JP2008279846A - 車載用電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板に不要な応力が加わることを抑制し、ケースのコネクタ部に外部コネクタを接続する際に、ケースの密閉性が損なわれることを防止する。
【解決手段】外部接続用のコネクタ部17が設けられた、底部と側壁部とを有する箱状の樹脂製ケース11には回路基板12を固定するねじ14が螺合されるねじ穴を有する補強用金属製部材がインサート成形されるとともに、ねじ穴に連通する挿通穴11aが形成されている。回路基板12には挿通穴11aと対応する箇所にねじ14が挿通される挿通孔12aが形成されている。回路基板12は、電子部品20が樹脂製ケース11内に収容される状態で樹脂製ケース11の開口部を覆うように、ねじ14により樹脂製ケース11に気密状態で固定されている。
【選択図】図1
【解決手段】外部接続用のコネクタ部17が設けられた、底部と側壁部とを有する箱状の樹脂製ケース11には回路基板12を固定するねじ14が螺合されるねじ穴を有する補強用金属製部材がインサート成形されるとともに、ねじ穴に連通する挿通穴11aが形成されている。回路基板12には挿通穴11aと対応する箇所にねじ14が挿通される挿通孔12aが形成されている。回路基板12は、電子部品20が樹脂製ケース11内に収容される状態で樹脂製ケース11の開口部を覆うように、ねじ14により樹脂製ケース11に気密状態で固定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車載用電子機器に係り、詳しくは電子部品が表面実装された回路基板を、前記電子部品がケースに密閉された状態で取り付けるとともに、ケースに電子部品を外部と電気的に接続するためのコネクタ部を備えた車載用電子機器に関する。
自動車等に使用される車両用の電子機器は、安価、小型、軽量等の要件が要求され、特にエンジンルームに装着される電子機器では、これらの要件に加えて防水性や耐震性も要求される。防水性を確保するため、電子部品はケース内に密閉された状態で収容されている。また、ケース内に収容された電子部品を外部と電気的に接続するためのコネクタ部を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の半導体装置は、図8(a)に示すように、金属ベース51がインサート成形された樹脂製ケース本体52内に、厚膜回路板53が金属ベース51上に装着・配置されている。厚膜回路板53上には電子部品54がマウントされている。樹脂製ケース本体52には、外部接続用ターミナル55が側壁を貫通して設けられたコネクタ部56を備えている。厚膜回路板53の入出力端子53aは、リード57を介して外部接続用ターミナル55に電気的に接続されている。そして、樹脂製ケース本体52内に収容された厚膜回路板53及び電子部品54等は未硬化(液状)のシリコーン系ポリマーを樹脂製ケース本体52内に充填し、硬化させることで封止されるようになっている。なお、図8(b)に示すように、金属ベース51には取り付け部51aが一体に形成されている。
特開平6−224314号公報
特許文献1の半導体装置を車載用に適用して車両に取り付けた場合、車両側のフレームに金属ベース51が直接接触した状態で取り付け部51aにおいて固定されるため、車両側のフレームへ当接させることによる金属ベース51の変形応力や車両の振動等が、金属ベース51を介して厚膜回路板53に加わることになり、信頼性の点で不利になる。即ち、厚膜回路板53に不要な応力が加わることによって、マウントされた電子部品54の電気的接続構造に不具合が生じてしまうのである。また、車両用電子機器では、ケース内に収容された電子部品や回路基板の防水性を確保するため、ケース内全体にシリコーン系ポリマーを充填・硬化させる方法はコストの点で採用されることが少ない。その場合、樹脂製ケース本体52の開口部を図8(a)に二点鎖線で示すように蓋体58で覆い、接着剤で固定することになる。
一方、上記のような車載用電子機器を車両の所定箇所に取り付けて使用する際には、樹脂製ケース本体52のコネクタ部56に図示しない外部コネクタを挿入して外部駆動部と電子機器とを電気的に接続するのであるが、作業状態によってはコネクタ部56を金属ベース51側や蓋体側に向かってこじるような力が加えられる場合がある。そのとき、蓋体とケースとの界面を離すような力が作用し、ケースと蓋体との接合部に剥がれが生じて湿気等が電子機器の内部に進入して信頼性が低下する虞がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、回路基板に不要な応力が加わることを抑制し、ケースのコネクタ部に外部コネクタを接続する際に、ケースの密閉性が損なわれることを防止することができる車載用電子機器を提供することにある。
