JP2008271759A - 2次電池のリキャリブレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯情報機器の2次電池のリキャリブレーションを使用者が携帯情報機器を使用中に迅速に実施する。
【解決手段】ACアダプタと2次電池から電力供給を受けて使用する携帯情報機器の2次電池のリキャリブレーションを行うリキャリブレーション方法であって、リキャリブレーションを開始するときに、2次電池の容量が較正上限値より下位に設けた充電開始限界容量値以上であるかどうか、もしくは電池容量が較正下限値より上位に設けた放電開始限界容量値以下であるかどうかを判断するステップと、この判断に従って、2次電池を較正上限値まで充電した後、較正下限値まで強制放電させるステップもしくは、2次電池を較正下限値まで強制充電した後、較正上限値まで充電するステップとを有する。
【選択図】図2
【解決手段】ACアダプタと2次電池から電力供給を受けて使用する携帯情報機器の2次電池のリキャリブレーションを行うリキャリブレーション方法であって、リキャリブレーションを開始するときに、2次電池の容量が較正上限値より下位に設けた充電開始限界容量値以上であるかどうか、もしくは電池容量が較正下限値より上位に設けた放電開始限界容量値以下であるかどうかを判断するステップと、この判断に従って、2次電池を較正上限値まで充電した後、較正下限値まで強制放電させるステップもしくは、2次電池を較正下限値まで強制充電した後、較正上限値まで充電するステップとを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、主として事務所で使用されるノートパソコンやPDA(携帯情報端末)などの携帯情報機器に使用する2次電池のリキャリブレーション方法に関わり、リキャリブレーションの所要時間を短縮して携帯情報機器を迅速に使用可能にする技術に関する。
ノートパソコンなどの携帯情報機器に使用される、例えばリチウムイオン電池などの2次電池(以下、「電池」と呼ぶ)は、マイクロコンピュータとメモリを内蔵し、製造事業者やシリアル番号のほか、電池の情報、例えば、電池の容量と残量等の情報を記憶し外部に提供できる。
また、学習機能を有しており、電池容量や残量を常時学習して、その値を絶えず更新している。
一方、携帯情報機器は、電池から容量と残量の情報を受けて、画面上にその情報を、例えば残量50%、利用時間3時間といったような形で表示し、使用者が外出先で電池だけで携帯情報機器を使用する場合の使用可能時間の目安にしている。
ところが、電池からの残量情報は誤差を含んでおり、この誤差が大きいと、携帯情報機器では残量が十分であると表示されていても、突然携帯情報機器が使えなくなり、逆に残量0で表示されていても、まだ十分使用できるといった不都合が生じる。
一般に電池の残量は、電池容量の容量下限値、例えば10%の容量基準値(電池電圧で規定される)もしくは電池容量の容量上限値、例えば90%の容量基準値(同様に電池電圧で規定)を基準として、電池への充電電流の積分値から電池からの放電電流の積分値を差し引く方法で実施される。このため、積分誤差が集積し、さらに自己放電などの影響が加わり誤差が経時的に増大する。また、電池は充放電の反復によって容量が減少する。
そこで、この誤差を修正する作業と容量を再確認する作業を定期的に実施する必要がある。この作業は、電池を前述の容量下限値以下の容量に放電した後、電池を容量上限値にまで充電する方法が一般的である。この作業はリキャリブレーションあるいはリキャリブレーションと呼ばれ、例えば特許文献1〜3に示すようなものが提案されている。
特許文献1に示すものは、電池の放電の際に、電池の負荷である携帯情報機器のLCDのバックライトの点灯や冷却ファンの駆動、ドライブ駆動モータの駆動、反復的なメモリのアクセスなどを行って放電時間を短縮させることが提案されている。
また、特許文献2に示すものは、電池の上限容量の近傍に充電較正領域を、電池の下限容量の近傍に放電較正領域を設け、電池を使用中に、電池容量が充電較正領域に達した場合は、電池の負荷(モータ)への放電を禁止して電池を充電して充電較正領域の上限(例えば70%)で残量較正をし、電池容量が放電較正領域に達した場合は、電池の充電を禁止して電池を放電して放電較正領域の下限(例えば30%)で残量較正をするようにして残量誤差を補正し、この過程での充電電流の積分値と放電電流の積分値の差から電池の容量(全容量)を演算で求めるものである。
