JP2008282471A - 記録装置、記録方法および記録プログラム、ならびに、編集装置、編集方法および編集プログラム - Google Patents

記録装置、記録方法および記録プログラム、ならびに、編集装置、編集方法および編集プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ディスクの認識処理や初期化処理に要する時間をユーザに意識させずに記録を継続可能とする。
【解決手段】連続的に供給されるストリームデータをディスク50Aに記録し、時点Aでディスク50Aからディスク50Bに交換される。ディスク交換時のストリームデータをディスクに記録できない期間、ストリームデータの記録先をディスクから内蔵記録媒体51に切り替え、ディスク交換時におけるディスクに対するデータ記録不可期間に供給されたストリームデータを内蔵記録媒体51に退避させる。装填されたディスク50Bに対する認識処理などが終了し、ディスク50Bに対するストリームデータの記録が可能となると、ストリームデータの記録先を内蔵記録媒体51からディスク50Bに切り替え、内蔵記録媒体51内の退避データをディスク50Bにコピーし、その後、供給されるストリームデータをディスク50Bに記録する。
【選択図】図31

Description

この発明は、リアルタイムで取得されるストリームデータを記録可能なタイプの光ディスクに記録するようにした記録装置、記録方法および記録プログラム、ならびに、編集装置、編集方法および編集プログラムに関する。
記録可能なタイプの光ディスクは、安価且つ長期保存可能な記録媒体であることから、利便性が高く広く利用されている。そのため、近年では、ディジタルビデオカメラなどにおいても、ビデオデータを記録する記録媒体として、従来からの磁気テープに代わり、光ディスクを用いるようにした製品が多く出現している。記録可能なタイプのDVD(Digital Versatile Disc)に対してDVD−Videoフォーマットで記録する撮像装置が記載されている。
特開2004−350251
ドライブ装置に装填された光ディスクは、システムに対してマウントされることで、システムから利用可能となる。マウント処理は、例えば光ディスクをドライブに装填した際に光ディスクの所定領域のデータを読み出し、読み出したデータの基づき光ディスクがシステムに認識されることでなされる。また、記録可能なタイプの光ディスクを記録媒体として用いる場合、新規のディスクにデータを記録しようとする際には、光ディスクを予め所定のフォーマットに従い初期化する必要がある。例えば、上述の記録可能なタイプのDVDでは、ファイルシステムにUDF(Universal Disk Format)が用いられており、ディスクを予めUDFに従い初期化する必要がある。初期化処理は、例えばディスクの管理領域にフォーマットに基づく管理情報を書き込むことでなされる。これら初期化処理や認識処理の間は、当然のことながら、当該光ディスクに対して他のデータを書き込むことができない。
このように、記録可能なタイプの光ディスクでは、ドライブ装置への装填時に認識処理や初期化処理が行われる。したがって、長時間に亘って連続的な記録を行いたいと思っても、光ディスクの記録容量の上限などにより記録途中でディスクを交換する必要に迫られた場合、ディスクの交換時に交換されたディスクに対して認識処理や初期化処理がなされるため、その間の記録が中断してしまうという問題点があった。
すなわち、現在、記録可能なタイプの光ディスクとして主流を占めている、記録可能なタイプのDVDは、ビデオデータの記録ビットレートに比べて記録容量が十分大きいとはいえないため、撮影現場においては、複数枚のディスクに亘って記録が行われる場合も往々にしてある。この場合、ディスクの交換作業中に記録が継続できないのは勿論のこと、交換によりドライブに新規に装填されたディスクに対する認識処理を行う必要があり、この認識処理中もデータの記録を行えず、複数枚のディスクに亘って連続的に記録を行うことができないという問題点があった。
さらに、仮に何らかの方法によって複数枚のディスクに亘って連続的に記録を行うことが可能となった場合に、これら複数枚のディスクに記録されているデータが連続的に記録されたデータであるか否かを容易に判断可能とされていることが望まれている。
一例として、後にユーザが、これら複数枚のディスクに分割して記録されたデータを、例えばより大きな記録容量を有する記録媒体に対して、時系列順に整列した一つのデータに結合して記録することが考えられる。この場合に、あるディスクに記録されたデータと別のディスクに記録されたデータとが連続的に記録されたものであるか否かを判断する必要がある。そして、あるデータと別のデータとが連続的に記録されたデータであると判断された場合には、それらのデータを時間的に連続した1のデータに結合する処理を行う。
さらに、ディジタルビデオカメラの記録媒体として記録可能なタイプの光ディスクを用いた場合、上述したような光ディスクの認識処理や初期化処理に長時間を要してしまい、貴重な撮影機会などを逃してしまうおそれがあるという問題点があった。
例えば、新規にディスクをドライブに装填して初めて撮影を開始する場合、装填されたディスクに対して初期化処理および認識処理を行った後に、初めてディスクにデータを記録することが可能となる。そのため、咄嗟に撮影を開始できず、撮影機会を逃してしまうおそれがあるという問題点があった。
したがって、この発明の目的は、記録可能なタイプの光ディスクを記録媒体として用いる場合に、ディスクの認識処理や初期化処理に要する時間をユーザに意識させずに記録を継続可能とした記録装置、記録方法および記録プログラム、ならびに、編集装置、編集方法および編集プログラムを提供することにある。
また、この発明の別の目的は、記録可能なタイプの光ディスクを記録媒体として用い複数枚の光ディスクに連続的に記録を行ったような場合に、一連の記録が複数枚の光ディスクに分割してなされたことをユーザが意識しなくても、分割されたデータを1のデータに結合する処理を実行可能なようにした記録装置、記録方法および記録プログラム、ならびに、編集装置、編集方法および編集プログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録装置において、着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録部と、筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録部と、連続的に供給されるストリームデータを一時的に溜め込むバッファ部と、第1の記録部がディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果に基づき、バッファ部から読み出されたストリームデータの記録先をディスク状記録媒体と記録媒体とで切り替える記録制御部とを有することを特徴とする記録装置である。
また、第2の発明は、ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録方法において、着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録のステップと、筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録のステップと、連続的に供給されるストリームデータを一時的にバッファ部に溜め込むステップと、第1の記録のステップによりディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断のステップと、判断のステップによる判断結果に基づき、バッファ部から読み出されたストリームデータの記録先をディスク状記録媒体と記録媒体とで切り替える記録制御のステップとを有することを特徴とする記録方法である。
また、第3の発明は、ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録方法をコンピュータに実行させる記録プログラムにおいて、記録方法は、着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録のステップと、筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録のステップと、連続的に供給されるストリームデータを一時的にバッファ部に溜め込むステップと、第1の記録のステップによりディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断のステップと、判断のステップによる判断結果に基づき、バッファ部から読み出されたストリームデータの記録先をディスク状記録媒体と記録媒体とで切り替える記録制御のステップとを有することを特徴とする記録プログラムである。
また、第4の発明は、複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集方法において、第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断のステップと、判断のステップによる判断の結果、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、第1のストリームデータと第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対し、ストリームデータに後続するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるステップとを有することを特徴とする編集方法である。
また、第5の発明は、複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集方法をコンピュータに実行させる編集プログラムにおいて、編集方法は、第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断のステップと、判断のステップによる判断の結果、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、第1のストリームデータと第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対し、ストリームデータに後続するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるステップとを有することを特徴とする編集プログラムである。
また、第6の発明は、複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集装置において、第1のストリームデータと第1のストリームデータの接続状態を示す第1の接続状態管理情報とが記録された第1のディスク状記録媒体と、第2のストリームデータと第2のストリームデータの接続状態を示す第2の接続状態管理情報とが記録された第2のディスク状記録媒体とからデータを読み出す読み出し部と、第1の接続状態管理情報と第2の接続状態管理情報とに基づき、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断部と、判断のステップによる判断の結果、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、第1のストリームデータと第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対し、ストリームデータに後続するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付ける編集部と、第1および第2のストリームデータと、第1および第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対して対応付けられた接続情報とを記録媒体に記録する記録部とを有することを特徴とする編集装置である。
上述したように、第1、第2および第3の発明は、着脱可能なディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断し、判断結果に基づき、連続的に供給されるストリームデータを一時的に溜め込むバッファ部から読み出されたストリームデータの記録先を、ディスク状記録媒体と筐体に対して固定的に用いられる記録媒体とで切り替えるようにしているため、記録に際して、ディスク状記録媒体の交換、認識処理、初期化処理などディスク状記録媒体がストリームデータを記録できない状態であっても、記録を継続させることができる。
また、第4、第5および第6の発明は、第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断し、判断の結果、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、第1のストリームデータと第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対し、ストリームデータに後続するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるようにしているため、1のストリームデータを複数のディスク状記録媒体に分割して記録した場合でも、分割されたストリームデータを時間的に連続して再生させることが容易である。
第1、第2および第3の発明は、上述したように、着脱可能なディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断し、判断結果に基づき、連続的に供給されるストリームデータを一時的に溜め込むバッファ部から読み出されたストリームデータの記録先を、ディスク状記録媒体と筐体に対して固定的に用いられる記録媒体とで切り替えるようにしているため、記録に際して、ディスク状記録媒体の交換、認識処理、初期化処理などディスク状記録媒体がストリームデータを記録できない状態であっても、記録を継続させることができる効果がある。
また、第4、第5および第6の発明は、第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断し、判断の結果、第1のストリームデータと第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、第1のストリームデータと第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対し、ストリームデータに後続するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるようにしているため、1のストリームデータを複数のディスク状記録媒体に分割して記録した場合でも、分割されたストリームデータを時間的に連続して再生させることが容易である効果がある。
さらに、第1〜第6の発明によれば、ユーザは、複数のディスク状記録媒体に亘って連続的にストリームデータの記録を行うことができ、再生時に、これら複数のディスク状記録媒体に分割して記録されたストリームデータを、1のコンテンツとして連続的に再生することを容易に行うことができる効果がある。
以下、この発明の実施の形態について、下記の順序に従って説明する。
1.発明に適用可能な一例のフォーマットについて
1−1.データモデルについて
1−2.ファイルの管理構造について
1−2−1.光ディスク以外の記録媒体に適用されるファイルの管理構造について
1−3.各ファイルの構造について
1−3−1.拡張データの構造について
1−3−2.拡張データの具体的な例
1−4.仮想プレーヤについて
2.発明に適用可能な記録装置について
3.発明に適用可能なデータ構造について
4.実施の第1の形態について
4−1.実施の第1の形態による記録制御について
4−2.実施の第1の形態によるストリームデータファイルの結合処理について
4−2−1.接続状態管理情報について
4−2−1−1.圧縮符号化方式に関する概略的な説明
4−2−1−2.ストリームの分割および結合について
4−2−2.オーサリング処理について
4−2−3.接続状態管理情報に基づくチャプタ結合可否判定処理
4−2−3−1.クリップインフォメーションファイルの編集の有無の判定について
5.実施の第2の形態について
6.実施の第3の形態について
1.発明に適用可能な一例のフォーマットについて
先ず、理解を容易とするために、この発明に適用可能な一例のフォーマット(以下、AVCHDフォーマットと呼ぶ)について説明する。AVCHDフォーマットは、ビデオデータとオーディオデータとが所定に多重化されたAV(Audio/Video)ストリームを記録可能な記録媒体に記録する記録フォーマットとして現在提案されているもので、記録媒体に記録されたAVストリームを、クリップ単位でプレイリストを用いて管理可能としている。
例えばITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standarization Sector)勧告H.264あるいはISO(International Organization for Standarization)/IEC(International Electrotechnical Commission)国際標準14496−10(MPEG−4パート10)Advanced Video Coding(以下、H.264|AVCと略称する)に規定される符号化方式や、MPEG(Moving Pictures Experts Group)ビデオやMPEGオーディオといった符号化方式で符号化され、MPEG2システムズに従い多重化されたビットストリームは、クリップAVストリーム(またはAVストリーム)と称される。クリップAVストリームは、所定のファイルシステムによりファイルとしてディスクに記録される。このファイルを、クリップAVストリームファイル(またはAVストリームファイル)と称する。
クリップAVストリームファイルは、ファイルシステム上での管理単位であり、ユーザにとって必ずしも分かりやすい管理単位であるとは限らない。ユーザの利便性を考えた場合、複数のクリップAVストリームファイルに分割された映像コンテンツを一つにまとめて再生する仕組みや、クリップAVストリームファイルの一部だけを再生する仕組み、さらには、特殊再生や頭出し再生を滑らかに行うための情報などをデータベースとしてディスクに記録しておく必要がある。
1−1.データモデルについて
図1は、この発明に適用可能なAVCHDフォーマットに規定されるデータモデルを概略的に示す。このAVCHDフォーマットによれば、データ構造は、図1に示されるように4層のレイヤよりなる。最も最下層のレイヤは、クリップAVストリームが配置されるレイヤである(便宜上、クリップレイヤと呼ぶ)。その上のレイヤは、クリップAVストリームに対する再生箇所を指定するための、プレイリスト(PlayList)と、プレイアイテム(PlayItem)とが配置されるレイヤである(便宜上、プレイリストレイヤと呼ぶ)。さらにその上のレイヤは、プレイリストに対して再生順などを指定するコマンドからなるムービーオブジェクト(Movie Object)などが配置されるレイヤである(便宜上、オブジェクトレイヤと呼ぶ)。最上層のレイヤは、記録媒体に格納されるタイトルなどを管理するインデックステーブルが配置される(便宜上、インデックスレイヤと呼ぶ)。
クリップレイヤについて説明する。クリップAVストリームは、ビデオデータやオーディオデータがMPEG2 TS(トランスポートストリーム)の形式などに多重化されたビットストリームである。このクリップAVストリームに関する情報がクリップ情報(Clip Information)としてファイルに記録される。
また、クリップAVストリームには、字幕を表示するグラフィクスストリームであるOBストリーム(Overlay Bitmap stream)や、メニュー表示などに用いられるデータ(ボタン画像データなど)をストリームにしたMBストリーム(Menu Bitmap stream)ストリームを多重化することができる。
クリップAVストリームファイルと、対応するクリップ情報が記録されたクリップ情報ファイルとをひとまとまりのオブジェクトと見なし、クリップ(Clip)と称する。すなわち、クリップは、クリップAVストリームとクリップ情報とから構成される、一つのオブジェクトである。
ファイルは、一般的に、バイト列として扱われる。クリップAVストリームファイルのコンテンツは、時間軸上に展開され、クリップ中のエントリーポイントは、主に時間ベースで指定される。所定のクリップへのアクセスポイントのタイムスタンプが与えられた場合、クリップAVストリームファイルの中でデータの読み出しを開始すべきアドレス情報を見つけるために、クリップ情報ファイルを用いることができる。
プレイリストレイヤについて説明する。プレイリストは、再生するAVストリームファイルの指定と、指定されたAVストリームファイルの再生箇所を指定する再生開始点(IN点)と再生終了点(OUT点)の集まりとから構成される。この再生開始点と再生終了点の情報を一組としたものは、プレイアイテム(PlayItem)と称される。プレイリストは、プレイアイテムの集合で構成される。プレイアイテムを再生するということは、そのプレイアイテムに参照されるAVストリームファイルの一部分を再生するということになる。すなわち、プレイアイテム中のIN点およびOUT点情報に基づき、クリップ中の対応する区間が再生される。
オブジェクトレイヤについて説明する。ムービーオブジェクトは、ナビゲーションコマンドプログラムと、ムービーオブジェクトとを連携するターミナルインフォメーションを含む。ナビゲーションプログラムは、プレイリストの再生を制御するためのコマンド(ナビゲーションコマンド:navigation command)である。ターミナルインフォメーションは、ユーザのプレーヤに対するインタラクティブな操作を許可するための情報を含んでいる。このターミナルインフォメーションに基づき、メニュー画面の呼び出しや、タイトルサーチといったユーザオペレーションが制御される。
インデックスレイヤについて説明する。インデックスレイヤは、インデックステーブル(Index Table)からなる。インデックステーブルは、記録媒体に記録されたコンテンツのタイトルを定義する、トップレベルのテーブルである。インデックステーブルに格納されているタイトル情報に基づき、プレーヤに常駐されるシステムソフトウェア中のモジュールマネージャにより記録媒体の再生が制御される。
すなわち、図2に概略的に示されるように、インデックステーブル中の任意のエントリは、タイトルと称され、インデックステーブルにエントリされるファーストプレイバックタイトル(First PlaybackTitle)、メニュータイトル(MenuTitle)およびムービータイトル(MovieTitle)#1、#2、・・・は、全てタイトルである。各タイトルは、ムービーオブジェクトに対するリンクを示す。
理解を容易とするため再生専用の記録媒体を例にとると、例えば、ファーストプレイバックタイトルは、当該記録媒体に格納されるコンテンツが映画であれば、映画本編に先立って映出される映画会社の宣伝用映像(トレーラ)に対応する。メニュータイトルは、例えばコンテンツが映画である場合、本編再生、チャプタサーチ、字幕や言語設定、特典映像再生などを選択するためのメニュー画面に対応する。また、ムービータイトルは、メニュータイトルから選択される各映像である。タイトルがさらにメニュー画面であるような構成も可能である。
図3は、上述のようなクリップAVストリーム、クリップ情報(Stream Attributes)、クリップ、プレイアイテムおよびプレイリストの関係を示すUML(Unified Modeling Language)図である。プレイリストは、1または複数のプレイアイテムに対応付けられ、プレイアイテムは、1のクリップに対応付けられる。1のクリップに対して、それぞれ開始点および/または終了点が異なる複数のプレイアイテムを対応付けることができる。1のクリップから1のクリップAVストリームファイルが参照される。同様に、1のクリップから1のクリップ情報ファイルが参照される。また、クリップAVストリームファイルとクリップ情報ファイルとは、1対1の対応関係を有する。このような構造を定義することにより、クリップAVストリームファイルを変更することなく、任意の部分だけを再生する、非破壊の再生順序指定を行うことが可能となる。
また、図4のように、複数のプレイリストから同一のクリップを参照することもできる。また、1のプレイリストから複数のクリップを指定することもできる。クリップは、プレイリスト中のプレイアイテムに示されるIN点およびOUT点により、参照される。図4の例では、クリップ300は、プレイリスト310のプレイアイテム320から参照されると共に、プレイリスト311を構成するプレイアイテム321および322のうちプレイアイテム321から、IN点およびOUT点で示される区間が参照される。また、クリップ301は、プレイリスト311のプレイアイテム322からIN点およびOUT点で示される区間が参照されると共に、プレイリスト312のプレイアイテム323および324のうち、プレイアイテム323のIN点およびOUT点で示される区間が参照される。
1−2.ファイルの管理構造について
次に、AVCHDフォーマットによる、記録媒体に記録されるファイルの管理構造について、図5を用いて説明する。この図5に示される管理構造は、記録可能なタイプのDVDといった光ディスクを記録媒体として適用した際に用いて好適なものである。ファイルは、ディレクトリ構造により階層的に管理される。記録媒体上には、先ず、1つのディレクトリ(図5の例ではルート(root)ディレクトリ)が作成される。このディレクトリの下が、1つの記録再生システムで管理される範囲とする。
ルートディレクトリの下に、ディレクトリ"BDMV"およびディレクトリ"AVCHDTN"が置かれる。ディレクトリ"AVCHDTN"には、例えばクリップの代表画像を所定サイズに縮小したサムネイルファイルが置かれる。ディレクトリ"BDMV"に、図1を用いて説明したデータ構造が格納される。
ディレクトリ"BDMV"の直下には、ファイルは、ファイル"index.bdmv"およびファイル"MovieObject.bdmv"の2つのみを置くことができる。また、ディレクトリ"BDMV"の下に、ディレクトリ"PLAYLIST"、ディレクトリ"CLIPINF"、ディレクトリ"STREAM"およびディレクトリ"BACKUP"が置かれる。ディレクトリ"BACKUP"は、各ディレクトリおよびファイルのバックアップが格納される。
