JP2008282656A - 同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造 - Google Patents

同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧大電流回路に使用した場合であっても、電界集中による絶縁破壊や導体の断線を防ぐことのできる同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造を提供する。
【解決手段】同軸ケーブル1の外部導体4の端部4aは、テーパー形状に形成され、外部導体4と絶縁体3との間には隙間が形成される。この隙間に、外部導体4の端部4a側に向かって拡径するテーパー形状の外周面6aを有すると共に、導電性を有する接触部材6が介在する。また、この接触部材6は環状端面6bにおいて、被接続体21に電気的に接続する。さらに、外部導体4の端部4aの外周面には、端部4a側に向かって拡径するテーパー形状の内周面11aを有する固定部材7が装着される。このように同軸ケーブル1の外部導体4を被接続体21に電気的に接続することにより、外部導体4の接続部分において、電界が均一に発生するため、絶縁破壊や導体の断線を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造に関する。
近年、中心導体の外周に絶縁体を介して外部導体を設けた同軸ケーブルが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような同軸ケーブルの端部を導電性の被接続体に接続する方法としては、圧着接続や、はんだ接続、コネクタによる方法がある。
例えば、同軸ケーブルを磁場パルス発生装置の集電器に接続する場合には、図4に示すように、同軸ケーブル51の外部導体54の端部54aは、集電器の集電板21に圧着接続される。
ここで、磁場パルス発生装置とは、パルス磁場発生用コイルに高圧パルス大電流を流して、パルス磁場を発生させる装置であり、例えば、高速に加速された電子やイオンの軌道を選択的に偏向させるためなどの用途に用いられる。
このような磁場パルス発生装置においては、電源に接続された多数の同軸ケーブル51が集電板21に接続されている。一旦集電板21に同軸ケーブル51から電荷を集電した後、その電荷をパルス磁場発生用コイルに送る。
編組からなる外部導体54をこの集電板21に接続する際には、外部導体54を被覆する外被55を所定長さ除去し、さらに、露出した外部導体54を所望の長さだけ残して剥離する。残った露出部分の外部導体54の編組は解された後、1つに集められ、撚り合わされて線状にされる。この外部導体54の線状部分54aの先端に圧着端子30が固定され、集電板21に接続される。
なお、特許文献1に開示されている同軸ケーブルは、内部導体の外周に絶縁体を介して第1外部導体が設けられ、この第1外部導体の外周に絶縁体を介して第2外部導体を設けた2層構造となっているが、図4に示す同軸ケーブル51は、外部導体54と絶縁体53をそれぞれ1層のみ備えた同軸ケーブルである。
特開2003―59349号公報
しかしながら、図4に示す従来の外部導体の接続構造によると、外部導体54の線状部分54aと、外部導体54が剥がされることにより露出した絶縁体53との間に隙間が生じる。この隙間に電界が生じるため、外部導体54の線状部分54aの根元付近に電界が集中する。
そのため、この外部導体54の線状部分54aにおいて、沿面放電が発生したり、電流密度の増加による火花が発生したりする。その結果、絶縁破壊や、外部導体の断線等の不具合が生じるという問題がある。
本発明の目的は、高電圧大電流回路に使用した場合であっても、電界集中による絶縁破壊や導体の断線を防ぐことのできる同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造を提供することである。
本発明の同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造は、中心導体の外周に絶縁体を介して外部導体を設けた同軸ケーブルの外部導体の端部を、導電性の被接続体に電気的に接続する構造であって、前記外部導体の端部がテーパー形状に形成されるとともに、前記外部導体と前記絶縁体との間に隙間が形成され、前記外部導体の端部側に向かって拡径するテーパー形状の外周面を有し、前記隙間に介装されるとともに、前記被接続体に電気的に接続される接触部材と、前記外部導体の端部の外周面に装着され、外部導体の端部側に向かって拡径するテーパー形状の内周面を有する固定部材とを備え、前記外部導体の端部が、前記接触部材の外周面と前記固定部材の内周面との間に挟持されていることを特徴とする。
