本発明は、携帯電話やデジタルカメラの補助光用の光源として発光ダイオード(以下、発光ダイオードを「LED」と称する)を用いたズームレンズ付きカメラの補助光装置及び、その補助光装置を備えたズームレンズ付きカメラ、及びその補助光装置に用いる拡散率可変LEDに関する。
以下、背景技術を説明する。図13は背景技術において、ズームレンズ付きカメラの補助光源用にLEDを用いたカメラの模式平面図、図14は、LEDを補助光源に用いたカメラの補助光装置の動作説明図である。
近年、デジタルカメラや、デジタルカメラを具備した携帯電話器において、写真撮影時の被写体補助照明用の光源としてLEDが用いられるようになり、図13を用いて例示した様な補助光LED11をデジタルカメラ本体10や、携帯電話機に一体的に装着することが行われている。LEDを補助光の光源としたカメラに関しては、下記の特許文献1で開示された技術がある。
以下、図14を用いながら、特許文献1で開示された補助光装置を説明する。
特許文献1で開示された背景技術の場合、被写体照明用の光源となるLED光を効率良く取り出して、暗所における被写体照度を高めるため、LED2の前方にレンズ9とウインドウ6を設けている。また、レンズ9とウインドウ6の間に設けた電子シャッター8は、照明光の透過と規制をコントロールする光透過規制手段であり、この、電子シャッター8を設けることで、LED2の点灯時はLED光7をそのまま透過し、LED2の非点灯時は、ウインドウ6越しにLED2が透けて見えない様にして、デザイン性と照明性を両立させていた。
電子シャッター8は、液晶シートとこの液晶シートを挟み込んだ2枚の板ガラスで構成され、2枚の板ガラス間に電圧を掛けると液晶が一方向に整列して電子シャッター8が透明状態になり、また、電圧を掛けないと液晶が不規則に並んで電子シャッター8は不透明状態になった。そして、撮影しない状態、即ちLED2が非点灯の状態では、制御回路3によって電子シャッター8を閉じ、これによって、ウインドウ6越しにLED2が透けて見えることを防止し、撮影する場合、即ちLED2を点灯させる場合は、制御回路3によって、電子シャッター8を開き、LED光7をそのまま照射し、被写体を明るく照らす事が出来た。
撮影時の補助照明用光源として、一定の光量しか放出できないLEDを使う従来のカメラにおいては、被写体が比較的遠方に存在し、かつ照度が不足していた場合、たとえ補助照明を用いても撮影画像が暗くなってしまう傾向は避け避け難かった。特に被写体までの距離が長くなるズームレンズ付きカメラの場合、この不具合は一層顕著になり、ズームレンズ付きカメラでは、カメラと一体的に装着したLEDを使う補助光装置は事実上使用することはできなかった。そこで、この様な場合は、分離型の補助光装置を用いざるを得なかったが、利便性の点で課題が残されたままだった。
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。解決する手段として、本発明の請求項1記載に係わる発明は、被写体の照明用としてLED素子を用いたズームレンズ付きカメラの補助光装置において、該カメラ使用時に設定するズームに連動して、通常撮影時は、前記LED素子から発する補助光の拡散率を大きくし、拡大時は、前記補助光LEDから発する補助光の拡散率を小さくすることで、前記被写体への投光スポット面積を変えることを特徴とするズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項2記載に係わる発明は、液晶層を有する調光板の調光部を前記LED素子の前面に設け、カメラ使用時に設定するズームに連動しながら前記液晶層に印加する電圧を変えて調光部の光透過度を変えることにより、前記LED素子から発する補助光の拡散率を変えることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項3記載に係わる発明は、光の反射性に優れ、且つ上方に向けて拡大する円錐穴を有する反射枠の底面に基板を設け、更に、前記円錐穴内の前記基板上に前記LED素子を取付け、更に、前記反射枠の上面に前記調光板を設けて、前記LED素子と前記調光板とを一体化した拡散率可変LEDを用いることを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項4記載に係わる発明は、前記調光板の調光部は、前記LED素子を側面から囲う前記反射枠の円錐穴の上方開口部に略対向する部分にだけ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項5記載に係わる発明は、前記液晶層への印加電圧電極用として前記調光板に設ける上側または下側電極の何れかを、該調光板の後方に設ける前記LED素子を中心にした複数個の同心円から成る電極パターンに形成して、前記液晶層に加わる電圧を該電極パターンに従って変化させることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項6記載に係わる発明は、前記補助光装置の光源として、発光色が異なる複数のLED素子を用い、且つ、前記液晶層への印加電圧電極用として、前記調光板に設ける上側電極または下側電極の何れかを、該調光板の後方に設ける前記複数のLED素子を中心にした複数の同心円で合成する電極パターンに形成して、前記液晶層に加える電圧を該電極パターンに従って変化させることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項7記載に係わる発明は、前記複数のLED素子は、青色LED素子をイットリウム・アルミニウム・ガーネットから成る蛍光体入り樹脂で覆った白色発光部と、赤色LED素子であることを特徴とする請求項6に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項8記載に係わる発明は、前記複数のLED素子は、青色LED素子をイットリウム・アルミニウム・ガーネットから成