JP2008289924A - 色識別ステッキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 歩行路上等に描かれた白線、黄線等の色によって識別される情報を検知可能にすることで視覚障害者等の安全歩行を確保することができるようにした色識別ステッキを提供する。
【解決手段】 先端に色識別センサ20を内蔵して、この色識別センサ20により歩行路100上に白色光を照射し、歩行路100上に描かれたライン110からの反射光を受光して色分解して検出し、制御回路30は、色識別センサ20の出力に基づき歩行路100上に描かれたライン110の色を識別し、この識別した色が予め設定された色である場合は、この色に対応する態様で報知部40を駆動制御して、ユーザに対して報知する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、先端に内蔵された色識別センサで歩行路上等に描かれた白線、黄線等を識別してユーザに報知する色識別ステッキに関し、特に、視覚障害者等に好適な色識別ステッキに関する。
一般に、視覚障害者等にとってステッキは、歩行に際して道路、駅のホーム等の歩行路上からの各種情報を得るのに必須な器具となっている。
すなわち、視覚障害者等が歩行路上を歩行する場合は、該視覚障害者が保持するステッキで歩行路上に接触することにより歩行路上の障害物等の各種情報をステッキを介したユーザの感触により検知して、これにより障害物等を避けた安全な歩行を確保している。
しかし、上記ユーザの感触による検知には限界があるので、更に正確に歩行路上の情報を検知するために、従来、特許文献1および特許文献2に示すようにユーザが保持するステッキに超音波センサを内蔵して、この超音波センサにより障害物等を検知して検してこれをユーザに報知する装置若しくは特許文献3に示されるように、ユーザが保持するステッキに磁気センサを内蔵して、歩行路上に設置された磁気帯を検知してユーザを誘導する装置等が提案されている。
特開2002−330807号公報 特開2002−296024号公報 特開2003−131556号公報
しかしながら、上記従来の装置は、歩行路上の障害物等の情報は得ることができても歩行路上に描かれた白線、黄線等の色によって識別される情報を検知することはできなかった。
例えば、歩行路上には、白線、黄線等によって、視覚障害者にとって有用は各種情報が描かれている場合が多いが、視覚障害者は、この色によって識別される白線、黄線等の情報を得ることができず、このために重大な事故に繋がる虞があった。
そこでこの発明は、歩行路上等に描かれた白線、黄線等の色によって識別される情報を検知可能にすることで視覚障害者等の安全歩行を確保することができるようにした色識別ステッキを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明の色識別ステッキは、歩行路上を照射する光照射手段と、前記歩行路からの反射光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光を色分解する色分解処理手段と、前記色分解処理手段で色分解した色信号のレベル比に基づき前記歩行路に描かれたラインの色を識別する色識別手段と、前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で報知を行う報知手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で音を発生する音発生手段を具備することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で振動を発生する振動発生手段を具備することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記色識別手段は、前記歩行路に描かれたラインの色の識別を一定時間ごとに行い、前記報知手段は、前記色識別手段により識別された色が頻繁に変化する場合と同じ色が長い時間続く場合とで、前記報知音の発音態様を異ならせることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、電源を供給する電池を更に具備し、同じ状態が長く続く場合は、前記電池からの給電を停止若しくは間欠的に行うことを特徴とする。
この発明に係わる色識別ステッキは、先端に色識別センサを内蔵するとともに、該色識別センサで識別した色に対応した報知を行う報知手段を備えて構成したので、歩行路上等に描かれた白線、黄線等の色によって識別される情報を検知可能にすることができ、これにより視覚障害者等の安全歩行を確保することができるという効果を奏する。
以下、この発明に係わる色識別ステッキの実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明に係わる色識別ステッキの一実施の形態を示す図である。
図1において、この色識別ステッキ10は、先端に色識別センサ20が内蔵され、その上端にこの色識別センサ20の出力に基づき報知部40を駆動する制御回路30および制御回路30の電源を構成する電池50が内蔵される。
ここで、色識別センサ20は、この色識別ステッキ10の使用時に、歩行路100上に、例えば、白色光を照射し、歩行路100上に描かれた白線、黄線等の色が付されたライン110からの反射光を受光し、これを色分解して検出する。
