JP2008272790A - 真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法 - Google Patents

真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率良く本格操業に移行できて、偏析欠陥のない指向性凝固組織を有する大径鋳塊を高い生産効率で製造できる真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法を提供する。
【解決手段】VAR法によって直径D0の小径の鋳塊を鋳造する際の指向性凝固組織が得られる上限の溶解速度がM0maxであるとき、その小径の鋳塊よりも大きい直径D1の大径の鋳塊をVAR法によって鋳造する際、下記の式(a)の関係を満足するように溶解速度M1を調整する方法である。
1≦(M0max/D0)×D1 ・・・式(a)
【選択図】図2

Description

本発明は、真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法に関し、特に、大径の鋳塊を鋳造する際に好適な真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法に関する。
真空アーク溶解法(以下、「VAR法」と記すことがある)は、再溶解凝固法の一つであり、このVAR法によれば、一般に、普通造塊法による鋳塊に比べて、窒素等のガス成分が低減され、清浄性に優れ、且つ成分偏析の少ない健全な鋳塊を得ることができる。つまり、VAR法では、特にその大きな特徴である積層凝固によって指向性凝固組織を形成でき、マクロ偏析やセミマクロ偏析の低減された高品質の鋳塊を得ることができる。そのため、VAR法は、通常造塊法や連続鋳造法に比べてプロセスコストが高いにもかかわらず、宇宙、航空機用部品やタービン材等をはじめとして、高度の品質の信頼性が要求される素材を製造するにあたって多く用いられている。
図1は、VAR法による鋳塊の製造に用いられるVAR炉の概略を示す縦断面図である。同図に示すように、VAR法では、高真空下において、鋳塊1の母材となる消耗電極3と鋳型(水冷銅モールド)4内の溶湯(溶湯プール2)との間にアーク放電を発生させて、消耗電極3をその下端から順次アークによって溶解させる。溶解した消耗電極3は、鋳型4内に順次滴下して貯溜され、鋳型4内で積層凝固していく。こうして指向性凝固組織を有する鋳塊1が得られる。
前記図1に示すVAR炉において、鋳型4はジャケット5によって包み込まれている。ジャケット5には、鋳型4に冷却水を送り込む冷却水給水口6と、鋳型4から冷却水を排出する冷却水排水口7が設けられている。ジャケット5の上には炉体8が取り付けられている。炉体8には、炉体8内を高真空下にするために空気を排出する真空排気口9が設けられている。消耗電極3は、炉体8内でスティンガーロッド10に連結されて吊下げ支持され、昇降機構(不図示)によるスティンガーロッド10の昇降に従って昇降する。
図2は、VAR法による鋳造時の溶解凝固状況を模式的に示す縦断面図である。同図に示すように、指向性凝固組織の鋳塊では、全面が柱状晶の組織からなり、柱状晶が鋳塊のボトム部から鋳塊の縦方向の中心軸を対称に上方に向けてほぼ同じ方向に延びている。指向性凝固組織を得るためには、直径Dの小さい小径の鋳塊を鋳造する場合、従来から低速の溶解で溶湯プールを浅く保持することが効果的とされている。
ところで、近年の多様化する材料事情においては、VAR法といえどもその溶解条件の選定を誤ると、凝固組織の中に方向性の無い分岐柱状晶や等軸晶が混在して、マクロ偏析やセミマクロ偏析、更にポロシティの発生を招くことになる。例えば、生産効率の向上を目的に鋳塊を大径化した場合に、高速で溶解すると、鋳塊の中心部では、溶湯プールが深くなって溶湯プール内の温度勾配が小さくなり、初期凝固殻が溶湯中から形成されて、等軸晶発生の原因となる。