また、特許文献3に示すものは、コンピュータ装置によって、電池のリフレッシュを実行管理するもので、電池識別子ごとにファイルを設け、このファイルにリフレッシュの経歴を保存し、所定期間ごとにリフレッシュを実行させることが記載されている。
特開2000−60020号公報
特開2001−45668号公報
特開2000−92839号公報
しかしながら、前述の特許文献1に示す方法は、放電時間は短縮されるがリキャリブレーション中は、携帯情報機器が使えない課題がある。
また、特許文献2に示す方法は、電池を利用しながらリキャリブレーションを実施できるが、リキャリブレーションが確実に実施できる保証がない。すなわち、電池容量が充電較正領域、もしくは放電較正領域に達するかどうかは成り行き任せであり、両方の領域が連続して発生しないと容量較正はできないので、その点で確実性に欠ける課題がある。
また、特許文献3に示す方法は、具体的なリキャリブレーションの方法については記載がない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、使用者が携帯情報機器を使用中に、使用と平行してリキャリブレーションが可能であり、かつ、その実行時間も短縮することを目的としている。
上述したような課題を解決するために、請求項1記載の2次電池のリキャリブレーション方法は、ACアダプタと2次電池から電力供給を受けて使用する携帯情報機器の2次電池のリキャリブレーションを行うリキャリブレーション方法であって、リキャリブレーションを開始するときに2次電池の容量が較正上限値より下位に設けた充電開始限界容量値以上であるかどうか、または電池容量が較正下限値より上位に設けた放電開始限界容量値以下であるかどうかを判断するステップと、その判断に従って、2次電池を較正上限値まで充電した後、較正下限値まで強制放電させるステップ、または2次電池を較正下限値まで強制充電した後、較正上限値まで充電するステップとを含むことを特徴としている。このことにより、リキャリブレーションを開始するときに2次電池の容量が充電開始限界容量値、または放電開始限界容量値のどちらに近いかを判断して、リキャリブレーションを充電または放電から開始することで、リキャリブレーションの所要時間を短縮し携帯情報機器を迅速に使用可能にすることができる。なお、リキャリブレーションの起動は、使用者による手動起動、または基本ソフトが立ち上がった直後の自動起動などが考えられることは言うまでもない。
また、請求項2記載のリキャリブレーション方法は、ACアダプタの電源供給がなされているときに実施されることを特徴としている。このことにより、リキャリブレーション中に実施される較正上限値までの充電を保証することができる。
また、請求項3記載のリキャリブレーション方法は、ACアダプタから給電を受けて携帯情報機器が使用される時間と、2次電池から給電を受けて携帯情報機器が使用される時間を計測するステップを有し、所定期間内におけるACアダプタからの給電時間と2次電池からの給電時間の比率に対応して、リキャリブレーションを較正上限値まで充電することから開始するか、または較正下限値まで強制放電することから開始するかを判断することを特徴としている。
リキャリブレーションを実施する2次電池を装着した携帯情報機器の主たる給電先の比率を求めることによって、所定期間内における携帯情報機器の駆動状況(AC駆動またはDC駆動)を類推することが可能となり、携帯情報機器の使用実態に応じたリキャリブレーションの実施が可能となる。なお、ここで言う携帯情報機器の使用実態に応じたリキャリブレーションとは、リキャリブレーションの所要時間を優先する方法とリキャリブレーション後の電池容量を優先する方法を指す。所要時間を優先する方法とは、電池容量と充電開始限界容量値または放電開始限界容量値を比較して、所要時間が短くなるように充電または放電からリキャリブレーションを開始する方法であり、最短の所要時間でのリキャリブレーションを保証することができる。一方、リキャリブレーション後の電池容量を優先する方法とは、リキャリブレーション完了時に電池容量が較正上限値または較正下限値になるように充電または放電からリキャリブレーションを開始する方法であり、リキャリブレーション完了時の電池容量を保証することができる。
また、請求項4記載のリキャリブレーション方法は、所定期間内におけるACアダプタからの給電時間と2次電池からの給電時間の比率が所定値以下の場合は、リキャリブレーションを較正下限値まで強制放電することから開始することを特徴としている。
