(第1の実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。これらスイッチ152〜155の検知について詳細には、各スイッチ152〜155は後述する主制御装置に電気的に接続されており、遊技球を検知していない状態では主制御装置に対してLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態では主制御装置に対してHIレベル信号を出力するよう構成されている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック回路図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが設けられている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。RAM313は、電力が供給されている間は各種のデータ(情報)を記憶保持し、電力供給が遮断されることでその記憶保持していた情報の保持が不可能となる機能を有している。つまり、電力供給が遮断されることで、それまで記憶保持されていたデータが消去される。ここで、この「消去」には、記憶保持されていたデータがクリアされることだけでなく、記憶保持されていたデータが破壊されてそのデータがCPU311において認識不可(読取不可)となることも含まれる。これは、以下に説明する他のRAMについても同様である。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が規定電圧(22ボルト)未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302のCPU311のNMI端子に停電信号を出力する。CPU311では、停電監視回路303から停電信号を入力することにより、後述する停電時処理(電断時処理)を実行する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とが内蔵されている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御基板301と、電源及び発射制御基板321と、裏パック基板229とが接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御基板301と裏パック基板229とが接続されている。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御基板301が接続されており、主制御基板301のCPU311から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
電源及び発射制御基板321は、発射制御部321aと電源部321bとを備えている。発射制御部321aは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
電源部321bは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板301や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御基板301や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321bは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧などを生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御基板301や払出制御基板322等に対して供給する。
ここで、本実施形態では、電源及び発射制御基板321から主制御基板301のRAM313への電力供給に関して特徴的な構成を備えている。そこで、この特徴的な構成及びそれに関連した構成について図15のブロック回路図に基づいて説明する。
電源及び発射制御基板321の電源部321bからは、上記のとおり、主制御基板301のCPU311及び払出制御基板322のCPU331に電力が供給される。この構成について詳細には、電源及び発射制御基板321は、主制御基板301とハーネスH1を介して電気的に接続されているとともに、払出制御基板322とハーネスH2を介して電気的に接続されている。なお、これらハーネスH1,H2は、接続対象に対してコネクタを介して着脱自在に接続されている。
電源部321bからは、ハーネスH1が備える電気配線の束のうち電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に電力が供給され、この電力によりCPU311が動作する。詳細には、電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給された電力は、CPU311に設けられたVCC端子に入力され、この電力によりCPU311が動作する。また、電源部321bからは、ハーネスH2が備える電気配線の束のうち電力用配線ELN2を通じて払出制御基板322に電力が供給され、この電力によりCPU331が動作する。
上記のように電源及び発射制御基板321の電源部321bからは各電力用配線ELN1,ELN2を通じて主制御基板301のCPU311及び払出制御基板322のCPU331に電力が供給されるが、当該電力は主制御基板301のRAM313及び払出制御基板322のRAM333には供給されない。
主制御基板301のRAM313に対しては、ハーネスH1が備える電気配線の束のうち電力用配線ELN3を通じて電力が供給される。詳細には、電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給された電力は最終的に、CPU311に設けられたRAM用端子(揮発性記憶手段用の電力入力部)としてのVBB端子に供給される。これにより、パチンコ機10の電源がON状態の場合には、電源部321bからRAM313に電力が供給され、RAM313においてデータの記憶保持が行われる。
払出制御基板322のRAM333に対しては、ハーネスH2が備える電気配線の束のうち電力用配線ELN4を通じて電力が供給される。詳細には、電力用配線ELN4を通じて払出制御基板322に供給された電力は最終的に、CPU331に設けられたRAM用端子(揮発性記憶手段用の電力入力部)としてのVBB端子に供給される。これにより、パチンコ機10の電源がON状態の場合には、電源部321bからRAM333に電力が供給され、RAM333においてデータの記憶保持が行われる。
電源及び発射制御基板321には、上述した電源部321bの他に、電断時用電源部(電断時用電源手段又は停電時用電源手段)321cが搭載されている。電断時用電源部321cは、データ記憶保持用のコンデンサを備えてなる。電断時用電源部321cは、電源部321bに接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合に、すなわち、外部電源から電源及び発射制御基板321に電力の供給が行われている場合に、蓄電される。なお、電断時用電源部321cは、コンデンサに限定されることはなく、充電可能な電池(バッテリ又は蓄電池)や充電不可な電池であってもよい。但し、充電不可な電池においては、当然のことながら充電を行うことができないため、この点、充電を行うことができるコンデンサなどを用いることが好ましい。また、電断時用電源部321cには逆流防止用のダイオードが設けられており、コンデンサにて蓄電された電力が電源部321b側に流入しないようになっている。
電断時用電源部321cは、電源部321bと電力用配線ELN3,ELN4との電気経路の途中位置に介在している。これにより、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や外部電源における停電発生時等といった電源遮断状態では、電断時用電源部321cから主制御基板301のRAM313及び払出制御基板322のRAM333に対して電力が供給される。よって、電源遮断状態であっても、電断時用電源部321cから電力が供給されている間はRAM313,333に記憶されたデータが消去されることなく保持される。
ちなみに、電源遮断の発生時には後述する停電時処理(ステップS513〜ステップS516)が実行され、さらに上記電断時用電源部321cが設けられていることにより、電源遮断発生時においてRAM313,333に記憶されていた情報はそのまま記憶保持される。また、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313,333に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
以上説明したように各RAM313,333に対して電力が供給されるが、本実施形態では、主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続が解除された場合に主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される構成となっている。当該構成について以下に詳細に説明する。
主制御基板301は、ハーネスH3を介して払出制御基板322と電気的に接続されている。このハーネスH3に設けられた信号用配線LN1により信号経路が形成されており、当該信号経路により両基板301,322間において情報の入出力が行われる。このハーネスH3は、その両端にコネクタCN1,CN2を備えた接続ユニットであり、一方のコネクタCN1が主制御基板301のコネクタCN3に対して着脱自在に接続されており、他方のコネクタCN2が払出制御基板322のコネクタCN4に対して着脱自在に接続されている。
