JP2008291862A - 金属部材、水素貯蔵タンクおよびグラファイト被覆金属の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧水素による脆性劣化が抑えられ、優れた水素耐性を有している。
【解決手段】高圧タンク11の内壁面がグラファイト層12で覆われている。
【選択図】図1
【解決手段】高圧タンク11の内壁面がグラファイト層12で覆われている。
【選択図】図1
Description
本発明は、水素環境下で安定な金属部材および水素を貯蔵し、排出するのに好適な水素貯蔵タンク、並びにこれらの製造に好適なグラファイト被覆金属の製造方法に関する。
近年、燃料電池を搭載した電気自動車など、燃料等として水素の利用量が増大する傾向にあり、利用に供する水素の貯蔵には高圧タンク等の高圧型の貯蔵方法が主流である。
最近の電気自動車には、燃料電池に燃料である水素を供給するための水素タンクとして、軽量化の観点から、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)材が検討されているが、CFRP材はコストが高く、衝撃に対する耐性や強度の点で未だ不充分とされている。
そのため、重量の点で不利ではあるものの、スチールやチタン合金などの金属を用いた金属製タンクが広く利用されている。
ところが、例えばスチールは鉄と炭素の混合物であり、水素は炭素と結合しやすい性質を有するため、スチール製タンクでは、水素による脆性劣化によってタンク強度が大幅に低下する問題がある。強度は、一般に20〜50%程度低下することが知られている。そのため、強度を確保するために肉厚を大きくする等の方法が採られるが、逆に重量はさらに嵩むことになり、例えば5kgの水素を貯蔵するには500〜1000kgのタンク重量が必要となる。
上記した金属の水素脆性は、水素との化学反応に基づく構造変化が原因であることが知られており、近年、水素による脆性劣化のメカニズムやその抑制方法に関する検討が盛んに行なわれている。
水素脆性に関連する技術としては、金属表面に樹脂やゴム成分をコーティングする等の方法も提案されているが、樹脂被覆する程度では水素が容易に拡散してしまい、多少の遅延効果は得られても脆性劣化を根本的に解消することはできない。
また、プラスチック成形体の内壁面に厚み50〜400Å(密度1.2〜2.3g/cm3)のDLC膜を形成し、酸素ガスバリア性を付与することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このDLC膜は、ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれるもので、sp3混成軌道を持つ分子構造を有しており、イオンを利用した気相合成法により合成されるダイヤモンドに類似したカーボン薄膜であり、酸素透過度が低下して酸素ガスバリア性に優れるとされている。
特開2001−232714号公報
DLC膜は、上記のように炭素膜であるが、分子構造上は結晶性が必ずしも高くなく、水素が拡散しやすく、水素バリア性までは確保することは困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、水素(特に高圧水素)による脆性劣化が抑えられ、優れた水素耐性を有する金属部材および水素貯蔵タンク、並びに水素(特に高圧水素)による脆性劣化が抑えられた耐水素性の金属が得られるグラファイト被覆金属の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、高温下で鉄中に溶け込んだ炭素は真空下で徐冷することにより表面に析出するとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明である金属部材は、高圧水素と接する鉄含有金属(特に鉄)の表面の少なくとも一部にグラファイト層を設けて構成したものである。
第1の発明においては、高圧水素と接触する金属表面を、sp2混成軌道を持つ分子構造を有する高結晶性のグラファイト層で覆うことで、水素バリア性を付与できるので、金属の水素脆性が緩和され、金属劣化を抑制することができる。
