JP2008268249A - ギヤ補強構造及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、ギヤ歯面の精度を向上し得て、しかもギヤ歯面の強度を安定して確保することができるギヤ補強構造を提供する。
【解決手段】外周に歯部32aが形成された歯車本体としての中間転写ギヤ32と、この中間転写ギヤ32歯車本体の構成材料と機械的強度が同等かそれ以上である材料からなる補強部材34とを備えていると共に、この補強部材34は中間転写ギヤ32の歯部32aの内周面32bに圧入固定されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ギヤ補強構造並びに、プリンタ・複写機・ファクシミリ又はこれらの機能を具備した複合機等の画像形成装置、特に、駆動力を伝達するためのギヤ及びこのギヤを用いて像担持体に回転力を伝達して画像を形成する画像形成装置に関する。
近年、種々の記録方式によって画像形成処理する画像形成装置が多数商品化されているが、その中でも電子写真方式による画像形成装置は他の記録方式に比べて高速・高品位な画像記録を行なうことができるために広く普及している。
このような画像形成装置は、ドラム状の感光体等の像担持体を回転してその表面に形成された静電潜像に基づくトナー画像を形成する。
また、感光体等の像担持体には、感光体の表面に形成された静電潜像に基づくトナー画像を直接転写紙に転写するものと、中間転写体(ドラム状又は無端ベルト状)を第2の像担持体として用い、この第2の像担持体に感光体に形成されたトナー像を転写した後に転写紙に転写するものとが周知である。
この際、これら各像担持体を安定して回転させるために、高速回転のモータからの駆動力を減速装置を介して各像担持体に伝達している。
また、このような減速装置等の駆動伝達部材としては、はす歯ギヤが用いられることが多いが、このはす歯ギヤが回転すると、その噛合部において歯の捩じれ角に応じてスラスト方向の推進力が発生する。
従って、はす歯ギヤは、その噛合幅を減らすような方向に捩じられ、ギヤ歯数に応じた速度ムラや歯面の磨耗を生ずる虞がある。これは、像担持体の回転を安定させるためにギヤ列の最下流にある像担持体の回転軸上にフライホイールがついている場合や、像担持体の負荷トルクが大きい場合に顕著となる。
また、画像形成装置に用いられるはす歯ギヤとしては、潤滑性・低コスト性の観点からポリアミドやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックで射出成形したものが多く用いられるが、高精度を確保しようとすると、ヒケの発生等を抑制するために肉厚は薄い方が有利である。
しかしながら、肉厚を薄くするとギヤ強度が低下してしまうため、軸受部を補強したりギヤ側面にリブ等の補強構造を採用するといった対策がなされているが、ギヤの捩じ方向の力に対しては充分な補強とはいい難かった。
そこで、このような強度不足を補うため、ギヤ周面の少なくとも一方の側面に補助部材を取り付ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−074971号公報
ところが、上記の如く構成された画像形成装置にあっては、歯面の倒れを確実に防止するには歯面の内周側に確実に補助部材を当接させなければならないが、上述した特許文献1に記載の技術では、単にギヤ周面の少なくとも一方の側面に補助部材を取り付けてギヤを補強しているだけなので、ギヤのスラスト方向の捩れは抑制することができるものの、補助部材の歯面内周への当接は部材の寸法精度によって強度が大きく変化してしまい、製品の安定性に問題が生じていた。
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、簡単な構成でありながら、ギヤ歯面の精度を向上し得て、しかもギヤ歯面の強度を安定して確保することができるギヤ補強構造及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明のギヤ補強構造は、外周に歯部が形成された歯車本体と、該歯車本体の内周面に設けられた補強部材と、を備え、前記歯車本体の構成材料と機械的強度が同等かそれ以上である材料からなり且つ前記内周面に圧入固定されていることを特徴とする。
この際、前記補強部材の周端面に、前記歯車本体に対する挿入側の面に向って小径となるように傾斜面を形成することができる。
また、前記歯部の内周面に、前記補強部材が挿入される開放端に向けて拡開する傾斜面を形成しても良い。
さらに、前記歯部の内周面に、前記補強部材が挿入される開放端に向けて段階的に拡開する複数段の段差面を形成しても良い。
また、前記補強部材の周端面にネジ部を形成すると共に、前記歯部の内周面に前記ネジ部が螺合するように前記ネジ部と雌雄の異なるネジ部を形成しも良い。
また、前記補強部材を、前記内周面の内径よりも小径な円盤状のベースプレートと、該ベースプレートに放射状に変位・固定可能となるように固定される略扇形状の分割プレートとで構成することも可能である。
さらに、前記補強部材を、外径が可変するように略C型とされたリング本体と、該リング本体の両端間に跨って該両端間の距離を可変することで前記リング本体の外径を可変調整する調整ビスとで構成しても良い。
また、本発明は、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の歯車本体と補強部材とを備え、前記歯車本体をドラム状の像担持体とした画像形成装置とすることができる。