る蛍光体入り樹脂で覆った白色発光部と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子であることを特徴とする請求項6に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項9記載に係わる発明は、前記複数のLED素子は、青色LED素子をイットリウム・アルミニウム・ガーネットから成る蛍光体入り樹脂で覆った白色発光部と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子であることを特徴とする請求項6に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項10記載に係わる発明は、前記調光部に設けた液晶層への印加電圧導入端子と、前記基板側に設けた電源電圧出力端子とは、前記反射枠に設けたスルーホール電極を介して配線されていることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1項に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置である。
また、本発明の請求項11記載に係わる発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載のズームレンズ付きカメラの補助光装置を備えたことを特徴とするズームレンズ付きカメラである。
また、本発明の請求項12記載に係わる発明は、請求項3乃至10の何れか1項に記載したズームレンズ付きカメラの補助光装置に用いる拡散率可変LEDである。
発明の効果として、請求項1記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置を用いることにより、カメラ使用時に設定するズームに連動して、補助光の拡散率を変えることで、LED素子を補助光装置に用いるズームレンズ付きカメラでも、適度な明るさの画像を撮影することが可能になった。
発明の効果として、請求項2記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、印加電圧値によって、LED素子から発する補助光の拡散率を容易に変更でき、その結果、ズームレンズ付きカメラでズームが変った場合の、補助光効果劣化防止がたやすくなった。また、LED非点灯時は、調光部が不透明になるのでLEDが透けて見えず、カメラのデザイン性を向上する効果も生じた。
発明の効果として、請求項3記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、光の反射性に優れ、且つ上方に向けて拡大する円錐穴を有する反射枠の底面に基板を設け、更に、前記円錐穴内の前記基板上にLED素子を取付け、更に、前記反射枠の上面に前記調光板を設けて、前記LED素子と前記調光板とを一体化したので、補助光装置としてコンパクトに纏まり、また量産時の生産管理や組み付け等が便利になった。
発明の効果として、請求項4記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、調光板の調光部を、LED素子を側面から囲う反射枠の円錐穴の上方開口部に対向する部分にだけ設けたので、調光板の生産に際して、調光板を集合体で加工した後、ダイシングにより単品化する時、調光部の切断による液晶層の損傷が防止され、調光板の歩留まりが向上した。
発明の効果として、請求項5記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、液晶層への印加電圧電極用として前記調光板に設ける上側電極または下側電極の何れかを、調光板の後方に設けるLED素子を中心にした複数個の同心円から成る電極パターンに形成して、液晶層に加わる電圧を該電極パターンに従って変化させるようにしたので、より細かく補助光の拡散度合いが調整できるようになった。
発明の効果として、請求項6記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、補助光装置の光源として、発光色が異なる複数のLED素子を用い、且つ、液晶層への印加電圧電極用として、調光板に設ける上側電極または下側電極の何れかを、調光板の後方に設ける複数のLED素子を中心にした複数の同心円で合成する電極パターンに形成して、液晶層に加える電圧を該電極パターンに従って変化させるので、より細かく補助光の拡散度合いや混合具合を調整でき補助光の演色性が向上した。
発明の効果として、請求項7記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、LED素子が、青色LED素子とイットリウム・アルミニウム・ガーネットから成る白色発光部と、赤色LED素子から成るので、LED素子発光時の補助光の演色性が向上し、かつLEDが点灯している時も、赤色を目立たなくすることができた。また、LED素子が非発光時は、調光部によってLED素子が見えなくなり、その結果、CCD素子を補助光源に用いたズームレンズ付きカメラを備えた携帯電話やデジタルカメラのデザイン上の商品価値を高めることができた。
発明の効果として、請求項8記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、LED素子が、青色LED素子とイットリウム・アルミニウム・ガーネットから成る白色発光部と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子から成るので、補助光の演色性が向上した。また、LED素子が非発光時は、調光部によってLED素子が見えなくなり、その結果、CCD素子を補助光源に用いたズームレンズ付きカメラを備えた携帯電話やデジタルカメラのデザイン上の商品価値を高めることができた。
