JP2008263672A - 電源切換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流電源装置の切換作業を経済的に実施できる電源切換装置を提供する。
【解決手段】切換前の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向と、切換後の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向との間に同期が確立している場合に、切換前の交流電源装置から切換後の交流電源装置に切り換えて負荷装置に交流電力を供給する電源切換装置であって、切換前の交流電源装置が供給する交流電力と切換後の交流電源装置が供給する交流電力とをそれぞれトランス16、17を介して検出し、位相の比較を行う位相チェック回路7に入力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷装置に対する給電を維持した状態で、交流電源装置を他の交流電源装置に置き換えるための交流電源切換装置に関し、例えば、負荷装置に対する給電が無停電で義務づけられた交流無停電電源装置の交換時や、そのような電源装置に接続された配線等の交換を行う際に、負荷装置に対する電力の供給を無停電で他の電源装置に切り換えるための技術に関する。
従来、無停電で給電を行う交流無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)がある。この交流電源装置は、負荷装置や交流分電盤と電力ケーブルで接続されており、これら負荷装置などに対して無停電で給電を行う。一般に、稼働中の電源装置を交換する必要が生じた場合、その電源装置の運転を一旦停止し、無電圧状態とした上で交換作業が行われる。この作業方法によれば、給電を一時的に停止しなければならないため、信頼性が要求されるシステムには用いることができない。これに対し、一瞬たりとも停電が許容されない場合には、電力ケーブルの受電部、若しくは端子台の活線部に新たな電源装置を接続することにより、負荷装置に対する給電を維持しながら電源装置の交換作業を行う手法が用いられる(特許文献1)。
以下、図9、図10を参照して負荷装置に対する給電を維持した状態で交流電源装置を交換する従来の作業手順を説明する。
先ず、図9(a)に示すように、負荷装置と電力ケーブルで接続された既設装置の交流電源装置の近くに、新設装置の交流電源装置を設置する。続いて、図9(b)に示すように、既設装置と負荷装置とを接続する電力ケーブルの被覆の一部Zを活線状態で剥ぎ、新設装置側に接続される電力ケーブルと接続可能な状態とする。続いて、図9(c)に示すように、新設の電源装置の出力と既設の電源装置の出力との同期を確認する。
次に、図10(d)に示すように、両装置間の同期がとれた状態で、新設の電源装置の出力に電力ケーブルを布設し、この新設の電力ケーブルの先端を既設の電力ケーブル(被覆が剥がれた部分)に接続する。続いて、図10(e)に示すように、既設の電源装置の運転を停止し、この既設の電源装置から既設の電力ケーブルを取り外す。続いて、図10(f)に示すように、既設の電源装置と負荷装置との間を接続する既設の電力ケーブルのうち、新設の電力ケーブルとの接続部から負荷装置までの区間を残して切断し、切断部の絶縁処理を行う。
以上により、負荷装置に対する給電が維持された状態で、既設の交流電源装置が新設の交流電源装置に置き換えられる。
特開2002−328730号公報
しかしながら、従来の技術では、図9(c)の段階で既設装置と新設装置の同期を目視で確認する際、位相チェック回路の誤動作が発生しやすく、表示回路に誤って同期異常の表示が行われることが多く、その場合には回路の確認や配線接続の確認などを行う必要があり、切換作業に必要な時間が伸び、コストが増加するという問題があった。