JP2008286310A - 自動変速機 - Google Patents

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Tatsuhiko Iwasaki
龍彦 岩▲崎▼
Shinya Okumura
信弥 奥村
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Abstract

【課題】従来の構造に比べて軸方向に対するコンパクト化が可能で且つ熱変形も抑制できる自動変速機の実現。
【解決手段】内周面にスプライン部14とスナップリング溝5とが形成された円筒状回転部材6と、外周部が前記スプライン部に嵌合されて連結されるディスク状回転部材7と、前記スナップリング溝に係合されて前記ディスク状回転部材の軸方向への移動を規制するスナップリング8と、を備える自動変速機であって、前記円筒状回転部材の軸方向の端面には、別の回転部材9が接合され、前記スナップリング溝を、前記円筒状回転部材と前記別の回転部材とで形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機に関する。
従来の自動変速機として、特許文献1には、リングギヤのディスク状回転部材を円筒状回転部材のスプライン部に嵌合して連結し、円筒状回転部材のスナップリング溝にスナップリングを係合することにより軸方向への抜け止めを行う自動変速機が記載されている。
特開2002−349162号公報(図1、図6)
自動変速機のコンパクト化は、当該自動変速機の構成部品や各部品毎にレイアウトを工夫し、数ミリ単位のサイズダウンを積み重ねることで実現される。
例えば、上記特許文献1のように、円筒状回転部材にスナップリング溝を形成した構成では、当該スナップリング溝をスプライン部の軸方向の端部に形成する必要があり、円筒状回転部材が軸方向に長くなるため、この部分の軸方向のコンパクト化が課題となる。また、スナップリング溝は円筒状回転部材の内周面におけるスプライン部の端部に形成されるので、別の回転部材を接合するための端部の近傍に薄肉部ができ、溶接する際の熱変形が課題となる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、従来の構造に比べて軸方向に対するコンパクト化が可能で且つ熱変形も抑制できる自動変速機を実現することである。
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る第1の形態は、内周面にスプライン部とスナップリング溝とが形成された円筒状回転部材と、外周部が前記スプライン部に嵌合されて連結されるディスク状回転部材と、前記スナップリング溝に係合されて前記ディスク状回転部材の軸方向への移動を規制するスナップリングと、を備える自動変速機であって、前記円筒状回転部材の軸方向の端面には、別の回転部材が接合され、前記スナップリング溝を、前記円筒状回転部材と前記別の回転部材とで形成した。この形態によれば、円筒状回転部材に別の回転部材を溶接で接合する場合、従来のようなスプライン部の加工が不要となるので、軸方向のコンパクト化が達成できる。また、別の回転部材を接合するための端部の近傍に薄肉部ができないので、溶接の際に薄肉部が熱変形することによるスプライン溝の歪み等を抑えることができる。
また、第2の形態は、前記円筒状回転部材は、プラネタリギヤセットのリングギヤであり、前記別の回転部材は、前記リングギヤを係脱自在とする多板クラッチを支持するハブ部である。この形態よれば、リングギヤとブレーキハブ部とを連結することで、軸方向をコンパクト化しつつリングギヤを変速機ケースに係脱自在な構造を実現することができる。
また、第3の形態は、前記ハブ部は、前記リングギヤの外周部に対して軸方向にオーバーラップするように配置されている。この形態によれば、リングギヤを及びブレーキハブ部について軸方向のコンパクト化を実現できる。
また、第4の形態は、前記ディスク状回転部材は、動力伝達に直接的に寄与しない前記リングギヤを変速機ケースに対して支持している。
また、第5の形態は、前記ディスク状回転部材は、径方向の内周部がスラスト軸受を介して前記変速機ケースに支持されている。
また、第6の形態は、前記プラネタリギヤセットは、前記変速機ケースの軸方向の端部を閉塞するカバー部材に隣接して配置され、前記ディスク状回転部材は、前記径方向の内周部が前記スラスト軸受を介して前記カバー部材に支持されている。これらの形態によれば、リングギヤ及びブレーキハブ部の高精度な支持構造を実現できる。
本発明によれば、従来の構造に比べて軸方向に対するコンパクト化が可能で且つ熱変形も抑制できる自動変速機を実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
図1は、本発明に係る実施形態の自動変速機を示す部分断面図(a)及びI部の拡大図(b)である。図2は、従来の自動変速機を示す部分断面図(a)及びII部の拡大図である。尚、図1及び図2において同一の機能を有する構成には、同一の符号を付して示している。
図1において、変速機ケース1内には入力軸4が配置される。変速機ケース1の軸方向のリヤ側の端部はリヤカバー2により閉塞される。入力軸4のリヤ側の端部は、軸受4aを介してリヤカバー2により回転自在に軸支されている。
上記入力軸4には、スプライン溝4bを介してプラネタリギヤセットGのサンギヤSが嵌合されている。上記プラネタリギヤセットGは上記リヤカバー2に隣接して配置され、上記サンギヤSと、当該サンギヤSに噛合する複数のピニオンギヤPと、当該ピニオンギヤPを軸受を介して回転自在に軸支するピニオンシャフトNと、当該ピニオンシャフトNを支持し入力軸4の回転を減速出力するプラネタリキャリア(以下、キャリア)Mと、当該ピニオンギヤPに噛合する内歯ギヤgを有するリングギヤRと、を有する。尚、以下では、フロント側のキャリアにはf、リヤ側のキャリアにはrの符号を付して説明する。
上記リヤ側のキャリアMrは、その内径部がラジアル方向に金属ブッシュ等のすべり軸受3を介してリヤカバー2に軸支されている。