携帯情報機器の主たる駆動状況がDC駆動と類推される場合は、リキャリブレーション完了時に電池容量が較正上限値になるように放電からリキャリブレーションを開始することで、リキャリブレーション完了直後から満充電状態の2次電池を使用することができる。
また、請求項5記載のリキャリブレーション方法は、請求項1〜4記載のリキャリブレーション方法において、携帯情報機器は、2次電池の充放電を制御する充放電制御手段と充放電制御手段を制御するマイコンを保有し、このマイコンは基本ソフトを実行するCPUと連携して、リキャリブレーションの実施中に使用者が基本ソフトを終了した場合に、マイコンがリキャリブレーションを継続して実施することを特徴としている。このことにより、携帯情報機器の使用者は、会議などで携帯情報機器から離れる場合に、携帯情報機器の電源オフしてもリキャリブレーションを継続できる。
本発明によれば、使用者が携帯情報機器を使用中に、使用と平行してリキャリブレーションが可能であり、かつ、その実行時間も短縮できる2次電池のリキャリブレーション方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明を解り易くするために数字を例示しているが、本発明はこれに拘束されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における携帯情報機器の要部の構成を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態における携帯情報機器の要部の構成を示す図である。
ノートパソコン10は、電池20と、電池20から種々の情報提供を受けるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)30と、マイコン30に接続したCPU40および充放電制御手段50と、充放電制御手段50に外部のACアダプタ(図示しない)から給電を受けるためのACアダプタ端子61、62とを備えている。なお、充放電制御手段50は、充電制御部51と開閉器52と放電抵抗53とから構成されている。
マイコン30は、電池20から電池の識別符号(シリアル番号など)と電池状態(残存容量など)と充放電の実績などの情報をCPU40に伝え、CPU40は、これらの情報を電池の識別符号ごとのファイルとしてRAM(図示せず)に収容するとともに、電池残量を液晶表示部(図示せず)に表示する。さらには、電池の充放電の実績からリキャリブレーションの必要なタイミングを判断し、リキャリブレーション要求としてマイコン30に伝達する。リキャリブレーション要求を受けたマイコン30は、電池20からの残存容量の情報とACアダプタ端子61、62にACアダプタから給電を受けているかどうかの情報に基づいて充放電制御手段50を制御する。充放電制御手段50は、マイコン30の指示に従って充電制御部51により、電池20の定電流充電や定電圧充電あるいは充電停止を実施し、また、開閉器52を閉路して電池20の電荷を放電抵抗53に放出する強制放電を実施する。電池20は、充電上限(または放電下限)から放電下限(または充電上限)に至る過程で、電池の残存容量値と電池容量(最大容量値)を較正する(詳しくは後述)。
図2は、本発明の実施の形態におけるリキャリブレーション時の電池の充放電状態を示す図である。図面は縦軸に電池の残存容量を示し横軸に時間経過を示している。図面のように特性AとBの2つのモードを用意し、携帯情報機器を使用開始時にいずれかのモードを選択して電池のリキャリブレーションを実施する。
次に、以上述べた図1と図2を参照しながら、図3を用いてリキャリブレーション方法の詳細を説明する。図3は、本実施の形態における電池のリキャリブレーション方法の詳細を示す流れ図である。ステップS101において、ノートパソコンの電源スイッチが使用者によりオンされると、ステップS102においてWindows(登録商標)などの基本ソフト(以下、「OS」と呼ぶ)が立ち上がる。
続いてステップS103で、電池情報のファイルにアクセスしてリキャリブレーション(図面では較正と表記)の必要性をチェックする。次にステップS104で、電池残量Qが30%以下かもしくは70%以上であるかをチェックし、さらにステップS105で、ACアダプタ(ADP)から給電を受けているかどうかをチェックする。
このステップS103〜105の動作は、マイコン30とCPU40とが共働して実施し、いずれかのステップがNOであればリキャリブレーションは実施されないが、いずれのステップもYESであれば、次のステップに進む。