ハーネスH3が備える電気配線の束内には、2本の電力用配線ELN5,ELN6が含まれている。このうち一方の電力用配線ELN5は、主制御基板301に形成された中継回路EC1を介して電力用配線ELN3と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN5と電力用配線ELN6とは、払出制御基板322に形成された中継回路EC2を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN6は、主制御基板301に形成された中継回路EC3を介してCPU311のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU311のVBB端子への電力供給経路R1は、電力用配線ELN3、中継回路EC1、電力用配線ELN5、中継回路EC2、電力用配線ELN6及び中継回路EC3により形成されており、当該電力供給経路R1以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R1が形成されていることにより、ハーネスH3を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R1が遮断され、主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。そして、当該RAM313に記憶保持されていたデータが消去される。また、電力供給経路R1は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において、RAM313へ電力を供給するための経路であるため、いずれの状況でハーネスH3の取り外しが行われたとしても、RAM313への電力の供給が停止される。
本パチンコ機10では、払出制御基板322を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為や、主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為などが行われることが想定される。これに対して、上記のようにRAM313への電力供給経路R1が形成されていることにより、当該電力供給経路R1を遮断するような不正用基板が介在された場合には、その後、RAM313が機能しなくなり、不正行為の効果を消失させることができる。
また、中継回路が形成され電力供給経路R1を遮断しないような不正用基板が介在された場合であっても、その不正用基板の接続作業に際して電力供給経路R1が一旦遮断されるため、そのタイミングでRAM313への電力供給が停止され、当該RAM313に記憶されていたデータが消去される。よって、上記不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311において把握することが可能となる。
また、上記のような不正行為は、遊技ホールの閉店時などのようにパチンコ機10の電源が遮断されている状況で行われることが想定される。これに対して、上記のとおり電力供給経路R1はRAM313への電断時用電力を供給する機能も有しているため、パチンコ機10の電断時に上記不正行為が行われたとしても、電断前にRAM313に記憶されていたデータが消去され、当該不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311において把握することが可能となる。
主制御基板301のCPU311では、後述するメイン処理(図21)などにて、RAM313に記憶されていたデータが消去されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて異常時用の処理を実行する。これについては後に説明する。
次に、図柄表示装置91の表示内容について、図16に基づいて説明する。
図柄表示装置91には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置91には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置91には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置91には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置91には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部93の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図17に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置91の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口84への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置91の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置91においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置91に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部94の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理を図18〜図22のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図18は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断発生時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断される場合には、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリア(電断時情報記憶部)に停電フラグをセットし(電断時情報を記憶させ)、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図19のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS204では、始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図20のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口84に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口84への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。続くステップS304では、前記ステップS103で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
タイマ割込み処理(図19)の説明に戻り、ステップS204にて始動入賞処理を実行した後は、ステップS205〜ステップS206のRAM消去確認処理を実行する。RAM消去確認処理では、先ずステップS205にてRAM313の確認用フラグ格納エリア(確認用情報記憶部)に確認用フラグ(確認用情報)が格納されているか否かを判定する。この確認用フラグは、後述するように、パチンコ機10の電源投入に際してセットされ、RAM313への電力供給が停止されることで消去されるフラグである。
確認用フラグが格納されている場合には、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。確認用フラグが格納されていない場合には、ステップS206にて異常報知処理を実行する。この異常報知処理では、異常コマンドをセットするとともに、遊技ホールを管理する管理コンピュータ(又はホールコンピュータ)に異常信号を出力する。ここでセットされた異常コマンドは、後述する通常処理(図22)の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御基板324に出力され、音声ランプ制御基板324では、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26及び表示制御装置325を駆動制御することにより、周囲に分かる態様で異常報知を実行させる。また、管理コンピュータでは、パチンコ機10から異常信号を入力することで、その事実を記憶するとともに、遊技ホールの管理者等に報知する。
かかる構成とすることにより、例えば遊技ホールの開店中において、主制御基板301と払出制御基板322とを電気的に接続するハーネスH3(図15参照)を取り外して不正行為が行われた場合には、その事実を遊技ホールの管理者等に報知することができる。
なお、異常報知処理の態様は上記のものに限定されることはなく、各種ランプ部23〜25における報知、スピーカ部26における報知、表示制御装置325における報知、及び管理コンピュータにおける報知のいずれか1つを行う構成としてもよく、いずれかの組合せを行う構成としてもよい。また、主制御装置162の基板ボックス163内に報知用のLEDなどを設け、そのLEDを点灯させることで上記異常報知を行う構成としてもよい。これは、以下の特定報知処理についても同様である。
ステップS206の処理を実行した後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS402では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定する。本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS404〜S406の処理に移行する。
ステップS404では、従側の制御基板となる払出制御基板322を初期化するために、払出初期化コマンドを出力する。続くステップS405ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS406ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS407にてRAM313の確認用フラグ格納エリアに確認用フラグを格納する。この場合、既に確認フラグが格納されている場合にはその状態を維持する。その後、ステップS408にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、ステップS403にて否定判定をし、ステップS409に進む。ステップS409ではRAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS410ではRAM313の確認用フラグ格納エリアに確認用フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS411ではRAM判定値を算出し、続くステップS412では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、RAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、このチェックサム値は全ての作業領域アドレスについてのものとしてもよく、一部の作業領域アドレスについてのものとしてもよい。また、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグが格納されていない場合、確認用フラグが格納されていない場合又はRAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合には、ステップS413に進む。ステップS413では、異常報知処理を実行する。