また、交流電源装置には一般に交流100V出力の装置と200V出力の装置が使用されており、それらの電圧専用に電源切換装置を準備する必要があり、経済的に問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、交流電源装置の切換作業を経済的に実施できる電源切換装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の電源切換装置は、第1の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向と、第2の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向との間に同期が確立している場合に、前記第1の交流電源装置から前記第2の交流電源装置に切り換えて負荷に交流電力を供給する電源切換装置であって、前記第1の交流電源装置が供給する交流電力と前記第2の交流電源装置が供給する交流電力とをそれぞれトランスを介して検出し、位相の比較を行う位相比較部に入力する。
本発明では、第1の交流電源装置が供給する交流電力と、第2の交流電源装置が供給する交流電力とをそれぞれトランスを介して検出し、検出した交流電力を位相比較部に入力するようにしたので、位相比較部に誤動作が生じることを防ぐことが可能となり、電源切換装置の切換作業を経済的に実施できる。
また、本発明の電源切換装置は、前記第1の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値と、前記第2の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値とが異なる場合には、警告を出力する警告出力部を更に備える。
本発明では、第1の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値と、第2の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値とが異なる場合に、警告出力部が警報を出力するため、電源切換装置の利用者に注意を喚起することができ、電源切換装置の利用者による誤操作の発生を防ぐことができる。
本発明の電源切換装置によれば、交流電源装置の切換作業を経済的に実施できる。
以下、この発明の実施の形態について、交流無停電電源装置を切り換える場合を例として図面を参照し説明する。
図1は、この実施の形態に係る電源切換装置の構成を示すブロック図である。
同図において、符号1は、この実施の形態に係る電源切換装置の本体である。符号2は、異なる2つの交流無停電電源装置(図示なし)から電源切換装置1にそれぞれ交流電力を入力するための入力部であり、これら交流無停電電源装置側の電力ケーブルが着脱可能に接続される入力端子台11と、装置内部の短絡および過電流による事故を防ぐための遮断器9を備える。
符号3は、負荷装置(図示なし)に対して給電すべき電力を電源切換装置1から出力するための出力部であり外部からの切換指示に応じて開閉する電磁接触器10と、負荷装置側の電力ケーブルが着脱可能に接続される端子台12を備える。
符号4は、上記2つの交流無停電電源装置から入力部2に入力された交流電力の一方を上記負荷装置に給電すべき電力として前記出力部に与える切換スイッチであり、負荷装置に給電するための2つの交流無停電電源装置を切り換えるために用いられる。この切換スイッチ4は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの高速スイッチング特性を有する素子から構成される。
符号14は、交流電力検出部であり、交流無停電電源装置Aから出力され入力部2に入力される交流電力の周波数、位相、電圧、相回転方向、相を検出し、制御回路5に出力する。また、交流電力検出部14は、交流無停電電源装置Cから出力され入力部2に入力される第2の交流電力の周波数、位相、電圧、相回転方向、相を検出し、制御回路5に出力する。
符号5は、切換スイッチ4を制御するための制御回路であり、交流電力検出部14から交流無停電電源装置Aの交流電力特性を取得するとともに、交流無停電電源装置Cの交流電力特性を取得し、これら交流電力特性の間に同期が確立したことを条件として切換スイッチ4を切り換えるものである。この場合、制御回路5は、周波数、位相、電圧、相回転方向、および相に関して一致した場合に、交流無停電電源装置A(第1の交流電源装置とも称する)の出力と交流無停電電源装置C(第2の交流電源装置とも称する)の出力との間に同期が確立したものとみなす。
