以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる連結機構が適用される一方側のユニット11と、この一方側ユニット11により駆動される他方側ユニット12の構成を模式的に示した外観斜視図である。以下、動力源を備える側の一方側のユニット11を「駆動側ユニット」と称し、駆動側ユニット11により動力の伝達を受ける他方側ユニット12を「被動側ユニット」と称することがある。
駆動側ユニット11は、回転動力源111と、回転動力源111によって駆動する回転腕112とを有する。そして回転腕112には、偏心ピン1121(以下、「連結ピン」と称することがある)が設けられる。連結ピン1121は、回転腕112の回転中心L1からずれた位置(すなわち偏心した位置)L2に設けられる凸状の部分である。その形状は特に限定されるものではないが、略円柱状または円筒状であって、その軸線が回転腕112の回転の軸線と略平行であることが好ましい。
なお、図1においては、回転動力源111の駆動軸1111に回転腕112が直結される構成を示すが、必ずしも直結される構成である必要はない。例えば回転動力源111と回転腕112との間に歯車列が配設され、回転腕112の回転速度やトルクが調整される構成であってもよい。
被動側ユニット12は、被動部材121とガイド部材122とを有する。被動部材121には、二条の連結壁部1211a,1211bが形成される。二条の連結壁部1211a,1211bは、それぞれ直線状の立壁状に突起する部分である。そしてそれらの軸線が略平行に設定される。これらの連結壁部1211a,1211bはそれぞれの軸線方向に互い違い(斜交い)に設けられる。具体的には、二条の連結壁部1211a,1211bの軸線に直角に交差する架空の線L5を想定した場合において、二条の連結壁部の1211a,1211bのそれぞれの一端はこの想定上の線L5に略一致し、他端は、互いに反対向きに位置する。換言すると、二条の連結壁部1211a,1211bは、前記想定上の線L5における各連結壁部1211a,1211bの軸線の中間の点Pを中心として、180°の点対称となるように設けられる。
なお、二条の連結壁部1211a,1211bとそれらの軸線方向L3,L4に延長したと想定した場合における二条の連結壁部1211a,1211bの相対向する面の間の距離は、回転腕112の連結ピン1121が遊嵌できる距離に設定される。換言すると、回転腕112の連結ピン1121が断面略円形に形成されるものであれば、二条の連結壁部1211a,1211bの相対向する面間の距離は、回転腕112の連結ピン1121の直径と略同じか、それよりも少し大きく設定される。
また、各連結壁部1211a,1211bの断面形状は、例えば略逆U字形など、被動部材121の表面に対して略直角な面を有するとともに、先端部は先細り形状に形成されることが好ましい。また、各連結壁部1211a,1211bの軸線L3,L4の方向長さは、回転腕112の回転中心L1から連結ピンの中心L2までの長さと略同じか、それより長く設定される。各連結壁部1211a,1211bの断面幅は、連結ピン1121から駆動力の伝達を受けることができる強度を有する寸法に設定される。したがって、各連結壁部1211a,1211bの材質や、伝達される駆動力、被動部材121に掛かる負荷などに応じて適宜設定される。
被動部材121の連結壁部1211a,1211bが形成される面の反対側の面には、ガイド溝1212が形成される。このガイド溝1212は、ガイド部材122に設けられるガイドレール1222に係合可能な線状の溝である。このガイド溝1212の軸線L6の方向は、連結壁部1211a,1211bの軸線L3,L4の方向に略直角方向に設定される。そして被動部材121は、このガイド溝1212の軸線L6の方向に沿って、ガイドレール1222上を往復動することができる。
このような回転腕112および被動部材121の連結構造、および動力伝達の機構は次のとおりである。図2(a)〜(d)は、回転腕112の連結ピン1121と被動部材121の連結壁部1211a,1211bとの運動を、模式的に示した平面図である。
図2(a)〜(d)の各々に示すように、回転腕112と被動部材121が連結した状態においては、被動部材121の二条の連結壁部1211a,1211bに略直角で、それらの端面位置にある想定上の線L5上に、回転腕112の回転中心が位置する。換言すると、回転腕112と被動部材121とは、回転腕112の回転中心が、前記想定上の線L5上に位置するように連結される。
そして図2(a)に示すように、回転腕112の連結ピン1121の中心が前記想定上の線L5上にある位置から、回転腕112が時計回り(矢印aの示す向き)に回転すると、回転腕112の連結ピン1121は、二条の連結壁部1211a,1211bの一方1211aに当接して押圧する。そして回転腕112の回転運動に伴って、被動部材121の二条の連結壁部1211a,1211bの前記一方1211aは、図2(b)に示すように回転腕112の連結ピン1121に押圧される。この結果、被動部材121はガイド溝(図示せず)およびガイドレール1222の軸線方向に沿って移動する。
そして図2(a)に示す位置から回転腕112が180°回転すると、図2(c)に示すように、回転腕112の連結ピン1121の中心が前記想定上の線L5上の位置に達する。そしてこの位置に達すると、この瞬間における回転腕112の連結ピン1121の運動の向きは、前記想定上の線L5(ガイドレール1222の軸線方向)に直角となるから、被動部材121の直線運動は停止する。
そしてこの位置からさらに回転腕112が回転すると、前記被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aと回転腕112の連結ピン1121が離れ、連結ピン1121は被動部材121の連結壁部1211a,1211bの他方1211bを押圧する。
