイッチングモジュール4の映像切換周波数と、時分割偏光フィルタ61の切換周波数とを同期させるパーソナルコンピュータからなる。切換制御部5によって制御される光スイッチングモジュール4の映像切換周波数、光スイッチングモジュール4の映像切換周波数及び時分割偏光フィルタ61の切換周波数は、例えば、120Hz程度の周波数が設定される。なお、図13においては、同期制御装置62と切換制御部5とを別に示しているが、一台のパーソナルコンピュータで構成しても良い。
時分割偏光フィルタ61は、光スイッチングモジュール4から右眼用映像が出力されている期間においては右眼用映像を透過させる偏光状態となり、光スイッチングモジュール4から左眼用映像が出力されている期間においては左眼用映像を透過させる偏光状態となる。したがって、立体映像表示システムによれば、光スイッチングモジュール4から右眼用映像が出力されている期間においては、立体映像用メガネ50によって右眼用映像のみを視認させ、光スイッチングモジュール4から左眼用映像が出力されている期間においては、立体映像用メガネ50によって左眼用映像のみを視認させることができる。
このような立体映像表示システムは、任意形状面3に立体映像を表示するに際し、発光部10R、発光部10Lからそれぞれ右眼用映像、左眼用映像といった右眼、左眼に対応した2画面分の映像を発光すると共に、同期制御装置62によって、光スイッチングモジュール4を所定周波数で動作させることによって、所定周波数で右眼用映像と左眼用映像とを交互に表示させる。同時に、同期制御装置62は、時分割偏光フィルタ61を所定周期で動作させる。これにより、時分割偏光フィルタ61を透過した右眼用映像は、立体映像用メガネ50における右眼部分50Rのみに透過され、時分割偏光フィルタ61を透過した左眼用映像は、立体映像用メガネ50における左眼部分50Lのみに透過される。これによって、立体映像表示システムは、観察者に右眼用映像及び左眼用映像からなる立体映像を視認させることができ、任意形状の自発光ディスプレイを用いたシステムを実現できる。
立体映像表示システムの他の一例としては、例えば、図14に示すように液晶シャッタ方式を採用したものが挙げられる。
この立体映像表示システムは、図13に示した自発光型ディスプレイと同様に、発光部10Rによって発光されて第1の光ファイバ群20Aによって伝達された右眼用映像と、発光部10Lによって発光されて第2の光ファイバ群20Bによって伝達された左眼用映像とを光スイッチングモジュール4によって入力して、時分割で右眼用映像と左眼用映像とを出力用光ファイバ群に供給するように構成されている。このような立体映像表示システムにおける自発光型ディスプレイは、任意形状面3を構成する全ピクセルによって、右眼用映像又は左眼用映像を表示する。
なお、自発光型ディスプレイは、上述の被覆材6又は被覆材7を設けたものであっても良い。また、上述のように、各光ファイバ2の光出力端2’にレンズ8を設けても良く、各レンズ8に対応した遮蔽部9を設けても良い。
立体映像用メガネ70は、右眼部分70Rによって右眼用映像のみを透過する期間と、左眼部分70Lによって左眼用映像のみを透過する期間とが切り換えられる。この立体映像用メガネ70は、右眼部分70R及び左眼部分70Lのそれぞれに液晶シャッタが設けられ、当該それぞれの液晶シャッタが光透過状態(開)と光遮断状態(閉)との間で交互に切り換えられる。
同期制御装置62は、立体映像用メガネ70の液晶シャッタ及び切換制御部5を制御することにより、立体映像用メガネ70と光スイッチングモジュール4との同期を取る。すなわち、同期制御装置62は、光スイッチングモジュール4が右眼用映像と左眼用映像とを交互に出力する切換タイミングと、立体映像用メガネ70の右眼部分70Rが光透過状態となり左眼部分70Lが光遮断状態となる状態と立体映像用メガネ70の右眼部分70Rが光遮断状態となり左眼部分70Lが光透過状態となる状態となる開閉タイミングとの同期を取る。同期制御装置62は、例えば120Hzといった所定周波数で、立体映像用メガネ70の動作と光スイッチングモジュール4の動作との同期を取る。