符号15は、トランスであり、一方の端子が出力部3に接続されており、他方の端子が位相チェック回路7に接続されている。
また、符号16は、トランスであり、一方の端子が交流無停電電源装置A側の入力部2に接続されており、他方の端子が位相チェック回路7に接続されている。
また、符号17は、トランスであり、一方の端子が交流無停電電源装置C側の入力部2に接続されており、他方の端子が位相チェック回路7に接続されている。
符号6は、操作スイッチであり、作業員が交流無停電電源装置の切り換えを指示するために用いられる。また、操作スイッチ6は、出力部3から負荷装置に対して供給する交流電力の電圧(例えば、100V)を指定する。
符号7は、この電源切換装置1の出力先である負荷装置に供給されている電力の位相などの電気的状態をチェックするための位相チェック回路(位相比較部とも称する)であり、端子台13を備える。この端子台13は、電力供給元の交流無停電電源装置と本体との間に接続される計測線(図示なし)を取り込むためのものである。
後述するように、交流無停電電源装置を切り換える場合、電源切換装置1から負荷装置側に供給されている電力の電気的条件と、供給元の交流無停電電源装置からこの電源切換装置1に入力される電力の電気的条件とは、位相チェック回路7を経由して上述の制御回路5に入力され、これらの電気的条件が完全に一致しているか否かが判断(確認)される。この場合、制御回路5は、これらの電気的条件が、予め設定された許容範囲内で一致していれば、電磁接触器10をオンさせる。そして、これらの電気的条件が完全に一致すれば、切換スイッチ4による交流無停電電源装置の切り換えを行い、出力部3から負荷装置に給電を行う。ただし、これらの電気的条件が許容範囲内で満足されていて、電磁接触器10がオンしていても、操作スイッチ6から切換指示がないと切換スイッチ4が切り換わらず、出力部3から電力が出力されない。
図2を参照し、二つの三相交流電源(R,S,T)が合致する条件、即ち同期が確立する条件を説明する。
同図において、三相交流電源(R,S,T)20は、切換前の出力、すなわち既存の交流電源装置の出力であり、R,S,Tの各相はベクトル21により表される。三相交流電源(U,V,W)22は、切換後の出力、すなわち新設の交流電源装置の出力であり、U,V,Wの各相はベクトル23により表される。既設の交流電源装置から新設の交流電源装置に切り換える場合、ベクトル23がベクトル21と完全に合致することが必要である。
ここで、完全な合致とは、ベクトル21とベクトル23により表される各相の電圧、位相、相回転方向、相が一致することである。図2に示す例では、これらベクトル21とベクトル23は合致しており、三相交流電源(R,S,T)20と三相交流電源(U,V,W)22との間に同期が確立している。このように、二つの交流電源が完全に合致して同期が確立しており、かつ、作業員が操作スイッチ6を操作して切換指令を与えている場合、制御回路5は、切換スイッチ4へ切換信号を送り、交流電源装置の切り換えを行う。
ところが、既存の三相交流電源(R,S,T)20と、これに対して120度だけ位相がずれた図2に示す三相交流電源(S,T,R)24とを比較すると、電圧、位相、相回転は一致するが、ベクトル21とベクトル25とで示すように、相(配線)が異なる。この場合、電源を切り換える際に既設の交流電源装置の出力と新設の交流電源装置の出力を接続すると電源短絡状態となり、連系運転できない。そこで、このように同期が確立していない場合には、制御回路5からスイッチ4へ切換信号は送出されず、表示部8に電源間の相が相違していることが表示される。
図3は、この発明の実施の形態に係る電源切換装置1の制御回路5の処理を示すフローチャートである。
始めに、制御回路5は、表示回路8に警告表示が点灯しているか否かについて判定する(ステップS01)。なお、警告表示は、予め制御回路5に設定された電圧値と入力電圧Vや入力電圧Vが不一致の場合や、電源切換装置1の配線等に異常が生じている場合に、表示回路8に表示される。
表示回路8に警告表示が点灯している場合には、警告表示が消灯するまで所定の時間間隔でステップS01の処理を繰り返す。電源切換装置1の利用者は、表示回路8に警告表示が点灯している場合には、電圧レベルや配線の状態を確認して、電源切換装置1等が正常な状態となるように調整する。