そして、図2(c)に示すように、連結ピン1121によって被動部材121の連結壁部1211a,1211bの他方1211bは、前記一方1211aが連結ピン1121に押圧された向きとは反対向きに押圧され、被動部材121は反対向きに直線動をする。さらに回転腕112が回転すると、連結腕112の位相および被動部材121は、図2(a)に示される位置に戻る。
このように、図2(a)〜(d)の状態を繰り返すことにより、被動部材121はガイド溝1212およびガイドレール1222の方向に沿って往復動する。したがって、回転動力源111が生成する回転動力は、直線往復運動となって被動部材121に伝達される。
回転腕112(または連結ピン1121)と被動部材121は、連結と切り離しを繰り返しても、前記のように回転腕112から被動部材121に動力を伝達することができる。その仕組みは次のとおりである。
図2(a)〜(d)に示すような、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bに当接している状態から、回転腕112と被動部材121との連結を切り離すと、回転腕112の連結ピン1121と被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bとが離れる。
回転腕112の位相と被動部材121の位置が変化しない状態で、再び回転腕112と被動部材121とが連結されると、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bに当接している状態に戻る。このため、回転腕112を回転させると、直ちに被動部材121が直線動を開始する。
しかしながら、回転腕112と被動部材121とを切り離した状態において、回転腕112の位相や被動部材121の位置が変化することがある。この状態で再び回転腕112と被動部材121とが連結されても、回転腕112の連結ピン1211が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bに当接している状態に戻らないことがある。
図3(a),(c)は、回転腕112と被動部材121とが切り離された状態において、回転腕112の位相と被動部材121の位置関係が変化し、その後再び回転腕112と被動部材121とが連結された結果、回転腕112の連結ピン1121と被動部材121の連結壁部1211a,1211bとが当接していない状態を示す。この状態から回転腕112を回転させても、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bのいずれにも当接していないから、被動部材121は直ちには直線動を開始しない。
しかしながら、図3(a)に示す状態から回転腕112が回転すると、いずれは図3(b)に示すように、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aに当接する。同様に、図3(c)に示す状態から回転腕112が回転すると、いずれは図3(d)に示すように、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの他方1211bに当接する。
そして、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bに当接した後は、連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bは回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bを押圧する。したがって、被動部材121は直線動を開始する。
被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aと他方1211bとは互い違いに配設されている。したがって、回転腕112の連結ピン1121が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bに当接する際に、連結壁部1211a,1211bの他方1211bまたは一方1211aが邪魔になることがない。
換言すると、連結壁部1211a,1211bの一方1211aと他方1211bとが互い違いに配設されることにより、回転腕112の連結ピン1121は、回転腕112の回転によって被動部材121を駆動する位置に正常に復帰することができる。
なお、回転腕112と被動部材121とを切り離してから再連結する際に、回転腕112の連結ピン1121の先端が被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aまたは他方1211bの先端に当接することがある。前述のとおり回転腕112の連結ピン1121および被動部材121の連結壁部1211a,1211bの一方1211aならびに他方1211bは先細り形状に形成される。
したがって、回転腕112と被動部材121とを接近させるように力が加えられると、回転腕112が少し回転および/または被動部材121が移動し、お互いが連結の阻害とならないような位置関係となる。その結果、正常に回転腕112と被動部材121とが連結される
このような構成によれば、駆動側ユニット11と被動側ユニット12の連結と切り離しを繰り返しても、常に駆動側ユニット11から被動側ユニット12へ、正常に動力を伝達できるように連結することができる。
次に、本発明の実施形態にかかる連結機構の具体的な適用例について説明する。ここでは、電気掃除機のフィルタ除塵ユニットに適用される構成を例に説明する。
図4は、本発明の実施形態にかかる連結機構を備えるフィルタ除塵ユニットが組み込まれた電気掃除機2(以下、「本電気掃除機」と略して称することがある)の構成を模式的に示した分解斜視図である。