ファイル"index.bdmv"は、ディレクトリ"BDMV"の内容について記述される。すなわち、このファイル"index.bdmv"が上述した最上層のレイヤであるインデックスレイヤにおけるインデックステーブルに対応する。また、ファイル"MovieObject.bdmv"は、1つ以上のムービーオブジェクトの情報が格納される。すなわち、このファイル"MovieObject.bdmv"が上述したオブジェクトレイヤに対応する。
ディレクトリ"PLAYLIST"は、プレイリストのデータベースが置かれるディレクトリである。すなわち、ディレクトリ"PLAYLIST"は、プレイリストに関するファイルであるファイル"xxxxx.mpls"を含む。ファイル"xxxxx.mpls"は、プレイリストのそれぞれに対して作成されるファイルである。ファイル名において、"."(ピリオド)の前の"xxxxx"は、5桁の数字とされ、ピリオドの後ろの"mpls"は、このタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。
ディレクトリ"CLIPINF"は、クリップのデータベースが置かれるディレクトリである。すなわち、ディレクトリ"CLIPINF"は、クリップAVストリームファイルのそれぞれに対するクリップインフォメーションファイルであるファイル"zzzzz.clpi"を含む。ファイル名において、"."(ピリオド)の前の"zzzzz"は、5桁の数字とされ、ピリオドの後ろの"clpi"は、このタイプのファイルに固定的とされた拡張子である。
ディレクトリ"STREAM"は、実体としてのAVストリームファイルが置かれるディレクトリである。すなわち、ディレクトリ"STREAM"は、クリップインフォメーションファイルのそれぞれに対応するクリップAVストリームファイルを含む。クリップAVストリームファイルは、MPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)のトランスポートストリーム(以下、MPEG2 TSと略称する)からなり、ファイル名が"zzzzz.m2ts"とされる。ファイル名において、ピリオドの前の"zzzzz"は、対応するクリップインフォメーションファイルと同一することで、クリップインフォメーションファイルとこのクリップAVストリームファイルとの対応関係を容易に把握することができる。
なお、ディレクトリ"AVCHDTN"は、2種類のサムネイルファイル"thumbnail.tidx"および"thumbnail.tdt2"を置くことができる。サムネイルファイル"thumbnail.tidx"は、所定の方式で暗号化されたサムネイル画像が格納される。サムネイルファイル"thumbnail.tdt2"は、暗号化されていないサムネイル画像が格納される。例えばビデオカメラでユーザが撮影したクリップに対応するサムネイル画像は、コピーフリーであって暗号化する必要が無いと考えられるため、このサムネイルファイル"thumbnail.tdt2"に格納される。
1−2−1.光ディスク以外の記録媒体に適用されるファイルの管理構造について
なお、光ディスク以外の記録媒体(例えば記録装置に内蔵されるハードディスクやフラッシュメモリ、記録装置に脱着可能なフラッシュメモリなど)にストリームデータファイルを記録する場合、この図5に示される管理構造とは若干異なった管理構造が適用される。図6は、AVCHDフォーマットによる、この光ディスク以外の記録媒体に適用可能な一例の管理構造を示す。
この図6の例では、ルートディレクトリの下にディレクトリ"AVCHD"が置かれ、このディレクトリ"AVCHD"の下に、ディレクトリ"BDMV"が置かれる。そして、このディレクトリ"BDMV"の直下に、2つのファイル、インデックスファイル"INDEX.BDM"およびムービーオブジェクトファイル"MOVIEOBJ.BDM"が置かれると共に、プレイリストファイルが格納されるディレクトリ"PLAYLIST"、クリップインフォメーションファイルが格納されるディレクトリ"CLIPINFO"およびストリームデータファイルが格納されるディレクトリ"STREAM"がそれぞれ置かれる。
なお、図6では省略されているが、サムネイルファイルを格納するディレクトリは、ディレクトリ"AVCHD"の下に、上述のディレクトリ"BDMV"と並列的に置かれる。
また、各ディレクトリにおいて、格納されるファイル名が、図5に示す、光ディスクに適用される管理構造の例とは異ならされる。例えばファイル名は、大文字を用いると共に"."(ピリオド)の後ろの部分が3文字とされる。図6の例では、インデックスファイルがファイル"INDEX.BDM"、ムービーオブジェクトファイルがファイル"MOVIEOBJ.BDM"、プレイリストファイルがファイル"XXXXX.MPL"、クリップインフォメーションファイルがファイル"ZZZZZ.CPI"、クリップAVストリームファイルがファイル"ZZZZZ.MTS"とされている。
これらファイル"INDEX.BDM"、ファイル"MOVIEOBJ.BDM"、ファイル"XXXXX.MPL"、ファイル"ZZZZZ.CPI"、ファイル"ZZZZZ.MTS"は、それぞれ図5のファイル"index.bdmv"、ファイル"MovieObject.bdmv"、ファイル"xxxxx.mpls"、ファイル"zzzzz.clpi"、ファイル"zzzzz.m2ts"に対応する。
1−3.各ファイルの構造について
図5および図6で示した各ファイルのうち、この発明に関わりの深いものについて、より詳細に説明する。なお、図6に示す各ファイルの説明は、図5に示す対応するファイルの説明で読み替えるものとする。先ず、ディレクトリ"BDMV"の直下に置かれるファイル"index.bdmv"について説明する。図7は、このファイル"index.bdmv"の一例の構造を表すシンタクスを示す。ここでは、シンタクスをコンピュータ装置などのプログラムの記述言語として用いられるC言語の記述法に基づき示す。これは、他のシンタクスを表す図において、同様である。
図7において、フィールドTypeIndicatorは、32ビットのデータ長を有し、このファイルがインデックステーブルであることを示す。フィールドTypeIndicator2は、32ビットのデータ長を有し、このファイル"index.bdmv"のバージョンを示す。フィールドIndexesStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス内にあるブロックblkIndexes()の開始アドレスを示す。
フィールドExtensionDataStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス内にあるブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。ブロックblkExtensionData()は、所定の拡張データを格納可能とするためのブロックである。フィールドExtensionDataStartAddressは、このファイル"index.bdmv"の最初のバイトからの相対バイト数で、ブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。相対バイト数は、"0"から開始される。若し、このフィールドExtensionDataStartAddressの値が"0"であれば、このファイル"index.bdmv"内に、ブロックblkExtensionData()が存在しないことを示す。
フィールドExtensionDataStartAddressに続けて、データ長が192バイトの領域reservedが配される。なお、領域reservedは、バイトアライメントや、将来的なフィールドの追加などのための領域である。これは、以下の説明においても同様である。ブロックblkAppInfoBDMV()は、コンテンツ制作者が任意の情報を記述できるブロックであって、プレーヤの動作などには影響を与えない。
ブロックblkIndexes()は、このファイル"index.bdmv"の実質的な内容であって、このブロックblkIndexes()に記述された内容により、ディスクをプレーヤに装填した際に再生されるファーストプレイバックや、トップメニューから呼び出されるタイトル(ムービーオブジェクト)が指定される。インデックステーブルにより呼び出されたムービーオブジェクト等に記述されたコマンドに基づき、後述するプレイリストファイルが読み込まれる。
図8は、ブロックblkIndexes()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLength直後からこのブロックblkIndexes()の終わりまでのデータ長を示す。続けて、ブロックFirstPlaybackTitle()およびブロックMenuTitle()が配される。
ブロックFirstPlaybackTitle()は、ファーストプレイバックで用いられるオブジェクトに関する情報が記述される。ブロックFirstPlaybackTitle()は、1ビットのデータ長を有する領域reservedに続けて固定値"1"が記述される。さらに31ビットのデータ長を有する領域reservedを介して固定値"1"が記述される。そして、14ビットのデータ長を有する領域reservedを介して、16ビットのデータ長を有するフィールドFirstPlaybackTitleMobjIDRefが配される。このフィールドFirstPlaybackTitleMobjIDRefにより、ファーストプレイバックタイトルで用いられるムービーオブジェクトのIDを示す。
ムービーオブジェクトのIDは、例えば、図9および図10を用いて後述するムービーオブジェクトのシンタクスに基づき、ムービーオブジェクトのforループ文においてループ変数として用いられる値mobj_idで示される。この例では、フィールドFirstPlaybackTitleMobjIDRefは、参照するムービーオブジェクトに対応する値mobj_idが格納される。
なお、ブロックblkIndexes()におけるブロックFirstPlaybackTitle()内のフィールドFirstPlaybackTitleMobjIDRefは、トップメニューのムービーオブジェクトを指していてもよいし、タイトルを指していてもよい。
ブロックMenuTitle()は、トップメニューで用いられるオブジェクトに関する情報が記述される。ブロックMenuTitle()は、1ビットのデータ長を有する領域reservedに続けて固定値"1"が記述される。さらに31ビットのデータ長を有する領域reservedを介して固定値"1"が記述される。そして、14ビットのデータ長を有する領域reservedを介して、16ビットのデータ長を有するフィールドMenuTitleMobjIDRefが配される。フィールドMenuTitleMobjIDRefは、メニュータイトルで用いられるムービーオブジェクトのIDを示す。
ブロックMenuTitle()の次のフィールドNumberOfTitlesは、16ビットのデータ長を有し、ユーザが選択、再生可能なタイトルの数を示す。次のforループ文に従い、このフィールドNumberOfTitlesに示される回数だけ、値title_idを引数として、ブロックMovieTitle[title_id]()が記述される。ブロックMovieTitle[title_id]()は、タイトル毎の情報が記述される。値title_idは、"0"からフィールドNumberOfTitlesで示される値までの数値であり、タイトルを識別する。
ブロックMovieTitle[title_id]()において、1ビットのデータ長を有する領域reservedを介して固定値"1"が記述され、さらに、46ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドMovieTitleMobjIDRefが記述される。フィールドMovieTitleMobjIDRefは、16ビットのデータ長を有し、このタイトルで用いられるムービーオブジェクトのIDを示す。フィールドMovieTitleMobjIDRefの後ろに、32ビットのデータ長を有する領域reservedが配される。
図9は、ディレクトリ"BDMV"の直下に置かれるファイル"MovieObject.bdmv"の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドTypeIndicatorは、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このファイルがファイル"MovieObject.bdmv"であることを示す。フィールドTypeIndicatorは、ISO(International Organization for Standarization)646に規定された符号化方式で符号化した4文字からなる文字列が記述される。この図9の例では、フィールドtype_indicatiorにISO646に既定の方式で符号化された4文字の文字列"MOBJ"が記述され、このファイルがファイル"MovieObject.bdmv"であることが示される。
フィールドTypeIndicator2は、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このファイル"MovieObject.bdmv"のバージョン番号を示す。このファイル"MovieObject.bdmv"では、フィールドTypeIndicator2は、ISO646に規定された符号化方式で符号化した4文字の文字列"0100"でなければならない。
フィールドExtensionDataStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス内にあるブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。フィールドExtensionDataStartAddressは、このファイル"MovieObject.bdmv"の最初のバイトからの相対バイト数で、ブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。相対バイト数は、"0"から開始される。若し、このフィールドExtensionDataStartAddressの値が"0"であれば、このファイル"MovieObject.bdmv"内に、ブロックblkExtensionData()が存在しないことを示す。
なお、この図9に示すシンタクス内のフィールドpadding_wordは、16ビットのデータ長を有し、このファイル"MovieObject.bdmv"のシンタクスに従いforループ文に値N1または値N2で示される回数だけ挿入される。値N1または値N2は、0または任意の正の整数である。また、フィールドpadding_wordは、任意の値を用いることができる。
フィールドExtensionDataStartAddressに続けてデータ長が224ビットの領域reservedが配され、その次に、このファイル"MovieObject.bdmv"の本体であるブロックblkMovieObjects()が格納される。
図10は、ブロックblkMovieObjects()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からこのブロックblkMovieObjects()の終わりまでのデータ長を示す。32ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドNumberOfMobjsが配される。フィールドNumberOfMobjsは、直後のforループ文に従い格納されるムービーオブジェクトの数を示す。forループ文のループ変数として用いられる値mobj_idで、ムービーオブジェクトが一意に特定される。値mobj_idは、"0"から始まる値で、ムービーオブジェクトは、forループ文中に記述される順序により定義される。
forループ文中のブロックTerminalInfo()は、固定値"1"が記述され、次に15ビットのデータ長を有する領域reservedが配される。その次に、16ビットのデータ長を有するフィールドNumberOfNavigationCommands[mobj_id]が配される。このフィールドNumberOfNavigationCommands[mobj_id]は、値mobj_idによって指し示されるムービーオブジェクトMovieObject[mobj_id]()に含まれるナビゲーションコマンド(NavigationCommand)の数を表す。
次の、値command_idをループ変数とするforループ文により、フィールドNumberOfNavigationCommands[mobj_id]に示される数だけ、ナビゲーションコマンドが記述される。すなわち、このforループ文中に配されるフィールドNavigationCommand[mobj_id][command_id]は、値mobj_idによって指し示されるブロックMovieObject[mobj_id]()に含まれる、値command_idで示される順番のナビゲーションコマンドNavigationCommandを格納する。値command_idは、0から始まる値で、ナビゲーションコマンドNavigationCommandは、このforループ文中に記述される順序で定義される。
図11は、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドTypeIndicatorは、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このファイルがプレイリストファイルであることを示す。フィールドTypeIndicator2は、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このプレイリストファイルのバージョンを示す。フィールドPlayListStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス中のブロックblkPlayList()の開始アドレスを示す。
フィールドPlayListMarkStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス中のブロックblkPlayListMark()の開始アドレスを示す。フィールドExtensionDataStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス中のブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。フィールドExtensionDataStartAddressは、ブロックblkExtensionData()の開始アドレスを、ファイル"xxxxx.mpls"の最初のバイトからの相対バイト数を表した値である。相対バイト数は、"0"から開始される。若し、このフィールドExtensionDataStartAddressの値が"0"であれば、このファイル"xxxxx.mpls"内に、ブロックblkExtensionData()が存在しないことを示す。
160ビットのデータ長を有する領域reservedを介してブロックblkAppInfoPlayList()が配される。ブロックblkAppInfoPlayList()は、次のブロックblkPlayList()に記述されるプレイリストのタイプ、再生制限などの情報が記述される。ブロックblkPlayList()は、プレイリストが記述される。ブロックblkPlayListMark()は、チャプタジャンプなどでジャンプされるポイントが記述される。ブロックblkExtensionData()は、所定の拡張データを格納可能とするためのブロックである。
なお、この図11に示すシンタクス内のフィールドpadding_wordは、16ビットのデータ長を有し、このファイル"xxxxx.mpls"のシンタクスに従いforループ文に値N1、値N2および値N3で示される回数だけ挿入される。値N1、値N2または値N3は、0または任意の正の整数である。また、フィールドpadding_wordは、任意の値を用いることができる。
図12は、ブロックblkPlayList()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkPlayList()の最後までのデータ長を示す。フィールドLengthに続けて16ビットのデータ長を有する領域reservedが配され、次にフィールドNumberOfPlayItemsが配される。フィールドNumberOfPlayItemsは、16ビットのデータ長を有し、このブロックblkPlayList()に含まれるプレイアイテムの数を示す。フィールドNumberOfSubPathは、このブロックblkPlayList()に含まれるサブパスの数を示す。
次のforループ文に従い、フィールドNumberOfPlayItemsで示される数だけ、プレイアイテムが記述されるブロックblkPlayItem()が記述される。forループ文に基づくカウント数がブロックblkPlayItem()の識別子PlayItem_idとなる。さらに次のforループ文に従い、フィールドNumberOfSubPathで示される数だけ、ブロックblkSubPath()が記述される。forループ文に基づくカウント数がブロックblkSubPath()の識別子SubPath_idとなる。
なお、サブパスは、主として再生されるプレイアイテムに対応するメインパスに対して、サブプレイアイテムに対応して持つことができる。サブパスは、例えば、アフレコ用のオーディオデータの指定や、2枚の映像を合成する際に、プレイアイテムで指定されるクリップと同期して再生する副映像を指定するといった目的で用いられる。
図13は、ブロックblkPlayItem()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、16ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkPlayItem()の最後までのデータ長を示す。
フィールドClipInformationFileName[0]は、40ビット(5バイト)のデータ長を有し、このブロックblkPlayItem()が参照するクリップインフォメーションファイルのファイル名が示される。このプレイアイテムにおいて、フィールドClipInformationFileName[0]で示されるファイル名のクリップインフォメーションファイルが読み出される。フィールドClipCodecIdentifier[0]は、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このブロックblkPlayItem()によるプレイアイテムにおいて用いられるクリップAVストリームのコーデック方式を示す。
12ビットのデータ長を有する領域reservedを介して、フィールドConnectionConditionが配される。フィールドConnectionConditionは、4ビットのデータ長を有し、クリップ間の接続状態に関する情報を示す。記録用途の記録媒体に対しては、フィールドConnectionConditionの値として"1"、"5"または"6"が用いられる。フィールドConnectionConditionの値が"1"で、そのクリップと直前のクリップとがシームレス接続しないことを示し、フィールドConnectionConditionの値が"5"または"6"で、そのクリップと直前のクリップとがシームレス接続することを示す。なお、シームレス接続とは、クリップとクリップとがフレームタイミングで連続的に再生されるように、クリップ間の再生制御を行うことをいう。
フィールドConnectionConditionの値が"5"で、対応するクリップにおいて、オーディオデータの記録長がビデオデータの記録長に対して長くされる(図14A参照)。これにより、クリップとクリップとを接続する際に、オーディオデータのフェイドアウト処理が可能とされる。例えば、ユーザによる記録停止操作によりクリップがクローズされる場合に、フィールドConnectionConditionの値が"5"とされる。以下、このフィールドConnectionConditionの値が"5"で示されるクリップの接続方法を、第1のシームレス接続と呼ぶ。
フィールドConnectionConditionの値が"6"で、対応するクリップにおいて、オーディオデータの記録長がビデオデータの記録長に対して同じか若しくは短いくされる(図14B参照)。これにより、クリップとクリップとの接続をシームレスに行うことが可能とされる。例えば、ユーザ操作に応じた記録停止以外の理由、例えばシステム要因に基づきクリップがクローズされる場合に、フィールドConnectionConditionの値が"6"とされる。以下、このフィールドConnectionConditionの値が"6"で示されるクリップの接続方法を、第2のシームレス接続と呼ぶ。
なお、この第2のシームレス接続は、ファイルブレイク(File Break)と称され、フィールドConnectionConditionの値が"6"で以て、一続きのストリームファイルを複数のストリームファイルに分割して記録する際の境界の状態または条件が示される。
フィールドRefToSTCID[0]は、8ビットのデータ長を有し、STC(System Time Clock)の不連続点に関する情報を示す。フィールドINTimeおよびフィールドOUTTimeは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、メインクリップAVストリームの再生範囲を示す。フィールドINTimeが開始点(IN点)を示し、フィールドOUTTimeが終了点(OUT点)を示す。
