JP2008275795A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ロールなどで、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、偏光分離機能等を備える光学フィルムを提供する。
【解決手段】微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層と、該凸構造を保護するための保護層とを有し、前記凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなり、該凸部aの中心間距離が30〜1000nm、且つ該凸部aの高さが5〜3000nmであり、前記凸構造Bは、複数の凸部bからなり、該凸部bの平均中心間距離が前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、該凸部bの高さが凸部aの高さよりも50nm〜100μm高く、該凸部bの頂面に直接又は他の層を介して前記保護層が積層されている光学フィルム。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学フィルムに関する。さらに詳細には、搬送ロール等で、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、偏光分離機能等を備える光学フィルムに関する。
半導体分野において発展した超微細加工技術の応用により、近年、微細構造による光の回折現象などを利用した光学素子が提案されている。
例えば、周期的な微細構造を有する光学素子として、光の回折現象を利用した回折格子が広く知られている。回折格子は光の波長あるいはその数倍程度のピッチの微細な周期構造を有するものである。
また同じく周期的な微細構造を有する光学部材として、グリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。このような金属のグリッド構造を形成すると、グリッドの周期が入射光の波長より短い場合に、グリッド構造を形成している線状金属に対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
このような微細構造は非常に繊細な構造であり、ほんのわずかでも表面を擦ったり、引掻いたりなどすると、微細構造は容易に破壊され機能に欠陥が生じてしまう。そこで、このような微細構造を有する光学素子には、微細構造を保護するために保護層を設ける必要がある。
特許文献1には、偏光子を有する偏光デバイスであって、前記偏光子は、光透過基板、前記基板上に配置される周囲環境に敏感なグリッドワイヤ、及び前記偏光子を包囲する密封包囲部材を有し、前記包囲部材は前記偏光素子を周囲環境から保護するために不活性雰囲気を有することを特徴とする偏光デバイスが開示されている。この密封包囲部材は偏光子の側部に取り付けられたスペーサーを介して、グリッドワイヤに接しないように設けられている。しかし、広い面積のグリッド偏光子になると密封包囲部材が撓むなどして、形状の安定性が保てないことがあった。
特表2005−513547号公報(米国公開公報2003−117708号公報)
特許文献2には、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状(2)が形成され、これらの二つの格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが、遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、第二の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子が開示されている。
特開2006−78665号公報
本発明の目的は、周期的な微細構造に起因する機能を有する光学フィルムであって、搬送ロールなどで、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、光学フィルム、なかでもグリッド偏光子フィルムを提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の寸法関係を有する微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを表面に有する樹脂層と、該凸構造を保護するための保護層とを有する光学フィルムによって、表面を擦ったり、引掻いたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでないことを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討した結果完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層と、該凸構造を保護するための保護層とを有し、
前記凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなり、該凸部aの中心間距離が30〜1000nm、且つ該凸部aの高さが5〜3000nmであり、
前記凸構造Bは、複数の凸部bからなり、該凸部bの平均中心間距離が前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、該凸部bの高さが凸部aの高さよりも50nm〜100μm高く、該凸部bの頂面に直接又は他の層を介して前記保護層が積層されている光学フィルム。
(2) 長尺状のものである前記の光学フィルム。
(3) 凸構造Aは、細長く線状に延びた畝状の凸部aが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成している、前記の光学フィルム。
(4) 凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成している、前記の光学フィルム。
(5) 凸部aの頂面に、金属層が形成されている、前記の光学フィルム。
(6) 隣接する凸部aの間に形成される凹部の底面にさらに金属層が形成されている、前記の光学フィルム。
(7) 微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層を有し、
前記凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなり、該凸部aの中心間距離が30〜1000nm、且つ該凸部aの高さが5〜3000nmであり、