本発明によれば、外部導体の端部と絶縁体との間の隙間に導電性を有する接触部材が介在しているため、この隙間に電界が発生することがない。そのため、外部導体の接続部分における電界分布が乱れることなく、均一な電界が生じる。
また、外部導体の端部はテーパー形状に拡げられ、同軸状に接続されているため、電界集中が起こりにくくなる。
その結果、外部導体と被接続体との接続部分において、電界集中に起因する絶縁破壊や外部導体の断線を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の同軸ケーブル1の外部導体4の接続構造は、磁場パルス発生装置の集電器20に適用されている。
磁場パルス発生装置(図示省略)は、磁場発生用コイル(図示省略)に高電圧パルス電流を流してパルス磁場を発生させる装置である。磁場パルス発生装置において、電源(図示省略)に接続された複数の同軸ケーブル1は、集電器20に電荷を集電するとともに、集電された電荷を磁場発生用コイルに送る。
なお、以下の同軸ケーブル1の接続構造の説明において、集電器20の上下方向を上下方向、集電器20に接続された同軸ケーブル1の軸方向を前後方向、集電器20に接続された同軸ケーブル1の端部側を前方と定義する。
図2に示すように、同軸ケーブル1は、中心導体2の外周に、絶縁体3、外部導体4、外被5が順に被覆された構造を有する。中心導体2は、例えば、銅材で形成され、約6mmの直径を有する。絶縁体3は、例えば、厚さ2.3mmのポリエチレンで形成される。外部導体4は、例えば、直径1.2mmの銅線を編んだ平編組線で構成される。外被5は、例えば、塩化ビニルで形成される。
また、この同軸ケーブル1には、例えば、4〜50kV、1〜100kAのパルス状の高電圧大電流が流れる。
図1に示すように、集電器20は、導電性を有する材料で形成された2枚の集電板(被接続体)21、22と、この集電板21、22の上端を連結する連結板23と、集電板21、22の下端を連結する連結板24と、を備えている。なお、連結板23、24は絶縁体で形成されている。
2枚の集電板21、22は、前後方向に所定の間隔を空けて対向配置されている。図2、3に示すように、集電板21には、複数の同軸ケーブル1がそれぞれ貫通する複数の貫通孔15が形成されている。各貫通孔15の上側と下側の位置において、2つのインサートナット16が集電板21に埋設されている。
また、図1に示すように、集電板21の側面21aには15本の同軸ケーブル1の外部導体4がそれぞれ接続されている。また、集電板21の貫通孔15を貫通した同軸ケーブル1の中心導体2は、接続部材31により集電板22の側面22aに接続されている。
次に、同軸ケーブル1の外部導体4と集電板21との接続構造について詳しく説明する。
図2および図3に示すように、同軸ケーブル1の端部側の外被5は、所定長さだけ除去されている。外被5が除去されたことにより露出した外部導体4は、所定長さを残して除去されている。すなわち、外部導体4は、所定長さだけ露出している。
さらに、図2に示すように、露出した外部導体4の端部4aは、絶縁体3から剥がされ、テーパー形状に拡げられている。
その結果、外部導体4と絶縁体との間に、円錐台状の空間(隙間)が形成される。
なお、図3の外部導体4の端部4aは、接触部材6の挿入前でテーパー形状に拡げられる前の状態である。
前述した隙間に、円錐台状の接触部材6が介装される。接触部材6は、例えば、真鍮等の導電性を有する材料で形成されている。接触部材6は、前方に向かって拡径するテーパー形状の外周面6aを有する。この接触部材6の外周面6aは、外部導体4の端部4aに接触している。
また、接触部材6には、前後方向に貫通する貫通孔10が形成されている。この貫通孔10の内周面10aの径は、同軸ケーブル1の絶縁体3の外周面における径とほぼ同じ大きさであり、この貫通孔10の内周面10aは、絶縁体3の外周面と接触している。
さらに、接触部材6の前方の端面である環状端面6bは、軸方向に直交する方向の面であり、集電板21の側面21aに接触している。
外部導体4の端部4aの外周面に固定部材7が装着され、ボルト8により集電板21に固定されている。固定部材7は、略直方体形状の外形を有し、その中央部に同軸ケーブル1が貫通する貫通孔11が形成されている。この貫通孔11の前方側の内周面11aは、前方に向かって拡径するテーパー形状に形成され、外部導体4の端部4aに接触している。
また、固定部材7の貫通孔11よりも上側と下側の位置には、2つのボルト貫通孔12が前後方向に形成されている。これら2つのボルト貫通孔12にそれぞれ2つのボルト8が挿入され、集電板21に埋設されたインサートナット16にそれぞれ螺合されている。これにより、固定部材7が集電板21に固定されている。なお、ボルト8は銅材の中心導体や外部導体より抵抗値の大きい鉄材で形成されている。