一方、表示回路8に警告表示が点灯していない場合には、制御回路5は、電源切換装置1の利用者の操作に基づいて、操作スイッチ6が押されたか否かについて判定する(ステップS02)。操作スイッチ6が押されていない場合は待機状態となる。
操作スイッチ6が押されている場合は、制御回路5は、交流無停電電源装置Aの電圧V、周波数f、相回転R、位相Pと、交流無停電電源装置Cの電圧V、周波数f、相回転R、位相Pとを交流電力検出部14から取得する(ステップS03)。次に、制御回路5は、電圧Vが電圧下限値V以上であるとともに電圧上限値V以下であるかについて判定するとともに、電圧Vが電圧下限値V以上であるとともに電圧上限値V以下であるかについて判定する(ステップS04)。なお、電圧上限値V、電圧下限値Vは、予め制御回路5に設定される。
≦V≦V、かつ、V≦V≦Vではない場合には、制御回路5は、表示回路8の同期表示を消灯させる(ステップS05)。一方、V≦V≦V、かつ、V≦V≦Vである場合には、制御回路5は、周波数fが周波数下限値f以上であるとともに周波数上限値f以下であるかについて判定するとともに、周波数fが周波数下限値f以上であるとともに周波数上限値f以下であるかについて判定する(ステップS06)。なお、周波数下限値f、周波数上限値fは、予め制御回路5に設定される。
≦f≦f、かつ、f≦f≦fではない場合には、制御回路5は、表示回路8の同期表示を消灯させる(ステップS07)。一方、f≦f≦f、かつ、f≦f≦fである場合には、制御回路5は、相回転Rと相回転Rとが等しいか否かについて判定する(ステップS08)。
=Rではない場合には、制御回路5は、表示回路8の同期表示を消灯させる(ステップS09)。一方、R=Rである場合には、制御回路5は、位相Pと位相Pとが等しいか否かについて判定する(ステップS10)。
=Pではない場合には、制御回路5は、表示回路8の同期表示を消灯させる(ステップS11)。一方、P=Pである場合には、制御回路5は、表示回路8の同期表示を点灯させる(ステップS12)。
そして、制御回路5は、切換スイッチ4を切り換えることにより、交流電源装置Aから交流電源装置Cに切り換えて負荷装置Bに交流電力を供給する(ステップS13)。
なお、図3のフローチャートにおいて、ステップS04、S06、S08、S10の処理の順序は、この順序で行う必要はなく、任意の順序で行うことができる。
図4は、この発明の実施形態に係る電源切換装置の外観図である。
図4(a)は、電源切換装置の正面図である。また、図4(b)は、電源切換装置の側面図である。また、図4(c)は、電源切換装置の平面図である。
電源切換装置の一部には、入力部2、出力部3、切換スイッチ4、操作スイッチ6、設置台30などが設けられている(図4(a))。この設置台30は、開閉式になっており、設置台30を開くことができる(図4(b)参照)。この設置台30の上に、交流無停電電源装置Aや交流無停電電源装置Cから出力される交流電力の特性(周波数、位相、電圧、相回転方向、相など)を測定する電源品質アナライザ31を置くことができるようになっている。
以下、図5〜図8を参照しながら、この実施の形態に係る電源切換装置を用いて交流無停電電源装置(以下、単に電源装置と称す)を切り換える場合の作業手順を具体的に説明する。
図5〜図8において、符号Aは、使用中の既設の電源装置、符号Bは負荷装置、符号Cは新設の交流無停電電源装置、符号Dは電源切換装置である。この電源切換装置Dは、上述の図1に示す電源切換装置1と同様に構成されたものである。
符号A1,A2,B1,B2,C1,C2は常用の遮断器である。遮断器A1,C1は、電源装置A,Cの出力端子側にそれぞれ設けられ、常時の出力を過電流等の短絡事故から保護する。また遮断器B1は、負荷装置Bの入力端子側に設けられ、常時の交流入力を受電し、常時の入力を負荷装置内部の過電流等の短絡事故から保護をする。遮断器A1,B1,C1には、予備の遮断器A2,B2,C2が併設されている。これら遮断器は、出力の切り換えのために無電圧にて配線を接続するために使用される。なお、特に図示していないが、遮断器A1,B1,C1は常時の出力端子に接続され、遮断器A2,B2,C2は予備の出力端子に接続されている。また、同図において、電源切換装置Dは、切換スイッチ4の機能のみが象徴的に表されている。