ブロックblkUOMaskTable()は、ユーザ入力の受付制限が設定されるテーブルである。1ビットのデータ長を有するフラグPlayItemRandomAccessFlagは、このブロックblkPlayItem()によるプレイアイテムに対してランダムアクセスを許可するか否かを規定する。続けて、7ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドStillModeが配される。フィールドStillModeは、8ビットのデータ長を有し、ブロックblkPlayItem()によるプレイアイテムにおいて、最後に表示した映像を静止画として表示させるか否かを示す。フィールドStillModeの値が"0x01"(バイナリ)であれば、if文に基づき、16ビットのデータ長を有するフィールドStillTimeにより静止時間が示される。フィールドStillModeの値が"0x01"以外であれば、当該16ビットのデータ長を有する領域がワードアライメントのために予約された領域reservedとされる。
ブロックblkSTNTable()は、このブロックblkPlayItem()によるプレイアイテムが管理しているクリップAVストリームの属性、PID番号、記録媒体上での記録位置などが管理される。
図15は、ブロックblkPlayListMark()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkPlayListMark()の最後までのデータ長を示す。
フィールドNumberOfPlayListMarksは、16ビットのデータ長を有し、このブロックblkPlayListMark()に含まれるプレイリストマークの数を示す。次のforループ文に従い、フィールドNumberOfPlayListMarksで示される数だけプレイリストマークの情報が記述される。
forループ文内において、8ビットのデータ長を有する領域reserveに続けてフィールドMarkTypeが配される。フィールドMarkTypeは、8ビットのデータ長を有し、マークのタイプを示す。フィールドRefToPlayItemIDは、16ビットのデータ長を有し、マークが打たれるプレイアイテムを参照する識別情報PlayItem_idが記述される。フィールドMarkTimeStampは、32ビットのデータ長を有し、マークが打たれるポイントを示すタイムスタンプが記述される。フィールドEntryESPIDは、16ビットのデータ長を有し、マークによって指し示されるエレメンタリストリームを含んでいるTSパケットのPIDの値を示す。フィールドDurationは、45kHzのクロックを単位とした計測による、32ビットのデータ長を有する符号無し整数である。このフィールドDurationに格納される値が"0"であれば、このフィールドDurationは、意味を成さない。
図16は、クリップインフォメーションファイルの一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドTypeIndicatorは、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このファイルがクリップインフォメーションファイルであることを示す。フィールドTypeIndicator2は、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、このクリップインフォメーションファイルのバージョンを示す。
このクリップインフォメーションファイルは、ブロックblkClipInfo()、ブロックblkSequenceInfo()、ブロックblkProgramInfo()、ブロックblkCPI()、ブロックblkClipMark()およびブロックblkExtensionData()を有し、それぞれ32ビットのデータ長を有するフィールドSequenceInfoStartAddress、フィールドProgramInfoStartAddress、フィールドCPIStartAddress、フィールドClipMarkStartAddressおよびフィールドExtensionDataStartAddressは、各々対応するブロックの開始アドレスを示す。
フィールドExtensionDataStartAddressは、このクリップインフォメーションファイルの最初のバイトからの相対バイト数で、ブロックblkExtensionData()の開始アドレスを示す。相対バイト数は、"0"から開始される。若し、このフィールドExtensionDataStartAddressの値が"0"であれば、このファイル"index.bdmv"内に、ブロックblkExtensionData()が存在しないことを示す。
ブロックblkClipInfo()は、これらの開始アドレスを示すフィールドに続く、96ビットのデータ長を有する領域reservedの次から開始される。ブロックblkClipInfo()は、このクリップインフォメーションファイルが管理するクリップAVストリームに関する情報が記述される。ブロックblkSequenceInfo()は、STCやATC(アライバルタイムベース)が連続しているシーケンスをまとまりとして管理する情報が記述される。ブロックblkProgramInfo()は、このクリップインフォメーションファイルに管理されるクリップAVストリームの符号化方式、クリップAVストリーム中のビデオデータのアスペクト比などの情報が記述される。ブロックblkClipMark()は、チャプタ位置などの、クリップに付された頭出しのためのインデックス点(ジャンプポイント)が記述される。
ブロックblkCPI()は、ランダムアクセス開始点などの、AVストリーム中の特徴的な箇所を表す特徴点情報CPIに関する情報が格納される。MPEGストリームのような、フレーム間圧縮を行っている符号化ストリームにおいては、デコード開始可能な箇所は、GOP(Group Of Picture)の先頭など一部の箇所に限定されていることが多い。CPI(Characteristic Point Information)とは、そのデコード可能な開始点の位置の情報を集めたデータベースで、再生時刻と、ファイル内アドレスとが対応付けられたテーブルになっている。
すなわち、CPIは、デコード単位の先頭位置を示す情報がテーブル化されている。このようにデータベースを定めることで、例えば、任意の時刻から再生したい場合、再生時刻を元にCPIを参照することによって再生位置のファイル内アドレスがわかる。このアドレスは、デコード単位の先頭となっているため、プレーヤは、そこからデータを読み出してデコードし、素早く画像を表示することができる。なお、このCPIに格納される、デコード単位の先頭位置(この例ではGOPの先頭位置)を、EP(Entry Point)エントリと称する。EPエントリの数は、クリップAVストリームの記録が進むのに伴い、増加する。
図17は、ブロックblkClipInfo()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkClipInfo()の最後までのデータ長を示す。16ビットのデータ長を有する領域reservedを介して、フィールドClipStreamTypeが配される。
フィールドClipStreamTypeは、8ビットのデータ長を有し、クリップAVストリームの種別を表す。このフィールドClipStreamTypeの値は、例えば"1"に固定的とされる。フィールドApplicationTypeは、8ビットのデータ長を有し、クリップAVストリーム(拡張子が「m2ts」のファイル)がどのような多重化によって作られているかを示す。フィールドApplicationTypeの値が"1"で、対応するクリップAVストリームは、通常の動画が再生される。続けて31ビットのデータ長を有する領域reservedが配される。
データ長が1ビットのフラグIsCC5は、プレイリストにおけるブロックblkPlayItem()によって、対応するクリップと次のクリップとの接続を、上述した第1のシームレス接続、すなわちフィールドConnectionConditionの値が"5"で示される方法で行うか否かを示す。フラグIsCC5の値が"1"(バイナリ値)であれば、クリップ間の接続が第1のシームレス接続によりなされていることを示す。
フィールドTSRecordingRateは、クリップAVストリームファイルの記録レートをバイト/秒で表したものである。フィールドNumberOfSourcePacketsは、クリップAVストリームに含まれるパケット数を表す。システムにより予約された1024ビットのデータ長の領域reservedを介してブロックTSTypeInfoBlock()が配される。ブロックTSTypeInfoBlock()は、クリップAVストリームが格納されるパケットのタイプを示す情報が格納される。このブロックTSTypeInfoBlock()は、この発明との関連性が薄いので、詳細な説明を省略する。
次のif文以下の情報は、上述のフラグIsCC5の値が"1"、すなわち、対応するクリップと次のクリップとの接続を第1のシームレス接続で行うとされた場合に記述される。if文の次の8ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドFollowingClipStreamTypeが配されるフィールドFollowingClipStreamTypeは、8ビットのデータ長を有し、このクリップインフォメーションファイルに対応するクリップの次のクリップのタイプが記述される。8ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドFollowingClipInformationFileNameが配される。
フィールドFollowingClipInformationFileNameは、40ビット(5バイト)のデータ長を有し、このクリップインフォメーションファイルに対応するクリップの次のクリップに対応するクリップインフォメーションファイルのファイル名が記述される。次のフィールドClipCodecIdentifierは、32ビット(4バイト)のデータ長を有し、当該次のクリップの符号化方式を示す。この例では、フィールドClipCodecIdentifierは、ISO646に既定の方式で符号化された4文字の文字列値"M2TS"に固定的とされる。次に8ビットのデータ長を有する領域reservedが配される。
図18は、ブロックblkSequenceInfo()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkSequenceInfo()の最後までのデータ長を示す。15ビットのデータ長を有する領域reservedを介してデータ長が1ビットで固定値"1"が記述される。
次のフィールドSPNATCStartは、32ビットのデータ長を有し、連続した時間に記録されたことを表すシーケンス(シーケンスATCSequenceと呼ぶ)の開始をパケット番号で表す。この図18の例では、フィールドSPNATCStartは、値を"0"としてクリップAVストリームファイルの先頭と一致させている。フィールドNumberOfSTCSequenceは、シーケンスATCSequence上のシーケンスSTCSequenceの数を表す。フィールドNumberOfSTCSequenceは、値が"1"以上とされる。
次のforループ文に従い、フィールドNumberOfSTCSequenceで示される数だけ、シーケンスSTCSequenceの情報が記述される。シーケンスSTCSequenceは、MPEG2 TS(Transport Stream)における時間軸の基準であるPCR(Program Clock Reference)が連続な範囲を表す。シーケンスSTCSequenceには、クリップ内で一意な番号STC_idが割り当てられる。このシーケンスSTCSequence内では、不連続の無い一貫した時間軸を定義できるので、プレイアイテムの開始時刻および終了時刻を一意に定めることができる。つまり、各プレイアイテムの開始点と終了点は、同一のシーケンスSTCSequenceに存在していなければならない。このforループ文においては、値stc_idによりシーケンスSTCSequenceが指定される。
フィールドPCRPID[stc_id]は、16ビットのデータ長を有し、MPEG2 TSにおいて、PCR(Program Clock Reference)が含まれるTSパケットのPIDを表す。フィールドSPNSTCStart[stc_id]は、32ビットのデータ長を有し、シーケンスSTCSequenceの開始をパケット番号で表す。フィールドPresentationStartTimeおよびフィールドPresentationEndTimeは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、クリップAVストリーム中の有効な範囲を表す。フィールドPresentationStartTimeおよびフィールドPresentationEndTimeで示される範囲がプレイアイテムから参照できる範囲となる。
図16のクリップインフォメーションファイルの一例の構造を表すシンタクスにおいて、ブロックblkExtensionData()は、拡張データを格納することができる領域である。次に、このブロックblkExtensionData()について説明する。このブロックblkExtensionData()は、所定の拡張データを格納可能なように定義され、インデックステーブルが格納されるファイル"index.bdmv"、プレイリストが格納されるファイル"xxxxx.mpls"およびクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"の各ファイルに記述することができる。
1−3−1.拡張データの構造について
図19は、ブロックblkExtensionData()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkExtensionData()の終わりまでのデータ長をバイト数で示す。このフィールドLengthの示すデータ長が"0"でなければ、if文以下の記述がなされる。
ブロックDataBlock()StartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス中の、拡張データの本体が格納されるブロックDataBlock()の開始アドレスを、このブロックblkExtensionData()の先頭バイトからの相対バイト数で示す。すなわち、相対バイト数は、"0"から開始される。なお、ブロックDataBlock()StartAddressは、次に示す32ビットアライメントの条件を満たさなければならない。
DataBlockStartAddress%4=0
24ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドNumberOfExtDataEntriesが配される。フィールドNumberOfExtDataEntriesは、8ビットのデータ長を有し、このブロックblkExtensionData()のブロックDataBlock()に格納される拡張データのエントリ数を示す。拡張データのエントリは、拡張データの本体を取得するための情報が格納される。この例では、拡張データのエントリは、フィールドExtDataType、フィールドExtDataVersion、フィールドExtDataStartAddressおよびフィールドExtDataLengthからなるブロックext_data_entry()であって、ブロックblkExtensionData()において、第1のforループ文に従いこのフィールドNumberOfExtDataEntriesに示される個数だけ、このブロックext_data_entry()が存在する。
フィールドExtDataTypeは、16ビットのデータ長を有し、このブロックblkExtensionData()に記述される拡張データが記録装置用の拡張データであることを表す。このフィールドExtDataTypeの値は、拡張データを識別する第1の値であり、このブロックblkExtensionData()を含む規格書のライセンサ(使用認可者)が割り当てると定義することができる。フィールドExtDataVersionは、拡張データを識別する第2の値であり、この拡張データのバージョン番号を表すものと定義することができる。なお、このブロックblkExtensionData()において、フィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionの値が同一のブロックext_data_entry()が2以上、存在してはならない。
フィールドExtDataStartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドExtDataStartAddressが含まれる拡張データのエントリ(ブロックext_data_entry())に対応する拡張データの開始アドレスを示す。フィールドExtDataStartAddressは、ブロックblkExtensionData()の先頭バイトからの相対バイト数で、拡張データext_dataの開始アドレスを示す。なお、フィールドExtDataStartAddressは、次に示す32ビットアライメントの条件を満たさなければならない。
ExtDataStartAddress%4=0
フィールドExtDataLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドExtDataStartAddressが含まれる拡張データのエントリ(ブロックext_data_entries())に対応する拡張データのデータ長を示す。データ長は、バイト数で示される。
フィールドNumberOfExtDataEntriesで示された個数だけ、拡張データのエントリ(ブロックext_data_entry())が記述されると、それぞれ16ビットのデータ長を有し任意のデータ列からなるフィールドpadding_wordが、2フィールドを組として任意の回数L1だけ繰り返される。その後、拡張データの本体が格納されるブロックDataBlock()が記述される。ブロックDataBlock()は、1以上の拡張データが格納される。それぞれの拡張データext_dataは、上述したフィールドExtDataStartAddressフィールドExtDataLengthに基づき、ブロックDataBlock()から取り出される。
図20は、ブロックblkExtensionData()における各データの参照関係を模式的に示す。フィールドLengthにより、フィールドLength直後の位置からブロックblkExtensionData()の最後までのデータ長が示される。ブロックDataBlock()StartAddressにより、ブロックDataBlock()の開始位置が示される。フィールドNumberOfExtDataEntriesで示される個数だけ、ブロックext_data_entryが記述される。最後のブロックext_data_entryからブロックDataBlock()の間には、任意の長さでフィールドpadding_wordが置かれる。
ブロックDataBlock()内には、ブロックext_data_entry()で示される拡張データext_dataが置かれる。それぞれの拡張データext_dataの位置およびデータ長は、対応するブロックext_data_entry()内のフィールドExtDataStartAddressおよびフィールドExtDataLengthにより示される。したがって、ブロックDataBlock()内での拡張データext_dataの並び順は、対応するブロックext_data_entry()の並び順と一致していなくてもよい。
このように、拡張データを、拡張データの本体が格納されるブロックDataBlock()と、ブロックDataBlock()内の拡張データに対するアクセス情報などが格納されるブロックext_data_entry()とによる2層構造とすることで、複数の拡張データを格納することが可能となる。
次に、上述の拡張データの一例の作成方法および読み出し方法について説明する。図21は、ブロックblkExtensionData()にデータを書き込む際の一例の処理を示すフローチャートである。この図21は、ブロックblkExtensionData()中の(n+1)番目のエントリとして、拡張データを追加し、ブロックblkExtensionData()を書き換える場合の例である。
先ず、ステップS10で、書き込もうとしている拡張データのデータ長を取得し、フィールドExtDataLength[n+1]の値にセットする。なお、「[n+1]」の記述は、(n+1)番目のエントリの番号に対応する。次に、ステップS11で、現在のブロックblkExtensionData()に列挙されているブロックext_data_entry()のフィールドExtDataLengthおよびフィールドExtDataStartAddressの値を調べ、ブロックDataBlock()の使用状況を取得する。
そして、次のステップS12で、ブロックDataBlock()中に、書き込もうとしている拡張データのデータ長であるフィールドExtDataLength[n+1]に示されるデータ長以上の、連続した空き領域があるか否かが判断される。若し、あると判断されれば、処理はステップS14に移行される。
一方、フィールドExtDataLength[n+1]に示されるデータ長以上の連続した空き領域が無いと判断されれば、処理はステップS13に移行され、ブロックblkExtensionData()におけるフィールドLengthの値を大きくし、フィールドExtDataLength[n+1]に示されるデータ長以上の連続した空き領域をブロックDataBlock()内に作る。空き領域ができたら、処理がステップS14に移行される。
ステップS14では、拡張データを書き込む領域の先頭アドレスを決め、その先頭アドレスの値をフィールドExtDataStartAddress[n+1]とする。次のステップS15で、フィールドExtDataStartAddress[n+1]から、上述のステップS10でセットされたフィールドExtDataLength[n+1]の長さの拡張データext_data[n+1]を書き込む。
データの書き込みが終了したら、ステップS16で、ブロックext_data_entry()に対して、フィールドExtDataLength[n+1]と、フィールドExtDataStartAddress[n+1]とを追加する。
なお、上述において、書き換えを行うブロックblkExtensionData()は、すでにディスクなどの記録媒体から読み出されて記録装置のメモリに記憶されているものとする。そのため、ステップS13における、フィールドLengthの値の変更によるブロックblkExtensionData()の拡大は、システムに任され、システムがメモリアロケーションを適切に行うことでなされる。
図22は、ブロックblkExtensionData()から拡張データを読み出す際の一例の処理を示すフローチャートである。なお、この図22のフローチャートによる処理は、再生専用の記録媒体と、記録可能な記録媒体との両方に適用可能なものである。先ず、最初のステップS20で、読み込もうとする拡張データが準拠する規格から、フィールドExtDataTypeの値を取得し、ステップS21で、読み込もうとする拡張データの種別から、フィールドExtDataVersionの値を取得する。
次のステップS22で、ブロックblkExtensionData()に列挙されているブロックext_data_entry()を1つずつ順次、読み込む。そして、ステップS23で、読み込んだブロックext_data_entry()に含まれるフィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionの値が、上述のステップS20およびステップS21で取得したフィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionの値と一致するか否かが判断される。
一致していないと判断されれば、処理はステップS26に移行され、ブロックblkExtensionData()内に列挙されるブロックext_data_entry()を全て読み終えたか否かが判断される。全て読み終えたと判断されれば、処理はステップS27に移行され、このブロックblkExtensionData()には、読み込もうとした拡張データが存在しないとして、一連の処理が終了される。全て読み終えていないと判断されれば、処理はステップS22に戻され、次のブロックext_data_entry()が読み込まれる。
上述のステップS23において、ブロックext_data_entry()に含まれるフィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionの値が、取得したフィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionの値と一致していると判断されれば、処理はステップS24に移行される。ここでは、ブロックblkExtensionData()中の[i]番目のエントリで一致したものとする。
ステップS24では、[i]番目のエントリのブロックext_data_entry()からフィールドExtDataLength[i]の値と、フィールドExtDataStartAddress[i]の値とを読み込む。そして、ステップS25で、ステップS24で読み込んだフィールドExtDataStartAddress[i]で示されるアドレスから、フィールドExtDataLength[i]で示されるデータ長だけ、データを読み出す。
1−3−2.拡張データの具体的な例
次に、上述した、インデックスファイル"index.bdmv"およびクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"にそれぞれ定義可能な、拡張データを格納する拡張データブロックblkExtensionData()について説明する。
先ず、インデックスファイル"index.bdmv"に対して定義される一例の拡張データブロックについて説明する。ここでは、プレイリスト毎に記録可能な記録媒体に特有の属性情報を付加するようにした、一例の拡張データブロックについて説明する。図23は、このプレイリスト属性を記述するための、ファイル"index.bdmv"内のフィールドblkExtensionData()におけるブロックDataBlock()(図19参照)の一例の構造を表すシンタクスを示す。この図23の例では、ブロックDataBlock()がブロックblkIndexExtensionData()として記述されている。