同軸ケーブル1の外部導体4を集電板21に接続する動作について説明する。まず、同軸ケーブル1の端部側の外被5を所定長さ除去し、外部導体4を露出させる。次に、露出した外部導体4の端部を所定長さだけ残して除去し、絶縁体3を露出させる。さらに、固定部材7の貫通孔11に同軸ケーブル1を差し込み、外被5と貫通孔11とを当接させる。このとき、外部導体4の端部4aの編組の先端を、接触部材6が挿入できるように拡げる。
次に、接触部材6の貫通孔10に同軸ケーブル1の端部を挿入し、外部導体4の端部4aと絶縁体3との隙間に入り込むように接触部材6を移動させる。
そして、同軸ケーブル1の端部を集電板21の貫通孔15に前方向に挿入し、同軸ケーブル1の絶縁体3の露出した部分を貫通孔15に貫通させ、接触部材6の環状端面6bを集電板21の側面21aに接触させる。
次に、外部導体4の端部4aの外周面に装着した固定部材7を2つのボルト8によって集電板21に固定する。このボルト8を締め付けることにより、固定部材7の内周面11aに接触している外部導体4の端部4aを、接触部材6の外周面6aに押さえ固定する。
このように、外部導体4の端部4aは、接触部材6の外周面6aと固定部材7の内周面11aの間に挟持されて、かつ、外部導体4は接触部材6の環状端面6bを介して集電板21に電気的に接続される。
次に、同軸ケーブル1に電流が流れたときの作用について説明する。
外部導体4の端部4aと絶縁体3との隙間に導電性を有する接触部材6が介在しているため、中心導体2に電流が流れたときでも、この隙間に電界が発生することがない。したがって、図2に示すように、絶縁体3の内部において、中心導体2の外周面から外部導体4の内周面に向かう径方向の均一な電界が発生する。
また、外部導体4の端部4aはテーパー形状に拡げられ、同軸状に集電板21に接続されているため、従来の外部導体4と集電板21との接続構造と比べて、電界集中が起こりにくい。
そのため、同軸ケーブル1を高電圧大電流が供給されるパルス磁場発生装置に用いた場合であっても、外部導体4の接続部分において、電界集中による絶縁破壊や外部導体4の断線を防止することができる。
さらに、外部導体4の端部4aは接触部材6の外周面6aに接触しており、かつ、接触部材6の環状端面6bは集電板21に接続されている。そのため、従来の外部導体4と集電板21との接続構造と比べて、集電板21への接触面積が大きいため、安定した接続が可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
同軸ケーブル1の外部導体4が接続される対象は、パルス磁場発生装置の集電板21に限定されず、それ以外の種々の装置の被接続体であってもよい。
また、固定部材7は貫通孔11を中心として上下に分割される2つの部材で構成し、同軸ケーブル1に接触部材6を挿入後、固定部材7を取り付けて工程し、接続部品(図示しない)により一体化させてもよい。
(a)は集電器の正面図であり、(b)は集電器の側面図である。 本発明の実施形態に係る同軸ケーブルの外部導体と集電板との接続構造の断面図である。 同軸ケーブルの外部導体と集電板との接続構造の分解斜視図である。 同軸ケーブルの外部導体と集電板との接続構造の従来例を示す図である。
符号の説明
1 同軸ケーブル
2 中心導体
3 絶縁体
4 外部導体
4a 端部
5 外被
6 接触部材
6a 外周面
6b 環状端面
7 固定部材
8 ボルト
10 貫通孔
10a 内周面
11 貫通孔
11a 内周面
12 ボルト貫通孔
15 貫通孔
16 インサートナット
20 集電器
21 集電板(被接続体)



Claims (1)

  1. 中心導体の外周に絶縁体を介して外部導体を設けた同軸ケーブルの外部導体の端部を、導電性の被接続体に電気的に接続する構造であって、
    前記外部導体の端部がテーパー形状に形成されるとともに、前記外部導体と前記絶縁体との間に隙間が形成され、
    前記外部導体の端部側に向かって拡径するテーパー形状の外周面を有し、前記隙間に介装されるとともに、前記被接続体に電気的に接続される接触部材と、
    前記外部導体の端部の外周面に装着され、外部導体の端部側に向かって拡径するテーパー形状の内周面を有する固定部材と、
    を備え、
    前記外部導体の端部が、前記接触部材の外周面と前記固定部材の内周面との間に挟持されていることを特徴とする同軸ケーブルの外部導体と被接続体との接続構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104992797A (zh) * 2015-06-30 2015-10-21 西北核技术研究所 同轴传输线高压隔离绝缘子

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