また、金属表面には緻密で薄いグラファイト層を形成するので、グラファイト層形成後の金属加工への追随性がよく、グラファイト層形成後に例えばタンク等への成形を行なうことが可能である。
第1の発明の金属部材には、高圧タンク、耐圧性の高圧バルブおよび高圧ポンプ、耐圧配管などが含まれる。
第2の発明である水素貯蔵タンクは、水素と接する鉄含有金属製のタンク内壁の表面の少なくとも一部にグラファイト層を設けて構成したものである。
第2の発明においては、(高圧)充填される水素に対して脆性で劣化しやすい内壁表面を、sp2混成軌道を持つ分子構造を有する高結晶性のグラファイト層で覆うことで、水素バリア性を付与できるので、充填された水素(特に高圧水素)に対する水素脆性が緩和され、高圧水素による内壁面の劣化を抑制することができる。
第3の発明であるグラファイト被覆金属の製造方法は、鉄含有金属を炭素と接触させて加熱する工程と、加熱後、真空下で徐冷し、前記鉄含有金属の少なくとも一部にグラファイト層を形成する工程と、を設けて構成したものである。
ここで、「真空下で徐冷」とは、10−2Pa以上の真空状態で1〜10℃/分の降温速度で冷却することをいう。
第3の発明においては、鉄含有金属(特に鉄)を炭素と接触させながら加熱した後に、加熱後の鉄含有金属を真空下で徐冷することで、加熱時に鉄含有金属中に溶け込んだ炭素が鉄含有金属の表面に析出し、高結晶性で緻密な薄いグラファイト層が形成されるので、鉄含有金属の表面に形成されたグラファイト層により水素バリア性を付与することができる。これにより、高圧水素に対する水素脆性が緩和され、金属劣化を抑制することができる。
グラファイト被覆金属の製造方法には、徐冷してグラファイト層を形成した後に、グラファイト層が形成された鉄含有金属を更に加熱し、冷却する工程を設けて焼き入れを行なうことが望ましい。
グラファイト層が形成された金属部材に焼き入れを施すことにより、炭素と接触させている高温での加熱時に軟化した金属部材を硬化させることができる。
本発明の金属部材、水素貯蔵タンクおよびグラファイト被覆金属の製造方法は、水素使用装置並びに水素の供給、排出等の使用に際して用いられる配管やバルブ、ポンプ等の補器類等の水素脆性が抑制され、信頼性、耐久性に優れた水素使用システムを構築することができる。
本発明によれば、水素(特に高圧水素)による脆性劣化が抑えられ、優れた水素耐性を有する金属部材および水素貯蔵タンク、並びに水素(特に高圧水素)による脆性劣化が抑えられた耐水素性の金属が得られるグラファイト被覆金属の製造方法を提供することができる。
以下、図1を参照して、本発明の水素貯蔵タンクの実施形態について詳細に説明し、該説明を通じて、本発明の金属部材およびグラファイト被覆金属の製造方法の詳細についても述べる。
ここでは、水素貯蔵タンクのタンク内壁面の全体にグラファイト層を形成した場合を例に説明する。但し、本発明においては、下記実施形態に制限されるものではない。
本実施形態の水素貯蔵タンクは、図1に示すように、耐圧性の容器11の内壁面全体がグラファイト層12で覆われた構造になっており、高圧充填された水素に対して水素耐性を有するように構成されている。
耐圧性の容器11は、ステンレス合金(SUS316)を用いて断面円形の筒型に成形し、筒の長手方向の両端が閉塞された中空体であり、35MPaの耐圧性能を有している。
容器11の材質としては、後述のように、器壁面にグラファイト層を形成する観点から鉄含有金属であればよく、鉄および、鉄とニッケルの合金、鉄とニッケルとクロムの合金、鋼とモリブデンの合金などを用いることができる。この場合、鉄含有金属中における鉄の含有割合は、グラファイト層の形成性の点で、40質量%以上80質量%以下が望ましく、好ましくは45質量%以上75質量%以下である。具体的な例としては、スチール、ステンレス合金などを挙げることができる。
容器11の壁厚や断面形状、サイズなどは、目的等に応じて、上記以外の任意の厚み、矩形、楕円形などの任意の形状、サイズを選択することができる。
この容器11の容器内部の内壁面は、容器の基材が露出しないようにグラファイト層12で被覆された状態になっており、このグラファイト層12は、20層が積層されたものである。グラファイト層12の厚みは、6.8nmである。