先ず、上述の図19を参照して、ブロックblkExtensionData()においてフィールドExtDataTypeを値"0x1000"、フィールドExtDataVersionを値"0x0100"とする。これらフィールドExtDataTypeおよびフィールドExtDataVersionに記述された値は、例えば再生装置側において、予めROM(Read Only Memory)などに記憶されたテーブルが参照されて識別される。ブロックDataBlock()内のフィールドExtDataStartAddressおよびフィールドExtDataLengthで示される領域に、ブロックblkIndexExtensionData()が格納される。なお、数値の記述において"0x"は、その数値が16進表記されていることを示す。
ブロックblkIndexExtensionData()において、フィールドTypeIndicatorは、次に続くデータの種類を示す、ISO646に規定された符号化方式で符号化した4文字からなる文字列が記述される。この図23の例では、フィールドTypeIndicatorにISO646に既定の方式で符号化された4文字の文字列"IDEX"が記述され、次に続くデータ種類が「IndexExtensionData」であることが示される。
フィールドTypeIndicatorに続けて32ビットのデータ長を有する領域reservedが配され、その次に、32ビットのデータ長を有するフィールドTableOfPlayListStartAddressが配される。フィールドTableOfPlayListStartAddressは、ブロックblkTableOfPlayList()の、このブロックblkIndexExtensionData()先頭を基準とした開始アドレスが示される。
フィールドTableOfPlayListStartAddressの次に、32ビットのデータ長を有するフィールドMakersPrivateDataStartAddressが配されブロックblkMakersPrivateData()のこのブロックblkIndexExtensionData()先頭を基準とした開始アドレスが示され、192ビットのデータ長を有する領域reservedを介してブロックblkUIAppInfoAVCHD()が配される。16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N1で示される回数だけ回繰り返され、次に、ブロックblkTableOfPlayLists()が配される。さらに続けて、16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N2で示される回数だけ繰り返され、次にブロックblkMakersPrivateData()が配される。このブロックblkMakersPrivateData()の後に、16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N3で示される回数だけ繰り返される。
なお、ブロックblkUIAppInfoAVCHD()およびブロックblkMakersPrivateData()は、この発明と関連性が薄いので、説明を省略する。
図24は、上述したブロックblkTableOfPlayLists()の一例の構造を表すシンタクスを示す。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLengthの直後からブロックblkTableOfPlayList()の最後のバイトまでのデータ長をバイト数で示す。フィールドLengthに続けて、プレイバックタイトルを再生するためのプレイリストに関する情報が記述されるブロックblkFirstPlaybackTitlePlayLists()と、メニュータイトルに関する情報が記述されるブロックblkMenuTitlePlayLists()とが配される。これらブロックblkFirstPlaybackTitlePlayLists()およびブロックblkMenuTitlePlayLists()は、この発明と関連性が薄いので、説明を省略する。
次に、16ビットのデータ長を有するフィールドNumberOfTitlePlayListPairが配される。フィールドNumberOfTitlePlayListPairは、プレイバックタイトルおよびメニュータイトル以外のタイトルを再生するためのプレイリストの数が記述される。次のforループ文に従い、フィールドNumberOfTitlePlayListPairで示される数だけ、ブロックblkMovieTitlePlayListPair()が記述される。ブロックblkMovieTitlePlayListPair()は、フィールドPlayListFileName、フィールドPlayListAttributeおよびフィールドRefToTitleIDを含む。すなわち、ブロックblkMovieTitlePlayListPair()は、このforループ文で示される[i]番目のプレイリストについて、当該プレイリストのファイル名、当該プレイリストに付与された属性、ならびに、当該プレイリストの参照タイトルIDからなるプレイリストの情報を構造化したものである。
このforループ文による並び順は、記録順とされる。すなわち、1のプレイリストが追加されると、フィールドNumberOfTitlePlayListPairの値が1だけインクリメントされ、既存のプレイリストの情報の後ろに、追加されたプレイリストの情報が追記される。
フィールドPlayListFileNameは、40ビット(5バイト)のデータ長を有し、プレイリストのファイル名がISO646に規定された符号化方式で符号化されて記述される。フィールドPlayListFileNameの次に、6ビットのデータ長を有する領域reservedを介してフィールドPlayListAttributeが配される。フィールドPlayListAttributeは、2ビットのデータ長を有し、当該プレイリストに付与された属性を示す。プレイリストは、その成因に基づき、クリップの生成と共に生成されるプレイリストに対応する第1の種類と、既存のタイトルあるいはプレイリストの一部または全部を用いて作成されるプレイリストに対応する第2の種類と、メニューを再生するために用いる第3の種類との3種類に分けられ、各プレイリストには、プレイリストの種類に応じて、それぞれ対応する属性「Real」(第1の種類)、属性「Virtual」(第2の種類)および属性「Menu」(第3の種類)が付与される。
なお、以下では適宜、属性「Real」が付与されたプレイリストをリアルプレイリスト、属性「Virtual」が付与されたプレイリストをバーチャルプレイリスト、属性「Menu」を付与されたプレイリストをメニュープレイリストと呼ぶ。
フィールドRefToTitleIdは、同一ループ内のフィールドPlayListFileNameに示されるプレイリストが作成時に属するタイトルのID(番号)が記述される。より具体的な例としては、インデックスファイル"index.bdmv"内のブロックblkIndexes()における、対応する値title_idが記述される。なお、当該プレイリストがファーストプレイバックタイトルのみから再生される場合、フィールドRefToTitleIdの値は、第1の固定値、例えば"0xFFFF"とされる。また、当該プレイリストがメニュータイトルのみから再生される場合は、フィールドRefToTitleIdの値は、第2の固定値、例えば"0xFFFE"とされる。
次に、クリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"に対して定義される一例の拡張データブロックについて説明する。図25は、クリップインフォメーションファイル内のブロックblkExtensionData()におけるブロックDataBlock()(図19参照)の一例の構造を表すシンタクスを示す。この図25の例では、ブロックDataBlock()がブロックblkClipExtensionData()として記述されている。
ブロックblkClipExtensionData()において、フィールドTypeIndicatorは、次に続くデータの種類を示す、ISO646に規定された符号化方式で符号化した4文字からなる所定の文字列が記述される。このフィールドTypeIndicatorに記述される文字列によって、次に続くデータ種類がクリップインフォメーションファイルにおける拡張データであることが示される。
フィールドTypeIndicatorの次に、32ビット(4バイト)のデータ長を有する領域reservedを介して、それぞれ32ビットのデータ長を有するフィールドProgramInfoExtStartAddressおよびフィールドMakersPrivateDataStartAddressが配される。フィールドProgramInfoExtStartAddressおよびフィールドMakersPrivateDataStartAddressは、それぞれ、このブロックblkClipExtensionData()内のブロックblkProgramInfoExt()およびブロックblkMakersPrivateData()の、このブロックblkClipExtensionData()先頭を基準とした開始アドレスを示す。
フィールドMakersPrivateDataStartAddressの次に、192ビットのデータ長を有する領域reservedを介してブロックblkClipInfoExt()が配される。16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N1で示される回数だけ繰り返され、次に、ブロックblkProgramInfoExt()が配される。続けて、16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N2で示される回数だけ繰り返され、次に、ブロックblkMakersPrivateData()が配される。ブロックblkMakersPrivateData()の後ろには、16ビットのデータ長を有するパディングワードpadding_wordが値N3で示される回数だけ繰り返される。
図26は、クリップインフォメーションファイルにおけるブロックblkMakersPrivateData()の一例の構造を表すシンタクスを示す。ブロックblkMakersPrivateData()は、このクリップインフォメーションファイルに関して、メーカ独自の情報が記述されるブロックである。フィールドLengthは、32ビットのデータ長を有し、このフィールドLength直後からこのブロックblkMakersPrivateData()の終わりまでのデータ長を示す。このフィールドLengthは、値"0"でこのMakersPrivateData()に情報が記述されていないことを示す。フィールドLengthが値"0"以外で、if文以下の記述がなされる。
ブロックDataBlock()StartAddressは、32ビットのデータ長を有し、このシンタクス中の、メーカ独自情報本体が格納されるブロックDataBlock()の開始アドレスを、このブロックblkMakersPrivateData()の先頭バイトからの相対バイト数で示す。24ビットのデータ長を有する領域reservedを介して、8ビットのデータ長を有するフィールドNumberOfMakerEntriesが配される。
次のfor文に従い、フィールドNumberOfMakerEntriesで示される個数だけ拡張データのエントリ、すなわち、フィールドMakerID、フィールドMakerModelCode、フィールドMpdStartAddressおよびフィールドMpdLengthが記述される。フィールドMakerIDおよびフィールドMakerModelCodeは、それぞれ16ビットのデータ長を有し、メーカの識別情報および当該メーカによる機種の識別情報が記述される。また、フィールドMpdStartAddressおよびフィールドMpdLengthは、それぞれ32ビットのデータ長を有し、拡張データの本体が格納されるブロックDataBlock()の、このブロックblkExtensionData()の先頭バイトからの相対バイト数による開始アドレスと、データ長とを示す。
フィールドNumberOfMakerEntriesで示される個数だけ拡張データのエントリが記述されると、それぞれ16ビットのデータ長を有し任意のデータ列からなるフィールドpadding_wordが、2フィールドを組として任意の回数L1だけ繰り返される。その後、拡張データの本体が格納されるブロックDataBlock()が記述される。ブロックDataBlock()は、1以上の拡張データext_dataが格納される。すなわち、フィールドMakerIDおよびフィールドMakerModelCodeで示されるメーカおよび機種毎に、メーカ独自の拡張データがブロックDataBlock()に格納される。それぞれの拡張データは、上述したフィールドMpdStartAddressおよびフィールドMpdLengthに基づき、ブロックDataBlock()から取り出される。
なお、クリップインフォメーションファイルにおける拡張データブロックblkPlayListExtensionData()内のブロックblkClipInfoExt()およびブロックblkProgramInfoExt()は、この発明と関連性が薄いので、説明を省略する。
1−4.仮想プレーヤについて
次に、仮想プレーヤについて、概略的に説明する。上述したようなデータ構造を有するディスクがプレーヤに装填されると、プレーヤは、ディスクから読み出されたムービーオブジェクトなどに記述されたコマンドを、プレーヤ内部のハードウェアを制御するための固有のコマンドに変換する必要がある。プレーヤは、このような変換を行うためのソフトウェアを、プレーヤに内蔵されるROM(Read Only Memory)に予め記憶している。このソフトウェアは、ディスクとプレーヤを仲介してプレーヤにAVCHDフォーマットの規定に従った動作をさせることから、仮想プレーヤと称される。
図27は、この仮想プレーヤの動作を概略的に示す。図27Aは、ディスクのローディング時の動作の例を示す。ディスクがプレーヤに装填されディスクに対するイニシャルアクセスがなされると(ステップS30)、1のディスクにおいて共有的に用いられる共有パラメータが記憶されるレジスタが初期化される(ステップS31)。そして、次のステップS32で、ムービーオブジェクトなどに記述されたプログラムがディスクから読み込まれて実行される。なお、イニシャルアクセスは、ディスク装填時のように、ディスクの再生が初めて行われることをいう。
図27Bは、プレーヤが停止状態からユーザにより例えばプレイキーが押下され再生が指示された場合の動作の例を示す。最初の停止状態(ステップS40)に対して、ユーザにより、例えばリモートコントロールコマンダなどを用いて再生が指示される(UO:User Operation)。再生が指示されると、先ず、レジスタすなわち共通パラメータが初期化され(ステップS41)、次のステップS42で、ムービーオブジェクト実行フェイズに移行する。
ムービーオブジェクトの実行フェイズにおけるプレイリストの再生について、図28を用いて説明する。UOなどにより、タイトル番号#1のコンテンツを再生開始する指示があった場合について考える。プレーヤは、コンテンツの再生開始指示に応じて、上述した図2に示されるインデックステーブル(Index Table)を参照し、タイトル#1のコンテンツ再生に対応するオブジェクトの番号を取得する。例えばタイトル#1のコンテンツ再生を実現するオブジェクトの番号が#1であったとすると、プレーヤは、ムービーオブジェクト#1の実行を開始する。
この図28の例では、ムービーオブジェクト#1に記述されたプログラムは2行からなり、1行目のコマンドが"Play PlayList(1)"であるとすると、プレーヤは、プレイリスト#1の再生を開始する。プレイリスト#1は、1以上のプレイアイテムから構成され、プレイアイテムが順次再生される。プレイリスト#1中のプレイアイテムの再生が終了すると、ムービーオブジェクト#1の実行に戻り、2行目のコマンドが実行される。図28の例では、2行目のコマンドが"jump MenuTitle"であって、このコマンドが実行されインデックステーブルに記述されたメニュータイトル(MenuTitle)を実現するムービーオブジェクトの実行が開始される。
2.発明に適用可能な記録装置について
次に、この発明に適用可能な記録装置について説明する。図29は、この発明に適用可能な記録再生装置1の一例の構成を示す。この記録再生装置1は、入力されたディジタルビデオデータおよびディジタルオーディオデータを、所定の方式で圧縮符号化および多重化したAVストリームを記録媒体に記録するようにしている。
記録再生装置1に適用可能な圧縮符号化や多重化の方式としては、様々に考えられる。例えば、H.264|AVCに規定される方式を、この発明の実施の一形態の圧縮符号化として適用することができる。これに限らず、MPEG2方式に基づき圧縮符号化を行うようにしてもよい。また、多重化方式は、例えばMPEG2システムズを適用することができる。以下では、ビデオデータの圧縮符号化をH.264|AVCに規定される方式に準じて行い、ビデオデータおよびオーディオデータの多重化を、MPEG2システムズに規定される方式に準じて行うものとして説明する。
なお、この図29に例示される記録再生装置1は、外部から入力されるビデオデータおよびオーディオデータを記録媒体に記録する、単独の記録装置として用いることもできるし、光学系や撮像素子などを備えたカメラブロックと組み合わせ、撮像した撮像信号に基づくビデオデータを記録媒体に記録する、ビデオカメラ装置の記録ブロックとして用いることもできる。
記録再生装置1は、端子30から入力されたビデオデータおよびオーディオデータを、記録可能なタイプの光ディスクのような記録媒体に所定に記録し、また、記録媒体に記録されたビデオデータおよびオーディオデータを所定に再生し、端子31から出力する。記録再生装置1は、入力されたビデオデータおよびオーディオデータの記録媒体への記録、ならびに、記録媒体に記録されたビデオデータおよびオーディオデータの再生を行う記録再生部20と、この記録再生装置1の全体を制御する制御部10とを有する。制御部10には、ユーザがこの記録再生装置1を操作するための操作子などが設けられるUI(User Interface)部17が接続される。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14、入出力インターフェイス(入出力I/F)15および表示制御部16とがバス11に接続されてなる。CPU12は、ROM14に予め記憶されたプログラムに従い、RAM13をワークメモリとして用いてこの記録再生装置1の全体を制御する。
入出力I/F15は、外部とのデータのやりとりを制御する。例えば、入出力I/F15を介して外部からプログラムデータを供給し、供給されたプログラムデータによりROM14に記憶されるプログラムを更新することができる。表示制御部16は、例えばCPU12で生成された表示制御信号を、図示されない表示デバイスに表示可能な信号に変換する。
UI(User Interface)部17は、この記録再生装置1の動作をユーザが操作するための操作子が所定に設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。CPU12は、ユーザ操作に応じてUI部17から供給された制御信号に基づきなされるプログラムの処理により、この記録再生装置1の各部の動作を制御する。例えば、UI部17に対してなされた操作に応じて、記録再生装置1による記録動作の開始および停止の動作がCPU12により制御される。また、後述するドライブ装置25に対する光ディスク50の装填動作、ならびに、ドライブ装置25に装填された光ディスク50の排出動作も、UI部17に対する操作に応じてCPU12により制御される。
記録再生部20は、AV入出力制御部21、エンコーダ/デコーダ(ENC/DEC)部22、ストリームバッファ23とおよびリード/ライト制御部24、ならびに、リード/ライト制御部24に接続されるドライブ装置25および内蔵記録媒体51を有する。
AV入出力制御部21は、例えばバッファメモリを有し、制御部10の制御に基づき、端子30からのビデオデータおよびオーディオデータの入力や、端子31に対するビデオデータおよびオーディオデータの出力を制御する。なお、繁雑さを避けるため図29では省略されているが、実際には、ビデオデータおよびオーディオデータは、それぞれ別の経路で以て入出力および伝送される。
ENC/DEC部22は、入力されたベースバンドのビデオデータおよびオーディオデータの符号化を行う。また、ENC/DEC部22は、記録媒体から再生されたデータを復号し、ベースバンドのビデオデータおよびオーディオデータを出力する。ENC/DEC部22における符号化処理および復号化処理の開始および停止は、制御部10により制御することができる。また、ENC/DEC部22は、圧縮符号化されたビデオデータおよびオーディオデータを多重化してAVストリームデータとして出力する機能や、ビデオデータおよびオーディオデータが多重化されたAVストリームから、これらビデオデータおよびオーディオデータを分離する機能を有する。
リード/ライト制御部24は、例えば記録可能なタイプの光ディスク50に対応するドライブ装置25と、例えばハードディスクからなる内蔵記録媒体51とが接続される。内蔵記録媒体51は、ハードディスクに限らず、例えばフラッシュメモリといった不揮発性の半導体メモリを用いることもできる。また、内蔵記録媒体51は、記録再生装置1に対して固定的に用いられるようにされていれば、記録再生装置1に予め内蔵されていなくてもよい。リード/ライト制御部24は、制御部10からの命令に基づき、ドライブ装置25に装填された光ディスク50と、内蔵記録媒体51とのうち選択された側へのデータの書き込みや、同じく選択された側からのデータの読み出しを制御する。
ストリームバッファ23は、ENC/DEC部22とリード/ライト制御部24との間にあって、リード/ライト制御部24による記録媒体51または光ディスク51におけるデータの書き込みおよび読み出しの際の転送速度と、ENC/DEC部22における処理速度との差を吸収する。
このような構成における記録時の動作について、概略的に説明する。なお、ここでは、ビデオデータおよびオーディオデータを、ドライブ装置25に装填された光ディスク50に記録するものとして説明する。
記録時には、ベースバンドのビデオデータおよびオーディオデータが端子30から入力され、AV入出力制御部21を介してENC/DEC部22に供給される。ENC/DEC部22は、供給されたビデオデータおよびオーディオデータを所定の方式で以て圧縮符号化する。この例では、ビデオデータの圧縮符号化をH.264|AVCに規定される方式に準じて行うようにされ、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)と画面内予測とによりフレーム内圧縮を行うと共に、動きベクトルを用いたフレーム間圧縮を行い、さらにエントリピー符号化を行い圧縮効率を高める。オーディオデータは、例えばAC3(Audio Code number 3)により圧縮符号化される。オーディオデータの圧縮符号化方式は、AC3に限られるものではない。オーディオデータを圧縮符号化せず、ベースバンドのデータのまま用いることも考えられる。
ENC/DEC部22は、それぞれ所定に圧縮符号化されたビデオデータおよびオーディオデータを所定の方式で多重化し、1本のデータストリームとして出力する。MPEG2システムズに準じて多重化が行われるこの例では、MPEG2のトランスポートストリームを用いて、供給された圧縮ビデオデータおよび圧縮オーディオデータを時分割で多重化する。
例えば、ENC/DEC部22は、バッファメモリを有し、それぞれ圧縮符号化されたビデオデータおよびオーディオデータをバッファメモリに溜め込む。バッファメモリに溜め込まれた圧縮ビデオデータは、所定サイズ毎に分割されヘッダが付加されて、PES(Packetized Elementary Stream)パケット化される。圧縮オーディオデータも同様に、所定サイズ毎に分割されヘッダが付加されてPESパケット化される。ヘッダには、パケットに格納されるデータの再生時刻を示すPTS(Presentation Time Stamp)や復号時刻を示すDTS(Decoding Time Stanp)といった、MPEG2システムズに規定される所定の情報が格納される。PESパケットは、さらに分割されてトランスポートパケット(TSパケット)のペイロードに詰め込まれる。TSパケットのヘッダには、ペイロードに詰め込まれたデータを識別するためのPID(Packet Identification)が格納される。ENC/DEC部22から出力されたTSパケットは、ストリームバッファ23に一旦溜め込まれる。
なお、TSパケットは、実際には、さらに所定のヘッダが付加されてENC/DEC部22から出力される。この、TSパケットに対して所定のヘッダを付加したパケットを、ソースパケットと呼ぶ。
ストリームバッファ23に溜め込まれたデータ量は、CPU12に監視される。CPU12は、ストリームバッファ23に所定量以上のデータが溜め込まれたことを検出すると、リード/ライト制御部24に対して、ストリームバッファ23から光ディスク50の記録単位分のデータを読み出して、光ディスク50に書き込むように命令を出す。これに限らず、リード/ライト制御部24がストリームバッファ23に溜め込まれたデータ量を監視するようにしてもよい。
また、CPU12は、記録データに基づき、RAM13を用いて上述したインデックスファイル"index.bdmv"、ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"およびクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"に格納するための情報を生成する。生成された情報は、所定のタイミングで光ディスク50に書き込まれる。
