JP2008287082A - 液晶配向剤と液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N−(3,5−ジアミノフェニル)−3,3−テトラメチレングルタルイミドまたはN−(3,5−ジアミノフェニル)−コハク酸イミドをジアミン成分とするアミック酸繰返し単位またはイミド繰返し単位を有する重合体からなる垂直配向型液晶配向剤。
【選択図】なし
Description
近年、表示品位の更なる向上に向けTN方式やSTN方式に加え、誘電異方性が負の液晶を使用し、電圧印加時に液晶分子が基板面に対して垂直から平行に配列するVA方式が開発された。VA方式においては、電圧無印加時において黒表示がなされるためTN方式やSTN方式に比べ、光の透過量を容易に小さくでき、バックライトの輝度を大きくすることなく高い明暗のコントラストを得ることが可能である。
現在、垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜は、特許文献1に記載されているように液晶配向剤を基板に塗布することで形成され、基本的な特性として液晶の(1)垂直配向性が必要となる。近年では、垂直配向性に加えて、(2)高い電圧保持率と(3)基板への良好な塗布性が要求されており、例えば電圧保持率が低いと外部から液晶内への不純物混入等の際に、輝度ムラが生じ易くなる。また、液晶配向剤の基板への塗布性が悪いと、例えば配向膜に膜厚ムラやピンホールを生じ、表示欠陥や輝度ムラの原因となる。
また、式(I−1)におけるP1、および式(I−2)におけるP2の少なくとも一つが下記構造であることが好ましい。
すなわち、本発明で用いられるポリアミック酸またはそのイミド化重合体は上記式(I−1)で表されるアミック酸繰返し単位および/または上記式(I−2)で表されるイミド繰返し単位からなる。上記式(I−1)および(I−2)において、P1およびP2の4価の有機基はテトラカルボン酸二無水物から2つの酸無水物基を除去した残基に相当する。
上記ポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましい。脂環式テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボニル−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−ジ無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、下記式(I)および(II)で表される化合物、
その他、ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
これらテトラカルボン酸二無水物のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物が、全テトラカルボン酸二無水物に対して50モル%以上であることが好ましく、このうち2、3、5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物が全テトラカルボン酸二無水物に対して10モル%以上であることがさらに好ましい。
上記式(I−1)および(I−2)のそれぞれにおけるQ1およびQ2のそれぞれが表す基は、ジアミン由来の基であり、ジアミンから2つのアミノ基を除去した残基に相当する。上記式(II−1)または上記式(II−2)で表される基を有するジアミンを、以下、「特定ジアミン」ということがある。
特定ジアミンは、上記式(II−1)もしくは(II−2)に示される構造が垂直配向性のために好ましい。式(II−1)および(II−2)においてnは1または2である。
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンなどの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;下記式(III)で表されるジアミノオルガノシロキサンなどが挙げられる。これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうちp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ジメチル−2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−デシルスクシンイミド、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミドなどが好ましい。
上記式(Q−1)において、R6で表される炭素数10〜20のアルキル基としては、例えば、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。また、上記式(Q−1)におけるR6および上記式(Q−2)におけるR7で表される炭素数4〜40の脂環式骨格を有する有機基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロデカンなどのシクロアルカン由来の脂環式骨格を有する基;コレステロール、コレスタノールなどのステロイド骨格を有する基;ノルボルネン、アダマンタンなどの有橋脂環式骨格を有する基などが挙げられる。これらの中で、特に好ましくはステロイド骨格を有する基である。上記脂環式骨格を有する有機基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子や、フルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基で置換された基であってもよい。
また、上記式(Q−2)で表される基を有するジアミンの具体例としては、下記式(14)〜(16)のそれぞれで表されるジアミンを好ましいものとして挙げることができる。
特定ジアミンの全ジアミン量に対する使用割合は、5〜60モル%が好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸の一部または全部を脱水閉環することにより合成することができる。本発明に用いられるイミド化重合体は、全繰り返し単位におけるイミド環を有する繰り返し単位の割合(以下、「イミド化率」ともいう)が、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上である。イミド化率が40モル%以上の重合体を用いることによって、残像消去時間の短い液晶配向膜が形成可能な液晶配向剤が得られる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
本発明で用いられる重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
以上のようにして得られるポリアミック酸およびそのイミド化重合体は、その対数粘度(ηln)の値が好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
本発明の液晶配向剤は、上記重合体が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
