JP2008283244A - インレット型ノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のインレット型ノイズフィルタの機能を有し、かつPLC用の通信回路と直接に接続可能にパッケージ化されたインレット型ノイズフィルタを提供すること。
【解決手段】 箱状の筐体1と、筐体1の一面に設置されたAC電源入力側端子2と、筐体1内に設置されAC電源入力側端子2に接続された電力線搬送信号を通過するカップリング回路3および電源ノイズフィルタ回路4と、筐体1の他の面に設置したカップリング回路3の出力端子5および電源ノイズフィルタ回路4の出力端子6とを有している。また、カップリング回路3は高域通過フィルタとAC電源ラインとの絶縁分離を行うモデムトランス7からなり、その高域通過フィルタはコンデンサ素子8からなっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電気機器のAC電源入力部分に使用されるノイズフィルタ回路を内蔵したインレット型ノイズフィルタに関するものであり、特に電力線搬送通信用回路を有する電気機器にそのまま適用可能なインレット型ノイズフィルタに関するものである。
通常、家庭や職場などのAC電源ラインには様々なノイズが混入している。パソコンやスイッチング電源から発生する高周波ノイズ、リレーやモーターなどから発生するパルス状のノイズ、さらには雷などによる大きなサージ性ノイズなどである。電気機器をAC電源ラインに接続する場合、電気機器の誤動作や故障を防ぐため上記のようなノイズから電気機器を防御し、またその電気機器が発生するノイズを遮断する必要がある。そこで一般的にAC電源ラインとの接続では電気機器の入力部に電源ノイズフィルタ回路が挿入される。特に電源ソケット内に電源ノイズフィルタ回路を内蔵したインレット型ノイズフィルタはパッケージ化されているため小型で使い易く汎用性があることから多くの電気機器に内蔵されている。特許文献1および2にこのような従来のインレット型ノイズフィルタが示されている。
図3は従来のインレット型ノイズフィルタの代表的な外観を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。図4は従来のインレット型ノイズフィルタの電源ノイズフィルタ回路の代表的な一例を示す図である。図3に示すように、箱状の筐体31と、筐体31の一面に設置されたAC電源入力側端子32と、筐体内に設置されたAC電源入力側端子32に接続された電源ノイズフィルタ回路と、筐体31の機器内部側の面に設置した電源ノイズフィルタ回路の出力端子33とを有している。
また、図4において、電源ノイズフィルタ回路は高周波のノイズを遮断するためコモンモードチョークコイル36とコンデンサ素子37を組み合わせて構成されている。なお、図4ではアース端子は省略して示している。
一方、近年のインターネットの普及は目覚しく、家庭でもインターネットへのアクセス環境の重要性が増しており、そのアクセスを簡易化する手段として電力線搬送通信、すなわち、PLC(Power Line Communication)が注目されている。既存の屋内配線であるAC電源ラインの電源コンセントに差し込むだけで回線が接続されるので、新たな配線工事なしでパソコンがインターネットに接続され、また、電気機器を接続するホームネットワークなどが容易に構築されることになる。PLCの通信速度も2〜30MHz帯の利用が認められ、大容量の情報の通信が可能となっている。
現状では主としてAC電源ラインにPLC用装置を接続し、そこからパソコンなどに接続して通信を行っているが、パソコンやテレビなどの電気機器の内部にPLC用の通信回路を内蔵すれば外付けのPLC用装置が不要となる。また、各電気機器がPLC用の通信回路を内蔵すればそれらの機器間の通信を行うことができ、様々な情報のやり取りや相互の制御などが可能となる。
従来のインレット型ノイズフィルタを設置した電気機器において、上記のようにPLC用の通信回路を内蔵した場合にはインレット型ノイズフィルタの出力端子側からはPLC用の信号を取り出すことはできない。
図5は、電気機器の従来のインレット型ノイズフィルタ54の出力端子33側にPLC用の通信回路50を接続した場合の回路構成図を示す。通信回路50の入力側には電源回路52との絶縁およびPLC信号以外のノイズの遮断のためのカップリング回路51を設置し、上記出力端子33に接続されている。この場合、AC電源ラインからPLC信号が入力されてもその信号は高周波信号を遮断する電源ノイズフィルタ回路54により遮断されてしまい、また、通信回路50から送出されるPLC信号も電源ノイズフィルタ回路54により遮断されてしまう。
そこで、PLC用の通信回路を内蔵する場合には、図5の接続ではなく、インレット型ノイズフィルタとは別にAC電源ラインから直接接続される端子やソケット等を電気機器に設け、そこに上記カップリング回路51を接続する必要がある。この場合、別のソケット等を必要とすることから、インレット型ノイズフィルタの有する電源との接続部分がパッケージ化されて小型で使い易いという特徴が損なわれ電源回路部分が複雑化し、またコスト増加を招く。
そこで、本発明の課題は、従来のインレット型ノイズフィルタの機能を有し、かつPLC用の通信回路と直接に接続可能にパッケージ化されたインレット型ノイズフィルタを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるインレット型ノイズフィルタは、箱状の筐体と、該筐体の一面に設置されたAC電源入力側端子と、前記筐体内に設置され前記AC電源入力側端子に接続された電力線搬送信号を通過するカップリング回路および電源ノイズフィルタ回路と、前記筐体の他の面に設置した前記カップリング回路の出力端子および前記電源ノイズフィルタ回路の出力端子とを有することを特徴とする。
また、前記カップリング回路は高域通過フィルタとモデムトランスから構成されてもよく、その高域通過フィルタはコンデンサ素子により構成されてもよい。
また、前記カップリング回路は2MHz〜30MHzの電力線搬送信号を通過するカップリング回路であってもよい。