この異常報知処理では、異常コマンドを音声ランプ制御基板324に出力するとともに、遊技ホールを管理する管理コンピュータ(又はホールコンピュータ)に異常信号を出力する。音声ランプ制御基板324では、主制御基板301から異常コマンドを入力することにより、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26及び表示制御装置325を駆動制御し、周囲に分かる態様で異常報知を実行させる。また、管理コンピュータでは、パチンコ機10から異常信号を入力することで、その事実を記憶するとともに、遊技ホールの管理者等に報知する。
上記構成とすることにより、例えば遊技ホールの閉店時においてパチンコ機10の電源の投入を行うことなく、主制御基板301と払出制御基板322とを電気的に接続するハーネスH3(図15参照)を取り外して不正行為が行われた場合には、少なくとも停電フラグが消去される。そして、再度のパチンコ機10の電源投入時には停電フラグが格納されていないことを確認することで、上記不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311にて把握することができ、さらにそれに対して異常報知処理として対処することができる。なお、上記不正行為が行われた場合にはRAM判定値も異常となるため、主制御基板301のCPU311ではRAM判定値が異常となっていることに基づいて上記不正行為が行われたことを把握することができる。
また、例えば遊技ホールの閉店時においてパチンコ機10の電源を投入し、その状況において主制御基板301と払出制御基板322とを電気的に接続するハーネスH3(図15参照)を取り外して不正行為が行われた場合には、確認用フラグが消去され、その後にパチンコ機10の電源の遮断操作が行われたとしても、その確認用フラグが消去された状態が維持される。そして、再度のパチンコ機10の電源投入時には確認用フラグが格納されていないことを確認することで、上記不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311にて把握することができ、さらにそれに対して異常報知処理として対処することができる。
ステップS413にて異常報知処理を実行した後は、上述したステップS404〜ステップS408の処理を実行した後に、後述する通常処理に移行する。
一方、停電フラグが格納されていること、確認用フラグが格納されていること及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS414に進む。ステップS414では、停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアし、ステップS415では従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復帰コマンドを出力する。その後、上述したステップS407〜ステップS408の処理を実行した後に、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを払出制御基板322等に対して出力する。また、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御基板324に出力する。
次に、ステップS502では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS503では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したバッファ内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS504にてコマンド設定処理を実行する。このコマンド設定処理では、払出制御基板322や音声ランプ制御基板324に出力するコマンドの設定を実行する。かかる処理で設定されるコマンドとしては、払出制御基板322に出力される賞球コマンドがある。
コマンド設定処理の後は、ステップS505にて第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されバッファ内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部93に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部93のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS506にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS507では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口84に付随する電動役物が所定時間開放される。
ステップS507の後は、ステップS508にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321aから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS508の後はステップS509にて、RAM313内に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS510にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS512では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
一方、ステップS509にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS513以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS513では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS514にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS515にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS516にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される各制御処理を図23〜図26のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめに入力時割込み処理を説明し、その後、メイン処理、タイマ割込み処理の順で説明する。
入力時割込み処理は、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合に後述する他の処理を中断して実行される。入力時割込み処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS601にて主制御基板301のCPU311からのコマンドをRAM333のコマンド格納エリアに記憶し、その後、ステップS602にてRAM333に設けられたコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグを格納し、本処理を終了する。
次に、払出制御基板322のCPU331に実行されるメイン処理を、図24のフローチャートを用いて説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS701では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS702に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS703で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS704では、RAM333の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS705ではRAM判定値を算出し、続くステップS706では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM333の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM333の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグが格納されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM333の初期化処理(ステップS711〜S713)に移行する。つまり、ステップS711ではRAM333の全領域を0にクリアし、続くステップS712ではRAM333の初期化処理を実行する。また、ステップS713ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグが格納されており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS707にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS708にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS709ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM333の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS709又はステップS713の処理の後は、ステップS710にて割込みを許可し、ステップS714にてRAM333の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定し、停電フラグが格納されていなければ、停電フラグが格納されるまで待機する。