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、車両に電子機器固定用ボルトを介して固定可能に構成された車載用電子機器である。そして、外部接続用のコネクタ部が設けられた、底部と側壁部とを有する箱状の樹脂製ケースに対して、電子部品が表面実装され且つ基板側端子が設けられた回路基板が、前記電子部品及び前記基板側端子が前記樹脂製ケース内に収容される状態で前記樹脂製ケースの開口部を覆うように、回路基板固定用ボルトを介して気密状態で固定されている。前記樹脂製ケースには、該樹脂製ケースの側壁部と対応する枠形状であって前記回路基板固定用ボルトが挿通される挿通部を有する補強用金属製部材と、第1端部が前記コネクタ部に露出するとともに第2端部が前記基板側端子と電気的に接続可能なケース側端子を構成する電極部材と、がインサート成形されており、前記回路基板には、前記挿通部と対応する箇所に前記回路基板固定用ボルトが挿通される挿通孔が形成されている。ここで、「ボルト」とは、雄ねじ部を有し、雌ねじ部に螺合することで対象部品を締め付けて固定する締め付け部材を意味し、ねじも含む。また、「ボルトが挿通される挿通部」とは、ボルトが貫通せずに螺合するねじ穴、貫通する状態で螺合するねじ孔及びボルトが螺合せずに貫通する孔のいずれかを意味する。
この発明では、電子部品が表面実装された回路基板は、樹脂製ケースの開口部を覆う状態で電子部品が樹脂製ケース内となるようにして、回路基板固定用ボルトと樹脂製ケースにインサートされた補強用金属製部材とにより該樹脂製ケースに強固に固定される。したがって、電子機器が車両に取り付けられた状態で、コネクタ部に外部コネクタを挿入接続する作業を行う際に、コネクタ部にこじるような力が加わっても、回路基板固定用ボルト及び樹脂製ケースにインサートされた補強用金属製部材の作用により、樹脂製ケースと回路基板との接合部に剥がれが生じるのを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補強用金属製部材には、前記電子機器固定用ボルトが挿通される孔が形成された取り付け脚部が設けられており、前記樹脂製ケースの側壁部から前記取り付け脚部が露出するように、前記補強用金属製部材は前記樹脂製ケースの底部にインサート成形されている。
この発明では、従来技術と異なり、取り付けの際に車両側のフレームと直接当接するのは樹脂製ケースであるので、当接時の変形応力や車両の振動等は回路基板に加わることがない。即ち、回路基板に不要な応力が加わることが抑制されるので、電子機器の信頼性が向上する。
本発明によれば、ケース内に収容された回路基板に不要な応力が加わることを抑制でき、ケースのコネクタ部に外部コネクタを接続する際に、ケースの密閉性が損なわれることを防止することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、車載用電子機器10は、樹脂製ケース11と、回路基板12とを備えている。図1(b)に示すように、樹脂製ケース11は、有底四角箱状に形成され、その底部に樹脂製ケース11の側壁部と対応する枠形状の補強用金属製部材13がインサート成形されている。図2(a)及び図3に示すように、補強用金属製部材13は、樹脂製ケース11の外形より一回り小さい矩形状の枠部13aと、枠部13aの両長辺の中央部から外側に突出形成された取り付け脚部13bとを備えている。枠部13aの一方の短辺の両端部と他方の短辺の中央部とには回路基板12を樹脂製ケース11に固定するための回路基板固定用ボルトであるねじ14が螺合する挿通部としてのねじ穴15が形成されている。そして、補強用金属製部材13は、取り付け脚部13bのみが樹脂製ケース11の側壁部から露出する状態でインサート成形されている。補強用金属製部材13は亜鉛鋼板で形成されている。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、車載用電子機器10は、樹脂製ケース11と、回路基板12とを備えている。図1(b)に示すように、樹脂製ケース11は、有底四角箱状に形成され、その底部に樹脂製ケース11の側壁部と対応する枠形状の補強用金属製部材13がインサート成形されている。