図4に示すように、本電気掃除機2は、本体21と、フィルタユニット22と、ダストボックス23とを備える。そして本体21には本発明の実施形態にかかる駆動側ユニット11が配設され、フィルタユニット22には本発明の実施形態にかかる被動側ユニット12(図においては隠れて見えない)が配設される。本体21はさらに、キャスター211と、本体カバー212と、吸引ユニット213と、ダストボックス収容スペース214と、吸引口215と、その他所定の部材や構造物(図略)を有する。
吸引ユニット213は、吸引ファンと電動機(図略)とを有し、吸引ファンがダストボックス収容スペース214の側に、電動機がその反対側に配設される。そして電動機の回転により吸引ファンが作動し、ダストボックス収容スペース214内の空気を電気掃除機本体の外部に排出する。これにより、ダストボックス収容スペース214内の気圧が外気より低くなり、吸引口215からダストボックス収容スペース214に収容されるダストボックス23内に、外気とともにゴミや塵埃などを吸引することができる。
本体カバー212は、電気掃除機2の本体21に開閉自在に備わる。そして本体カバー212を開くことにより、フィルタユニット22およびダストボックス23を、本体21のダストボックス収容スペース214に収容すること、およびダストボックス収容スペース214から取り外すことができる。
ダストボックス23は、集塵室と底面部材とを有する。底面部材は集塵室の底面となる部材であり、ダストボックス23に開閉自在に備わる。そして底面部材を開くことにより、集塵室に溜まったゴミや塵埃を外部に廃棄することができる。
集塵室は、気体は通過可能であるが所定の大きさ以上のゴミや塵埃は通過できない網状の部材で形成される箱状の部材である。そして集塵室には、ダストボックス23がダストボックス収容スペース214に収納された状態において、電気掃除機2の本体の吸引口215に連通する貫通孔233が形成される。したがって、外気とともに吸引されたゴミや塵埃は、本体21の吸引口215および集塵室の貫通孔233を通過して、集塵室232内に溜まる。
なお、これら電気掃除機2の本体カバー212、吸引ユニット213、ダストボックス収容スペース214、吸引口215は、従来一般の電気掃除機と同じ構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の適用例に係る駆動側ユニット5の構成を、模式的に示した分解斜視図(一部断面図を含む)である。図6は、回転腕の構成を示す。
本発明の適用例にかかる駆動側ユニット5は、第一のケーシング部品51と、第二のケーシング部品52と、回転動力源53と、第三の軸等支持部材54と、第一の歯車55と、第二の歯車56と、第三の歯車57と、第四の歯車58と、第五の歯車59と、第六の歯車60と、第七の歯車61と、第八の歯車62と、回転腕固定部材63と、回転腕64と、回転検知手段65とを備える。
第一のケーシング部品51は、所定の形状の底面511を有し、この底面511の周縁部に略直角に延設される側壁512が設けられる部材であり、一方が開口している容器状の部材である。さらに第一のケーシング部品51は、底の浅い部分5111と底の深い部分5112を有しており、底面51の底の深い部分5112には、第一の軸513と第二の軸514とが略平行でかつ底面に略直角に立設される。一方、底面511の底の浅い部分5111には、第六の歯車60の軸受け凸部515が形成される。
第二のケーシング部品52は、第一のケーシング部品51の前記開口部の蓋となる部材である。そして所定の箇所に、回転腕固定部材63を外部に露出させるための貫通孔521が形成される。
そして第一のケーシング部品51の前記開口部に第二のケーシング部品52を結合させることにより、本発明の適用例に係る駆動側ユニット5のケーシングが構成される。
回転動力源53には、一般的な電動機が適用できる。例えば一般的な直流モータのほか、ステッピングモータ、交流モータなどが適用できる。回転動力源53の一端からは駆動軸531(a矢視図を特に参照)が突出しており、この駆動軸531には、第一の歯車55が装着される。この第一の歯車55には、一般的な円筒歯車(例えば平歯車など)が適用できる。
また、この回転駆動源53の他端側には、配線基板532が装着される。この配線基板532には、回転駆動源53に電力を供給するための配線(図略)と、回転駆動源53が回転しているか否かを検知するための回転検知手段65が実装される。この回転検知手段には、その周囲の磁力線の変化を検知するホールICなどが適用できる。そしてこれらと外部とを接続するためのコネクタ533が実装される。
第二の歯車56は、第三の歯車57と一体に回転するよう構成される。例えば樹脂材料などによって、第二の歯車56と第三の歯車57とが、同軸でかつ一体的に形成される。そして第二の歯車56と第三の歯車57の結合体には、共通の軸孔571が形成されており、この共通の軸孔571に第一のケーシング部品51に設けられる第一の軸513が挿通される。これによって、第二の歯車56と第三の歯車57の結合体は、第一のケーシング部品51に回転可能に支持される。そして第二の歯車56は第一の歯車55と噛合しており、第一の歯車55の回転に応じて被動する。なお、第二の歯車56のピッチ円直径は、第一の歯車55のピッチ円直径より大きく設定される。
第三の歯車57は、前記のとおり第二の歯車56と一体的に回転するように構成される。なお、第二の歯車56および第三の歯車57には、いずれも一般的な円筒歯車が適用できる。そして第三の歯車57のピッチ円直径は、第二の歯車56のピッチ円直径より小さく設定される。
第四の歯車58は、第三の歯車57に噛合する。また、後述する第五の歯車59と一体的に回転するように構成される。具体的には例えば、第四の歯車58と第五の歯車59とは、樹脂材料などにより同軸かつ一体に形成される。