前記凸構造Bは、台状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成しており、該凸部bの平均中心間距離が前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、該凸部bの高さが凸部aの高さよりも50nm〜100μm高い光学フィルム。
本発明の光学フィルムによれば、微細凸構造Bによって微細凸構造Aが守られ、搬送ロールなどで、表面が擦られたり、引掻かれたりなどしても、微細凸構造Aには傷がつき難いので、微細凸構造Aによって発現する偏光分離機能などの光学特性が低下しない。
また、本発明の光学フィルムは摩擦、引掻きに強いので、操作性が高い。本発明の光学フィルムを用いることによって、偏光分離膜等を高い効率で生産することができる。
本発明の光学フィルムは、微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層を有する。また、本発明の光学フィルムは、さらに、該凸構造を保護するための保護層を有する。
樹脂層は、透明樹脂からなるものが好ましい。該透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
透明樹脂からなる樹脂層は、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
樹脂層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは30〜300μmである。樹脂層は、波長400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
樹脂層は、微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する。
凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなる。該凸部aは、上面から見たときに(楕)円形、多角形などの形状をした突起状のものであってもよいし、細長く線状に伸びた畝状のものであってもよい。グリッド偏光子として偏光分離機能を付与するためには、凸構造Aは、細長く線状に延びた畝状の凸部aが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成しているのが好ましい。凸部aが畝状である場合は、畝の幅は25〜300nmであることが好ましく、畝の長さは800nm以上であることが好ましい。また、凸構造Aは、モスアイ構造などの、光学素子としての機能を発揮する他の構造を成していてもよい。
凸部aの中心間距離は、30〜1000nm、好ましくは、50〜600nmである。
凸部aの高さは、5〜3000nm、好ましくは20〜1000nm、より好ましくは50〜300nmである。
凸構造Bは、複数の凸部bからなる。該凸部bは、上面から見たときに(楕)円形、多角形などの形状をした突起状のものであってもよいし、細長く線状に延びた畝状のものであっても良い。凸部の大きさは特に限定されないが、突起状のものである場合、上面から見たときの最小差し渡し長さが、好ましくは凸部aの中心間距離の2倍〜50倍、より好ましくは凸部aの中心間距離の5倍〜20倍である。また、凸部bが細長く線状に延びた畝状のものである場合、上面から見た幅が、好ましくは凸部aの中心間距離の2倍〜50倍、より好ましくは凸部aの中心間距離の5倍〜20倍である。凸部bは、頂部から底部まで同じ大きさのものであってもよいし、頂部が小さく底部が大きい台状のもの、頂部が大きく底部が小さい逆テーパー状のものであってもよい。
凸部bの平均中心間距離は、前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、具体的には150nm〜1mm、好ましくは10〜500倍、具体的には300nm〜500μmである。
凸部bの高さは、凸部aの高さよりも50nm〜100μm高く、好ましくは凸部aの高さよりも100nm〜50μm高くなっている。
凸部bの占める面積は、凸構造を有する面の面積の50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、15%以下が特に好ましい。凸部bの占める面積が多すぎると光学特性が劣化する傾向になる。なお、凸部bは凸構造を有する面の面積の5%以上を占めていることが、本発明の効果を得るために好ましい。
凸構造Bは、凸部bが周期的に並んだものであっても、非周期的に並んだものであってもよい。また凸部bの頂面に、凸構造Aと同じ形状構造が形成されていてもよい。
凸構造A及び凸構造Bの態様としては、図1〜図3に示されるようなものが挙げられる。図1は、細長く線状に延びた畝状の凸部aが周期的に並んだ構造を成している凸構造Aと、細長く線状に延びた畝状の凸部bが前記凸部aに平行に周期的に並んだ構造を成している凸構造Bとが表面に形成されている光学フィルムである。図2は、細長く線状に延びた畝状の凸部aが周期的に並んだ構造を成している凸構造Aと、細長く線状に延びた畝状の凸部bが前記凸部aに直交して周期的に並んだ構造を成している凸構造Bとが表面に形成されている光学フィルムである。図3は細長く線状に延びた畝状の凸部aが周期的に並んだ構造を成している凸構造Aと、四角柱形状の凸部bが縦横一列に並んだ構造を成している凸構造Bとが表面に形成されている光学フィルムである。いずれの態様でも、凸部bの高さは凸部aの高さよりも高くなっている。
凸構造A及び凸構造Bは、その形成方法によって特に限定されない。例えば、凸構造A及び凸構造Bに対応する凹凸形状を有する転写型(モールド)を用いて樹脂原反フィルム表面に転写する方法が挙げられ、この場合、モールドがロール状であって、長尺の樹脂原反フィルムに連続的に転写を行う方法であってもよい。また、凸構造A及び凸構造Bのパターンをフォトリソグラフ法によって形成する方法も可能である。
図4〜図7は凸構造A及び凸構造Bを形成する方法の一例を示すものである。
まず、切削加工用バイトを作成する。切削加工用バイトは例えばダイヤモンド製のものを用いることができ、バイトの切削面に微細な形状を形成する方法としては集束イオンビーム(FIB)加工法を挙げることができる。
ダイヤモンド平バイト 10をFIB加工して、微細凸構造Aに対応する櫛型の形状を形成した光学パターン用バイト(1) 20と、微細凸構造Bに対応する凸構造を形成したスペーサーパターン用バイト(2) 30とを製造する(図4)。
