JP2008284500A - 凝集沈殿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水に凝集剤と不溶性粒子とを混合撹拌する際に、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに煩雑なメンテナンスもほとんど必要とせず、またモータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れ、さらにコンパクトでありながらも沈殿槽における水面積負荷の大きな凝集沈殿能力の高い凝集沈殿装置を提供することを目的とする。
【解決手段】凝集沈殿装置1は、フロック形成槽12とフロック群を沈殿させる沈殿槽14とを備えた凝集沈殿装置であって、凝集剤と不溶性粒子が添加された被処理水の下降流を流入させる下降流路7と、下降流路7の下部と連通し下降流を上昇流に反転させる底部流路8と、底部流路8と連通し上昇流が流れる上昇流路9と、を有する混合撹拌部2が、フロック形成槽12の上流側に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、懸濁物を含む被処理水に凝集剤と不溶性粒子を添加して懸濁物を凝集沈殿させる凝集沈殿装置に関するものである。
従来より、砕石や砂利排水、赤土流出水、浚渫したヘドロ、トンネル工事排水、工業排水、河川水、湖沼水等の被処理水中に懸濁している懸濁物(SS)を凝集させてフロックを形成し、沈殿により分離除去する装置が知られている。一般的な凝集沈殿装置で形成されるフロックの密度は1.02〜1.10g/cm程度と小さいため沈降速度が遅く、水面積負荷(沈殿槽の単位水面積あたりの処理可能な被処理水量。単位はm/m・h。水面積負荷が大きい程、凝集沈殿能力が大きい。)は18m/h程度であった。
近年、被処理水に凝集剤とともに砂(真密度2.7g/cm程度)を添加し、フロックの密度を大きくすることにより沈降速度を上げ、40m/h以上の水面積負荷を実現した凝集沈殿装置が開発されている。例えば、(特許文献1)には、「被処理水中の懸濁物質を凝集剤と砂の添加により凝集させる凝集槽と、凝集槽から導入される被処理水中の凝集物を沈殿させ処理水と沈殿物とに分離する沈殿槽と、沈殿槽から沈殿物を引き抜き、引き抜かれた沈殿物をサイクロンで汚泥と砂とに分離して分離された砂を凝集槽に戻す分離ラインと、を備えた凝集沈殿装置」が開示されている。
特開2000−334209号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術では、公報の実施例において、原水濁度:12度、原水流量:12.5m/h、凝集槽滞留時間:4分の場合、沈殿槽負荷(水面積負荷):50m/h、沈殿槽処理水濁度:0.4度という結果が得られており、従来の凝集沈殿装置の水面積負荷(18m/h)と比較すれば改善されたことがわかる。しかしながら、砂(8)が添加される凝集槽(2)には、モータ(9)により駆動される撹拌機(10)が必要であり、またモータ(9)を回転させる電気エネルギを要し省エネルギ性に欠けるという課題を有していた。
(2)沈殿物を汚泥と砂とに分離するサイクロン(17)が必要になるため装置構成が複雑化するとともに、砂と分離された汚泥は透水係数が小さくなり、脱水減容化が著しく困難であった。このため、汚泥を脱水減容するためにはフィルタプレス等の付帯設備が必要になり、汚泥の脱水減容処理が著しく煩雑であるという課題を有していた。
(3)固形物濃度の高い汚泥(スラリー)が流れるサイクロン(17)や分離ライン(16)の内部が、汚泥に含まれる砂によって経時的に磨耗するため、定期的なメンテナンスを要し煩雑であるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、被処理水に凝集剤と不溶性粒子とを混合撹拌する際に、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに煩雑なメンテナンスもほとんど必要とせず、またモータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れ、さらにコンパクトでありながらも沈殿槽における水面積負荷の大きな凝集沈殿能力の高い凝集沈殿装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の凝集沈殿装置は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の凝集沈殿装置は、懸濁物を含む被処理水に添加した凝集剤と不溶性粒子によりフロックを形成させるフロック形成槽と、前記フロック形成槽と連通しフロック群を沈殿させる沈殿槽と、を備えた凝集沈殿装置であって、前記凝集剤と前記不溶性粒子が添加された前記被処理水の下降流を流入させる下降流路と、前記下降流路の下部と連通し前記下降流を上昇流に反転させる底部流路と、前記底部流路と連通し前記上昇流が流れる上昇流路と、を有する混合撹拌部が、前記フロック形成槽の上流側に接続された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)凝集剤と不溶性粒子が添加された被処理水の下降流を流入させる下降流路と、下降流路の下部と連通し下降流を上昇流に反転させる底部流路と、底部流路と連通し上昇流が流れる上昇流路と、を有する混合撹拌部が、フロック形成槽の上流側に接続されているので、下降流路内における下降流の乱流により凝集剤と不溶性粒子が被処理水に急速撹拌される。