上記の構成により、本発明のインレット型ノイズフィルタは従来の電源ノイズフィルタ回路およびその出力端子に加えて、PLC用のカップリング回路およびその出力端子を備えており、これにより、従来のインレット型ノイズフィルタの機能を有し、かつPLC用の通信回路と直接に接続可能にパッケージ化されたインレット型ノイズフィルタが得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるインレット型ノイズフィルタの一実施の形態を説明するための図であり、本発明によるインレット型ノイズフィルタの回路構成の一例を示す図である。本実施の形態のインレット型ノイズフィルタも図3に示した従来のインレット型ノイズフィルタと同様に端子を設置した筐体に収納されているが、図1においては筐体および出力端子は模式的に示している。図1において、箱状の筐体1と、筐体1の一面に設置されたAC電源入力側端子2と、筐体1内に設置されたAC電源入力側端子2に接続された電力線搬送信号を通過するカップリング回路3および電源ノイズフィルタ回路4と、筐体1の他の面に設置したカップリング回路3の出力端子5および電源ノイズフィルタ回路4の出力端子6とを有している。
また、カップリング回路3は、高域通過フィルタとAC電源ラインとの絶縁分離を行うモデムトランス7からなり、その高域通過フィルタはコンデンサ素子8からなっている。ここで、カップリング回路3は2MHz〜30MHzの電力線搬送信号を通過するようにモデムトランス7とコンデンサ素子8の値が定められている。
図2は、本実施の形態のインレット型ノイズフィルタを電気機器に内蔵した場合の構成を示す図である。図2において、図1を参照すると、PLC用の通信回路50はカップリング回路3の出力端子5に接続され、電源回路52は電源ノイズフィルタ回路4の出力端子6に接続される。これにより、PLC用の通信回路50にはAC電源ラインよりPLC信号がコンデンサ素子8からなる高域通過フィルタとモデムトランス7を通して入力され、また通信回路50からのPLC信号がAC電源ラインに伝搬される。また、電気機器の電源回路には従来と同様な電源ノイズフィルタ回路4により高周波のノイズが遮断されてAC電源が供給される。
上述のように、本実施の形態のインレット型ノイズフィルタを従来のインレット型ノイズフィルタに置き換えて電気機器に内蔵させることにより、別のAC電源ライン用のソケット等を必要とすることなく、電源との接続部分がパッケージ化されて小型で使い易いというインレット型ノイズフィルタの特徴が損なわれることなく、PLC用の通信回路を内蔵した電気機器の情報化が可能となる。また、従来のインレット型ノイズフィルタを使用する場合のように電源回路部分が複雑化し、またコスト増加を招くこともない。
以上のように、本発明により従来のインレット型ノイズフィルタの機能を有し、かつPLC用の通信回路と直接に接続可能にパッケージ化されたインレット型ノイズフィルタが得られる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもなく、本発明に使用する筐体、出力端子およびそれらの形状、電源ノイズフィルタ回路やカップリング回路などは目的に合わせて任意に設計することができる。例えばカップリング回路の1つのコンデンサ素子の代わりにコンデンサ素子、コイル素子、コンデンサ素子を直列に接続した高域通過フィルタを用いることもできる。また、本発明はモジュール形態のノイズフィルタとして応用することも可能である。
1、31 筐体
2、32 AC電源入力側端子
3、51 カップリング回路
4、54 電源ノイズフィルタ回路
5、6、33 出力端子
7 モデムトランス
8、37 コンデンサ素子
10 インレット型ノイズフィルタ
50 通信回路
52 電源回路
2、32 AC電源入力側端子
3、51 カップリング回路
4、54 電源ノイズフィルタ回路
5、6、33 出力端子
7 モデムトランス
8、37 コンデンサ素子
10 インレット型ノイズフィルタ
50 通信回路
52 電源回路
Claims (4)
- 箱状の筐体と、該筐体の一面に設置されたAC電源入力側端子と、前記筐体内に設置され前記AC電源入力側端子に接続された電力線搬送信号を通過するカップリング回路および電源ノイズフィルタ回路と、前記筐体の他の面に設置した前記カップリング回路の出力端子および前記電源ノイズフィルタ回路の出力端子とを有することを特徴とするインレット型ノイズフィルタ。
- 前記カップリング回路は高域通過フィルタとモデムトランスからなることを特徴とする請求項1記載のインレット型ノイズフィルタ。
- 前記カップリング回路の高域通過フィルタはコンデンサ素子からなることを特徴とする請求項2記載のインレット型ノイズフィルタ。
- 前記カップリング回路は2MHz〜30MHzの電力線搬送信号を通過するカップリング回路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインレット型ノイズフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007123102A JP2008283244A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | インレット型ノイズフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007123102A JP2008283244A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | インレット型ノイズフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008283244A true JP2008283244A (ja) | 2008-11-20 |
Family
ID=40143731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007123102A Pending JP2008283244A (ja) | 2007-05-08 | 2007-05-08 | インレット型ノイズフィルタ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008283244A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010118929A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 電力タップ |
JP2012174661A (ja) * | 2011-02-24 | 2012-09-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | コネクタ装置及び電力線通信装置 |
-
2007
- 2007-05-08 JP JP2007123102A patent/JP2008283244A/ja active Pending
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