また、制御回路30は、色識別センサ20の出力に基づき歩行路100上に描かれたライン110の色を識別し、この識別した色が予め設定された色であるかを判別し、予め設定された色である場合は、この色に対応する態様で報知部40を駆動制御して、これをこの色識別ステッキ10で判別された色情報をユーザに対して報知する。
また、電池50は、この制御部30の電源を構成するが、この電池50は、例えば、太陽電池から構成してもよい。
図2は、図1に示した色識別ステッキ10の電気回路の一例を示すブロック図である。
図2において、色識別センサ20は、発光部21と受光部22とを具備して構成される。ここで、発光部21は、例えば、白色発光ダイオードを用いて構成することができる。
また、受光部22は、例えば、赤色領域を感知範囲とする赤色フォトダイオード、緑色領域を感知範囲とする緑色フォトダイオード、青色領域を感知範囲とする青色フォトダイオードを具備し、それぞれのフォトダイオードで、歩行路100上に描かれたライン110からの反射光を検出することで、反射光を赤、緑、青の色信号に色分離する。
なお、この受光部22は、上記赤色フォトダイオード、緑色フォトダイオード、青色フォトダイオードに代えて、それぞれ前面に赤、緑、青色のフィルタを有する同一のフォトダイオードを用いて反射光の赤、緑、青の色分離を行うように構成してもよい。
色識別センサ20の受光部22で赤、緑、青に色分離された赤色信号、緑色信号、青色信号は、制御回路30の制御部31に入力される。
制御部31は、MPU(マイクロプロセッサユニット)等により構成されるもので、識別センサ20の受光部22からの赤色信号、緑色信号、青色信号に基づき歩行路100上に描かれたライン110の色識別を行う。この色識別は、赤色信号、緑色信号、青色信号のそれぞれのレベル比に基づき行われる。
例えば、赤色信号が規定値以上で、他の緑色信号、青色信号がともに規定値以下であると、歩行路100上に描かれたライン110の色は赤色と識別し、また、赤色信号、緑色信号がともに規定値以上で、青色信号が規定値以下であると、歩行路100上に描かれたライン110の色は黄色と識別し、また、赤色信号、緑色信号、青色信号がともに規定値以上であると、歩行路100上に描かれたライン110の色は白色と識別することができる。
また、赤色信号、緑色信号、青色信号のそれぞれのレベル比を算出して、この算出値に基づき歩行路100上に描かれたライン110の色を識別するように構成してもよい。
ところで、この制御回路30には、ユーザに報知する検知色を設定する検知色設定部32が設けられており、この検知色設定部32で設定された検知色を示す情報が制御部31に加えられている。そして、制御部31は、上記のように赤色信号、緑色信号、青色信号に基づき識別された歩行路100上に描かれたライン110の色が検知色設定部32で設定された検知色に含まれている場合は、この識別された色に対応する態様で報知部40を駆動制御する。
例えば、検知色設定部32で設定された検知色が、白と黄色である場合は、制御部31で識別された色が白と黄色以外の色である場合は、報知部40は駆動されない。しかし、制御部31で識別された色が白若しくは黄色である場合は、報知部40を駆動制御して、制御部31で識別された色が白色である場合と黄色である場合でそれぞれ異なる態様で報知制御する。
ここで、図2の構成においては、報知部40が増幅器42とスピーカ等から構成される発音部41で構成されているので、制御部31で識別された色が白色である場合は、第1の周期で発音部41から報知音が発生されるように制御部31は、増幅器42に加える報知信号を形成する。また、制御部31で識別された色が黄色である場合は、例えば、第1の周期より短い第2の周期で発音部41から報知音が発生されるように制御部31は、増幅器42に加える報知信号を形成する。
なお、発音部41から発生される報知音の態様は、報知音の周波数、音色、発音間隔のいずれか若しくはこれらを組み合わせて識別発生するように構成してもよい。
また、図2の構成においては、図1に示したように、色識別ステッキ10の上部に報知部40を内蔵して、この報知部40の発音部41から報知音を発生するように構成したが、このステッキの10にイヤホンを接続して、このイヤホンから報知音を発生するように構成してもよい。
また、上記制御部31における色識別を一定時間ごとに行い、頻繁に色が変化する場合と同じ色が長い時間続く場合とで、発音部41から発生される報知音の発音態様を異ならせるように構成してもよい。
また、同じ状態が長く続く場合は、歩行を停止していると判断して、制御部31等に対する電池50からの給電を停止若しくは間欠的に行うことで省電力モードに移行するように構成してもよい。
図3は、図2に示した制御部31の処理を示すフローチャートである。
制御部31は、まず、色識別センサ20の受光部22からの赤色信号、緑色信号、青色信号に基づき、色識別処理を行う(ステップ301)。
次に、この色識別処理で識別した色が検知色設定部32で設定された色に含まれているかを調べる(ステップ302)。ここで、色識別処理で識別した色が検知色設定部32で設定された色に含まれていない場合は(ステップ302でNO)、報知処理を行わずにこの処理を終了する。
また、ステップ302で、色識別処理で識別した色が検知色設定部32で設定された色に含まれていると判別された場合は(ステップ302でYES)、この色識別処理で識別した色に対応する態様の報知信号を形成し(ステップ303)、この形成した報知信号を報知部40の増幅器42を介して発音部41に加え、この報知信号に対応した報知音を発音部41から発生させる。