電源装置の負荷装置に対する給電を止めずに、かつ安全に電源装置を交換するためには、次のような手順が実行される。
(手順1) 通常使用される電源装置Aの常用出力端子は、負荷装置Bの常用遮断器B1と接続する主の入力端子に配線接続されている(図5(a)参照)。この状態で、電源装置Aの常用出力端子から負荷装置Bの常用入力端子に送電される。
(手順2) 続いて、新設の電源装置Cを既設の電源装置Aの近傍に搬送して設置する(図5(b)参照)。
(手順3) 続いて、電源切換装置Dを電源装置A,Cと負荷装置Bとの間に設置する(図5(c)参照)。初期状態では、電源切換装置Dの切換スイッチ4はニュートラルに設定される。そして、電源装置Aの予備の遮断器A2をオフとし、無電圧とした状態で、電源装置Aの予備の出力端子と電源切換装置Dの一方の入力端子とを配線接続する。また、電源装置Cの予備の遮断器C2をオフとし、無電圧とした状態で、電源装置Cの予備の出力端子と電源切換装置Dの他方の入力端子とを配線接続する。さらに、負荷装置Bの予備の遮断器B2をオフにし、無電圧として状態で、負荷装置Bの予備の入力端子と電源切換装置Dの出力端子とを仮ケーブルにより配線接続する。
この後、電源装置Aの予備の遮断器A2をオンとし、負荷装置Bの予備の遮断器B2をオンとする(図5(d)参照)。これにより、電源装置Aから電源切換装置Dの入力端子側に直接的に電力が供給されると共に、電源装置Aから負荷装置Bを経由して電源切換装置Dの出力端子側に電力が間接的に供給される。すなわち、この状態では、電源切換装置Dは、電源装置A側と負荷装置B側とから受電する。
(手順4) 続いて、電源切換装置Dにより、電源装置A側の出力と負荷装置B側の出力との間の周波数、位相、電圧、相回転方向、及び相(配線)が一致し、これらの出力の間に同期が確立していることを確認する。これにより、電源装置Aと負荷装置Bとの間の仮配線ルートが形成される。また、同期が確立していない場合には、作業員に警報を発し、切換スイッチ4を電源装置A側に切り換えない。従って、仮に電源装置Aと負荷装置Bと電源切換装置Dとの間の配線が誤って接続されていたとしても、事前に短絡事故が回避される。このように、電源装置A,Cの出力間の電気的な周波数、位相、電圧、相回転方向、および各相の確認がとれない限り、既設の電源装置Aの出力から新設の電源装置Cの出力へ切り換わらないように、インターロック機構が働くように構成されている。
(手順5) 続いて、電源切換装置Dの切換スイッチ4をニュートラルから電源装置A側に切り換える(図6(e)参照)。これにより、既存の配線ルートと仮の配線ルートの両方を介して電源装置Aから負荷装置Bに給電が行われる。即ち、既設の本配線ルートを介して互いに接続された既設の電源装置Aと負荷装置Bとの間に仮配線ルートが併設され、該仮配線ルートを介して交流電源装置Aから負荷装置Bに給電が行われる(第1の工程)。
(手順6) 次に、負荷装置Bの既存の給電ルートの常用遮断器B1をオフとし、電源装置Aの予備出力端子から電源切換装置Dを介して負荷装置Bの予備入力端子に至る給電ルートのみによる給電を行う(図6(f)参照)。これにより、本配線ルートが遮断され(第2の工程)、給電ルートが既存の本配線ルートから仮配線ルートに切り換わる。
(手順7) 次に、電源装置Cの予備遮断器C2をオンとする(図6(g)参照)。電源切換装置Dは、既設の電源装置Aの交流出力と新設の電源装置Cの交流出力との同期確認を行う。このとき、制御回路5では、図3で説明した処理が行われる。
(手順8) 続いて、電源切換装置Dは、電源装置Cと電源装置Aの出力との同期が確立していることを確認すると、切換スイッチ4を電源装置C側に切り換え操作する(図6(h)参照)。これにより、無瞬断にて給電ルートの切換えが行われ、電源装置Cの予備出力端子から電源切換装置Dを介して負荷装置Bの予備入力端子に至る仮給電ルートへの切り換えが行われる。即ち、仮配線ルートの給電元が電源装置Aから新設の電源装置Cに切り換えられ、電源装置Cから仮配線ルートを介して負荷装置Bに給電が行われる(第3の工程)。