グラファイト層の層数としては、金属の水素脆性の緩和効果をより向上させる観点からは多層であるのが望ましいが、場合に合わせて選択することができ、20層以上であることが好ましく、100層以上であることがより好ましい。
また、グラファイト層の厚みについても、水素脆性の緩和効果の点で厚い方が望ましく、具体的には6nm以上が好ましく、より好ましくは30nm以上である。
また、グラファイト層の厚みについても、水素脆性の緩和効果の点で厚い方が望ましく、具体的には6nm以上が好ましく、より好ましくは30nm以上である。
グラファイト層の積層構造は、XRD(株式会社リガク製)を用いて確認することが可能であり、また、グラファイト層の厚みは、断面の透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立製作所)観察により測定される。
このグラファイト層は、鉄やステンレス合金など、鉄を組成に含む鉄含有金属を加熱下で炭素と接触させた後、真空下で徐冷することにより、鉄含有金属の表面に形成することができる。
本実施形態のグラファイト層12は、以下のようにして形成されたものである。
まずSUS316製の、図1に示す断面構造に成形されたステンレス容器(鉄含有金属)を準備し、容器内に炭素材料としてカーボンブラックを入れ、容器の口に口金を取り付け、口金部分に排気により容器内を真空引きするための配管を取り付ける。その後、このステンレス容器を、カーボンブラックが内壁に一様に付着するように回転可能に炉内に配置し、回転によりカーボンブラックを付着させながら、1450℃で約10時間加熱する。
まずSUS316製の、図1に示す断面構造に成形されたステンレス容器(鉄含有金属)を準備し、容器内に炭素材料としてカーボンブラックを入れ、容器の口に口金を取り付け、口金部分に排気により容器内を真空引きするための配管を取り付ける。その後、このステンレス容器を、カーボンブラックが内壁に一様に付着するように回転可能に炉内に配置し、回転によりカーボンブラックを付着させながら、1450℃で約10時間加熱する。
加熱は、炭素の鉄含有金属(ここではSUS316)中への溶け込みを促進する観点から、鉄もしくは鉄より融点の低い金属の融点(例えば鉄の融点=1530℃)以下の温度で行なうことができ、好ましくは1200℃以上1500℃以下の温度域であり、より好ましくは1350℃以上1450℃以下の温度域である。加熱温度が前記範囲内であると、形成されるグラファイトの結晶性が高く、高圧水素による脆性劣化の抑止に有効である。換言すると、1200℃未満の温度域では結晶性の点で不利な場合があり、逆にあまり高温であると鉄自体の蒸発を伴なって形状が保てずに不利となることがある。
加熱時にステンレス容器(鉄含有金属)の表面にカーボンブラック(炭素材料)が接触すると、カーボンがステンレス合金内に拡散しながら溶け込む。
加熱時間は、用いる鉄含有金属の組成や加熱温度等により適宜選択すればよく、30〜120minが望ましい。
加熱時間は、用いる鉄含有金属の組成や加熱温度等により適宜選択すればよく、30〜120minが望ましい。
グラファイト層形成用に用いる炭素材料には、カーボンブラック以外に、アモルファスカーボンなどを使用でき、非晶質のカーボンを任意の形態で用いることができる。
また、グラファイト層形成時に必要な炭素材料の存在量としては、形成しようとするグラファイト層の層数や厚み、面積等に応じて選択することができるが、グラファイト層の形成性(層数や厚みなど)を所望に制御する観点から、グラファイト層を形成しようとする金属表面との接触量として1.0×10−6g/mm2以上であるのが望ましく、より好ましくは1.0×10−5g/mm2以上である。
鉄含有金属を炭素に接触させる方法は、カーボンブラックなどの炭素材料を直接グラファイト層を形成しようとする表面に付着させたり、あるいは予めグラファイト層を形成しようとする表面に蒸着等により炭素膜を形成する、真空蒸着法、スパッタ法等の方法が挙げられる。
上記の加熱終了後、配管を通じて真空引きし、容器内に10−1Pa以上の真空状態を形成する。真空状態のまま5℃/minの降温速度で徐冷すると、ステンレス合金内に溶け込んだカーボンがステンレス容器の内壁面に析出し、20層からなるグラファイト層が形成される。このグラファイト層は、真空下で徐冷した場合に生じ、極めて均一で薄い膜状に形成することが可能である。