次いで、下降流は底部流路から上昇流路にかけて反転し上昇流に変えられるので、緩速撹拌と同じ効果が生じ、底部流路及び上昇流路において、凝集剤が懸濁物と不溶性粒子とを凝集させフロックの形成が開始される。このため、混合撹拌部の容積が小さくても短い滞留時間で大きなフロック形成効果が得られ、沈殿槽における水面積負荷を大きくできるとともに装置をコンパクト化させることができる。
(2)下降流路内における下降流の乱流により、凝集剤と不溶性粒子を被処理水に急速撹拌させることができるので、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに、モータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れる。また、装置構成が簡略化されているので、煩雑なメンテナンスもほとんど必要とせずメンテナンス性に優れる。
ここで、混合撹拌部の下降流路、底部流路、上昇流路は、複数の管体を略U字状に配管したり、1本の管体を略U字状に曲げたりして形成することができる。管体としてジャバラ管を用いると、乱流が形成され易くなるため好ましい。また、管体の代わりに水槽を用い、水面上から水槽内に隔壁(仕切板)を垂下させ、隔壁の下部を水槽の底面と隙間をあけて、隔壁の両側の流路を下降流路及び上昇流路とし、隔壁の下部の隙間を底部流路とすることもできる。
下降流路、底部流路、上昇流路を一組として、繰り返し列設させることもできる。これにより、混合撹拌部における混合撹拌効果を高めることができる。
また、下降流路は蛇行状や螺旋状に形成することができる。これにより、下降流を撹乱させるとともに滞留時間をかせぎ撹拌効果を高めることができる。
混合撹拌部に供給する被処理水の水量は、混合撹拌部における流速が0.05〜0.1m/s程度になるように調整するのが望ましい。底部流路及び上昇流路においてフロックの形成を開始させることができるとともに、20m以下程度の短い流路長で1〜3分程度の滞留時間を確保できるため装置をコンパクト化できるからである。また、下降流路の内径は、上記の流速の範囲で乱流となるような範囲に形成される。スタティックミキサを配設することもできる。
上昇流路の径は、下降流路の径より太く形成することもできる。上昇流路を流れる上昇流の流速を低下させ水流による撹拌効果を低下させ、フロック形成能を高めるためである。
凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の無機凝集剤、アニオン性高分子凝集剤,両性高分子凝集剤等の高分子凝集剤を用いることができる。また、活性ケイ酸、アルギン酸ソーダ等の凝集補助剤を併用することもできる。
不溶性粒子としては、嵩密度が1〜1.5g/cm程度の不溶性の粒子であれば特に限定せずに用いることができる。嵩密度が1g/cmより小さいとフロックの沈降速度を上げることができず、1.5g/cmより大きいと懸濁物と凝集することなく沈降してしまう割合が増えるからである。
このような不溶性粒子としては、例えば、珪砂等の砂、火山性珪酸塩鉱物等の天然鉱物、ゼオライト、ガラスを粉砕したガラス粉末、ガラス発泡体を粉砕したガラス発泡体粉末、貝殻を粉砕した貝殻粉末、貝化石粉末、鉄粉等の金属粉等が挙げられる。
なお、天然鉱物等の不溶性粒子の中には、凝集剤としての機能も併せ持つものがある。このような不溶性粒子を用いる場合には、凝集剤として不溶性粒子を添加することができる。この場合は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤や高分子凝集剤は添加しなくてもよい。
不溶性粒子の粒径としては、10〜200μm程度のものが好適に用いられる。フロックが形成され易いからである。
凝集剤の被処理水に対する添加量としては、無機凝集剤の場合は1〜30mg/L、高分子凝集剤の場合は0.5〜3mg/L程度であるが、被処理水の状態や処理速度を勘案して適宜決定することができる。また、不溶性粒子の被処理水に対する添加量としては、0.5〜5g/L程度であるが、不溶性粒子の密度、被処理水の状態や処理速度を勘案して適宜決定することができる。
フロック形成槽は、上昇流路を通過した被処理水を一時貯留し懸濁物の凝集とフロックを成長させる槽であって、モータ等により駆動させる撹拌装置を有さないものが用いられる。