発明の効果として、請求項9記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、LED素子が、青色LED素子と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子から成るので、補助光の演色性が向上した。また、LED素子が非発光時は、調光部によってLED素子が見えなくなり、その結果、CCD素子を補助光源に用いたズームレンズ付きカメラを備えた携帯電話やデジタルカメラのデザイン上の商品価値を高めることができた。
発明の効果として、請求項10記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラの補助光装置は、調光部に設けた液晶層への印加電圧導入端子と、前記基板側に設けた電源電圧出力端子とは、反射枠に設けたスルーホール電極を介して配線されているので、配線を含めた、LED素子と調光板とのユニット化が実現し、補助光装置の取り扱いが便利になった。
発明の効果として、請求項11記載に係わる本発明のズームレンズ付きカメラを用いると、照度不足な被写体を、撮影する場合も、被写体までの距離に影響されない好適な写真の撮影が、LED素子を発光源とする補助光で可能となり、また、補助光装置がコンパクトなので、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となり、携帯電話やデジタルカメラの活用範囲が拡大した。また、LED素子の非点灯時、調光板によってLED素子が見えなくなることで、携帯電話やデジタルカメラのデザイン上での商品価値を高めることができた。
発明の効果として、請求項12記載に係わる本発明の拡散率可変LEDを用いることで、ズーム挙動に追従した適正な明度の画像が撮影可能なズームレンズ付きカメラの補助光装置が実現化した。また、拡散率可変LEDは、小型であり、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能となった。
次に本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と略す)を、図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の実施形態における拡散率可変LEDの説明図で、図1(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図1(b)は図1(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図、図1(c)は図1(a)の拡散率可変LEDに用いる調光板の平面図、図1(d)は図1(c)の調光板の一部拡大断面図、図2は、本発明の実施形態における拡散率可変LEDに用いる調光板への印加電圧用の配線説明図、図3は本発明の実施形態における調光板の液晶層へ印加電圧を付加した場合の光線の透過、拡散説明図で、図3(a)は液晶層へ印加電圧を加えない場合、図3(b)は液晶層へ印加電圧を加えた場合、図4は、本発明の実施形態における補助光装置の光拡散機能説明図で、図4(a)は印加電圧がオフの場合、図4(b)は印加電圧がミドルの場合、図4(c)は印加電圧がハイの場合である。
先ず、図1(a)〜図1(d)を用いながら、実施形態における拡散率可変LED100の全体構成を説明する。拡散率可変LED100は、上方に向けて拡大する円錐穴104Hを有する反射枠104の底面側に基板103を設け、また、円錐穴104H内の基板103上には蛍光体入り樹脂102で被覆した青色LED素子101である白色発光部101Wを取付け、更に、前記反射枠104の上側には調光板105を設けてある。
イットリウムとアルミニウムの複合酸化物から成るガーネット構造をした結晶であるYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネットの英文頭文字)は、青色LED素子101をYAG系の蛍光体入り樹脂102で覆い、波長変換された黄色と、透過してきた青色を混色することで白色発光を得ることができる。また、反射枠104には樹脂材を用い、円錐穴104Hの内面と、円錐穴104Hの底面に露出する基板103の上面には、光の反射性を増す為、AlまたはAgメッキが施してある。また、調光板105は複数の材料による積層構造をしており、液晶を主な構成要素とする調光部110が設けてある。
次に調光板110の構成を図1(d)を用いながら説明する。調光板105の主要部を成す調光部110は、ネマティック液晶111の小滴であるカプセル112が分散した透明なポリマー113のフィルム(これを、本出願では「液晶層120」と呼ぶ)を、透明導電膜である上側電極114Uと下側電極114Dが付いたポリエステルフィルム115U、115Dで挟んだものである。(この様な製品は、商品名「ウムフィルム」として日本板ガラスウムプロダクツ株式会社から市販されている。)調光板105は、この調光部110を二枚の正方形の透明なガラス板122U、122Sの間に挟み込んで、シール材121によって、調光部110の周囲をガラス板122U、122Sに接着封止した物である。
調光板105の調光部110に、図3で示した様な平行光線906が入射する時、入射平行光線906が辿る経路を、調光部110の透明導電膜である上側電極114Uと、下側電極114Dに電圧が印加されている場合と、電圧が印加されていない場合で対比しながら説明する。先ず、上側電極114Uと下側電極114D間に電圧が印加されていない状態では、図3(a)に示した様に、棒状の分子として表された液晶111は、カプセル112の内壁に沿って並んでいる。この状態では、調光部110に入射した平行光線906は、ポリマー113と液晶111の屈折率の違い、および、液晶111の復屈折性によって、カプセル112の表面や内部で屈折する。この結果、平行光線906は直進できず散乱する。(その結果、調光部110は不透明に見える。)