本発明のギヤ補強構造は、簡単な構成でありながら、ギヤ歯面の精度を向上し得て、しかもギヤ歯面の強度を安定して確保することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を採用した画像形成装置の説明図、図2は本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の分解斜視図、図3は本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の斜視図、図4は本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の要部の説明図、図5は本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例1の要部の断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、装置本体2の正面から引き出し可能な用紙トレイユニット3と、複写機機能・ファクシミリ機能・スキャナ機能として原稿を読み取る際の自動原稿送り装置(ADF)4と、このADF4の下方に配置された画像形成処理済転写紙の排出トレイ部5と、表示画面6と併用して各種機能等の設定・選択操作を行う操作部7とを備えている。
また、装置本体2の内部には、イエロー(Y)・マゼンダ(M)・シアン(C)・ブラック(K)の各色の補給用トナーを収納したトナーコンテナ8〜11と、各トナーコンテナ8〜11から供給された補給用トナーによって像担持体としてのドラム状の感光体12の表面に形成された静電潜像に基づくトナー画像を形成するための転写部13〜16と、感光体12に形成されたトナー像を転写する第2の像担持体としての中間転写体17と、用紙トレイユニット3から供給された転写紙を搬送する搬送経路18と、中間転写体17とで搬送経路18を挟むように配置された転写ローラ19と、転写ローラ19よりも搬送経路18の上流側に配置されたレジストローラ対20と、転写ローラ19よりも搬送経路18の下流側に配置されてトナー画像を転写紙に定着させる定着部21と、搬送経路18の終端部に形成された排出口22から定着後(画像液性処理済)の転写紙を排紙トレイ部5に排出する排出部23とを備えている。
また、感光体12の周囲には、感光体12の表面を帯電する帯電器24と、ADF4を利用して読み取った画像データや図示を略するパーソナルコンピュータから送信された印刷データに基づいて感光体12の表面に静電潜像を形成するためのレーザ光を照射するレーザユニット25と、転写部13〜16を経由した感光体12の表面に残存するトナー等を除去する感光体クリーニング器26と、次の画像形成処理のために感光体12の表面に形成された静電潜像を除去する除電器27とを備えている。
中間転写体17は、ドラム状若しくは略円柱形状の無端ベルトから形成されており、その表面には、転写ローラ19と協働して転写紙に転写した後の残存するトナー等を除去する転写体クリーニング器28が設けられている。
尚、図2に示すように、感光体12は、ドラムユニット29に回転可能に保持されている。また、中間転写体17は、中間転写ユニット30に回転可能(又は回動移動可能)に保持されている。この際、ドラムユニット29は、図3に示すように、中間転写ユニット30に保持されている。さらに、感光体12と中間転写体17の端部には、感光体12と中間転写体17とが同期して回転(又は回動移動)するように互いに噛み合うドラムギヤ31並びに中間転写ギヤ32が設けられている。
本実施の形態では、中間転写体17の一端に設けられた駆動ギヤ33から図示を略する駆動装置からの駆動が動力伝達されて中間転写体17が回転(又は回動移動)し、その回転が中間転写ギヤ32からドラムギヤ31へと伝達されて感光体12が同期して回転するように構成されている。
この際、中間転写ギヤ32とドラムギヤ31との噛み合い精度が悪いと、トナー画像に色ずれやピッチ状のムラが発生してしまうため、中間転写ギヤ32は大口径となり、高いギヤ精度が必要となっている。
そこで、中間転写ギヤ32の強度を確保することで歯面倒れを確実に防止するため、中間転写ギヤ32の内周には、図4に示すように、補助部材34が装着される。
この補強部材34は、歯車本体としての中間転写ギヤ32の構成材料と機械的強度が同等かそれ以上である材料からなり、例えば、図5に示すように、その周端面に中間転写ギヤ32の挿入側の面に向って小径となるように傾斜面34aが形成されている。
これにより、補強部材34は、中間転写ギヤ32の歯部32aの内周面32bに緊密に嵌め合わされるように圧入されている。また、このような構成を採用することにより、中間転写ギヤ32の内周面32bの内径寸法と補助部材34の外径寸法とに成形時等の多少のばらつきが発生したとしても、確実に嵌め合わせることができる。
ところで、この補強部材34の中間転写ギヤ32との嵌め合わせは、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、中間転写ギヤ32の歯部32aの内周面32bに、開放端に向けて拡開する傾斜面32cを形成し、補強部材34の周端面が緊密に嵌め合わされるように構成することも可能である。
また、図7に示すように、中間転写ギヤ32の歯部32aの内周面32bに、開放端に向けて段階的に拡開する複数段の段差面32dを形成し、補強部材34の周端面が各段差面32dの何れかと緊密に嵌め合わされるように構成することも可能である。