そこで、消耗電極の溶解速度を調整して溶湯プールを浅くすれば、その凝固界面での温度勾配が大きくなるため、新たな凝固殻は凝固界面で発生し、凝固殻は順次凝固界面を更新するように成長していくようになる。このような積層凝固を維持することにより、指向性凝固組織を有する鋳塊を得ることができる。
ここで、溶湯プール内で凝固殻が形成して成長すると、互いの凝固殻が充填されていた隙間は閉空間になる。その間に挟まれた残溶湯が凝固するときに、凝固収縮によって周辺の凝固殻のミクロ偏析溶湯が吸い出され、鋳塊の中心部にマクロ偏析やセミマクロ偏析といった偏析欠陥が現れる。更に凝固収縮により溶湯が供給不足になると、ポロシティの発生の原因となる。偏析欠陥には、特定の成分(C、Si、Mn、O、S等)が局部的に富化した一般にはフレッケルと呼ばれる粒状偏析欠陥も含まれる。
一方、指向性凝固組織では、このような要因はないので、マクロ偏析やセミマクロ偏析等の偏析欠陥は生じず、デンドライト樹間に形成される微細なミクロ偏析のみが現れる。
大径の鋳塊で偏析欠陥を抑制する手法としては、特許文献1に、鋳型と鋳塊との隙間に溶融金属を注入したり、その隙間にヘリウムガスを流したりする手法が提案されている。この手法によれば、溶融金属やヘリウムガスの存在によって鋳型と鋳塊間の熱伝達が向上し、鋳塊の冷却速度を大きくすることができる。これにより、溶湯プールが浅くなり、偏析欠陥の少ない指向性凝固組織を有する大径の鋳塊が得られる。
特開平9−70656号公報
しかし、前記のような手法は、偏析欠陥の少ない指向性凝固組織を有する大径鋳塊が得られるとはいえ、高い真空度の下での溶解が要求されるVAR法においては、導入が技術的に困難であり、導入したとしても大がかりな設備改造を伴うことから、現実的でない。
また、偏析欠陥は溶解速度の上昇、鋳塊の大径化に伴って発生し易く、指向性凝固組織となる溶解速度の臨界条件は鋳塊の直径により変動する。そうすると、大径の鋳塊を鋳造する際の溶解速度として、小径の鋳塊を鋳造する際の溶解速度をそのまま適用しても、品質上では支障はないが、この場合、操業時間が長くなり、生産効率を最大限に向上できるとはいえない。
そのため、従来は、本格的に大径の鋳塊を鋳造するにあたり、事前に、当該大径鋳塊の鋳造にて溶解速度を種々変更した試験を行い、個々に得られた鋳塊の内部品質を検証することにより、偏析欠陥のない指向性凝固組織が得られる本格操業に適した溶解速度を見極めていた。このような大径鋳塊の鋳造に対しての適正な溶解速度の見極めには、本格操業の前段階で多大な時間を要することから、効率良く本格操業に移行することができないという問題がある。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、効率良く本格操業に移行できて、偏析欠陥のない指向性凝固組織を有する大径の鋳塊を高い生産効率で製造できるVAR法による鋳塊の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明者らは、小径の鋳塊を鋳造する際の溶解条件を活用することを前提に、VAR法による鋳塊の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得て、本発明を完成させた。
すなわち、VAR法によって直径D0の小径の鋳塊を鋳造する際、指向性凝固組織が得られ、フレッケルの発生も抑制できる上限の溶解速度がM0maxであるとき、その小径の鋳塊よりも大きい直径D1の大径の鋳塊をVAR法によって鋳造する際、下記の式(a)の関係を満足するように溶解速度M1を調整する。