図2(a)及び図3に示すように、補強用金属製部材13は、樹脂製ケース11の外形より一回り小さい矩形状の枠部13aと、枠部13aの両長辺の中央部から外側に突出形成された取り付け脚部13bとを備えている。枠部13aの一方の短辺の両端部と他方の短辺の中央部とには回路基板12を樹脂製ケース11に固定するための回路基板固定用ボルトであるねじ14が螺合する挿通部としてのねじ穴15が形成されている。そして、補強用金属製部材13は、取り付け脚部13bのみが樹脂製ケース11の側壁部から露出する状態でインサート成形されている。補強用金属製部材13は亜鉛鋼板で形成されている。
図2(b)に示すように、樹脂製ケース11には、補強用金属製部材13のねじ穴15と対応する部分にねじ穴15と連通するとともにねじ穴15より径が若干大きな挿通穴11aが形成され、ねじ穴15に螺合されるねじ14が遊挿可能になっている。また、取り付け脚部13bには孔16が形成されている。
図1(b)に示すように、樹脂製ケース11には、その側壁部の一箇所から突出するように外部接続用のコネクタ部17が一体成形されている。そして、樹脂製ケース11には第1端部がコネクタ部17の内部に接続端子として露出するとともに、第2端部が底部としての底壁11bの所定の位置でケース側端子としての雌型タブ端子18として底壁11bと垂直に延びる電極部材(インサート電極)が底壁11bを経由してインサート成形されている。雌型タブ端子18は、例えば両端が断面略C字状に折り曲げられ、回路基板12上に立設される基板側端子としての雄型タブ端子19を挿入接続可能な形状となっている。
回路基板12には、電子部品20が表面実装されるとともに、電子部品20が樹脂製ケース11内に収容される状態で樹脂製ケース11の開口部を覆うように樹脂製ケース11に取り付けられた状態において、雌型タブ端子18と対応する位置に雄型タブ端子19が設けられている。また、回路基板12には樹脂製ケース11の挿通穴11aと対向する位置に挿通孔12aが形成されている。そして、回路基板12は、樹脂製ケース11の側壁部上面との間に接着剤が介在し、挿通孔12a、挿通穴11aを挿通してねじ穴15に螺合されるねじ14により締め付けられて気密状態で固定されている。
前記のように構成された車載用電子機器10を組み立てる場合には、樹脂製ケース11を底壁11bが下側となるように配置する。そして、その上方から回路基板12を、実装面が下向きとなるようにフェイスダウンした状態で、回路基板12の挿通孔12aと樹脂製ケース11の挿通穴11aが一致し、且つ回路基板12の雄型タブ端子19を樹脂製ケース11の雌型タブ端子18に挿入するように装着する。なお、装着時には樹脂製ケース11の側壁部上面、あるいは回路基板12の周縁部に接着剤が塗布され、樹脂製ケース11の側壁部上面と回路基板12とが接着される。
その後、ねじ14が回路基板12の挿通孔12a、樹脂製ケース11の挿通穴11aを介して挿入され、当該挿通穴11aの下部に連通する補強用金属製部材13のねじ穴15に螺合されて締結される。即ち、回路基板12と樹脂製ケース11間は、接着剤で接着された上、更にねじ14で締結固定される。
前記のように構成された車載用電子機器10は、樹脂製ケース11の底壁11b外面が車両のフレームに当接する状態で電子機器固定用ボルト(図示せず)を介して固定される。電子機器固定用ボルトは取り付け脚部13bの孔16及びフレームに形成された孔を貫通するとともに、ナットに螺合されて締め付け固定されるか、フレームに形成されたねじ孔に螺合されて締め付けられる。回路基板12と樹脂製ケース11間を締結するねじ14は、樹脂製ケース11の底面から突出しない長さに設定されているため、車載用電子機器10を車両のフレームに取り付ける際に、ねじ14が干渉する心配は無い。
車載用電子機器10を車両のフレームに取り付けた後、電子部品20を外部回路と電気的に接続するため、コネクタ部17に外部コネクタが挿入接続される。この挿入作業の際、作業状態によってはコネクタ部17をフレームと反対側、即ち回路基板12側に向かってこじるように力を加える場合がある。しかし、回路基板12は接着剤のみで樹脂製ケース11に固定されているのではなく、ねじ14及び補強用金属製部材13によっても強固に固定されているため、樹脂製ケース11と回路基板12との接合部に剥がれが生じるのを防止することができる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)樹脂製ケース11には回路基板12を固定するねじ14が螺合されるねじ穴15を有する補強用金属製部材13がインサート成形されるとともに、ねじ穴15に連通する挿通穴11aが形成されている。