JP2008267171A - サイドカットファン - Google Patents

Abstract

【課題】
本発明は、サイドカットファンでの、サイドカット部内周面の円弧径を、当初の風洞内周円弧面を形成する初期円弧径とは異なる円弧径として形成されることによる、圧力変動の影響の抑制と性能確保を目的とする。
【解決手段】
本発明に成るサイドカットファンは、ベンチュリ外周面の所定の切除部に対応する内面の風洞内周面円弧連通部が、吸込口側直線状端縁の両端近傍部位から、傾斜円錐面を経て吐出口側円弧面に向かって、徐々に曲率が変化しつつ滑らかに展伸する広い円滑形状面として形成され、また、サイドカット部内面の吸込口側直線状端縁から吐出口側円弧面に向かう円滑形状面が、周方向左右対称に形成される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、軸流ファン、特にサイドカットファンでの、ベンチュリの風洞部形状に関する。

特開２００１−１８２６９８号公報） 特開２００２−０８９４９６号公報）

詳細は、上述特許文献夫々の公報の記述に譲り省略するが、送風性能の向上と静穏化という相反する要素に対応するため、ベンチュリの風洞部形状については種々の検討が試みられ実用化されており、本願発明に係る、実装スペース抑制を意図した所謂サイドカットファンも、その適用範囲であることに変わりはない。

そして、サイドカットファン自体でも、切除部形成に伴うベンチュリの薄肉化対応として剛性を保持する目的もあって、風洞を形成するベンチュリ内周面には、当該切除部で、初期の風洞内周円弧面の円弧径とは異なる曲率径として、プロペラの転回外周円弧面との空隙の変化を少なくして連通するように形成されていることも周知の通りである。

しかし、サイドカットファンでは、上述のように、従来技術に成る改善効果に加えて、サイドカット部に対応するベンチュリ内周面の円弧連通部が、吸込口側直線状端縁から、当初の風洞内周円弧面を形成する初期円弧径とは異なる円弧径まで、徐々に変化する曲面として形成されることに起因する圧力変動による、騒音の解決が求められている。
これはサイドカット面２ヶ所での、プロペラの羽根枚数と回転速度に起因する周波数成分として現れ、全周波数帯の騒音に対して支配的な音源となっている。

本発明に成るサイドカットファンは、サイドカット部での風洞内周面円弧連通部が、当該サイドカット部全体に対応する広い領域となるように、吸込口側直線状端縁の両端近傍部位から、傾斜円錐面を経て吐出口側円弧面に向かって、徐々に曲率が変化しつつ滑らかに展伸する円滑形状として形成され、好ましくは、

サイドカット部内面のサイドカット部全体に対応する広い円滑形状面が、周方向左右対称に形成される。

本発明に成るサイドカットファンは、当該サイドカットファンでの特異な課題である、ベンチュリ外周面の切除による、風洞内周面の円弧径変化に伴うプロペラの転回外周円弧面との空隙変化での、プロペラと風洞内周面との圧力干渉の影響を抑制する効果を実現している。

以下図面により本発明の実施例を説明する。

図１は、本発明に係るベンチュリの一実施例を示す正面図（ａ）と斜視図（ｂ）であり、図２は従来技術でのベンチュリの例を示す正面図（ａ）と斜視図（ｂ）である。

図２に見るように、従来技術に成るベンチュリ１は、外周面に１８０度偏移して対向するように形成されているサイドカット部２の内周面は、サイドカット部２の外周面切除に対応して筐体としての強度確保の目的もあって、肉厚確保のため吸込口側端縁に直線状とする吸込口側直線状端縁５を設け、この直線状部（５）が、傾斜円錐面・吐出口側円弧面でのプロペラ（図示を省略）転回外周円弧面との空隙変化が小さくなるように配慮した円弧連通部４に繋がるように形成されている。

対し、図１に示す本願発明では、サイドカット部２に対応する吸込口側直線状端縁５の周方向両端近傍部位から、サイドカット部２に対応する内面全域で円弧連通部（４）まで、徐々に曲率が変化しつつ滑らかに展伸する広い円滑形状面６として形成される。

風洞内周面とプロペラの転回外周円弧面との空隙の変化を小さくすることによる性能と騒音とのバランス確保を目的とした従来の発想から、サイドカット部２での吸込口側から吐出口側への通気の円滑化への視点移行で、風洞内周面形状の検討を重ねて本願発明に到ったものである。

本発明に成るサイドカットファンは、実装スペースの拡大を伴うことなしに、圧力干渉の影響を抑制し、通風性能の確保を実現できるので、省スペース用軸流ファンとしてのサイドカットファンの用途拡大を可能とする。

本発明に成るサイドカットファンの例のベンチュリを説明する正面図（ａ）と斜視図（ｂ）である。 従来技術に成るサイドカットファンの例のベンチュリを説明する正面図（ａ）と斜視図（ｂ）である。 図１と図２の例で構成される軸流ファンの例の送風性能と騒音の比較データである。 図３に示すオーバーオール騒音データに対応する、周波数分析データである。

符号の説明

１ 軸流ファンの風洞を形成するベンチュリ
２ サイドカット部
３ 風洞部初期円弧面
４ サイドカット部内面の円弧連通部
５ サイドカット部内面の吸込口側直線状端縁
６ 本発明に係る、サイドカット部内面の、吸込口側直線状端縁の周方向両端近傍部位から、吐出口側に向かって円滑に展伸する内周円弧面

Claims (2)

1. ベンチュリとプロペラを有する軸流ファンで、実装スペースの制約上、ベンチュリ外周面の一部に所定の切除部が設けられ、風洞内周円弧面の一部を成す前記切除部の内周面が、ベンチュリの初期円弧径と異なる円弧径で連通するように形成されている所謂サイドカットファンにおいて、前記サイドカット部での風洞内周面円弧連通部が、当該サイドカット部全体に対応する広い領域となるように、吸込口側直線状端縁の両端近傍部位から、傾斜円錐面を経て吐出口側円弧面に向かって、徐々に曲率が変化しつつ滑らかに展伸する円滑形状として形成されていること、を特徴とするサイドカットファン。
2. 前記サイドカット部全体に対応する広い円滑形状面が、周方向左右対称に形成されていること、を特徴とする請求項１に記載のサイドカットファン。