一例として、CPU12は、ENC/DEC部22から記録データの時間情報を取得すると共に、リード/ライト制御部24から記録データの光ディスク50に対するアドレス情報を取得し、取得されたこれら時間情報およびアドレス情報に基づきEPエントリ情報が生成される。また、UI部17に対する記録開始、記録終了の操作に応じてCPU12から出力される制御信号と、ENC/DEC部22およびリード/ライト制御部24からの記録データに関する情報とに基づき、クリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"の生成が行われると共に、生成されたクリップインフォメーションファイルの情報がプレイリストファイルに追記され、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"の更新が行われる。さらに、光ディスク50に対して新規に記録が行われる際には、インデックスファイル"index.bdmv"やムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"の生成または更新が行われる。
再生時には、光ディスク50が記録再生装置1のドライブ装置25に装填されると、光ディスク50から、インデックスファイル"index.bdmv"、ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"が読み込まれ、CPU12に渡される。CPU12は、これらの情報をRAM13に記憶させ、例えば、クリップに関する情報を表示させる表示制御信号を生成して表示制御部16に供給し、図示されない表示デバイスに対して当該情報を表示させる。ユーザは、この情報に基づきUI部16に対して所定の操作を行うことで、光ディスク50に記録されているクリップの再生を指示することができる。なお、ここでは、簡単のために、クリップの先頭から再生を開始させるものとする。
CPU12は、UI部16に対する操作に応じて、RAM13からプレイリストファイルの情報を読み出し、このプレイリストファイルに基づき、リード/ライト制御部24に対して、当該プレイリストファイルに格納されるプレイアイテムに参照されるクリップインフォメーションファイルと、対応するクリップAVストリームファイルを光ディスク50から読み出すように命令を出す。リード/ライト制御部24は、この命令に従い、光ディスク50からクリップインフォメーションファイルとクリップAVストリームファイルとを読み出す。クリップAVストリームファイルは、光ディスク50からTSパケット毎に読み出され、リード/ライト制御部24を介してストリームバッファ23に溜め込まれる。
なお、上述もしたように、実際には、光ディスク50から読み出されるTSパケットは、本来のTSパケットに対して所定サイズのヘッダが付加されたソースパケットである。
CPU12は、ストリームバッファ23に溜め込まれたデータのデータ量を監視し、ストリームバッファ23に所定量以上のTSパケットが溜め込まれると、復号に必要とする分のデータをストリームバッファ23からTSパケット単位で読み出し、ENC/DEC部22に供給する。ENC/DEC部22がストリームバッファ23に溜め込まれたデータ量を監視するようにしてもよい。
TSパケットは、ENC/DEC部22が有するバッファメモリに一旦格納され、PIDに基づきデータ種類毎に振り分けられペイロードに格納されたデータからPESパケットが再構築される。さらに、PESパケットのぺーロードからデータが取り出されると共に、PESヘッダの情報に基づき、DTSやPTSといったデコードや再生の時刻を指定する情報など、所定にヘッダ情報などが付加され、圧縮符号化されたビデオデータおよびオーディオデータのエレメンタリストリームがそれぞれ生成される。
ENC/DEC部22は、圧縮ビデオデータをバッファメモリに溜め込み、所定ピクチャ分のデータが溜め込まれたら当該データに対して復号処理を開始する。復号されたビデオデータは、例えば図示されないシステムクロックから供給されるSTC(System Time Clock)に基づき、PTSに従いフレームタイミングで順次出力される。
ENC/DEC部22は、圧縮オーディオデータに対しても、所定に復号処理を施す。復号されたオーディオデータは、復号されたビデオデータと同期的にENC/DEC部22から出力され、AV入出力制御部21を介して端子31に導出される。オーディオデータとビデオデータとの同期処理をAV入出力制御部21で行ってもよい。
3.発明に適用可能なデータ構造について
図30は、この発明に適用可能な一例のデータ構造を示す。インデックスファイル"index.bdmv"は、1乃至複数のタイトルを有する。ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"は、インデックスファイル"index.bdmv"が有するタイトルに対応して、1乃至複数のムービーオブジェクトを含む。ムービーオブジェクトのそれぞれは、1つのプレイリストファイル"xxxxx.mpls"を呼び出す。プレイリストファイル"xxxxx.mpls"は、1乃至複数のプレイアイテムを含み、プレイアイテムのそれぞれは、クリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"を参照する。クリップインフォメイションファイル"zzzzz.clpi"は、クリップの実体であるクリップAVストリームファイル"zzzzz.m2ts"と1対1の関係にある。
このような構造において、ユーザには、インデックスファイル"index.bdmv"が有するタイトル単位で、記録媒体に記録されたクリップが見えることになる。ユーザが所望のタイトルを選択すると、ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"から当該タイトルに対応するムービーオブジェクトが参照される。そして、参照されたムービーオブジェクトに記述されたプレイリストファイル"xxxxx.mpls"が呼び出され、プレイリストファイルに含まれるプレイアイテムに従いクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"が参照され対応するクリップAVストリームファイル"zzzzz.m2ts"が再生される。
プレイリストファイル"xxxxx.mpls"に対して時刻情報を示すマーク(プレイリストマーク)を設けることで、ジャンプ位置を設定することができる。マークによってチャプタが定義される。チャプタは、ユーザから見えるタイトル内の再生単位である。記録開始位置には、必ずマークが設けられる。記録開始位置以外の位置にマークを設けることもできる。
すなわち、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"に対して、例えば記録開始に伴いプレイリストマークを設定すると共に、クリップを参照するプレイアイテムを登録することで、当該プレイリストファイルに対してチャプタが形成される。換言すれば、プレイリストファイルに対してプレイリストマークを記録すると共に、プレイアイテムを記録することで、当該プレイリストファイルに対してチャプタが記録されるといえる。
上述したように、リアルプレイリストは、クリップと共に生成される。図30の例では、プレイリストファイル"00000.mpls"、"00200.mpls"および"00018.mpls"がリアルプレイリストの属性を有する。
これらのうち、プレイリストファイル"00000.mpls"は、新規に生成されたクリップの情報をプレイリストに追記記録していく例である。例えば、クリップAVストリームファイル"00001.m2ts"に対応するクリップインフォメーションファイル"00001.clpi"を参照するプレイアイテム#0が既に格納されているプレイリストファイル"00000.mpls"に対して、新規に記録されたクリップAVストリームファイル"00125.m2ts"に対応するクリップインフォメーションファイル"00125.m2ts"を参照するプレイアイテム#1が追記記録される。プレイアイテムが示す先頭の時刻には、それぞれマークが設けられる。このプレイリストファイル"00000.mpls"を再生すると、ますプレイアイテム#0に基づきクリップAVストリームファイル"00001.m2ts"が再生され、続けてプレイアイテム#1に基づきクリップAVストリームファイル"00125.m2ts"が再生される。
プレイリストファイル"00200.mpls"は、1のクリップに対して1のプレイリストファイルが生成され、プレイリストファイルが唯一つのプレイアイテムのみを含む例である。
さらに、プレイリストファイル"00018.mpls"は、複数のプレイアイテムが1のクリップを参照する例である。例えば、記録開始および停止によりプレイアイテムが生成されると共に、1のクリップに対してデータが追記されていくような制御が考えられる。プレイアイテム#0の先頭にマークが設けられ、プレイアイテム#0およびプレイアイテム#1を連続的に再生することで、クリップAVストリームファイル"00002.m2ts"の全体が再生される。
一方、バーチャルプレイリストは、図30にプレイリストファイル"00005.mpls"として示されるように、既に存在するクリップに対して再生区間を指定する。この例では、プレイリストファイル"00005.mpls"に含まれるプレイアイテム#0がクリップインフォメーションファイル"00028.clpi"を参照して区間を指定し、プレイアイテム#1がクリップインフォメーションファイル"00002.clpi"を参照して区間を指定している。また、プレイアイテム#0およびプレイアイテム#1の先頭に、マークが設けられている。プレイリストファイル"00005.mpls"を再生すると、先ずプレイアイテム#0に基づきクリップAVストリームファイル"00028.m2ts"の指定区間が再生され、続けて、プレイアイテム#1に基づきクリップAVストリームファイル"00002.m2ts"が再生される。
4.実施の第1の形態について
次に、この発明の実施の第1の形態について説明する。この発明の実施の第1の形態では、連続して供給される記録データであるストリームデータを光ディスクに記録する際に、光ディスクの交換操作や、交換時のディスクの認識処理および初期化処理の間など、一時的に光ディスクに対する記録が行えない場合に、その間のストリームデータを記録装置に内蔵の記録媒体に一旦記録する。そして、後に光ディスクに記録可能となった際に、内蔵記録媒体に記録されたストリームデータを光ディスクに書き込むようにする。これによれば、時間的に連続した、1枚の光ディスクの記録容量を超えたデータ容量のストリームデータを、時間的に連続的な状態で複数の光ディスクに跨って記録させることができる。
なお、以下では、ストリームデータを一時的に光ディスクに記録できない場合に、当該ストリームデータを記録装置に内蔵の記録媒体に記録することを、「ストリームデータを内蔵の記録媒体に退避する」と呼び、内蔵の記録媒体に退避されるストリームデータを「退避データ」と呼ぶ。
4−1.実施の第1の形態による記録制御について
図31を用いて、この実施の第1の形態による記録制御を概略的に説明する。図31Aに例示されるように、連続的に供給される、例えばビデオデータおよびオーディオデータからなるストリームデータを複数の光ディスク50A、50B、・・・に亘って記録する場合について考える。記録再生装置1には、当初、光ディスク50Aが装填され、この光ディスク50Aに対してストリームデータの記録がなされている(図31B参照)。例えば、時点Aで光ディスク50Aに対して記録されるストリームデータのデータ量が光ディスク50Aの記録可能容量の上限に達し、記録が継続されたまま、ユーザにより光ディスク50Aが排出され新規に光ディスク50Bが記録再生装置1に装填される。
ユーザが光ディスク50Aを排出し光ディスク50Bを装填する動作を行うには、所定の時間を必要とし、この動作中は光ディスク50A、50Bに対するストリームデータの記録を実行することができない。また、光ディスク50Bが装填された直後は、記録再生装置1において光ディスク50Bの認識処理および初期化処理が行われ、この処理中も、光ディスク50Bに対するストリームデータの記録を行うことができない。
そこで、この実施の第1の形態では、光ディスク50Aから光ディスク50Bへ交換する際の、ストリームデータを光ディスク50A、50Bに記録できない期間に、ストリームデータの記録先を光ディスクから記録再生装置1に内蔵される内蔵記録媒体51に切り替える。そして、光ディスクの交換時における光ディスクに対するデータ記録不可期間に供給されたストリームデータを、この内蔵記録媒体51に書き込み、当該ストリームデータを内蔵記録媒体51に退避させる(図31C参照)。
新たに装填された光ディスク50Bに対する認識処理や初期化処理が終了し、当該光ディスク50Bに対するストリームデータの記録が可能となると、ストリームデータの記録先を内蔵記録媒体51から光ディスク50Bに切り替え、内蔵記録媒体51に退避されたストリームデータすなわち退避データを光ディスク50Bにコピーし、次いで新たに供給されたストリームデータを光ディスク50Bに記録する(図31D参照)。
新たに装填された光ディスク50Bに対して記録されたストリームデータのデータ量が光ディスク50Bの記録可能容量の上限に達した際の制御も、同様である。すなわち、光ディスク50Bに対して例えば排出操作がなされると、ストリームデータの記録先が光ディスク50Bから内蔵記録媒体51に切り替えられ、供給されるストリームデータが内蔵記録媒体51に退避される(図31E)。新たに装填された光ディスク50Cに対して認識処理や初期化処理がなされ、これらの処理が終了して当該光ディスク50Cへのストリームデータの記録が可能な状態とされると、内蔵記録媒体51に退避された退避データが光ディスク50Cにコピーされ、次いで新たに供給されたストリームデータを光ディスク50Cに記録する(図31F)。
光ディスクの交換時におけるストリームデータの記録制御をこのように行うことで、連続的に供給されたAVデータを、複数枚の光ディスク50A、50B、・・・に対し、時間的に連続的な状態で記録することができる。
図32は、光ディスク50の交換処理における光ディスク50A、50Bおよび内蔵記録媒体51に対するデータ書き込みの一例のタイミングを示す。図32Aは、ストリームバッファ23に溜め込まれたデータ量(ストリームバッファ畜量と呼ぶ)の一例の変化を示す。上述したように、ストリームバッファ23に対して所定量Dth以上のストリームデータが溜め込まれると、ストリームバッファ23から光ディスク50の記録単位分のストリームデータが読み出される。ここでは、ストリームバッファ23には、略一定のデータレートで連続的にストリームデータが供給され続けるものとする。
当初、ドライブ装置25には光ディスク50Aが装填され、ストリームバッファ23から読み出されたストリームデータは、この光ディスク50Aに書き込まれる。光ディスク50Aに対するストリームデータの書き込みは、図32Bに例示されるように、ストリームバッファ23のデータ畜量に応じて間欠的に行われる。すなわち、ストリームバッファ23に所定量Dth以上のストリームデータが溜め込まれると、ストリームバッファ23から光ディスク50Aの記録単位分のストリームデータが読み出されて光ディスク50Aに書き込まれ、再びストリームバッファ23に所定量Dth以上のストリームデータが溜め込まれると、同様にしてストリームバッファ23から記録単位分のストリームデータが読み出されて光ディスク50Aに対して書き込まれる。
ここで、図32Aに時点Aで示されるタイミングで、光ディスク50Aに対するイジェクト操作が行われた場合について考える。例えば、UI部17に所定に設けられたイジェクトボタンがユーザにより操作され、イジェクトボタンが操作されたことを示す制御信号がUI部17からCPU12に対して供給される。CPU12は、この制御信号に応じて、光ディスク50Aを排出させるために記録再生装置1の各部を制御する。
先ず、CPU12は、時点Aにおいてストリームバッファ23に溜め込まれているデータを所定に読み出し、リード/ライト制御部24に供給する。リード/ライト制御部24は、供給されたデータを光ディスク50Aに書き込む(図32B参照)。ストリームバッファ23中のストリームデータの光ディスク50Aに対する書き込みが完了したら、CPU12は、RAM13上に生成された管理情報、すなわちインデックスファイル"index.bdmv"、ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"およびクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"に格納するための情報をリード/ライト制御部24に供給し、それぞれファイルとして光ディスク50Aに書き込む(図32Bの期間g参照)。光ディスク50Aに対する管理情報の書き込みが完了すると、光ディスク50Aがドライブ装置25から取り出し可能な状態となる。
光ディスク50Aがドライブ装置25から取り出され、次の光ディスク50Bがドライブ装置25に新規に装填される。光ディスク50Bがドライブ装置25に装填されると、例えばドライブ装置25により光ディスク50Bの所定領域の情報が読み出され、読み出された情報に基づきCPU12により光ディスク50Bの認識処理が行われる(図32Dの期間i参照)。光ディスク50Bの認識処理が完了すると、必要ならば、次に光ディスク50Bの初期化処理が行われる(図32Dの期間j参照)。
この、ディスク交換および認証処理を行う期間iおよびディスクに対して初期化処理を行う期間jは、光ディスク50Bに対してストリームデータを記録することができない。また、上述の、光ディスク50Aに対して管理情報を書き込んでいる期間gも、同様に、光ディスク50Aに対してストリームデータを記録することができない。一方、ストリームバッファ23には、これら期間g、期間iおよび期間jにも、ストリームデータが継続的に供給され蓄積される。
そこで、これら期間g、期間iおよび期間jの間は、ストリームバッファ23に溜め込まれたストリームデータを、内蔵記録媒体51に退避させる処理が行われる。より具体的には、例えばリード/ライト制御部24は、ストリームデータを記録する記録先をドライブ装置25から内蔵記録媒体51に切り替える。例えば、図32Cに例示されるように、光ディスク50Aに対して管理情報を書き込んでいる期間gや、光ディスク50Aを排出し、次の光ディスク50Bをドライブ装置25に装填するまでの期間やドライブ装置25に装填された光ディスク50Bに対する認識処理および初期化処理を行っている期間iおよび期間jにおいて、ストリームバッファ23のデータ畜量が所定量Dth以上となったら、ストリームバッファ23から例えば光ディスク50の記録単位分のストリームデータを読み出し、読み出されたストリームデータを内蔵記録媒体51に記録し、ストリームデータの内蔵記録媒体51への退避を行う(図32Cの期間h参照)。
新規に装填された光ディスク50Bの認識処理および初期化が完了し、当該光ディスク50Bに対してストリームバッファ23から読み出したストリームデータの書き込みが可能な状態となると、先ず、内蔵記録媒体51から上述の期間h、期間iおよび期間jにおいて書き込まれたストリームデータすなわち退避データを内蔵記録媒体51から読み出し、光ディスク50Bに対して書き込む(図32Dの期間k参照)。このとき、内蔵記録媒体51から、光ディスク50の記録単位分毎に連続的に退避データが読み出され、光ディスク50Bに書き込まれる。
ここで、内蔵記録媒体51から退避データを読み出して光ディスク50Bに書き込んでいる間にも、ストリームバッファ23には、ENC/DEC部22から出力されたストリームデータが継続的に溜め込まれることになる。CPU12は、ストリームバッファ23のデータ畜量と内蔵記録媒体51に書き込まれている退避データとを監視し、ストリームバッファ23に対して所定量Dthのストリームデータが溜め込まれた時点で、内蔵記録媒体51に、光ディスク50Bに未だ書き込んでいない退避データが存在するか否かを判断する。
光ディスク50Bに未だ書き込んでいない退避データが内蔵記録媒体51内に存在すると判断された場合には、ストリームバッファ23から記録単位分が読み出されたストリームデータが内蔵記録媒体51に書き込まれ退避されると共に、内蔵記録媒体51中に存在する、光ディスク50Bに未だ書き込んでいない退避データを光ディスク50Bに書き込む。一方、光ディスク50Bに未だ書き込んでいない退避データが内蔵記録媒体51内に存在しないと判断された場合には、ストリームバッファ23からから記録単位分が読み出されたストリームデータを、光ディスク50Bに書き込む。そして、これ以降は、ストリームバッファ23から読み出されたストリームデータは、光ディスク50Bに書き込まれる。
図33は、光ディスク交換時の一例の記録制御を示す。この図33の各処理は、主にCPU12により制御される。先に書き込みを行っていた光ディスク50Aが排出され、次に光ディスク50Bが装填されると、CPU12により、この光ディスク50Bがストリームデータの書き込み可能な状態となっているか否かが判断される(ステップS50)。
若し、例えば光ディスク50Bに対する認識処理や初期化処理が未だ完了しておらず、当該光ディスク50Bが書き込み可能な状態となっていないとステップS50で判断されれば、処理はステップS51に移行され、ストリームバッファ23に所定量Dthのストリームデータが溜め込まれたか否かが判断される。溜め込まれていないと判断されれば、処理はステップS50に戻され、溜め込まれたと判断されれば、ストリームバッファ23から記録単位分のデータを読み出し、読み出されたデータを内蔵記録媒体51に書き込み、ストリームデータを退避させる(ステップS52)。そして、処理がステップS50に戻される。
ステップS50で、新規に装填された光ディスク50Bがストリームデータの書き込み可能な状態となったと判断されれば、処理はステップS53に移行される。ステップS53では、内蔵記録媒体51内に、光ディスク50Bに書き込むべきストリームデータすなわち退避データが存在するか否かが判断される。若し、存在すると判断されれば、処理はステップS54に移行され、ストリームバッファ23に所定量Dth以上のストリームデータが溜め込まれたか否かが判断される。
若し、ステップS54で、所定量Dth以上のストリームデータがストリームバッファ23に溜め込まれていると判断されれば、処理はステップS55に移行される。ステップS55では、ストリームバッファ23から記録単位分のストリームデータを読み出し、読み出した当該ストリームデータを内蔵記録媒体51に書き込む。記録単位分のストリームデータが内蔵記録媒体51に書き込まれ、ストリームデータが内蔵記録媒体51に退避されると、処理はステップS53に戻される。
一方、ステップS54で、所定量Dth以上のストリームデータがストリームバッファ23に溜め込まれていないと判断されれば、処理はステップS56に移行される。ステップS56では、内蔵記録媒体51に書き込まれている記録単位分の退避データが光ディスク50Bに書き込まれる。記録単位分の退避データが光ディスク50Bに書き込まれると、処理はステップS53に戻される。
若し、ステップS53で、内蔵記録媒体51内に、光ディスク50Bに書き込むべき退避データが存在しないと判断されれば、処理はステップS57に移行される。そして、ストリームバッファ23に溜め込まれたストリームデータが光ディスク50Bに書き込まれる。すなわち、ステップS57では、ストリームバッファ23に所定量Dth以上のストリームデータが溜め込まれる毎に、記録単位分のストリームデータを光ディスク50Bに書き込む、通常の光ディスクに対する間欠的な書き込み処理に移行される。
なお、上述では、光ディスク50Aから光ディスク50Bへの交換に伴い内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを、交換後の光ディスク50Bが書き込み可能となったタイミングで当該光ディスク50Bに書き込むようにしているが、これはこの例に限定されない。
例えば、ストリームデータの記録動作の停止後に、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを光ディスク50Bに書き込むようにしてもよい。一例として、ユーザによりUI部17に対して記録停止の操作がなされた時点で、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを光ディスク50Bに書き込むことが考えられる。これは、ユーザが光ディスクの交換に手間取り、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データのデータ量が多くなりすぎた場合や、光ディスクに対する書き込み速度が遅い場合に、特に有効である。
またこの場合、光ディスク50の書き込み速度、内蔵記録媒体51の書き込み速度および読み出し速度、ストリームデータの記録ビットレート、光ディスク50の交換時に内蔵記録媒体51に書き込まれたデータ量などに基づき、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを、交換後の光ディスク50Bが書き込み可能となったタイミングで当該光ディスク50Bに書き込むか、ストリームデータの記録動作の停止後に、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを光ディスク50に書き込むかを自動的に選択することも可能である。
なお、内蔵記録媒体51に書き込まれた退避データを、ストリームデータの記録動作の停止後に記録する場合、内蔵記録媒体51に書き込まれた当該データを交換後の光ディスク50Bに書き込むことを前提として、光ディスク50Bの記録可能容量などを確認する必要がある。
図34は、内蔵記録媒体51における退避データの一例の管理構造を示す。内蔵記録媒体51に対して退避データを記録する際には、図6を用いて説明した、通常の記録時に内蔵記録媒体51に対してストリームデータを記録する際の管理構造とは異なる管理構造でデータを格納する。より具体的な例として、図34に例示されるように、ルートディレクトリの直下に置かれるディレクトリを例えばディレクトリ"AVCHD_TMP"として、図6に例示される、通常記録時のディレクトリ構造と異ならせる。これにより、例えば記録再生装置1における電源の瞬断などのような不測の事態においても、内蔵記録媒体51に記録された退避データを即座に判別することができる。
また、退避データのディレクトリ構造において、ディレクトリ"BDMV"直下のファイル"INDEX.BDM"およびファイル"MOVIEOBJ.BDM"は、作成されない。同様に、ディレクトリ"PLAYLIST"下のプレイリストに関するファイルであるファイル"00000.MPL"も作成されない。また、クリップインフォメーションファイル"00000.CPI"は、省略することができる。