一方、上側電極114Uと下側電極114D間に電圧が印加されると、図3(b)に示した様に、液晶111の分子は電圧を印加した方向と平行に並ぼうとするため、電極に対し垂直に配列する。このように並んだ状態で、液晶111とポリマー113の屈折率とが一致する様に組み合わせてあればカプセル112は界面が無いと等しい状態になり平行光線906は散乱せずに直進する。(その結果、調光部110は透明に見える)
実施形態における調光部110への印加電圧の掛け方を、図2を用いて説明する。印加電圧回路には電圧源901と抵抗902と、スイッチSWが接続されている。また、抵抗902の下端部は、下側電極と配線904で導通し、抵抗902は途中で、上側電極に配線903で導通している。スイッチSWをオンにしておくと、抵抗902途中の接点は、装着するカメラのズーム情報905に基づいて抵抗902上を移動し、上側電極への印加電圧値を変化させている。
以上の説明を踏まえ、次に、図4を用いて、本発明の実施形態における拡散率可変LED100を備えた補助光装置900の光拡散機能を、典型的な三通りに分けて説明する。図4(a)は、調光板105への印加電圧がオフの場合、図4(b)は、調光板105への印加電圧がミドルの場合、図4(c)は、調光板105への印加電圧がハイの場合である。何れの場合も青色LED素子101から発する光の量と方向は一定である。しかし、調光板105に掛ける印加電圧が異なると、調光板105を通過する光りの拡散率が異ってくる。
即ち、印加電圧がオフの場合、図4(a)の上側に示した様に、青色LED素子101から発した光は、蛍光体入り樹脂102を透過して、更に前方に直進して、調光板105の調光部110に達する。そして、ごく一部は後方に反射するが、大部分は前方に散乱しながら透過する。この場合の模式ラディエーション特性図は図4(a)の下側に示した様な傾向になる。
また、印加電圧がハイの場合、図4(c)の上側に示した様に、青色LED素子101から発した光は、蛍光体入り樹脂102を透過して、更に前方に直進して、調光板105の調光部110に達する。そして、殆ど全ての光がそのまま透過する。この場合の模式ラディエーション特性図は図4(c)の下側に示した様な傾向になる。
先の二例の中間的状態、即ち印加電圧がミドルの場合、図4(b)の上側に示した様に、青色LED素子101から発した光は、蛍光体入り樹脂102を透過して、更に前方に直進して、調光板105の調光部110に達する。そして、一部は後方に反射し、一部は前方に散乱ながら透過する。この場合の模式ラディエーション特性図は図4(b)の下側に示した様な傾向になる。
次に、実施形態の効果の説明に移る。上述した様な機能を有する拡散率可変LEDを備えた補助光装置をズームレンズ付きカメラに装着すると、カメラのズーム情報によって、CCD素子を補助光源に用いた光の拡散率を連続的に変化させながら、被写体を照明することができた。この結果、照度不足な被写体を、ズームレンズ付きカメラで撮影する場合も、被写体までの距離の影響を受け難い好適な写真の撮影が可能となった。
また、実施形態で示した本発明の拡散率可変LEDは、小型であり、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能である。その結果、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能になり、携帯電話やデジタルカメラの活用範囲が拡大する効果を生じた。
また、実施形態で示した本発明の拡散率可変LEDは、点灯して無い時に白くなっているから、蛍光体の黄色が見えなくなり、その結果、CCD素子を補助光源に用いたズームレンズ付きカメラを備えた携帯電話やデジタルカメラのデザイン上の商品価値を高める効果も生じた。
次に本発明の実施例を、図5〜図11を用いて説明する。図5は本発明の実施例1における調光板を示し、図5(a)は調光板の平面図、図5(b)は図5(a)の調光板のA−A断面図、図5(c)は図5(b)の調光板のB部拡大図、図6は本発明の実施例2における拡散率可変LEDを示し、図6(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図6(b)は図6(a)の拡散率可変LEDに用いた調光板の上部電極のパターン図、図6(c)は図6(b)の調光板のB−B拡大断面図、図6(d)は図6(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図、図7は実施例2に用いるスルーホール電極を有する反射枠の製造工程説明図で、図7(a)は反射枠用ブランクのダイシング加工時の斜視図、図7(b)はダイシング加工済みの反射枠のスルーホール電極部拡大斜視図、図8は実施例2のスルーホール電極に用いた上部電極への配線パターンの平面図、図9は実施例2の上部電極パターン並びに下部電極パターンへの印加電圧用配線説明図、図10は実施例2における印加電圧と液晶層の説明図で、図10(a)は印加電圧特性図、図10(b)は図10(a)の印加電圧特性に対応する調光板の液晶層の断面模式図、図11は本発明の実施例3における拡散率可変LEDを示し、図11(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図11(b)は図11(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図、図11(c)は図11(a)の拡散率可変LEDに用いた調光板の上部電極のパターン図、図12は本発明の実施例3および実施例4における分光分布の模式説明図で、図12(a)は自然太陽光の分光分布を、図12(b)は、実施例3において拡散率可変LEDの発光素子として青色+YAGを用いた場合の補助光の分光分布を、図12(c)は実施例4において拡散率可変LEDの発光素子として青色+YAGと共に赤色LED素子並びに黄緑色LED素子または緑色LED素子を用いた場合の分光分布である。