1≦(M0max/D0)×D1 ・・・式(a)
これにより、VAR法によって大径の鋳塊を鋳造するにあたり、優れた内部品質が確定している小径の鋳塊を鋳造する際の溶解速度、及びその小径の鋳塊の直径、並びに当該大径鋳塊の直径より、偏析欠陥のない指向性凝固組織の大径鋳塊が得られる適正な溶解速度を算出して設定できる。
本発明のVAR法による鋳塊の製造方法によれば、小径鋳塊の溶解条件を活用して算出した溶解速度を適用することにより、効率良く大径鋳塊の本格操業に移行することができ、しかも、高い生産効率で偏析欠陥のない指向性凝固組織を有する健全な大径鋳塊を得ることが可能になる。
以下に、本発明の実施形態について詳述する。
一般的に、柱状晶の形成と等軸晶の形成との臨界条件は、局所的な凝固速度Vと固液相の温度勾配Gをパラメータとして、V/Gの値の大小により決定されると考えられる。そこで、臨界定数αを次式(1)により定義する。
α=V/G ・・・式(1)
なお、凝固速度Vの単位は、例えば[mm/min]であり、温度勾配Gの単位は、例えば[℃/mm]である。
次に、VAR法による鋳塊の凝固組織遷移を考察するにあたり、最も温度勾配が小さくなり、偏析欠陥の生じやすい鋳塊の中心部の値により代表させる。つまり、以下の各凝固パラメータは鋳塊の中心部での値である。
VAR法による鋳塊の湯上り速度をUとし、溶湯プールの形状が定常状態に達すると、湯上り速度Uは凝固速度Vと等しくなる(V=U)。また、凝固過程において、鋳塊の冷却速度Rと凝固速度Vと温度勾配Gとの間には、G=R/Vの関係がある。これらの関係式を上記式(1)に代入して、次式(2)が導かれる。
α=U2/R ・・・式(2)
なお、湯上り速度Uの単位は、凝固速度Vの単位と同じく、例えば[mm/min]であり、冷却速度Rの単位は、例えば[℃/min]である。
次に、VAR法による消耗電極の溶解速度をM、鋳塊の直径をD、材料密度をρとすると、M=πρD2U/4の関係が成り立つ。この関係式を上記式(2)に代入して、次式(3)が導かれる。
α=(4M/πρD22/R ・・・式(3)
なお、溶解速度Mの単位は、例えば[kg/min]であり、鋳塊直径Dの単位は、例えば[mm]であり、材料密度ρの単位は、例えば[kg/mm3]である。
ここで、小径の鋳塊について、その直径をD0、溶解速度をM0、冷却速度をR0とし、大径の鋳塊について、その直径をD1、溶解速度をM1、冷却速度をR1とする。小径の鋳塊、大径の鋳塊についての臨界定数αが互いに同一であると、上記式(3)より、次式(4)が導かれる。
(4M1/πρD1 22/R1=(4M0/πρD0 22/R0 ・・・式(4)
なお、溶解速度M1、M0の単位は、例えば[kg/min]であり、鋳塊直径D1、D0の単位は、例えば[mm]であり、冷却速度R1、R0の単位は、例えば[℃/min]である。
上記式(4)より、VAR法による大径の鋳塊の溶解速度M1は次式(5)となる。
1=M0(D1/D02×(R1/R01/2 ・・・式(5)
冷却速度Rは鋳塊の直径Dの二乗に反比例するため、R1/R0=(D0/D12の関係が成り立つ。この関係式を上記式(5)に代入して、次式(6)が導かれる。
1=(M0/D0)×D1 ・・・式(6)
そして、小径の鋳塊について、その本格操業で適用している溶解速度M0をもってして、偏析欠陥のない柱状晶の指向性凝固組織が得られることが確認されていれば、その小径鋳塊の直径D0よりも大きい直径D1の大径の鋳塊を鋳造する際は、上記式(6)に基づいて算出した溶解速度M1を設定する。これにより、得られた大径鋳塊の内部品質は、小径鋳塊と同等になり、偏析欠陥のない指向性凝固組織となる。