電子部品20が表面実装された回路基板12には挿通穴11aと対応する箇所にねじ14が挿通される挿通孔12aが形成されている。そして、回路基板12は、電子部品20が樹脂製ケース11内に収容される状態で樹脂製ケース11の開口部を覆うように、ねじ14により樹脂製ケース11に固定されている。したがって、ねじ14が樹脂製ケース11の樹脂に直接当接することはない上、矩形枠状の補強用金属製部材13が樹脂製ケース11の外周寄りに広く均等且つ強固にインサートされているので、ねじ14の締結による応力は補強用金属製部材13全体に広く分散されて、樹脂部が応力集中で損傷を受けるような心配はない。また、樹脂製ケース11の側壁部には外部接続用のコネクタ部17が設けられているため、車載用電子機器10が車両のフレームに取り付けられた状態でコネクタ部17に外部コネクタが挿入接続される際に、コネクタ部17にこじるような力が加わる場合がある。しかし、回路基板12がねじ14で補強用金属製部材13に固定されているため、回路基板12と樹脂製ケース11との間に介在する接着剤が剥がれることが防止され、気密性が確保されて高い信頼性を確保することができる。
(1)樹脂製ケース11には回路基板12を固定するねじ14が螺合されるねじ穴15を有する補強用金属製部材13がインサート成形されるとともに、ねじ穴15に連通する挿通穴11aが形成されている。電子部品20が表面実装された回路基板12には挿通穴11aと対応する箇所にねじ14が挿通される挿通孔12aが形成されている。そして、回路基板12は、電子部品20が樹脂製ケース11内に収容される状態で樹脂製ケース11の開口部を覆うように、ねじ14により樹脂製ケース11に固定されている。したがって、ねじ14が樹脂製ケース11の樹脂に直接当接することはない上、矩形枠状の補強用金属製部材13が樹脂製ケース11の外周寄りに広く均等且つ強固にインサートされているので、ねじ14の締結による応力は補強用金属製部材13全体に広く分散されて、樹脂部が応力集中で損傷を受けるような心配はない。また、樹脂製ケース11の側壁部には外部接続用のコネクタ部17が設けられているため、車載用電子機器10が車両のフレームに取り付けられた状態でコネクタ部17に外部コネクタが挿入接続される際に、コネクタ部17にこじるような力が加わる場合がある。しかし、回路基板12がねじ14で補強用金属製部材13に固定されているため、回路基板12と樹脂製ケース11との間に介在する接着剤が剥がれることが防止され、気密性が確保されて高い信頼性を確保することができる。
(2)回路基板12は、樹脂製ケース11に対してフェイスダウンの状態で固定されている。また、樹脂製ケース11には樹脂製ケース11を車両に固定する電子機器固定用ボルトが挿通される孔16が形成された取り付け脚部13bがインサート成形されている。そして、車載用電子機器10は、樹脂製ケース11の底壁11bが車両のフレームに当接する状態でフレームに取り付けられる。したがって、取り付けの際に車両側のフレームと直接当接するのは樹脂製ケース11であるので、当接時の変形応力や車両の振動等は回路基板12に加わることがない。即ち、回路基板12に不要な応力が加わることが抑制されるので、車載用電子機器10の信頼性が向上する。また、車載用電子機器10の厚さ、即ち樹脂製ケース11及び回路基板12の合計の厚さを、回路基板12を樹脂製ケース11内に収容するとともに、樹脂製ケース11の開口部を回路基板12と別の蓋体で覆う構成に比較して、薄くすることができ、車載用電子機器10の設置スペースを小さくすることができる。
(3)補強用金属製部材13は枠状に形成されているため、底壁11bのほぼ全面と同じ面積の金属板を使用する場合に比較して、面積を大幅に削減でき、軽量化を図ることができる。