一方、停電フラグが格納されている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS715移行の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS715にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS716にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS717にてRAM333のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321からRAM333の電断時用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM333に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図25のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS801では、主制御基板301のCPU311から入力したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を実行する。このコマンド判定処理では、図26に示すように、ステップS901にて、RAM333のコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグが格納されているか否かを判定する。コマンド入力フラグが格納されていない場合は、新たなコマンドが主制御基板301のCPU311から出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグが格納されていた場合は、ステップS902にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM333のコマンドバッファから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS903、ステップS905、ステップS910及びステップS911の各処理にて判定し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS903では、停電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS904にてRAM333の停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納して、本処理を終了する。
ステップS905では、払出初期化コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御基板301のCPU311からRAM333の初期化が指示されていることになるので、ステップS906〜ステップS909の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS906では、RAM333に設けられた払出許可フラグ格納エリアに払出許可フラグが格納されているか否かを判定し、当該フラグが格納されていない場合は、ステップS907にてRAM333の作業領域を0にクリアし、さらにステップS908にてRAM333の初期値を設定する。その後、ステップS909にて払出許可フラグを格納することで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS906において払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS907及びステップS908の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチ247が押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS910では、復電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、払出制御基板322が停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS909にて払出許可フラグを格納した後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
ステップS911では、賞球コマンドである否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS912にて賞球コマンドに対応した賞球個数を総賞球個数に加算した後に、ステップS909にて払出許可フラグを格納し本処理を終了する。
タイマ割込み処理(図25)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS802にて払出許可フラグが格納されているか否かを判定する。払出許可フラグが格納されていない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS803にて状態復帰スイッチ245をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
また、ステップS804では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS805では、報知する状態の有無を判定し、報知する状態が有る場合には払出制御装置242に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS806〜S808では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS801のコマンド判定処理で記憶した総賞球個数が「0」でなければ(ステップS806,S807が共にNO)、ステップS808に進み、賞球制御処理を開始する。賞球制御処理では、払出装置224を駆動制御し、総賞球個数が「0」となるまで遊技球を払い出す。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が「0」であれば(ステップS806,S807の何れかがYES)、ステップS809〜S811の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つ貸球払出要求を入力していれば(ステップS809がNO、S810がYES)、ステップS811に進み、貸球制御処理を開始する。貸球制御処理では、払出装置224を駆動制御し、貸球払出要求に対応した数の遊技球を払い出す。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を入力していなければ(ステップS809がYES又はS810がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS812では、状態復帰スイッチ245をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出装置224を駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS813では、球詰まり状態であることを条件にタンク221に設けられたバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311のVBB端子への電力供給経路R1を、主制御基板301と払出制御基板322とを電気的に接続するハーネスH3に設けられた電力用配線ELN5,ELN6を用いて形成した。これにより、パチンコ機10の電源が遮断されている状況において、ハーネスH3を取り外して主制御基板301と払出制御基板322との信号経路を遮断し、払出制御基板322を不正用基板に交換するといった当該払出制御基板322に関する不正行為が行われた場合には、電力供給経路R1が遮断され主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。よって、上記不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311において把握することが可能となる。
また、上記不正行為が行われたことを主制御基板301のCPU311において把握した場合には、異常報知処理を実行するようにした。これにより、上記不正行為が行われたことが遊技ホールの管理者等に報知され、当該不正行為の発見が容易に行われる。
また、電力供給経路R1を形成する電力用配線ELN5,ELN6を、主制御基板301と払出制御基板322との信号経路を形成するハーネスH3に対して設けたことにより、それら電力用配線ELN5,ELN6をハーネスH3とは別に設ける構成に比して、配線の集約化が図られる。これにより、遊技ホールの管理者等によるパチンコ機10のメンテナンスに際しては、上記のように配線の集約化が図られていることで、作業性の向上が図られる。
また、電力用配線ELN5,ELN6を主制御基板301と払出制御基板322とのそれぞれに対して着脱困難な状態(例えば、半田付け)で接続する構成も想定されるが、この場合、パチンコ機10のメンテナンスに際しては電力用配線ELN5,ELN6の離脱操作が煩雑となり、当該メンテナンスの作業性が著しく低下してしまうおそれがある。これに対して、電力用配線ELN5,ELN6を着脱自在の接続ユニットとして設けたことにより、上記メンテナンスの作業性を低下させることなく上記優れた効果を得ることができる。
また、主制御基板301のCPU311において各種処理を行う上で必要な情報が一時的に記憶保持されるRAM313を用いて上記不正行為の有無を判定する構成としたことにより、RAM313とは別に不正監視用の装置などを設ける構成に比して、構成の簡素化を図りつつ上記優れた効果を得ることができる。