フロック形成槽から沈殿槽に導入された被処理水に含まれるフロック群は、粒径が大きく密度が大きいため迅速に沈殿槽の底部に沈降する。これにより、被処理水中に含まれる大部分の懸濁物は、沈降するフロック群に含まれて分離される。一方、水は沈殿槽の上部から、例えば溢流式で排出される。
沈殿槽から水を排出する際に、充填材が充填された濾材層を通過させるようにすることもできる。これにより、沈降せずに水とともに沈殿槽の上部側を流れる微フロックを濾材槽に捕捉させ、濁度をさらに低下させることができる。なお、フロック形成槽において、被処理水が滞留する間に微フロックが吸合されてフロック群を形成し成長するので、沈殿槽に流入する微フロックは少なく目詰まりによる濾材層の負担は少ない。
なお、濾材層を構成する充填材としては、例えば、直径4〜12mm程度で長さが15〜20mm程度の合成樹脂製の短尺チューブ状小片、中空球体の球面に多数の孔を穿孔した多孔球体、表面に多数の孔が形成されたガラス製や合成樹脂製の発泡体、貝殻、炭片等が用いられる。
沈殿槽からの排水を導入する濾過槽を配設し、濾過槽内に濾材層を配設することもできる。濾過槽内の上向流を制約するように濾材層を配設することで上向流によどみを形成し、このよどみ部分に微フロックを滞留させて微フロックの成長と凝集沈降を行わせることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の凝集沈殿装置であって、前記底部流路に空気を注入する空気注入管が接続された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)底部流路及び上昇流路において、凝集剤が懸濁物と不溶性粒子とを凝集させフロックの形成が開始されるため、稼働中に次第に底部流路にはフロック群の沈殿が生じる。これを放置しておくと底部流路が閉塞されてしまうが、底部流路に空気を注入する空気注入管が接続されているので、底部流路に間欠的に空気を注入することで底部流路内の抵抗が低下し一時的に流速が増した掃流が生じ、フロック群を混合撹拌させることができ、さらにエアリフト効果によりフロック群の沈殿を上昇流路からフロック形成槽に流出させることができるため、底部流路が閉塞するのを連続運転しながらでも防止することができる。
ここで、空気注入管から底部流路に注入される空気の圧力としては、混合撹拌部における底部流路の水深に相当する圧力以上あれば十分である。被処理水の水流に気泡を同伴させるだけで、底部流路内の抵抗を低下させフロック群の沈殿を上昇流路からフロック形成槽に流出させることができるからである。
空気の注入量としては、被処理水の流速、稼働時間等に応じて、適宜決定される。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の凝集沈殿装置であって、前記沈殿槽に接続された沈殿物引抜管と、前記沈殿物引抜管に配設され前記不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離する水分離部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)沈殿物引抜管に配設され不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離する水分離部を備えているので、不溶性粒子を含んでいる影響で沈殿物の透水係数が高いため、フィルタプレス等の付帯設備がなくても沈殿の脱水を簡単に行うことができ、沈殿の脱水減容処理を極めて簡素化できる。
(2)水分離部において、不溶性粒子を含ませたまま沈殿から水を分離するので、沈殿を汚泥と不溶性粒子とに分離する分離するサイクロン等の分離装置が不要なため、装置構成を極めて簡略化できる。
ここで、水分離部としては、例えば、不織布,網体等で形成された透水性を有する収容体に沈殿物引抜管から導入された沈殿物を収容し、重力濃縮させるものを用いることができる。沈殿の透水係数が高いため、重力濃縮により収容体から水分だけが落下し収容体内に固形物が残留し、時間の経過とともに乾燥泥の状態にすることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置であって、前記不溶性粒子が、ガラス廃材を粉砕して得られるガラス粉末と、発泡材粉末と、を含有する混合物を加熱して溶融発泡させ粉砕したガラス発泡体粉末である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ガラス発泡体粉末は密度や粒度を自在に調整でき、また不定形状で多孔状のためフロックの吸合能が高いので、被処理水に直接投入しても短時間でフロック群を形成でき凝集沈殿効率を高めることができる。また、沈殿の透水係数を高め、沈殿の脱水減容処理効率を高めることができる。
(2)珪砂等の天然資源を使用することなくガラス廃材を原料として用いるため、廃棄物の再利用を図ることができ省資源性に優れる。