更に、小径鋳塊の鋳造において、偏析欠陥のない柱状晶の指向性凝固組織が得られる上限の溶解速度M0maxが判明していれば、その小径鋳塊の直径D0よりも大きい直径D1の大径鋳塊を鋳造する際は、上記式(6)より導かれた次式(7)(上記の式(a)に相当)に基づいて算出した溶解速度M1を設定する。
1≦(M0max/D0)×D1 ・・・式(7)
上記式(7)を満たす溶解速度M1とすることにより、得られた大径鋳塊の内部品質は、少なくとも小径鋳塊と同等になり、偏析欠陥のない指向性凝固組織となる。特に、大径鋳塊を鋳造する際の溶解速度M1を、上限である(M0max/D0)×D1とすれば、結果的に操業時間が大幅に短縮されるため、生産効率を最大限に向上させて大径の鋳塊を製造できる。
このように、VAR法によって大径の鋳塊を鋳造するにあたり、既に優れた内部品質が確定している小径の鋳塊を鋳造する際の溶解速度、及びその小径の鋳塊の直径、並びに当該大径鋳塊の直径より、適正な溶解速度を算出して設定できる。従って、事前試験によって溶解速度ごとの鋳塊の内部品質を検証するまでもなく、算出した溶解速度を適用することにより効率良く大径鋳塊の本格操業に移行することができ、しかも、高い生産効率で偏析欠陥のない指向性凝固組織を有する健全な大径鋳塊を得ることが可能になる。
以上のVAR法による鋳塊の製造方法に関し、以下の実施例からその有効性を明らかにした。
直径D0がφ500mmの小径の鋳塊と、直径D1がφ775mmの大径の鋳塊について、VAR炉を用いて試験を行った。鋳塊の直径D0、D1は鋳型(水冷銅モールド)の内径に相当する。
消耗電極となる供試母材として、C:0.5wt%−Si:0.3wt%−Mn:0.9wt%−Ni:1.8wt%−Cr:0.8wt%の低合金鋼を準備した。小径鋳塊(φ500mm)用の消耗電極の直径はφ400mmとし、大径鋳塊(φ775mm)用の消耗電極の直径はφ690mmとした。
溶解電圧値について、小径鋳塊(φ500mm)、大径鋳塊(φ775mm)でのどちらも25〜27Vの範囲内で変更し、溶解電流値について、小径鋳塊(φ500mm)では7〜16kAの範囲内で、大径鋳塊(φ775mm)では13〜20kAの範囲内で変更することにより投入電力値を変えて、溶解速度M0、M1が段階的に異なる鋳塊を製作した。鋳塊の鋳造長は、小径鋳塊(φ500mm)では3m、大径鋳塊(φ775mm)では3.5mであった。
そして、各鋳塊において、鋳塊高さ中央の定常溶解期の位置から、中心縦断面のマクロサンプルを採取して、鋳塊中心の凝固組織及び偏析欠陥の有無より内部品質の確認を行った。
表1に、本発明の範囲に含まれる本発明例と、本発明の範囲から外れる比較例を示す。
Figure 2008272790
先ず、本発明例1〜4、比較例1、2の順で、小径鋳塊(φ500mm)用の鋳型を使用して、VAR法による予備試験を行った。スタート初期及び溶解末期のホットトップ期を除く定常期の溶解速度M0を段階的に上げたところ、溶解速度M0が6kg/minまで(本発明例1〜4)は、鋳塊中央においても柱状晶が形成され、その結果として、マクロ偏析やセミマクロ偏析といった偏析欠陥の発生は無かった。
しかし、溶解速度M0が6kg/minを超えた6.5kg/min(比較例1)及び7kg/min(比較例2)では、鋳塊中央部の組織は等軸晶が形成され、それに応じて粒状偏析(比較例1では最大径3mm、比較例2では最大径5mm)が現れた。
この小径鋳塊(φ500mm)の予備試験に基づき、偏析欠陥のない柱状晶の指向性凝固組織が得られる臨界のM0max/D0値は、0.012kg/min・mm(=6/500)となった。