第五の歯車59は第四の歯車58に同軸かつ一体的に回転する歯車である。そして第四の歯車58と第五の歯車59には、共通の軸孔591が形成される。そしてこの共通の軸孔591に第二の軸514が挿通される。これにより、第四の歯車58と第五の歯車59の結合体が、第一のケーシング部品51に回転可能に支持される。第四の歯車58のピッチ円直径は、第五の歯車59のピッチ円直径よりも大きく設定される。
第三の軸等固定部材54は、回転動力源53の駆動軸531が突出する側の端面および側面にネジ等で固定される部材である。この第三の軸等固定部材54には、回転動力源53の駆動軸531とは突出する向きとは反対側に向かって(すなわち配線基板532が装着される側に向かって)、第三の軸541が突出するように固定される。また、この第三の軸等固定部材54には、回転検知手段65を収容するスペースが設けられる。
第六の歯車60は、第五の歯車59と噛合する。そして第七の歯車61と同軸かつ一体に回転するように構成される。例えば第六の歯車60と第七の歯車61とは、樹脂材料などにより同軸かつ一体的に成形される。また、第六の歯車60と第七の歯車61には、共通の軸孔611が形成される。第六の歯車60および第七の歯車61には、一般的な円筒歯車が適用できる。なお、第六の歯車60のピッチ円直径は、第七の歯車61のピッチ円直径よりも大きく設定される。
そして第六の歯車60と第七の歯車61の結合体の共通の軸孔611に、第三の軸等固定部材54に固定される第三の軸541が挿通される。これによって、第六の歯車60と第七の歯車61の結合体は、第三の軸等固定部材54に回転可能に支持される。この際、第六の歯車60が第三の軸541の基端側に位置し、第七の歯車61が第三の軸541の先端側に位置するように配設される。
そして、回転動力源53と配線基板532と第三の軸等固定部材54の結合体が、第一のケーシング部品51の底面511の底の深い部分5112に挿入される。そうされると、第六の歯車60が第五の歯車59と噛合する。
第八の歯車62は、第七の歯車61と噛合する。この第八の歯車62には、一般的な円筒歯車が適用できる。そして軸線方向の一端には、ピッチ円直径に同軸で、軸線方向に直角な断面形状が略円形の軸受け凹部(図においては隠れて見えない。説明の便宜上、符号「621」を付す)が形成される。換言すると、第八の歯車62は、底のある略円筒容器状に形成される。また、その反対側端面には、回転腕固定部材63が、第八の歯車62のピッチ円に同軸でかつ一体に回転するように結合される。具体的には例えば、第八の歯車62と回転腕固定部材63とが、樹脂材料などにより同軸かつ一体的に成形される。
回転腕固定部材63は、第八の歯車62の外径よりも直径が小さい円筒状の部材であり、後述する回転腕64を嵌合するための嵌合凹部631が形成される。この嵌合凹部631は、例えば円筒の軸線に沿って略均一の断面形状寸法を有する窪みである。
そして第八の歯車62と回転腕固定部材63との間には、回転腕固定部材63が回転しているか否かを回転検知手段65に検出させるための回転報知部材66が設けられる。具体的には、第八の歯車62と回転腕固定部材63の間の外周の一箇所または複数箇所に、磁力線を発する小片(例えば永久磁石や磁化された鉄片など)が、回転報知部材66として埋め込まれるように配設される。
そして第八の歯車62に形成される軸受け凹部621が、第一のケーシング部品51の底面511の底の浅い部分5111に形成される軸受け凸部515に係合させられる。これにより、第八の歯車62と回転腕固定部材63とは、第一のケーシング部品51に回転可能に支持される。
さらに第一のケーシング部品51に第二のケーシング部品52が結合される。ここで、回転腕固定材63を外部に露出させるために第二のケーシング部品52に形成される貫通孔521から、回転腕固定部材63の端面が露出する。
このような構成によれば、回転動力源53が生成する回転動力を、回転腕固定部材63を介して外部に出力することができる。そして、回転動力源53の駆動軸531が突出する側と反対側に回転動力を出力できる。
また、第二の歯車56のピッチ円直径は第一の歯車55のピッチ円直径より大きく、第四の歯車58のピッチ円直径は第三の歯車57のピッチ円直径より大きく、第六の歯車60のピッチ円直径は第五の歯車59のピッチ円直径より大きく、第八の歯車62のピッチ円直径は第七の歯車61のピッチ円直径より大きい。したがって、回転動力源が生成する回転動力は、減速されるとともに回転モーメントが大きくされて回転腕固定部材に伝達される。
また、回転検知手段65は、第八の歯車62と回転腕固定部材63との境界部近傍の外周に配設される。したがって、第八の歯車62と回転腕固定部材63の結合体が一回転する間に、第八の歯車62と回転腕固定部材63の結合体に設けられる回転報知部材66が、回転検知手段65の直近を通過する。したがって、第八の歯車62と回転腕固定部材63の結合体が回転していると、回転検知手段65は、その直近を回転報知手段66が通過するごとに、回転報知手段66が発する磁力線を検出することができる。
したがって、回転検知手段65が定期的(または間歇的)に磁力線を検出することにより、第八の歯車62と回転腕固定部材63の結合体が回転していること、すなわち回転動力源53の駆動軸531が回転していることを検知できる。一方、回転動力源を回転させているように制御されているにもかかわらず、過負荷が掛かるなどによって、回転動力源53の駆動軸531が回転しないことがある。この場合には、回転検知手段65が定期的(または間歇的)に磁力線を検知しない(換言すると、検知される磁力線が変化しない)。したがって、このような場合には、回転動力源53の駆動軸531が回転していないと判断できる。
そして、本適用例に掛かる駆動側ユニット5は、フィルタユニット22に対向する面に埋め込まれるように、かつ、回転腕固定部材63が、本電気掃除機2のダストボックス収容スペース214に露出するように配設される。