ここで、ガラス廃材としては、薬品用びん,化粧品用びん,食料調味料用びん,飲料用びん等のガラスびん、板ガラス、窓ガラス、テレビやディスプレイのガラスパネル等の廃棄物、ガラス製品工場から発生するスクラップ等が用いられる。
発泡材粉末としては、加熱されたガラス粉末の溶融温度付近で熱分解して炭酸ガスや窒素ガス等を発生し、溶融したガラスを発泡させるものが用いられ、例えば、NaCO,MgCO,Ca(OH)等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩又は水酸塩、炭化珪素,炭化チタン等の金属炭化物、窒化珪素,窒化ホウ素等の金属窒化物、貝殻粉末等が用いられる。なかでも、貝殻粉末が好適に用いられる。廃棄物である貝殻を有効活用でき省資源性に優れるとともに、貝殻は硬度が低く粉砕し易いので貝殻粉末が容易に得られ、粉砕設備負荷や工数等を少なくできるからである。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置であって、前記下降流路が、管体で螺旋状に形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)下降流路が管体で螺旋状に形成されているので、限られたスペースに流路長の長い下降流路を配設できるため、装置をコンパクト化できる。
(2)下降流路が管体で螺旋状に形成されているので、撹拌時間を長くすることができるため、フロックの形成が始まるまでの時間を短縮することができ、大きなフロック形成効果が得られる。
ここで、下降流路を管体で螺旋状に形成するには、合成樹脂性や金属製のフレキシブルチューブを用いることができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置であって、前記下降流路又は前記底部流路に一端部が接続され他端側が上方に延設された前記フロック形成槽の水面との水位差を検知する水位検知管を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)混合撹拌部を流れる被処理水は、流路抵抗、被処理水の比重、被処理水の水量(m/h)により、下降流路の上部の水位が上昇流路の上部の水位(フロック形成槽の水面の水位と等しい)よりも高くなり水位差が生じる。この水位差は、流路抵抗がそれほど大きくなく、懸濁物が分散した被処理水の比重も小さいため、被処理水の水量が支配する。下降流路の上部の水位を正確に検知するのは難しいが、下降流路又は底部流路に接続された水位検知管を備えているので、下降流路の上部の水位を水位検知管の水位に置き換えて検知することができる。水位検知管を用いてフロック形成槽の水面との水位差を検知することで、被処理水の水量を水位差に置き換えて簡便に求めることができる。これを利用して、水位差(水量)に応じて適量の凝集剤及び不溶性粒子を添加するようにすることで、被処理水の流量変動が生じても適量の凝集剤及び不溶性粒子を添加することができ、安定処理を行うことができる。
(2)電磁式,羽根車式,超音波式等の懸濁物の影響で故障や誤差が生じ易い流量センサを用いることなく、水位検知管を用いて水量の検知を行うため信頼性に優れる。
ここで、水位検知管を用いてフロック形成槽の水面との水位差を求めるには、フロート式、圧力式、静電容量式等の種々の水位計を用いて、水位検知管の水面とフロック形成槽の水面の水位を各々測定し、水位検知管の水面の水位からフロック形成槽の水面の水位を減じて求めることができる。
以上のように、本発明の凝集沈殿装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)下降流路内における下降流の乱流により凝集剤と不溶性粒子が被処理水に急速撹拌され、次いで下降流は底部流路から上昇流路にかけて反転し上昇流に変えられるので、緩速撹拌と同じ効果が生じ、底部流路及び上昇流路においてフロックの形成が開始されるため、混合撹拌部の容積が小さくても短い滞留時間で大きなフロック形成効果が得られ、コンパクトでありながらも沈殿槽における水面積負荷の大きな凝集沈殿装置を提供できる。
(2)下降流路内における下降流の乱流により、凝集剤と不溶性粒子を被処理水に急速撹拌させることができるので、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに、モータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)稼働中に次第に底部流路にフロック群の沈殿が生じ、これを放置しておくと底部流路が閉塞されてしまうが、底部流路に空気を注入する空気注入管が接続されているので、底部流路に間欠的に空気を注入することで底部流路内の抵抗が低下し一時的に流速が増した掃流が生じ、さらにエアリフト効果によりフロック群の沈殿を上昇流路からフロック形成槽に流出させることができるため、連続運転しながらでも底部流路が閉塞するのを防止できる安定性に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)沈殿物引抜管に配設され不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離する水分離部を備えているので、不溶性粒子を含んでいる影響で沈殿の透水係数が高いため、フィルタプレス等の付帯設備がなくても沈殿の脱水を簡単に行うことができ、沈殿の脱水減容処理を極めて簡素化でき現地や構内において無動力で脱水減容処理が可能な凝集沈殿装置を提供できる。