金属製のモールド基材 40に、光学パターン用バイト(1)を用いて切削加工を行って(図5)、微細凸構造Aの転写用パターンに対応する溝A’を形成する(図6)。次いでスペーサーパターン用バイト(2)を用いて切削加工を行って、微細凸構造Bの転写用パターンに対応する溝B’を形成し、転写型を得る(図7)。
そして図示されていないが、該転写型を加熱して樹脂原反フィルムに押し付け転写するか、または樹脂原反フィルムにエネルギー線硬化性樹脂を塗布した後に該転写型を押し付け、さらにエネルギー線を照射することによって、凸構造A及び凸構造Bを形成できる。
本発明の光学フィルムは、凸部aの頂面に金属層を形成し、グリッド偏光フィルムとすることができる。この場合、周期的に配列した複数の凸部aは、細長く線状に延びた畝状のものであることが好ましい。また凸部aの頂面だけでなく、隣接する凸部aの間に形成される凹部の底面にさらに金属層が形成されていてもよい。該金属層を構成する金属は、消光係数が3以上のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。金属層の厚さは50〜300nmの範囲であることが好ましい。
金属層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜プロセスや、マイクログラビア法、スクリーンコート法、ディップコート法、無電解めっき、電解めっき等のウェットプロセスによる各種コーティング法によって形成できる。これらのうち均一な金属層が得られるという観点から、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましい。
本発明の光学フィルムは長尺状に形成することができる。長尺とは、フィルムの幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。本発明の光学フィルムは、その幅は限定されないが、100mm以上、あるいは1000mm以上のものも形成可能である。長尺状に形成した本発明の光学フィルムは、適宜その用途に応じた大きさに裁断し、枚葉の光学素子フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムには、前記凸部bの頂面に直接又は他の層を介して保護層が積層されている。また、保護層は、凸部aに直接に触れないようになっていることが好ましい。
保護層は、その材質によってとくに制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の樹脂層を構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
透明樹脂からなる保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは30〜300μmである。樹脂層は、波長400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
保護層を積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。凸部b頂面と保護層との間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS共重合体)接着剤、その水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、および、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
本発明の光学フィルムは、凸構造Aに配して形成された金属層がグリッド偏光子構造を成していると、互いに直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持つ。このような直線偏光を透過光と反射光に分離する性質を利用して、液晶表示装置の輝度向上用の素子として本発明の光学フィルムをそのまま又は他の光学素子(偏光子、位相差板など)と組み合わせて用いることができる。
実施例
直径25cm、長さ50cmの金属ロールに、凸構造Aに対応するグリッド偏光子形成用パターンを形成するためのバイト(1)と、凸構造Bに対応するスペーサーパターンを形成するためのバイト(2)を順次用いて切削加工を行い、ロールの周方向に平行な直線状の凹凸パターンを形成した。具体的には、先ずグリッド偏光子形成用パターンとして、幅70nm、深さ100nmの断面が矩形の溝を、溝の中心間距離140nmで直線状に切削して形成する。次いで、前記グリッド偏光子形成用パターンの長手方向に平行に、幅700nm、深さ1000nmの断面が矩形の溝を、溝の中心間距離14μmで直線状に切削して形成し、転写用ロールを製造した。ここで凸構造Bがパターン面全体に占める割合は5%である。バイトは先端の切削幅が30μmのダイヤモンド製平バイトを集束イオンビーム(FIB)装置で形状加工したものを用いた。
ロール状に巻き取られた、厚さ100μm、幅40cm、長さ500mのポリエチレンテレルタレート樹脂製フィルムを巻き出しながら、フィルムの一方の表面に紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業社製PAK−01)をダイコーターを用いて厚さ10μmで連続的に塗布し、次いで前記転写用ロール表面と、樹脂フィルムの紫外線硬化性樹脂を塗布した側とを連続的に密着させ、フィルムが転写用ロールと接している間に、樹脂フィルム側から紫外線(波長385nm)を照射(積算照射光量120mJ)し、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、最後にフィルムを転写用ロールから連続的に剥離させた。このようにして転写ロール表面のパターンをフィルム表面に転写した。転写後のフィルムを連続的にロール状に巻き取った。
得られたフィルムを捲き出し、表面形状を計測したところ、凸部の中心間距離140nm、凸部の幅70nm、凹部の幅70nm、凸部高さ100nmのライン状凹凸パターン(グリッド偏光子形成用パターン)と、幅700nm、高さ1000nm、凸部の中心間距離14μmのライン状の凸パターン(スペーサーパターン)が、フィルムの長手方向に平行に形成されていた。また、パターンが形成された表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、スペーサーパターンの頂面には細かな傷が多数観察されたが、グリッド偏光子形成用パターンには傷は見られなかった。