次のステップS106では、CPU40が液晶画面上にリキャリブレーションの実施について使用者の了解を求める表示を行う。このステップは、使用者が出張などの予定を控えている場合を考慮してのものである。ステップS107で、使用者が液晶画面上の了解マークをマウスでクリックするか、キーボードのY釦を押すとリキャリブレーションが開始される。
リキャリブレーションは2個のコースの2者択一である。まず、一方のコースは、ステップS104でのチェックで電池残量が70%以上の場合で、この場合は図2のAモードの経緯で実施される。ステップS108で、電池が充電がされ(図2のt1)、ステップS109で電池残量が90%に達した(同t2)ことを電池20自身が判断すると(電池電圧で検知)、ステップS110で電池20は、このときの電池電圧を容量90%として較正する(上限較正)。この信号を受けたマイコン30は、充放電制御手段50に指示して電池20への充電を停止し、すぐにステップS111で強制放電に移行する。強制放電中は、ACアダプタからの給電は遮断され、電池20は放電抵抗53に電荷を放出するとともに、CPU40と、使用者のノートパソコンの操作に従ってCPU40がコントロールするRAMや液晶表示とそのバックライト、ハードディスクドライブ用のモータ等(いずれも図1には図示せず)にも電荷を放出し、電池20の電圧は時間経過とともに降下する。この、トータルの放電電流を電池20は積分し続けて次のステップに至る。
ステップS112で電池残量が10%に達した(図2のt5)と電池20自身が判断すると(電池電圧で検知)、ステップS113で電池20は、このときの電池電圧を電池残量10%として較正し(下限較正)、マイコン30は充放電制御手段50に指示して強制放電を停止する。
電池20は、以上の上限較正(90%)と下限較正(10%)の差80%に相当する電流積分値から電池20の最大容量(100%)を演算で求め、自己のメモリに収納してリキャリブレーションは終了する。ステップS113以降は、電池20は充電モードになり、較正下限10%を基準として電流積分により電池残量の計測を行う。
次に、他方のコースは、ステップS104でのチェックで電池残量が30%以下の場合で、この場合は図2のBモードの経緯で実施される。ステップS114で、マイコン30は、充放電制御手段50に指示して電池20への充電を停止し強制放電を実施する(図2のt1)。強制放電中は、ACアダプタからの給電は遮断され、電池20は、放電抵抗53に電荷を放出するとともに、CPU40と、使用者のノートパソコンの操作に従ってCPU40がコントロールするRAMや液晶表示とそのバックライト、ハードディスクドライブ用のモータ等(いずれも図1には図示せず)にも電荷を放出し、電池20の電圧は時間経過とともに降下する。ステップS115で電池残量が10%に達した(同t3)と電池20自身が判断すると(電池電圧で検知)、ステップS116で電池20は、このときの電池電圧を容量10%として較正し(下限較正)強制放電もマイコン30の指示で停止される。次にステップS117で、マイコン30は充放電制御手段50に指示して電池20への充電を行う。充電が進行しステップS118で電池残量が90%に達した(図2のt4)と電池20自身が判断すると(電池電圧で検知)、ステップS119で電池20は、このときの電池電圧を電池残量90%として較正し(上限較正)、マイコン30は充放電制御手段50に指示して充電を停止する。
電池20は、以上の下限較正(10%)と上限較正(90%)の差80%に相当する電流積分値から電池20の最大容量(100%)を演算で求め、自己のメモリに収納してリキャリブレーションは終了する。ステップS119以降は、電池20は通常の充電モードになり、較正上限90%を基準として電流積分により電池残量の計測を行う。
以上述べたように、本発明は、リキャリブレーションの必要が生じたとき、携帯情報機器の使用の初期において、電池残量に応じて最も効率的なコースでリキャリブレーションを実施するようにしたものであり、リキャリブレーションの時間が短縮されるとともに省エネルギーの効果も期待できるものである。
なお、本実施の形態では、リキャリブレーションを携帯情報機器の使用中に終了させるため、携帯情報機器の使用直後において2つのコースを選択して実施し、電池残量が2つのコースのどちらにも該当しないときは、リキャリブレーションを次回の機器使用時に実施させるようにしたが、携帯情報機器の使用開始後の一定時間は(例えば1時間)2つのコース選択を受け付けるようにしても差し支えがない。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1のリキャリブレーションの方法を基本として、実施の形態1で述べたリキャリブレーションの2つのコース選択の方法を携帯情報機器の使用実態に応じて行うようにしたものである。したがって、図1と図2の説明は重複するので省略し、図4の詳細な動作の説明の一部も省略する。