先ず、図5を用いて本発明の実施例1を説明する。実施例1の構成を既に説明した実施形態の場合と比較すると、実施例1の調光板205の特徴は、調光部210を調光板205の中央部だけに円形に設けた点にある。実施例1における拡散率可変LEDの、それ以外の構成は、実施形態の場合と全く同一であるので、実施例1においては、調光板205以外の説明は省略する。
実施例1では図5(a)に示した様に、四角の調光板205の中央に調光部210を円形に設けてある。そして、図5(b)で示した様に調光部210の外周はシール材221で封止している。即ち、調光部210は、ネマティック液晶111の小滴であるカプセル112が分散した透明なポリマーフィルム113を二枚の透明導電膜215U、215D付きのポリエステルフィルム215、215で挟んだもので、調光板205は、この調光部210を二枚の透明なガラス板222U、222Dの間に挟み込んで、シール材221によって、この調光部210の周囲をガラス板222U、222Dに接着封止している。
次に実施例1の効果の説明に移る。
実施例1の場合、実施形態の場合の効果と同様に、この様な拡散率可変LEDを備えた補助光装置をズームレンズ付きカメラに装着すると、カメラのズーム情報によって、CCD素子を補助光源に用いた光の拡散率を連続的に変化させながら、被写体を照明することができ、照度不足な被写体を、ズームレンズ付きカメラで撮影する場合も、被写体までの距離の影響を受け難い好適な写真撮影が可能となった。また、実施形態で示した拡散率可変LEDは、小型であるから、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能であり、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となった。また発光素子が点灯して無い時は、調光部は白くなっているから、蛍光体の黄色が見えない効果も実施形態の場合と同一である。尚、調光板に求められる調光機能は、実施例1の様に、反射枠の開口対向部だけ調光部を設けるだけでその効果を果たせるが、その場合、実施例1に特有の効果として、調光板の生産に際して、調光板を集合体で加工した後、ダイシングにより単品化する時、調光部の切断による液晶層の損傷が防止され、その結果、調光板の歩留まりが向上する効果が得られた。
次に実施例2の説明に移る。先ず、実施例2の拡散率可変LED300の全体構成を、図6(a)〜図6(d)を用いながら説明する。
実施例2における拡散率可変LED300は、上方に向けて拡大する円錐穴304Hを有する反射枠304の底面側に基板303を設け、また、円錐穴304H内の基板303上には蛍光体入り樹脂302で被覆した白色発光部301Wとなる青色LED素子301を取付け、更に、前記反射枠304の上側には調光板305を設けてある。そして、反射枠304には樹脂材を用い、そして、光の反射性を増すため、円錐穴304Hの内面と、円錐穴304H底面に露出する基板303の上面は、メッキによりコーティングしてある。また、調光板305は積層構造をしており、液晶を主な構成要素とする調光部310が設けてある。既に説明した実施形態と比較した場合、実施例2の特徴は、調光板305並びに反射枠304にあるので、先ず、調光板305の構成を図6(b)と図6(c)とを用いながら説明する。
実施例2の調光板305の主要部を成す調光部310は、ネマティック液晶111の小滴であるカプセル112が分散した透明なポリマーフィルム113(液晶層)を透明導電膜付きの二枚のポリエステルフィルムで挟んだものである。調光板305は、この調光部310を二枚の透明なガラス板222U、222Dの間に挟み込んで、シール材221によって、この調光部310の周囲をガラス板222U、222Dに接着封止した物で、ガラス板222U、222Dの平面形状は正方形を、調光部310の平面形状は円形をしている。尚、実施例2の調光板305の特徴は、この透明導電膜の構成にある。
実施例2の調光板305に設けた透明導電膜である上側電極314Uの平面形状は、図6(b)に示した様な複数の同心円状に分離した複数の電極パターン(内側から外側に向けて、314C1、314C2、314C3、314C4、314C5)から成る。尚、同じく透明導電薄膜からなる下側電極314Dの平面形状は、電極パターン314C5の外形と略同一の直径を有する単一の円形をしている。
この様な、形状を有する上側電極314Uと下側電極314Dへの印加電圧配線を、図9を用いながら説明する。実施例2では、同心円状に分離した複数の上側電極314Uに、可変電圧源801から、夫々異なった電位を印加している。即ち、複数個の上側電極314Uの内、同心円の中心部に配置された電極パターン314C1は抵抗802の最下端部と導通させ、最外周部の同心円に配置された電極パターン314C5は抵抗の最上端部で導通させながら電圧を印加している。それ以外の上側電極パターン即ち、314C2〜314C4に対しては、その配列順に従って、抵抗802の最下端部から最上端部側に向けたそれぞれの位置で抵抗802と導通させながら電圧を印加している。また、下側電極314Dには、中心部の同心円に配置された上側電極パターン314C1と同電位の電圧を印加している。
次に図6(d)を用いながら反射枠304の説明を行う。実施例2における反射枠304の基本構成は、実施形態の場合と同一である。即ち、反射枠304の基材には樹脂を用い、そして、光の反射性を増す必要上、円錐穴304Hの内面と、円錐穴304H底面に露出する基板303の上面は、メッキ(AlまたはAg)によりコーティングしてある。実施例2で用いる反射枠304が、実施形態における反射枠104と相違するのは、実施例2の反射枠304の周辺部に8個のスルーホール電極(314T1〜314T5、314TD、314TY1、314TY2)が設けられていることである。スルーホール電極は、基材に半円形や4分の1円形の貫通穴を設け、その貫通穴の内面に導電性の良い金属でメッキを施し、このメッキ部分を貫通穴の底面と上面間の配線として使用するものである。実施例2では、このスルーホール電極(314T1〜314T5、314TD、314TY1、314TY2)を、基板303側に配置した可変電圧源801から調光板305の図9を用いて説明した上側電極パターン314U及び下側電極314Dへの印加電圧用の配線として用いている。
