JP2008278228A - 撮影意図を視覚化するデジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の撮影意図または撮影した対象物に対するコンテキスト情報を視覚化できるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、周囲状況および対象物を含む被写体を撮影する画像撮影部と、前記対象物に対する利用者の意図に関係するマークを付加する操作入力を行うユーザ意図入力部と、利用者自身を撮影する撮影手段を含む利用者の周囲状況のデータを取得する状況認識部と、前記対象物を含む被写体の画像、利用者の意図に関係するマークの画像、および前記利用者の周囲状況のデータを視覚化した画像を合成する情報処理部と、前記情報処理部により画像合成された撮影意図が表現された画像を提示する情報提示部とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタルカメラは、周囲状況および対象物を含む被写体を撮影する画像撮影部と、前記対象物に対する利用者の意図に関係するマークを付加する操作入力を行うユーザ意図入力部と、利用者自身を撮影する撮影手段を含む利用者の周囲状況のデータを取得する状況認識部と、前記対象物を含む被写体の画像、利用者の意図に関係するマークの画像、および前記利用者の周囲状況のデータを視覚化した画像を合成する情報処理部と、前記情報処理部により画像合成された撮影意図が表現された画像を提示する情報提示部とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被写体を利用者が撮影する場合に、利用者の撮影意図を視覚化して映し込むことができるデジタルカメラに関するものであり、更に詳細には、利用者の撮影意図または撮影した対象物に対するコンテキスト情報を視覚化できるデジタルカメラに関するものである。
この数十年の間にデジタルカメラは世界に広く普及し、小型化、高画質化が実現した。そして、デジタルカメラによってフィルムカメラのように失敗やコストを気にすることなしに、日常的に気軽に写真を撮影することが可能になった。その結果、個人が膨大な量の写真を所有する時代が今日訪れたといえる。
しかし、個人が膨大な量の写真を所有するようになった一方で、撮影した写真を再び見ることがなかったりするなど、死蔵状態にある写真も少なくない。このような問題に対して、さまざまな写真の閲覧手法の提案の研究がすすめられている(非特許文献3)。
また、この種の技術に関連する研究としては、撮影した写真に対して手書きやテキストなどでアノテーションするシステムがある(非特許文献1,非特許文献2)。
Ayatsuka, Y.,et. al: ChatScape: a Visual Informal Communication Tool in Communities, in CHI2001 Extended Abstracts, pp. 327-328 (2001). 伊藤惇他:PhotoChat:互いの視点画像に「書き込む」ことによるコミュニケーション支援,人工知能学会第20回全国大会(2006). Bederson, B.B.: PhotoMesa: A Zoomable Image Browser Using Quantum Treemaps and Bubblemaps.Proceedings of UIST 2001, pp. 71-80, (2001).
Ayatsuka, Y.,et. al: ChatScape: a Visual Informal Communication Tool in Communities, in CHI2001 Extended Abstracts, pp. 327-328 (2001). 伊藤惇他:PhotoChat:互いの視点画像に「書き込む」ことによるコミュニケーション支援,人工知能学会第20回全国大会(2006). Bederson, B.B.: PhotoMesa: A Zoomable Image Browser Using Quantum Treemaps and Bubblemaps.Proceedings of UIST 2001, pp. 71-80, (2001).