(手順9) 次に、電源装置Aの常用遮断器A1をオフとし、無電圧にて既存の配線(既存の本配線)を撤去する(図7(i)参照)。
(手順10) 続いて、電源装置Cの常用出力端子と負荷装置Bの常用入力端子との間に、新設の本配線を無電圧にて布設する(図7(j)参照)。
(手順11) 続いて、電源装置Cの常用遮断器C1をオンにする(図7(k)参照)。ここで、電源切換装置Dは、配線(ケーブル)の相順、相回転方向、配線のいずれかを誤って接続した場合の誤切り換えを防止するための外部の位相確認用の端子(図示なし)を具備し、電源装置A,Cが接続される2つの入力と、負荷装置Bが接続される1つの出力との間の位相、電圧、周波数、相順、回転、配線を確認するための機能を有する。電源装置Cの常用遮断器C1がオンになると、電源切換装置Dは、負荷装置Bの常用入力端子と電源切換装置Dの外部位相確認用端子13に接続される計測ケーブルから得られる電力をモニタして、電源装置Cと負荷装置Bとの間で、同期、位相、相回転、相に関し、配線が全て正しく接続されていることを確認する(図7(k)に点線で示す位相確認)。
(手順12) 続いて、電源装置Cから仮配線ルートに供給される電力と、電源装置Cから新設の本配線ルートに供給される電力(上述の計測ケーブルから得られる電力)との間に同期が確立していることを確認し、負荷装置Bの常用遮断器B1をオンする(図7(l)参照)。これにより、電源装置Cの予備出力端子から電源切換装置Dを介して負荷装置Bの予備入力端子に至る仮配線ルートと、電源装置Cの常用出力端子と負荷装置Bの常用入力端子との間の新設の本配線ルートとの両方のルートから給電が行われる。要約すると、電源装置Cと負荷装置Bとの間に新設の本配線ルートが形成され、この新設の本配線ルートを介して電源装置Cから負荷装置Bに給電が行われる(第4の工程)。
(手順13) 次に、電源装置Cの予備遮断器C2および負荷装置Bの予備遮断器B2をオフさせる(図8(m)参照)。これにより、電源装置Cと負荷装置Bとの間に形成された仮配線ルートが遮断され(第5の工程)、電源装置Cの予備出力端子から電源切換装置Dを介して負荷装置Bの予備入力端子に至る仮給電ルートによる給電は停止し、電源装置Cの常用出力端子と負荷装置Bの常用入力端子との間の新設の本配線のみによる給電となる。
(手順14) この後、電源装置Aの予備遮断器A2をオフし、電源装置Aと電源切換装置Dとの間の配線、電源装置Cと電源切換装置Dとの間の配線、および電源切換装置Dと負荷装置Bとの間の配線を撤去する。(図8(n)参照)。
(手順15) そして、既設の電源装置Aおよび電源切換装置Dを撤去する(図8(o)参照)。
以上により、電源装置の切り換え作業が終了する。このような作業手順を実行することにより、負荷装置への電力供給を断つことなく、既設の電源装置Aに代えて新設の電源装置Cを設置することができる。
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、全相を通電するものとしたが、一相分の通電を行わないことで、2つの交流単相の切換機能をさらに可能とするように構成してもよい。これにより、電源装置A,Cの出力電力が単相の交流である場合にも対応することが可能となる。
また、上述の電源切換装置Dに蓄電池を内蔵し、これら電源装置A,Cのうち、いずれかもしくは両方が、予期せぬ電源トラブル若しくは断により制御機能が不能となった場合、内蔵の蓄電池にて動作して故障時の状態を記憶保持するようにしてもよい。
また、電源装置A,Cの交流電力間の同期はずれを検出する検出手段をさらに備え、この検出手段により装置の故障を検知して作業者に警報を発するように構成してもよい。
また、電源装置A,Cを切り換えるためのIGBTなどの高速スイッチング特性を有する素子から切換スイッチ4を構成すると共に、この素子を動作制御させる制御機能を具備するものとし、切換条件が確認された後、手動の操作スイッチからの指令により、負荷装置に影響を与えず無瞬断で切換え可能なように構成してもよい。このようにIGBTなどの高速スイッチング素子を用いることで、点弧/消弧回路を必要とするサイリスタ等を使用した場合に比較して構成を簡略化することができ、装置の小型化が可能となる。また、高速な切り換えが可能となるため、不特定の交流無停電電源装置に対応することも可能となる。さらに、装置を小型化して車輪などを取り付ければ、可搬性に優れた電源切換装置を得ることができる。