上記リングギヤRは、その内周面にスプライン溝14とスナップリング溝5とが形成された円筒状回転部材6と、外周部が上記スプライン溝14に嵌合されて連結されるディスク状回転部材7と、上記スナップリング溝5に係合されて上記ディスク状回転部材7の軸方向への移動を規制するスナップリング8と、を備える。
上記円筒状回転部材6の軸方向のリヤ側の端面には、別の回転部材としてのブレーキハブ部9が溶接等により接合されている。ブレーキハブ部9は、その外周面に軸方向に複数の円盤状の回転摩擦プレートL1を支持している。
上記ディスク状回転部材7は、後述するように動力伝達に直接的に寄与しないリングギヤRの円筒状回転部材6をリヤカバー2に対して支持している。詳しくは、上記ディスク状回転部材7は、径方向の内周部7aのリヤ側の面がスラスト軸受10を介して上記リヤカバー2に支持され、フロント側の面がスラスト軸受11を介してリヤ側のキャリアMrに支持されている。これにより、リングギヤR及びブレーキハブ部9の高精度な支持構造を実現している。
また、上記リヤ側のキャリアMrは、径方向の内周部のリヤ側の面が上記スラスト軸受11を介して上記ディスク状回転部材7に支持され、フロント側の面がスラスト軸受12を介して上記サンギヤSのリヤ側の端面に支持されている。
また、リヤカバー2の外周部には、複数の非回転摩擦プレートL2を支持するブレーキ部Bが設けられ、そのフロント側には、回転摩擦プレートL1を押圧に対して十分な強度で保持するリテイナ23が配設されている。上記非回転摩擦プレートL2は、同じくリヤカバー2に設けられたブレーキピストン21により押圧されて、上記回転摩擦プレートL1に係合される。上記ブレーキピストン21は、そのブレーキ油圧室22へ供給される作動油圧を制御することで、上記回転摩擦プレートL1に対して係脱可能に構成されている。そして、上記ブレーキ部Bが係合されるとブレーキハブ部9を介してリングギヤRが変速機ケース1に係合されて固定され、その反力により上記入力軸4の回転トルクがサンギヤSからキャリアMに入力され、フロント側のキャリアMfを介して上記入力軸4の回転を減速しつつ他のプラネタリギヤセットに伝達する。このように、リングギヤRは変速機ケース1に係止されて、入力軸4の動力伝達に直接的には寄与していない。
上記のようにリングギヤRとブレーキハブ部9とを接合した構成によると、軸方向をコンパクト化しつつリングギヤRを変速機ケース1に係脱自在な構造を実現することができる。
また、ブレーキハブ部9がリングギヤRの外周部に対して軸方向にオーバーラップするように配置されているので、リングギヤR及びブレーキハブ部9について軸方向のコンパクト化を実現できる。
[スナップリング溝の構造]
図1(b)に拡大して示すように、本実施形態のスナップリング溝5は、上記円筒状回転部材6と上記ブレーキハブ9とで形成されている。即ち、円筒状回転部材6のスプライン溝14が形成された内周面のリヤ側の端部には、リヤ側の端面が開放された矩形の溝部5が形成されている。そして、この円筒状回転部材6のリヤ側の端部をブレーキハブ部9の内周部のリヤ側の端面に電気溶接等により接合すると共に、このブレーキハブ部9の端面で溝部5の開放端を閉塞することにより円筒状回転部材6の全周に凹状のスナップリング溝5が形成される。そして、このスナップリング溝5に配設されるスナップリング8が、上記ディスク状回転部材7の外周部の軸方向への移動を規制して位置決めする。
尚、円筒状回転部材6とブレーキハブ部9とを接合する理由は、当該円筒状回転部材6の外周面とブレーキハブ部9の内周面との間に所定の隙間Fを形成する必要があるからであり、この隙間Fがブレーキハブ部9の回転摩擦プレートL1及び非回転摩擦プレートL2を冷却するためのオイルを分配するオイル通路として機能する。
上記実施形態によれば、リングギヤRの円筒状回転部材6にブレーキハブ部9を接合する場合に、従来のようなスプライン溝の加工が不要となるので、軸方向のコンパクト化が達成できる。即ち、従来の構造では、図2(b)に拡大して示すように、スナップリング溝5’を、円筒状回転部材6’のリヤ側の端部を所定距離t1だけ肉盛り部を残しつつスプライン溝14’の軸方向のリヤ側の端部に形成するため、円筒状回転部材6’を軸方向に長くする必要があり、溶接時の上記肉盛り部の熱膨張による軸方向への位置決め精度の悪化が課題となるが、本実施形態のようにスナップリング溝5を、上記円筒状回転部材6と上記ブレーキハブ部9とで形成したことで、従来の構造に対して距離t1だけ軸方向のコンパクト化を実現し、熱膨張による位置決め精度の悪化も防止できる。
また、従来ではスナップリング溝5’が円筒状回転部材6’の内周面におけるスプライン溝14’のリヤ側の端部に形成されるので、ブレーキハブ部9を接合するための端部の近傍に薄肉部t2ができ、溶接する際の熱変形が課題となるが、本実施形態によるとブレーキハブ部9を接合するための端面の近傍に薄肉部ができないので、溶接の際に薄肉部が熱変形することによるスプライン溝の歪み等を抑えることができる。
尚、上記実施形態では、プラネタリギヤセットGのリングギヤRとブレーキハブ部9との接合してスナップリング溝5を形成する例について説明したが、一方の回転部材の端部に他方の回転部材を接合する構造であれば、他の変速ギヤ列にも適用できる。
本発明に係る実施形態の自動変速機を示す部分断面図(a)及びI部の拡大図(b)である。 従来の自動変速機を示す部分断面図(a)及びII部の拡大図(b)である。
符号の説明
1 変速機ケース
2 リヤカバー
3 すべり軸受
4 入力軸
5 スナップリング溝
6 円筒状回転部材
7 ディスク状回転部材
8 スナップリング
9 ブレーキハブ部
10〜12 スラスト軸受
14 スプライン溝
21 ブレーキピストン
22 ブレーキ油圧室
23 リテイナ
G プラネタリギヤセット
S サンギヤ
P ピニオンギヤ
N ピニオンシャフト
M プラネタリキャリア
R リングギヤ
L1 回転摩擦プレート
L2 非回転摩擦プレート