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、本発明においては、写真を撮った後ではなく、「写真を撮る時点」に着目し、特に撮影者の「意図」に着目した新しい利用の可能性を拡げるデジタルカメラを提供することを目的とする。
すなわち、具体的に、本発明の目的は、利用者の撮影意図または撮影した対象物に対するコンテキスト情報を視覚化できるデジタルカメラを提供することにある。
上記のような目的を達成するため、本発明によるデジタルカメラは、基本的なシステム構成として、周囲状況および対象物を含む被写体を撮影する画像撮影部と、前記対象物に対する利用者の意図に関係するマークを付加する操作入力を行うユーザ意図入力部と、利用者自身を撮影する撮影手段を含む利用者の周囲状況のデータを取得する状況認識部と、前記対象物を含む被写体の画像、利用者の意図に関係するマークの画像、および前記利用者の周囲状況のデータを視覚化した画像を合成する情報処理部と、前記情報処理部により画像合成された撮影意図が表現された画像を提示する情報提示部とを備えることを特徴とする。
本発明によるデジタルカメラは、更に、前記画像撮影部により撮影された被写体の画像データを、状況認識部により取得した利用者の周囲状況のデータと関係付けて記憶する記憶装置を備え、前記情報処理部は、前記記憶装置に記憶された被写体の画像データを読み出し、情報提示部に被写体の画像データを表示すると共に、情報提示部に表示された画像データに対して、ユーザ意図入力部により操作入力された利用者の意図に関係するマーク画像を付加することを特徴とする。
また、本発明のデジタルカメラにおいて、前記ユーザ意図入力部は、前記対象物に付加するマークを入力するトラックポインタおよび圧力センサーを含む画像撮影部を制御するシャッターから構成され、前記状況認識部は、利用者自身を撮影する撮影者用カメラ、周囲状況の音データを取得するマイク、周囲状況の明るさのデータを取得する光センサー、周囲状況の温度のデータを取得する温度センサー、本体の姿勢データを取得する加速度センサー、本体の位置データを取得する位置情報取得装置、本体の方位を取得する方位センサー、および日付時刻データを取得する時計機構から構成される。
また、本発明のデジタルカメラにおいて、前記情報提示部は、液晶ディスプレイから構成され、前記液晶ディスプレイの表示画面に、複数のサブウィンドウ画面が設けられ、前記複数のサブウィンドウ画面において、前記状況認識部が取得した各データが提示される。利用者は、表示画面の複数のサブウィンドウ画面に利用者の周囲環境の状況のデータが提示されるので、これらのデータを利用して、利用者の撮影意図、周囲環境の状況のコンテキスト情報が視覚化されて撮影した被写体の画像と共に画像合成した撮影画像が得られる。
上記のような構成の本発明のデジタルカメラによれば、利用者が被写体の写真を撮る場合に、写真を撮った後ではなく、「写真を撮る時点」に着目し、利用者の撮影意図が反映された画像を得ることができる。その得られた写真の画像には、利用者が、被写体の中の対象物を着目し、どのような周囲の環境の状況で撮影されたかを示すデータが視覚化されて映し込まれており、撮影者の「意図」が表現された写真の画像となっている。
本発明によれば、新しい利用の可能性を拡げるデジタルカメラが提供され、また、利用者の撮影意図または撮影した対象物に対するコンテキスト情報を視覚化できるデジタルカメラを提供される。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施例のデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。図1において、101はカメラにより撮影した画像データに対する情報処理を行うと共に接続された周辺機器の制御処理を行う制御用コンピュータ、102は画像データを記憶する記憶装置、103は撮影者の意図を反映する対象物を含む被写体の画像を撮影する画像撮影部、104はユーザの意図を操作入力により行うユーザ意図入力部、105は周囲の状況の様々なデータを取得する状況認識部、106は撮影された画像および周囲の状況のデータを視覚化した画像を表示する情報提示部である。
本発明のデジタルカメラは、図1に示すように、制御処理および情報処理を行う制御用コンピュータ101に、記憶装置102、画像撮影部103、ユーザ意図入力部104、状況認識部105、情報提示部106が接続されて画像処理システムを構成している。