ポジ型レジストを用いて形成した突起を有するITO付きガラス基板(A)およびITOのパターンを有するガラス基板(B)に、それぞれ液晶配向剤を印刷し、80℃で1分間、その後、窒素雰囲気下において200℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚600オングストロームの塗膜を形成した。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、基板(B)の外縁部に、粒径5.5μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、図1のような位置関係になるように2枚の基板を張り合わせた。
基板の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャップ内に、メルク社製液晶MLC−6608を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して垂直配向型液晶表示素子を作製した。
クロスニコル下で電圧無印加時に液晶表示素子に対し垂直方向から目視で観察したとき漏れ光が少なく、黒表示がなされたとき「良好」と判定した。
60℃において液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、2000ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から2,000ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。
印刷法により塗膜を形成し焼成後、目視により判定し、ハジキ、塗布ムラのないものを「良好」とした。
合成は下記のスキームにより行った。
(反応1)
反応1
冷却管を備えた400mlフラスコに、3,5−ジニトロアニリン36.6g、酢酸200mlを加え攪拌しつつ、80℃に加熱し、全量溶解したことを確認した。窒素気流で反応系内を窒素置換した後、3,3−テトラメチレングルタル酸無水物33.6gを加え、24時間還流下加熱攪拌した。反応溶液を室温に冷却し、大量のエタノール中に注ぐことにより析出した沈殿物を濾取、エタノールで洗浄した後、60℃で減圧乾燥することにより、N−(3,5−ジニトロフェニル)−3,3−テトラメチレングルタルイミド(N−1)粗生成物を54.6g得た。得られた粗生成物はそのまま次の反応に用いた。
冷却管を備えた2,000mlフラスコに、反応例1の化合物(N−1)33.3g、亜鉛粉末130.8g、塩化アンモニウム21.40gを加え、系内を窒素置換した。ここにエタノール1,200ml、水120mlを加え、90℃で3時間加熱攪拌した。反応溶液をセライトを敷いた漏斗で濾過することにより亜鉛粉末を除去、得られた反応溶液を冷却することにより目的物の沈殿が析出した。濾液をさらに半量に濃縮した後、析出した固体を濾取した。得られた固体を500mlのクロロホルムに溶解させ、500mlの純水、ついで500mlの飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過にて硫酸マグネシウムを除き、得られた有機相から溶剤を除去、得られた固体をエタノールから再結晶することにより、N−(3,5−ジアミノフェニル)−3,3−テトラメチレングルタルイミド(A−1)19.7gを得た。
3,3−テトラメチレングルタル酸無水物の代わりに3,3−ペンタメチレングルタル酸無水物を用いたことを除いては、上記特定ジアミン1の製造方法における反応1ならびに反応2と同様の方法を行って、(N−2)、および(A−2)を18.2g得た。(N−2)の1H−NMRスペクトルを図3に、(A−2)の1H−NMRスペクトルを図4に示す。
3,3−テトラメチレングルタル酸無水物の代わりにコハク酸無水物を用いたことを除いては、上記特定ジアミン1の製造方法における反応1ならびに反応2と同様の方法を行って、(N−3)、および(A−3)を18.2g得た。
合成例4
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0・88モル)、および化合物(A−1)32.8g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.75dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸B−2」とする)を300g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.78dl/g、イミド化率80%のポリイミド(これを「ポリイミド(PI−1)」とする)19.2gを得た。
化合物(A−1)の代わりに化合物(A−2)を用いたことを除いては、合成例1のポリイミドの製造方法と同様の方法を行って、イミド化率80%のポリイミド(PI−2)を18.9g得た。
化合物(A−1)の代わりに化合物(A−3)を用いたことを除いては、合成例1のポリイミドの製造方法と同様の方法を行って、イミド化率80%のポリイミド(PI−3)を15.8g得た。
表1に示す組成で、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物を、この順で固形分濃度20%になるようにN−メチル−2−ピロリドンに加え、室温下で攪拌しながら4時間反応させた。次いで、この溶液を大過剰の純粋に注いで反応生成物を沈殿させ、その後固形物を分離して純粋で洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより白色粉末状のポリアミック酸を得た。このようにして得られたポリアミック酸を固形分濃度7%になるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、ピリジン、無水酢酸を、繰り返し単位1モルに対して表1に示した割合でそれぞれ添加した後、110℃で4時間加熱して脱水閉環反応を行った。得られた反応溶液を大過剰の純粋に注いで反応生成物を沈殿させた。その後固形物を分離して純粋で洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることによりイミド化重合体(白色粉末状)を得た。このようにして得られたイミド化重合体およびポリアミック酸のジアミン、テトラカルボン酸二無水物組成を表1に示した。
( )内数字はmmol。ジアミン種、テトラカルボン酸二無水物の略号は以下の通り。
酸無水物A:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
ジアミンA:p−フェニレンジアミン
ジアミンD:式(9)で表されるジアミン
ガンマブチロラクトン(BL)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ブチルセロソルブ(BC)が重量比BL/NMP/BC=40/30/30である混合溶剤94gにN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを1g添加した後、合成例4〜6および比較例1〜4で得られたイミド化重合体(PI−1〜PI−6)あるいはポリアミック酸(PA−7)のうち1種を5g混合して撹拌することにより、液晶配向剤を得た。この液晶配向剤を用いて液晶表示素子を作製し、各種評価を行った。結果を表2に示す。
2 液晶配向膜
3 画素電極(ITO)
4 配向規制手段(突起)
5 配向規制手段(スリット)
6 液晶分子
Claims (3)
- 請求項1〜2のいずれかに記載の垂直配向型液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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