さらに、図8に示すように、補強部材34の周端面に雄ネジ部34bを形成すると共に、歯部32aの内周面32bに雌ネジ部32eを形成し、補強部材34が緊密に嵌め合わされるように構成することも可能である。この際、図9に示すように、補強部材34には、工具挿入用の穴34cが形成される。
また、図10及び図11に示すように、内周面32bの内径よりも小径な円盤状のベースプレート35と、このベースプレート35に放射状に変位・固定可能となるように長孔36aを形成した略扇形状の分割プレート36とで補強部材37を構成し、内周面32bに分割プレート36が緊密に嵌め合わされるように長孔26aに対して位置決めした状態でネジ38により各分割プレート36をベースプレート35に固定することも可能である。
さらに、図12に示すように、補強部材39を、外径が可変するように略C型とされたリング本体40と、リング本体40の両端間に跨って両端間の距離を可変することでリング本体40の外径を可変調整する調整ビス41とで構成し、この調整ビス41によってリング本体40の直径を大径方向に変化させることで内周面32bにリング本体40が緊密に嵌め合わされるように構成することも可能である。
このように、本発明のギヤ補強構造にあっては、中間転写体17の駆動用の中間転写ギヤ32の内周面32bに補強部材34(37,39)を緊密に嵌め合わせるように圧入することにより、簡単な構成でありながら、ギヤ歯面の精度を向上し得て、しかもギヤ歯面の強度を安定して確保することができる。
本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を採用した画像形成装置の説明図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造を備えた画像形成部の要部の説明図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例1の要部の断面図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例2の要部の断面図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例3の要部の断面図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例4の要部の断面図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例4に採用される補強部材の正面図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例5の要部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例5の要部の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るギヤ補強構造の実施例6の要部の分解斜視図である。
符号の説明
1…画像形成装置
32…中間転写ギヤ(歯車本体)
32a…歯部
32b…内周面
34…補強部材

Claims (8)

  1. 外周に歯部が形成された歯車本体と、該歯車本体の内周面に設けられた補強部材と、を備え、前記歯車本体の構成材料と機械的強度が同等かそれ以上である材料からなり且つ前記内周面に圧入固定されていることを特徴とするギヤ補強構造。
  2. 前記補強部材の周端面に、前記歯車本体に対する挿入側の面に向って小径となるように傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  3. 歯部の内周面に、前記補強部材が挿入される開放端に向けて拡開する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  4. 前記歯部の内周面に、前記補強部材が挿入される開放端に向けて段階的に拡開する複数段の段差面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  5. 前記補強部材の周端面にネジ部が形成され、前記歯部の内周面に前記ネジ部と雌雄の異なるネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  6. 前記補強部材は、前記内周面の内径よりも小径な円盤状のベースプレートと、該ベースプレートに放射状に変位・固定可能となるように固定される略扇形状の分割プレートと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  7. 前記補強部材は、外径が可変するように略C型とされたリング本体と、該リング本体の両端間に跨って該両端間の距離を可変することで前記リング本体の外径を可変調整する調整ビスと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ補強構造。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の歯車本体と補強部材とを備え、前記歯車本体がドラム状の像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
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