(4)補強用金属製部材13の材質に亜鉛鋼板が使用されている。亜鉛鋼板はねじ14による締め付け及びボルトによる締め付けに必要な強度を有し、且つ高価ではないため好ましい。更に、亜鉛鋼板は車載用電子機器10が取り付けられるフレームと同じ材質のため、熱膨張率が同じで、熱による伸縮が同じになり好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図4を参照しながら説明する。この第2の実施形態は、回路基板12の実装面が上側に向いた状態(フェイスアップ)で、車載用電子機器10が車両に取り付けられるのに適した構造となっている点が前記第1の実施形態と異なっている。具体的には、樹脂製ケース11から突出する取り付け脚部13bの形状が異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図4を参照しながら説明する。この第2の実施形態は、回路基板12の実装面が上側に向いた状態(フェイスアップ)で、車載用電子機器10が車両に取り付けられるのに適した構造となっている点が前記第1の実施形態と異なっている。具体的には、樹脂製ケース11から突出する取り付け脚部13bの形状が異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、樹脂製ケース11は、取り付け脚部13bがクランク状に屈曲されるとともに、その高さHが、樹脂製ケース11の厚さT1と、回路基板12の厚さT2との和より大きくなるように形成されている。したがって、回路基板12が樹脂製ケース11にねじ14により固定された状態で、車載用電子機器10が車両のフレームに取り付けられた状態では、回路基板12の実装面と反対側の面がフレームから浮いた状態となる。
この実施形態においても、回路基板12を樹脂製ケース11に固定する場合、即ち車載用電子機器10を組み立てる場合には、樹脂製ケース11を上壁が下側となるように(図4の状態から裏返した状態に)配置する。その状態で、その上方から回路基板12を、実装面が下向きとなるように、回路基板12の挿通孔12aと樹脂製ケース11の挿通穴11aが一致し、且つ回路基板12の雄型タブ端子19を樹脂製ケース11の雌型タブ端子18に挿入するように装着する。なお、樹脂製ケース11の側壁部上面、あるいは回路基板12の周縁部に接着剤が塗布され、樹脂製ケース11の側壁部上面と回路基板12とが接着される。その後、ねじ14により第1の実施形態と同様にして回路基板12が樹脂製ケース11に固定される。
したがって、この実施形態によれば、第1の実施形態における(1),(3),(4)と同様の効果の他に次の効果を得ることができる。
(5)車載用電子機器10は、回路基板12がフレームに対向する状態で、取り付け脚部13bを介して車両に取り付けられるが、その取り付け脚部13bはクランク状に屈曲されるとともに回路基板12がフレームから浮いた状態となるような長さに形成されている。したがって、取り付けの際に車両側のフレームと回路基板12とが接触することがないため、不要な応力が回路基板12に加わることがない。即ち、回路基板12とその回路基板12に実装される電子部品20との電気的接続構造に不具合が生じることがなく、車載用電子機器10の信頼性が向上する。
(5)車載用電子機器10は、回路基板12がフレームに対向する状態で、取り付け脚部13bを介して車両に取り付けられるが、その取り付け脚部13bはクランク状に屈曲されるとともに回路基板12がフレームから浮いた状態となるような長さに形成されている。したがって、取り付けの際に車両側のフレームと回路基板12とが接触することがないため、不要な応力が回路基板12に加わることがない。即ち、回路基板12とその回路基板12に実装される電子部品20との電気的接続構造に不具合が生じることがなく、車載用電子機器10の信頼性が向上する。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 樹脂製ケース11にインサートされる補強用金属製部材13の形状は、矩形枠状に限定されることはなく、所定の位置にねじ穴15が設けられ、且つねじ14の締結時の応力が分散できれば、適宜変更可能である。例えば、樹脂製ケース11の底壁11bに拡がる長方形の板状にしても良い。この場合、重量は増加するが、より強固なインサート成形が可能である。
○ 樹脂製ケース11にインサートされる補強用金属製部材13の形状は、矩形枠状に限定されることはなく、所定の位置にねじ穴15が設けられ、且つねじ14の締結時の応力が分散できれば、適宜変更可能である。例えば、樹脂製ケース11の底壁11bに拡がる長方形の板状にしても良い。この場合、重量は増加するが、より強固なインサート成形が可能である。
○ 樹脂製ケース11内にインサートする補強用金属製部材13の形状を適宜変形させ、電磁シールド機能を得るようにしても良い。例えば、樹脂製ケース11の底壁11b及び側壁部に板状の補強用金属製部材13をインサートするような構造とし、回路基板12の実装面側から発生する不要輻射ノイズを遮蔽する形態が挙げられる。また、金属板にパンチング加工で、電磁シールド機能を確保可能な小さな孔を多数形成したものをインサートするようにしてもよい。