図6は、回転腕64の構成を模式的に示した外観斜視図であり、(a)は、嵌合突起641の側から見た図、(b)は連結ピン(偏心ピン)642の側から見た図である。
図6に示すように、回転腕64は、細長い平板状または棒状の部材である。そして、図6(a)に示すように、その片側表面の一端近傍には、回転腕固定部材63の嵌合凹部631に嵌合できる嵌合突起641が設けられる。この嵌合突起641の軸線方向に直角な断面の寸法形状は、回転腕固定部材63の嵌合凹部631の断面の寸法形状に略等しく設定される。したがって、回転腕64の嵌合突起641が回転腕固定部材63の嵌合凹部631に嵌合した状態で回転腕固定部材63が回転すると、回転腕64は、回転腕固定部材63に一体的に回転する。
一方、嵌合突起641が形成される側とは反対側端部の反対側表面には、図6(b)に示すように、後述する塵落とし部材73に連結する連結ピン642が形成される。連結ピン642の軸線方向の断面形状は、略円形に設定される。なお、図6においては、全長に亘って均一な径を有する略円柱状に形成される構成を示すが、基端部近傍は直径が略均一な円筒状または円柱状に形成され、先端部は円錐状または半円状などの先細り形状に形成されることが好ましい。
なお、基端部近傍の直径の具体的な値については後述する。また、嵌合突起641の軸線と連結ピン642の軸線とは、略平行に設定される。この嵌合突起641の軸線と連結ピン642の軸線との間の距離についても後述する。
このような構成によれば、回転腕64の嵌合突起641が回転腕固定部材63の嵌合凹部631に嵌合され、この状態で回転動力源53が回転動力を生成すると(すなわち駆動軸531が回転すると)、回転腕64は回転腕固定部材63の回転中心と同心に回転運動をする。そしてその結果、回転腕64の連結ピン642の運動軌跡は、回転腕固定部材63の回転中心を中心とし、嵌合突起641の軸線と連結ピン642の軸線との間の距離を半径とする円状の軌跡となる。
次いで、本発明の適用例にかかるフィルタユニット(本発明の適用例にかかるフィルタユニットを「本フィルタユニット」と称することがある)について説明する。図7は、本フィルタユニット7の構成を模式的に示した斜視図である。
本フィルタユニット7は、枠体71と、フィルタ本体72と、被駆動ユニット12の被駆動部材121に相当する塵落とし部材73とを有する。そしてダストボックスに着脱自在に装着できるように構成される。そして枠体71およびフィルタ本体72が本発明の実施形態にかかる被動側ユニット12のガイド部材122に相当し、塵落とし部材73が被動部材121に相当する。
枠体71は、第一の枠体部品711と第二の枠体部品712とを有する。そして第一の枠体部品711と第二の枠体部品712との間にフィルタ本体72が挟まれた状態で、第一の枠体部品711と第二の枠体部品712とが結合される。これにより、フィルタ本体72は枠体71に固定される。
また、第一の枠体部品711または第二の枠体部品712のいずれかには、ガイド溝713が形成される。このガイド溝713は、本発明の実施形態にかかる被動側ユニット12のガイド部材122のガイドレール1222に相当する。このガイド溝713は、フィルタ本体72を面状の部材とみなした場合において、その面方向に平行に形成される溝である。換言すると、第一の枠体部品711または第二の枠体部品712の所定の辺に、当該所定の辺の内面側にその軸線方向に沿って形成される。
フィルタ本体72は、空気は通過できるが、所定の寸法以上の大きさの物体は通過できない布状または板状の材料、例えば不織布などからなる。そして図に示すように、ジクザグ状(換言すると波状)に形成される。すなわち、一枚の布または板状の物体が、山折と谷折りを交互に繰り返されることにより、略直線状の山と谷が平行にかつ交互に形成される構成を有する。
山折の先端および谷折りの先端部、およびフィルタ本体72の周縁部は例えば合成樹脂材料などにより成形される。したがって、フィルタ本体72は、ジクザグ状(換言すると波状)の形状が保持される。なお、フィルタ本体72は、可撓性を有するので、フィルタ本体72は変形可能に構成される。このため、塵落とし部材73をフィルタ本体72に係合させてこのフィルタ本体72を変形させ、その後、塵落とし部材73のフィルタ本体72に対する係合を解除することにより、フィルタ本体72が元の形状に復帰するときの振動により、捕集された塵埃がが振るい落とされる。
そしてこれらの山および谷の延伸方向とは略直角方向に延伸するように、山の先端よりも高く突出するガイドレール721が設けられる。また、このガイドレール721は、前記第一の枠体部品または第二の枠体部品に形成されるガイド溝713に略平行になるように形成される。このガイドレール721およびガイド溝713は、塵落とし部材73の移動のガイドとなる部材である。そして本発明の実施形態にかかる被動側ユニット12のガイドレール1222に相当する部材または部位である。
このフィルタユニット7には、塵落とし部材73が装着される。図8は、塵落とし部材73の構成を模式的に示した外観斜視図であり、図8(a)はフィルタ本体72に対向する側から見た図、図8(b)はその反対側から見た図である。
図8(a)に示すように、塵落とし部材73には、略直線状のガイド溝731が、その全長に亘って形成される。このガイド溝731には、前記フィルタ本体72に形成されるガイドレール721が遊嵌可能である。また、このガイド溝731の延伸方向に略直角方向であって、前記フィルタ本体72を一枚の面とみなした場合において、その面方向に突出するガイド突起732が形成される。このガイド突起732は、第一の枠体部品711および第二の枠体部品712に形成されるガイド溝713に遊嵌可能である。