画像撮影部103は、CCDカメラにより構成されており、周囲状況および対象物を含む被写体を撮影する。ユーザ意図入力部104は、トラックポインタおよび圧力センサーが設けられたシャッター機構から構成されており、画像撮影部103により被写体を撮影する操作をシャッター機構により行う。このシャッター機構には圧力センサーが設けられており、利用者がシャッター操作を行った際の押し込み圧力の圧力データを、シャッター機構のシャッター操作のタイミングデータと共に、制御用コンピュータ101に送出する。
また、利用者がトラックポインタの操作を行うことにより、撮影で注目する対象物を指示するマーク(リアルフォーカス)を位置づけして、画像撮影部103により撮影した被写体の対象物に対する利用者の意図に関係するマークを付加する操作入力を行う。
状況認識部105は、利用者自身を撮影する撮影者用カメラ、周囲の騒音の音量を検出するマイク、周囲の明るさを検出する光センサー、周囲の温度を計測する温度センサー、現在地を取得するGPSセンサー、方位センサーなどから構成されており、デジタルカメラを利用する利用者(撮影者)の周囲状況のデータを取得する。
情報提示部106は、液晶ディスプレイから構成されており、状況認識部105により取得した各種の周囲状況のデータを表示すると共に、被写体の撮影時には、画像撮影部103により撮影した画像を表示し、また、制御用コンピュータ101の情報処理により、対象物を含む被写体の画像、利用者の意図に関係するマークの画像、および前記利用者の周囲状況のデータを視覚化した画像を合成した結果の画像データを表示する。これにより、情報提示部106に表示される画像は、画像合成された撮影意図が表現された画像となる。
この情報提示部106に表示される画像データは、画像処理の情報処理過程により、記憶装置102に一時記憶されると共に、ユーザ意図入力部104の操作入力により、利用者の指示によって記憶される。その場合に、記憶装置102は、画像撮影部103により撮影された被写体の画像データを、状況認識部105により取得した利用者の周囲状況のデータと関係付けて記憶する。
制御用コンピュータ101における画像データに対する画像処理は、後述するように、記憶装置102に記憶された対象物を含む被写体の画像データを読み出し、情報提示部106に被写体の画像データを表示すると共に、情報提示部106に表示された画像データに対して、ユーザ意図入力部104により操作入力された利用者の意図に関係するマークの画像を対象物の近傍に付加する画像合成の情報処理を行う。
ユーザ意図入力部105は、対象物の近傍に付加するマーク(リアルフォーカス)を入力するトラックポインタおよび圧力センサーを含む画像撮影部を制御するシャッターから構成されている。
状況認識部105は、例えば、利用者自身を撮影する撮影者用カメラ、周囲状況の音データを取得するマイク、周囲状況の明るさのデータを取得する光センサー、周囲状況の温度のデータを取得する温度センサー、本体の姿勢データを取得する加速度センサー、本体の位置データを取得する位置情報取得装置、本体の方位を取得する方位センサー、および日付時刻データを取得する時計機構から構成される。
情報提示部は、液晶ディスプレイから構成され、液晶ディスプレイの表示画面に、複数のサブウィンドウ画面が設けられ、前記複数のサブウィンドウ画面において、前記状況認識部が取得した各データを提示する。
図2および図3は、制御用コンピュータ101により処理が実行されるデジタルカメラの画像処理を含むシステム制御処理の全体の処理フローを示すフローチャートである。これらの図を参照して説明する。
電源が投入されて、処理が開始されると、図示されない初期化処理、システムに接続された状態の複数のセンサーデバイスのチェックの処理を行い、図2および図3に示された処理を開始する。まず、図2に示されるように、マルチタスク処理により、ステップ201〜ステップ205の処理が平行して実行される。その第1の処理として、対象撮影カメラからの映像入力を行い、映像をファインダー(液晶ディスプレイ)に表示する処理を行う(ステップ201,ステップ202)。第2の処理として、後に説明するように、各種センサーからのデータ入力の処理を行い、各種センサーからのデータ視覚化して表示する処理を行う(ステップ203,ステップ204)。また、第3の処理として、トラックポインタからの操作入力を受け付けて、リアルフォーカス(矢印のマーク)をファインダー(液晶ディスプレイ)に表示する処理を行う(ステップ205)。ここでのリアルフォーカスとは、後述するように、撮影された被写体の画像の中で利用者が注目している対象物を指示するための例えば矢印のマークであり、このマークは、気合いシャッター(圧力センサー)の押し込み力の強さに応じて、その大きさが変化するものである。つまり、利用者に気合いが入って、シャッターの押し込み力が大きくなると、矢印のマークは大きく表示される。