(2)水分離部において、不溶性粒子を含ませたまま沈殿から水を分離するので、沈殿を汚泥と不溶性粒子とに分離する分離するサイクロン等の分離装置が不要なため、装置構成を極めて簡略化させた凝集沈殿装置を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)ガラス発泡体粉末は密度や粒度を自在に調整でき、また不定形状で多孔状のためフロックの吸合能が高いので、被処理水に直接投入しても短時間でフロック群を形成でき凝集沈殿効率に優れ、さらに沈殿の透水係数を高め、沈殿の脱水減容処理効率に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
(2)珪砂等の天然資源を使用することなくガラス廃材を原料として用いるため、廃棄物の再利用を図ることができ省資源性に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)下降流路が管体で螺旋状に形成されているので、限られたスペースに流路長の長い下降流路を配設できるため、コンパクトな凝集沈殿装置を提供できる。
(2)下降流路における撹拌時間を長くすることができるため、フロックの形成が始まるまでの時間を短縮することができ、フロック形成効果に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)水位検知管を用いてフロック形成槽の水面との水位差を検知することで、被処理水の水量を簡便に連続的に求めることができ、これを利用して、水量に応じて適量の凝集剤及び不溶性粒子を添加するようにすることで、被処理水の流量変動に左右されず適量の凝集剤及び不溶性粒子を添加することができ、安定処理を行うことができる凝集沈殿装置を提供できる。
(2)電磁式,羽根車式,超音波式等の懸濁物の影響で故障や誤差が生じ易い流量センサを用いることなく、水位検知管を用いて水量の検知を行うため信頼性に優れた凝集沈殿装置を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における凝集沈殿装置の模式図である。
図中、1は実施の形態1における凝集沈殿装置、2は凝集沈殿装置1の混合撹拌部であり、後述する下降流路7,底部流路8,上昇流路9を備えている。3はホッパ、4はホッパ3に貯留されたポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤と嵩密度が1〜1.5g/cm程度のガラス発泡体粉末等の不溶性粒子の凝集材混合物、5はホッパ3に接続されホッパ3に貯留された凝集材混合物4を後述する案内部6に定量供給する供給装置、6は漏斗状等に形成されホッパ3の下部に配設された案内部であり、案内部6には赤土流出水,トンネル工事排水等の懸濁物が分散した被処理水が供給され、これに凝集材混合物4が添加されて被処理水の水流で凝集材混合物4が混合される。7はフレキシブルチューブ等の管体で螺旋状に形成され上端部が案内部6に接続された下降流路、8は一端部が下降流路7の下端部と連通した底部流路、9は下端部が底部流路8の他端部と連通し上方に延設された上昇流路、10は一端部が上昇流路9の上端部と連通した連通路、11は連通路10に配設され連通路10の流路の一部を断面積が下降流路7,底部流路8,上昇流路9の断面積の1/3〜2/3程度になるように可変可能に狭くするバルブ等で形成された絞り部、12は連通路10の他端部と連通したフロック形成槽、13は一端部がフロック形成槽12の上部側と連通したフロック形成槽連通路、14はフロック形成槽連通路13の他端部と連通した沈殿槽、15は一端部が沈殿槽14の上部側と連通した沈殿槽連通路、16は沈殿槽連通路15の他端部が下部側と連通した濾過槽、17は濾過槽16の上部側に所定間隔をあけて複数枚配設された傾斜板、18は嵩密度が1〜1.5g/cm程度のガラス発泡体等の充填材を充填した網状の袋体からなり傾斜板17の上に沈積させた濾材層、19は沈殿槽14の底部に接続された沈殿物引抜管、20は沈殿物引抜管19に配設された開閉弁、21は一端部が濾過槽16の底部に接続され他端部が開閉弁20の上流側の沈殿物引抜管19に接続された濾過槽引抜管、22は濾過槽引抜管21に配設された開閉弁、23は開閉弁20より下流側の沈殿物引抜管19に配設され引き抜かれた沈殿物から水を分離する水分離部、24は圧縮空気を送出するコンプレッサ等の空気供給装置、25は一端部が空気供給装置24に接続され他端部が底部流路8に接続された空気供給管、26は一端部が空気供給装置24に接続され他端部が濾過槽16の底部に接続された空気供給管、27は一端部が下降流路7乃至は底部流路8に接続され他端側が案内部6付近まで延設された水位検知管、Hはフロック形成槽12の水面の水位、Hは水位検知管27の水面の水位、Hは水位検知管27の水面の水位Hとフロック形成槽12の水面の水位Hとの水位差である。