さらに、塵落とし部材73のガイド溝731が形成される側の面には、塵埃掻き落とし突起733が形成される。図7(a)においては、三個の塵埃掻き落とし突起733が形成される構成を示すが、その数は限定されるものではない。また、これらの塵埃掻き落とし突起733の高さは、塵落とし部材73のガイド溝731にフィルタ本体72のガイドレール721が遊嵌され、塵落とし部材73のガイド突起732が枠体71のガイド溝713に遊嵌された状態において、それらの先端が、フィルタ本体72に形成される山の先端よりも谷に入り込む位置に達する高さに設定される。
塵落とし部材73のガイド突起732が第一の枠体部品711および第二の枠体部品712に形成されるガイド溝713に遊嵌され、塵落とし部材73のガイド溝731がフィルタ本体72に形成されるガイドレール721に遊嵌される。このような構成によれば、塵落とし部材73は、フィルタ本体72の表面上を、フィルタ本体72のガイドレール721および第一の枠体部品711または第二の枠体部品712のガイド溝713に沿って往復動できる。
そして、塵落とし部材73が、往復動できる範囲の一端から他端に移動すると、三個の塵埃掻き落とし突起733が、フィルタ本体72が有するすべての山折部分の先端に衝突して移動する。なお、本形態では、三個の突起733のうちの中央の突起733が両端の突起733の略中央に形成されており、中央の突起733と両端の突起733とのそれぞれの間隔が、塵落とし部材73の移動距離と略等しく形成されている。したがって、塵落とし部材73が往復動できる範囲の一端から他端に移動した場合において、塵埃掻き落とし突起733が衝突しない山折部分の先端が存在しないように構成される。すなわち、すべての山折部分の先端は、塵落とし部材73が、往復動できる範囲の一端から他端に移動すると、いずれかの塵埃掻き落とし突起733が必ず衝突する。
詳述すると、突起733をすべての山折部分の先端に衝突させるには、塵落とし部材73の往復動方向両端に塵埃掻き落とし突起733が形成される構成であれば、塵落とし部材73が往復動できる範囲(長さ)が、塵落とし部材73の往復動方向長さより大きく設定されればよい。また、図8(a)に示すように、塵落とし部材73の往復動方向両端および略中心に塵落とし部材733が形成される構成であれば、塵落とし部材73が往復動できる範囲(長さ)が、塵落とし部材73の往復動方向の両端のいずれかに形成される塵埃掻き落とし突起733と、略中心に形成される塵埃掻き落とし突起733の間の距離より長くなるように、各部の寸法が設定されればよい。
このような構成において、塵落とし部材73がガイドレール721およびガイド溝713に沿って往復動すると、塵落とし部材73に設けられる塵埃掻き落とし突起733が、フィルタ本体72の山折部分のすべての先端に衝突する。そして、この衝突の衝撃によって、フィルタ本体72に付着した塵埃がフィルタ本体72から離脱して落下する。この結果、フィルタ本体72に付着していた塵埃がなくなり、フィルタ本体72はその機能を回復する。
一方、図8(b)に示すように、塵落とし部材のフィルタ本体72に対向する側の面と反対側の面(すなわち、フィルタユニット22がダストボックス収容スペースに収容された状態において、本発明の適用例に係る駆動側ユニット7に対向する側の面)には、二条の連結壁部734a,734bが形成される。この二条の連結壁部734a,734bは、前記本発明の実施形態にかかる被動ユニット12の被動部材121の連結壁部1211a,1211bに相当する部位である。
すなわち、塵落とし部材73の本発明の適用例に係る駆動側ユニット7に対向する側の面には、二条の連結壁部734a,734bが形成される。これらの二条の連結壁部734a,734bは、それぞれ直線状の立壁状に突起する部分である。そしてそれらの軸線が略平行に設定される。これら二条の連結壁部734a,734bの軸線方向は、反対側の面に形成されるガイド溝731に略直交する方向に設定される。
これらの二条の連結壁部734a,734bは、それぞれの軸線方向に互い違い(斜交い)に設けられる。具体的には、回転腕64の回転中心を通り二条の連結壁部734a,734bの軸線に直角に交差する架空の線M5を想定した状態において、二条の連結壁部734a,734bのそれぞれの一端はこの想定上の線に略一致し、他端は、互いに反対向きにある。換言すると、二条の連結壁部734a,734bは、前記想定上の線M5における各連結壁部734a,734bの軸線M3,M4の中間の点を中心として、180°の点対称となるように設けられる。
なお、二条の連結壁部734a,734bをそれぞれの軸線M3,M4の方向に延長したと想定した場合における、二条の連結壁部734a,734bの相対向する面の間の距離は、回転腕64に形成される連結ピン642が遊嵌できる距離に設定される。換言すると、回転腕64に形成される連結ピン642が略円形に形成されるものであれば、二条の連結壁部734a,734bの相対向する面間の距離は、回転腕64の連結ピン642の直径と略同じか、それよりも少し大きく設定される。
また、各連結壁部734a,734bの断面形状は、フィルタ本体72の面方向に略直角な面を有するとともに、先端部は先細り形状に形成されることが好ましい。例えば略逆U字形などの断面形状が適用できる。
また、各連結壁部734a,734bの軸線M3,M4方向長さは、塵落とし部材73の往復動が可能な範囲(長さ)の半分の長さと略同じか、それより長く設定される。回転腕64側からみると、回転腕64の嵌合突起641の中心(すなわち回転腕64の回転中心)から回転腕64の連結ピン642の中心までの距離(回転腕64の連結ピン642の運動軌跡となる円の半径)は、塵落とし部材73の往復動が可能な範囲(長さ)の半分の長さ略同じに設定される。したがって、連結ピン642には、各連結壁部734a,734bの外側の端部から外れることなく、各連結壁部734a,734bを押圧することができる。