このように、撮影された画像のデータ入力および入力された画像データの表示の処理、各種センサーからのデータ入力および入力されたセンサーからのデータを可視化して表示する処理、トラックポインタの操作入力を受け付けて操作位置にリアルフォーカスを表示する処理を行う。これらの処理に続いて、図3に示す処理を実行する。
図3を参照すると、次に、デジタルカメラの制御処理では、写真撮影のシャッター操作を受け付ける撮影タイミング処理に進む。すなわち、ステップ206の撮影待機を処理を行い、次に、ステップ207において、受け付けたトラックポインタの操作位置にリアルフォーカスを移動する処理を行い、次のステップ208において、気合いシャッター(圧力センサー)が閾値以上の強さで押されたか否かを判定する。
このステップ208の判定処理において、シャッター(圧力センサー)が閾値以上の強さで押されていない場合、写真撮影の操作が行われていない状態なので、ステップ206に戻り、ステップ206からの処理を繰り返す。
ステップ208の判定処理において、シャッター(圧力センサー)が閾値以上の強さで押されたことが判定できると、利用者により写真撮影の操作が行われた場合なので、ステップ209に進み、入力された画像と視覚化されたセンサーデータおよびリアルフォーカス画像(マーク)を合成する処理を行う。次に、ステップ210において、合成画像を記録装置に保存する処理を行い、次のステップ211において、利用者が撮影の終了の操作を行ったか否かを判定する。この判定で終了の場合には、そのまま処理を終了とし、終了でない場合には、ステップ206に戻り、ステップ206に戻り、ステップ206からの処理を繰り返す。
次に、本発明のデジタルカメラにおいて特徴的な利用者の周囲の状況のデータを各種センサーにより取得し、そのデータを画像として可視化する処理(ステップ203,ステップ204)について説明する。図4は各種センサーからのデータ入力処理の処理フローを示すフローチャートであり、図5は各種センサーからのデータ可視化処理の処理フローを示すフローチャートである。
図4に示すように、各種センサーからのデータ入力処理では、それぞれのセンサーからのデータを、対応したそれぞれのレジスタに格納する処理を繰り返す処理を行い(ステップ301〜ステップ308)、また、図5に示すように、各種センサーからのデータ視覚化処理では、それぞれのセンサーからのデータが格納されたレジスタから、それぞれのデータを読み出し、それぞれのデータを例えば「VisualExif」を用いるアイコン画像として可視化する処理を繰り返す処理(ステップ401〜ステップ408)を行う。
図6は、本発明の一実施例のデジタルカメラの試作品の外観を示す図であり、正面側から観た写真図と背面から観た写真図をそれぞれ示している。図6に示すように、本発明の一実施例のデジタルカメラは、公知のデジタルカメラの機構に加えて、更に、利用者自身を撮影するユーザ側カメラ(1)、フォーカス操作用トラックポインタ(2)、圧力センサー式シャッターボタン(3)、加速度センサー(4),光センサー(5)、温度センサー(6)、USBカメラ(7)を筐体に搭載した構造としている。ここでは、公知のデジタルカメラの機構としてUSBカメラ7を用いた構成としている。
図7は、本発明の一実施例のデジタルカメラの情報提示部の表示画面を一例を示す図であり、また、図8は、本発明の一実施例のデジタルカメラの情報提示部の表示画面の中の視覚化メタデータ一覧表示領域の一例を示す図である。ここでの表示画面は、図7に示すように、大きくは2つの表示領域に分けられ、被写体の撮影画像を表示するファインダー領域と、視覚化メタデータ一覧表示領域から構成されている。視覚化メタデータ一覧表示領域は、周囲の状況のデータを表示する複数のサブウィンドウ(アイコン画像)から構成されている。ここには、図8に詳細に示すように、各種のデータをサムネイル様式またはアイコン様式により表示するための9個のサブウィンドウ領域が設けられている。
すなわち、図8に示すように、視覚化メタデータ一覧表示領域は、