上記で得られたフィルムの微細凸構造が形成された面に、真空蒸着法で連続的にアルミニウムを厚さ80nm積層し、グリッド偏光子フィルムを作成し、連続的にロール状に巻き取った。フィルムをロールから捲き出し、グリッド偏光子形成面を観察したところ、傷や欠陥は見られなかった。また、作成したグリッド偏光子と、ヨウ素系偏光板とを直交ニコルになるように重ね合わせ、光源上に置いて観察したところ、輝点(欠陥により光が漏れる箇所)などの欠陥は見られなかった。
上記で得られたグリッド偏光子フィルムのアルミニウム蒸着面に、厚さ2μmのアクリル系接着剤層が積層されたポリエチレンテレフタレート樹脂製フィルム(保護層)をロールニップによって連続的に貼合した。得られた保護層つきグリッド偏光子フィルムの波長550nmの光の偏光透過率は82%、偏光反射率は85%であった。また、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、スペーサーパターンの頂面は保護層に積層された接着剤層に埋め込まれるようにして接しているが、グリッド偏光子パターン形成面は接着剤層とは触れておらず、グリッド偏光子の構造近傍は空洞であった。
比較例
直径25cm、長さ50cmの金属ロールに、前記バイト(1)を用いて切削加工を行い、前記凸構造Aに対応するグリッド偏光子形成用パターンのみを形成した転写ロールを製造した。この転写ロールを用いた以外は実施例1と同様にして転写ロール表面のパターンをフィルム表面に転写し、転写後のフィルムを連続的にロール状に巻き取った。パターン転写面を観察したところ、多数の傷が見られ、微細凹凸構造が破壊された箇所も部分的に見られた。
上記で得られたフィルムの微細凸構造が形成された面に、真空蒸着法で連続的にアルミニウムを厚さ80nm積層し、グリッド偏光子フィルムを作成し、連続的にロール状に巻き取った。実施例と同様に表面を観察したところ、表面には傷や、アルミニウム層が剥がれた欠陥が多数観察された。また実施例と同様に偏光板と重ねて観察したところ、多数の輝点が観察された。
上記で得られたグリッド偏光子フィルムのアルミニウム蒸着面に、実施例と同様にして保護層を連続的に貼合した。得られた保護層付きグリッド偏光子フィルムの波長550nmの光の偏光透過率は68%、偏光反射率は70%であり、偏光分離特性が劣るものであった。実施例と同様に断面を観察したところ、グリッド偏光子の構造内部に接着剤層が入り込み、空洞は形成されていなかった。
本発明光学フィルムの微細凸構造の一態様を示す図。 本発明光学フィルムの微細凸構造の別の態様を示す図。 本発明光学フィルムの微細凸構造の別の態様を示す図。 微細凸構造用バイトの一例を示す図。 微細凸構造A用バイトでモールド基材に凸構造A’を形成している例を示す図。 凸構造Aが形成されたモールド基材の一例を示す図。 微細凸構造B用バイトでモールド基材に凸構造B’を形成している例を示す図。
符号の説明
A:微細凸構造A
B:微細凸構造B
10:FIB加工前のダイヤモンド平バイト
20:微細凸構造A用のバイト(1)
30:微細凸構造B用のバイト(2)
40:モールド基材(金属)
50:バイト(1)で切削加工後のモールド
60:バイト(2)で切削加工中のモールド
A’:微細凸構造A転写用のパターン
B’:微細凸構造B転写用のパターン

Claims (7)

  1. 微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層と、該凸構造を保護するための保護層とを有し、
    前記凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなり、該凸部aの中心間距離が30〜1000nm、且つ該凸部aの高さが5〜3000nmであり、
    前記凸構造Bは、複数の凸部bからなり、該凸部bの平均中心間距離が前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、該凸部bの高さが凸部aの高さよりも50nm〜100μm高く、
    該凸部bの頂面に直接又は他の層を介して前記保護層が積層されている光学フィルム。
  2. 長尺状のものである請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 凸構造Aは、細長く線状に延びた畝状の凸部aが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成している、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 凸構造Bは、細長く線状に伸びた畝状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成している、請求項1〜3のいずれか一に記載の光学フィルム。
  5. 凸部aの頂面に、金属層が形成されている、請求項1〜4のいずれか一に記載の光学フィルム。
  6. 隣接する凸部aの間に形成される凹部の底面にさらに金属層が形成されている、請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 微細な凸構造A及び微細な凸構造Bを少なくとも一方の表面に有する樹脂層を有し、
    前記凸構造Aは、周期的に配列した複数の凸部aからなり、該凸部aの中心間距離が30〜1000nm、且つ該凸部aの高さが5〜3000nmであり、
    前記凸構造Bは、台状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成しており、該凸部bの平均中心間距離が前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、該凸部bの高さが凸部aの高さよりも50nm〜100μm高い
    光学フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101561326B1 (ko) * 2009-02-05 2015-10-16 아사히 가라스 가부시키가이샤 편광자 부착 적층체, 지지체 부착 표시 장치용 패널, 표시 장치용 패널, 표시 장치 및 이들의 제조 방법
JP2021009175A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 旭化成株式会社 ワイヤグリッド偏光板

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