このような構成によると、例えば、検知色設定部32で検知色を白色と黄色に設定し、ユーザがこの色識別ステッキ10を用いて道路若しくは駅のホーム等の歩行路を歩行すると、この歩行路上に白色若しくは黄色で描かれた白線若しくは黄線等があると、この白線若しくは黄線等の個所でそれぞれ異なる態様で報知音が発音部41から発生され、これによりユーザは白線若しくは黄線等の存在を知ることができ、これを利用して道路若しくは駅のホーム等の歩行路を安全に歩行することが可能になる。
また、検知色設定部32で検知色を黄色のみに設定すると、ユーザは、道路若しくは駅のホーム等の歩行路に描かれた黄線等の存在を選択的に検知することができるので、例えば、この黄線等に沿った安全歩行等も可能になる。
図4は、図1に示した色識別ステッキ10の電気回路の他の例を示すブロック図である。
図2に示した構成においては、報知部40にスピーカ等からなる発音部41を設けて、制御部31で識別した色が検知色設定部32で設定した検知色に含まれる場合は、この識別した色に対応する態様で発音部41から報知音を発生するように構成したが、図4に示す構成においては、報知部40をバイブレータ43と増幅器44で構成し、報知部40における報知をバイブレータ43を用いた振動の態様で行うように構成されている。他の構成は、図2に示した回路と同様である。
すなわち、図4に示した構成において、色識別センサ20の受光部22からの赤色信号、緑色信号、青色信号に基づき、色識別を行い、この識別した色が検知色設定部32で設定した検知色に含まれると、制御部31はこの識別した色に対応する態様で増幅器44を介してバイブレータ43を駆動制御し、歩行路100上に描かれたライン110が検知色設定部32で設定した検知色の色であることを振動でユーザに報知する。
図5は、図1に示した色識別ステッキ10の電気回路の更に他の例を示すブロック図である。
図5に示す構成においては、ユーザが装着するイヤホーン48によって、歩行路100上に描かれたライン110が検知色設定部32で設定した検知色の色であることを図2に示した構成と同様に報知音によって報知するが、この図5の構成においては、色識別ステッキ10とイヤホーン48との間を無線等のコードレスで行うようにした構成が図2に示した構成と異なる。
すなわち、図5に示した構成においては、図1に示した報知部40を無線送信部45、増幅器46を有する報知信号送信部40aで構成し、この報知信号送信部40aの無線送信部45から無線で送信された報知信号をユーザが装着する報知信号受信部40bの無線受信部47で受信し、この無線受信部47で受信した報知信号に基づきイヤホーン48から報知音を発生する。他の構成は、図2に示した回路と同様である。
この発明に係わる色識別ステッキの一実施の形態を示す図である。 図1に示した色識別ステッキの電気回路の一例を示すブロック図である。 図2に示した制御部の処理を示すフローチャートである。 図1に示した色識別ステッキの電気回路の他の例を示すブロック図である。 図1に示した色識別ステッキの電気回路の更に他の例を示すブロック図である。
符号の説明
10 色識別ステッキ
20 色識別センサ
21 発光部
22 受光部
30 制御回路
31 制御部
32 検知色設定部
40 報知部
40a 報知信号送信部
40b 報知信号受信部
41 発音部(スピーカ)
42、44、46 増幅器
43 バイブレータ
45 無線送信部
47 無線受信部
48 イヤホーン
50 電池
100 歩行路
110 ライン

Claims (5)

  1. 歩行路上を照射する光照射手段と、
    前記歩行路からの反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した光を色分解する色分解処理手段と、
    前記色分解処理手段で色分解した色信号のレベル比に基づき前記歩行路に描かれたラインの色を識別する色識別手段と、
    前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で報知を行う報知手段と
    を具備することを特徴とする色識別ステッキ。
  2. 前記報知手段は、
    前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で音を発生する音発生手段
    を具備することを特徴とする請求項1記載の色識別ステッキ。
  3. 前記報知手段は、
    前記色識別手段で識別したラインの色に対応して異なる態様で振動を発生する振動発生手段
    を具備することを特徴とする請求項1記載の色識別ステッキ。
  4. 前記色識別手段は、
    前記歩行路に描かれたラインの色の識別を一定時間ごとに行い、
    前記報知手段は、
    前記色識別手段により識別された色が頻繁に変化する場合と同じ色が長い時間続く場合とで、前記報知音の発音態様を異ならせることを特徴とする請求項1記載の色識別ステッキ。
  5. 電源を供給する電池
    を更に具備し、
    同じ状態が長く続く場合は、前記電池からの給電を停止若しくは間欠的に行うことを特徴とする請求項1記載の色識別ステッキ。
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