(1)前回撮影した写真を表示するサブウィンドウ領域、
(2)時刻を表示するための時計を表示するサブウィンドウ領域、
(3)日付を表示するためのカレンダーを表示するサブウィンドウ領域、
(4)利用者自身を視覚化するための撮影者カメラからデータにより撮影者の顔を表示するサブウィンドウ領域、
(5)撮影者姿勢を視覚化するための加速度センサーからのデータに基づいて人形の姿勢を表示するサブウィンドウ領域、
(6)気温を視覚化するための温度センサーからのデータに基づいて温度計を表示するサブウィンドウ領域、
(7)騒音を視覚化するためのマイクからのデータに基づいて音量のレベルを表示するサブウィンドウ領域、
(8)現在地を視覚化するためのGPSセンサーからのデータに基づいて地図上のポイントを表示するサブウィンドウ領域、
(9)被写体の画像に付加するアノテーション画像を表示するサブウィンドウ領域、
から構成されており、それぞれのサブウィンドウ領域に対応のデータが表示される。
(1)前回撮影した写真を表示するサブウィンドウ領域、
(2)時刻を表示するための時計を表示するサブウィンドウ領域、
(3)日付を表示するためのカレンダーを表示するサブウィンドウ領域、
(4)利用者自身を視覚化するための撮影者カメラからデータにより撮影者の顔を表示するサブウィンドウ領域、
(5)撮影者姿勢を視覚化するための加速度センサーからのデータに基づいて人形の姿勢を表示するサブウィンドウ領域、
(6)気温を視覚化するための温度センサーからのデータに基づいて温度計を表示するサブウィンドウ領域、
(7)騒音を視覚化するためのマイクからのデータに基づいて音量のレベルを表示するサブウィンドウ領域、
(8)現在地を視覚化するためのGPSセンサーからのデータに基づいて地図上のポイントを表示するサブウィンドウ領域、
(9)被写体の画像に付加するアノテーション画像を表示するサブウィンドウ領域、
から構成されており、それぞれのサブウィンドウ領域に対応のデータが表示される。
このように、本発明によるデジタルカメラで撮影する写真は、「その画像の意味(=what)よりも意図(=why)が重要である」と考えて、注目する対象物を含む被写体の撮影画像を得るようにしている。その意味で、本発明によるデジタルカメラは「意図カム」と称する。以下においては、「意図カム」という用語を用いて説明する。
たとえば、木の写真があったとする。そこで、撮影者には「息子が生まれたときに植えられた木を30年ぶりに見に来たときに、その成長ぶりに驚いて撮影した写真」といった意図があったとしても、その写真を他人が見てわかるのは、「木」という直接的な意味だけである。
木が写っているという「意味」よりも、だれがなぜこの写真を撮ったのかという「意図」のほうが写真の魅力的な情報になる場面も多い。意図カムは、このような写真画像からだけでは捉えることが困難な「撮影者の意図」を、ユーザ自身の操作によって写真画像に同時に埋め込むことにより、あとで写真を見た際に、撮影者が不在であってもその写真の意図が理解できるように画像を生成する画像処理システムのデジタルカメラである。
次に、本発明によるデジタルカメラの「意図カム」の特徴と仕組み、更には利用法について詳細に説明する。プロトタイプの外観は、前述の図6のようなものである。
(1)リアルフォーカス:
一般的にカメラには、レンズによるピント調整機能が備わっており、撮影対象にピントを合わせ、かつその構図によって撮影者の意図を表現することが多い。意図カムでは、ピントの代わりに、リアルフォーカスというユーザの意図を視覚化したアイコン画像が常に撮影領域内に表示される。アイコン画像には矢印や円形のものなどがある。これらはユーザの操作によって自由に位置や大きさを変えることができる。シャッター(気合シャッター)を切ることで、その撮影領域内におけるユーザの意図は定まり、アイコン画像と共に画像として保存される。
一般的にカメラには、レンズによるピント調整機能が備わっており、撮影対象にピントを合わせ、かつその構図によって撮影者の意図を表現することが多い。意図カムでは、ピントの代わりに、リアルフォーカスというユーザの意図を視覚化したアイコン画像が常に撮影領域内に表示される。アイコン画像には矢印や円形のものなどがある。これらはユーザの操作によって自由に位置や大きさを変えることができる。シャッター(気合シャッター)を切ることで、その撮影領域内におけるユーザの意図は定まり、アイコン画像と共に画像として保存される。
(2)気合シャッター:
意図カムのシャッターボタン部分には、圧力センサーが組み込まれており、ユーザのシャッターの押し込み具合によって、撮影対象の興味深さを表現できる。現在は気合シャッターを強く押し込むほど、画面上の矢印アイコンが拡大される。
意図カムのシャッターボタン部分には、圧力センサーが組み込まれており、ユーザのシャッターの押し込み具合によって、撮影対象の興味深さを表現できる。現在は気合シャッターを強く押し込むほど、画面上の矢印アイコンが拡大される。
(3)「VisualExif」の利用:
撮影画像からだけでは、その撮影意図がよみとれない場合がある。たとえば、空港を出るととても暑かったので写真を撮ったとしても、風景画像だけでは「暑かったから」という意図は撮影者本人にしかわからない。また、日数が経過すると、撮影者本人も意図を忘れてしまうことがあると考えられる。
撮影画像からだけでは、その撮影意図がよみとれない場合がある。たとえば、空港を出るととても暑かったので写真を撮ったとしても、風景画像だけでは「暑かったから」という意図は撮影者本人にしかわからない。また、日数が経過すると、撮影者本人も意図を忘れてしまうことがあると考えられる。
「意図カム」では、そういた撮影画像には含まれない意図を明示化するために、撮影時のディスプレイや撮影写真内に気温や撮影者情報などのメタデータを視覚化して提示する画像管理表示ソフト「VisualExif」を用いたシステムとして構成する。
「VisualExif」による画像表示は、このような気温情報や、時間、撮影者、撮影姿勢、明るさ、にぎやかさなどのさまざまな周辺状況を視覚化して(アイコン画像として)、撮影時にユーザが利用できる点に特徴である(図7)。たとえば、撮影時に「暑い」ということ意図したいのであれば、温度計を表示する「VisualExif」の気温のメタデータにリアルフォーカスを当てて、その意図を表現する。これにより、撮影された写真には、後から見ても、暑いから撮った写真であることが容易に理解できる。
従来型のデジタルカメラにも、メタデータを付加する機構は備わっていたが、「意図カム」では、通常の「Exif」フォーマットのデータにはない情報を付加するために、照度センサー、温度センサーをカメラの前部に実装している。写真における撮影者は、意図を示すための重要な情報である。
よって、「意図カム」ではファインダー側にもカメラを取り付けて、撮影者の画像も「VisualExif」として提示/記録する機能を実装する。さらに、利用者が前回撮影した写真や、お金のアイコン(高い買い物をしたという意図を表現)やとっさアイコン(とっさに撮影した状況を表現)する情報を「VisualExif」で提示する。
(利用方法)
意図カムは一般的な一眼レフデジタルカメラとほぼ同じように、フォーカス調整を行う感覚で利用できる。
意図カムは一般的な一眼レフデジタルカメラとほぼ同じように、フォーカス調整を行う感覚で利用できる。
ユーザは撮影時に、リアルフォーカスの矢印のマークをカメラ右側のトラックポイントで動かして、注目している対象物に対応して任意の位置に矢印を移動する。次に、シャッターボタン(圧力センサーが設けられた気合シャッター)を押すことで、その押し込み具合に応じて、矢印アイコンのサイズが変化し、画像がキャプチャーされて保存される。たとえば、「日曜日なのに仕事をしている」ということを意図して撮影した場合は、カレンダーアイコンの曜日の「VisualExif」にリアルフォーカスすることでその意図を伝える。また、「北海道についた、凍えそうだ」ということを意図していた場合、気温を表示しているアイコンの温度計の「VisualExif」にリアルフォーカスすればよい。
意図カムを開発するにあたり、ユーザがどのような意図をもって写真を撮影するのか、すでに撮られた写真を見ることで、その意図を探った。その結果、意図はその写真画像から読み取れるものも多かったが、中には高い買い物をしたから、その写真を撮ったものや、雰囲気を伝えるためにとっさに撮影した、などいくつかの写真の文法があることが示唆された。
次に、発明者らが実際に意図カムを利用した際の知見について述べる。まず、撮影者の写真も同時に写る点は新鮮であり、特に被写体が友人などの写真である場合、お互いが対話しているような印象を受けた。そして、撮影者の表情や同時に映し出される背後の状況から、その場の撮影状況を知ることができ、「写真撮影という行為自体」を記録することが可能となったと考える。また、「VisualExif」の時計アイコンによる時刻表示は、直感的に時間がわかるため、スライドショー的に見た場合、どれくらい時間が経過したのかを容易に把握することができた。このように、撮影者状況などの意図カム独自の機能に加えて、通常のExifに含まれる情報でも常に視覚化することにより有効な情報となる。