また、CPU311における上記不正行為が行われたか否かの判定を、RAM313に停電フラグが格納されているか否かを判定することにより行うようにした。停電フラグは、パチンコ機10の電源遮断が良好に行われたか否かを復電後に確認するための情報であり、当該停電フラグが格納されていることで電断前の状態への復帰処理が行われる。かかる停電フラグを上記不正行為が行われたか否かの判定用の情報として兼用することにより、不正行為を容易に発見するための構成の簡素化が図られる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、主制御基板301のRAM313への電力供給に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図27は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図27に示すように、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、主制御基板301と、電源及び発射制御基板321とが設けられており、これら両基板301,321はハーネスH1を介して電気的に接続されている。そして、ハーネスH1の電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給される電力によりCPU311が動作し、ハーネスH1の電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給される電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。また、パチンコ機10の電断時においては、電断時用電源部321cに蓄電された電力が電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給され、その供給された電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。
主制御基板301は、作動口84に入球した遊技球を検出する作動口スイッチ154と電気的に接続されており、作動口スイッチ154における検出結果が入力される。この場合、主制御基板301と作動口スイッチ154とはハーネスH4を介して電気的に接続されており、上記検出結果は当該ハーネスH4の信号用配線LN2により形成された信号経路を通じて主制御基板301に入力される。なお、ハーネスH4は、主制御基板301及び作動口スイッチ154の両方に対して着脱自在に接続されている。
本実施形態では、ハーネスH4が備える電気配線の束内には、2本の電力用配線ELN7,ELN8が含まれている。このうち一方の電力用配線ELN7は、主制御基板301に形成された中継回路EC4を介して電力用配線ELN3と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN7と電力用配線ELN8とは、作動口スイッチ154に形成された中継回路EC5を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN8は、主制御基板301に形成された中継回路EC6を介してCPU311のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU311のVBB端子への電力供給経路R2は、電力用配線ELN3、中継回路EC4、電力用配線ELN7、中継回路EC5、電力用配線ELN8及び中継回路EC6により形成されており、当該電力供給経路R2以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R2が形成されていることにより、ハーネスH4を取り外し主制御基板301と作動口スイッチ154との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R2が遮断され、主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM313に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM313のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
以上より、作動口スイッチ154を不正用スイッチに交換して不正に利益を得ようとする行為や、主制御基板301と作動口スイッチ154との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
なお、本実施形態において、上記電力供給経路R2を形成する対象は、作動口スイッチ154に限定されることはなく、入賞口スイッチ152、カウントスイッチ153又はゲートスイッチ155としてもよく、これらの場合、その対象となったスイッチ152,153,155に対しての不正行為に対処することが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、主制御基板301のRAM313への電力供給に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図28は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図28に示すように、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、主制御基板301と、電源及び発射制御基板321とが設けられており、これら両基板301,321はハーネスH1を介して電気的に接続されている。そして、ハーネスH1の電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給される電力によりCPU311が動作し、ハーネスH1の電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給される電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。また、パチンコ機10の電断時においては、電断時用電源部321cに蓄電された電力が電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給され、その供給された電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。
主制御基板301は、払出制御基板322とハーネスH5を介して電気的に接続されており、両者の信号のやり取りはハーネスH5の信号用配線LN3により形成された信号経路を通じて行われる。また、主制御基板301は、作動口スイッチ154とハーネスH6を介して電気的に接続されており、作動口スイッチ154における検出結果はハーネスH6の信号用配線LN4により形成された信号経路を通じて行われる。
ハーネスH5が備える電気配線の束内には、2本の電力用配線ELN9,ELN10が含まれている。また、ハーネスH6が備える電気配線の束内にも、2本の電力用配線ELN11,ELN12が含まれている。これら電力用配線ELN9〜ELN12のうち、電力用配線ELN9は、主制御基板301に形成された中継回路EC7を介して電力用配線ELN3と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN9と電力用配線ELN10とは、払出制御基板322に形成された中継回路EC8を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN10は、主制御基板301に形成された中継回路EC9を介して電力用配線ELN11と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN11と電力用配線ELN12とは、作動口スイッチ154に形成された中継回路EC10を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN12は、主制御基板301に形成された中継回路EC11を介してCPU311のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU311のVBB端子への電力供給経路R3は、電力用配線ELN3、中継回路EC7、電力用配線ELN9、中継回路EC8、電力用配線ELN10、中継回路EC9、電力用配線ELN11、中継回路EC10、電力用配線ELN12及び中継回路EC11により形成されており、当該電力供給経路R3以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R3が形成されていることにより、ハーネスH5を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合及びハーネスH6を取り外し主制御基板301と作動口スイッチ154との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R3が遮断され、主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM313に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM313のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
以上より、払出制御基板322を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為、主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為、作動口スイッチ154を不正用スイッチに交換して不正に利益を得ようとする行為及び主制御基板301と作動口スイッチ154との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。つまり、電力供給経路R3が設けられていることにより、複数の機器の不正監視を行うことができる。
なお、本実施形態において、上記電力供給経路R3を形成する対象は、払出制御基板322及び作動口スイッチ154の組合せに限定されることはなく、入賞口スイッチ152、カウントスイッチ153、作動口スイッチ154、ゲートスイッチ155、払出制御基板322及び音声ランプ制御基板324のうち、任意の2組としてもよい。また、これら各機器のうち、任意の3組、4組又は5組以上としてもよい。これらの場合、対象となった機器に対しての不正行為にまとめて対処することが可能となる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、主制御基板301のRAM313への電力供給に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図29は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図29に示すように、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、主制御基板301と、電源及び発射制御基板321とが設けられており、これら両基板301,321はハーネスH1を介して電気的に接続されている。そして、ハーネスH1の電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給される電力によりCPU311が動作し、ハーネスH1の電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給される電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。また、パチンコ機10の電断時においては、電断時用電源部321cに蓄電された電力が電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給され、その供給された電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。また、主制御基板301は、ハーネスH7を介して払出制御基板322と電気的に接続されており、当該ハーネスH7の信号用配線LN5により形成された信号経路を通じて、両基板301,322間での信号のやり取りが行われる。