以上説明したように、この発明によれば、以下の効果を得ることができる。
即ち、周波数、位相、電圧、相回転方向、および相に基づき、既設の交流電源装置の出力と新設の交流電源装置の出力との間の同期を検出し、これらの出力間に同期が確立した場合に、既設の交流電源装置から新設の交流電源装置に切り換えて負荷装置側に対する給電を行わせるようにしたので、電源装置の交換作業を安全かつ確実に行うことができ、これにより作業員の負担を軽減すると共に誤接続を解消することができ、さらには負荷装置に対して安定した高信頼性のある切換作業が実現可能となる。
なお、以上説明した実施形態において、図3の制御回路5の機能又はこの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電源切換装置の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
この発明の実施の形態に係る電源切換装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置の動作(電気的条件)を説明するための図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置1の制御回路5の処理を示すフローチャートである。 この発明の実施形態に係る電源切換装置の外観図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置を用いた電源装置の切り換え作業手順を説明するための図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置を用いた電源装置の切り換え作業手順を説明するための図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置を用いた電源装置の切り換え作業手順を説明するための図である。 この発明の実施の形態に係る電源切換装置を用いた電源装置の切り換え作業手順を説明するための図である。 電源装置の従来の切り換え作業手順を説明するための図である。 電源装置の従来の切り換え作業手順を説明するための図である。
符号の説明
1・・・電源切換装置(本体)、2・・・入力部、3・・・出力部、4・・・切換スイッチ、5・・・制御回路、6・・・操作スイッチ、7・・・位相チェック回路、8・・・表示回路、9・・・遮断器、10・・・電磁接触器、11・・・入力用端子台、12・・・出力用端子台、13・・・外部計測用端子台、14・・・交流電力検出部、15、16、17・・・トランス、20・・・基準となる三相交流電源、21・・・基準となる三相交流電源のベクトル、22・・・切換可能となる三相交流電源、23・・・切換可能となる三相交流電源のベクトル、24・・・切換不可となる三相交流電源、25・・・切換不可となる三相交流電源のベクトル、30・・・設置台、31・・・電源品質アナライザ31

Claims (2)

  1. 第1の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向と、第2の交流電源装置が出力する交流電力の電圧、周波数、位相、電圧相回転方向との間に同期が確立している場合に、前記第1の交流電源装置から前記第2の交流電源装置に切り換えて負荷に交流電力を供給する電源切換装置であって、
    前記第1の交流電源装置が供給する交流電力と前記第2の交流電源装置が供給する交流電力とをそれぞれトランスを介して検出し、位相の比較を行う位相比較部に入力することを特徴とする電源切換装置。
  2. 前記第1の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値と、前記第2の交流電源装置が出力する交流電力の電圧値とが異なる場合には、警告を出力する警告出力部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電源切換装置。
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