次に、図6(d)で示した実施例2のスルーホール電極(314T1〜314T5、314TD、314TY1、314TY2)を有する反射枠304の量産時の製造方法を、図7(a)と図7(b)を用いながら説明する。先ず、樹脂材を用いて、複数個の反射枠304を一体化したブランク材を射出成形で加工する。即ち、中央の円錐穴304Hを囲んで、8個のスルーホール電極用の貫通穴314THを配置した形を基本形にして、この基本形を四方に連続して複数個配置した物が実施例2の反射枠304のブランク材となる。次工程で、このブランク材の円錐穴304Hとスルーホール電極用の貫通穴314THにメッキ加工(AlまたはAg)を施した後、更にダイシングラインDLから切断すると図7(b)に拡大して示した様なスルーホール電極314Tの付いた一個毎の反射枠304が得られる。尚、メッキの材質は、円錐穴304Hとスルーホール電極用の貫通穴314THを別工程でメッキ処理を行う場合は、円錐穴304HはAlまたはAgを、スルーホール電極用の貫通穴314THにはCu+Ni+Auを用いれば良いが、処理工程の省力化を優先させれば、Cu+Agで一緒にメッキ処理することも可能である。
実施例2において、このスルーホール電極(314T1〜314T5、314TD、314TY1、314TY2)を利用する場合の上側電極314Uへの実態配線を、図8を用いながら説明する。実施例2では、上側電極314Uの同心円状に分離した複数の電極パターン(314C1、314C2、314C3、314C4、314C5)の内、同心円の中心部に配置された電極パターン314C1は、スルーホール電極314T1と、電極パターン314C2は、スルーホール電極314T2と、電極パターン314C3は、スルーホール電極314T3と、電極パターン314C4は、スルーホール電極314T4と、最外周部の同心円に配置された電極パターン314C5は、スルーホール電極314T5と、また下側電極314Dはスルーホール電極314TDと導通している。尚、2個のスルーホール電極314TY1、314TY2は予備として残してある。
そして、調光板310の上側電極314Uの各電極パターンへ、図10(b)で示した様な印加電圧を掛ける事で、図10(a)に模式的に示した様に液晶の配列を中心からの距離に応じて徐々に変化させることが可能になる。
次に実施例2の効果の説明に移る。この様な拡散率可変LEDを用いた補助光装置をカメラに装着すると、装着するカメラのズーム情報に基づいて可変電圧源から出る電圧が変化し、上側電極への印加電圧値を変化させることが可能になる。その結果、実施形態の場合と同様の効果、即ち、CCD素子を用いた補助光源からの光の拡散率を、ズーム情報に基づいて連続的に変化させながら被写体を照明することが可能になり、ズームレンズ付きカメラでの好適な写真撮影が可能となり、また、拡散率可変LEDは、小型であるから、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能であり、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となった。また、発光素子が点灯して無い時は、調光部が白くなっているから、蛍光体の黄色が見えない効果も実施形態の場合と同一である。
実施例2の場合は、これらの効果に加えて、上側の透明電極を同心円状に分離して設ける事で、上側電極への印加電圧の値をLED素子の中心からの距離に応じて変えることが可能になった。その結果、液晶の配列を中心からの距離に応じて徐々に変化させることで、より細かく補助光の拡散度合いを調整できるようになった。即ち、補助光の拡散度合いを段階的に変ることで、発光が真中で強くなるのを防ぎながら、均一化することが可能になった。また、これを実現するための複数の配線も、スルーホール電極を用いて行うので、コンパクトに納まり、拡散率可変LEDのLED素子との一体化、小型化と共に生産管理も容易になった。尚、実施例2では、上側電極を同心円状に分離し、下側電極は、上側電極パターンの内、最も外周に配置する電極パターンと略同一の直径有する一枚から成る円形としたが、下側電極と上側電極を入れ替えても、その効果は全く同一である。
次に、複数個のLED素子を用いる場合を、図11を用いながら実施例3としての説明をする。実施例3では、2個のLED素子を使っているが、そのLED素子は、青色LED素子401とYAG系の蛍光体入り樹脂402から成る白色発光部401Wと、赤色LED素子501である。実施形態で説明した通り、YAGは、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物から成るガーネット構造の結晶で、青色LED素子401をこのYAG系の蛍光体入り樹脂402で覆い、波長変換された黄色と、透過してきた青色とを混色させて白色の発光を得ている。実施例3では、この白色発光に、更に、赤色LED素子501から発光する赤色を加えている。
白色光である自然太陽光は、図12(a)に示した様に可視光線(波長が約350nm〜約750nm)の範囲では、各波長に対する相対照度が略均一に分布している。一方、図12(b)で示した青色+YAGからの発光は、一見すると白色光のように見えるが、分光分布を自然太陽光のそれと比較すると、波長500nmと波長700nm近くの光成分が欠落していて、微妙な色合いが異なり、自然太陽光より青白っぽく見える。実施例3では、この不具合を改良するため、最も改善効果の大きい波長700nm近くに分光分布が多い赤色LED素子501を付加して、より自然太陽光に近づけている。そうすることで補助光による演色性が向上し、出来上がった写真もきれいに見える。