本実施の形態は、実施の形態1のリキャリブレーションの方法を基本として、実施の形態1で述べたリキャリブレーションの2つのコース選択の方法を携帯情報機器の使用実態に応じて行うようにしたものである。したがって、図1と図2の説明は重複するので省略し、図4の詳細な動作の説明の一部も省略する。
図4は、本実施の形態における電池20のリキャリブレーション方法の詳細を示す流れ図である。ステップS201では、ノートパソコン10がACアダプタから給電を受けて使用されている時間をマイコン30でカウントし(C)、ステップS202では、ノートパソコン10が電池からのみ給電を受けて使用されている時間をマイコン30でカウントし(D)、これらのカウントを所定期間(例えば14日間)継続する(ステップS203)。
次にステップS204で、上記2つのカウントCとDの比率Kを求め、この結果は、CPU40を介して電池識別子ごとのファイルに収納される。この比率Kは移動平均として日々更新されファイルの内容も更新されている。このような状況下において、ステップS205で電源がオンされ、ステップS206でリキャリブレーション要求が確認され、ステップS207でACアダプタ(ADP)の給電が確認され、ステップS208で使用者に告知し、ステップS209で使用者の承諾が得られると、ステップS210でリキャリブレーションの2つのコースが選択される。
ステップS210では、マイコン30が上記のファイルから比率Kを呼び出し、比率Kが所定値以上であるか否かによりリキャリブレーションの2つのコースを選択する。
比率Kが所定値以上の場合、すなわち携帯情報機器をACアダプタに接続して使用することが多い場合は、ステップS211で、電池残量Qが70%以上の場合は、図2のAのモードでリキャリブレーションが実行される(ステップS212、ステップS213)。この実行の手順は、図3のステップS108〜ステップS113と同じである。
なお、ステップS211で電池残量Qが70%以下であれば、リキャリブレーションは実施されず、次回の電源オンまで持ち越されるが、実際には、携帯情報機器をACアダプタで使用することが多い場合は、電池20の電池残量は、80%またはそれ以上であるのでこのケースはまれである。
ステップS210で比率Kが所定値以下の場合、すなわち携帯情報機器を電池20のみで使用することが多い場合は(出張先での使用が多い)、ステップS214で、電池残量Qが30%以下の場合は、図2のBのモードでリキャリブレーションが実行される(ステップS215、ステップS216)。この実行の手順は、図3のステップS114〜ステップS119と同じである。
以上述べたように、本実施の形態は、リキャリブレーションの必要が生じたとき、リキャリブレーションの2つのコース選択の方法を携帯情報機器の使用実態に応じて行うようにしたものである。
このため、携帯情報機器が事務所で使用されることが多い場合は、電池残量が満充電に近い場合が多いのでリキャリブレーションの要求が生じたとき、すぐに充電からスタートすることができる。
また、携帯情報機器が外出先使用されることが多い場合は、リキャリブレーションの要求が生じたとき、放電から開始して充電で終了するので、終了後はすぐに外出先での携帯情報機器の使用が可能になる。
なお、本実施の形態のステップS210での比率Kの比較基準値(所定値)を1個にしているが、所定値を2個設けて2つのコースを選択し、どちらにも該当しない場合は、次回以降の電源オン時に実行するようにしてもかまわない。
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1および実施の形態2のリキャリブレーションの方法を基本として、実施の形態1および実施の形態2のリキャリブレーションを実施中に使用者が携帯情報機器の使用を中断し、あるいは中止した場合のリキャリブレーションを継続させる方法についてのものである。
本実施の形態は、実施の形態1および実施の形態2のリキャリブレーションの方法を基本として、実施の形態1および実施の形態2のリキャリブレーションを実施中に使用者が携帯情報機器の使用を中断し、あるいは中止した場合のリキャリブレーションを継続させる方法についてのものである。