4−2.実施の第1の形態によるストリームデータファイルの結合処理について
次に、ストリームデータファイルの結合処理について説明する。連続的に生成され複数枚の光ディスク50A、50B、・・・に亘って分割して記録したストリームデータファイルを、後に、より記録容量の大きな1の記録媒体に纏めて保存することが考えられる。この場合、この記録媒体を再生した際に、ユーザが意識することなく、これら複数のストリームファイルが時間的に連続した1のコンテンツとして再生できるようにオーサリングされることが望ましい。
そこで、この実施の第1の形態では、時間的に先行するクリップAVストリームファイルとの接続状態を管理するための接続状態管理情報を定義し、この接続状態管理情報をクリップAVストリームファイルに対応付けて、光ディスク50に記録する。そして、複数枚の光ディスク50A、50B、・・・に亘って分割して記録したストリームデータファイルに対する上述のオーサリングを行う際に、この接続状態管理情報に基づき、オーサリング対象の複数のストリームデータファイルが時間的に連続したコンテンツであって、且つ、未編集であるか否かを確認する。
接続状態管理情報に基づく確認の結果、オーサリング対象の複数のストリームデータファイルが時間的に連続したコンテンツ、且つ、未編集のコンテンツであるとされれば、チャプタを結合し、オーサリング対象の複数のストリームデータファイルを時間的に連続したコンテンツとして再生可能とする。
接続状態管理情報は、CPU12によりRAM13上に生成され、例えば光ディスク50の排出時や、光ディスク50をドライブ装置25に装填したまま記録再生装置1の電源をOFFにした際に、管理情報、すなわちインデックスファイル"index.bdmv"、ムービーオブジェクトファイル"MovieObject.bdmv"、プレイリストファイル"xxxxx.mpls"およびクリップインフォメーションファイル"zzzzz.clpi"と共に、光ディスク50に対して記録される。
4−2−1.接続状態管理情報について
図35は、接続状態管理情報の一例の構造を示す。それぞれ32ビットのデータ長で、データPRODUCT_SERIAL_NUMBER、データCONTENTS_SERIAL_NUMBER、データPRESENTATION_START_STC_ID、データPRESENTATION_START_TIME、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIME、データPRESENTATION_END_STC_IDおよびデータPRESENTATION_END_TIMEが記述される。この接続状態管理情報の構造体は、例えば、図26を用いて説明した、クリップインフォメーションファイルにおけるブロックblkMakersPrivateData()内の、ブロックDataBlock()に格納される。この接続状態管理情報は、対応するクリップAVストリームファイルの生成時におけるオリジナルの情報を保持する。
データPRODUCT_SERIAL_NUMBERは、対応するクリップAVストリームファイルを記録したセットの製造番号が記述される。データCONTENTS_SERIAL_NUMBERは、対応するクリップAVストリームファイルに対して付される連続番号が記述される。この連続番号は、例えば、記録再生装置1においてクリップAVストリームファイルが生成される毎に1ずつインクリメントされて生成され、十分大きな所定値でリセットするような値を用いることができる。以下では、データCONTENTS_SERIAL_NUMBERは、0から開始され、クリップAVストリームファイルの生成毎に1ずつインクリメントされ、所定の最大値Maximun_Numberでリセットされ再び0からインクリメントされるものとする。
データPRESENTATION_START_STC_IDおよびデータPRESENTATION_START_TIMEは、対応するクリップAVストリームファイルの表示を開始する時刻に対応する情報を、それぞれSTCのIDおよびPTSで示す。また、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEは、対応するクリップAVストリームファイルを表示可能な時刻をPTSで示す。また、データPRESENTATION_END_STC_IDおよびデータPRESENTATION_END_TIMEは、対応するクリップAVストリームファイルの表示が終了される時刻に対応する情報を、それぞれSTCのIDおよびPTSで示す。
4−2−1−1.圧縮符号化方式に関する概略的な説明
ここで、これらクリップAVストリームファイルの表示を開始する時刻および表示可能な時刻に関する理解を深めるために、この実施の第1の形態に適用可能なディジタルビデオデータの圧縮符号化方式であるMPEG2およびH.264|AVCにおける圧縮符号化処理について、概略的に説明する。これらMPEG2およびH.264|AVCにおいては、直交変換などを用いたフレーム内符号化を行うと共に、動き補償を用いた予測符号化によるフレーム間符号化をさらに行い、圧縮率を高めている。以下、MPEG2を例にとって、予測符号化によるフレーム間圧縮について説明する。
先ず、MPEG2のデータストリーム構造について、概略的に説明する。MPEG2は、動き補償予測符号化と、DCTによる圧縮符号化とを組み合わせたものである。MPEG2のデータ構造は、階層構造をなしており、下位から、ブロック層、マクロブロック層、スライス層、ピクチャ層、GOP層およびシーケンス層となっている。ブロック層は、DCTを行う単位であるDCTブロックからなる。マクロブロック層は、複数のDCTブロックで構成される。スライス層は、ヘッダ部と、1以上のマクロブロックより構成される。ピクチャ層は、ヘッダ部と、1以上のスライスとから構成される。ピクチャは、1画面に対応する。各層の境界は、それぞれ所定の識別符号で識別可能なようになっている。
GOP層は、ヘッダ部と、フレーム内符号化に基づくピクチャであるI(Intra-coded)ピクチャと、予測符号化に基づくピクチャであるP(Predictive-coded)ピクチャB(Bi-directionally predictive coded)ピクチャとから構成される。Iピクチャは、それ自身の情報のみでデコードが可能であり、PおよびBピクチャは、基準画像として前あるいは前後の画像が必要とされ、単独ではデコードされない。例えばPピクチャは、自身より時間的に前のIピクチャまたはPピクチャを基準画像として用いてデコードされる。また、Bピクチャは、自身の前後のIピクチャまたはPピクチャの2枚のピクチャを基準画像として用いてデコードされる。最低1枚のIピクチャを含むそれ自身で完結したグループをGOP(Group Of Picture)と呼び、MPEGのストリームにおいて独立してアクセス可能な最小の単位とされる。
GOPは、1または複数のピクチャから構成される。以下では、GOPは、複数のピクチャから構成されるものとする。GOPにおいて、GOP内で完全にデコードが可能な、GOPで閉じた構造を持つクローズドGOPと、デコードの際に符号化順で1つ前のGOPの情報を用いることができるオープンGOPとの2種類がある。オープンGOPは、クローズドGOPと比較して、より多くの情報を用いてデコードできるため高画質を得られ、一般的に用いられている。
図36を用いて、フレーム間圧縮を行ったデータのデコード処理について説明する。ここでは、1GOPが1枚のIピクチャ、4枚のPピクチャおよび10枚のBピクチャの、計15枚のピクチャから構成されるものとする。GOP内のI、PおよびBピクチャの表示順は、図36Aに一例が示されるように、「B01234567891011121314」のようになる。なお、添え字は表示順を示す。
この例では、最初の2枚のB0ピクチャおよびB1ピクチャは、1つ前のGOPにおける最後尾のP14ピクチャと、このGOP内のI2ピクチャを用いて予測されデコードされたピクチャである。GOP内の最初のP5ピクチャは、I2ピクチャから予測されデコードされたピクチャである。他のP8ピクチャ、P11ピクチャおよびP14は、それぞれ1つ前のPピクチャを用いて予測されデコードされたピクチャである。また、Iピクチャ以降の各Bピクチャは、それぞれ前後のIおよび/またはPピクチャから予測されデコードされたピクチャである。
一方、Bピクチャは、時間的に前後のIまたはPピクチャを用いて予測されデコードされるため、ストリームや記録媒体上におけるI、PおよびBピクチャの並び順は、デコーダにおけるデコードの順序を考慮して決める必要がある。すなわち、BピクチャをデコードするためのIおよび/またはPピクチャは、当該Bピクチャよりも常に先にデコードされていなければならない。
上述の例では、ストリームや記録媒体上の各ピクチャの配列は、図36Bに例示されるように、「I20153486711910141213」のようになり、この順でデコーダに入力される。なお、添え字は、図36Aに対応し、表示順を示す。
デコーダにおけるデコード処理は、図36Cに示されるように、先ずI2ピクチャをデコードし、デコードされたこのI2ピクチャと1つ前のGOPにおける最後尾(表示順)のP14ピクチャとによりB0ピクチャおよびB1ピクチャを予測しデコードする。そして、B0ピクチャおよびB1ピクチャをデコードされた順にデコーダから出力し、次にI2ピクチャを出力する。B1ピクチャが出力されると、次にP5ピクチャがI2ピクチャを用いて予測されデコードされる。そして、I2ピクチャおよびP5ピクチャを用いてB3ピクチャおよびB4ピクチャが予測されデコードされる。そして、デコードされたB3ピクチャおよびB4ピクチャをデコードされた順にデコーダから出力し、次にP5ピクチャを出力する。
以下、同様にして、Bピクチャの予測に用いるPまたはIピクチャをBピクチャより先にデコードし、このデコードされたPまたはIピクチャを用いてBピクチャを予測してデコードし、デコードされたBピクチャを出力してから、当該Bピクチャをデコードするために用いたPまたはIピクチャを出力する処理が繰り返される。記録媒体上やストリームにおける図36Bのようなピクチャ配列は、一般的に用いられるものである。
4−2−1−2.ストリームの分割および結合について
この実施の第1の形態のように、時間的に連続するビデオストリームを複数の光ディスク50A、50B、・・・に分割して記録するような場合に、光ディスク50A、50B、・・・それぞれ単体でのビデオストリームの再生を可能とするためには、ビデオストリームの分割位置をGOP境界とする必要がある。例えば、図37Aに例示されるように、GOP#1、GOP#2の順にビデオストリームがENC/DEC部22で生成されるとき、GOP#1とGOP#2の境界位置Aでビデオストリームを分割する。すなわち、境界位置Aは、ストリーム上の位置では、GOP#1の最後尾のB13ピクチャと、GOP#2の先頭のI2ピクチャとの間、表示上の時刻では、GOP#1の最後に表示されるPピクチャ14とGOP#2の最初に表示されるB0ピクチャの間となる。
このようにして分割されたストリームを分割面で結合し、1のストリームとしてデコードする場合にについて考える。図37Bに例示されるように、境界位置Aに対して時間的に直前のGOP#1は、ストリーム上の最後尾のB13ピクチャの末尾が分割面とされ、境界位置Aに対して時間的に直後のGOP#2は、ストリーム上の先頭のI2ピクチャの先頭が分割面とされる。したがって、これらGOP#1およびGOP#2を分割面で結合した場合、GOP#2の表示順で先頭および2番目となるB0ピクチャおよびB1ピクチャは、GOP#1のP14ピクチャと、GOP#1のI2ピクチャとを用いてデコードが可能である。これは、GOP#1とGOP#2とがシームレス接続可能であることを意味する。
一方、分割されたストリームを単独でデコードする場合には、図37Cに例示されるように、例えばGOP#2がオープンGOPであれば、表示順で先頭および2番目となるB0ピクチャおよびB1ピクチャは、先行する参照ピクチャであるP14ピクチャを用いることができないため、デコードできない。そのため、GOP#2は、I2ピクチャから表示が可能となり、B0ピクチャおよびB1ピクチャは、捨てられる。この場合、GOP#2は、例えば先行するGOP#1に対してシームレス接続できない。
図35の接続状態管理情報の説明に戻り、データPRESENTATION_START_TIMEは、より具体的には、ストリームを分割した境界位置に対して時間的に直後のGOPにおける、表示順で先頭となるピクチャの表示開始時刻を示す。
図37Bを用いて説明した、連続したGOP#1とGOP#2との境界位置Aでストリームを分割した例では、GOP#1の最終ピクチャの直後にGOP#2の先頭ピクチャが表示されることで、GOP#1とGOP#2とがシームレスに接続される。すなわち、GOP#2は、表示順で先頭であるB0ピクチャから表示が開始される。したがって、境界位置Aの直後のGOP#2において、B0ピクチャに対して定義された表示開始時刻が、データPRESENTATION_START_TIMEによりPTSで示される。また、データPRESENTATION_START_STC_IDは、表示開始されるSTCシーケンスのID(stc_id)が示される。
一方、図37Cを用いて説明した、単独でデコードされるストリームの例では、図37Cに示すGOP#2がオープンGOPであれば、I2ピクチャから表示が開始されることになる。そこで、表示順で先頭とされるI2ピクチャに対して定義された表示開始時刻が、データPRESENTATION_START_TIMEによりPTSで示される。また、データPRESENTATION_START_STC_IDは、表示開始されるSTCシーケンスのID(stc_id)が示される。
このように、ストリームの構成がオープンGOPとなっている場合、先行するストリームとシームレス接続するか否かで、表示開示時刻が異なる。
データPRESENTATION_END_TIMEは、より具体的には、ストリームを分割した境界位置に対して時間的に直前のGOPにおける、表示順で最後尾となるピクチャの表示終了時刻を示す。図37Bを用いて説明した、境界位置Aの直前のGOP#1を含むクリップAVストリームファイルの例では、GOP#1の表示順で最後のP14ピクチャに対して定義された表示終了時刻が、データPRESENTATION_END_TIMEによりPTSで示される。また、データPRESENTATION_END_STC_IDは、表示終了されるSTCシーケンスのID(stc_id)が示される。
データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEは、分割されたストリームの先頭のGOPにおいて表示開始が可能となるピクチャに対して定義された表示開始時刻がPTSで示される。GOPにおいて表示順で先頭となるB0ピクチャは、オープンGOPであっても、先行するGOPに対応する参照ピクチャであるP14ピクチャが存在すれば、当該B0ピクチャから表示開始可能となる。したがって、B0ピクチャに対して定義された表示開始時刻が、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEによりPTSで示される。
すなわち、図37Bに例示されるストリームのうちGOP#2側において、オープンGOPであれば、先頭のB0ピクチャおよびB1ピクチャは、GOP#2を単独でデコードした場合には、先行する参照ピクチャである、直前のGOPにおけるP14ピクチャが無いのでデコードできない。しかしながら、図37BにGOP#1として示されるように、これらB0ピクチャおよびB1ピクチャに対する、先行する参照ピクチャであるP14ピクチャが存在する場合には、これらB0ピクチャおよびB1ピクチャは、このGOP#1のP14ピクチャと、GOP#2のI2ピクチャとを用いてデコード可能である。そのため、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEとして、B0ピクチャに対して定義された表示開始時刻が用いられる。
4−2−2.オーサリング処理について
次に、複数の光ディスク50A、50B、・・・に分割して記録されたクリップAVストリームファイルを、時間的に連続した1のコンテンツとして再生可能とするためのオーサリング処理について説明する。先ず、図38および図39を用いて、このオーサリング処理について概略的に説明する。
一例として、図38に示されるように、光ディスク50Aには、リアルプレイリストファイル70中のプレイアイテム71A、71Bおよび71Cにそれぞれ再生位置を指定されるクリップAVストリームファイル72A、72Bおよび72Cが記録されているものとする。これらクリップAVストリームファイル72A、72Bおよび72Cは、それぞれクリップインフォメーションファイル73A、73Bおよび73Cが対応付けられている。また、リアルプレイリストファイル70において、プレイアイテム71A、71Bおよび71Cそれぞれに指定されるIN点に対応する位置に、マーク#0、#1および#2が打たれ、チャプタが定義されている。さらに、リアルプレイリストファイル70は、インデックスファイル74から参照されるムービーオブジェクトファイル75から呼び出される。
同様に、光ディスク50Bには、リアルプレイリストファイル76中のプレイアイテム77Aおよび77Bにそれぞれ再生位置を指定されるクリップAVストリームファイル78Aおよび78Bが記録されているものとする。これらクリップAVストリームファイル78Aおよび78Bは、それぞれクリップインフォメーションファイル79Aおよび79Bが対応付けられている。また、リアルプレイリストファイル76において、プレイアイテム77Aおよび77Bそれぞれに指定されるIN点に対応する位置に、マーク#3および#4が打たれ、チャプタが定義されている。さらに、リアルプレイリストファイル76は、インデックスファイル80から参照されるムービーオブジェクトファイル81に呼び出される。
ここで、光ディスク50Aに記録されるクリップAVストリームファイル72Cと、光ディスク50Bに記録されるクリップインフォメーションファイル77Aとが、記録時に、連続的に供給されたストリームデータが分割されて生成されたファイルであるものとする。
すなわち、継続的に供給されるストリームデータの記録に際し、当初、記録再生装置1のドライブ装置25に光ディスク50Aが装填され、当該ストリームデータがクリップAVストリームファイル72Cとしてこの光ディスク50Aに記録される。そして、所定のタイミングで光ディスク50Aがドライブ装置25から排出され、次の光ディスク50Bがドライブ装置25に装填される。既に説明したようにしてストリームデータの退避処理および退避データの光ディスク50Bへの書き込みなどが所定に行われた後、ストリームデータがクリップAVストリームファイル77Aとして光ディスク50Bに記録される。
これら光ディスク50Aおよび50Bに記録されたクリップAVストリームファイル72A〜72C、ならびに、77Aおよび77Bを、図39に例示されるように、記録容量の十分大きな記録媒体52に纏めて記録する。このときに、記録時にストリームデータを分割して生成されたクリップAVストリームファイル72CとクリップAVストリームファイル78Aとが、時間的に連続した1のコンテンツとして再生可能なようにオーサリングする。
なお、記録媒体52は、例えば光ディスク50Aや光ディスク50Bより十分容量の大きな他の光ディスクである。このオーサリング処理は、記録再生装置1により行ってもよいし、パーソナルコンピュータなど、光ディスク50A、50Bが対応する他の機器を用いて行ってもよい。記録再生装置1を用いる場合は、光ディスク50Aおよび50Bの記録内容を内蔵記録媒体51にそれぞれコピーし、コピーされたデータを用いてオーサリング処理を行うことが考えられる。パーソナルコンピュータを用いる場合にも同様に、パーソナルコンピュータに内蔵または接続されるハードディスクに対して光ディスク50Aおよび50Bの記録内容をそれぞれコピーする。パーソナルコンピュータに、光ディスク50に対応したドライブ装置を複数設け、光ディスク50Aおよび50Bと、光ディスクである記録媒体52とをそれぞれドライブ装置に装填して処理を行うこともできる。
概略的なオーサリングの例としては、光ディスク50Aを基準とし、クリップAVストリームファイル72A〜72Cが記録媒体52にコピーされると共に、光ディスク50B上のクリップAVストリームファイル78Aおよび78Bが、それぞれファイル名が重複しないように所定に変更されて、記録媒体52にコピーされる。同様に、光ディスク50A上のクリップインフォメーションファイル73A〜73Cが記録媒体52にコピーされる。また、光ディスク50B上のクリップインフォメーションファイル79Aおよび79Bに対し、それぞれファイル名が重複しないように所定に変更されると共に、対応するクリップAVストリームファイル78Aおよび78Bのファイル名の変更が反映される。
クリップAVストリームファイル72A〜72C、ならびに、クリップインフォメーションファイル79Aおよび79Bをそれぞれ参照するプレイアイテム83A〜83Eを含むリアルプレイリストファイル82が生成され、記録媒体52に記録される。また、リアルプレイリストファイル82を呼び出すためのムービーオブジェクトファイル84と、当該ムービーオブジェクトファイル84を参照するインデックスファイル85とが記録媒体52に記録される。
リアルプレイリストファイル82は、光ディスク50Aおよび50Bに記録されているリアルプレイリストファイル70および76の設定を引き継いで生成することができる。例えば、リアルプレイリストファイル70および76それぞれに含まれるプレイアイテムの情報や、マーク情報(図15参照)が、記録媒体52上に生成されるリアルプレイリストファイル82に対して引き継がれる。
リアルプレイリストファイル82の生成時に、クリップAVストリームファイル72Cに対応するクリップインフォメーションファイル73Cと、クリップAVストリームファイル78Aに対応するクリップインフォメーションファイル79Aとにそれぞれ格納される接続状態管理情報に基づき、クリップAVストリームファイル72CとクリップAVストリームファイル78Aとが時間的に連続したコンテンツであって、且つ、未編集であるか否かを確認する。
確認の結果、クリップAVストリームファイル72CとクリップAVストリームファイル78Aとが時間的に連続したコンテンツであって、且つ、未編集であるとされた場合、クリップAVストリームファイル72CとクリップAVストリームファイル78Aとが1のチャプタとして連続的に再生可能となるように、所定に処理がなされる。
すなわち、プレイアイテム83Dにおいて、フィールドConnectionConditionの値が"6"とされ、クリップAVストリームファイル72CとクリップAVストリームファイル77Aとの接続方法が、上述した第2のシームレス接続となるように設定される(図13および図14B参照)。
また、リアルプレイリストファイル82において、クリップAVストリームファイル78Aの先頭に対応して打たれていたマークが削除される。すなわち、リアルプレイリストファイル82に格納されるブロックblkPlayListMark()において(図15参照)、クリップAVストリームファイル78Aに対してIN点およびOUT点を指定するプレイアイテムに対応するマーク情報が削除される。
これらの、フィールドConnectionConditionの値の設定と、マーク情報の削除により、クリップAVストリームファイル72CおよびクリップAVストリームファイル78Aが1チャプタに結合され、1の連続したコンテンツとして再生可能とされる。
なお、上述では、記録媒体52が光ディスク50Aや光ディスク50Bより十分容量の大きな他の光ディスクであるとして説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、記録媒体52は、記録再生装置1の入出力I/F15で以て接続可能な大容量なハードディスク装置でもよい。記録媒体52として十分に記録容量の大きな半導体メモリを用いることも考えられる。
4−2−3.接続状態管理情報に基づくチャプタ結合可否判定処理
図40および図41のフローチャートを用いて、接続状態管理情報に基づくチャプタ結合可否判定の一例の処理について説明する。なお、図40および図41のフローチャートにおいて、符号「A」は、対応する符号に処理が移行されることを示す。ここでは、図38および図39を用いて上述した、光ディスク50Aおよび光ディスク50Bの記録内容を、より記録容量の大きな例えば他の光ディスクである記録媒体52に対して纏めて保存し、その際に、光ディスク50Aに記録されるクリップAVストリームファイル72Cと、光ディスク50Bに記録されるクリップAVストリームファイル77Aとを、1チャプタに結合して1の連続したコンテンツとして再生可能なようにオーサリングする場合を例にとって説明する。
最初のステップS100で、結合判定を行う境界に対して先行するディスクのリアルプレイリストにより参照されるクリップインフォメーションファイルのうち、最終のクリップインフォメーションファイル(以下、先行ディスクの最終クリップインフォメーションファイルと呼ぶ)から、接続状態管理情報が取得される。結合判定境界は、例えば記録時に光ディスクの交換に伴いストリームデータの分割を行った境界位置に対応し、結合判定境界に対して先行するディスクは、図38の例では、光ディスク50Aに相当する。光ディスク50Aのリアルプレイリストファイル70から最終のプレイアイテム71Cが検索され、当該プレイアイテム71Cに参照されるクリップインフォメーションファイル73Cに格納されるブロックblkExtensionData()中のブロックblkMakersPrivateData()から、ブロックDataBlock()の値が取り出される(図16、図25および図26参照)。
ステップS101では、ステップS100で先行ディスクから接続状態管理情報が取得できたか否かが判断される。若し、取得できたと判断されれば、処理はステップS102に移行される。一方、先行ディスクから接続状態管理情報が取得できないと判断された場合には、結合不可とされ、一連の処理が終了される。