連結壁部734a,734bの断面幅は、駆動力の伝達を受けることができる強度を有する寸法に設定される。したがって、連結壁部734a,734bの材質や、伝達される駆動力、塵落とし部材73に掛かる負荷(塵埃掻き落とし突起733が、フィルタ本体72の山折部分の先端に衝突したときに、塵落とし部材73にかかる衝撃)などに応じて適宜設定される。
本電気掃除機2における回転腕64と塵落とし部材73との連結構造、および動力伝達の機構は次のとおりである。図9は、回転腕64の連結ピン642と塵落とし部材73との運動を、模式的に示した平面図である。
図9(a)〜(d)に示すように、回転腕64と塵落とし部材73とが連結した状態においては、塵落とし部材73の二条の連結壁部734a,734bに略直角で、それらの端面位置にある想定上の線M5上に、回転腕64の回転中心が位置する。換言すると、回転腕64と塵落とし部材73とは、回転腕64の回転中心が、前記想定上の線M5上に位置するように連結される。
そして図9(a)に示すように、回転腕64の連結ピン642の中心が前記想定上の線M5上にある位置から時計回り(矢印aの示す向き)に回転すると、回転腕64の連結ピンは、二条の連結壁部734a,734bの一方734aに当接して押圧する。そして回転腕64の回転運動に伴って、塵落とし部材73の二条の連結壁部734a,734bの前記一方734aは、図9(b)に示すように回転腕64の連結ピン641に押圧される。その結果、塵落とし部材73はフィルタ本体73のガイドレール721の軸線方向に移動する。
そして塵落とし部材73が移動していくと、塵埃掻き落とし突起733がフィルタ本体72の山折部分の先端に次々に衝突していく。フィルタ本体72に付着しているゴミや塵埃は、塵埃掻き落とし突起733の衝突の際の衝撃によって、フィルタ本体72から離脱し、落下する。
図9(a)に示す位置から回転腕64が180°回転すると、図9(c)に示すように、回転腕64の連結ピン642の中心が前記想定上の線M5上に位置に達する。そしてこの位置に達すると、この瞬間における回転腕64の連結ピン642の運動の向きは、前記想定上の線M5(すなわちフィルタ本体72に設けられるガイドレール721の軸線方向)に直角となる。したがって、塵落とし部材73の直線動は瞬間的に停止する。
そしてこの位置からさらに回転腕64が回転すると、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aと、回転腕64の連結ピン642とが離れる。そして、回転腕64の連結ピン642は、今度は塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの他方734bに当接して押圧する。そして、図9(c)に示すように、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの他方734bは、連結ピン642によって前記一方734aとは反対向きに押圧され、塵落とし部材は反対向きに直線動する。
そして、塵落とし部材73が前記とは反対向きに移動していっても、前記同様に、塵埃掻き落とし突起733がフィルタ本体72の山折部分の先端に次々に衝突していく。フィルタ本体72に付着しているゴミや塵埃は、塵埃掻き落とし突起733の衝突の際の衝撃によって、フィルタ本体72から離脱し、落下する。
さらに回転腕が回転すると、図9(a)の位置に戻る。
このように、図9(a)〜(d)の動作状態を繰り返すことにより、塵落とし部材73はフィルタ本体72のガイドレール721の方向に沿って往復動する。このようにして、回転動力源53が生成する回転動力は、直線往復運動となって塵落とし部材73に伝達される。そして、塵落とし部材73が直線往復動を繰り返すと、塵落とし部材73に設けられる塵埃掻き落とし突起733がフィルタ本体の山折部分の先端に、次々に衝突していく。この衝撃によってフィルタ本体72からゴミや塵埃が離脱し落下する。この結果、フィルタユニット22は、その機能を回復し、電気掃除機2の吸引力が回復する。
なお、本電気掃除機2のユーザは、ダストボックス23に溜まったゴミや塵埃を除去したり、ダストボックス23を洗浄したりするため、ダストボックス23を本電気掃除機2の本体21から取り外すことがある。そしてフィルタユニット22は、通常はダストボックス23に装着されているから、ダストボックス23が本掃除機2の本体21から取り外されると、フィルタユニット22も取り外され、回転腕64と塵落とし部材73との連結が解除される。
しかしながら、回転腕64と塵落とし部材73は、連結と切り離しを繰り返しても、前記のように回転腕64から塵落とし部材73に動力を伝達することができる。その仕組みは次のとおりである。
図9(a)〜(d)に示すように、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bに当接している状態から、回転腕64と塵落とし部材73との連結が切り離されると、回転腕64の連結ピン642と塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bとが離れる。
連結腕64の位相と塵落とし部材73の位置が変化しない状態で、再びフィルタユニット22が装着されたダストボックス23がダストボックス収容スペース214に収納されると、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bに当接している状態に戻る。このため、回転腕64を回転させると、直ちに塵落とし部材73が直線動を開始する。
しかしながら、フィルタユニット22を本電気掃除機2から取り外された状態において、回転腕64の位相や塵落とし部材73の位置が変化することがある。この状態で再びフィルタユニット22が装着されたダストボックス23がダストボックス収容スペース214に収容されても、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bに当接している状態に戻らないことがある。