次に、実施例3の透明電極の説明を行う。図11(c)に示した様に、実施例3において調光板405に設けた透明導電膜である上側電極414Uの平面形状は、右側の赤色LED素子501上で、複数の同心円状に分離した複数の電極パターン(内側から外側に向けて、314CR1、314CR2、314CR3、314CR4、314CR5)と、左側の青色LED素子401上で、複数の同心円状に分離した複数の電極パターン(内側から外側に向けて、314CL1、314CL2、314CL3、314CL4、314CL5)とで合成する電極パターンから成る。尚、実施例3の下側電極の平面形状は図示を省略したが、電極パターン414Uの外形と略同一の単一の透明導電薄膜から成る。
次に実施例3の効果の説明を行う。実施例3の拡散率可変LEDを用いた補助光装置をカメラに装着することで、実施形態の場合の効果と同様に、CCD素子を用いた補助光源からの光の拡散率を、ズーム情報に基づいて連続的に変化させながら被写体を照明することが可能になり、ズームレンズ付きカメラでの好適な写真撮影が可能となった。また、実施例3で示した拡散率可変LEDは、小型であるから、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能であり、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となった。また、実施例3の調光板により、実施形態の場合と同様、青色発光素子に関しては、点灯して無い時は、蛍光体の黄色が見えない効果を生じるが、実施例3で演色性を向上させるため新たに加えた赤色LED素子に関しても、赤色LED素子を点灯して無い時は目立ちやすい赤色を見えなくすることができた。また、点灯している時も、赤色を目立たなくする効果があった。また、実施例3の場合も、実施例2と同様に上側の透明電極を2個の同心円で合成したパターン状に設ける事で、上側電極への印加電圧値を素子の中心からの距離に応じて変えることが可能になり、その結果、液晶の配列が中心からの距離に応じて徐々に変化し、より細かく補助光の拡散度合いが調整できるので、発光がLED素子の真上で強くなるのを防いで均一化することが可能になった。また、複数に分割された透明電極への配線も、スルーホール電極を用いるとコンパクトに纏まり、また、配線を含めた拡散率可変LEDのコンパクト化が可能になり、生産管理も容易になった。尚、実施例3では、上側電極を2個の同心円で合成したパターンに分離し、下側電極は、上電極パターン外形と略同一の直径有する一枚から成る円形としたが、下側電極と上側電極を入れ替えても、その効果は全く同一である。
図面を省略したが、実施例4はLED素子を3個使った場合であり、図11を用いて説明した実施例3のLED素子構成に、更に黄緑色LED素子または緑色LED素子を追加したものである。即ち、LED素子は、青色LED素子とYAGから成る白色発光部と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子から成る。尚、3個のLED素子を用いる実施例4の場合には、調光板に用いる電極パターンは、3個のLED素子の配置位置に合わせた3個の同心円の合成する電極パターンを用い、また、これを実現する配線も、スルーホール電極を用いて行った。
既に実施例3において図12(a)を用いて説明した様に、自然太陽光は、可視光線の範囲では、各波長に対する相対照度が均一に分布している。一方、図12(b)で示した様に、青色+YAGからの発光は、自然太陽光と比較すると、500nmと700nm近傍の波長成分が欠落している。そこで、実施例3では、演色性向上の効果が大きい波長700nm近くで発光する赤色LED素子を追加して設けたが、実施例4では、更に、黄緑色LED素子または緑色LED素子を用いて緑色光成分(波長500nm近傍)を付加することで、より自然太陽光に近づけている。
次に実施例4の効果の説明を行う。この様な拡散率可変LEDを用いた補助光装置をカメラに装着することで、実施形態の場合と同様に、CCD素子を用いた補助光源からの光の拡散率を、ズーム情報に基づいて連続的に変化させながら被写体を照明することが可能になり、ズームレンズ付きカメラでの好適な写真撮影が可能となった。また、拡散率可変LEDは、小型であるから、携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能であり、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となった。また、この様に、拡散率可変LEDに赤色LED素子と共に黄緑色LED素子または緑色LED素子を備えた拡散率可変LEDを用いた場合、本発明の実施例4の調光板(図示省略)により、赤色LED素子に対しては、既に実施例3で説明した効果、即ち、赤色LED素子を点灯して無い時は目立ちやすい赤色を見えなくすることができる。また、点灯している時も、赤色を目立たなくする効果を生じると共に、黄緑色LED素子または緑色LED素子に対しては、黄緑色LED素子または緑色LED素子を点灯しない時はこれらの素子を見え難くする効果を生じる。
また、上側の透明電極を3個のLED素子の配置位置に合わせた3個の同心円の合成する電極パターンに分離して設けたので、印加電圧の値を中心からの距離に応じて段階的に変ることで発光がLED素子の真上で強くなるのを防ぎ、均一化することで、より細かく補助光の拡散度合いが調整できるようになった。これを実現する配線も、スルーホール電極を用いて行ったので、コンパクトに纏まり、一拡散率可変LEDの一体化が実現し、取り扱いが容易、生産管理も容易になった。
図面を省略したが、実施例5の場合も実施例4と同様に、LED素子を3個使った場合であり、実施例4の構成要素の内、YAG部分を除いて簡素化したものである。即ち、LED素子は、青色LED素子と、赤色LED素子と、黄緑色LED素子または緑色LED素子とから成る。其の他の構成は実施例4の場合と同一である。