真空状態は、1300℃で、10−2〜10−4Paの範囲が好ましい。
真空状態は、1300℃で、10−2〜10−4Paの範囲が好ましい。
上記の徐冷は、グラファイト層の層数や厚みを制御する観点から、1〜10℃/minの降温速度で行なうのが望ましく、前記同様の理由で徐冷開始時からの温度差は800℃以上あることが望ましい。グラファイトの析出量、層数は、真空下での徐冷開始温度や徐冷時の真空開始温度によって制御することができる。
また、徐冷終了時の目標温度は、生産性の点から、400〜600℃の範囲であることが望ましい。
また、徐冷終了時の目標温度は、生産性の点から、400〜600℃の範囲であることが望ましい。
グラファイト層の形成後には、グラファイト層が形成されたステンレス容器を加熱、急冷する、いわゆる焼き入れと呼ばれる操作を行なってもよい。
なお、通常、鉄は鉄鉱石(Fe2O3)に例えば1400℃下で一酸化炭素を反応させて還元したもの等を用いることができ、これに加熱下炭素を接触させて真空下で徐冷する。このとき、鉄鉱石中の不純物(例えば珪素、アルミニウムの酸化物)を効率良く除去するためには、還元は1000℃以上で行なうのが好適である。
容器11の長手方向の一端には、水素給排口13が形成されており、この水素給排口13に水素を供給、排出するための水素給排管14が接続されている。この水素給排管14を流通してタンク内に水素を供給することにより水素充填し、また、必要に応じて水素給排管を通じて水素を排出し、外部に設置された水素使用装置に供給できるようになっている。
上記では、水素貯蔵タンクとして耐圧性のタンクに高圧水素を充填する場合を中心に説明したが、タンク内に水素吸蔵合金(MH)を収容して水素を供給し、MHに水素吸蔵させて貯蔵する場合もMH以外は前記同様に構成することができる。
この場合、MHには、2元系合金、3元系合金、4元系合金などが挙げられ、例えば、
Ti25Cr50V25等のTiCrV系合金、TiCrMn系合金、LaNi系合金、TiFe系合金、TiVMo合金、TiCrVNi合金、TiCrMoV系合金などから目的等に応じて適宜選択することができる。
この場合、MHには、2元系合金、3元系合金、4元系合金などが挙げられ、例えば、
Ti25Cr50V25等のTiCrV系合金、TiCrMn系合金、LaNi系合金、TiFe系合金、TiVMo合金、TiCrVNi合金、TiCrMoV系合金などから目的等に応じて適宜選択することができる。
また、上記した水素貯蔵タンク以外にも、高圧タンク、耐圧性の高圧バルブおよび高圧ポンプ、耐圧配管など、水素が接触する部位を有する金属部材について該部位の一部もしくは全部にグラファイト層を設けた場合も同様である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記の「部」は質量基準である。
(実施例1、比較例1)
まず鉄含有金属としてSUS316の試験片(JIS Z 2201 金属材料引張試験片(12号試験片))を準備し、アモルファスのカーボンブラックを用いて1.33×10−2Paの真空下で10分間通電加熱し、この試験片の表面に厚み0.1μmの炭素膜を蒸着した。この炭素膜はアモルファス状であった。
ここでの真空状態は、1.33×10−3〜4.00×10−1Paとすることができる。
まず鉄含有金属としてSUS316の試験片(JIS Z 2201 金属材料引張試験片(12号試験片))を準備し、アモルファスのカーボンブラックを用いて1.33×10−2Paの真空下で10分間通電加熱し、この試験片の表面に厚み0.1μmの炭素膜を蒸着した。この炭素膜はアモルファス状であった。
ここでの真空状態は、1.33×10−3〜4.00×10−1Paとすることができる。
次いで、炭素膜が形成された試験片を炉内に配置し、炉内を真空引きして1×10−3Paの真空状態とし、この真空下で30℃/分の昇温速度で1450℃まで温度を上げ、1450℃で3時間保持した。このとき、炭素膜は約700℃で固化が開始した。
ここでの真空状態は、1.0×10−3〜3.0×10−3Paとすることができる。
ここでの真空状態は、1.0×10−3〜3.0×10−3Paとすることができる。