水位H,Hはフロート式,圧力式,静電容量式等の図示しない水位計を用いて測定され、求められた水位差H(被処理水の水量が支配する)に基づいて図示しない制御装置が供給装置5を調整して、水量に応じた適量の凝集材混合物4を案内部6に供給された被処理水に添加している。
なお、本実施の形態においては、凝集材混合物4の不溶性粒子は、ガラス廃材を粉砕して得られるガラス粉末と発泡材粉末とを含有する混合物を加熱して溶融発泡させ、粉砕した嵩密度が1〜1.5g/cm程度に調製されたガラス発泡体粉末を用いている。また、水分離部23は、不織布、網体等で形成された透水性を有する収容体に沈殿物引抜管19から導入された沈殿物を収容し重力濃縮させるものが用いられている。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における凝集沈殿装置を用いた被処理水の処理方法について、以下図面を参照しながら説明する。
ポンプで赤土流出水,トンネル工事排水等の被処理水を汲みあげ、案内部6に、例えば10〜15m/hの水量で供給する。同時に、供給装置5を稼動させてホッパ3内の凝集剤と不溶性粒子の凝集材混合物4を案内部6に落下させ被処理水に添加する。案内部6にはポンプで汲みあげられた被処理水の水流による渦流が形成される。凝集材混合物4が添加混合された被処理水は、下降流として0.05〜0.1m/s程度の流速で下降流路7に流入する。下降流は下降流路7で乱流となり、被処理水と凝集材混合物4は急速撹拌される。
底部流路8に達した被処理水の下降流は、底部流路8から上昇流路9にかけて上昇流に変えられ、緩速撹拌と同じ効果が生ずる。これによりフロックが形成され始め、被処理水はフロック形成槽12に放流される。上昇流路9と連通した連通路10に絞り部11が形成されているので、被処理水の混合撹拌部2における滞留時間をかせぐことができる。さらに絞り部11を制御して流路の断面積を拡縮することで、絞り部11の流路抵抗の大きさを変え、後述する水位差Hの大きさを制御することもできる。
なお、混合撹拌部2を流れる被処理水は、下降流路7,底部流路8,上昇流路9の流路抵抗、絞り部11の流路抵抗、被処理水の比重、被処理水の水量(m/h)により、フロック形成槽12の水面の水位Hと、下降流路7の上部の水位(水位検知管27の水面の水位Hと等しい)との間には水位差Hが生じる。水位差Hは、流路抵抗がそれほど大きくなく、懸濁物が分散した被処理水の比重も小さいため、被処理水の水量が支配し、水量が多くなるにつれ水位差Hが大きくなる。被処理水の水量が支配する水位差Hに基づいて、供給装置5が水量(水位差H)に応じた適量の凝集材混合物4を案内部6に供給している。
フロック形成槽12に放流された被処理水は、フロック形成槽12内に滞留する間に懸濁物が凝集しフロックを成長させる。次いで、フロック形成槽12から沈殿槽14に導入された被処理水に含まれるフロック群は、粒径が大きくさらに不溶性粒子を含んでおり密度が大きいため、迅速に沈殿槽14の底部に沈降する。これにより、被処理水中に含まれる大部分の懸濁物は、沈降するフロック群に含まれて分離される。一方、水は沈殿槽14の上部と連通した沈殿槽連通路連通15から、溢流式に濾過槽16に排出される。濾過槽16に排出された水は、上向流を制約するように配設された傾斜板17により澱むため、沈殿槽14では沈殿しなかった微フロックを滞留させて、微フロックの成長と凝集沈降を行わせることができる。また、濾材層18が配設されているので、微フロックの滞留及び成長と凝集沈降をさらに促進させ、濾過槽16からは濁度の低い水を溢流式に排出することができる。
ここで、底部流路8及び上昇流路9においてフロックの形成が開始されるため、稼働中に次第に底部流路8にはフロック群の沈殿が生じる。これを放置しておくと底部流路8が沈殿(フロック群)で閉塞されてしまうため、空気注入管25から底部流路8に間欠的に空気を注入し、プラグ掃流を発生させ、フロック群の沈殿を上昇流路12からフロック形成槽14に流出させる。
一方、沈殿槽14に沈降した沈殿物は、開閉弁20を開弁することにより沈殿物引抜管19から水分離部23に抜き出される。水分離部23は不織布等で形成された透水性を有する収容体で形成されており、沈殿物はガラス発泡体粉末の不溶性粒子を含むため透水係数が高く、重力濃縮で収容体から水分だけが落下し収容体内に固形物が残留し、時間の経過とともに乾燥泥の状態にすることができる。水分離部23で分離された水は、再び被処理水に混ぜて処理すればよい。