図10は、本発明の適用例に係る駆動側ユニット11とフィルタユニット22において、連結ピン1121と二条の連結壁部734a,734bのいずれかとが正常な位置関係に復帰する動作を示した平面模式図である。図10(a),(c)は、フィルタユニット22が本電気掃除機2から取り外され、その状態で回転腕64の位相や塵落とし部材73の位置が変化し、さらに位相や位置が変化した状態で、フィルタユニット22が装着されたダストボックス23がダストボックス収容スペース214に収納された状態を示す。この状態から回転腕64が回転しても、回転腕64の連結ピン642は、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bのいずれにも当接していないから、塵落とし部材73は直ちには直線動を開始しない。
しかしながら、図10(a)に示す状態から回転腕64が回転すると、いずれは図10(b)に示すように、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方に当接する。同様に、図10(c)に示す状態から回転腕が回転すると、いずれは図10(d)に示すように、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの他方734bに当接する。
そして、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bに当接した後は、回転腕64の連結ピン642は、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bを押圧する。
前記のとおり、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aと他方734bとは互い違いに配設されている。したがって、回転腕64の連結ピン642が塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bに当接する際に、連結壁部734a,734bの他方734bまたは一方734aが邪魔になることがない。
換言すると、連結壁部734a,734bの一方734aと他方734bとが互い違いに配設されることにより、回転腕64の連結ピン642は、塵落とし部材73を往復動させることができる位置に正常に復帰することができる。
なお、フィルタユニット22が装着されたダストボックス23がダストボックス収容スペース214に収納する際に、回転腕64の連結ピン642の先端が、塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aまたは他方734bの先端に当接することがある。
しかしながら、回転腕64の連結ピン642および塵落とし部材73の連結壁部734a,734bの一方734aならびに他方734bは先細り形状に形成される。したがって、回転腕64と塵落とし部材73とを接近させるような力が加えられると、回転腕64が少し回転および/または塵落とし部材73が少し移動し、お互いが連結の阻害とならないような位置関係となる。その結果、正常に駆動部材と塵落とし部材が連結される
このような構成によれば、本電気掃除機2からフィルタユニット22ダストボックス23の取り外しと収納を繰り返しても、常に回転腕64から塵落とし部材73へ、正常に動力を伝達できるように連結することができる。
(本形態の効果)
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる連結機構によれば、駆動源を有する一方側とこの一方側に連結および取り外し自在に設けられる他方側を有する。このように、一方側と他方側とは、連結および取り外しが自在である。このため、一方側と他方側とのそれぞれを、分離および連結可能なユニット化することができる。
また、このような構成によれば、一方側と他方側とを連結したときには、偏心ピンの回転によって一方側の壁部または他方側の壁部が押圧される。また、一方側と他方側とを切り離すときは、連結ピンと一方側の壁部または他方側の壁部とは物理的に結合していないから、直ちに一方側と他方側とを切り離すことができる。このように、一方側の連結と切り離しが容易となる。
また、被動部材に設けられる一方の連結壁部と他方の連結壁部の少なくとも一方は、偏心ピン(連結ピン)の回転軌跡上に位置する。したがって、偏心ピンによって一方の連結壁部および他方の連結壁部を押圧することができる。また、偏心ピンが一方の連結壁部または他方の連結壁部を所定の向きに押圧している間は、偏心ピンと連結壁部の一方または他方との係合が外れることはない。このため、一方の連結壁部および他方の連結壁部をそれぞれ所定の向きに所定の距離だけ移動させることができる。
また、被動部材が往復動する範囲の両端では、それぞれ連結壁部の一方または他方が、偏心ピンの回転軌跡から外れた位置に位置する。したがって、偏心ピンと連結壁部の一方または他方のいずれかが当接していない状態で偏心ピンと被動部材とが連結しても、前記両端の一方で偏心ピンの他方または一方と再係合することができる。このため、偏心ピンの位相や被動部材の位置に関わりなく、常に正常に偏心ピンと被動部材とを連結することができる。
以上、本発明の実施形態および適用例について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態または適用例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、被動部材(塵落とし部材)に動力を伝達する駆動部材として、棒状の回転腕を用いる構成を示したが、駆動部材の形状は限定されるものではない。例えば、円盤状に形成されるものであってもよい。円盤状に形成されると、駆動ユニットの駆動力伝達部材を覆い隠すことができるから、駆動ユニット内に異物や塵埃が侵入することを防止することができる。