その後、真空度を1.0×10−4Paに上げ、この真空状態のまま5℃/分の降温速度で200℃まで徐冷した。このとき、試験片の表面全体に25層からなる8.5nm厚のグラファイト層が形成された。
−水素耐性の評価−
上記のようにしてグラファイト層が形成された試験片を用い、水素脆性を下記のようにして評価した。なお、比較として、グラファイト層が非形成のSUS316の試験片を用いた(これを比較例1とする)。
上記のようにしてグラファイト層が形成された試験片を用い、水素脆性を下記のようにして評価した。なお、比較として、グラファイト層が非形成のSUS316の試験片を用いた(これを比較例1とする)。
上記のグラファイト層付きの試験片とグラファイト層のない比較の試験片とを、500℃、10MPa、水素100%の水素雰囲気とした炉内に10時間入れて強制劣化試験を行ない、その間の引っ張り強度を引張強度試験機(オートグラフAG−I形、島津試験機サービス(株)製)を用いて測定し、経時での強度変化を評価した。測定結果を下記表1に示す。
前記表1に示すように、SUS316の表面にグラファイト層を形成した実施例では、グラファイト層非形成のSUS316とほぼ同等の引っ張り強度を有し、10時間経過後の引っ張り強度の低下もほとんどみられなかった。これに対し、グラファイト層非形成の比較例では、3時間の経時で3%低下し、10時間の経時で9%低下してしまった。
11…高圧タンク
12…グラファイト層
13…水素給排口
14…水素給排管
12…グラファイト層
13…水素給排口
14…水素給排管
Claims (4)
- 高圧水素と接する鉄含有金属の表面の少なくとも一部にグラファイト層を有する金属部材。
- 水素と接する鉄含有金属製のタンク内壁の表面の少なくとも一部にグラファイト層を有する水素貯蔵タンク。
- 鉄含有金属を炭素と接触させて加熱する工程と、
加熱後、真空下で徐冷し、前記鉄含有金属の少なくとも一部にグラファイト層を形成する工程と、
を含むグラファイト被覆金属の製造方法。 - グラファイト層が形成された前記鉄含有金属を更に加熱し、冷却する工程を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のグラファイト被覆金属の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007135486A JP2008291862A (ja) | 2007-05-22 | 2007-05-22 | 金属部材、水素貯蔵タンクおよびグラファイト被覆金属の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011102435A1 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-08-25 | 株式会社日本製鋼所 | チタン製水素吸蔵材容器 |
JP2019120359A (ja) * | 2018-01-10 | 2019-07-22 | エア・ウォーター・マニュファクチュアリング株式会社 | 超低温容器 |
-
2007
- 2007-05-22 JP JP2007135486A patent/JP2008291862A/ja active Pending
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WO2011102435A1 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-08-25 | 株式会社日本製鋼所 | チタン製水素吸蔵材容器 |
JP2019120359A (ja) * | 2018-01-10 | 2019-07-22 | エア・ウォーター・マニュファクチュアリング株式会社 | 超低温容器 |
JP7075762B2 (ja) | 2018-01-10 | 2022-05-26 | エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社 | 超低温容器 |
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