また、長期間稼動させると、濾過槽16の底部にも微フロックが凝集したフロックが沈殿する。濾過槽16内を洗浄するためには、案内部6への被処理水の供給を一旦停止させた後、空気供給管26から濾過槽16の底部に圧縮空気を供給し、濾過槽16内に滞留した水を流動させ沈殿を浮き上がらせた後、開閉弁22を開弁し沈殿を水と一緒に抜き出せばよい。
以上のように、本発明の実施の形態1における凝集沈殿装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)凝集剤と不溶性粒子が添加された被処理水の下降流を流入させる下降流路7と、下降流路7の下部と連通し下降流を上昇流に反転させる底部流路8と、底部流路8と連通し上昇流が流れる上昇流路9と、を有する混合撹拌部2が、フロック形成槽12の上流側に接続されているので、下降流路7内における下降流の乱流により凝集剤と不溶性粒子が被処理水に急速撹拌され、次いで、下降流は底部流路8から上昇流路9にかけて反転し上昇流に変えられるので、底部流路8及び上昇流路9において緩速撹拌と同じ効果が得られフロックの形成が開始される。このため、混合撹拌部2の容積が小さくても短い滞留時間で大きなフロック形成効果が得られ、沈殿槽14における水面積負荷を大きくできるとともに装置をコンパクト化させることができる。
(2)下降流路7内における下降流の乱流により、凝集剤と不溶性粒子を被処理水に急速撹拌させることができるので、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに、モータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れる。
(3)底部流路8に空気を注入する空気注入管25が接続されているので、底部流路8に間欠的に空気を注入することで底部流路8内の抵抗が低下し一時的に流速が増した掃流が生じ、さらにエアリフト効果によりフロック群の沈殿を上昇流路9からフロック形成槽12に流出させることができるため、底部流路8が閉塞するのを連続運転しながらでも防止することができる。
(4)沈殿物引抜管19に配設され不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離する水分離部23を備えているので、不溶性粒子を含んでいる影響で沈殿の透水係数が高いため、フィルタプレス等の付帯設備がなくても沈殿の脱水を簡単に行うことができ、沈殿の脱水減容処理を極めて簡素化できる。
(5)水分離部23において、不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離するので、沈殿を汚泥と不溶性粒子とに分離する分離するサイクロン等の分離装置が不要なため、装置構成を極めて簡略化できる。
(6)不溶性粒子のガラス発泡体粉末は密度や粒度を自在に調整でき、また不定形状で多孔質のため、フロックの吸合能が高く短時間でフロック群を形成でき凝集沈殿効率を高めることができる。また、沈殿の透水係数を高め、沈殿の脱水減容処理効率を高めることができる。
(7)不溶性粒子のガラス発泡体粉末は、珪砂等の天然資源を使用することなくガラス廃材を原料として用いるため、廃棄物の再利用を図ることができ省資源性に優れる。
(8)下降流路7が管体で螺旋状に形成されているので、限られたスペースに流路長の長い下降流路7を配設できるため、装置をコンパクト化できる。
(9)下降流路7が螺旋状に形成されているので、急速撹拌時間を長くすることができるため、フロックの形成が始まるまでの時間を短縮することができ、大きなフロック形成効果が得られる。
(10)下降流路7の上部の水位を正確に検知するのは難しいが、下降流路乃至は底部流路8に接続された水位検知管27を備えているので、下降流路7の上部の水位を水位検知管27の水位Hに置き換えて検知することができる。水位検知管27を用いてフロック形成槽12の水面との水位差Hを検知することで、被処理水の水量を簡便に求めることができる。これを利用して、供給装置4を用いて水量(水位差H)に応じた適量の凝集材混合物4を添加するようにすることで、被処理水の流量変動が生じても適量の凝集材混合物4を添加することができ、安定処理を行うことができる。
(11)懸濁物の影響で故障や誤差が生じ易い流量センサを用いることなく、水位検知管27を用いて水量の検知を行うため信頼性に優れる。
(12)上昇流路9と連通した連通路10に絞り部11が形成されているので、被処理水の混合撹拌部2における滞留時間をかせぎ、撹拌効果を高めることができる。さらに絞り部11を制御して流路の断面積を拡縮することで、絞り部11の流路抵抗の大きさを変え、後述する水位差Hの大きさを制御することもできる。これは、被処理水の水量が少なく水位差Hが検知され難い場合には特に有効である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