Claims (6)

  1. 内周面にスプライン部とスナップリング溝とが形成された円筒状回転部材と、外周部が前記スプライン部に嵌合されて連結されるディスク状回転部材と、前記スナップリング溝に係合されて前記ディスク状回転部材の軸方向への移動を規制するスナップリングと、を備える自動変速機であって、
    前記円筒状回転部材の軸方向の端面には、別の回転部材が接合され、
    前記スナップリング溝を、前記円筒状回転部材と前記別の回転部材とで形成したことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記円筒状回転部材は、プラネタリギヤセットのリングギヤであり、
    前記別の回転部材は、前記リングギヤを係脱自在とする多板クラッチを支持するハブ部であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記ハブ部は、前記リングギヤの外周部に対して軸方向にオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機。
  4. 前記ディスク状回転部材は、動力伝達に直接的に寄与しない前記リングギヤを変速機ケースに対して支持していることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機。
  5. 前記ディスク状回転部材は、径方向の内周部がスラスト軸受を介して前記変速機ケースに支持されていることを特徴とする請求項4に記載の自動変速機。
  6. 前記プラネタリギヤセットは、前記変速機ケースの軸方向の端部を閉塞するカバー部材に隣接して配置され、
    前記ディスク状回転部材は、前記径方向の内周部が前記スラスト軸受を介して前記カバー部材に支持されていることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機。
JP2007131952A 2007-05-17 2007-05-17 自動変速機 Withdrawn JP2008286310A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101755195B1 (ko) * 2015-10-06 2017-07-20 현대 파워텍 주식회사 자동변속기의 윤활장치

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