○ 補強用金属製部材13は、ねじ穴15の設けられる部分(例えば、枠部13a)と、取り付け脚部13bとが一体である必要はなく、別体の状態でインサート成形するようにしても良い。例えば、図5に示すように、取り付け脚部13bを備えた補強用金属製部材13と、2個のねじ穴15を備えた補強用金属製部材13と、1個のねじ穴15を備えた補強用金属製部材13の合計3個の補強用金属製部材13を樹脂製ケース11にインサート成形してもよい。また、3個のねじ穴15が形成された1個の補強用金属製部材13と、1個の取り付け脚部13bが形成された2個の補強用金属製部材13とを樹脂製ケース11にインサート成形してもよい。
○ 取り付け脚部13bは、その配置位置、配置数が前記実施形態に限定されることはなく、車両のフレームに装着固定可能ならば適宜変更してもよい。
○ 車載用電子機器10のフレームへの固定は、必ずしもボルトである構造に限定はされず、例えばリベット等の他の固定構造を採用するようにしても良い。
○ 車載用電子機器10のフレームへの固定は、必ずしもボルトである構造に限定はされず、例えばリベット等の他の固定構造を採用するようにしても良い。
○ 補強用金属製部材13の材質は、回路基板12の固定支持及び車載用電子機器10の車両への固定支持が可能であれば、特に限定はされないが、コスト、強度等の点から亜鉛鋼板が好ましい。
○ 回路基板12を樹脂製ケース11に固定するねじ14の位置、本数は限定されることはなく、適宜変更可能である。例えば、前記実施形態のような回路基板12の周縁部ではなく、樹脂製ケース11の側壁部より内側と対応する箇所に設けるようにしても良い。その場合には、樹脂製ケース11側に設ける補強用金属製部材13のねじ穴15、及び対応する樹脂部の挿通穴11aも、適応する位置に形成する。なお、樹脂部の挿通穴11aは、図6に示すように、底壁11bに突設されたボス部21に設ける構造が挙げられる。なお、図6は樹脂製ケース11の周縁部にも挿通穴11aが存在する例を示している。
○ 樹脂製ケース11の補強用金属製部材13のねじ穴15に連通する樹脂部分の挿通穴11aを省略し、補強用金属製部材13のねじ穴15が樹脂から直接露出するように設けても良い。但しこの場合、案内が無くなるため、ねじ14の長さが長いと、回路基板12の裏面側から挿通したねじ14を補強用金属製部材13のねじ穴15に螺合する作業性が若干低下する。
○ 回路基板12と樹脂製ケース11側に設けられたインサート電極との接続は、樹脂製ケース11側に雌型タブ端子18を設け、回路基板12側に雄型タブ端子19を設ける構成に限定されない。例えば、樹脂製ケース11側に雄型タブ端子19を設け、回路基板12側に雌型タブ端子18を設けても良い。また、タブ端子以外の各種接続構造を適用してもよい。
○ ねじ穴15に螺合して回路基板12を樹脂製ケース11に固定するねじ14に代えてボルトを使用してもよい。
○ 回路基板12の厚さが、ねじ14あるいはボルトの頭部を収容する収容部を設けてもねじ14又はボルトで回路基板12を必要な強度で締め付けることができれば、ねじ14あるいはボルトの頭部を収容部に収容する構成としてもよい。
○ 回路基板12の厚さが、ねじ14あるいはボルトの頭部を収容する収容部を設けてもねじ14又はボルトで回路基板12を必要な強度で締め付けることができれば、ねじ14あるいはボルトの頭部を収容部に収容する構成としてもよい。
○ 補強用金属製部材13のねじ穴15に代えてねじ孔を形成しても良い。しかし、この場合もねじ孔に螺合するねじ14あるいはボルトは、ねじ孔を貫通せずに螺合される。
○ 取り付け脚部13bを省略してもよい。その場合、図7(a)に示すように、補強用金属製部材13にねじ穴15あるいはねじ孔に代えて孔22を形成する。そして、回路基板12の挿通孔12aに挿通されるボルト23を、車両のフレーム24に形成された車両側の雌ねじ部としてのねじ孔24aに螺合させて車載用電子機器10をフレーム24に取り付ける。また、図7(b)に示すように、フレーム24にねじ孔24aを形成する代わりに孔24bを形成し、ボルト23がフレーム24を貫通する長さに形成して、車両側の雌ねじ部としてのナット25に螺合させて固定するようにしてもよい。ボルト23は、電子機器固定用ボルト及び回路基板固定用ボルトとして機能する。