このような立体映像表示システムは、任意形状面3に立体映像を表示するに際し、発光部10R、発光部10Lからそれぞれ右眼用映像、左眼用映像といった右眼、左眼に対応した2画面分の映像を発光すると共に、同期制御装置62によって、光スイッチングモジュール4を所定周波数で動作させることによって、所定周波数で右眼用映像と左眼用映像とを交互に表示させる。同時に、同期制御装置62は、立体映像用メガネ70を所定周期で動作させる。これにより、任意形状面3に表示された右眼用映像は、立体映像用メガネ70における右眼部分70Rのみに透過され、任意形状面3に表示された左眼用映像は、立体映像用メガネ70における左眼部分70Lのみに透過される。これによって、立体映像表示システムは、観察者に右眼用映像及び左眼用映像からなる立体映像を視認させることができ、任意形状の自発光ディスプレイを用いたシステムを実現できる。
立体映像表示システムの他の一例としては、例えば、図15に示すような液晶シャッタ方式を採用したものが挙げられる。
この立体映像表示システムにおける自発光型ディスプレイは、単一の発光部10と、単一の光ファイバ群20とを備えている。なお、自発光型ディスプレイは、上述の被覆材6又は被覆材7を設けたものであっても良い。また、上述のように、各光ファイバ2の光出力端2’にレンズ8を設けても良く、各レンズ8に対応した遮蔽部9を設けても良い。
この立体映像表示システムにおける立体映像用メガネ70は、図14に示した立体映像表示システムと同様に、右眼部分70Rによって右眼用映像のみを透過する期間と、左眼部分70Lによって左眼用映像のみを透過する期間とが切り換えられる液晶シャッタ方式のものである。この立体映像表示システムにおける立体映像表示制御手段は、光ファイバ2から出力される映像光を、右眼用映像と左眼用映像との間で、時分割制御によって交互に切り換えるように発光部10を制御する映像生成装置である時分割映像生成システム81及び同期制御装置82である。
時分割映像生成システム81は、各種の映像コンテンツを記憶し、発光部10に映像データを供給して、発光部10を駆動する。時分割映像生成システム81は、自発光型ディスプレイに立体映像を表示させる場合には、右眼用映像と左眼用映像とを交互に発光部10によって発光させる。右眼用映像及び左眼用映像は、上述した立体映像表示システムと同様に、光ファイバ群20を介して任意形状面3から出力される。
このような立体映像表示システムにおいて、同期制御装置82は、時分割映像生成システム81及び立体映像用メガネ70に接続されている。同期制御装置82は、立体映像用メガネ70の液晶シャッタ及び時分割映像生成システム81が右眼用映像及び左眼用映像の映像データを出力するタイミングを制御する。これにより、同期制御装置82は、立体映像用メガネ70と時分割映像生成システム81との同期を取る。すなわち、同期制御装置82は、発光部10が右眼用映像と左眼用映像とを交互に出力する切換タイミングと、立体映像用メガネ70の右眼部分70Rが光透過状態となり左眼部分70Lが光遮断状態となる状態と立体映像用メガネ70の右眼部分70Rが光遮断状態となり左眼部分70Lが光透過状態となる状態となる開閉タイミングとの同期を取る。同期制御装置82は、例えば120Hzといった所定周波数で、立体映像用メガネ70の動作と時分割映像生成システム81の動作との同期を取る。
このような立体映像表示システムは、任意形状面3に立体映像を表示するに際し、時分割映像生成システム81を所定周波数で動作させて、発光部10から右眼用映像、左眼用映像といった右眼、左眼に対応した2画面分の映像を交互に発光することによって、所定周波数で右眼用映像と左眼用映像とを交互に表示させる。これにより、任意形状面3に表示された右眼用映像は、立体映像用メガネ70における右眼部分70Rのみに透過され、任意形状面3に表示された左眼用映像は、立体映像用メガネ70における左眼部分70Lのみに透過される。同時に、同期制御装置82は、立体映像用メガネ70を所定周期で動作させる。これによって、立体映像表示システムは、観察者に右眼用映像及び左眼用映像からなる立体映像を視認させることができ、任意形状の自発光ディスプレイを用いたシステムを実現できる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。