101 制御用コンピュータ
102 記憶装置
103 画像撮影部
104 ユーザ意図入力部
105 状況認識部
106 情報提示部
102 記憶装置
103 画像撮影部
104 ユーザ意図入力部
105 状況認識部
106 情報提示部
Claims (5)
- 周囲状況および対象物を含む被写体を撮影する画像撮影部と、
前記対象物に対する利用者の意図に関係するマークを付加する操作入力を行うユーザ意図入力部と、
利用者自身を撮影する撮影手段を含む利用者の周囲状況のデータを取得する状況認識部と、
前記対象物を含む被写体の画像、利用者の意図に関係するマークの画像、および前記利用者の周囲状況のデータを視覚化した画像を合成する情報処理部と、
前記情報処理部により画像合成された撮影意図が表現された画像を提示する情報提示部と
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、更に、
前記画像撮影部により撮影された被写体の画像データを、状況認識部により取得した利用者の周囲状況のデータと関係付けて記憶する記憶装置を備え、
前記情報処理部は、前記記憶装置に記憶された被写体の画像データを読み出し、情報提示部に被写体の画像データを表示すると共に、情報提示部に表示された画像データに対して、ユーザ意図入力部により操作入力された利用者の意図に関係するマーク画像を付加する
ことを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記ユーザ意図入力部は、前記対象物に付加するマークを入力するトラックポインタおよび圧力センサーを含む画像撮影部を制御するシャッターから構成される
ことを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記状況認識部は、利用者自身を撮影する撮影者用カメラ、周囲状況の音データを取得するマイク、周囲状況の明るさのデータを取得する光センサー、周囲状況の温度のデータを取得する温度センサー、本体の姿勢データを取得する加速度センサー、本体の位置データを取得する位置情報取得装置、本体の方位を取得する方位センサー、および日付時刻データを取得する時計機構から構成される
ことを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記情報提示部は、液晶ディスプレイから構成され、
前記液晶ディスプレイの表示画面に、複数のサブウィンドウ画面が設けられ、前記複数のサブウィンドウ画面において、前記状況認識部が取得した各データを提示する
ことを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007119745A JP2008278228A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 撮影意図を視覚化するデジタルカメラ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007119745A JP2008278228A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 撮影意図を視覚化するデジタルカメラ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007119745A Pending JP2008278228A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 撮影意図を視覚化するデジタルカメラ |
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JP (1) | JP2008278228A (ja) |
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- 2007-04-27 JP JP2007119745A patent/JP2008278228A/ja active Pending
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