ここで、本実施形態では、ハーネスH7には電力用配線ELN5,ELN6に代わって接続確認用信号線LLN1が設けられている。接続確認用信号線LLN1は、払出制御基板322内で接地されており、主制御基板301には接続確認用の信号として接地電位(Lレベル)が伝達される。
また、電源及び発射制御基板321から電力用配線ELN3を介して主制御基板301に供給される電力は、主制御基板301に形成された切替回路401を介してCPU311のVBB端子に供給されるようになっている。かかる切替回路401は、MOSFET401a及びプルアップ抵抗401bから構成されている。MOSFET401aは、そのゲート端子の入力電圧がLレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、Hレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れないタイプのものである。MOSFET401aのゲート端子は、プルアップ抵抗401bを介して電力用配線ELN3と接続されるとともに、ハーネスH7の接続確認用信号線LLN1と接続されている。
上記構成では、ハーネスH7に設けられた接続確認用信号線LLN1を介して払出制御基板322から主制御基板301に接続確認用の信号が入力される。ここで、接続確認用信号線LLN1は払出制御基板322にて接地されていることから、ハーネスH7が接続された状態では、主制御基板301に接続確認用の信号としてLレベルが入力される。その結果、MOSFET401aのゲート端子の入力電圧がLレベルになり、同MOSFET401aのソース・ドレイン間に電流が流れ、VBB端子に電力が供給される。
一方、ハーネスH7が外れている状態では、主制御基板301に接続確認用の信号が入力されない。その結果、MOSFET401aのゲート端子の入力電圧は、そのゲート端子が電力用配線ELN3を通じて電源部321b又は電断時用電源部321cの出力電圧にプルアップされていることから、Hレベルになる。そして、MOSFET401aのソース・ドレイン間に電流が流れないようになり、VBB端子に電力が供給されなくなる。
上記構成であることにより、ハーネスH7を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合には、接続確認用の信号が主制御基板301に入力されなくなり、MOSFET401aによって主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM313に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM313のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
以上より、払出制御基板322を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為及び主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
また、接続確認用信号線LLN1を払出制御基板322にて接地するとともに、接続確認用の信号としてLレベルが主制御基板301に入力されている場合にはRAM313への電力供給が行われるようにした。このようにすることで、払出制御基板322に接続確認用の信号を生成する回路を設ける必要がなく、接続確認用の信号を出力する構成を簡素なものとすることができる。
また、上記構成においては、上記第1の実施形態における構成と異なり、RAM313に電力を供給するための電力用配線をハーネスH7に設ける必要がなく、RAM313への電力供給経路を短くすることができ、上記第1の実施形態における構成に比して電力損失の低減化が図られる。また、RAM313への電力供給経路を短くすることで、RAM313への供給電力に混入する電磁ノイズが小さくなり、電磁ノイズによってRAM313に記憶されているデータが意図せず変更されてしまうなどの不都合を回避できる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、主制御基板301のRAM313への電力供給に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図30は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図30に示すように、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、主制御基板301と、払出制御基板322と、電源及び発射制御基板321とが設けられている。主制御基板301と電源及び発射制御基板321とはハーネスH1を介して電気的に接続されており、ハーネスH1の各電力用配線ELN1,ELN3を通じて、電源及び発射制御基板321から主制御基板301に電力が供給される。また、主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスH8を介して電気的に接続されている。
上記構成において、主制御基板301のCPU311には、RAM313とは別に判定用揮発性記憶手段としての判定用RAM402が内蔵されている。判定用RAM402には、基本的に判定用フラグ(判定用情報)が記憶保持されている。判定用フラグは、ハーネスH8の取り外しが行われたか否かをCPU311において把握するためのフラグである。当該判定用フラグについて詳細には、上記第1の実施形態におけるCPU311のメイン処理(図21)のステップS407にて、確認用フラグをRAM313に格納する処理の代わりに、判定用フラグが判定用RAM402に格納される。また、上記第1の実施形態におけるCPU311のメイン処理(図21)のステップS410にて、確認用フラグがRAM313に格納されているか否かを判定する処理の代わりに、判定用フラグが判定用RAM402に格納されているか否かが判定される。
上記判定用RAM402がRAM313とは別に設けられていることに対応させて、CPU311には第1VBB端子及び第2VBB端子が設けられており、第1VBB端子に供給された電力によりRAM313におけるデータの記憶保持が行われ、第2VBB端子に供給された電力により判定用RAM402におけるデータの記憶保持が行われる。
ハーネスH1の電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給される電力によりCPU311が動作する。また、ハーネスH1の電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給される電力は、主制御基板301内にて2つに分岐されている。このうち一方は、主制御基板301に形成された中継回路EC12を介して第1VBB端子に供給され、この供給された電力によりRAM313においてデータの記憶保持が行われる。また、他方は、電力供給経路R4を介して第2VBB端子に供給され、この供給された電力により判定用RAM402においてデータの記憶保持が行われる。
電力供給経路R4は、主制御基板301に形成された中継回路EC13,EC14と、ハーネスH8に設けられた電力用配線ELN13,ELN14と、払出制御基板322に形成された中継回路EC15と、により形成されている。詳細には、ハーネスH8に設けられた電力用配線ELN13は、主制御基板301に形成された中継回路EC13を介して電力用配線ELN3と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN13と電力用配線ELN14とは、払出制御基板322に形成された中継回路EC15を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN14は、主制御基板301に形成された中継回路EC14を介してCPU311の第2VBB端子と電気的に接続されている。
上記のように電力供給経路R4が形成されていることにより、ハーネスH8を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R4が遮断され、主制御基板301の判定用RAM402への電力の供給が停止される。これにより、当該判定用RAM402に記憶保持されていた判定用フラグが消去される。そして、この判定用フラグの消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。判定用フラグが消去されたことは、上記のとおりCPU311にて把握され、例えば上記第1の実施形態において説明したような異常報知処理が実行される。
以上のように本実施形態によれば、主制御基板301のCPU311に、RAM313とは別に判定用RAM402を設ける必要がある点で、上記第1の実施形態よりも構成が複雑化するものの、払出制御基板322を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為や、主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