次に、本発明例5〜8、比較例3、4の順で、大径鋳塊(φ775mm)用の鋳型を使用して、VAR法による試験を行った。その際、先の小径鋳塊(φ500mm)での試験結果から得られた臨界のM0max/D0値(0.012)が含まれる条件で、上記式(7)に基づいて溶解速度M1を段階的に設定した。本発明例8での溶解速度M1がそのM0max/D0値(0.012)に対応して9kg/minであり、本発明例5〜7での溶解速度M1がM0max/D0値(0.012)を超えないものに対応する。比較例3、4での溶解速度M1はM0max/D0値(0.012)を超えたものに対応する。
本発明例5〜8では、鋳塊中心の組織は柱状晶が形成され、偏析欠陥の発生は認められず良好であった。一方、比較例3、4では、鋳塊中心部の組織は等軸晶となり、比較的大きな粒状偏析(比較例3では最大径4mm、比較例4では最大径7mm)が発生した。
このように、大径の鋳塊(φ775mm)を鋳造する際、その溶解速度M1を、上記式(7)に基づいて、小径の鋳塊(φ500mm)を鋳造する際の臨界のM0max/D0値(0.012)以下となるように調整すれば、偏析欠陥のない指向性凝固組織を有する健全な鋳塊が得られることが明らかになった。
ここで、小径の鋳塊を鋳造する際の臨界のM0max/D0値は、鋳造の対象材の固相線温度と液相線温度の幅や、その対象材特有のデンドライト組織の粗さ等といった溶解凝固に関する特性が影響すると考えられる。従って、大径鋳塊の鋼種が、基準となる小径鋳塊の鋼種と互いに同一であれば、その鋼種(炭素鋼や低合金鋼や高合金鋼等)にかかわりなく、上記式(7)に基づいて設定した溶解速度M1をもってして、健全な大径の鋳塊を製造することができる。
もっとも、大径鋳塊と小径鋳塊の鋼種が厳密には互いに異なっていても、例えば、C濃度が0.1〜1wt%程度の炭素鋼の範囲内、更には低合金鋼の範囲内では、溶解凝固に関する特性が概ね一致するため、上記式(7)に基づいて大径鋳塊の溶解速度M1を設定してもよい。その際の臨界のM0max/D0値としては、上記の本発明例にて検証できた0.012kg/min・mmを採用することができる。
なお、基準となる小径鋳塊の製造が未だなされていない場合には、先ずは小径の鋳塊にてVAR法による予備試験を行って臨界のM0max/D0値を見極め、そのM0max/D0値より上記式(7)に基づいて大径の鋳塊の溶解速度M1を設定すればよい。ここでの臨界のM0max/D0値を見極めは、小径の鋳塊で行うことから、従来のような大径の鋳塊で行うのと比較して、はるかに簡単に行うことができる。
本発明のVAR法による鋳塊の製造方法によれば、効率良く大径鋳塊の本格操業に移行することができ、しかも、高い生産効率で優れた内部品質の大径鋳塊を得ることが可能になる。よって、本発明は、VAR法により、指向性凝固組織を有する健全な大径鋳塊を製造する方法として極めて有用である。
VAR法による鋳塊の製造に用いられるVAR炉の概略を示す縦断面図である。 VAR法による鋳造時の溶解凝固状況を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 鋳塊
2 溶湯プール
3 消耗電極
4 鋳型
5 ジャケット
6 冷却水給水口
7 冷却水排水口
8 炉体
9 真空排気口
10 スティンガーロッド

Claims (1)

  1. 真空アーク溶解法によって直径D0の小径の鋳塊を鋳造する際の指向性凝固組織が得られる上限の溶解速度がM0maxであるとき、その小径の鋳塊よりも大きい直径D1の大径の鋳塊を真空アーク溶解法によって鋳造する際、下記の式(a)の関係を満足するように溶解速度M1を調整することを特徴とする真空アーク溶解法による鋳塊の製造方法。
    1≦(M0max/D0)×D1 ・・・式(a)
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