合成樹脂製のフレキシブルチューブ(内径10cm、長さ6m)を利用して、実施の形態1で説明した凝集沈殿装置の混合撹拌部2として螺旋状の下降流路7,底部流路8,上昇流路9を形成し、案内部6からフロック形成槽12までを連通させた。また、絞り部11における連通路の内径は5cmとした。
被処理水の懸濁物(SS)(赤土とベントナイトの混合物)の濃度は1000ppmであった。また、被処理水の水量が15m/hのとき、フロック形成槽12における滞留時間は30秒であった。
凝集剤としてはポリ塩化アルミニウム15mg/L、不溶性粒子としては、ガラス粉末と貝殻粉末とを混合した混合物を加熱して溶融発泡させ粉砕したガラス発泡体粉末(平均嵩密度:1.3g/cm、平均粒径:130μm)を2g/Lの割合で添加した。
この条件で被処理水の凝集沈殿処理を行ったところ、沈殿槽における水面積負荷は89m/hとなり、処理後の水の懸濁物(SS)濃度は20ppmであった。また、沈殿槽14から抜き出された沈殿物と、被処理水に含まれる懸濁物(SS)の透水係数をJIS A 1218「土の透水試験方法」に準拠して測定したところ、沈殿物の透水係数は懸濁物(SS)の透水係数に対して約10倍高いことがわかった。沈殿物は透水性が格段に向上しているため、不織布等で形成された透水性を有する収容体に沈殿物を収容した後、重力濃縮で水を分離させ、時間の経過とともに乾燥泥の状態にすることができた。
以上のことから、本実施例によれば、混合撹拌部の流路長が6m程度でも短い滞留時間で大きなフロック形成効果が得られ、沈殿槽における水面積負荷が大きく凝集沈殿能力が著しく高いことが明らかになった。
本発明は、懸濁物を含む被処理水に凝集剤と不溶性粒子を添加して懸濁物を凝集沈殿させる凝集沈殿装置に関し、被処理水に凝集剤と不溶性粒子とを混合撹拌する際に、モータにより駆動される撹拌機が不要なため装置構成を簡略化できるとともに、モータを回転させる電気エネルギも不要なため省エネルギ性に優れ、さらにコンパクトでありながらも沈殿槽における水面積負荷の大きな凝集沈殿能力の高い凝集沈殿装置を提供でき、特にコンパクト化できるため、車載するなどにより移動可能な凝集沈殿装置を提供することができる。
実施の形態1における凝集沈殿装置の模式図
符号の説明
1 凝集沈殿装置
2 混合撹拌部
3 ホッパ
4 凝集剤と不溶性粒子の凝集材混合物
5 供給装置
6 案内部
7 下降流路
8 底部流路
9 上昇流路
10 連通路
11 絞り部
12 フロック形成槽
13 フロック形成槽連通路
14 沈殿槽
15 沈殿槽連通路
16 濾過槽
17 傾斜板
18 濾材層
19 沈殿物引抜管
20 開閉弁
21 濾過槽引抜管
22 開閉弁
23 水分離部
24 空気供給装置
25,26 空気供給管
27 水位検知管

Claims (6)

  1. 懸濁物を含む被処理水に添加した凝集剤と不溶性粒子によりフロックを形成させるフロック形成槽と、前記フロック形成槽と連通しフロック群を沈殿させる沈殿槽と、を備えた凝集沈殿装置であって、
    前記凝集剤と前記不溶性粒子が添加された前記被処理水の下降流を流入させる下降流路と、前記下降流路の下部と連通し前記下降流を上昇流に反転させる底部流路と、前記底部流路と連通し前記上昇流が流れる上昇流路と、を有する混合撹拌部が、前記フロック形成槽の上流側に接続されていることを特徴とする凝集沈殿装置。
  2. 前記底部流路に空気を注入する空気注入管が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の凝集沈殿装置。
  3. 前記沈殿槽に接続された沈殿物引抜管と、前記沈殿物引抜管に配設され前記不溶性粒子を含ませたまま沈殿物から水を分離する水分離部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集沈殿装置。
  4. 前記不溶性粒子が、ガラス廃材を粉砕して得られるガラス粉末と、発泡材粉末と、を含有する混合物を加熱して溶融発泡させ粉砕したガラス発泡体粉末であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置。
  5. 前記下降流路が、管体で螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置。
  6. 前記下降流路又は前記底部流路に一端部が接続され他端側が上方に延設された前記フロック形成槽の水面との水位差を検知する水位検知管を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の凝集沈殿装置。
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