したがって、図1と図2の説明は重複するので省略し、図5の詳細な動作の説明の一部も省略する。図5は、本実施の形態における電池のリキャリブレーション方法の詳細を示す流れ図である。
ステップS301のリキャリブレーションの実施中に、ステップS302で使用者が携帯情報機器のシャットダウン操作(電源スイッチを押す)を行うと、ステップS303でACアダプタを携帯情報機器から引き抜かないようにメッセージを告示し、ステップS304でOSを終了するが、このOSを実行しているCPU40は、リキャリブレーションの以後の動作をマイコン30に引き継ぐ(ステップS305)。
ステップS306で、ACアダプタが引き抜かれた場合は、マイコン30は、ブザー(図示せず)で警告する(ステップS307)。ステップS308で再度電源スイッチが押されなかった場合は、そのままリキャリブレーションを継続し、ステップS309でリキャリブレーションが終了すると、ステップS310で電源をシャットダウンする。
しかし、ステップS308で再度電源スイッチが押されると、ステップS311のOS起動後はリキャリブレーションは、再びマイコン30からCPU40に引き継がれ(ステップS312)、ステップS313でリキャリブレーションを終了する。
以上述べたように、本実施の形態はリキャリブレーションの途中で使用者が携帯情報機器の使用を中止しても、リキャリブレーションが中断されることがなく、使用者が会議等で中座する場合に携帯情報機器のOSを終了できるので情報漏洩などの危険がない。
本発明は、携帯情報機器等に使用される2次電池のリキャリブレーションの方法として広く利用することが可能である。
10 ノートパソコン
20 2次電池(電池)
30 マイクロコンピュータ(マイコン)
40 CPU
50 充放電制御手段
51 充電制御部
52 開閉器
53 放電抵抗
61,62 ACアダプタ端子
20 2次電池(電池)
30 マイクロコンピュータ(マイコン)
40 CPU
50 充放電制御手段
51 充電制御部
52 開閉器
53 放電抵抗
61,62 ACアダプタ端子
Claims (5)
- ACアダプタと2次電池から電力供給を受けて使用する携帯情報機器の前記2次電池のリキャリブレーションを行うリキャリブレーション方法であって、
前記リキャリブレーションを開始するときに、前記2次電池の容量が較正上限値より下位に設けた充電開始限界容量値以上であるかどうか、または電池容量が較正下限値より上位に設けた放電開始限界容量値以下であるかどうかを判断するステップと、
前記判断に従って、前記2次電池を前記較正上限値まで充電した後、前記較正下限値まで強制放電させるステップ、または前記2次電池を前記較正下限値まで強制充電した後、前記較正上限値まで充電するステップと
を含むことを特徴とする2次電池のリキャリブレーション方法。 - 前記リキャリブレーションは、前記ACアダプタの電源供給がなされているときに実施されることを特徴とする請求項1記載の2次電池のリキャリブレーション方法。
- 前記ACアダプタから給電を受けて前記携帯情報機器が使用される時間と、前記2次電池から給電を受けて前記携帯情報機器が使用される時間を計測するステップを有し、
所定期間内における前記ACアダプタからの給電時間と前記2次電池からの給電時間の比率に対応して、前記リキャリブレーションを前記較正上限値まで充電することから開始するか、または前記較正下限値まで強制放電することから開始するかを判断することを特徴とする請求項1または請求項2記載の2次電池のリキャリブレーション方法。 - 前記所定期間内における前記ACアダプタからの給電時間と前記2次電池からの給電時間の比率が所定値以下の場合は、前記リキャリブレーションを前記較正下限値まで強制放電することから開始することを特徴とする請求項3記載の2次電池のリキャリブレーション方法。
- 前記携帯情報機器は、前記2次電池の充放電を制御する充放電制御手段と前記充放電制御手段を制御するマイクロコンピュータを保有し、前記マイクロコンピュータは基本ソフトを実行するCPUと連携して、前記リキャリブレーションの実施中に使用者が前記基本ソフトを終了した場合に、前記マイクロコンピュータが前記リキャリブレーションを継続して実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の2次電池のリキャリブレーション方法。
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