実施例5の効果を、実施例4の場合の効果と比較すると、実施例5の場合YAGを設けないので、補助光の演色性に関しては実施例4よりやや劣るが、製造コストが低減されるという新たな効果を生じた。また、本発明の実施例4で説明した調光板を実施例5でも用いると、赤色LED素子に対しては、既に実施例4で説明した効果を生じると共に、実施例5で用いる黄緑色LED素子または緑色LED素子に対しては、黄緑色LED素子または緑色LED素子を点灯しない時はこれらの素子を見え難くする効果を生じた。
本発明全体の効果としては、以上説明した様に、ズームレンズ付きカメラの補助光装置として、上述した様な拡散率可変LEDを用いた補助光装置を装着することで、装着するカメラのズーム情報に基づいて上側電極への印加電圧値を変化させて、CCD素子を用いた補助光源からの光の拡散率を、ズームに合わせて連続的に変化させながら被写体を照明することが可能になり、ズームレンズ付きカメラでの好適な写真撮影が可能となった。また、拡散率可変LEDは小型であるから携帯電話やデジタルカメラにコンパクトに装着することが可能であり、実用性の高い補助光装置一体型のズームレンズ付きカメラが可能となった。また、発光素子が点灯して無い時は、調光部が白くなって、発光素子が見えなくする効果も得られた。また、透明電極を同心円状に分離して設ける事で、より細かく補助光の拡散度合いを調整でき、発光が真中で強くなるのを防ぎながら、全体に渡って均一化することが可能になった。また、そのための配線も、スルーホール電極を用いることでコンパクトに納まり、拡散率可変LEDの小型化が実現すると共に生産管理も容易になった。また、青色LED素子とYAGから成る白色発光部を基本形にして、それに、赤色LED素子や、黄緑色LED素子または緑色LED素子を適宜選択し、組み合わせながら追加することで、演色性向上を図ることが出来た。
本発明の実施形態における拡散率可変LEDの説明図で、図1(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図1(b)は、図1(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図、図1(c)は、図1(a)の拡散率可変LEDに用いる調光板の平面図、図1(d)は、図1(c)の調光板の一部拡大断面図である。
本発明の実施形態における拡散率可変LEDに用いる調光板への印加電圧用の配線説明図である。
本発明の実施形態における調光板の液晶層へ印加電圧を付加した場合の光線の透過、拡散説明図で、図3(a)は、液晶層へ印加電圧を加えない場合、図3(b)は、液晶層へ印加電圧を加えた場合である。
本発明の実施形態における補助光装置の光拡散機能説明図で、図4(a)は、印加電圧がオフの場合、図4(b)は、印加電圧がミドルの場合、図4(c)は、印加電圧がハイの場合である。
本発明の実施例1における調光板を示し、図5(a)は調光板の平面図、図5(b)は、図5(a)の調光板のA−A断面図、図5(c)は、図5(b)の調光板のB部拡大図である。
本発明の実施例2における拡散率可変LEDを示し、図6(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図6(b)は、図6(a)の拡散率可変LEDに用いた調光板の上部電極のパターン図、図6(c)は、図6(b)の調光板のB−B拡大断面図、図6(d)は、図6(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図である。
本発明の実施例2に用いるスルーホール電極を有する反射枠の製造工程説明図で、図7(a)は反射枠用ブランクのダイシング加工時の斜視図、図7(b)は、ダイシング加工済みの反射枠のスルーホール電極部拡大斜視図である。
本発明の実施例2のスルーホール電極用いた上側電極への配線パターンの平面図である。
本発明の実施例2の上側電極パターン、並びに下側電極パターンへの印加電圧用配線説明図である。
本発明の実施例2における印加電圧と液晶層の説明図で、図10(a)は、印加電圧特性図、図10(b)は、図10(a)の印加電圧特性に対応する調光板の液晶層の断面模式図である。
本発明の実施例3における拡散率可変LEDを示し、図11(a)は拡散率可変LEDの縦断面図、図11(b)は、図11(a)の拡散率可変LEDのA−A断面図、図11(c)は図11(a)の拡散率可変LEDに用いた調光板の上部電極のパターン図である。
本発明の実施例3、実施例4における分光分布の模式説明図で、図12(a)は、自然太陽光の分光分布を、図12(b)は、実施例3において拡散率可変LEDの発光素子として、青色+YAGを用いた場合の分光分布を、図12(c)は、実施例4において拡散率可変LEDの発光素子として、青色+YAGと共に、赤色LED素子並びに黄緑色LED素子または緑色LED素子を用いた場合の分光分布である。
背景技術において、ズームレンズ付きカメラの補助光源用にLEDを用いたカメラの模式平面図である。
背景技術において、LEDを補助光源に用いたカメラの補助光装置の動作説明図である。
符号の説明
100、300 拡散率可変LED
101、301、401、 青色LED素子
101W、301W、401W 白色発光部
102、302、402 蛍光体入り樹脂
103、303、403 基板
104、304、404 反射枠
104H、301H、404H 円錐穴
105、205、305、405 調光板
110、210、310、410 調光部
114U、314U、414U 上側電極
114D、314D 下側電極
120 液晶層
314C1、314C2、314C3、314C4、314C5 電極パターン
314T、314T1、314T2、314T3、314T4、314T5、314TD、314TY1、314TY2 スルーホール電極
414CR1、414CR2、414CR3、414CR4、414CR5 電極パターン
414CL1、414CL2、414CL3、414CL4、414CL5 電極パターン
414CUL、414UR 電極パターン
501 赤色LED素子
900 補助光装置