ステップS102では、ステップS100と同様にして、結合判定境界に対して後続するディスクのリアルプレイリストにより参照されるクリップインフォメーションファイルのうち、先頭のクリップインフォメーションファイル(以下、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルと呼ぶ)から、接続状態管理情報が取得される。図38の例では、光ディスク50Bが結合判定境界に対して後続するディスクであって、光ディスク50Bのリアルプレイリストファイル76から先頭のプレイアイテムに参照されるクリップインフォメーションファイル78Aに格納されるブロックblkExtensionData()中のブロックblkMakersPrivateData()から、ブロックDataBlock()の値が取り出される。
ステップS103では、ステップS102で後続ディスクから接続状態管理情報が取得できたか否かが判断される。若し、取得できたと判断されれば、処理はステップS104に移行される。一方、先行ディスクから接続状態管理情報が取得できないと判断された場合には、結合不可とされ、一連の処理が終了される。
なお、ステップS101およびステップS103において、先行または後続ディスクから接続状態管理情報が取得できないと判断される要因としては、光ディスク50Aまたは50Bにおいて、ディスクエラーなどの原因により当該データにアクセスできなかった場合が考えられる。また、光ディスク50Aまたは50Bのうち一方が他機により記録されたディスクであって、接続状態管理情報が当初から存在していない場合も考えられる。
ステップS104では、先行ディスクから取得された接続状態管理情報のデータPRODUCT_SERIAL_NUMBERと、先行ディスクから取得された接続状態管理情報のデータPRODUCT_SERIAL_NUMBERとが比較される。比較の結果、両者が一致すると判断されれば(ステップS105)、処理はステップS106に移行される。一方、両者が一致しないと判断されれば、結合不可とされ、一連の処理が終了される。
ステップS106では、先行ディスクから取得された接続状態管理情報のデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERと、後続ディスクから取得された接続状態管理情報のデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERとが比較される。比較の結果に基づき、ステップS107で、両者が連続値であるか否かが判断される。例えば、先行ディスクにおけるデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERに1を加えた値が、後続ディスクにおけるデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERの値と一致すれば、両者が連続値であると判断できる。
なお、上述したように、データCONTENTS_SERIAL_NUMBERは、所定の最大値Maximun_Numberでリセットされ再び0からインクリメントされる。このステップS106の比較処理でも、このことが考慮され、先行ディスクにおけるデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERが所定の最大値Maximun_Numberであった場合には、後続ディスクにおけるデータCONTENTS_SERIAL_NUMBERが0であれば、両者が連続値であると判断する。
ステップS106での比較の結果、両者が連続値であると判断されれば(ステップS107)、処理はステップS108に移行される。一方、両者が一致しないと判断されれば、結合不可とされ、一連の処理が終了される。
ステップS108では、先行ディスクの最終クリップインフォメーションファイルが編集されているか否かがチェックされる。これは、すなわち、当該クリップインフォメーションファイルに対応するクリップAVストリームファイルが編集されているか否かをチェックすることに他ならない。これは、後述するステップS110におけるチェックでも同様である。チェック結果に基づきステップS109で当該クリップインフォメーションファイルが編集されているか否かが判断され、編集されていると判断されれば、結合不可とされ、一連の処理が終了される。一方、編集されていないと判断されれば、処理はステップS110に移行される。
ステップS110では、同様にして、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルが編集されているか否かがチェックされ、チェック結果に基づき、ステップS111で、当該クリップインフォメーションファイルが編集されているか否かが判断される。編集されていると判断されれば、結合不可とされ、一連の処理が終了される。一方、編集されていないと判断されれば、処理は図41のステップS112に移行される。ステップS108およびステップS110におけるクリップインフォメーションファイルが編集されているか否かをチェックするための処理については、後述する。
説明は図41のフローチャートに移り、ステップS112では、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルにおける接続状態管理情報について、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEと、データPRESENTATION_START_TIMEとが比較される。この比較の結果に基づき、ステップS113で、表示開始可能時刻すなわちデータPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEが、データPRESENTATION_START_TIMEで示される表示開始時刻よりも先行しているか否かが判断される。
このステップS113の判断により、この後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルが対応するクリップAVストリームが、先行ディスクの最終クリップインフォメーションファイルが対応するクリップAVストリームに対してシームレス接続されるか否かが判断される。
すなわち、図37を用いて既に説明したように、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルの先頭のGOPが、先行ディスクの最終クリップインフォメーションファイルの最終GOPとシームレス接続される場合には、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルの接続状態管理情報において、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEと、上述したデータPRESENTATION_START_TIMEとが等しくなる。一方、シームレス接続を行わない場合には、データPRESENTATION_START_TIMEがI2ピクチャの表示開始時間となるため、このデータPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEと、上述したデータPRESENTATION_START_TIMEとが等しくならず、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEがデータPRESENTATION_START_TIMEに対して先行することになる。
したがって、ステップS113で、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEで示される時刻が、データPRESENTATION_START_TIMEで示される表示開始時刻よりも先行していると判断された場合には、処理はステップS114に移行され、シームレス接続を行わないとされる。すなわち、ステップS114では、リアルプレイリストファイルに格納される、対応するブロックblkPlayItem()中のフィールドConnectionConditionの値が、シームレス接続を行わないことを示す値"1"とされる。そして、処理は後述するステップS119に移行される。
一方、ステップS113で、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEで示される時刻が、データPRESENTATION_START_TIMEで示される表示開始時刻よりも先行していないと判断されれば、シームレス接続を行うとされ、処理はステップS115に移行され、第2のシームレス接続方法で以てシームレス接続を行うとされる。そして、ステップS116で、後続ディスクの先頭のプレイアイテムの接続状態を、第2のシームレス接続を行うことを示す値"6"とする。より具体的には、光ディスク50Bのリアルプレイリストファイル76に格納される、先頭のプレイアイテム77Aに対応するブロックblkPlayItem()中のフィールドConnectionConditionの値が"6"とされる。
さらに、次のステップS117で、後続ディスクの先頭のプレイアイテムに記述されるIN点の情報を、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEで示される時刻に変更する。より具体的には、例えば、図13を参照し、光ディスク50Bのリアルプレイリストファイル76に格納される、先頭のプレイアイテム77Aに対応するブロックblkPlayItem()中のフィールドINTimeの値が、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEの値に変更される。
そして、次のステップS118で、後続ディスクの先頭クリップインフォメーションファイルの先頭STCの表示開始時刻を、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEで示される時刻に変更する。より具体的には、例えば、図18を参照し、光ディスク50Bのクリップインフォメーションファイル79Aに格納されるブロックblkSequenceInfo()中においてforループ文で記述されるフィールドSPNSTCStart[stc_id]のうち、ループ変数stc_id=0であるフィールドSPNSTCStart[stc_id]の値が、データPRESENTATION_START_ENABLE_TIMEの値に変更される。そして、処理がステップS119に移行される。
ステップS119では、後続ディスクの先頭のチャプタマークを削除し、後続ディスクの先頭リアルプレイリストを、先行ディスクの最終リアルプレイリストに結合する。
このステップS119の処理について、より具体的に説明する。例えば図38の例では、後続ディスクである光ディスク50B上には、プレイリストファイルはリアルプレイリストファイル76の1つのみが存在する。このリアルプレイリストファイル76に格納されるブロックblkPlayListMark()中のforループ文において、最初のマーク、すなわち、図15を参照して、ループ変数PL_mark_idが0のループとして記述されるフィールドreserved、フィールドMarkType、フィールドRefToPlayItemID、フィールドMarkTimeStamp、フィールドEntryESPIDおよびフィールドDurationの値が削除されると共に、フィールドNumberOfPlayMarksの値が1だけ減ぜられる。
また、図38の例では、先行ディスクである光ディスク50A上には、プレイリストファイルはリアルプレイリストファイル70の1つのみが存在する。このリアルプレイリストファイル70と、後続ディスクである光ディスク50B上の、上述のステップS116〜ステップS118までの処理とステップS119によるマーク情報の削除処理がなされ変更されたリアルプレイリストファイル76とから、記録媒体52に記録すべき新たなリアルプレイリストファイル82が生成される。例えば、リアルプレイリストファイル70に対して、変更されたプレイリストファイル76の内容を追加することが考えられる。
一例として、リアルプレイリストファイル70の内容に対し、図15に示されるブロックblkPlayListMark()について、変更されたリアルプレイリストファイル76のブロックblkPlayListMark()の内容が追加されると共に、図11に示されるブロックblkPlayList()について、変更されたリアルプレイリストファイル76に含まれるブロックblkPlayItem()が追加され、フィールドNumberOfPlayItemsの値が変更される。これらに伴い、図10に示される変更されたリアルプレイリストファイル76の内容において、各スタートアドレスの値が所定に変更される。
4−2−3−1.クリップインフォメーションファイルの編集の有無の判定について
次に、上述したステップS108およびステップS110における、クリップインフォメーションファイルが編集されているか否かをチェックする一例の処理について説明する。この実施の第1の形態においては、接続状態管理情報に格納されるSTCの情報、すなわちデータPRESENTATION_START_STC_IDに基づき、クリップインフォメーションファイルに格納される、対応するクリップAVストリームのSTCに関する情報が変更されているか否かを判断することで、編集の有無をチェックする。
ここで、STCについて、図42を用いて概略的に説明する。図18を用いて既に説明したように、MPEG2 TSにおける時間軸の基準であるPCRが連続な範囲を表すシーケンスSTCSequence(以下、STCシーケンスと呼ぶ)は、1のクリップ内で複数を含むことができる。STCシーケンス内では時間的に連続である必要があるが、1のクリップ内において、STCシーケンス同士は、時間的に不連続であってもよい。図42Aに例示されるように、STCシーケンスのそれぞれに対し、クリップの先頭から1ずつインクリメントされるID(ブロックblkSequenceInfo()中の値stc_id:図18参照)が付与されると共に、各々、開始時刻(ブロックblkSequenceInfo()中のフィールドPresentationStartTime:図18参照、図42中では「ST」と表記)および終了時刻(ブロックblkSequenceInfo()中のフィールドPresentationEndTime:図18参照、図42中では「EN」と表記)が定義される。この時刻STおよび時刻ENで示される範囲がこのクリップの有効な範囲であって、プレイアイテムから参照できる範囲とされる。
ここで、クリップに対して編集を行い、クリップの一部を削除することを考える。クリップの端部、例えば先頭側を削除した場合、図42Bに例示されるように、例えば値stc_idの最も小さいSTCシーケンスにおいて、開始時刻STが削除後の開始時刻ST'に変更され、開始時刻ST'より前部が削除される。これは、クリップの後端側を削除した場合も同様である。
一方、クリップの中間部分を削除した場合には、ATC(Arrival Time Clock)シーケンスの連続性も考慮に入れる必要がある。ATCシーケンスは、図42Dに例示されるように、クリップ内で連続している必要がある。編集などでATCシーケンスがクリップ内で不連続になってしまった場合には、そのクリップは、1のファイルとして存在できず、例えば不連続点を境界として2のファイルに分割される。
すなわち、STCシーケンスの観点から見た場合、図42Cに例示されるように、クリップは、削除部分の前後でファイル#1およびファイル#2のように分割され、それに伴い、STCシーケンスの開始時刻および終了時刻も変更または新たに設定される。図42Cの例では、削除部分の前側のファイル#1において、開始時刻STは変更されないが、終了時刻および終了時刻が含まれるSTCシーケンスが変更される。削除部分の後側のファイル#2についても同様に、終了時刻ENは変更されないが、開始時刻および開始時刻が含まれるSTCシーケンスが変更される。また、この図42Cの例では、ファイル#1およびファイル#2それぞれにおいて、元のクリップに対し、STCシーケンスの数が変更される。
図43は、クリップインフォメーションファイルに対する編集の有無をチェックする一例の処理を示すフローチャートである。この図43に例示されるフローチャートによる処理は、図40を用いて説明したフローチャートにおけるステップS108およびステップS110において実行されるものである。
最初のステップS120において、接続状態管理情報におけるデータPRESENTATION_START_STC_IDが指すSTCシーケンスの開始時刻を、当該接続情報管理情報におけるデータPRESENTATION_START_TIMEと比較する。より具体的には、図18を参照し、クリップインフォメーションファイルに格納されるブロックblkSequenceInfo()中のforループ文において、ループ変数stc_idがデータPRESENTATION_START_STC_IDの値と一致するフィールドPresentationStartTimeの値が取り出され、データPRESENTATION_START_TIMEと比較される。
ステップS120での比較の結果、一致すると判断されれば(ステップS121)、処理はステップS122に移行される。一方、一致しないと判断されれば、当該クリップインフォメーションファイルは編集されていると判断される。
ステップS122では、接続状態管理情報におけるデータPRESENTATION_END_STC_IDが指すSTCシーケンスの終了時刻を、当該接続情報管理情報におけるデータPRESENTATION_END_TIMEと比較する。より具体的には、図18を参照し、クリップインフォメーションファイルに格納されるブロックblkSequenceInfo()中のforループ文において、ループ変数stc_idがデータPRESENTATION_END_STC_IDの値と一致するフィールドPresentationEndTimeの値が取り出され、データPRESENTATION_END_TIMEと比較される。
ステップS122での比較の結果、一致すると判断されれば(ステップS123)、処理はステップS124に移行される。一方、一致しないと判断されれば、当該クリップインフォメーションファイルは編集されていると判断される。
ステップS124では、当該クリップインフォメーションファイルに記述されるSTCシーケンスの総数がチェックされる。より具体的には、図18を参照し、クリップインフォメーションファイルに格納されるブロックblkSequenceInfo()中のフィールドNumberOfSTCSequenceの値が取り出され、接続状態管理情報におけるデータPRESENTATION_END_STC_IDの値に1を加えた値と比較される。なお、データPRESENTATION_END_STC_IDの値に1を加えるのは、ブロックblkSequenceInfo()において、STCシーケンスの情報をフィールドNumberOfSTCSequenceに示される数だけ記述するforループ文のループ変数が0から始まるからである。
ステップS124の比較の結果、一致すると判断されれば(ステップS125)、当該クリップインフォメーションファイルは、編集されていないと判断される。一方、一致しないと判断されれば、当該クリップインフォメーションファイルは編集されていると判断される。
このように、この実施の第1の形態によれば、連続したストリームデータを光ディスクなどの着脱可能な記録媒体に記録する際に、ディスクを交換した際の認識処理や初期化処理などにより、当該光ディスクに対するストリームデータの記録が行えない場合に、当該光ディスクに記録できない期間のストリームデータを内蔵記録媒体に退避させる。そして、退避させたストリームは、交換後の光ディスクが記録可能となった時点で、内蔵記録媒体から当該交換後の光ディスクに書き込むようにしている。そのため、連続したストリームデータを、時間的に連続した状態で、複数の光ディスクに分割して記録することができる。
また、連続したストリームデータを複数の光ディスクに分割して記録する際に、ストリームデータの接続状態を管理する情報を生成し、この接続状態管理情報をストリームデータの管理情報に含めて記録するようにしている。そのため、ストリームデータが分割して記録された複数の光ディスクの記録内容を纏め、分割されたストリームデータを1チャプタに結合し、1の連続したコンテンツとして再生可能なようにオーサリングする処理を、容易に行うことができる。
5.実施の第2の形態について
次に、この発明の実施の第2の形態について説明する。この実施の第2の形態では、この発明を、撮像素子と、被写体からの光を撮像素子に入射させる光学系とを有し、撮像素子で撮像された撮像信号に基づきビデオデータを記録媒体に記録するようにした、ビデオカメラ装置に適用した。
図44は、この発明の実施の第2の形態によるビデオカメラ装置100の一例の構成を示す。記録系および制御系の構成は、図29を用いて説明した記録再生装置1の構成を略そのまま適用できるので、図29と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図44の構成において、カメラ部110は、映像信号に関する構成として、光学系111、撮像素子112、撮像信号処理部113、カメラ制御部114および表示部115を有し、音声信号に関する構成として、マイクロフォン(MIC)116および音声信号処理部117を有する。制御部10は、カメラ部110の各部との間で各種制御信号や情報のやりとりを行い、カメラ部110の動作を制御する。また、制御部10は、ユーザ操作に応じてUI部17から供給される制御信号に基づき、カメラ部110の動作を制御する。
なお、ビデオカメラ装置100として構成される場合、記録開始操作および記録停止操作は、例えば、UI部17に設けられた単一の記録スイッチを用い、当該記録スイッチが押下される毎に記録開始および記録停止が交互に指示されるようになされるのが一般的である。また、光ディスク50のイジェクト動作も、UI部17に対する所定の操作に応じて、制御部10により制御されて行われる。
カメラ部110において、光学系111は、被写体からの光を撮像素子112に導くためのレンズ系、絞り調整機構、フォーカス調整機構、ズーム機構、シャッタ機構などを備える。絞り調整機構、フォーカス調整機構、ズーム機構およびシャッタ機構の動作は、制御部10から供給される制御信号に基づき、カメラ制御部114により制御される。
撮像素子112は、例えばCCD(Charge Coupled Device)からなり、光学系111を介して照射された光を光電変換により電気信号に変換し、所定の信号処理を施し撮像信号として出力する。撮像信号処理部113は、撮像素子から出力された撮像信号に対して所定の信号処理を施し、ベースバンドのディジタルビデオデータとして出力する。
例えば撮像信号処理部113は、撮像素子112から出力された撮像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)回路により画像情報を有する信号だけをンプリングすると共に、ノイズを除去し、AGC(Auto Gain Control)回路によりゲインを調整する。そして、A/D変換によりディジタル信号に変換する。また、撮像信号処理部113は、このディジタル信号に対して検波系の信号処理を施し、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)各色の成分を取り出し、γ補正やホワイトバランス補正などの処理を行い、最終的に1本のベースバンドのディジタルビデオデータとして出力する。
また、撮像信号処理部113は、撮像素子112から出力された撮像信号の情報を制御部10に送る。制御部10は、この情報に基づき光学系111を制御するための制御信号を生成し、カメラ制御部114に供給する。カメラ制御部114は、この制御信号に基づきフォーカス調整機構や絞り調整機構などの制御を行う。
さらに、撮像信号処理部113は、撮像素子112から出力された撮像信号に基づき、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を表示素子として用いた表示部115に映出させる映像信号を生成する。
一方、マイクロフォン116は、周囲の音声を収音して電気信号に変換して出力する。マイクロフォン116から出力された音声信号は、音声信号処理部117に供給される。音声信号処理部117は、供給された音声信号を、リミッタを介してからA/D変換を施してディジタルオーディオデータとし、ノイズ除去や音質補正など所定の音声信号処理を施してベースバンドのディジタルオーディオデータとして出力する。
カメラ部110の撮像信号処理部113から出力されたベースバンドのディジタルビデオデータや、音声信号処理部117から出力されたベースバンドのディジタルオーディオデータは、記録部20に供給され、端子30を介してAV入出力制御部21に供給される。
記録停止状態からUI部17に設けられた記録スイッチが押下されると、記録開始を指示する制御信号がUI部17から制御部10に供給され、制御部10の制御に基づきカメラ部110から出力されたベースバンドのディジタルビデオ信号およびディジタルオーディオデータの光ディスク50への記録が開始される。
すなわち、既に説明したように、ビデオデータおよびオーディオデータは、AV入出力制御部21を介してENC/DEC部22に供給される。制御部10の制御に基づきENC/DEC部22の動作が開始され、ビデオデータおよびオーディオデータがそれぞれ圧縮符号化され、所定にパケット化され多重化されて、AVストリームデータとされる。AVストリームデータは、ストリームバッファ23を介してリード/ライト制御部24に供給され、ドライブ装置25に装填された光ディスク50Aに対してクリップAVストリームとして記録される。
例えば、光ディスク50Aに対するクリップAVストリームの記録容量が所定以上になり、ユーザによりUI部17に設けられたイジェクトボタンが操作される。このとき、光ディスク50Aに対して管理情報が書き込まれる。
例えば制御部10は、ENC/DEC部21やリード/ライト制御部24からの情報に基づき、光ディスク50Aに記録されるクリップAVストリームファイルに対応するクリップインフォメーションファイルを作成する。このとき、図35を用いて説明した接続状態管理情報が制御部10により作成され、クリップインフォメーションファイルに対して所定に格納される。また、制御部10は、当該クリップインフォメーションファイルを参照するプレイアイテムを生成し、既にプレイリストが存在する場合には、生成されたプレイアイテムを当該プレイリストに対して追加すると共に、プレイリストに対してプレイリストマークを打つ。
光ディスク50Aへの管理情報の書き込みに伴い、AVストリームデータの記録先が内蔵記録媒体51に切り替えられる。ENC/DEC部22から出力されたクリップAVストリームは、ストリームバッファ23を介してリード/ライト制御部24に供給され、内蔵記録媒体51に退避データとして記録される。