なお、本実施形態において、上記電力供給経路R4を形成する対象は、払出制御基板322に限定されることはなく、入賞口スイッチ152、カウントスイッチ153、作動口スイッチ154、ゲートスイッチ155又は音声ランプ制御基板324としてもよく、これらの場合、その対象となった機器に対しての不正行為に対処することが可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、払出制御基板322において主制御基板301に対する不正行為が監視される。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図31は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図30に示すように、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、主制御基板301と、払出制御基板322と、電源及び発射制御基板321とが設けられている。主制御基板301と電源及び発射制御基板321とはハーネスH1を介して電気的に接続されており、ハーネスH1の各電力用配線ELN1,ELN3を通じて、電源及び発射制御基板321から主制御基板301に電力が供給される。また、払出制御基板322と電源及び発射制御基板321とはハーネスH2を介して電気的に接続されており、ハーネスH2の各電力用配線ELN2,ELN4を通じて、電源及び発射制御基板321から払出制御基板322に電力が供給される。また、主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスH9を介して電気的に接続されており、当該ハーネスH9に設けられた信号用配線LN6を通じて両基板301,322間で信号のやり取りが行われる。
上記構成において、本実施形態では、ハーネスH1の電力用配線ELN3を通じて主制御基板301に供給された電力は、払出制御基板322側へ迂回させることなく、そのままCPU311のVBB端子に供給されている。その代わりに、ハーネスH2の電力用配線ELN4を通じて主制御基板301に供給された電力が、主制御基板301側へ迂回させた後に、CPU331のVBB端子に供給されている。
当該電力供給経路R5について詳細には、ハーネスH9が備える電気配線の束内には、2本の電力用配線ELN15,ELN16が含まれている。このうち一方の電力用配線ELN15は、払出制御基板322に形成された中継回路EC16を介して電力用配線ELN4と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN15と電力用配線ELN16とは、主制御基板301に形成された中継回路EC17を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN16は、払出制御基板322に形成された中継回路EC18を介してCPU331のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU331のVBB端子への電力供給経路R5は、電力用配線ELN4、中継回路EC16、電力用配線ELN15、中継回路EC17、電力用配線ELN16及び中継回路EC18により形成されており、当該電力供給経路R5以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R5が形成されていることにより、ハーネスH9を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R5が遮断され、払出制御基板322のRAM333への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM333に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM333のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
また、払出制御基板322のCPU331には、RAM333の監視機能が付与されている。この監視機能は、上記第1の実施形態において主制御基板301のCPU311に設けられたRAM313の監視機能と同様である。具体的には、払出制御基板322のメイン処理(図24)において、ステップS704で停電フラグが格納されていないと判定した場合には異常報知処理を実行する。ここで、図31に示すように、払出制御基板322はハーネスH10を介して音声ランプ制御基板324と電気的に接続されている。つまり、払出制御基板322は監視対象の機器を介在させずに報知用の機器と接続されている。そして、上記異常報知処理では、払出制御基板322から音声ランプ制御基板324へ異常コマンドが出力されることで、ランプ部23〜25やスピーカ部26などにて異常報知が実行される。なお、払出制御基板322から遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に異常信号を出力する構成としてもよい。
また、メイン処理のステップS710において割込み許可を設定する直前に、RAM333に確認用フラグを格納する。そして、この確認用フラグが格納されているか否かを、メイン処理においてステップS704とステップS705との間の処理にて判定し、確認用フラグが格納されていない場合には上記異常報知処理を実行する。
以上より、主制御基板301を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為や、主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
特に、主制御基板301は、大当たりを発生させるか否かの抽選を行う抽選機能や、各種入賞口82,83,84に遊技球が入球したか否かを判定する入賞判定機能などを備え、遊技を統括管理するものであるため、不正行為の対象となり易い。これに対して、本実施形態によれば、主制御基板301に対する不正行為に対して好適に対処することが可能となる。
(第7の実施形態)
本実施形態では、払出制御基板322のRAM333への電力供給に関する構成が上記第6の実施形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第6の実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図32は本実施形態における構成を説明するためのブロック回路図である。
図32に示すように、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、払出制御基板322と、電源及び発射制御基板321とが設けられており、これら両基板321,322はハーネスH2を介して電気的に接続されている。そして、ハーネスH2の電力用配線ELN2を通じて払出制御基板322に供給される電力によりCPU331が動作し、ハーネスH2の電力用配線ELN4を通じて払出制御基板322に供給される電力によりRAM333においてデータの記憶保持が行われる。また、パチンコ機10の電断時においては、電断時用電源部321cに蓄電された電力が電力用配線ELN4を通じて払出制御基板322に供給され、その供給された電力によりRAM333においてデータの記憶保持が行われる。また、払出制御基板322は、ハーネスH10を介して音声ランプ制御基板324と電気的に接続されている。
払出制御基板322は、遊技球の払出を実行する払出装置224と電気的に接続されており、払出装置224に動作電力を供給することで当該払出装置224を動作させる。この場合、払出制御基板322と払出装置224との間には裏パック基板229が介在しており、払出制御基板322と裏パック基板229とがハーネスH11を介して電気的に接続されているとともに、裏パック基板229と払出装置224とがハーネスH12を介して電気的に接続されている。そして、上記動作電力は、ハーネスH11の電力用配線ELN17と、裏パック基板229と、ハーネスH12の電力用配線ELN18とにより形成された電力供給経路を通じて払出装置224に供給される。なお、ハーネスH11は、払出制御基板322及び裏パック基板229の両方に対して着脱自在に接続されており、ハーネスH12は、裏パック基板229及び払出装置224の両方に対して着脱自在に接続されている。
本実施形態では、ハーネスH11が備える電気配線の束内には、上記電力用配線ELN17とは別に、2本の電力用配線ELN19,ELN20が含まれている。また、ハーネスH12が備える電気配線の束内には、上記電力用配線ELN18とは別に、2本の電力用配線ELN21,ELN22が含まれている。これら電力用配線ELN19〜ELN22のうち、電力用配線ELN19は、払出制御基板322に形成された中継回路EC19を介して電力用配線ELN4と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN19と電力用配線ELN21とは、裏パック基板229に形成された中継回路EC20を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN21と電力用配線ELN22とは、払出装置224に形成された中継回路EC21を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN22と電力用配線ELN20とは、裏パック基板229に形成された中継回路EC22を介して電気的に接続されている。また、電力用配線ELN20は、払出制御基板322に形成された中継回路EC23を介してCPU331のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU331のVBB端子への電力供給経路R6は、電力用配線ELN4、中継回路EC19、電力用配線ELN19、中継回路EC20、電力用配線ELN21、中継回路EC21、電力用配線ELN22、中継回路EC22、電力用配線ELN20及び中継回路EC23により形成されており、当該電力供給経路R6以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R6が形成されていることにより、ハーネスH11又はハーネスH12を取り外し払出制御基板322と払出装置224との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R6が遮断され、払出制御基板322のRAM333への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM333に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM333のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