○ 取り付け脚部13bを省略してもよい。その場合、図7(a)に示すように、補強用金属製部材13にねじ穴15あるいはねじ孔に代えて孔22を形成する。そして、回路基板12の挿通孔12aに挿通されるボルト23を、車両のフレーム24に形成された車両側の雌ねじ部としてのねじ孔24aに螺合させて車載用電子機器10をフレーム24に取り付ける。また、図7(b)に示すように、フレーム24にねじ孔24aを形成する代わりに孔24bを形成し、ボルト23がフレーム24を貫通する長さに形成して、車両側の雌ねじ部としてのナット25に螺合させて固定するようにしてもよい。ボルト23は、電子機器固定用ボルト及び回路基板固定用ボルトとして機能する。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補強用金属製部材に形成された挿通部はねじ穴である。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補強用金属製部材に形成された挿通部はねじ穴である。
(2)請求項1に記載の発明において、前記樹脂製ケースは、前記回路基板の挿通孔に挿通されたボルトが前記挿通部と対応する位置で前記樹脂製ケースを貫通して、車両側の雌ねじ部に螺合可能に形成されている。
10…車載用電子機器、11…樹脂製ケース、12…回路基板、12a…挿通孔、13…補強用金属製部材、13b…取り付け脚部、14…回路基板固定用ボルトとしてのねじ、15…挿通部としてのねじ穴、16,22…孔、17…コネクタ部、18…ケース側端子としての雌型タブ端子、19…基板側端子としての雄型タブ端子、20…電子部品、23…電子機器固定用ボルト及び回路基板固定用ボルトとしてのボルト。
Claims (2)
- 車両に電子機器固定用ボルトを介して固定可能に構成された車載用電子機器であって、
外部接続用のコネクタ部が設けられた、底部と側壁部とを有する箱状の樹脂製ケースに対して、電子部品が表面実装され且つ基板側端子が設けられた回路基板が、前記電子部品及び前記基板側端子が前記樹脂製ケース内に収容される状態で前記樹脂製ケースの開口部を覆うように、回路基板固定用ボルトを介して気密状態で固定され、
前記樹脂製ケースには、該樹脂製ケースの側壁部と対応する枠形状であって前記回路基板固定用ボルトが挿通される挿通部を有する補強用金属製部材と、第1端部が前記コネクタ部に露出するとともに第2端部が前記基板側端子と電気的に接続可能なケース側端子を構成する電極部材と、がインサート成形されており、
前記回路基板には、前記挿通部と対応する箇所に前記回路基板固定用ボルトが挿通される挿通孔が形成されている車載用電子機器。 - 前記補強用金属製部材には、前記電子機器固定用ボルトが挿通される孔が形成された取り付け脚部が設けられており、
前記樹脂製ケースの側壁部から前記取り付け脚部が露出するように、前記補強用金属製部材は前記樹脂製ケースの底部にインサート成形されている請求項1に記載の車載用電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007124479A JP2008279846A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 車載用電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007124479A JP2008279846A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 車載用電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008279846A true JP2008279846A (ja) | 2008-11-20 |
Family
ID=40141039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007124479A Pending JP2008279846A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 車載用電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008279846A (ja) |
-
2007
- 2007-05-09 JP JP2007124479A patent/JP2008279846A/ja active Pending
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