光ディスク50Aに対する管理情報の書き込みが終了すると、制御部10の制御により光ディスク50Aがドライブ装置25から排出される。ユーザは、撮影データの記録を継続させるために、次の光ディスク50Bをドライブ装置25に装填する。光ディスク50Bに対して認識処理および初期化処理が行われている間、AVストリームデータは、退避データとして内蔵記録媒体51に記録される。光ディスク50Bに対する認識処理および初期化処理が終了し、光ディスク50Bに対するAVストリームデータの書き込みが可能な状態になると、内蔵記録媒体51に記録された退避データが光ディスク50Bに対してコピーされ、その後、AVストリームデータの記録先が光ディスク50Bに切り替えられ、ストリームバッファ23から読み出されたAVストリームデータが光ディスク50Bに所定に記録される。
UI部17の記録スイッチが押下されると、記録が停止され、クリップインフォメーションファイルの作成や、プレイリストファイルの更新が行われる。制御部10は、ENC/DEC部22およびリード/ライト制御部24からの情報に基づき、光ディスク50Bに記録されるクリップAVストリームファイルに対応するクリップインフォメーションファイルを作成すると共に、接続状態管理情報を作成し、当該クリップインフォメーションファイルに所定に格納する。また、制御部10は、当該クリップインフォメーションファイルを参照するプレイアイテムを生成し、既にプレイリストが存在する場合には、生成されたプレイアイテムを当該プレイリストに対して追加すると共に、プレイリストに対してプレイリストマークを打つ。
この実施の第2の形態のように、この発明をビデオカメラ装置100に適用することで、ユーザは、光ディスク50に記録可能なデータ容量を超えて連続的に撮影を行うことができる。
また、光ディスク50に記録されたAVストリームデータの管理情報に、接続状態管理情報を含めるようにしているため、光ディスク50に記録可能なデータ容量を超えて連続的に撮影され、複数の光ディスク50、50、・・・に分割して記録されたAVストリームデータを、撮影時の状態で連続的に再生できるようにオーサリングする処理を、容易に行うことができる。なお、このオーサリング処理は、上述した実施の第1の形態による処理と共通なので、ここでの説明は省略する。
6.実施の第3の形態について
次に、この発明の実施の第3の形態について説明する。上述した実施の第1および第2の形態では、光ディスク50の交換時に、ストリームデータを内蔵記録媒体51に退避させるようにしている。これに対して、この実施の第3の形態では、記録装置の起動時や、記録開始に際して最初に装填された光ディスクの認識処理および初期化処理時に、ストリームデータを内蔵記録媒体に退避させる。そして、装填された光ディスクに対する認識処理や初期化処理が終了し、当該光ディスクに対するストリームデータの記録が可能となったら、内蔵記録媒体に退避された退避データを光ディスクにコピーし、その後、ストリームバッファから読み出したストリームデータを光ディスクに記録する。
図45を用いてより具体的に説明する。なお、この実施の第3の形態では、図29を用いて説明した記録再生装置1や、図44を用いて説明したビデオカメラ装置100をそのまま適用できる。以下では、図29に例示される記録再生装置1をこの実施の第3の形態に適用したものとして説明する。
一例として、予め光ディスク50がドライブ装置25に装填された状態で、記録再生装置1の電源をONとし、記録再生装置1を起動させた場合について考える。制御部10は、電源ONに応じて、記録再生装置1の各部に対する初期化処理など、装置起動時の所定の動作を行うように制御する。このとき、ドライブ装置25に光ディスク50が装填されていれば、当該光ディスクの認識処理が行われ、必要であれば、光ディスク50に対する初期化処理も行われる。
起動時の所定の動作により、記録再生部20の各部が作動可能な状態となり、内蔵記録媒体51が記録可能な状態とされる。端子30から入力されたビデオデータおよびオーディオデータは、AV入出力制御部21を介してENC/DEC部22に供給される。ENC/DEC部22では、ビデオデータおよびオーディオデータに対して所定に圧縮符号化処理を行い、さらにビデオデータおよびオーディオデータの多重化処理を行い、ストリームデータを生成する。このストリームデータは、ストリームバッファ23に溜め込まれる(図45A参照)。
一方、制御部10は、起動時の所定の動作により記録再生部20の各部が作動可能な状態となると、ドライブ装置25に装填された光ディスク50に対して認識処理を行い、必要ならば初期化処理を行う(図45C参照)。この認識処理および初期化処理の間は、光ディスク50に対するストリームデータの記録は行えない。この間に、ストリームバッファ23に所定量Dth以上のデータが溜め込まれると、ストリームバッファ23から記録単位分のデータが読み出され、読み出されたデータがリード/ライト制御部24により内蔵記録媒体51に対して退避データとして書き込まれる(図45B)。
図33のフローチャートを用いて説明したような記録制御により、光ディスク50に対するストリームデータの記録が可能となったと判断されたら、内蔵記録媒体51に記録された退避データが光ディスク50に所定にコピーされ、その後、ストリームバッファ23から記録単位毎に読み出されたデータが光ディスク50に記録される(図45C参照)。
このように、この実施の第3の形態によれば、記録再生装置1の起動時や、記録開始に際して最初に装填された光ディスク50の認識処理時などに供給されるストリームデータも、光ディスク50に記録することができる。これは、例えばこの実施の第3の形態を、実施の第2の形態のようなビデオカメラ装置100に適用した場合に、撮影機会を逃すことなく撮影を行うことができることを意味する。
なお、上述では、この発明においてストリームデータが記録される記録媒体が光ディスクであるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、着脱可能な不揮発性の半導体メモリにストリームデータを記録するような場合にも、この発明を同様に適用することができる。
この発明に適用可能なAVCHDフォーマットに規定されるデータモデルを概略的に示す略線図である。 インデックステーブルを説明するための略線図である。 クリップAVストリーム、クリップ情報、クリップ、プレイアイテムおよびプレイリストの関係を示すUML図である。 複数のプレイリストから同一のクリップを参照する方法を説明するための略線図である。 記録媒体に記録されるファイルの管理構造を説明するための略線図である。 光ディスク以外の記録媒体に適用可能な一例の管理構造を示す略線図である。 ファイル"index.bdmv"の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkIndexes()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ファイル"MovieObject.bdmv"の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkMovieObjects()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 プレイリストファイル"xxxxx.mpls"の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkPlayList()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkPlayItem()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 第1および第2のシームレス接続を説明するための略線図である。 ブロックblkPlayListMark()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 クリップインフォメーションファイルの一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkClipInfo()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkSequenceInfo()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkExtensionData()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkExtensionData()における各データの参照関係を模式的に示す略線図である。 ブロックblkExtensionData()にデータを書き込む際の一例の処理を示すフローチャートである。 ブロックblkExtensionData()から拡張データを読み出す際の一例の処理を示すフローチャートである。 ファイル"index.bdmv"内のフィールドblkExtensionData()におけるブロックDataBlock()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 ブロックblkTableOfPlayList()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 クリップインフォメーションファイル内のブロックblkExtensionData()におけるブロックDataBlock()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 クリップインフォメーションファイルにおけるブロックblkMakersPrivateData()の一例の構造を表すシンタクスを示す略線図である。 仮想プレーヤの動作を概略的に示すフローチャートである。 仮想プレーヤの動作を概略的に示す略線図である。 この発明に適用可能な記録再生装置の一例の構成を示すブロック図である。 この発明に適用可能な一例のデータ構造を示す略線図である。 実施の第1の形態による記録制御を概略的に説明するための略線図である。 光ディスクの交換処理における光ディスクおよび内蔵記録媒体に対するデータ書き込みの一例のタイミングを示すタイミングチャートである。 光ディスク交換時の一例の記録制御を示すフローチャートである。 内蔵記録媒体における退避データの一例の管理構造を示す略線図である。 接続状態管理情報の一例の構造を示す略線図である。 フレーム間圧縮を行ったデータのデコード処理について説明するための略線図である。 再生開始時刻および再生開始可能時刻を説明するための略線図である。 複数の光ディスクに分割して記録されたクリップAVストリームファイルを、時間的に連続した1のコンテンツとして再生可能とするためのオーサリング処理について説明するための略線図である。 複数の光ディスクに分割して記録されたクリップAVストリームファイルを、時間的に連続した1のコンテンツとして再生可能とするためのオーサリング処理について説明するための略線図である。 接続状態管理情報に基づくチャプタ結合可否判定の一例の処理について説明するフローチャートである。 接続状態管理情報に基づくチャプタ結合可否判定の一例の処理について説明するフローチャートである。 STCについて概略的に説明するための略線図である。 クリップインフォメーションファイルに対する編集の有無をチェックする一例の処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の第2の形態によるビデオカメラ装置の一例の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の第3の形態について説明するための略線図である。
符号の説明
1 記録再生装置
10 制御部
12 CPU
17 UI部
20 記録再生部
22 ENC/DEC部
23 ストリームバッファ
24 リード/ライト制御部
25 ドライブ装置
50,50A,50B,50C 光ディスク
51 内蔵記録媒体
70,76,82 リアルプレイリストファイル
71A〜71C,77A,77B,83A〜83E プレイアイテム
72A〜72C,78A,78B クリップAVストリームファイル
73A〜73C,79A,79B クリップインフォメーションファイル
100 ビデオカメラ装置

Claims (21)

  1. ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録装置において、
    着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録部と、
    筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録部と、
    連続的に供給されるストリームデータを一時的に溜め込むバッファ部と、
    上記第1の記録部が上記ディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断部と、
    上記判断部の判断結果に基づき、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータの記録先を上記ディスク状記録媒体と上記記録媒体とで切り替える記録制御部と
    を有する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記記録先を上記ディスク状記録媒体と上記記録媒体とで切り替える際に、上記ディスク状記録媒体に記録されるストリームデータと、上記記録媒体に記録されるストリームデータとが時間的に連続するように制御する
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記記録媒体に記録された上記ストリームデータを上記ディスク状記録媒体に記録するように制御する
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記判断部の判断結果に基づき、上記記録可能な状態になったとされたら、上記記録媒体に記録された上記ストリームデータを上記ディスク状記録媒体に記録し、その後、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータを該ディスク状記録媒体に記録するように制御する
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項3に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記判断部の判断結果に基づき、上記記録可能な状態になったとされたら、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータを上記ディスク状記録媒体に記録し、その後、上記記録媒体に記録された上記ストリームデータを上記ディスク状記録媒体に記録するように制御する
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項3に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記判断部の判断結果に基づき上記記録可能な状態になったとされたときに、
    上記記録媒体に記録された上記ストリームデータの上記ディスク状記録媒体への記録を、上記判断部の判断結果に基づき上記記録可能な状態になったとされた直後から行うか、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータの上記ディスク状記録媒体への記録が行われた後に行うかを、上記ディスク状記録媒体に対するデータの書き込み速度、上記記録媒体のデータの読み書きの速度、上記ストリームデータのビットレート、ならびに、上記記録媒体に記録された上記ストリームデータの容量に基づき自動的に判断するようにした
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項3に記載の記録装置において、
    上記記録制御部は、
    上記ディスク状記録媒体に対して、該ディスク状記録媒体に記録される上記ストリームデータの接続状態を示す接続状態管理情報を該ストリームデータに対応付けて記録するように制御する
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項7に記載の記録装置において、
    上記接続状態管理情報は、
    対応するストリームデータと、他のディスク状記録媒体に記録されるストリームデータとの連続性を示す情報を含む
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置において、
    上記接続状態管理情報は、
    上記記録制御部により上記ディスク状記録媒体に上記ストリームデータがファイルとして記録される毎にインクリメントされる値と、該ストリームデータが該ディスク状記録媒体に記録されたセットを識別する情報とを、上記連続性を示す情報として含む
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項8に記載の記録装置において、
    上記接続状態管理情報は、
    上記ストリームデータに対して定義された表示開始時刻および表示終了時刻を示す情報をさらに含む
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載の記録装置において、
    上記接続状態管理情報は、
    対応するストリームデータの直前に、該ストリームデータに対して時間的に連続して接続可能なストリームデータが存在することで表示開始が可能となる時刻を示す情報をさらに含む
    ことを特徴とする記録装置。
  12. ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録方法において、
    着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録のステップと、
    筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録のステップと、
    連続的に供給されるストリームデータを一時的にバッファ部に溜め込むステップと、
    上記第1の記録のステップにより上記ディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断のステップと、
    上記判断のステップによる判断結果に基づき、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータの記録先を上記ディスク状記録媒体と上記記録媒体とで切り替える記録制御のステップと
    を有する
    ことを特徴とする記録方法。
  13. ディスク状記録媒体にストリームデータを記録する記録方法をコンピュータに実行させる記録プログラムにおいて、
    上記記録方法は、
    着脱可能なディスク状記録媒体にデータを記録する第1の記録のステップと、
    筐体に対して固定的に用いられる記録媒体にデータを記録する第2の記録のステップと、
    連続的に供給されるストリームデータを一時的にバッファ部に溜め込むステップと、
    上記第1の記録のステップにより上記ディスク状記録媒体にストリームデータを記録可能な状態であるか否かを判断する判断のステップと、
    上記判断のステップによる判断結果に基づき、上記バッファ部から読み出された上記ストリームデータの記録先を上記ディスク状記録媒体と上記記録媒体とで切り替える記録制御のステップと
    を有する
    ことを特徴とする記録プログラム。
  14. 複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集方法において、
    第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断のステップと、
    上記判断のステップによる判断の結果、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、該第1のストリームデータと該第2のストリームデータのうち時間的に後行する側のストリームデータに対し、該ストリームデータに先行するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるステップと
    を有する
    ことを特徴とする編集方法。
  15. 請求項14に記載の編集方法において、
    上記接続状態管理情報は、
    対応するストリームデータと、他のディスク状記録媒体に記録されるストリームデータとの連続性を示す情報を含み、
    上記判断のステップは、上記連続性を示す情報に基づき上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能か否かを判断する
    ことを特徴とする編集方法。
  16. 請求項15に記載の編集方法において、
    上記接続状態管理情報は、
    上記ディスク状記録媒体に上記ストリームデータがファイルとして記録される毎にインクリメントされる値と、該ストリームデータが該ディスク状記録媒体に記録されたセットを識別する情報とを、上記連続性を示す情報として含む
    ことを特徴とする編集方法。
  17. 請求項15に記載の編集方法において、
    上記接続状態管理情報は、
    上記ストリームデータに対して定義された表示開始時刻および表示終了時刻を示す情報と、該表示開始時刻および該表示終了時刻にそれぞれ対応する、記録時のシステムクロックに基づく時刻情報とを、上記連続性を示す情報としてさらに含み、
    上記判断のステップは、
    上記表示開始時刻および表示終了時刻を示す情報と、該表示開始時刻および該表示終了時刻にそれぞれ対応する、上記記録時のシステムクロックに基づく時刻情報とに基づき対応するストリームデータが編集されたか否かを判定し、編集されたと判定された場合に、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生できないと判断する
    ことを特徴とする編集方法。
  18. 請求項17に記載の編集方法において、
    上記接続状態管理情報は、
    対応するストリームデータの直前に、該ストリームデータに対して時間的に連続して接続可能なストリームデータが存在することで表示開始が可能となる時刻を示す情報を、上記連続性を示す情報としてさらに含み、
    上記判断のステップは、
    上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータのうち時間的に後続する側のストリームデータに対応する上記接続状態管理情報の上記表示開始時刻を示す情報と上記表示開始が可能となる時刻を示す情報とを比較し、比較結果に基づき該表示開始が可能となる時刻が該表示開始時刻よりも先行している場合に、該第1のストリームデータと該第2のストリームデータとを1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であると判断するようにした
    ことを特徴とする編集方法。
  19. 請求項14に記載の編集方法において、
    上記第1および上記第2のストリームデータと、該第1および該第2のストリームデータのうち時間的に後行する側のストリームデータに対して対応付けられた上記接続情報とを1の記録媒体に記録する記録のステップをさらに有する
    ことを特徴とする編集方法。
  20. 複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集方法をコンピュータに実行させる編集プログラムにおいて、
    上記編集方法は、
    第1のディスク状記録媒体に記録された第1のストリームデータに対応付けられた第1の接続状態管理情報と、第2のディスク状記録媒体に記録された第2のストリームデータに対応付けられた第2の接続状態管理情報とに基づき、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断のステップと、
    上記判断のステップによる判断の結果、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、該第1のストリームデータと該第2のストリームデータのうち時間的に後行する側のストリームデータに対し、該ストリームデータに先行するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付けるステップと
    を有する
    ことを特徴とする編集プログラム。
  21. 複数のディスク状記録媒体に記録されたストリームデータを1のコンテンツとして再生可能に編集する編集装置において、
    第1のストリームデータと該第1のストリームデータの接続状態を示す第1の接続状態管理情報とが記録された第1のディスク状記録媒体と、第2のストリームデータと該第2のストリームデータの接続状態を示す第2の接続状態管理情報とが記録された第2のディスク状記録媒体とからデータを読み出す読み出し部と、
    上記第1の接続状態管理情報と上記第2の接続状態管理情報とに基づき、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるか否かを判断する判断部と、
    上記判断のステップによる判断の結果、上記第1のストリームデータと上記第2のストリームデータとを、1のコンテンツとして時間的に連続して再生可能であるとされたら、該第1のストリームデータと該第2のストリームデータのうち時間的に後行する側のストリームデータに対し、該ストリームデータに先行するストリームデータとシームレスに接続することを示す接続情報を対応付ける編集部と、
    上記第1および上記第2のストリームデータと、該第1および該第2のストリームデータのうち時間的に先行する側のストリームデータに対して対応付けられた上記接続情報とを記録媒体に記録する記録部と
    を有する
    ことを特徴とする編集装置。
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