以上より、払出装置224を不正用装置に交換して不正に利益を得ようとする行為や、払出制御基板322と払出装置224との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1の実施形態における主制御基板301のRAM313への電力供給に関する構成の変形例を、図33を用いて説明する。
図33に示すように、主制御基板301はハーネスH1を介して電源及び発射制御基板321と電気的に接続されており、払出制御基板322はハーネスH2を介して電源及び発射制御基板321と電気的に接続されている。また、主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスH13を介して電気的に接続されている。
この場合に、本構成では、ハーネスH1には、電力用配線ELN1は設けられているものの電力用配線ELN3は設けられていない。つまり、主制御基板301と電源及び発射制御基板321とを電気的に接続するハーネスH1には、主制御基板301のCPU311を動作させる電力を供給するための電力用配線は含まれているが、主制御基板301のRAM313においてデータの記憶保持を行わせる電力を供給するための電力用配線は含まれていない。代わりに、RAM313においてデータの記憶保持を行わせる電力は、払出制御基板322に中継されて供給される。
RAM313への電力供給経路R7について以下に詳細に説明する。払出制御基板322と電源及び発射制御基板321とを電気的に接続するハーネスH2には、上記第1の実施形態と同様に、電力用配線ELN2と電力用配線ELN4とが含まれている。このうち、電力用配線ELN4を通じて払出制御基板322に供給される電力は、当該払出制御基板322において2つに分岐され、一方は払出制御基板322のCPU331のVBB端子と電気的に接続されている。また、他方は、払出制御基板322に形成された中継回路EC24を介して、主制御基板301及び払出制御基板322間のハーネスH13の電力用配線ELN23と電気的に接続されている。また、電力用配線ELN23は主制御基板301に形成された中継回路EC25を介して、主制御基板301のCPU311のVBB端子と電気的に接続されている。つまり、電源及び発射制御基板321からCPU311のVBB端子への電力供給経路R7は、電力用配線ELN4、中継回路EC24、電力用配線ELN23及び中継回路EC25により形成されており、当該電力供給経路R7以外の経路は存在していない。
上記のように電力供給経路R7が形成されていることにより、ハーネスH13を取り外し主制御基板301と払出制御基板322との電気的な接続を解除した場合には電力供給経路R7が遮断され、主制御基板301のRAM313への電力の供給が停止される。これにより、当該RAM313に記憶保持されていたデータが消去される。そして、このRAM313のデータ消去は、外部電源からパチンコ機10へ電力が供給されている状況及び電力が供給されていない状況の両方の状況において発生する。
以上より、払出制御基板322を不正用基板に交換して不正に利益を得ようとする行為や、主制御基板301と払出制御基板322との間の電気経路の途中位置に不正用基板を介在させて不正に利益を得ようとする行為が行われたとしても、それに対応することが可能となる。
なお、本構成と同様の構成を、上記第6の実施形態における払出制御基板322のRAM333への電力供給に関する構成に対して適用してもよい。
(2)上記第1の実施形態では、主制御基板301と払出制御基板322とを電気的に接続するためのハーネスH3が取り外された場合には主制御基板301のRAM313に電力が供給されなくなる構成としたが、これに代えて、RAM313を含めて主制御基板301のCPU311に電力が供給されなくなる構成としてもよい。当該構成であっても、払出制御基板322を不正用基板に交換するといった当該払出制御基板322に関する不正行為に対処することが可能となる。なお、本構成を、上記第2〜第7の実施形態に適用してもよい。
(3)上記第1の実施形態では、電力供給経路R1を通じて主制御基板301のCPU311に供給される電力により、パチンコ機10の電源投入時及び電源遮断時の両方においてRAM313におけるデータの記憶保持が行われる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、電力供給経路R1を通じて供給される電力により、パチンコ機10の電源遮断時のみのRAM313におけるデータの記憶保持が行われる構成とし、パチンコ機10の電源投入時(パチンコ機10の電源がONの時)のRAM313におけるデータの記憶保持は、電力供給経路R1とは異なる経路で供給される電力により行われる構成としてもよい。具体的には、主制御基板301と電源及び発射制御基板321とを電気的に接続するようにして設けられたハーネスH1の電力用配線ELN1を通じて主制御基板301に供給される電力により、パチンコ機10の電源投入時のRAM313におけるデータの記憶保持が行われる構成としてもよい。当該構成であっても、パチンコ機10の電源が遮断されている状況で払出制御基板322を不正用基板に交換するといった当該払出制御基板322に関する不正行為に対処することが可能となる。
なお、本構成においては、電源投入時における不正行為は監視対象から外れるため、主制御基板301のRAM313において確認用フラグを記憶保持する機能は必要なくなる。また、本構成を、上記第2〜第7の実施形態に適用してもよい。
(4)上記第4の実施形態のように、接続確認用信号線LLN1と切替回路401とを用いる構成を、上記第1〜第3の実施形態や上記第5〜第7の実施形態において適用してもよい。また、上記第7の実施形態のように、不正監視用の制御装置と、監視対象の機器との間に中継基板を介在させる構成を、上記第1〜第6の実施形態において適用してもよい。
(5)上記第1の実施形態では、主制御基板301のCPU311のメイン処理(図21)において異常報知処理(ステップS413)を実行するようにしたが、当該異常報知処理を実行しないようにしてもよい。但し、本構成においては、ステップS404にて、払出初期化コマンドを出力する処理に代えて、音声ランプ制御基板324を含めた各基板に初期化コマンドを出力する構成とし、音声ランプ制御基板324では当該初期化コマンドを入力することで異常報知を行う構成とする。これにより、停電フラグが格納されていない場合や確認用フラグが格納されていない場合などには、その旨の報知を行うことが可能となる。なお、本構成を、上記第2〜第7の実施形態において適用してもよい。
(6)上記第1の実施形態において、主制御基板301のCPU311のメイン処理(図21)にて確認用フラグが格納されていないと判定した場合には、異常報知処理に代えて又は加えて、遊技禁止処理を実行する構成としてもよい。これにより、払出制御基板322に関して不正行為が行われた状態で遊技が行われてしまうことを阻止することができる。なお、本構成を、上記第2〜第7の実施形態において適用してもよい。
(7)上記第1の実施形態では、タイマ割込み処理(図19)において異常報知処理(ステップS206)を行うとともに、メイン処理(図21)においても異常報知処理(ステップS413)を行う構成としたが、これを変更してもよい。例えば、タイマ割込み処理における異常報知処理を行わない構成としてもよい。また、メイン処理における異常報知処理を行わない構成としてもよい。なお、本構成を、上記第2〜第7の実施形態において適用してもよい。
(8)上記第1の実施形態において、停電フラグを備えない構成としてもよい。本構成であっても、電源遮断時にはRAM判定値が算出されそれが記憶保持される構成であるため、復電時には当該RAM判定値が異常か否かを判定することで、電源遮断中に不正行為が行われたか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができる。また、停電フラグやRAM判定値のように不正行為が行われたか否かの把握に際して基準となる情報を備えない構成としてもよい。当該構成であっても、復電時にはRAM313に破壊されたデータが存在するか否かを判定することで、電源遮断中に不正行為が行われたか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができる。
(9)上記各実施形態では、電断時用電源部321cが電源及び発射制御基板321に搭載された構成としたが、これに代えて、主制御基板301に電断時用電源部321cを搭載してもよく、払出制御基板322に電断時用電源部321cを搭載してもよい。また、電断時用電源部321c専用の装置を設けてもよい。
(10)不正監視用の制御装置と監視対象の機器との間の情報のやり取りが、電気信号ではなく光信号などといった他の態様の信号により行われる構成に対して、本発明を適用してもよい。
(11)主制御基板301のCPU311や払出制御基板322のCPU331が、ROM312,332及びRAM313,333を搭載していない構成、すなわち、CPU、ROM及びRAMがそれぞれ別のチップとして設けられた構成に対して、本発明を適用してもよい。例えば、本構成に対して上記第1の実施形態における発明を適用する場合には、電力供給経路R1によりRAMのチップに電力を供給するようにする。また、主制御基板301のRAM313や払出制御基板322のRAM333が、バックアップエリアを備えた構成に対して、本発明を適用してもよい。
(12)電源及び発射制御装置243ではなく、電源装置と発射制御装置とが別に設けられた構成に対して、本発明を適用してもよい。また、主制御装置162に停電監視回路303が搭載されていない構成に対して、本発明を適用してもよい。
(13)上記各実施形態では、一般入賞口82、可変入賞装置83、及び作動口84などの入球部に遊技球が入った場合には、遊技球を払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、入球部に遊技球が入った場合に遊技球以外の賞品を払い出す構成であってもよい。
(14)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
10…遊技機としてのパチンコ機、81…遊技盤、154…作動口スイッチ、162…主制御装置、224…払出装置、242…払出制御装置、243…電源及び発射制御装置、301…主制御基板、311…CPU、313…RAM、321…電源及び発射制御基板、321b…電源部、321c…電断時用電源部、322…払出制御基板、331…CPU、333…RAM、401…切替回路、401a…MOSFET、ELN1〜ELN23…電力用配線、H1〜H13…ハーネス、LLN1…接続確認用信号線、R1〜R7…電力供給経路。